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技術 分光測定装置、画像形成装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 金井政史鍬田直樹
出願日 2015年3月12日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-049939
公開日 2016年9月23日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2016-170043
状態 未査定
技術分野 各種分光測定と色の測定
主要キーワード 分光デバイス 高分子アクチュエーター 変更角度 測定中心 反射範囲 二光路 受光制御回路 許容距離
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月23日)のものです。
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図面 (19)

課題

高精度な分光測定処理が可能な分光測定装置、及び画像形成装置を提供する。

解決手段

分光測定装置を内蔵するプリンターは、媒体Aにおける測定範囲からの反射光受光する受光部322を含む受光光学系32を有する分光器17と、媒体Aと分光器17との間の距離を検出する距離センサーと、距離センサーにより検出された距離に応じて、測定範囲から受光光学系に入射した反射光の光路を調整する反射鏡駆動部326及び光路調整手段と、を備えた。

概要

背景

従来、カラープリンター等の画像形成装置において、ユーザーが所望するカラー画像を高精度に形成するために、画像形成装置で形成されたカラー画像(カラーパッチ等)を測色し、測色結果を画像形成処理フィードバックする装置が知られている。
このような画像形成装置では、紙面等の媒体にカラー画像を形成して、そのカラー画像に対して光源からの光を照射し、カラー画像で反射された光を測色器入射させて測色処理を行う。この際、媒体に画像を形成するプリンターヘッドに測色器を搭載させ、プリンターヘッドを走査させることで、簡素な構成で、媒体上のカラー画像を測色することができる。しかしながら、プリンターヘッドの駆動誤差や媒体の搬送路のひずみ、媒体である紙面の歪み等によって、媒体と測色器との距離が変動し、測色器による測定位置が、本来測色を行いたい位置からずれてしまうことがある。

これに対して、媒体と測色器との距離に応じて、測色結果を補正する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置は、中心部が明るく周辺部が暗い光源を用いて、媒体に対して光を照射し、その反射光を、複数の受光領域に分割された受光部で受光する。そして、各受光素子受光信号に基づいて、媒体と測色器との距離に応じた距離信号を算出して、受光量を補正する。

概要

高精度な分光測定処理が可能な分光測定装置、及び画像形成装置を提供する。分光測定装置を内蔵するプリンターは、媒体Aにおける測定範囲からの反射光を受光する受光部322を含む受光光学系32を有する分光器17と、媒体Aと分光器17との間の距離を検出する距離センサーと、距離センサーにより検出された距離に応じて、測定範囲から受光光学系に入射した反射光の光路を調整する反射鏡駆動部326及び光路調整手段と、を備えた。

目的

本発明は、高精度な分光測定処理が可能な分光測定装置、及び画像形成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

受光部を含み、測定対象からの光が入射される受光光学系を有する分光器と、前記測定対象と前記分光器との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記距離に応じて、前記測定対象から前記受光光学系に入射した光の光路を調整する第一光路調整部と、を備えたことを特徴とする分光測定装置

請求項2

請求項1に記載の分光測定装置において、前記分光器は、前記測定対象に対して照明光照射する照明光学系を有し、前記第一光路調整部は、前記測定対象における前記照明光の照射領域から前記受光光学系に向かって反射された光が前記受光部に入射されるように、前記受光光学系に入射した光の光路を調整することを特徴とする分光測定装置。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記受光光学系に入射した光を前記受光部に向かって反射させる第一反射鏡を備え、前記第一光路調整部は、前記第一反射鏡の角度を変更することを特徴とする分光測定装置。

請求項4

請求項1又は請求項2に記載の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記受光光学系に入射した光を前記受光部に向かって反射させる第一反射鏡を備え、前記第一光路調整部は、前記第一反射鏡を所定方向に移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項5

請求項1又は請求項2に記載の分光測定装置において、前記第一光路調整部は、前記受光部を移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項6

請求項5に記載の分光測定装置において、前記第一光路調整部は、前記受光部を平行移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項7

請求項5に記載の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記測定対象からの光の一部を通過させるアパーチャーを含み、前記第一光路調整部は、前記アパーチャーの周囲に前記受光部を回動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項8

請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記受光光学系に入射した光が入射される分光素子を含み、前記第一光路調整部は、前記分光素子を移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項9

請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の分光測定装置において、前記第一光路調整部は、前記受光部を回転させることを特徴とする分光測定装置。

請求項10

請求項9に記載の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記測定対象からの光が入射される分光素子を含み、前記第一光路調整部は、前記分光素子を回動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項11

光源を含み、測定対象に対して照明光を照射する照明光学系、及び、受光部を含み、前記測定対象にて反射された光が入射される受光光学系を有する分光器と、前記測定対象と前記分光器との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記距離に応じて、前記光源から出射された光の光路を調整する第二光路調整部と、を備えたことを特徴とする分光測定装置。

請求項12

請求項11に記載の分光測定装置において、前記第二光路調整部は、前記測定対象における前記照明光の照射領域から前記受光光学系に向かって反射された光が前記受光部に入射されるように、前記光源から出射された光の光路を調整することを特徴とする分光測定装置。

請求項13

請求項11又は請求項12に記載の分光測定装置において、前記照明光学系は、前記光源からの光を前記測定対象に向かって反射させる第二反射鏡を備え、前記第二光路調整部は、前記第二反射鏡の角度を変更することを特徴とする分光測定装置。

請求項14

請求項11又は請求項12に記載の分光測定装置において、前記照明光学系は、前記光源からの光を前記測定対象に向かって反射させる第二反射鏡を備え、前記第二光路調整部は、前記第二反射鏡を移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項15

請求項11又は請求項12に記載の分光測定装置において、前記第二光路調整部は、前記光源を移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項16

請求項15に記載の分光測定装置において、前記第二光路調整部は、前記光源を平行移動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項17

請求項15に記載の分光測定装置において、前記照明光学系は、前記光源から出射された光の一部を通過させる照明側アパーチャーを含み、前記第二光路調整部は、前記照明側アパーチャーの周囲に前記光源を回動させることを特徴とする分光測定装置。

請求項18

請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の分光測定装置において、前記第二光路調整部は、前記光源を回転させることを特徴とする分光測定装置。

請求項19

光源を含み、測定対象に対して照明光を照射する照明光学系、及び、受光部を含み、前記測定対象にて反射された光が入射する受光光学系を有する分光器と、前記測定対象と前記分光器との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記距離に応じて、前記分光器を前記測定対象に対して前記分光器と前記測定対象とを結ぶ方向に移動させる移動部と、を備えたことを特徴とする分光測定装置。

請求項20

光源を含み、測定対象に対して照明光を照射する照明光学系、及び、受光部を含み、前記測定対象にて反射された光が入射される受光光学系を有する分光器と、を備え、前記受光部は、前記測定対象と前記分光器との間の距離が所定の許容距離内である場合に、前記測定対象における所定の測定範囲から反射された光を受光可能なサイズの受光領域を有することを特徴とする分光測定装置。

請求項21

請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の分光測定装置と、画像形成対象に画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、分光測定装置、及び画像形成装置等に関する。

背景技術

0002

従来、カラープリンター等の画像形成装置において、ユーザーが所望するカラー画像を高精度に形成するために、画像形成装置で形成されたカラー画像(カラーパッチ等)を測色し、測色結果を画像形成処理フィードバックする装置が知られている。
このような画像形成装置では、紙面等の媒体にカラー画像を形成して、そのカラー画像に対して光源からの光を照射し、カラー画像で反射された光を測色器入射させて測色処理を行う。この際、媒体に画像を形成するプリンターヘッドに測色器を搭載させ、プリンターヘッドを走査させることで、簡素な構成で、媒体上のカラー画像を測色することができる。しかしながら、プリンターヘッドの駆動誤差や媒体の搬送路のひずみ、媒体である紙面の歪み等によって、媒体と測色器との距離が変動し、測色器による測定位置が、本来測色を行いたい位置からずれてしまうことがある。

0003

これに対して、媒体と測色器との距離に応じて、測色結果を補正する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置は、中心部が明るく周辺部が暗い光源を用いて、媒体に対して光を照射し、その反射光を、複数の受光領域に分割された受光部で受光する。そして、各受光素子受光信号に基づいて、媒体と測色器との距離に応じた距離信号を算出して、受光量を補正する。

先行技術

0004

特開2010−210456号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上記特許文献1のような従来の装置では、各受光素子からの受光信号に基づいて距離信号を算出している。このように受光信号に基づいて距離信号を算出する場合、受光信号が測定ノイズの影響を受けやすいので、補正精度(測色精度)が低下し、その結果、十分な精度で分光測定処理(測色処理)を実施できないとの課題がある。

0006

本発明は、高精度な分光測定処理が可能な分光測定装置、及び画像形成装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一適用例に係る分光測定装置は、受光部を含み、測定対象からの光が入射される受光光学系を有する分光器と、前記測定対象と前記分光器との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記距離に応じて、前記測定対象から前記受光光学系に入射した光の光路を調整する第一光路調整部と、を備えたことを特徴とする。

0008

本適用例では、第一光路調整部は、距離検出部により検出された測定対象と分光器との間の距離に応じて、測定対象から受光光学系に入射した光の光路を調整する。
これにより、測定対象と分光器との間の距離が変化しても、その距離に応じて、測定対象における所定の測定位置の光が受光部に入射するように、光路を調整することができる。したがって、分光器により当該測定位置に対する分光測定処理(測色処理)を適切に実施することができ、測定誤差を抑制できる。
また、例えば受光部からの受光信号に基づいて、分光器及び測定対象の距離変動に対する距離補正を行う従来の構成では、上記のようにノイズにより補正精度が左右される。これに対して、本適用例では、物理的に受光光学系に入射した光の光路を調整して距離補正を行う構成であるので、ノイズの影響を抑制でき、補正精度を向上させることができ、高精度な分光測定処理が可能となる。

0009

本適用例の分光測定装置において、前記分光器は、前記測定対象に対して照明光を照射する照明光学系を有し、前記第一光路調整部は、前記測定対象における前記照明光の照射領域から前記受光光学系に向かって反射された光が前記受光部に入射されるように、前記受光光学系に入射した光の光路を調整することが好ましい。
本適用例では、照明光の照射範囲で反射された光が受光部にて受光されるように受光光学系に入射された光の光路を調整する。このような構成では、測定対象と分光器との距離が変動して測定位置がずれた場合でも、その測定位置からの光が受光部に受光されるので、距離変動に伴う測定誤差を抑制でき、高精度な分光測定を実施できる。

0010

本適用例の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記受光光学系に入射した光を前記受光部に向かって反射させる第一反射鏡を備え、前記第一光路調整部は、前記第一反射鏡の角度を変更することが好ましい。
本適用例では、第一光路調整部は、測定対象の所定位置からの光が受光部にて受光されるように、受光光学系に組み込まれている第一反射鏡の角度を変更する。このような構成では、受光光学系における入射光光路変更を容易かつ簡素な構成で実現できる。
つまり、光路を変更するための光学素子として、例えば受光素子や分光素子等の信号線が接続された光学素子を用いる場合、信号線の断線が発生しないような駆動機構が必要となるので構成が複雑化する。これに対して、第一反射鏡には、上記のような信号線を接続する必要がなく、信号線の断線等を考慮する必要もないので、簡素な構成で第一反射鏡の姿勢を変更することができ、受光光学系における構成の簡素化を図れる。
また、受光部の姿勢を変更したり、移動させたりすると、その他の光学部材もこれに伴って移動させる必要が生じる。これに対して、本適用例では、第一反射鏡の姿勢変更のみで受光部へ入射させる光の光路を変更でき、光路調整が容易となる。さらに、分光素子として、例えば波長可変干渉フィルターエタロン素子)のように、振動によって分光波長が変動する素子を用いる場合では、分光素子の姿勢変更や移動を行った場合に、振動が静止するまで待機する必要がある。これに対して、第一反射膜の角度を変更する場合は、振動による影響がなく、迅速な分光測定を実施できる。

0011

本適用例の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記受光光学系に入射した光を前記受光部に向かって反射させる第一反射鏡を備え、前記第一光路調整部は、前記第一反射鏡を所定方向に移動させることが好ましい。
本適用例では、第一光路調整部は、測定対象の所定位置からの光が受光部にて受光されるように、受光光学系に組み込まれている第一反射鏡を移動させる。
この場合、上記適用例と同様に、信号線を接続する必要がない第一反射膜を移動させる構成であるので、容易かつ簡素な構成で第一反射膜の位置を制御することができる。また、分光素子等の他の光学部材の姿勢変更や移動を行う必要がなく、光路調整が容易となり、さらに、分光素子による波長安定を待つ必要もないので、迅速な測定を実施できる。
これに加え、測定対象における測定位置及び分光器の距離が変動しても、測定位置から同じ角度で出射(反射)された光を受光部で受光させることができる。したがって、測定位置での反射光の角度を、例えば測色規格(JIS Z 8722)により規定された幾何条件に基づく角度に維持することができ、測色規格に準じた適切な分光測定を実施できる。

