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技術 燃料電池システム

出願人 株式会社フジクラ
発明者 高口裕哲郭振大橋正和森松祐樹
出願日 2015年3月3日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-041606
公開日 2016年9月5日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2016-162644
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(システム) 燃料電池(本体)
主要キーワード ダイアフラム型ポンプ 基準流量値 プランジャー型ポンプ 直線状溝 スタック状 カーボン微粉末 サーペンタイン形 流路入口
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

寿命かつ長期にわたって安定した燃料電池システムを提供する。

解決手段

燃料電池システム1は、ダイレクトメタノール型の燃料電池2を備えた燃料電池システムであり、メタノールを含む液体燃料貯蔵される燃料タンク3と、燃料タンクにメタノールを供給するメタノール供給装置4と、燃料タンクに貯蔵された液体燃料のメタノール濃度を測定する液体濃度センサ5と、燃料電池の出力電流値を測定する電流センサ6と、燃料タンクへのメタノールの供給量を制御する制御装置7と、を備えており、制御装置は、電流センサが測定した出力電流値に基づいてメタノール供給装置を制御すると共に、一定時間ごとに液体濃度センサの測定値に基づいてメタノール供給装置によるメタノールの供給量を補正する。

概要

背景

メタノール燃料として発電するダイレクトメタノール型燃料電池DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)に要求される出力モードに応じて、液体燃料の濃度を液体濃度センサにより測定し、当該測定結果に基づいて液体燃料の濃度を最適な濃度に調整する燃料電池装置が知られている(例えば特許文献1参照)。

概要

寿命かつ長期にわたって安定した燃料電池システムを提供する。燃料電池システム1は、ダイレクトメタノール型の燃料電池2を備えた燃料電池システムであり、メタノールを含む液体燃料が貯蔵される燃料タンク3と、燃料タンクにメタノールを供給するメタノール供給装置4と、燃料タンクに貯蔵された液体燃料のメタノール濃度を測定する液体濃度センサ5と、燃料電池の出力電流値を測定する電流センサ6と、燃料タンクへのメタノールの供給量を制御する制御装置7と、を備えており、制御装置は、電流センサが測定した出力電流値に基づいてメタノール供給装置を制御すると共に、一定時間ごとに液体濃度センサの測定値に基づいてメタノール供給装置によるメタノールの供給量を補正する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、長寿命かつ長期にわたって安定した燃料電池システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ダイレクトメタノール型の燃料電池を備えた燃料電池システムであって、メタノールを含む液体燃料貯蔵される燃料タンクと、前記燃料タンクにメタノールを供給するメタノール供給装置と、前記燃料タンクに貯蔵された前記液体燃料のメタノール濃度を測定する液体濃度センサと、前記燃料電池の出力電流値を測定する電流センサと、前記燃料タンクへのメタノールの供給量を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電流センサが測定した前記出力電流値に基づいて前記メタノール供給装置を制御すると共に、一定時間ごとに前記液体濃度センサの測定値に基づいて前記メタノール供給装置によるメタノールの供給量を補正する燃料電池システム。

請求項2

請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記メタノール供給装置は、少なくとも前記液体燃料のメタノール濃度よりも高いメタノール濃度の高濃度メタノールが貯蔵されたメタノールタンクと、前記メタノールタンクから前記高濃度メタノールを前記燃料タンクに供給するポンプと、を備え、前記制御装置は、前記電流センサの測定値に基づいて、前記高濃度メタノールの前記燃料タンクへの供給量の理論値を算出し、前記理論値に基づいて、前記ポンプをONする時間Tonと前記ポンプをOFFする時間Toffとの比であるデューティ比(Ton/(Ton+Toff))により前記ポンプを制御する燃料電池システム。

請求項3

請求項1又は2に記載の燃料電池システムであって、前記メタノール供給装置から前記燃料タンクにメタノールを供給する際の流量を測定する流量センサを備え、前記制御装置は、前記流量センサの測定値に基づいて、前記燃料タンクへのメタノールの供給量を制御する燃料電池システム。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池システムに関するものである。

