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技術 液体吐出装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 高野浩史山本伸一坪田真一
出願日 2015年3月4日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-042110
公開日 2016年9月5日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-159574
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) インクジェット(粒子形成、飛翔制御)
主要キーワード 膨張成分 待避状態 膨張容積 初期容積 基準容積 DCモーター 単位周期 エンコーダーパルス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

より過不足なく振動動作を実行することが可能な液体吐出装置を提供する。

解決手段

駆動信号vCOMは、電位変化の基準となる基準電位Vbから電位下降させてから基準電位まで電位を上昇させる第1の振動駆動パルスVP1,VP2と、基準電位から電位を上昇させてから基準電位まで電位を下降させる第2の振動駆動パルスVP3,VP4と、を繰り返し周期T内に発生し、制御回路は、インクの増粘に係る条件又はインクに含まれる成分の沈降に係る条件に応じて駆動信号の中から第1の振動駆動パルスまたは第2の振動駆動パルスのうちの何れか一つ又は複数をアクチュエーターに選択的に印加して振動動作を実行する。

概要

背景

液体吐出装置液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体吐出噴射)する装置である。この液体吐出装置としては、例えば、インクジェット式プリンターインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置バイオチップ生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを吐出し、ディスプレイ製造装置用の色材吐出ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極形成装置用の電極材吐出ヘッドでは液状の電極材料を吐出し、チップ製造装置用の生体有機物吐出ヘッドでは生体有機物の溶液を吐出する。

ここで、上記の液体吐出ヘッドは、圧電素子発熱素子等のアクチュエーターを駆動することで、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力振動を生じさせ、当該圧力振動を利用してノズルから液体を吐出させる。この種の液体吐出ヘッドではノズルにおいて液体(メニスカス)が外気に晒されているため、液体に含まれる溶媒成分が蒸発する等して、液体が増粘する場合がある。また、比重の比較的大きい色材等を含む液体では、時間の経過とともに色材等が沈降する場合がある。これらのような場合、ノズルから液体が正常に吐出されない虞がある。このような問題を抑制するため、液体吐出動作中(例えば、プリンターにおいては印刷動作中)や液体吐出動作を行っていない待機中において、液体が吐出されないノズルに対応するアクチュエーター(例えば、圧電素子や発熱素子等)に振動駆動パルス印加してアクチュエーター駆動させることで、ノズルから液体を吐出させない程度に圧力室内の液体およびメニスカスを振動させている。即ち、この振動動作により、ノズル付近の液体を攪拌し、増粘が抑えられている(例えば、特許文献1参照)。

概要

より過不足なく振動動作を実行することが可能な液体吐出装置を提供する。駆動信号vCOMは、電位変化の基準となる基準電位Vbから電位下降させてから基準電位まで電位を上昇させる第1の振動駆動パルスVP1,VP2と、基準電位から電位を上昇させてから基準電位まで電位を下降させる第2の振動駆動パルスVP3,VP4と、を繰り返し周期T内に発生し、制御回路は、インクの増粘に係る条件又はインクに含まれる成分の沈降に係る条件に応じて駆動信号の中から第1の振動駆動パルスまたは第2の振動駆動パルスのうちの何れか一つ又は複数をアクチュエーターに選択的に印加して振動動作を実行する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より過不足なく振動動作を実行することが可能な液体吐出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液体吐出するノズルが形成されたノズル面、および、前記ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力振動を生じさせるアクチュエーターを有する液体吐出ヘッドと、前記アクチュエーターを駆動して前記圧力室内の液体に圧力振動を生じさせることで液体を振動させる振動駆動パルスを含む駆動信号周期的に発生する駆動信号発生回路と、前記液体吐出ヘッドのノズル面を封止するキャッピング機構と、前記キャッピング機構により前記液体吐出ヘッドのノズル面を封止した状態で前記振動駆動パルスを前記アクチュエーターに印加して振動動作を制御する制御回路と、を備え、前記駆動信号は、電位変化の基準となる基準電位から電位下降させてから前記基準電位まで電位を上昇させる第1の振動駆動パルスと、前記基準電位から電位を上昇させてから前記基準電位まで電位を下降させる第2の振動駆動パルスと、を繰り返し周期内に少なくとも1つずつ発生し、前記制御回路は、液体の増粘に係る条件又は液体に含まれる成分の沈降に係る条件に応じて前記駆動信号の中から第1の振動駆動パルスまたは第2の振動駆動パルスのうちの何れか一つ又は複数を前記アクチュエーターに選択的に印加して前記振動動作を実行することを特徴とする液体吐出装置

