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技術 液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法

出願人 エルジーディスプレイカンパニーリミテッド国立大学法人東京工業大学
発明者 佐藤治河村丞治戸木田雅利渡辺順次
出願日 2015年12月10日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2015-240706
公開日 2016年9月23日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2016-170389
状態 特許登録済
技術分野 液晶3-2(配向部材)
主要キーワード 幾何学的凹凸 固着部位 最大状態 設計パラメーター 排除効果 誘電的性質 曲線測定 各電極線
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

低電圧液晶分子を駆動しつつ、より透過率の高い表示を行う。

解決手段

光を発するバックライトユニット12と、弱アンカリング配向膜17が形成された基板13Aと、強アンカリング配向膜16が形成された基板13Bと、弱アンカリング配向膜17と強アンカリング配向膜16との間に配置され、液晶分子Lが駆動されることによって光を透過又は遮断する液晶層18と、基板13Aおよび基板13Bのいずれか一方に設けられ、液晶分子Lに駆動電界Eを印加する電極層15と、を備え、弱アンカリング配向膜17は、駆動電界Eを印加したときの液晶分子Lの配向方向を拘束する拘束力が、強アンカリング配向膜16よりも小さい、液晶表示素子を提供する。

概要

背景

液晶表示素子駆動方式として、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)等の方式がある。
このうち、IPS方式は、2枚の基板間に充填された液晶分子に対し、基板表面に平行な方向(横方向)の電場印加することで、液晶分子の配向方向を変化させ、表示を行っている。このようなIPS方式の液晶表示素子は、視覚特性に優れ、携帯電話テレビジョン等をはじめとする幅広機器に適用されている。

既存の液晶表示素子では、液晶分子は、電場を印加しない状態において、所定の方向に沿って配列されるよう、液晶分子の配向方向が強制されている。

IPS方式の液晶パネルにおいて、液晶分子の配向方向を強制する方法として、基板上にポリイミドなどからなる配向膜を形成し、レーヨンや綿などの布により配向膜の表面を所定の方向に擦る方法(ラビング法)や、偏光紫外線照射してポリイミド膜表面に異方性を発生させる手法(光配向法)などが採用されている。これらの処理により、液晶分子は基板表面に強く束縛され、一定方向に配向する。このように、配向膜を備えた構成の関連技術として、特許文献1(特許第2940354号公報)が開示されている。

概要

低電圧で液晶分子を駆動しつつ、より透過率の高い表示を行う。光を発するバックライトユニット12と、弱アンカリング配向膜17が形成された基板13Aと、強アンカリング配向膜16が形成された基板13Bと、弱アンカリング配向膜17と強アンカリング配向膜16との間に配置され、液晶分子Lが駆動されることによって光を透過又は遮断する液晶層18と、基板13Aおよび基板13Bのいずれか一方に設けられ、液晶分子Lに駆動電界Eを印加する電極層15と、を備え、弱アンカリング配向膜17は、駆動電界Eを印加したときの液晶分子Lの配向方向を拘束する拘束力が、強アンカリング配向膜16よりも小さい、液晶表示素子を提供する。

目的

本発明は、光を発する光源と、第一の配向膜が形成された第一の基板と、前記第一の配向膜との間に間隔を空けて対向配置される第二の配向膜が形成された第二の基板と、前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に配置され、液晶分子が駆動されることによって前記光を透過又は遮断する液晶層と、前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に設けられ、前記液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に平行な方向の駆動電界を印加する電極層と、を備え、前記液晶層は、前記駆動電界を印加した状態で、前記第二の配向膜側では、前記液晶分子が予め設定された初期配向方向に配向された状態を維持し、前記第一の配向膜側では、前記液晶分子の配向方向が、前記第二の基板の表面に平行な面内で、前記初期配向方向から前記駆動電界に応じた方向に変化することによって、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向かって、前記液晶分子が螺旋状に配列される、液晶表示素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

光を発する光源と、第一の配向膜が形成された第一の基板と、前記第一の配向膜との間に間隔を空けて対向配置される第二の配向膜が形成された第二の基板と、前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に配置され、液晶分子が駆動されることによって前記光を透過又は遮断する液晶層と、前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に設けられ、前記液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に平行な方向の駆動電界印加する電極層と、を備え、前記液晶層は、前記駆動電界を印加した状態で、前記第二の配向膜側では、前記液晶分子が予め設定された初期配向方向配向された状態を維持し、前記第一の配向膜側では、前記液晶分子の配向方向が、前記第二の基板の表面に平行な面内で、前記初期配向方向から前記駆動電界に応じた方向に変化することによって、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向かって、前記液晶分子が螺旋状に配列される、液晶表示素子

請求項2

前記第一の基板側に設けられた第一の偏光板と、前記第二の基板側に設けられた第二の偏光板と、をさらに備え、前記第一の偏光板の透過軸方向と前記第二の偏光板の透過軸方向とが互いに直交し、前記第一の偏光板の透過軸方向と予め設定された前記液晶分子の初期配向方向とが一致し、前記駆動電界を印加した状態では、前記光源から発せられて前記第一の偏光板を通過した前記光が、前記液晶層における前記液晶分子の配列に沿って旋光し、前記第二の偏光板に向かう、請求項1に記載の液晶表示素子。

請求項3

前記第一の基板側に設けられた第一の偏光板と、前記第二の基板側に設けられた第二の偏光板と、をさらに備え、前記第一の偏光板の透過軸方向と前記第二の偏光板の透過軸方向とが互いに直交し、前記第一の偏光板の透過軸方向と予め設定された前記液晶分子の初期配向方向とが直交関係にあり、前記駆動電界を印加した状態では、前記光源から発せられて前記第一の偏光板を通過した前記光が、前記液晶層における前記液晶分子の配列に沿って偏光面を変化させ、前記第二の偏光板に向かう、請求項1に記載の液晶表示素子。

請求項4

前記第二の配向膜は、前記駆動電界を非印加の状態、および前記駆動電界を印加した状態の双方において、前記液晶分子を、前記初期配向方向に維持し、前記第一の配向膜は、前記駆動電界を印加したときに、前記液晶分子の配向方向が前記第二の基板の表面に平行な面内で前記駆動電界に応じた方向に変位可能とされている、請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項5

前記第一の配向膜は、前記駆動電界を印加したときの前記液晶分子の配向方向を拘束する拘束力が、前記第二の配向膜よりも小さい、請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項6

前記第一の配向膜側に位置する前記液晶分子と、前記第二の配向膜側に位置する前記液晶分子とで、前記駆動電界による前記液晶分子の配向方向の変位角度の差が、0°以上90°以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項7

前記第一の配向膜として、前記第一の基板にポリマーブラシが形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項8

前記第一の配向膜として、前記第一の基板と親和性を有する部位と前記液晶分子と相溶性を有する部位とを含む共重合体が形成され、前記第一の基板に前記第一の基板と親和性を有する部位の少なくとも一部が結合している、請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項9

前記第一の基板と親和性を有する部位の残りの部分同士が結合し、3次元架橋体を形成している、請求項8に記載の液晶表示素子。

請求項10

前記液晶分子と相溶性を有する部位の比率が前記第一の基板と親和性を有する部位の比率よりも大きい、請求項8または9に記載の液晶表示素子。

請求項11

前記第一の基板と親和性を有する部位はトリシラノールであり、前記液晶分子と相溶性を有する部位はヘキシルメタクリレートである、請求項8から10のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項12

前記電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板面に配置された複数の電極線からなり、前記駆動電界の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に平行または直交している、請求項1から11のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項13

前記電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板面に配置された複数の電極線からなり、前記駆動電界の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に対して傾斜している、請求項1から11のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項14

前記液晶分子の誘電率異方性が正である、請求項1から13のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項15

前記液晶分子の誘電率異方性が負である請求項1から13のいずれか一項に記載の液晶表示素子。

請求項16

第一の基板上に第一の配向膜を形成することと、第二の基板上に第二の配向膜を形成することと、前記第一の基板と前記第二の基板とを、前記第一の配向膜と第二の配向膜とが対向するように間隔を空けて配置することと、前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に液晶層を形成することと、前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に、前記液晶層の液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に平行な方向の駆動電界を印加する電極層を設けることと、を含み、前記第一の配向膜を形成することは、前記第一の基板上に親和性を有する部位と液晶と相溶性を有する部位とを含む共重合体溶液を塗布することと、前記第一の基板を加熱することと、を含む、液晶表示素子の製造方法。

請求項17

前記第一の配向膜として、前記第一の基板と親和性を有する部位と前記液晶分子と相溶性を有する部位とを含む共重合体が形成され、前記第一の基板に前記第一の基板と親和性を有する部位の少なくとも一部が結合している、請求項16に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項18

前記第一の基板と親和性を有する部位の残りの部分同士が結合し、3次元架橋体を形成している、請求項17に記載の液晶表示素子の製造方法。

請求項19

前記液晶分子と相溶性を有する部位の比率が前記第一の基板と親和性を有する部位の比率よりも大きい、請求項16から18のいずれか一項に液晶表示素子の製造方法。

請求項20

前記第一の基板と親和性を有する物質はトリシラノールであり、前記液晶分子と相溶性を有する物質はヘキシルメタクリレートである、請求項16から19のいずれか一項に記載の液晶表示素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

液晶表示素子の駆動方式として、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)等の方式がある。
このうち、IPS方式は、2枚の基板間に充填された液晶分子に対し、基板表面に平行な方向(横方向)の電場印加することで、液晶分子の配向方向を変化させ、表示を行っている。このようなIPS方式の液晶表示素子は、視覚特性に優れ、携帯電話テレビジョン等をはじめとする幅広機器に適用されている。

0003

既存の液晶表示素子では、液晶分子は、電場を印加しない状態において、所定の方向に沿って配列されるよう、液晶分子の配向方向が強制されている。

0004

IPS方式の液晶パネルにおいて、液晶分子の配向方向を強制する方法として、基板上にポリイミドなどからなる配向膜を形成し、レーヨンや綿などの布により配向膜の表面を所定の方向に擦る方法(ラビング法)や、偏光紫外線照射してポリイミド膜表面に異方性を発生させる手法(光配向法)などが採用されている。これらの処理により、液晶分子は基板表面に強く束縛され、一定方向に配向する。このように、配向膜を備えた構成の関連技術として、特許文献1(特許第2940354号公報)が開示されている。

