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課題

創傷治療するために使用できる方法、組成物及び装置の提供。より詳細には、創傷被覆材交換頻度を減らすことにより、慢性創傷患者ケアの必要性及びコストを低減させる止血組成物の提供。

解決手段

生体適合性ポリーβ−1→4−N−アセチルグルコサミン繊維を含むポリーβ−1→4−N−アセチルグルコサミン組成物であって、(i)大部分の繊維が約15μm未満の長さであり、かつ、(ii)該組成物が(a)MTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞代謝速度を増加させる、及び/又はトリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救わない、並びに、(b)筋肉内移植試験において試験されるときに非反応である、前記組成物。

概要

背景

(2.背景)
創傷治癒又は創傷修復は、真皮及び表皮組織再生する身体の自然なプロセスである。
創傷が発生した後、一連の複雑な生化学現象が緊密に組織化されたカスケードにおいて
起こり、創傷を治療する。これらの現象は時を違えず重複し、人工的に別々のステップ
分類できる:炎症段階、増殖段階、並びに成熟段階及びリモデリング段階。炎症段階に
おいて、細菌及び破片食菌されて除去され、増殖段階に関与する細胞の移動及び分裂
引き起こす因子を放出する。増殖段階は、血管新生内皮細胞からの新しい血管の形成)
線維増殖コラーゲン沈着肉芽組織形成上皮形成、及び創傷収縮によって特徴づけ
られる。成熟及びリモデリング段階において、コラーゲンは緊張線に沿ってリモデリング
及び再編成され、もはや必要でない細胞はアポトーシスにより除去される。

2種類の創傷、開放創及び閉鎖創がある。開放創は、創傷を引き起こした物体に従って
分類される。例えば、切開又は切創外科的創傷を含む)は、ナイフカミソリ又はガラ
ス破片などのきれいな、鋭利な物体によって生じる。裂傷は、硬組織の上にある軟組織
鈍い衝撃によって生じる不規則な創傷(例えば、頭蓋骨を覆っている皮膚の裂傷(lace
ration))であり、又は例えば出産によって生じる皮膚及び他の組織の裂傷(tearing)
である。擦過傷又は擦傷は、皮膚(表皮)の一番上の層がこすり取られる表在性創傷であ
る。刺創は、又は針などの皮膚を穿刺する物体によりもたらされる。貫通創傷は、身体
に入るナイフなどの物体によりもたらされる。銃創は、身体内に(例えば、刺入創)及び
/又は身体を通って(例えば、流出創)進む弾丸又は同様の発射体によりもたらされる。
医学的状況において、全ての刺創及び銃創は、大きな創傷と考えられる。開放創はまた、
熱傷化学創傷、又は電気創傷により誘発される熱傷創を含む。

閉鎖創は、挫傷(より一般的には打撲として知られ、皮膚の下の組織を損傷する鈍い力
外傷によりもたらされる)、血腫血液腫瘍とも呼ばれ、次々に血液を皮膚の下に集まら
せる血管への損傷によりもたらされる)、及び圧壊創傷(長い期間に渡って適用される大
量の又は極度量の力によりもたらされる)を含む。

慢性創傷は、整然とした及び時機を得た一連の現象を介して進行できなかった創傷であ
り、永続的な構造的、機能的及び表面的な閉鎖を生じる。多くの慢性創傷は、皮膚創傷
潰瘍であり、糖尿病静脈うっ血動脈不全又は圧力などの要因によりもたらされる。
特定の皮膚創傷は熱傷創であり、熱傷、化学創傷、又は電気創傷により誘導される。慢性
創傷は、著しい苦痛出所である。治療しないままである場合、創傷は、生命脅かす
態を生じさせ、回復速度を低減させ、又は他の健康状態を悪化させることがあり得る。集
中的かつ有効な治療は、皮膚の完全性回復するのを助けることができ、好ましくない健
康問題を回避できる。これらの創傷は異なる原因によって負わされるが、創傷治癒プロセ
ス及び創傷治療戦略は多くの点において類似する。

褥瘡は、著しく生活の質を低減させ、一般的予後に負の影響を及ぼし得る圧力潰瘍の一
種である。褥瘡は、軟組織が長期間、骨隆起と固い表面との間に圧迫されるときに発現
る皮膚創傷の限局部分である。褥瘡は、通常、身体位を変えることなく長期間横たわって
いるか又は座っていることから発現する。寝たきりの者について、褥瘡は、寛骨、及
び下背若しくは尾骨に、又はその周辺で最も形成されるであろう。圧力潰瘍は、患者の体
位によって、脊椎足関節肩及び頭部を含む、様々な他の領域において発現すること
もあり得る。治療されないままである場合、褥瘡は、炎症、細菌感染及び他の重篤事態
を伴って上皮組織崩壊の段階に悪化し得る。感染に対する身体の反応はしばしば、発熱
悪寒精神状態の変化、頻脈、及び呼吸数を生じる。

相互作用的一時被覆材を含む一時被覆材は、最終的な閉鎖が達成できるまで支持治療を
提供することを意図する。一時被覆材は、ヒトの皮膚によく似た障壁として機能すると思
われる。利用できる創傷被覆材はある程度有効であるが、高頻度被覆材交換、創傷乾燥
又は被覆材付着、高い治療費用異物反応の発現、及び特に高齢患者における改善の低い
割合などの重大な欠点を有する。異物反応は、創傷部位での滲出液蓄積、該領域を創傷
清拭する炎症細胞浸潤、及び肉芽組織の形成を含む創傷治癒として始まる。しかしなが
ら、異物持続的な存在は、完全な治癒阻害し得る。創傷治癒において起こる再吸収
再構成よりむしろ、異物反応は、異物巨細胞の形成、異物のカプセル化、及び慢性的
症により特徴づけられる。カプセル化とは、通常は異物周辺で堆積する堅い無血管コラ
ゲンシェルをいい、宿主組織から異物を効果的に分離する。この反応は、保護対策として
発達してきた。異物反応は、慢性的な痛みにつながり得る。

創傷のサイズ及びタイプに応じて、慢性創傷の治癒時間は、数週から1年にわたり得る
。創傷治療は、多くの直接的及び間接費用を必要とする。創傷管理における国際委員会
(International Committee on Wound Managemen)(ICWM)によると、創傷被覆材は、直
接的な総治療費の10パーセント〜15パーセントのみを占める(International Committee
on Wound Management, 1994, Wounds6(3):94-100)。対照的に、総費用のかなりのパー
センテージは、ケア提供者給料及びスタッフ費用に起因する(International Committee
on Wound Management, 1994, Wounds 6(3):94-100)。

異物反応を誘発しないか又は従来の創傷被覆材より低い速度で異物反応を誘発する創傷
被覆材用の技術の必要性がある。そのような創傷被覆材は、低頻度での交換に必要とされ
、かつ閉鎖への治癒時間を短縮し、それゆえ患者のためのより有効な治療法及びケアコス
トの減縮へと言い換えることができる。

概要

創傷を治療するために使用できる方法、組成物及び装置の提供。より詳細には、創傷被覆材交換の頻度を減らすことにより、慢性創傷患者のケアの必要性及びコストを低減させる止血組成物の提供。生体適合性ポリーβ−1→4−N−アセチルグルコサミン繊維を含むポリーβ−1→4−N−アセチルグルコサミン組成物であって、(i)大部分の繊維が約15μm未満の長さであり、かつ、(ii)該組成物が(a)MTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞代謝速度を増加させる、及び/又はトリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救わない、並びに、(b)筋肉内移植試験において試験されるときに非反応である、前記組成物。

目的

相互作用的一時被覆材を含む一時被覆材は、最終的な閉鎖が達成できるまで支持治療を
提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生体適合性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維を含むポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン組成物であって、(i)大部分の繊維が約1 5μm未満の長さであり、かつ(ii)該組成物が(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞代謝速度を増加させる、及び/又はトリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救わない、並びに(b)筋肉内移植試験において試験されるときに非反応性である、前記組成物。

請求項2

前記組成物が、MTTアッセイにおいて血清飢餓されたヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝速度を増加させ、かつトリパンブルー排除試験において血清飢餓されたヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救わない、請求項1記載の組成物。

請求項3

前記大部分の繊維が、約1〜2μmの厚さ又は直径を有する、請求項1記載の組成物。

請求項4

前記繊維の少なくとも50%が、約4μmの長さである、請求項1記載の組成物。

請求項5

ヒト対象創傷治療する方法であって:(a)被覆材をその必要のあるヒト対象の創傷に局所適用することを含み、該被覆材が請求項1記載の組成物であり、それにより前記ヒト対象の創傷を治療する、前記方法。

請求項6

(b)5〜35日毎に前記適用を繰り返すことをさらに含む、請求項5記載の方法。

請求項7

前記創傷が慢性創傷である、請求項5又は6記載の方法。

請求項8

前記慢性創傷が、糖尿病潰瘍静脈うっ血性潰瘍動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍である請求項7記載の方法。

請求項9

前記慢性創傷が静脈うっ血性潰瘍である、請求項8記載の方法。

請求項10

前記創傷が、外科的創傷又は熱傷創である、請求項5又は6記載の方法。

請求項11

ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン組成物を生産する方法であって、前記方法が、生体適合性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維を照射することを含み、そのようにして(i)大部分の照射を受けた前記繊維が約15μm未満であり、かつ(ii)該組成物が(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝速度を増加させる、及び/又はトリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救わない、並びに(b)筋肉内移植試験において試験されるときに非反応性であって、それによりポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン組成物を生産する、前記方法。

請求項12

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維が乾燥繊維として照射を受ける、請求項11記載の方法。

請求項13

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維が、500〜2,000kgyでのガンマ照射による照射を受ける、請求項12記載の方法。

請求項14

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維が湿繊維として照射を受ける、請求項11記載の方法。

請求項15

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維が、100〜500kgyでのガンマ照射による照射を受ける、請求項14記載の方法。

請求項16

ヒト対象の創傷を治療する方法であって:(a)被覆材をその必要のあるヒト対象の創傷に局所適用することであって、該被覆材が生体適合性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含むこと、及び、(b)前記適用を5〜35日毎に繰り返すこと、を含み、これにより前記ヒト対象の創傷を治療し、該ヒト対象が、糖尿病患者喫煙者血友病患者HIV感染者、肥満者、放射線治療を受けている者、又は静脈うっ血性潰瘍を有する者である、前記方法。

請求項17

前記ヒト対象が静脈うっ血性潰瘍を有する者である、請求項16記載の方法。

請求項18

前記創傷が慢性創傷である、請求項16記載の方法。

請求項19

前記慢性創傷が、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍である、請求項18記載の方法。

請求項20

前記慢性創傷が静脈うっ血性潰瘍である、請求項19記載の方法。

請求項21

前記創傷が、外科的創傷又は熱傷創である、請求項16記載の方法。

請求項22

前記工程(a)の被覆材が、工程(b)の前に除去される、請求項16記載の方法。

請求項23

前記工程(b)の被覆材が、工程(b)の前に除去されない、請求項16記載の方法。

請求項24

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、微細藻類のポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンである、請求項16記載の方法。

請求項25

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、甲殻類のポリβ-1→4-N-アセチルグルコサミンでない、請求項16記載の方法。

請求項26

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが繊維を含み、該ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが照射を受けて繊維の長さが減少している、請求項16記載の方法。

請求項27

前記被覆材の少なくとも75%が、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンから構成される、請求項16記載の方法。

請求項28

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、脱アセチル化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含む、請求項16記載の方法。

請求項29

前記脱アセチル化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、20〜70%脱アセチル化されている、請求項28記載の方法。

請求項30

ヒト対象の慢性創傷を治療する方法であって:(a)被覆材をその必要のあるヒト対象の創傷に局所適用することであって、該被覆材が生体適合性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含むこと、及び、(b)前記適用を5〜35日毎に繰り返すこと、を含み、これにより前記ヒト対象の慢性創傷を治療し、該慢性創傷が、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍である、前記方法。

請求項31

前記慢性創傷が静脈うっ血性潰瘍である、請求項30記載の方法。

請求項32

前記工程(a)の被覆材が工程(b)の前に除去される、請求項30記載の方法。

請求項33

前記工程(b)の被覆材が工程(b)の前に除去されない、請求項30記載の方法。

請求項34

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、微細藻類のポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンである、請求項30記載の方法。

請求項35

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、甲殻類のポリβ-1→4-N-アセチルグルコサミンでない、請求項30記載の方法。

請求項36

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが繊維を含み、該ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが照射を受けて繊維の長さが減少している、請求項30記載の方法。

請求項37

前記被覆材の少なくとも75%が、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンから構成されている、請求項30記載の方法。

請求項38

前記ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、脱アセチル化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含む、請求項30記載の方法。

請求項39

前記脱アセチル化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンが、20〜70%脱アセチル化されている、請求項38記載の方法。

技術分野

0001

(1.分野)
本出願は全般的に、増加した速度で又は減少した期間で止血を達成するために使用でき
る方法、組成物及び装置を含む、止血の分野に関する。より詳細には、本出願は、創傷
び創傷処置のための治療法に適用できる止血組成物を記載する。止血組成物は、ポリβ-1
→4-N-アセチルグルコサミン被覆材などの、1以上の生体適合性ポリマー又は繊維を含み
得る。任意に、ポリβ-1→4-N-アセチルグルコサミン被覆材は、減少した分子量及び長さ
照射を受けたポリβ-1→4-N-アセチルグルコサミンを含む。

背景技術

0002

(2.背景)
創傷治癒又は創傷修復は、真皮及び表皮組織再生する身体の自然なプロセスである。
創傷が発生した後、一連の複雑な生化学現象が緊密に組織化されたカスケードにおいて
起こり、創傷を治療する。これらの現象は時を違えず重複し、人工的に別々のステップ
分類できる:炎症段階、増殖段階、並びに成熟段階及びリモデリング段階。炎症段階に
おいて、細菌及び破片食菌されて除去され、増殖段階に関与する細胞の移動及び分裂
引き起こす因子を放出する。増殖段階は、血管新生内皮細胞からの新しい血管の形成)
線維増殖コラーゲン沈着肉芽組織形成上皮形成、及び創傷収縮によって特徴づけ
られる。成熟及びリモデリング段階において、コラーゲンは緊張線に沿ってリモデリング
及び再編成され、もはや必要でない細胞はアポトーシスにより除去される。

0003

2種類の創傷、開放創及び閉鎖創がある。開放創は、創傷を引き起こした物体に従って
分類される。例えば、切開又は切創外科的創傷を含む)は、ナイフカミソリ又はガラ
ス破片などのきれいな、鋭利な物体によって生じる。裂傷は、硬組織の上にある軟組織
鈍い衝撃によって生じる不規則な創傷(例えば、頭蓋骨を覆っている皮膚の裂傷(lace
ration))であり、又は例えば出産によって生じる皮膚及び他の組織の裂傷(tearing)
である。擦過傷又は擦傷は、皮膚(表皮)の一番上の層がこすり取られる表在性創傷であ
る。刺創は、又は針などの皮膚を穿刺する物体によりもたらされる。貫通創傷は、身体
に入るナイフなどの物体によりもたらされる。銃創は、身体内に(例えば、刺入創)及び
/又は身体を通って(例えば、流出創)進む弾丸又は同様の発射体によりもたらされる。
医学的状況において、全ての刺創及び銃創は、大きな創傷と考えられる。開放創はまた、
熱傷化学創傷、又は電気創傷により誘発される熱傷創を含む。

