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技術 室圧制御システムおよび室圧制御方法

出願人 アズビル株式会社
発明者 大村林太郎大曲康仁
出願日 2015年2月27日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2015-037750
公開日 2016年9月5日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2016-161156
状態 特許登録済
技術分野 換気1 換気3 空調制御装置
主要キーワード 対象部屋 局所排気ダクト 給気バルブ 給排気ファン 風量設定値 パラメータ設定ステップ 局所排気装置 制御出力値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月5日)のものです。
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図面 (7)

課題

解決手段

室圧制御システムは、給気バルブMAVと、排気バルブGEXと、コントローラ103〜105を備える。コントローラ107は、室圧室圧設定値に一致するように、バルブMAV,GEXのうち室圧制御バルブとして動作させる方を制御する室圧補正制御手段と、室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断手段と、室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断手段と、不感帯パラメータ設定手段を備える。不感帯パラメータ設定手段は、室圧が乱れ易い状況と判定された場合、室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータを室圧安定性判断手段に設定し、室圧が乱れ易い状況でないと判定された場合、室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを設定する。

概要

背景

工場・研究所のクリーンルームなどでは、部屋間における交差汚染防止や有害物質の封じ込めによる安全確保のために、部屋に対して、室圧室間差圧)を設定し、室圧を一定にすることで、任意の方向に気流が流れるように制御する。
この室圧を一定に保つために、室圧制御バルブを頻繁に動作させる必要があり、室圧制御バルブの動作回数が増え、室圧制御バルブの寿命が短くなるという問題があった。

そこで、従来は、室圧制御バルブに、室圧制御の機能に加えて、室圧安定中による制御保留機能を持たせることで、室圧を一定に保ちつつ、室圧制御バルブの動作回数を減らし、寿命を伸ばすようにしている(特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1、特許文献2に開示された技術は、室圧設定値を中心とする不感帯を設定し、計測した室圧値が不感帯の中に入っている場合には室圧制御バルブの動作を止めるものである。

室圧の定常的な短周期の変動は何もしなくとも元の室圧に落ち着き、またその変動幅は一定範囲内のことがほとんどである。そのため、不感帯のパラメータとして、室圧設定値を中心とする不感帯幅と、逸脱時間とを設け、不感帯幅の範囲内に室圧計測値が収まっている場合、あるいは室圧計測値が不感帯幅の範囲を超えても逸脱時間が経過する前に再び不感帯幅の範囲内へ室圧計測値が戻った場合は、室圧制御バルブの動作を保留することで、室圧制御バルブの寿命を延ばすようにしている。

概要

室圧制御バルブの長寿命化と室圧制御の応答性とを両立させる。室圧制御システムは、給気バルブMAVと、排気バルブGEXと、コントローラ103〜105を備える。コントローラ107は、室圧が室圧設定値に一致するように、バルブMAV,GEXのうち室圧制御バルブとして動作させる方を制御する室圧補正制御手段と、室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断手段と、室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断手段と、不感帯パラメータ設定手段を備える。不感帯パラメータ設定手段は、室圧が乱れ易い状況と判定された場合、室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータを室圧安定性判断手段に設定し、室圧が乱れ易い状況でないと判定された場合、室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを設定する。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、室圧制御バルブの長寿命化を保ちつつ、室圧の乱れに対する制御の応答性を向上させ、長寿命化と応答性とを両立させることができる室圧制御システムおよび室圧制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

