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技術 ペースト状香辛料

出願人 キユーピー株式会社
発明者 佐々木誠
出願日 2016年4月27日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2016-089914
公開日 2016年9月29日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2016-171807
状態 特許登録済
技術分野 調味料
主要キーワード ハンドホ 光電光度法 微細粒子化 超臨界二酸化炭素処理 エスイー 油相分離 ガラムマサラ 水添加後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月29日)のものです。
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課題

香辛料特有香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料の提供。

解決手段

食用油脂12〜65%、水分5〜25%、および配合原料として粉体を用いたペースト状香辛料であって、香辛料乳化剤、および糖アルコールを含有し前記粉体がペースト状香辛料に対して5〜50%であり、前記糖アルコールが前記食用油脂100部に対して固形分換算で14〜200部であり、下記特性1および2を有する、ペースト状香辛料。特性1.3倍量の水を添加し撹拌混合し、静置した際に、油相又水相の分離が視認できない。特性2.積分球式光電光度法を用いて濁度測定することにより得られる前記ペースト状香辛料の全光線透過率T1が、前記ペースト状香辛料を水で3倍に希釈することにより油脂が微細粒子化して乳化状態となった場合の全光線透過率T2よりも高い。

概要

背景

唐辛子胡椒等の香辛料は、歴史抗菌目的で使い始められたが、近年では料理に変化を与えるために使用されており、特有香り風味を活かしたレシピが数多く見られるようになった。一般のスーパーマーケット等にも数十種類の香辛料が置かれる等、その需要はますます広がっている。

市販されている香辛料の多くは、消費者が種や実を破砕する手間を省き、簡便に利用できるように粉末状やペースト状などの形態に加工されているが、香辛料の香味成分の多くは、揮発性であり、かつ水に分解され易いため、従来の形態では経時的に香味成分が消失してしまう課題があった。このため、サイクロデキストリンや油脂に香味成分を包接し、分解や消失を抑制する工夫が施されてきた(特許文献1)。しかしながら、香味成分の消失を十分に抑えることは困難であった。

また、練りからしや練りわさびなどのペースト状香辛料は、醤油食酢などの他の液状調味料に溶いて用いられることがあり、この際、香辛料が液状調味料に十分に分散、溶解せず、均一に香味を付与することができないという課題も有していた。

一方バジルペーストなどの食用油脂に分散された香辛料は、香味成分の消失を防ぐことは可能であるが、口当たりが悪く、また、他の液状調味料などに分散しないため、これらと併用して均一に香味を付与することが困難であった。

概要

香辛料特有の香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料の提供。食用油脂12〜65%、水分5〜25%、および配合原料として粉体を用いたペースト状香辛料であって、香辛料、乳化剤、および糖アルコールを含有し前記粉体がペースト状香辛料に対して5〜50%であり、前記糖アルコールが前記食用油脂100部に対して固形分換算で14〜200部であり、下記特性1および2を有する、ペースト状香辛料。特性1.3倍量の水を添加し撹拌混合し、静置した際に、油相又水相の分離が視認できない。特性2.積分球式光電光度法を用いて濁度測定することにより得られる前記ペースト状香辛料の全光線透過率T1が、前記ペースト状香辛料を水で3倍に希釈することにより油脂が微細粒子化して乳化状態となった場合の全光線透過率T2よりも高い。なし

目的

本発明の目的は、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

食用油脂12〜65%、水分5〜25%、および配合原料として粉体を用いたペースト状香辛料であって、香辛料乳化剤、および糖アルコールを含有し、前記粉体がペースト状香辛料に対して5〜50%であり、前記糖アルコールが前記食用油脂100部に対して固形分換算で14〜200部であり、下記特性1および2を有する、ペースト状香辛料。特性1.ペースト状香辛料100gに対し水300gを添加し、ハンドホイッパーを用いて、25℃、120rpmで3分間撹拌混合し、その後5分間静置した際に、油相又水相の分離が視認できない特性2.積分球式光電光度法を用いて濁度測定することにより得られる前記ペースト状香辛料の全光線透過率T1(対照清水波長390nm、光路長5mm)が、前記ペースト状香辛料を水で3倍に希釈することにより油脂が微細粒子化して乳化状態となった場合の全光線透過率T2よりも高い

技術分野

0001

本発明は、香辛料特有香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料の製造方法、及びそれにより得られるペースト状香辛料に関する。

