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技術 磁気駆動アーク溶接装置及び溶接方法

出願人 愛知産業株式会社
発明者 井上裕之今泉啓中島秀秋
出願日 2015年3月13日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-050428
公開日 2016年9月23日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2016-168613
状態 特許登録済
技術分野 アーク溶接の制御
主要キーワード 金属鋼管 磁気材 パイプ中心 電源機構 パイプ断面 解析位置 パイプ外周 パイプ外径
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この項目の情報は公開日時点(2016年9月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

磁気駆動アーク溶接法について、現実的に実現可能な手段を開発し、溶接効率を向上させること。

解決手段

磁気駆動アーク溶接機が、突き合わせ態様で配置された二つの金属鋼管を同一の軸上に保持する保持機構と、片方又は両方の金属鋼管を圧接する圧接機構と、二つの金属鋼管間に電圧印加してアークを発生させる電源機構と、両金属鋼管の周囲に設けられ、磁界の力によりアークを鋼管周に沿って回転させる磁界機構とを備えた磁気駆動アーク溶接装置であって、磁界機構が、両金属鋼管の外周に沿って複数配置された永久磁石であることからなる。

概要

背景

従来、パイプ等の金属鋼管溶接するには、鋼管の両側を溶接するために、開先加工して、技量の優れた溶接士姿勢を変えながら鋼管の円周に沿ってアーク溶接するか、自動溶接機が円周を多層盛り溶接するのが一般的である。しかし、ごく限られた溶接士によって行われる溶接方法は時間も費用も高くなり、国際競争に耐えられない。その一方、自動溶接で行う場合は高価な設備が必要となり、やはり生産性が低くコス負荷が高いものとなってしまう。

そこで、これらに代わるアーク溶接法として、磁気駆動アーク溶接法が存在する。磁気駆動アーク溶接法は、磁力によりアークを回転させながら溶接を行う方法であり、一定の間隔をもって突き合わせ態様で配置された二つの鋼管に直流溶接機を接続する。そして、各鋼管の外周に励磁コイルを配置する。そして、両鋼管間にアークを発生させ、磁界の力によりアークを鋼管周に沿って回転させ、アーク熱により鋼管端部を溶融させ、その後鋼管端部を圧接させることで溶接する溶接法である(例えば、特許文献1)。この溶接方法は、溶接時間が短く済む利点があるとされている。

概要

磁気駆動アーク溶接法について、現実的に実現可能な手段を開発し、溶接効率を向上させること。磁気駆動アーク溶接機が、突き合わせ態様で配置された二つの金属鋼管を同一の軸上に保持する保持機構と、片方又は両方の金属鋼管を圧接する圧接機構と、二つの金属鋼管間に電圧印加してアークを発生させる電源機構と、両金属鋼管の周囲に設けられ、磁界の力によりアークを鋼管周に沿って回転させる磁界機構とを備えた磁気駆動アーク溶接装置であって、磁界機構が、両金属鋼管の外周に沿って複数配置された永久磁石であることからなる。

目的

磁気駆動アーク溶接法にどのような諸元が必要であり、どの程度の能力が求められるか、実用化のために現実的に使用可能な手段の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

突き合わせ態様で配置された二つの金属鋼管を同一の軸上に保持する保持機構と、片方又は両方の金属鋼管を圧接する圧接機構と、二つの金属鋼管間に電圧印加してアークを発生させる電源機構と、両金属鋼管の周囲に設けられ、磁界の力によりアークを鋼管周に沿って回転させる磁界機構とを備えた磁気駆動アーク溶接装置であって、磁界機構が、両金属鋼管の外周に沿って複数配置された永久磁石からなることを特徴とする磁気駆動アーク溶接装置。

請求項2

永久磁石が、各金属鋼管に接せず外周に沿って、放射線状にそれぞれ20個以上36個以下配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気駆動アーク溶接装置。

請求項3

永久磁石が配置された管表面での磁束密度が0.25テスラ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気駆動アーク溶接装置。

請求項4

永久磁石がネオジム含有永久磁石からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気駆動アーク溶接装置。

請求項5

各永久磁石が、断面が略扇形又は台形の形状からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気駆動アーク溶接装置

請求項6

請求項1から6のいずれかに記載した磁気駆動アーク溶接装置を使用して、溶接電流・電圧の値を3段階以上5段階以下で変化させることを特徴とする磁気駆動アーク溶接方法

請求項7

アークの回転速度が100M/sec以上であること特徴とする請求項6に記載の磁気回転アーク溶接方法。

請求項8

圧接速度が150mm/sec以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の磁気回転アーク溶接方法。

技術分野

0001

本発明は、磁気駆動アーク溶接装置及び溶接方法に関する。

背景技術

0002

従来、パイプ等の金属鋼管溶接するには、鋼管の両側を溶接するために、開先加工して、技量の優れた溶接士姿勢を変えながら鋼管の円周に沿ってアーク溶接するか、自動溶接機が円周を多層盛り溶接するのが一般的である。しかし、ごく限られた溶接士によって行われる溶接方法は時間も費用も高くなり、国際競争に耐えられない。その一方、自動溶接で行う場合は高価な設備が必要となり、やはり生産性が低くコス負荷が高いものとなってしまう。

