図面 (/)

技術 蚊忌避剤

出願人 花王株式会社
発明者 仲川喬雄
出願日 2016年2月23日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2016-032134
公開日 2016年9月29日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2016-172716
状態 特許登録済
技術分野 農薬・動植物の保存
主要キーワード マグネットスタンド ビニールチューブ ワニ口クリップ 電極ホルダー マルチパネル 布帛基材 衛生学的 レモンユーカリ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

優れた忌避活性を有し且つ安全性の高い、蚊忌避剤の提供。

解決手段

2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸プロピオン酸ベンジルイソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を有効成分とする蚊忌避剤。

概要

背景

吸血されるとかゆみを覚えたり、吸血部位に発疹皮膚炎を引き起こす。特に、一部の蚊は、デング熱、ジカ熱、黄熱病脳炎マラリアなどの病原体を媒介することから、衛生学的に非常に有害な昆虫であるとされている。

蚊のような吸血昆虫は、動物体温感知する温熱センサー、味を感知する味覚受容体体臭などの揮発性物質を感知する嗅覚受容体高揮発性物質である二酸化炭素を感知する二酸化炭素受容体等の優れた化学受容ステムを保有し、多様な行動をとっている。例えば、メス蚊は、産卵前に血を求めて、動物が呼吸によって吐き出す二酸化炭素や体臭を辿って動物に近づき、温熱センサーによって体温を感知して目標の動物を探知し、吸血することが知られている。

近年、斯かる昆虫が有する化学受容システムに変化を与えて昆虫の認知感覚無力化することにより、当該昆虫を忌避する手段が考案され、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)や、p−メンタン−3,8−ジオール(PMD)といった嗅覚受容体に作用する物質が忌避剤として用いられている。
しかし、DEETには不愉快なにおいがあり、また皮膚浸透力が高いことから幼児敏感性皮膚の人に対しては使用が制限され、また持続時間も2〜3時間であると云う問題がある。

また、レモンユーカリ油、レモングラス油オレンジ油カシア油等の天然精油飛翔昆虫忌避効果があること(例えば特許文献1)等が報告されているが、それらの忌避効果は必ずしも十分であるとはいえず、その実用性に問題がある。

概要

優れた忌避活性を有し且つ安全性の高い、蚊忌避剤の提供。2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸プロピオン酸ベンジルイソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を有効成分とする蚊忌避剤。なし

目的

本発明は、蚊に対して優れた忌避効果を有し且つ安全性の高い、蚊忌避剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

二酸化炭素応答及び/又は熱受容応答を抑制することによって蚊を忌避する、請求項1記載の蚊忌避剤。

請求項3

2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を哺乳動物の皮膚に塗布する蚊忌避方法

技術分野

0001

本発明はに対して忌避活性を有する蚊忌避剤に関する。

背景技術

0002

蚊に吸血されるとかゆみを覚えたり、吸血部位に発疹皮膚炎を引き起こす。特に、一部の蚊は、デング熱、ジカ熱、黄熱病脳炎マラリアなどの病原体を媒介することから、衛生学的に非常に有害な昆虫であるとされている。

0003

蚊のような吸血昆虫は、動物体温感知する温熱センサー、味を感知する味覚受容体体臭などの揮発性物質を感知する嗅覚受容体高揮発性物質である二酸化炭素を感知する二酸化炭素受容体等の優れた化学受容ステムを保有し、多様な行動をとっている。例えば、メス蚊は、産卵前に血を求めて、動物が呼吸によって吐き出す二酸化炭素や体臭を辿って動物に近づき、温熱センサーによって体温を感知して目標の動物を探知し、吸血することが知られている。

0004

近年、斯かる昆虫が有する化学受容システムに変化を与えて昆虫の認知感覚無力化することにより、当該昆虫を忌避する手段が考案され、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)や、p−メンタン−3,8−ジオール(PMD)といった嗅覚受容体に作用する物質が忌避剤として用いられている。
しかし、DEETには不愉快なにおいがあり、また皮膚浸透力が高いことから幼児敏感性皮膚の人に対しては使用が制限され、また持続時間も2〜3時間であると云う問題がある。

0005

また、レモンユーカリ油、レモングラス油オレンジ油カシア油等の天然精油飛翔昆虫忌避効果があること(例えば特許文献1)等が報告されているが、それらの忌避効果は必ずしも十分であるとはいえず、その実用性に問題がある。

