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図面 (20)

課題

非対称性干渉RNAの組成物およびその使用の提供。

解決手段

本発明は、配列特異的遺伝子サインレンシングを実施することが可能な、非対称性二重鎖RNA分子を提供する。該RNA分子は、第1鎖および第2鎖を含む。該第1鎖は該第2鎖よりも長い。該RNA分子は、該第1鎖および該第2鎖により形成される二本鎖領域と、5’突出、3’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される2つの末端とを含む。本発明のRNA分子は、研究用ツールおよび/または治療薬として用いることができる。

概要

背景

分子または短鎖干渉RNA(siRNA)を用いるRNAi(RNA干渉)による遺伝子サイレンシングは、分子生物学の強力なツールとして出現し、治療目的に用いられる潜在力を保持している(de Fougerollesら、2007年;KimおよびRossi、2007年)。

理論的には、RNAiを用いて、任意の疾患遺伝子を特異的かつ強力にノックダウンまたはサイレンシングすることができる。疾患原因遺伝子が同定される場合、治療目的に対するRNAiの可能な適用は広範にわたり、遺伝疾患、エピジェネティック疾患、および感染性疾患を含む。

しかし、顕著な送達の問題以外に、RNAiベース薬剤の開発は、siRNAの限られた効力インターフェロン様反応およびセンス鎖を介するオフターゲット遺伝子のサイレンシングなど、siRNAの非特異的な効果、ならびにsiRNA合成の法外であるかまたは高額の経費といった難題に直面している。siRNAによる遺伝子サイレンシングの効力は、哺乳動物細胞内の大半の遺伝子について、約50%以下に限られている。これらの分子の製造は高価(アンチセンスデオキシヌクレオチドの製造よりもはるかに高価)であり、不十分であり、化学修飾を必要とする。最後に、合成siRNAの細胞外投与がインターフェロン様反応を誘発しうるという観察により、RNAiベースの研究およびRNAiベースの治療薬開発に対する障壁がさらに重大なものとなっている。

RNAiは、合成短鎖干渉RNA(siRNA)またはリボヌクレアーゼII様酵素であるDicerにより後にsiRNAへと切断される短鎖ヘアピンRNA(shRNA)をコードする遺伝子エレメントにより選択的に誘発される。遺伝子サイレンシングの生化学機構は、未だ完全には理解されているわけではないが、マルチタンパク質RNA誘導サイレンシング複合体RISC)を伴うと考えられる。RISCは、アンチセンスのsiRNA鎖に結合し、これを巻き戻し、組込み、次いで、完全に相補的mRNAを認識し標的にしてこれを切断し、これにより、遺伝子発現を低下させる。強力な遺伝子サイレンシング(1〜10日間)は、RISC複合体の触媒特性に起因する。RNAiの威力は、達成されうる絶妙な特異性から生じる。しかし、オフターゲットのRNAi効果が生じることが知られている。別の主要な副作用は、siRNAによるインターフェロン様反応の活性化であり、これは、dsRNA依存性タンパク質キナーゼPKR)およびToll様受容体TLR)により媒介される。siRNAがインターフェロン様反応を誘導する能力は、おもに、その長さにより決定される(同上)。

哺乳動物細胞における遺伝子サイレンシングの場合、当技術分野の教示によれば、哺乳動物細胞内において有効であり、細胞生来の「抗ウイルス」反応を回避するsiRNA構造は、19〜21ヌクレオチドの長さと両末端における3’突出とを有する、対称二本鎖RNAである(同上)。その分野では、この「最適な」構造でもなおインターフェロン応答を誘発し、RNAiベースの研究およびRNAiベースの治療薬の開発に対して重大な難題を提起しうることがいまや十分に確立されている(Sledzら、2003年)。

概要

非対称性干渉RNAの組成物およびその使用の提供。本発明は、配列特異的遺伝子サインレンシングを実施することが可能な、非対称性二重鎖RNA分子を提供する。該RNA分子は、第1鎖および第2鎖を含む。該第1鎖は該第2鎖よりも長い。該RNA分子は、該第1鎖および該第2鎖により形成される二本鎖領域と、5’突出、3’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される2つの末端とを含む。本発明のRNA分子は、研究用ツールおよび/または治療薬として用いることができる。

目的

本発明はまた、細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または生物を請求項1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、該二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的の遺伝子または核酸に対して該二重鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む方法も提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

非対称性干渉RNAの組成物およびその使用など。

技術分野

0001

(関連出願への相互参照
本願は、2007年8月27日に出願された米国仮特許出願第60/968,257号、2008年2月19日に出願された米国仮特許出願第61/029,753号、および2008年3月24日に出願された米国仮特許出願第61/038,954号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。

背景技術

0002

分子または短鎖干渉RNA(siRNA)を用いるRNAi(RNA干渉)による遺伝子サイレンシングは、分子生物学の強力なツールとして出現し、治療目的に用いられる潜在力を保持している(de Fougerollesら、2007年;KimおよびRossi、2007年)。

0003

理論的には、RNAiを用いて、任意の疾患遺伝子を特異的かつ強力にノックダウンまたはサイレンシングすることができる。疾患原因遺伝子が同定される場合、治療目的に対するRNAiの可能な適用は広範にわたり、遺伝疾患、エピジェネティック疾患、および感染性疾患を含む。

0004

しかし、顕著な送達の問題以外に、RNAiベース薬剤の開発は、siRNAの限られた効力インターフェロン様反応およびセンス鎖を介するオフターゲット遺伝子のサイレンシングなど、siRNAの非特異的な効果、ならびにsiRNA合成の法外であるかまたは高額の経費といった難題に直面している。siRNAによる遺伝子サイレンシングの効力は、哺乳動物細胞内の大半の遺伝子について、約50%以下に限られている。これらの分子の製造は高価(アンチセンスデオキシヌクレオチドの製造よりもはるかに高価)であり、不十分であり、化学修飾を必要とする。最後に、合成siRNAの細胞外投与がインターフェロン様反応を誘発しうるという観察により、RNAiベースの研究およびRNAiベースの治療薬開発に対する障壁がさらに重大なものとなっている。

0005

RNAiは、合成短鎖干渉RNA(siRNA)またはリボヌクレアーゼII様酵素であるDicerにより後にsiRNAへと切断される短鎖ヘアピンRNA(shRNA)をコードする遺伝子エレメントにより選択的に誘発される。遺伝子サイレンシングの生化学機構は、未だ完全には理解されているわけではないが、マルチタンパク質RNA誘導サイレンシング複合体RISC)を伴うと考えられる。RISCは、アンチセンスのsiRNA鎖に結合し、これを巻き戻し、組込み、次いで、完全に相補的mRNAを認識し標的にしてこれを切断し、これにより、遺伝子発現を低下させる。強力な遺伝子サイレンシング(1〜10日間)は、RISC複合体の触媒特性に起因する。RNAiの威力は、達成されうる絶妙な特異性から生じる。しかし、オフターゲットのRNAi効果が生じることが知られている。別の主要な副作用は、siRNAによるインターフェロン様反応の活性化であり、これは、dsRNA依存性タンパク質キナーゼPKR)およびToll様受容体TLR)により媒介される。siRNAがインターフェロン様反応を誘導する能力は、おもに、その長さにより決定される(同上)。

0006

哺乳動物細胞における遺伝子サイレンシングの場合、当技術分野の教示によれば、哺乳動物細胞内において有効であり、細胞生来の「抗ウイルス」反応を回避するsiRNA構造は、19〜21ヌクレオチドの長さと両末端における3’突出とを有する、対称二本鎖RNAである(同上)。その分野では、この「最適な」構造でもなおインターフェロン応答を誘発し、RNAiベースの研究およびRNAiベースの治療薬の開発に対して重大な難題を提起しうることがいまや十分に確立されている(Sledzら、2003年)。

課題を解決するための手段

0007

より良好な効力および効能、迅速な作用の発現、より良好な持続性、およびより短いRNA二重鎖の長さを有する新規のsiRNAの設計により、非特異的なインターフェロン様反応を回避し、RNAi治療薬の研究および医薬開発のための合成経費を軽減する、哺乳動物細胞における有効なRNAiへの新たな手法を開発する必要が存在する。

0008

本明細書で引用される参考文献は、優先権が主張される本発明に対する先行技術として容認されるわけではない。

0009

本発明は、哺乳動物細胞における強力な遺伝子サイレンシングを誘導することが可能であり、本明細書では非対称性干渉RNA(aiRNA)と称する、新たなクラスの低分子二重鎖RNAの驚くべき発見についての発明である。この新たなクラスのRNAi誘導剤の特徴は、2本のRNA鎖の長さの非対称性である。このような新たな構造設計は、遺伝子サイレンシングを実施するのに機能的に強力であるだけでなく、現在の技術水準最新のsiRNAを上回る複数の利点ももたらす。aiRNAは、現行のsiRNAよりもはるかに短い長さのRNA二重鎖構造を有することが可能であり、これにより、合成の経費が軽減され、長さに依存する非特異的なインターフェロン様反応の誘発が除去/軽減されるという利点がある。加えて、aiRNA構造の非対称性により、センス鎖を介するオフターゲット効果が除去/軽減される。さらに、aiRNAは、遺伝子サイレンシングの誘導において、siRNAよりも有効であり、強力であり、発現が迅速であり、持続性である。aiRNAは、生物学研究、バイオテクノロジー産業および製薬産業におけるR&D研究、ならびにRNAiベースの治療を含む、現行のsiRNAまたはshRNAが適用されているかまたは用いられることが意図されるすべての領域において用いることができる。

0010

本発明は、二重鎖RNA分子を提供する。二重鎖RNA分子は、18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2鎖とを含み、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二本鎖領域を形成し、該第1鎖が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。一実施形態において、該第1鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的な配列を含む。さらなる実施形態において、該第1鎖は標的mRNA配列と少なくとも70%相補的な配列を含む。別の実施形態において、該真核生物細胞は、哺乳動物細胞または鳥類細胞である。

0011

一実施形態において、該5’突出配列の少なくとも1つのヌクレオチドは、A、U、およびdTからなる群から選択される。

0012

一実施形態において、該二本鎖領域のGC含量は20%〜70%である。

0013

一実施形態において、該第1鎖は19〜22ヌクレオチドの長さを有する。

0014

一実施形態において、該第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第2鎖は14〜16ヌクレオチドの長さを有する。

0015

一実施形態において、該第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は15ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第1鎖は2〜4ヌクレオチドの3’突出を有する。またさらなる実施形態において、該第1鎖は3ヌクレオチドの3’突出を有する。

0016

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する。さらなる実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、糖修飾リボヌクレオチド骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである。またさらなる実施形態において、該骨格修飾リボヌクレオチドは、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する。一実施形態において、該ホスホジエステル結合は、少なくとも1つの窒素ヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される。別の実施形態において、該ヌクレオチド類似体は、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである。

0017

一実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、非天然塩基または修飾塩基である。別の実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、イノシンまたはトリチル化塩基を含む。

0018

さらなる実施形態において、該ヌクレオチド類似体は、2’−OH基がH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基により置換され、各Rが独立にC1〜C6のアルキルアルケニル、またはアルキニルであり、ハロがF、Cl、Br、またはIである、糖修飾リボヌクレオチドである。

0019

一実施形態において、該第1鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。さらなる実施形態において、該少なくとも1つのデオキシヌクレオチドは、3’突出、5’突出、および二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある。別の実施形態において、該第2鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。

0020

本発明はまた、細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または生物を請求項1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、該二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的の遺伝子または核酸に対して該二重鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む方法も提供する。さらなる実施形態において、前記接触させるステップは、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む。またさらなる実施形態において、導入するステップは、トランスフェクションリポフェクションエレクトロポレーション、感染、注射、経口投与吸入局所(topical)投与、または局所(regional)投与からなる群から選択される。別の実施形態において、導入するステップは、医薬担体正電荷担体リポソームタンパク質担体ポリマーナノ粒子ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤担体、または希釈剤の使用を含む。

0021

一実施形態において、該調節する方法は、細胞または生物における遺伝子の機能または有用性を決定するのに用いられる。

0022

一実施形態において、該調節する方法は、疾患または望ましくない状態を治療または予防するのに用いられる。

0023

一実施形態において、該標的遺伝子は、哺乳動物における疾患、病理学的状態、または望ましくない状態と関連する。さらなる実施形態において、該標的遺伝子は病原性微生物の遺伝子である。またさらなる実施形態において、該標的遺伝子はウイルス遺伝子である。別の実施形態において、該標的遺伝子は腫瘍関連遺伝子である。さらに別の実施形態において、該標的遺伝子は、自己免疫疾患炎症性疾患変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患代謝性疾患、免疫媒介性障害アレルギー性疾患皮膚疾患悪性疾患消化管障害呼吸器障害心血管障害腎障害リウマチ障害、神経障害内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である。

0024

本発明は、研究用試薬を提供する。該試薬は、二重鎖RNA分子を含む。

0025

本発明は、キットをさらに提供する。該キットは、18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1のRNA鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2のRNA鎖とを含み、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、該二重鎖RNA分子が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。

0026

本発明はまた、二重鎖RNA分子を調製する方法も提供する。該方法は、該第1鎖および該第2鎖を合成するステップと、該二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、合成された鎖を組み合わせるステップとを含む。一実施形態において、請求項35に記載の方法は、合成するステップの間、合成するステップの後から組み合わせるステップの前において、または組み合わせるステップの後において、該二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む。別の実施形態において、該RNA鎖は、化学合成されるか、または生物学的に合成される。

0027

本発明は、発現ベクターを提供する。該ベクターは、少なくとも1つの発現制御配列作動可能に連結された二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む。一実施形態において、ベクターは、第1の発現制御配列に作動可能に連結された、第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、第2鎖をコードする第2の核酸とを含む。別の実施形態において、ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクター、または細菌の発現ベクターである。

0028

本発明はまた、細胞も提供する。一実施形態において、細胞はベクターを含む。別の実施形態において、細胞は二重鎖RNA分子を含む。さらなる実施形態において、細胞は、哺乳動物、鳥類、または細菌の細胞である。

