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技術 鋼帯の冷間圧延設備および製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 植野雅康木村幸雄
出願日 2015年3月17日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-053427
公開日 2016年9月29日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-172268
状態 特許登録済
技術分野 巻取り、巻戻し、材料蓄積装置
主要キーワード パスラインロール 幅方向張力 座屈応力 大ロール バレル端 断面弧状 凹ロール 外径分布
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月29日)のものです。
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図面 (6)

課題

熱延鋼帯冷間圧延によって極薄鋼帯(箔)に仕上げるに際して、鋼帯のしわの発生を的確に防止することができる鋼帯の冷間圧延設備および製造方法を提供する。

解決手段

鋼帯の冷間圧延を行う冷間圧延機と、冷間圧延された鋼帯を巻き取るテンションリールと、前記冷間圧延機と前記のテンションリールの間に設置され、鋼帯のしわの発生を防止するしわ抑制ロールとを備え、前記しわ抑制ロールが、鋼帯に接触する円筒状のスリーブと、前記スリーブの外径幅方向分布を変更して、当該しわ抑制ロールの幅方向ロールプロフィルを変更するロールプロフィル変更機構とを有していることを特徴とする鋼帯の冷間圧延設備。

概要

背景

ステンレス箔などの極薄鋼帯は、一般に、被圧延材熱間圧延機によって板厚を2.0〜5.0mm程度の熱延鋼帯にした後、その熱延鋼帯を冷間圧延機にて目標の板厚(例えば、0.1mm以下)まで圧延して製造される。

このような極薄鋼帯を製造するための冷間圧延では、通常、ロール径が小さなゼンジミア圧延機クラスター圧延機などの多段式リバース圧延機が用いられる。

図1は、一般的なゼンジミア圧延機の設備構成を示したものである。圧延機1の片側に設けられたテンションリール2aに装着されたコイル3から巻き戻された鋼帯4は、デフレクターロール5aを介して圧延・通板され、引き続き反対側に設けられているデフレクターロール5bを介して、テンションリール2bに巻き取られる作業が行われて、1回の圧延通板が終了する。そして、設備圧延荷重制約などで目標の板厚までの圧延が実施できない場合には、圧延方向を逆転し、再度圧延作業を行う。

このとき、鋼帯4にはユニット張力として、10〜70kgf/mm2程度の張力が付与されるが、鋼帯4の板幅方向にはユニット張力にポアソン比を乗じた値に相当する圧縮応力が作用する。この圧縮応力が大きく、すなわち張力が高く、かつ鋼帯4の板厚が薄く、板幅が広くなればなるほど、鋼帯4は板幅方向に座屈が生じやすくなる。

すなわち、一般的に、圧延された鋼帯4は板幅中央の板厚に比べて、板幅端部の板厚が薄くなるため、鋼帯4をテンションリール2bに巻き取ってゆくと、巻取り重量巻き数)の増加に伴い、コイルは板幅中央の外径が板幅端部の外径より大きくなっていく。そのため、コイルに巻取られる直前の鋼帯4部分では、コイル外径が大きくなっている板幅中央付近に大きな張力が作用し、図2に示すような張力分布が生じる。このとき、板幅中央に作用する張力は巻き数が多くなるほど大きくなり、張力によって作用する板幅方向の圧縮応力が鋼帯4の座屈応力以上になった場合、鋼帯4が板幅方向に座屈して、板幅中央部にしわが発生する。しわが発生した場合には、コイルを切断し、再度コイル径が小さい状態から圧延を行う必要があり、生産性歩留りを大きく悪化させる。

なお、圧延された鋼帯4において、板幅中央の板厚に比べて、板幅端部の板厚が厚くなる場合は、コイルは板幅中央の外径より板幅端部の外径が大きくなり、板幅端部に作用する張力が大きくなって、板幅端部に座屈による疵が発生する可能性がある。ここでは、この板幅端部の座屈による疵もしわに含めることにする。

上記のようなしわの発生を防止する技術としては、例えば、特許文献1〜3に開示された方法がある。

概要

熱延鋼帯を冷間圧延によって極薄鋼帯(箔)に仕上げるに際して、鋼帯のしわの発生を的確に防止することができる鋼帯の冷間圧延設備および製造方法を提供する。鋼帯の冷間圧延を行う冷間圧延機と、冷間圧延された鋼帯を巻き取るテンションリールと、前記冷間圧延機と前記のテンションリールの間に設置され、鋼帯のしわの発生を防止するしわ抑制ロールとを備え、前記しわ抑制ロールが、鋼帯に接触する円筒状のスリーブと、前記スリーブの外径の幅方向分布を変更して、当該しわ抑制ロールの幅方向ロールプロフィルを変更するロールプロフィル変更機構とを有していることを特徴とする鋼帯の冷間圧延設備。