0012

また、本適用例の分光測定装置において、前記第一光路調整部は、前記受光部を移動させてもよい。
本適用例では、第一光路調整部は、測定対象の所定の測定位置からの光が受光部にて受光されるように、受光部を移動させる。この場合でも、上記適用例と同様に、分光器及び測定対象の距離が変動しても、測定位置からの光が受光部にて受光されるので、高精度な分光測定を実施できる。

0013

ここで、本適用例において、前記第一光路調整部は、前記受光部を平行移動させることが好ましい。
本適用例では、第一光路調整部は、受光部を平行移動させるので、測定対象における測定位置及び分光器の距離が変動しても、測定位置から同じ角度で出射(反射)された光を受光部で受光させることができる。したがって、測定位置での反射光の角度を、例えば測色規格(JIS Z 8722)により規定された幾何条件に基づく角度に維持することができ、測色規格に準じた適切な分光測定を実施できる。

0014

また、本適用例の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記測定対象からの光の一部を通過させるアパーチャーを含み、前記第一光路調整部は、前記アパーチャーの周囲に前記受光部を回動させてもよい。
本適用例では、特に、測定対象からの光が直接受光部に入射される構成(上記のような第一反射鏡を設けない場合)において、分光器の構成を簡略化でき、かつ、受光部をアパーチャーの周囲に回動させることで、測定対象における測定位置にて反射された光が受光部に入射されるように、受光光学系に入射した光の光路を調整することができる。

0015

この際、本適用例の分光測定装置では、前記受光光学系は、前記受光光学系に入射した光が入射される分光素子を含み、前記第一光路調整部は、前記分光素子を移動させることが好ましい。
なお、受光部を平行移動させる場合は、当該受光部と同一方向に分光素子を移動させ、受光部を回動させる場合は、当該受光部と同一回動方向に分光素子を移動(回動)させる。
上述したように、分光素子として波長可変干渉フィルター(エタロン素子)のように、光の通過範囲が限られていたり、入射角度によって分光波長が変化したりする素子を用いる場合がある。本適用例では、受光部と同時に分光素子を移動させることで、受光部に入射する光の光線軸に対する分光素子の位置や角度が変化しないため、上記のような分光素子を用いた場合でも、入射した光が分光されない不都合や、分光された光の波長が所望の波長とならない不都合を回避でき、分光測定の精度低下を抑制できる。

0016

さらに、本適用例の分光測定装置において、前記第一光路調整部は、前記受光部を回転させてもよい。
本適用例では、第一光路調整部は、受光部を回転させて、測定位置からの光を受光部に入射させる。この場合でも、上記適用例と同様に、分光器及び測定対象の距離変動が生じても、測定位置からの光が受光部にて受光されるので、高精度な分光測定を実施できる。また、受光部を移動させる場合では、移動スペースを設ける必要があるが、本適用例では、受光部をその場で回転させればよく、分光器の小型化を図れる。

0017

この際、本適用例の分光測定装置において、前記受光光学系は、前記測定対象からの光が入射される分光素子を含み、前記第一光路調整部は、前記分光素子を回動させることが好ましい。
本適用例では、上記適用例と同様に、分光素子として波長可変干渉フィルターのように、光の通過範囲が限られていたり、入射角度によって分光波長が変化したりする素子を用いた場合でも、入射した光が分光されない不都合や、分光された光の波長が所望の波長とならない不都合を回避でき、分光測定の精度低下を抑制できる。

0018

本発明に係る他の適用例の分光測定装置では、光源を含み、測定対象に対して照明光を照射する照明光学系、及び、受光部を含み、前記測定対象にて反射された光が入射される受光光学系を有する分光器と、前記測定対象と前記分光器との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記距離に応じて、前記光源から出射された光の光路を調整する第二光路調整部と、を備えたことを特徴とする。

0019

本適用例では、第二光路調整部は、距離検出部により検出された測定対象と分光器との間の距離に応じて、光源から出射された光の光路を調整する。
これにより、測定対象と分光器との間の距離が変化しても、その距離に応じて、測定対象における所定の測定位置に、照明光が入射するように、光源からの光の光路を調整することができる。したがって、分光器により測定位置に対する分光測定処理(測色処理)を適切に実施することができ、測定誤差を抑制できる。
また、例えば受光部からの受光信号に基づいて、分光器及び測定対象の距離変動に対する距離補正を行う従来の構成に比べて、物理的に照明光学系に入射した光の光路を調整して距離補正を行う構成となるので、ノイズの影響を抑制でき、補正精度を向上させることができ、高精度な分光測定処理が可能となる。

0020

本適用例の分光測定装置では、前記第二光路調整部は、前記測定対象における前記照明光の照射領域から前記受光光学系に向かって反射された光が前記受光部に入射されるように、前記光源から出射された光の光路を調整することが好ましい。
本適用例では、照明光の照射領域にて反射された光が受光部に入射されるように、光源から出射されて光の光路を調整する。このような構成では、測定対象と分光器との距離が変動しても、照明光の照射領域内測定範囲となり、その測定範囲にて反射された光を受光部にて受光させることができ、距離変動に伴う測定誤差を抑制でき、高精度な分光測定を実施できる。

0021

本適用例では、前記照明光学系は、前記光源からの光を前記測定対象に向かって反射させる第二反射鏡を備え、前記第二光路調整部は、前記第二反射鏡の角度を変更することが好ましい。
本適用例では、第二光路調整部は、照明光が測定対象の測定位置に照射されるように、照明光学系に組み込まれている第二反射鏡の角度を変更する。このような構成では、照明光学系における光源の光の光路変更を容易かつ簡素な構成で実現できる。
つまり、光路を変更するための例えば信号線が接続された光源を姿勢変更したり移動させたりする場合、当該信号線の断線が発生しないような駆動機構が必要となるので構成が複雑化する。これに対して、第二反射鏡には、上記のような信号線を接続する必要がなく、信号線の断線等を考慮する必要もないので、簡素な構成で第二反射鏡の姿勢を変更することができ、照明光学系における構成の簡素化を図れる。

0022

本適用例の分光測定装置において、前記照明光学系は、前記光源からの光を前記測定対象に向かって反射させる第二反射鏡を備え、前記第二光路調整部は、前記第二反射鏡を移動させることが好ましい。
本適用例では、第二光路調整部は、照明光が測定対象の測定位置に照射されるように、照明光学系に組み込まれている第二反射鏡を移動させる。
この場合、上記適用例と同様に、信号線を接続する必要がない第二反射膜を移動させる構成であるので、構成の簡素化を図れる。
また、分光器及び測定対象の距離の変動に伴って測定位置が分光器に対して接離移動した場合でも、その測定位置に対して同じ角度で照明光を照射することができる。したがって、測定位置に対して照明光の角度を、例えば測色規格(JIS Z 8722)により規定された幾何条件に基づく角度に維持することができ、測色規格に準じた適切な分光測定を実施できる。

0023

また、本適用例において、前記第二光路調整部は、前記光源を移動させてもよい。
本適用例では、第二光路調整部は、光源を移動させることで、照明光の主光線を測定位置に一致させる。この場合でも、上記適用例と同様に、分光器及び測定対象の距離が変動しても、測定位置に対して照明光の中心部が一致するように、当該照明光を照射することができ、測定位置における照度低下を抑制でき、高精度な分光測定を実施できる。

0024

ここで、本適用例において、前記第二光路調整部は、前記光源を平行移動させることが好ましい。
本適用例では、第二光路調整部は、光源を平行移動させるので、分光器及び測定対象の距離の変動に伴って測定位置が分光器に対して接離移動した場合でも、その測定位置に対して同じ角度で照明光を照射することができる。したがって、測定位置に対して照明光の角度を、例えば測色規格(JIS Z 8722)により規定された幾何条件に基づく角度に維持することができ、測色規格に準じた適切な分光測定を実施できる。

0025

また、本適用例の分光測定装置において、前記照明光学系は、前記光源から出射された光の一部を通過させる照明側アパーチャーを含み、前記第二光路調整部は、前記照明側アパーチャーの周囲に前記光源を回動させてもよい。
本適用例では、特に、測定対象に対して光源の光が直接照射する構成(上記のような第二反射鏡を設けない場合)において、分光器の構成を簡略化でき、かつ、光源を照明側アパーチャーの周囲に回動させることで、容易に照明光の主光線を測定位置に一致させることができる。

0026

さらに、本適用例の分光測定装置において、前記第二光路調整部は、前記光源を回転ささせてもよい。
本適用例では、第二光路調整部は、光源を回転させて、照明光の主光線と測定位置とを一致させる。この場合でも、上記適用例と同様に、分光器及び測定対象の距離変動が生じても、測定位置に対して照明光の主光線を一致させることができるので、高精度な分光測定を実施できる。また、光源を移動させる場合では、移動スペースを設ける必要があるが、本適用例では、光源をその場で回転させればよいので、照明光学系の小型化を図れる。

0027

本発明におけるさらに他の適用例の分光測定装置では、光源を含み、測定対象に対して照明光を照射する照明光学系、及び、受光部を含み、前記測定対象にて反射された光が入射する受光光学系を有する分光器と、前記測定対象と前記分光器との間の距離を検出する距離検出部と、前記距離検出部により検出された前記距離に応じて、前記分光器を前記測定対象に対して前記分光器と前記測定対象とを結ぶ方向に移動させる移動部と、を備えたことを特徴とする。

0028

本適用例では、移動部は、距離検出部により検出された測定対象と分光器との間の距離に応じて、測定対象の測定位置に対して照明光学系からの照明光を照射させ、当該測定位置で反射された光が受光部にて受光されるように、分光器の測定対象に対する位置を制御する。すなわち、移動部は、測定対象と分光器との距離を適切な分光測定が実施できる距離に維持する。
このため、測定対象の搬送路のひずみや測定対象の歪み等がある場合でも、それに追従して、測定対象と分光器との距離が一定に保たれることで、測定位置における照度低減による測定誤差を抑制できる。
また、上記適用例と同様に、物理的に分光器を接離移動させる構成であるため、ノイズの影響がなく補正精度を向上させることができ、高精度な分光測定処理が可能となる。

0029

本発明におけるさらに他の適用例の分光測定装置では、光源を含み、測定対象に対して照明光を照射する照明光学系、及び、受光部を含み、前記測定対象にて反射された光が入射される受光光学系を有する分光器と、を備え、前記受光部は、前記測定対象と前記分光器との間の距離が所定の許容距離内である場合に、前記測定対象における所定の測定範囲から反射された光を受光可能なサイズの受光領域を有することを特徴とする。
本適用例では、受光部の受光領域のサイズが、測定対象と分光器との間の距離が許容範囲内であれば、測定対象における所定の測定範囲から反射された光は、受光部の受光領域内に入射する。したがって、測定対象と分光器との間の距離によらず、安定した分光測定を高精度に実施することができる。

0030

本発明に係る一適用例の画像形成装置は、上述したような分光測定装置と、画像形成対象に画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、画像形成部により、カラーパッチ等の基準色画像を画像形成対象に形成した上で、分光測定装置により、形成された基準色画像に対する高精度な分光測定を行うことができる。よって、形成された基準色画像の色が、画像形成部に指令した色と同じ色であるか否かを高精度に判定することができ、異なる場合には、分光測定結果に応じて画像形成部にフィードバックすることができる。

図面の簡単な説明

0031

本発明に係る第一実施形態のプリンター外観の構成を示す斜視図。
第一実施形態のプリンターの概略構成を示すブロック図。
第一実施形態の分光器の構成を示す概略図。
第一実施形態の波長可変干渉フィルター(分光素子)を備えた分光デバイスの概略を示す断面図。
第一実施形態において媒体及び分光器の距離変動による測定中心点の位置と、反射鏡の調整角度との一例を示す図。
第一実施形態におけるプリンターの制御ユニットの各機能構成を示したブロック図。
第一実施形態のプリンターの分光測定方法を示すフローチャート
第二実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第三実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第四実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第五実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第六実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第七実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第八実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第九実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第十実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。
第十一実施形態のキャリッジの概略構成、及び当該分光器における光路調整方法を示す図。
第十二実施形態の分光器の概略構成、及び光路調整方法を説明するための概略図。

実施例

0032

[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の画像形成装置の一例として、分光測定装置を備えたプリンター10(インクジェットプリンター)について、以下説明する。