請求項2

前記駆動信号は、電圧が互いに異なる複数の第1の振動駆動パルス、および、電圧が互いに異なる複数の第2の振動駆動パルスを繰返し周期内に発生することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。

技術分野

0001

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体吐出装置に関し、特に、駆動パルスアクチュエーター印加することにより当該アクチュエーターを駆動させて圧力室内の液体圧力振動を生じさせてノズルから液体を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置に関するものである。

背景技術

0002

液体吐出装置は液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出(噴射)する装置である。この液体吐出装置としては、例えば、インクジェット式プリンターインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置バイオチップ生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを吐出し、ディスプレイ製造装置用の色材吐出ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極形成装置用の電極材吐出ヘッドでは液状の電極材料を吐出し、チップ製造装置用の生体有機物吐出ヘッドでは生体有機物の溶液を吐出する。

0003

ここで、上記の液体吐出ヘッドは、圧電素子発熱素子等のアクチュエーターを駆動することで、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力振動を生じさせ、当該圧力振動を利用してノズルから液体を吐出させる。この種の液体吐出ヘッドではノズルにおいて液体(メニスカス)が外気に晒されているため、液体に含まれる溶媒成分が蒸発する等して、液体が増粘する場合がある。また、比重の比較的大きい色材等を含む液体では、時間の経過とともに色材等が沈降する場合がある。これらのような場合、ノズルから液体が正常に吐出されない虞がある。このような問題を抑制するため、液体吐出動作中(例えば、プリンターにおいては印刷動作中)や液体吐出動作を行っていない待機中において、液体が吐出されないノズルに対応するアクチュエーター(例えば、圧電素子や発熱素子等)に振動駆動パルスを印加してアクチュエーター駆動させることで、ノズルから液体を吐出させない程度に圧力室内の液体およびメニスカスを振動させている。即ち、この振動動作により、ノズル付近の液体を攪拌し、増粘が抑えられている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2014−138996号公報

発明が解決しようとする課題

0005

従来においては、一律に同じ振動駆動パルスを用いて振動動作が行われていたが、液体の組成ノズル毎吐出頻度等によっては、振動動作の効果に過不足が生じていた。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より過不足なく振動動作を実行することが可能な液体吐出装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

〔手段1〕
本発明の液体吐出装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体を吐出するノズルが形成されたノズル面、および、前記ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力振動を生じさせるアクチュエーターを有する液体吐出ヘッドと、
前記アクチュエーターを駆動して前記圧力室内の液体に圧力振動を生じさせることで液体を振動させる振動駆動パルスを含む駆動信号周期的に発生する駆動信号発生回路と、
前記液体吐出ヘッドのノズル面を封止するキャッピング機構と、
前記キャッピング機構により前記液体吐出ヘッドのノズル面を封止した状態で前記振動駆動パルスを前記アクチュエーターに印加して振動動作を制御する制御回路と、
を備え、
前記駆動信号は、電位変化の基準となる基準電位から電位下降させてから前記基準電位まで電位を上昇させる第1の振動駆動パルスと、前記基準電位から電位を上昇させてから前記基準電位まで電位を下降させる第2の振動駆動パルスと、を繰り返し周期内に少なくとも1つずつ発生し、
前記制御回路は、液体の増粘に係る条件又は液体に含まれる成分の沈降に係る条件に応じて前記駆動信号の中から第1の振動駆動パルスまたは第2の振動駆動パルスのうちの何れか一つ又は複数を前記アクチュエーターに選択的に印加して前記振動動作を実行することを特徴とする。