背景技術

0002

唐辛子胡椒等の香辛料は、歴史抗菌目的で使い始められたが、近年では料理に変化を与えるために使用されており、特有香り風味を活かしたレシピが数多く見られるようになった。一般のスーパーマーケット等にも数十種類の香辛料が置かれる等、その需要はますます広がっている。

0003

市販されている香辛料の多くは、消費者が種や実を破砕する手間を省き、簡便に利用できるように粉末状やペースト状などの形態に加工されているが、香辛料の香味成分の多くは、揮発性であり、かつ水に分解され易いため、従来の形態では経時的に香味成分が消失してしまう課題があった。このため、サイクロデキストリンや油脂に香味成分を包接し、分解や消失を抑制する工夫が施されてきた(特許文献1)。しかしながら、香味成分の消失を十分に抑えることは困難であった。

0004

また、練りからしや練りわさびなどのペースト状香辛料は、醤油食酢などの他の液状調味料に溶いて用いられることがあり、この際、香辛料が液状調味料に十分に分散、溶解せず、均一に香味を付与することができないという課題も有していた。

0005

一方バジルペーストなどの食用油脂に分散された香辛料は、香味成分の消失を防ぐことは可能であるが、口当たりが悪く、また、他の液状調味料などに分散しないため、これらと併用して均一に香味を付与することが困難であった。

先行技術

0006

特開昭60−16571号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、特定の成分を含有し、配合原料である粉体の一部と食用油脂とを混合することにより粉体の油中分散物を調製し、その後、該油中分散物に他の原料を混合することにより、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0009

すなわち、本発明は、
食用油脂12〜65%、水分5〜25%、および配合原料として粉体を用いたペースト状香辛料であって、
香辛料、乳化剤、および糖アルコールを含有し、
前記粉体がペースト状香辛料に対して5〜50%であり、
前記糖アルコールが前記食用油脂100部に対して固形分換算で14〜200部であり、
下記特性1および2を有する、ペースト状香辛料。
特性1.ペースト状香辛料100gに対し水300gを添加し、ハンドホイッパーを用いて、25℃、120rpmで3分間撹拌混合し、その後5分間静置した際に、油相又水相の分離が視認できない
特性2.積分球式光電光度法を用いて濁度測定することにより得られる前記ペースト状香辛料の全光線透過率T1(対照清水波長390nm、光路長5mm)が、前記ペースト状香辛料を水で3倍に希釈することにより油脂が微細粒子化して乳化状態となった場合の全光線透過率T2よりも高い、
である。

発明の効果

0010

本発明によれば、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持し、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができるペースト状香辛料を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。

0012

<本発明の特徴>
本発明は、食用油脂12〜65%、水分5〜25%、および配合原料として粉体を用いたペースト状香辛料であって、香辛料、乳化剤、および糖アルコールを含有し、前記粉体がペースト状香辛料に対して5〜50%であり、前記糖アルコールが前記食用油脂100部に対して固形分換算で14〜200部であり、下記特性1および2を有する、ペースト状香辛料である。
特性1.ペースト状香辛料100gに対し水300gを添加し、ハンドホイッパーを用いて、25℃、120rpmで3分間撹拌混合し、その後5分間静置した際に、油相又は水相の分離が視認できない
特性2.積分球式光電光度法を用いて濁度測定することにより得られる前記ペースト状香辛料の全光線透過率T1(対照:清水、波長390nm、光路長5mm)が、前記ペースト状香辛料を水で3倍に希釈することにより油脂が微細粒子化して乳化状態となった場合の全光線透過率T2よりも高い

0013

本発明により得られたペースト状香辛料は、粉末状香辛料や従来のペースト状香辛料と比較して、香味が揮発しにくく、また水分との接触による分解も起こりにくいため、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持することができる。また、他の液状調味料と併用した際に液状調味料の水分を吸収することで容易に相転移を起こし、水中油型乳化食品になる特性を有する。この相転移を起こす際、香味成分を含有する食用油脂が液状調味料中で微粒子化して分散することで、均一に香味を付与することができる。