0033

[プリンターの概略構成]
図1は、第一実施形態のプリンター10の外観の構成例を示す図である。図2は、本実施形態のプリンター10の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンター10は、供給ユニット11、搬送ユニット12と、キャリッジ13と、キャリッジ移動ユニット14と、制御ユニット15(図2参照)と、を備えている。このプリンター10は、例えばパーソナルコンピューター等の外部機器20から入力された印刷データに基づいて、各ユニット11,12,14及びキャリッジ13を制御し、媒体A(本発明の測定対象及び画像形成対象を構成)上に画像を印刷する。また、本実施形態のプリンター10は、予め設定された較正用印刷データに基づいて媒体A上の所定位置に測色用のカラーパッチを形成し、かつ当該カラーパッチに対する分光測定を行う。これにより、プリンター10は、カラーパッチに対する実測値と、較正用印刷データとを比較して、印刷されたカラー色ずれがあるか否か判定し、色ずれがある場合は、実測値に基づいて色補正を行う。
以下、プリンター10の各構成について具体的に説明する。

0034

供給ユニット11は、画像形成対象となる媒体A(本実施形態では、紙面を例示)を、画像形成位置に供給するユニットである。この供給ユニット11は、例えば媒体Aが巻装されたロール体111(図1参照)、ロール駆動モーター(図示略)、及びロール駆動輪列(図示略)等を備える。そして、制御ユニット15からの指令に基づいて、ロール駆動モーターが回転駆動され、ロール駆動モーターの回転力がロール駆動輪列を介してロール体111に伝達される。これにより、ロール体111が回転し、ロール体111に巻装された紙面がY方向(副走査方向)における下流側(+Y方向)に供給される。
なお、本実施形態では、ロール体111に巻装された紙面を供給する例を示すがこれに限定されない。例えば、トレイ等に積載された紙面等の媒体Aをローラー等によって例えば1枚ずつ供給する等、如何なる供給方法によって媒体Aが供給されてもよい。

0035

搬送ユニット12は、供給ユニット11から供給された媒体Aを、Y方向に沿って搬送する。この搬送ユニット12は、搬送ローラー121と、搬送ローラー121と媒体Aを挟んで配置され、搬送ローラー121に従動する従動ローラー(図示略)と、プラテン122と、を含んで構成されている。
搬送ローラー121は、図示略の搬送モーターからの駆動力が伝達され、制御ユニット15の制御により搬送モーターが駆動されると、その回転力により回転駆動されて、従動ローラーとの間に媒体Aを挟み込んだ状態でY方向に沿って搬送する。また、搬送ローラー121のY方向の下流側(+Y側)には、キャリッジ13に対向するプラテン122が設けられている。

0036

キャリッジ13は、媒体Aに対して画像を印刷する印刷部16と、媒体A上の所定の測定位置(測定範囲)の分光測定を行う分光器17と、媒体Aと分光器17との間の距離を計測する距離センサー18と、備えている。
このキャリッジ13は、キャリッジ移動ユニット14によって、Y方向と交差する主走査方向(X方向)に沿って移動可能に設けられている。
また、キャリッジ13は、フレキシブル回路131により制御ユニット15に接続され、制御ユニット15からの指令に基づいて、印刷部16による印刷処理(媒体Aに対する画像形成処理)及び、分光器17による光量測定処理を実施する。
なお、キャリッジ13の詳細な構成については後述する。

0037

キャリッジ移動ユニット14は、本発明における移動手段を構成し、制御ユニット15からの指令に基づいて、キャリッジ13をX方向に沿って往復移動させる。
このキャリッジ移動ユニット14は、例えば、キャリッジガイド軸141と、キャリッジモーター142と、タイミングベルト143と、を含んで構成されている。
キャリッジガイド軸141は、X方向に沿って配置され、両端部がプリンター10の例えば筐体に固定されている。キャリッジモーター142は、タイミングベルト143を駆動させる。タイミングベルト143は、キャリッジガイド軸141と略平行に支持され、キャリッジ13の一部が固定されている。そして、制御ユニット15の指令に基づいてキャリッジモーター142が駆動されると、タイミングベルト143が正逆走行され、タイミングベルト143に固定されたキャリッジ13がキャリッジガイド軸141にガイドされて往復移動する。

0038

次に、キャリッジ13に設けられる印刷部16、分光器17、及び距離センサー18の構成について説明する。
[印刷部(画像形成部)の構成]
印刷部16は、本発明の画像形成部であり、媒体Aと対向する部分に、インクを個別に媒体A上に吐出して、媒体A上に画像を形成する。
この印刷部16は、複数色のインクに対応したインクカートリッジ161が着脱自在に装着されており、各インクカートリッジ161からインクタンク(図示略)にチューブ(図示略)を介してインクが供給される。また、印刷部16の下面(媒体Aに対向する位置)には、インク滴を吐出するノズル(図示略)が、各色に対応して設けられている。これらのノズルには、例えばピエゾ素子が配置されており、ピエゾ素子を駆動させることで、インクタンクから供給されたインク滴が吐出されて媒体Aに着弾し、ドットが形成される。

0039

[分光器構成]
図3は、分光器17の構成を示す概略図である。
分光器17は、図3に示すように、照明光学系31と、受光光学系32と、を備える。
この分光器17は、照明光学系31から媒体A上に照明光を照射し、媒体Aで反射された反射光を、受光光学系32で受光させる。受光光学系32に設けられた分光デバイス321は、制御ユニット15の制御に基づいて、透過波長を選択可能であり、可視光における各波長の光の光量を測定することで、媒体A上の測定位置の分光測定が可能となる。
なお、本実施形態では、測色規格(JIS Z 8722)により規定された光学的幾何条件における(0°:45°x)の方式に従って分光測定を実施する。すなわち、本実施形態では、照明光学系31からの照明光を媒体Aに対して法線方向(入射角10°以下)で入射させ、媒体Aにて45°±2°で反射された光を受光光学系32で受光する。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、X方向に沿って照明光学系31及び受光光学系32が並ぶ構成を例示するが、これに限定されず、Y方向に沿って照明光学系31及び受光光学系32が並ぶ構成としてもよく、XY方向に対して交差する方向に沿って照明光学系31及び受光光学系32が並ぶ構成としてもよい。

0040

[照明光学系の構成]
図3に示すように、照明光学系31は、光源311と、照明側第一アパーチャー312と、照明側第二アパーチャー313と、を備える。
この照明光学系31では、光源311から出射された光のうち、照明側第一アパーチャー312及び照明側第二アパーチャー313を通過した光(照明光)を媒体Aに照射する。このような照明光は、一般に、中心部(主光線近傍)での光強度が強く(照度が大きく)、周辺部での光強度が弱くなる。また、照明光は、アパーチャー312,313を通過することでスポット光となり、媒体Aに照射されたスポット光の中心点(主光線上)が測定中心点Rとなる。なお、本実施形態では、測定中心点Rを中心としたスポット光の径寸法以下の測定範囲を測定位置として分光測定対象とする。
上記のような光源311としては、可視光域における各波長の光を出射可能な光源が好ましく、例えばハロゲンランプキセノンランプ、白色LED等を例示できる。
なお、照明光学系31として、さらにコリメータレンズ集光レンズ等の各種光学部品が配置されていてもよい。

0041

[受光光学系の構成]
受光光学系32は、図3に示すように、分光デバイス321と、受光部322と、受光側第一アパーチャー323と、受光側第二アパーチャー324と、反射鏡325と、反射鏡駆動部326と、を備えている。
このような受光光学系32では、媒体Aにて反射されて受光側第一アパーチャー323を通過した光を、反射鏡325にて反射させて受光側第二アパーチャー324を通過させる。そして、受光側第二アパーチャー324を通過した光を分光デバイス321に入射させて、所定波長の光を分光して出射させ、出射された光を受光部322にて受光させる。なお、受光光学系32として、バンドパスフィルターが設けられ、バンドパスフィルターにより可視光以外の光をカットする構成としてもよい。

0042

[分光デバイスの構成]
図4は、分光デバイス321の概略構成を示す断面図である。
分光デバイス321は、筐体6と、筐体6の内部に収納された波長可変干渉フィルター5(分光素子)とを備えている。

0043

(波長可変干渉フィルターの構成)
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型ファブリーペローエタロン素子であり、本発明における分光素子を構成する。本実施形態では、波長可変干渉フィルター5が筐体6に収納された状態で分光器17に配置される例を示すが、例えば波長可変干渉フィルター5が直接分光器17に配置される構成などとしてもよい。
この波長可変干渉フィルター5は、図4に示すように、透光性固定基板51及び可動基板52を備え、これらの固定基板51及び可動基板52が、接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。固定基板51には、エッチングにより形成された第一溝部511、及び第一溝部511より溝深さが浅い第二溝部512が設けられ、第一溝部511には固定電極561が、第二溝部512には固定反射膜54がそれぞれ設けられている。固定反射膜54は、例えばAg等の金属膜、Ag合金等の合金膜高屈折層及び低屈折層を積層した誘電体多層膜、又は、金属膜(合金膜)と誘電体多層膜を積層した積層体により構成されている。

0044

可動基板52は、可動部521と、可動部521の外に設けられ、可動部521を保持する保持部522とを備えている。可動部521の固定基板51に対向する面には、固定電極561に対向する可動電極562と、固定反射膜54に対向する可動反射膜55とが設けられている。可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。
そして、上記のような波長可変干渉フィルター5では、固定電極561及び可動電極562により静電アクチュエーター56が構成され、この静電アクチュエーター56に電圧印加することで、固定反射膜54及び可動反射膜55間のギャップGの間隔寸法を変更することが可能となる。また、可動基板52の外周部(固定基板51に対向しない領域)には、固定電極561や可動電極562と個別に接続された複数の電極パッド57が設けられている。

0045

[筐体の構成]
筐体6は、図4に示すように、ベース61と、ガラス基板62と、を備えている。これらのベース61及びガラス基板62は、例えば低融点ガラス接合等により接合されることで、内部に収容空間が形成されており、この収容空間内に波長可変干渉フィルター5が収納される。

0046

ベース61は、例えば薄板上のセラミックを積層することで構成され、波長可変干渉フィルター5を収納可能な凹部611を有する。波長可変干渉フィルター5は、ベース61の凹部611の例えば側面に固定材64により固定されている。ベース61の凹部611の底面には、光通過孔612が設けられ、この光通過孔612を覆うカバーガラス63が接合されている。
また、ベース61には、波長可変干渉フィルター5の電極パッド57に接続される内側端子部613が設けられており、この内側端子部613は、導通孔614を介して、ベース61の外側に設けられた外側端子部615に接続されている。この外側端子部615は、制御ユニット15に電気的に接続されている。

0047

[受光部の構成]
図3戻り、受光部322は、波長可変干渉フィルター5の光軸(反射膜54,55の中心点を通る直線)上に配置され、当該波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光領域で受光して、受光量に応じた検出信号電流値)を出力する。なお、受光部322により出力された検出信号は、I−V変換器(図示略)、増幅器(図示略)、及びAD変換器(図示略)を介して制御ユニット15に入力される。受光部322の受光領域としては、測定中心点Rを中心としたスポット光の径(例えば直径3.5mm程度)と同一、若しくは所定のマージンを加味してスポット光の径より若干大きい面積に形成されていればよい。
また、本実施形態では、受光部322の受光領域のサイズは上述した測定範囲と同一サイズであるが、受光光学系32に別途集光レンズ等を設ける場合は、当該集光レンズのレンズ倍率に応じて受光領域のサイズを変更できる。

0048

[反射鏡及び反射鏡駆動部の構成]
反射鏡325は、本発明における第一反射鏡であり、受光側第一アパーチャー323を通過した光を、受光側第二アパーチャー324に向かって反射させる。また、反射鏡325は、図3に示すように、Y方向に平行な駆動軸3251を有し、この駆動軸3251を中心に回転可能に設けられている。
より具体的には、本実施形態では、受光部322の受光領域の中心点に入射される光の主光線(受光光学系32における主光線)が、反射鏡325により反射される反射位置M1となり、当該受光光学系における主光線は測定中心点Rからの反射光となる。そして、駆動軸3251は、この反射位置M1を中心に反射鏡325を回転可能に保持する。すなわち、駆動軸3251は、反射鏡325における反射位置M1の裏側に設けられている。
反射鏡駆動部326は、本発明の後述の光路調整手段154C(図6参照)とともに第一光路調整部を構成し、反射鏡325を回転させて反射鏡325の角度を変更する。具体的には、反射鏡駆動部326は、反射鏡325の駆動軸3251に回転駆動力を付与して、反射鏡325のX方向に対する角度を変更する。具体的な構成例としては、例えば、ステッピングモーターを備え、ステッピングモーターの回転力を反射鏡325に設けられた回転軸に伝達されることで、反射鏡325を回転させて姿勢を変更する構成が挙げられる。その他、高分子アクチュエーター等のアクチュエーター装置により発生した駆動力により、反射鏡325を回転させる構成等、如何なる構成を用いてもよい。

