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技術 車両用空調装置

出願人 株式会社デンソートヨタ自動車株式会社
発明者 一志好則脇阪剛史後藤孝章杉浦勝巳
出願日 2015年3月4日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-042065
公開日 2016年9月5日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-159831
状態 特許登録済
技術分野 車両用空気調和
主要キーワード 表面湿度 エンジンベル キャンセル設定 プラグイン状態 極高温 基準残量 作動要否 作動本数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

イグニッションスイッチオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気が車室内に吹き出されることを抑制する。

解決手段

ケーシング31内の空気通路に空気を送風する送風手段32と、空気通路を流れる空気と冷媒とを熱交換させることによって空気を冷却する蒸発器15と、ケーシング31の内気導入口21および外気導入口22を開閉する内外気切替ドア23と、ケーシング31のフェイス吹出口24、フット吹出口25およびデフロスタ吹出口26を開閉する吹出口モードドア24a、25aと、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、外気導入口22の開度が0%よりも大きくなるように内外気切替ドア23の作動を制御するとともに、フェイス吹出口24およびフット吹出口25が開けられるように吹出口モードドア24a、25aの作動を制御する駐車換気制御を行う制御手段50とを備える。

概要

背景

従来、特許文献1には、駐車時にエバポレータ凝縮水が付着したまま残ることを防止する車両用空調装置が記載されている。

この従来技術では、車両のイグニッションスイッチ車両乗員によってオフされた等、車両が駐車状態にされたことを検出したとき、ブロワを一定時間運転させてエバポレータに一定時間空気を送る。

これにより、駐車後、エバポレータに付着している凝縮水を速やかに排除できるので、駐車中にエバポレータ表面に付着した凝縮水がエバポレータ表面に付着した臭い成分とともに蒸発して臭いが発生することを抑制できる。そのため、次回の乗員乗車時(空調開始時)に不快な臭いを含んだ空気が車室内に吹き出されることを抑制できる。

概要

イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気が車室内に吹き出されることを抑制する。ケーシング31内の空気通路に空気を送風する送風手段32と、空気通路を流れる空気と冷媒とを熱交換させることによって空気を冷却する蒸発器15と、ケーシング31の内気導入口21および外気導入口22を開閉する内外気切替ドア23と、ケーシング31のフェイス吹出口24、フット吹出口25およびデフロスタ吹出口26を開閉する吹出口モードドア24a、25aと、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、外気導入口22の開度が0%よりも大きくなるように内外気切替ドア23の作動を制御するとともに、フェイス吹出口24およびフット吹出口25が開けられるように吹出口モードドア24a、25aの作動を制御する駐車時換気制御を行う制御手段50とを備える。

目的

本発明は上記点に鑑みて、イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気が車室内に吹き出されることを抑制することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車室内空間へ吹き出される空気が流れる空気通路と、前記空気通路に内気を導入する内気導入口(21)と、前記空気通路に外気を導入する外気導入口(22)と、前記空気通路の前記空気を乗員の上半身に向けて吹き出すフェイス吹出口(24)と、前記空気通路の前記空気を乗員の下半身に向けて吹き出すフット吹出口(25)と、前記空気通路の前記空気を車両前面窓ガラス(W)に向けて吹き出すデフロスタ吹出口(26)とを形成するケーシング(31)と、前記空気通路に前記空気を送風する送風手段(32)と、冷媒吸入して吐出する圧縮機(11)と、前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒が持つ熱を放熱させる放熱器(12)と、前記放熱器(12)で放熱された前記冷媒を減圧させる減圧手段(14)と、前記減圧手段(14)で減圧された前記冷媒と、前記空気通路を流れる前記空気とを熱交換させることによって前記冷媒を蒸発させて前記空気を冷却する蒸発器(15)と、前記内気導入口(21)および前記外気導入口(22)を開閉する内外気切替手段(23)と、前記フェイス吹出口(24)、前記フット吹出口(25)および前記デフロスタ吹出口(26)を開閉する吹出切替手段(24a、25a)と、車両のイグニッションスイッチオフされた後、前記外気導入口(22)の開度が0%よりも大きくなるように前記内外気切替手段(23)の作動を制御するとともに、前記フェイス吹出口(24)および前記フット吹出口(25)が開けられるように前記吹出切替手段(24a、25a)の作動を制御する駐車換気制御を行う制御手段(50)とを備えることを特徴とする車両用空調装置

請求項2

前記制御手段(50)は、前記イグニッションスイッチがオフされた後、乗員が降車したと判断される所定条件を満たした場合、前記駐車時換気制御を行い、前記所定条件を満たしていない場合、前記駐車時換気制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。

請求項3

前記空気通路を流れる前記空気を加熱する空気加熱手段(36)と、前記空気加熱手段(36)で加熱される前記空気と、前記空気加熱手段(36)をバイパスして流れる前記空気との風量割合を調整する風量割合調整手段(39)とを備え、前記制御手段(50)は、前記駐車時換気制御において、前記空気加熱手段(36)をバイパスして流れる前記空気の風量割合が100%になるように前記風量割合調整手段(39)の作動を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。

請求項4

前記制御手段(50)は、前記駐車時換気制御において、前記駐車時換気制御を行う前の前記外気導入口(22)の開度が維持されるように前記内外気切替手段(23)の作動を制御することが可能になっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

請求項5

前記制御手段(50)は、前記駐車時換気制御において、前記送風手段(32)の送風量を所定量以下に制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

技術分野

0001

本発明は、車両に用いられる空調装置に関する。

背景技術

0002

従来、特許文献1には、駐車時にエバポレータ凝縮水が付着したまま残ることを防止する車両用空調装置が記載されている。

0003

この従来技術では、車両のイグニッションスイッチ車両乗員によってオフされた等、車両が駐車状態にされたことを検出したとき、ブロワを一定時間運転させてエバポレータに一定時間空気を送る。

0004

これにより、駐車後、エバポレータに付着している凝縮水を速やかに排除できるので、駐車中にエバポレータ表面に付着した凝縮水がエバポレータ表面に付着した臭い成分とともに蒸発して臭いが発生することを抑制できる。そのため、次回の乗員乗車時(空調開始時)に不快な臭いを含んだ空気が車室内に吹き出されることを抑制できる。

先行技術

0005

特開平7−156646号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記従来技術では、イグニッションスイッチをオフした後にブロワを一定時間運転させるので、バッテリ電力消費してしまい、次回イグニッションスイッチをオンするときにエンジンスタータを駆動するのに必要な電力を確保できないおそれがある。

0007

本発明は上記点に鑑みて、イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気が車室内に吹き出されることを抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
車室内空間へ吹き出される空気が流れる空気通路と、空気通路に内気を導入する内気導入口(21)と、空気通路に外気を導入する外気導入口(22)と、空気通路の空気を乗員の上半身に向けて吹き出すフェイス吹出口(24)と、空気通路の空気を乗員の下半身に向けて吹き出すフット吹出口(25)と、空気通路の空気を車両前面窓ガラス(W)に向けて吹き出すデフロスタ吹出口(26)とを形成するケーシング(31)と、
空気通路に空気を送風する送風手段(32)と、
冷媒吸入して吐出する圧縮機(11)と、
圧縮機(11)から吐出された冷媒が持つ熱を放熱させる放熱器(12)と、
放熱器(12)で放熱された冷媒を減圧させる減圧手段(14)と、
減圧手段(14)で減圧された冷媒と、空気通路を流れる空気とを熱交換させることによって冷媒を蒸発させて空気を冷却する蒸発器(15)と、
内気導入口(21)および外気導入口(22)を開閉する内外気切替手段(23)と、
フェイス吹出口(24)、フット吹出口(25)およびデフロスタ吹出口(26)を開閉する吹出切替手段(24a、25a)と、
車両のイグニッションスイッチがオフされた後、外気導入口(22)の開度が0%よりも大きくなるように内外気切替手段(23)の作動を制御するとともに、フェイス吹出口(24)およびフット吹出口(25)が開けられるように吹出切替手段(24a、25a)の作動を制御する駐車時換気制御を行う制御手段(50)とを備えることを特徴とする。