0014

<ペースト状香辛料>
本発明のペースト状香辛料は、後述する香辛料を含有したペースト状の食品であれば特に限定するものではない。

0015

<香辛料>
本発明の香辛料とは、一般に食することができる香辛料であれば、特に限定されるものではなく、具体的には、アジョワンアニスオニオンオールスパイスオレガノカルダモンカレーリーフガーリックキャラウェークミングリーンペッパークローブケーパー、ペッパー、コリアンダーサフラン山椒紫蘇シナモンジンジャー八角セージタイムターメリックタラゴンディル、レッドペッパー、ナツメグ、ガーリック、パセリバジルバニラパプリカフェヌグリークフェンネルブラックペッパーペパーミントポピーシードホワイトペッパー、マジョラム、和がらし、洋がらし、マスタードミョウガローズマリーローリエワサビ、五香粉、ガラムマサラカレー粉、七味唐辛子及びチリパウダー等が挙げられ、これらを単独で又は併用してもよい。また、本発明のペースト状香辛料は、他の液状調味料と併用した際に分散することにより、均一に香味を付与する特徴を有することから、本効果を奏しやすい和がらし、洋がらし、マスタード、ワサビ、カレー粉が好ましく、特に醤油などの液状調味料と混合して用いる和がらし、ワサビが特に好ましい。

0016

本発明のペースト状香辛料において、香辛料の含有量は特に限定するものではないが、香辛料の香味を強化するため、固形分換算で5〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましく、12〜30%がさらに好ましい。

0017

<食用油脂>
食用油脂とは、トリアシルグリセロール又はジアシルグリセロールを主成分とする脂質のことであり、例えば、菜種油コーン油綿実油サフラワー油オリーブ油紅花油、大豆油パーム油乳脂牛脂豚脂卵黄油等の動植物油及びこれらの精製油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド硬化油酵素処理卵黄油等のように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂等が挙げられる。このような食用油脂は、1種で使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。

0018

<食用油脂含有量>
食用油脂の含有量は、ペースト状香辛料に対して12〜65%であり、好ましくは15〜55%、より好ましくは20〜45%である。食用油脂の含有量が多すぎたり少なすぎたりすると、上述の相転移が生じにくくなり、結果として他の液状調味料に均一に分散できなくなるため好ましくない。

0019

水分含有量>
本発明のペースト状香辛料の水分含有量は、ペースト状香辛料に対して5〜25%であり、好ましくは7〜22%、より好ましくは10〜18%である。水分が過度に多いと、上述の相転移が生じにくくなり、結果として他の液状調味料に容易に分散できなくなるため好ましくない。逆に水分含有量が過度に少ないと油相分離が生じ易くなり、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持できなくなるため好ましくない。

0020

本発明のペースト状香辛料は、他の液状調味料に容易に分散することで、均一に香味を付与することができることを特徴としているため、分散性を悪くする澱粉ガム質の含有量が少ないことが好ましく、具体的にはガム質および澱粉の合計含有量が1%以下であることが好ましく、0.1%以下がより好ましく、0.01%以下が更に好ましい。ここでガム質としてはキサンタンガムタマリンド種子ガムローカストビーンガムジェランガムグアーガムアラビアガム、サイリュームシードガムなどが挙げられ、澱粉としては馬鈴薯澱粉コーンスターチタピオカ澱粉小麦澱粉米澱粉、これらの澱粉をアルファ化架橋などの処理を施した化工澱粉、並びに湿熱処理澱粉などが挙げられる。

0021

<糖アルコール>
本発明に用いる糖アルコールとは、糖のアルデヒド基及びケトン基還元してアルコール基とした多価アルコールであり、例えばソルビトールマルチトールラクチトールエリスリトール、および還元澱粉糖化物等が挙げられる。ここで、還元澱粉糖化物とは、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉類を分解して得られるデキストリンマルトデキストリン水飴等と称される澱粉糖化物水素を添加して得られる還元物であり、様々な重合度グルコース骨格とする糖アルコールの混合糖質である。本発明で用いる糖アルコールの形態としては、市販されているものであれば、特に限定するものではないが、液体状、粉末状のもの等を用いることができる。

0022

本発明に用いる糖アルコールとしては、特に限定はしないが、甘味により香辛料の香味を阻害しない観点から、還元澱粉糖化物を用いることが好ましく、原料糖のDE値が40以下の還元澱粉糖化物がより好ましく、原料糖のDE値が30以下の還元澱粉糖化物がさらに好ましい。一方、DE値が10を下回る還元澱粉糖化物は、一般的に販売されていないため、DE値10以上が好ましい。DE値とは、「デキストロースエキュイバレント(dextrose equivalent)」の略称で、澱粉糖化物(澱粉糖)の品質表示の一方法で、澱粉の加水分解の程度を示す指標である。DEが高いほうが加水分解の程度が高く、一方、DEが低い方が加水分解の程度が低いことを意味する。