目的

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、熱延鋼帯を冷間圧延によって極薄鋼帯に仕上げるに際して、極薄鋼帯のしわの発生を的確に防止することができる鋼帯の冷間圧延設備および製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

鋼帯冷間圧延を行う冷間圧延機と、冷間圧延された鋼帯を巻き取るテンションリールと、前記冷間圧延機と前記のテンションリールの間に設置され、鋼帯のしわの発生を防止するしわ抑制ロールとを備え、前記しわ抑制ロールが、鋼帯に接触する円筒状のスリーブと、前記スリーブの外径幅方向分布を変更して、当該しわ抑制ロールの幅方向ロールプロフィルを変更するロールプロフィル変更機構とを有していることを特徴とする鋼帯の冷間圧延設備

請求項2

請求項1に記載の鋼帯の冷間圧延設備を用いた鋼帯の製造方法であって、鋼帯の熱間圧延時の幅方向の板厚分布を測定し、該板厚分布の測定結果に基づき、冷間圧延時の巻取り張力板幅方向分布を算出し、該算出結果に基づき、巻取り時の板幅方向の張力分布が均一化するように、前記ロールプロフィル変更機構によって前記しわ抑制ロールの幅方向のロールプロフィルを変更することを特徴とする鋼帯の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鋼帯冷間圧延設備および製造方法に関し、特に熱延鋼帯冷間圧延によって極薄鋼帯(箔)に仕上げる鋼帯の冷間圧延設備および製造方法に関する。

背景技術

0002

ステンレス箔などの極薄鋼帯は、一般に、被圧延材熱間圧延機によって板厚を2.0〜5.0mm程度の熱延鋼帯にした後、その熱延鋼帯を冷間圧延機にて目標の板厚(例えば、0.1mm以下)まで圧延して製造される。

0003

このような極薄鋼帯を製造するための冷間圧延では、通常、ロール径が小さなゼンジミア圧延機クラスター圧延機などの多段式リバース圧延機が用いられる。

0004

図1は、一般的なゼンジミア圧延機の設備構成を示したものである。圧延機1の片側に設けられたテンションリール2aに装着されたコイル3から巻き戻された鋼帯4は、デフレクターロール5aを介して圧延・通板され、引き続き反対側に設けられているデフレクターロール5bを介して、テンションリール2bに巻き取られる作業が行われて、1回の圧延通板が終了する。そして、設備圧延荷重制約などで目標の板厚までの圧延が実施できない場合には、圧延方向を逆転し、再度圧延作業を行う。

0005

このとき、鋼帯4にはユニット張力として、10〜70kgf/mm2程度の張力が付与されるが、鋼帯4の板幅方向にはユニット張力にポアソン比を乗じた値に相当する圧縮応力が作用する。この圧縮応力が大きく、すなわち張力が高く、かつ鋼帯4の板厚が薄く、板幅が広くなればなるほど、鋼帯4は板幅方向に座屈が生じやすくなる。

0006

すなわち、一般的に、圧延された鋼帯4は板幅中央の板厚に比べて、板幅端部の板厚が薄くなるため、鋼帯4をテンションリール2bに巻き取ってゆくと、巻取り重量巻き数)の増加に伴い、コイルは板幅中央の外径が板幅端部の外径より大きくなっていく。そのため、コイルに巻取られる直前の鋼帯4部分では、コイル外径が大きくなっている板幅中央付近に大きな張力が作用し、図2に示すような張力分布が生じる。このとき、板幅中央に作用する張力は巻き数が多くなるほど大きくなり、張力によって作用する板幅方向の圧縮応力が鋼帯4の座屈応力以上になった場合、鋼帯4が板幅方向に座屈して、板幅中央部にしわが発生する。しわが発生した場合には、コイルを切断し、再度コイル径が小さい状態から圧延を行う必要があり、生産性歩留りを大きく悪化させる。

0007

なお、圧延された鋼帯4において、板幅中央の板厚に比べて、板幅端部の板厚が厚くなる場合は、コイルは板幅中央の外径より板幅端部の外径が大きくなり、板幅端部に作用する張力が大きくなって、板幅端部に座屈による疵が発生する可能性がある。ここでは、この板幅端部の座屈による疵もしわに含めることにする。