0009

これによると、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、外気導入口(22)の開度が0%よりも大きくなるのでケーシング(31)内の空気通路に外気を導入可能になるとともに、フェイス吹出口(24)およびフット吹出口(25)が開けられるので空気通路の圧力損失が小さくなる。そのため、送風手段(32)の送風量が少ない、または送風手段(32)が停止している状態であっても空気通路を良好に換気でき、ひいては蒸発器(15)からの臭気がケーシング(31)内の空気通路にもることを抑制できる。

0010

したがって、イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気がケーシング(31)内から車室内空間に吹き出されることを抑制できる。

0011

なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

図面の簡単な説明

0012

一実施形態の車両用空調装置の全体構成図である。
一実施形態の車両用空調装置の室内空調ユニットを示す断面図である。
一実施形態の車両用空調装置の電気制御部を示すブロック図である。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理の別の要部を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理の別の要部を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理の別の要部を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理の別の要部を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理に用いられる制御特性図である。
一実施形態の車両用空調装置の制御処理の別の要部を示すフローチャートである。
一実施形態の車両用空調装置の制御結果の一例を示すタイムチャートである。

実施例

0013

以下、実施形態について図に基づいて説明する。図1に示す車両用空調装置1は、内燃機関エンジン)EGおよび走行用電動モータから車両走行用駆動力を得るハイブリッド車両に適用されている。

0014

本実施形態のハイブリッド車両は、車両停車時に外部電源商用電源)から供給された電力を、車両に搭載されたバッテリ(車載バッテリ)81に充電可能なプラグインハイブリッド車両として構成されている。

0015

このプラグインハイブリッド車両は、車両走行開始前の車両停車時に外部電源から供給された電力をバッテリ81に充電しておくことによって、走行開始時のようにバッテリ81の蓄電残量SOCが予め定めた走行用基準残量以上になっているときには、主に走行用電動モータの駆動力によって走行する運転モードとなる。以下、この運転モードをEV運転モードという。

0016

一方、車両走行中にバッテリ81の蓄電残量SOCが走行用基準残量よりも低くなっているときには、主にエンジンEGの駆動力によって走行する運転モードとなる。以下、この運転モードをHV運転モードという。

0017

より詳細には、EV運転モードは、主に走行用電動モータが出力する駆動力によって車両を走行させる運転モードであるが、車両走行負荷が高負荷となった際にはエンジンEGを作動させて走行用電動モータを補助する。つまり、走行用電動モータから出力される走行用の駆動力(モータ側駆動力)がエンジンEGから出力される走行用の駆動力(内燃機関側駆動力)よりも大きくなる運転モードである。

0018

換言すると、内燃機関側駆動力に対するモータ側駆動力の駆動力比(モータ側駆動力/内燃機関側駆動力)が、少なくとも0.5より大きくなっている運転モードであると表現することもできる。

0019

一方、HV運転モードは、主にエンジンEGが出力する駆動力によって車両を走行させる運転モードであるが、車両走行負荷が高負荷となった際には走行用電動モータを作動させてエンジンEGを補助する。つまり、内燃機関側駆動力がモータ側駆動力よりも大きくなる運転モードである。換言すると、駆動力比(モータ側駆動力/内燃機関側駆動力)が、少なくとも0.5より小さくなっている運転モードであると表現することもできる。

0020

本実施形態のプラグインハイブリッド車両では、このようにEV運転モードとHV運転モードとを切り替えることによって、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両に対してエンジンEGの燃料消費量を抑制して、車両燃費を向上させている。また、このようなEV運転モードとHV運転モードとの切り替え、および、駆動力比の制御は、駆動力制御装置70によって制御される。

0021

さらに、エンジンEGから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機80を作動させるためにも用いられる。そして、発電機80にて発電された電力および外部電源から供給された電力は、バッテリ81に蓄えることができ、バッテリ81に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、車両用空調装置1を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給できる。

0022

次に、本実施形態の車両用空調装置1の詳細構成を説明する。この車両用空調装置1は、バッテリ81から供給される電力による車室内の空調に加えて、車両走行前の車両停車時に外部電源から供給される電力によって車室内の空調(例えば、プレ空調)を実行可能に構成されている。

0023

本実施形態の車両用空調装置1は、図1に示す冷凍サイクル10、図1図2に示す室内空調ユニット30、図3に示す空調制御装置50等を備えている。

0024

室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤インストルメントパネル)の内側に配置されている。室内空調ユニット30は、その外殻を形成するケーシング31内に送風機32、蒸発器15、ヒータコア36、PTCヒータ37等を収容したものである。

0025

ケーシング31は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング31内には、空気が流れる空気通路が形成されている。

0026

ケーシング31内の送風空気流れ最上流側には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替手段としての内外気切替箱20が配置されている。

0027

より具体的には、内外気切替箱20には、内気導入口21および外気導入口22が形成されている。内気導入口21は、ケーシング31内に内気を導入させる。外気導入口22は、ケーシング31内に外気を導入させる。

0028

さらに、内外気切替箱20の内部には、ケーシング31内へ導入させる内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア23が配置されている。内外気切替ドア23は、吸込口モードを切り替える吸込口モード切替手段であり、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整する。

0029

従って、内外気切替ドア23は、ケーシング31内に導入される内気の風量と外気の風量との風量割合を変更する風量割合変更手段(内外気切替手段)を構成する。換言すれば、内外気切替ドア23は、空気通路に導入される内気と外気との比率を調整する内外気比率調整手段である。

0030

より具体的には、内外気切替ドア23は、電動アクチュエータ62によって駆動される。この電動アクチュエータ62は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。

0031

また、吸込口モードとしては、全内気モード、全外気モードおよび内外気混入モードがある。

0032

内気モードでは、内気導入口21を全開とするとともに外気導入口22を全閉としてケーシング31内の空気通路へ内気を導入する。外気モードでは、内気導入口21を全閉とするとともに外気導入口22を全開としてケーシング31内の空気通路へ外気を導入する。

0033

内外気混入モードでは、内気モードと外気モードとの間で、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整することにより、ケーシング31内の空気通路への内気と外気の導入比率を連続的に変化させる。

0034

内外気切替箱20の空気流れ下流側には、内外気切替箱20を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風手段である送風機32(ブロア)が配置されている。この送風機32は、ファン電動モータにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数送風能力)が制御される。従って、この電動モータは、送風機32の送風能力変更手段を構成している。

0035

送風機32のファンは、遠心多翼ファンシロッコファン)である。ファンは、空気通路に配置されており、内気導入口21からの内気、および外気導入口22からの外気を空気通路に送風する。

0036

送風機32の空気流れ下流側には、蒸発器15が配置されている。蒸発器15は、空気通路の全域に亘って配置されている。蒸発器15は、その内部を流通する冷媒(熱媒体)と送風機32から送風された送風空気とを熱交換させて、送風空気を冷却する冷却手段(熱交換手段)として機能する。具体的には、蒸発器15は、圧縮機11、凝縮器12、気液分離器13および膨張弁14等とともに、蒸気圧縮式の冷凍サイクル10を構成している。

0037

ここで、本実施形態に係る冷凍サイクル10の主要な構成について説明すると、圧縮機11は、エンジンルーム内に配置され、冷凍サイクル10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構11aを電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機として構成されている。電動モータ11bは、インバータ61から出力される交流電圧によって、その作動(回転数)が制御される交流モータである。

0038

また、インバータ61は、空調制御装置50から出力される制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力する。そして、この回転数制御によって、圧縮機11の冷媒吐出能力が変更される。従って、電動モータ11bは、圧縮機11の吐出能力変更手段を構成している。

0039

凝縮器12は、エンジンルーム内に配置されて、内部を流通する冷媒と、室外送風機としての送風ファン12aから送風された車室外空気(外気)とを熱交換させることにより、圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させて凝縮させる室外熱交換器(放熱器)である。送風ファン12aは、空調制御装置50から出力される制御電圧によって稼働率、すなわち、回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。

0040

気液分離器13は、凝縮器12にて凝縮された冷媒を気液分離して余剰冷媒を蓄えるとともに、液相冷媒のみを下流側に流すレシーバである。膨張弁14は、気液分離器13から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。蒸発器15は、膨張弁14にて減圧膨張された冷媒を蒸発させて、冷媒に吸熱作用を発揮させる室内熱交換器である。これにより、蒸発器15は、送風空気を冷却する冷却用熱交換器として機能する。

