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技術 流体検知装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 柴谷一弘
出願日 2015年3月2日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-040253
公開日 2016年9月5日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2016-161396
状態 特許登録済
技術分野 気密性の調査・試験
主要キーワード 段目右 段目左 回転台座 漏れ位置 光学検知装置 Y座標 漏れ流体 熱受容体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

被検知領域流体漏れ状態を把握するため、流体の広がり状態を正確に検知することができる流体検知装置を提供する。

解決手段

処理部300は、撮像範囲Prが被検知領域Reの全体を走査するように設定された標準経路をたどるように範囲移動部200を制御し、撮像部100が漏れ流体の像を取得したときに漏れ流体の像を取得した撮像範囲及びその近隣の範囲を走査して漏れ流体の全体像をとらえる像取得経路切り替えて範囲移動部200を制御する流体検知装置A。

概要

背景

工場発電所等では、化学材料又は燃料として多量のガスが用いられている。前記化学材料又は燃料として用いられるガスは、可燃性を有していたり、有毒性を有していたりして、外部に漏れると、大気汚染の原因になったり、火災爆発事故の原因になったりする。また、毒性が低いとしても、濃度が高くなると、酸素濃度が低下し窒息等の事故につながる場合もある。

そこで、前記ガスを使用する設備では、ガスが流動する配管や装置を作業者が定期的に設備内を巡回してガス漏れ監視している。また、配管に複数個検知装置を取り付け、全ての検知装置を同期させるともに、検知装置が漏れを検知した時刻に基づいて配管上の漏れ位置を特定している(例えば、特開2000−266626号公報)。

さらに、ガスの熱を利用した光学式ガス漏れ検知システムが提案されている(例えば、特開2009−192469号公報)。光学式のガス漏れ検知システムでは、赤外線カメラでガス漏れが発生しやすい部分であるフランジ熱受容体を含むアタッチメントを取り付ける。そして、ガス漏れによって熱受容体が加熱されると熱受容体から赤外線が放出される。この熱受容体が放出する赤外線を赤外線カメラで撮像することでガス漏れを検知する。

また、ガス固有光学吸収特性を利用した光学式のガス検知装置も提案されている(例えば、特表2010−522317号公報)。光学式ガス検知装置では、イメージセンサでガス漏れを検知する空間を撮像し、風景を構成する物体が発生する黒体放射のガスの影響による増減を検知し、ガス漏れの有無を判断する。

概要

被検知領域流体漏れ状態を把握するため、流体の広がり状態を正確に検知することができる流体検知装置を提供する。処理部300は、撮像範囲Prが被検知領域Reの全体を走査するように設定された標準経路をたどるように範囲移動部200を制御し、撮像部100が漏れ流体の像を取得したときに漏れ流体の像を取得した撮像範囲及びその近隣の範囲を走査して漏れ流体の全体像をとらえる像取得経路切り替えて範囲移動部200を制御する流体検知装置A。

目的

本発明は、被検知領域の流体の漏れ状態を把握するために、流体の広がりを正確に検知することができる流体検知装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被検知領域の内部における流体広がりを検知する流体検知装置であって、前記流体の吸収波長を含む波長域の光で形成される像を取得する撮像部と、前記撮像部の撮像範囲を移動させる範囲移動部と、前記範囲移動部の動作を制御する処理部とを有し、前記処理部は、前記撮像範囲が前記被検知領域の全体を走査するように設定された標準経路をたどるように前記範囲移動部を制御し、前記撮像部が前記流体の像を取得したときに前記流体の像を取得した撮像範囲及びその周辺の範囲を走査して前記流体の全体像をとらえる像取得経路切り替えて前記範囲移動部を制御する流体検知装置。

請求項2

前記標準経路は、前記撮像範囲と同じ大きさで前記被検知領域内に隙間なく配列した複数個の分割領域を設定し、前記撮像範囲が複数個の前記分割領域と順次重なるように前記撮像範囲を移動させる経路であり、前記像取得経路は、前記撮像範囲が前記漏れ流体の像を取得した分割領域の周囲の分割領域に順次重なるように前記撮像範囲を移動させる経路である請求項1に記載の流体検知装置。

請求項3

前記処理部は、前記流体の像の全体が最小数の前記分割領域内に収まるように前記分割領域の位置を修正して前記範囲移動部を制御する請求項2に記載の流体検知装置。

請求項4

前記範囲移動部は、前記撮像部を保持するとともに前記撮像部を少なくとも1軸周り回動させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の流体検知装置。

請求項5

前記流体がガス状物質である請求項1から請求項4のいずれかに記載の流体検知装置。

請求項6

前記撮像部が赤外光受光できる撮像素子を備えている請求項1から請求項5のいずれかに記載の流体検知装置。

請求項7

前記範囲移動部は、前記像取得経路に沿って前記撮像範囲を移動するときの単位領域あたりの撮像時間が、前記標準経路で移動させるときよりも長くなるように前記撮像範囲を移動させる請求項1から請求項6のいずれかに記載の流体検知装置。

技術分野

0001

検知領域内に含まれる特定種流体を検知する流体検知装置に関する。

背景技術

0002

工場発電所等では、化学材料又は燃料として多量のガスが用いられている。前記化学材料又は燃料として用いられるガスは、可燃性を有していたり、有毒性を有していたりして、外部に漏れると、大気汚染の原因になったり、火災爆発事故の原因になったりする。また、毒性が低いとしても、濃度が高くなると、酸素濃度が低下し窒息等の事故につながる場合もある。

0003

そこで、前記ガスを使用する設備では、ガスが流動する配管や装置を作業者が定期的に設備内を巡回してガス漏れ監視している。また、配管に複数個検知装置を取り付け、全ての検知装置を同期させるともに、検知装置が漏れを検知した時刻に基づいて配管上の漏れ位置を特定している(例えば、特開2000−266626号公報)。