背景技術

0002

メタノール燃料として発電するダイレクトメタノール型燃料電池DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)に要求される出力モードに応じて、液体燃料の濃度を液体濃度センサにより測定し、当該測定結果に基づいて液体燃料の濃度を最適な濃度に調整する燃料電池装置が知られている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2005−32610号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、液体濃度センサは一般に寿命が短く、長時間の動作により誤差が増加するため、上記技術においては当該液体濃度センサを備えた燃料電池装置が短寿命化する場合があるという問題がある。

0005

本発明が解決しようとする課題は、長寿命かつ長期にわたって安定した燃料電池システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

[1]本発明に係る燃料電池システムは、ダイレクトメタノール型の燃料電池を備えた燃料電池システムであって、メタノールを含む液体燃料が貯蔵される燃料タンクと、前記燃料タンクにメタノールを供給するメタノール供給装置と、前記燃料タンクに貯蔵された前記液体燃料のメタノール濃度を測定する液体濃度センサと、前記燃料電池の出力電流値を測定する電流センサと、前記燃料タンクへのメタノールの供給量を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電流センサが測定した前記出力電流値に基づいて前記メタノール供給装置を制御すると共に、一定時間ごとに前記液体濃度センサの測定値に基づいて前記メタノール供給装置によるメタノールの供給量を補正する。

0007

[2]上記発明において、前記メタノール供給装置は、少なくとも前記液体燃料のメタノール濃度よりも高いメタノール濃度の高濃度メタノールが貯蔵されたメタノールタンクと、前記メタノールタンクから前記高濃度メタノールを前記燃料タンクに供給するポンプと、を備え、前記制御装置は、前記電流センサの測定値に基づいて、前記高濃度メタノールの前記燃料タンクへの供給量の理論値を算出し、前記理論値に基づいて、前記ポンプをONする時間Tonと前記ポンプをOFFする時間Toffとの比であるデューティ比(Ton/(Ton+Toff))により前記ポンプを制御してもよい。

0008

[3]上記発明において、前記メタノール供給装置から前記燃料タンクにメタノールを供給する際の流量を測定する流量センサを備え、前記制御装置は、前記流量センサの測定値に基づいて、前記燃料タンクへのメタノールの供給量を制御してもよい。

発明の効果

0009

本発明によれば、燃料タンクへのメタノールの供給量を制御する制御装置が、電流センサが測定した燃料電池の出力電流値に基づいてメタノール供給装置を制御すると共に、一定時間ごとの液体濃度センサの測定値に基づいてメタノール供給装置によるメタノールの供給量を補正する。このため、液体濃度センサが連続して使用されることを回避し、燃料電池システムの安定化及び長寿命化を図ることができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の実施形態における燃料電池システムを示すブロック図である。
図2は、本発明の実施形態における燃料電池システムの制御装置が行うデューティ制御を説明するためのグラフである。
図3は、本発明の実施形態における燃料電池システムの制御装置で実行される制御を示すフローチャートである。
図4が、本発明の実施形態における燃料電池システムにおいて、ポンプの流量を示すグラフである。
図5は、本発明の実施形態における燃料電池システムの制御装置で実行されるメタノール供給量の補正処理を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施形態において、制御装置の制御により燃料タンク内のメタノール濃度が変化する様子を示すグラフ(イメージ図)である。

実施例

0011

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

0012

図1は本実施形態における燃料電池システムを示すブロック図であり、図2は制御装置が行うデューティ制御を説明するためのグラフである。

0013

本実施形態における燃料電池システム1は、例えば、停電時等における非常用電源として用いられる燃料電池システムであり、図1に示すように、燃料電池2と、燃料タンク3と、メタノール供給装置4と、液体濃度センサ5と、電流センサ6と、制御装置7と、を備えている。