0023

また、糖アルコールの配合量は、食用油脂100部に対して固形分換算で好ましくは40〜200部であり、より好ましくは50〜180部である。糖アルコールの配合量が少なすぎると、油相分離が生じ易くなり、香辛料特有の香味を長期間安定的に保持しにくくなる。反対に多すぎると、上述の相転移が生じにくくなり、結果として他の液状調味料に容易に分散しにくくなる。

0024

<乳化剤>
本発明に用いる乳化剤としては特に制限はなく、例えばリン脂質リゾリン脂質カゼインナトリウムショ糖脂肪酸エステルモノグリセリン脂肪酸エステル有機酸モノグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、乳化力を持つ食品素材である卵黄乳タンパク質大豆タンパク質を用いてもよい。また、これらの1種または2種以上を併用して用いることができる。

0025

乳化剤として卵黄を用いる場合、生の卵黄、および卵黄を含む全の他、当該生卵に殺菌処理冷凍処理スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したものを用いればよい。

0026

乳化剤として乳タンパク質を用いる場合、乳タンパク質を含有する乳又は乳製品を配合することにより含有させることができる。乳又は乳製品としては、例えば、乳又は乳製品乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に規定されているものであり、例えば、牛乳濃縮乳、全粉乳脱脂粉乳加糖粉乳チーズホエーパウダータンパク質濃縮ホエーパウダー、クリームバターバターオイルバターミルク等を使用することができ、また、乳及び乳製品の形態としては粉末のものが好ましく、特に、全粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳等の粉乳が好ましい。

0027

乳化剤として大豆タンパク質を用いる場合、脱脂大豆から抽出したたん白質酸処理の後中和して噴霧乾燥したタンパク質含有量が90%以上の分離大豆タンパク質や、脱脂大豆から水溶性の糖や灰分等を除き、タンパク質含有量を70%以上に高めた濃縮大豆タンパク質を配合することにより含有させることができる。

0028

本実施形態に係るペースト状香辛料は、他の液状調味料と併用した際に相転移を起こし、結果として香辛料の香味を均一に付与しやすくする観点から、少なくとも乳タンパク質を含むことが好ましく、卵黄を更に含むことがより好ましい。

0029

乳化剤の合計配合量は、他の液状調味料と併用した際に相転移を起こし、結果として香辛料の香味を均一に付与しやすくする観点から、ペースト状香辛料に対して固形分換算で0.01〜20%が好ましく、0.5〜15%がより好ましい。これに対し、乳化剤の配合量が少なすぎると、層分離が生じやすい。反対に多すぎると、上述の相転移を生じさせ難くなる。

0030

<その他の原料>
本発明のペースト状香辛料は、上述の各成分の他に食塩、グルタミン酸ソーダ、醤油、味噌核酸旨味調味料等の各種調味料、グルコース、フルクトースガラクトースマンノーススクローストレハロースラクトースマルトースマルトトリオースフラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖マンナンオリゴ糖等のオリゴ糖、デキストリン、グルカンぶどう糖果糖液糖、及び果糖ぶどう糖液糖などの糖質、食酢、クエン酸酒石酸コハク酸リンゴ酸柑橘類果汁等の酸材アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤クチナシ色素等の着色料等、種々の食材添加材を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し、配合することができる。

0031

<ペースト状香辛料の製造方法>
下記の工程1及び2を順次行うことにより、水分と食用油脂の分離を生じさせることなく、本発明のペースト状香辛料を製造できることができる。

0032

<工程1>
配合原料である粉体の一部と食用油脂とを混合することにより粉体の油中分散物を調製する。より具体的には、上述した香辛料、乳化剤、および糖アルコール、ならびにその他の配合原料であって粉体のものを順次食用油脂に混合するか、あるいは、予めこれらの粉体を混合して食用油脂と混合することにより、粉体の少なくとも一部が食用油脂に非溶解で分散した混合物を調製する。混合操作は、ニーダーホバートミキサー等の攪拌機を用いて行うことができる。また、本発明において、粉体は水分含有量が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。

0033

工程1で食用油脂と混合する粉体の合計量は、他の液状調味料と併用した際に相転移を起こし、結果として香辛料の香味を均一に付与しやすくする観点から、ペースト状香辛料全体に対して5〜50%が好ましく、10〜45%がより好ましく、10〜40%がさらに好ましい。

0034

<工程2>
本発明のペースト状香辛料を構成する配合原料のうち、工程1で用いたものの残部を工程1で得た粉体の油中分散物に混合することにより、ペースト状香辛料を得る。