0004

閉鎖創は、挫傷(より一般的には打撲として知られ、皮膚の下の組織を損傷する鈍い力
外傷によりもたらされる)、血腫血液腫瘍とも呼ばれ、次々に血液を皮膚の下に集まら
せる血管への損傷によりもたらされる)、及び圧壊創傷(長い期間に渡って適用される大
量の又は極度量の力によりもたらされる)を含む。

0005

慢性創傷は、整然とした及び時機を得た一連の現象を介して進行できなかった創傷であ
り、永続的な構造的、機能的及び表面的な閉鎖を生じる。多くの慢性創傷は、皮膚創傷
潰瘍であり、糖尿病静脈うっ血動脈不全又は圧力などの要因によりもたらされる。
特定の皮膚創傷は熱傷創であり、熱傷、化学創傷、又は電気創傷により誘導される。慢性
創傷は、著しい苦痛出所である。治療しないままである場合、創傷は、生命脅かす
態を生じさせ、回復速度を低減させ、又は他の健康状態を悪化させることがあり得る。集
中的かつ有効な治療は、皮膚の完全性回復するのを助けることができ、好ましくない健
康問題を回避できる。これらの創傷は異なる原因によって負わされるが、創傷治癒プロセ
ス及び創傷治療戦略は多くの点において類似する。

0006

褥瘡は、著しく生活の質を低減させ、一般的予後に負の影響を及ぼし得る圧力潰瘍の一
種である。褥瘡は、軟組織が長期間、骨隆起と固い表面との間に圧迫されるときに発現
る皮膚創傷の限局部分である。褥瘡は、通常、身体位を変えることなく長期間横たわって
いるか又は座っていることから発現する。寝たきりの者について、褥瘡は、寛骨、及
び下背若しくは尾骨に、又はその周辺で最も形成されるであろう。圧力潰瘍は、患者の体
位によって、脊椎足関節肩及び頭部を含む、様々な他の領域において発現すること
もあり得る。治療されないままである場合、褥瘡は、炎症、細菌感染及び他の重篤事態
を伴って上皮組織崩壊の段階に悪化し得る。感染に対する身体の反応はしばしば、発熱
悪寒精神状態の変化、頻脈、及び呼吸数を生じる。

0007

相互作用的一時被覆材を含む一時被覆材は、最終的な閉鎖が達成できるまで支持治療を
提供することを意図する。一時被覆材は、ヒトの皮膚によく似た障壁として機能すると思
われる。利用できる創傷被覆材はある程度有効であるが、高頻度被覆材交換、創傷乾燥
又は被覆材付着、高い治療費用異物反応の発現、及び特に高齢患者における改善の低い
割合などの重大な欠点を有する。異物反応は、創傷部位での滲出液蓄積、該領域を創傷
清拭する炎症細胞浸潤、及び肉芽組織の形成を含む創傷治癒として始まる。しかしなが
ら、異物持続的な存在は、完全な治癒阻害し得る。創傷治癒において起こる再吸収
再構成よりむしろ、異物反応は、異物巨細胞の形成、異物のカプセル化、及び慢性的
症により特徴づけられる。カプセル化とは、通常は異物周辺で堆積する堅い無血管コラ
ゲンシェルをいい、宿主組織から異物を効果的に分離する。この反応は、保護対策として
発達してきた。異物反応は、慢性的な痛みにつながり得る。

0008

創傷のサイズ及びタイプに応じて、慢性創傷の治癒時間は、数週から1年にわたり得る
。創傷治療は、多くの直接的及び間接費用を必要とする。創傷管理における国際委員会
(International Committee on Wound Managemen)(ICWM)によると、創傷被覆材は、直
接的な総治療費の10パーセント〜15パーセントのみを占める(International Committee
on Wound Management, 1994, Wounds6(3):94-100)。対照的に、総費用のかなりのパー
センテージは、ケア提供者給料及びスタッフ費用に起因する(International Committee
on Wound Management, 1994, Wounds 6(3):94-100)。

0009

異物反応を誘発しないか又は従来の創傷被覆材より低い速度で異物反応を誘発する創傷
被覆材用の技術の必要性がある。そのような創傷被覆材は、低頻度での交換に必要とされ
、かつ閉鎖への治癒時間を短縮し、それゆえ患者のためのより有効な治療法及びケアコス
トの減縮へと言い換えることができる。

0010

(3.要旨)
本出願は、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン(「pGlcNAc」又は「NAG」)を糖尿
マウスモデルの創傷に投与する場合に、創傷治癒が向上し、かつ創傷被覆材交換の必要
性が低減することの発明者の発見に一部基づく。これらの研究は、pGlcNAcが、現在使用
中である他の創傷被覆材で要求される頻繁な創傷被覆材交換を必要としない創傷用創傷被
覆材として有利に使うことができることを示す。pGlcNAcに類似的特徴を有する他のポリ
マー又は繊維も、本明細書中に記載されている方法に従って使用できる。

0011

pGlcNAc創傷被覆材交換の必要性の減少とともにpGlcNAcの改良された創傷治癒特性は、
pGlcNAcがその分子量及び長さを減少させるために照射を受けるときに特に言明される。
発明者は、照射が、繊維のミクロ構造撹乱することなくpGlcNAcの分子量及び長さを減
少させ、そのようにして照射を受けたpGlcNAcの赤外スペクトルは、非照射pGlcNAcの赤外
スペクトルと実質的に類似又は等しいことを発見した。

0012

この分子量の減少したpGlcNAcは、本明細書において「sNAG」(短いN-アセチルグルコ
サミンについて)といい、創傷治癒を促進する際の活性の向上、及び治療された動物にお
ける検出可能な異物反応がないことを示す。したがって、このポリマー又は繊維は、より
大きな有効性での創傷治療及びコスト削減に特に有用である。

0013

したがって、本明細書に記載するのは、患者、好ましくはヒト対象の創傷を治療する方
法であって、前記方法は、被覆材を該患者の創傷に局所適用することを含み、これにより
該患者の創傷を治療する。好ましくは、適用は、3〜35日毎に繰り返される(現在クリ
ックにおいて使用される方法を超える顕著な改善において、適用は2日毎に繰り返される
)。下記の第5.2節に記載するように、被覆材素材は、好ましくはポリマー又は繊維であ
る。好ましくは、下記の第5.3節に記載するように、ポリマー又は繊維は、それらの効力
を高めるために照射を受ける。好ましくは、被覆材は、下記の第5.2.1節に記載するよう
に、生体適合性及び/又は免疫中性のポリβ-1→4-N-アセチルグルコサミン又はその誘導
体の被覆材である。創傷被覆材交換又は再適用の選択的頻度は、下記の第5.4節に記載さ
れている。

0014

本明細書に記載されているのは、生体適合性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊
維を含むポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン組成物であって、(i)該大部分の繊維が
約15μm未満の長さであり、かつ、(ii)該組成物が(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓
ヒト臍帯静脈内皮細胞代謝速度を増加させ、及び/又はトリパンブルー排除試験におい
て血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救助せず、並びに(b)筋肉内移植
験において試験されるときに非反応性である。ある種の実施態様において、組成物は、MT
Tアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝速度を増加させ、かつトリパン
ブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救助しない。一
実施態様において、大部分の繊維は、約1〜2μmの厚み又は直径を有する。一実施例にお
いて、少なくとも50%の繊維は、約4μmの長さである。

0015

また、本明細書に記載するのはヒト対象の創傷を治療する方法であって:(a)被覆材
をその必要のあるヒト対象の創傷に局所適用することを含み、該被覆材は、生体適合性ポ
リ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維を含むポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン
組成物を含み、それによって前記ヒト対象の創傷を治療する。ある種の実施態様において
、大部分の繊維は約15μm未満の長さであり、かつ、該組成物は(a)MTTアッセイにおい
て血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝速度を増加させ、及び/又はトリパンブルー排除
試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救助せず、並びに(b)筋
肉内移植試験において試験されるときに非反応性である。特定の他の実施態様において、
方法はさらに(b)前記適用を5〜35日毎に繰り返すことを含む。一実施態様において、創
傷は、慢性創傷である。一実施態様において、慢性創傷は、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰
瘍、動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍である。一実施態様において、慢性創傷は、静脈うっ血
性潰瘍である。別の実施態様において、創傷は、外科的創傷又は熱傷創である。

0016

さらに、本明細書に記載するのは、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン組成物を生
産する方法であって、前記方法は生体適合性ポリ-β-1-4-N-アセチルグルコサミン繊維
を照射することを含み、そのようにして(i)該大部分の照射を受けた繊維は約15μm未満
の長さであり、かつ、(ii)該組成物は(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈
内皮細胞の代謝速度を増加させ、及び/又はトリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒ
臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救助せず、並びに(b)筋肉内移植試験において試
験されるときに非反応性であり、それによってポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン組
成物生産する。特定の実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維
は、乾燥繊維として照射を受ける。一実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグル
コサミン繊維は、500〜2,000kgyでのガンマ照射による照射を受ける。特定の他の実施態
様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維は、湿繊維として照射を受ける
。一実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン繊維は、100〜500kgyで
のガンマ照射による照射を受ける。

0017

さらに、本明細書に記載するのは、ヒト対象の創傷を治療する方法であって:(a)被
覆材をその必要のあるヒト対象の創傷に局所適用することであって、該被覆材が生体適合
性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含むこと、及び(b)前記適用を5〜35日毎に
繰り返すこと、を含み、これにより前記ヒト対象の創傷を治療し、該ヒト対象が、糖尿病
患者、喫煙者血友病患者HIV感染者、肥満者、放射線治療を受けている者、又は静脈
うっ血性潰瘍を有する者である、前記方法である。ある種の実施態様において、ヒト対象
は、静脈うっ血性潰瘍を有する者である。一実施態様において、創傷は、慢性創傷である
。ある種の実施態様において、慢性創傷は、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰
瘍、又は圧力潰瘍である。一実施態様において、慢性創傷は、静脈うっ血性潰瘍である。
他の実施態様において、創傷は、外科的創傷又は熱傷創である。

0018

さらに、本明細書に記載するのは、ヒト対象の慢性創傷を治療する方法であって:(a
)被覆材をその必要のあるヒト対象における慢性創傷に局所適用することであって、該被
覆材が生体適合性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含むこと、及び(b)前記適用
を5〜35日毎に繰り返すこと、を含み、これにより前記ヒト対象の慢性創傷を治療し、該
慢性創傷が、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍である、前記
方法である。ある種の実施態様において、慢性創傷は、静脈うっ血性潰瘍である。

0019

ある種の実施態様において、工程(a)の被覆材は、工程(b)の前に除去される。特定
の他の実施態様において、工程(b)の被覆材は、工程(b)の前に除去されない。

0020

ある種の実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンは、微細藻類のポ
リ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンである。特定の実施態様において、ポリ-β-1→4-N
-アセチルグルコサミンは、甲殻類のポリβ-1→4-N-アセチルグルコサミンでない。

0021

ある種の実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンは繊維を含み、該
ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンは該繊維の長さを減少させるために照射を受けて
いる。

0022

ある種の実施態様において、少なくとも75%の被覆材は、ポリ-β-1→4-N-アセチルグル
コサミンからなる。

0023

ある種の実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンは、脱アセチル化
されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを含む。一実施態様において、脱アセチル
化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンは、20〜70%が脱アセチル化されている

図面の簡単な説明

0024

(4.図面の簡単な説明)
pGlcNAc治療された創傷及び無処置の創傷の創傷閉鎖分析標準化された写真は、追跡調査の間、創傷の日(0日目)及び週2回撮った。創傷収縮(C)、再上皮化(E)及び開放創(O)は、元の創傷域のパーセンテージとして検討した。

0025

pGlcNAcは、より速い創傷閉鎖を誘導した。(A)1時間のpGlcNAcパッチの適用は、擦傷表面のより速い減少を誘導した。(B)1時間の群は、NT群より急速に90%の創傷閉鎖に達した。(C)パッチ適用1時間後、再上皮化は強化された。(D)1時間の群は、14日目に再上皮化の強化を示した。(E)24時間のパッチの適用は、無処置の創傷と比較した場合、創傷収縮を減少させた。平均値及び標準偏差が示される。*p<0.01。

0026

創傷観察病期分類ステム。(A)Ki-67染色:1時間の群は、他の群と比較して10日目に細胞増殖の強化を示した。 (B) PECAM-1染色:1時間の群は、他の基と比較して10日目に強化された血管新生を示した。(C)プロットは、2つの免疫組織化学的標識の定量化組合せ、研究群間差異視覚的に示す。1時間の群は、24時間の群及びNT群の両方と劇的に異なった。平均値及び標準偏差が示される。*p<0.01。

0027

pGlcNAc繊維の化学的及び物理的構造における照射の効果。(A)pGlcNAcの分子量と照射レベルとの間の相関。(B)非照射pGlcNAcスラリー(頂線)の赤外(IR)スペクトル、100kGy底線)で照射を受けたpGlcNAcスラリー、及び200kGy(中間線)で照射を受けたpGlcNAcスラリー。(C)pGlcNAcの走査電子顕微鏡(SEM)分析。(D)sNAGの走査電子顕微鏡(SEM)分析。

0028

sNAG(照射を受けたpGlcNAc、第5.3節及び第6.2.1節を参照されたい)膜処置した創傷及び無処置のコントロール創傷の創傷閉鎖分析。標準化された写真は、0、4、7、10、14、17、21、25、及び28日目に撮った。創傷収縮(C)、再上皮化(E)、及び開放創(O)は、元の創傷域のパーセンテージとして検討した。

0029

0日目(図6)、4日目(図7)、10日目(図8)、17日目(図9)、及び28日目(図10)におけるsNAG膜処置したマウスの創傷及び無処置のコントロールマウスの創傷の肉眼写真。

0030

sNAGは、より速い創傷閉鎖を誘導した。sNAG膜の適用は、擦傷表面のより速い減少を誘導した(図11)。sNAG膜処置マウスは、無処置のコントロールマウスより、50%(図12)及び90%(図13)早く創傷閉鎖に達した。sNAG膜処置マウスは、4、7及び10日目に再上皮化の強化を示した(図14)。sNAG膜処置マウスは、14及び17日目に、より大きな創傷収縮を示した(図15)。