0014

燃料電池システムに使用される燃料電池2は、メタノールを燃料として発電するダイレクトメタノール型燃料電池であり、膜電極接合体MEA:Membrane electrode assembly)21と、膜電極接合体21を挟持する板状のアノードセパレータ22及びカソードセパレータ23を備える。膜電極接合体21は、水素イオン陽イオン伝導性を有する略矩形高分子電解質膜211と、略矩形のアノード触媒層212と、カソード触媒層213を含み、さらに図示は省略するが、略矩形のアノードガス拡散層カソードガス拡散層を含んでいる。アノード触媒層212とアノードガス拡散層がアノードを構成し、カソード触媒層213とカソードガス拡散層がカソードを構成する。

0015

なお、図1に示す燃料電池2では、一対のセパレータ22、23に挟持された膜電極接合体21を一つのみ有する構成となっているが、燃料電池2の構成は特にこれに限定されない。例えば、一対のセパレータ22、23に挟持された膜電極接合体21を複数積層してスタック状とし、当該膜電極接合体21同士を直列に又は並列に接続して燃料電池2を構成してもよい。

0016

高分子電解質膜211としては、特に限定されるものではなく、通常の高分子電解質形燃料電池に搭載される高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名、登録商標)、旭化成(株)社製のAciplex(商品名、登録商標)、ジャパンゴアテックス(株)社製のGSII(商品名、登録商標)など)を使用することができる。

0017

アノード触媒層212及びカソード触媒層213は電極触媒と、当該電極触媒を担持する導電性炭素粒子カーボン粉末)と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とで構成されている。

0018

アノード触媒層212及びカソード触媒層213における担体である導電性炭素粒子としては、導電性を有する細孔の発達したカーボン材料を用いるのが好ましい。このようなカーボン材料としては、カーボンブラック活性炭カーボンファイバー及びカーボンチューブなどを例示することができる。カーボンブラックとしては、例えばチャネルブラックファーネスブラックサーマルブラック及びアセチレンブラックなどが挙げられる。また、活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化処理及び賦活処理することによって得ることができる。

0019

アノード触媒層212及びカソード触媒層213における電極触媒としては、白金又は白金合金を用いるのが好ましい。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウムロジウムパラジウムオスミウムイリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロムマンガンモリブデンタングステンアルミニウムケイ素レニウム亜鉛及びスズからなる群より選択される1種以上の金属と、白金との合金であるのが好ましい。また、上記白金合金には、白金と上記金属との金属間化合物が含有されていてもよい。さらに、白金からなる電極触媒と白金合金からなる電極触媒を混合して得られる電極触媒混合物を用いてもよく、アノード側とカソード側に同じ電極触媒を用いても異なる電極触媒を用いてもよい。

0020

アノード触媒層212及びカソード触媒層213の外側に配置されるアノードガス拡散層及びカソードガス拡散層(いずれも不図示)としては、当該分野において公知の種々のガス拡散層を用いることができる。これらのガス拡散層を構成する基材としては、ガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有するカーボン微粉末カーボンペーパー又はカーボンクロスなどを用いて作製された、導電性多孔質基材を用いることができる。また、排水性を向上させるために、例えば、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂を代表とする撥水性材料高分子)を上記基材の内部に分散させて、上記基材は撥水処理を施されていてもよい。さらに、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維金属繊維又はカーボン微粉末などの電子伝導性材料で上記基材を構成してもよい。なお、カソード側及びアノード側において同じガス拡散層を用いても異なるガス拡散層を用いてもよい。

0021

一対のアノードセパレータ22及びカソードセパレータ23は、膜電極接合体21の外側に配置されて、膜電極接合体21を機械的に固定するための部材である。アノードセパレータ22のうちの膜電極接合体21と接触する面には、アノードに燃料であるメタノールを供給し、電極反応生成物、未反応のメタノールを含む物質反応場から外部に排出するためのアノード流路(不図示)が形成され、同様に、カソードセパレータ23のうちの膜電極接合体21と接触する面には、カソードに酸素(空気)を供給し、電極反応生成物、未反応のメタノールを含む物質を反応場から外部に運び去るためのカソード流路(不図示)が形成されている。