0041

以上が本実施形態に係る冷凍サイクル10の主要構成の説明であり、以下、室内空調ユニット30の説明に戻る。ケーシング31内の空気通路において、蒸発器15の空気流れ下流側には、蒸発器15通過後の空気を流す加熱用冷風通路33および冷風バイパス通路34が並列に形成されている。加熱用冷風通路33には、蒸発器15通過後の空気を加熱するためのヒータコア36およびPTCヒータ37が、送風空気流れ方向に向かってこの順に配置されている。図2では、PTCヒータ37の図示を省略している。

0042

空気通路において、加熱用冷風通路33および冷風バイパス通路34の空気流れ下流側には、加熱用冷風通路33および冷風バイパス通路34から流出した空気を混合させる混合空間35が形成されている。

0043

ヒータコア36は、エンジンEGを冷却するエンジン冷却水(以下、単に冷却水という。)を熱媒体として蒸発器15通過後の送風空気を加熱する加熱用熱交換器(空気加熱手段)である。エンジンEGは、冷却水を加熱する冷却水加熱手段(熱媒体加熱手段)である。

0044

具体的には、ヒータコア36とエンジンEGは、冷却水配管によって接続されて、ヒータコア36とエンジンEGとの間を冷却水が循環する冷却水回路40が構成されている。そして、この冷却水回路40には、冷却水を循環させるための冷却水ポンプ40aが配置されている。この冷却水ポンプ40aは、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(冷却水循環流量)が制御される電動式水ポンプである。

0045

PTCヒータ37は、PTC素子正特性サーミスタ)を有し、このPTC素子に電力が供給されることによって発熱して、ヒータコア36通過後の空気を加熱する補助加熱手段としての電気ヒータである。なお、本実施形態のPTCヒータ37を作動させるために必要な消費電力は、冷凍サイクル10の圧縮機11を作動させるために必要な消費電力よりも少ない。

0046

より具体的には、このPTCヒータ37は、複数(本実施形態では、3本)のPTC素子37a、37b、37cから構成されている。各PTC素子37a、37b、37cの正極側はバッテリ81側に接続され、負極側はスイッチ素子を介して、グランド側へ接続されている。スイッチ素子は各PTC素子の通電状態ON状態)と非通電状態OFF状態)とを切り替えるものである。スイッチ素子の作動は、空調制御装置50から出力される制御信号によって制御される。

0047

空調制御装置50は、各PTC素子37a、37b、37cの通電状態と非通電状態とを独立に切り替えるようにスイッチ素子の作動を制御することによって、通電状態となり加熱能力を発揮するPTC素子の本数を切り替えて、PTCヒータ37全体としての加熱能力を変化させることができる。

0048

冷風バイパス通路34は、蒸発器15通過後の空気を、ヒータコア36およびPTCヒータ37を通過させることなく、混合空間35に導くための空気通路である。従って、混合空間35にて混合された送風空気の温度は、加熱用冷風通路33を通過する空気および冷風バイパス通路34を通過する空気の風量割合によって変化する。

0049

そこで、本実施形態では、空気通路における蒸発器15の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路33および冷風バイパス通路34の入口側に、エアミックスドア39を配置している。エアミックスドア39は、加熱用冷風通路33および冷風バイパス通路34へ流入させる冷風の風量割合を連続的に変化させる風量割合調整手段である。換言すれば、エアミックスドア39は、混合空間35内の空気温度(車室内へ送風される送風空気の温度)を調整する温度調整手段である。

0050

より具体的には、エアミックスドア39は、電動アクチュエータ63によって駆動される回転軸と、その回転軸に連結された板状のドア本体部を有して構成される、いわゆる片持ちドアで構成されている。また、エアミックスドア用の電動アクチュエータ63は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。

0051

ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間35から空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す吹出口24、25、26A、26Bが配置されている。

0052

この吹出口24、25、26A、26Bとしては、具体的に、フェイス吹出口24、フロントフット吹出口25A、リヤフット吹出口25Bおよびデフロスタ吹出口26が設けられている。

0053

フェイス吹出口24は、車室内の前席乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す上半身側吹出口である。フロントフット吹出口25Aは、前席乗員の足元(下半身)に向けて空調風を吹き出す足元側吹出口(下半身側吹出口)である。リヤフット吹出口25Bは、後席乗員の足元(下半身)に向けて空調風を吹き出す足元側吹出口(下半身側吹出口)である。デフロスタ吹出口26は、車両前面窓ガラスWの内側面に向けて空調風を吹き出す窓ガラス側吹出口である。

0054

フェイス吹出口24およびデフロスタ吹出口26は、互いに隣接して配置されている。フェイス吹出口24およびデフロスタ吹出口26の空気流れ上流側には、フェイス吹出口24およびデフロスタ吹出口26の開口面積を調整するフェイスデフロスタドア24aが配置されている。

0055

フロントフット吹出口25Aおよびリヤフット吹出口25Bの空気流れ上流側には、フロントフット吹出口25Aおよびリヤフット吹出口25Bの開口面積を調整するフットドア25aが配置されている。

0056

フェイスデフロスタドア24aおよびフットドア25aは、吹出口モードを切り替える吹出口モードドア(吹出口モード切替手段、吹出切替手段)を構成するものであって、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ64、65に連結されて回転操作される。この電動アクチュエータ64、65も、空調制御装置50から出力される制御信号によってその作動が制御される。

0057

フェイスデフロスタドア24aは、フェイス吹出口24からデフロスタ吹出口26までスライド移動するスライドドアである。フェイスデフロスタドア24aは、板状のドア本体部とラックとを有している。

0058

図2に示すように、ドア本体部の側端図2紙面垂直方向における端部)は、ケーシング31の内側面に形成されたガイド溝31aに挿入されている。ラックは、ケーシング31に対して回転可能に支持されたピニオン24bと噛み合うようになっている。

0059

ピニオン24bが電動アクチュエータ64によって駆動されることによって、フェイスデフロスタドア24aが、ガイド溝31aに沿ってスライド移動する。

0060

吹出口モードとしては、フェイスモードFACE)、バイレベルモード(B/L)、フットモード(FOOT)、およびフットデフロスタモード(F/D)がある。

0061

フェイスモード(FACE)では、フェイス吹出口24を全開してフェイス吹出口24から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。バイレベルモード(B/L)では、フェイス吹出口24とフット吹出口25A、25Bの両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出す。

0062

フットモード(FOOT)では、フット吹出口25A、25Bを全開するとともにデフロスタ吹出口26を小開度だけ開口して、フット吹出口25A、25Bから主に空気を吹き出す。

0063

フットデフロスタモード(F/D)では、フット吹出口25A、25Bおよびデフロスタ吹出口26を同程度開口して、フット吹出口25A、25Bおよびデフロスタ吹出口26の双方から空気を吹き出す。

0064

乗員が、図3に示す操作パネル60のデフロスタスイッチマニュアル操作することによって、デフロスタモード(DEF)とすることもできる。デフロスタモード(DEF)では、デフロスタ吹出口26を全開してデフロスタ吹出口26から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出す。

0065

本実施形態の車両用空調装置1は、図示しない電熱デフォッガを備えている。電熱デフォッガは、車室内窓ガラスの内部あるいは表面に配置された電熱線であって、窓ガラスを加熱することで防曇あるいは窓曇り解消を行う窓ガラス加熱手段である。この電熱デフォッガについても空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動を制御できるようになっている。

0066

車両用空調装置1は、図3に示すシート空調装置90を備えている。シート空調装置90は、乗員が着座する座席表面温度を上昇させる補助加熱手段である。具体的には、このシート空調装置90は、座席表面に埋め込まれた電熱線で構成され、電力を供給されることによって発熱するシート加熱手段である。

0067

そして、室内空調ユニット10の各吹出口24、25、26A、26Bから吹き出される空調風によって車室内の暖房が不十分となり得る際に作動させて乗員の暖房感を補う機能を果たす。なお、このシート空調装置90は、空調制御装置50から出力される制御信号によって作動が制御され、作動時には座席の表面温度を約40℃程度となるまで上昇させるように制御される。