0049

図5は、本実施形態において、媒体Aと分光器17との間の距離が変動した場合の測定中心点Rの位置、及び反射鏡325の調整角度の一例を示す図である。なお、図5(A)は、媒体Aと分光器17との間の距離が適正値(基準距離)から短くなった場合の状態A1、(B)は媒体Aと分光器17との間の距離が基準距離からΔhだけ長くなった場合の状態A2を示している。また、図5では、説明の便宜上、媒体Aと分光器17との間の距離変動、測定中心点Rでの反射光の反射角、及び各アパーチャーの開口径誇張した図となっている。実際には、反射光の反射角は、測色規格上45±2°に収める必要があり、また、媒体Aと分光器17との間の距離変動も数mm程度となる。図5において、光源311、分光デバイス321、及びアパーチャー312,313,324の図示は省略している。
図5(A)(B)に示すように、媒体Aと分光器17との間の距離が基準距離である基準状態A0では、測色規格における(0°:45°x)の方式に従った分光測定において測定中心点Rから反射角45°で反射された反射光が反射鏡325の反射位置M1にて反射され、分光デバイス321を介して受光部322に受光される。
そして、本実施形態では、媒体Aと分光器17との間の距離が変化すると、反射鏡325の角度を調整することで、測定中心点Rでの反射光が受光部322の受光領域の中心点に入射される。この際、受光部322の姿勢変更や移動は行われないため、反射鏡325における所定の反射位置M1で反射された光の光路が受光部322の法線L1と一致するように、反射鏡325の角度が調整される。なお、反射鏡325は、反射位置M1を中心に回転されるため、反射位置M1の位置は変わらない。

0050

したがって、媒体Aと分光器17との間の距離が短くなると、反射鏡駆動部326は、図5(A)に示すように、反射鏡325を時計回り方向(X方向との為す角が小さくなる方向)に回転させて、反射位置M1に入射した光を受光部322の中心部における法線L1上に反射させる。一方、媒体Aと分光器17との間の距離が長くなると、図5(B)に示すように、反射鏡駆動部326は、反射鏡325を反時計回り方向(X方向との為す角が大きくなる方向)に回転させて、反射位置M1に入射した光を受光部322の法線L1上に反射させる。これにより、測定中心点Rからの反射光の光路L2を、受光部322の受光領域の中心点を通る受光光学系32における光軸に一致させることができる。

0051

また、本実施形態では、媒体Aと分光器17との間の距離が変動した場合でも、媒体A上の照明光の照明領域の中心点にて反射された光(測定中心点Rにて反射された光)が、受光部322の受光領域の中心点に入射されるように、反射光の光路L2が調整される。すなわち、受光側第一アパーチャー323の開口径は、当該光路調整に応じて、測定範囲の径寸法よりも少なくともX方向に沿う寸法が大きく形成されている。
なお、受光側第一アパーチャー323を、反射鏡325と受光側第二アパーチャー324との間に設けてもよい。この場合、受光側第一アパーチャー323の開口径を、測定範囲のサイズ(受光部322の受光領域のサイズ)に合わせればよく、迷光成分の影響を抑制でき、測定精度の向上を図れる。

0052

[距離センサーの構成]
距離センサー18は、本発明の距離検出部であり、印刷部16及び分光器17と共にキャリッジ13に設けられ、分光器17(キャリッジ13)と媒体Aとの距離を検出する。なお、分光器17に距離センサー18が内蔵される構成などとしてもよい。
距離センサー18としては、例えば光源部及び検出部(例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semi-conductor)や、PSD(Position Sensitive Detector))を有し、光源部から出射され媒体Aにて反射された光を検出部で受光させて、検出部における受光位置と光源部との位置に基づいて、三角測量方式で距離を算出するセンサー等が挙げられる。また、分光器17に距離センサー18を組み込む場合では、光源部として光源311の光を用いてもよい。
その他、光源部からの光を参照光及び測定光に分離し、測定光を媒体Aに照射して、媒体Aにて反射された測定光と参照光とを合成した合成光干渉縞変化を観察するセンサー等であってもよい。

0053

[制御ユニットの構成]
制御ユニット15は、図2に示すように、I/F151と、ユニット制御回路152と、メモリ153と、CPU(Central Processing Unit)154と、を含んで構成されている。
I/F151は、外部機器20から入力される印刷データをCPU154に入力する。
ユニット制御回路152は、供給ユニット11、搬送ユニット12、印刷部16、光源311、波長可変干渉フィルター5、受光部322、及びキャリッジ移動ユニット14をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU154からの指令信号に基づいて、各ユニットの動作を制御する。なお、各ユニットの制御回路が、制御ユニット15とは別体に設けられ、制御ユニット15に接続されていてもよい。

0054

メモリ153は、プリンター10の動作を制御する各種プログラムや各種データが記憶されている。
各種データとしては、例えば、波長可変干渉フィルター5を制御する際の、静電アクチュエーター56への印加電圧に対する、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を示したV−λデータ、印刷データとして含まれる色データに対する各インクの吐出量を記憶した印刷プロファイルデータ等が挙げられる。また、光源311の各波長に対する発光特性や、受光部322の各波長に対する受光特性受光感度特性)等が記憶されていてもよい。

0055

図6は、プリンター10の制御ユニット15の各機能構成を示したブロック図である。
CPU154は、メモリ153に記憶された各種プログラムを読み出し実行することで、図6に示すように、走査制御手段154A、印刷制御手段154B、光路調整手段154C、測定制御手段154D、測色手段154E、及びキャリブレーション手段154F等として機能する。

0056

走査制御手段154Aは、供給ユニット11、搬送ユニット12、及びキャリッジ移動ユニット14を駆動させる旨の指令信号をユニット制御回路152に出力する。これにより、ユニット制御回路152は、供給ユニット11のロール駆動モーターを駆動させて、媒体Aを搬送ユニット12に供給させる。また、ユニット制御回路152は、搬送ユニット12の搬送モーターを駆動させて、媒体Aの所定領域をプラテン122のキャリッジ13に対向する位置まで、Y方向に沿って搬送させる。また、ユニット制御回路152は、キャリッジ移動ユニット14のキャリッジモーター142を駆動させて、キャリッジ13をX方向に沿って移動させる。

0057

印刷制御手段154Bは、例えば外部機器20から入力された印刷データに基づいて、印刷部16を制御する旨の指令信号をユニット制御回路152に出力する。印刷制御手段154Bからユニット制御回路152に指令信号が出力されると、ユニット制御回路152は、印刷部16に印刷制御信号を出力し、ノズルに設けられたピエゾ素子を駆動させて媒体Aに対してインクを吐出させる。なお、印刷を実施する際は、キャリッジ13がX方向に沿って移動されて、その移動中に印刷部16からインクを吐出させてドットを形成するドット形成動作と、媒体AをY方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、複数のドットから構成される画像を媒体Aに印刷する。

0058

光路調整手段154Cは、反射鏡駆動部326とともに本発明の第一光路調整部を構成し、距離センサー18により検出された媒体Aと分光器17との間の距離に基づいて、反射鏡駆動部326を駆動させる旨の指令信号をユニット制御回路152に出力する。これにより、ユニット制御回路152から反射鏡駆動部326に制御信号が入力され、反射鏡駆動部326は、反射鏡325を制御信号に基づいた方向に回転させる。

0059

測定制御手段154Dは、分光測定処理を実施する。具体的には、測定制御手段154Dは、光源311を制御するための指令信号をユニット制御回路152に出力し、光源311から光を出射させる。
また、測定制御手段154Dは、波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長に対する静電アクチュエーター56への駆動電圧を、メモリ153のV−λデータから読み出し、ユニット制御回路152に指令信号を出力する。これにより、ユニット制御回路152は、波長可変干渉フィルター5に指令された駆動電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5から所望の透過波長の光が透過される。
さらに、測定制御手段154Dは、受光部322から入力された検出信号(受光量)を取得し、静電アクチュエーター56に印加した電圧(若しくは当該電圧に対応する波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長)と関連付けてメモリ153に記憶する。

0060

測色手段154Eは、分光測定により得られた複数波長の光に対する受光量に基づいて、測定中心点Rを含む測定位置に対する色度を測定する。
キャリブレーション手段154Fは、測色手段154Eによる測色結果に基づいて、印刷プロファイルデータを補正(更新)する。
なお、制御ユニット15における各機能構成の詳細な動作については後述する。

0061

[分光測定方法]
次に、本実施形態のプリンター10における分光測定方法について、図面に基づいて説明する。
図7は、プリンター10における分光測定方法を示すフローチャートである。
ここでは、プリンター10による分光測定処理として、例えば印刷部16により印刷された複数のカラーパッチに対する分光測定処理を実施する例を説明する。
本例の分光測定処理は、例えばユーザー操作や外部機器20からの入力により、分光測定処理を実施する旨の指令を受け付ける(ステップS1)。
ステップS1にて指令を受け付けると、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12及びキャリッジ移動ユニット14を制御して、カラーパッチ上に測定位置が位置するように(照明光学系31からの照明光が測定位置に照射されるように)、媒体AをY方向に沿って搬送させ、キャリッジ13をX方向に沿って移動させる。

0062

この後、光路調整手段154Cは、距離センサー18を駆動させて、媒体Aと分光器17との間の距離を検出する(ステップS2)。
次に、光路調整手段154Cは、ステップS2で検出された距離に基づいて、反射鏡325の回転角を変更する(ステップS3:光路調整)。

0063

具体的には、光路調整手段154Cは、媒体Aの歪み等がない基準状態A0の距離と、ステップS2により検出された距離との差(距離差)Δhを算出する。
また、測定中心点Rにおける反射角をθとすると、反射鏡325と受光部322の中心点における法線L1との為す角はθ/2となる。ここで、基準状態A0での測定中心点Rでの反射角をθ0、媒体Aと分光器17との間の距離が距離差Δhだけ変動した際の測定中心点Rでの反射角をθ1とする。基準状態A0から、媒体Aと分光器17との間の距離が距離差Δh変動した場合、反射鏡325を下記式(1)に示す角度φだけ変更することで、測定中心点Rからの反射光を受光部322の受光領域の中心に入射させることができる。

0064

[数1]
φ=θ0/2−θ1/2 …(1)

0065

ところで、角度θ1は、測定中心点Rから反射位置M1(受光部322の中心点)までのX方向の距離をX0とすると、θ1=tan−1{X0/(X0+Δh)}となるので、上記式(1)は、下記式(2)のように表せる。

0066

[数2]
φ=[θ0−tan−1{X0/(X0+Δh)}]/2 …(2)

0067

本実施形態において、測色規格における(0°:45°x)の方式に従った分光測定では、θ0=45°となり、また、距離X0は、例えば製造時等において予め測定し、メモリ153に記憶しておくことで、光路調整手段154Cは、上記式(2)に基づいて容易に反射鏡325の変更角度を算出することが可能となる。
そして、光路調整手段154Cは、式(2)により算出された角度に基づいて、反射鏡325の角度を変更するようユニット制御回路152に指令信号を出力する。これにより、反射鏡駆動部326は、例えばステッピングモーター等を指令信号に基づいて制御し、反射鏡325の角度を変更する。
なお、式(2)において、角度φが負値の場合、図5(A)のように、時計回り方向(X方向との為す角が小さくなる方向)に反射鏡325の角度を変更し、正値の場合、図5(B)のように、反時計回り方向(X方向との為す角が大きくなる方向)に反射鏡325の角度を変更する。

0068

この後、測定制御手段154Dは、照明光学系31の光源311を点灯させる(ステップS4)。
このステップS4により、照明光学系31からの照明光は測定中心点Rを中心に照射される。この際、媒体Aと分光器17との間の距離が変動しても、照明範囲の中心点の反射光が受光部322の受光領域の中心で受光されるように光路調整されているので、当該照明範囲の中心点が測定中心点Rとなる。

0069

この後、測定制御手段154Dは、メモリ153に記憶されたV−λデータに基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧を印加する(ステップS5)。これにより、測定中心点Rから受光光学系32に入射した反射光のうち、波長可変干渉フィルター5の反射膜54、55のギャップ寸法に応じた波長の光が透過され、受光部322にて受光される。そして、測定制御手段154Dは、受光部322からの検出信号に基づいて、波長可変干渉フィルター5を透過した光の光量を測定する(ステップS6:分光測定)。なお、測定した光量は、透過光の波長と関連付けてメモリ153に記憶される。

0070

この後、測定制御手段154Dは、未測定の波長があるか否かを判定する(ステップS7)。すなわち、本実施形態では、1つのカラーパッチに対して、例えば400nmから700nmまでの可視光域における20nm間隔の各波長(16波長)に対する光量を測定する。したがって、測定制御手段154Dは、16波長分の測定が完了しているか否かを判定し、完了していない場合は、静電アクチュエーター56に印加する電圧を変更してステップS5に戻る。
また、ステップS7において、全波長に対する測定が完了したと判定された場合、測定制御手段154Dは、光源311を消灯させる(ステップS8)。

