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技術 起泡性水中油型乳化組成物

出願人 理研ビタミン株式会社
発明者 安部孝紀
出願日 2015年3月16日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-052720
公開日 2016年9月29日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2016-171764
状態 特許登録済
技術分野 乳化剤、分散剤、気泡剤、湿潤剤 穀類誘導体・合成クリーム 食用油脂
主要キーワード 三角袋 設定速 機械工 モノエステル体含有量 冷凍保存前 デカグリセリンオレイン酸エステル 卓上ミキサー 食品用ラップフィルム
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課題

ホイップクリームの製造におけるホイップ時間を十分に短縮しながらも、乳化定性が高く、起泡終点に適度な幅があり、風味も良好なホイップクリーム用の起泡性水中油型乳化組成物を提供すること。

解決手段

水、タンパク質、油脂及び乳化剤を含む起泡性水中油型乳化組成物であって、該乳化剤として少なくとも下記(A)及び(B)を含む起泡性水中油型乳化組成物。(A)ジグリセリンミリスチン酸エステル及び/又はジグリセリンパルミチン酸エステル。(B)グリセリン不飽和脂肪酸エステルグリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステルポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上。

概要

背景

従来、製菓製パン、飲料等のトッピング用及びフィリング用のホイップクリーム原料となる起泡性水中油型乳化組成物としては、油分が乳脂肪のみからなる生クリームや、油分の一部或いは全部が植物性油脂であるホイップ合成クリームが市販されている。生クリームは、風味、口どけの点で優れているが、高価である上、ホイップ後の安定性が悪いという欠点がある。このため、特に大規模生産を行う洋菓子店等では、安価で比較的安定性の良い合成クリームを使用することが多い。

合成クリームには、その物性・風味等において各種の要求事項が存在する。例えば、乳化が安定で流通・保存時の振動時間経過により増粘・固化ボテ)が生じないこと、ホイップして用いる場合に最適起泡状態に到達するまでの時間(ホイップ時間)が短いこと、起泡の終点に適当な幅があること、合成クリームをホイップして得られるホイップクリームは造花デコレーション)が行い易く、荒れや先切れを起こさないこと、造花されたホイップクリームには十分な保形性があり、表面はなめらかで適当な光沢を有していること、ホイップ後に長時間冷蔵又は冷凍保存されても軟化戻り)や硬化(締まり)等の物性上の変化、又は変色やダレ離水収縮ひび割れ等の外観上の変化を生じないこと、風味が良好で生クリームとほとんど差異が無いこと、口どけが生クリームと同等かそれ以上であること等が要求される。とりわけ、生産性を高めるためにホイップ時間が短い合成クリームが好まれる傾向にある。

上記の各種要求事項を満たすため、合成クリームの製造においては目的に応じて性質の異なる2種類以上の乳化剤を併用することが一般的に行われている。乳化の安定等を目的とする乳化剤としては、例えば、主要な構成脂肪酸ステアリン酸であるショ糖脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルが一般的に使用されている。また、ホイップ時間の短縮やホイップクリームに保形性を出す目的で用いられる乳化剤は一般に「解乳化剤」と呼ばれており、解乳化剤としては、例えば、レシチンや主要な構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。特に、安価で入手が容易であることや、解乳化剤としての作用が比較的穏やかで扱いやすいことから、大豆レシチン等のレシチンが主に使用されている。

ホイップ時間を短縮するためには、上記解乳化剤の添加量を増加させれば良いことが広く知られている。しかし、上記乳化の安定等を目的とする乳化剤と解乳化剤は互いに相反する作用をもたらすため、解乳化剤の添加量が多すぎると乳化安定性の低下や起泡の終点幅の短縮といった品質上好ましくない影響が生じる。また、レシチンを始め、一般に解乳化剤として作用する乳化剤は風味の悪いものが多く、ホイップクリームの風味を良好に保つ観点からも添加量の増加は好ましくない。

そこで、上記のような解乳化剤による悪影響を抑えつつ、ホイップ時間を短縮するための方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では解乳化剤としてHLB8以上のポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを0.02〜0.5重量%添加し、レシチンの添加量を0.01〜0.3重量%に抑えることが記載されている。この方法では、レシチンが解乳化剤として作用しないため乳化安定性等への影響も低減できるが、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルも従来の解乳化剤と同様に風味への悪影響があるため、ホイップクリームの風味を損なわない範囲で十分にホイップ時間を短縮することが難しい。また、特許文献2では固体脂含量指数SFC)が特定の範囲にある油脂を使用し、解乳化剤として主要構成脂肪酸残基が不飽和脂肪酸であるグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びレシチンから選ばれる一種又は二種以上の乳化剤を使用する方法が提案されている。しかし、この方法は使用できる油脂が限定されるため好ましくなく、また使用する乳化剤の種類や量によっては風味や乳化安定性、ホイップクリームの物性等への悪影響が無視できないため、こちらも実用上満足できるものではない。

