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技術 防汚剤及びそれによる塗膜で被覆された物品

出願人 大和製罐株式会社株式会社SNT
発明者 西畑慎吾丸尾勝也白鳥世明
出願日 2015年3月10日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-046863
公開日 2016年9月15日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-166295
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤
主要キーワード 静止試験 建設材 トラックミキサー 家屋外壁 往復試験 セメントノロ SEM写真図 コンクリート建築
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

モルタルコンクリートといったセメント製品に対する付着防止性に優れ、且つその効果を長期間維持するとともに、比較的低コストで製造可能な防汚剤を提供する。

解決手段

極性基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び/又はエポキシ樹脂を、疎水性微粒子有機溶剤とともに混合し、これを防汚対象となる表面へと塗布・乾燥した塗膜を形成することで、特にモルタルやコンクリート等のセメント製品に対して優れた付着防止性を示し、且つ耐アルカリ性耐摩耗性にも優れているため、その効果を長期間にわたって維持することができる。

概要

背景

モルタルコンクリート等のセメント製品は、セメントと水、その他必要な材料を混合して製造され、セメントと水との水和反応によって微粒子を生成し、時間の経過とともに全体が硬化する。このようなセメント製品は、ミキサーバケット内部に残存したり、あるいは壁材床材等に飛散して硬化してしまうと、付着面に非常に強固に固着してしまうため、その除去は困難である。また、コンクリート建築では、通常、合板を用いて組み立てた型枠の内部にコンクリートを流し込み、固まった後で型枠を取り外すことによって、基礎外壁、柱等の構造物がそれぞれ形成されるものの、型枠を外した後も打設面に付着したコンクリートが残存していることがあり、このような場合、コンクリート構造物美観や強度が損なわれるだけでなく、外した後の型枠を次に転用するためにコンクリート付着物除去作業が必要となるものの、前述の理由によりその除去は困難である。これに対して、界面活性剤鉱物油、油脂、ワックス樹脂等を用いた型枠用剥離剤が知られている(例えば、特許文献1,2参照)が、これらは硬化後のセメント製品を剥離剤とともに型枠から綺麗に剥離させるためのものであって、セメント製品の付着を防ぐものではない。

他方、本出願人は以前、シリコーンオイルと、シリカ等の微粒子と、ワックスやパラフィン等の結合剤とを含む混合物からなる撥水剤を提案している(特許文献3参照)。しかし、この撥水剤は塗膜の強度に劣り、塗布面にセメント製品のような粘ちょう性の泥状物が付着すると撥水剤自身がともに剥落してしまうため、付着防止性を保持することができない。また、例えば、シリカ微粒子シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂との混合物からなる塗膜を形成し、汚れを付着し難くする撥水性材料がいくつか知られている(例えば、特許文献4〜6参照)。しかし、それ自身が撥水性を有するシリコーン樹脂やフッ素樹脂はコストが高いため、数年から十数年の単位で塗り替えを行なう家屋外壁用の塗料のようなものであればともかく、例えば、セメント製品の製造機械容器等のように頻繁にメンテナンスする必要があるものには、経済的な負担が大きい。その他、シリカ微粒子とアクリル樹脂とを混合した撥水剤あるいは防汚性材料も知られている(例えば、特許文献6,7参照)ものの、親水性の樹脂であるため、塗膜内部あるいは表面に存在する水によってセメント製品の硬化を促進してしまうおそれがあった。

概要

モルタルやコンクリートといったセメント製品に対する付着防止性に優れ、且つその効果を長期間維持するとともに、比較的低コストで製造可能な防汚剤を提供する。極性基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び/又はエポキシ樹脂を、疎水性微粒子有機溶剤とともに混合し、これを防汚対象となる表面へと塗布・乾燥した塗膜を形成することで、特にモルタルやコンクリート等のセメント製品に対して優れた付着防止性を示し、且つ耐アルカリ性耐摩耗性にも優れているため、その効果を長期間にわたって維持することができる。 なし

目的

本発明が解決しようとする課題は、モルタルやコンクリートといったセメント製品に対する付着防止性に優れ、且つその効果を長期間維持することができ、比較的低コストで製造可能な防汚剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(a)疎水性微粒子と、(b)極性基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び/又はエポキシ樹脂と、(c)有機溶剤とを含むことを特徴とする防汚剤

請求項2

前記(a)疎水性微粒子の含有量が前記(b)樹脂100質量部に対して20〜200質量部であることを特徴とする請求項1記載の防汚剤。

請求項3

前記(a)疎水性微粒子の平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の防汚剤。

請求項4

前記(a)疎水性微粒子が疎水性シリカであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防汚剤。

請求項5

前記(b)樹脂が塩素化ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防汚剤。

請求項6

前記(b)樹脂が常温硬化可能なエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防汚剤。

請求項7

前記(b)樹脂がpH12.5で加水分解を生じない樹脂であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の防汚剤。