0031

sNAG膜処置マウス(図17)及び無処置のコントロールマウス(図16)における創傷端組織学

0032

Ki-67染色:sNAG膜処置マウスは、無処置のコントロールマウスと比較して10日目に細胞増殖の強化を示した。

0033

PECAM-1染色:sNAG膜処置マウスは、無処置のコントロールマウスと比較して10日目に血管新生の強化を示した。

0034

10日目で測定されたsNAG膜処置マウス及び無処置のコントロールマウスについての創傷再上皮化の程度。

0035

10日目で測定されたsNAG膜処置マウス及び無処置のコントロールマウスについての肉芽組織形成の程度。

0036

10日目における無処置コントロール対sNAG膜処置した創傷の組織学的分析。sNAG膜処置したマウスにおいて異物反応がないことに留意されたい。

0037

10日目における無処置コントロール対sNAG膜処置した創傷のコラーゲン染色。異物カプセル化は、sNAG膜処置マウスにおいて観察できない。

0038

pGlcNAcは、ヒト臍帯静脈内皮細胞(EC)を血清欠乏により誘導される細胞死から保護した。各時間(すなわち、24、48及び72時間)について、5本の棒(左から右に)の各々のアイデンティティは、以下の通りである:血清飢餓(SS)、VEGF、並びに50、100及び250μg/mlのpGlcNAc(NAG)。

0039

pGlcNAcは、代謝速度に影響しなかった。各時間(すなわち、24及び48時間)について、4本の棒(左から右に)の各々のアイデンティティは、以下の通りである:血清飢餓(SS)、VEGF、及び50及び100μg/mlのpGlcNAc(NAG)。

0040

pGlcNAcは、細胞移動を増加させた。

0041

pGlcNAcは、フィブロネクチンの方へ遊走の増加を引き起こした。5本の棒(左から右に)の各々のアイデンティティは、以下の通りである:血清飢餓(SS)、VEGF、50及び100 250μg/mlのpGlcNAc(NAG)、並びにNAG/VEGF。

0042

pGlcNAcは、コード形成を増加させた。

0043

細胞運動性に関与するpGlcNAc誘導性エフェクタ(A)pGlcNAc治療は、Ets1、メタロチオネイン2A(MT)、Akt3及びEdg3の発現を刺激した。(B)リアルタイムPCRは、Ets1がpGlcNAc治療によってほぼ2倍誘導されたことを証明する。(C)メッセージにおけるEts1増加は、ウエスタンブロット解析に示すようにより高いタンパク質発現を伴った。

0044

pGlcNAcのホスホ-MAPKの誘導はVEGFR2依存的であった(A)pGlcNAc治療は、MAPKのリン酸化の著しい増加を生じた。(B)pGlcNAcのリン光体-MAPKの誘導はVEGFR2に依存的であった。

0045

pGlcNAcは、VEGFR2を活性化させなかった。

0046

pGlcNAc誘導性の遊走は、Ets1依存的であった。(A)ECにおけるEts1活性の阻害は、pGlcNAcに応答してEC遊走の著しい減少を生じた。(B) Ets1タンパク質発現は、当該量のdn-Ets構築物で減少した。(C)Ets1に対して向けられた2つの量のプラスミド含有RNAiをトランスフェクトしたECにおけるEts1の結果的発現レベル

0047

pGlcNAc誘導性の細胞運動には、インテグリンを必要とした。(A)遊走アッセイにおいて、αVβ3又はα5β1(CD49e)インテグリンに指示された抗体をフィブロネクチン(αVβ3受容体)に対して使用した場合の結果。(B)ビトロネクチン被覆されたトランスウェルにおいてαVβ3又はα5β1(CD49e)に対して指示された抗体を使用する(A)と同様の実験

0048

インテグリン係合を介するpGlcNAc誘導性の細胞運動性及びFAKの活性化。

0049

pGlcNAcは、創傷治癒モデルにおいて血管形成をもたらすインテグリン→Ets1経路を活性化できる。(A)α5β1インテグリンの抗体遮断は、pGlcNAc誘導性Ets1発現の減少を結果的に生じる。(B)α5β1インテグリンの遮断を使用するEts1発現のこの阻害は、タンパク質レベル集約される。

0050

pGlcNAcは、VEGF及びIL-1の発現を誘導した。(A)pGlcNAcは、VEGF及びIL-1両方の発現を増加させた。(B)その阻害剤をもつECでの治療は、VEGFによるEts1の誘導を妨害したが、pGlcNAcによるEts1の誘導に効果を有しなかった。

0051

sNAGは、FGF1、FGFR3、スタビリン、IFNg、コラーゲンA18及びCXCL9の発現を誘導した。

0052

sNAGは、細胞移動を増加させた。4本の棒(左から右に)の各々についてのアイデンティティは、以下の通りである:血清飢餓(SS)、並びに50及び100μg/mlのsNAG。

0053

sNAGは、代謝速度の著しい増加を誘導した。5本の棒(左から右に)の各々についてのアイデンティティは、以下の通りである:血清飢餓(SS)、VEGF、並びに50、100及び200μg/mlのsNAG。

0054

sNAGは、ECを血清欠乏により誘導される細胞死から保護しなかった。各時間(すなわち、24及び48時間)について、5本の棒(左から右に)の各々についてのアイデンティティは、以下の通りである:血清飢餓(SS)、VEGF、並びに50、100及び200μg/mlのsNAG。

0055

sNAGは、VEGF及びIL-1の発現を誘導した。

0056

(5.詳細な説明)
以下の第6.1節及び第6.2節は、創傷治癒が障害されている糖尿病マウスモデルにおける
創傷に対するpGlcNAc、特にsNAGの適用が、創傷閉鎖、創傷再上皮化及び創傷収縮のため
の時間を著しく短縮することを明示する。再上皮化及び肉芽組織も、sNAG膜処置マウスに
ついて時間短縮が強化された。sNAG膜の適用も、無処置コントロールにおける85%と比較
し、28日目において治療を受けた全ての動物の創傷閉鎖を生じた。免疫組織学データは、
sNAG膜処置マウスにおける細胞増殖の増加、及び新しい血管(血管新生)の出現整合
る。異物反応は、sNAG膜で治療した全ての動物における研究全体にわたって観察されなか
った。

0057

これらの知見は、pGlcNAc及びsNAG膜が、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰
瘍及び圧力潰瘍を含む慢性創傷の治療における臨床用途を有することを示唆する。pGlcNA
c及びsNAG膜も、外科的創傷及び熱傷創を含むがこれらに限定されない他の開放創の治療
における臨床的実用性を有する。

0058

(5.1 本方法及び組成物による治療のための創傷)
本明細書に記載されている方法及び組成物は、切開創(すなわち、切開又は切創)、裂
傷、擦過、穿刺、貫通、弾丸、熱傷、その他によってもたらされる開放創などの創傷を治
療するのに有用である。本明細書に記載されている方法及び組成物は、慢性創傷、又は通
常では治癒できない患者、又は他のヒト対象と同様に整然とした若しくは時機を得た様式
で治癒できない患者を治療するのに有用である。

0059

慢性創傷は、永続的な構造的、機能的及び表面的な閉鎖をもたらす、整然とした及び時
機を得た一連の現象を介して進むことのできなくなった創傷である。慢性創傷は、適切に
治癒できない全ての創傷であり得、外科的創傷(例えば、皮膚移植供与部位)、皮膚潰瘍
(例えば、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍)、又は熱傷創
を含む。

0060

治療されている慢性創傷のタイプ(例えば、糖尿病性、静脈うっ血性、動脈不全性、及
び圧力性)の同定は、通常、患者の病歴を考慮して、及び身体検査を実行することにより
決定できる。診断を確認するための客観的手段には、脈管不全を認定及び定量化するドッ
プラー超音波検査法動脈性又は静脈性深部、表面、又は混合);経皮性酸素分圧(tc
pO2)測定;足関節/上腕指数感覚神経病を定量化するフィラメントテスト真正糖尿病
臨床検査標識の測定;潰瘍生検組織病理学;を含み得る。加えて、潰瘍の段階を分類
するために用いる基準が広く受け入れられている(例えば、褥瘡についての国立褥瘡審議
会(NPUAP):NPUAP分類、足潰瘍についてのワグナー分類)。そのような方法は、熟練
た当業者によって日常的に実施される。

0061

通常では治癒できない患者、又は他のヒト対象のような整然とした若しくは時機を得た
様式で治癒できない患者の同定は、例えば、患者の病歴を考慮して、及び身体検査を実行
することにより日常的に決定できる。そのような決定は、熟練した当業者により日常的に
なされる。

0062

(5.2止血組成物材料)
止血組成物は、創傷被覆材に好ましく配合される。創傷被覆材は、任意の適切な天然
しくは合成ポリマー又は繊維から製造できる。被覆材が本明細書に記載される方法及び組
成物を実施するために調製できる適切なポリマー又は繊維の例には、セルロースポリマー
キサンタンポリアラミドポリアミドポリイミド、ポリアミド/イミド、ポリアミ
ドヒドラジド、ポリヒドラジドポリイミダゾールポリベンゾオキサゾール、ポリエス
テル/アミドポリエステル/イミド、ポリカーボネート/アミド、ポリカーボネート/イミ
ド、ポリスルホン/アミド、ポリスルホンイミド、など、コポリマー及びそれらの混合物
を含む。ポリマー又は繊維の他の適切な種類は、ポリビニリデン(polyvinyledene)フッ化
物及びポリアクリロニトリルを含む。これらのポリマー又は繊維の例は、米国特許番号RE
30,351;4,705,540、4,717,393;4,717,394;4,912,197;4,838,900;4,935,490;4,851
,505;4,880,442;4,863,496;4,961,539;及びヨーロッパ特許出願0 219 878に記載され
たものを含み、これらの全ては引用により本明細書に組み込まれる。ポリマー又は繊維は
、セルロースポリマー、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアミド/イミド又はポリイミド
のいずれかのうちの少なくとも1つを含むことができる。ある種の実施態様において、ポ
リマー又は繊維は、ポリアラミド、ポリエステル、ウレタン及びポリテトラフルオロエチ
レンを含む。他の好ましい実施態様において、重合N-アセチルグルコサミン繊維又はそ
誘導体を使用する。最も好ましい実施態様において、ポリマー又は繊維は、ポリN-ア
セチルグルコサミンポリマー若しくは繊維又はその誘導体である。ある種の実施態様にお
いて、ポリ-N-アセチルグルコサミンポリマー又は繊維は、β-1→4配置を有する。他の
実施態様において、ポリ-N-アセチルグルコサミンポリマー又は繊維は、α-1→4配置を
有する。

0063

特定の実施態様において、ポリマー又は繊維は、キチンキトサンセルロース、ナイ
ロン又はPET(ポリエチレンテレフタラート)である。

0064

好ましい実施態様において、ポリマー又は繊維は、生体適合性及び/又は生分解性であ
る。生体適合性は、溶出試験、筋肉内移植、又は動物被験体への皮内若しくは全身注入
どの手順を含むがこれらに限定されない様々な技術により測定できる。そのような試験は
、米国特許第6,686,342号に記載されており、その全ては引用により本明細書に組み込ま
れる。生分解性高分子は、患者への投与又は移植の後、約1日、2日、5日、8日、12日、17
日、25日、30日、35日、40日、45日、50日、55日、60日、65日、70日、75日、80日、85日
、90日、95日又は100日以内に好ましく分解する。

0065

特定の態様において、ポリマー又は繊維は、それらが免疫応答を誘発しないという点で
免疫中性である。

0066

通常、ポリマー又は繊維は、筋肉内移植試験において非反応性である。ある種の実施態
様において、組成物は、この節に記載する繊維を含み、該繊維は、MTTアッセイにおいて
血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝速度を増加させ、及び/又はトリパンブルー排除試
験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救助せず、並びに筋肉内移植
試験において試験されるときに非反応性である。ある種の実施態様において、該繊維は、
MTTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝速度を増加させ、及びトリパ
ンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救助せず、並
びに筋肉内移植試験において試験されるときに非反応性である。

0067

一実施態様において、止血組成物は精製ポリマー又は繊維を含み、これは約100%、99.9
%、99.8%、99.5%、99%、98%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%又は20%純粋であ
り得る。好ましい実施態様において、本明細書に記載される組成物及び方法で使用するポ
リマー又は繊維は、90〜100%純粋である。

0068

ある種の実施態様において、創傷被覆材において使用されるポリマー又は繊維は、以下
の1以上でない:イオン性合成ヒドロゲル、例えばこれらに限定されないが、架橋ポリ(A
An-アクリル酸)及びポリ(AAm-メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリ(ビニル
ルコール)(PVA)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(N-ビニル(vynl)ピロリ
ドン)、ポリ(メトキシ-PEGメタクリラート)。ある種の実施態様において、ポリマー又
は繊維は、以下の1以上でない:ポリ-L-アミノ酸、例えばポリ-L-リジン、ポリ-L-アル
ギニン、ポリL-グルタミン酸、ポリ-L-ヒスチジン、ポリ-D-グルタミン酸又はそれらの混
合物。ある種の実施態様において、ポリマー又は繊維は、以下の1以上でない:アルギン
酸塩ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウムアルギン酸カルシウムアルギン酸ストロ
ンチウム、アルギン酸バリウム、アルギン酸マグネシウム若しくは他の任意のアルギン酸
塩又はその混合物。ある種の実施態様において、ポリマー又は繊維は、以下の1以上に由
来しない:、甲殻類、昆虫菌類又は酵母。ある種の実施態様において、組成物は、コ
ラーゲン繊維を含まない。ある種の実施態様において、組成物は、エラスチン繊維を含ま
ない。他の実施態様において、これらのポリマー又は繊維は、本組成物に含まれる。

0069

本明細書に記載されるポリマーは、通常、本明細書に記載されるポリマーを含む繊維の
形態である。したがって、本明細書に記載されるポリマーは、繊維の形態であり得る。繊
維は、好ましくは、電子顕微鏡法によって測定される平均長で約2、3、4、5、8、10、20
、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140若しくは150ミクロン、又はそ
の間の任意の範囲である(例えば、平均で10〜150ミクロン又は20〜100ミクロン又は50〜
120ミクロン)。繊維は、好ましくはナノ繊維であり、電子顕微鏡によって測定される厚
さ及び/又は直径において平均0.5〜100nmの寸法を有する。特定の実施態様において、ナ
ノ繊維は、平均で厚さ及び/又は直径において約0.5、1、2、5、10、20、50若しくは100n
m。又はその間の任意の範囲である(例えば、0.5〜4nm、0.5〜5nm、1〜4nm、1〜5nm、1〜
10nm、2〜20nm、4〜15nm、5〜15nm、4〜20nm、5〜20nm、5〜50nmなど)。他の実施態様に
おいて、繊維は好ましくはマイクロ繊維であり、平均で厚さ及び/又は直径において約0.
20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.75、0.85及び1ミクロ
ン、又はその間の任意の範囲を有する(例えば、0.2〜0.5ミクロン、0.3〜0.75ミクロン
、0.5〜1ミクロン、その他等)。本明細書で使用する用語「約」の境界は、当業者によっ
て容易に認識され;通常、本明細書で使用する該用語は、規定値より10%超過及び10%少な
い範囲をいう。