0005

特許文献1に記載される構成においては、液晶分子は配向膜によって強く拘束されている。このため、液晶層に電場を印加したとしても、すぐには液晶分子の配向方向は変化せず、一定の大きさの電圧、すなわち、閾値以上の電圧を印加して初めて、液晶分子の配向方向が変化し始める。
また、液晶分子は配向膜によって強く拘束されているため、液晶層に電場を印加した際に、配向膜近傍の液晶分子の配向方向は初期の配向方向から変化せず、液晶層において基板間の中間部(バルク)に位置する液晶分子のみの配向方向が変化する。IPS方式の液晶パネルでは、上記の様な液晶分子の配向変化に伴う位相差リタデーション)の変化を利用して、明暗切り替えを行っている。

0006

一般的に、IPS方式の液晶パネルの透過率は以下の式で表わされる。




ここで、φは初期配向方向に対する電圧印加時の液晶分子の配向角度、Δnは液晶屈折率異方性、 dはセルギャップ、 λは光の波長である。

0007

上記の式から、配向角度φ、屈折率異方性Δn、セルギャップdを適切に選択すれば、理想的には50%の透過率が達成されることが理解できる(白黒タイプ)。しかしながら、IPSパネル設計パラメーターは、現実的には、透過率だけでなく、駆動電圧応答時間、更には、歩留まりなどの諸条件を考慮し、決定される。その結果、実用的なIPSパネルの透過率は、理想値の半分程度にまで低下してしまう。

0008

一方、有機EL(electroluminescence)ディスプレイの実用化に伴い、液晶ディスプレイの更なる特性向上が必要となってきている。特に、消費電力の低減、輝度(透過率)の向上は、有機ELディスプレイとの差別化を図るために極めて重要な開発事項となっており、この様な背景から、IPSパネルの低電圧駆動化、及び、高透過率化が強く望まれている。

0009

本発明は、光を発する光源と、第一の配向膜が形成された第一の基板と、前記第一の配向膜との間に間隔を空けて対向配置される第二の配向膜が形成された第二の基板と、前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に配置され、液晶分子が駆動されることによって前記光を透過又は遮断する液晶層と、前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に設けられ、前記液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に平行な方向の駆動電界を印加する電極層と、を備え、前記液晶層は、前記駆動電界を印加した状態で、前記第二の配向膜側では、前記液晶分子が予め設定された初期配向方向に配向された状態を維持し、前記第一の配向膜側では、前記液晶分子の配向方向が、前記第二の基板の表面に平行な面内で、前記初期配向方向から前記駆動電界に応じた方向に変化することによって、前記第二の配向膜側から前記第一の配向膜側に向かって、前記液晶分子が螺旋状に配列される、液晶表示素子を提供する。

0010

また、上記液晶表示素子は、前記第一の基板側に設けられた第一の偏光板と、前記第二の基板側に設けられた第二の偏光板と、をさらに備え、前記第一の偏光板の透過軸方向と前記第二の偏光板の透過軸方向とが互いに直交し、前記第一の偏光板の透過軸方向と予め設定された前記液晶分子の初期配向方向とが一致し、前記駆動電界を印加した状態では、前記光源から発せられて前記第一の偏光板を通過した前記光が、前記液晶層における前記液晶分子の配列に沿って旋光し、前記第二の偏光板に向かうようにしてもよい。

0011

また、上記液晶表示素子は、前記第一の基板側に設けられた第一の偏光板と、前記第二の基板側に設けられた第二の偏光板と、をさらに備え、前記第一の偏光板の透過軸方向と前記第二の偏光板の透過軸方向とが互いに直交し、前記第一の偏光板の透過軸方向と予め設定された前記液晶分子の初期配向方向とが直交関係にあり、前記駆動電界を印加した状態では、前記光源から発せられて前記第一の偏光板を通過した前記光が、前記液晶層における前記液晶分子の配列に沿って偏光面を変化させ、前記第二の偏光板に向かうようにしてもよい。

0012

また、前記第二の配向膜は、前記駆動電界を非印加の状態、および前記駆動電界を印加した状態の双方において、前記液晶分子を、前記初期配向方向に維持し、前記第一の配向膜は、前記駆動電界を印加したときに、前記液晶分子の配向方向が前記第二の基板の表面に平行な面内で前記駆動電界に応じた方向に変位可能とされているようにしてもよい。

0013

また、前記第一の配向膜は、前記駆動電界を印加したときの前記液晶分子の配向方向を拘束する拘束力が、前記第二の配向膜よりも小さいようにしてもよい。

0014

また、前記第一の配向膜側に位置する前記液晶分子と、前記第二の配向膜側に位置する前記液晶分子とで、前記駆動電界による前記液晶分子の配向方向の変位角度の差が、0°以上90°以下であるようにしてもよい。

0015

また、前記第一の配向膜として、前記第一の基板にポリマーブラシが形成されているようにしてもよい。

0016

また、前記第一の配向膜として、前記第一の基板と親和性を有する部位と前記液晶分子と相溶性を有する部位とを含む共重合体が形成され、前記第一の基板に前記第一の基板と親和性を有する部位の少なくとも一部が結合しているようにしてもよい。

0017

また、前記第一の基板と親和性を有する部位の残りの部分同士が結合し、3次元架橋体を形成しているようにしてもよい。

0018

また、前記液晶分子と相溶性を有する部位の比率が前記第一の基板と親和性を有する部位の比率よりも大きいようにしてもよい。

0019

また、前記第一の基板と親和性を有する部位はトリシラノールであり、前記液晶分子と相溶性を有する部位はヘキシルメタクリレートであるようにしてもよい。

0020

また、前記電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板面に配置された複数の電極線からなり、前記駆動電界の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に平行または直交しているようにしてもよい。

0021

また、前記電極層が、前記第一の基板または前記第二の基板に配置された複数の電極線からなり、前記駆動電界の非印加時において、前記液晶分子の配向方向が、前記電極線が連続する方向に対して傾斜している、ようにしてもよい。

0022

また、前記液晶分子の誘電率異方性が正であるようにしてもよい。

0023

また、前記液晶の誘電率異方性が負であるようにしてもよい。

0024

また、本発明は、第一の基板上に第一の配向膜を形成することと、第二の基板上に第二の配向膜を形成することと、前記第一の基板と前記第二の基板とを、前記第一の配向膜と第二の配向膜とが対向するように間隔を空けて配置することと、前記第一の配向膜と前記第二の配向膜との間に液晶層を形成することと、前記第一の基板および前記第二の基板のいずれか一方に、前記液晶層の液晶分子に前記第一の基板および前記第二の基板に平行な方向の駆動電界を印加する電極層を設けることと、を含み、前記第一の配向膜を形成することは、前記第一の基板上に親和性を有する部位と液晶と相溶性を有する部位とを含む共重合体溶液を塗布することと、前記第一の基板を加熱することと、を含む、液晶表示素子の製造方法を提供する。

0025

また、前記第一の配向膜として、前記第一の基板と親和性を有する部位と前記液晶分子と相溶性を有する部位とを含む共重合体が形成され、前記第一の基板に前記第一の基板と親和性を有する部位の少なくとも一部が結合しているようにしてもよい。

0026

また、前記第一の基板と親和性を有する部位の残りの部分同士が結合し、3次元架橋体を形成しているようにしてもよい。

0027

また、前記液晶分子と相溶性を有する部位の比率が前記第一の基板と親和性を有する部位の比率よりも大きいようにしてもよい。

0028

また、前記第一の基板と親和性を有する部位はトリシラノールであり、前記液晶分子と相溶性を有する部位はヘキシルメタクリレートであるようにしてもよい。

0029

本発明によれば、次のような効果を得ることができる。

0030

すなわち、低電圧で液晶分子を駆動しつつ、より透過率の高い表示を行うことが可能となる。

0031

また、低電圧で液晶分子を駆動しつつ、より透過率の高い表示を行うことが可能な液晶表示素子を、簡便、かつ、低コストで製造することが可能となる。

図面の簡単な説明

0032

本発明の第1実施形態として示した液晶ディスプレイの概略構成を示す断面図である。
前記第1実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における液晶分子の配向方向の分布を示す図である。
前記第1実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
前記第1実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
弱アンカリング配向膜として基板に形成したポリマーブラシの例を示す断面図である。
第2実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
前記第2実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。
第3実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
前記第3実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。
本発明の第4実施形態として示した液晶ディスプレイの概略構成を示す断面図である。
前記第4実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における液晶分子の配向方向の分布を示す図である。
前記第4実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
前記第4実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
第5実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
前記第5実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。
第6実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。
前記第6実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。
実施例としての液晶パネルと比較例としての液晶パネルの電圧Vと透過率Tとの関係を示すV−T曲線である。
弱アンカリング配向膜として基板に形成する前の共重合体の例を示す模式図である。
弱アンカリング配向膜として基板に形成した後の共重合体の例を示す断面図である。
実施例で作成した液晶セル配向状態を示す顕微鏡写真である。

実施例

0033

以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。

0034

[第1実施形態]
液晶には、誘電率異方性が正であるポジティブ型と、誘電率異方性が負であるネガティブ型とが存在する。ポジティブ型の液晶は、誘電的性質が液晶分子の長軸方向に大きく、長軸方向に直交する方向に小さい。ネガティブ型は、誘電的性質が液晶分子の長軸方向に小さく、長軸方向に直交する方向に大きい。本実施形態では、ポジティブ型の液晶を用いた事例について説明する。
図1は、本実施形態における液晶ディスプレイの概略構成を示す断面図である。図2は、前記第1実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における液晶分子の配向方向の分布を示す図である。図3は、前記第1実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図4は、前記第1実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図5は、弱アンカリング配向膜として基板に形成したポリマーブラシの例を示す断面図である。
図1図2に示すように、液晶ディスプレイ10は、液晶パネル11と、液晶パネル11に光を提供するバックライトユニット12と、を備えている。

