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技術 La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 阿尻雅文
出願日 2015年3月6日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2015-044139
公開日 2016年9月8日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2016-164100
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(II) ナノ構造物
主要キーワード ロッド状粒子 熱電池 高熱膨張 イオン電導 ナノ粒子化 合成実験 低熱伝導率 高温燃料電池
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月8日)のものです。
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図面 (6)

課題

比較的低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる、La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法を提供する。

解決手段

硝酸ランタン[La(NO3)3]と硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2]とを水に溶解し、その溶液超臨界流体にして、硝酸ランタンと硝酸ジルコニルとをその超臨界流体中で反応させることにより、La2Zr2O7(LZ)ナノ粒子を合成する。反応温度は445℃以上460℃以下が好ましく、反応時間は45分以上90分以下が好ましい。また、超臨界流体のpHは、10.5以上であることが好ましい。

概要

背景

ナノ粒子バルク体とは異なる性質を示すため、様々な分野での応用が期待されている。また、パイロクロア構造のLa2Zr2O7(LZ)は、近年、高融点低熱伝導率高熱膨張係数、高イオン電導率という特性から、高温燃料電池固体電解質酸化触媒熱電池コーティング材料などに応用されている。このLZは、ナノ粒子化することにより比表面積が増加するため、触媒性能が向上するとともに、バルク体よりも優れた熱特性を示す。LZのこれからの応用展開としては、結晶性を高めることはもちろん、塗布、コーティング印刷技術といったデバイス加工技術に適した粒径粒径分布を得ることが重要であり、LZをナノ粒子化することにより、例えば、電解質やコーティング材料の塗布型プロセスへの展開が可能になると考えられる。

従来のナノ粒子合成法として、いわゆる固相法水熱合成法ゾルゲル法共沈法などがある(例えば、非特許文献1乃至5参照)。

概要

比較的低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる、La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法を提供する。硝酸ランタン[La(NO3)3]と硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2]とを水に溶解し、その溶液超臨界流体にして、硝酸ランタンと硝酸ジルコニルとをその超臨界流体中で反応させることにより、La2Zr2O7(LZ)ナノ粒子を合成する。反応温度は445℃以上460℃以下が好ましく、反応時間は45分以上90分以下が好ましい。また、超臨界流体のpHは、10.5以上であることが好ましい。

目的

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、比較的低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる、La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

硝酸ランタン[La(NO3)3]と硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2]とを超臨界流体中で反応させることにより、La2Zr2O7ナノ粒子を合成することを特徴とするLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法。

請求項2

前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとを水に溶解し、その溶液を超臨界流体にして、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとを反応させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法。

請求項3

前記超臨界流体の温度は430℃以上であり、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとの反応時間は45分以上であることを特徴とする請求項1または2記載のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法。

請求項4

前記超臨界流体の温度は445℃以上460℃以下であり、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとの反応時間は45分以上90分以下であることを特徴とする請求項1または2記載のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法。

請求項5

前記超臨界流体のpHが10.5以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法に関する。

背景技術

0002

ナノ粒子はバルク体とは異なる性質を示すため、様々な分野での応用が期待されている。また、パイロクロア構造のLa2Zr2O7(LZ)は、近年、高融点低熱伝導率高熱膨張係数、高イオン電導率という特性から、高温燃料電池固体電解質酸化触媒熱電池コーティング材料などに応用されている。このLZは、ナノ粒子化することにより比表面積が増加するため、触媒性能が向上するとともに、バルク体よりも優れた熱特性を示す。LZのこれからの応用展開としては、結晶性を高めることはもちろん、塗布、コーティング印刷技術といったデバイス加工技術に適した粒径粒径分布を得ることが重要であり、LZをナノ粒子化することにより、例えば、電解質やコーティング材料の塗布型プロセスへの展開が可能になると考えられる。

0003

従来のナノ粒子合成法として、いわゆる固相法水熱合成法ゾルゲル法共沈法などがある(例えば、非特許文献1乃至5参照)。

先行技術

0004

M. Asim Farid, et al., “Hydrothermal synthesis of doped lanthanum zirconate nanomaterials and the effect of V-Ge substitution on their structural, electrical and dielectric properties”, Materials Research Bulletin., 2014, 59, p.405-410
Y. Tong, et al., “Preparation and characterization of Ln2Zr2O7 (Ln=La and Nd) nanocrystals and their photocatalytic properties”, Journal of Alloys and Compounds., 2008. 465, p.280-284
K. K. Rao, T. Banu, M. Vithal, G. Y. S. K. Swamy, and K. R. Kumar, “Preparation and characterization of bulk and nano particles of La2Zr2O7 and Nd2Zr2O7 by sol-gel method”, Mater. Lett., 2002, 54, p.205
R. Vassen, X. Cao, F. Tietz, D. Basu and D. Stover, “Zirconates as New Materials for Thermal Barrier Coatings”, J. Am. Ceram. Soc., 2000, 83, p.2023
D. Chen and R. Xu, “Hydrothermal Synthesis and Characterization of La2M2O7 (M=Ti, Zr) Powders”, Materials Research Bulletin, 1998, 33, p.409-417