請求項8

前記(c)有機溶剤が(b)樹脂を溶解し、且つ(a)疎水性微粒子を分散可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の防汚剤。

請求項9

前記(c)有機溶剤が沸点150℃未満であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の防汚剤。

請求項10

セメント製品製造機械運搬容器又は型枠に用いることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の防汚剤。

請求項11

建設材建設機械又は建設工具に用いることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の防汚剤。

請求項12

請求項1から9のいずれかに記載の防汚剤による塗膜が表面に被覆されていることを特徴とする物品

請求項13

前記防汚剤の塗布量が5〜1000mg/dm2であることを特徴とする請求項12に記載の物品。

請求項14

前記(a)疎水性微粒子が塗膜被覆領域投影面積の85〜99%の領域においてその微粒子表面を外部に露出した状態で固着されていることを特徴とする請求項12又は13記載の物品。

請求項15

セメント製品の製造機械、運搬容器又は型枠であることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の物品。

請求項16

建設材、建設機械又は建設工具であることを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載の物品。

請求項17

請求項1から9のいずれかに記載の防汚剤を物品の表面に塗布することを特徴とするセメント製品の付着防止方法

請求項18

前記防汚剤をセメント製品の製造機械、運搬容器又は型枠の表面に塗布することを特徴とする請求項17に記載のセメント製品の付着防止方法。

請求項19

前記防汚剤を建設材、建設機械又は建設工具の表面に塗布することを特徴とする請求項17に記載のセメント製品の付着防止方法。

技術分野

0001

本発明は防汚剤、特に建設現場等において問題となるモルタルコンクリートといったセメント製品付着防止性の改良に関する。

背景技術

0002

モルタルやコンクリート等のセメント製品は、セメントと水、その他必要な材料を混合して製造され、セメントと水との水和反応によって微粒子を生成し、時間の経過とともに全体が硬化する。このようなセメント製品は、ミキサーバケット内部に残存したり、あるいは壁材床材等に飛散して硬化してしまうと、付着面に非常に強固に固着してしまうため、その除去は困難である。また、コンクリート建築では、通常、合板を用いて組み立てた型枠の内部にコンクリートを流し込み、固まった後で型枠を取り外すことによって、基礎外壁、柱等の構造物がそれぞれ形成されるものの、型枠を外した後も打設面に付着したコンクリートが残存していることがあり、このような場合、コンクリート構造物美観や強度が損なわれるだけでなく、外した後の型枠を次に転用するためにコンクリート付着物除去作業が必要となるものの、前述の理由によりその除去は困難である。これに対して、界面活性剤鉱物油、油脂、ワックス樹脂等を用いた型枠用剥離剤が知られている(例えば、特許文献1,2参照)が、これらは硬化後のセメント製品を剥離剤とともに型枠から綺麗に剥離させるためのものであって、セメント製品の付着を防ぐものではない。

0003

他方、本出願人は以前、シリコーンオイルと、シリカ等の微粒子と、ワックスやパラフィン等の結合剤とを含む混合物からなる撥水剤を提案している(特許文献3参照)。しかし、この撥水剤は塗膜の強度に劣り、塗布面にセメント製品のような粘ちょう性の泥状物が付着すると撥水剤自身がともに剥落してしまうため、付着防止性を保持することができない。また、例えば、シリカ微粒子シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂との混合物からなる塗膜を形成し、汚れを付着し難くする撥水性材料がいくつか知られている(例えば、特許文献4〜6参照)。しかし、それ自身が撥水性を有するシリコーン樹脂やフッ素樹脂はコストが高いため、数年から十数年の単位で塗り替えを行なう家屋外壁用の塗料のようなものであればともかく、例えば、セメント製品の製造機械容器等のように頻繁にメンテナンスする必要があるものには、経済的な負担が大きい。その他、シリカ微粒子とアクリル樹脂とを混合した撥水剤あるいは防汚性材料も知られている(例えば、特許文献6,7参照)ものの、親水性の樹脂であるため、塗膜内部あるいは表面に存在する水によってセメント製品の硬化を促進してしまうおそれがあった。

先行技術

0004

特開平5−293812号公報
特開平5−305608号公報
国際公開WO2005/063903号公報
特開2008−101197号公報
特開2011−246603号公報
特開2003−147340号公報
特開2004−300345号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明が解決しようとする課題は、モルタルやコンクリートといったセメント製品に対する付着防止性に優れ、且つその効果を長期間維持することができ、比較的低コストで製造可能な防汚剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、特定の種類の樹脂を疎水性微粒子有機溶剤とともに混合し、これを防汚対象となる表面へと塗布・乾燥した塗膜を形成することで、特にモルタルやコンクリート等のセメント製品に対して優れた付着防止性を示し、且つ耐アルカリ性耐摩耗性に優れているため、その効果を長期間にわたって維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