0029

本発明は、二重鎖RNA分子を提供する。該二重鎖RNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、該第1鎖が該第2鎖よりも長く、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二本鎖領域を形成し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。一実施形態において、該二重鎖RNA分子の該2つの末端は、1〜10ヌクレオチドの3’突出、0〜10ヌクレオチドの5’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される。別の実施形態において、該第1鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的である。代替的な実施形態において、該第2鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的である。一実施形態において、該真核生物細胞は、哺乳動物細胞または鳥類細胞である。別の実施形態において、該二重鎖RNA分子は、単離二重鎖RNA分子である。

0030

一実施形態において、該第1鎖は、1〜8ヌクレオチドの3’突出と1〜8ヌクレオチドの5’突出とを有する。

0031

別の実施形態において、該第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの3’突出と平滑末端とを有する。

0032

さらに別の実施形態において、該第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの5’突出と平滑末端とを有する。

0033

代替的な実施形態において、該RNA二重鎖は、1〜8ヌクレオチドの2つの5’突出、または1〜10ヌクレオチドの2つの3’突出を有する。

0034

一実施形態において、該第1鎖は、12〜100ヌクレオチド、12〜30ヌクレオチド、18〜23ヌクレオチド、19〜25ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第1鎖は、21ヌクレオチドの長さを有する。

0035

別の実施形態において、該第2鎖は、5〜30ヌクレオチド、12〜22ヌクレオチド、12〜17ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第2鎖は、15ヌクレオチドの長さを有する。

0036

一実施形態において、該二本鎖領域が27bpである場合、該RNA分子の両末端が独立に3’突出または5’突出であるとの条件つきで、該第1鎖は12〜30ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は10〜29ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第1鎖は18〜23ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は12〜17ヌクレオチドの長さを有する。

0037

別の実施形態において、該第1鎖は19〜25ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は12〜17ヌクレオチドの長さを有する。

0038

代替的な実施形態において、
該第1鎖が

0039

であり、
該第2鎖が最長で17ヌクレオチドの長さを有するか、または該第1鎖との少なくとも1つのミスマッチを含有するか、または少なくとも1つの修飾を含有するとの条件つきで、該第1鎖は19〜25ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は18〜24ヌクレオチドの長さを有する。

0040

一実施形態において、該第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は12〜17ヌクレオチドまたは14〜16ヌクレオチドの長さを有する。

0041

一実施形態において、該第1鎖は、該第2鎖よりも1〜10ヌクレオチド長い。

0042

一実施形態において、該3’突出は、2〜6ヌクレオチドの長さを有する。

0043

別の実施形態において、該5’突出は、0〜5ヌクレオチドの長さを有する。

0044

一実施形態において、該遺伝子サイレンシングは、RNA干渉、翻訳の調節、およびDNAのエピジェネティック調節の1もしくは2つ、または全てを含む。

0045

一実施形態において、該二重鎖RNA分子は、前記第1鎖および第2鎖の少なくとも1つにおいてニックをさらに含む。

0046

別の実施形態において、該二本鎖領域は、1つまたは複数のヌクレオチドのギャップを含む。

0047

一実施形態において、5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドは、該標的mRNA配列と相補的ではない。

0048

別の実施形態において、該5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドは、A、U、およびdTからなる群から選択される。

0049

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、ペプチド、抗体、ポリマー、脂質、オリゴヌクレオチドコレステロール、およびアプタマーからなる群から選択される実体コンジュゲートしている。

0050

一実施形態において、RNA分子は、マッチしないかまたはミスマッチする少なくとも1つのヌクレオチドをさらに含む。

0051

別の実施形態において、該二本鎖領域のGC含量は20〜70%である。

0052

一実施形態において、3’突出および/または5’突出は、分解に対して安定化される。

0053

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する。さらなる実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである。さらなる実施形態において、該骨格修飾リボヌクレオチドは、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する。別の実施形態において、該ホスホジエステル結合は、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される。さらに別の実施形態において、該ヌクレオチド類似体は、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである。

0054

一実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、非天然塩基または修飾塩基を含む。別の実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、イノシンまたはトリチル化塩基を含む。

0055

さらなる実施形態において、該ヌクレオチド類似体は糖修飾リボヌクレオチドであり、2’−OH基はH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基により置換され、各Rは独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロはF、Cl、Br、またはIである。

0056

一実施形態において、該第1鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。さらなる実施形態において、該少なくとも1つのデオキシヌクレオチドは、3’突出、5’突出、および該第1鎖の5’端に近接する二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある。別の実施形態において、該第2鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。

0057

本発明はまた、細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法を提供する。該方法は、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または生物を請求項1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、該二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的核酸に対して該二本鎖RNAにより実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む。さらなる実施形態において、前記接触させるステップは、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む。またさらなる実施形態において、導入するステップは、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所(topical)投与、または局所(regional)投与からなる群から選択される。別の実施形態において、導入するステップは、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む。一実施形態において、該調節する方法は、細胞または生物における遺伝子の発現を調節するのに用いられる。

0058

別の実施形態において、該調節する方法は、疾患または望ましくない状態を治療または予防するのに用いられる。

0059

一実施形態において、該標的遺伝子は、ヒトまたは動物の疾患と関連する遺伝子である。さらなる実施形態において、該遺伝子は病原性微生物の遺伝子である。またさらなる実施形態において、該標的遺伝子はウイルス遺伝子である。別の実施形態において、該遺伝子は腫瘍関連遺伝子である。

0060

さらに別の実施形態において、標的遺伝子は、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である。

0061

該調節する方法はまた、in vitroまたはin vivoにおける薬物標的を研究するのに用いられる。

0062

本発明は、二重鎖RNA分子を含む試薬を提供する。

0063

本発明は、キットをさらに提供する。該キットは、第1のRNA鎖および第2のRNA鎖を含み、該第1鎖が該第2鎖よりも長く、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、前記二重鎖RNA分子が真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。

0064

本発明はまた、請求項1に記載の二重鎖RNA分子を調製する方法であって、該第1鎖および該第2鎖を合成するステップと、二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、合成された鎖を組み合わせるステップとを含む方法も提供する。一実施形態において、それらのRNA鎖は、化学合成されるか、または生物学的に合成される。別の実施形態において、該第1鎖および該第2鎖は、個々にまたは同時に合成される。

0065

一実施形態において、該方法は、合成するステップの間、合成するステップの後から組み合わせるステップの前において、または組み合わせるステップの後において、該二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む。

0066

本発明は、医薬組成物をさらに提供する。医薬組成物は、活性作用物質としての、少なくとも1種の二重鎖RNA分子と、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、コレステロール、脂質、およびリポイドからなる群から選択される1種または複数種の担体とを含む。

0067

本発明はまた、治療法も提供する。該方法は、有効量の本発明の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。一実施形態において、該医薬組成物は、静脈内投与皮下投与吸入投与局所投与、経口投与、および局所投与からなる群から選択される経路を介して投与される。

0068

一実施形態において、該第1鎖は、発生遺伝子癌遺伝子腫瘍抑制遺伝子、および酵素遺伝子、ならびに接着分子サイクリンキナーゼ阻害剤、Wntファミリーメンバー、Paxファミリーメンバー、ウイングヘリックスファミリーメンバー、Hoxファミリーメンバー、サイトカインリンホカインまたはその受容体成長分化因子またはその受容体、神経伝達物質またはその受容体、キナーゼシグナル伝達物質の遺伝子、ウイルス遺伝子、感染性疾患の遺伝子、ABL1、BCL1、BCL2、BCL6、CBFA2、CBL、CSF1R、ERBA、ERBB、EBRB2、ETS1、ETS1、ETV6、FGR、FOS、FYN、HCR、HRAS、JUN、KRAS、LCK、LYN、MDM2、MLL、MYB、MYC、MYCL1、MYCN、NRAS、PIM1、PML、RET、SRC、TAL1、TCL3、およびYESAPC、BRCA1、BRCA2、MADH4、MCC、NF1、NF2、RB1、TP53、WT1、ACPデサチュラーゼもしくはヒドロキシラーゼADPグルコースピロホリラーゼ、ATPアーゼアルコールデヒドロゲナーゼアミラーゼアミログルコシダーゼカタラーゼセルラーゼシクロオキシゲナーゼデカルボキシラーゼデキストリナーゼDNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼガラクトシダーゼグルカナーゼグルコースオキシダーゼGTPアーゼヘリカーゼヘミセルラーゼインテグラーゼインベルターゼイソメラーゼ、キナーゼ、ラクターゼリパーゼリポキシゲナーゼリゾチームペクチンエステラーゼペルオキシダーゼホスファターゼホスホリパーゼホスホリラーゼポリガラクツロナーゼプロテイナーゼもしくはペプチダーゼプラナーゼ、リコンビナーゼ逆転写酵素トポイソメラーゼキシラナーゼ、k−RAS、β−カテニン、Rsk1、PCNA、p70S6K、サバイビン、mTOR、PTEN、Parp1、またはp21からなる群から選択される遺伝子の標的mRNA配列と実質的に相補的な配列を含む。

0069

別の実施形態において、二重鎖RNA分子は、

0070

0071

0072

[表中、A、U、G、およびCはヌクレオチドであり、a、t、g、およびcはデオキシヌクレオチドである。]
からなる群から選択される。

0073

本発明は、二本鎖領域を形成するアンチセンス鎖およびセンス鎖を有する第1の二重鎖RNA分子を修飾する方法を提供する。該方法は、該アンチセンス鎖が1〜8ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有するように、センス鎖の長さを短くするステップと、第2の二重鎖RNA分子を形成するステップとを含み、第1の二重鎖RNA分子の少なくとも1つの特性が改善される。一実施形態において、該特性は、サイズ、効力、効能、発現速度、持続性、合成経費、オフターゲット効果、インターフェロン応答、および送達からなる群から選択される。別の実施形態において、該方法は、該第2の二重鎖RNA分子が形成される条件下で、該アンチセンス鎖と該短くしたセンス鎖とを組み合わせるステップをさらに含む。さらなる実施形態おいて、該第1の二重鎖RNA分子は、siRNAであるか、またはdicer基質siRNAであるか、またはsiRNA前駆体である。

0074

本発明は、発現ベクターを提供する。該ベクターは、少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された請求項1に記載の二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む。一実施形態において、該発現ベクターは、第1の発現制御配列に作動可能に連結された、該第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、該第2鎖をコードする第2の核酸とを含む。別の実施形態において、該発現ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクターであるか、または細菌の発現ベクターである。

0075

本発明はまた、細胞も提供する。一実施形態において、細胞は発現ベクターを含む。別の実施形態において、細胞は二重鎖RNA分子を含む。さらに別の実施形態において、細胞は、哺乳動物細胞、鳥類細胞、または細菌細胞である。

0076

本発明の他の特徴および利点は、異なる例を含む、本明細書で提供されるさらなる説明から明らかである。提示される例は、本発明を実施するのに有用な、異なる成分および方法を例示する。該例は、優先権が主張される本発明を制限するものではない。本開示に基づき、当業者は、本発明を実施するのに有用な他の成分および方法を同定し、用いることができる。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
項目1)
18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2鎖とを含み、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二本鎖領域を形成し、
前記第1鎖が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、
真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能な二重鎖RNA分子。
(項目2)
前記第1鎖が、標的mRNA配列と少なくとも70%相補的な配列を含む、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目3)
前記5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドが、A、U、およびdTからなる群から選択される、項目1に記載のRNA分子。
(項目4)
前記二本鎖領域のGC含量が30%〜70%である、項目1に記載のRNA分子。
(項目5)
前記第1鎖が19〜23ヌクレオチドの長さを有する、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目6)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有する、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目7)
前記第2鎖が14〜16ヌクレオチドの長さを有する、項目6に記載の二重鎖RNA分子。
(項目8)
前記第2鎖が15ヌクレオチドの長さを有する、項目6に記載の二重鎖RNA分子。
(項目9)
前記第1鎖が2〜4ヌクレオチドの3’突出を有する、項目8に記載の二重鎖RNA分子。
(項目10)
前記第1鎖が3ヌクレオチドの3’突出を有する、項目8に記載の二重鎖RNA分子。
(項目11)
少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目12)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目13)
前記骨格修飾リボヌクレオチドが、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する、項目12に記載の二重鎖RNA分子。
(項目14)
前記ホスホジエステル結合が、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される、項目13に記載の二重鎖RNA分子。
(項目15)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、非天然塩基または修飾塩基である、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目16)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、イノシンまたはトリチル化塩基を含む、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目17)
前記ヌクレオチド類似体が糖修飾リボヌクレオチドであり、その2’−OH基がH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基により置換され、各Rが独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロがF、Cl、Br、またはIである、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目18)
前記ヌクレオチド類似体が、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目19)
前記第1鎖が、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目20)
前記少なくとも1つのデオキシヌクレオチドが、3’突出、5’突出、および二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある、項目19に記載の二重鎖RNA分子。
(項目21)
前記第2鎖が、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目22)
前記真核生物細胞が、哺乳動物細胞または鳥類細胞である、項目1に記載のRNA分子。
(項目23)
細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、
選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または前記生物を項目1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、
前記二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的遺伝子、核酸に対して前記二重鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む方法。
(項目24)
前記接触させるステップが、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記導入するステップが、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所投与、または局所(regional)投与からなる群から選択される、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記導入するステップが、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む、項目24に記載の方法。
(項目27)
細胞または生物における遺伝子の機能または有用性を決定するための、項目23に記載の方法の使用。
(項目28)
疾患または望ましくない状態を治療または予防するための、項目23に記載の方法の使用。
(項目29)
前記標的遺伝子が、哺乳動物における疾患、病理学的状態、または望ましくない状態と関連する、項目23に記載の使用。
(項目30)
前記標的遺伝子が病原性微生物の遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目31)
前記標的遺伝子がウイルス遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目32)
前記標的遺伝子が腫瘍関連遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目33)
前記標的遺伝子が、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目34)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む試薬。
(項目35)
18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1のRNA鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2のRNA鎖とを含み、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、
前記二重鎖RNA分子が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、
前記二重鎖RNA分子が真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能なキット。
(項目36)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を調製する方法であって、
前記第1鎖および前記第2鎖を合成するステップと、
前記二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、その合成された鎖を組み合わせるステップと
を含む方法。
(項目37)
前記合成するステップの間、前記合成するステップの後から前記組み合わせるステップの前において、または前記組み合わせるステップの後において、前記二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記RNA鎖が、化学合成されるか、または生物学的に合成される、項目36に記載の方法。
(項目39)
少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された項目1に記載の二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む発現ベクター。
(項目40)
第1の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第2鎖をコードする第2の核酸とを含む、項目39に記載の発現ベクター。
(項目41)
項目39に記載の発現ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクター、または細菌の発現ベクターである。
(項目42)
項目39に記載のベクターを含む細胞。
(項目43)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む細胞。
(項目44)
哺乳動物の細胞、鳥類の細胞、または細菌の細胞である、項目43に記載の細胞。
(項目45)
第1鎖および第2鎖を含み、
前記第1鎖が前記第2鎖よりも長く、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二本鎖領域を形成し、
真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である、二重鎖RNA分子。
(項目46)
前記二重鎖RNA分子の2つの末端が、1〜10ヌクレオチドの3’突出、0〜10ヌクレオチドの5’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目47)
前記第1鎖が標的mRNA配列と実質的に相補的である、項目45に記載のRNA分子。
(項目48)
前記第1鎖が、1〜8ヌクレオチドの3’突出と1〜8ヌクレオチドの5’突出とを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目49)
前記第1鎖が、1〜10ヌクレオチドの3’突出と平滑末端とを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目50)
前記第1鎖が、1〜10ヌクレオチドの5’突出と平滑末端とを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目51)
前記RNA二重鎖が、1〜8ヌクレオチドの2つの5’突出を有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目52)
前記RNA二重鎖が、1〜10ヌクレオチドの2つの3’突出を有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目53)
前記第1鎖が12〜100ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目54)
前記第1鎖が12〜30ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目55)
前記第1鎖が18〜23ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目56)
前記第1鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目57)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目58)
前記第2鎖が5〜30ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目59)
前記第2鎖が12〜22ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目60)
前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目61)
前記第2鎖が15ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目62)
前記二本鎖領域が27bpである場合、前記RNA分子の両末端における突出が独立に3’突出または5’突出であるとの条件つきで、前記第1鎖が12〜30ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が10〜29ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目63)
前記第1鎖が18〜23ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目64)
前記第1鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目65)
前記第1鎖が
(化4)