対象部屋へ吹き出す給気の風量を調節する給気バルブと、前記対象部屋から吸い出す排気の風量を調節する一般排気バルブと、前記給気バルブによって調節される給気風量と前記一般排気バルブによって調節される排気風量との差が所定のオフセット風量設定値に一致するように、前記給気バルブの給気風量と前記一般排気バルブの排気風量とを決定し、前記給気バルブと前記一般排気バルブとを制御する風量制御手段と、前記対象部屋と所定の基準室との圧力差である室圧が所定の室圧設定値に一致するように、前記給気バルブと前記一般排気バルブのうち室圧制御バルブとして動作させる方のバルブを制御する室圧補正制御手段と、前記室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断手段と、前記室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断手段と、前記室圧の安定性を判定するための不感帯パラメータを設定する不感帯パラメータ設定手段とを備え、前記不感帯パラメータ設定手段は、前記室圧が乱れ易い状況と判定された場合、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性重視した不感帯パラメータを前記室圧安定性判断手段に設定し、前記室圧が乱れ易い状況でないと判定された場合、室圧制御の応答性よりも前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを前記室圧安定性判断手段に設定し、前記室圧補正制御手段は、前記室圧が安定中と判定された場合、室圧制御のための風量の増減保留することを特徴とする室圧制御システム

請求項2

請求項1記載の室圧制御システムにおいて、前記不感帯パラメータは、不感帯幅と逸脱時間とからなり、前記室圧安定性判断手段は、前記室圧設定値と室圧計測値との偏差の絶対値が前記不感帯幅以下である場合、室圧安定中と判定し、前記偏差の絶対値が前記不感帯幅を超える状態の継続時間が前記逸脱時間を超えた場合、室圧変動中と判定することを特徴とする室圧制御システム。

請求項3

請求項2記載の室圧制御システムにおいて、前記室圧制御の応答性を重視した不感帯幅は、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯幅よりも狭く、前記室圧制御の応答性を重視した逸脱時間は、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した逸脱時間よりも短いことを特徴とする室圧制御システム。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか1項に記載の室圧制御システムにおいて、前記室圧乱調容易性判断手段は、(1)前記給気風量または前記排気風量の変更中であること、(2)室圧制御の開始後、第1の所定時間が経過するまでの間であること、(3)前記室圧設定値と室圧計測値との偏差の絶対値が所定の逸脱基準値を超える逸脱が生じるか、この逸脱が収まってから第2の所定時間が経過するまでの間であること、のうち少なくとも1つの条件が成立しているとき、室圧が乱れ易い状況であると判定することを特徴とする室圧制御システム。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1項に記載の室圧制御システムにおいて、さらに、対象部屋に設置されたヒュームフードと、このヒュームフードの排気風量を調節する局所排気バルブと、前記ヒュームフードのサッシ面の面風速規定値となるように前記局所排気バルブを制御する局所排気風量調節手段とを備え、前記風量制御手段は、前記給気バルブによって調節される給気風量と前記局所排気バルブおよび前記一般排気バルブによって調節される排気風量との差が前記オフセット風量設定値に一致するように、前記給気バルブと前記一般排気バルブとを制御することを特徴とする室圧制御システム。

請求項6

請求項5記載の室圧制御システムにおいて、前記室圧乱調容易性判断手段は、前記(1)〜(3)の条件と、(4)前記局所排気バルブによって調節される局所排気風量の変更中か、前記局所排気風量が変更されてから第3の所定時間が経過するまでの間であること、という4つの条件のうち少なくとも1つが成立しているとき、室圧が乱れ易い状況であると判定することを特徴とする室圧制御システム。

請求項7

対象部屋に設置された給気バルブによって調節される給気風量と前記対象部屋に設置された一般排気バルブによって調節される排気風量との差が所定のオフセット風量設定値に一致するように、前記給気バルブの給気風量と前記一般排気バルブの排気風量とを決定し、前記給気バルブと前記一般排気バルブとを制御する風量制御ステップと、前記対象部屋と所定の基準室との圧力差である室圧が所定の室圧設定値に一致するように、前記給気バルブと前記一般排気バルブのうち室圧制御バルブとして動作させる方のバルブを制御する室圧補正制御ステップと、前記室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断ステップと、前記室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断ステップと、前記室圧の安定性を判定するための不感帯パラメータを設定する不感帯パラメータ設定ステップとを含み、前記不感帯パラメータ設定ステップは、前記室圧が乱れ易い状況と判定された場合、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータを設定し、前記室圧が乱れ易い状況でないと判定された場合、室圧制御の応答性よりも前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを設定するステップを含み、前記室圧補正制御ステップは、前記室圧が安定中と判定された場合、室圧制御のための風量の増減を保留するステップを含むことを特徴とする室圧制御方法