すなわち、本発明にかかる防汚剤は、(a)疎水性微粒子と、(b)極性基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び/又はエポキシ樹脂と、(c)有機溶剤とを含むことを特徴とするものである。また、前記防汚剤において、(a)疎水性微粒子の含有量が(b)樹脂100質量部に対して20〜200質量部であることが好ましい。また、前記防汚剤において、(a)疎水性微粒子の平均粒子径が1〜100nmであることが好ましい。また、前記防汚剤において、(a)疎水性微粒子が疎水性シリカであることが好ましい。また、前記防汚剤において、(b)樹脂が塩素化ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。また、前記防汚剤において、(b)樹脂が常温で硬化可能なエポキシ樹脂であることが好ましい。また、前記防汚剤において、(b)樹脂がpH12.5で加水分解を生じない樹脂であることが好ましい。

0008

また、前記防汚剤において、(c)有機溶剤が(b)樹脂を溶解し、且つ(a)疎水性微粒子を分散可能であることが好ましい。また、前記防汚剤において、(c)有機溶剤が沸点150℃未満であることが好ましい。また、前記防汚剤において、セメント製品の製造機械、運搬容器又は型枠に用いることが好ましい。また、前記防汚剤において、建設材建設機械又は建設工具に用いることが好ましい。

0009

また、本発明にかかる物品は、前記防汚剤による塗膜が表面に被覆されていることを特徴とするものである。また、前記物品において、防汚剤の塗布量が5〜1000mg/dm2であることが好ましい。また、前記物品において、(a)疎水性微粒子が塗膜被覆領域投影面積の85〜99%の領域においてその微粒子表面を外部に露出した状態で固着されていることが好ましい。また、前記物品が、セメント製品の製造機械、運搬容器又は型枠であることが好ましい。また、前記物品が、建設材、建設機械又は建設工具であることが好ましい。

0010

また、本発明にかかるセメント製品の付着防止方法は、前記防汚剤を物品の表面に塗布することを特徴とするものである。また、前記方法において、防汚剤をセメント製品の製造機械、運搬容器又は型枠の表面に塗布することが好ましい。また、前記方法において、防汚剤を建設材、建設機械又は建設工具の表面に塗布することが好ましい。

発明の効果

0011

本発明にかかる防汚剤は、モルタルやコンクリートといったセメント製品に対して優れた付着防止性を示し、且つ耐アルカリ性や耐摩耗性に優れているため、その効果を長期間にわたって維持することができる。

図面の簡単な説明

0012

試験例4の防汚剤(疎水性シリカ+塩素化ポリオレフィン樹脂)の疎水性シリカ含有量を各種変化させて形成した塗膜表面SEM写真図である。
図1のSEM写真図を白黒2値化して濃淡を明確にした図である。
試験例7の防汚剤(疎水性シリカ+加熱硬化エポキシ樹脂)の疎水性シリカ含有量を各種変化させて形成した塗膜表面のSEM写真図である。
図3のSEM写真図を白黒2値化して濃淡を明確にした図である。

0013

本発明にかかる防汚剤は、(a)疎水性微粒子と、(b)極性基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び/又はエポキシ樹脂と、(c)有機溶剤とを含むことを特徴とする。

0014

<(a)疎水性微粒子>
本発明の防汚剤に用いる(a)疎水性微粒子としては、無機物質でも有機物質でもかまわないが、変質しない無機物質からなるものが好ましい。nmオーダー粒径の微粒子を得るためには、シリカ、アルミナチタニア等の無機酸化物が好ましく、特にシリカが最も好適である。疎水性微粒子の平均粒子径は1〜100nm、さらには5〜20nmであることが望ましい。微粒子シリカの市販品として、例えば、アエロジルR972,972V,R972CF,R974,R812,R805,RX200,RX300,RY200(いずれも日本アエロジル株式会社製)等の疎水性シリカを好適に用いることができ、このなかでも、特にR972,RX200,RY200が好ましい。また、その他市販の微粒子として、アエロジル50,90G,130,200,200V,200CF,200FAD,300,300CF,380,R202,R812S,OX50,TT600,MOX80,MOX170,COK84,酸化アルミニウムC,二酸化チタンT805,二酸化チタンP25(いずれも日本アエロジル株式会社製)等を用いることもできるが、これらの微粒子のうち、表面が親水性のものは、予め高級脂肪酸シリコーン油シランカップリング剤等を用いて疎水化処理しておく必要がある。