であり、
前記第2鎖が最長で17ヌクレオチドの長さを有するか、または前記第1鎖との少なくとも1つのミスマッチを含有するか、または少なくとも1つの修飾を含有するとの条件つきで、
前記第1鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が18〜24ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目66)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目67)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が14〜16ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目68)
前記第1鎖が前記第2鎖よりも1〜10ヌクレオチド長い、項目45に記載のRNA分子。
(項目69)
前記3’突出が2〜6ヌクレオチドの長さを有する、項目46に記載のRNA分子。
(項目70)
前記5’突出が0〜5ヌクレオチドの長さを有する、項目46に記載のRNA分子。
(項目71)
前記遺伝子サイレンシングが、RNA干渉、翻訳の調節、およびDNAのエピジェネティック調節の1もしくは2つ、または全てを含む、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目72)
前記第1鎖および前記第2鎖の少なくとも1つにおいてニックをさらに含む、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目73)
前記二本鎖領域が1つまたは複数のヌクレオチドのギャップを含む、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目74)
5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドが、前記標的mRNA配列と相補的ではない、項目47に記載のRNA分子。
(項目75)
5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドが、A、U、およびdTからなる群から選択される、項目45に記載のRNA分子。
(項目76)
ペプチド、抗体、ポリマー、脂質、オリゴヌクレオチド、コレステロール、およびアプタマーからなる群から選択される実体とコンジュゲートしている、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目77)
マッチしないかまたはミスマッチする少なくとも1つのヌクレオチドをさらに含む、項目45に記載のRNA分子。
(項目78)
前記二本鎖領域のGC含量が20〜70%である、項目45に記載のRNA分子。
(項目79)
3’突出および/または5’突出が、分解に対して安定化される、項目45に記載のRNA分子。
(項目80)
少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目81)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目82)
前記骨格修飾リボヌクレオチドが、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する、項目81に記載の二重鎖RNA分子。
(項目83)
前記ホスホジエステル結合が、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される、項目82に記載の二重鎖RNA分子。
(項目84)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、非天然塩基または修飾塩基を含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目85)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、イノシンまたはトリチル化塩基を含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目86)
前記ヌクレオチド類似体が糖修飾リボヌクレオチドであり、その2’−OH基がH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基により置換され、各Rが独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロがF、Cl、Br、またはIである、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目87)
前記ヌクレオチド類似体が、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目88)
前記第1鎖が少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目89)
前記少なくとも1つのデオキシヌクレオチドが、3’突出、5’突出、および前記第1鎖の5’端に近接する二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある、項目88に記載の二重鎖RNA分子。
(項目90)
前記第2鎖が少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目91)
前記真核生物細胞が哺乳動物細胞または鳥類細胞である、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目92)
前記二重鎖RNA分子が単離二重鎖RNA分子である、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目93)
細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、
選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または前記生物を項目1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、
前記二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的遺伝子または核酸に対して前記二本鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップと
を含む方法。
(項目94)
前記接触させるステップが、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記導入するステップが、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所投与、および局所(regional)投与からなる群から選択される、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記導入するステップが、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む、項目93に記載の方法。
(項目97)
細胞または生物における遺伝子の発現を調節するための、項目93に記載の方法の使用。
(項目98)
疾患または望ましくない状態を治療または予防するための、項目93に記載の方法の使用。
(項目100)
前記標的遺伝子がヒトの疾患または動物の疾患と関連する遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目101)
前記標的遺伝子が病原性微生物の遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目102)
前記標的遺伝子がウイルス遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目103)
前記標的遺伝子が腫瘍関連遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目104)
前記標的遺伝子が、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目105)
in vitroまたはin vivoにおける薬剤標的の研究のための、項目93に記載の方法の使用。
(項目106)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む試薬。
(項目107)
第1のRNA鎖および第2のRNA鎖を含み、
前記第1鎖が前記第2鎖よりも長く、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、
前記二重鎖RNA分子が真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能なキット。
(項目108)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を調製する方法であって、
前記第1鎖および前記第2鎖を合成するステップと、
前記二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、その合成された鎖を組み合わせるステップと
を含む方法。
(項目109)
前記合成するステップの間、前記合成するステップの後から前記組み合わせるステップの前において、または前記組み合わせるステップの後において、前記二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記RNA鎖が化学的に合成されるか、または生物学的に合成される、項目108に記載の方法。
(項目111)
前記第1鎖および前記第2鎖が、個々にまたは同時に合成される、項目108に記載の方法。
(項目112)
活性作用物質としての、少なくとも1種の項目1に記載の二重鎖RNA分子と、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、コレステロール、脂質、およびリポイドからなる群から選択される1種または複数種の担体とを含む医薬組成物。
(項目113)
有効量の項目112に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む治療法。
(項目114)
前記医薬組成物が、静脈内投与、経口投与、皮下投与、筋肉内投与、吸入投与、局所投与、および局所(regional)投与からなる群から選択される経路を介して投与される、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記第1鎖が、発生遺伝子、癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、および酵素遺伝子、ならびに接着分子、サイクリンキナーゼ阻害剤、Wntファミリーメンバー、Paxファミリーメンバー、ウイングドヘリックスファミリーメンバー、Hoxファミリーメンバー、サイトカイン/リンホカインまたはその受容体、成長/分化因子またはその受容体、神経伝達物質またはその受容体、キナーゼ、シグナル伝達物質の遺伝子、ウイルス遺伝子、感染性疾患の遺伝子、ABL1、BCL1、BCL2、BCL6、CBFA2、CBL、CSF1R、ERBA、ERBB、EBRB2、ETS1、ETS1、ETV6、FGR、FOS、FYN、HCR、HRAS、JUN、KRAS、LCK、LYN、MDM2、MLL、MYB、MYC、MYCL1、MYCN、NRAS、PIM1、PML、RET、SRC、TAL1、TCL3、およびYES、APC、BRCA1、BRCA2、MADH4、MCC、NF1、NF2、RB1、TP53、WT1、ACPデサチュラーゼもしくはヒドロキシラーゼ、ADP−グルコースピロホリラーゼ、ATPアーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、シクロオキシゲナーゼ、デカルボキシラーゼ、デキストリナーゼ、DNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼ、ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、グルコースオキシダーゼ、GTPアーゼ、ヘリカーゼ、ヘミセルラーゼ、インテグラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、キナーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、リゾチーム、ペクチンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、ホスホリラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテイナーゼもしくはペプチダーゼ(peptidease)、プラナーゼ、リコンビナーゼ、逆転写酵素、トポイソメラーゼ、キシラナーゼ、k−RAS、β−カテニン、Rsk1、PCNA、p70S6K、サバイビン、mTOR、PTEN、Parp1、またはp21からなる群から選択される遺伝子の標的mRNA配列と実質的に相補的な配列を含む、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目116)









[表中、A、U、G、およびCはヌクレオチドであり、a、t、g、およびcはデオキシヌクレオチドである。]
からなる群から選択される、二重鎖RNA分子。
(項目117)
二本鎖領域を形成するアンチセンス鎖およびセンス鎖を有する第1の二重鎖RNA分子を修飾する方法であって、前記アンチセンス鎖が1〜8ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有するように、前記センス鎖の長さを短くするステップと、第2の二重鎖RNA分子を形成するステップとを含み、
前記第1の二重鎖RNA分子の少なくとも1つの特性が改善される方法。
(項目118)
前記第2の二重鎖RNA分子が形成される条件下で、前記アンチセンス鎖とその短くしたセンス鎖とを組み合わせるステップをさらに含む、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記第1の二重鎖RNA分子がsiRNAであるか、またはdicer基質siRNAであるか、またはsiRNA前駆体である、項目117に記載の方法。
(項目120)
少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された項目1に記載の二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む発現ベクター。
(項目121)
第1の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第2鎖をコードする第2の核酸とを含む、項目120に記載の発現ベクター。
(項目122)
項目120に記載の発現ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクター、または細菌の発現ベクターである。
(項目123)
項目120に記載の発現ベクターを含む細胞。
(項目124)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む細胞。
(項目125)
項目124に記載の細胞は、哺乳動物の細胞、鳥類の細胞、または細菌の細胞である。

図面の簡単な説明

0077

図1Aは、第1鎖上に3’突出と5’突出の両方を有する二重鎖RNA分子の構造を示す図である。図1Bは、第1鎖上に3’突出と5’突出の両方を有する二重鎖RNA分子の構造、および二重鎖中のニックを示す図である。図1Cは、第1鎖上に3’突出と5’突出の両方を有する二重鎖RNA分子の構造、および第2鎖中のギャップを示す図である。
図2Aは、第1鎖上に平滑末端、および5’突出を有する二重鎖RNA分子の構造を示す図である。図2Bは、第1鎖上に平滑末端、および3’突出を有する二重鎖RNA分子の構造を示す図である。図2Cは、二重鎖の両末端上に3’突出を有し、かつ第1鎖が第2鎖より長い、二重鎖RNA分子の構造を示す図である。図2Dは、二重鎖の両末端上に5’突出を有し、かつ第1鎖が第2鎖より長い、二重鎖RNA分子の構造を示す図である。
aiRNA(非対称性干渉RNA)によるβ−カテニンの遺伝子サイレンシングの誘導を示す図である。図3Aはオリゴの確認を示す図である。アニーリング後、オリゴを20%ポリアクリルアミドゲルによって確認した。レーン1、21nt/21nt;レーン2、12nt(a)/21nt;レーン3、12nt(b)/21nt;レーン4、13nt/13nt;レーン5、13nt/21nt;レーン6、14nt/14nt;レーン7、14nt(a)/21nt;レーン8、14nt(b)/21nt;レーン9、15nt/15nt;レーン10、15nt/21nt。

0078

図3Bは、遺伝子サイレンシングにおけるオリゴの影響を示す図である。HeLa細胞を200,000細胞/ウエルで6ウエル培養プレート平板培養した。24時間後、それらをスクランブルsiRNA(レーン1)、21−bpsiRNA標的化E2F1(レーン2、特異性の対照として)またはβ−カテニンを標的とする21−bpsiRNA(レーン3、陽性対照として)、または異なる長さの混合物:12nt(a)/21nt(レーン4);12nt(b)/21nt(レーン5);13nt/21nt(レーン6);14nt(a)/21nt(レーン7);14nt(b)/21nt(レーン8);15nt/21nt(レーン9)の同じ濃度のaiRNAでトランスフェクトした。細胞はトランスフェクション後48時間で採取した。β−カテニンの発現はウエスタンブロットによって決定した。E2F1およびアクチンは対照として使用する。
遺伝子サイレンシングの媒介における、塩基置換有りまたは無しのaiRNAオリゴの構造−活性関係を示す図である。Hela細胞は示したaiRNAでトランスフェクトした。細胞を採取し、トランスフェクション後48時間で溶解物を生成した。ウエスタンブロットを実施してβ−カテニンおよびアクチンのレベルを検出した。siはβ−カテニンsiRNAオリゴヌクレオチドを表す。それぞれのレーン上の数値ラベルは表3中のaiRNAオリゴに対応する。
遺伝子サイレンシングの媒介における、塩基置換有りまたは無しのaiRNAオリゴの構造−活性関係を示す図である。Hela細胞は示したaiRNAでトランスフェクトした。細胞を採取し、トランスフェクション後48時間で溶解物を生成した。ウエスタンブロットを実施してβ−カテニンおよびアクチンのレベルを検出した。siはβ−カテニンsiRNAオリゴヌクレオチドを表す。それぞれのレーン上の数値ラベルは表3中のaiRNAオリゴに対応する。
aiRNAによって誘発される遺伝子サイレンシングのメカニズム分析を示す図である。