0071

この後、測色手段154Eは、測定された各波長の光量に基づいて、カラーパッチに対する測色処理を実施する(ステップS9)。
具体的には、カラーパッチに対して測定された各波長の光量から分光反射率を算出し、さらに、算出した分光反射率から、測色値(例えばXYZ値、L*a*b*値等)を算出し、メモリ153に記憶する。
また、測色手段154Eは、算出した分光反射率や測色値を外部機器20やプリンター10に設けられたディスプレイ等に出力して表示させたり、印刷部16を制御して測色結果を印刷させたりしてもよい。

0072

この後、測定制御手段154Dは、未測定対象があるか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10においてYesと判定された場合、ステップS1に戻り、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12やキャリッジ移動ユニット14を制御して、分光器17における測定中心点R(照明光の照明範囲の中心点)を次のカラーパッチに移動させる。
また、ステップS10において、Noと判定された場合は処理を終了させる。この場合、キャリブレーション手段154Fにより、各カラーパッチの測色結果に基づいて、メモリ153に記憶された印刷プロファイルデータを更新する。

0073

[本実施形態の作用効果
本実施形態では、光路調整手段154Cは、距離センサー18により検出された媒体Aと分光器17との距離に応じて、媒体Aから受光光学系32に入射した反射光の光路L2を調整する。このため、媒体Aと分光器17との間の距離が変化しても、その距離に応じて、測定範囲からの反射光が受光部322に入射するように、光路を調整することができ、測定誤差を抑制した高精度な分光測定処理(測色処理)を適切に実施することができる。
また、受光光学系32に入射した光の光路を物理的に調整するため、例えば、受光部322からの検出信号に基づいて、媒体Aと分光器17との間の距離に対する光量補正を行う構成に比べて、ノイズ成分の影響を受けることがないので、距離補正精度を向上させることができ、高精度な分光測定処理が可能となる。

0074

本実施形態では、照明光により照射された照射範囲の中心点を測定中心点Rとして、測定中心点Rでの反射光が受光部322における受光領域の中心点に入射されるように、受光光学系32における反射光の光路L2を調整する。これにより、受光光学系32における反射光の光軸上に測定中心点Rが位置することになり、媒体Aと分光器17との間の距離が変動しても、測定範囲の光を精度よく受光部322の受光領域にて導くことができる。よって、測定誤差をより確実に抑制でき、高精度な分光測定を実施できる。

0075

本実施形態では、反射鏡325は、反射位置M1を中心に回転可能に設けられ、反射鏡駆動部326は、反射鏡325の角度を変更する。そして、光路調整手段154Cは、距離センサー18により検出された距離に応じて、距離差Δhを算出し、式(2)に基づいて、測定中心点Rからの反射光の光路L2を受光部322の受光領域の中心点の法線L1に一致させる角度φを算出し、反射鏡駆動部326を制御して角度φだけ反射鏡325の角度を変更する。
このような構成では、信号線が接続されない反射鏡325の姿勢を変更するため、駆動により信号線の断線等の問題がなく、簡素な構成で光路調整を実施できる。
また、受光部322における受光領域の中心点の法線L1と、反射鏡325との交点を反射位置M1とし、反射位置M1を中心に反射鏡325を回転させる。このため、反射鏡325の回転によって反射位置M1は変化せず、受光部322における受光領域の中心点に対する法線L1も変化しない。したがって、受光部322や分光デバイス321を移動させる必要がなく、反射鏡325の回転のみで容易に光路調整を実施することができる。

0076

[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、本発明の第一光路調整部である光路調整手段154C及び反射鏡駆動部326は、反射鏡325の姿勢を変更することで、測定中心点Rから反射光の光路L2を受光部322の中心点における法線L1に一致させた。これに対して、第二実施形態では、反射鏡325を平行移動させることで、反射光の光路L2を受光部322の受光領域の中心点における法線L1に一致させる点で、上記第一実施形態と相違する。

0077

図8は、第二実施形態に係るプリンター10の分光器17Aにおける光路調整方法を説明するための概略図である。なお、図8において、各アパーチャー312,313,323,324は省略している。また、既に説明した構成については、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態の分光器17Aでは、図8に示すように、照明光学系31と、受光光学系32とを備えている。照明光学系31は、第一実施形態と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
そして、本実施形態における受光光学系32の反射鏡325は、例えばZ方向に沿うガイドレール(図示略)を備え、当該ガイドレールに沿って平行移動可能に設けられている。
また、本実施形態の反射鏡駆動部326Aは、例えばステッピングモーター等の駆動源を有し、当該駆動源からの駆動力により、反射鏡325をZ方向に沿って平行移動させる。
具体的な反射鏡駆動部326Aの構成例としては、ステッピングモーターや当該ステッピングモーターからの駆動力を伝達するギア列を備え、例えば反射鏡325に設けられたZ方向に延びるラックに対して、ステッピングモーターからの回転駆動力を伝達する構成等が挙げられる。なお、反射鏡駆動部326Aの構成としてはこれに限定されず、例えば反射鏡325に複数の圧電アクチュエーターを設け、これらのアクチュエーターに電圧を印加することでZ方向に移動させる構成としてもよく、反射鏡325の一部が固定されたベルトをステッピングモーターにより回転駆動させる等の構成としてもよい。

0078

また、本実施形態では、測定中心点Rにおいて、角度θ0(45°±2°の範囲)で反射された光を反射鏡325に入射させる必要がある。このため、受光側第一アパーチャー323は、媒体Aと分光器17Aとの間の距離の許容可能な変動量分だけ、少なくともX方向に沿う寸法が大きく設定されている。
なお、上記第一実施形態と同様、受光側第一アパーチャー323を、反射鏡325と受光側第二アパーチャー324との間に設けてもよい。この場合、測定範囲のサイズ(受光部322の受光領域のサイズ)に光束径を絞ればよく、迷光が受光部322にて受光される不都合を抑制できる。
さらに、本実施形態では、反射鏡325と同時に、受光側第一アパーチャー323をZ方向又はX方向に距離差Δhだけ移動させる構成としてもよい。この場合でも、受光側第一アパーチャー323の開口径を測定範囲のサイズに光束径を絞ればよい。なお、本実施形態では、反射鏡325をZ方向に移動させるため、例えば、反射鏡325と受光側第一アパーチャー323とを一体に構成し、反射鏡325と同時に、受光側第一アパーチャー323を移動させる構成としてもよい。

0079

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、以下の処理を実施する。
すなわち、本実施形態では、光路調整手段154Cは、基準状態A0における媒体Aと分光器17Aとの間の距離と、ステップS2により検出された距離との距離差Δhを算出する。
また、本実施形態では、測定中心点Rの位置がZ方向に変化した場合においても、反射角θ0で反射された反射光が受光部322の受光領域の中心点に入射されるように、反射鏡325を、受光部322の法線L1と平行なZ軸方向に平行移動させる。したがって、光路調整手段154Cは、図7に示すように、算出された距離差Δhだけ、反射鏡325をZ方向に平行移動させればよい。
ここで、光路調整手段154Cは、距離センサー18により検出された距離が基準状態A0の距離よりも大きい場合、反射鏡325を−Z方向(媒体Aに近づく側)に移動させ、検出された距離が基準状態A0における距離よりも小さい場合、反射鏡325を+Z方向(媒体Aから離れる側)に移動させる。

0080

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、反射鏡325は、Z方向に平行移動可能に設けられており、光路調整手段154Cは、反射鏡駆動部326Aを制御して反射鏡325をZ方向に沿って平行移動させる。
これにより、上述した第一実施形態と同様に、簡素な構成で、かつ容易に、測定中心点Rからの反射光を受光部322の受光領域の中心に入射させることができる。また、媒体Aと分光器17との距離によらず、測定中心点Rにてθ0(45°±2°の範囲)で反射された反射光が受光部322で受光されることになる。したがって、反射角が測色規格から外れることがなく、分光測色処理を適正に実施することができる。

0081

[第三実施形態]
次に、本発明に係る第三実施形態について説明する。
上記第一及び第二実施形態では、受光光学系32の反射鏡325の姿勢や位置を変更することで、測定中心点Rにて反射されて受光光学系32に入射する反射光を、受光部322の受光領域の中心で受光させた。これに対して、第三実施形態では、受光光学系32における受光部322を移動させる点で上記各実施形態と相違する。

0082

図9は、第三実施形態に係るプリンター10の分光器17Bにおける光路調整方法を説明するための概略図である。図9において、各アパーチャー312,313,323,324の図示は省略している。
本実施形態の分光器17Bでは、図9に示すように、照明光学系31と、受光光学系32とを備えている。照明光学系31は、第一実施形態と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
そして、本実施形態における受光光学系32では、反射鏡325は固定されており、分光デバイス321及び受光部322がX方向に沿って移動可能となっている。具体的には、分光デバイス321及び受光部322が受光ユニット327に一体的に組み込まれ、当該受光ユニット327がX方向に沿って移動可能となる。

0083

また、受光光学系32は、受光ユニット327をX方向に移動させる受光移動部326Bを備えている。この受光移動部326Bは、光路調整手段154Cとともに本発明の第一光路調整部を構成する。
この受光移動部326Bの構成としては、第二実施形態における反射鏡325を移動させる反射鏡駆動部326Aと略同様の構成が例示できる。すなわち、受光移動部326Bは、ステッピングモーターや当該ステッピングモーターからの駆動力を伝達するギア列を備え、例えば受光ユニット327に設けられたX方向に延びるラックに対して、ステッピングモーターからの回転駆動力を伝達する構成等が挙げられる。なお、受光移動部326Bの構成としてはこれに限定されず、例えば受光ユニット327に複数の圧電アクチュエーターを設け、これらのアクチュエーターに電圧を印加することでX方向に移動させる構成としてもよく、受光ユニット327の一部が固定されたベルトをステッピングモーターにより回転駆動させる等の構成としてもよい。
なお、ここでは、受光移動部326Bは、受光ユニット327により一体構成された分光デバイス321及び受光部322をX方向に移動させるが、例えば、分光デバイス321をX方向に移動させるフィルター移動機構と、受光部322をX方向に移動させる受光部移動機構とがそれぞれ設けられる構成としてもよい。

0084

また、本実施形態では、受光側第一アパーチャー323及び受光側第二アパーチャー324として、受光部322の受光領域のサイズよりも、媒体Aと分光器17Bとの間の距離の許容可能変動量分だけ、少なくともX方向に沿う寸法が大きく形成されている。上記したように、実際には、反射光の反射角は、測色規格上45±2°に収める必要があり、また、媒体Aと分光器17Bとの間の距離変動も1〜2mm程度となる。このため、各アパーチャー323,324の開口径も1〜2mm程大きくなる程度であり、迷光による測定精度の低下は無視できる程度となる。

0085

なお、受光側第一アパーチャー323がZ方向に移動可能となり、受光側第二アパーチャー324がX方向に移動可能となる構成としてもよい。この場合、受光移動部326Bは、受光ユニット327に加え、各アパーチャー323,324を距離差Δh分だけ移動させる。
また、受光側第一アパーチャー323を反射鏡325及び受光側第二アパーチャー324の間に設け、これらのアパーチャー323,324をX方向に沿って移動させる構成としてもよい。この場合では、受光ユニット327に受光側第一アパーチャー323及び受光側第二アパーチャー324を設ける構成とすることで、受光移動部326Bは、受光ユニット327をX方向に移動させるだけで、分光デバイス321、受光部322、各アパーチャー323,324を同時にX方向に距離差Δhだけ移動させることができる。

0086

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、第二実施形態と同様の方法により、受光ユニット327の移動量を算出して移動させる。すなわち、本実施形態では、光路調整手段154Cは、距離差Δhを算出し、算出された距離差Δhだけ、受光ユニット327(分光デバイス321及び受光部322)をX方向に平行移動させる。

0087

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、受光部322が移動可能となり、光路調整手段154Cは、受光移動部326Bを制御して、受光部322を平行移動させる。
このように、受光部322を移動させることでも、上記第一実施形態及び第二実施形態と同様に、受光部322の受光領域内に測定範囲の光を入射させることができ、測定誤差を抑えた高精度な分光測定処理を実施できる。
さらに、受光部322を平行移動させることで、上記第二実施形態と同様に、媒体Aと分光器17との距離によらず、測定中心点Rにてθ0(45°±2°の範囲)で反射された反射光を受光部322で受光させることができる。したがって、測色規格に準じた分光測色処理を適正に実施することができる。

0088

また、本実施形態では、受光移動部326Bは、受光部322とともに、分光デバイス321を移動させる。このため、波長可変干渉フィルター5の反射膜54,55のサイズが小さく、例えば測定範囲や受光部322の受光領域と同程度のサイズである場合でも、測定範囲からの反射光を、反射膜54,55に入射させることができ、分光デバイス321から所望の波長の光を透過させて、受光部322で受光させることができる。
さらに、本実施形態では、分光デバイス321及び受光部322が受光ユニット327に組み込まれ、受光移動部326Bは、この受光ユニット327をX方向に沿って移動させる。したがって、分光デバイス321及び受光部322を個別に駆動させる場合に比べて、構成の簡略化を図れる。