そこで、乳化安定性や起泡の終点幅、風味等を良好に保ちつつ、ホイップ時間を十分に短縮できる方法が求められていた。

概要

ホイップクリームの製造におけるホイップ時間を十分に短縮しながらも、乳化安定性が高く、起泡の終点に適度な幅があり、風味も良好なホイップクリーム用の起泡性水中油型乳化組成物を提供すること。水、タンパク質、油脂及び乳化剤を含む起泡性水中油型乳化組成物であって、該乳化剤として少なくとも下記(A)及び(B)を含む起泡性水中油型乳化組成物。(A)ジグリセリンミリスチン酸エステル及び/又はジグリセリンパルミチン酸エステル。(B)グリセリン不飽和脂肪酸エステルグリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上。 なし

目的

本発明は、ホイップクリームの製造におけるホイップ時間を十分に短縮しながらも、乳化安定性が高く、起泡の終点に適度な幅があり、風味も良好なホイップクリーム用の起泡性水中油型乳化組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

水、タンパク質、油脂及び乳化剤を含む起泡性水中油型乳化組成物であって、該乳化剤として少なくとも下記(A)及び(B)を含む起泡性水中油型乳化組成物。(A)ジグリセリンミリスチン酸エステル及び/又はジグリセリンパルミチン酸エステル。(B)グリセリン不飽和脂肪酸エステルグリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステルポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上。

技術分野

0001

本発明は、食品トッピング用及びフィリング用のホイップクリームの製造に用いることができる起泡性水中油型乳化組成物に関する。

背景技術

0002

従来、製菓製パン、飲料等のトッピング用及びフィリング用のホイップクリームの原料となる起泡性水中油型乳化組成物としては、油分が乳脂肪のみからなる生クリームや、油分の一部或いは全部が植物性油脂であるホイップ合成クリームが市販されている。生クリームは、風味、口どけの点で優れているが、高価である上、ホイップ後の安定性が悪いという欠点がある。このため、特に大規模生産を行う洋菓子店等では、安価で比較的安定性の良い合成クリームを使用することが多い。

0003

合成クリームには、その物性・風味等において各種の要求事項が存在する。例えば、乳化が安定で流通・保存時の振動時間経過により増粘・固化ボテ)が生じないこと、ホイップして用いる場合に最適起泡状態に到達するまでの時間(ホイップ時間)が短いこと、起泡の終点に適当な幅があること、合成クリームをホイップして得られるホイップクリームは造花デコレーション)が行い易く、荒れや先切れを起こさないこと、造花されたホイップクリームには十分な保形性があり、表面はなめらかで適当な光沢を有していること、ホイップ後に長時間冷蔵又は冷凍保存されても軟化戻り)や硬化(締まり)等の物性上の変化、又は変色やダレ離水収縮ひび割れ等の外観上の変化を生じないこと、風味が良好で生クリームとほとんど差異が無いこと、口どけが生クリームと同等かそれ以上であること等が要求される。とりわけ、生産性を高めるためにホイップ時間が短い合成クリームが好まれる傾向にある。

0004

上記の各種要求事項を満たすため、合成クリームの製造においては目的に応じて性質の異なる2種類以上の乳化剤を併用することが一般的に行われている。乳化の安定等を目的とする乳化剤としては、例えば、主要な構成脂肪酸ステアリン酸であるショ糖脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルが一般的に使用されている。また、ホイップ時間の短縮やホイップクリームに保形性を出す目的で用いられる乳化剤は一般に「解乳化剤」と呼ばれており、解乳化剤としては、例えば、レシチンや主要な構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。特に、安価で入手が容易であることや、解乳化剤としての作用が比較的穏やかで扱いやすいことから、大豆レシチン等のレシチンが主に使用されている。

0005

ホイップ時間を短縮するためには、上記解乳化剤の添加量を増加させれば良いことが広く知られている。しかし、上記乳化の安定等を目的とする乳化剤と解乳化剤は互いに相反する作用をもたらすため、解乳化剤の添加量が多すぎると乳化安定性の低下や起泡の終点幅の短縮といった品質上好ましくない影響が生じる。また、レシチンを始め、一般に解乳化剤として作用する乳化剤は風味の悪いものが多く、ホイップクリームの風味を良好に保つ観点からも添加量の増加は好ましくない。

0006

そこで、上記のような解乳化剤による悪影響を抑えつつ、ホイップ時間を短縮するための方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では解乳化剤としてHLB8以上のポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを0.02〜0.5重量%添加し、レシチンの添加量を0.01〜0.3重量%に抑えることが記載されている。この方法では、レシチンが解乳化剤として作用しないため乳化安定性等への影響も低減できるが、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルも従来の解乳化剤と同様に風味への悪影響があるため、ホイップクリームの風味を損なわない範囲で十分にホイップ時間を短縮することが難しい。また、特許文献2では固体脂含量指数SFC)が特定の範囲にある油脂を使用し、解乳化剤として主要構成脂肪酸残基が不飽和脂肪酸であるグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びレシチンから選ばれる一種又は二種以上の乳化剤を使用する方法が提案されている。しかし、この方法は使用できる油脂が限定されるため好ましくなく、また使用する乳化剤の種類や量によっては風味や乳化安定性、ホイップクリームの物性等への悪影響が無視できないため、こちらも実用上満足できるものではない。