0068

車両用空調装置1は、シート送風装置ステアリングヒータ輻射ヒータを備えていてもよい。シート送風装置は、座席の内側から乗員に向けて空気を送風する送風手段である。ステアリングヒータは、電気ヒータでステアリングを加熱するステアリング加熱手段である。膝輻射ヒータは、輻射熱熱源となる熱源光を乗員の膝に向けて照射する暖房手段である。シート送風装置、ステアリングヒータ、膝輻射ヒータの作動は、空調制御装置50から出力される制御信号によって制御できる。

0069

次に、図3により、本実施形態の電気制御部について説明する。空調制御装置50(空調制御手段)、駆動力制御装置70(駆動力制御手段)および電力制御装置71(電力制御手段)は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。

0070

駆動力制御装置70の出力側には、エンジンEGを構成する各種エンジン構成機器および走行用電動モータへ交流電流を供給する走行用インバータ等が接続されている。各種エンジン構成機器としては、具体的に、エンジンEGを始動させるスタータ、エンジンEGに燃料を供給する燃料噴射弁インジェクタ)の駆動回路(いずれも図示せず)等が接続されている。

0071

駆動力制御装置70の入力側には、バッテリ81の端子間電圧VBを検出する電圧計、バッテリ81へ流れ込む電流ABinあるいはバッテリ81から流れる電流ABoutを検出する電流計アクセル開度Accを検出するアクセル開度センサエンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ車速Vvを検出する車速センサ(いずれも図示せず)等の種々のエンジン制御用センサ群が接続されている。

0072

空調制御装置50の出力側には、送風機32、圧縮機11の電動モータ11b用のインバータ61、送風ファン12a、各種電動アクチュエータ62、63、64、65、PTCヒータ37、冷却水ポンプ40a、シート空調装置90等が接続されている。

0073

空調制御装置50の入力側には、内気センサ51、外気センサ52(外気温検出手段)、日射センサ53、吐出温度センサ54(吐出温度検出手段)、吐出圧力センサ55(吐出圧力検出手段)、蒸発器温度センサ56(蒸発器温度検出手段)、冷却水温度センサ58、および窓表面湿度センサ59(湿度検出手段)等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。

0074

内気センサ51は、車室内温度Trを検出する。外気センサ52は、外気温Tamを検出する。日射センサ53は、車室内の日射量Tsを検出する。吐出温度センサ54は、圧縮機11から吐出された冷媒の温度Td(圧縮機吐出冷媒温度)を検出する。吐出圧力センサ55は、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力Pd(圧縮機吐出冷媒圧力)を検出する。

0075

蒸発器温度センサ56は、蒸発器15からの吹出空気温度(蒸発器温度)TEを検出する。冷却水温度センサ58は、エンジンEGから流出した冷却水の冷却水温度Twを検出する。

0076

本実施形態の蒸発器温度センサ56は、具体的に蒸発器15の熱交換フィン温度を検出している。もちろん、蒸発器温度センサ56として、蒸発器15のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、蒸発器15を流通する冷媒自体の温度を直接検出する温度検出手段を採用してもよい。

0077

窓表面湿度センサ59は、窓近傍湿度センサ窓ガラス近傍空気温度センサ、および窓ガラス表面温度センサで構成されている。

0078

窓近傍湿度センサは、車室内の窓ガラス近傍の車室内空気の相対湿度(以下、窓近傍相対湿度と言う。)を検出する。窓ガラス近傍空気温度センサは、窓ガラス近傍の車室内空気の温度を検出する。窓ガラス表面温度センサは、窓ガラス表面温度を検出する。

0079

空調制御装置50は、窓近傍湿度センサ、窓ガラス近傍空気温度センサ、および窓ガラス表面温度センサの検出値に基づいて、窓ガラスの車室内側表面の相対湿度RHW(以下、窓表面相対湿度と言う。)を算出する。

0080

窓表面相対湿度RHWは、窓ガラスが曇る可能性を表す指標である。具体的には、窓表面相対湿度RHWの値が大きいほど、窓ガラスが曇る可能性が高いことを意味する。

0081

さらに、空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、エアコンスイッチオートスイッチ60a、吸込口モードの切替スイッチ60b、吹出口モードの切替スイッチ60c、デフロスタスイッチ、送風機32の風量設定スイッチ、車室内温度設定スイッチ、エコノミースイッチ、駐車時換気キャンセルスイッチ60d、現在の車両用空調装置1の作動状態等を表示する表示部等が設けられている。

0082

エアコンスイッチは、乗員の操作によって圧縮機11の起動および停止を切り替える圧縮機作動設定手段である。エアコンスイッチには、エアコンスイッチの操作状況に応じて点灯消灯するエアコンインジケータが設けられている。

0083

オートスイッチ60aは、乗員の操作によって車両用空調装置1の自動制御を設定あるいは解除する自動制御設定手段である。デフロスタスイッチは、乗員の操作によってデフロスタモードを設定するデフロスタモード設定手段である。車室内温度設定スイッチは、乗員の操作によって車室内目標温度Tsetを設定する目標温度設定手段である。

0084

エコノミースイッチは、環境への負荷の低減を優先させるスイッチである。エコノミースイッチを投入することにより、車両用空調装置1の作動モードが、空調の省動力化を優先させるエコノミーモード(略してエコモード)に設定される。したがって、エコノミースイッチを省動力優先モード設定手段と表現することもできる。

0085

エコノミースイッチを投入することにより、EV運転モード時に、走行用電動モータを補助するために作動させるエンジンEGの作動頻度を低下させる信号が駆動力制御装置70に出力される。

0086

駐車時換気キャンセルスイッチ60dは、駐車時換気キャンセルを設定あるいは解除する駐車時換気キャンセル設定手段である。駐車時換気キャンセルが設定されている場合、駐車時換気制御が実行されなくなる。駐車時換気制御は、駐車時にケーシング31内の空気通路に外気を導入して換気する制御である。駐車時換気制御を実行することによって、駐車中に蒸発器15からの臭いがケーシング31内の空気通路にこもることを抑制できる。

0087

車両の近辺に臭いの発生源がある場合、駐車時換気制御を実行すると、車外の臭いが外気とともにケーシング31内の空気通路に導入されてしまう。そのような場合、駐車時換気キャンセルスイッチ60dを投入すれば、駐車時換気制御がキャンセルされて、車外の臭いがケーシング31内の空気通路に導入されることが防止される。

0088

駐車時換気キャンセルは、駐車時換気キャンセルスイッチ60dの他、カーナビゲーション装置の操作スイッチ、タッチパネル式入力装置故障診断ツールの操作等によっても設定あるいは解除することが可能である。

0089

空調制御装置50および駆動力制御装置70は、電気的に接続されて通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。例えば、空調制御装置50が駆動力制御装置70へエンジンEGの要求信号を出力することによって、エンジンEGの作動を要求することが可能となっている。

0090

駆動力制御装置70では、空調制御装置50からのエンジンEGの作動を要求する要求信号(作動要求信号)を受信すると、エンジンEGの作動の要否を判定し、その判定結果に応じてエンジンEGの作動を制御する。

0091

空調制御装置50は、車両外部の電源から供給される電力やバッテリ81に蓄えられた電力に応じて、車両における各種電気機器に配分する電力の決定等を行う電力制御装置71が電気的に接続されている。本実施形態の空調制御装置50には、電力制御装置71から出力される出力信号空調用に使用を許可する空調使用許可電力を示すデータ等)が入力される。

0092

空調制御装置50および駆動力制御装置70は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。

0093

例えば、空調制御装置50のうち、送風手段である送風機32の作動を制御して、送風機32の送風能力を制御する構成が送風能力制御手段50aを構成している。圧縮機11の電動モータ11bに接続されたインバータ61から出力される交流電圧の周波数を制御して、圧縮機11の冷媒吐出能力を制御する構成が圧縮機制御手段を構成している。