0015

防汚剤中の(a)疎水性微粒子の添加量は、特に限定されるものではないが、(b)樹脂100質量部に対して20〜200質量部であることが望ましく、さらに40〜100質量部であることが望ましい(以下、前記量単位をPHR[Per−Hundred−Resin]と表記する場合がある)。(a)疎水性微粒子の添加量が多すぎると、乾燥後の塗膜の耐摩耗性が低下し、容易に剥落してしまう場合があり、一方で、(a)疎水性微粒子の添加量が少ないと、防汚性を発現することができない場合がある。また、(a)疎水性微粒子の添加量を前記範囲に調整することによって、塗膜表面の(b)樹脂マトリックスから(a)疎水性微粒子が略半球状に突出して外部に吐出した状態となり、これによって優れた防汚性を発揮することができると考えられる。また、(a)疎水性微粒子と(b)樹脂との合計量が、防汚剤全量中5〜50質量%であることが望ましい。なお、この(a)と(b)の合計量は、通常、(c)有機溶剤の添加量を増減することによって容易に調整することができる。

0016

<(b)樹脂>
本発明の防汚剤には、(b)樹脂として極性基を有する変性ポリオレフィン樹脂及び/又はエポキシ樹脂が用いられる。本発明に使用可能な変性ポリオレフィン樹脂は、炭素数2〜10の不飽和炭化水素オレフィン)を重合して得られた高分子酸官能基ハロゲン原子等の極性基を導入したものであり、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリブテンポリペンテン、ポリヘキセン、ポリヘプテンポリオクテン、ポリノネンポリデセン、あるいはこれらの混合物を主骨格ポリマーとして用いることができる。分子量は特に限定されるものではないが、通常、10,000〜1,000,000程度である。なお、ポリオレフィン樹脂無極性であるため、そのままでは溶媒溶け難かったり、他材料との密着性に劣る。これに対し、ポリオレフィン構造中の水素原子を部分的に塩素等のハロゲン原子あるいはマレイン酸等の酸含有化合物変性することによって、先に述べた欠点を改善することができる。本発明においては、特に塩素化ポリオレフィン樹脂を好適に用いることができる。なお、塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素化率は、樹脂全量に対して10〜54質量%、特に20〜35質量%の範囲であることが望ましい。また、さらにアクリル酸等の酸により変性された酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂を使用してもよい。塩素化ポリオレフィン樹脂の市販品としては、例えば、ハードレン14−LWP,CY−9124P,P−5528(いずれも東洋紡社製)、スーパークロンL−206,813A,822,930,224H,240H(いずれも日本製紙社製)等が挙げられる。

0017

また、本発明に使用可能なエポキシ樹脂には、末端エポキシ基グリシジル基)を有する化合物からなる主剤と、エポキシ基と反応して架橋構造を形成し得る硬化剤とが含まれる。エポキシ樹脂の主剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型ビスフェノールF型等のビスフェノール型エポキシ樹脂のほか、フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂臭素化型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂脂環式エポキシ樹脂ビフェニル型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられ、あるいはこれらの複数を混合して用いてもよい。これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を好適に用いることができる。分子量は特に限定されるものではないが、通常、10,000〜1,000,000程度である。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されるものではないが、通常、100〜3000g/eq程度であり、特に200〜1000g/eqが好ましい。主剤のエポキシ当量に合わせて硬化剤の配合量を調整する必要がある。

0018

また、エポキシ樹脂に用いられる硬化剤の種類も特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ポリアミン、脂肪族ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト、脂肪族ポリアミンのケトン反応物ケトイミン)、ポリアミノアミドアミド樹脂)、ポリメルカプタン等が挙げられる。この他にも、エポキシ樹脂の硬化剤としては、芳香族ポリアミン酸無水物等も知られているものの、通常、これらの硬化剤は硬化反応のために100℃以上の加熱を必要とし、例えば、防汚剤をセメント製品の製造機械や運搬容器、あるいは建設材や建設機械へと塗布した後、100℃以上の環境下で塗膜を加熱乾燥することは現実的に困難である。これに対して、以上に例示した脂肪族ポリアミン等の硬化剤は、いずれも、通常、常温(25℃)〜80℃程度の環境下で硬化が可能である。また、本発明に用いられる(b)樹脂においては、常温(25℃)で硬化することが可能なように、主剤と硬化剤との組み合わせが適宜調整されていることが望ましい。常温下での硬化剤としては、アミンアダクトあるいはポリアミドアミンを特に好適に使用することができる。主剤と硬化剤との混合比は、主剤の樹脂のエポキシ当量と、硬化剤のアミン当量あるいは活性水素当量に合わせて調整すればよく、それぞれの当量の比がおおよそ1:2〜2:1程度、あるいは1:1.5〜1.5:1の範囲内となるように調整することが望ましい。