技術分野

0001

本発明は、室内への給気風量排気風量の制御により室圧を一定に保つ室圧制御システムに関するものである。

背景技術

0002

工場・研究所のクリーンルームなどでは、部屋間における交差汚染防止や有害物質の封じ込めによる安全確保のために、部屋に対して、室圧(室間差圧)を設定し、室圧を一定にすることで、任意の方向に気流が流れるように制御する。
この室圧を一定に保つために、室圧制御バルブを頻繁に動作させる必要があり、室圧制御バルブの動作回数が増え、室圧制御バルブの寿命が短くなるという問題があった。

0003

そこで、従来は、室圧制御バルブに、室圧制御の機能に加えて、室圧安定中による制御保留機能を持たせることで、室圧を一定に保ちつつ、室圧制御バルブの動作回数を減らし、寿命を伸ばすようにしている(特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1、特許文献2に開示された技術は、室圧設定値を中心とする不感帯を設定し、計測した室圧値が不感帯の中に入っている場合には室圧制御バルブの動作を止めるものである。

0004

室圧の定常的な短周期の変動は何もしなくとも元の室圧に落ち着き、またその変動幅は一定範囲内のことがほとんどである。そのため、不感帯のパラメータとして、室圧設定値を中心とする不感帯幅と、逸脱時間とを設け、不感帯幅の範囲内に室圧計測値が収まっている場合、あるいは室圧計測値が不感帯幅の範囲を超えても逸脱時間が経過する前に再び不感帯幅の範囲内へ室圧計測値が戻った場合は、室圧制御バルブの動作を保留することで、室圧制御バルブの寿命を延ばすようにしている。

先行技術

0005

特開2006−153325号公報
特開2012−237527号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1、特許文献2に開示された技術では、室圧制御バルブの動作回数を減らし、室圧制御バルブの寿命を延ばすことはできるが、室圧の乱れに対する制御の応答性を低下させ、室圧の制御性を悪化させてしまうという問題点があった。

0007

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、室圧制御バルブの長寿命化を保ちつつ、室圧の乱れに対する制御の応答性を向上させ、長寿命化と応答性とを両立させることができる室圧制御システムおよび室圧制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の室圧制御システムは、対象部屋へ吹き出す給気の風量を調節する給気バルブと、前記対象部屋から吸い出す排気の風量を調節する一般排気バルブと、前記給気バルブによって調節される給気風量と前記一般排気バルブによって調節される排気風量との差が所定のオフセット風量設定値に一致するように、前記給気バルブの給気風量と前記一般排気バルブの排気風量とを決定し、前記給気バルブと前記一般排気バルブとを制御する風量制御手段と、前記対象部屋と所定の基準室との圧力差である室圧が所定の室圧設定値に一致するように、前記給気バルブと前記一般排気バルブのうち室圧制御バルブとして動作させる方のバルブを制御する室圧補正制御手段と、前記室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断手段と、前記室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断手段と、前記室圧の安定性を判定するための不感帯パラメータを設定する不感帯パラメータ設定手段とを備え、前記不感帯パラメータ設定手段は、前記室圧が乱れ易い状況と判定された場合、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータを前記室圧安定性判断手段に設定し、前記室圧が乱れ易い状況でないと判定された場合、室圧制御の応答性よりも前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを前記室圧安定性判断手段に設定し、前記室圧補正制御手段は、前記室圧が安定中と判定された場合、室圧制御のための風量の増減を保留することを特徴とするものである。