0094

内外気切替ドア23用の電動アクチュエータ62の作動を制御して、吸込口モードの切り替えを制御する構成が吸込口モード切替手段50bを構成している。

0095

エアミックスドア39用の電動アクチュエータ63の作動を制御して、ヒータコア36で加熱される空気と、ヒータコア36をパイパスして流れる空気との風量割合を制御する構成が風量割合制御手段50cを構成している。

0096

吹出口モードドア24a、25a用の電動アクチュエータ64、65の作動を制御して、吹出口モードの切り替えを制御する構成が吹出口モード切替手段50dを構成している。

0097

冷却手段である蒸発器15の冷却能力を制御する構成が冷却能力制御手段を構成し、加熱手段であるヒータコア36の加熱能力を制御する構成が加熱能力制御手段を構成している。

0098

空調制御装置50における駆動力制御装置70と制御信号の送受信を行う構成が、要求信号出力手段を構成している。駆動力制御装置70における空調制御装置50と制御信号の送受信を行うと共に、要求信号出力手段等からの出力信号に応じてエンジンEGの作動の要否を決定する構成(作動要否決定手段)が、信号通信手段を構成している。

0099

次に、図4図11により、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動を説明する。図4は、本実施形態の車両用空調装置1のメインルーチンとしての制御処理を示すフローチャートである。この制御処理は、車両用空調装置1を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器にバッテリ81や外部電源等から電力が供給された状態で、車両用空調装置1の作動スイッチが投入されるとスタートする。なお、図4図10中の各制御ステップは、空調制御装置50が有する各種の機能実現手段を構成している。

0100

まず、ステップS1では、フラグ、タイマ等の初期化、および上述した電動アクチュエータを構成するステッピングモータ初期位置合わせ等のイニシャライズが行われる。なお、このイニシャライズでは、フラグや演算値のうち、前回の車両用空調装置1の作動終了時に記憶された値が維持されるものもある。

0101

次に、ステップS2では、操作パネル60の操作信号等を読み込んでステップS3へ進む。具体的な操作信号としては、車室内温度設定スイッチによって設定される車室内目標温度Tset、吸込口モードスイッチの設定信号等がある。

0102

次に、ステップS3では、空調制御に用いられる車両環境状態の信号、すなわち上述のセンサ群51〜58の検出信号や、外部電源からの電力の供給状態を示す電力状態信号等を読み込む。なお、電力状態信号が、外部電源から車両に電力を供給可能な状態(プラグイン状態)を示す場合には、外部電源フラグがONされ、外部電源から車両に電力を供給できない状態(プラグアウト状態)を示す場合には、外部電源フラグがOFFされる。

0103

また、このステップS3では、駆動力制御装置70の入力側に接続されたセンサ群の検出信号、および駆動力制御装置70から出力される制御信号等の一部も、駆動力制御装置70から読み込んでいる。

0104

次に、ステップS4では、車室内吹出空気目標吹出温度TAOを算出する。従って、ステップS4は目標吹出温度決定手段を構成している。目標吹出温度TAOは、以下の数式F1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
ここで、Tsetは車室内温度設定スイッチによって設定された車室内設定温度、Trは内気センサ51によって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサ52によって検出された外気温、Tsは日射センサ53によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用定数である。

0105

なお、目標吹出温度TAOは、車室内を所望の温度に保つために車両用空調装置1が生じさせる必要のある熱量に相当するもので、車両用空調装置1に要求される空調負荷空調熱負荷)として捉えることができる。

0106

続くステップS5〜S13では、空調制御装置50に接続された各種機器の制御状態が決定される。

0107

まず、ステップS5では、エアミックスドア39の目標開度SWを目標吹出温度TAO、蒸発器温度センサ56によって検出された吹出空気温度TE、冷却水温度Twに基づいて算出する。

0108

ステップS5の詳細については、図5のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS51では、車両のイグニッションスイッチがオフ(IG OFF)になっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したか否かを判定する。

0109

車両のイグニッションスイッチがオフになっていない、またはイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過していないと判定した場合、乗員が降車していないと判断して、ステップS52へ進み、次の数式F2により仮のエアミックス開度SWddを算出する。
SWdd=[{TAO−(TE+2)}/{MAX(10,Tw−(TE+2))}]×100(%)…(F2)
なお、数式F2の{MAX(10,Tw−(TE+2))}とは、10およびTw−(TE+2)のうち大きい方の値を意味している。

0110

続くステップS53では、ステップS52にて算出された仮のエアミックス開度SWddに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、エアミックス開度SWを決定して、ステップS6へ進む。なお、この制御マップでは、図5のステップS53に示すように、仮のエアミックス開度SWddに対するエアミックス開度SWの値を非線形的に決定している。

0111

これは、前述の如く、本実施形態では、エアミックスドア39として片持ちドアを採用しているために、エアミックス開度SWの変化に対する実際の送風空気の流れ方向から見た冷風バイパス通路の開口面積および加熱用冷風通路の開口面積の変化が非線形的な関係となるからである。

0112

一方、ステップS51にて車両のイグニッションスイッチがオフになっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したと判定した場合、乗員が既に降車した判断して、ステップS54へ進み、駐車時換気制御を行う。具体的には、エアミックス開度SWを0%に決定する。

0113

エアミックス開度SWを0%に決定することによって、加熱用冷風通路33が全閉されて冷風バイパス通路34が全開される。これにより、ケーシング31内の空気通路において、圧力損失(通風抵抗)の大きいヒータコア36に空気が流れないようになるので、空気通路の圧力損失(通風抵抗)が小さくなる。そのため、ケーシング31内の空気通路が換気されやすくなる。

0114

また、蒸発器15とヒータコア36との間の加熱用冷風通路33がエアミックスドア39で遮蔽されるので、ヒータコア36の熱が蒸発器15に伝わりにくくなる。そのため、蒸発器15表面の凝縮水が蒸発しにくくなるので、蒸発器15から臭いが発生しにくくなる。

0115

次のステップS6では、送風機32の送風能力(具体的には、電動モータに印加するブロワモータ電圧)を決定する。このステップS6の詳細については、図6のフローチャートを用いて説明する。

0116

図6に示すように、まず、ステップS610では、車両のイグニッションスイッチがオフ(IG OFF)になっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したか否かを判定する。

0117

車両のイグニッションスイッチがオフになっていない、またはイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過していないと判定した場合、乗員が降車していないと判断して、ステップS611へ進む。

0118

ステップS611では、操作パネル60のオートスイッチ60aが投入(ON)されているか否かを判定する。この結果、オートスイッチ60aが投入されていないと判定された場合は、ステップS612で、操作パネル60の風量設定スイッチによってマニュアル設定された乗員の所望の風量となるブロワモータ電圧が決定されて、ステップS7に進む。

0119

具体的には、本実施形態の風量設定スイッチは、Lo→M1→M2→M3→Hiの5段階の風量を設定することができ、それぞれ4V→6V→8V→10V→12Vの順にブロワモータ電圧が高くなるように決定される。

0120

一方、ステップS611にて、オートスイッチ60aが投入されていると判定された場合は、ステップS613で、ステップS4にて決定されたTAOに基づいて予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して仮ブロワレベルf1A(TAO)を決定する。

0121

仮ブロワレベルf1A(TAO)は、空調熱負荷に応じた基本ブロワレベルが算出される。仮ブロワレベルf1A(TAO)は、ステップS6で最終的に決定されるブロワレベルの候補値として用いられる。ブロワレベルは、送風機32の送風能力を決定するために電動モータに印加する送風機電圧に対応する値である。

0122

本実施形態における仮ブロワレベルf1A(TAO)を決定する制御マップは、TAOに対する仮ブロワレベルf1A(TAO)の値がバスタブ状曲線を描くように構成されている。

0123

すなわち、図6のステップS613に示すように、TAOの極低温域(本実施形態では、−30℃以下)および極高温域(本実施形態では、80℃以上)では、送風機32の風量が最大風量付近となるように仮ブロワレベルf1A(TAO)を高レベルに上昇させる。

0124

また、TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇すると、TAOの上昇に応じて送風機32の送風量が減少するように、仮ブロワレベルf1A(TAO)を減少させる。さらに、TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下すると、TAOの低下に応じて、送風機32の風量が減少するように仮ブロワレベルf1A(TAO)を減少させる。