0003

そこで、これらに代わるアーク溶接法として、磁気駆動アーク溶接法が存在する。磁気駆動アーク溶接法は、磁力によりアークを回転させながら溶接を行う方法であり、一定の間隔をもって突き合わせ態様で配置された二つの鋼管に直流溶接機を接続する。そして、各鋼管の外周に励磁コイルを配置する。そして、両鋼管間にアークを発生させ、磁界の力によりアークを鋼管周に沿って回転させ、アーク熱により鋼管端部を溶融させ、その後鋼管端部を圧接させることで溶接する溶接法である(例えば、特許文献1)。この溶接方法は、溶接時間が短く済む利点があるとされている。

先行技術

0004

特開昭61−103678号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、磁気駆動アーク溶接法に関しては、励磁電流や鋼管間電流の制御などが難しくコストも高いため、特許文献1のような文献が存在してはいるが、実用記録が殆どない。さらに、溶接学会報告も極めて少なく、溶接装置としてどのような諸元が必要かについても過去に実用的なデータがない。磁気駆動アーク溶接法にどのような諸元が必要であり、どの程度の能力が求められるか、実用化のために現実的に使用可能な手段の開発が望まれている。

0006

そこで、本発明は、磁気駆動アーク溶接法について、現実的に実現可能な手段を開発し、溶接効率を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため、本発明の磁気駆動アーク溶接装置は、
突き合わせ態様で配置された二つの金属鋼管を同一の軸上に保持する保持機構と、片方又は両方の金属鋼管を圧接する圧接機構と、二つの金属鋼管間に電圧印加してアークを発生させる電源機構と、両金属鋼管の周囲に設けられ、磁界の力によりアークを鋼管周に沿って回転させる磁界機構とを備えた磁気駆動アーク溶接装置であって、磁界機構が、両金属鋼管の外周に沿って複数配置された永久磁石からなる。
また、永久磁石が、各金属鋼管に接せず外周に沿って、放射線状にそれぞれ20個以上36個以下配置されていることが好適である。
また、永久磁石が配置された管表面での磁束密度が0.25テスラ以上であることが好適である。
また、永久磁石がネオジム含有永久磁石からなることが好適である。
また、各永久磁石が、断面が略扇形又は台形の形状からなることが好適である。

0008

さらに、本発明の磁気駆動アーク溶接方法は、上記磁気駆動アーク溶接装置を使用して、
溶接電流・電圧の値を3段階以上5段階以下で変化させることからなる。
また、アークの回転速度が100M/秒以上であることが好適である。
また、圧接速度が150mm/sec以上であることが好適である。

0009

本発明者は、磁気駆動アーク溶接のうち、特に磁界について鋭意研究を行った結果、安定した溶接品質を確保するための基礎諸元を開発したものである。
すなわち、従来のように、二つの鋼管間に磁界を発生させるには励磁コイル(電磁石)を使うことが考えられる。これらを採用すれば、利点として、強力な磁界を発生させるのは容易であるが、物理的に大きくなるため狭い場所に収めることが難しい。さらに大出力の直流電源が必要になり装置のコストアップにもなってしまう。しかしながら、永久磁石、特にネオジム金属を使った永久磁石を採用した構成とすることでより強力かつ安定した磁界を得ることができるものである。この構成によれば、上述の問題を解決しつつ、より好適な溶接結果を得ることができるものである。永久磁石は、硬化した鋼等の磁気材断片で、強く磁化されて磁気永久に保持しているものであって、外部から磁場や電流の供給を受けることなく磁石としての性質を保持し続ける物体のことである。

0010

本発明の磁気駆動アーク溶接が適用される対象としては、典型的には材質として炭素鋼ステンレス・銅・アルミニウムが挙げられる。また、対象形状としては丸パイプの他、角パイプロット等にも適用可能である。パイプ外径板厚は特に限定されるものではないが、必要とされる設備等を考慮すると、直径10〜250mm、板厚1mm〜16mmに好適である。

0011

永久磁石は、十分な磁束強度を得るために、好ましくは各金属鋼管に接せず外周に沿って、放射線状にそれぞれ20個以上36個以下で等間隔に配置される。永久磁石が配置される鋼管端部からの距離は、鋼管の径や厚みによるが、例えば直径60mm、厚さ5mmの鋼管であれば軸方向に10-15mm程の位置に配置されることが好ましい。端部からあまり離れてしまうと、アークを回転させる磁界の力が弱くなり、回転速度が下がるためである。特に、永久磁石が配置された管表面での磁束密度が0.25テスラ以上、さらに好ましくは0.3テスラ以上であると、アークの回転速度が十分に得られ、好適な溶接結果を得ることができる。永久磁石としてはフェライトアルニコ、サマコバ等の金属が使用可能であるが、このような強い磁束密度を得るために、ネオジム含有永久磁石からなることが好適である。各永久磁石は、断面が略扇形又は台形である形状を採用すれば、磁束強度を損なうことなく鋼管円周に沿って放射状に円形に配置することが可能である。鋼管間の間隙は、鋼管の系や厚さによるが、1.5mm〜2mm程度であることが好ましい。あまり離れるとアーク保持が困難になり、近接しすぎると溶融金属短絡する可能性を生じるからである。