0079

図6aは、示した日数でaiRNAまたはsiRNAでトランスフェクトした細胞における、β−カテニンmRNAレベルのノーザンブロット分析を示す図である。

0080

図6bは、mRNAの切断および予想PCR産物を示す、β−カテニンの5’−RACE−PCRの概略を示す図である。

0081

図6cは、aiRNAによって媒介されたβ−カテニン切断産物を、4または8時間aiRNAでトランスフェクトした細胞から5’−RACE−PCRによって増幅したことを示す図である。
aiRNAによって誘発される遺伝子サイレンシングのメカニズムの分析を示す図である。

0082

図6dは、5’−RACE−PCR断片を配列決定することによって確認したβ−カテニンmRNA切断部位の概略を示す図である。

0083

図6eは、aiRNAとsiRNAの差次的RISCローディング効率を示す図である。pCMV−Ago2を用いたトランスフェクション後48時間でHela細胞にaiRNAまたはsiRNA二重鎖をトランスフェクトした。Ago2はaiRNAまたはsiRNAのトランスフェクション後に示した時間時点で免疫沈降させ、ノーザンブロット分析を実施してAgo2/RISC結合小RNAのレベルを決定した。(以下に示す)Ago2のレベルはIP後にウエスタンブロットによって決定した。

0084

図6fは、aiRNAおよびsiRNAの遺伝子サイレンシング活性に対するAgo2またはDicerのノックダウンの影響を示す図である。細胞はスクランブルaiRNA(Con)またはaiRNA標的化Stat3(ai)を用いたトランスフェクションの24時間前に、スクランブルsiRNA(siCon)、またはsiRNA標的化Ago2(siAgo2)、またはDicer(siDicer)でトランスフェクトした。細胞を採取し、aiStat3トランスフェクション後48時間でウエスタンブロット分析を実施した。
siRNAと比較したRISCへのaiRNAの取り込みの利点を示す図である。

0085

図7Aは、aiRNAはsiRNAより良い効率でRISCに進入することを示す図である。Ago2発現プラスミドでトランスフェクトした細胞を、示した時間aiRNAまたはsiRNAでトランスフェクトした。細胞溶解後、Ago2を免疫沈降させ、RNAを免疫沈降物から抽出し、15%アクリルアミドゲル上で分離した。移動後、膜をプローブハイブリダイズさせてaiRNAまたはsiRNAの21merアンチセンス鎖を検出した。IgG対照レーンは、Ago2免疫沈降物と比較したシグナル欠如を示す。

0086

図7Bは、aiRNAのセンス鎖はRISC中に存在しないことを示す図である。(A)からの膜を剥離し、再度プローブ処理してトランスフェクトしたオリゴのセンス鎖を検出した。(A)および(B)中の絵図は、膜上のセンス鎖(上側の鎖)、アンチセンス鎖(下側の鎖)、または二重鎖の位置を示す。
aiRNAによるRISCローディングのメカニズムの図である。

0087

図8Aは、aiRNAまたはsiRNAおよびAgo2の異なる鎖間の相互作用の免疫沈降分析を示す図である。過剰発現Ago2を含有するHelaS−10溶解物を、32P末端標識センス鎖またはアンチセンス鎖を含有する示したaiRNAまたはsiRNA二重鎖とインキュベートした。(*)は標識の位置を示す。Ago2免疫沈降後、RNAを単離し、15%アクリルアミドゲル上で分離し、フィルム感光させた。Ago2結合RNAはペレット画分中に示され、一方非Ago2結合RNAは上清(Sup)中に残る。

0088

図8Bは、aiRNA活性におけるセンス鎖切断の役割を示す図である。細胞はaiRNAで、または位置8(予想されるAgo2切断部位)が2’−O−メチルであるセンス鎖を有するaiRNAで、または対照として位置9が2’−O−メチルであるセンス鎖を有するaiRNAでトランスフェクトした。RNAをトランスフェクション後4時間で回収し、qRT−PCRを実施して残りのβ−カテニンmRNAの相対的レベルを決定した。
aiRNAとsiRNAの競合分析を示す図である。

0089

図9Aは、32P末端標識アンチセンス鎖を含有するsiRNA二重鎖およびaiRNA二重鎖を示す図である。(*)は標識の位置を示す。

0090

図9Bは、非放射能のaiRNAはAgo2に関して標識siRNAと競合しないことを示す図である。過剰発現Ago2を含有するHelaS−10溶解物は、Ago2の免疫沈降前に32P末端標識siRNAおよび非放射能のaiRNA二重鎖または非放射能のsiRNA二重鎖とインキュベートした。次いでRNAを単離し、15%アクリルアミドゲル上で分析した。

0091

図9Cは、非放射能のsiRNAはAgo2に関して標識aiRNAと競合しないことを示す図である。B中で使用したのと同じS−10溶解物を、Ago2の免疫沈降前に32P末端標識aiRNAおよび非放射能のaiRNA二重鎖または非放射能のsiRNA二重鎖とインキュベートした。次いでRNAを単離し、15%アクリルアミドゲル上で分析した。
RISCローディングおよび成熟RISCの生成において観察した差を示す、aiRNAおよびsiRNAのモデルを示す図である。
アンチセンス突出を有する14〜15bpの非対称性RNA二重鎖(aiRNA)が、強力、有効、迅速、および持続的遺伝子サイレンシングを誘導したことを示す図である。

0092

図11Aは、β−カテニンを標的とするsiRNAおよびβ−カテニンを標的とするaiRNAの配列および設計を示すダイアグラムを示す図である。

0093

図11Bは、様々な長さのaiRNAによる遺伝子サイレンシングの誘導を示す図である。β−カテニンタンパク質レベルを、示したaiRNAで48時間トランスフェクトした細胞においてウエスタンブロットによって分析した。
アンチセンス突出を有する14〜15bpの非対称性RNA二重鎖(aiRNA)が、強力、有効、迅速、および持続的遺伝子サイレンシングを誘導したことを示す図である。

0094

図11Cは、aiRNAがβ−カテニンタンパク質欠乏の誘導においてsiRNAより強力かつ有効であることを示す図である。Hela細胞は示した濃度でβ−カテニンを標的とするaiRNAまたはβ−カテニンを標的とするsiRNAを用いてトランスフェクトした。トランスフェクション後48時間で、細胞溶解物を作製し、ウエスタンブロット分析を行った。

0095

図11Dは、aiRNAがβ−カテニンRNAレベルの低減においてsiRNAより有効、迅速、および持続的であることを示す図である。細胞はノーザンブロット分析前に示した日数10nMの15bpのaiRNAまたは21−merのsiRNAでトランスフェクトした。
aiRNAが迅速かつ強力なサイレンシングを媒介することを示す図である。

0096

図12Aは、β−カテニンを標的化するために使用したaiRNAおよびsiRNAの配列および構造を示す図である。

0097

図12Bは、対照aiRNAまたはβ−カテニンを標的とするaiRNAでトランスフェクトした細胞由来のβ−カテニンmRNAレベルのRT−PCRを示す図である。RNAはトランスフェクション後の示した時間で回収した。
aiRNAが迅速かつ強力なサイレンシングを媒介することを示す図である。

0098

図12Cは、示した時間数の、対照、aiRNA、またはsiRNAでトランスフェクトした細胞におけるβ−カテニンmRNAレベルの定量的リアルタイムRT−PCRを示す図である。

0099

図12Dは、示した時間の、対照、aiRNA、またはsiRNAでトランスフェクトした細胞におけるβ−カテニンタンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す図である。
複数の標的に対する遺伝子サイレンシングの効力および持続性におけるsiRNAとaiRNAの比較を示す図である。Hela細胞は(a)β−カテニン、10nM、(b)Stat3、(c)EF2、または(d)NQO1、20nMを標的化するスクランブルsiRNA(c)、aiRNA(ai)、またはsiRNA(si)でトランスフェクトした。RNAおよびタンパク質を示した時間時点で精製し、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qRT−PCR)によってmRNAレベルに関して分析し、タンパク質レベルはウエスタンブロットによって分析した。qRT−PCRデータはsiConトランスフェクト細胞正規化する。
複数の標的に対する遺伝子サイレンシングの効力および持続性におけるsiRNAとaiRNAの比較を示す図である。Hela細胞は(a)β−カテニン、10nM、(b)Stat3、(c)EF2、または(d)NQO1、20nMを標的化するスクランブルsiRNA(c)、aiRNA(ai)、またはsiRNA(si)でトランスフェクトした。RNAおよびタンパク質を示した時間時点で精製し、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qRT−PCR)によってmRNAレベルに関して分析し、タンパク質レベルはウエスタンブロットによって分析した。qRT−PCRデータはsiConトランスフェクト細胞に正規化する。
aiRNA媒介遺伝子サイレンシングは、複数の細胞系中の様々な遺伝子に対して有効であることを示す図である。

0100

図14aは、aiRNA二重鎖は、異なる哺乳動物細胞系中のβ−カテニンの標的化においてsiRNAより有効であることを示す図である。

0101

図14bは、48時間20nMの示したaiRNAまたはsiRNAでトランスフェクトした細胞由来のNbs1、サバイビン、Parp1、p21のウエスタンブロット分析を示す図である。
aiRNA媒介遺伝子サイレンシングは、複数の細胞系中の様々な遺伝子に対して有効であることを示す図である。

0102

図14cは、48時間20nMの示したaiRNAまたはsiRNAでトランスフェクトした細胞由来のRsk1、PCNA、p70S6K、mTOR、およびPTENのウエスタンブロット分析を示す図である。

0103

図14dは、aiRNAによるk−Rasの対立遺伝子特異的遺伝子サイレンシングを示す図である。ウエスタンブロット分析によって、野生型k−Rasを標的化するaiRNAを、k−Ras野生型(DLD1)とk−Ras突然変異体(SW480)細胞系の両方においてk−Rasのサイレンシングに関して試験した。
センス鎖、免疫刺激によるオフターゲット遺伝子サイレンシングの欠如、およびaiRNAの血清中定性を示す図である。

0104

図15aは、モック処理したPBMCまたは16時間β−カテニンのsiRNA二重鎖またはβ−カテニンのaiRNA二重鎖でインキュベートしたPBMCにおける、インターフェロン誘導性遺伝子の発現のRT−PCR分析を示す図である。

0105

図15bは、モックトランスフェクトしたHela細胞または24時間EF2のaiRNAまたはEF2のsiRNAでトランスフェクトしたHela細胞または24時間サバイビンのaiRNAまたはサバイビンのsiRNAでトランスフェクトしたHela細胞における、インターフェロン誘導性遺伝子の発現のRT−PCR分析を示す図である。

0106

図15cは、既知のインターフェロン応答関連遺伝子の発現の変化に関するマイクロアレイ分析を示す図である。aiRNAでトランスフェクトしたHela細胞およびsiRNAでトランスフェクトしたHela細胞から単離した全てのRNAを、マイクロアレイによって分析した。
センス鎖、免疫刺激によるオフターゲット遺伝子サイレンシングの欠如、およびaiRNAの血清中安定性を示す図である。

0107

図15dは、センス鎖媒介のオフターゲット遺伝子サイレンシングがaiRNAに関して検出されないことを示す図である。細胞はaiRNAまたはsiRNAとStat3(センスRNA)を発現するプラスミドまたはアンチセンスStat3(アンチセンスRNA)を発現するプラスミドのいずれかとコトランスフェクトした。細胞を採取し、トランスフェクション後24時間でRNAを回収し、Stat3センスRNAまたはStat3アンチセンスRNAの相対的レベルは、定量的リアルタイムPCRまたはRT−PCRによって決定した(挿入図)。

0108

図15eは、ヒト血清中でのaiRNAおよびsiRNA二重鎖の安定性を示す図である。aiRNAおよびsiRNA二重鎖は、ゲル電気泳動前に示した量の時間37℃で10%ヒト血清中においてインキュベートした。残存する二重鎖(対照の%)を示している。
センス鎖、免疫刺激によるオフターゲット遺伝子サイレンシングの欠如、およびaiRNAの血清中安定性を示す図である。

0109

図15fは、aiRNA二重鎖によって媒介される遺伝子特異的サイレンシングに関して提案されるモデルを示す図である。
SW480ヒト結腸異種移植マウスモデルにおけるβ−カテニンに対するaiRNAの強力な抗腫瘍活性を示す図である。樹立皮下SW480ヒト結腸癌を有する免疫抑制マウスに、毎日0.6nmolのPEI複合β−カテニンsiRNA、PEI複合β−カテニンaiRNAまたは陰性対照としてPEI複合無関連siRNAを静脈内(iv)に与えた。腫瘍の大きさを治療中定期的に評価した。それぞれの時点は6個の腫瘍の平均値±SEMを表す。
HT29ヒト結腸異種移植マウスモデルにおけるβ−カテニンに対するaiRNAの強力な抗腫瘍活性を示す図である。樹立皮下HT29ヒト結腸癌を有する免疫抑制マウスに、1日おきに0.6nmolのPEI複合β−カテニンsiRNA、PEI複合β−カテニンaiRNAまたは陰性対照としてPEI複合無関連siRNAを静脈内(iv)に与えた。腫瘍の大きさを治療中定期的に評価した。それぞれの時点は5個の腫瘍の平均値±SEMを表す。

0110

本発明は、真核生物細胞における選択的遺伝子サイレンシングをもたらすことができる非対称性二重鎖RNA分子に関する。一実施形態において、二重鎖RNA分子は第1鎖および第2鎖を含む。第1鎖は第2鎖よりも長い。第2鎖は第1鎖と実質的に相補的であり、第1鎖と二本鎖領域を形成する。

0111

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、1〜8ヌクレオチドの3’突出および1〜8ヌクレオチドの5’突出、1〜10ヌクレオチドの3’突出および平滑末端、または1〜10ヌクレオチドの5’突出および平滑末端を有する。別の実施形態において、二重鎖RNA分子は、1〜8ヌクレオチドの2つの5’突出または1〜10ヌクレオチドの2つの3’突出を有する。さらなる実施形態において、第1鎖は、1〜8ヌクレオチドの3’突出および1〜8ヌクレオチドの5’突出を有する。なおさらなる実施形態において、二重鎖RNA分子は、単離された二重鎖RNA分子である。