0070

特定の実施態様において、繊維の大部分(50%を超える、例えば60%、70%、80%、90%、9
5%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%又は100%)は、長さが約30、25、20、15、10、5、4
、又は3ミクロン未満である。特定の実施態様において、繊維の少なくとも50%、60%、70%
、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%又は99.9%は、長さが約15ミクロン未満である
。特定の実施態様において、繊維の全て(100%)は、長さが約15ミクロン未満である。特
定の実施態様において、繊維の大部分(50%を超える、例えば60%、70%、80%、90%、95%、
98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%又は100%)は、長さが5、4、3、2、又は1ミクロンである
。特定の実施態様において、繊維の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%
、99.5%、99.8%又は99.9%は、長さが約4ミクロン未満である。特定の実施態様において、
繊維の全て(100%)は、長さが約4ミクロンである。

0071

繊維は、好ましくは電子顕微鏡によって測定される平均厚又は直径約0.1、0.5、1、2、
3、4、5、8若しくは10ミクロン、又はその間の任意の範囲(例えば、平均で0.1〜10ミク
ロン又は0.5〜5ミクロン又は1〜2ミクロン)である。特定の実施態様において、繊維の大
部分(50%を超える、例えば、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9
%又は100%)は、約1〜2ミクロンの厚さ又は直径を有する。特定の実施態様において、繊
維の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%又は99.9%は、
約1〜2ミクロンの厚さ又は直径を有する。特定の実施態様において、繊維の全て(100%)
は、約1〜2ミクロンの厚さ又は直径を有する。

0072

ある種の実施態様において、繊維の大部分(50%を超える、例えば、60%、70%、80%、90
%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%又は100%)は、長さが約15ミクロン未満で、か
つ約1〜2ミクロンの厚さ又は直径を有する。

0073

特定の好ましい実施態様において、ポリマー又は繊維は創傷被覆材として調製され、そ
れはバリア、膜又はフィルムの形態であり得る。あるいは、ポリマー又は繊維は、バリア
、膜又はフィルムなどの被覆材裏打ちに加えられる。バリア、膜又はフィルムは様々な標
準サイズで供給でき、それを更に切断して治療領域に大きさを整えることができる。裏打
ちは、包帯又はガーゼなどの従来の被覆材材料であり得、患者への適用前に、ポリマー又
は繊維をそれに添加又は被覆する。あるいは、ポリマー又は繊維を、ストリング、ミクロ
ビーズミクロスフェア若しくはミクロフィブリルで構成されるバリア、膜又はフィルム
として配合でき、あるいは組成物をバリア形成マットとして配合できる。本明細書に指摘
されるように、ポリマーは繊維の形態で存在できる。そのようなものとして、明細書を通
じて、明確に記述されるかどうかにかかわらず、本明細書に記載したポリマーに言及する
全ての実施態様において、ポリマーが繊維の形態で存在できることは理解される。

0074

ある種の実施態様において、被覆材の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%
又は少なくとも95%は、先に挙げたポリマーの1以上からなる。

0075

特定の態様において、被覆材は、ガーゼ又は被覆材などの従来の被覆材素材を含有しな
い。そのような実施態様において、ポリマーそれ自体が創傷被覆材として配合される。

0076

一実施態様において、本明細書に記載される組成物は、複数種類のポリマー(例えば、
ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン及びセルロース)を含む。

0077

特定の態様において、ポリマー(例えば、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン又は
その誘導体)は、被覆材の唯一活性成分である。他の実施態様において、被覆材は、成
長因子などの創傷治癒を促進する付加的な活性成分を含む。特定の実施態様において、成
長因子は、PDGF-AA、PDGF-AB、PDGF-BB、PDGF-CC、PDGF-DD、FGF-1、FGF-2、FGF-5、FGF-
7、FGF-10、EGF、TGF-α、(HB-EGF)、アンフィレグリンエピレグリンベタセルリン
ニューレグリンエピゲン(epigen)、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、VEGF-E、胎
成長因子PLGF)、アンギオポエチン-1、アンギオポエチン-2、IGF-I、IGF-II、肝細
増殖因子HGF)、又はマクロファージ刺激タンパク質(MSP)である。

0078

しかしながら、他の態様において、被覆材は、大量のタンパク質を含まない。特定の実
施態様において、被覆材のタンパク質含量は、0.1%、0.5%又は1重量%以下である。他の
実施態様において、被覆材のタンパク質含量は、クーマシー染色によって検出不可能であ
る。

0079

被覆材はコラーゲンを含むことができるが、特定の態様において、被覆材はコラーゲン
を含まない。

0080

被覆材は、創傷の感染を防止するために抗菌因子を含むこともできる。

0081

好ましい実施態様において、亜鉛も被覆材にも含まれる。その抗微生物特性に加え、亜
鉛は、創傷治癒における役割も果たす(Andrewsらの文献, 1999, Adv Wound Care 12:137
-8)。亜鉛は好ましくは、酸化亜鉛硫酸亜鉛酢酸亜鉛又はグルコン酸亜鉛などの塩形
態で加えられる。

0082

(5.2.1ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン(「pGlcNAc」又は「NAG」)
この節は、参照により好ましい実施態様であるポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン
ポリマーの構造を詳細に記載する米国特許第5,622,834号;第5,623,064号;第5,624,679
号;第5,686,115号;第5,858,350号;第6,599,720号;第6,686,342号;及び第7,115,588
号;を組み込み、それらの全ては引用により本明細書に組み込まれる。

0083

好ましい実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンは、a)細胞体
びポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマー繊維を含む微細藻類を、該ポリ-β-1→
4-N-アセチルグルコサミンポリマー繊維を該細胞体から分離することができる生物学的因
子(ハイドフルオリック(hydofluoric))で十分な時間の間処理し、それによりポリ-β
-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマー繊維が該細胞体から放出されること;b)該ポリ
-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマー繊維を該細胞体から分離すること;及び、c
)該分離したポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマー繊維から汚染物質を除去し
、それにより該ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマーを分離及び精製すること
;を含むプロセスに由来する。

0084

本明細書で使用するポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマーの誘導体には、以
下を含む:ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマーの半結晶形態;β-1→4配置
共有結合した約50〜約150,000のN-アセチルグルコサミン単糖を含むポリ-β-1→4-N-
アセチルグルコサミンポリマーであって、前記ポリマーが約10,000ダルトン〜約30,000,0
00ダルトンの分子量を有する;β-1→4配置で共有結合した約50〜約50,000のN-アセチル
グルコサミン単糖を含むポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマーであって、前記
ポリマーが約10,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンの分子量を有する;β-1→4配置で
共有結合した約50〜約10,000のN-アセチルグルコサミン単糖を含むポリ-β-1→4-N-アセ
チルグルコサミンポリマーであって、前記ポリマーが約10,000ダルトン〜約2,000,000ダ
トンの分子量を有する;β-1→4配置で共有結合した約50〜約4,000のN-アセチルグルコ
サミン単糖を含むポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマーであって、前記ポリマ
ーが約10,000ダルトン〜約800,000ダルトンの分子量を有する;脱アセチル化された少な
くとも1のN-アセチルグルコサミン単糖を含む半結晶性ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコ
サミンポリマーであって、前記N‐アセチルグルコサミン単糖の少なくとも10%、20%、30
%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%がアセチル化されている;及び、脱アセチル
化された少なくとも1のN-アセチルグルコサミン単糖を含む半結晶性ポリ-β-1→4-N-ア
セチルグルコサミンポリマーであって、前記N‐アセチルグルコサミン単糖の少なくとも
20%〜70%(又は上述の実施態様間の任意の範囲)が脱アセチル化されている。

0085

ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンポリマーの誘導体も、100%、90%、80%、70%、6
0%、50%、40%、30%、20%、10%以下のポリ-β-1→4-N‐アセチルグルコサミンである組成
物を含む。

0086

ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンの他の誘導体も、本明細書に記載される組成物
に使用できる。例えば、硫酸化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン誘導体、リ
酸化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン誘導体、又はニトロ化されたポリ-
β-1→4-N-アセチルグルコサミン誘導体が使用できる。加えて、ポリ-β-1→4-N-アセチ
ルグルコサミンの1以上の単糖ユニットは、1以上のスルホニル基又は1以上のO-アシル基
を含むことができる。加えて、脱アセチル化されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミ
ンの1以上の単糖は、N-アシル基を含むことができる。ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコ
サミン又はその脱アセチル化された誘導体の1以上の単糖は、O-アルキル基を含むことが
できる。ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンの1以上の単糖ユニットは、アルカリ
導体でもよい。ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の1
以上の単糖ユニットは、N-アルキル基を含むことができる。ポリ-β-1→4-N-アセチルグ
ルコサミンの脱アセチル化された誘導体の1以上の単糖ユニットは、少なくとも1のデオキ
ハロゲン誘導体を含むことができる。ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンの脱アセ
チル化された誘導体の1以上の単糖ユニットは、塩を形成できる。ポリ-β-1→4-N-アセ
チルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の1以上の単糖ユニットは、金属キレート
を形成できる。好ましくは、該金属は亜鉛である。ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミ
ンの脱アセチル化された誘導体の1以上の単糖ユニットは、N-アルキリデン基又はN-アリ
ーリデン基を含むことができる。このような誘導体を作る方法は米国特許番号5,623,064
に記載されており、その全ては引用により本明細書に組み込まれる。

0087

(5.3分子量及び長さを低減させる照射)
ポリマー又は繊維は、先に記載したように、乾燥ポリマー若しくは乾燥繊維又はポリマ
ー膜若しくは繊維膜として照射を受けることができる。あるいは、ポリマー又は繊維は、
湿ったときに照射を受けることができる。

0088

他の好ましい実施態様において、ポリマー又は繊維は、照射のために懸濁液/スラリー
又はウエットケークに配合される。照射は、ポリマー又は繊維の被覆材への配合の前に、
同時に、又はその後に実行できる。通常、懸濁液/スラリー及びウエットケークのポリマ
ー又は繊維含量は変更でき、例えば、スラリーについて蒸留水1ml当たり約0.5mg〜約50mg
のポリマー又は繊維が使用され、ウエットケーク配合物について蒸留水1ml当たり約50mg
〜約1000mgのポリマー又は繊維が使用される。ポリマー又は繊維をはじめに凍結乾燥し、
液体窒素中で凍結し、微粉化して、より懸濁液/スラリー又はウエットケークに形成し易
くすることができる。また、ウエットケークが形成されるように、懸濁液/スラリーを濾
過して水を除去できる。特定の態様において、ポリマー又は繊維は、蒸留水1ml当たり約0
.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、12mg、15mg、18mg、20mg
、25mg若しくは50mg、あるいは上述の実施態様間の任意の範囲(例えば、1〜10mg/ml、5
〜15mg/ml、2〜8mg/ml、20〜50mg/ml、その他)のポリマー又は繊維を含む懸濁液として
照射を受ける。他の実施態様において、ポリマー又は繊維は、蒸留水1ml当たり約50〜1,0
00mgのポリマー又は繊維を含むウエットケークとして照射を受ける。特定の実施態様にお
いて、ウエットケークは、1mlの蒸留水当たり約50、100、200、300、400、500、600、700
、800、900若しくは1000 mg、あるいはその間の任意の範囲(例えば、100〜500mg/ml、30
0〜600mg/ml、50〜1000mg/ml、その他)のポリマー又は繊維を含む。

0089

照射は、好ましくは、ガンマ放射線、eビーム放射線、又はX線の形態である。2つの
照射源が好ましい:放射性核種及び電気。特定の実施態様において、放射性核種は、コバ
ルト-60及びセシウム-137である。これらの核種の両方は、質量を含まない光子であるガ
ンマ線を放射する。ガンマ線は、0.66〜1.3MeVのエネルギーを有する。電気を使用すると
電子は、10MeV以上までのエネルギーを発生し、加速される。それらのサイズを減らす
ためにポリマー又は繊維を照射する場合、考慮すべき約因は、10MeV電子による水と類似
密度を有する材料の浸透の深さが、片側曝露で約3.7cm又は両側曝露で約8.6cmに限られ
ているということである。浸透の深さは、より低い電子エネルギーで低減する。電子エネ
ルギーは、電子線経路に金属(通常、タングステン又はタンタル)標的を配置することに
よってX線に変換できる。X線への変換は、5MeVまでエネルギーを有する電子に限られて
いる。X線は、質量のない光子であり、ガンマ線と類似のポリマー又は繊維を透過できる
。電子エネルギーのX線エネルギーへの変換における効率はわずか約8%である。低い変換
効率のため、高出力電子線機器がX線生産施設において必要である。

0090

好ましくは、照射は、ガンマ照射である。

0091

放射線の吸収線量は、製品ユニット重量当たりに吸収されるエネルギーであり、グレ
イ(gy)又はキログレイ(kgy)で測定される。乾燥ポリマー又は繊維について好ましい
吸収線量は、500〜2,000kgyの放射線、最も好ましくは750〜1,250kgyの放射線であり、湿
ったポリマー又は繊維について好ましい吸収線量は、約100〜500kgyの放射線、最も好ま
しくは約150〜250kgyの放射線である。

0092

放射線の線量は、ポリマー又は繊維の長さにおけるその影響に関して記載できる。特定
の実施態様において、使用する放射線の線量は、それぞれ、ポリマー又は繊維の開始長の
約10%〜90%までの何処かでポリマー又は繊維の長さを好ましく減少させる。特定の実施態
様において、平均長は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、又
は約90%、あるいはその間の任意の範囲(例えば、20〜40%、30〜70%、その他等)で減少
する。あるいは、使用する放射線の線量は、30〜100ミクロンの何処かにポリマー又は繊
維の長さを好ましく減少させる。特定の実施態様において、及びはじめの繊維長に応じて
、ポリマー又は繊維の平均長は、約15ミクロン未満、約14ミクロン未満、約13ミクロン未
満、約12ミクロン未満、約11ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約4ミ
クロン未満、約3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満に減少する。ある種
の実施態様において、ポリマー又は繊維の大部分(50%を超える、例えば、60%、70%、80%
、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%又は100%)の長さは、40ミクロン以下、約3
0ミクロン以下、約20ミクロン以下、約15ミクロン以下、約10ミクロン以下、又は約5ミク
ロン以下に減少する。前述の長さ間のいかなる範囲も含まれ;例えば、特定の実施態様に
おいて、ポリマー又は繊維の照射は、繊維の大部分(50%を超える、例えば、60%、70%、8
0%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%又は100%)の長さを、約1〜20ミクロンの
間、約2〜15ミクロンの間、約4〜10ミクロンの間、その他等の何処かに低減させる。

0093

放射線の線量は、ポリマー又は繊維の分子量に対するその影響に関しても記載できる。
特定の実施態様において、使用する放射線の線量は好ましくは、ポリマー又は繊維の分子
量を、ポリマー又は繊維の開始重量の約10%〜90%の何処かで減少させる。特定の実施態様
において、平均分子量は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、
又は約90%、又はその間の任意の範囲で(例えば、20〜40%、30〜70%、その他等)減少す
る。あるいは、使用する放射線の線量は好ましくは、ポリマー又は繊維の分子量を、1,00
0から1,000,000ダルトンの何処かに減少させる。特定の実施態様において、及びはじめの
分子量に応じて、ポリマー又は繊維の平均分子量は、1,000,000ダルトン未満、750,000ダ
ルトン未満、500,000ダルトン未満、300,000ダルトン未満、200,000ダルトン未満、100,0
00ダルトン未満、50,000ダルトン未満、25,000ダルトン未満、10,000ダルトン未満、又は
5,000ダルトン未満に減少する。ある種の実施態様において、平均分子量は、500ダルトン
以上、1,000ダルトン以上、2000ダルトン以上、3,500ダルトン以上、5,000ダルトン、7,5
000ダルトン以上、10,000ダルトン以上、25,000ダルトン以上、50,000ダルトン以上、又
は100,000ダルトン以上に減少する。前述の平均分子量間のいかなる範囲も含まれ;例え
ば、特定の実施態様において、ポリマー又は繊維の照射は、平均分子量を、10,000〜100,
000ダルトン、1,000〜25,000ダルトン、50,000〜500,000ダルトン、その他等の間の何処
かに低減させる。