0008

手段1の構成によれば、液体の増粘に係る条件又は液体に含まれる成分の沈降に係る条件に応じて駆動信号の中から第1の振動駆動パルスまたは第2の振動駆動パルスのうちの何れか一つ又は複数をアクチュエーターに選択的に印加して前記振動動作を実行することで、種々の条件を反映してより過不足なくより適切な振動動作を実行することが可能となる。

0009

〔手段2〕
上記手段1の構成において、前記駆動信号は、電圧が互いに異なる複数の第1の振動駆動パルス、および、電圧が互いに異なる複数の第2の振動駆動パルスを繰返し周期内に発生する構成を採用することが望ましい。

0010

手段2の構成によれば、振動駆動パルスの選択の幅が広がり、これらを組み合わせてさらに効率的に振動動作を実行することが可能となる。

図面の簡単な説明

0011

プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。
プリンターの内部構成を説明する斜視図である。
記録ヘッドの構成を説明する断面図である。
駆動信号の構成を説明する波形図である。
振動動作における振動駆動パルスの選択パターンを例示した波形図である。

実施例

0012

以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。

0013

図1は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図、図2は、プリンター1の内部構成を説明する斜視図である。本実施形態におけるプリンター1は、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、および記録ヘッド6等を備えたプリントエンジン13と、各部を制御するプリンターコントローラー7とを有する。記録ヘッド6は、インクカートリッジ17を搭載したキャリッジ16の底面側に取り付けられている。そして、当該キャリッジ16は、キャリッジ移動機構4によってガイドロッド18に沿って往復移動可能に構成されている。すなわち、プリンター1は、紙送り機構3によって記録紙等の記録媒体Sを順次搬送すると共に、記録媒体に対して記録ヘッド6を記録媒体Sの幅方向(主走査方向)に相対移動させながら当該記録ヘッド6のノズル30(図3等参照)からインクを吐出させて、記録媒体S上に当該インクを着弾させることにより画像等を記録する。なお、インクカートリッジ17がプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジ17のインクが供給チューブを通じて記録ヘッド6側に送られる構成を採用することもできる。

0014

キャリッジ16の走査方向における一端部(図2における右手前)は、ホームポジションとなっており、このホームポジションの下方には、記録ヘッド6のノズル面を封止可能なキャッピング機構20が配設されている。このキャッピング機構20は、上面側が開口したトレイ状弾性材からなるキャップ21と、ノズル面が封止された状態におけるキャップ21の内部空間を負圧化する図示しないポンプとから構成される。また、キャッピング機構20は、図示しない昇降機構によって昇降可能に構成され、キャップ21が記録ヘッド6のノズル面を封止する封止状態と、キャップ21がノズル面から離隔した待避状態とに切り替えることができるようになっている。具体的には、記録ヘッド6が記録媒体Sに対して記録動作印刷動作)を行わない待機状態のとき、或いは、プリンター1の電源オフにされたときは、キャリッジ16はホームポジションに位置付けられて、キャッピング機構20によって記録ヘッド6のノズル面がキャッピングされる。これにより、記録ヘッド6のノズル30からインク溶媒が蒸発することが抑制されるようになっている。また、このキャッピングした状態で、後述する振動動作が行われ、記録ヘッド6のノズル30や圧力室31内のインクが撹拌される。さらに、記録ヘッド6内の流路における増粘したインクや気泡等を除去してノズル30の詰まり等を回復する処理であるメンテナンス動作吸引クリーニング動作)においては、上記キャッピング状態においてポンプを作動させてキャップ21の内部空間を負圧化させることで、ノズルから強制的にインクや気泡をキャップ21内に排出させる。キャップ21に排出された廃インクは、図示しない廃インクタンクに排出される。