0008

上記のようなしわの発生を防止する技術としては、例えば、特許文献1〜3に開示された方法がある。

先行技術

0009

特開平4−294813号公報
特開平6−63606号公報
特開2001−239303号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上述した特許文献1〜3に開示された方法では、特に、広幅で板厚0.1mm以下の極薄鋼帯の圧延において、しわの発生を完全に抑制するには不十分である。

0011

すなわち、特許文献1に開示されている方法は、通板中の極薄鋼帯に発生する座屈を防止するために、幅中央から対称に端部に行くに従って径を順次増大せしめられる断面弧状の凹部を有する形状のロール凹ロール)を押し込むことによって、鋼帯中央部に作用する張力を小さくする効果とロールとの接触による拘束効果によってしわの発生を防止する方法である。

0012

しかし、この方法では、凹ロールのロール径の幅方向変化(ロール軸方向変化)が、鋼帯の板クラウン(=(板幅中央の板厚)−(板幅端部の板厚))によって生じる張力分布を小さくするように、上手に凹ロールを設定できている場合は問題ないが、鋼帯の板クラウンに対して凹ロールの設定がずれた場合には、十分な効果を得ることができない。実際には、冷間圧延の圧延素材となる熱延鋼帯の板クラウンは、熱延条件によって大きく変動するため、特許文献1に開示されている方法では、その板クラウンの変動に対応することができない。

0013

また、特許文献2に開示されている方法は、コイル巻取り時の張力分布の発生原因となる熱延鋼帯の板クラウンを小さくし、板クラウン比率(=(板クラウン)/(板幅中央の板厚)×100)を0.1〜0.7%の範囲に制御することで、しわの発生を抑制する方法である。

0014

しかし、熱延鋼帯の板クラウンは一般的に熱延条件によって大きく変動し、また小さな板クラウン比率を狙った場合には、熱延仕上げ圧延機内での通板性が悪くなるといった問題があるため、実用的に安定的に全熱延鋼帯の板クラウン比率を0.1〜0.7%の範囲に制御することは困難である。

0015

また、特許文献3に開示されている方法は、鋼帯のしわを防止するために、しわが発生しない板幅をあらかじめ算出しておき、その板幅以下の圧延を行うものである。

0016

しかし、これでは広幅材の圧延は困難であり、製造可能な製品寸法に制約が生じる。

0017

本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、熱延鋼帯を冷間圧延によって極薄鋼帯に仕上げるに際して、極薄鋼帯のしわの発生を的確に防止することができる鋼帯の冷間圧延設備および製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0018

上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。

0019

[1]鋼帯の冷間圧延を行う冷間圧延機と、冷間圧延された鋼帯を巻き取るテンションリールと、前記冷間圧延機と前記のテンションリールの間に設置され、鋼帯のしわの発生を防止するしわ抑制ロールとを備え、前記しわ抑制ロールが、鋼帯に接触する円筒状のスリーブと、前記スリーブの外径の幅方向分布を変更して、当該しわ抑制ロールの幅方向のロールプロフィルを変更するロールプロフィル変更機構とを有していることを特徴とする鋼帯の冷間圧延設備。

0020

[2]前記[1]に記載の鋼帯の冷間圧延設備を用いた鋼帯の製造方法であって、鋼帯の熱間圧延時の幅方向の板厚分布を測定し、該板厚分布の測定結果に基づき、冷間圧延時の巻取り張力の板幅方向分布を算出し、該算出結果に基づき、巻取り時の板幅方向の張力分布が均一化するように、前記ロールプロフィル変更機構によって前記しわ抑制ロールの幅方向のロールプロフィルを変更することを特徴とする鋼帯の製造方法。

発明の効果

0021

本発明によれば、熱延鋼帯を冷間圧延によって極薄鋼帯に仕上げるに際して、極薄鋼帯のしわの発生を的確に防止することができる。その結果、極薄鋼帯の製造工程において、生産性や歩留りを大きく向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0022

一般的なゼンジミア圧延機の設備構成を示した図である。
コイル巻取り時の幅方向張力分布を示した図である。
本発明の一実施形態の設備構成を示した図である。
本発明の一実施形態におけるしわ抑制ロールの構造を示したものである。
コイル重量および板クラウン比率による巻取り時の最大張力の変化を示した図である。

0023

本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。

0024

図3は本発明の一実施形態である冷間圧延設備の模式図である。図3において、冷間圧延機1の片側に設けられたテンションリール2aに装着されたコイル3から巻き戻された鋼帯4は、デフレクターロール5aを介して圧延・通板され、引き続き反対側に設けられているデフレクターロール5bを介して、テンションリール2bに巻き取られる作業が行われて1回の圧延通板が終了する。