0094

他の好ましい実施態様において、使用する照射は、ガンマ照射である。

0095

照射の後、スラリーを濾過及び乾燥、かつウエットケークを乾燥して、本明細書に記載
される実施に有用な被覆材を形成することができる。

0096

(5.3.1 短縮されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン(「sNAG」))
先の第5.2節に記載したポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミンを先の第5.3節に記載し
たように照射に供し、その繊維の長さを減少させて短縮されたポリ-β-1→4-N-アセチル
グルコサミンを形成し、このようにしてそのミクロ構造を撹乱することなくその分子量を
減少させることができる。短縮されたポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン(sNAG)の
赤外スペクトル(IR)は、非照射のポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン(NAG)のIRに
実質的に類似しているか、又は等しい。

0097

ある種の実施態様において、sNAGの繊維の大部分(50%を超える、例えば、60%、70%、8
0%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%又は100%)は、長さ15ミクロン未満であ
る。一態様において、sNAGの大部分の繊維は、約1〜2ミクロンの厚さ又は直径を有する。
繊維の長さは、当業者に周知の任意の方法、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)によって
測定できる。

0098

一態様において、sNAGは、MTTアッセイにおいて血清飢餓されたヒト臍帯静脈内皮細胞
(EC)の代謝速度を増加させる。MTTアッセイは検査室的試験であり、細胞増殖(細胞成
長)を測定するための標準比色アッセイ(色の変化を測定するアッセイ)である。簡潔
いうと、黄色のMTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウ
ブロミドテトラゾール)は、生細胞ミトコンドリアで紫のホルマザン還元される
。この還元は、ミトコンドリアレダクターゼ酵素が活性の場合にだけ起こり、したがって
、変換は、可視(生)細胞の数に直接的に関連し得る。細胞の代謝速度は、一般当業者に
知られている他の技術により決定できる。

0099

別の態様において、sNAGは、トリパンブルー排除試験において血清飢餓されたECのアポ
トーシスを救わない。トリパンブルー排除試験は、細胞懸濁液に存在する生菌の数を決定
するために使用される色素排除試験である。これは、生細胞が特定の染料、例えばトリパ
ンブルー、エオシン又はプロピジウムなどを排除する完全な細胞膜を有する一方で死細胞
は有しないという原理に基づく。細胞の生存率は、一般当業者に知られている他の技術に
より決定できる。

0100

別の態様において、筋肉内移植試験において試験されるときに、sNAGは非反応性である
。一態様において、筋肉内移植試験は、第6.4.2節に記載する筋肉内移植試験、すなわちI
SO 4週間移植である。

0101

ある種の実施態様において、sNAGは繊維を含み、その大部分の繊維は長さが約15ミクロ
ン未満であり、かつ筋肉内移植試験において試験される場合に非反応性である。

0102

ある種の実施態様において、sNAGは(i)繊維を含み、該大部分の繊維は長さが約15ミ
クロン未満であり、かつ(ii)(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓されたECの代謝速度を
増加させ、及び/又はトリパンブルー排除試験において血清飢餓されたECのアポトーシス
を救わず、並びに(b)筋肉内移植試験において試験されるときに非反応性である。

0103

(5.4止血組成物を使用する方法)
本明細書に記載するのは、患者の創傷を治療する方法である。本方法は一般に、患者の
創傷に被覆材を適用することを含み、該被覆材は上記の第5.2節及び第5.3節に収載された
任意のポリマー又は繊維を含むか又はそれから構成される。

0104

患者は、好ましくは哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。

0105

ある種の実施態様において、患者は、成人若者又は乳児である。一実施態様において
、患者は、45より年をとったヒトである。一実施態様において、患者は、妊娠していな
女性である。

0106

ある種の実施態様において、哺乳類は、家畜哺乳類(例えば、ウシ又はヒツジ又はブタ
)又は家庭用ペット(例えば、ネコ又はイヌ)である。

0107

ある種の実施態様において、他のヒト対象のように整然とした又は時機を得た様式で通
常は回復しない患者の創傷を治療する方法が、本明細書に記載される。患者は、好ましく
は、糖尿病患者、喫煙者、血友病患者、HIV感染者、肥満者、放射線治療を受けている者
、又は静脈うっ血性潰瘍を有する者などのヒトである。一態様において、患者は、静脈う
っ血性潰瘍を有する者である。特定の態様において、創傷は、外科的創傷又は熱傷創であ
る。特定の他の態様において、創傷は、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰瘍、
又は圧力潰瘍などの慢性創傷である。

0108

ある種の実施態様において、患者の慢性創傷を治療する方法が本明細書に記載され、該
慢性創傷は整然とした又は時機を得た様式で治癒しない。ある種の実施態様において、創
傷は、糖尿病潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、動脈不全潰瘍、又は圧力潰瘍などの慢性創傷であ
る。一態様において、慢性創傷は、静脈うっ血性潰瘍である。

0109

本明細書に記載される止血組成物及び方法は、創傷、特に慢性創傷に伴う看護労働
び費用を有利に減らす。市場において現在利用可能な創傷被覆材は、ほぼ2日ごとに交換
を必要とし;対照的に、本方法では、創傷被覆材は、3〜35日ごとに交換又は再適用され
る。特定の実施態様において、創傷被覆材は、4〜35日ごと、5〜35日ごと、6〜35日ごと
若しくは7〜35日ごとに交換又は再適用される。特定の態様において、創傷被覆材は、3〜
10日ごと、4〜14日ごと、5〜12日ごと、7〜14日ごと、7〜28日ごと、7〜21日ごと、14〜2
8日ごと、又は下端で3、4、5、6若しくは7日から上端で8、9、10、12、14、18、21、24、
28、30若しくは35日の間の任意の範囲で交換又は再適用される。一態様において、創傷被
覆材は、治療の始めに1回だけ交換又は再適用される。別の態様において、創傷被覆材は
、治療の間、1週につき1回交換又は再適用される。別の態様において、創傷被覆材は、治
療の間、一週おきに交換又は再適用される。別の態様において、創傷被覆材は、治療の間
、2週ごと、3週ごと若しくは4週ごとに交換又は再適用される。本方法は、創傷被覆材交
換の頻度を少なくとも50%減らし、100%、200%、500%又はさらにより多く創傷被覆材交換
の頻度を減らすことができる。創傷被覆材を交換又は再適用するための具体的頻度は、個
人の必要に応じて、すなわち、創傷のサイズ、分類及び被覆材への反応に応じて変化する
。頻度は、標準臨床技術により決定されることができ、定間隔である必要がない。むしろ
、頻度は、個人の必要に応じて、時間に渡って変化できる。例えば、慢性創傷が治癒し始
めるにつれて、創傷被覆材の交換又は再適用の頻度は減少される。

0110

ある態様において、創傷被覆材が創傷に適用され、そこで該被覆材は、それが除去され
るか又は生分解されるまで残っていてよい。より好ましくは、創傷被覆材は、少なくとも
一回再適用される(以前の創傷被覆材を取り除くことなく)か又は交換される(以前の創
傷被覆材を取り除き、新規な被覆材を適用することによって)が、創傷の間に上記の頻度
で再適用又は交換できる。好ましくは、創傷被覆材は、少なくとも2回、少なくとも3回、
少なくとも4回若しくはそれより多く再適用又は交換される。治療法は、数週間(例えば
、2〜8週)から数ヶ月(例えば、2〜4ヵ月から6〜12ヵ月以上まで、及びその間の任意の
範囲)にわたって実行できる。

0111

都合よく、被覆材は、全体の創傷治癒時間も減少させる。例えば、以下の第6節に記載
されている糖尿病のマウスモデルにおいて、pGlcNAc被覆材は、コントロールマウスにお
いてよりも時間を減少させて、1週早く創傷閉鎖を達成した。それゆえ、所与の創傷のた
めの被覆材交換回数を減らすことに加え、本明細書に記載される方法は、創傷閉鎖時間
減少させることに有用である。したがって、ある態様において、患者の慢性創傷に被覆材
を局所適用することを含む、慢性創傷の創傷閉鎖時間を減少させる方法が提供され、該被
覆材は上記の第5.2節及び第5.3節に収載されるポリマーの1以上を含むか又はそれから構
成される。任意に、適用は、この節に記載されている治療法によって、1回以上繰り返さ
れる。ある態様において、創傷閉鎖時間は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも
30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%減少する。

0112

最も好ましくは、被覆材が作られるポリマーは生体適合性及び/又は免疫中性のポリマ
ーであり、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン又はその誘導体を含むがこれらに限定
されない。より好ましい実施態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン又は
その誘導体は、微細藻類のポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン又はその誘導体である
。ある態様において、ポリ-β-1→4-N-アセチルグルコサミン又はその誘導体は、貝類
は甲殻類供給源由来ではない。

0113

上述した方法は、慢性創傷の他の標準的ケア手順と連動して使用されることが可能であ
る。例えば、本方法は、以下の皮膚潰瘍療法のための治療の1以上に関連して使用可能で
ある:壊死又は感染組織の除去(創傷清拭);オフローディング;静脈うっ血性潰瘍の圧
縮治療;十分な循環血液確立;湿性創傷環境の維持;創傷感染の管理;創傷洗浄;糖尿
病潰瘍を有する対象の血液グルコース制御を含む栄養的支持汚染の危険がある圧力潰瘍
を有する対象の腸及び膀胱のケア。

0114

熱傷創について、本明細書に記載される方法と連動して使用されることが可能である標
準的ケア手順は、以下を含む:血行力学蘇生;共罹患率の管理;時機を得た熱傷創傷清拭
及び切除;創傷閉鎖;創傷感染の管理;疼痛制御;栄養的支持;過剰な瘢痕形成を阻害するための処置;及び熱傷が関節の上にある場合の受動的可動域を含むリハビリテーション

0115

(5.5キット
上記した被覆材素材のいずれかを含むキットも提供する。被覆材は、好ましくは、汚染
なく組成物の除去を容易にする密封、耐水、無菌パッケージ内に含まれる。容器を製造で
きる材料は、アルミニウム箔プラスチック又は容易に殺菌される他の従来的材料を含む
。キットは、単一の被覆材又は複数の被覆材を含むことができ、好ましくはその各々は、
別々の耐水、無菌パッケージで提供される。上記の第5.2節及び第5.3節に記載するように
、被覆材は、創傷治癒薬剤又は抗微生物剤を更に含むことができる。

0116

別の実施態様において、二重区画を有する容器が提供される。第一区画は被覆材を含み
、第二区画は成長因子又は抗微生物剤などの活性薬剤を含む。現場又はクリニックにおい
て、被覆材は、創傷にその後適用される活性薬剤に容易に浸漬できる。

0117

キットは、使用のためのFDA承認及び/又は指示に関する通知を含むことができる。

0118

加えて、非常事態又は事利用のために設計したキットは、剪刀外科用メスクラン
プ、止血帯弾性若しくは非弾性包帯、その他などの使い捨て可能な予め殺菌された器具
を含むこともできる。

0119

(6. 実施例)
(実施例6.1 実施例1、dB/dBマウスにおける創傷治癒でのポリ-N-アセチルグルコサミン
(pGlcNAc)パッチの効果)
(6.1.1 材料及び方法)
pGlcNAcパッチの調製。pGlcNAcパッチSyvekPatch(商標)(Marine Polymer Technolog
ies社, Danvers, MA)は、先に記載したように生産される微細藻類由来のナノ繊維からな
る(Vournakisらの文献、米国特許第5,623,064号及び第5,624,679号を参照されたく、そ
のそれぞれの内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる)。簡潔には、微細藻
類は、規定の増殖培地を使用するユニークなバイオリアクタ条件で培養された。高密度培
養からの微細藻類の回収後、ナノ繊維を段階的分離及び精製プロセスを介して単離し、注
射用蒸留水(wfi)に懸濁される純粋なナノ繊維のバッチを生じた。繊維は、濃縮及びオ
ーブン乾燥によってパッチに配合され、包装され、ガンマ照射により殺菌された。ナノ
維は、平均20〜50nm×1〜2nm×〜100μmの寸法である。繊維のバッチは個々に、化学的及
物理的な試験パラメータを使用して制御される品質であり、各バッチは発売前に厳しい
純度基準を満たした。最終的なバッチは、タンパク質、金属イオン及び他の成分を実質的
に含まないことが要求された。

0120

創傷モデル及び研究設計。ホモ接合体、遺伝的に糖尿病の8〜12週齢、Lep/r-dB/dB雄マ
ウス(株C57BL/KsJ-Leprdb)を、国際実験動物ケアの調査及び認定(Assessment and Acc
reditation of Laboratory Animal Care International)(AAALAC)の適格施設において承
認された動物プロトコル下で使用した。手術日前に、毛を留め、脱毛した(Nair(登録
標)、Church & Dwight社, Princeton, NJ)。手術日に、動物を量し、60mg/kgのネン
ブタール(ペントバルビタール)で麻酔した。皮膚及び皮筋の背面の1.0cm2の領域を切除
し、創傷を撮影した。創傷は、pGlcNAcパッチで1時間(1時間の群、n=15)、24時間(24
時間の群、n=15)覆ったか、又は無処置のまま(NT群、n=15)にした。全ての創傷は、半
閉塞性ポリウレタン被覆材(Tegaderm(登録商標)、3M, St. Paul, MN)で覆った10及び
21日目に、群当たり7〜8匹の動物を安楽死させ、創傷を撮影し、切除し、10%の中性緩衝
ホルマリン溶液において固定した。群当たりN=15は1から10日目に観察され、及び群当た
りn=7〜8は14日目から21日目に観察した。

0121

創傷閉鎖分析。3人の盲検独立観察者は、週2回撮られたデジタル写真を、平面図法を使
用して0日目のはじめの写真と比較した。創傷閉鎖は、元の創傷域のパーセンテージとし
ての収縮(C)、再上皮化(E)及び開放創(O)を測定されることによって定量化した。
収縮し、再上皮化し、及び開いた創傷域の合計は、元の創傷サイズの100%に等しい(図1
)(Yannas I.の文献 「成体における組織及び器官の再生(Tissue and Organ Regenerat
ion in adults.)」New York: Springer; 2001を参照されたい)。