0019

エポキシ樹脂の主剤と硬化剤は、予め混合された一液系の製剤であっても、使用時に混合する二液系の製剤であってもよい。ただし、通常の場合、一液系のエポキシ樹脂は、常温で硬化反応が進行しないように、例えば、100℃以上といった比較的高温に加熱して硬化反応を進行させる必要がある。他方、二液系のエポキシ樹脂では、混合の後、常温あるいは比較的低い温度で硬化反応を進行させることができる。このため、防汚剤としての使用性の観点からは、二液系の常温硬化エポキシ樹脂が望ましい場合がある。本発明の防汚剤を二液系とする場合、例えば、硬化剤のみを含む液剤と、それ以外の成分を含む液剤とを個別に準備し、防汚剤として塗布する直前に適当な容器内でそれぞれを混合すればよい。また、その他、必要に応じて三級アミン類、イミダゾール類ホスホニウム塩スルホニウム塩等の硬化反応促進剤を添加してもよい。エポキシ樹脂の市販品としては、一液系の熱硬化性製剤として、例えば、1001B80,1001X70,1001T75(いずれも三菱化学社製)、57−K313M:(関西ペイント社製)等が挙げられ、また、二液系の常温硬化製剤としては、例えば、エスダイン#3100,#3200(いずれも積水化学工業社製)、F−05C,F−30C(いずれもアルテコ社製)、エポマリンGX,JW(いずれも関西ペイント社製)等が挙げられる。

0020

なお、セメントは水と接触することで水酸化カルシウムを生じるため、モルタルやコンクリート等の水を含むセメント製品は、通常、pH12.5程度の塩基性を示す。このため、例えば、ポリエステル樹脂は、セメント製品との接触によってエステル結合の加水分解を生じて樹脂が劣化してしまう。また、例えば、硬化剤として無水酸を用いたエポキシ樹脂では、架橋構造がエステル結合によって形成されているため、ポリエステル樹脂と同様、セメント製品との接触により加水分解を生じる可能性がある。これに対し、例えば、オレフィン系樹脂アミン類で硬化したエポキシ樹脂は、塩基性条件下でも容易には分解しないため、いわゆる耐アルカリ性に優れている。本発明に用いられる(b)樹脂としては、pH12.5で加水分解を生じない樹脂であることが望ましい。

0021

防汚剤中の(b)樹脂の添加量は特に限定されるものではないが、(a)疎水性微粒子の含有量が(b)樹脂100質量部に対して20〜200質量部、特に50〜100質量部となるように、(b)樹脂の添加量を調整することが望ましい。(b)樹脂の添加量が多いと、(a)疎水性微粒子の相対量が減少し、防汚性を発現できない場合がある。また、(b)樹脂の添加量が少ないと、相対的に(a)疎水性微粒子の量が増大して、塗膜の耐摩耗性が低下してしまう。また、(a)疎水性微粒子と(b)樹脂との合計量として、防汚剤全量中5〜50質量%であることが望ましい。

0022

<(c)有機溶剤>
本発明の防汚剤に用いる有機溶剤としては、従来、一般的な塗料に用いられる公知の有機溶剤であって、(b)樹脂を溶解し、且つ(a)疎水性微粒子を分散可能なものであれば、いずれのものを用いてもよい。有機溶剤が揮発することで(b)樹脂中に(a)疎水性微粒子が分散した塗膜が形成される。本発明に使用可能な有機溶剤としては、例えば、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤石油ナフサミネラルスピリットn−ヘキサンイソヘキサンシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンジイソブチルケトン等のケトン系溶剤酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル系溶剤メチルセロソルブブチルセロソルブブチルカルビトール等のエーテル系溶剤メタノールエタノールイソプロピルアルコールブタノール等のアルコール系溶剤が挙げられ、これらを単独であるいは複数を混合して用いてもよい。これらのうち、特に沸点150℃未満の有機溶剤を好適に用いることができる。なお、本発明の防汚剤としては、製剤中に水がまったく含まれていないことが望ましい。防汚剤中に水が含まれていると、乾燥後の塗膜に水が少量残存することで、塗膜に付着したセメント製品との水和反応による硬化を促進してしまうおそれがある。

0023

防汚剤中の(c)有機溶剤の添加量は特に限定されるものではなく、(a)疎水性微粒子や(b)樹脂の種類や量によっても異なるが、防汚剤全量中50〜95質量%とすることが望ましい。(c)有機溶剤の量が多すぎると、気化乾燥による塗膜形成に時間がかかるほか、製剤の粘度が低くなって塗布面からの垂れ落ちを生じる場合がある。一方で、(c)有機溶剤の量が少ないと、防汚剤の粘度が高くなりすぎ、(a)疎水性微粒子や(b)樹脂を製剤中で均一に分散あるいは溶解し難くなるほか、物品表面への均一な塗布が難しくなる等、使用性が悪くなる。