0015

本実施形態におけるプリンターコントローラー7は、インターフェース(I/F)8と、CPU9と、メモリー10と、駆動信号発生回路11と、を有する。インターフェース8は、外部機器との間で印刷データや印刷命令等の送受信を行う。CPU9は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー10は、CPU9のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM不揮発性記憶素子)を含む。CPU9は、メモリー10に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、本実施形態におけるCPU9は、外部装置からの印刷データに基づき、記録動作時にどのノズル30からどのタイミングでインクを吐出させるかを示す吐出データを発生し、当該吐出データを記録ヘッド6のヘッドコントローラー15に送信する。駆動信号発生回路11は、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの信号を発生し、当該信号を増幅して駆動信号を発生する。

0016

次に、プリントエンジン13について説明する。このプリントエンジン13は、図1に示すように、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、及び、記録ヘッド6等を備えている。キャリッジ移動機構4は、液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド6が取り付けられたキャリッジ16と、このキャリッジ16を、タイミングベルト等を介して走行させる駆動モーター(例えば、DCモーター)等からなり(図示せず)、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6を主走査方向に移動させる。紙送り機構3は、紙送りモーター及び紙送りローラー等からなり、記録媒体Sをプラテン上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダー5は、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報としてプリンターコントローラー7に出力する。プリンターコントローラー7のCPU9は、リニアエンコーダー5側から受信したエンコーダーパルスに基づいて記録ヘッド6の走査位置(現在位置)を把握することができる。また、CPU9は、当該エンコーダーパルスに基づいて、後述する駆動信号COMの発生タイミングを規定するタイミング信号ラッチ信号LAT)を発生させる。ヘッドコントローラー15は、本発明における制御回路として機能し、プリンターコントローラー7側から送られてくる駆動信号COM中の駆動パルスを各圧電素子27に対して選択的に印加する制御を行う。

0017

図3は、記録ヘッド6の内部構成を説明する要部断面図である。
本実施形態における記録ヘッド6は、ノズルプレート25、流路基板26、および、圧電素子27等から概略構成され、これらの部材を積層した状態でケース28に取り付けられている。ノズルプレート25は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル30を同方向に沿って列状に開設したシリコン単結晶基板からなる部材である。本実施形態では、並設された複数のノズル30から構成されるノズル列ノズル群の一種)は、例え360個のノズル30によって構成される。そして、このノズルプレート25のインクが吐出される側の面が、ノズル面に相当する。

0018

流路基板26は、圧力室31となる空部が各ノズル30に対応して複数形成されている。この流路基板26における圧力室31の列の外側には、各圧力室31に共通な空部である共通液室32が形成されている。この共通液室32は、インク供給口33を介して各圧力室31と個々に連通している。また、共通液室32には、インクカートリッジ側からのインクがケース28のインク導入路34を通じて導入される。流路基板26のノズルプレート25側とは反対側の上面には、弾性膜35を介して圧電素子27(アクチュエーターの一種)が形成されている。圧電素子27は、金属製の下電極膜と、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜(何れも図示せず)とを順次積層することで形成されている。この圧電素子27は、所謂撓みモードの圧電素子であり、圧力室31の上部を覆うように形成されている。この圧電素子27は、配線部材36を通じて駆動信号が印加されることにより変形する。これにより、当該圧電素子27に対応する圧力室31内のインクに圧力振動が生じ、このインクの圧力振動を制御することによりノズル30からインクが吐出される。