0122

中心創傷横断面をパラフィン包埋し、切片化し、日常的なヘマトキシリン及びエオシン
(H&E)プロトコルに従って染色した。デジタル平面幾何学(Image J, NIH, Bethesda, M
D)で肉芽組織域及び厚みを分析するために、各創傷のパノラマ断面デジタル画像をAdobe
Photoshop CSソフトウェアアドビシステムズ社、San Jose, CA)を使用して準備した

0123

免疫組織化学。パラフィン包埋切片を再水和し、増殖Ki-67の免疫組織化学的標識のた
めの抗原回復を、10mMのクエン酸ナトリウム(pH 6.0)中で10分間マイクロ波処理するこ
とにより達成した。凍結切片アセトンで固定し、血管新生血小板内皮細胞接着因子1(P
ECAM-1)の免疫組織化学的標識について着色した。Ki-67(LabVision, Freemont, Ca)一
次抗体を室温で1時間インキュベートし、PECAM-1(Pharmingen, San Jose, CA)一次抗体
終夜4℃でインキュベートした。PECAM-1シグナルは、チラミド増幅システム(Perkin E
lmer, Boston, MA)を使用して強化した。

0124

血管密度の定量化。創傷断面のデジタル色画像を定量化前に前処理し、背景と比較して
のPECAM-1陽性領域の均一なコントラスト保障した。ポジティブ染色マスクは、ポジ
ティ染色域において現れる5つの異なるクロモゲン色相サンプリングすることにより
プログラムCorel PhotoPaint v.10 (Corel Corporation, Ottawa, Ontario, Canada)の色
マスク機能を使用して作成した。マスクした血管域真黒に変わり、背景は真白となった
。黒及び白の発現は、分割機能を適用することにより、IPLabソフトウェア(BD Bioscien
ces Bioimaging、Rockville, MD)の領域定量化に使用した。組織領域は、元のH&E画像を
加工画像投影することにより規定した。全画像に渡って定量化した血管密度は、血管域
の総肉芽組織域の比として表現した。4〜7の顕微鏡視野(20×)を使用して、各創傷及び
治療手順についての血管密度を評価した。

0125

細胞増殖の定量化。創傷は、血管密度定量化の方法と類似の様式でKi-67染色した断面
画像分析を使用して、細胞増殖について分析した。Ki-67染色された創傷断面の高出力
デジタル画像を使用して、核の総数に相対的なKi-67陽性細胞の数を測定した。増殖の程
度は、20×倍率で4〜6視野を使用して全ての創傷節に渡って定量化し、増殖している核(
Ki-67陽性)の全核に対する比として表現した。

0126

統計解析。値は、テキスト及び図の平均±標準偏差として表現した。一元配置分散分析
法及び特別LSD試験を使用して、治療モード間の差異の有意性を決定した。多変量解析
、Statistica v7.0(StatSoft社, Tulsa, OK)を使用して実施した。

0127

(6.1.2 結果)
統計解析。値は、テキスト及び図の平均±標準偏差として表現した。一元配置分散分析
法及び特別LSD試験を使用して、治療モード間の差異の有意性を決定した。多変量解析は
、Statistica v7.0(StatSoft社, Tulsa, OK)を使用して実施した。

0128

pGlcNAcパッチは、創傷治癒速度を変えた。pGlcNAcでの治療は、非治療と比較して時間
に渡ってより速い創傷閉鎖を誘導した。7、14及び17日目のNT群と比較して、1時間の群は
、擦傷表面(創傷の開いた部分)のより速い(p<0.01)減少を示した(図2A)。1時間の
群はまた、平均16.6日で90%の閉鎖に達し、これはNT群(25.6日)より9日早かった(p<0
.01)(図2B)。24時間の群は、18.2日で90%の閉鎖に達した(図2B)。

0129

4、7、14及び2 1日目のNT群と比較して、1時間の群は、再上皮化の増加(p<0.01)を
示した(図2C、2D)。4及び21日目でのNT群と比較して、24時間の群は、再上皮化の増加
(p<0.01)を示した(図2C)。

0130

4及び17日目のNT群と比較して、24時間の群は収縮の減少(p<0.01)を示し;かつ、7
日目の1時間の群と比較して収縮を減少させた(p<0.01)(図2E)。14日目のNT群と比較
して、1時間の群は、収縮の減少(p<0.01)を示した(図2E)。

0131

pGlcNAcパッチは、血管密度及び増殖を増加させた。dB/dBマウスにおける1cm2、全厚
無処置の創傷は、術後8〜12日に50%閉鎖に達した(Chanらの文献、「遺伝的糖尿病マウス
での創傷閉鎖における組換え血小板由来増殖因子(Regranex)の効果(Effect of recomb
inant platelet-derived growth factor (Regranex) on wound closure in genetically
diabetic mice.)」J Burn Care Res 2006;27(2):202-5)。治療後の創傷治癒についての
病期分類の中間時点として10日目が選ばれた。

0132

増殖細胞がKi-67について染色された(図3A)。PECAM-1(CD31)を選択して内皮細胞を
染色し、肉芽組織の血管密度を定量化した(図3B)。NT及び24時間の群と比較して、1時
間の群は、血管密度及び細胞増殖に顕著な増加を示した(図3A、3B)。PECAM-1及びKi-67
の結果を共にプロットし、異なる治療間での血管形成及び増殖の視覚的相関を与えた(図
3C)。

0133

肉芽組織域及び厚みは、4×倍率(群当たりn=7〜8)で顕微写真にて測定し、以下に示
すように、傷害及び治療様式に応答して新しく形成された組織による被覆レベルを評価し
た:

0134

有意差は、NT、24時間及び1時間の群の間で、肉芽組織の量及び分布において観察され
なかった。

0135

pGlcNAcパッチの適用時間は異物反応を調整した。不溶性繊維に接した創傷の延長曝露
の効果を研究するために、パッチは、はじめに全追跡調査期間(3週)の間そのままにし
た。パッチの不溶性長繊維の長期にわたる存在は異物反応の形成を誘導し、肉芽組織形成
及び巨大多核細胞の増加により特徴づけられた。1又は24時間のパッチの適用は、いかな
る異物反応も誘導しなかった。

0136

(6.2 実施例2 dB/dBマウスの創傷治癒における短いポリ-N-アセチルグルコサミン(sNA
G)膜の効果)
(6.2.1 材料及び方法)
sNAG膜の調製。sNAG膜は、上記第6.1節に記載したように生産した微細藻類由来のナノ
繊維からなり、該繊維は照射によって短くなっている。簡潔には、出発物質は、1mg/mLの
濃度で、60gのpGlcNAcスラリーを含んだ。pGlcNAcスラリーの濃度は、5mLを0.2μmのフィ
ルターに濾過することにより確認した。15gのpGlcNAcを含んでいる15LのpGlcNAcスラリー
を、ウエットケークの形成まで濾過した。ウエイクケーク(wake cake)をそれからガンマ
線照射適合性容器であるホイルパウチに移し、200kGyガンマ線照射に供した。他の照射条
件は、図4Aにおいて反映されるように、pGlcNAc組成物におけるそれらの効果について試
験した。

0137

創傷モデル及び研究設計。先の第6.1節に記載されている遺伝的マウスモデルを使用し
て、創傷治癒におけるsNAG膜の効果を試験した。

0138

創傷閉鎖分析。創傷閉鎖分析は、実質的に第6.1節に記載するように実施した。収縮し
、再上皮化し、及び開いた創傷域の合計は、元の創傷サイズの100%に等しい(図5)(Yan
nas I.の文献「成体における組織及び器官の再生(Tissue and Organ Regeneration in a
dults.)」New York: Springer; 2001を参照されたい)。

0139

免疫組織化学。免疫化学は、実質的に第6.1節で先に記載した通りに実施した。

0140

血管密度定量化。血管密度定量化は、実質的に第6.1節で先に記載したようにに実行し
た。

0141

細胞増殖の定量化。細胞増殖の定量化は、実質的に第6.1節で先に記載したようにに実
行した。

0142

コラーゲン染色。創傷は、日常的方法を使用してコラーゲン成分について染色した。

0143

統計解析。創傷閉鎖の統計解析は、実質的に第6.1節で先に記載したように実行した。

0144

(6.2.2 結果)
統計解析。創傷閉鎖の統計解析は、実質的に第6.1節で先に記載したように実行した。

0145

pGlcNAc膜の照射の効果。照射はpGlcNAcの分子量を減らすが、照射は繊維のミクロ構造
を撹乱しなかった。pGlcNAcは、異なる状態の下で:乾燥、凍結乾燥された材料として;
乾燥した膜として;濃縮スラリーボリュームに対し30:70の重量)として;及び、薄い
スラリー(5mg/ml)として;照射を受けた。適切な分子量減少(500,000〜1,000,000ダル
トンの分子量に)は、乾燥ポリマーについて1,000kgy、及びウエットポリマーについて20
0kgyの照射線量で成し遂げられた(図4A)。

0146

繊維の化学的及び物理的な構造は、赤外線の(IR)スペクトル(図4B)、元素分析、及
び走査型電子顕微鏡(SEM)分析により検証されるように照射の全体にわたって維持され
た。照射を受けた繊維の顕鏡観察は、粒子長の減少を示した(図4C及び4D)。大部分の繊
維は、約15μm未満の長さであって、平均長約4umである。

0147

sNAG膜は、創傷治癒速度を変えた。肉眼写真は、sNAG膜処置されたマウスの創傷が、無
処置のコントロールマウスの創傷より速やかに治癒したことを示す(図6〜10を参照)。s
NAGでの治療は、無処置と比較して時間に渡ってより速い創傷閉鎖を誘導した。sNAG膜処
置マウスは、4、7、10、14、17、21及び25日目において、無処置のコントロールマウスと
比較して、擦傷表面(創傷の開いた部分)のより速やかな(p<0.05)減少を示した(図1
1)。

0148

sNAG膜処置マウスは、わずか8日平均で50%閉鎖にも達し、これは無処置のコントロール
マウス(12日を越える)より4日早い(p<0.01)(図12)。

0149

sNAG膜処置マウスは、平均15日未満で90%閉鎖にも達し、これは無処置のコントロール
マウス(およそ23日)より8日早い(p<0.01)(図13)。

0150

28日目に、sNAG膜処置マウスにおいて全て(100%)の創傷は閉鎖したが、無処置のコン
トロールマウスにおいてにおいては85%の創傷だけが閉鎖した。

0151

sNAG膜処置マウスは、14及び17日目における無処置のコントロールマウスと比較して、
再上皮化の増加(p<0.05)を示した(図14)。

0152

sNAG膜処置マウスは、4、7及び10日目における無処置のコントロールマウスと比較して
、収縮の減少(p<0.01)を示した(図15)。

0153

sNAG膜は、血管密度及び増殖を増加させた。dB/dBマウスにおける1cm2、全厚、無処置
の創傷は、術後8〜12日に50%閉鎖に達した(Chanらの文献、「遺伝的糖尿病マウスでの創
傷閉鎖における組換え血小板由来増殖因子(Regranex)の効果(Effect of recombinant
platelet-derived growth factor (Regranex) on wound closure in genetically diabet
ic mice.)」J Burn Care Res 2006;27(2):202-5)。治療後の創傷治癒についての病期
類の中間時点として10日目が選ばれた。

0154

無処置のコントロールマウス対sNAG膜処置マウスにおける創傷端の組織学を、それぞれ
、図16及び17に示す。増殖細胞をKi-67について染色した(図18)。PECAM-1(CD31)を選
択し、内皮細胞を染色し、肉芽組織の血管密度を定量化した(図19)。sNAG膜処置マウス
は、無処置のコントロールマウスと比較して、血管密度及び細胞増殖の顕著な増加を示し
た(図16、17)。

0155

図20及び21に示すように、再上皮化及び肉芽組織域を、4×倍率(群当たりn=7〜8)に
て顕微写真で測定し、傷害及び治療様式に応答して新しく形成された組織による被覆のレ
ベルを評価した。

0156

sNAG膜の適用時間は異物反応を調整した。sNAG繊維に接した創傷の延長曝露の効果を研
究するために、全ての実験の間(4週)、sNAG膜を適用したままにした。図22は、10日で
の異物反応の欠如を示す。さらに、異物反応は、全てのsNAG膜処置マウスでの研究全体に
わたって観察されなかった。

0157

sNAG膜はコラーゲン形成/配置を調整した。コラーゲン染色をsNAG治療マウス及び無処
置のマウスの両方において観察したが、コラーゲン束は治療を受けたマウスにおいてより
高密度かつ均一であり、これは、治療を受けたマウスにおける創傷繊維芽細胞の刺激増加
及びより高度な創傷治癒の進行を示唆した(図22)。

0158

(6.3 実施例3内皮細胞(EC)の動態及び血管新生におけるポリN-アセチルグルコサミ
ン(pGlcNAc)及びsNAGの効果)
(6.3.1 材料及び方法)
組織培養、成長因子及びトランスフェクションプールされた複数のドナーのヒト臍帯
静脈内皮細胞(EC)(Cambrex)を、Cambrex手順により記載されるEC生育培地2SingleQuo
tsを補充した内皮基礎培地2(Cambrex)にて、37℃、5%CO2で維持した。血清飢餓は、0.1
%のウシ胎仔血清(GibcoBRL)を補充したRPMI-1640中24時間80〜90%集密度の後、VEGF 1
65(20ng/ml、R&D Systems)での刺激、又はテキストに記載された量で無菌水中の高度に
精製されたpGlcNAcナノ繊維若しくはsNAGナノ繊維(Marine Polymer Technologies社, Dan
vers, Mass., USAにより提供される)での刺激により実施した。VEGFR阻害剤SU5416(10μ
m; R&D Systems)を使用する阻害については、細胞をVEGF、pGlcNAc又はsNAGによる刺激
の前に15分間前処理した。

0159

ヒトの臍帯静脈ECは、製造業者により記載されている手順においてAmaxa nucleofector
システムを使用してトランスフェクションし、80%までトランスフェクション効率を得た
。すべてのトランスフェクションは、GFP発現ベクターpFP-C1; Clontech)又はGFP指示
RNA干渉(RNAi;Amaxa)を使用する緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現によりモニターした
。特にEts1に対して指示されたプラスミドベースRNAiはPandomics社から購入し、ドミナ
ントネガティブEts (dn-Ets)構築物は、pcDNA3発現ベクターにクローン化されたEts2のDN
A結合ドメインを含む。

0160

抗体及びウェスタンブロット解析。ウエスタンブロット解析に使用する抗体は、以下の
通りである:抗PI3K p85サブユニット(Upstate Biotechnology)、抗リン酸化型特異的V
EGFR2(Cell Signaling)、VEGFR2(Santa Cruz)、抗リン酸化型特異的p42/p44(Promeg
a)、及び抗リン酸化型特異的VEGFR2(BD Biosciences社)、抗p42/p44 Erk1/2、抗VEGFR
2及び抗Ets1(Santa Cruz)。