0022

こうしたアノード流路及びカソード流路は、図示はしないが、それぞれアノードセパレータ22及びカソードセパレータ23の表面に常法により溝を設けることによって形成されている。特に制限されるものではないが、アノード流路及びカソード流路は、例えば複数の直線状溝部と、隣接する直線状溝部を上流から下流へと連結する複数のUターン状溝部とで構成されたサーペンタイン形状を有する。

0023

本実施形態において、燃料タンク3には燃料電池2の燃料が貯蓄されている。流路F1を介して、上述したアノードセパレータ22のアノード流路の入口に当該燃料タンク3からメタノールを供給する。一方、カソードセパレータ23のカソード流路の入口に流路F2を介して空気を供給する。これにより、アノードにおいては、
[数1]
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e−
という化学反応が生じ、カソードにおいては、
[数2]
3/2O2+6H++6e−→3H2O
という化学反応が生じる。これによりアノードとカソードとの間に電流が流れることになる。

0024

なお、アノードで生成した二酸化炭素と、反応に寄与しなかった未反応メタノールは、アノード流路の出口から流路F3を介して燃料タンク3に戻される。同様に、カソードで生成した水と、膜電極接合体21を透過(クロスオーバー現象)した未反応メタノールは、カソード流路の出口から流路F4及び凝縮器24を介して循環タンク35へ戻される。

0025

因みに、本実施形態において、流路F1〜F7は、燃料電池システム1の大きさやレイアウトなどに応じて、配管又は通路などの具体的構造を採用することができる。

0026

メタノール供給装置4は、メタノールタンク41と、ポンプ42と、を備える。メタノールタンク41には、燃料タンク3に貯蔵されたメタノール水溶液の濃度よりも濃度が高い、高濃度のメタノール水溶液又はメタノール原液(以下、高濃度メタノールとも称する。)が追加燃料として貯蔵される。高濃度メタノールは、ポンプ42により、流路F5を介してメタノールタンク41から燃料タンク3に供給される。ポンプ42としては、公知のダイアフラム型ポンププランジャー型ポンプを例示することができる。

0027

本実施形態では、燃料タンク3へ供給される高濃度メタノールの流量を測定する流量センサ43が流路F5に設けられており、当該流量センサ43の測定結果は制御装置7に送出される。このような流量センサ43としては、例えばカルマン渦式流量センサを挙げることができる。なお、燃料電池システム1から流量センサ43を省略してもよいが、燃料タンク3内のメタノール濃度を高精度で制御する観点から、燃料電池システム1が流量センサ43を備えていることが好ましい。

0028

液体濃度センサ5は、ポンプ51により流路F7に送られる燃料タンク3内の燃料のメタノール濃度を測定する。このような濃度センサとしては、公知の液体濃度センサを適宜用いることができる。液体濃度センサ5による測定結果は制御装置7に出力信号として送出される。

0029

本実施形態における燃料電池2の電極は、電流センサ6を介して負荷61に接続されている。これにより、燃料電池2の出力電流を検出することが可能となっている。電流センサ6による測定結果は、制御装置7に出力信号として送出される。

0030

制御装置7は、入力部として燃料電池2の起動及び停止スイッチを備えており、起動スイッチがONになる(停止スイッチはOFF)と、ポンプ31及びブロア25を作動する制御信号をそれぞれに出力する。また、停止スイッチがONになる(起動スイッチはOFF)と、ポンプ31及びブロア25を停止する制御信号をそれぞれに出力する。

0031

本実施形態における制御装置7は、流量センサ43からの信号、電流センサ6からの信号、及び液体濃度センサ5からの信号を所定時間間隔でそれぞれ読出しつつ、ポンプ42の動作を制御する。この制御は、図2に示すように、ポンプ42をONとして所定電圧が当該ポンプ42に印加される時間をTonとし、当該ポンプ42をOFFとする時間をToffとした場合のデューティ比(Ton/(Ton+Toff))を調整することにより行われる。