発明が解決しようとする課題

0005

La2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成する場合、従来の固相法やゾルゲル法、共沈法などのナノ粒子合成法では、900℃以上の高温で、5〜10時間以上の長時間にわたって反応を行う必要がある。また、水熱合成法では、120℃程度の比較的低温で反応を行うことができるが、反応時間が数十時間、サーファクタントを用いても8時間程度は必要であり、また反応後900℃以上で焼結を行う必要がある。このような高温かつ長時間のプロセスは、制御が困難で費用も嵩むため、より低温かつ短時間で、La2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成する方法が求められている。

0006

また、従来の固相法では、合成した粒子同士が凝集して粒径が大きくなってしまい、粒径制御が困難であるという課題があった。また、水熱合成法では、合成した粒子の結晶性が悪いという課題があった。

0007

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、比較的低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる、La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、本発明に係るLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法は、硝酸ランタン[La(NO3)3]と硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2]とを超臨界流体中で反応させることにより、La2Zr2O7ナノ粒子を合成することを特徴とする。

0009

本発明に係るLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法は、硝酸ランタン[La(NO3)3]と硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2]とを超臨界流体中で反応させることにより、従来の固相法や水熱合成法、ゾルゲル法、共沈法などのナノ粒子合成法よりも低温かつ短時間で、La2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる。また、合成したナノ粒子が凝集することもなく、高結晶性のナノ粒子を得ることができる。また、水熱合成法のようにサーファクタントなどの有機物を用いなくとも、短時間でナノ粒子を得ることができる。

0010

本発明に係るLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法は、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとを水に溶解し、その溶液を超臨界流体にして、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとを反応させることが好ましい。この場合、容易にLa2Zr2O7ナノ粒子を合成することができる。硝酸ランタンとして、硝酸ランタン六水和物[La(NO3)3・6H2O]を、硝酸ジルコニルとして、硝酸ジルコニル二水和物[ZrO(NO3)2・2H2O]を、水に溶解させることが好ましい。水は、精製水であることが好ましい。

0011

本発明に係るLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法で、前記超臨界流体の温度は430℃以上であり、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとの反応時間は45分以上であることが好ましい。この場合、従来のナノ粒子合成法よりも低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7のナノ粒子を合成することができる。La2Zr2O7のナノ粒子を単相で得るために、前記超臨界流体の温度は445℃以上460℃以下であり、前記硝酸ランタンと前記硝酸ジルコニルとの反応時間は45分以上90分以下であることが好ましい。

0012

本発明に係るLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法は、前記超臨界流体のpHが10.5以上であることが好ましい。この場合、従来のナノ粒子合成法よりも低温かつ短時間で、より効率的に、高結晶のLa2Zr2O7のナノ粒子を得ることができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、比較的低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる、La2Zr2O7ナノ粒子の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施の形態のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法により、pH11、反応温度200℃〜450℃、反応時間60分で合成された粒子のXRDパターンである。
本発明の実施の形態のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法により、pH4〜11、反応温度450℃、反応時間60分で合成された粒子のXRDパターンである。
本発明の実施の形態のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法により、pH11、反応温度450℃、反応時間10〜60分で合成された粒子のXRDパターンである。
本発明の実施の形態のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法により、pH11、反応温度450℃、(a)反応時間10分、(b)反応時間30分、(c)反応時間60分で合成された粒子のSEM像である。
図1図4の結果から推定されるLZの生成機構を示す説明図である。

実施例

0015

以下、実験に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法は、硝酸ランタン[La(NO3)3]と硝酸ジルコニル[ZrO(NO3)2]とを超臨界流体中で反応させることにより、La2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を合成することができる。

0016

[LZナノ粒子の合成実験
5mLのオートクレーブ反応器として用い、LZナノ粒子を合成する実験を行った。実験で使用する原料の調製は、Ar雰囲気下で、グローブボックスの内部で行った。原料として、濃度が0.04Mの硝酸ランタン六水和物[La(NO3)3・6H2O;和光純薬工業(株)製]の溶液と、濃度が0.04Mの硝酸ジルコニル二水和物[ZrO(NO3)2・2H2O;和光純薬工業(株)製]の溶液とを用い、これらをグローブボックス内で精製水に溶解させた。また、精製水には、濃度が2MのNaOH溶液も加え、pHの調整を行った。