0007

そこで、乳化安定性や起泡の終点幅、風味等を良好に保ちつつ、ホイップ時間を十分に短縮できる方法が求められていた。

先行技術

0008

特開平10−084900号公報
特開平11−009214号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、ホイップクリームの製造におけるホイップ時間を十分に短縮しながらも、乳化安定性が高く、起泡の終点に適度な幅があり、風味も良好なホイップクリーム用の起泡性水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、起泡性水中油型乳化組成物に乳化剤として(A)ジグリセリンミリスチン酸エステル及び/又はジグリセリンパルミチン酸エステルと、(B)グリセリン不飽和脂肪酸エステルグリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上とを添加することにより上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。

0011

即ち、本発明は、水、タンパク質、油脂及び乳化剤を含む起泡性水中油型乳化組成物であって、該乳化剤として少なくとも下記(A)及び(B)を含む起泡性水中油型乳化組成物、から成っている。
(A)ジグリセリンミリスチン酸エステル及び/又はジグリセリンパルミチン酸エステル。
(B)グリセリン不飽和脂肪酸エステル、グリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上。

発明の効果

0012

本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、ホイップクリームを製造する際のホイップ時間が短く、且つ起泡の終点に適当な幅があるため、短時間で簡便に最適起泡状態のホイップクリームを製造することができる。
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、乳化が安定で流通・保存時の振動や時間経過により増粘・固化(ボテ)が生じにくいため、市場での流通に適している。
本発明の起泡性水中油型乳化組成物をホイップして得たホイップクリームは、長時間冷蔵又は冷凍保存されても軟化(戻り)や硬化(締まり)、外観上の変化(離水、収縮、ひび割れ等)を生じにくく、品質が安定している。
本発明の起泡性水中油型乳化組成物をホイップして得たホイップクリームは、乳化剤特有嫌味がほとんど無く、風味が良好である。

0013

本発明で言うところの起泡性水中油型乳化組成物とは、水及びタンパク質等を含む水相連続相とし、該水相中に油脂等を含む油相を分散・乳化して成る水中油型乳化組成物であって、該組成物をホイップすることによりホイップクリームを製造できる、起泡性を有するものである。

0014

本発明の起泡性水中油型乳化組成物の水相を構成する水としては、飲用可能なものであれば特に制限は無く、例えば蒸留水イオン交換樹脂処理水、逆浸透膜(RO)処理水又は限外ろ過膜(UF)処理水等の精製水水道水地下水あるいは涌水等の天然水又はアルカリイオン水等が挙げられる。

0015

本発明の起泡性水中油型乳化組成物100質量%中の水の含有量に特に制限は無く、タンパク質、油脂、乳化剤、その他の原材料を配合した残余を水とすれば良い。

0016

同じく水相を構成するタンパク質としては、動植物由来食用可能なものであれば特に制限は無く、例えば全卵白卵黄等の卵タンパク脱脂乳脱脂粉乳、全脂肪乳濃縮乳脱脂濃縮乳ホエータンパクカゼインナトリウム等の乳タンパク大豆タンパク小麦タンパク、えんどうタンパク、とうもろこしタンパク等の植物性タンパクゼラチン等の動物性タンパク等が挙げられるが、好ましくは乳タンパクである。これらタンパク質は、いずれか1種のみを用いても良いし、2種以上を任意に組み合わせて用いても良い。

0017

本発明の起泡性水中油型乳化組成物100質量%中のタンパク質の含有量は1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%であるのがより好ましい。タンパク質の含有量がこのような範囲であると、起泡性水中油型乳化組成物の粘度が適切となり、乳化安定性や風味も良好なものが得られる。

0018

本発明の起泡性水中油型乳化組成物の油相を構成する油脂としては、一般に食品に用いられるものであれば特に制限は無く、例えばパーム油パーム核油菜種油大豆油ヒマワリ種子油綿実油落花生油米糠油コーン油サフラワー油オリーブ油カポック油ゴマ油月見草油シア脂サル脂、カカオ脂ヤシ油等の植物性油脂並びに乳脂牛脂ラード魚油鯨油等の動物性油脂あるいはそれらに硬化、分別エステル交換等の処理を施した加工油脂が挙げられる。これら油脂は、いずれか1種のみを用いても良いし、2種以上を任意に組み合わせて用いても良いが、単独で又は2種以上を組み合わせて10℃の固体脂含量指数(SFC)が30〜80%、上昇融点が30〜40℃に調整したものが好ましい。SFI及び上昇融点がこのような範囲であると、起泡性水中油型乳化組成物をホイップして得られるホイップクリームの保形性や耐熱性が良くなり、風味や口どけの点でも好ましいものとなる。