0161

処理した細胞をリン酸塩緩衝食塩水PBS)で1回洗浄し、EDTA不含完全プロテアーゼ
害剤(Roche)及び200μMオルトバナジウム酸ナトリウムを補充した1×RIPA溶解緩衝液
(50mMトリス-HCl、pH 7.5、1%トリトンX-100、150mM NaCl、0.1% SDS、1%デオキシ
ール酸ナトリウム、40mM NaF)において溶解した。タンパク質濃度ビシンコニン酸タン
パク質アッセイ(Pierce)で測定し、SDS-PAGEで分離し、イモビロン-Pポリフッ化ビニリ
デン膜(Millipore)に転写した。ウエスタン分析は、標準的方法に従った。タンパク質
は、Luminol試薬(Santa Cruz)を使用して視覚化した。

0162

細胞運動性及び増殖アッセイ。「掻爬」創傷閉鎖アッセイのために、ECをプラスチック
組織培養ディッシュ上でコンフルエントまで培養し、ピペット先端部材を使用して1回の
「創傷」を引き起こした。細胞をそれから、VEGF(20ng/ml)、テキストにおいて示され
る量のpGlcNAc若しくはsNAGで補充した、又は補充しない血清飢餓培地で16〜18時間イン
キュベートした。細胞をPBSで1回洗浄し、メタノールで10分間固定し、0.1%クリスタル
バイオレットで10分間染色して、完全に水でリンスした。創傷アッセイをデジタル画像治
療を備えているオリンピック光学顕微鏡を使用して10×倍で撮影し、移動距離を測定した

0163

修飾トランスウェルアッセイのために、トランスフェクションしたEC又はトランスフェ
クションしていないECを、20μg/μlのフィブロネクチン又はビトロネクチンでプレコー
トした8μmの孔サイズの浸潤チャンバー(Sigma)にまき、チャンバーあたり500μlの血清
飢餓培地中5×104細胞であり、500μlの飢餓培地を該ウェルに添加した。VEGF(20ng/ml
)、pGlcNAc又はsNAGを上部チャンバに添加した。細胞は、5%のCO2存在下、37℃で12時間
インキュベートした。移動しなかった細胞は、各膜の上側を綿布でふくことにより除去し
た。移動した細胞をメタノールで10分間固定し、PBS中0.1μg/mlのエチジウムブロマイド
で染色した。移動した細胞は、ライカ蛍光顕微鏡を使用して計数した。各アッセイは最
低独立した3回の3回重複で実施し、トランスウェル当たり少なくとも6視野を計数した。

0164

インビトロ血管新生アッセイのために、ECを、成長因子を減らしたマトリゲルマトリク
ス(BD Laboratory)上に、血清飢餓培地中96ウェルプレートのウェルあたり1.6×104細
胞/50μlで、VEGF(20ng/ml)、pGlcNAc若しくはsNAGの存在下又は不在下においてまいた
。コード形成は、播種後8時間までで評価した。VEGF-、pGlcNAc-及びsNAG-治療細胞がコ
ードを形成し始めるときに細胞を固定して撮影する一方で、コントロールは単一の細胞層
を保持した。アッセイは2回反復で実行し、独立して2回繰り返した。

0165

細胞増殖/生存率評価のために、2つの異なるアッセイ法を使用した:血球計算板を使用
する直接的な細胞計数によるトリパンブルー排除、及び製造業者(Promega)により記載
されている手順でのMTT[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリ
ウムブロミド]アッセイ。

0166

抗体遮断。インテグリンにより媒介される細胞運動性及びシグナリングを遮断するため
に、pGlcNAc又はsNAGによる刺激前に、ECを、Chemicon Internationalから購入したαVβ
3若しくはα5β1(CD49e)に対して指示された遮断抗体、又はα5サブユニットに対して
指示された遮断抗体(Santa Cruz)を用い、実験的に決定された濃度(1μg/ml)で15分
プレインキュベートした。正常ウサギ血清を陰性対照として使用した。αVβ3抗体を使
用する細胞移動の阻害のために、トランスウェルをフィブロネクチン(20μg/μl)でよ
もむしろビトロネクチン(Sigma)でプレコートした。VEGFRの活性化を防ぐために、EC
を、阻害剤であるSU5416(SU)で10μg/mlの濃度にて15分間プレインキュベートした。

0167

逆転写ポリメラーゼ連鎖反応半定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のため
に、cDNAを総RNA(2〜5μg)から合成し、製造業者により説明されている手順にてRNA-ST
AT 60(Tel-Test社)を使用して分離し、製造業者の指示に従ってオリゴ(dT)を使用す
るGibcoBRLから購入したスーパースクリプトファーストストランド合成キットを用いた
PCR反応は、等量のcDNA及び1.25μMの適切なプライマー対(Proligo社)を含んだ。プ
ライマー配列は以下の通りである:



サイクル条件は以下の通りだった:20〜35サイクルの94℃で5分間;94℃で1分間、50〜65
℃(プライマーTmに基づく)で1分間、72℃で1分間、及び45s+ 2s/サイクル;72℃で7分
間、並びに4℃への冷却。サイクル数は、使用する各プライマー対のアッセイの線形範囲
の中で実験的に決定された。全ての半定量的RTPCRは、内部標準としてS26プライマーをタ
ンデムで実施した。生成物を1〜1.5%のアガロースゲル上で流し(生成物サイズに基づく
)、バイオラド分子イメージングシステムで視覚化した。

0168

リアルタイムPCRは、Mx3000PリアルタイムPCRシステムと組み合わせてBrilliant CYBR
green定量的PCR(QPCR)キットを使用して実行し、その両方ともストラタジーンから購入
した。リアルタイムは、少なくとも2つの独立した時間で少なくとも3回反復で実行した。
リボソームタンパク質サブユニットS26を検出する内部標準プライマーを使用した。

0169

(6.3.2 結果)
(6.3.2.1 pGlcNAc)
pGlcNAcは、血清飢餓により誘導される細胞死からECを保護した。pGlcNAc繊維がECに直
接効果を有したかどうか試験するために、血清飢餓されたEC細胞を、VEGFで、又は異なる
濃度のpGlcNAc繊維で処理した。図24の血清飢餓後の48時間及び72時間に示すように、播
種された細胞の総数(コントロール)と比較して、48時間又は72時間後に細胞数において
約2倍の減少があった。48時間において、細胞数のこの減少は、VEGFの添加によって、又
は50若しくは100μg/mlのpGlcNAc繊維の添加によって救われた。72時間において、細胞数
の減少は、VEGFの添加によって救われ、又は100μg/mlのpGlcNAc繊維の添加によって大幅
に救われた。これらの結果は、VEGFの様に、pGlcNAc繊維治療が、血清欠乏により誘導さ
れる細胞死を防止したことを示した。

0170

pGlcNAcは代謝速度に影響しなかった。図25に示すように、pGlcNAcは、MTTアッセイで
測定されるより高い代謝速度生じず、これはこの重合物質が、細胞増殖において著しい増
加を引き起こさないが、血清欠乏による細胞死から救っていたことを示した。

0171

pGlcNAcは細胞移動を増加させた。ECのpGlcNAc繊維治療が細胞運動性の変化を生じるか
どうか試験するために、「掻爬」創傷閉鎖アッセイ法を使用した。創傷領域への細胞の移
動は、50、100及び250μg/mlでpGlcNAcが存在する場合に著しく増加した。図26に示すよ
うに、創傷閉鎖は、VEGF治療について観察されたものと類似していた。これらの結果は、
pGlcNAc治療がEC運動の増加を生じることを示した。

0172

pGlcNAcは、フィブロネクチンの方への遊走の増加を引き起こした。この細胞運動性の
増加がさらなる細胞侵入と相関したかどうか決定するために、EC運動性を、膜が細胞外
質タンパク質であるフィブロネクチンでプレコートされたトランスウェルアッセイを使用
して測定した。図27に示すように、pGlcNAc治療は、VEGFの添加により強化された(4倍)
フィブロネクチンの方への遊走において3倍の増加を生じた。

0173

pGlcNAcはコード形成を増加させた。細胞移動の刺激は、血管新生増加の必要条件であ
る。インビトロで、pGlcNAcが血管新生刺激性であったかどうか試験するために、マトリ
ゲルアッセイを実行した。ECを血清飢餓の状態の下で成長因子を減らしたマトリゲルにま
き、6時間以内にVEGF又はpGlcNAc繊維の存在下又は不在下でコード形成について評価した
。図28に示すように、VEGF及びpGlcNAc処理の両方は、マトリゲル上でコード形成の増加
を生じた。これらの結果は、pGlcNAcが血管新生刺激性であることを示す。

0174

pGlcNAcは、細胞運動性に関与するエフェクタを誘導した。総RNAを血清飢餓されたEC(
SS)から分離し;SS を、VEGF、pGlcNAc、スフィンゴシイング(Sphingosiing)1-リン酸
S1P)、又はZnで処理し;SSをVEGF又はS1Pで前処理した後、pGlcNAc処理し;SSをVEGF又
はpGlcNAcで前処理した後、VEGFR阻害剤であるSU5416(Su)で処理した。図29Aに示すよ
うに、pGlcNAc処理は、EC運動の重要な制御因子であるEts1転写因子、並びにメタロチオ
ネイン2A(MT)、Akt3及びEdg3の発現を刺激した。図29Bに示すように、リアルタイムPCR
は、Ets1がpGlcNAc処理によってほぼ2倍誘導されたことを示した。メッセージにおけるこ
のEts1増加は、図29Cにおけるウエスタンブロット解析に示すより高いタンパク質発現を
伴った。図29Aは、pGlcNAcにより刺激されるMT発現がVEGFR依存的であることも示した。

0175

pGlcNAcによるリン酸化型MAPK の誘導はVEGFR2依存的であった。pGlcNAc治療が、先に
示したVEGFRシグナリングの下流の経路の活性化を生じるかどうか試験するために、ECをV
EGF又はpGlcNAcで処理した。図30Aに示すように、pGlcNAc処理は、MAPKのリン酸化の著し
い増加を生じた。この増加がVEGFR2依存的であったかどうか試験するために、ECをVEGFR
阻害剤で前処理した後、VEGF又はpGlcNAc処理した。結果は、pGlcNAcによるリン光体-MAP
Kの誘導がVEGFR2に依存していることを示した(図30Bも参照されたい)。

0176

pGlcNAcはVEGFR2を活性化させなかった。pGlcNAcがVEGFRを活性化させたかどうか試験
するために、VEGFR2のリン酸化形態に対して指示された抗体を使用して、一連のウエスタ
ブロットを実行した。図31に示すように、VEGF処理は、総VEGFR2タンパク質レベルのタ
ーンオーバーを伴い、VEGFRの急速なリン酸化が生じたが、pGlcNAcは、示されるこれらの
初期の時点又は治療後6時間までのいずれにおいても効果を有しなかった(データ示さず
)。

0177

pGlcNAc誘導性の遊走はEts依存的であった。Ets1がpGlcNAcにより誘導される運動性に
必要であるかどうか試験するために、ドミナントネガティブ法並びにRNAiを使用してEts1
を阻害した。保存されたEtsDNA結合ドメインを発現しているdn-Ets構築物をECにトラン
スフェクトした。dn-Etsを発現させた24時間後、細胞は、pGlcNAcでの処理後のトランス
ウェルアッセイにおけるフィブロネクチンの方への細胞移動の変化について評価した。図
32Aに示すように、Ets1活性並びにECにおいて発現される他のファミリーの阻害は、pGlcN
Acに応答してのEC遊走において著しい減少を生じた。dn-Etsの活性のためのコントロール
として、図5Bは、dn-Etsの量を増加させたトランスフェクションが、総Ets1タンパク質の
減少をもたらしたことを示す。Ets1発現は、別のファミリーメンバーによって制御され得
るのみならず、自己制御されていることもあり得る。RNAiによる特異的なEts1の阻害は、
フィブロネクチン上でpGlcNAc誘導性の細胞運動の減少も生じた(図32A、右面)。図32B
に示すように、dn-Ets発現プラスミドによってトランスフェクトされた細胞において、Et
s1タンパク質発現は、プラスミド量の増加に伴って減少した。RNAi実験のためのコントロ
ールとして、図32Cは、Ets1に対して指示された2つの量のプラスミド含有RNAiでトランス
フェクトされたECにおけるEts1の結果的発現レベルを示す。dn-Etsの発現は、細胞移動に
おいてEts1 RNAiより実質的な減少を生じ、これはおそらくECにおいて発現された他のフ
ァミリーメンバーのその遮断による。この知見は、pGlcNAcによる細胞運動性の誘導にお
けるEts1の役割を支持した。

0178

pGlcNAc誘導性の細胞運動はインテグリンを必要とした。pGlcNAcの効果がインテグリン
依存的であるかどうか試験するために、遮断抗体を使用して、ECのインテグリンにより媒
介されるシグナリングを破壊した。pGlcNAc誘導性細胞移動におけるこれらの抗体の効果
は、トランスウェルアッセイを使用して評価した。図33Aは、フィブロネクチン(αVβ3
受容体)に向かう遊走アッセイにおいて、αVβ3又はα5β1(CD49e)インテグリンに対
して指示された抗体を使用した場合の結果を示す。図33Bは、ビトロネクチンで被覆され
たトランスウェルにおいて、αVβ3又はα5β1(CD49e)に対して指示された抗体を使用
する同様の実験を示す。いずれのインテグリン亜型の抗体遮断も、それらの同族基質
おけるpGlcNAc誘導性の細胞運動の阻害を生じた。これらの結果は、pGlcNAcが細胞運動性
インテグリン活性化を介して刺激することを示す。結果は、インテグリン活性化を介し
て血管新生を刺激しているpGlcNAcとも整合している。

0179

pGlcNAc誘導性の細胞運動は、インテグリン係合を介するFAKの活性化に関与し得る。FA
Kは、インテグリンのクラスタリング及び活性化に応答してリン酸化される。FAKは、イン
テグリン及び成長因子により媒介される細胞運動性及び浸潤の重要な制御因子である。pG
lcNAcによるインテグリン活性化を試験するために、ECを時間増量のpGlcNAc繊維で処理し
FAKリン酸化のレベルの変化をアッセイした。図34に示すように、pGlcNAc処理は、処理
15分以内でFAKのリン酸化を生じた。これらの結果は、pGlcNAc誘導性の細胞運動が、イン
テグリン係合を介するFAKの活性化に関与し得ることを示す。

0180

pGlcNAcは、創傷治癒モデルにおける血管新生をもたらすインテグリン→Ets1経路を活
性化させる。多くのインテグリンサブユニット転写制御におけるEts1の役割が説明され
ており、Ets1はインテグリンの上流に位置する。pGlcNAcによって誘導される運動性が、
インテグリン及びEts1の両方に依存するという発見は、Ets1がインテグリンの制御された
下流であり得ることを暗示する。インテグリン活性化がEts1発現の制御を生じることを確
認するために、α5β1(フィブロネクチン受容体)又はαVβ3(ビトロネクチン受容体)
に対して指示された遮断抗体を使用して、pGlcNAcによるインテグリンを阻害した。図35A
は、α5β1インテグリンの抗体遮断が、pGlcNAc誘導性Ets1発現の減少を生じることを示
す。α5β1インテグリンの遮断を使用するEts1発現のこの阻害は、タンパク質レベルに要
約される(図35B)。しかしながら、αVβ3インテグリン抗体は、ビトロネクチンにおけ
る運動性を遮断したが、Ets1のpGlcNAc誘導性発現に影響を及ぼさず(図35)、これはビ
トロネクチンにおけるpGlcNAc誘導性の細胞運動がEts1非依存的であり得ることを示した
。合わせて考えると、これらの結果は、初代ECにおいてEts1を特定のインテグリンの下流
に位置させ、初代ECにおけるEts1発現に関するインテグリンシグナリングの潜在的特異性
を示す。したがって、これらの知見は、pGlcNAcが、創傷治癒モデルの血管新生をもたら
すインテグリン→Ets1経路を活性化できることを示す。