0024

また、本発明の防汚剤には、上記(a)〜(c)の各必須成分のほか、効果に影響のない範囲で、例えば、顔料顔料分散剤可塑剤増粘剤消泡剤造膜助剤防腐剤防カビ剤抗菌剤紫外線吸収剤等の各種成分を任意で適当量含有していてもよい。

0025

本発明の防汚剤は、上記(a)〜(c)の各必須成分と、必要に応じて上記各種任意成分とを撹拌混合して製造することができる。各成分の撹拌混合には、例えば、ボールミルサンドミルホモジナイザープロペラミキサーペイントシェーカー等、従来公知の混合機を用いてもよい。通常の場合、(b)樹脂を(c)有機溶剤中に撹拌溶解し、その後(a)疎水性微粒子およびその他任意成分を添加して撹拌混合すると、(a)疎水性微粒子等が均一に分散した組成物が得られやすい。あるいは、予め(b)樹脂を(c)有機溶剤中に溶解させた市販品の塗料用樹脂を用いてもよい。また、(b)樹脂として二液系のエポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤の溶液と、硬化剤を除く成分を撹拌混合した製剤とを個別に製造し、使用時にこれら二剤を混合して使用する。

0026

本発明の防汚剤を塗布する対象物品は、特に限定されるものではない。ただし、本発明の防汚剤は、特にモルタルやコンクリートといったセメント製品に対して、優れた付着防止性を発揮することができるため、例えば、セメント原料粉砕機分級機生コン車トラックミキサー)、コンクリートミキサー等のセメント製品の製造機械、バケットトレイ等の運搬容器、モルタルあるいはコンクリート建築用の合板型枠のほか、セメント製品を取り扱う建築現場で使用される壁材、床材等の建設材、ダンプトラッククレーン杭打機等の建設機械、ハンマードライバー等の建設工具といったセメント製品に関連した物品の表面に対して、本発明の防汚剤を特に効果的に使用することができる。

0027

本発明の防汚剤の物品表面への塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレーコートロールコート、フローコート、スピンコートディップコート静電塗装刷毛又はスポンジ塗装等が挙げられるが、対象物品の形状や大きさ等の条件に応じて、適切な塗布方法を適宜選択して行なえばよい。

0028

本発明の防汚剤の物品表面上への塗布量(塗膜乾燥又は焼き付け後単位面積当たりの付着量)は、特に限定されるものではないが、5〜1000mg/dm2の範囲に調整することが望ましく、特に望ましくは10〜100mg/dm2である。防汚剤の塗布量が前記範囲よりも少ないと、セメント製品の付着防止効果が得られない場合があり、一方で塗布量を前記範囲より多くしても、それ以上の防汚効果の向上が見られないため、経済性の点から望ましくないほか、厚く塗ることによって外観が悪くなる場合もある。

0029

また、本発明の防汚剤による塗膜形成後の物品表面において、(a)疎水性微粒子が塗膜被覆領域の投影面積の85〜99%、より好ましくは90〜95%の領域で、その微粒子表面を外部に露出した状態で固着とすることが望ましい。これは、防汚剤中の(a)疎水性微粒子と(b)樹脂との含有比率によって調整することが可能であり、(b)樹脂の含有比率が高すぎると、疎水性微粒子のほとんどが塗膜内部に存在することとなり、塗膜表面に十分な表面凹凸が形成されないため、防汚性を発揮することができない場合がある。他方、(a)疎水性微粒子が塗膜表面から露出しすぎていると、軽い摩耗によって微粒子が容易に剥落してしまうため、防汚性を保持できない。

0030

以下、実施例に基づいて本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。

0031

<試験例1(疎水性シリカ分散液)>
平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)5gをエタノール95g中に加えて撹拌混合し、試験例1とした。

0032

<試験例2(疎水性シリカ+シリコーン油)>
平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)5g、ポリジメチルシロキサン(SH−100:東レ・ダウコーニング株式会社製)0.25g、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド(オルガチックスTA−30:マツモトファインケミカル株式会社製)0.25gをエタノール94.5g中に加えて撹拌混合し、試験例2とした。

0033

<試験例3(疎水性シリカ+ポリエステル樹脂)>
平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)5.5gと飽和ポリエステル樹脂(UE3600:ユニチカ社製;分子量20,000)12.5gをトルエン/メチルエチルケトンの1:1混合溶媒80g中に加えて撹拌混合し、試験例3とした(疎水性シリカ有効濃度:60PHR)。

0034

<試験例4(疎水性シリカ+塩素化ポリオレフィン樹脂)>
平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)5.5gと塩素化ポリオレフィン樹脂(スーパークロンL−206:日本製紙社製;塩素化率32質量%)12.5gをトルエン/メチルエチルケトンの1:1混合溶媒80g中に加えて撹拌混合し、試験例4とした(疎水性シリカ有効濃度:60PHR)。