0019

本発明の起泡性水中油型乳化組成物100質量%中の油脂の含有量は20〜55質量%が好ましく、30〜45質量%であるのがより好ましい。油脂の含有量がこのような範囲であると、起泡性水中油型乳化組成物の粘度が適切となり、該組成物をホイップして得られるホイップクリームの保形性も良くなる。

0020

本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、上記水、タンパク質及び油脂の他に、特定の種類の乳化剤を必須成分として含有する。具体的には、本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、乳化剤として少なくとも(A)ジグリセリンミリスチン酸エステル及び/又はジグリセリンパルミチン酸エステル(以下「A成分」ともいう)と、(B)グリセリン不飽和脂肪酸エステル、グリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上(以下「B成分」ともいう)とを含むものである。

0021

<A成分>
本発明のA成分として用いられるジグリセリンミリスチン酸エステル及びジグリセリンパルミチン酸エステルは、それぞれジグリセリンと炭素数14の飽和脂肪酸であるミリスチン酸又は炭素数16の飽和脂肪酸であるパルミチン酸とのエステル化生成物であり、いずれもエステル化反応自体公知の方法で製造される。これらA成分は、いずれか1種のみを用いても良いし、2種を任意に組み合わせて用いても良い。

0022

ジグリセリンミリスチン酸エステル又はジグリセリンパルミチン酸エステルを構成するジグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸又はアルカリ触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が1.5〜2.4、好ましくは平均重合度が約2.0のジグリセリン混合物が挙げられる。また、ジグリセリンはグリシドール又はエピクロルヒドリン等を原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和脱塩、脱色等の処理を行っても良い。

0023

本発明においては、上記ジグリセリン混合物を、例えば蒸留又はカラムクロマトグラフィー等自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン2分子からなるジグリセリンを50質量%以上、好ましくは85質量%以上に高濃度化した高純度ジグリセリンが、好ましく用いられる。

0024

本発明で用いられるジグリセリンミリスチン酸エステル又はジグリセリンパルミチン酸エステルの好ましい製造方法の概略は次の通りである。例えば、撹拌機加熱用ジャケット邪魔板等を備えた通常の反応容器に、ジグリセリンとミリスチン酸又はパルミチン酸とをモル比で1:0.8〜1:1.2、好ましくは1:1で仕込み、触媒として水酸化ナトリウムを加えて撹拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、180〜260℃の範囲、好ましくは200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下又は常圧下で、反応時間は0.5〜15時間、好ましくは1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物酸価を測定し、酸価12以下を目安に決められる。得られた反応液は、未反応のミリスチン酸又はパルミチン酸、未反応のジグリセリン、ジグリセリンとミリスチン酸又はパルミチン酸とのモノエステル体ジエステル体トリエステル体、テトラエステル体等を含む混合物である。反応終了後、該反応液を120℃以上180℃未満、好ましくは130〜150℃に冷却し、次いで酸を加えて触媒を中和し、好ましくは15分間〜1時間放置し、未反応のジグリセリンを含むポリオール下層に分離した場合はそれを除去してジグリセリンミリスチン酸エステル又はジグリセリンパルミチン酸エステルを得る。

0025

該ジグリセリンミリスチン酸エステル又はジグリセリンパルミチン酸エステルは、モノエステル体の含有量が通常30質量%以上50質量%未満のものであるが、これを、例えば流下薄膜分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて分子蒸留するか、又はカラムクロマトグラフィーもしくは液液抽出等自体公知の方法を用いて精製することにより、全体に対してモノエステル体を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含むジグリセリンミリスチン酸エステル又はジグリセリンパルミチン酸エステルを得ることもできる。

0026

ジグリセリンミリスチン酸エステルとしては、例えばポエムDM−100(商品名;モノエステル体含有量約80%;理研ビタミン社製)等、ジグリセリンパルミチン酸エステルとしては、例えばポエムDP−95RF(商品名;モノエステル体含有量約80%;理研ビタミン社製)等が商業的に製造及び販売されており、本発明にはこれを用いることができる。

0027

<B成分>
本発明の起泡性水中油型乳化組成物に含まれるB成分の乳化剤は、グリセリン不飽和脂肪酸エステル、グリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステルから選択される1種以上である。これらの中でも、グリセリン不飽和脂肪酸エステル又はポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルが好ましい。

0028

上記B成分のグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと不飽和脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応、エステル交換反応等自体公知の方法により製造される。該エステルはモノエステル体、ジエステル体のいずれであっても良く、あるいはそれらの混合物であっても良いが、好ましくはモノエステル体を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含むものである。

0029

グリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸は、食用可能な動植物油脂起源とし、炭素原子間の結合に1つ以上の二重結合を含む脂肪酸であれば特に制限は無く、例えばパルミトオレイン酸オレイン酸エライジン酸リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸エルカ酸リシノール酸又は縮合リシノール酸等が挙げられる。これら不飽和脂肪酸はいずれか1種のみを用いても良いし、2種以上を任意に組み合わせて用いても良いが、好ましくはオレイン酸を50質量%以上含む不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸混合物である。また、不飽和脂肪酸としては、不飽和脂肪酸を主体とし飽和脂肪酸を含む混合脂肪酸であっても良く、その場合、不飽和脂肪酸の含有量は通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。