0089

[第四実施形態]
次に、本発明に係る第四実施形態について説明する。
上記第三実施形態では、分光デバイス321及び受光部322を平行移動させる構成を例示したが、第四実施形態では、分光デバイス及び受光部を回動させる点で上記第三実施形態と相違する。

0090

図10は、第四実施形態の分光器17Cの概略構成、及び当該分光器17Cにおける光路調整方法を示す図である。
本実施形態では、図10に示すように、媒体Aにて反射された反射光は、反射鏡325にて反射されることなく、受光側第一アパーチャー323、受光側第二アパーチャー324、分光デバイス321を介して受光部322に受光される。
そして、本実施形態では、受光側第一アパーチャー323の位置は固定され、この受光側第一アパーチャー323の開口中心を通り、Y方向に平行な軸を回動中心として、分光デバイス321及び受光部322が回動可能に設けられている。なお、受光側第二アパーチャー324は、媒体Aと分光器17Cとの間の距離の許容可能変動量分だけ開口径を大きく形成してもよく、分光デバイス321及び受光部322と共に回動させてもよい。
具体的な構成としては、上記第三実施形態と同様、分光デバイス321及び受光部322が組み込まれた受光ユニット327を、回動可能な構成とすればよく、受光側第二アパーチャー324を同時に回動させる場合は、当該受光ユニット327に受光側第二アパーチャー324も組み込めばよい。

0091

そして、本実施形態の受光移動部326Cは、受光ユニット327を、受光側第一アパーチャー323の開口中心を中心として回動させる。具体的な構成例としては、例えば受光側第一アパーチャー323の開口中心を通る前記軸を回転軸とした回動部材に受光ユニット327を固定し、前記回動部材にステッピングモーターからの回転駆動力を伝達する構成等が挙げられる。

0092

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、以下の処理を実施する。
すなわち、本実施形態では、基準状態A0から所定の状態A1に媒体Aが移動して、反射角がθ0からθ1に変化する場合、受光ユニット327を角度φ=θ0−θ1だけ回転させれば、測定中心点Rでの反射光を受光部322の受光領域中心に入射させることが可能となる。
したがって、本実施形態の光路調整手段154Cは、ステップS2により検出された距離に基づいて距離差Δhを算出する。また、測定中心点Rから受光側第一アパーチャー323の開口中心までのX方向に沿う距離をX0として、反射角θ1=tan−1{X0/(X0+Δh)}を算出する。これにより、光路調整手段154Cは、角度φ(=θ0−θ1)を算出し、受光移動部326Cを制御して、当該算出された角度φだけ受光ユニット327を回動させる。なお、算出された角度φが負値である場合は、図10に示す状態(反射光が+X方向に向かって進む状態)において、受光ユニット327を時計回り方向(媒体Aに近付ける方向)に回動させ、正値である場合は、受光ユニット327を反時計回り方向(媒体Aから遠ざける方向)に回動させる。

0093

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光路調整手段154C及び受光移動部326Cは、受光側第一アパーチャー323の開口中心を中心に受光部322を回動させる。この場合でも、上述した各実施形態と同様に、測定範囲にて反射された光を受光部322の受光領域に導くことができ、高精度な分光測定を実施できる。
また、第三実施形態と同様、分光デバイス321及び受光部322が受光ユニット327に組み込まれているため、受光移動部326Cは、この受光ユニット327を回動させることで、受光部322の回動角だけ、分光デバイス321も回動させることができる。したがって、分光デバイス321及び受光部322を個別に駆動させる場合に比べて、構成の簡略化を図れる。また、波長可変干渉フィルター5の反射膜54,55のサイズが例えば受光部322の受光領域と同程度のサイズである場合でも、測定範囲からの反射光を分光することができる。

0094

[第五実施形態]
次に本発明に係る第五実施形態について説明する。
第四実施形態では、受光ユニット327を、受光側第一アパーチャー323を中心に回動させた。これに対して、第五実施形態では、受光部322を回転させる点で第四実施形態と相違する。

0095

図11は、第五実施形態の分光器17Dの概略構成、及び当該分光器17Dにおける光路調整方法を示す図である。なお、アパーチャー312,313,323の図示は省略している。
本実施形態では、図11に示すように、受光部322は、受光領域の中心点を通り、Y軸と平行な軸を中心として回転可能となる。また、分光デバイス321は、受光部322の回転中心を中心として回動可能に設けられている。
なお、本実施形態では、受光側のアパーチャー323,324は、媒体Aと分光器17Dとの間の距離の許容可能変動量分に応じて、開口径を大きく形成してもよく、分光デバイス321と共に回動させてもよい。
具体的な構成としては、分光デバイス321及び受光部322が組み込まれた受光ユニット327に、受光部322の受光領域の中心を通り、Y方向と平行な回動軸3271を設ける。また、アパーチャー323,324を同時に回動させる場合は、当該受光ユニット327にアパーチャー323,324も組み込む。
そして、本実施形態の受光移動部326Dは、受光ユニット327を、受光部322の回動軸3271を中心として回転させる。具体的な構成としては、上記第一実施形態における反射鏡駆動部326と同様の構成が例示でき、例えば受光部322の回動軸3271に、ステッピングモーターからの回転駆動力を伝達させる構成等が挙げられる。

0096

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、上記第四実施形態と同様に、角度φ=θ0−θ1を算出し、当該算出された角度φだけ受光ユニット327を回動させる。なお、算出された角度φが負値である場合は、図9に示す状態(反射光が+X方向に向かって進む状態)において、受光ユニット327を時計回り方向に回転させ、正値である場合は、受光ユニット327を反時計回り方向に回転させる。

0097

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光路調整手段154C及び受光移動部326Dは、受光部322を回転させる。この場合でも、上述した各実施形態と同様に、測定範囲にて反射された光を受光部322の受光領域に導くことができ、高精度な分光測定を実施できる。
また、第三及び第四実施形態と同様、分光デバイス321及び受光部322が受光ユニット327に組み込まれているため、受光移動部326Cは、この受光ユニット327を回転させることで、受光部322の回転角だけ、分光デバイス321も回動させることができる。したがって、分光デバイス321及び受光部322を個別に駆動させる場合に比べて、構成の簡略化を図れる。また、波長可変干渉フィルター5の反射膜54,55のサイズが例えば受光部322の受光領域と同程度のサイズである場合でも、測定範囲からの反射光を分光することができる。

0098

[第六実施形態]
次に本発明の第六実施形態について説明する。
上記第一から第五実施形態では、測色規格(JIS Z 8722)により規定された光学的幾何条件における(0°:45°x)の方式に従って分光測定を実施し、受光光学系32に入射された反射光が受光部322に入射されるように光路調整した。
これに対して、第六実施形態では、測色規格(JIS Z 8722)により規定された光学的幾何条件における(45°x:0°)の方式に従って分光測定を実施し、照明光学系31における光路を調整する点で上記各実施形態と相違する。

0099

図12は、第六実施形態の分光器17Eの概略構成、及び当該分光器17Eにおける光路調整方法を示す図である。
図12に示すように、本実施形態の分光器17Eは、媒体Aに対して45°±2°で光を照射する照明光学系31Aと、媒体Aの測定中心点Rで法線方向(Z方向)に反射された反射光(許容角度10°未満)を受光する受光光学系32Aと、を備えている。

0100

照明光学系31Aは、上述した照明光学系31に組み込まれている光源311、照明側第一アパーチャー312、及び照明側第二アパーチャー313と、照明側反射鏡314と、反射鏡駆動部315と、を備え、媒体Aに対して照明光を照射する。
光源311は、例えばZ方向に向かって光を出射させる。照明側第一アパーチャー312は、光源311から出射された光を絞り出射光の一部を照明側反射鏡314に向かって通過させる。照明側第二アパーチャー313は、照明側反射鏡314の後段に設けられ、照明側反射鏡314で反射された光を、測定中心点Rに向かって通過させる。
照明側反射鏡314は、本発明の第二反射鏡であり、照明側第一アパーチャー312を通過した光を、照明側第二アパーチャー313に向かって反射させる。また、照明側反射鏡314は、Y方向に平行な駆動軸3141を有し、この駆動軸3141を中心に回転可能に設けられている。具体的には、反射鏡314の表面における照明側第一アパーチャー312の光軸上の点が、測定中心点Rに向かって光を反射させる反射位置M2となり、駆動軸3141は、この反射位置M2を中心に反射鏡314を回転可能に保持する。すなわち、駆動軸3141は、反射鏡314における反射位置M2の裏側に設けられている。
反射鏡駆動部315は、光路調整手段154Cと共に本発明の第二光路調整部を構成し、照明側反射鏡314を回転させる。具体的には、反射鏡駆動部315は、照明側反射鏡314の駆動軸3141に回転駆動力を付与して、反射鏡314のX方向に対する角度を変更する。具体的な構成は、第一実施形態における反射鏡駆動部326と同様である。

0101

受光光学系32Aは、分光デバイス321、受光部322、受光側第一アパーチャー323、及び受光側第二アパーチャー324を備えている。これらの各構成は、上記第一から第五実施形態と略同様であり、それぞれ所定位置に固定されている点で相違しているのみであるため、ここでの説明は省略する。

0102

また、本実施形態では、受光光学系32Aが測定中心点Rの法線方向に設けられているので、媒体Aと分光器17Eとの間の距離が変動した場合でも、測定中心点RがX方向にずれない。したがって、本実施形態では、当該測定中心点RのZ方向のずれに対して、照明光の主光線L3が測定中心点Rに一致するように、反射鏡314の角度が調整される。この場合、Z方向に位置ずれした測定中心点Rに照明光を照射するために、照明側第二アパーチャー313の開口径は、測定範囲の径寸法よりも少なくともX方向に沿う寸法が大きく形成されている。
なお、照明側第二アパーチャー313を、反射鏡314と照明側第一アパーチャー312との間に設けてもよい。

0103

そして、本実施形態のプリンター10では、第一実施形態と同様の処理にて、分光測定を実施する。つまり、本実施形態では、ステップS3において、光路調整手段154Cは、式(2)に基づいて角度φを算出し、照明側反射鏡314を当該角度φで回転させる。ここで、算出された角度φが負値の場合、時計回り方向(X方向との為す角が小さくなる方向)に照明側反射鏡314の角度を変更し、正値の場合、反時計回り方向(X方向との為す角が大きくなる方向)に照明側反射鏡314の角度を変更する。

0104

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光路調整手段154Cは、距離センサー18により検出された媒体Aと分光器17Eとの距離に応じて、媒体Aに対して照明光を照射する照明光学系31Aの光源311からの光の光路を調整する。このため、媒体Aと分光器17Eとの間の距離が変化しても、その距離に応じて、測定範囲に照明光が照射されるように、光路を調整することができ、測定誤差を抑制した高精度な分光測定処理(測色処理)を適切に実施することができる。
また、照明光学系31Aの光源311から出射される光の光路を物理的に調整するため、例えば、受光部322からの検出信号に基づいて、媒体Aと分光器17Eとの間の距離に対する光量補正を行う構成に比べて、ノイズの影響を受けることがないので、距離補正精度を向上させることができ、高精度な分光測定処理が可能となる。

0105

本実施形態では、測定中心点Rに照明光の主光線L3を一致させるように、光源311からの光の光路を調整する。このため、媒体Aと分光器17Eとの距離が変動しても、測定範囲に対して同一光量かつ均一な光量分布の光を照射することができる。これにより、測定誤差をより確実に抑制でき、高精度な分光測定を実施できる。

0106

本実施形態では、照明側反射鏡314は、反射位置M2を中心に回転可能に設けられ、反射鏡駆動部315は、照明側反射鏡314の角度を変更する。そして、光路調整手段154Cは、距離センサー18により検出された距離に応じて、距離差Δhを算出し、式(2)に基づいて、測定中心点Rに照明光の主光線L3を一致させるための角度φを算出する。そして、この算出された角度φにて、照明側反射鏡314を回転させて、光源311から出射された光の光路を調整する。
このような構成では、信号線が接続されない照明側反射鏡314の姿勢を変更するため、駆動により信号線の断線等の問題がなく、簡素な構成で光路調整を実施できる。

0107

[第七実施形態]
次に本発明に係る第七実施形態について説明する。
上記第六実施形態では、照明側反射鏡314の姿勢を変更することで、測定中心点Rに照明光の主光線が一致するように、照明光学系31Aにおける光路調整を行った。これに対して、第七実施形態では、照明側反射鏡314を平行移動させることで、測定中心点Rに照明光の主光線を一致させる点で上記第六実施形態と相違する。