0017

実験では、pHを4〜11、反応温度を200℃〜450℃、反応時間を10〜60分の範囲で変化させた。また、系内の圧力は、40MPaとした。反応後、生成された粒子を、精製水とエタノールとの混合液洗浄し、遠心分離および凍結乾燥を経て、液体から分離した。その後、粒子の結晶構造X線回折装置(XRD)で、粒子の形状および粒径を走査型電子顕微鏡(SEM)で確認した。なお、水は、374℃以上かつ22.1MPa以上で超臨界水となることから、反応中の混合溶液も、約374℃以上で超臨界流体になっているものと考えられる。

0018

まず、pHを11、反応時間を60分とし、反応温度を200℃〜450℃の範囲で変化させて粒子の合成を行った。このときに合成された粒子のXRDパターンを、図1に示す。図1に示すように、反応温度が200℃〜400℃までは、La(OH)3のみ、またはLa(OH)3およびZrO2しか確認できず、LZを確認することはできなかった。また、反応温度が430℃および440℃では、La(OH)3およびZrO2の中にLZを確認することができた。このため、これらの混相であると考えられる。また、反応温度が450℃では、La(OH)3およびZrO2は確認されず、LZのみが確認された。このため、LZが単相で存在していると考えられる。

0019

次に、反応温度を450℃、反応時間を60分とし、pHを4〜11の範囲で変更させて粒子の合成を行った。このときに合成された粒子のXRDパターンを、図2に示す。図2に示すように、pHが10以下では、La(OH)3やZrO2等しか確認できず、LZを確認することはできなかった。また、pHが11では、La(OH)3やZrO2等は確認されず、LZのみが確認された。このため、LZが単相で存在していると考えられる。

0020

次に、pHを11、反応温度を450℃とし、反応時間を10〜60分の範囲で変更させて粒子の合成を行った。このときに合成された粒子のXRDパターンを、図3に示す。また、合成された粒子のSEM像を、図4に示す。図3に示すように、反応時間が10〜30分では、La(OH)3およびZrO2の中にLZを確認することができた。このため、これらの混相であると考えられる。また、反応時間が60分では、La(OH)3およびZrO2は確認されず、LZのみが確認された。このため、LZが単相で存在していると考えられる。

0021

また、図4に示すように、反応時間が10分では、球状粒子ロッド状粒子との混相であるが、反応時間が長くなると、粒径のそろった数10nmの球状粒子が得られることが確認された。図4(a)のSEM像の範囲について、エネルギー分散型X線分光法(EDX)により元素の同定を行ったところ、図4(a)中のロッド状の粒子は、La(OH)3であると推定された。このことからも、反応時間が10〜30分では、いまだLa(OH)3が存在しており、LZが単相では得られていないといえる。

0022

図1図3の結果から、pH11、反応温度450℃、反応時間60分のとき、LZを単相で合成できることが確認された。また、図4(c)から、そのときのLZの粒子は球状であり、その粒径は数10〜100nm程度であることが確認された。また、得られたLZ粒子は、凝集しておらず、高結晶性のナノ粒子であることが確認された。

0023

以上の実験結果から推定されるLZの生成機構を、図5に示す。図5に示すように、原料の硝酸ランタン六水和物[La(NO3)3・6H2O]と、硝酸ジルコニル二水和物[ZrO(NO3)2・2H2O]とを水に溶解すると、その溶液中にLa3+、Zr4+が生成される。この溶液を加熱すると、200℃程度でそれらのイオンがLa(OH)3、Zr4+となり、300℃程度でLa(OH)3、ZrO2となり、400℃程度でそれらが溶解し始める。さらに、450℃では、La(OH)3、ZrO2が完全に溶解し、LZとして再析出するものと考えられる。

0024

このように、本発明の実施の形態のLa2Zr2O7ナノ粒子の製造方法によれば、従来の固相法や水熱合成法、ゾルゲル法、共沈法などのナノ粒子合成法よりも低温かつ短時間で、高結晶性のLa2Zr2O7(LZ)のナノ粒子を単相で合成することができる。合成されたLZナノ粒子は、比表面積が大きく、高い触媒性能を示すとともに、優れた熱特性も示すため、例えば、電解質やコーティング材料の塗布型プロセスで使用することができる。

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