0125

そして、TAOが所定の中間温度域内(本実施形態では、10℃〜40℃)に入ると、送風機32の風量が低風量となるように仮ブロワレベルf1A(TAO)を低レベルに低下させる。これにより、空調熱負荷に応じた基本ブロワレベルが算出される。

0126

すなわち、仮ブロワレベルf1A(TAO)は、TAOに基づいて決定される値である。換言すれば、仮ブロワレベルf1A(TAO)は、車室内設定温度Tset、内気温Tr、外気温Tam、日射量Tsに基づいて決定される値に基づいて決定されている。

0127

続くステップS614では、冷却水温度センサ58が検出した冷却水温度Tw(水温)に基づいて予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して暖機時上限ブロワレベルf2A(TW)を決定する。暖機時上限ブロワレベルf2A(TW)は、エンジンEGの暖機時(冷却水温度Twが低温の時)におけるブロワレベルの上限値である。

0128

すなわち、図6のステップS614に示すように、冷却水温度Twが低温域から高温域へと上昇するにつれて暖機時上限ブロワレベルf2A(TW)を0以上30以下の範囲で上昇させる。なお、図6のステップS614に示す制御マップでは、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅が設定されている。

0129

これにより、冷却水温度Twが十分に上昇しておらずヒータコア36で空気を十分に加熱できない状態のときに吹出風量が高くなって乗員が寒気を感じることを防止できる。

0130

続くステップS615では、次の数式F3によりブロワレベルを算出して、ステップS616へ進む。
ブロワレベル=MIN(f1A(TAO),f2A(TW))…(F3)
なお、数式F3のMIN(f1A(TAO),f2A(TW))とは、f1A(TAO)およびf2A(TW)のうち小さい方の値を意味している。

0131

ステップS616では、決定されたブロワレベルに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、送風機電圧(ブロワモータ電圧)を決定する。すなわち、図6のステップS616に示すように、ブロワレベルの値が小さいほど送風機電圧(ブロワモータ電圧)を小さくする。

0132

これにより、送風機32の送風能力が目標吹出温度TAOおよび冷却水温度Twに応じて適切に調整される。

0133

一方、ステップS610にて車両のイグニッションスイッチがオフになっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したと判定した場合、乗員が既に降車したと判断して、ステップS617へ進み、ブロワ電圧を0Vに決定する。

0134

これにより、駐車時換気制御を行っているときに送風機32が停止されるので、電力消費が抑制される。

0135

次のステップS7では、吸込口モード、すなわち内外気切替箱20の切替状態を決定する。このステップS7の詳細については、図7のフローチャートを用いて説明する。図7に示すように、まず、ステップS701では、車両のイグニッションスイッチがオフ(IG OFF)になっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したか否かを判定する。

0136

車両のイグニッションスイッチがオフになっていない、またはイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過していないと判定した場合、乗員が降車していないと判断して、ステップS702へ進み、操作パネル60のオートスイッチ60aが投入(ON)されているか否かを判定する。この結果、オートスイッチ60aが投入されていないと判定された場合は、ステップS703〜S705で、マニュアルモードに応じた外気導入率を決定してステップS8へ進む。

0137

具体的には、マニュアル吸込口モードが全内気モード(RECモード)の場合、外気率を0%に決定し(ステップS704)、マニュアル吸込口モードが全外気モード(FRSモード)の場合、外気率を100%に決定する(ステップS705)。外気率は、内外気切替箱20からケーシング31内に導入される導入空気(外気および内気)のうち外気が占める比率である。

0138

一方、ステップS702にて、オートスイッチ60aが投入されていると判定された場合は、ステップS706へ進み、ステップS4で算出した目標吹出温度TAOに基づいて、空調運転状態が冷房運転暖房運転かを判定する。図7の例では、目標吹出温度TAOが25℃を上回っている場合、暖房運転と判定し、それ以外の場合、冷房運転と判定する。

0139

冷房運転と判定した場合、ステップS707へ進み、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、外気率を決定してステップS8へ進む。

0140

具体的には、TAOが低いときは外気率を小さくし、TAOが高いときは外気率を大きくする。図7の例では、TAO≦0℃であれば外気率を0%とし、TAO≧15℃であれば外気率を100%とし、0℃<TAO<15℃であればTAOが高いほど外気率を0〜100%の範囲で大きくする。

0141

決定された外気率に応じて内外気切替ドア23の開度が変更される。具体的には、外気率が0%に設定された場合、吸込口モードが全内気モードとなるように内外気切替ドア23の開度が制御される。外気率が100%に設定された場合、吸込口モードが全外気モードとなるように内外気切替ドア23の開度が制御される。外気率が0%超100%未満に設定された場合、吸込口モードが内外気混入モードとなるように内外気切替ドア23の開度が制御される。

0142

これにより、冷房負荷が高いほど内気の導入率を高くして冷房効率を高めることができる。

0143

一方、ステップS706にて、暖房運転と判定された場合、ステップS708へ進み、外気率を100%に決定してステップS8へ進む。これにより、内気よりも湿度の低い外気を導入して車室内空間の湿度を低下させ、ひいては窓曇りを抑制する。

0144

一方、ステップS701にて車両のイグニッションスイッチがオフになっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したと判定した場合、乗員が既に降車したと判断して、ステップS709へ進み、駐車時換気キャンセルが設定されているか否かを判定する。

0145

上述のように、駐車時換気キャンセルは、操作パネル60に設けられた駐車時換気キャンセルスイッチ60dや、カーナビゲーション装置の操作スイッチ、タッチパネル式の入力装置、故障診断ツールの操作等によって設定される。

0146

ステップS709にて駐車時換気キャンセルが設定されていると判定した場合、ステップS702へ進み、通常の外気率決定処理を行う。

0147

一方、ステップS709にて駐車時換気キャンセルが設定されていないと判定した場合、ステップS710へ進み、駐車時換気制御を行う。具体的には、外気率を100%に決定する。これにより、ケーシング31内の空気通路に外気が導入されるので、ケーシング31内の空気通路が換気される。

0148

次のステップS8では、吹出口モード、すなわちフェイスデフロスタドア24a、フットドア25aの切替状態を決定する。このステップS8の詳細については、図8のフローチャートを用いて説明する。

0149

図8に示すように、まず、ステップS801では、車両のイグニッションスイッチがオフ(IG OFF)されており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したか否かを判定する。

0150

車両のイグニッションスイッチがオフになっていない、またはイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過していないと判定した場合、乗員が降車していないと判断して、ステップS802へ進み、操作パネル60のオートスイッチ60bが投入(ON)されているか否かを判定する。この結果、オートスイッチ60bが投入されていないと判定された場合は、ステップS803へ進み、マニュアルモードに応じた吹出口モードを決定してステップS9へ進む。

0151

具体的には、乗員による吹出口モード切替スイッチ60cの操作に応じて、フェイスモード、バイレベルモード、フットモードおよびフットデフロスタモードのいずれかを決定する。

0152

一方、ステップS802にてオートスイッチ60bが投入されていると判定された場合は、ステップS804へ進み、ステップS4で算出した目標吹出温度TAOに基づいて、吹出口モードを決定してステップS9へ進む。

0153

図8の例では、目標吹出温度TAOの低温域ではベース吹出口モードをフェイスモードに決定し、目標吹出温度TAOの中温域ではベース吹出口モードをバイレベルモードに決定し、目標吹出温度TAOの高温域ではベース吹出口モードをフットモードに決定する。なお、図8のステップS804に示す制御マップでは、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅が設定されている。

0154

一方、ステップS801にて車両のイグニッションスイッチがオフになっており且つイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したと判定した場合、乗員が既に降車したと判断して、ステップS805へ進み、駐車時換気制御を行う。具体的には、吹出口モードをバイレベルモードに決定する。

0155

これにより、フェイス吹出口24およびフット吹出口25A、25Bが開口されるので、ケーシング31内の空気通路の圧力損失(通風抵抗)が小さくなり、ケーシング31内の空気通路が換気されやすくなる。