0032

燃料電池システム1の動作時においては、燃料タンク3に貯蔵されたメタノール水溶液は、流路F1を介して当該流路F1に設けられたポンプ31により燃料電池2のアノードの流路入口に供給される。燃料電池2のアノードの流路出口から排出される未反応メタノールと二酸化炭素ガスは、流路F3を介して燃料タンク3へ戻される。この際、気相の二酸化炭素ガスは液面に浮上するので、この燃料タンク3により液相のメタノールと気相の二酸化炭素が概ね分離され、二酸化炭素ガスは図示しない排気流路を介して系外へ排出される。

0033

燃料電池2のカソードの流路入口には、流路F2に設けられたブロア25を含む酸素供給手段により流路F2を介して外部の空気が吸入される。なお、流路F2には空気に含まれる塵埃等を除去するフィルタ26が設けられている。燃料電池2のカソードの流路出口と循環タンク35との間に設けられた流路F4には、凝縮器24が設けられている。この凝縮器24は、カソードで生じた水蒸気液化して循環タンク35へ戻す機能を有している。

0034

循環タンク35に貯蔵された水(一部にメタノールを含む)は、当該循環タンク35と燃料タンク3との間に設けられた流路F6を介して当該流路F6に設けられたポンプ36を含む水供給手段により燃料タンク3へ供給される。

0035

メタノールタンク41に貯蔵された高濃度メタノールは、メタノールタンク41と燃料タンク3との間に設けられた流路F5を介して、当該流路F5に設けられたポンプ42により燃料タンク3へ供給される。ポンプ42の作動及び停止は、制御装置7からの制御信号に基づいて制御される。

0036

次に、本実施形態における制御装置7が行う制御について説明する。図3は本実施形態における制御装置が行う制御を示すフローチャートであり、図4は本実施形態の燃料電池システムにおけるポンプの流量を示すグラフである。

0037

まず、制御装置7の起動スイッチがONとされ、燃料電池システム1が起動すると(ステップS1)、当該制御装置7はポンプ31及びブロア25をそれぞれ作動させる制御信号を送る。次いで、制御装置7は、ポンプ42を作動させる。ポンプ42の作動によりメタノールタンク41内の高濃度メタノールは燃料タンク3内へ運ばれる。流量センサ43は、高濃度メタノールの流量値m´[g/sec]を測定し、当該測定結果を制御装置7に送出する(ステップS2)。

0038

この際、ポンプ42の劣化が進行している場合には、当該ポンプ42の駆動によって規定量の高濃度メタノールが燃料タンク3に供給されないこととなる。この場合には、流量センサ43が測定する高濃度メタノールの流量値m´は、図3に示すように、ポンプ42の劣化前における規定値である基準流量値m[g/sec]に到達せず、必要とされる量の高濃度メタノールがメタノールタンク41から燃料タンク3に供給されない状態となる。これを防ぐために本実施形態では、流量センサ43による測定値m´は後述のステップS6においてポンプ42の駆動時間を補正するために用いられる。なお、燃料電池システム1が流量センサ43を備えていない場合には、ステップS2及び後述のステップS6は省略される。

0039

次いで、ステップS3では、燃料電池2の出力電流値を電流センサ6が測定する。電流センサ6の測定結果は制御装置7に送出される。

0040

続いて、ステップS4では、制御装置7はメタノールタンク41から燃料タンク3へのメタノール供給量(理論値)を算出する。一般に、燃料電池の性能を維持するために燃料タンクにメタノールを供給する際の当該メタノールの供給量(必要量)は、下記(1)式で表される。

0041

L=C+β×I・・・(1)
但し、上記(1)式において、Lは燃料タンクに対するメタノールの供給量[g]であり、Cはクロスオーバー現象により当該燃料タンクから消失したメタノール量[g]であり、Iは燃料電池の出力電流値[A]であり、βは燃料電池システムによって定まる定数[g/A]であり、通常予め実験的に求めた値を用いる。