0019

図4は、駆動信号発生回路11により発生される駆動信号の一例を説明する波形図であり、振動動作に用いられる駆動信号vCOMを示している。本実施形態において、駆動信号vCOMの繰り返し周期である単位周期Tは、記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダーパルスに基づいて発生されるタイミング信号であるラッチ信号LATによって規定される。この駆動信号vCOMは、記録ヘッド6が記録媒体Sに対する記録動作(印刷動作)を行っていない待機中において、キャッピング機構20によるキャッピング状態で振動動作を実行する際に使用される駆動信号である。振動動作は、ノズル30内あるいは圧力室31内のインクを撹拌する目的として、圧力室31内のインクに圧力振動を生じさせる動作である。

0020

本実施形態における駆動信号vCOMには、単位周期T内に、合計4つの振動駆動パルスVP1〜VP4(本発明における振動駆動パルスの一種)が発生される。より具体的には、単位周期Tは、合計4つのパルス発生周期t1〜t4に区分されており、第1のパルス発生周期t1で第1振動駆動パルスVP1が、第2のパルス発生周期t2で第2振動駆動パルスVP2が、第3のパルス発生周期t3で第3振動駆動パルスVP1が、第1のパルス発生周期t1で第1振動駆動パルスVP1が、それぞれ発生される。そして、キャッピング状態において駆動信号vCOM中の何れか1つあるいは複数の振動駆動パルスが選択されて印加される。

0021

駆動信号vCOMに含まれる各振動駆動パルスVP1〜VP4は、ノズル30からインクが吐出されない程度にノズル30内および圧力室31内のインクに圧力振動を生じさせるように波形や電圧が定められた駆動パルスである。第1振動駆動パルスVP1は、本発明における第1の振動駆動パルスに相当し、電位変化の基準となる基準電位Vbからこの基準電位Vbよりも低い第1膨張電位VL1まで電位が下降する第1膨張成分p1と、第1膨張電位VL1を一定時間保持する第1膨張ホールド成分p2と、第1膨張電位VL1から基準電位Vbまで電位を上昇させる第1復帰収縮成分p3と、を有する。なお、基準電位Vbは、圧力室31の基準容積に対応する初期電位である。また、基準容積は、圧力室31の膨張もしくは収縮の起点となる容積初期容積)である。この第1振動駆動パルスVP1が圧電素子27に印加されると、第1膨張成分p1により圧電素子27が基準電位Vbに対応する基準位置から圧力室31の外側(ノズル30から遠ざかる側)に向けて撓み、これにより、圧力室31が基準容積から第1膨張電位VL1に対応する第1の膨張容積まで膨張される。この膨張状態は第1膨張ホールド成分p2の印加期間において維持される。その後、第1復帰収縮成分p3により圧力室31の外側から内側(ノズル30に近づく側)に向けて撓んで基準位置まで変位する。これにより、圧力室31が第1の膨張容積から基準容積まで収縮する。すなわち、圧力室31を基準容積から膨張させた後、基準容積まで収縮させる。この一連の圧力室31の容積変化によって当該圧力室31内のインクおよびこれに連通するノズル30内のインクに圧力振動が生じる。

0022

第2振動駆動パルスVP2は、本発明における第1の振動駆動パルスに相当し、基準電位Vbからこの基準電位Vbおよび第1膨張電位VL1よりも低い第2膨張電位VL2まで電位が下降する第2膨張成分p4と、第2膨張電位VL2を一定時間保持する第2膨張ホールド成分p5と、第2膨張電位VL2から基準電位Vbまで電位を上昇させる第2復帰収縮成分p6と、を有する。この第2振動駆動パルスVP2は、第1振動駆動パルスVP1と同様に、圧力室31を基準容積から膨張させた後、基準容積まで収縮させるように圧電素子27を駆動させる。この第2振動駆動パルスVP2の駆動電圧(基準電位Vbと第2膨張電位VL2との電位差)は、第1振動駆動パルスVP1の駆動電圧(基準電位Vbと第1膨張電位VL1との電位差)よりも大きく設定されている。このため、第2振動駆動パルスVP2により圧電素子27が駆動されると、圧力室31内のインクおよびこれに連通するノズル30内のインクにはより大きい圧力振動が生じる。