0035

バックライトユニット12は、液晶パネル11の裏面に設けられた光源(図示無し)から入力される光を、液晶パネル11の裏面11r側から表面11f側に向けて均一に照射する。バックライトユニット12は、例えば、その一側端部に設けられた光源(図示無し)から入力される光を、液晶パネル11の表面11fと平行な方向に伝搬するとともに、伝搬した光を液晶パネル11の裏面11r側から表面11f側に向けて照射する、いわゆるエッジライト型のものを用いることができる。また、バックライトユニット12は、液晶パネル11の裏面11r側に設けられた光源から入力される光を液晶パネル11の裏面11r側から表面11f側に向けて照射する、いわゆる直下型のものを用いることもできる。

0036

液晶パネル11は、基板(第二の基板)13A,基板(第一の基板)13Bと、偏光板14A,14Bと、電極層15と、強アンカリング配向膜(第二の配向膜)16と、弱アンカリング配向膜(第一の配向膜)17と、液晶層18と、を備えている。

0037

基板13A,13Bは、それぞれガラス、あるいは樹脂などの基板からなり、所定の間隔を空けて互いに平行に配置されている。

0038

偏光板14Aは、バックライトユニット12側に配置された基板13Aにおいて、バックライトユニット12に対向する側、もしくはバックライトユニット12とは反対側に設けられている。
偏光板14Bは、バックライトユニット12から離間した側に配置された基板13Bにおいて、バックライトユニット12とは反対側、もしくは、バックライトユニット12に対向する側に設けられている。
これら偏光板14A,14Bは、その透過軸方向が、互いに直交している。例えば、一方の偏光板14Aの透過軸方向は、基板13Bに平行な方向Yに設定され、他方の偏光板14Bの透過軸方向は、基板13Bに平行な面内で方向Yに直交する方向Xに設定されている。

0039

電極層15は、基板13A,13Bのいずれか一方に設けられている。この実施形態では、電極層15は、バックライトユニット12側の基板13Aにおいて、バックライトユニット12から離間した側に設けられている。
電極層15は、基板13Aの表面に沿って、複数本の電極線20Aが並設されることで形成されている。ここで、図3に示すように、各電極線20Aは、その長軸方向が、例えば基板13Aの表面に平行な面内で方向Yに沿って延びるよう直線状に形成されている。電極層15は、このような電極線20Aが、基板13Aの表面に平行な面内で方向Yに直交する方向Xに沿って、一定間隔ごとに並設されている。

0040

図2図4に示すように、このような電極層15においては、電極層15の各電極線20Aに予め設定した電圧が印加されると、互いに隣接する電極線20A間で、これら互いに隣接する電極線20Aどうしを結ぶ方向、すなわちこの実施形態では基板13Bに平行な方向Xの電場Eが生成される。

0041

強アンカリング配向膜16は、基板13A,13Bのいずれか一方に設けられている。この実施形態では、強アンカリング配向膜16は、バックライトユニット12側の基板13Aにおいて、バックライトユニット12から離間した側に形成されている。

0042

弱アンカリング配向膜17は、基板13A,13Bのいずれか他方に設けられている。この実施形態では、弱アンカリング配向膜17は、バックライトユニット12から離間した側の基板13Bにおいて、バックライトユニット12に対向する側に形成されている。

0043

液晶層18は、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17との間に、多数の液晶分子Lpが充填されることで形成されている。液晶層18は、電極層15を構成する各電極線20Aに電圧が印加されることによって生じる電場Eにより、液晶分子Lpの配向方向が変化して駆動される。このようにして液晶分子Lpの配向が変化することによって、液晶層18は、バックライトユニット12から供給される光を部分的に透過したり遮断したりすることで、表示画像を生成する。

0044

ここで、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17とは、液晶分子Lpの配向方向を拘束する配向拘束力が、互いに異なる。
すなわち、図2に示すように、強アンカリング配向膜16は、電圧が印加されて電場Eが生成されても、液晶層18において強アンカリング配向膜16側の液晶分子Lpが、その長軸方向を、基板13A,13Bの表面に平行な面内の配向方向(図2では方向Y)にほぼ一致させた初期配向状態、すなわち、強アンカリング配向膜16の配向処理方向(方向Y)に沿った初期配向状態を維持する。
これに対し、弱アンカリング配向膜17では、電圧が印加されることで電場Eが生成されたときに、印加電圧閾値電圧以上となると、液晶層18の弱アンカリング配向膜17側において、液晶分子Lpが弱アンカリング配向膜17の拘束から離脱する。そして、液晶分子Lpの配向方向は、印加電圧の大きさに応じ、基板13A,13Bの表面に平行な面内で、初期配向方向(図2では方向Y)から変化する。

0045

このように、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17とでは、電場Eが印加されたときに、液晶層18の強アンカリング配向膜16側では、液晶分子Lpが強アンカリング配向膜16による配向強制力を受けたまま、その配向方向を維持するのに対し、弱アンカリング配向膜17側では、弱アンカリング配向膜17による配向強制力を脱して液晶分子Lpの配向方向が変化する。

0046

その結果、液晶層18においては、強アンカリング配向膜16側と弱アンカリング配向膜17側とでは、閾値以上の電場Eを印加したときの液晶分子Lpの配向方向が異なる。これにより、液晶分子Lpは、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、初期配向方向に対する配向角度の変位量漸次大きくなり、螺旋状に捩れた配向状態に転移し、電場強度がある一定値に達すると弱アンカリング配向膜17近傍の液晶分子Lpは、電場Eの方向に平行な方向に配向する。すなわち、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、90°ツイストした配向状態になる。

0047

上記の電圧印加時の液晶層18の配向状態は、TN方式における電圧非印加時の液晶の配向状態と同様である。従って、ΔnP≫λ(Δnは液晶の屈折率異方性、Pは液晶のヘリカルピッチ、λは光の波長)、すなわち、モーガン条件(Mougain Condition)を満たす様、液晶パネル11の光学設計を行えば、液晶層18に旋光能効果を生じさせることが可能となる。

0048

また、TN方式の液晶パネルにおける光の透過率Tを与える式として、以下のGooch-Tarryの式(2)が知られている。

0049

0050

ここで、u=dΔn/λ・π/θで、dはセルギャップ(液晶層18の厚さ)、θは液晶分子Lpの捩れ角であり、本実施形態では、電圧印加時における強アンカリング配向膜16側の液晶分子と弱アンカリング配向膜17側の液晶分子の配向方向の角度の差に相当する。なお、本実施形態では、θ=π/2であるので、u=2dΔn/λである。

0051

液晶パネル11では、ポジティブ型の液晶分子Lpを用い、偏光板14Aと偏光板14Bとを、それぞれの透過軸方向が互いに直交するクロスニコルに配置し、偏光板14Aの透過軸方向が、電場Eを非印加の状態での液晶分子Lpの配向方向を規制するための強アンカリング配向膜16に対する配向処理方向(図1では方向Y)と一致するように設定される。電場Eを非印加の状態では、液晶分子Lpは強アンカリング配向膜16に対する配向処理方向に一様配向しているため、液晶層18に入射した直線偏光は、偏光状態及び偏光面を維持したまま、液晶パネル11から出射する。このとき、液晶層18に入射した直線偏光の偏光方向(図1では方向Y)と偏光板14Bの透過軸方向とが直交しているため、バックライトユニット12側からの光は偏光板14Bを透過することができない。

0052

一方、電場Eを印加した状態では、液晶分子Lpは、上記したように強アンカリング配向膜16側においては、長軸方向が強アンカリング配向膜16の配向処理方向(図2では方向Y)に沿った初期配向状態を維持する。これに対し、弱アンカリング配向膜17側では、閾値以上の電場Eの印加により、液晶分子Lpの配向方向は基板13Bに平行な面内で変化し始め、電場強度がある一定値に達したときに、液晶分子Lpの長軸方向が電場Eに平行な方向、すなわち基板13Bに平行な方向Xに沿うようになる。このとき、液晶パネル11の光学条件を、モーガン条件を満たし、かつ、式(2)が最大値を取る様に設計することで、液晶層18に入射した直線偏光は、偏光状態を維持したまま偏光面が90°回転(旋光)して偏光板14Bを透過し、液晶パネル11から出射する。したがって、バックライトユニット12側から液晶パネル11に入射した光を最大の効率で透過させることができる。すなわち、本実施形態における電圧印加時の透過率Tを最大(偏光板の吸収を0と仮定した場合、50%)にすることができる。ここで、一般に、セルギャップdが大きくなると、応答速度の低下が生じるため、液晶パネルの光学設計は、式(2)が最大値を取る複数の条件の中から、いわゆる、ファーストミニマム条件を選択するのが好ましい。

0053

このように、本実施形態の液晶パネル11においては、ポジティブ型の液晶分子Lpを用い、偏光板14Aと偏光板14Bとをクロスニコルに配置し、偏光板14Aの透過軸方向が、電場Eを非印加の状態での液晶分子Lpの配向方向を規制するための強アンカリング配向膜16に対する配向処理方向と、一致する(図1では方向Y)ように設定されている。このような構成によれば、閾値以上の所定の電場Eが液晶パネル11に印加されると、液晶分子Lpが、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、初期配向方向に対する配向方向の変位量が漸次大きくなり、螺旋状に捩れた配向状態に転移する。これにより、バックライトユニット12側から偏光板14Aを通過した光は、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、液晶分子Lpの配向方向の分布に沿って偏光面が変化し、反対側の偏光板14Bを通して出射される。
このように、液晶パネル11では、液晶の駆動方式として、液晶分子Lpを基板13A,13Bの表面に沿った面内で変位させるIPS駆動方式を採用する一方、旋光性を利用して、光のオンオフ制御を行う。

0054

ところで、上記したような強アンカリング配向膜16としては、例えば、以下のようにして形成する。まず、基板13A上にポリイミドなどからなる配向膜を形成する。その後、レーヨンや綿などからなる布を巻いたローラーを、回転数及びローラーと基板13Aとの距離を一定に保った状態で回転させ、配向膜の表面を所定の方向に擦る(ラビング法)、あるいは、偏光紫外線を照射してポリイミドからなる配向膜の表面に異方性を発生させる(光配向法)。これらラビング法、光配向法等により配向方向が設定された、強アンカリング配向膜16は、液晶分子Lpに対し、弱アンカリング配向膜17よりも強い配向強制力を付与する。