0035

<試験例5(疎水性シリカ+二液系常温硬化エポキシ樹脂)>
エポキシ樹脂溶液(エポマリンGX:関西ペイント社製;二液系エポキシ樹脂,溶媒:キシレン,トルエン等)の主剤を樹脂実分で約11gと平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)6gとを撹拌混合した。この混合物に同エポキシ樹脂の硬化剤(エポマリンGX:関西ペイント社製;アミンアダクト)約1gを添加混合し、試験例5とした(疎水性シリカ有効濃度:50PHR)。

0036

<試験例6(疎水性シリカ+二液系常温硬化エポキシ樹脂)>
エポキシ樹脂溶液(エポマリンJW:関西ペイント社製;二液系エポキシ樹脂,溶媒:キシレン,トルエン等)の主剤を樹脂実分で約11gと平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)6gを撹拌混合した。この混合物に同エポキシ樹脂の硬化剤(エポマリンJW:関西ペイント社製;ポリアミドアミン)約1gを添加混合し、試験例6とした(疎水性シリカ有効濃度:50PHR)。

0037

<試験例7(疎水性シリカ+一液系加熱硬化エポキシ樹脂)>
エポキシ樹脂溶液(57−K313M:関西ペイント社製;一液系エポキシウレア樹脂,硬化剤:ウレア樹脂,溶媒:石油ナフサ,キシレン,エチルベンゼン等)12gと平均粒径12nmの疎水化シリカ微粒子(アエロジルRY200:日本アエロジル社製)6gを撹拌混合し、試験例7とした(疎水性シリカ有効濃度:50PHR)。

0038

防汚剤塗膜の撥水効果及び耐久性
まず最初に、上記各試験例の防汚剤組成物による塗膜を形成し、塗膜表面の防汚効果(撥水性)を評価するため、水接触角及び水転落角の測定を行なった。また、塗膜表面に摩耗を加えた状態で、同様に水接触角及び水転落角の測定を行ない、各試験例による防汚塗膜の耐摩耗性について評価した。
評価基準は以下に示すとおりである。結果を表1に示す。

0039

[水接触角・水転落角]
各試験例の防汚剤組成物をアルミ基板表面上に塗布量10mg/dm2となるように塗布し、試験片を作成した。各試験片の塗膜表面に10μLの水滴滴下し、接触角計CA−DT(協和界面科学社製)を用いて、水接触角及び水転落角をそれぞれ測定した。

0040

[耐摩耗性]
前記試験と同様に各種防汚剤を塗布した各試験片の塗膜表面に対し、トライギア表面測定機TYPE:38(新東科学社製)を用いて、平面圧子に1cm×1cmのガーゼを取り付けて荷重10gにて所定回数往復試験を行なった。1回往復ごとの各試験片について接触角計CA−DT(協和界面科学社製)を用いて水接触角及び水転落角を測定し、水接触角150°以上、水転落角90°以下を保持することのできる往復回数を調べた。

0041

0042

上記表1に示すように、造膜剤として樹脂を含まない試験例1,2では、優れた撥水効果(水接触角及び水転落角)を示すものの、摩耗試験機において一往復したのみでその撥水性を失ってしまい、耐摩耗性がほとんどないことがわかった。これに対して、適当量の樹脂を添加して調製した試験例3〜7では、これを含まない試験例1,2と比べて耐摩耗性が改善されており、特にエポキシ樹脂を用いた試験例5〜7では、非常に優れた耐摩耗性を有する防汚剤が得られた。

0043

防汚剤塗膜のセメント製品に対する付着防止効果
つづいて、各試験例の塗膜のセメント製品に対する防汚効果について検討するため、塗膜をアルカリ溶液中に所定時間浸した状態でどれだけ撥水効果が維持できるかについて調べた。また、二種の方法で、塗膜表面にセメント製品を付着させた際の滑落性(セメントはじき性)について評価した。
評価基準は以下に示すとおりである。結果を表1に示す。

0044

[耐アルカリ性]
前記試験と同様に各種防汚剤を塗布した各試験片を、pH12.5のNaOH水溶液中に1分,3分,6分,10分間浸漬させた後、別途水中に晒して引き揚げ、塗膜上に水滴が残存しない状態を保持することのできる浸漬時間を調べた。