0009

また、本発明の室圧制御システムの1構成例において、前記不感帯パラメータは、不感帯幅と逸脱時間とからなり、前記室圧安定性判断手段は、前記室圧設定値と室圧計測値との偏差の絶対値が前記不感帯幅以下である場合、室圧安定中と判定し、前記偏差の絶対値が前記不感帯幅を超える状態の継続時間が前記逸脱時間を超えた場合、室圧変動中と判定することを特徴とするものである。
また、本発明の室圧制御システムの1構成例において、前記室圧制御の応答性を重視した不感帯幅は、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯幅よりも狭く、前記室圧制御の応答性を重視した逸脱時間は、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した逸脱時間よりも短いことを特徴とするものである。
また、本発明の室圧制御システムの1構成例において、前記室圧乱調容易性判断手段は、(1)前記給気風量または前記排気風量の変更中であること、(2)室圧制御の開始後、第1の所定時間が経過するまでの間であること、(3)前記室圧設定値と室圧計測値との偏差の絶対値が所定の逸脱基準値を超える逸脱が生じるか、この逸脱が収まってから第2の所定時間が経過するまでの間であること、のうち少なくとも1つの条件が成立しているとき、室圧が乱れ易い状況であると判定することを特徴とするものである。

0010

また、本発明の室圧制御システムの1構成例は、さらに、対象部屋に設置されたヒュームフードと、このヒュームフードの排気風量を調節する局所排気バルブと、前記ヒュームフードのサッシ面の面風速規定値となるように前記局所排気バルブを制御する局所排気風量調節手段とを備え、前記風量制御手段は、前記給気バルブによって調節される給気風量と前記局所排気バルブおよび前記一般排気バルブによって調節される排気風量との差が前記オフセット風量設定値に一致するように、前記給気バルブと前記一般排気バルブとを制御することを特徴とするものである。
また、本発明の室圧制御システムの1構成例において、前記室圧乱調容易性判断手段は、前記(1)〜(3)の条件と、(4)前記局所排気バルブによって調節される局所排気風量の変更中か、前記局所排気風量が変更されてから第3の所定時間が経過するまでの間であること、という4つの条件のうち少なくとも1つが成立しているとき、室圧が乱れ易い状況であると判定することを特徴とするものである。

0011

また、本発明の室圧制御方法は、対象部屋に設置された給気バルブによって調節される給気風量と前記対象部屋に設置された一般排気バルブによって調節される排気風量との差が所定のオフセット風量設定値に一致するように、前記給気バルブの給気風量と前記一般排気バルブの排気風量とを決定し、前記給気バルブと前記一般排気バルブとを制御する風量制御ステップと、前記対象部屋と所定の基準室との圧力差である室圧が所定の室圧設定値に一致するように、前記給気バルブと前記一般排気バルブのうち室圧制御バルブとして動作させる方のバルブを制御する室圧補正制御ステップと、前記室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断ステップと、前記室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断ステップと、前記室圧の安定性を判定するための不感帯パラメータを設定する不感帯パラメータ設定ステップとを含み、前記不感帯パラメータ設定ステップは、前記室圧が乱れ易い状況と判定された場合、前記室圧制御バルブの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータを設定し、前記室圧が乱れ易い状況でないと判定された場合、室圧制御の応答性よりも前記室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを設定するステップを含み、前記室圧補正制御ステップは、前記室圧が安定中と判定された場合、室圧制御のための風量の増減を保留するステップを含むことを特徴とするものである。

発明の効果

0012

本発明によれば、室圧が乱れ易い状況と乱れ難い状況で不感帯パラメータを切り替えられるようにし、室圧が乱れ易い状況のときには、室圧制御バルブの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータを用いて室圧の安定性を判定するようにしたので、室圧の乱れに対する制御の応答性を向上させることができる。また、室圧が乱れ易い状況でないときには、室圧制御の応答性よりも室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータを用いて室圧の安定性を判定するようにしたので、室圧制御バルブの動作回数を減らすことができ、室圧制御バルブの寿命を延ばすことができる。これにより、本発明では、室圧制御バルブの長寿命化と室圧制御の応答性とを両立させることができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施の形態に係る室圧制御システムの構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係る局所排気用のコントローラの構成例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る給気用のコントローラの構成例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る一般排気用のコントローラの構成例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る室圧制御動作を説明するフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る室圧制御動作の例を示す図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る室圧制御システムの構成を示す図である。本実施の形態の室圧制御システムは、部屋100内に設置されたヒュームフード101と、ヒュームフード101に接続された局所排気ダクト102と、部屋100に給気を供給する給気ダクト103と、部屋100の空気を排気する一般排気ダクト104と、局所排気ダクト102の風量を調整する局所排気バルブEXVと、給気ダクト103の風量を調整する給気バルブMAVと、一般排気ダクト104の風量を調整する一般排気バルブGEXと、局所排気バルブEXVを制御するコントローラ105と、給気バルブMAVを制御するコントローラ106と、一般排気バルブGEXを制御するコントローラ107と、各コントローラ105,106,107を互いに接続する通信線108と、部屋100と所定の基準室(本実施の形態では部屋100の外の空間)との圧力差である室圧を計測する差圧センサ109と、圧力差をチェックするための室圧モニタ110とから構成される。ヒュームフード101は、開閉可能なサッシ111と、サッシ111の開度を検出するサッシセンサ112とを備えている。