0055

弱アンカリング配向膜17としては、例えば、ポリマーブラシで形成したものを用いることができる。ポリマーブラシは、一端が基板13B表面に固定され、他端が基板13Bの表面から離間する方向に延びたグラフトポリマー鎖により形成される。このようなグラフトポリマー鎖は、基板13B側から延伸させるようにして生成してもよいし、予め所定長を有したポリマー鎖を、基板13Bに付着させてもよい。

0056

以下に、ポリマーブラシの具体的な一例を示す。
ポリマーブラシは、例えば、次の一般式(1)で表される。




一般式(1)において、XはH又はCH3であり、mは正の整数であって、ポリマーブラシのTg(ガラス転移温度)が−5℃以下であるものである。

0057

図5は、弱アンカリング配向膜として基板に形成したポリマーブラシの例を示す断面図である。
図5に示すように、液晶分子Lpは、基板13B上に形成されたポリマーブラシ2の表層部分に浸透しており、液晶分子Lpと接したポリマーブラシ2の表層部分は膨潤している(図中では、膨潤した状態は示していない)。

0058

本明細書においては、液晶分子Lpが浸透したポリマーブラシ2の部分を共存部4として表し、液晶分子Lpが浸透していないポリマーブラシ2の部分をポリマーブラシ層3として表す。なお、図5では、本発明を理解し易くする観点から、共存部4とポリマーブラシ層3とを明確に区別して表したが、実際には、共存部4とポリマーブラシ層3との境界を区別することは難しい。

0059

上記したようなポリマーブラシ2を用いることにより、共存部4のTg(ガラス転移温度)が、常温よりもかなり低い温度になるので、常温において、共存部4の形状を自由に変動させることができる。そのため、共存部4と液晶分子Lpとの界面において共存部4の状態が変化し、基板13Bに対して水平方向に液晶分子Lpを配向強制しつつ、面内ではいずれの方向にも配向強制力をもたない状態(ゼロ面アンカリング状態)を実現することができる。

0060

共存部4のTgは、使用するポリマーブラシ2及び液晶分子Lpの種類によって異なるため、一義的に定義することはできないが、一般に、ポリマーブラシ2単独のTgに比べて低くなる。また、共存部4のTgは、ポリマーブラシ2に対する液晶分子Lpの浸透の程度(すなわち、ポリマーブラシ2と液晶分子Lpとの割合)によっても変化する。具体的には、共存部4において、液晶分子Lpの割合が多い液晶分子Lp側の共存部4はTgが低く、液晶分子Lpの割合が少ないポリマーブラシ層3側の共存部4はTgが高くなる。

0061

しかしながら、ポリマーブラシ2として、上記一般式(1)で表され、一般式(1)において、XはH又はCH3であり、mは正の整数であって、ポリマーブラシのTgが−5℃以下であるものを用いることにより、共存部4のTgを、常温よりも十分低い温度にすることができるので、常温において、基板13Bの表面に対して水平な面内に液晶分子Lpを配向強制しつつ、面内ではいずれの方向にも配向強制力をもたない状態(ゼロ面アンカリング状態)を実現することができる。

0062

基板13Bの表面は必要に応じて、平坦化処理を行っても良い。平坦化処理としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて行うことができる。平坦化処理の例としては、基板13Bの表面に平坦化膜を形成する方法が挙げられ、例えば、UV硬化性の透明樹脂などを基板13Bの表面に塗布してUV硬化すればよい。

0063

基板13Bの例としては、アレイ基板及び対向基板が挙げられる。
アレイ基板の例としては、アクティブマトリックスアレイ基板が挙げられる。このアクティブマトリックスアレイ基板は、一般的に、ガラス基板上にゲート配線及びソース配線マトリックス状に配置されており、その交点部分に、薄層トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などのアクティブ素子が形成され、このアクティブ素子に画素電極が接続されたものである。

0064

また、対向基板の例としては、カラーフィルタ基板が挙げられる。このカラーフィルタ基板は、一般的に、ガラス基板上に、不要な光の漏れを防止するためにブラックマトリックスを形成した後、R(赤)、G(緑)、B(青)の着色層パターン形成し、必要に応じて保護膜を形成したものである。これらの基板13Bを用いる場合、基板13Bの表面に透明樹脂を塗布して硬化し、平坦化膜を形成してもよい。

0065

基板13B上に形成されるポリマーブラシ2としては、上記一般式(1)で表され、一般式(1)において、XはH又はCH3であり、mは正の整数であって、ポリマーブラシのTgが−5℃以下であるものを用いることができる。ここで、ポリマーブラシ2は、多数のグラフトポリマー鎖が高密度で基板13B表面に対して垂直方向に伸張した構造を有するのが好ましい。

0066

一般的に、一端が基板13B表面に固定されたグラフトポリマー鎖は、グラフト密度が低いと、糸まり状の縮んだ構造をとるが、ポリマーブラシ2は、グラフト密度が高いため、隣接したグラフトポリマー鎖の相互作用立体反発)により、基板13B表面に対して垂直方向に伸張した構造をとる。

0067

本明細書において「高密度」とは、隣接するグラフトポリマー鎖間で立体反発が生じる程度に密集したグラフトポリマー鎖の密度を意味し、一般的に0.1本/nm2以上、好ましくは0.1〜1.2本/nm2の密度である。また、本明細書において「グラフトポリマー鎖の密度」とは、単位面積(nm2)あたりの基板13B表面上に形成されたグラフトポリマー鎖の本数を意味する。
なお、ポリマーブラシ2は、多数のグラフトポリマー鎖が上記に示した「高密度」よりも低い密度で設けられたものであってもよい。

0068

ポリマーブラシ2は、基板13Bの表面上でポリマーブラシ2の層を形成する。このポリマーブラシ2の層の厚さは、特に限定されないが、一般に数十nm、具体的には1nm以上100nm未満、好ましくは10nm〜80nmである。また、このポリマーブラシ2の層にはサイズ排除効果があり、一定の大きさの物質はポリマーブラシ2の層を通過することはできない。そのため、ポリマーブラシ2の層の厚さを薄くしても、下地から液晶分子Lpへの不純物侵入を防止することができる。

0069

ポリマーブラシ2の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて行うことができる。具体的には、ポリマーブラシ2は、ラジカル重合性モノマーリビングラジカル重合させることにより形成することができる。ここで、本明細書において「リビングラジカル重合」とは、ラジカル重合反応において、連鎖移動反応及び停止反応が実質的に起こらず、ラジカル重合性モノマーが反応し尽くした後も連鎖成長末端活性を保持する重合反応のことを意味する。

0070

この重合反応では、重合反応終了後でも生成重合体の末端に重合活性を保持しており、ラジカル重合性モノマーを加えると再び重合反応を開始させることができる。また、リビングラジカル重合は、ラジカル重合性モノマーと重合開始剤との濃度比を調節することによって任意の平均分子量をもつ重合体の合成ができ、そして、生成する重合体の分子量分布が極めて狭いなどの特徴がある。

0071

リビングラジカル重合の代表例は、原子移動ラジカル重合ATRP:Atom Transfer Radical Polymerization)である。例えば、重合開始剤の存在下で、ハロゲン化銅リガンド錯体を用いてラジカル重合性モノマーの原子移動リビングラジカル重合を行う。高分子末端ハロゲンをハロゲン化銅/リガンド錯体が引き抜くことにより可逆的に成長する成長ラジカルにラジカル重合性モノマーが付加して進行し、十分な頻度での可逆的活性化・不活性化により分子量分布が規制される。

0072

リビングラジカル重合に用いられるラジカル重合性モノマーは、有機ラジカルの存在下でラジカル重合を行うことが可能な不飽和結合を有するものであり、例えば、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートノニルメタクリレート、ラウリルメタクリレートn−オクチルメタクリレートなどのメタクリレート系モノマー;t−ブチルアクリレートヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ベンジルアクリレートラウリルアクリレート、n−オクチルアクリレートなどのアクリレート系モノマースチレンスチレン誘導体(例えば、o−、m−、p−メトキシスチレン、o−、m−、p−t−ブトキシスチレン、o−、m−、p−クロロメチルスチレンなど)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル安息香酸ビニル、酢酸ビニルなど)、ビニルケトン類(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンメチルイソプロペニルケトンなど)、N−ビニル化合物(例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロールN−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールなど)、(メタアクリル酸誘導体(例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドイソプロピルアクリルアミドメタクリルアミドなど)、ハロゲン化ビニル類(例えば、塩化ビニル塩化ビニリデンテトラクロロエチレンヘキサクロロプレン、フッ化ビニルなど)などのビニルモノマーが挙げられる。これらの各種ラジカル重合性モノマーは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。

0073

重合開始剤としては、特に限定されず、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。重合開始剤の例としては、p−クロロメチルスチレン、α−ジクロロキシレン、α,α−ジクロロキシレン、α,α−ジブロモキシレン、ヘキサキス(α−ブロモメチルベンゼン塩化ベンジル臭化ベンジル、1−ブロモ−1−フェニルエタン、1−クロロ−1−フェニルエタンなどのベンジルハロゲン化物プロピル−2−ブロモプロピオネートメチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモイソブチレート(EBIB)などのα位がハロゲン化されたカルボン酸p−トルエンスルホニルクロリド(TsCl)などのトシルハロゲン化物テトラクロロメタントリブロモメタン、1−ビニルエチルクロリド、1−ビニルエチルブロミドなどのアルキルハロゲン化物ジメチルリン酸クロリドなどのリン酸エステルのハロゲン誘導体が挙げられる。これらの各種重合開始剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。

0074

ハロゲン化銅/リガンド錯体を与えるハロゲン化銅としては、特に限定されず、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。ハロゲン化銅の例としては、CuBr、CuCl、CuIなどが挙げられる。これらの各種ハロゲン化銅は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。