0035

工程2における水分の添加量は、得られるペースト状香辛料が、上述した相転移を生じる性質を満たす量とすればよいが、好ましくはペースト状香辛料に対して5〜25%、より好ましくは7〜22%、さらに好ましくは10〜18%である。

0036

水分の添加方法としては、水を配合しても良く、あるいは、水分を含む食品素材、例えば、糖アルコールとして含水した液糖を配合することにより行っても良く、また水分を含む卵黄を配合することにより行っても良い。

0037

このように、本発明のペースト状香辛料の配合原料が、形態として粉体のものと、その粉体よりも水分含有量が高い液状のものとが存在する場合(例えば乾燥卵黄と生卵黄)、粉体のものは工程1で添加し、液状のものは工程2で添加することが好ましい。

0038

<ペースト状香辛料の特性>
本発明のペースト状香辛料は、ペースト状香辛料100gに対し水300gを添加し、ハンドホイッパーを用いて、25℃、120rpmで3分間撹拌混合し、その後5分間静置した際に、油相又は水相の分離が視認できない特性を有する。

0039

また、本発明のペースト状香辛料は、積分球式光電光度法を用いて濁度測定することにより得られるペースト状香辛料の全光線透過率T1(対照:清水、波長390nm、光路長5mm)が、ペースト状香辛料を水で3倍に希釈することにより油脂が微細粒子化して乳化状態となった場合の全光線透過率T2よりも高い特性を有する。好ましくはT2がT1の80%以下であり、より好ましくは60%以下である。

0040

本発明において、全光線透過率は、清水の全光線透過率に対する値である。すなわち、全光線透過率は、サンプルへの平行入射光束に対する、拡散成分を含む透過光束の割合であり、本発明におけるサンプルの全光線透過率(%)は、対照である清水の透過率を100%とした場合のサンプルの透過率(%)を示す。より具体的には、全光線透過率は、積分球式電光度法を用いた濁度測定により、波長390nm、光路長5mmで得られる数値であり、濁度測定器(型名「WA 2000N」、日本電色工業(株))を用いて測定することができる。

0041

これらの特性を有することにより、本発明のペースト状香辛料は、他の液状調味料と併用した際に相転移を起こし、水中油型乳化食品になる特性を有する。これにより香辛料の香味を均一に付与することが可能となる。

0042

以下に本発明のペースト状香辛料の製造方法について、実施例に基づき詳述する。なお、本発明はこれに限定するものではない。

0043

[実施例1〜3、比較例1〜6]
表1の配合割合でペースト状香辛料(ペースト状からし)を製造した。具体的には、ニーダーに大豆油を投入し、次に全粉乳、食塩、辛子粉、ショ糖脂肪酸エステルを投入し、撹拌混合後、糖アルコール、清水を投入してさらに撹拌混合後脱気した。続いて品温が90℃に達温するように加熱し、放冷後30gずつ容器充填してペースト状香辛料を製造した。なお、糖アルコールとしてはエスイー100(日研化成株式会社製、70%水溶液、糖組成の64%以上が5糖以上の糖アルコール、原料デキストリンのDE値15)を用いた。また、容器としては、小袋パウチを使用した。

0044

得られたペースト状香辛料の水分含有量を減圧加熱乾燥法により測定した(表1)。また、得られた比較例1、2および比較例4〜6のペースト状香辛料は製造直後に油相分離をしていた。

0045

[比較例7]
表1の配合割合でペースト状香辛料を製造した。具体的には、ニーダーに全粉乳、食塩、辛子粉、糖アルコール、清水を投入し、撹拌混合後、大豆油を投入しさらに撹拌混合した以外は、実施例1と同様にペースト状香辛料を製造した。得られたペースト状香辛料は油相分離をしていた。

0046

試験例1]ペースト状香辛料の水添加後分離試験
実施例1〜3、および比較例3のペースト状香辛料各100gに水300gを加え、ハンドホイッパーを用いて、25℃で120rpm、3分間撹拌を行い、5分間静置した後、油分または水分の分離を目視で確認した。

0047

得られた混合物の分離を下記の評価基準で評価した(表1)。
<評価基準>
○:油分または水分の分離がほとんど見られず、好ましい状態であった。
×:油分または水分の分離が見られ、好ましくない状態であった。

0048

[試験例2]官能試験
実施例1〜3、および比較例1〜7のペースト状香辛料を醤油に溶き、下記の評価基準で官能評価を行った(表1)。
<評価基準>
A:ペースト状香辛料が相転移することで醤油に容易に分散、溶解し、香辛料の香味が均一に付与されていた
B:ペースト状香辛料が相転移することで醤油に徐々に分散、溶解し、香辛料の香味が問題ない程度に均一に付与されていた
C:ペースト状香辛料が油分離してしまい、香辛料の香味が均一に付与されていなかった