0025

このとき、テンションリール2aとデフレクターロール5aの間のテンションリール2aに近接した位置に、しわ抑制ロール6aとパスラインロール7aが配置され、同様に、テンションリール2bとデフレクターロール5bの間のテンションリール2bに近接した位置に、しわ抑制ロール6bとパスラインロール7bが配置される。しわ抑制ロール6aは通板ラインから鋼帯4を押し込みことによって、テンションリール2aとパスラインロール7a間の鋼帯4に曲げ変形を付与し、しわ抑制ロール6bは通板ラインから鋼帯4を押し込みことによって、テンションリール2bとパスラインロール7b間の鋼帯4に曲げ変形を付与する。これによって、しわ抑制ロール6a、6bと鋼帯4の摩擦力による拘束効果も加えて、鋼帯4の耐座屈性を向上させて、しわの発生を抑制する。

0026

その上で、この実施形態における最大の特徴は、しわ抑制ロール6a、6bの構造にある。

0027

図4は、しわ抑制ロール6a、6bの構造を詳細に示したものである。しわ抑制ロール6a、6bは、鋼帯4に接触するスリーブ8と、軸芯となるアーバ9と、ロータリージョイント10を備えており、スリーブ8はアーバ9に焼嵌等で固定され、ロータリージョイント10はアーバ9端に設置される。スリーブ8とアーバ9の間には円筒状の油圧室11が設けてあり、アーバの中心部には油道12があって油圧室11へと繋がっている。高圧油油圧装置13から油道12を通して油圧室11へと導かれ、スリーブ8の中央部を拡径する。

0028

これによって、しわ抑制ロール6a、6bは、油圧室11内の油圧力を変更することで、スリーブ8の幅方向(ロール軸方法)の外径分布が変更されて、幅方向のロールプロフィルを瞬時に変更することが可能となる。このとき、あらかじめロールプロフィルを幅中央のロール径が幅端部のロール径より小さい凹形状のロールプロフィルとしておくことで、油圧室11内の油圧力を変更することにより、ロールプロフィルを凹形状から凸形状まで変更することが可能となる。

0029

しわ抑制ロール6aのロールプロフィルが変化すると、テンションリール2aとしわ抑制ロール6aまでの距離が板幅方向で変化し、その結果、鋼帯4に作用する張力の幅方向分布が変化する。同様に、しわ抑制ロール6bのロールプロフィルが変化すると、テンションリール2bとしわ抑制ロール6bまでの距離が板幅方向で変化し、その結果、鋼帯4に作用する張力の幅方向分布が変化する。

0030

例えば、しわ抑制ロール6aのプロフィルを凹形状した場合、テンションリール2aとしわ抑制ロール6a上で鋼帯4が接触している位置の距離は幅端部ほど長くなり、鋼帯4には板幅端部に大きな張力が作用することになる。同様に、しわ抑制ロール6bのプロフィルを凹形状した場合、テンションリール2bとしわ抑制ロール6b上で鋼帯4が接触している位置の距離は幅端部ほど長くなり、鋼帯4には板幅端部に大きな張力が作用することになる。

0031

したがって、板クラウンによって板幅中央部のコイル径が大きくなり、板幅中央部に大きな張力が作用した場合には、上記のようなしわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを制御することによって、板幅中央に大きな張力が作用することを防ぐことができる。

0032

なお、しわ抑制ロール6a、6bのプロフィルを凸形状した場合は、板幅端部に大きな張力が作用することを防ぐことができる。

0033

また、この実施形態では、しわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを油圧力の制御によって、ロール交換することなく、任意に変更できることも大きな特徴である。

0034

前述したように、しわの発生原因となる熱延鋼帯の板クラウンは熱延条件によって変動するが、この実施形態では、その変動に対応してしわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを変更することによって、安定的にしわ発生を防止することができる。

0035

具体的には、あらかじめ熱延鋼帯の板クラウン比率を測定し、その測定実績に基づき、冷間圧延でのコイルの巻戻し時および巻取り時におけるしわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを制御する。すなわち、以下の如くである。

0036

まず、熱延鋼帯の板クウラン比率を熱延仕上げ圧延機出側に設置されたγ線もしくはX線を用いた板厚計で測定する。通常は、鋼帯長手方向の複数点の測定を行うので、その平均値代表値として用いる。

0037

次に、測定された板クラウン比率を有する熱延鋼帯が冷間圧延されたときの、コイル重量に対する鋼帯4に作用する巻戻し張力の板幅方向での最大値および巻取り張力の板幅方向での最大値を弾性解析で算出する。図5は板クラウン比率ならびにコイル重量の変化に対する、巻取り張力の最大値の計算結果の一例を示したものである。板クラウン比率が大きいほど、小さなコイル重量で大きな巻取り張力が作用して、しわが発生し易くなることが分かる。