0156

次のステップS9では、圧縮機11の冷媒吐出能力(具体的には、圧縮機11の回転数)を決定する。なお、ステップS9における圧縮機回転数の決定は、図4のメインルーチンが繰り返される制御周期τ毎に行われるものではなく、所定の制御間隔(本実施形態では1秒)毎に行われる。

0157

ここで、圧縮機11の基本的な回転数の決定手法を説明する。まず、ステップS4で決定したTAO等に基づいて、予め空調制御装置50に記憶されている制御マップ(例えば図9)を参照して、室内蒸発器26からの吹出空気温度TEの目標吹出温度TEOを決定する。

0158

そして、この目標吹出温度TEOと吹出空気温度TEの偏差En(TEO−TE)を算出し、今回算出された偏差Enから前回算出された偏差En−1を減算した偏差変化率Edot(En−(En−1))を算出し、偏差Enと偏差変化率Edotとを用いて、予め空調制御装置50に記憶されたメンバシップ関数ルールとに基づいたファジー推論に基づいて、前回の圧縮機回転数fn−1に対する回転数変化量Δfを求める。

0159

次のステップS10では、PTCヒータ37の作動本数および電熱デフォッガの作動状態を決定する。まず、PTCヒータ37の作動本数の決定について説明すると、ステップS10では、外気温Tam、ステップS5にて決定した仮のエアミックス開度SWdd、冷却水温度Twに応じて、PTCヒータ37の作動本数を決定する。

0160

具体的には、外気温が26℃よりも高いと判定された場合は、PTCヒータ37による吹出温アシストは必要無いと判断して、PTCヒータ37の作動本数を0本に決定する。一方、外気温が26℃よりも低いと判定された場合は、仮のエアミックス開度SWddに基づいてPTCヒータ37作動の要否を決定する。

0161

すなわち、仮のエアミックス開度SWddが小さくなることは、加熱用冷風通路33にて送風空気を加熱する必要性が少なくなることを意味していることから、エアミックス開度SWが小さくなるに伴ってPTCヒータ37を作動させる必要性も少なくなる。

0162

そこで、仮のエアミックス開度SWddを予め定めた基準開度と比較して、仮のエアミックス開度SWddが第1基準開度(本実施形態では、100%)以下であれば、PTCヒータ37を作動させる必要は無いものとして、PTCヒータ37の作動本数を0本に決定する。

0163

一方、仮のエアミックス開度SWddが第2基準開度(本実施形態では、110%)以上であれば、PTCヒータ37を作動させる必要があるものとして、冷却水温度Twに応じてPTCヒータ37の作動本数を決定する。

0164

具体的には、ヒータコア36で空気を十分に加熱できる程度に冷却水温度Twが高い場合、PTCヒータ37の作動本数を0本に決定し、冷却水温度Twが低いほどPTCヒータ37の作動本数を増加させる。

0165

電熱デフォッガについては、車室内の湿度および温度から窓ガラスに曇りが発生する可能性が高い場合、あるいは窓ガラスに曇りが発生している場合は、電熱デフォッガを作動させる。

0166

次のステップS11では、空調制御装置50から駆動力制御装置70へ出力される要求信号を決定する。この要求信号としては、エンジンEGの作動要求信号(エンジンON要求信号)や、EV/HV運転モードの要求信号等がある。

0167

ここで、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両では、走行時に常時エンジンを作動させているので冷却水も常時高温となる。従って、通常の車両では冷却水をヒータコア36に流通させることで十分な暖房能力を発揮することができる。

0168

これに対して、本実施形態のプラグインハイブリッド車両では、車両走行用の駆動力を走行用電動モータからも得ることができることから、エンジンEGの作動を停止させることがあり、車両用空調装置1にて車室内の暖房を行う際に、冷却水の温度が暖房用の熱源として充分な温度にまで上昇していない場合がある。

0169

そこで、本実施形態の車両用空調装置1は、走行用の駆動力を出力させるためにエンジンEGを作動させる必要がない走行条件であっても、所定条件を満たした場合には、エンジンEGの駆動力を制御する駆動力制御装置70に対してエンジンEGの作動を要求する要求信号(作動要求信号)を出力して、冷却水温度を暖房用の熱源として充分な温度となるまで上昇させるようにしている。

0170

次に、ステップS12では、冷却水回路40にてヒータコア36とエンジンEGとの間で冷却水を循環させる冷却水ポンプ40aを作動させるか否かを決定する。このステップS12の詳細については、図10のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS121では、冷却水温度Twが吹出空気温度TEより高いか否かを判定する。

0171

ステップS121にて、冷却水温度Twが吹出空気温度TE以下となっている場合は、ステップS124へ進み、冷却水ポンプ40aを停止(OFF)させることを決定する。その理由は、冷却水温度Twが吹出空気温度TE以下となっている場合に冷却水をヒータコア36へ流すと、ヒータコア36を流れる冷却水が蒸発器15通過後の空気を冷却してしまうことになるため、かえって吹出口からの吹出空気温度を低くしてしまうからである。

0172

一方、ステップS121にて、冷却水温度Twが吹出空気温度TEより高い場合は、ステップS122へ進む。ステップS122では、送風機32が作動しているか否かが判定される。ステップS122にて、送風機32が作動していないと判定された場合は、ステップS124に進み、省動力化のために冷却水ポンプ40aを停止(OFF)させることを決定する。

0173

一方、ステップS122にて送風機32が作動していると判定された場合は、ステップS123へ進み、冷却水ポンプ40aを作動(ON)させることを決定する。これにより、冷却水ポンプ40aが作動して、冷却水が冷媒回路内を循環するので、ヒータコア36を流れる冷却水とヒータコア36を通過する空気とを熱交換させて送風空気を加熱することができる。

0174

次に、ステップS13では、シート空調装置90の作動要否を決定する。シート空調装置90の作動状態は、ステップS5で決定した目標吹出温度TAO、仮のエアミックス開度Sdd、ステップS2で読み込んだ外気温Tamに基づいて、予め空調制御装置50に記憶されている制御マップを参照して決定される。

0175

次に、ステップS14では、上述のステップS5〜S13で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置50より各種機器32、12a、61、62、63、64、65、12a、37、40a、80に対して制御信号および制御電圧が出力される。さらに、要求信号出力手段50cから駆動力制御装置70に対して、ステップS11にて決定された要求信号が送信される。

0176

次に、ステップS15では、制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。なお、本実施形態は制御周期τを250msとしている。これは、車室内の空調制御は、エンジン制御等と比較して遅い制御周期であってもその制御性に悪影響を与えないからである。これにより、車両内における空調制御のための通信量を抑制して、エンジン制御等のように高速制御を行う必要のある制御系の通信量を十分に確保することができる。

0177

本実施形態の車両用空調装置1は、以上の如く作動するので、送風機32から送風された送風空気が、蒸発器15にて冷却される。そして蒸発器15にて冷却された冷風は、エアミックスドア39の開度に応じて、加熱用冷風通路33および冷風バイパス通路34へ流入する。

0178

加熱用冷風通路33へ流入した冷風は、ヒータコア36およびPTCヒータ37を通過する際に加熱されて、混合空間35にて冷風バイパス通路34を通過した冷風と混合される。そして、混合空間35にて温度調整された空調風が、混合空間35から各吹出口を介して車室内に吹き出される。

0179

この車室内に吹き出される空調風によって車室内の内気温Trが外気温Tamより低く冷やされる場合には、車室内の冷房が実現されており、一方、内気温Trが外気温Tamより高く加熱される場合には、車室内の暖房が実現されることになる。

0180

本実施形態による作動の一例を図11に示す。車両のイグニッションスイッチがオフ(IG OFF)されてから60秒が経過するまでは、乗員が降車していないと判断して、通常の空調制御を行う。図11の例では、車両のイグニッションスイッチがオフされる前のエアミックスドア開度、ブロワ電圧、吸込口モードおよび吹出口モードを維持する(ステップS51〜S53、S610〜S616、S701〜S708、S801〜S804)。

0181

車両のイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過すると、乗員が既に降車したと判断して、駐車時換気制御を開始する。具体的には、エアミックスドア開度を0%に変更し、吸込口モードを全外気モード(外気率=100%)に切り替え、吹出口モードをバイレベルモード(B/L)に切り替える(ステップS54、S710、S805)。