0030

グリセリン不飽和脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンオレイン酸エステル(商品名:エマルジーOL−100H;モノエステル体含有量約90%以上;理研ビタミン社製)、グリセリンリノール酸エステル(商品名:エマルジーMU;モノエステル体含有量約90%以上;理研ビタミン社製)等が商業的に製造及び販売されており、本発明にはこれらを用いることができる。

0031

上記B成分のグリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと有機酸と不飽和脂肪酸のエステル化生成物であり、例えば、グリセリン酢酸不飽和脂肪酸エステル、グリセリン乳酸不飽和脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸不飽和脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸不飽和脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステル等が挙げられる。これらグリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステルは、上記グリセリン不飽和脂肪酸エステルと有機酸若しくは有機酸の酸無水物との反応、又はグリセリンと有機酸と不飽和脂肪酸との反応により得ることができる。

0032

グリセリン有機酸不飽和脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンクエン酸オレイン酸エステル(商品名:ポエムK−37V;理研ビタミン社製)等が商業的に製造及び販売されており、本発明にはこれらを用いることができる。

0033

上記B成分のポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと不飽和脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法により製造される。

0034

ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは通常グリセリンに少量の酸又はアルカリを触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させた組成物を所望により中和後、分子蒸留やイオン交換樹脂処理等で精製することで得られる。また、ポリグリセリンは、グリシドール又はエピクロルヒドリン等を原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩又は脱色等の処理を行っても良い。

0035

ポリグリセリンの平均重合度に特に制限はないが、例えば、平均重合度が2〜10のもの、具体的にはジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ペンタグリセリン(平均重合度5)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)又はデカグリセリン(平均重合度10)等が挙げられる。これらの中でも、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン又はヘキサグリセリンが好ましい。

0036

また、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸は、食用可能な動植物油脂を起源とし、炭素原子間の結合に1つ以上の二重結合を含む脂肪酸であれば特に制限は無く、例えばパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸、リシノール酸又は縮合リシノール酸等が挙げられる。これら不飽和脂肪酸はいずれか1種のみを用いても良いし、2種以上を任意に組み合わせて用いても良い。また、不飽和脂肪酸としては、不飽和脂肪酸を主体とし飽和脂肪酸を含む混合脂肪酸であっても良く、その場合、不飽和脂肪酸の含有量は通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。

0037

ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリンオレイン酸エステル(商品名:サンソフトQ−17B;太陽化学社製)、テトラグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターMO−3S;阪本薬品工業社製)、ペンタグリセリンオレイン酸エステル(商品名:サンソフトA−173E;太陽化学社製)、ヘキサグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターMO−5S;阪本薬品工業社製)、デカグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムJ−0381V;理研ビタミン社製)、テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−100;理研ビタミン社製)、ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−300;理研ビタミン社製)、デカグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:NIKKOL Decaglyn PR−20;日光ケミカルズ社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。

0038

上記B成分のソルビタン不飽和脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと不飽和脂肪酸のエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法により製造される。

0039

ソルビタン不飽和脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸は、食用可能な動植物油脂を起源とし、炭素原子間の結合に1つ以上の二重結合を含む脂肪酸であれば特に制限は無く、例えばパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸、リシノール酸又は縮合リシノール酸等が挙げられる。これら不飽和脂肪酸はいずれか1種のみを用いても良いし、2種以上を任意に組み合わせて用いても良いが、好ましくはオレイン酸を50質量%以上含む不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸混合物である。また、不飽和脂肪酸としては、不飽和脂肪酸を主体とし飽和脂肪酸を含む混合脂肪酸であっても良く、その場合、不飽和脂肪酸の含有量は通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。

0040

ソルビタン不飽和脂肪酸エステルとしては、ソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ポエムO−80V;理研ビタミン社製)等が商業的に製造及び販売されており、本発明にはこれを用いることができる。

0041

上記A成分及びB成分を合計した乳化剤全体としての、本発明の起泡性水中油型乳化組成物100質量%中の含有量は、本発明の効果を十分に発揮する観点から、0.01〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%であるのがより好ましい。また、該乳化剤全体に占めるA成分とB成分の割合は特に制限されないが、A成分/B成分で例えば10/90〜90/10、好ましくは25/75〜75/25、より好ましくは40/60〜60/40の範囲に設定することができる。