0112

一実施形態において、第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの3’突出、および1〜10ヌクレオチドの5’突出または5’−平滑末端を有する。別の実施形態において、第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの3’突出、および1〜10ヌクレオチドの5’突出を有する。代替の実施形態において、第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの3’突出、および5’−平滑末端を有する。

0113

一実施形態において、第1鎖は、5〜100ヌクレオチド、12〜30ヌクレオチド、15〜28ヌクレオチド、18〜27ヌクレオチド、19〜23ヌクレオチド、20〜22ヌクレオチド、または21ヌクレオチドの長さを有する。

0114

別の実施形態において、第2鎖は、3〜30ヌクレオチド、12〜26ヌクレオチド、13〜20ヌクレオチド、14〜23ヌクレオチド、14または15ヌクレオチドの長さを有する。

0115

一実施形態において、第1鎖は5〜100ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は3〜30ヌクレオチドの長さを有する;または、第1鎖は10〜30ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は3〜29ヌクレオチドの長さを有する;または、第1鎖は12〜30ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は10〜26ヌクレオチドの長さを有する;または、第1鎖は15〜28ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は12〜26ヌクレオチドの長さを有する;または、第1鎖は19〜27ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は14〜23ヌクレオチドの長さを有する;または、第1鎖は20〜22ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は14〜15ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は13〜20ヌクレオチド、14〜19ヌクレオチド、14〜17ヌクレオチド、14または15ヌクレオチドの長さを有する。

0116

一実施形態において、第1鎖は、第2鎖と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長い。

0117

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、1〜10個のマッチしないかまたはミスマッチするヌクレオチドをさらに含む。さらなる実施形態において、マッチしないかまたはミスマッチするヌクレオチドは、3’陥凹(recessed)末端にあるかまたはその近くにある。代替の実施形態において、マッチしないかまたはミスマッチするヌクレオチドは、5’陥凹末端にあるかまたはその近くにある。代替の実施形態において、マッチしないかまたはミスマッチするヌクレオチドは二本鎖領域にある。別の実施形態において、マッチしないかまたはミスマッチするヌクレオチド配列は1〜5ヌクレオチドの長さを有する。なおさらなる実施形態において、マッチしないかまたはミスマッチするヌクレオチドはループ構造を形成する。

0118

一実施形態において、第1鎖または第2鎖は、少なくとも1つのニックを含み、または2つのヌクレオチド断片によって形成される。

0119

一実施形態において、遺伝子サイレンシングは、RNA干渉、翻訳の調節、およびDNAのエピジェネティック調節のうちの1もしくは2つ、または全てを介して達成される。

0120

本明細書および特許請求の範囲において使用するとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」には、文脈から明らかに他に指示がない限り、複数の対象を含む。例えば、用語「細胞」には、細胞の混合物を含む複数の細胞が含まれる。

0121

本明細書中で使用するとき、「二本鎖RNA」、「二重鎖RNA」または「RNA二重鎖」とは、2つの鎖であって、少なくとも1つの二本鎖領域を有するRNAを指し、二本鎖領域内または2つの隣接する二本鎖領域間のいずれかに少なくとも1つのギャップ、ニック、バルジ、および/またはバブルを有するRNA分子が含まれる。1つの鎖が2つの二本鎖領域間にギャップまたはマッチしないヌクレオチドの一本鎖領域を有する場合、その鎖は、複数の断片を有する鎖であると考えられる。本明細書で使用される二本鎖RNAは、末端または両末端のいずれかに末端突出を有することができる。いくつかの実施形態において、二重鎖RNAの2つの鎖は、ある種の化学的リンカーを介して連結され得る。

0122

本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、脈絡により明らかに別段に指示されていない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「a cell」は、その混合物を含めた複数の細胞を含む。

0123

本明細書で使用する場合、「二本鎖RNA」、「二重鎖RNA」、または「RNA二重鎖」は、2本の鎖のRNA、および少なくとも1つの二本鎖領域を有するRNAを指し、二本鎖領域内、または2つの隣接する二本鎖領域の間に、少なくとも1つのギャップ、ニック、バルジ、および/またはバブルを有するRNA分子を含む。1本の鎖が、2つの二本鎖領域の間にギャップまたは非対応ヌクレオチドの一本鎖領域を有する場合、その鎖は、複数の断片を有するとみなされる。二本鎖RNAは、ここで使用する場合、いずれかの末端または両末端に末端突出を有することができる。いくつかの実施形態において、二重鎖RNAの2本の鎖は、ある特定の化学リンカーを介して連結することができる。

0124

本明細書で使用する場合、「アンチセンス鎖」は、標的メッセンジャーRNAに対して実質的な配列相補性を有するRNA鎖を指す。アンチセンス鎖は、siRNA分子の一部、miRNA/miRNA*二重鎖の一部、または一本鎖の成熟miRNAでありうる。

0125

用語「単離された」または「精製された」は、本明細書で使用する場合、その天然の状態に通常付随する成分を実質的または本質的に含まない物質を指す。純度および均一性は、一般に、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技法を使用して求められる。

0126

本明細書で使用する場合、「調節すること」およびその文法的な等価用語は、増大させること、または減少させること(例えば、サイレンシング)、言い換えれば、上方制御すること、または下方制御することを指す。本明細書中で使用するとき、「遺伝子サイレンシング」とは、遺伝子発現の減少を指し、標的遺伝子の約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%の遺伝子発現の減少を指してもよい。

0127

本明細書で使用する場合、用語「対象」は、それだけに限らないが、ヒト、非ヒト霊長類げっ歯類などを含めた任意の動物(例えば、哺乳動物)を指し、これは、特定の治療のレシピエントとなる。一般に、用語「対象」および「患者」は、ヒト対象に関して、本明細書で互換的に使用される。

0128

「治療すること」、または「治療」、または「治療すること」、または「軽減すること」、または「軽減するため」などの用語は、本明細書で使用する場合、(1)診断された病的状態または障害の症状を治癒減速し、和らげ、および/または診断された病的状態または障害の進行を停止する治療手段、ならびに(2)標的にされる病的状態または障害の発症を予防し、または遅らせる予防(prophylactic)または予防(preventative)手段の両方を指す。したがって、治療を必要とするものには、既に障害を有しているもの、障害を有しやすいもの、および障害が予防されるべきものが含まれる。患者が、以下のうちの1つまたは複数を示す場合、対象は、本発明の方法によって順調に「治療」される:癌細胞の数の低減、または完全な欠如;腫瘍サイズの低減;軟部組織および骨への癌の伝播を含めた、周辺臓器への癌細胞浸潤阻害または欠如;腫瘍転移の阻害または欠如;腫瘍増殖の阻害または欠如;特定の癌に関連する1つまたは複数の症状の軽減;罹患率および死亡率の低減;ならびに生活の質の改善。

0129

本明細書で使用する場合、用語「阻害すること」、「阻害すること」、およびこれらの文法的な等価用語は、生物活性の脈絡において使用されるとき、生物活性の下方制御を指し、これは、タンパク質の産生、または分子のリン酸化などの標的にされる機能を低減、または排除することができる。特定の実施形態において、阻害は、標的にされる活性の約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%の低減を指す。障害または疾患の脈絡において使用されるとき、この用語は、症状の発症の予防、症状の軽減、または疾患、病状もしくは障害の排除における成功を指す。

0130

本明細書で使用する場合、用語「実質的に相補性」は、2つの核酸の間であって、2つの二本鎖領域の間の末端突出またはギャップ領域などのいずれの一本鎖領域でもない、塩基対形成した二本鎖領域における相補性を指す。相補性は、完全である必要はなく、例えば、2つの核酸の間で任意の数の塩基対ミスマッチが存在し得る。しかし、ミスマッチの数が多すぎて、最低ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でさえ、まったくハイブリダイゼーションが起こり得ない場合、この配列は、実質的に相補性の配列ではない。2つの配列が、本明細書で「実質的に相補性」と呼ばれるとき、これらの配列は、選択された反応条件下でハイブリダイズするために、互いに十分に相補的であることを意味する。特異性を実現するのに十分な、核酸の相補性とハイブリダイゼーションのストリンジェンシーの関係は、当技術分野で周知である。2本の実質的に相補性の鎖は、例えば、完全に相補的でありえ、またはハイブリダイゼーション条件が、例えば、対形成配列と非対形成配列の間の識別を可能にするのに十分である限り、1つから多くのミスマッチを含むことができる。したがって、実質的に相補性の配列は、二本鎖領域において、100、95、90、80、75、70、60、50パーセントもしくはそれ未満、またはその間の任意の数値の塩基対の相補性を有する配列を指すことができる。

0131

本明細書で使用する場合、antagomirはmiRNA阻害剤であり、内因性miRNAのサイレンシングにおいて使用することができる。本明細書で使用する場合、模倣剤または模倣体は、miRNAアゴニストであり、機能等価物として内因性のmiRNAを置換するために使用することができ、それによってそのような内因性のmiRNAによって影響される経路を上方制御する。

0132

1.RNA干渉
RNA干渉(RNAiと省略される)は、二本鎖RNA(dsRNA)によって誘導される一本鎖RNA(ssRNA)の標的破壊に関する細胞プロセスである。ssRNAは、メッセンジャーRNA(mRNA)などの遺伝子転写物である。RNAiは、dsRNAが、dsRNAに相補的である配列を有する遺伝子の発現に特異的に干渉することができる転写後の遺伝子サイレンシングの形態である。dsRNA標的のアンチセンスRNA鎖は、リボヌクレアーゼによる切断に関するメッセンジャーRNA(mRNA)などの相補的遺伝子転写物を標的にする。

0133

RNAiプロセスにおいて、長鎖dsRNAは、リボヌクレアーゼタンパク質であるDicerによって、低分子干渉RNA(siRNA)と呼ばれる短鎖形態に加工される。siRNAは、ガイド(またはアンチセンス)鎖とパッセンジャー(またはセンス)鎖に分離される。ガイド鎖は、リボヌクレアーゼを含む多タンパク質複合体であるRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれる。次に、複合体は、破壊のための相補的遺伝子転写物を特異的に標的にする。

0134

RNAiは、多くの真核生物に共通した細胞プロセスであることが示されている。RISC、およびDicerは、真核生物ドメインの全体で保存されている。RNAiは、ウイルスおよび他の外来遺伝物質への免疫反応において役割を果たすと考えられている。

0135

低分子干渉RNA(siRNA)は、生物学において様々な役割を果たす短鎖二本鎖RNA(dsRNA)分子の一種である。最も顕著には、低分子干渉RNAは、siRNAが特定の遺伝子の発現に干渉するRNA干渉(RNAi)経路に関与する。さらに、siRNAはまた、抗ウイルス機構またはゲノムクロマチン構造の形成などのプロセスにおいて役割を果たす。一実施形態において、siRNAは、5’−リン酸末端および3’−ヒドロキシル末端に2〜3ヌクレオチドの3’突出を含む短い(19〜21nt)二本鎖RNA(dsRNA)領域を有する。

0136

マイクロRNA(miRNA)は、30%程度の哺乳動物遺伝子を制御する、内因性の、一本鎖または二本鎖の約22ヌクレオチド長のRNA分子の一種である(Czech、2006年;Eulalioら、2008年;Mack、2007年)。miRNAは、翻訳をブロックするかまたは転写的分解を引き起こすことによってタンパク質産生を抑制する。miRNAは、250〜500個の異なるmRNAを標的にする場合がある。miRNAは、一次miRNA(pri−miRNA)の産物である、pre−miRNAのDicer消化の産物である。

0137

本明細書中で使用するとき、antagomirは、miRNA阻害剤であり、内因性miRNAのサイレンシングに用いることができる。本明細書中で使用するとき、模倣体はmiRNAアゴニストであり、模倣体を用いてmiRNAを置換し、mRNAをダウンレギュレートすることができる。

0138

Dicerは、RNaseIIIリボヌクレアーゼファミリーメンバーである。Dicerは、長鎖二本鎖RNA(dsRNA)、pre−マイクロRNA(miRNA)、および短鎖ヘアピンRNA(shRNA)を、通常、3’末端に2塩基の突出を有する約20〜25ヌクレオチドの長さの低分子干渉RNA(siRNA)と呼ばれる短鎖二本鎖RNA断片に切断する。Dicerは、RNA干渉経路の第1段階を触媒し、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)の形成を開始し、その触媒成分であるargonauteは、配列がsiRNAガイド鎖の配列に相補的であるメッセンジャーRNA(mRNA)を分解することができるエンドヌクレアーゼである。

0139

本明細書中で使用するとき、有効なsiRNA配列は、RNAiを誘発して、標的遺伝子の転写物の分解に効果的であるsiRNAである。標的遺伝子に相補的なsiRNAの全てが、RNAiを誘発して、遺伝子の転写物の分解に効果的であるとは限らない。実際に、時間消費スクリーニングは、通常、有効なsiRNA配列を特定することを必要とする。一実施形態において、有効なsiRNA配列は、90%を超えて、80%を超えて、70%を超えて、60%を超えて、50%を超えて、40%を超えて、または30%を超えて標的遺伝子の発現を減少させることができる。

0140

本発明は、siRNA様の結果をもたらし、またmiRNA経路の活性を調節するために用いることができる非対称性干渉RNA(aiRNA)と呼ばれる新規な構造足場を提供する(詳細には、名称「Composition of Asymmetric RNA Duplex as MicroRNA Mimetic or Inhibitor」に基づく、本出願と同日に出願された共有に係るPCTおよび米国特許出願において説明され、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。