0075

ハロゲン化銅/リガンド錯体を与えるリガンド化合物としては、特に限定されず、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。リガンド化合物の例としては、トリフェニルホスファン、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジン(dNbipy)、N,N,N’,N’N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミンなどが挙げられる。これらの各種リガンド化合物は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。

0076

ラジカル重合性モノマー、重合開始剤、ハロゲン化銅及びリガンド化合物の量は、使用する原料の種類に応じて適宜調節すればよいが、一般的に、重合開始剤1molに対して、ラジカル重合性モノマーが5〜10,000mol、好ましくは50〜5,000mol、ハロゲン化銅が0.1〜100mol、好ましくは0.5〜100mol、リガンド化合物が0.2〜200mol、好ましくは1.0〜200molである。

0077

リビングラジカル重合は、通常、無溶媒で行うが、リビングラジカル重合で一般的に使用される溶媒を使用してもよい。使用可能な溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、ジメチルスルホキシドDMSO)、アセトンクロロホルム四塩化炭素テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチルトリフルオロメチルベンゼンなどの有機溶媒;水、メタノールエタノールイソプロパノールn−ブタノールエチルセロソルブブチルセロソルブ、1−メトキシ2−プロパノールなどの水性溶媒が挙げられる。これらの各種溶媒は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、溶媒の量は、使用する原料の種類に応じて適宜調節すればよいが、一般的にラジカル重合性モノマー1gに対して、溶媒が0.01〜100mL、好ましくは0.05〜10mLである。

0078

リビングラジカル重合は、上記の原料を含むポリマーブラシ形成用溶液中に基板13Bを浸漬、または基板13Bに上記の原料を含むポリマーブラシ形成用溶液を塗布し、加熱することによって行うことができる。加熱条件は、特に限定されることはなく、使用する原料などに応じて適宜調節すればよいが、一般的に、加熱温度は60〜150℃、加熱時間は0.1〜10時間である。この重合反応は、一般的に常圧で行われるが、加圧又は減圧しても構わない。なお、基板13Bは、必要に応じて、ポリマーブラシ2の形成前に洗浄を行ってもよい。

0079

リビングラジカル重合により形成されるポリマーブラシ2の分子量は、反応温度、反応時間や使用する原料の種類や量によって調整可能であるが、一般的に数平均分子量が500〜1,000,000、好ましくは1,000〜500,000のポリマーブラシ2を形成することができる。また、ポリマーブラシ2の分子量分布(Mw/Mn)は、1.05〜1.60の間に制御することができる。

0080

ポリマーブラシ2は、基板13Bとポリマーブラシ2との間の固着性を高める観点から、必要に応じて、固定化膜を介して基板13Bの表面上に形成してもよい。固定化膜としては、基板13B及びポリマーブラシ2との固着性に優れたものであれば特に限定されることはなく、リビングラジカル重合で一般的に公知のものを使用することができる。固定化膜の例としては、次の一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物から形成される膜が挙げられる。

0081

0082

一般式(2)において、R1はそれぞれ独立してC1〜C3のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基であり、R2はそれぞれ独立してメチル基又はエチル基であり、Xはハロゲン原子、好ましくはBrであり、nは3〜10の整数、より好ましくは4〜8の整数である。

0083

固定化膜には、ポリマーブラシ2が共有結合していることが好ましい。固定化膜とポリマーブラシ2とが結合力の強い共有結合で結ばれていれば、ポリマーブラシ2の剥がれを十分に防止することができる。その結果、液晶パネル11の特性が低下する可能性が低くなり、液晶パネル11の信頼性が向上する。

0084

固定化膜の形成方法は、特に限定されず、使用する材料に応じて適宜設定すればよい。例えば、固定化膜形成用溶液に基板13Bを浸漬させたり、あるいは、基板13Bに上記の固定化膜形成用溶液を塗布後、乾燥させることによって固定化膜を形成することができる。ここで、所定の部分に固定化膜を形成させるために、固定化膜を形成させない部分にマスキングを施してもよい。また、基板13Bは、必要に応じて、固定化膜の形成前に洗浄を行ってもよい。

0085

基板13Aと、ポリマーブラシ2を形成した基板13Bとの間に液晶分子Lpを注入する方法としては、特に限定されず、毛細管現象を利用した真空注入法液晶滴下注入法ODF:One Drop Filling)などの公知の方法を用いることができる。例えば、毛細管現象を利用した真空注入法を用いる場合には、次のようにして行えばよい。

0086

まず、一方の基板13A上に公知の方法によって電極層15を形成する。他方の基板13B上には、フォトリソグラフィーなどの公知の方法によってスペーサーを形成した後、固定化膜(必要な場合)及びポリマーブラシ2を形成する。ここで、必要に応じて、基板13B上(スペーサー部以外)に平坦化膜などを形成することによって平坦化し、その上に固定化膜(必要な場合)及びポリマーブラシ2を形成してもよい。

0087

次に、一方の基板13Aを洗浄して乾燥させた後、シール材を塗布し、他方の基板13Bと重ね合わせ、加熱又はUV照射などによってシール材を硬化させて接着する。ここで、シール材の一部には、液晶分子Lpを注入するための注入口を開けておく必要がある。次に、注入口から真空注入法によって基板13A,13Bの間に液晶分子Lpを注入した後、注入口を封止する。

0088

本発明において用いられる液晶分子Lpとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。その中でも、液晶分子Lpとしては、液晶分子LpのNI点(N相からI相への相転移温度)が共存部4のTgよりも高いものが好ましい。

0089

上述したように、液晶パネル11によれば、バックライトユニット12と、弱アンカリング配向膜17が形成された基板13Bと、弱アンカリング配向膜17との間に間隔を空けて対向配置される強アンカリング配向膜16が形成された基板13Aと、弱アンカリング配向膜17と強アンカリング配向膜16との間に配置され、液晶分子Lpが駆動されることによって光を透過又は遮断する液晶層18と、基板13Aおよび基板13Bのいずれか一方に設けられ、液晶分子Lpに電場Eを印加する電極層15と、を備える。更に、弱アンカリング配向膜17は、電場Eを印加したときの液晶分子Lpの配向方向を拘束する拘束力が、強アンカリング配向膜16よりも小さい。
そして、電場Eを印加した状態で、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、液晶層18の液晶分子Lpの配向方向の変位角度が漸次大きくなる。
これにより、弱アンカリング配向膜17側の液晶分子Lpの配向方向を変化させるのに十分な所定の電圧を印加すれば、液晶パネル11の液晶層18が駆動され、表示を行うことができる。したがって、低電圧で液晶分子を駆動することが出来る。
また、上記構成によれば、液晶分子Lpの旋光性を利用し、液晶分子Lpを駆動している。このような構成によれば、光が、液晶分子Lpの配向に沿って変化し、透過していくので、透過率の高い表示を行うことが可能となる。

0090

[第2実施形態]
次に、本発明にかかる液晶表示素子の第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2実施形態においては、上記第1実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。この第2実施形態では、上記第1実施形態に対し、電極層15における電極線20Bの配置が異なる。
図6は、第2実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図7は、前記第2実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。

0091

図6に示すように、この第2実施形態において、電極層15は、基板13Aの表面に沿って、複数本の電極線20Bが並設されることで形成されている。ここで、各電極線20Bは、その長軸方向を、例えば基板13Aに沿った方向Yに対して傾斜させて形成されている。電極層15は、このような電極線20Bが、基板13Aに沿った方向Yに直交する方向Xに沿って、一定間隔ごとに並設されることで形成されている。

0092

このような電極層15においては、互いに隣接する電極線20B,20B間で、電場Eを非印加の状態で、ポジティブ型の液晶分子Lpは、強アンカリング配向膜16における配向処理方向(方向Y)に沿って配向されている。

0093

図7に示すように、ポジティブ型の液晶分子Lpは、電場Eを印加しても、強アンカリング配向膜16側においては、長軸方向が強アンカリング配向膜16の配向処理方向(方向Y)に沿った初期配向状態を維持する。一方、弱アンカリング配向膜17側では、印加された電場Eにより、液晶分子Lpは基板13Bに平行な面内で配向角度が変位し、電場強度がある一定値に達したときに、その長軸方向が電場Eに平行な方向、すなわち電極線20Bに直交する方向に沿う。

0094

このような電極層15を備える本実施形態の液晶パネル11においても、上記第1実施形態と同様、低電圧で液晶分子Lpを駆動することが可能である。また、本実施形態では、弱アンカリング配向膜17側の液晶分子Lpの配向方向が電場Eに平行となった際、液晶分子Lpの配向方向と偏光板14Bの透過軸方向とが完全に一致しないため、第1実施形態に示した構成よりも最大透過率は若干低下するが、従来のIPS方式の液晶パネルよりも高い最大透過率を実現することが可能となる。

0095

[第3実施形態]
次に、本発明にかかる液晶表示素子の第3実施形態について説明する。なお、以下に説明する第3実施形態においては、上記第1、第2実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。この第3実施形態では、上記第1,第2実施形態に対し、電極層15における電極線20Cの配置が異なる。
図8は、第3実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図9は、前記第3実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が正の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。

0096

図8に示すように、この第3実施形態において、電極層15は、基板13Aの表面に沿って、複数本の電極線20Cが並設されることで形成されている。ここで、各電極線20Cは、各画素において、基板13Aに沿った方向Yに対して所定角度αだけ傾斜した第一傾斜部20aと、方向Yに対し所定角度−αだけ傾斜した第二傾斜部20bとが、長軸方向である方向Yにおいて連続する「く」字状をなしている。電極層15は、このような電極線20Cが、基板13Aに沿った方向Yに直交する方向Xに沿って、一定間隔ごとに並設されることで形成されている。

0097

このような電極層15においては、互いに隣接する電極線20C,20C間で、電場Eを非印加の状態で、ポジティブ型の液晶分子Lpは、強アンカリング配向膜16における配向処理方向(方向Y)に沿って配向されている。