0042

制御装置7は、ステップS3で電流センサ6から送出された電流値及び上記(1)式を用いて、メタノールタンク41から燃料タンク3へのメタノール供給量(理論値)Lを算出する。なお、上記(1)式のC値としては、燃料電池2の仕様に応じた値として予め実験的に求めた値を用いる。

0043

続いて、ステップS5では、メタノールタンク41から燃料タンク3へメタノールを供給する際のポンプ42の暫定駆動時間Ton[sec]を算出する。ここで、燃料タンク3に対するメタノールの供給量Lは、ポンプ42の制御に係るデューティ比(Ton/(Ton+Toff))と比例するため、下記(2)式を満たす。なお、下記(2)式においてαは、燃料電池システム1の仕様に応じて実験的に求められる定数である。
L=α×Ton/(Ton+Toff)・・・(2)

0044

上記(2)をTonについて解くことにより、ポンプ42の暫定駆動時間Tonは下記(3)式に示す値として求められる。
Ton=Toff×L/(α−L)・・・(3)

0045

次いで、ステップS6では、ポンプ42の補正駆動時間T´on[sec]を算出する。この補正駆動時間とは、ステップS2において測定したポンプ42の流量値m´を考慮して、当該ポンプの暫定駆動時間Tonを補正したものであり、ポンプ42が劣化している場合であっても、燃料タンク3に対して必要な高濃度メタノールの供給量が確実に供給されるためのポンプ42の駆動時間である。この補正駆動時間T´onは、暫定駆動時間Ton、流量センサ43が測定する高濃度メタノールの流量値m´、及び基準流量値mを用いて下記(4)式から求めることができる。
T´on=Ton×(m/m´)・・・(4)

0046

なお、上記(4)式では、ポンプ42の駆動時間TonをT´onに変更することにより、当該ポンプ42による高濃度メタノールの流量を調整することとしたが、特にこれに限定されない。例えば、ポンプ42の休止時間Toffを変更することによりポンプ42による高濃度メタノールの流量を調整してもよく、ポンプ42の駆動時間Ton及び休止時間Toffの両方を変更することによりポンプ42による高濃度メタノールの流量を調整してもよい。

0047

続いてステップS7では、ポンプ42を補正後のデューティ比(T´on/(T´on+Toff))で駆動させ、メタノールタンク41から燃料タンク3に高濃度メタノールを供給する。これにより、メタノールタンク41から燃料タンク3へのメタノール供給量を高精度で制御することができる。

0048

次いでステップS8では、後述のステップS9におけるメタノール供給量の補正処理を前回行ってから所定時間(一定時間)が経過しているか否か判定する。この所定時間としては、例えば数時間とすることができる。所定時間経過していない場合には(ステップS8においてNo)、メタノール供給量の補正処理を行う必要性が低いとしてステップS10へ進む。なお、初めて燃料電池システム1を作動させる場合には、予め設定された所定の時間を経過しているか否かを判定することとしてもよい。また、上述では、所定の時間経過に基づいて、メタノール供給量の補正処理を行うか否かを判定しているが、これに合わせて、燃料電池の出力を監視して、当該燃料電池の出力実測値に基づいて、メタノール供給量の補正処理を行うか否かを判定してもよい。この場合、燃料電池の出力実測値と所定の理論値(具体的には、既知定格出力の値)との比が予め設定された閾値に達したら、当該燃料電池の出力が低下したとして、メタノール供給量の補正処理を行う判定をする。

0049

ステップS10では、燃料電池システム1に対する停止指示の有無を判定する。燃料電池システム1を、例えば家庭用の非常用電源として用いた場合には、通常の家庭用電源復旧したこと等に起因して燃料電池システム1は停止指示を受ける。燃料電池システム1に対する停止指示が無い場合には(ステップS10においてNo)、上述のステップS3以降のステップを繰り返す。一方、燃料電池システム1に対する停止指示がある場合には(ステップS10においてYes)、燃料電池2の停止スイッチをOFFとすることにより燃料電池システム1を終了し(ステップS11)、制御装置7の制御を終了する。