0004

さらに、ガスの熱を利用した光学式ガス漏れ検知システムが提案されている(例えば、特開2009−192469号公報)。光学式のガス漏れ検知システムでは、赤外線カメラでガス漏れが発生しやすい部分であるフランジ熱受容体を含むアタッチメントを取り付ける。そして、ガス漏れによって熱受容体が加熱されると熱受容体から赤外線が放出される。この熱受容体が放出する赤外線を赤外線カメラで撮像することでガス漏れを検知する。

0005

また、ガス固有光学吸収特性を利用した光学式のガス検知装置も提案されている(例えば、特表2010−522317号公報)。光学式ガス検知装置では、イメージセンサでガス漏れを検知する空間を撮像し、風景を構成する物体が発生する黒体放射のガスの影響による増減を検知し、ガス漏れの有無を判断する。

先行技術

0006

特開2000−266626号公報
特開2009−192469号公報
特表2010−522317号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特開2000−266626号公報の測定装置では、配管に検知装置を取り付けており、配管からの漏れを検知することができる。しかしながら、配管以外の部分からの漏れを検知するのが難しい。また、漏れ位置の特定の精度を上げるためには検知装置の設置数を多くする必要があり、装置の構成が複雑になるとともに設置コストが増大する。また、全ての検知装置を同期させる必要があり、検知装置の数が多くなると同期制御が難しくなる。

0008

また、特開2009−192469号公報に記載のガス漏れ検知システムでは、また、フランジから漏れていることを確認することは可能であるが、フランジ以外の部分からのガス漏れを検知することは困難であるし、ガス漏れの詳細位置を特定することは困難である。さらに、漏れたガスで加熱された熱受容体から放出される赤外線を撮像する構成であるため、ガスの温度が高くなくてはならず、低温のガスを検知することができない。

0009

また、特表2010−522317号公報に記載の光学式のガス検知装置では、ガス漏れを検知する空間全体が入るような画角で撮像しており、ガスの像から漏れの正確な位置を割り出すことは困難である。また、画角を狭くすることで、ガスの像から漏れの正確な位置を割り出すことが可能になるが、ガス漏れの監視領域が狭くなる。

0010

そこで本発明は、被検知領域の流体の漏れ状態を把握するために、流体の広がりを正確に検知することができる流体検知装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するために本発明は、被検知領域の内部における流体の広がりを検知する流体検知装置であって、前記流体の吸収波長を含む波長域の光で形成される像を取得する撮像部と、前記撮像部の撮像範囲を移動させる範囲移動部と、前記範囲移動部の動作を制御する処理部とを有し、前記処理部は、前記撮像範囲が前記被検知領域の全体を走査するように設定された標準経路をたどるように前記範囲移動部を制御し、前記撮像部が前記流体の像を取得したときに前記流体の像を取得した撮像範囲及びその近隣の範囲を走査して前記流体の全体像をとらえる像取得経路切り替えて前記範囲移動部を制御する。

0012

この構成によると、流体の広がりを検知するための被検知領域に比べて面積が小さい撮像範囲で撮像を行うため、被検知領域の全体を精細な撮像データで撮像することができる。これにより、流体の広がりの像を正確に撮像することができる。また、撮像範囲を狭く抑えることができるので、撮像部のコストアップを抑えることができる。

0013

上記構成において、前記標準経路は、前記撮像範囲と同じ大きさで前記被検知領域内に隙間なく配列した複数個の分割領域を設定し、前記撮像範囲が複数個の前記分割領域と順次重なるように前記撮像範囲を移動させる経路であり、前記像取得経路は、前記撮像範囲が前記漏れ流体の像を取得した分割領域の周囲の分割領域に順次重なるように前記撮像範囲を移動させる経路である。このように構成することで、標準経路で操作するときは、被検知領域全体を定期的に監視することができる。そして、流体を検知するとその周囲を重点的に監視するため、リアルタイムの流体の広がりを把握することが可能である。これにより、作業者が安全かつ迅速に流体に対する対策を行うことが可能である。

0014

上記構成において、前記処理部は、前記流体の全体像をとらえたのち、前記流体の全体像が最小数の前記分割領域内に収まるように前記分割領域の位置を修正して前記範囲移動部を制御する。このように、流体の全体像を最小の分割領域に収まるようにすることで、組み合わせる流体の像の数を抑えることができ、流体の像の精度の低下を抑えることができる。また、組み合わせるときの処理時間を減らすことができる。

0015

上記構成において、前記範囲移動部は、前記撮像部を保持するとともに前記撮像部を少なくとも1軸周り回動させるものであってもよい。

0016

上記構成において、前記流体がガス状物質を挙げることができる。

0017

上記構成において、前記撮像部が赤外光受光できる撮像素子を備えていてもよい。

0018

上記構成において、前記範囲移動部は、前記像取得経路に沿って前記撮像範囲を移動するときの単位領域あたりの撮像時間が、前記標準経路で移動させるときよりも長くなるように前記撮像範囲を移動させてもよい。

発明の効果

0019

本発明によると、被検知領域の流体の漏れ状態を把握するため、流体の広がりを正確に検知することができる流体検知装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明にかかる流体検知装置の概略図である。
図1に示す流体検知装置で被検知領域の流体の漏れを検知している状態を示す概略図である。
範囲移動部の一例の斜視図である。
撮像範囲の走査を示す平面図である。
被検知領域にガスが発生しているときの撮像範囲の操作経路を示す図である。
メタンガスを検知する手順を示すフローチャートである。
メタンガスを検出した状態の被検知領域を示す平面図である。
メタンガスの像が映っている撮像データの概略拡大図である。
分割領域を移動させた状態を示す被検知領域の平面図である。
分割領域を移動させた状態を示す被検知領域の平面図である。
分割領域を移動させた状態を示す被検知領域の平面図である。