0049

0050

表1より、食用油脂、香辛料、乳化剤、および糖アルコールを含有し、食用油脂含有量が12〜65%、水分含有量が5〜25%であり、配合原料である粉体の一部と食用油脂とを混合することにより粉体の油中分散物を調製する工程1、および該油中分散物に他の原料を混合する工程2を有する、ペースト状香辛料は、醤油と混合した際、相転移することで醤油に分散、溶解し、香辛料の香味が均一に付与されていた(実施例1〜3)。一方、食用油脂や水分の含有量が上記範囲でないペースト状香辛料(比較例3〜6)や、糖アルコール、乳化剤を含有しないペースト状香辛料(比較例1、2)、および上記工程を有さないペースト状香辛料(比較例7)は、油分離してしまい、香辛料の香味が均一に付与されていなかった。

0051

[実施例4〜6]
表2の配合割合に変更し、辛子粉を工程2の後に混合、撹拌した以外は実施例1と同様の方法でペースト状香辛料(ペースト状からし)を製造した。得られたペースト状香辛料を試験例1と同様の方法で水添加後の分離試験を行い、試験例2と同様の方法で官能試験を行った(表2)。

0052

また、得られたペースト状香辛料を厚さ5mmの石英セルに入れ、清水を対照とした全光線透過率を濁度測定器(型名「WA2000N」、日本電色工業(株)製)を用いて、積分球式光電光度法により測定した。また、このペースト状香辛料を水で3倍に希釈後、同様に全光線透過率を測定した(表2)。

0053

0054

[実施例7]
下記の方法でペースト状香辛料(ペースト状ワサビ)を製造した。具体的には、ニーダーに大豆油30%を投入し、次に全粉乳10%、食塩1%、粉末ワサビ27%を投入し、撹拌混合後、糖アルコール(エスイー100)25%、清水7%を投入してさらに撹拌混合後脱気した。続いて品温が90℃に達温するように加熱し、放冷後30gずつ容器に充填してペースト状香辛料を製造した。得られたペースト状香辛料の水分含有量を減圧加熱乾燥法により測定したところ14.5%であった。

0055

得られたペースト状香辛料を試験例1と同様の方法で水添加後の分離試験を行ったところ、油分または水分の分離がほとんど見られず、好ましい状態であった。また、試験例2と同様の方法で官能試験を行ったところ、相転移することで醤油に容易に分散、溶解し、香辛料の香味が均一に付与されていた。

0056

[実施例8]
下記の方法でペースト状香辛料(ペースト状カレー香辛料)を製造した。具体的には、ニーダーに大豆油30%を投入し、次に全粉乳8%、カレー粉14%、食塩5%、グルタミン酸ナトリウム1%、チキンブイヨンパウダー1%、砂糖1%を投入し、撹拌混合後、糖アルコール30%、生卵黄10%を投入してさらに撹拌混合後脱気した。続いて品温が90℃に達温するように加熱し、放冷後30gずつ容器に充填してペースト状香辛料を製造した。なお、糖アルコールとしてはエスイー30(日研化成株式会社製、70%水溶液、糖組成の43%以上が5糖以上の糖アルコール、原料デキストリンのDE値30)を用いた。得られたペースト状香辛料の水分含有量を減圧加熱乾燥法により測定したところ14%であった。

0057

得られたペースト状香辛料を試験例1と同様の方法で水添加後の分離試験を行ったところ、油分または水分の分離がほとんど見られず、好ましい状態であった。

0058

[実施例9]
下記の方法でペースト状香辛料(ペースト状バジル)を製造した。具体的には、ニーダーにオリーブオイル25%を投入し、次にバジルペースト(オリーブオイル50%、バジル含有量50%)25%、全粉乳8%、食塩1%、パルメザンチーズパウダー16%を投入し、撹拌混合後、糖アルコール(エスイー100)20%、清水5%を投入してさらに撹拌混合後脱気した。続いて品温が90℃に達温するように加熱し、放冷後30gずつ容器に充填してペースト状香辛料を製造した。得られたペースト状香辛料の水分含有量を減圧加熱乾燥法により測定したところ11%であった。

0059

得られたペースト状香辛料を試験例1と同様の方法で水添加後の分離試験を行ったところ、油分または水分の分離がほとんど見られず、好ましい状態であった。

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