0015

図2はコントローラ105の構成例を示すブロック図、図3はコントローラ106の構成例を示すブロック図、図4はコントローラ107の構成例を示すブロック図である。
コントローラ105は、局所排気バルブEXV1を制御する排気風量制御部200を有する。
コントローラ106は、給気バルブMAVを制御する給気風量制御部201を有する。

0016

コントローラ107は、一般排気バルブGEXを制御する排気風量制御部202と、室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する室圧乱調容易性判断部203と、室圧の安定性を判定するための不感帯パラメータを設定する不感帯パラメータ設定部204と、室圧が安定中かどうかを判定する室圧安定性判断部205と、給気バルブMAVと一般排気バルブGEXのうち室圧制御バルブとして動作させる方のバルブに対する補正制御出力値を、差圧センサ109によって計測された室圧と所定の室圧設定値に基づいて演算する補正出力演算部206と、室圧制御バルブとして動作させる方のバルブに対応する制御出力値と補正制御出力値とを合算して合算値を室圧制御バルブに出力する合算部207と、室圧制御バルブの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータと室圧制御の応答性よりも室圧制御バルブの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータとを予め記憶する不感帯パラメータ記憶部208とを有する。

0017

コントローラ105の排気風量制御部200は、局所排気風量調節手段を構成している。コントローラ106の給気風量制御部201とコントローラ107の排気風量制御部202とは、風量制御手段を構成している。コントローラ107の補正出力演算部206と合算部207とは、室圧補正制御手段を構成している。

0018

なお、本実施の形態では、室圧乱調容易性判断部203と不感帯パラメータ設定部204と室圧安定性判断部205と補正出力演算部206と合算部207と不感帯パラメータ記憶部208とをコントローラ107に設けているが、これに限るものではなく、室圧乱調容易性判断部203と不感帯パラメータ設定部204と室圧安定性判断部205と補正出力演算部206と合算部207と不感帯パラメータ記憶部208とを他のコントローラに設けてもよいし、図示しない中央監視装置に設けてもよい。

0019

次に、室圧制御システムの通常時の風量体制御動作について説明する。ここでは、給気ダクト103から吹き出す給気の風量をVmav、一般排気ダクト104で吸い出す排気の風量をVgex、局所排気ダクト102で吸い出す排気の風量をVexvとする。

0020

コントローラ105の排気風量制御部200は、ヒュームフード101のサッシ開口面積に基づいて、サッシ面の面風速が規定値(通常0.5m/s)となるように風量Vexvを定め、局所排気ダクト102の排気風量がVexvとなるように局所排気バルブEXVの開度を制御する。なお、ヒュームフード101のサッシ開口面積は、サッシセンサ112が検出するサッシ開度から求めることができるサッシ111の開口部高さと、既知サッシ幅との乗算により決定することができる。

0021

コントローラ107の排気風量制御部202は、総排気風量(Vgex+Vexv)が一定となるように、サッシ開閉による排気風量Vexvの変動分だけ、風量Vgexを増減させ、一般排気ダクト104の排気風量がVgexとなるように制御出力値を出して一般排気バルブGEXの開度を制御する。