0098

図9に示すように、ポジティブ型の液晶分子Lpは、電場Eを印加しても、強アンカリング配向膜16側においては、長軸方向が強アンカリング配向膜16の配向処理方向(方向Y)に沿った初期配向状態を維持する。一方、弱アンカリング配向膜17側では、印加された電場Eにより、液晶分子Lpは基板13Bに平行な面内で配向角度が変位し、電場強度がある一定値に達したときに、その長軸方向が第一傾斜部20a、第二傾斜部20bに直交するように配向される。具体的には、電場Eを印加したときに、第一傾斜部20a,20a間では、液晶分子Lpは第一傾斜部20aに直交し、第二傾斜部20b,20b間では、液晶分子Lpは第二傾斜部20bに直交する。
ここで、電極層15において、電極線20Cは、各画素において「く」字状に屈曲している。したがって、電場Eを印加したときに、方向Xに対し、角度αだけ傾斜した液晶分子Lpと、角度−αだけ傾斜した液晶分子Lpとが混在して画像を形成する。その結果、液晶パネル11を、パネル表面に対して傾斜した斜め方向から見た場合の画像劣化を抑えることができる。

0099

このような電極層15を備える本実施形態の液晶パネル11においても、上記第1実施形態と同様、低電圧で液晶分子Lpを駆動することが可能である。また、本実施形態では、弱アンカリング配向膜17側の液晶分子Lpの配向方向が電場Eに平行となった際、液晶分子Lpの配向方向と偏光板14Bの透過軸方向とが完全に一致しないため、第1実施形態に示した構成よりも最大透過率は若干低下するが、従来のIPS方式の液晶パネルよりも高い最大透過率を実現することが可能となる。

0100

[第4実施形態]
次に、本発明にかかる液晶表示素子の第4実施形態について説明する。なお、以下に説明する第4実施形態においては、上記第1〜第3実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。この第4実施形態では、上記第1実施形態と同様の電極層15を備え、ネガティブ型の液晶分子Lnを駆動する。
図10は、本発明の第4実施形態として示した液晶ディスプレイの概略構成を示す断面図である。図11は、前記第4実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における液晶分子の配向方向の分布を示す図である。図12は、前記第4実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図13は、前記第4実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。

0101

図10図11に示すように、この実施形態において、偏光板14Aと偏光板14Bはクロスニコルに配置され、偏光板14Aの透過軸方向が方向Xに沿うよう設定され、他方の偏光板14Bの透過軸方向は、方向Yに沿うよう設定されている。

0102

電極層15は、基板13Aの表面に沿って、複数本の電極線20Aが並設されることで形成されている。図12図13に示すように、各電極線20Aは、その長軸方向が、例えば基板13Aの表面に平行な面内で方向Yに沿って延びるよう直線状に形成されている。電極層15は、このような電極線20Aが、基板13Aの表面に平行な面内で方向Yに直交する方向Xに沿って、一定間隔ごとに並設されている。

0103

液晶層18の液晶分子Lnは、誘電率異方性が負であり、誘電的性質が長軸方向に小さく、長軸方向に直交する方向に大きいネガティブ型である。
図10図12に示すように、ネガティブ型の液晶分子Lnを用いる場合、電場Eを非印加の状態で液晶分子Lnの配向方向を規制するための強アンカリング配向膜16の配向処理方向を、各電極線20Aの長軸方向と垂直な方向(図12では方向X)とする。また、偏光板14Aと偏光板14Bをクロスニコルに配置させ、偏光板14Aの透過軸方向が、電場Eを非印加の状態での液晶分子Lnの配向方向を規制するための強アンカリング配向膜16に対する配向処理方向と一致する(図12では方向X)ように設定されている。すると、電場Eを非印加の状態では、バックライトユニット12側からの光は透過しない。

0104

図11に示すように、ネガティブ型の液晶分子Lnは、電場Eを印加しても、強アンカリング配向膜16側においては、長軸方向が強アンカリング配向膜16の配向処理方向に沿った初期配向状態(方向X)を維持する。一方、弱アンカリング配向膜17側では、印加された電場Eにより、液晶分子Lnは基板13Bに平行な面内で配向角度が変位し、電場強度がある一定値に達したときに、その長軸方向が電場Eに直交する方向、すなわち基板13Bに平行な方向Yに沿う。このようにして、電場Eを印加した状態では、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、液晶層18の液晶分子Lnの配向方向の変位角度が漸次大きくなる。一定値以上の電場を印加したとき、弱アンカリング配向膜17側における液晶分子Lnの配向方向(方向Y)は電場Eと直交する方向となり、偏光板14Bの透過軸方向と一致するため、バックライトユニット12側から偏光板14Aを通過した光は、液晶分子Lnの配向方向の分布に沿って、偏光面が変化し、反対側の偏光板14Bを通して出射する。

0105

このように、誘電率異方性が負である液晶を用いる本実施形態の液晶パネル11においても、低電圧で液晶分子Lnを駆動しつつ、より透過率の高い表示を行うことが可能となる。

0106

[第5実施形態]
次に、本発明にかかる液晶表示素子の第5実施形態について説明する。なお、以下に説明する第5実施形態においては、上記第1〜第4実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。この第5実施形態では、上記第2実施形態と同様の電極層15を備え、ネガティブ型の液晶分子Lnを駆動する。
図14は、第5実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図15は、前記第5実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。

0107

この実施形態において、一方の偏光板14Aの透過軸方向は、上記第4実施形態と同様、方向Xに沿うよう設定され、他方の偏光板14Bの透過軸方向は、方向Yに沿うよう設定されている。

0108

図14に示すように、電極層15は、基板13Aの表面に沿って、複数本の電極線20Bが並設されることで形成されている。各電極線20Bは、その長軸方向を、例えば基板13Aに沿った方向Yに対して傾斜させて形成されている。電極層15は、このような電極線20Bが、基板13Aに沿った方向Yに直交する方向Xに沿って、一定間隔ごとに並設されることで形成されている。

0109

このような電極層15においては、互いに隣接する電極線20B,20B間で、電場Eを非印加の状態で、ネガティブ型の液晶分子Lnは、強アンカリング配向膜16における配向処理方向(方向X)に沿って配向されている。電場Eを非印加の状態では、液晶層18の液晶分子Lnは、方向Xに沿うよう配向され、バックライトユニット12側からの光は透過しない。

0110

図15に示すように、ネガティブ型の液晶分子Lnは、電場Eを印加すると、強アンカリング配向膜16側においては、長軸方向が強アンカリング配向膜16の配向処理方向(方向X)に沿った初期配向状態を維持する。一方、弱アンカリング配向膜17側では、印加された電場Eにより、液晶分子Lnは基板13Bに平行な面内で配向角度が変位し、電場強度がある一定値に達したときに、その長軸方向が電場Eに直交する方向、すなわち電極線20Bに平行な方向に沿う。

0111

このような電極層15を備える本実施形態の液晶パネル11においても、低電圧で液晶分子Lnを駆動することが可能である。また、本実施形態では、弱アンカリング配向膜17側の液晶分子Lnの配向方向が電場Eに垂直となった際、液晶分子Lnの配向方向と偏光板14Bの透過軸方向とが完全に一致しないため、第4実施形態に示した構成よりも最大透過率は若干低下するが、従来のIPS方式の液晶パネルよりも高い最大透過率を実現することが可能となる。

0112

[第6実施形態]
次に、本発明にかかる液晶表示素子の第6実施形態について説明する。なお、以下に説明する第6実施形態においては、上記第1〜第5実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。この第6実施形態では、上記第3実施形態と同様の電極層15を備え、ネガティブ型の液晶分子Lnを駆動する。
図16は、第6実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加しない状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係を示す図である。図17は、前記第6実施形態として示した液晶ディスプレイの液晶パネルにおいて、誘電率異方性が負の液晶を用い、電場を印加した状態における電極線と液晶分子の配向方向との関係の他の例を示す図である。

0113

この実施形態において、一方の偏光板14Aの透過軸方向は、上記第4実施形態と同様、方向Xに沿うよう設定され、他方の偏光板14Bの透過軸方向は、方向Yに沿うよう設定されている。

0114

図16に示すように、電極層15は、基板13Aの表面に沿って、複数本の電極線20Cが並設されることで形成されている。各電極線20Cは、各画素において、基板13Aに沿った方向Yに対して所定角度αだけ傾斜した第一傾斜部20aと、方向Yに対し所定角度−αだけ傾斜した第二傾斜部20bとが、長軸方向である方向Yにおいて連続する「く」字状をなしている。電極層15は、このような電極線20Cが、基板13Aに沿った方向Yに直交する方向Xに沿って、一定間隔ごとに並設されることで形成されている。

0115

このような電極層15においては、互いに隣接する電極線20C,20C間で、電場Eを非印加の状態で、ネガティブ型の液晶分子Lnは、強アンカリング配向膜16における配向処理方向(方向X)に沿って配向されている。電場Eを非印加の状態では、液晶層18の液晶分子Lnは、方向Xに沿うよう配向され、バックライトユニット12側からの光は透過しない。

0116

図17に示すように、ネガティブ型の液晶分子Lnは、電場Eを印加すると、強アンカリング配向膜16側においては、長軸方向が強アンカリング配向膜16の配向処理方向(方向X)に沿った初期配向状態を維持する。一方、弱アンカリング配向膜17側では、印加された電場Eにより、液晶分子Lnは基板13Bに平行な面内で配向角度が変位し、電場強度がある一定値に達したときに、その長軸方向が第一傾斜部20a、第二傾斜部20bに平行となるように配向される。具体的には、電場Eを印加したときに、第一傾斜部20a,20a間では、液晶分子Lnは第一傾斜部20aに平行となり、第二傾斜部20b,20b間では、液晶分子Lnは第二傾斜部20bに平行となる。
ここで、電極層15において、電極線20Cは、各画素において「く」字状に屈曲している。したがって、電場Eを印加したときに、互いに異なる2種類の角度に傾斜した液晶分子Lnが混在して画像を形成する。その結果、液晶パネル11を、パネル表面に対して傾斜した斜め方向から見た場合の画像劣化を抑えることができる。