0050

次に、ステップS8において所定時間が経過している場合に(ステップS8においてYes)、ステップS9で行われるメタノール供給量の補正処理について説明する。図5は、本実施形態における制御装置が行うメタノール供給量の補正処理を示すフローチャートである。

0051

メタノール供給量の補正処理(ステップS9)では、まず、液体濃度センサ5を作動させ(ステップS12)、燃料タンク3内のメタノール濃度を測定する(ステップS13)。

0052

続いて、ステップS14では、ステップS13におけるメタノール濃度の測定値ρと、予め定めたメタノール濃度の基準値ρ0との差Δρ(=ρ−ρ0)を算出する。次いで、ステップS15では、ステップS14で求めた値Δρの絶対値(|Δρ|)が、所定の閾値Sよりも大きいか否かを判定する。ステップS14で求めた値の絶対値(|Δρ|)が当該閾値S以下である場合には(ステップS15においてNo)、メタノール濃度の測定値ρと基準値ρ0とのずれが相対的に小さいことにより、当該メタノールの供給量を補正する操作は必要ないとして液体濃度センサ5を停止させ(ステップS16)、メタノール供給量の補正処理を終了する。

0053

一方、ステップS15において、ステップS14で求めた値の絶対値(|ρ−ρ0|)が閾値Sよりも大きい場合には(ステップS15においてYes)、電流センサ6の電流値を用いた上述の制御(ステップS3〜S7)により求められるポンプ42のメタノール供給量が基準値から相対的に大きくずれているとして、当該供給量の補正を行う。具体的には、まず、ステップS14において求めた値Δρが0より大きいか否かを判定する(ステップS17)。

0054

Δρが0より大きいことにより(ステップS17においてYes)、基準値ρ0よりも多くのメタノールが供給されることとなる場合には、ポンプ42によるメタノール供給量を減少させる必要があるとして上記(2)式におけるポンプ42の制御に係るデューティ比(Ton/(Ton+Toff))を所定割合減少させる(ステップS18)。

0055

一方、Δρが0以下であることにより(ステップS17においてNo)、基準値ρ0よりも少ないメタノールが供給されることとなる場合には、ポンプ42によるメタノール供給量を増加させる必要があるとして上記(2)式におけるポンプ42の制御に係るデューティ比(Ton/(Ton+Toff))を所定割合増加させる(ステップS19)。

0056

そして、ステップS18又はS19の後は、上述したステップS3〜S7を所定時間(例えば、10分間)繰り返す(ステップS20)。なお、この際、ステップS5において、メタノールタンク41から燃料タンク3へ高濃度メタノールを供給する際のポンプ42の暫定駆動時間Ton[sec]を算出する際のデューティ比は、ステップS18又はS19で所定割合減少又は増加させたデューティ比(Ton/(Ton+Toff))を用いて上記(3)式のTonを求める。そして、当該(3)式のTonを用いて上記(4)式のT´onを求める。

0057

ステップS20において、ステップS3〜S7を所定時間繰り返した後は、ステップS13へ戻り当該ステップS13以降の工程を行う。このようにして、ステップS15にてメタノール濃度の測定値ρと、予め定めたメタノール濃度の基準値ρ0との差Δρの絶対値(|Δρ|)が所定の閾値S以下となるまで上記のステップS17〜S20を繰り返す。この間、ステップS18又はS19において、デューティ比(Ton/(Ton+Toff))の変更操作が行われることにより、図6に示すように、燃料タンク3内のメタノール濃度は、徐々に目標値へ近づくこととなる。なお、図6は、デューティ比(Ton/(Ton+Toff))を計3回増加させた場合についてのイメージ図である。