0022

コントローラ106の給気風量制御部201は、部屋100の最低換気風量満足させるよう、少なくとも最低風量を常に吹き出すように風量Vmavを決定し、給気ダクト103の給気風量がVmavとなるように制御出力値を出して給気バルブMAVの開度を制御する。部屋100の最低換気風量を確保するため、Vmavは最低換気風量以上に設定される。

0023

以上のような風量の設定の仕方により、ヒュームフード101が使用されていないとき(すなわち、サッシ111が全閉のとき)、式(1)が成立する。
Vmav=Vgex+α ・・・(1)

0024

定数αは、部屋100から漏れていく風量を決定すると共に、部屋100を正圧にするか負圧にするかを決定するためのオフセット風量設定値である。
次に、ヒュームフード101が使用されているときには、式(2)が成立する。
Vmav=Vgex+Vexv+α ・・・(2)

0025

なお、例えば排気風量Vexvが最大風量(Vexv)maxになると、コントローラ107の排気風量制御部202は風量Vgexを減少させて風量バランスとろうとするが、風量Vgexの減少動作だけで風量バランスをとろうとしても、一般排気バルブGEXの開度が0%になった場合には風量Vgexを更に減らすことはできない。このような場合、コントローラ106の給気風量制御部201は、式(3)が成り立つように風量Vmavを調節する。
Vmav=Vgex+(Vexv)max+α ・・・(3)

0026

以上の風量体積制御動作によれば、ヒュームフード101のサッシ111の開閉に伴って局所排気風量Vexvが変更されたときに、この変更に伴って給気風量Vmavと排気風量Vgexが変更されることになる。

0027

給気風量Vmavと排気風量Vgexが変更される別の例としては、作業を行わない夜間や休日などの人がいない時間帯において、省エネルギーのために、室内外の圧力差を一定に保ちつつ、給気風量Vmavと排気風量Vgexを下げる風量切替制御動作がある。この風量変更は、平日は毎日行われる。昼から夜への切り替えの例では、給気風量Vmavと排気風量Vgexを共に徐々に減らし、夜から昼への切り替えの例では、給気風量Vmavと排気風量Vgexを共に徐々に増やす。

0028

また、給気風量Vmavと排気風量Vgexが変更される別の例としては、室内の換気量変更指令などによる変更動作がある。さらに、給気風量Vmavと排気風量Vgexが変更される別の例としては、他に部屋100の燻蒸や未利用時に給排気ファンを停止する場合と給排気ファンの停止状態から通常の運動状態に切り替える場合がある。

0029

次に、以上のような動作と並行して行われる室圧制御動作について説明する。図5は室圧制御動作を説明するフローチャートである。本実施の形態では、一般排気バルブGEXを室圧制御バルブ(PCV)として機能させるものとする。
コントローラ107の室圧乱調容易性判断部203は、室圧が乱れ易い条件が成立しているかどうかを判定することにより、室圧が乱れ易い状況かどうかを判定する(図5ステップS100)。

0030

室圧が乱れ易い条件としては、以下の(A)〜(D)のようなものがある。
(A)給気風量Vmavまたは排気風量Vgexの変更中であること。
(B)室圧制御の開始後、第1の所定時間T1が経過するまでの間であること。
(C)室圧計測値が室圧設定値から逸脱するか、この逸脱が収まってから第2の所定時間T2が経過するまでの間であること。
(D)局所排気風量Vexvの変更中か、局所排気風量Vexvが変更されてから第3の所定時間T3が経過するまでの間であること。

0031

室圧乱調容易性判断部203は、上記の(A)〜(D)のうち少なくとも1つが成立しているとき、室圧が乱れ易い状況であると判定する。また、室圧乱調容易性判断部203は、上記の(A)〜(D)のいずれも成立していないとき、室圧が乱れ易い状況でないと判定する。