0117

このような電極層15を備える本実施形態の液晶パネル11においても、低電圧で液晶分子Lnを駆動することが可能である。また、本実施形態では、弱アンカリング配向膜17側の液晶分子Lnの配向方向が電場Eに垂直となった際、液晶分子Lnの配向方向と偏光板14Bの透過軸方向とが完全に一致しないため、第4実施形態に示した構成よりも最大透過率は若干低下するが、従来のIPS方式の液晶パネルよりも高い最大透過率を実現することが可能となる。

0118

[第7実施形態]
次に、本発明にかかる液晶表示素子の第7実施形態について説明する。なお、以下に説明する第7実施形態においては、上記第1〜第6実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。この第7実施形態では、上記第1実施形態に対し、弱アンカリング配向膜17の構成が異なる。上記第1実施形態では弱アンカリング配向膜17としてポリマーブラシで形成したものを用いたが、第7実施形態では共重合体で形成したものを用いる。

0119

図19は、弱アンカリング配向膜として基板に形成する前の共重合体の例を示す模式図であり、図20は、弱アンカリング配向膜として基板に形成した後の共重合体の例を示す断面図である。共重合体21は、一つの分子中に基板と親和性を有する部位(親和性を与える部位)22と液晶と相溶性を有する部位(相溶性を与える部位)23とを含む。また、一つの分子中において、液晶と相溶性を有する部位23の比率が基板と親和性を有する部位22の比率よりも大きくなっている。弱アンカリング配向膜として基板に形成した後の共重合体基板と親和性を有する部位22は少なくとも一部が基板13Bと化学結合を形成し基板と密着している。さらに、基板と親和性を有する部位22の残りの部分については、基板と親和性を有する部位22同士が結合し、3次元架橋体を形成している。一方、液晶と相溶性を有する部位23の少なくとも一部は液晶分子Lpと混合されている。また、液晶と相溶性を有する部位23は、その部位の成分のみからなるポリマーホモポリマー)の一般的なTgが−5℃以下であるものである。
基板と親和性を有する部位22は、上記第1実施形態のポリマーブラシ層3の基板との固着部位に相当し、液晶と相溶性を有する部位23は、上記第1実施形態の共存部4に相当する。

0120

上記したような共重合体21を用いることにより、液晶と相溶性を有する部位23のTg(ガラス転移温度)が、常温よりもかなり低い温度になるので、常温において、液晶と相溶性を有する部位23の形状を自由に変動させることができる。そのため、液晶と相溶性を有する部位23と液晶分子Lpとの界面において液晶と相溶性を有する部位23の状態が変化し、基板13Bに対して水平方向に液晶分子Lpを配向強制しつつ、面内ではいずれの方向にも配向強制力をもたない状態(ゼロ面アンカリング状態)を実現することができる。

0121

基板表面への共重合体21の形成方法としては、共重合体21を有機溶媒に溶解した溶液を基板13Bに塗布し、加熱することにより形成することができる。基板と親和性を有する物質としては、例えば、トリシラノールを用いることができるが特に限定されず、基板と親和性を有する性質を示す物質であれば使用することができる。
また、液晶と相溶性を有する物質としては、例えば、ヘキシルメタクリレート(HMA)を用いることができるが特に限定されず、液晶と相溶性を有する性質を示す物質であれば使用することができる。

0122

基板と親和性を有する物質は、トリシラノールに限らない。加熱等により基板と良好な密着性が得られるものであればよい。
液晶と相溶性を有する物質は、ヘキシルメタクリレート(HMA)に限らない。液晶と良好な相溶性を有する物質であればよく、第1実施形態で述べた、リビングラジカル重合に用いられる各種ラジカル重合性モノマーなどが候補として挙げられる。

0123

弱アンカリング状態(ゼロ面アンカリング状態)を安定的に実現するためには、配向膜として、液晶との相溶性が高く、かつ、基板に強く固着するものを用いる必要がある。また、液晶が基板と接触しない程度に密に界面を覆うことが必要である。このため、上記第1実施形態のポリマーブラシを基板上に形成するためには、基板を重合液に浸漬し、高温で数時間重合する等の必要がある。一方、本実施形態では、共重合体21を有機溶媒に溶解し、基板に当該溶液を塗布し、加熱することにより、共重合体を基板上に固着することができるので、ポリマーブラシで弱アンカリング配向膜を形成する場合に比べて、簡便、かつ、低コストで形成することが可能となる。

0124

以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な実施の形態が可能である。
よって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形や改良形態も本発明に含まれる。

0125

例えば、上記実施形態では、強アンカリング配向膜16、弱アンカリング配向膜17について、それぞれ具体的な形成方法を例示したが、これに限らない。すなわち、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17とで、電場Eを印加したときの、液晶分子Lの配向方向を強制する配向強制力が互いに異なるのであれば、強アンカリング配向膜16、弱アンカリング配向膜17は、それぞれ、他のいかなる方法、材料で形成してもよい。

0126

また、上記実施形態では、強アンカリング配向膜16をバックライトユニット12側に配置し、弱アンカリング配向膜17をバックライトユニット12から離間した側に配置したが、これに限らない。強アンカリング配向膜16をバックライトユニット12から離間した側に配置し、弱アンカリング配向膜17をバックライトユニット12側に配置してもよい。

0127

電極層15についても、バックライトユニット12から離間した側に限らず、その反対側に配置してもよい。

0128

また、第1〜第6実施形態においては、偏光板14Aと偏光板14Bをクロスニコルに配置し、偏光板14Aの透過軸方向が、電場Eを非印加の状態での液晶分子Lの配向方向を規制するための強アンカリング配向膜16に対する配向処理方向と、一致する場合の例を示したが、偏光板14Aの透過軸方向を、電場Eを非印加の状態での液晶分子Lの配向方向を規制するための強アンカリング配向膜16に対する配向処理方向と、直交させても良い。

0129

さらに、第1〜第6実施形態において、液晶分子Lは、電場Eを印加した状態で、強アンカリング配向膜16側から弱アンカリング配向膜17側に向けて、初期配向方向に対する配向角度の変位量が漸次大きくなり、螺旋状に捩れた配向状態となる。ここで、液晶分子Lは、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17との中間部において、液晶分子Lの配向角度の変位量が最大となり、その部分よりも弱アンカリング配向膜17にわたって、液晶分子Lの配向角度の変位量が一様(最大状態)であってもよい。言い換えると、液晶分子Lは、電場Eを印加した状態で、強アンカリング配向膜16側から、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17との中間部までの領域で螺旋状に配列し、強アンカリング配向膜16と弱アンカリング配向膜17との中間部から弱アンカリング配向膜17側までの領域では、一様に配列されていてもよい。

0130

さらには、上記実施形態では、電圧非印加時に表示が暗く、電圧印加時に明るくなる、いわゆる、ノーマリーブラック型の液晶パネル11について説明を行ったが、これに限らない。液晶パネル11を、電圧非印加時に表示が明るく、電圧印加時に暗くなる、いわゆる、ノーマリーホワイト型の構成としてもよい。

0131

(実施例1)
上記第1〜第6実施形態で示した構成について、以下のようにモデル化した液晶パネルを用い、実証実験を行ったので、その結果を以下に示す。

0132

(液晶パネルの作製)
実施例、比較例として、ITO製のくし歯電極(厚み:約55nm,電極幅L/電極間距離S=4μm/10μm)が形成された基板(以下、電極基板と呼ぶ)とフォトスペーサーが形成された基板(以下、対向基板と呼ぶ)を貼り合わせ、その空隙に液晶を充填した液晶パネルを作製した。

0133

実施例としての液晶パネルの電極基板上には、配向膜としてPHMAブラシを重合した。PHMAブラシ重合は、表面開始ATRP(原子移動ラジカル重合)によって行った。
まず、基板をアセトンとクロロホルムで15分ずつ超音波洗浄した後、窒素ガスを吹きかけ乾燥させ、その後、UV−O3処理を15分間行った。この段階でポリマーブラシを形成しない領域(シール材部分)をマスキングテープで保護した。

0134

次に、開始材: 2−bromo−2−methyl−N−(3−(triethoxysilyl) propyl) propanamide (BPA):0.05g、エタノール:4.7g、アンモニア水:0.25gを混合した溶液に基板を遮光した状態で一晩浸漬し、基板表面に開始材を固定した。その後、基板をアセトンで10分間超音波洗浄した後、窒素ガスを吹きかけ乾燥させた。PHMAブラシは、BPAが固定化された基板を凍結脱気処理が為された重合液(モノマー: hexyl methacrylate (HMA)/29.74g/174.7mmol、開始材: ethyl−2−bromoisobutyrate(EBIB)/68.7mg/0.35mmol、触媒: CuBr/152.2mg/1.06mmol、リガンド:N,N,N’,N’ ’,N’ ’−Pentamethyldiethylenetriamine (PMDETA)/243.8mg/1.41mmol、溶媒: anisole/ 29.97g/277mmol)に浸漬し、70℃で7時間加熱し、重合した。
同一バッチ内のフリーポリマーゲル浸透クロマトグラフィーで測定した結果、重合されたPHMAブラシの分子量と分子量分布はそれぞれ、Mn=88,900, Mw/Mn=1.74 と見積もられた。PHMAブラシの膜厚hは、X線反射率測定(リガク社製・UltimaIV)を基に18.0nmと決定された。又、PHMAブラシのグラフト密度σは、ポリマーブラシの密度がバルクのポリマー密度と等しい(PHMAの密度として1.00g/cm3を使用)という仮定の下、σ=ρhNA/M(ρ:バルクのポリマー密度、h:ポリマーブラシの膜厚、NA:アボガドロ数、M:ポリマーブラシの分子量)の関係式から0.12chains/nm2と見積もられた。

0135

一方、実施例としての液晶パネルの対向基板側には、高さ6μmのフォトスペーサーを形成した後、配向膜としてPI(JSR製JALS−16470)を製膜した。PI配向膜表面にはラビング処理を施した。ラビング処理は電極基板と対向基板を貼り合せた際に、対向基板のラビング方向とくし歯電極が平行となる(完成したパネルにおいて、液晶がくし歯電極と平行にホモジニアス配向する)様に行った。電極基板と対向基板はシール材を介して貼り合わせ、加圧しながら窒素雰囲気下で120℃×2時間のシール硬化処理を経て、空セルを作製した。その後、真空注入法によって、ネマティック液晶(JC−5051XX、ネマティック/等方性転移温度:NI点112.7℃、屈折率異方性:Δn=0.081)を空セルに注入した後、UV硬化型の封止材で注入口を封孔した。尚、実施例としての液晶パネルでは、対向基板を下側(バックライト側)に、電極基板を上側に配置した。