実施例

0021

以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。

0022

(第1実施形態)
図1は本発明にかかる流体検知装置のブロック図であり、図2図1に示す流体検知装置で被検知領域の流体の広がりを検知している状態を示す概略図である。本発明にかかる流体検知装置Aは、流体の広がりを検知することで、被検知領域内の配管や機械からの流体の漏れを把握することができる。なお、図1において、実線は信号の流れを示しており、破線回動支持状態を示している。

0023

本発明にかかる流体検知装置Aで検知する流体は、気体状の化学物質又は微粒子が浮遊している気体(これらを纏めてガス状物質と称する)であり、具体的にはメタンガスである。すなわち、被検知領域Re(都市ガスプラントの一部)で大気中に広がるメタンガスを検知し、メタンガスの漏れを把握するものである。

0024

図1に示すように、流体検知装置Aは、被検知領域Reを撮像する撮像部100と、撮像部100の撮像範囲を被検知領域Re内で移動させる範囲移動部200と、処理部300を備えている。

0025

撮像部100は、撮像光学系110、撮像センサ120、フィルタ130、画像生成部140及び接続インターフェース150を備えている。そして、撮像部100は外装を構成する筐体160を備えており、撮像光学系110、撮像センサ120、フィルタ130、画像生成部140及び接続インターフェース150は筐体160の内部に配置される。撮像部100は、被検知領域Reを撮像する、いわゆるデジタルカメラである。

0026

撮像光学系110は、撮像センサ120の受光面に被検知領域Reの像を結像するための光学系であり、1枚又は複数枚レンズ等を備えている。撮像光学系110は、ここでは、固定焦点、固定絞りのものを採用している。しかしながら、これに限定されるものではなく、撮像範囲Prの画角を変更したり、焦点合わせを行ったりすることができるものであってもよい。

0027

撮像光学系110に用いられるレンズは、検知対象の流体の吸収波長を透過するように材料を選択している。例えば、可視光域から近赤外光域までの波長域に吸収波長がある場合、光学ガラス類を利用する。また、中赤外域から遠赤外域でまでの波長域に吸収波長がある場合、Ge、Si、カルコゲナイドガラス等の赤外光透過材料が用いられる。また、所定の波長帯透過率を向上させるために、表面にコーティングが施されていてもよい。本実施形態の流体検知装置Aは、メタンガスを検知するものであり、メタンガスの光吸収波長が約3.3μm(赤外領域の光:以下、赤外光と称する)であることから、撮像光学系110を構成するレンズは赤外光透過材料で形成されたものが採用される。

0028

撮像範囲内にメタンガスが存在する場合、メタンガスに光が吸収される。この吸収されている部分が影(像)として撮像される。このような、メタンガスの光吸収による像を撮像するため、撮像部100ではメタンガスの吸収波長の受光率が高い撮像センサが用いられる。撮像センサ120は、メタンガスの光吸収波長が約3.3μmであることから、この波長域の光すなわち、赤外光の像を撮像できるセンサである。撮像センサ120は、受光面に赤外光を電気信号に変換する光電素子二次元配列した構成を有している。そして、撮像センサ120は、被検知領域Reからの赤外光を各光電素子で受光し光電変換することで被検知領域Reからの赤外光(黒体放射光)による像を取得する。光電素子の材料としては、波長3.3μm周辺の赤外光の受光感度が高いインジウムアンチモン(InSb)を挙げることができる。

0029

また、撮像部100では、撮像光学系110と撮像センサ120との間にフィルタ130が配置されている。フィルタ130は撮像光学系110に入射する光(赤外光)のうち、メタンガスの像の取得に適した波長の光を透過させる、換言すると、メタンガスの像の取得に不要な波長の光をカットする。フィルタ130は、例えば、波長約3.2μm〜約3.4μmの光を透過させるバンドパスフィルタである。

0030

撮像センサ120は、フィルタ130を通過した波長約3.2μm〜約3.4μmの赤外光を受光し、受光した赤外光を光電変換した電気信号を、画像生成部140に送る。画像生成部140は、撮像センサ120から送られてきた電気信号を撮像データに変換する処理を行う。本実施例において画像生成部140は、30fpsの動画の撮像データを生成する処理を行っている。撮像センサ120から出力される電気信号は、光の輝度階調で示したものであり、画像生成部140で生成された撮像データは白から黒までの階調を示す撮像データ(モノクロ画像のデータ)である。しかしながら、これに限定されるものではなく、カラー画像のデータであってもよい。

0031

なお、画像生成部140は、撮像センサ120からの電気信号に基づいて動画の撮像データを出力するようになっているが、これに限定されるものではなく、一定時間ごとに、静止画の撮像データを出力するものであってもよい。また、画像生成部140が、生成した撮像データに対して、メタンガスの像を取得するための前処理(例えば、ガンマ補正輝度補正)を行ってもよいし、メタンガスの像を検出する処理を行ってもよい。本実施形態の画像生成部140では、撮像データを生成し、接続インターフェース150を介して外部の処理部300に送信する構成となっている。

0032

接続インターフェース150は、光学検知装置Aを外部の機器に接続するためのインターフェースである。本実施形態では、処理部300と接続している。接続インターフェース150としては、USBや光ケーブル等の有線接続用の端子を挙げることが可能である。また、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を行うためのインターフェース(アンテナ)であってもよい。

0033

そして、撮像光学系110、撮像センサ120、フィルタ130、画像生成部140及び接続インターフェース150は、筐体160の内部に配置されている。なお、撮像光学系110は被検知領域Reからの赤外線を撮像センサ120に入射させるため、一部が筐体の外部に露出している。また、接続インターフェース150も、ケーブルを接続するために一部が筐体の外部に露出している。そして、これらの部材は、水分や埃、塵等の異物嫌う部材であるため、筐体160は水分、埃、塵等の異物が混入しないように密閉された構成を有している。また、外部からの衝撃や振動にも耐えるような強度を有する構成となっている。