0108

図13は、第七実施形態に係るプリンター10の分光器17Fにおける光路調整方法を説明するための概略図である。なお、図13において、アパーチャーの図示は省略している。
本実施形態の分光器17Fでは、図13に示すように、照明光学系31Aと、受光光学系32Aとを備えている。受光光学系32Aは、第六実施形態と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
そして、本実施形態における照明光学系31Aの照明側反射鏡314は、例えばX方向に沿うガイドレール(図示略)を備え、当該ガイドレールに沿って平行移動可能に設けられている。
また、本実施形態の反射鏡駆動部315Aは、第二実施形態の反射鏡駆動部326Aと同様、例えばステッピングモーター等の駆動源を有し、当該駆動源からの駆動力により、照明側反射鏡314をX方向に沿って平行移動させる。

0109

さらに、本実施形態では、第二実施形態と同様に、照明側第二アパーチャー313は、媒体Aと分光器17Fとの間の距離の許容可能変動量分だけ、少なくともX方向に沿う寸法が大きく設定されている。
なお、照明側第二アパーチャー313を、照明側反射鏡314と照明側第一アパーチャー312との間に設けてもよい。さらに、照明側反射鏡314と同時に、照明側第二アパーチャー313をX方向又はX方向に距離差Δhだけ移動させる構成としてもよい。

0110

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、第二実施形態と同様の処理を実施する。
すなわち、本実施形態では、光路調整手段154Cは、距離差Δhを算出し、算出された距離差Δhだけ、反射鏡325をZ方向に平行移動させる。
ここで、光路調整手段154Cは、距離センサー18により検出された距離が基準距離(基準状態A0における媒体Aと分光器17Fとの間の距離)よりも大きい場合、照明側反射鏡314を+Z方向(受光光学系32Aから離れる側)に移動させ、検出された距離が基準状態A0における距離よりも小さい場合、照明側反射鏡314を−X方向(受光光学系32Aに近づく側)に移動させる。

0111

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、照明側反射鏡314は、Z方向に平行移動可能に設けられており、光路調整手段154Cは、反射鏡駆動部315Aを制御して照明側反射鏡314をX方向に沿って平行移動させる。
これにより、上述した第六実施形態と同様に、簡素な構成で、かつ容易に、測定中心点Rに対して照明光の主光線L3を一致させることができる。また、媒体Aと分光器17との距離によらず、測定中心点Rに対してθ0(45°±2°の範囲)で照明光を入射させることができる。したがって、測色規格に準じた分光測色処理を適正に実施することができる。

0112

[第八実施形態]
次に、本発明に係る第八実施形態について説明する。
上記第六及び第七実施形態では、照明光学系31Aの照明側反射鏡314の姿勢や位置を変更した。これに対して、第八実施形態では、照明光学系31Aにおける光源311を移動させる点で上記第六及び第七実施形態と相違する。

0113

図14は、第八実施形態に係るプリンター10の分光器17Gにおける光路調整方法を説明するための概略図である。なお、図14において、各アパーチャーの図示は省略している。
本実施形態の分光器17Gは、図14に示すように、照明光学系31Aと、受光光学系32Aとを備えている。受光光学系32Aは、第六及び第七実施形態と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。

0114

そして、本実施形態における照明光学系31Aでは、照明側反射鏡314は固定されており、光源311がX方向に沿って移動可能となっている。
また、照明光学系31Aは、光源311をX方向に移動させる光源移動部315Cを備えている。この光源移動部315Bは、光路調整手段154Cとともに本発明の第二光路調整部を構成する。
具体的な光源移動部315Bの構成としては、第三実施形態に受光移動部326Cと同様であり、例えば、ステッピングモーターや当該ステッピングモーターからの駆動力を伝達するギア列を備え、例えば光源311が設置された台座部に設けられたX方向に延びるラックに対して、ステッピングモーターからの回転駆動力を伝達する構成等が挙げられる。

0115

また、本実施形態では、照明側第一アパーチャー312及び照明側第二アパーチャー313として、受光部322の受光領域のサイズよりも、媒体Aと分光器17Gとの間の距離の許容可能変動量分だけ、少なくともX方向に沿う寸法が大きく形成されている。
なお、照明側第一アパーチャー312がX方向に移動可能となり、照明側第二アパーチャー313がZ方向に移動可能となる構成としてもよい。この場合、光源移動部315Cは、光源311に加え、各アパーチャー312,313を距離差Δh分だけ移動させる。
また、照明側第二アパーチャー313を照明側反射鏡314及び照明側第一アパーチャー312の間に設け、これらのアパーチャー312,313をX方向に沿って移動させる構成としてもよい。この場合では、光源311と各アパーチャー312,313とを一体構成としてもよい。これにより、光源移動部315Cは、光源311をX方向に移動させるだけで、各アパーチャー312,313を同時にX方向に距離差Δhだけ移動させることができる。

0116

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、第三実施形態と略同様の処理を実施する。
すなわち、本実施形態では、光路調整手段154Cは、距離差Δhを算出し、光源移動部315Bを制御して、算出された距離差Δhだけ、光源311をX方向に平行移動させる。
ここで、光路調整手段154Cは、媒体Aと分光器17Gとの間の距離が基準距離より小さくなる場合、光源311を+X方向に移動させ、大きくなる場合は光源311を−X方向に移動させる。

0117

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光源311が移動可能となり、光路調整手段154Cは、光源移動部315Bを制御して、光源311を平行移動させる。
このように、光源311を移動させることで、上記第六実施形態及び第七実施形態と同様に、媒体Aと分光器17Gとの間の距離によらず、測定範囲に同一光量で、均一な光量分布の照明光を照射させることができる。これにより、測定誤差を抑えた高精度な分光測定処理を実施できる。
さらに、光源311を平行移動させることで、上記第七実施形態と同様に、媒体Aと分光器17との距離によらず、測定中心点Rにθ0(45°±2°の範囲)で照明光を照射することができる。したがって、測色規格に準じた分光測色処理を適正に実施することができる。

0118

[第九実施形態]
次に、本発明に係る第九実施形態について説明する。
上記第八実施形態では、光源311を平行移動させる構成を例示したが、第九実施形態では、光源311を回動させる点で上記第八実施形態と相違する。

0119

図15は、第九実施形態の分光器17Hの概略構成、及び当該分光器17Hにおける光路調整方法を示す図である。
本実施形態では、図15に示すように、光源311から出射された光は、照明側反射鏡314にて反射されることなく、アパーチャー312,313を通過して媒体Aに照射される。
そして、本実施形態では、照明側第二アパーチャー313の位置は固定され、この照明側第二アパーチャー313の開口中心を通り、Y方向に平行な軸を回動中心として、光源311が回動可能に設けられている。なお、照明側第一アパーチャー312は開口径を大きく形成してもよく、光源311と共に回動させてもよい。
具体的な構成例としては、例えば照明側第一アパーチャー312を同時に回動させる場合、照明側第一アパーチャー312が設けられた光源ユニット316に光源311を格納し、当該光源ユニット316を前記軸に対して回動可能な構成とする。

0120

そして、本実施形態の光源移動部315Cは、光源ユニット316を照明側第二アパーチャー313の開口中心を中心として回動させる。具体的な構成例としては、例えば照明側第二アパーチャー313の開口中心を通る前記軸を回転軸とした回動部材に光源ユニット316を固定し、前記回動部材にステッピングモーターからの回転駆動力を伝達する構成等が挙げられる。

0121

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、第四実施形態と略同様の処理を実施する。
すなわち、本実施形態では、基準状態A0から所定の状態A1に媒体Aが移動して、媒体Aと分光器17Hとの距離がΔhだけ変化し、測定中心点Rに対する照明光の入射角をθ0からθ1に変化させる必要がある場合、光源ユニット316を角度φ=θ0−θ1だけ回転させる。
したがって、本実施形態の光路調整手段154Cは、ステップS2により検出された距離に基づいて距離差Δhを算出する。また、測定中心点Rから照明側第二アパーチャー313の開口中心までのX方向に沿う距離をX0として、入射角θ1=tan−1{X0/(X0+Δh)}を算出する。これにより、光路調整手段154Cは、角度φ(=θ0−θ1)を算出し、光源移動部315Cを制御して、当該算出された角度φだけ光源ユニット316を回動させる。なお、算出された角度φが負値である場合は、図15に示す状態(入射光が−X方向に向かって進む状態)において、光源ユニット316を時計回り方向(媒体Aに近付ける方向)に回動させ、正値である場合は、光源ユニット316を反時計回り方向(媒体Aから遠ざける方向)に回動させる。

0122

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光路調整手段154C及び光源移動部315Cは、照明側第二アパーチャー313の開口中心を中心に光源311を回動させる。この場合でも、上述した第六から第八実施形態と同様に、媒体Aと分光器17Hとの間の距離によらず、測定範囲にて同一光量、かつ均一な光量分布の照明光を照射することができ、高精度な分光測定を実施できる。

0123

[第十実施形態]
次に本発明に係る第十実施形態について説明する。
第九実施形態では、光源311が設けられた光源ユニット316を、照明側第二アパーチャー313を中心に回動させることで、測定中心点Rに照明光の主光線が一致するように、照明光学系の光路調整を実施した。これに対して、第十実施形態では、光源311を回転させる点で第九実施形態と相違する。

0124

図16は、第十実施形態の分光器17Iの概略構成、及び当該分光器17Iにおける光路調整方法を示す図である。なお、アパーチャー313,323,324の図示は省略している。
本実施形態では、図16に示すように、受光部322は、受光領域の中心点を通り、Y軸と平行な軸を中心として回転可能となる。また、分光デバイス321は、受光部322の回転中心を中心として回動可能に設けられている。
なお、本実施形態では、受光側のアパーチャー323,324は、媒体Aと分光器17Iとの間の距離の許容可能変動量分に応じて、開口径を大きく形成してもよく、分光デバイス321と共に回動させてもよい。
具体的な構成としては、光源311を格納した光源ユニット316に、光源311に対応した位置を通りY方向と平行な回転軸3111を設ける。また、アパーチャー312,313を同時に回動させる場合は、当該光源ユニット316にアパーチャー312,313も組み込めばよい。
そして、本実施形態は、光源移動部315Dは、光源ユニット316を光源311の回転軸3111を中心として回転させる。具体的な構成としては、上記第一実施形態における反射鏡駆動部326と同様の構成が例示でき、例えば回転軸3111に、ステッピングモーターからの回転駆動力を伝達させる構成等が挙げられる。

0125

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、上記第九実施形態と同様に、角度φ=θ0−θ1を算出し、当該算出された角度φだけ光源ユニット316を回動させる。なお、算出された角度φが負値である場合は、図16に示す状態(入射光が−X方向に向かって進む状態)において、光源ユニット316を時計回り方向に回転させ、正値である場合は、光源ユニット316を反時計回り方向に回転させる。

0126

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、光路調整手段154C及び光源移動部315Dは、光源311を回転させる。この場合でも、上述した第六から第九各実施形態と同様に、媒体Aと分光器17Iとの間の距離によらず、測定範囲にて同一光量、かつ均一な光量分布の照明光を照射することができ、高精度な分光測定を実施できる。

0127

[第十一実施形態]
次に、発明に係る第十一実施形態について、説明する。
上述した各実施形態では、照明光学系31Aにおける光源311から出射された光の光路、又は受光光学系32に入射した反射光の光路を調整することで、測定中心点Rにて反射された反射光を受光部322の受光領域の中心点で受光させた。これに対して、本実施形態では、キャリッジ13全体を移動させる点で、上記実施形態と相違する。

0128

図17は、第十一実施形態のキャリッジ13の概略構成、及び当該分光器17Jにおける光路調整方法を示す図である。
本実施形態では、図17に示すように、キャリッジ13に対して、分光器17J及び距離センサー18がZ方向に移動可能に設けられている。なお、印刷部16が分光器17Jと一体的に構成され、Z方向に移動可能な構成としてもよい。
そして、本実施形態のキャリッジ13には、接離移動部19(本発明における移動部)が設けられている。この接離移動部19は、例えば、分光器17Jに設けられたラックに係合するピニオンギアを、ステッピングモーター等の駆動力により回転駆動させることで、分光器17J及び距離センサー18を媒体Aに対してZ方向に沿って移動させる。

0129

そして、本実施形態のプリンター10による分光測定処理では、図7に示すステップS3において、光路調整手段154Cは、距離差Δhを算出し、接離移動部19を制御して、距離差Δh分移動させる。すなわち、光路調整手段154Cは、媒体Aと分光器17Jとの間の距離が、一定距離(基準状態A0に対応した基準距離)となるように、維持する。

0130

本実施形態では、接離移動部19は、距離センサー18にて検出された距離に基づいて、媒体Aと分光器17Jとの間の距離が一定となるように、分光器17Jを媒体Aに対して接離移動させる。これにより、上記各実施形態と同様に、媒体Aと分光器17Jとの間の距離によらず、測定範囲にて同一光量、かつ均一な光量分布の照明光を照射することができ、当該測定範囲の反射鏡を受光部322の受光領域にて受光させることができ、高精度な分光測定を実施できる。