先行技術

0006

特開2002−173407号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、蚊に対して優れた忌避効果を有し且つ安全性の高い、蚊忌避剤を提供することに関する。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、蚊の二酸化炭素刺激に対する神経応答や熱受容応答を抑制する素材を探索した結果、特定の香料化合物に優れた二酸化炭素応答抑制作用及び/又は熱受容抑制作用があり、これらが蚊忌避剤として有用であることを見出した。

0009

すなわち、本発明は、以下の1)〜2)に係るものである。
1)2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸プロピオン酸ベンジルイソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を有効成分とする蚊忌避剤。
2)2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシル アセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を哺乳動物の皮膚に塗布する蚊の忌避方法

発明の効果

0010

本発明によれば、DEETやPMDといった汎用されている忌避剤とはメカニズムが異なる、安全性の高い蚊忌避剤を提供することができる。

0011

本発明の2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール(以下「本発明の化合物」とも称する)は、何れも香料として知られている化合物であり、以下のとおり市販されている。
・o−tert−ブチルシクロヘキシル アセテート:花王社
・2−メチル酪酸:東京化成工業社
・プロピオン酸ベンジル:東京化成工業社
・イソ酪酸2−フェニルエチル:東京化成工業社
・3−フェニルプロパナール:東京化成工業社
・2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール:東京化成工業社
・2−イソプロピル−4−メチルチアゾール:シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社
本発明において、斯かる化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。

0012

この内、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸及びプロピオン酸ベンジルは、二酸化炭素応答に対してより優れた抑制作用を示し、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールは、熱受容応答に対してより優れた抑制作用を示す。

0013

本発明において、対象となる蚊としては、二酸化炭素受容応答システムや熱受容システムを備えたものであれば特に限定されず、オス、メスの何れでもよい。例えば、アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイシマカヒトスジシマカシナハマダラカ等が挙げられ、このうち、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカが好ましい。

0014

後記実施例に示すように、本発明の化合物は、少なくともヒトスジシマカの二酸化炭素応答を神経レベルで抑制するか、或いは熱受容システムを抑制し、蚊の人体への誘引行動を抑制する。したがって、本発明の化合物は、蚊忌避剤となり得、また、蚊忌避剤を製造するために使用することができる。すなわち、本発明の化合物は、蚊忌避のために使用することができる。
ここで、「蚊忌避」とは、蚊を対象物へ寄せ付けないこと、或いは蚊が対象物へ寄り付かないことを意味し、昆虫に対して殺虫力を有し、昆虫を駆除するものとは異なる。
また、「二酸化炭素応答抑制」とは、蚊が有する二酸化炭素受容応答を無力化又は低減化して、二酸化炭素に対する認知感覚を制御し、二酸化炭素源への誘引行動を抑制することを意味する。また、「熱受容応答抑制」或いは「熱受容抑制」とは、蚊が有する熱受容応答を無力化又は低減化して、熱源に対する認知感覚を抑制し、熱源への誘引行動を抑制することを意味する。
尚、昆虫の二酸化炭素応答は、公知の単一感覚毛記録法(Nature 461, 277-281 (10 September 2009))を用いて、電極を感覚毛に刺入後、二酸化炭素刺激に対する神経発火パターンを確認することにより測定することができる。また、熱受容はプレートヒーターのような熱源を配置したケージの中に蚊を放ち、熱源へ誘引された蚊の数を計測することにより測定することができる。

0015

本発明の蚊忌避剤は、人を始めとする哺乳動物の皮膚に塗布する、当該皮膚に直接又は間接的に接触する服、付随品等アパレル物品に付着又は保持させる、あるいは室内、車内等の一定の空間に散布蒸散又は揮散させる場合を含む)する等の手段によって、蚊を忌避することが可能であり、使用態様に応じて、適宜溶剤や各種製剤添加物等の他の成分を配合し、組成物として製剤化することができる。また、本発明の蚊忌避剤は、皮膚外用剤洗浄剤皮膚化粧料毛髪化粧料繊維用柔軟剤布帛処理剤等に蚊忌避活性を付与するための素材として使用するものであってもよい。

0016

上記組成物における本発明化合物の配合量は、製剤形態によっても異なるが、組成物全量に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、且つ好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であるか、又は好ましくは0.001〜80質量%、より好ましくは0.01〜40質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。

