図面 (/)

技術 IgA腎症検査法

出願人 学校法人順天堂
発明者 鈴木仁鈴木祐介
出願日 2015年3月16日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-051874
公開日 2016年9月23日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-170154
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 多数データ 検者データ モデル解析 タンパク値 カットオフポイント マーカー値 潜血試験 診断手法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

より早期にIgA腎症発見するための非侵襲的診断手法の提供。

解決手段

IgA腎症の診断を目的として、尿潜血陽性被験者由来の血液中糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値を測定し、当該3種の測定値ロジスティック回帰モデルにより解析することを特徴とする検査法

概要

背景

IgA腎症は、世界で最も多い慢性糸球体腎炎であり、糸球体メサンギウム領域へのIgA沈着主体とする顆粒状沈着を特徴とするメサンギウム増殖性腎炎、と定義され、約25年の経過で約半数末期腎不全へと進行する予後不良な疾患である。メサンギウム領域には、しばしばIgG共沈着がみられる。その発症機序はいまだ十分に解明されておらず、その治療方法も、食事療法抗血小板薬降圧薬副腎皮質ステロイド等による薬物治療が行なわれているが、十分な治療効果は得られていない。

IgA腎症は、前記の定義に従い、現在、腎生検により診断されている。しかし、腎生検は、入院を要し、出血・感染のリスクを伴うために患者に対する負担が大きい、片の患者には腎生検施行が困難である等の問題がある。従って、採血採尿などの非侵襲的検者データによってIgA腎症を診断することは重要課題である。

一方、IgA腎症には、IgA及びIgGがともに沈着する症例、IgAのみが沈着する症例が混在し、非侵襲的診断は困難である。また、IgA腎症患者の血中には、糖鎖異常型IgA1が増加している(非特許文献1)ことが知られている。しかし、糖鎖異常IgA1だけで、本症の病態を説明することは困難であり、糖鎖異常IgA1が高分子免疫複合体を形成し、腎臓に沈着することが病態において重要であると考えられる。免疫複合体を形成するIgAは糖鎖異常IgA1であり、患者血中には、糖鎖異常IgA1−IgA、および糖鎖異常IgA1−IgG免疫複合体が増加していることが判明し、近年本発明者らは、糖鎖異常IgA1を特異的に認識するIgG抗体を同定し、測定系を樹立した(非特許文献2)。さらに、本発明者らは、少なくとも血中IgA値、血中糖鎖異常IgA1値、血中IgA−IgG免疫複合体値、血中糖鎖異常IgA1特異的IgA値及び尿中タンパク値の5種の測定値ロジスティック回帰モデルにより解析することによりIgA腎症が診断できることを見出し、先に特許出願した(特許文献1)。

概要

より早期にIgA腎症を発見するための非侵襲的な診断手法の提供。IgA腎症の診断を目的として、尿潜血陽性被験者由来の血液中の糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値を測定し、当該3種の測定値をロジスティック回帰モデルにより解析することを特徴とする検査法。なし

目的

従って、採血や採尿などの非侵襲的な検者データによってIgA腎症を診断することは重要課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

IgA腎症診断を目的として、尿潜血陽性被験者由来の血液中糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値を測定し、当該3種の測定値ロジスティック回帰モデルにより解析することを特徴とする検査法

請求項2

前記ロジスティック回帰モデルの解析スコアが、健常人に比べて高い場合にIgA腎症の可能性があると判定する請求項1記載の検査法。

技術分野

0001

本発明は、IgA腎症を早期に発見診断する方法に関する。

背景技術

0002

IgA腎症は、世界で最も多い慢性糸球体腎炎であり、糸球体メサンギウム領域へのIgA沈着主体とする顆粒状沈着を特徴とするメサンギウム増殖性腎炎、と定義され、約25年の経過で約半数末期腎不全へと進行する予後不良な疾患である。メサンギウム領域には、しばしばIgG共沈着がみられる。その発症機序はいまだ十分に解明されておらず、その治療方法も、食事療法抗血小板薬降圧薬副腎皮質ステロイド等による薬物治療が行なわれているが、十分な治療効果は得られていない。

0003

IgA腎症は、前記の定義に従い、現在、腎生検により診断されている。しかし、腎生検は、入院を要し、出血・感染のリスクを伴うために患者に対する負担が大きい、片の患者には腎生検施行が困難である等の問題がある。従って、採血採尿などの非侵襲的検者データによってIgA腎症を診断することは重要課題である。