0141

aiRNAの新規の構造的設計は、遺伝子調節を行うことにおいて機能的に強力であるだけでなく、現況技術のRNAi調節因子(主にアンチセンス、siRNA)に対していくつかの利点も提供する。これらの利点の中で、aiRNAは、現在のsiRNAコンストラクトよりはるかに短い長さのRNA二重鎖構造を有することができ、これは、合成費用を低減し、宿主細胞からの非特異的インターフェロン様免疫応答の長さ依存性誘発を阻止、または低減するはずである。aiRNA中のより短い長さのパッセンジャー鎖はまた、RISCにおけるパッセンジャー鎖の意図されない取り込みも排除または低減し、その結果としてmiRNA媒介遺伝子サイレンシングにおいて観察されるオフターゲット効果を低減するはずである。aiRNAは、バイオテクノロジー産業および医薬産業、ならびにmiRNAに基づく診断および治療における生物学研究、R&Dを含めて、現在のmi−RNAに基づく技術が適用されているか、適用されることが企図されているすべての範囲において使用することができる。

0142

2.aiRNA構造足場
Elbashirらは、いくつかの非対称性二重鎖RNA分子、ならびに対称性siRNA分子を試験した(Elbashirら、2001c)。非対称性二重鎖RNA分子は、対応するsiRNA分子とともに表1に列挙される。

0143

しかしながら、対応する対称性siRNA分子と比較すると、非対称性二重鎖RNA分子は、選択的遺伝子サイレンシング(上記)をもたらすことができない。

0144

本発明は、配列特異的な遺伝子サイレンシングをもたらすことができる非対称性二重鎖RNA分子に関する。一実施形態において、本発明のRNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、ここで、第2鎖は、第1鎖と実質的に相補的であり、第1鎖を含む二本鎖領域を形成し、第1鎖は第2鎖よりも長い;ただし、Elbashir(Elbashirら、2001c)に開示された非対称性二重鎖RNA分子、具体的には表1に列挙された非対称性二重鎖RNA分子を除く。このRNA分子は、二本鎖領域と、5’突出、3’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される2つの末端とを含む。RNA鎖は、マッチしないかまたは不完全にマッチしたヌクレオチドを有することができる。

0145

一実施形態において、第1鎖は、第2鎖よりも少なくとも1nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖よりも、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20nt長い。別の実施形態において、第1鎖は、第2鎖よりも20〜100nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖よりも2〜12nt長い。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖よりも3〜10nt長い。

0146

一実施形態において、二本鎖領域は3〜98bpの長さを有する。さらなる実施形態において、二本鎖領域は5〜28bpの長さを有する。なおさらなる実施形態において、二本鎖領域は10〜19bpの長さを有する。二本鎖領域の長さは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30bpであり得る。

0147

一実施形態において、RNA分子の二本鎖領域は、いずれのミスマッチおよびバルジも含まない。別の実施形態において、RNA分子の二本鎖領域は、ミスマッチおよび/またはバルジを含む。

0148

一実施形態において、第1鎖は、

0149

であり、第2鎖は最長で17ヌクレオチドの長さを有するか、または第1鎖と少なくとも1つのミスマッチを含むか、または少なくとも1つの修飾を含む。

0150

代替の実施形態において、第1鎖は、

0151

ではない。

0152

一実施形態において、第1鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的である配列を含む。別の実施形態において、第2鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的である配列を含む。

0153

本発明は、遺伝子サイレンシングをもたらすことができる非対称性二本鎖RNA分子に関する。一実施形態において、本発明のRNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、ここで、第2鎖は、第1鎖と実質的に相補的であるか、または部分的に相補的であり、第1鎖および第2鎖は少なくとも1つの二本鎖領域を形成し、第1鎖は第2鎖よりも長い(長さの非対称性)。本発明のRNA分子は、少なくとも1つの二本鎖領域と、5’突出、3’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される2つの末端とを有する(例えば、図1A、2A〜2Dを参照されたい)。

0154

1個のヌクレオチドの変更、付加および欠失が分子の機能性に非常に影響を与え得る低分子RNA調節因子を作製する分野において(Elbashirら、2001c)、aiRNA足場は、各々の鎖およびそれぞれの3’突出において対称である21ntの二本鎖RNAの古典的なsiRNA構造とは区別される構造プラットホームを提供する。さらに、本発明のaiRNAは、以下の実施例に含まれるデータによって示されるように、RNAiベースの調査および薬剤開発において現在直面している支障を克服することができる新しい種類の低分子調節因子の設計に切望される新しいアプローチを提供する。例えば、siRNAを構造的に模倣するaiRNAのデータは、aiRNAが、遺伝子サイレンシングの誘導において、siRNAよりも効果的であり、強力であり、速やかに発現し、耐久性があり、および特異的であることを示す。

0155

本発明のRNA分子の任意の一本鎖領域は、2つの二本鎖領域間に任意の末端突出およびギャップを含み、化学的な修飾または二次構造のいずれかを介して、分解に対して安定化し得る。RNA鎖は、マッチしないかまたは不完全にマッチしたヌクレオチドを有することができる。各鎖は、1つまたは複数のニック(核酸骨格中の切断、例えば図1Bを参照)、ギャップ(1つまたは複数の欠けているヌクレオチドを含む断片化された鎖、例えば図1Cを参照)、および修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を有してもよい。単にRNA分子における任意または全てのヌクレオチドは化学的に修飾され得るだけでなく、各鎖は、その機能性を高めるために1つまたは複数の部分、例えば1つまたは複数のペプチド、抗体、抗体断片、アプタマー、ポリマーなどとコンジュゲートされてもよい。

0156

一実施形態において、第1鎖は、第2鎖より少なくとも1nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20nt長い。別の実施形態において、第1鎖は、第2鎖より20〜100nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より2〜12nt長い。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より3〜10nt長い。

0157

一実施形態において、第1鎖、または長い鎖は、5〜100nt、または好ましくは10〜30ntもしくは12〜30nt、またはより好ましくは15〜28ntの長さを有する。一実施形態において、第1鎖は、長さが21ヌクレオチドである。一実施形態において、第2鎖、または短い鎖は、3〜30nt、または好ましくは3〜29ntもしくは10〜26nt、またはより好ましくは12〜26ntの長さを有する。一実施形態において、第2鎖は、15ヌクレオチドの長さを有する。

0158

一実施形態において、二本鎖領域は、3〜98bpの長さを有する。さらなる実施形態において、二本鎖領域は、5〜28bpの長さを有する。なおさらなる実施形態において、二本鎖領域は、10〜19bpの長さを有する。二本鎖領域の長さは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30bpとすることができる。

0159

一実施形態において、RNA分子の二本鎖領域は、いずれのミスマッチまたはバルジも含まず、2本の鎖は、二本鎖領域内で互いに完全に相補的である。別の実施形態において、RNA分子の二本鎖領域は、ミスマッチおよび/またはバルジを含む。

0160

一実施形態において、末端突出は1〜10ヌクレオチドである。さらなる実施形態において、末端突出は1〜8ヌクレオチドである。別の実施形態において、末端突出は3ntである。

0161

2.1. 5’突出および3’突出の両方を有する二重鎖RNA分子
図1Aを参照すると、本発明の一実施形態において、二本鎖RNA分子は、第1鎖上に5’突出および3’突出の両方を有する。RNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、第1鎖と第2鎖は、実質的に相補性の配列を有する少なくとも1つの二本鎖領域を形成し、第1鎖は、第2鎖より長い。第1鎖上で、二本鎖領域に隣接して、5’末端および3’末端の両方上に非対応の突出が存在する。

0162

一実施形態において、第1鎖は、第2鎖より少なくとも2nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は第2鎖より少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20nt長い。別の実施形態において、第1鎖は、第2鎖より20〜100nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より2〜12nt長い。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より3〜10nt長い。

0163

一実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有する。さらなる実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有し、第2鎖は、3〜30ヌクレオチドの長さを有する。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有し、第2鎖は、3〜18ヌクレオチドの長さを有する。

0164

一実施形態において、第1鎖は、10〜30ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、第1鎖は、10〜30ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は、3〜28ヌクレオチドの長さを有する。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、10〜30ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は、3〜19ヌクレオチドの長さを有する。

0165

一実施形態において、第1鎖は、12〜26ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、第1鎖は、12〜26ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は、10〜24ヌクレオチドの長さを有する。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、12〜26ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は、10〜19ヌクレオチドの長さを有する。

0166

一実施形態において、第1鎖は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ntの長さを有する。別の実施形態において、第2鎖は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28ntの長さを有する。

0167

一実施形態において、第1鎖は、21ntの長さを有し、第2鎖は、15ntの長さを有する。

0168

一実施形態において、3’突出は、1〜10ntの長さを有する。さらなる実施形態において、3’突出は、1〜8ntの長さを有する。なおさらなる実施形態において、3’突出は、2〜6ntの長さを有する。一実施形態において、3’突出は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ntの長さを有する。

0169

一実施形態において、5’突出は、1〜10ntの長さを有する。さらなる実施形態において、5’突出は、1〜6ntの長さを有する。なおさらなる実施形態において、5’突出は、2〜4ntの長さを有する。一実施形態において、5’突出は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ntの長さを有する。

0170

一実施形態において、3’突出の長さは、5’突出の長さに等しい。別の実施形態において、3’突出は、5’突出より長い。代替の実施形態において、3’突出は、5’突出より短い。

0171

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、約15ntの実質的に相補性の配列の二本鎖領域、3ntの3’突出、および3ntの5’突出を含む。第1鎖は21ntであり、第2鎖は15ntである。一特徴では、様々な実施形態の二本鎖領域は、完全に相補性の配列からなる。代替の特徴では、二本鎖領域は、少なくとも1つのニック(図1B)、ギャップ(図1C)、および/またはミスマッチ(バルジもしくはループ)を含む。

0172

一実施形態において、二本鎖領域は、3〜98bpの長さを有する。さらなる実施形態において、二本鎖領域は、5〜28bpの長さを有する。なおさらなる実施形態において、二本鎖領域は、10〜19bpの長さを有する。二本鎖領域の長さは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30bpとすることができる。2つ以上の二本鎖領域が存在することができる。

0173

一実施形態において、第1鎖はアンチセンス鎖であり、これは、切断によるかまたは翻訳抑制による遺伝子サイレンシングのために、メッセンジャーRNA(mRNA)などの実質的に相補性の遺伝子転写物を標的にすることができる。

0174

また、本発明は、18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1鎖、および12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2鎖を含む二重鎖RNA分子を提供し、ここで、第2鎖は、第1鎖と実質的に相補的であり、第1鎖とともに二本鎖領域を形成し、第1鎖は、1〜9ヌクレオチドの3’突出、1〜8ヌクレオチドの5’突出を有し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞において選択的遺伝子サイレンシングをもたらすことができる。一実施形態において、第1鎖は、標的mRNA配列と実質的に相補的である配列を含む。

0175

一実施形態において、第1鎖は、長さが20、21、または22ヌクレオチドである。別の実施形態において、第2鎖は、長さが14、15、または16ヌクレオチドである。

0176

一実施形態において、第1鎖は、長さが21ヌクレオチドであり、第2鎖は、長さが15ヌクレオチドである。さらなる実施形態において、第1鎖は、1、2、3、4、5、または6ヌクレオチドの3’突出を有する。なおさらなる実施形態において、第1鎖は3ヌクレオチドの3’突出を有する。

0177

2.2. 第一鎖に平滑末端、および5’突出または3’突出を有する二重鎖RNA分子
一実施形態において、二重鎖RNA分子は、二本鎖領域、平滑末端、および5’突出または3’突出を含む(例えば、図2Aおよび2Bを参照されたい)。このRNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、第1鎖と第2鎖は、二本鎖領域を形成し、第1鎖は、第2鎖より長い。

0178

一実施形態において、二本鎖領域は、3〜98bpの長さを有する。さらなる実施形態において、二本鎖領域は、5〜28bpの長さを有する。なおさらなる実施形態において、二本鎖領域は、10〜18bpの長さを有する。二本鎖領域の長さは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30bpとすることができる。この二本鎖領域は、他の実施形態に関して記載したものと同様の特徴を有することができ、必ずしもここで繰り返されない。例えば、二本鎖領域は、完全に相補性の配列からなり、または少なくとも1つのニック、ギャップ、および/またはミスマッチ(バルジまたはループ)を含むことができる。

0179

一実施形態において、第1鎖は、第2鎖より少なくとも1nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20nt長い。別の実施形態において、第1鎖は、第2鎖より20〜100nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より2〜12nt長い。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より4〜10nt長い。

0180

一実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有する。さらなる実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有し、第2鎖は、3〜30ヌクレオチドの長さを有する。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、10〜30ntの長さを有し、第2鎖は、3〜19ヌクレオチドの長さを有する。別の実施形態において、第1鎖は、12〜26ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は、10〜19ヌクレオチドの長さを有する。

0181

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、二本鎖領域、平滑末端、および3’突出を含む(例えば、図2Bを参照されたい)。

0182

一実施形態において、3’突出は、1〜10ntの長さを有する。さらなる実施形態において、3’突出は、1〜8ntの長さを有する。なおさらなる実施形態において、3’突出は、2〜6ntの長さを有する。一実施形態において、3’突出は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ntの長さを有する。

0183

代替の実施形態において、二重鎖RNA分子は、二本鎖領域、平滑末端、および5’突出を含む(例えば、図2Aを参照されたい)。

0184

一実施形態において、5’突出は、1〜10ntの長さを有する。さらなる実施形態において、5’突出は、1〜6ntの長さを有する。なおさらなる実施形態において、5’突出は、2〜4ntの長さを有する。一実施形態において、5’突出は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ntの長さを有する。

0185

2.3. 2つの5’突出、または2つの3’突出を有する二重鎖RNA分子
一実施形態において、二重鎖RNA分子は、二本鎖領域、および2つの3’突出、または2つの5’突出を含む(例えば、図2Cおよび2Dを参照されたい)。RNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、第1鎖と第2鎖は、二本鎖領域を形成し、第1鎖は、第2鎖より長い。

0186

一実施形態において、二本鎖領域は、3〜98bpの長さを含む。さらなる実施形態において、二本鎖領域は、5〜28bpの長さを有する。なおさらなる実施形態において、二本鎖領域は、10〜18bpの長さを有する。二本鎖領域の長さは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30bpとすることができる。

0187

一実施形態において、第1鎖は、第2鎖より少なくとも1nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20nt長い。別の実施形態において、第1鎖は、第2鎖より20〜100nt長い。さらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より2〜12nt長い。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、第2鎖より4〜10nt長い。