0182

これにより、圧力損失(通風抵抗)の大きいヒータコア36に空気が流れなくなるとともにフェイス吹出口24およびフット吹出口25が開けられるのでケーシング31内の空気通路の圧力損失(通風抵抗)が小さくなる。また、ケーシング31内の空気通路に外気を導入可能になる。

0183

そのため、車両のイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過したときに送風機32を停止させても(ステップS610、S617)、ケーシング31内の空気通路を良好に換気でき、ひいては蒸発器15からの臭気がケーシング31内の空気通路にこもることを抑制できる。

0184

したがって、イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気がケーシング31内から車室内空間に吹き出されることを抑制できる。

0185

このとき、デフロスタ吹出口26が閉じられているので、ケーシング31内の空気が車両前面窓ガラスWに向けて流出することを抑制でき、ひいては車両前面窓ガラスWに曇りが発生することを抑制できる。

0186

その後、車両のイグニッションスイッチがオンされると、駐車時換気制御が終了して、通常の空調制御が実施される。

0187

本実施形態では、ステップS7、S8で説明したように、空調制御装置50は、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、駐車時換気制御を行う。駐車時換気制御では、外気導入口22の開度が0%よりも大きくなるように内外気切替ドア23の作動を制御するとともに(ステップS701、S710)、フェイス吹出口24およびフット吹出口25が開けられるように吹出口モードドア24a、25aの作動を制御する(ステップS801、S805)。

0188

これによると、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、外気導入口22の開度が0%よりも大きくなるのでケーシング31内の空気通路に外気を導入可能になるとともに、フェイス吹出口24およびフット吹出口25が開けられるので空気通路の圧力損失(通風抵抗)が小さくなる。そのため、送風機32の送風量が少ない、または送風機32が停止している状態であっても空気通路を良好に換気でき、ひいては蒸発器15からの臭気がケーシング31内の空気通路に籠もることを抑制できる。

0189

したがって、イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を抑制しつつ次回空調開始時に臭気を含んだ空気がケーシング31内から車室内空間に吹き出されることを抑制できる。

0190

本実施形態では、ステップS7、S8で説明したように、空調制御装置50は、イグニッションスイッチがオフされた後、乗員が降車したと判断される所定条件を満たした場合、駐車時換気制御を行い、所定条件を満たしていない場合、駐車時換気制御を行わない(ステップS701、S801)。

0191

これによると、乗員がまだ降車していないときに内外気切替ドア23および吹出口モードドア24a、25aが作動して乗員が違和感を感じることを抑制できる。

0192

例えば、所定条件は、車両のイグニッションスイッチがオフされてからの経過時間が所定時間を上回ることである。

0193

本実施形態では、ステップS5で説明したように、空調制御装置50は、駐車時換気制御において、ヒータコア36をバイパスして流れる空気の風量割合が100%になるようにエアミックスドア39の作動を制御する(ステップS51、S54)。

0194

これによると、ヒータコア36をバイパスして流れる空気の風量割合が100%になるので、圧力損失(通風抵抗)の大きいヒータコア36に空気が流れなくなり、ケーシング31内の空気通路の圧力損失(通風抵抗)がさらに小さくなる。そのため、ケーシング31内の空気通路をさらに良好に換気できる。

0195

また、蒸発器15とヒータコア36との間の空気通路がエアミックスドア39で遮蔽されるので、ヒータコア36の熱が蒸発器15に伝わるのを抑制できる。そのため、蒸発器15表面の凝縮水が蒸発することを抑制できるので、蒸発器15から臭いが発生することを抑制できる。

0196

本実施形態では、ステップS7で説明したように、空調制御装置50は、駐車時換気制御において、駐車時換気制御を行う前の外気導入口22の開度が維持されるように内外気切替ドア23の作動を制御することが可能になっている(ステップS701、S709)。

0197

これによると、駐車場所の近くに臭いの発生源がある場合、その臭いが車室内に侵入したりケーシング31内の空気通路に籠もったりすることを抑制できる。

0198

本実施形態では、ステップS6で説明したように、空調制御装置50は、駐車時換気制御において、送風機32の送風量を所定量以下に制御する(ステップS610、S617)。これにより、イグニッションスイッチをオフした後の電力消費を確実に抑制できる。

0199

(他の実施形態)
上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。

0200

(1)本実施形態では、ヒータコア36は、エンジン冷却水を熱源として蒸発器15通過後の送風空気を加熱するが、冷凍サイクル10は、外気から熱を汲み上げるヒートポンプ装置として構成され、ヒータコア36は、冷凍サイクル10が外気から汲み上げた熱を利用して蒸発器15通過後の送風空気を加熱するようになっていてもよい。

0201

(2)室内空調ユニット30のケーシング31内に互いに並列な2つの空気通路が形成されており、内外気混入モードと内外気2層流モードとを切り替え可能になっているが、ケーシング31内の空気通路が仕切られておらず、内外気2層流モードが設定されない室内空調ユニットにおいても同様の作用効果を奏することができる。

0202

(3)上記実施形態において、車両のイグニッションスイッチがオンされてからオフされるまでの行程トリップ)において圧縮機11が作動しなかった場合、その行程の後では駐車時換気制御を行わないようにしてもよい。

0203

圧縮機11が作動しなかった場合、蒸発器15表面に凝縮水が発生しておらず蒸発器15から臭いが発生しないので、ケーシング31内を換気する必要がないからである。

0204

(4)上記実施形態では、車両のイグニッションスイッチがオフされてから60秒が経過した場合、乗員が降車したと判断される所定条件を満たしたと判定して駐車時換気制御を行うが、シート荷重センサシートベルトバックルセンサドアセンサおよび赤外線センサ等からの検出信号に基づいて乗員が降車したか否かを判断して駐車時換気制御を行うか否かを決定してもよい。

0205

シート荷重センサは、車両の各シートに配置され、シートに着座した乗員の体重を検出する。シート荷重センサが検出した荷重所定値以上である場合、その座席に乗員が着座していて降車していないと推定できる。

0206

シートベルトバックルセンサは、シートベルトバックルに配置され、シートベルトのバックルにシートベルトのタング(T字状の金具)が差し込まれているか否かを検出する。バックルにタングが差し込まれている場合、その座席に乗員が着座していて降車していないと推定できる。

0207

ドアセンサは、各ドアの開閉状態を検出する。ドアが開閉された場合、そのドアから乗員が降車したと推定できる。

0208

シート荷重センサ、シートベルトバックルセンサ、ドアセンサおよび赤外線センサは、乗員が降車したか否かを検出する降車検出手段である。

0209

(5)上記実施形態では、ハイブリッド車両の車両走行用の駆動力について詳細を述べていないが、エンジンEGおよび走行用電動モータの双方から直接駆動力を得て走行可能な、いわゆるパラレル型のハイブリッド車両に車両用空調装置1を適用してもよいし、エンジンEGを発電機80の駆動源として用い、発電された電力をバッテリ81に蓄え、さらに、バッテリ81に蓄えられた電力を供給されることによって作動する走行用電動モータから駆動力を得て走行する、いわゆるシリアル型のハイブリッド車両に車両用空調装置1を適用してもよい。

0210

また、車両用空調装置1を、エンジンEGを備えることなく車両走行用の駆動力を走行用電動モータのみから得る電気自動車に適用してもよい。この場合、冷却水を加熱するための冷却水加熱手段として、例えばPTCヒータ等の電気ヒータを用いることができる。

0211

また、車両用空調装置1を、走行用電動モータを備えることなく車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る自動車に適用してもよい。この場合、圧縮機11は、エンジンEGの駆動力によってエンジンベルトで駆動されるベルト駆動式圧縮機を用いることができる。

0212

11圧縮機
12凝縮器(放熱器)
14膨張弁(減圧手段)
15蒸発器
23内外気切替ドア(内外気切替手段)
24aフェイスデフロスタドア(吹出切替手段)
25aフットドア(吹出切替手段)
31ケーシング
32送風機(送風手段)
36ヒータコア(空気加熱手段)
39エアミックスドア(風量割合調整手段)
50空調制御装置(制御手段)

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