0042

本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、上記水、タンパク質、油脂並びにA成分及びB成分の乳化剤以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常起泡性水中油型乳化組成物の製造に用いられる他の任意の成分を含有していても良い。そのような成分としては、例えば、ショ糖飽和脂肪酸エステルポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(ジグリセリンミリスチン酸エステル及びジグリセリンパルミチン酸エステル以外)、グリセリン飽和脂肪酸エステルソルビタン飽和脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル、プロピレングリコール飽和脂肪酸エステル、ショ糖不飽和脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステルプロピレングリコール不飽和脂肪酸エステル及びレシチン等のA成分及びB成分以外の乳化剤、クエン酸三ナトリウム等のクエン酸塩メタリン酸ナトリウムピロリン酸ナトリウム及びポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩β−カロテン等の着色料抽出トコフェロール及びL−アスコルビン酸パルミチン酸エステル等の酸化防止剤ミルクフレーバーバニラ香料及びオレンジオイル等の着香料キシロースブドウ糖及び果糖等の単糖ショ糖乳糖及び麦芽糖等の二糖類デキストリン及び水飴等の澱粉分解物並びにマルトトリオースマルトテトラオースマルトペンタオース及びマルトヘキサオース等のマルトオリゴ糖、ソルビトール、マンニトールマルチトール及び還元水飴等の糖アルコールリン酸架橋澱粉等の加工澱粉水溶性ヘミセルロースアラビアガムカラギナンカラヤガムキサンタンガムグアーガムタマリンドシードガムトラガントガムペクチン及びローカストビーンガム等の増粘安定剤等が挙げられる。なお、上記A成分及びB成分以外の乳化剤の内、ショ糖飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(ジグリセリンミリスチン酸エステル及びジグリセリンパルミチン酸エステル以外)、グリセリン飽和脂肪酸エステル、ソルビタン飽和脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステルは乳化の安定等に寄与するため、これらを添加することにより本発明の起泡性水中油型乳化組成物の保存性や起泡性をより高めることができる。

0043

本発明の起泡性水中油型乳化組成物の製造方法に特に制限は無く、自体公知の方法を用いることができる。例えば、本発明の起泡性水中油型乳化組成物の好ましい製造方法の概略は次の通りである。即ち、水、タンパク質、リン酸塩並びにA成分及びB成分以外の乳化剤を50〜95℃、好ましくは60〜85℃に加熱して分散又は溶解し、水相とする。一方、油脂並びにA成分及びB成分の乳化剤を50〜90℃、好ましくは60〜80℃に加熱して溶解し、油相とする。上記水相を撹拌しながら、ここに上記油相を加えて乳化し、さらに均質化する。得られた均質化液を殺菌処理し、所望により再度均質化処理を行う。その後、該均質化液を5〜10℃に冷却し、その温度で12時間以上、例えば18〜24時間エージング熟成)処理を行い、本発明の起泡性水中油型乳化組成物を得る。なお本発明の効果を阻害しない限り、上記各乳化剤は、そのHLBに応じて水相又は油相のいずれから添加しても良い。

0044

上記水相と油相を乳化するための装置に特に制限は無く、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット及び邪魔板等を備えた通常の攪拌混合槽を用いることができる。装備する攪拌機としては、例えばTKホモミクサープライミクス社製)又はクレアミクス(エムテクニック社製)等の高速回転式ホモジナイザーが好ましく用いられる。該ホモジナイザーによる乳化条件としては、例えば実験室用の小型機では、回転数6000〜20000rpm、攪拌時間10〜60分間を例示できる。

0045

次に、上記装置で乳化した液を均質化するための高圧式均質化処理機としては、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザーマイクロフルイデックス社製)、アルティマイザースギマシン社製)、ナノマイザー(大和製罐社製)又はLAB1000(エスエムテー社製)等が好ましく用いられる。該均質化処理機による乳化条件(圧力)としては、装置の仕様により異なり一様ではないが、例えば5〜30MPaを例示できる。均質化処理により、液中の脂質は微細化し、平均粒子径が1〜5μm程度となり均一に分散した状態になる。なお、上記均質化処理機に代えて、例えば超音波乳化機等の均質化処理機を用いても良い。

0046

上記殺菌処理する方法としては特に限定されず、例えば、高温短時間殺菌法及び超高温殺菌法等が挙げられる。高温短時間殺菌法による殺菌条件としては、72℃で15秒間、又は80〜85℃で10〜15秒間等が例示される。また、超高温殺菌法による殺菌条件としては、120〜130℃で2秒間、又は150℃で1秒間等が例示される。殺菌処理する装置としては、通常伝熱性の優れたプレート式熱交換器(例えば、岩井機械工業社製等)が好ましく用いられる。殺菌処理済み液は、所望により再度均質化処理機を通した後、同じくプレート式熱交換器を用いて急冷されるのが好ましい。

0047

本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、常法によりホイップすることによりホイップクリームを製造することができる。本発明の起泡性水中油型乳化組成物をホイップするための装置としては、例えばケンウッドミキサー(英国ケンウッド社製)、ホバートミキサー(HOBARTCORPORATION社製)、縦形ミキサー(例えば、関東混合機工業社製、工舎製作所社製等)及び連続式ホイップ装置(例えば、モンドミックス社製、シーピーエンジニアリング社等)等が挙げられる。

0048

本発明の起泡性水中油型乳化組成物をホイップして得られたホイップクリームは、例えば、ケーキのナッペやロールケーキ等のフィリングに使用することができる。また、該ホイップクリームを絞り袋形プラスチック三角袋容器等に充填し、該容器から絞り出すことにより、ケーキ、ムースアイスクリームパフェ等の菓子デザート類のデコレーションに使用することができる。