0023

第3振動駆動パルスVP3は、本発明における第2の振動駆動パルスに相当し、基準電位Vbからこの基準電位Vbよりも高い第1収縮電位VH1まで電位が上昇する第1収縮成分p7と、第1収縮電位VH1を一定時間保持する第1収縮ホールド成分p8と、第1収縮電位VH1から基準電位Vbまで電位を下降させる第1復帰膨張成分p9と、を有する。この第3振動駆動パルスVP3が圧電素子27に印加されると、第1収縮成分p7により圧電素子27が基準電位Vbに対応する基準位置から圧力室31の内側に向けて撓み、これにより圧力室31が基準容積から第1収縮電位VH1に対応する第1の収縮容積まで収縮される。この収縮状態は第1収縮ホールド成分p8の印加期間において維持される。その後、第1復帰膨張成分p9により圧力室31の内側から外側に向けて撓んで基準位置まで変位する。これにより、圧力室31が第1の膨張容積から基準容積まで膨張する。すなわち、圧力室31を基準容積から収縮させた後、基準容積まで膨張させる。この一連の圧力室31の容積変化によって当該圧力室31内のインクおよびこれに連通するノズル30内のインクに圧力振動が生じる。

0024

第4振動駆動パルスVP4は、本発明における第2の振動駆動パルスに相当し、基準電位Vbからこの基準電位Vbおよび第1収縮電位VH1よりも高い第2収縮電位VH2まで電位が上昇する第2収縮成分p10と、第2収縮電位VH2を一定時間保持する第2収縮ホールド成分p11と、第2収縮電位VH2から基準電位Vbまで電位を下降させる第2復帰膨張成分p12と、を有する。この第4振動駆動パルスVP4は、第3振動駆動パルスVP3と同様に、圧力室31を基準容積から収縮させた後、基準容積まで膨張させるように圧電素子27を駆動させる。この第4振動駆動パルスVP4の駆動電圧(基準電位Vbと第2収縮電位VH2との電位差)は、第3振動駆動パルスVP3の駆動電圧(基準電位Vbと第1収縮電位VH1との電位差)よりも大きく設定されている。このため、第4振動駆動パルスVP4により圧電素子27が駆動されると、圧力室31内のインクおよびこれに連通するノズル30内のインクにはより大きい圧力振動が生じる。

0025

上記構成のプリンター1は、インクの増粘に係る条件又はインクに含まれる成分(顔料成分等)の沈降に係る条件に応じて、駆動信号vCOMの中からいずれかの振動駆動パルスVP1〜VP4のうち何れか一つ又は複数が、各ノズル30に対応する圧電素子27にそれぞれ選択的に印加されて振動動作が行われることに特徴を有している。振動駆動パルスを選択する数や組み合わせ方によって、振動動作の強さ(撹拌効果の強さ)を任意に変えることができる。上述したように、この振動動作は、記録ヘッド6が記録媒体Sに対して記録動作(印刷動作)を行わない待機状態において、記録ヘッド6のノズル面がキャッピング機構20によりキャッピングされた状態で実行される。

0026

図5は、振動動作における振動駆動パルスVPの選択パターンを例示している。図5(a)に示す第1の選択パターンは、単位周期Tにおいて第1振動駆動パルスVP1のみが選択されて該当するノズル30の圧電素子27に印加されて振動動作が実行されるパターンである。この第1の選択パターンに関しては、振動動作としての効果、すなわち、インクの撹拌効果は最も弱いが、待機状態における消費電力を抑えることができ、また、必要以上にインクを撹拌することがないので、ノズル30におけるメニスカスが乱れることによる後のインクの吐出への悪影響が抑制される。なお、第1の選択パターンに関しては、第1振動駆動パルスVP1に替えて第3振動駆動パルスVP3のみが選択されるものとしても同程度の撹拌効果が得られる。