0188

一実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有する。さらなる実施形態において、第1鎖は、5〜100ntの長さを有し、第2鎖は、3〜30ヌクレオチドの長さを有する。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、10〜30ntの長さを有し、第2鎖は、3〜18ヌクレオチドの長さを有する。別の実施形態において、第1鎖は、12〜26ヌクレオチドの長さを有し、第2鎖は、10〜16ヌクレオチドの長さを有する。

0189

代替の実施形態において、二重鎖RNA分子は、二本鎖領域、および2つの3’突出を含む(例えば、図2Cを参照されたい)。この二本鎖領域は、他の実施形態に関して記載したのと同様の特徴を有する。

0190

一実施形態において、3’突出は、1〜10ntの長さを有する。さらなる実施形態において、3’突出は、1〜6ntの長さを有する。なおさらなる実施形態において、3’突出は、2〜4ntの長さを有する。一実施形態において、3’突出は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ntの長さを有する。

0191

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、二本鎖領域、および2つの5’突出を含む(例えば、図2Dを参照されたい)。

0192

一実施形態において、5’突出は、1〜10ntの長さを有する。さらなる実施形態において、5’突出は、1〜6ntの長さを有する。なおさらなる実施形態において、5’突出は、2〜4ntの長さを有する。一実施形態において、3’突出は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ntの長さを有する。

0193

3.aiRNAの設計
siRNAおよびmiRNAは、研究手段として広く使用され、薬剤候補として開発される。(例えば、Dykxhoorn、Novina & Sharp. Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 4巻:457〜467頁(2003年);Kim & Rossi、Nature Rev. Genet. 8巻:173〜184頁(2007年);de Fougerollesら Nature Rev. Drug Discov. 6巻:443〜453頁(2007年);Czech、NEJM 354巻:1194〜1195頁(2006年);およびMack、Nature Biotech. 25巻:631〜638頁(2007年)を参照されたい)。本発明の二重鎖RNA分子、すなわち、aiRNAは、当分野で既知のsiRNAおよびmiRNAから導出することができる。

0194

本発明は、siRNAまたはmiRNAを変換してaiRNAにする方法を提供する。この変換は、最初の分子と比較して改善された、少なくとも1つの特性を有する、新しい二重鎖RNA分子をもたらす。この特性は、サイズ、効力(efficacy)、効能(potency)、開始速度、耐久性、合成費用、オフターゲット効果、インターフェロン応答、または送達とすることができる。

0195

一実施形態において、最初の分子は、siRNAなどの二重鎖RNA分子である。二重鎖RNA分子は、少なくとも1つの二本鎖領域を形成する、アンチセンス鎖(例えば、ガイド鎖)およびセンス鎖(例えば、パッセンジャー鎖)を含む。この方法は、アンチセンス鎖がセンス鎖より長いように一方または両方の鎖の長さを変更するステップを含む。一実施形態において、センスパッセンジャー鎖が短縮される。別の実施形態において、アンチセンスガイド鎖が伸長される。なおさらなる実施形態において、センス鎖が短縮され、アンチ鎖が伸長される。無傷またはサイズが変更されたアンチセンスおよびセンスRNA鎖は、合成し、aiRNA分子が形成される条件下で組み合わせることができる。

0196

さらなる実施形態において、この方法は、二重鎖RNA分子が、1〜6ヌクレオチドの3’突出、および1〜6ヌクレオチドの5’突出のうちの少なくとも1つを有して形成されるように、アンチセンス鎖および/またはセンス鎖の長さを変更するステップを含む。

0197

あるいは、本発明の二重鎖RNA分子は、新規に設計することができる。本発明の二重鎖RNA分子は、遺伝子ウォークの方法などの、siRNAおよびmiRNAのための設計方法を利用して設計することができる。

0198

本発明のRNA分子は、バイオインフォマテクス手法を用いて設計し、次いでin vitroおよびin vivoで試験することによって、標的遺伝子に対するその調節効力、および任意のオフターゲット効果の存在を判定することができる。これらの研究に基づいて、次いでRNA分子の配列を選択し、修飾することによって、標的遺伝子に対する調節効力を改善し、オフターゲット効果を最小限にすることができる。(例えば、Patzel、Drug Discovery Today 12巻:139〜148頁(2007年)を参照されたい)。

0199

3.1.二重鎖RNA分子中の非対応領域またはミスマッチ領域
aiRNA二重鎖の2つの一本鎖は、例えば、1つまたは複数のミスマッチを含む、少なくとも1つの非対応の領域、または不完全に対応した領域を有することができる。一実施形態において、非対応の、または不完全に対応した領域は、平滑末端を有する末端領域、3’−凹部または5’突出を有する末端領域、および5’凹部または3’突出を有する末端領域を含めた、RNA分子の少なくとも1つの末端領域である。本明細書で使用する場合、末端領域は、1つの末端および隣接する範囲を含む、RNA分子の領域である。

0200

一実施形態において、非対応の領域、または不完全に対応した領域は、aiRNA分子の二本鎖領域内にある。さらなる実施形態において、非対称性RNA二重鎖は、非対応のバルジまたはループ構造を有する。

0201

3.2.二重鎖RNA分子内の配列モチーフ
本発明のaiRNA分子の設計において、総GC含量は変化し得る。一実施形態において、二本鎖領域のGC含量は、20〜70%である。さらなる実施形態において、G−C対形成は、A−U対形成より強いので、鎖の分離をより容易にするために、二本鎖領域のGC含量は、50%未満、または好ましくは30〜50%である。

0202

末端の突出でのヌクレオチド配列、いくつかの実施形態において、例えば、5’末端は、任意の鋳型配列(例えば、標的mRNA配列)から独立に設計することができ、すなわち、標的mRNA(siRNAまたはmiRNA模倣剤の場合)、または標的miRNA(miRNA阻害剤の場合)と実質的に相補的である必要はない。一実施形態において、より長い鎖またはアンチセンス鎖の、例えば5’または3’での突出は、「AA」、「UU」または「dTdT」モチーフを有し、これは、いくつかの他のモチーフと比較して、効力の増大を示した。一実施形態において、より長い鎖またはアンチセンス鎖の5’突出は、「AA」モチーフを有する。別の実施形態において、より長い鎖またはアンチセンス鎖の3’突出は、「UU」モチーフを有する。

0203

3.3.ヌクレオチド置換
本発明のRNA分子内のヌクレオチドの1つまたは複数は、デオキシヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体と置換することができる。置換は、RNA分子内のどこにおいても、例えば、一方もしくは両方の突出領域、および/または二本鎖領域で起こり得る。場合によっては、置換により、RNA分子の物理的特性、例えば、鎖親和性、溶解度、およびRNase劣化に対する抵抗力、または別の方法で増強された安定性が増強される。

0204

一実施形態において、修飾ヌクレオチドまたは類似体は、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである。骨格修飾リボヌクレオチドは、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合内の修飾を有することができる。一実施形態において、RNA分子内のホスホジエステル結合は、修飾されることによって、少なくとも1個の窒素ヘテロ原子および/または硫黄ヘテロ原子を含む。一実施形態において、修飾ヌクレオチドまたは類似体は、非天然(unusual)塩基または修飾塩基である。一実施形態において、修飾ヌクレオチドまたは類似体は、イノシン、またはトリチル化塩基である。

0205

さらなる実施形態において、ヌクレオチド類似体は、糖修飾リボヌクレオチドであり、この中で2’−OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、およびCNからなる群から選択される基によって置換され、各Rは、C1〜C6アルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され、ハロは、F、Cl、Br、およびIからなる群から選択される。

0206

一実施形態において、ヌクレオチド類似体は、ホスホチオエート基を含む骨格修飾リボヌクレオチドである。

0207

4.有用性
また、本発明は、細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法を提供する(サイレンシング法)。この方法は、選択的遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下で前記細胞または生物を二重鎖RNA分子と接触させるステップ、二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的核酸に対して、前記二重鎖RNA分子により実施される選択的遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む。

0208

一実施形態において、接触するステップは、選択的遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物または生物中の標的細胞に前記二本鎖RNA分子を導入するステップを含む。さらなる実施形態において、導入するステップは、トランスフェクション、リポフェクション、感染、エレクトロポレーション、または他の送達技術を含む。

0209

一実施形態において、サイレンシング法は、細胞または生物の遺伝子の機能または有用性を決定するために用いられる。

0210

サイレンシング法は、細胞または生物における遺伝子の発現を調節するために用いることができる。一実施形態において、その遺伝子は、疾患、例えばヒト疾患もしくは動物疾患病態、または望ましくない状態と関係する。さらなる実施形態において、その遺伝子は、病原微生物の遺伝子である。なおさらなる実施形態において、その遺伝子はウイルス遺伝子である。別の実施形態において、その遺伝子は腫瘍関連遺伝子である。

0211

代替の実施形態において、遺伝子は、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化と関連する遺伝子である。

0212

4.1 研究手段
本発明のRNA分子は、遺伝子機能を発見するための遺伝子操作されたノックアウトモデルとは対照的に、動物モデルにおける遺伝子の「ノックダウン」を作るために用いることができる。また、この方法は、in vitroにおいて遺伝子をサイレンシングするために用いることができる。例えば、aiRNAを細胞にトランスフェクトすることができる。aiRNAは、薬剤研究および開発における、薬物標的/経路同定および検証、ならびに他の生物医学研究における研究ツールとして1に用いることができる。

0213

4.2治療的使用
本発明のRNA分子は、(Czech、2006年;de Fougerollesら、2007年;Dykxhoornら、2003年;KimおよびRossi、2007年;Mack、2007年)に要約された疾患を含む様々な疾患または望ましくない状態の治療およびまたは予防のために用いることができる。

0214

一実施形態において、本発明は、癌治療として、または癌を予防するために用いることができる。本発明のRNA分子を用いて、細胞増殖または他の癌表現型と関連した遺伝子をサイレンシングするかまたはノックダウンさせることができる。これらの遺伝子の例は、k−Ras、β−カテニン、Nbs1、EF2、Stat3、PTEN、p70S6K、mTOR、Rsk1、PCNA、Parp1、サバイビン、NQO1、およびp21である。具体的には、k−Rasおよびβ−カテニンは、結腸癌治療遺伝子である。これらの癌遺伝子は活性であり、多数の臨床症例に関係している。

0215

また、これらのRNA分子を用いて、非癌遺伝子標的をサイレンシングするかまたはノックダウンさせることができる。また、本発明のRNA分子は、眼疾患(例えば、加齢黄斑変性(AMD)および糖尿病性網膜症(DR));感染症(例えば、HIVAIDS、B型肝炎ウイルスHBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純疱疹ウイルス(HSV)、RCV、サイトメガロウイルス(CMV)、デング熱ウェストナイルウイルス);呼吸器疾患(例えば、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、喘息嚢胞性線維症);神経系疾患(例えば、ハンチドン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症ALS)、脊髄損傷パーキンソン病アルツハイマー病疼痛);心臓血管疾患;代謝性疾患(例えば、糖尿病);遺伝病;ならびに炎症状態(例えば、炎症性腸疾患(IBD)、関節炎リウマチ様疾患自己免疫障害)、皮膚疾患を治療または予防するために用いることができる。

0216

様々な遺伝子は、本発明の非対称性二重鎖RNA分子を用いてサイレンシングすることができる。一実施形態において、第1鎖は、発生遺伝子、癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、および酵素遺伝子、ならびに接着分子、サイクリンキナーゼインヒビター、Wntファミリーメンバー、Paxファミリーメンバー、ウイングドヘリックスファミリーメンバー、Hoxファミリーメンバー、サイトカイン/リンホカインまたはその受容体、成長/分化因子またはその受容体、神経伝達物質またはその受容体、ABLI、BCL1、BCL2、BCL6、CBFA2、CBL、CSFIR、ERBA、ERBB、EBRB2、ETS1、ETS1、ETV6、FGR、FOS、FYN、HCR、HRAS、JUN、KRAS、LCK、LYN、MDM2、MLL、MYB、MYC、MYCL1、MYCN、NRAS、PIM1、PML、RET、SRC、TAL1、TCL3およびYES)(例えば、APC、BRCA1、BRCA2、MADH4、MCC、NF1、NF2、RB1、TP53、WT1、ACPデサチュラーゼまたはヒドロキシラーゼ、ADP−グルコースピロホリラーゼ、ATase、アルコールデヒドロゲナーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、シクロオキシゲナーゼ、デカルボキシラーゼ、デキストリナーゼ、DNAもしくはRNAポリメラーゼ、ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、グルコースオキシダーゼ、GTPase、ヘリカーゼ、ヘミセルラーゼ、インテグラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、キナーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、リゾチーム、ペクチンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、ホスホリラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテイナーゼまたはペプチダーゼ、プルラナーゼ、リコンビナーゼ、逆転写酵素、トポイソメラーゼ、キシラナーゼ、k−RAS、β−カテニン、Rsk1、PCNA、p70S6K、サバイビン、mTOR、PTEN、Parp1、またはp21の遺伝子からなる群から選択される遺伝子の標的mRNA配列と実質的に相補的である配列を含む。

0217

本発明は、疾患または望ましくない状態を治療するための方法を提供する。この方法は、疾患または望ましくない状態と関連した遺伝子の遺伝子サイレンシングをもたらすための非対称性二重鎖RNA分子を用いることを含む。

0218

4.3薬剤へのRNA分子(aiRNA)の変換
4.3.1 RNA分子の修飾
のRNA分子は、相対的に不安定であり、in vivoでは相対的に速やかに分解され得る。化学的修飾は、本発明のRNA分子に導入され、RNA分子の半減期を改善し、さらには、RNA分子の生物活性を低下させずに遺伝子標的化の非特異的な作用のリスクを低下させることができる。

0219

RNA分子の修飾は、アンチセンスRNA、リボザイム、アプタマー、およびRNAiを含む様々なRNA分子の安定性を改善するために調査されている(ChiuおよびRana、2003年;Czaudernaら、2003年;de Fougerollesら、2007年;KimおよびRossi、2007年;Mack、2007年;Zhangら、2006年;ならびにSchmidt、Nature Biotech.、25巻:273〜275頁(2007年)。