0038

次に、巻戻し時の板幅方向の張力分布および巻取り時の板幅方向の張力分布を均一にするために、板クラウンによって生じるコイル幅方向の外径差に比例したロールプロフィル(幅方向のロール径差)をしわ抑制ロール6a、6bに与える油圧力を弾性解析で算出して、圧延中にしわ抑制ロール6a、6bに与える油圧力を制御する。

0039

なお、上記の「板幅方向の張力分布を均一にする」とは、「板幅方向の張力分布の最大値にボアソン比を乗じて得られる圧縮応力が、鋼帯4の座屈限界応力未満になるようにする」という意味である。ちなみに、鋼帯4の座屈限界応力は、弾性力学における平板の座屈限界応力の計算式によって算出することができる。

0040

これによって、しわの発生を抑制でき、安定的に極薄鋼帯を製造することが可能となる。

0041

したがって、前記特許文献1〜3に開示された方法では、熱延鋼帯の板クラウン変動に的確には対応できないのに対して、この実施形態では、その課題を克服することができる。

0042

なお、この実施形態では、しわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを変更するロールプロフィル変更機構として、油圧機構を用いているが、機械的な機構を用いてもよい。例えば、スリーブ8とアーバ9の間にテーパピストンを挿入し、その挿入位置を調整することで、しわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを変更するようにしてもよい。

0043

本発明の有効性を確認するために、図3に示した冷間圧延設備を用いて、18質量%のCrおよび3質量%のAlを含有するステンレス鋼の冷間圧延を行った。

0044

圧延素材となる熱延鋼帯は板厚1.8mm、板幅1000mm、重量13トンのコイルである。冷間圧延機はワークロール径φ70mmの20段式ゼンジミア圧延機であり、複数パスの圧延で最終仕上げ板厚を100μmおよび50μmとする冷間圧延を行った。圧延時の入側張力(巻戻し張力の平均値)は30kgf/mm2(294N/mm2)、出側張力(巻取り張力の平均値)は40kgf/mm2(392N/mm2)とした。

0045

まず、従来例として、図4に示したしわ抑制ロール6a、6bに替えて、前記特許文献1に開示された凹ロールを設置した。凹ロールの最大ロール径(バレル端部の外径)はφ200mm、バレル長さは1300mmで、ロールバレル中央とバレル端部の外径差の最大ロール径に対する比率を0.03とした。そして、板クラウン比率の異なる複数の熱延鋼帯(コイル)を圧延し、それぞれについて、しわが発生するまでのコイル重量を調査した。

0046

次に、本発明例として、上記の凹ロールに替えて、図4に示したしわ抑制ロール6a、6bを設置した。しわ抑制ロール6a、6bは、ロール径はφ200mm、バレル長さは1300mmである。そして、圧延素材(熱延鋼帯)の板クラウン比率に応じて、しわ抑制ロール6a、6bのロールプロフィルを油圧力によって制御して、巻戻し時の板幅方向の張力分布および巻取り時の板幅方向の張力分布が均一となるようにしながら、板クラウン比率の異なる複数の熱延鋼帯(コイル)を圧延し、それぞれについて、しわが発生するまでのコイル重量を調査した。

0047

表1に、圧延素材(熱延鋼帯)の板クラウン比率と、しわが発生するまでに巻き取られたコイル重量の調査結果を示す。

0048

従来例では、熱延鋼帯の板クラウン比率が大きくなるにつれて、小さなコイル重量でしわが発生するようになるのが分かる。また、仕上げ板厚が薄くなるほど、しわが発生するコイル重量は小さくなり、薄物材ほど生産性や歩留りが低下してしまう。

0049

一方、本発明例では、全てのコイルにおいて、圧延素材(熱延鋼帯)のコイル重量まで圧延しても、しわが発生しなかった。

0050

これによって、本発明が極めて有効であることが分かる。

0051

実施例

0052

以上説明したように、本発明においては、極薄鋼帯の冷間圧延で問題となっていたしわの発生を抑制することができ、極薄鋼帯の冷間圧延の生産性や製品歩留りを大きく向上することが可能となる。

0053

1冷間圧延機
2a、2bテンションリール
3コイル
4鋼帯
5a、5bデフレクターロール
6a、6bしわ抑制ロール
7a、7bパスラインロール
8スリーブ
9アーバ
10ロータリージョイント
11油圧室
12油道
13 油圧装置

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