0049

以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0050

[ジグリセリンオレイン酸エステルの製造]
攪拌機、温度計ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mLを加え、窒素ガス気流中250℃で4時間グリセリン縮合反応を行った。得られた反応生成物を90℃まで冷却し、リン酸(85%)20gを添加して中和した後ろ過し、ろ液を160℃、250Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留してグリセリン3質量%、ジグリセリン92質量%、トリグリセリン5質量%を含む留分を得た。次に、留分に対して1質量%の活性炭を加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過し、高純度ジグリセリン約3.0kgを得た。得られた高純度ジグリセリンの水酸基価は約1359で、その平均重合度は約2.0であった。
続いて、撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、上記高純度ジグリセリン104.7g(約0.63モル)、及びオレイン酸(商品名:オレイン酸V;花王社製)195.3g(約0.69モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液3mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価1以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)0.42gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のジグリセリンを除去してジグリセリンオレイン酸エステル(試作品1)260gを得た。

0051

[起泡性水中油型乳化組成物の調製]
(1)原材料
1)イオン交換水
2)脱脂粉乳(森永乳業社製
3)ヘキサメタリン酸ナトリウム
4)硬化ヤシ油(上昇融点約33℃;不二製油社製)
5)硬化ナタネ油(上昇融点約35℃;横関油脂工業社製)
6)乳化剤
<A成分の乳化剤>
6−1)ジグリセリンミリスチン酸エステル(商品名:ポエムDM−100;理研ビタミン社製)
6−2)ジグリセリンパルミチン酸エステル(商品名:ポエムDP−95RF;理研ビタミン社製)
<B成分の乳化剤>
6−3)グリセリンオレイン酸エステル(商品名:エマルジーOL−100H;理研ビタミン社製)
6−4)グリセリンクエン酸オレイン酸エステル(商品名:ポエムK−37V;理研ビタミン社製)
6−5)ジグリセリンオレイン酸エステル(試作品1)
6−6)ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−300;理研ビタミン社製)
6−7)ソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ポエムO−80V;理研ビタミン社製)
<A成分及びB成分以外の乳化剤>
6−8)プロピレングリコールオレイン酸エステル(商品名:ポエムPO−100V;理研ビタミン社製)
6−9)ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ウィルサーフTF−80;日油社製)
6−10)ジグリセリンステアリン酸エステル(商品名:ポエムDS−100A;理研ビタミン社製)
6−11)テトラグリセリンステアリン酸エステル(商品名:ポエムJ−4081V;理研ビタミン社製)
6−12)ショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルS−570;三菱化学フーズ社製

0052

(2)原材料の配合
上記原材料を用いて調製した起泡性水中油型乳化組成物1〜21の配合組成を表1〜3に示した。この内、起泡性水中油型乳化組成物1〜9は、本発明のA成分及びB成分を併用した実施例である。また、起泡性水中油型乳化組成物8〜21はそれらに対する比較例である。なお、全ての実験系において一定の起泡性及び乳化安定性を確保する目的で、各起泡性水中油型乳化組成物には効果の比較対象となる乳化剤の他に、テトラグリセリンステアリン酸エステル又はショ糖ステアリン酸エステルを同量ずつ添加した。
各起泡性水中油型乳化組成物は、原材料の合計が1200gとなる分量で調製した。

0053

0054

0055

0056

(3)起泡性水中油型乳化組成物の調整方法
1)2L容ステンレス製ジョッキにイオン交換水、脱脂粉乳、ヘキサメタリン酸ナトリウム及び乳化剤の内テトラグリセリンステアリン酸エステル又はショ糖ステアリン酸エステルを所定量入れ、撹拌しながら85℃に加温して混合・溶解し、これを水相とした。
2)一方、別の2L容ステンレス製ジョッキに硬化ヤシ油、硬化ナタネ油及びテトラグリセリンステアリン酸エステル又はショ糖ステアリン酸エステル以外の乳化剤を所定量入れ、撹拌しながら80℃に加温して混合・溶解し、これを油相とした。
3)上記水相をTKホモミクサー(型式:MARKIIfmodel;プライミクス社製)を用いて3000rpmで撹拌しながら、上記油相を徐々に加え、その後10000rpmで5分間乳化し、得られた乳化物をさらに高圧式均質化処理機(型式:LAB1000;エスエムテー社製)にて、8MPaの圧力で均質化した。
4)得られた均質化液を10℃以下まで冷却し、5℃で24時間エージングを行って起泡性水中油型乳化組成物1〜21を得た。

0057

[起泡性水中油型乳化組成物の各種評価]
上記起泡性水中油型乳化組成物及びこれらをホイップして得られるホイップクリームの物性、風味等について各種の評価を行った。なお、以下の(2)及び(3)の評価試験において、ホイップクリームの硬さは以下の方法に従って測定した。
<硬さの測定方法
プラスチック製の円錐台形状の容器(容量90mL;内径:上部65mm、底部45mm)にホイップクリームをすり切り一杯まで充填し、テクスチャアライザ(型式:EZ−Test;φ14円柱型治具装着;進入速度120mm/min;島津製作所社製)を使用して円柱型治具をホイップクリームの表面からその内部に20mm進入させるまでの最大応力(N)を測定した。