0027

図5(b)に示す第2の選択パターンは、単位周期Tにおいて第2振動駆動パルスVP2のみが選択されて該当するノズル30の圧電素子27に印加されて振動動作が実行されるパターンであり、上記第1の選択パターンよりも振動動作としての効果が強い。第2の選択パターンに関しては、第2振動駆動パルスVP2に替えて第4振動駆動パルスVP4のみが選択されるものとしても同程度の撹拌効果が得られる。また、図5(c)に示す第3の選択パターンは、単位周期Tにおいて第1振動駆動パルスVP1および第2振動駆動パルスVP2が選択されて、該当するノズル30の圧電素子27に順次印加されて振動動作が実行されるパターンであり、第2の選択パターンよりも振動動作としての効果が強い。この第3の選択パターンに関し、第1振動駆動パルスVP1および第2振動駆動パルスVP2に替えて、第3振動駆動パルスVP3および第4振動駆動パルスVP4が選択されるものとしても同程度の撹拌効果が得られる。

0028

図5(d)に示す第4の選択パターンは、単位周期Tにおいて第2振動駆動パルスVP2および第3振動駆動パルスVP3が選択されて該当するノズル30の圧電素子27に順次印加されて振動動作が実行されるパターンである。このように、圧力室31を基準容積から膨張させてから基準容積まで戻す(収縮させる)第2振動駆動パルスVP2と、圧力室31を基準容積から収縮させてから基準容積まで戻す(膨張させる)第3振動駆動パルスVP3を組み合わせて振動動作を行うことで、メニスカスをより大きく動かすことが可能となり、上記各選択パターンよりも撹拌効果がさらに高くなっている。特に、沈降しやすい成分を含むインクを吐出するノズル30に対して効果的である。

0029

圧力室31を基準容積から膨張させてから基準容積まで戻す振動駆動パルスと、圧力室31を基準容積から収縮させてから基準容積まで戻す振動駆動パルスを組み合わせるパターンとしては、VP1とVP3を組み合わせるパターン、VP2とVP4を組み合わせるパターン、又はVP1とVP4を組み合わせるパターン等が考えられるが、これらの組み合わせ方によって、撹拌効果を調整することが可能である。さらに、単位周期Tにおいて3つの振動駆動パルスを組み合わせるパターンも考えられる。このように、振動駆動パルスを組み合わせるパターンによって、撹拌効果を任意に調整することが可能となる。そして、図5(e)に示す第5の選択パターンは、単位周期Tにおいて全ての振動駆動パルスVP1〜VP4が選択されて該当するノズル30の圧電素子27に順次印加されて振動動作が実行されるパターンであり、図5で例示した各選択パターンのなかで撹拌効果が最も強くなっている。

0030

次に、インクの増粘又はインクに含まれる固形成分の沈降に係る各種条件に応じた選択パターンの採用例について説明する。インクの増粘に係る条件として、まず、インクの保湿能力が考えられる。具体的には、インクの色材(顔料分散液等)の保湿能力あるいはインクに添加されている保湿剤有機化合物等)の量に応じて、増粘の進行度合いが変わる。保湿能力が比較的高いインクは増粘が進みにくいため、このようなインクを吐出するノズル30あるいはノズル列に対しては、第1の選択パターンもしくは第2のパターンにより振動動作が行われる。これに対し、保湿能力が比較的低いインクは増粘が進みやすいため、このようなインクを吐出するノズル30あるいはノズル列に対しては、より撹拌効果の高い選択パターン、例えば、第3の選択パターンまたは第4の選択パターンにより振動動作が行われる。

0031

また、インクの増粘に係る条件としては、記録ヘッド6のノズル面がキャッピングされて待機状態となる前の記録動作時のインク吐出頻度が挙げられる。インクの吐出頻度が比較的多いノズル30については、インクの増粘の進行度合いは比較的低いため、第1の選択パターンや第2の選択パターンにより振動動作が行われる。これに対し、吐出頻度が比較的少ないノズル30については、インクの増粘の進行度合いが比較的高いため、より撹拌効果の高い第3の選択パターンまたは第4の選択パターンにより振動動作が行われる。