0034

撮像部100では、被検知領域Reからの黒体放射光(赤外光)が撮像光学系110から入射する。入射した黒体放射光はフィルタ130を通過するときに、波長約3.2μm〜約3.4μm以外の波長成分がカットされる。これにより波長約3.2μm〜約3.4μmの赤外光が撮像センサ120に入射し、撮像センサ120からの電気信号に基づいて画像生成部140で撮像データが生成される。これにより、撮像部100で被検知領域Reの赤外光による撮像データを取得する。被検知領域Reにメタンガスが存在する(漏れている)場合、そのメタンガスによって波長約3.3μmの光が吸収される。そのため、撮像データにおいてメタンガスが存在する部分は他の部分に比べて暗く(階調が低く)なる。この他の部分よりも暗い部分が、メタンガスの像となる。

0035

撮像部100は範囲移動部200に取り付けられており、撮像部100の撮像範囲は、範囲移動部200によって移動されるようになっている。ここで、範囲移動部200について図面を参照して説明する。図3は範囲移動部の一例の斜視図である。図3に示すように、範囲移動部200は、基礎部210と、基礎部210上に回転可能に設けられた回転台座220と、回転台座220上に配置された回転支持部230とを備えている。回転台座220は鉛直方向に延びる鉛直軸d1を中心として回転するように基礎部210に回転可能に支持されている。また、回転支持部230は、鉛直軸d1と直交する水平軸d2周りに撮像部100を回転するようになっている。

0036

範囲移動部200は、撮像部100を直交する2軸(鉛直軸d1と水平軸d2)周りに回動する、いわゆる、パンチルト雲台である。範囲移動部200は、撮像部100を水平軸d2周りに回転する(チルト動作する)とともに、回転支持部230及び撮像部100を保持する回転台座220を鉛直軸d1周りに回転する(パン動作する)。範囲移動部200は、回転台座220の鉛直軸d1周りの回動及び撮像部の水平軸d2周りの回動を行うための駆動部240(図1参照)を備えている。駆動部240は撮像部100の水平軸d2周りの回転と、回転台座220の鉛直軸d1周りの回転を個別に行うことができる構成を有している、なお、駆動部240の構成としては、2個の独立したアクチュエータで駆動するようにしてもよいし、1個のアクチュエータと歯車等の動力伝達機構を組み合わせた構成であってもよい。駆動部240は処理部300の後述する駆動制御部320によって制御されている。

0037

範囲移動部200は、鉛直軸d1及び水平軸d2周りに回転することで、撮像部100の撮像範囲を、被検知領域Re内で、直交する2方向に移動させることができる。そして、範囲移動部200を動作させることで、撮像範囲は被検知領域Reを隙間なく埋めるように移動する。なお、撮像範囲の移動の詳細については後述するが、被検知領域Reの全体内を順次監視するように移動するため、以下の説明では撮像範囲の移動を走査と称する場合がある。範囲移動部200は上述のように、鉛直軸d1周りに回転台座220を、水平軸d2周りに筐体160を回転しており、範囲移動部200は、撮像部100の撮像範囲を被検知領域Re内を直交する2軸方向に移動させることが可能である。

0038

処理部300は、撮像部100及び範囲移動部200と接続しており、範囲移動部200の動作を制御しつつ撮像部100からの撮像データを受信する。そして、処理部300は受信した撮像データに基づいて、メタンガスの広がり状態を検知する。

0039

処理部300は、データ処理部310と、駆動制御部320と、記憶部330と、表示部340と、接続インターフェース350とを備えている。接続インターフェース350は、上述した撮像部100や範囲移動部200と接続するためのインターフェースである。接続インターフェース350は有線又は無線によって撮像部100や範囲移動部200と接続している。なお、本発明にかかる流体検知装置Aでは、撮像部100からは大容量の撮像データが送信されることが多いため有線接続としている。しかしながら、これに限定されるものではない。

0040

処理部300では、接続インターフェース350を介して、撮像部100から撮像データを受信する。なお、本発明にかかる流体検知装置Aは、流体の広がり(漏れ)を検知する検知装置であるとともに、被検知領域Reの監視装置としての役割も果たす。そのため、撮像部100からの撮像データは、メタンガスの漏れの有無にかかわらず、全て記憶部330に格納される。また、流体検知装置Aを常時或いは一定の間隔で作業者が確認する場合もある。このような場合に備えて、処理部300では、送られてきた撮像データをそのまま(画像処理せずに)表示部340で表示するようになっていてもよい。なお、表示部340としては、例えば、液晶表示装置有機EL表示装置等の表示装置を挙げることができるが、これに限定されない。

0041

記憶部330は、処理部300に送られたデータ、処理部300(データ処理部310)で処理したデータ等を記憶するためのメモリである。記憶部330は、読み出し専用のROM、読書きが可能なRAM、フラッシュメモリハードディスク等の記録媒体を備えている。また、処理部300がプログラム起動して各種処理を行う構成の場合、各処理を行うためのプログラムも記憶部330に記憶される。なお、本実施形態において記憶部330は、撮像部100から送られた撮像データ、範囲移動部200の移動を制御するときに用いられる座標の情報等を記憶する。また、後述する座標系補正を行うときの補正テーブルも備える。これら以外にも、各種データを記憶できるようになっている。

0042

データ処理部310は、撮像データ内のメタンガスの像が鮮明に現れるような画像処理を行い、画像処理後の撮像データからメタンガスの像の有無及びメタンガスの像がある場合その像を検知する処理を行う。画像処理としては、二値化処理エッジング処理、平滑化処理等を挙げることができる。なお、画像処理後の撮像データからメタンガスの像を検知する方法は公知の処理で行う物であり詳細は省略する。また、撮像データからメタンガスが漏れている位置を推定するようにしてもよい。