0004

一方、IgA腎症には、IgA及びIgGがともに沈着する症例、IgAのみが沈着する症例が混在し、非侵襲的診断は困難である。また、IgA腎症患者の血中には、糖鎖異常型IgA1が増加している(非特許文献1)ことが知られている。しかし、糖鎖異常IgA1だけで、本症の病態を説明することは困難であり、糖鎖異常IgA1が高分子免疫複合体を形成し、腎臓に沈着することが病態において重要であると考えられる。免疫複合体を形成するIgAは糖鎖異常IgA1であり、患者血中には、糖鎖異常IgA1−IgA、および糖鎖異常IgA1−IgG免疫複合体が増加していることが判明し、近年本発明者らは、糖鎖異常IgA1を特異的に認識するIgG抗体を同定し、測定系を樹立した(非特許文献2)。さらに、本発明者らは、少なくとも血中IgA値、血中糖鎖異常IgA1値、血中IgA−IgG免疫複合体値、血中糖鎖異常IgA1特異的IgA値及び尿中タンパク値の5種の測定値ロジスティック回帰モデルにより解析することによりIgA腎症が診断できることを見出し、先に特許出願した(特許文献1)。

0005

特開2013−246127号公報

先行技術

0006

Kidney Int, 2007, 71: 1148-1154
J Clin Invest, 2009, 119: 1668-1677

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、従来の診断法では、尿タンパク値が高いなどの腎疾患が疑われる被験者でなければIgA腎症の発見には至らなかった。前記のようにIgA腎症は、進行すると治療が困難であることから、早期に発見することが必要であり、より早期の診断手法が望まれる。
従って、本発明の課題は、より早期にIgA腎症を発見するための非侵襲的な診断手法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

尿潜血陽性者については、通常、尿路結石尿路癌等が疑われるだけであり、慢性腎炎検査対象とならないため、泌尿器科において異常なしと判断されることが多い。尿潜血陽性者が数年して蛋白尿が陽性になって初めて腎臓内科を受診し、腎炎と診断され、すでに進行している患者が少なくない。通常、蛋白尿が陽性にならなければ腎臓内科受診勧告はされない。
そこで本発明者は、蛋白尿は陽性ではないが、尿潜血陽性者に着目し、IgA腎症を早期発見するための手段について種々検討したところ、尿潜血陽性者に対して、血中の3種のマーカーを測定し、その3種のマーカーをロジスティック回帰モデルにより解析したところ、当該解析スコアが高い被験者がIgA腎症であると早期に診断できることを見出し、本発明を完成した。

0009

すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供するものである。

0010

〔1〕IgA腎症の診断を目的として、尿潜血陽性被験者由来の血液中の糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値を測定し、当該3種の測定値をロジスティック回帰モデルにより解析することを特徴とする検査法
〔2〕前記ロジスティック回帰モデルの解析スコアが、健常人に比べて高い場合にIgA腎症の可能性があると判定する〔1〕記載の検査法。

発明の効果

0011

本発明の検査法によれば、蛋白尿が陽性になる前の早期にIgA腎症が発見でき、病態が進行する前に的確な治療を行うことが可能となる。

図面の簡単な説明

0012

ロジスティック回帰モデル解析結果とカットオフポイントを示す。

0013

本発明の検査法は、尿潜血陽性被験者を対象として、血液中の糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値を測定し、当該3種の測定値をロジスティック回帰モデルにより解析することを特徴とする。

0014

本発明の検査法の対象者は、尿潜血陽性被験者である。尿潜血は、通常の健康診断等で行われる尿潜血試験紙による検査で測定することができる。尿潜血試験紙には、過酸化水素クメン等の過酸化物o−トリジン等の還元型色原体が含まれている、尿中に赤血球由来ヘモグロビンが含まれていれば、ヘモグロビンにより過酸化物を分解し、活性酸素遊離する。この遊離した活性酸素により還元型色原体が強化され、試験紙に色が発生する。

0015

尿潜血陽性被験者の血液中の糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値の3種を測定する。

0016

糖鎖異常IgA1値は、例えばレクチンを用いたアフィニティクロマト法、ELISA等の免疫測定法により測定することができる。このうち、ELISAにより測定するのが、正確であり好ましい。糖鎖異常IgA1値は、精製された糖鎖異常IgA1蛋白を対象として測定され、血清約200μL中に含まれる糖鎖異常IgA1値が吸光度OD)として得られるので、この数値をIgA値と掛け合わせ、糖鎖異常IgA1値を算出し(Units/mL)、ロジスティックモデル解析に使用する。

0017

IgA−IgG免疫複合体値は、ELISA法より測定することができる。IgA−IgG免疫複合体値は、通常血漿を対象として測定され、血清約200μL中の濃度が吸光度(OD)として得られるので、この数値をロジスティックモデル解析に使用する。