0136

実施例としての液晶パネルのフォトスペーサーの高さは以下の理由で選択した。液晶パネルに電場を印加した際に、PI界面付近の液晶の配向はラビング方向に固定されるが、PHMAブラシ界面の液晶は電場と平行な方向に回転する為、電極基板から対向基板にかけて液晶分子が最大で90°ツイストすることが想定される。この場合の液晶の配向状態は、TN型LCDの電圧非印加時の配向状態と同じであり、実施例としての液晶パネルの電圧印加時の透過率Tを最大とする為には、上式(2)が最大値をとる条件、即ち、u=2Δnd/λ(Δn:液晶の誘電率異方性、d:セルギャップ、λ:光の波長)が√3となる(ファーストミニマム条件を満たす)セル厚:6μmを得る必要がある。この様な背景から、フォトスペーサーの高さとして6μmを選択した。
このとき、液晶の捩れのピッチPは4d(24μm)であり、Mauguin条件を満たしている為、液晶パネルの光学軸に平行、または垂直に入射した直線偏光は、直線偏光状態を維持したまま、偏光面が回転する(旋光性を示す)ことが期待される。

0137

比較例としての液晶パネルの設計は、一般的なIPS−LCDの設計を踏襲した。
比較例としての液晶パネルの作製手順は以下の通りである。ITO製のくし歯電極が形成された電極基板上、及び、高さ3.4μmのフォトスペーサーが形成された対向基板上に、配向膜としてPI(JSR製JALS−16470)を製膜し、両基板のPI表面にラビング処理を施した。ラビング処理は、完成したパネルにおいて、液晶がくし歯電極から20°傾いた方向にホモジニアス配向する様に行った。
電極基板と対向基板はシール材を介して貼り合わせ、加圧しながら窒素雰囲気下で150℃×3時間のシール硬化処理を経て、空セルを作製した。その後、真空注入法によって、ネマティック液晶(JC−5051XX)を空セルに注入した後、UV硬化型の封止材で注入口を封孔した。

0138

比較例としての液晶パネルでは、上式(1)におけるsin2(πΔnd/λ)の項が最大値をとるセル厚3.4μmを選択した。
なお、比較例としての液晶パネルでは、電極基板を下側(バックライト側)に、対向基板を上側に配置した。

0139

(各種測定)
次に、実施例としての液晶パネル、比較例としての液晶パネルを用い、偏光顕微鏡観察、V−T曲線測定を行った。
偏光顕微鏡観察はオリンパス製BX50Pによって、V−T曲線測定は大塚電子製LCD−5200を用いて行った。V−T曲線測定時には、液晶パネルの電極基板と対向基板の裏面に偏光板(日東電工製NPF−SEG1425DUHC)を貼りつけた。偏光板は透過軸方向が互いに直交する(クロスニコル)様に配置し、液晶パネルの初期配向方向と下基板(対向基板)側の偏光板の透過軸が一致する様に貼りつけた。

0140

(初期配向状態と電圧−透過率曲線測定)
実施例としての液晶パネルを偏光顕微鏡にて観察したところ、液晶はくし歯電極に平行(対向基板のラビング方向)に一様配向していることが確認された。同様に、比較例としての液晶パネルも、ラビング方向(くし歯電極に対し20°傾いた方向)に均一に配向していた。

0141

図18に、25℃における実施例としての液晶パネルと比較例としての液晶パネルのV−T曲線を示す。
図18に示すように、実施例としての液晶パネルは、比較例としての液晶パネルに比べ、閾値電圧Vth、最大透過率(Tmax)を与える電圧Vmaxのいずれも大幅に低下していることが確認できる。閾値電圧Vthを、Tmaxの2%に相当する透過率を実現する電圧(V2%)と定義すると、実施例としての液晶パネルの電圧Vthは1.7Vであり、比較例としての液晶パネルの電圧2.6Vに比べ、約49%低減している。電圧Vmaxについても同様の傾向が見られる。
比較例としての液晶パネルの電圧Vmaxは8.8Vであったが、実施例としての液晶パネルのそれは4.3Vであり、比較例としての液晶パネルに対し、約51%低減している。

0142

一方、実施例としての液晶パネルのTmaxは比較例としての液晶パネルに比べ、大幅に向上した。光源と受光器間に何も配置しない状態での輝度を透過率100%とした場合、比較例としての液晶パネルの最大透過率Tmaxは18.1%であったのに対し、実施例としての液晶パネルの最大透過率Tmaxは33.2%であった。
また、今回の測定に用いた2枚の偏光板を平行ニコル状態で貼り合せた場合の透過率は38.7%であった(単体透過率は42.4%)。

0143

各液晶パネルの最大透過率Tmaxを透過率の上限値である38.7%で割った値を液晶パネルの出射効率とすると、比較例としての液晶パネルの出射効率は約47%であるのに対し、実施例としての液晶パネルのそれは約86%であり、実施例としての液晶パネルの出射効率が極めて高いことが確認できる。

0144

また、実施例としての液晶パネルと通常のIPSモード(比較例としての液晶パネル)の電圧非印加時の配向状態は同じであるので、実施例としての液晶パネルの黒輝度は比較例としての液晶パネルと原理的に同等となるはずである。従って、最大透過率の上昇に応じて、実施例としての液晶パネルのコントラストは必然的に向上する。今回の検討では、比較例としての液晶パネルのコントラストが208であったのに対し、実施例としての液晶パネルのそれは488であった。この様に、実施例としての液晶パネルは、比較例としての液晶パネルに比べ、駆動電圧は半減、最大透過率/コントラストは約1.8倍に向上することが確認された。

0145

(実施例2)
上記第7実施形態で示した構成について、以下のように液晶セルを作成し、評価を行ったので、その結果を以下に示す。

0146

(液晶セルの作製)
実施例として、ITO製の電極が形成された基板(以下、電極基板と呼ぶ)とフォトスペーサーが形成された基板(以下、対向基板と呼ぶ)とを貼り合わせ、その空隙に液晶を充填した液晶セルを作製した。実施例としての液晶セルの対向基板上には、配向膜として共重合体を形成した。共重合体の形成方法は以下の通りである。

0147

(溶液の作成)
共重合体を構成する物質のうち、基板と親和性を有する物質としてトリシラノール、液晶と相溶性を有する物質としてヘキシルメタクリレート(HMA)を用いた。なお、共重合体の重量平均分子量、数平均分子量、及び、分子量分布はそれぞれ、Mw=146,000、 Mn=28,200、及び Mw/Mn=5.178 と見積もられた。そして、トリシラノールとヘキシルメタクリレート(HMA)の組成比率を10:90とした固形分を用意し、固形分の濃度が5wt%になるように、これを有機溶媒に溶解し、溶液を作成した。

0148

(対向基板への塗布)
最初に、高さ3μmのフォトスペーサーを形成した対向基板を溶液に浸漬(ディップコーティング)した後、スピンコーターで処理し(1000rpm×10秒)、溶液の厚さを均一化した。次に、基板をオーブン中で加熱した(100℃×15分)。この加熱により化学反応が促進され、トリシラノール部位が基板と化学結合を形成し、基板と密着すると共に、トリシラノール部位同士も結合し、3次元架橋体が形成された。その後、基板をシクロペンタノンリンスし、未反応の分子、すなわち、化学結合を形成せず、物理的な相互作用で3次元架橋体と密着している分子を除去した。さらに、基板を純水でリンスし、エアーナイフで乾燥した。

0149

共重合体形成後の対向基板についてエリプソメトリーを用いて、膜厚測定を行った。その結果、膜厚は約135nmであった。さらに、基板に純水を滴下し、接触角を測定した。その結果、共重合体形成前の基板の接触角は38°であったのに対して、共重合体形成後の基板の接触角は90°前後であった。これらの結果から、基板上に共重合体が結合(塗膜)されていることが確認された。

0150

(対向基板と電極基板の作製と貼り合わせ)
一方、実施例としての液晶セルの電極基板側には、配向膜としてPI(JSR製AL16301)を製膜した。PI配向膜表面にはラビング処理を施した。電極基板と対向基板はシール材を介して貼り合わせ、加圧しながら窒素雰囲気下で120℃×2時間のシール硬化処理を経て、空セルを作製した。その後、真空注入法によって、ネマティック液晶(JC−5051XX、ネマティック/等方性転移温度:NI点112.7℃、屈折率異方性:Δn=0.081)を空セルに注入した後、UV硬化型の封止材で注入口を封孔した。

0151

(液晶セルの評価)
図21は、実施例で作成した液晶セルの配向状態を示す顕微鏡写真である。本写真は、クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に液晶セルを置き、偏光顕微鏡で観察している。写真を観察した結果、電極基板側の初期配向方向(ラビング方向)に平行な方向に液晶が均一に配向していることが確認された。一方、対向基板表面はラビング処理を行っていないが、強アンカリング面である電極基板側の配向に従い、均一配向を実現していることが確認された。これにより、配向膜として共重合体を用いた場合も、配向膜としてPHMAブラシを形成した時と、同等程度の弱アンカリング面が実現されていることが確認された。

0152

2ポリマーブラシ
3ポリマーブラシ層
4共存部
幾何学的凹凸構造
10液晶ディスプレイ
11液晶パネル(液晶表示素子)
11f 表面
11r 裏面
12バックライトユニット
13A基板(第二の基板)
13B 基板(第一の基板)
14A,14B偏光板
15電極層
16強アンカリング配向膜(第二の配向膜)
17弱アンカリング配向膜(第一の配向膜)
18液晶層
20A〜20C電極線
20a 第一傾斜部
20b 第二傾斜部
21共重合体
22 基板と親和性を有する部位
23液晶と相溶性を有する部位
E電場
Lpポジティブ型の液晶分子
Lnネガティブ型の液晶分子

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