0043

被検知領域Reは、上述したように、都市ガスプラントの一部であり、緊急時に備えて、音及び(又は)光で作業者等の人間に警報を行う警報装置Crを備えている。流体検知装置Aでは、処理部300が接続インターフェース350を介して警報装置Crに接続されている。データ処理部310が被検知領域Re内でメタンガスの広がりを検知し、メタンガスが漏れていると判断すると、処理部300は、警報装置Crに対して、警報を行う指示を送る。

0044

流体検知装置Aでは撮像部100の撮像範囲を順次切り替えて(走査して)、被検知領域Reの全体を順次撮像するようになっている。範囲移動部200を駆動することで、撮像部100の撮像範囲で被検知領域Re内を走査する。移動した後に撮像した撮像データのひずみを抑制するとともに、被検知領域Re全体を撮像範囲で走査できるように、撮像部100は被検知領域Reに対して垂直方向に延びるポールPoに取り付けられている(図2参照)。なお、本実施形態では、撮像部100を取り付けるためのポールPoを挙げているが、これに限定されるものではなく、プラントの建屋、装置等の非検知領域Reを見渡すことができる、すなわち、撮像範囲で被検知領域Reを走査できる場所を挙げることができる。

0045

本発明にかかる流体検知装置Aでは、範囲移動部200で撮像部100を走査させて、被検知領域Re全体を撮像する。撮像部100の撮像範囲の走査について図面を参照して説明する。図4は撮像範囲の走査を示す平面図である。本発明にかかる処理部300は、横8列及び縦5段となるように被検知領域Reを等分割し、被検知領域Reに分割領域Rを想定する。分割領域Rはここでは長方形であるがこれに限定されない。しかしながら、範囲移動部200によって、撮像範囲Prの移動が決められるものであり、2軸以下(1軸も含む)場合、長方形であることが好ましい。

0046

そして、分割されたそれぞれの分割領域Rは撮像部100の撮像範囲Prと重なる、すなわち、同じ形状及び大きさとなっている。換言すると、撮像部100の撮像光学系110の構成が、撮像範囲Prを分割領域Rと重なるように調整されている。なお、図2及び図4では、便宜上、撮像範囲Prを分割領域Rよりも小さく表示しているが、実際には分割領域Rは撮像範囲Prに基づいて決定されるものであり、撮像範囲Prは分割領域Rと同じ大きさである。

0047

以下の説明において、動作の説明を行う便宜上、分割領域Rについては、横方向左端からのi列目(i=1〜8)、上からj段目(j=1〜5)の分割領域を分割領域Rijと表示する。例えば、左から4列目、上から3段目の分割領域を分割領域R43と表示する。駆動制御部320は、図4に示すような経路で撮像範囲Prを走査する。すなわち、駆動制御部320は範囲移動部200を作動させ、撮像範囲Prを左上の分割領域R11に重ね合せる。そして、撮像範囲Prを分割領域R11に合せた状態で所定時間停止する。

0048

撮像部100では撮像範囲Prが停止してから範囲移動部200の加速度の変化や停止によって撮像部100が揺れる場合があり、揺れが収束するまでの時間経過後、撮像部100は分割領域R11を撮像する。画像生成部140で生成された撮像データは撮像部100から処理部300に送信される。

0049

そして、所定時間経過後、駆動制御部320は、回転台座220を鉛直軸d1周りに回動(パン動作)する指示を送る。これにより、撮像範囲Prは横方向に向かって移動し、駆動制御部320は、撮像範囲Prが分割領域R21に移動する停止する。撮像部100は、上述の手順に則って、停止中に分割領域R21を撮像して撮像データを処理部300に送信する。

0050

このようにして、駆動制御部320は範囲移動部200を1段目の右端の領域R81まで移動する。領域R81の撮像動作を終了した後、駆動制御部320は、回転支持部230を駆動して、撮像部100を水平軸d2周りに回転させ、撮像範囲Prを2段目の領域に移動させる。すなわち、領域R81の次は、領域R82に移動する。その後、領域R82から撮像が終了するごとに、左方向に隣合う領域に撮像範囲Prが重なるように回転台座220を駆動させる。そして、2段目の一番左の領域R12の撮像が終わると、3段目の領域(R13)に移動する。

0051

駆動制御部320は撮像範囲Prが左右に移動するとともにその両端で下方に移動する、換言すると、ジグザグに移動する経路(標準経路)を予め設定しており、その経路に沿って撮像範囲Prを移動させる。そして、撮像範囲Prが5段目右端の分割領域R85まで移動すると、1段目左端の分割領域R11から同じ動作を繰り返す。このように、撮像範囲Prを移動させて撮像を行うことで、被検知領域Reが広い場合でも、メタンガスの像を正確に検知が可能な精度の撮像データを得ることが可能である。

0052

次に、撮像範囲Prを被検知領域Reの内部を走査しているときにメタンガスの像を検知したときの流体検知装置Aの動作について図面を参照して説明する。図5は被検知領域にガスが発生しているときの撮像範囲の操作経路を示す図であり、図6はメタンガスを検知する手順を示すフローチャートである。図5に示すように被検知領域の中央部分の分割領域R43でメタンガスの漏れが発生しているものとする。

0053

図6に示すように、駆動制御部320は撮像範囲Prが上述の標準経路に沿って移動するように範囲移動部200を駆動する(ステップS101)。撮像部100は撮像範囲Prの移動完了後、停止した分割領域を撮像し撮像データを処理部300に送信する(ステップS102)。流体検知装置Aにおいて、駆動制御部320は撮像部100の撮像範囲Prが被検知領域Re内を標準経路に沿って操作するように範囲移動部200を制御する。処理部300はデータ処理部310で送信された撮像データに画像処理を施す(ステップS103)。データ処理部310は画像処理を行った撮像データを解析してメタンガスの像が映っているか否か確認する(ステップS104)。