0012

上記磁気駆動アーク溶接装置を使用した上で、溶接電流・電圧の値を、3段階以上変化させて溶接を行うことが好適である。具体的には、第1段階としてアーク発生のため比較的高い電圧を印加し、アークが安定したら電圧を低くしアークを高速回転させる。端部が加熱溶融されるとアップセット電流を大幅に上げて大電流を流すと同時に圧接させて溶接を完了するものである(電磁力で溶融金属は鋼管外周方向に力を受けて盛り上がると同時に完全な拡散が進み、固相接合が得られる。)。電流の上昇に対しパイプの移動は機械的運動であるため時間的に遅れることになるが、その間大電流が短時間流れ、溶融状態を整える。アークの回転速度は、100M/秒以上であることが好適である。それ以上遅い場合は、加熱が拡散し局部加熱性が低下し品質が下がる場合がある。また、良好な溶接結果を得るための圧接速度としては150mm/sec以上であることが好適である。

0013

磁気駆動アーク溶接機のその他の構成としては、公知の態様を適用可能であり、突き合わせ態様で配置された二つの金属鋼管を同一の軸上に保持する保持機構と、片方又は両方の金属鋼管を圧接する圧接機構と、二つの金属鋼管間に電圧を印加してアークを発生させる電源機構等が設けられる。本発明には永久磁石を使用しているため、磁界を与えるための電源構成は不要である。保持機構としてはクランプ機構等が用いられ、圧接機構としてはスライド機構等が用いられる。永久磁石は、例えば半円ドーナツ状にモールドされ、鋼管上下からクランプする形態を採用することが可能である。

図面の簡単な説明

0014

鋼管と本発明における永久磁石の配置と構成を示す図である。
パイプ中心からの磁束密度を試験した結果を示す図である。
本発明における溶接条件と、その結果の一例を示す図である。
溶接によるパイプの内外面温度遷移パイプ端部より5mm位置)を示す図である。
図4に記載の例におけるアークの回転速度と時間を示す図である。
本発明における溶接結果(溶接断面)を示す写真である。
本発明と従来技術の比較を示す図である。

実施例

0015

以下、本発明について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、一対の鋼管1,1'が同一軸状に突き合わせ態様にて配置されている。鋼管1,1'の間隙は1.5mmである。円周に沿って図面に示した形状の永久磁石であるネオジム磁石2(厚さ6mm、断面が長辺約10mm,短辺約6mm,高さ約18mmの略台形)が、鋼管1,1'の端部から10mm又は15mmの位置に、24個等間隔に配置されている。そして、この構成により、図2に示すようにパイプ外周部(図1のRの解析位置)での、磁束密度の値が、0.25テスラを確認できた。この時、アークの回転速度も120M/secに到達し加熱溶融させるに十分な結果を売ることができた(異質・劣悪な永久磁石では十分な磁束密度を得られない。)。なお、配列する永久磁石2の形状と個数を、8個、10個、12個と製作し、アークの回転を測定したが、週速度が50M/sec以上に到達せず、加熱溶融に時間がかかることが判明した。

0016

図3に示すように、溶接電流を3段階以上で変化させ、最終段階でアップセット大電流を短時間 (0.5〜1.0秒)流すことで溶接を完了することができる。パイプの外径は60.5mmなので、永久磁石との空間は1.75mmの隙間になる。アーク発生部からの軸方向距離は10mm〜15mmであれば磁界は有効に働くが、それ以上離隔するとアークを回転させる力は弱くなり、回転速度が下がることになる。アーク回転速度が遅いと溶融が遅れるのみならず、熱伝導により発熱が拡散し、さらに局部加熱による溶融に適さない。

0017

図4は、パイプ端部から5mmの位置で、パイプ内外面の温度遷移を表した表である。アークがパイプ内側表面に発生し、回転しながら外側へ遷移し、パイプ端部を溶融することがわかる。図5は、同溶接におけるアークの回転速度と時間を示したものである。図6パイプ断面)に示されるように、圧接されたパイプは、外側(上側)の盛り上がりに比して内側(下側)の盛り上がりが低くなっているため、品質として良好である

0018

適正なアーク放電で溶融しアップセット加圧されると、図7に示す通り、わずか17〜18秒で外径:60.5mm、板厚:5.5mmの炭素鋼管の溶接が完了することになる。これを、従来の自動溶接機で溶接すると、3パスで溶接が必要で、アーク時間にして18分は必要である。しかも溶接材料、開先加工も不要であり、図7に示す通り、生産性で約100倍、溶接コストではほぼ1/50にすることができる。

0019

1、1'鋼管
2 永久磁石

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