0045

[セメントはじき性(静止試験)]
前記試験と同様に各種防汚剤を塗布した各試験片の塗膜表面にセメントノロ(セメントに適当量水を混合したもの)20gを設置して1分放置した後、試験片を鉛直方向に90°まで傾けてセメントノロを滑落させた。この試験を繰り返し行ない、接地面の50%以上のセメントノロが試験片に張り付いたまま残存するまで続け、滑落可能な試験回数を調べた。
[セメントはじき性(落下試験)]
前記試験と同様に各種防汚剤を塗布した各試験片を鉛直方向に45°傾けた状態で、セメントノロ20gを試験片より10cmの高さから落下し、試験片表面上を滑落させた。この試験を繰り返し行ない、セメントノロが試験片表面に張り付いて滑落しなくなるまで続け、滑落可能な試験回数を調べた。

0046

0047

上記表2に示すように、ポリエステル樹脂を用いた試験例3の防汚剤は、耐アルカリ性が低く、一般的なコンクリートと同程度のpH12.5溶液に1分間浸漬するだけで撥水効果が失われてしまった。これに対して、塩素化ポリオレフィン樹脂や常温あるいは加熱硬化エポキシ樹脂を用いた試験例4〜7の防汚剤は、いずれも耐アルカリ性に優れていた。また、実際のセメント製品を用いて評価したセメントはじき性試験においても、塩素化ポリオレフィン樹脂またはエポキシ樹脂を用いた同試験例4〜7の防汚剤では、良好な結果が得られた。

0048

防汚剤中の疎水性シリカ含有量
本発明者らは、防汚剤中の疎水性微粒子の適切な含有量について検討するため、疎水性シリカと樹脂との含有比率を各種変化させた防汚剤を調整し、塗膜表面の防汚効果(水接触角及び転落角)について調べた。なお、防汚剤組成は上記試験例4(疎水性シリカ+塩素化ポリオレフィン樹脂)及び試験例7(疎水性シリカ+加熱硬化エポキシ樹脂)に準じ、それぞれの樹脂に対する疎水性シリカ添加量を変化させて各種防汚剤を調製し、その塗膜表面について上記試験と同様にして水接触角及び水転落角の測定を行なった。
結果を下記表3に示す。また、図1,3に疎水性シリカ含量の異なる各試験例の塗膜表面のSEM写真図、図2,4に同SEM写真図を白黒2値化して濃淡を明確にしたものを示す。

0049

0050

上記表3に示すように、十分な防汚効果を示すのに必要な疎水性シリカの含有量は、塩素化ポリオレフィンを用いた試験例4では60PHR以上、加熱硬化エポキシ樹脂を用いた試験例7では30PHR以上と、樹脂の種類によって異なる結果となった。また、上記表には示さなかったものの、いずれも樹脂の場合も、疎水性シリカ含量が200PHRを超えると、塗膜表面の疎水性シリカが剥落し易くなり、耐摩耗性が悪化していく傾向にあった。

0051

なお、図1,3からは、疎水性シリカの含有量が増加するにつれて塗膜表面上へと露出している微粒子の割合が多くなっていくことが確認できる。また、同図1,3を白黒2値化した図2,4によれば、白色部分は外部へ露出した疎水性シリカ微粒子の表面であると考えられるため、この白色面積の比率(投影面積全域に対する白色領域面積の割合)に基づいて、塗膜表面上へ露出した疎水性シリカ微粒子の割合をおおよそ確認することができる。ここで、上記表3より、十分な防汚効果を発揮し始める試験例4の疎水性シリカ60PHR、試験例7の疎水性シリカ30PHRに相当する各写真図の白色面積の比率を考慮すると、表面上へ露出した疎水性シリカの割合がおおよそ85%以上となると、塗膜表面において十分な防汚効果が発揮され始めると考えられる。

0052

物品表面上への防汚剤の塗布量
また、本発明者らは、本発明の防汚剤の有効な塗布量について検討するため、上記試験例の防汚剤組成物を用いて単位面積当たりの塗布量(塗膜乾燥又は焼き付け後の単位面積当たりの付着量)を各種変化させた試験片を作成し、それぞれの塗膜表面の防汚効果(水接触角及び転落角)について調べた。なお、防汚剤組成は上記試験例4(疎水性シリカ+塩素化ポリオレフィン樹脂)及び試験例7(疎水性シリカ+加熱硬化エポキシ樹脂)に準じ、その塗膜表面について上記試験と同様にして水接触角及び水転落角の測定を行なった。
結果を下記表4に示す。

0053

実施例

0054

上記表4に示すように、疎水性シリカ微粒子と塩素化ポリオレフィンあるいは加熱硬化エポキシ樹脂を含有する試験例4,7の防汚剤では、いずれも5〜1000mg/dm2の塗布量の範囲において、十分な防汚効果を示すことが確認された。なお、防汚効果の点からは、塗布量を10mg/dm2以上とすることが望ましく、他方、100mg/dm2よりも多く塗布しても、塗布量に応じた防汚効果の改善はほとんど見られないため、経済的観点からは100mg/dm2以下とすることが望ましい。

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