0054

撮像データにメタンガスの像が映っていないとき(ステップS104でNoのとき)、ステップS101に戻り、標準経路に沿って撮像範囲Prの移動及び撮像を行う。図5に示すように、撮像範囲Prが分割領域R43に移動すると撮像データにメタンガスの像G1が映る。データ処理部310がメタンガスの像が映っていることを確認したとき(ステップS104でYesのとき)、駆動制御部320は、標準経路からメタンガスの像G1の全体像を調べるための像取得経路に変更する(ステップS105)。

0055

ここで、像取得経路について説明する。標準経路で撮像範囲Prを移動させるとき分割領域R33の次に分割領域R43に到達する。分割領域R43で撮像した撮像データにメタンガスの像G1が検知されると、処理部300は分割領域R43の周囲にもメタンガスが拡散している可能性があると判断する。像取得経路は、分割領域R43を起点として、分割領域R43に近接する領域、図5では、分割領域R53、R54、R44、R34、R33、R32、R42、R52に撮像範囲Prを順次移動し、再度分割領域R43に戻る経路である。

0056

そして、これらの分割領域での撮像データを撮像した後、再度、分割領域R43に撮像範囲Prを移動し撮像を行う。なお、像取得経路は、分割領域R53、R54、R44、R34、R33、R32、R42、R52を時計回りに移動するような経路であるがこれに限定されない。反時計回りでもよいし、段ごとに左右に移動する(走査する)ような経路であってもよい。

0057

駆動制御部320は、撮像範囲Prが上述の像取得経路に沿って移動するように範囲移動部200を駆動する(ステップS106)。撮像部100は撮像範囲Prの移動完了後、停止した分割領域を撮像し撮像データを処理部300に送信する(ステップS107)。なお、像取得経路において、各分割領域で撮像範囲Prを停止する時間は、標準経路において、各分割領域で撮像範囲Prを停止する時間よりも長く設定されている。これにより、メタンガスの像を正確に取得することが可能となる。そして、データ処理部310は、撮像範囲Prが像取得経路の移動を終了したか確認する(ステップS108)。像取得経路の移動が終了していないとき(ステップS108でNoのとき)、ステップS106に戻り、駆動制御部320は撮像範囲Prを次の分割領域に移動させる。

0058

像取得経路の移動が終了したとき(ステップS108でYesのとき)、データ処理部310は、像取得経路に設定されている分割領域からの撮像データを繋ぎ合わせてメタンガスの全体像の画像データを作成する処理を行う(ステップS108)。これにより、メタンガスの像G1の周囲を含む像(例えば、メタンガスの全体像)を取得することができる。

0059

駆動制御部320は、像取得経路に沿った撮像範囲Prを移動させ、もとの分割領域R43に戻った後、標準経路に沿った撮像範囲Prの移動に戻る(ステップS101に戻る)。以上のようにして、流体検知装置Aでは、被検知領域Reを撮像範囲Prで走査しつつ、被検知領域Reを撮像するともに、撮像データからメタンガス全体像を取得する。なお、本実施形態では、像取得経路に設定されている各分割領域を撮像範囲Prが1回ずつ移動し、撮像を行うものとしているが、これに限定されるものではなく、各分割領域を撮像範囲が複数回ずつ移動するようにしてもよい。

0060

撮像範囲Prで被検知領域Reを走査することで、撮像範囲Prをメタンガスの像を正確に撮像できる大きさにすることができる。また、走査していることで撮像範囲Prに対して大きな面積を有する被検知領域Re内のメタンガスの広がり(漏れ)を正確に検知することが可能である。

0061

(第2実施形態)
本発明にかかる流体検知装置のさらに他の例について図面を参照して説明する。第1実施形態では、メタンガスの広がりの像(漏れの像)を検知するとその像が映っている撮像データを撮像した分割領域の隣接した分割領域を移動するように撮像範囲Prを移動させている。すなわち、第1実施形態では像取得経路が予め決められたものであった。

0062

メタンガスはひとつの場所に留まることはほとんどなく、分割領域を跨いでメタンガスの像が検知されることが多い。そこで、本実施形態にかかる流体検知装置では、像取得経路をメタンガスの像に応じて変更するように決定するものとしている。なお、本実施形態の流体検知装置は像取得経路の設定方法が異なる以外、流体検知装置Aと同じ構成を有するとともに同じ動作を行うものである。そのため、符号は、流体検知装置Aと同じものを用いて説明する。

0063

図7はメタンガスを検出した状態の被検知領域を示す平面図であり、図8はメタンガスの像が映っている撮像データの概略拡大図である。図7では、分割領域R43、R53、R54、R44にまたがるようにメタンガスの像G2が検出されている。また、図8は分割領域R43、R53、R54、R44のそれぞれに撮像範囲Prを重ねて撮像したときのメタンガスの像を示している。

0064

図7の例では、駆動制御部320は撮像範囲Prが標準経路をたどるように範囲移動部200を駆動制御している。そして、データ処理部310は分割領域R43に撮像範囲Prが重なったときに撮像した撮像データ(分割領域R43の撮像データと称する)の画像処理後の画像データからメタンガスの像G2を検知する。分割領域R43の撮像データでメタンガスの像G2を検知すると、データ処理部310はメタンガスの像G2の境界Bd1を特定する。境界Bdの特定については、公知の画像処理方法を利用する。

0065

データ処理部310は、メタンガスの像G2の境界Bd1を特定すると、境界Bd1が分割領域R43のどの辺に繋がっているか確認する。例えば、図8に示す分割領域R43では、境界Bd1は、分割領域R43の右側の辺及び下側の辺に接続している。このことは、分割領域R43のメタンガスの像G2は、右横の分割領域R53又は下横の分割領域R44に延びているものと推定できる。このことを利用して、データ処理部310は次の分割領域R53又は分割領域R44のいずれかを選択する。ここでは、像取得経路を時計回りと設定して、次に移動する分割領域として分割領域R53を選択し、その情報を駆動制御部320に送る。その後、駆動制御部320は範囲移動部200を駆動して撮像範囲Prを分割領域R53に移動する。