0058

図3に戻り、メタノール供給量の補正処理S9が終了すると、ステップS10へ進む。そして、燃料電池システム1に対する停止指示が無い場合には(ステップS10においてNo)、上述のステップS3以降のステップを繰り返す。一方、燃料電池システム1に対する停止指示がある場合には(ステップS10においてYes)、燃料電池システム1を終了し(ステップS11)、制御装置7の制御を終了する。

0059

次に、本実施形態における燃料電池システム1の作用について説明する。

0060

ダイレクトメタノール型燃料電池を有する燃料電池システムでは、高効率かつ安定した発電を行う上で液体燃料に含まれるメタノールの濃度制御重要な要素となる。液体燃料に含まれるメタノール濃度が低すぎる場合には、燃料電池の膜電極接合体に十分量の燃料が供給されず、当該燃料電池における発電電力の低下を招く。一方、液体燃料に含まれるメタノール濃度が高すぎる場合には、クロスオーバー現象による発電効率の低下を招き、排熱量が増加することによって、システムオーバーヒートする可能性が増加する。

0061

このため、液体燃料中のメタノール濃度を高精度で制御することが求められる。この制御に際し、液体濃度センサを常時使用して液体燃料中のメタノール濃度を高精度で測定することは可能ではある。しかしながら、液体濃度センサは一般に寿命が短く、長時間動作させた際、誤差が増加してしまうため、液体濃度センサを常時使用することにより燃料電池システム全体が短寿命化する恐れがある。

0062

これに対し、本実施形態における燃料電池システム1では、燃料タンク3内のメタノール濃度を調整するためのポンプ42の制御に際し、主として燃料電池2の出力電流に基づく制御を行う(ステップS3〜S5)。そして、所定時間の経過を条件として、液体濃度センサ5を用いたメタノール供給量の補正処理を行う(ステップS9)。これにより、液体濃度センサ5を用いた補正による高精度なメタノールの濃度制御を実現しつつ、液体濃度センサ5を連続的ではなく断続的に使用することにより燃料電池システム1の安定化及び長寿命化を図ることができる。

0063

また、本実施形態における燃料電池システム1では、メタノールタンク41から燃料タンク3に高濃度メタノールを供給する際のポンプ42の劣化度合いに基づくポンプ42の駆動時間の補正を行う(ステップS2及びS6)。これにより、燃料タンク3内へのメタノール供給量をより高精度で制御することが可能となる。

0064

なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0065

例えば、上述の実施形態では、デューティ制御によりポンプ42を駆動させることとしたが、ポンプ42の制御方法は特にこれに限定されず、燃料電池2の電流値等に比例してポンプの流量を制御する比例制御としてもよい。

0066

また、上述の実施形態では、燃料電池システム1の起動直後に1回のみポンプ42の流量測定を流量センサ43で行うこととしていたが、特にこれに限定されない。例えば、所定時間毎に当該流量測定を行い、その測定結果をポンプ42の補正駆動時間の算出に用いることとしてもよい。また、例えば、流量センサ43で流量測定を常時行い、当該測定結果を用いて燃料タンク3へのメタノール供給量をPID制御することとしてもよい。なお、この場合のPID制御とは、出力値と目標値との偏差とその積分及び微分の3つの要素によって構成されるフィードバック制御を示す。このような場合においても、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。

0067

1・・・燃料電池システム
2・・・燃料電池
21・・・膜電極接合体
211・・・高分子電解質膜
212・・・アノード触媒層
213・・・カソード触媒層
22・・・アノードセパレータ
23・・・カソードセパレータ
24・・・凝縮器
25・・・ブロア
26・・・フィルタ
3・・・燃料タンク
31・・・ポンプ
35・・・循環タンク
36・・・ポンプ
4・・・メタノール供給装置
41・・・メタノールタンク
42・・・ポンプ
43・・・流量センサ
5・・・液体濃度センサ
51・・・ポンプ
6・・・電流センサ
61・・・負荷
7・・・制御装置
F1〜F7・・・流路

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