0220

当業者に既知の任意の安定化修飾を使用することによって、本発明のRNA分子の安定性を改善することができる。本発明のRNA分子内で、化学修飾は、リン酸骨格(例えば、ホスホロチオエート連結)、リボース(例えば、ロックされた核酸、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン、2’−O−メチル(mthyl))、および/または塩基(例えば、2’−フルオロピリミジン)に導入することができる。そのような化学修飾のいくつかの例を以下に要約する。

0221

血清中でエンドヌクレアーゼ活性に対する抵抗力を増大させる、2’−O−メチルプリンおよび2’−フルオロピリミジンなどの、リボースの2’位での化学修飾を採用することによって、本発明のRNA分子を安定化することができる。修飾を導入するための位置は、RNA分子のサイレンシング効力を著しく低減することを回避するために、慎重に選択されるべきである。例えば、ガイド鎖の5’末端上の修飾は、サイレンシング活性を低減し得る。一方、2’−O−メチル修飾を、二本鎖領域での2本のRNA鎖の間に交互に配置することによって、遺伝子サイレンシング効力を保存しながら安定性を改善することができる。2’−O−メチル修飾は、インターフェロンの誘発を排除または低減することもできる。

0222

別の安定化修飾は、ホスホロチオエート(P=S)連結である。例えば、3’突出での、RNA分子中へのホスホロチオエート(P=S)連結の導入は、エキソヌクレアーゼに対する保護を提供することができる。

0223

RNA分子中へのデオキシリボヌクレオチドの導入も、製造費用を低減し、安定性を増大させることができる。

0224

一実施形態において、3’突出、5’突出、またはその両方が、劣化に対して安定化される。一実施形態において、RNA分子は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含む。さらなる実施形態において、修飾リボヌクレオチドは、その糖、骨格、塩基、またはこの3つの任意の組合せにおいて修飾される。

0225

一実施形態において、ヌクレオチド類似体は、糖修飾リボヌクレオチドである。さらなる実施形態において、ヌクレオチド類似体の2’−OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基によって置換され、各Rは独立に、C1〜C6アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、ハロは、F、Cl、BrまたはIである。

0226

代替の実施形態において、ヌクレオチド類似体は、ホスホチオエート基を含む骨格修飾リボヌクレオチドである。

0227

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。さらなる実施形態において、第1鎖は、1〜6つのデオキシヌクレオチドを含む。なおさらなる実施形態において、第1鎖は、1〜3つのデオキシヌクレオチドを含む。別の実施形態において、3’突出は、1〜3つのデオキシヌクレオチドを含む。さらなる実施形態において、5’突出は、1〜3つのデオキシヌクレオチドを含む。代替の実施形態において、第2鎖は1〜5つのデオキシヌクレオチドを含む。

0228

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む3’突出または5’突出を含む。別の実施形態において、RNAの3’突出および/または5’突出は、デオキシヌクレオチドからなる。

0229

一実施形態において、二重鎖RNA分子は、実体とコンジュゲートしている。さらなる実施形態において、実体は、ペプチド、抗体、ポリマー、脂質、オリゴヌクレオチド、およびアプタマーからなる群から選択される。

0230

別の実施形態において、第1鎖と第2鎖は、化学リンカーによって結合されている。

0231

4.4.RNA分子のin vivo送達
RNAiの治療用途にとっての1つの主な障害は、標的細胞へのsiRNAの送達である(ZamoreおよびAronin(2003年))。様々な手法が、RNA分子、特にsiRNA分子の送達のために開発された(例えば、(de Fougerolles
et al.,2007;Dykxhoorn et al.,2003年;Kim and Rossi,2007年)。当業者に既知の任意の送達手法を、本発明のRNA分子の送達のために使用することができる。

0232

送達における主な問題点として、血清中の不安定性、非特異的な分布組織障壁、および非特異的なインターフェロン応答が挙げられる(Lu & Woodle、Methodsin Mol Biology 437巻:93〜107頁(2008年))。そのsiRNAおよびmiRNA対応物と比較して、aiRNA分子はいくつかの利点を有し、これは、より広い範囲の方法を送達目的のために利用可能にするはずである。第1に、aiRNAは、そのsiRNAおよびmiRNA対応物より小さいように設計することができ、したがって、任意のインターフェロン応答を低減または排除することができる。第2に、aiRNAは、より強力であり、より速く開始し、より有効であり、より長く持続し、したがって、治療目的を実現するのに、より少ない量/投与量のaiRNAを必要とする。第3に、aiRNAは二本鎖であり、一本鎖のアンチセンスオリゴおよびmiRNAより安定であり、これらは、化学的にさらに修飾されることによって、安定性を増強することができる。したがって、本発明のRNA分子は、様々な全身的または局所的な送達経路を介して対象中に送達することができる。いくつかの実施形態において、本発明の分子は、静脈内(I.V.)および腹腔内(ip)を含む全身送達経路を介して送達される。他の実施形態において、本発明の分子は、局所的な送達経路、例えば、鼻腔内、硝子体内気管内、脳内、筋肉内、関節内、および腫瘍内を介して送達される。

0233

送達技術の例として、裸のRNA分子の直接注射、コレステロールなどの天然リガンドへのRNA分子の結合、またはアプタマー、リポソーム調合送達、および抗体−プロタミン融合タンパク質への非共有結合が挙げられる。他の担体の選択肢には、正に帯電した担体(例えば、陽イオン性の脂質およびポリマー)ならびに様々なタンパク質担体が含まれる。一実施形態において、本発明の分子の送達は、陽イオン性リポソーム複合体またはポリマー複合体系に基づくリガンド標的送達系を使用する(Woodleら J Control Release 74巻:309〜311頁;Songら Nat Biotechnol. 23巻(6号):709〜717頁(2005年);Morrisseyら Nat Biotechnol. 23巻(8号):1002〜1007頁(2005年))。

0234

一実施形態において、本発明の分子は、in vivo送達のために、コラーゲン担体、例えば、アテロコラーゲンと製剤化される。アテロコラーゲンは、siRNAをRNaseによって消化されることから保護し、徐放を可能にすることが報告されている(Minakuchiら Nucleic AcidsRes. 32巻:e109頁(2004年);Takeiら Cancer Res. 64巻:3365〜3370頁(2004年))。別の実施形態において、本発明の分子は、ナノ粒子と製剤化され、またはナノエマルジョン、例えば、RGDペプチドリガンド標的ナノ粒子を形成する。異なるsiRNAオリゴを、同じRGDリガンド標的ナノ粒子中で混合することによって、いくつかの遺伝子を同時に標的にすることができることが示された(Woodleら Materials Today 8巻(補遺1):34〜41頁(2005年))。

0235

ウイルスベクターも、本発明のRNA分子の送達のために使用することができる。一実施形態において、レンチウイルスベクターが、安定な発現のためにゲノムに組み込むRNA分子導入遺伝子を送達するために使用される。別の実施形態において、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス(AAV)が、ゲノムに組み込まれないで、エピソーム発現を有するRNA分子導入遺伝子を送達するために使用される。

0236

さらに、本発明のRNA分子の送達のために、細菌を使用することができる。(Xiangら、(2006年))。

0237

5.医薬組成物および製剤
本発明は、医薬組成物をさらに提供した。医薬組成物は、活性薬剤として、少なくとも1つの非対称性二重鎖RNA分子と、医薬的担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノ乳剤、脂質、およびリポイドからなる群から選択される1つまたは複数の担体とを含む。一実施形態において、この組成物は、診断的適用、または治療的適用のためのものである。

0238

本発明の医薬組成物および製剤は、RNA成分を除いて、siRNA、miRNA、およびアンチセンスRNAに対して開発された医薬組成物および製剤と同じであるか、同様であってもよい(de Fougerolles et al.,2007年;Kim and Rossi,2007年)。医薬組成物および製剤中のsiRNA、miRNA、およびアンチセンスRNAは、本情報の二重鎖RNA分子によって置換することができる。医薬組成物および製剤は、さらに改変することによって、本情報の二重鎖RNA分子に適応させることもできる。

0239

開示された二重鎖RNA分子の「薬学的に許容される塩」または「塩」は、イオン結合を含む開示された二重鎖RNA分子の生成物であり、一般に、開示された二重鎖RNA分子を、対象に投与するのに適した酸または塩基と反応させることによって生成される。薬学的に許容される塩として、それだけに限らないが、塩酸塩臭化水素酸塩リン酸塩硫酸塩、硫酸水素塩アルキルスルホン酸塩アリールスルホン酸塩、酢酸塩安息香酸塩クエン酸塩マレイン酸塩フマル酸塩コハク酸塩乳酸塩、および酒石酸塩を含めた酸付加塩;Na、K、Liなどのアルカリ金属陽イオン、MgまたはCaなどのアルカリ土類金属塩、または有機アミン塩を挙げることができる。

0240

「医薬組成物」は、対象への投与に適した形態での、開示された二重鎖RNA分子を含む製剤である。一実施形態において、医薬組成物は、バルクまたは単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセルIVバッグ錠剤エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、またはバイアルを含めた様々な形態のいずれかである。単位用量の組成物中の活性成分(例えば、開示された二重鎖RNA分子またはその塩の製剤)の量は、有効量であり、関与する特定の治療によって変化する。当業者は、患者の年齢および状態に応じて、投与量に対して日常の変更を行うことが時折必要であることを理解するであろう。投与量は、投与経路にも依存する。様々な経路は、経口、肺性直腸非経口経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内などを含めて企図されている。本発明の二重鎖RNA分子の局所または経皮投与のための剤形として、粉末スプレー軟膏ペーストクリームローション剤ゲル溶液パッチ、および吸入剤が挙げられる。一実施形態において、活性な二重鎖RNA分子は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、および必要とされる任意の保存剤緩衝液、または噴霧剤と混合される。

0241

本発明は、必要としている対象に有効量の医薬組成物を投与するステップを含む治療方法を提供する。一実施形態において、医薬組成物は、iv、sc、局所、po、およびipからなる群から選択される経路を介して投与される。別の実施形態において、有効量は、1日あたり1ng〜1g、1日あたり100ng〜1g、または1日あたり1μg〜1mgである。

0242

本発明は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わせた、本発明の二重鎖RNA分子を含む医薬製剤も提供する。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」は、薬剤投与適合性である、任意の、およびすべての溶媒分散媒質コーティング抗菌剤および抗真菌剤等張剤および吸収遅延剤などが含まれることが意図されている。適当な担体は、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy、20版」、Lippincott Williams&Wilkins、Philadelphia、PA.に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれている。そのような担体または希釈剤の例として、それだけに限らないが、水、食塩水リンガー液デキストロース溶液、および5%のヒト血清アルブミンが挙げられる。リポソームおよび固定油などの非水性のビヒクルも使用することができる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒質および作用剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒質または作用剤が、活性な二重鎖RNA分子と不適合である場合を除いて、組成物中でのこれらの使用は企図されている。追加の活性な二重鎖RNA分子も、組成物中に組み込むことができる。

0243

製剤のための方法は、PCT国際出願PCT/US02/24262(WO03/011224)、米国特許出願公開第2003/0091639号、および米国特許出願公開第2004/0071775号に開示されており、そのそれぞれは、本明細書に参照により組み込まれている。

0244

本発明の二重鎖RNA分子は、治療有効量(例えば、腫瘍増殖の阻害、腫瘍細胞死滅細胞増殖性障害の治療または予防などによる所望の治療効果を実現するのに十分な有効なレベル)の本発明の二重鎖RNA分子(活性成分として)を、従来の手順によって標準的な医薬担体または希釈剤と組み合わせることによって(すなわち、本発明の医薬組成物を製造することによって)調製された適当な剤形で投与される。これらの手順は、所望の製剤を得るために、適切な場合、成分の混合、顆粒化、および圧縮または溶解を伴う場合がある。別の実施形態において、治療有効量の本発明の二重鎖RNA分子は、標準的な医薬担体または希釈剤を含まない適当な剤形で投与される。

0245

薬学的に許容される担体として、固体担体、例えば、ラクトーステラアルバ、スクロースタルクゼラチン寒天ペクチンアカシアステアリン酸マグネシウムステアリン酸などが挙げられる。例示的な液体担体として、シロップラッカセイ油オリーブ油、水などが挙げられる。同様に、担体または希釈剤として、当技術分野で既知の時間遅延物質、例えば、単独の、またはワックスを含むモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルエチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースメチルメタクリレートなどを挙げることができる。他の充填剤、賦形剤、香味剤、および当技術分野で既知のものなどの他の添加剤も、本発明による医薬組成物中に含めることができる。

0246

本発明の活性な二重鎖RNA分子を含む医薬組成物は、一般に既知の様式で、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣丸作製、湿式混合乳化カプセル封入エントラッピング、または凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、活性な二重鎖RNA分子の薬学的に使用することができる製剤への加工を促進する賦形剤および/または助剤を含む、1つまたは複数の生理的に許容される担体を使用して、従来の様式で製剤化することができる。もちろん、適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。

0247

本発明の二重鎖RNA分子または医薬組成物は、化学療法剤治療に対して現在使用されている、多くの周知の方法で対象に投与することができる。例えば、癌の治療のために、本発明の二重鎖RNA分子は、腫瘍中に直接注射し、血流もしくは体腔中に注射し、または経口服用し、またはパッチを用いて皮膚を介して適用することができる。乾癬状態の治療については、全身投与(例えば、経口投与)、または皮膚の患部への局所投与は、好適な投与経路である。選択される用量は、有効な治療となるのに十分であるが、容認できない副作用を生じるほど高くあるべきでない。患者の病状(例えば、癌、乾癬など)および健康は、治療の間、および治療後の妥当な期間密接にモニターされるべきである。

0248

本発明の様々な特徴をさらに例示するために、いくつかの実施例を以下に示す。これらの実施例は、本発明を実施するのに有用な方法も例示する。これらの実施例は、特許請求する本発明を制限しない。

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