0066

そして、データ処理部310は分割領域R53の撮像データにも同様の画像処理を行い、メタンガスの像G2を検知するとともに境界Bd1を特定する。分割領域R53では、境界Bd1が移動元の分割領域R43が隣接する辺(ここでは、左側の辺)から下の辺に延びている。そこで、データ処理部310は、境界Bd1の端部が接する辺のうち、移動元の分割領域R43が隣接する辺とは異なる辺と隣接する分割領域R54を次の移動先として選択し、駆動制御部320に送る。

0067

以上の手順で、データ処理部310は、検知したメタンガスの像G2とその境界Bd1に基づいて、次に移動する分割領域を決定する。そして、図8の分割領域R44のメタンガスの像G2では境界Bd1は分割領域R54と隣接する左側の辺と分割領域R44と隣接する上側の辺に繋がっている。移動元は分割領域R54であるため、上述のルールに従うと、次の移動先は分割領域R43となる。

0068

本実施形態においても第1実施形態と同様、像取得経路は少なくとも最初にメタンガスの像を検知した分割領域の周囲の分割領域を検知させることとしている。そして、分割領域R43は、最初にメタンガスの像G2を検知した分割領域であり、分割領域R44の次に分割領域R43に移動すると、分割領域R43の全ての周囲の分割領域の検知を行うことができなくなる。

0069

そのため、撮像範囲Prが最初にメタンガスの像G2を検知した分割領域(R43)の周囲を1周する前に、次の移動先が像取得経路としてすでに撮像した分割領域になる場合、像取得経路は、前の分割領域からの移動方向と同じ方向となるように分割領域R34に移動する。ここでは、分割領域R54から分割領域R44に左に移動しているため、そのまま左の分割領域R34に移動する。

0070

また、分割領域にメタンガスの像が検知されない場合もある。像取得経路は最初にメタンガスの像を検知した分割領域R43の周囲の分割領域のメタンガスの状態を撮像するように撮像範囲Prを移動させる経路であるため、移動元の分割領域からの移動方向に対して右回りになるように移動方向を決定する。また、移動した分割領域でメタンガスの像が検知されなかった場合でも、右回りに分割領域を移動したときに、既に撮像した分割領域となる場合、移動元の分割領域からの移動方向と同じ方向となるように移動先の分割領域を決定する。

0071

このように、メタンガスの像G2の境界の接続方向(接続する分割領域)に合わせて、次に移動する分割領域を決定することで、複数の分割領域にまたがるメタンガスの像G2の全体像を取得することができる。

0072

例えば、分割領域の全体にメタンガスが充満しているような場合、境界を特定することが困難である。このような場合、現在の分割領域に移動してきた方向と同じ方向に隣合う分割領域を次の分割領域として選択することを挙げることができる。また、メタンガスの像の境界に基づいて撮像範囲が移動する次の分割領域を決定しているが、これ以外にも、例えば、メタンガスの像の濃度を利用して次の分割領域を決定する等の方法で、メタンガスの像の全体像を取得できるように、像取得経路を決定するようにしてもよい。

0073

(第3実施形態)
図7に示すように、メタンガスが複数の分割領域にまたがるように漏れている場合、図8に示すように複数の分割領域の撮像データをそれぞれ取得し、それらを組み合わせることで、メタンガスの像の全体像を得ることができる。このように、複数の撮像データを組み合わせる場合、データ処理部310では撮像データの接続部分での整合性を取るのが難しく、メタンガスの像の精度が低下する恐れがある。そこで、本実施形態では、複数の分割領域にまたがるメタンガスの存在がある場合、分割領域を移動する補正を行う。以下に、分割領域の移動の補正について図面を参照して説明する。図9は分割領域を移動させた状態を示す被検知領域の平面図である。

0074

以下に分割領域をシフトする方法について説明する。駆動制御部320は、分割領域を設定するとき、任意の点を原点として、被検知領域Reの横方向をX座標系、縦方向Y座標系として、分割領域の位置を(X、Y)座標系で決定している。そして、各分割領域の(X、Y)座標を用いて分割領域を特定し、その(X、Y)座標の情報を範囲移動部200に渡している。そして、範囲移動部200は、(X、Y)座標系と、鉛直軸d1周りの回転角度及び水平軸d1周りの回転角度を対照させるテーブルを備えており、(X、Y)座標の情報に基づいて、撮像部100を移動させている。

0075

図7に示すように、分割領域R43、R53、R54、R44にまたがるようにメタンガスの像G2が検出されている場合において、データ処理部310は、各分割領域におけるメタンガスの像G2の縦方向の伸び方向及び横方向の伸び方向を取得する。例えば、図8に示すように、分割領域R43に映っているメタンガスの像は、分割領域の右端から左方向に且つ上方向に延びる形状を有している。同様に、分割領域R53は左端から右方向に且つ上方向に、分割領域R44は右端から左方向に且つ下方向に、分割領域R54は左端から右方向に且つ下方向にそれぞれ伸びている。

0076

データ処理部310は、分割領域R43、R53、R54、R44にまたがるメタンガスが1つの分割領域R43に入るように、分割領域全体をシフトする。例えば、図7に示すようなメタンガスの像G2が形成されている場合、分割領域を右下にシフトすることでメタンガスの像G2を分割領域内に収めることができる。そのため、駆動制御部320は、撮像範囲Prの位置を指定する座標系を、(X、Y)座標系から(X+a、Y+b)座標系に補正する。すなわち、分割領域の全てをX方向(横方向)にa、Y方向の(縦方向)にbずらす。