0058

(1)乳化安定性の評価
100mL容三角フラスコに起泡性水中油型乳化組成物1〜21各50gと撹拌用マグネット(長さ35mm×直径8mm)を入れ、食品用ラップフィルムで蓋をして冷蔵庫(5℃)で6時間冷蔵保存した。冷蔵保存後、20℃の恒温器に移し、さらに30分間静置した。その後、マグネチックスターラー(型式:RO−5−Power;IKA社製)を使用して最高速度(約1100rpm)で撹拌した。撹拌開始から5分以上経過しても増粘・固化(ボテ)が生じなかったものは「良」とし、5分未満で増粘・固化(ボテ)が生じ、流動性が低下したものは「不良」とした。結果を表6に示す。

0059

(2)ホイップ時間の評価
ジャケットに冷媒を通して10℃に冷却したホイップ用ボウルに起泡性水中油型乳化組成物1〜21各500g及びグラニュー糖50gを入れ、卓上ミキサー(型式:ケンミックスKM−300;愛工舎製作所社製)を用いて設定速度5速(約420rpm)にてホイップし、ホイップクリームを作製した。ホイップクリームが所定の硬さ(0.20〜0.22N)になった時点を起泡の終点とし、終点に達するまでのホイップ時間を測定した。測定したホイップ時間を以下の基準に従って記号化した。結果を表6に示す。なお、起泡性水中油型乳化組成物10及び11はホイップ時間を延長しても所定の硬さに到達しなかったため、これ以降の評価は実施しなかった。
◎:極めて良好 ホイップ時間4分未満
○:良好 ホイップ時間4分以上、6分未満
△:やや悪い ホイップ時間6分以上、8分未満
×:悪い ホイップ時間8分以上

0060

(3)終点幅の評価
ホイップ中の起泡性水中油型乳化組成物の物性変化の様子を目視にて観察しつつ、終点付近において適宜硬さの測定を行って、起泡の終点幅について評価した。結果は以下の基準に従って記号化した。結果を表6に示す。
◎:極めて良好粘りの出始めが早く、終点付近での硬さの上昇が緩やか
○:良好 粘りの出始めはやや遅いが、終点付近での硬さの上昇が緩やか
△:やや悪い 粘りの出始めが遅く、終点付近での硬さの上昇が比較的大きい
×:悪い 粘りの出始めが極めて遅く、終点付近で急激に硬さが上昇する

0061

(4)風味及び冷蔵保存後の硬さの変化の評価
上記(1)で作製したホイップクリームを容器に充填し、冷蔵庫(5℃)で4時間冷蔵保存した。冷蔵保存後、ホイップクリームの風味及び冷蔵保存前と比較したホイップクリームの硬さの変化(軟化及び硬化)について官能試験を行った。官能試験は表4に示す評価基準に従って5名のパネラーで行い、結果は5名の評点平均値を求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表6に示す。
◎:極めて良好 平均値3.5以上
○:良好 平均値2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均値1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均値1.5未満

0062

0063

(5)冷解凍後の外観の変化の評価
上記(1)で作製したホイップクリームを容器に充填して冷凍庫(−20℃)で72時間保存した後、冷蔵庫(5℃)で15時間かけて解凍した。解凍後、目視により冷凍前と比較したホイップクリームの外観の変化(離水、収縮、ひび割れ)について評価した。結果は以下の基準に従って記号化した。結果を表6に示す。
◎:極めて良好 外観の変化が見られない
○:良好 外観の変化がわずかに見られる
△:やや悪い 外観の変化が見られる
×:悪い 外観の変化が著しく見られる

0064

(6)冷解凍後の硬さの変化の評価
上記(5)の評価の後、冷凍保存前と比較したホイップクリームの硬さの変化(軟化及び硬化)について官能試験を行った。官能試験は表5に示す評価基準に従って5名のパネラーで行い、結果は5名の評点の平均値を求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表6に示す。
◎:極めて良好 平均値3.5以上
○:良好 平均値2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均値1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均値1.5未満

0065

0066

実施例

0067

表6の結果から明らかなように、本発明のA成分及びB成分を併用した実施例である起泡性水中油型乳化組成物1〜9は、いずれも乳化安定性が良く、ホイップ時間やホイップして得られるホイップクリームの物性、風味にも優れていた。
一方、A成分1種のみを添加した比較例である起泡性水中油型乳化組成物10及び11は、上述した通りホイップしても所定の硬さに到達せず、ホイップクリームとして実用可能な物性のものを製造することができなかった。また、その他の比較例である起泡性水中油型乳化組成物12〜21については、ホイップクリームを製造することはできたものの、少なくとも4つ以上の項目で評価が劣っており、全ての項目において同時に良好な結果を得ることはできなかった。

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