0017

溶剤や添加物の種類は、蚊忌避剤の使用形態や使用目的に応じて適宜選択できるが、溶剤としては、例えば、メタノールエタノールプロパノール等の低級アルコールや水等が挙げられる。
また、添加物としては、種々の化成品化粧品等に一般に用いられる添加物が挙げられ、具体的には、界面活性剤有機溶媒、油性成分、保湿剤粉体可溶化剤増粘剤樹脂、洗浄剤、防腐剤紫外線吸収剤無機物、香料、色素消臭剤精油薬剤植物抽出物、その他の忌避剤等が挙げられる。

0018

本発明の蚊忌避剤の製剤形態は、使用態様に応じて適宜設定すればよく、液体クリームローション乳液ゲル軟膏剤粉末顆粒噴霧若しくはエアゾールスプレー等のいずれであってもよい。

0019

本発明の蚊忌避剤を一定の空間に散布する場合には、好適には蚊忌避剤を担体に保持又は溶剤に溶解させて吸液芯を有する容器充填し加熱又は送風蒸散させること、又は蚊忌避剤を担体に保持させ、空間に常温蒸散させる手段を採用できる。この場合、蚊忌避剤を担持させる担体材料としては、例えば、パルプ、綿、羊毛等の天然繊維ポリプロピレンポリエチレンポリアミドポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリサルフォンレーヨンメタアクリル酸樹脂、ガラス繊維等の合成繊維ゼオライトタルクホワイトカーボン珪藻土石灰シリカゲル活性炭等の多孔質が挙げられる。

0020

また、本発明の蚊忌避剤をアパレル物品に付着又は保持させる方法としては、蚊忌避剤を対象物品に塗布する他、蚊忌避剤を繊維用柔軟剤に配合し、柔軟剤処理時に付着又は保持させること、或いは各種布帛基材を蚊忌避剤で予め処理し、蚊忌避活性が付与された当該布帛基材を使用して対象物品を製造すること等が挙げられる。

0021

上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を有効成分とする蚊忌避剤。
<2>蚊の二酸化炭素応答及び/又は熱受容応答を抑制することにより蚊を忌避する<1>の蚊忌避剤。
<3>2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシル アセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を哺乳動物の皮膚に塗布する蚊忌避方法。

0022

<4>蚊忌避剤を製造するための、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上の使用。
<5>蚊を忌避するための、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシル アセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上の化合物の使用。
<6>組成物中における前記有効成分の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、且つ好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であるか、又は好ましくは0.001〜80質量%、より好ましくは0.01〜40質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である、<1>又は<2>の蚊忌避剤。
<7>2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシル アセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を皮膚に直接又は間接的に接触するアパレル物品に付着又は保持させる、蚊忌避方法。
<8>2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシル アセテート、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を室内、車内等の一定の空間に散布する、蚊忌避方法。
<9>2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、2−メチル酪酸、及びプロピオン酸ベンジルから選ばれる1種以上を有効成分とする蚊の二酸化炭素応答抑制剤。
<10>イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オールから選ばれる1種以上を有効成分とする蚊の熱受容抑制剤

0023

実施例1二酸化炭素応答抑制効果の評価
(1)ヒトスジシマカの準備
ヒトスジシマカは、住友テクサービス株式会社より購入した成長させたものを使用した。透明なプラスチックパンに水を1cm程度張り、卵が産み付けられているろ紙を入れた。毎日幼虫として、熱帯エサテトラミン)を与えた。約1週間後、スポイト回収し、20mL用プラスチックカップに移し、網を張ったケージに移した。成虫用の餌として、10質量%スクロースを25mLプラスチックチューブに入れたものを与えた。羽化後、5日間オスとメスを同じケージで飼育することで交尾を行わせた。飼育5日後、成虫を吸虫管を用いて集め、上で5分間麻酔後に、目視下でオスとメスを分け、メスのみを回収した。メス蚊は麻酔下で、羽・肢を取り除き、スライドグラス上に貼り付けた両面テープに背中部押し付けることで固定し、電極がアクセスしやすい位置に触角小顎髭を配置した。

0024

(2)神経応答記録用電極の準備
1Mol/L水酸化カリウム水溶液を50mLシリンジ注入し、シリンジをクランプマグネットスタンドに水平に固定した。電極ホルダーに固定したタングステンワイヤーを水平方向からシリンジの中へと挿入し、顕微鏡下で観察しながら電気分解により、研磨を行なった。交流電源からワニ口クリップで、電極ホルダー、シリンジへと電流を供給した。