0181

pGlcNAc はVEGF及びIL1の発現を誘導した。pGlcNAc処理が、活性化したECにより分泌され
ることが知られている成長因子又はサイトカインの発現を誘導したかどうか試験するため
に、血清飢餓されたECをpGlcNAcで12時間処理し、VEGF、IL-1及びIL-8の発現の変化を評
価した。RT-PCR及びQPCRで示すように、(図36A)、pGlcNAc処理は、VEGF及びIL-1両方の
発現増加を生じた。これらの知見は、別のインターロイキンであるIL-8の発現に変化がな
かったことから、ECのpGlcNAcに対する反応は特異的であることも示した。VEGF発現に対
するpGlcNAcの効果に続発する、VEGFにより制御されることが知られている転写因子であ
るEts1発現のpGlcNAc依存的な誘導を試験するために、pGlcNAcでの処理前に、VEGFRの活
性化を薬理学的阻害剤であるSU5416(SU)を使用して遮断した。QPCR(図36B)で示すよ
うに、この阻害剤でのECの処理は、VEGFによるEts1の誘導を遮断したが、pGlcNAcによるE
ts1の誘導に効果を有しなかった。

0182

pGlcNAcは、FGF1及びFGFR3の発現を誘導した。pGlcNAc処理が血管新生関連因子の発現
を誘導したかどうか試験するために、ECをpGlcNAcで処理し、FGF1、FGF2、FGFR1、FGFR2
、FGFR3、スタビリン、IFNg、コラーゲンA18の発現における変化を評価した。図37で示す
ように、pGlcNAc処理は、スタビリン及びコラーゲンA18の発現増加を生じた。

0183

(6.3.2.2 sNAG)
sNAGは細胞移動を増加させた。ECのsNAG繊維処理が細胞運動性の変化を生じるかどうか
試験するために、「掻爬」創傷閉鎖アッセイ法を使用した。創傷領域への細胞の移動は、
50及び100μg/ml両方のsNAG存在下で著しく増加した。創傷閉鎖は、pGlcNAc処理で観察さ
れたものと類似していた(図38を参照)。これらの結果は、sNAG処理がEC運動の増加を生
じることを示した。

0184

sNAGは、代謝速度の著しい増加を誘導した。MTTアッセイで測定されたように、50、100
又は200μg/mlのsNAGは、VEGFより高いECの代謝速度を生じた(図39)。

0185

sNAGは、血清欠乏により誘導される細胞死からECを保護しなかった。sNAG繊維がECに直
接効果を有したかどうか試験するために、血清飢餓されたEC細胞をVEGで、又は異なる濃
度のsNAG繊維で処理した。図40に示すように、血清飢餓後の48時間で、播種された細胞の
総数(コントロール)と比較して、細胞数の約2倍の減少があった。細胞数のこの減少は
、VEGFの添加によって救われたが、50、100又は200μg/mlのsNAG繊維の添加によっては救
われなかった。これらの結果は、VEGFとは異なり、sNAG繊維処理が血清欠乏により誘導さ
れる細胞死を防止しなかったことを示した。

0186

sNAG はVEGF及びIL1の発現を誘導した。sNAG処理が、活性化されたECにより分泌される
ことが知られている成長因子又はサイトカインの発現を誘導したかどうか試験するために
、かつその効果をpGlcNAcと比較するために、血清飢餓されたECをpGlcNAc又はsNAGで12時
間処理し、VEGF、IL-1及びIL-8の発現における変化を評価した。図41で示すように、sNAG
処理は、VEGF及びIL-1両方の発現増加を生じた。これらの知見は、別のインターロイキン
であるIL-8の発現において変化がなかったことから、ECのsNAGに対する反応が特異的であ
ることも示した。

0187

sNAGはFGF1及びFGFR3の発現を誘導した。sNAG処理が、血管新生関連因子の発現を誘導
したかどうか試験するために、ECをsNAGで処理し、FGF1、FGF2、FGFR1、FGFR2、FGFR3、
スタビリン、IFNg、コラーゲンA18の発現における変化を評価した。RT-PCR(図37)で示
すように、sNAG処理は、FGF1及びFGFR3の発現増加を生じた。

0188

上記の結果は、pGlcNAc及びsNAGがEC運動性を誘導し、かつpGlcNAc及びsNAGの両方がVE
GF及びIL-1の発現を誘導することを証明する。

0189

上記の結果はまた、sNAGがMTTアッセイにおいて血清飢餓されたECの代謝速度を増加さ
せ、トリパンブルー排除試験において血清飢餓されたECのアポトーシスを救わないことを
証明する。

0190

(6.4 実施例4 sNAGの前臨床試験
(6.4.1試験物品
上記第6.2.1節において前述したように生産できるsNAGを含む試験物品を利用した。試
物品は、Marine Polymer Technologies社により無菌で供給された。

0191

(6.4.2生体適合性試験−L929MEM回避試験−ISO 10993-5)
試験物品の生体親和性をマウス繊維L929哺乳動物細胞において試験した。試験物品へ
の曝露後48時間のL929細胞において、生物反応性等級0)は観察されなかった。ポジテ
ィブコントロール物品(等級4)及びネガティブコントロール物品(等級0)から得られた
観察された細胞反応によって、試験系適合が確認された。プロトコルの基準に基づき、
試験物品は無毒性であるとみなされ、回避実験、すなわち国際標準化機構(ISO)10993-5
指針要件を満たす。下記の表Iを参照されたい。

0192

(6.4.3筋肉内移植試験−ISO−4週間移植)
(6.4.2.1材料及び方法)
局所毒作用を誘導する試験物品の可能性を評価するために、筋肉内移植試験−ISO−4週
間移植(「筋肉内移植試験」)を使用した。簡潔にいうと、試験物品を4週間、ニュー
ランドホワイト種ウサギの傍脊椎筋組織に移植した。試験物品をそれから2つのコント
ロール物品を使用して別々に評価した:ポジティブコントロールサージセル(Surgicel)
ジョンソンアンドジョンソン、NJ)及びネガティブコントロール・高密度ポリエチレン
(ネガティブコントロールプラスチック)。

0193

試験及びコントロール物品の準備。試験物品を、幅およそ1mm及び長さ10mmで測定した
。2つのコントロール物品を準備した。ポジティブコントロールであるサージセル(C1)
を幅およそ1mm及び長さ10mmで測定し、無菌で受け取った。ネガティブコントロールプラ
スチック(C2)を幅およそ1mm及び長さ10mmで測定し、70%エタノールへの浸漬により殺菌
した。

0194

前投与手順。各動物を移植前に秤量した。試験の日に、動物の背面側を毛皮がない状態
で留め、抜け毛掃除機で除去した。各動物を適切に麻酔した。移植前に、該領域を外科
調製溶液で拭いた。

0195

用量投与。4つの試験物品ストリップを、正中及び平行から脊柱におよそ2.5cm、並びに
互いにおよそ2.5cmで、各ウサギの傍脊椎筋の各々に外科的に移植した。試験物品ストリ
ップを片側の脊椎側に移植した。同様の様式で、ポジティブコントロール物品ストリップ
(サージセル)を各動物の反対側の筋肉に移植した。2つのネガティブコントロールスト
リップ(ネガティブコントロールプラスチック)を、試験物品に対し、及び脊椎(合計で
4つのストリップ)の一方のC1コントロール移植部位に対し、尾側で(尾部の方へ)移植
した。少なくとも8つの試験物品ストリップ、及び8つの各コントロール物品ストリップの
合計が評価のために必要とされる。

0196

投与後手順。動物を4週間維持した。移植部位及び毒性の臨床徴候の適切な治癒を保証
するためのこの期間、動物を毎日観察した。観察は全ての臨床症状を含んだ。観察期間
終わりに、動物を秤量した。各動物を注射可能なバルビツール酸塩犠牲とした。組織を
出血なく切るために充分な時間、経過させた。

0197

肉眼観察。試験物品又はコントロール物品が移植された傍脊椎筋をまとめて各動物から
切除した。筋肉組織は、慎重に外科用メスで移植部位のまわりで切り、組織を持ち上げる
ことにより切除した。切除された移植組織肉眼的に調査したが、組織病理的評価のため
にこの組織の完全性を壊し得る過剰な侵襲的手順は使用しなかった。組織を10%の中性緩
ホルマリンを含んでいる適切に標識した容器中に置いた。

0198

組織病理学。ホルマリンでの固定の後、移植部位の各々をより大量の組織から切除した
。移植料を含む移植部位を肉眼的に検討した。各部位は、以下の基準を使用して、炎症、
カプセル化、出血、壊死及び変色の徴候について検討した:
0=正常
1=軽度
2=中程度
3=顕著
肉眼の観察の後、移植材料インサイチュウでそのままにしておき、移植部位を含む組
織切片を加工した。ヘマトキシリン及びエオジン染色した切片の組織学的スライドをトキ
コン(Toxikon)で調製した。スライドを光学顕微鏡観察で評価し、等級分けした。

0199

移植の効果における病理学的評価。生体反応の以下のカテゴリを各移植部位について顕
鏡観察により評価した:
1.炎症反応
a.多形核白血球
b.リンパ球
c.好酸球
d.プラズマ細胞
e.マクロファージ
f.巨細胞
g.壊死
h.変性
2.反応治癒
a.線維形成
b.脂肪浸潤

0200

反応の各カテゴリは以下の基準を使用し等級分けした:
0=正常
0.5=ごくわずか
1=軽度
2=中程度
3=顕著

0201

関連のある領域の相対寸法を、インプラント/組織界面から、正常組織及び通常の血管
分布の特徴を有する無影響領域までの領域の幅を評価することによりスコア化した。関連
のある領域の相対寸法は以下の基準を使用してスコア化した:
0=0mm、部位なし
0.5 =〜0.5mm、ごくわずか
1= 0.6〜1.0mm、軽度
2 =1.1〜2.0mm、中程度
3 =>2.0mm、顕著

0202

筋肉内移植試験は以下の参照に基づいて実施した:
1.ISO 10993-6、1994、医療機器の生物学的評価−パート6:移植後の局所効果につい
ての試験。
2.ISO 10993-12、2002、医療機器の生物学的評価−パート12:サンプル調製及び対照材
料。
3.ASTMF981-04、2004、筋肉及び骨における材料の効果に関する外科用移植材料につい
ての生体材料互換性の評価のための標準実務
4.ASTM F763-04、2004、移植材料の短期スクリーニングのための標準実務。
5.ISO/IEC17025、2005、試験及び較正試験室の能力の一般的要件。

0203

筋肉内移植試験の結果は以下の基準に基づいて評価した:
1.算出速度:各移植部位について、合計スコアを決定する。各動物について試験部位
平均スコアを、その動物のコントロール部位の平均スコアと比較する。全ての動物につい
て試験部位とコントロール部位との間の平均差を算出し、初期生体反応速度を以下の通り
割り当てる:
0〜1.5 反応なし*
>1.5〜3.5 軽度の反応
>3.5〜6.0 中程度の反応
>6.0 顕著な反応
*負の計算値は0として報告する。
2.速度の変更:病理学観察者は、生体反応性の算出レベルを再調査する。全ての因子(
例えば、相対寸法、反応のパターン、炎症対回復)の観察に基づいて、病理学観察者は生
体反応速度を修正できる。速度の変更についての正当化は、物語報告にある(試験材料
生体親和性に関する記述的物語報告は病理学観察者により提供される)。

0204

(6.4.2.2 結果)
結果は、試験物品が、4週間(0.2の生体反応速度)移植されるときに、ポジティブコン
トロールサージセルと比較した場合に非反応性であり;かつ、ネガティブコントロール高
密度ポリエチレン(ネガティブコントロールプラスチック)と比較した場合に非反応性(
0.0の生体反応速度)であった;ことを示した。

0205

臨床観察。下記の表IIは、試験物品及びコントロール移植部位の肉眼の評価の結果が、
4週間での炎症、カプセル化、出血、壊死又は変色の顕著な徴候を示さなかったことを示
す。いくつかの試験部位及び大部分のポジティブコントロールであるサージセルは肉眼的
に見られず、連続切片顕微鏡的評価に供した。

0206

移植部位観察(顕微鏡的)。下記の表IIIは、試験物品移植部位の顕微鏡的評価の結果
が、コントロール物品部位の各々と比較して、炎症、線維形成、出血、壊死又は退化の顕
著な徴候を示さなかったことを示す。4週間の生体反応速度(3匹の動物の平均)は0.2(C
1−サージセル)、及び0.0(C2−ネガティブコントロールプラスチック)であり、これは
コントロール移植部位のいずれと比較しても反応がないことを示す。病理学者は、インサ
チュウで試験物品周辺に適度な多形及び組織球(マクロファージ)浸潤があったことを
記述し、これは試験材料の性質に与えられたものから予想外でなかった。

0207

(6.4.4 皮内注試験−ISO10993-10)
試験物品の注射用USP 0.9%塩化ナトリウム(NaCl)抽出物及び綿実油(CSO)抽出物を
ニュージーランドホワイト種ウサギの皮内注後に刺激をもたらすそれらの可能性につい
て評価した。試験物品部位は、コントロール物品を注射した部位より著しく大きな生体
応を示さなかった。プロトコルの基準に基づき、試験物品は、無視可能な刺激物とみなさ
れ、ISO 10993-10指針の要件を満たす。結果は、以下に表IVで示す。

0208

(6.4.5クリグマン(Kligman)最大化試験−ISO 10993-10)
試験物品の注射用UPS0.9%塩化ナトリウム(NaCl)抽出物及び綿実油(CSO)抽出物は
、誘発(0%感作)及び続く誘導期ハートレイモルモット皮内反応を誘発しなかった。
したがって、クリグマンの評価法により規定されるように、これは等級I反応であり、試
験物品は弱いアレルギーを起こす可能性があるとして分類する。プロトコルの基準に基づ
き、等級Iの感作速度は著しいとはみなされず、試験物品はISO 10993-10指針の要件を満
たす。結果を下記表Vに示す。

0209

具体的実施態様、参考文献の引用)
本発明は、本明細書に記載される具体的実施態様による範囲に制限されない。実際、本
明細書に記載されるものに加えて本発明のさまざまな変更態様が、前述の説明及び添付の
図面から当業者にとって明らかになるであろう。そのような変更態様は、添付の特許請求
の範囲内にあることが意図される。

実施例

0210

特許出願、特許公報及び科学的刊行物を含む様々な参考文献が本明細書に引用されてお
り;そのような参考文献の各々の開示は、引用によりその全てが本明細書に組み込まれる

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