0077

このように、分割領域の位置を指定する座標系を変更することで、図9に示すようにメタンガスの像が1つの分割領域に入るようになる。これにより、撮像データを組み合わせる必要がなく、メタンガスの像の劣化を抑制することが可能である。また、画像データを組み合わせるための処理が不要になるため、画像処理を簡略化することができ、メタンガスの状態を迅速判断することが可能である。

0078

なお、メタンガスの像を1つの分割領域にいれるための補正値、ここでは、(a、b)の決定方法としては、メタンガスの横方向及び縦方向の長さを計測し、(a、b)が最小となるように決定されるものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、図9に示すように、座標系を変換したままにしておくと、標準経路で撮像範囲Prを走査するときに、被検知領域Reの辺縁部で撮像されない部分が発生する場合がある。このような場合に備えて、撮像されない部分を別途撮像するようにしてもよい。また、座標系の補正は、メタンガスの像をなるべく少ない分割領域で検知されるようにするためのものである。そのため、標準経路のときは、もとの(X、Y)座標系を使用し、像取得経路に切り替わったときに補正された(X+a、Y+b)座標系を使用するようにしてもよい。以下、座標系を補正する場合も同様に、経路の切り替えとともに座標系を切り替えるようにしてもよい。

0079

(第4実施形態)
図10は分割領域を移動させた状態を示す被検知領域の平面図である。図10に示すようにメタンガスの像G3の大きさによっては、1つの分割領域に入りきれない場合もある。たとえば、図10に示すように元の分割領域では6個の分割領域にまたがるように検知されたメタンガスの像G3がある場合、6個の分割領域の撮像データを組み合わせると、撮像データの劣化が発生しやすい。そのため、図10に示すように、駆動制御部320は、撮像範囲Prの位置を指定する座標系を、(X、Y)座標系から(X+c、Y+d)座標系に補正する。このように座標系を補正することで、メタンガスの像G3を2つの分割領域でとらえることが可能となる。このことから、組み合わせる撮像データは補正前の6個から2個に減らすことができ、画像の劣化を抑えることができる。また、組み合わせる画像データの数を減らすため処理を減らすことが可能である。

0080

(第5実施形態)
図11は分割領域を移動させた状態を示す被検知領域の平面図である。図11に示すように、メタンガスの像G4の縦横の長さのそれぞれが分割領域の縦横の長さよりも長い場合がある。このような場合、上述のような座標の変換で分割領域をシフトしても、メタンガスの像G4は、縦方向に少なくとも2個、横方向に少なくとも2個の方向が必要になる。そこで、本実施形態では、図11に示すように、上下に5段並べられている分割領域の内、上の2段と下の3段に分け、それぞれ異なる座標系で各分割領域をシフトしている。具体的には、上の2段は(X、Y)座標系を(X+e、Y+f)座標系に、下の3段は(X+g、Y+f)座標系にそれぞれ変換している。これにより、上の2段の分割領域は右下にシフトし、下の3段の分割領域は左下にシフトする。このように、シフトさせることで、長く伸びて検知されたメタンガスの像も2つの分割領域の画像データに収めることができ、画像の劣化を抑制するともに、画像の組み合わせに要する処理を減らすことが可能である。

0081

なお、本実施形態では、上下に分割するものを例に説明しているが、これに限定されるものではなく、メタンガスの像の延びる方向によっては、左右に分割するようにしてもよい。また、分割してシフトするときに、分割領域の間に隙間ができると、メタンガスの像を正確に検知することが困難になる。また、分割領域が重なると経路を決定するときに制御が複雑になる。そのため、上下に分割する場合は上下方向、左右に分割する場合は左右方向のシフト量は同じであることが好ましい。

0082

上述のように、被検知領域に想定した分割領域を想定し、その分割領域に撮像範囲を重ね合せたのち一定時間撮像を行うものとしているが、これに限定されるものではなく、撮像部で撮像を行いつつ撮像範囲を被検知領域内で停止しないように操作するようにしてもよい。このような操作を行う場合、メタンガスの像を検知したときの撮像範囲の周囲を回るような像取得経路に変更するものを挙げることができる。このとき、処理部は、メタンガスの像を検知したときの撮像範囲を基準として分割領域を設定し、その分割領域に沿って像取得経路を決定するようにしてもよい。

0083

上述の各実施形態において、範囲移動部は鉛直軸d1及び水平軸d2の直交する2軸周り、換言すると、撮像範囲を二次元走査するようなものとしているがこれに限定されるものではなく、鉛直軸d1又は水平軸d2の一方向にのみ操作するようなものであってもよい。この場合、標準経路は直線的に往復走査する経路であり、像取得経路は、メタンガスの像を検知した分割領域の両隣を往復するように走査する経路を挙げることができる。

0084

上述の各実施形態において、流体検知装置は、検知対象の流体がメタンガスであるものとして説明しているが、それに限定されるものではなく、メタンガス以外の気体或いは空気の中に粒子状の物質が拡散しているガス状物質等を検知するのにも用いることができる。また、流体はガス状物質に限定されるものではなく、液体或いは微粒子が混入している液体を挙げることができる。そして、本発明にかかる流体検知装置は、例えば、水中に存在する水とは別の液体状の化学物質の検知にも適用可能である。なお、検知対象である流体の状態(ガス状又は液状)や流体の種類(例えば、メタンガス、CO2等)によって、吸収波長が変化するため、撮像部、すなわち、撮像光学系、撮像センサ及びフィルタは検知対象に合せたものが用いられる。

0085

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。

0086

A流体検知装置
100撮像部
110撮像光学系
120撮像センサ
130フィルタ
140画像生成部
150接続インターフェース
160筐体
200 範囲移動部
210基礎部
220回転台座
230回転支持部
240 駆動部
300 処理部
310データ処理部
320駆動制御部
330 記憶部
340 表示部
350 接続インターフェース

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