0032

インクに含まれる固形成分の沈降に係る条件としては、インクの種類、すなわち、当該インクに含まれる顔料の種類が挙げられる。例えば、顔料インクは、染料インクよりも固形成分である顔料の沈降が進みやすい。また、顔料の中でも、白色のインクに含まれる酸化チタン等のように比重がより大きいものは沈降が一層進みやすい。このため、染料インク等のように固形成分の沈降が生じにくいインクを吐出するノズル30あるいはノズル列に対しては、より撹拌効果の高い第3の選択パターンまたは第4の選択パターンにより振動動作が行われる。また、金属箔のような扁平な形状をもつ平板状粒子を含むインクに関しては、撹拌すると逆にインクの吐出が不安定となる場合があるため、このようなインクを吐出するノズル30あるいはノズル列に対しては、撹拌効果が最も弱い第1の選択パターンにより振動動作が行われ、あるいは、振動動作が行われない。

0033

さらに、記録ヘッド6における同一のノズル列に属するノズル30であっても、構造上の理由で増粘が進みにくいノズル30と増粘が進みやすいノズル30が併存する場合もある。具体的には、ノズル列の端部に位置するノズル30は、ノズル列の中央部に位置するノズル30よりもインクの増粘が進みやすい。このため、ノズル列の中央部に位置するノズル30に対しては第1の選択パターンにより振動動作が行われ、ノズル列の端部に位置するノズル30に対しては、より撹拌効果の高い選択パターン、例えば、第2の選択パターンまたは第3の選択パターンにより振動動作が行われる。そして、例えば、保湿能力が低く、顔料の沈降が進みやすいインクを吐出するノズル30であって、前回吐出時からの経過時間が長時間に亘るノズル30あるいはノズル列については、最も撹拌効果の高い第5の選択パターンにより振動動作が行われる。これにより、次の記録動作に移行した時のインクの増粘や顔料の沈降による吐出不良を低減することができる。

0034

このように、インクの増粘又はインクに含まれる成分の沈降に係る各種条件に応じて、駆動信号vCOM中の各振動駆動パルスの何れか一つ又は複数を圧電素子27に選択的に印加して振動動作を実行することにより、インクの増粘の度合や、固形成分の沈降の度合に合わせて、より過不足なくより適切な振動動作を実行することが可能となる。
また、例示した駆動信号vCOMのように、電圧が互いに異なる複数の第1の振動駆動パルスVP1,VP2、および、電圧が互いに異なる複数の第2の振動駆動パルスVP3,VP4を単位周期T内に発生する構成とすることで、振動駆動パルスの選択の幅が広がり、これらを組み合わせてさらに効率的に振動動作を実行することが可能となる。

0035

なお、駆動信号に含まれる振動駆動パルスの数や順序等については例示したものには限られない。要は、電位変化の基準となる基準電位から電位を下降させてから基準電位まで電位を上昇させる第1の振動駆動パルスと、基準電位から電位を上昇させてから基準電位まで電位を下降させる第2の振動駆動パルスと、が繰返し周期である単位周期T内に少なくとも1つずつ発生される構成であればよい。

0036

なお、上記実施形態では、圧電素子として、所謂撓み振動型の圧電素子27を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。また、圧力室内の液体に圧力振動を生じさせるアクチュエーターであれば、圧電素子には限られず、例えば、発熱素子や静電アクチュエーター等を採用することも可能である。

0037

そして、本発明は、振動駆動パルスの印加によりアクチュエーターを駆動して液体の振動制御を行う液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置コピー機等、各種のインクジェット式記録装置にも適用することができる。

0038

1…プリンター,6…記録ヘッド,9…CPU,11…駆動信号発生回路,20…キャッピング機構,27…圧電素子,30…ノズル,31…圧力室

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