0025

(3)神経応答記録
スライドグラス上に準備したヒトスジシマカを顕微鏡下に置き、×10対物レンズで触角が視野の中心部に来るように位置を調節した。基準電極を昆虫の目に刺入した。匂い刺激用のピペットを小顎髭の近くに設置し、対物レンズを×100へと変換した。記録電極を感覚毛に近づけ、微動マニュピレーターを用いて慎重に感覚毛に刺入した。ヒトスジシマカの二酸化炭素感受性の感覚毛は、ペグ状の形状を持つことが顕微鏡下で確認できる。電極を感覚毛に刺入後、自発的な神経発火パターンを確認した。神経発火は、挿入した電極を10xACプローブ(SYNTECH)に接続し、IDAC-4アンプ(SYNTECH)につなぎ計測した。0.1%濃度に調整した二酸化炭素をシリコンチューブで匂い刺激装置につなぎ、小顎髭を1秒間刺激し、二酸化炭素応答を確認した。

0026

(4)二酸化炭素応答抑制効果の評価
試料は、表1に示す香料を、パラフィンオイルを用いて濃度1体積%に調整したものを使用した。試料をフィルターペーパー(3mm×50mm)上に15μL滴下し、パスツールピペット内に挿入した。ビニールチューブを用いて、パスツールピペットと刺激装置を接続し、空気中の二酸化炭素への応答をモニターしながら、1秒間の匂い刺激を行い、二酸化炭素への応答抑制効果を評価した。応答抑制効果は、溶媒であるパラフィンオイルで刺激後1秒間の神経の発火数、それぞれの試料で刺激後1秒間の神経の発火数を計測し、その比率による評価を行った(N=1)。
(数1)
抑制率(%)=100×([パラフィンオイル刺激後の発火数−試料刺激後の発火数]/[パラフィンオイル刺激後の発火数])
結果を表2に示す。本発明の化合物(2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−メチル酪酸及びプロピオン酸ベンジル)は、ヒトスジシマカの二酸化炭素応答を神経レベルで抑制した。

0027

0028

実施例2 熱受容抑制効果の評価
(1)ヒトスジシマカの準備
ヒトスジシマカは、住友テクノサービス株式会社より購入した卵を成長させたものを使用した。透明なプラスチックパンに水を1cm程度張り、卵が産み付けられているろ紙を入れた。毎日、幼虫用餌として、熱帯魚用エサ(テトラミン)を与えた。約1週間後、蛹をスポイトで回収し、20mL用プラスチックカップに移し、網を張ったケージに移した。成虫用の餌として、10質量%スクロースを25mLプラスチックチューブに入れたものを与えた。羽化後、5日間オスとメスを同じケージで飼育することで交尾を行わせた。飼育5日後、成虫を吸虫管を用いて集め、氷上で5分間麻酔後に、目視下でオスとメスを分け、メスのみを回収した。

0029

(2)熱源への誘引行動抑制効果の評価
約150−200匹のメスヒトスジシマカをプラスチックケージ(30×30×30cm)に移した。メス蚊の行動をケージの上部からモニターするため、プラスチックケージの上面を透明なアクリル板取り換えた。また、熱源となるプレートヒーター(小動物用マルチパネルヒーター16W ビバリア製)はケージの一隅に5×3cm露出するように、メッシュの外側から配置した。上面から熱源が撮影できるように上部にビデオカメラ(ソニー製)を配置し、実験を行った。熱源に両面テープを用いて、試料塗布用シートを固定した。
表1に示す香料をエタノールを用いて濃度0.1体積%に調整したものを試料とし、当該試料あるいは溶媒エタノール50μL投与して実験を行った。メス蚊の活性化のため、二酸化炭素1体積%を上部から1秒間投与し、その後、熱源をケージに接触させた。30秒間接触後の熱源を写真に撮り、誘引された蚊の数を数えた。アッセイが一度終了するたびに熱源に使用したシートは廃棄し、新たなシートを使用した。また、蚊への試料の影響を考え、一つのケージで行う評価は最大で(7試料+1コントロール)とした。抑制効果は、同じアッセイ(7試料+1コントロール)内でエタノール溶媒のみを塗布した場合の降着数と比較して、下記式により抑制率を計算した。
(数2)
抑制率(%)=100×(1−[試料塗布時の降着数]/[エタノール塗布時の降着数])

0030

結果を表2に示す。本発明の化合物(イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール)は、ヒトスジシマカの熱源への誘引行動を抑制し、熱受容応答を抑制すると考えられる。

実施例

0031

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