0131

[第十二実施形態]
次に、本発明に係る第十二実施形態について説明する。
上述した第一から第十実施形態では、照明光学系31Aにおける光源311から出射された光の光路、又は受光光学系32に入射した反射光の光路を調整することで、測定中心点Rにて反射された反射光を受光部322の受光領域の中心点で受光させた。これに対して、本実施形態では、受光部322における受光領域を拡大する点で上記各実施形態と相違する。

0132

図18(A)は、本実施形態の分光器17Kの一例を示す概略図である。また、図17(B)は、本実施形態の分光器17Lの他の例を示す概略図である。
ここで、図17(A)に示す例は、測色規格における(0°:45°x)の方式に準拠した分光器17Kであり、図18(B)は、測色規格における(45°x:0°)の方式に従った分光器17Lである。
分光器17Kは、第一から第五実施形態と同様の照明光学系31と、受光光学系32Bとを有する。そして、受光光学系32Bは、分光デバイス321、受光部322A、受光側第一アパーチャー、及び受光側第二アパーチャーを備えている。これらの各構成は、上記第一から第五実施形態と略同様であり、それぞれ所定位置に固定されている。
そして、本実施形態の受光部322Aは、上記各実施形態における受光部322よりも受光領域Sが大きく形成されている。具体的には、受光部322Aの受光領域Sは、媒体Aが基準状態A0に対応した位置から、媒体Aと分光器17Kとの間の距離の許容可能な変動量(H)だけ移動した際(位置A3,A4)に、測定中心点Rを中心とした所定の測定範囲の光が受光部322Aにて受光できるサイズ以上に設定されている。すなわち、測定範囲の径寸法をΦとして、受光部322Aの受光領域SにおけるX方向に沿う寸法dxは、x≧Φ+Hsinθ0を満たす寸法となる。また、受光部322Aの受光領域SのY方向に沿う寸法dyは、dy≧Φを満たす寸法となる。
なお、分光デバイス321の波長可変干渉フィルター5の反射膜54,55のサイズも受光部322Aの受光領域Sと同寸法以上となる。

0133

また、分光器17Lは、第六から第十実施形態と同様の照明光学系31Aと、受光光学系32Cとを有する。そして、受光光学系32Cは、分光デバイス321、受光部322A、受光側第一アパーチャー、及び受光側第二アパーチャーを備えている。これらの各構成は、上記第六から第十実施形態と略同様であり、それぞれ所定位置に固定されている。
そして、分光器17Lにおける受光部322Aも、分光器17Kと同様に、受光領域SのX方向に沿う寸法dxが、x≧Φ+Hsinθ0を満たし、Y方向に沿う寸法dyがdy≧Φを満たす寸法となる。

0134

[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、受光部322Aは、媒体Aと分光器17K(17L)との間の距離の最大許容量Hとなった際に、媒体Aにおける測定範囲からの反射光を受光可能なサイズの受光領域Sを備える。したがって、媒体Aと分光器17K(17L)との間の距離が変動した場合でも、受光部322における受光量減少を抑制でき、高精度な分光測定を実施できる。

0135

[その他の実施形態]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。

0136

例えば、上記各実施形態において、基準状態A0に対する光路調整量(例えば反射鏡325の回転角φや距離差Δh等)を算出したが、例えば、分光測定中においても、距離センサー18により検出された距離が変動した場合(例えば媒体の位置が位置A1から位置A2に変位した場合)に、変動した距離に応じて第一光路調整部や第二光路調整部による光路調整を実施してもよい。

0137

第二実施形態において、反射鏡325をZ方向に沿って移動させたが、これに限定されず、例えば、第七実施形態の反射鏡314のように、例えばX方向に移動させてもよく、X方向及びZ方向に対して交差する方向に移動させてもよい。同様に第七実施形態の反射鏡314をZ方向に沿って移動させてもよく、X方向及びZ方向に対して交差する方向に移動させてもよい。

0138

第三から第五実施形態において、受光部322の移動又は回転とともに、分光デバイス321を移動又は回動させる構成を例示したがこれに限定されない。
例えば、第三実施形態では、波長可変干渉フィルター5の反射膜54,55のサイズが十分に大きく、測定範囲からの反射光の光路が変更されても、反射膜54,55に当該測定範囲の光を入射可能であれば、分光デバイス321を移動させなくてもよい。
また、第四及び第五実施形態では、上記と同様、反射膜54,55のサイズが十分に大きく、かつ、反射膜54,55間に対する反射光の入射角に基づいて、所望の透過波長に対する静電アクチュエーター56への印加電圧を補正する構成であれば、分光デバイス321を移動させなくてもよい。

0139

上記第一から第十実施形態において、測定中心点R(測定範囲における中心点)にて反射された光の光路が受光部322の中心の法線L1に一致するように、受光光学系32や照明光学系31Aの光路を調整したが、これに限定されない。すなわち、本発明では、測定中心点Rを中心とした所定サイズ(例えば直径Φの円形)の測定範囲にて反射された光が受光部322の受光領域に受光されればよい。したがって、例えば第十二実施形態のように、受光部322の受光領域の面積が、受光部322に投影された測定範囲の面積(投影領域の面積)よりも大きければ、測定中心点Rにて反射された光の光路が、受光部322の中心点における法線L1からずれていてもよい。許容できるずれ量は、受光部322における受光領域のサイズや、照明光学系31(31A)からの照明光の照射範囲のサイズ、照明光の光量分布、投影領域のサイズ等により、適宜設定することができる。

0140

第一実施形態では反射鏡325を回転させることにより、また、第二実施形態では反射鏡325をZ方向に平行移動させることで、反射光の光路を調整したが、これに限定されない。例えば、反射鏡325を所定角度回転させ、かつZ方向(又はX方向)に移動させてもよい。この場合、Z方向への移動量をΔz、反射鏡325の回転角をφとして、tan(2φ+θ0)=X0/(X0+Δh+Δz)を満たすように、移動量Δzと回転角φを設定すればよい。
第一実施形態のように、反射鏡325のみを回転させて光路調整を行う場合、測定中心点Rからの反射光の反射角と、測色規格で定められた角度(45°±2°の範囲)との差が大きくなる場合がある。ここで、印刷部16による印刷精度により、プラテンギャップ許容範囲は決まっており、第一実施形態では、プラテンギャップが当該許容範囲であれば、上記反射角が規格外となることはないものとした。しかしながら、例えば、本発明をプリンター以外に適用する場合等において、媒体及び分光器の距離によっては、反射角が測色規格に設定された角度範囲から外れる場合がある。
一方、第二実施形態のように、反射鏡325を移動させる場合、反射鏡325を移動させるためのスペースが必要になる。ここで、上述したように、プリンターにおいては、プラテンギャップの許容範囲があるため、当該許容範囲を超えて反射鏡325を移動させるスペースは不要となる。しかしながら、例えば、本発明をプリンター以外に適用する場合等において、媒体及び分光器の距離によっては、反射鏡325を大きく移動させる必要が生じる場合がある。この場合、反射鏡325の移動スペースを確保する必要があり、さらに、測定範囲の反射光が反射される反射範囲を確保するために反射鏡325を大型化する必要もある。
これに対して、上記のように反射鏡325の角度変更及び移動の双方を行う場合では、反射鏡の角度を変化させることで、反射鏡の移動量を抑制でき、反射鏡を移動可能とすることで、測定中心点Rからの光が測色規格内の反射角で入射されるように制御することができる。これにより、上記のような課題を補い合うことができ、分光測定処理を実施する測定対象の幅を広げることができる。すなわち、多様な電子機器に対して、本発明の分光測定装置を容易に適用することが可能となる。
なお、上記では、第一実施形態及び第二実施形態の受光光学系に対する変形例を説明したが、第六実施形態及び第七実施形態における照明光学系31Aの照明側反射鏡314を用いる場合も同様であり、照明側反射鏡314の姿勢変更及び平行移動を同時に行ってもよい。

0141

また、第一実施形態において、反射鏡325を、反射位置M1を中心に回転させる構成としたが、これに限定されない。例えば反射鏡325の一端部に駆動軸3251を設ける構成としてもよい。この場合でも、上記のように、反射鏡325の反射位置M1が移動しないように、反射鏡325の回転に加え、第二実施形態のように、反射鏡325を所定方向に平行移動させる。なお、第十二実施形態のように、受光部322の受光領域が十分に大きく、反射鏡325の回転に伴う反射位置M1の変位量以上のサイズであれば、反射鏡325を平行移動させなくともよい。

0142

さらには、上記のような反射鏡325の姿勢変更、平行移動に加え、受光部322及び分光デバイス321の回転や回動、平行移動等を組み合わせてもよい。同様に、照明側反射鏡314の姿勢変更、平行移動に加え、光源311の回転、回動、平行移動等を組み合わせてもよい。

0143

上記各実施形態において、制御ユニット15において、ユニット制御回路152が設けられる構成を例示したが、上記のように、各制御ユニットが制御ユニット15とは別体で、各ユニットにそれぞれ設けられていてもよい。例えば、分光器17に波長可変干渉フィルター5を制御するフィルター制御回路、受光部322を制御する受光制御回路が設けられる構成としてもよい。また、分光器17に、マイコンやV−λデータを記憶した記憶メモリが内蔵され、当該マイコンが光路調整手段154C、測定制御手段154Dとして機能してもよい。

0144

上記各実施形態において、印刷部16として、インクタンクから供給されたインクを、ピエゾ素子を駆動させて吐出させるインクジェット型の印刷部16を例示したが、これに限定されない。例えば、印刷部16としては、ヒーターによりインク内に気泡を発生させてインクを吐出する構成や、超音波振動子によりインクを吐出させる構成としてもよい。
また、インクジェット方式ものに限定されず、例えば熱転写方式を用いたサーマルプリンターや、レーザープリンタードットインパクトプリンター等、如何なる印刷方式のプリンターに対しても適用できる。

0145

上記各実施形態において、波長可変干渉フィルター5として、入射光から反射膜54,55間のギャップGに応じた波長の光を透過させる光透過型の波長可変干渉フィルター5を例示したが、これに限定されない。例えば、反射膜54、55間のギャップGに応じた波長の光を反射させる光反射型の波長可変干渉フィルターを用いてもよい。

0146

上記各実施形態において、筐体6に波長可変干渉フィルター5が収納された分光デバイス321を例示したが、波長可変干渉フィルター5が直接分光器17に設けられる構成などとしてもよい。
また、分光素子として、波長可変干渉フィルター5を例示したがこれに限定されない。分光素子としては、例えば、グレーティング、AOTF、LCTF等を用いてもよい。

0147

上記各実施形態において、波長可変干渉フィルター5を備えた分光デバイス321が、受光光学系32(32A,32B,32C)に設けられる構成(後分光)を例示したがこれに限定されない。
例えば、照明光学系31内に波長可変干渉フィルター5、若しくは、波長可変干渉フィルター5を備えた分光デバイス321を配置し、波長可変干渉フィルター5により分光された光を媒体Aに照射する構成(前分光)としてもよい。第六から第十実施形態において、当該前分光の構成を適用する場合、光源311とともに、分光デバイス321を平行移動又は回動させる構成とすることが好ましい。

0148

上記各実施形態において、分光測定装置を備えたプリンター10を例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成部を備えず、媒体Aに対する測色処理のみを実施する分光測定装置であってもよい。また、例えば工場等において製造された印刷物品質検査を行う品質検査装置に、本発明の分光測定装置を組み込んでもよく、その他、如何なる装置に本発明の分光測定装置を組み込んでもよい。

0149

その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。

0150

5…波長可変干渉フィルター(分光素子)、10…プリンター(画像形成装置)、13…キャリッジ、15…制御ユニット、16…印刷部(画像形成部)、17,17A,17B,17C,17D,17E,17F,17G,17H,17I,17J,17K,17L…分光器、18…距離センサー(距離検出部)、19…接離移動部、31,31A…照明光学系、32,32A,32B,32C…受光光学系、154A…走査制御手段、154B…印刷制御手段、154C…光路調整手段(第一光路調整部及び第二光路調整部を構成)、154D…測定制御手段、154E…測色手段、311…光源、312…照明側第一アパーチャー、313…照明側第二アパーチャー、314…照明側反射鏡(第二反射鏡)、315,315A…反射鏡駆動部(第二光路調整部を構成)、315B,315C,315D…光源移動部(第二光路調整部を構成)、316…光源ユニット、321…分光デバイス、322,322A…受光部、323…受光側第一アパーチャー、324…受光側第二アパーチャー、325…反射鏡(第一反射鏡)、326,326A…反射鏡駆動部(第一光路調整部を構成)、326B,326C,326D…受光移動部(第一光路調整部を構成)、327…受光ユニット、3111…回転軸、3141…駆動軸、3251…駆動軸、3271…回動軸、A…媒体(測定対象及び画像形成対象)、A0…基準状態、H…最大許容量、L1…受光部の中心点における法線、L2…反射光の光路、L3…照明光の主光線、M1,M2…反射位置、R…測定中心点、S…受光領域。

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