0032

第1の所定時間T1、第2の所定時間T2、第3の所定時間T3は個別に設定可能な値である。(C)の条件については、室圧設定値SPと差圧センサ109によって計測された室圧計測値dPEとの偏差の絶対値|SP−dPE|が所定の逸脱基準値SWを超えたとき、室圧計測値dPEが室圧設定値SPから逸脱したと判定し、偏差の絶対値|SP−dPE|が逸脱基準値SW以下になったとき、この逸脱が収まったと判定すればよい。

0033

コントローラ107の不感帯パラメータ設定部204は、室圧乱調容易性判断部203が室圧が乱れ易い状況であると判定した場合(ステップS100においてYES)、室圧が乱れ易いときの不感帯パラメータ(不感帯幅Wと逸脱時間t)を不感帯パラメータ記憶部208から読み出して室圧安定性判断部205に設定する(図5ステップS101)。

0034

また、不感帯パラメータ設定部204は、室圧乱調容易性判断部203が室圧が乱れ易い状況でないと判定した場合(ステップS100においてNO)、通常時の不感帯パラメータを不感帯パラメータ記憶部208から読み出して室圧安定性判断部205に設定する(図5ステップS102)。ここで、室圧が乱れ易いときの不感帯パラメータについては、例えば不感帯幅Wが3Pa、逸脱時間tが0sとする。通常時の不感帯パラメータについては、例えば不感帯幅Wが4.5Pa、逸脱時間tが30sとする。このように、室圧が乱れ易い状況と乱れ難い状況のそれぞれに最適な不感帯パラメータが不感帯パラメータ記憶部208に予め登録されている。

0035

なお、前述の逸脱基準値SWは、不感帯幅Wよりも大きい値であり、例えば15Paに設定される。つまり、後述のように室圧制御の保留中に、偏差の絶対値|SP−dPE|が不感帯幅Wを多少逸脱する程度の場合は自然に室圧の乱れは収まるため、制御を保留したままとするが、何らかの状況により、室圧が大きく乱れた場合は、逸脱時間tを待たずに室圧制御の保留を即座に解除して室圧制御を再開すべきである。そこで、不感帯幅Wよりも大きい逸脱基準値SWを設定しておき、偏差の絶対値|SP−dPE|が逸脱基準値SWを超えると、室圧が乱れ易い状況であると判定し、不感帯パラメータを切り替えるようにしている。

0036

次に、コントローラ107の室圧安定性判断部205は、室圧が安定中かどうかを判定する(図5ステップS103)。室圧安定性判断部205は、所定の室圧設定値SPと差圧センサ109によって計測された室圧計測値dPEとの偏差の絶対値|SP−dPE|が不感帯幅W以下である場合、室圧安定中と判定し、偏差の絶対値|SP−dPE|が不感帯幅Wを超える状態の継続時間が逸脱時間tを超えた場合、室圧変動中と判定する。

0037

コントローラ107の補正出力演算部206は、室圧設定値SPと室圧計測値dPEとの偏差がなくなるように風量Vgexの増減分を周知のPID制御アルゴリズムにより演算し、演算した増減分だけ一般排気ダクト104の排気風量Vgexが変わるように補正制御出力値を出す(図5ステップS104)。

0038

コントローラ107の合算部207は、排気風量制御部202が出力した排気用の制御出力値と、補正出力演算部206が出力した補正制御出力値とを合算して一般排気バルブGEXに出力する(図5ステップS105)。こうして、風量体積制御動作による一般排気バルブGEXの開度調整と同時に、室圧制御動作による一般排気バルブGEXの開度微調整が行われ、室圧が制御される。

0039

一方、補正出力演算部206は、室圧安定性判断部205が室圧安定中と判定した場合(ステップS103においてYES)、上記PID制御アルゴリズムによって演算した補正制御出力値の出力を保留し、直前演算周期で出力していた補正制御出力値を、現在の演算周期よりも後の演算周期で新たな補正制御出力値を出力する時になるまで継続して出力する(図5ステップS106)。