0018

糖鎖異常IgA1特異的IgA値は、ELISA法により測定することができる。ELISAで測定するのが、正確であり好ましい。糖鎖異常IgA1特異的IgA値は、通常血漿を対象として測定され、血清約200μL中の濃度が吸光度(OD)として得られるので、この数値をロジスティックモデル解析に使用する。

0019

ロジスティック回帰モデルによる解析は、市販の統計解析ソフトに含まれる多変量解析(ロジスティック回帰モデル)を用いて、前記3種の変数を入力して解析すればよい。ロジスティック回帰モデルは、JMP software(SASInstitute Japan株式会社)より入手できる。具体的には、ロジスティック回帰モデルの変数として、糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値、糖鎖異常IgA1特異的IgA値を入力し、IgA腎症患者と健常者の各々の数値を定量化する。

0020

得られた解析結果を、健常者についての解析結果と対比すれば、さらに正確な診断が可能である。また、健常者の解析結果、IgA腎症の患者の解析結果、他の腎疾患患者の解析結果を多数データベース化すれば、より正確な診断が可能となる。被験者の解析スコアが、健常者のそれに比べて高い場合にIgA腎症の可能性があると診断できる。

0021

次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。

0022

実施例
尿潜血陽性者2747名に対して、血中の糖鎖異常IgA1値、IgA−IgG免疫複合体値及び糖鎖異常IgA1特異的IgA値を測定し、ロジスティック回帰モデル解析を行った。健常人74名の同マーカー値コントロールとして用いた。

0023

(a)糖鎖異常IgA1(ELISA法)
糖鎖異常ヒトIgA1に対するモノクローナル抗体を用いたELISA測定系のキットを用いて測定した。

0024

(b)IgA−IgG免疫複合体(ELISA法)
1)抗ヒトIgG抗体<F(ab’)2 fragments of goat a
nti−human IgG(Fcγ−specific)(Jackson ImmunoResearch Labs)>をPBSを用いて2μg/mLに調整し、ELISAプレートの各ウェルに100μLずつ添加して4℃で一晩インキュベートし、プレートコーティングする。
2)プレートを3回洗浄する。
3)1%BSA+PBS−Tを200μLずつ各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートしてプレートをブロッキングする。
4)プレートを5回洗浄する。
5)PBS−Tで至適濃度に希釈したヒト血清を各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートする。
6)プレートを5回洗浄する。
7)HRP酵素標識抗ヒトIgA抗体をPBS−Tを用いて10000倍に希釈し、100μLずつ各ウェルに添加する。37℃で2時間インキュベートし、酵素標識を行う。
8)プレートを5回洗浄する。
9)発色基質液を用いて5分間発色する。1規定の硫酸で反応を止める。
10)SpectraMax 340PC (Molecular Devices)を用いて吸光度を測定する(490nm)。

0025

(c)糖鎖異常IgA1特異的IgA(ELISA法)
1)糖鎖異常IgA1のFab領域ヒンジ部をPBSで1.0μg/mLに調整し、4℃で一晩インキュベートしプレートをコーティングする。
2)プレートを3回洗浄する。
3)2%BSA+PBS−Tを200μLずつ各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートしてプレートをブロッキングする。
4)プレートを5回洗浄する。
5)PBS−Tで至適濃度に希釈したヒト血清を各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートする。
6)プレートを5回洗浄する。
7)Fc領域特異的マウス抗ヒトIgA抗体<mouse monoclonal antibody to human IgA(Fc specific)(Applied Biological Materials Inc.)>をPBS−Tで0.5μg/mLに調整し、各ウェルに100μLずつ添加し37℃で2時間インキュベートする。
8)プレートを5回洗浄する。
9)ペルオキシダーゼで酵素標識された抗マウスIgG抗体<Peroxidase−conjugated AffiniPure Goat Anti−MouseIgG(H+L)(Jackson Immuno Research)>をPBS−Tで20000倍に希釈し、各ウェルに100μLずつ添加し、37℃2時間でインキュベートする。
10)プレートを5回洗浄する。
11)発色基質液を用いて15分間発色する。1規定の硫酸で反応を停止する。
12)SpectraMax 340PC(Molecular Devices)を用いて吸光度を測定する(490nm)。

実施例

0026

用いたロジスティック回帰モデルは、実際には、透析解析ソフトに変数を入力し、自動的に算出されるものである。
IgA腎症患者と健常人の測定結果を用いて、各々の95%信頼区間を計算した。その結果、IgA腎症の95%信頼区間が7.7、健常人の95%信頼区間が3.0と算出され、図1に示すように、解析スコアが3.0以下の場合にIgA腎症の可能性が低い、3.1以上7.7未満の場合には要観察、7.7以上の場合にIgA腎症の可能性が高いと判定できることが判明した。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