0040

こうして、室圧安定中であれば、補正制御出力値の出力を保留し、室圧制御を保留にすることで、一般排気バルブGEXの動作を止めることができ、一般排気バルブGEXの動作回数を減らすことができる。室圧安定性判断部205が室圧変動中と判定すれば、ステップS104の処理により新たな補正制御出力値が演算されて出力されるので、保留が解除され、室圧制御が再開される。
室圧制御が終了するまで(図5ステップS107においてYES)、以上のようなステップS100〜S106の処理が演算周期ごとに繰り返し行われる。

0041

図6は本実施の形態の室圧制御の動作例を示す図である。室圧が乱れ易い状況でないときは、通常時の不感帯パラメータとして、不感帯幅W=4.5Pa、逸脱時間t=30sが設定される。この状態で室圧に乱れが生じ、時刻t1において室圧設定値SPと室圧計測値dPEとの偏差の絶対値|SP−dPE|が不感帯幅W=4.5Paを超えたとする。この場合、図6に示すように、偏差の絶対値|SP−dPE|が不感帯幅Wを超える状態の継続時間CTが逸脱時間t以下であれば、室圧制御は保留されたままとなり、安定時の無駄なPCV(一般排気バルブGEX)の動作を無くすことができる。

0042

ここで、時刻t2において換気量変更指令があり、給排気風量が変動し始めたとする。このとき、室圧乱調容易性判断部203は室圧が乱れ易い状況であると判定し、不感帯パラメータ設定部204は室圧が乱れ易いときの不感帯パラメータとして、不感帯幅W=3Pa、逸脱時間t=0sを設定する。この状態で室圧に乱れが生じ、時刻t3において室圧設定値SPと室圧計測値dPEとの偏差の絶対値|SP−dPE|が不感帯幅W=3Paを超えたとする。この場合、逸脱時間tが0sに変更されているため、室圧制御を保留することなく、即座に室圧変動中と判定され、室圧制御が再開される。

0043

以上のように、本実施の形態では、室圧が乱れ易い状況と乱れ難い状況で不感帯パラメータを切り替えられるようにし、室圧が乱れ易い状況のときには、一般排気バルブGEXの動作回数の軽減よりも室圧制御の応答性を重視した不感帯パラメータ(通常時よりも不感帯幅Wが狭く、逸脱時間tが短い)を用いて室圧の安定性を判定するようにしたので、特許文献1、特許文献2に開示された技術と比較して、室圧の乱れに対する制御の応答性を向上させることができる。また、室圧が乱れ易い状況でないときには、室圧制御の応答性よりも一般排気バルブGEXの動作回数の軽減を重視した不感帯パラメータ(不感帯幅Wが広く、逸脱時間tが長い)を用いて室圧の安定性を判定するようにしたので、一般排気バルブGEXの動作回数を減らすことができ、一般排気バルブGEXの寿命を延ばすことができる。こうして、本実施の形態では、PCV(一般排気バルブGEX)の長寿命化と室圧制御の応答性とを両立させることができる。

0044

なお、本実施の形態では、一般排気バルブGEXをPCVとして機能させているが、給気バルブMAVをPCVとして機能させるようにしてもよい。ただし、給気バルブMAVをPCVとして機能させる場合、合算部207は、コントローラ106の給気風量制御部201が出力する制御出力値と補正出力演算部206が出力する補正制御出力値とを合算して給気バルブMAVに出力する。

0045

本実施の形態で説明した各コントローラ105,106,107は、例えばCPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。各コントローラ105,106,107のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
なお、本実施の形態では、局所排気装置の1つとしてフュームフードを示したが、安全キャビナットなど、フュームフードと同様の役割を果たす装置にも適用可能である。

0046

本発明は、室圧制御システムに適用することができる。

0047

100…部屋、101…ヒュームフード、102…局所排気ダクト、103…給気ダクト、104…一般排気ダクト、105,106,107…コントローラ、108…通信線、109…差圧センサ、110…室圧モニタ、200,202…排気風量制御部、201…給気風量制御部、203…室圧乱調容易性判断部、204…不感帯パラメータ設定部、205…室圧安定性判断部、206…補正出力演算部、207…合算部、208…不感帯パラメータ記憶部、EXV…局所排気バルブ、MAV…給気バルブ、GEX…一般排気バルブ。

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