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技術 レーダ装置およびレーダ装置の対象物検知方法

出願人 古河電気工業株式会社古河AS株式会社
発明者 久木田広大矢野寛裕
出願日 2015年2月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-035924
公開日 2016年9月1日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2016-156754
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 複合パルス 高周波パルス信号 物体検知情報 検知限界 パルス繰り返し周期 対象物検知 反射受信信号 積分回数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月1日)のものです。
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図面 (7)

課題

簡単な回路構成で、干渉波を確実に除去すること。

解決手段

パルス信号繰り返し周期の少なくとも一部が異なるように設定する設定手段(制御部11)と、パルス信号によって特定された対象物までの距離を検知する検知手段(距離・速度検知部16−1)と、検知手段によって、異なる繰り返し周期において検知された対象物までの距離と、それ以外の繰り返し周期において検知された対象物までの距離が異なる場合には、当該対象物を他のレーダ装置からの干渉波として除去する除去手段(干渉波除去部16−2)とを有する。

概要

背景

一般に、レーダ装置は、電波放射し、対象物反射された反射波を受信して処理することで、対象物までの距離や角度等の位置情報速度情報を検知する。

このようなレーダ装置では、自身が放射して対象物で反射された反射波と、他のレーダ装置から放射された電波との干渉を回避する必要があるが、特に、自身のレーダ装置と干渉源となる他のレーダ装置が同様のレーダ装置である場合、干渉を回避するのは容易ではない。

このような相互干渉を回避するための手段として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダでは、FMCW変調信号周期送信間隔変調勾配を制御して干渉を防止する方法が知られている。

また、パルスレーダでは特許文献1に示すような、円偏波旋回方向を制御することで干渉を防止する方法や、特許文献2に示すような、送信を停止させ、受信回路のみを動作させて電波を受信し、受信した信号を不要信号として記憶部に蓄積した後、通常計測を行い、そこから不要信号を除去する方法等が知られている。

また、一般的にパルスレーダにおけるクラッタを除去する技術として、特許文献3に示すような、送受信繰り返し周期の1周期中に複数の送信パルスを送信する複合パルスレーダにおいては、送受信繰り返し周期毎に送信パルス間の時間間隔を変化させる、つまりパルス繰り返し周波数(PRF)を変化させるとともに、その送信パルス中のいずれかの送信パルスのタイミングを基準として一連目標反射受信信号観測した場合に繰り返し周期毎に異なった時間位置に現れる目標反射受信信号を非同期信号除去処理回路により除去する方法等が知られている。

概要

簡単な回路構成で、干渉波を確実に除去すること。パルス信号の繰り返し周期の少なくとも一部が異なるように設定する設定手段(制御部11)と、パルス信号によって特定された対象物までの距離を検知する検知手段(距離・速度検知部16−1)と、検知手段によって、異なる繰り返し周期において検知された対象物までの距離と、それ以外の繰り返し周期において検知された対象物までの距離が異なる場合には、当該対象物を他のレーダ装置からの干渉波として除去する除去手段(干渉波除去部16−2)とを有する。

目的

本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、簡単な回路構成で、他のレーダ装置からの干渉を確実に除去することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の対象物検知方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

パルス信号を所定の繰り返し周期で送信し、対象物によって反射された前記パルス信号を受信して解析することで前記対象物を検知するレーダ装置において、前記パルス信号の前記繰り返し周期の少なくとも一部が異なるように設定する設定手段と、前記パルス信号によって特定された対象物までの距離を検知する検知手段と、前記検知手段によって、異なる繰り返し周期において検知された対象物までの距離と、それ以外の繰り返し周期において検知された対象物までの距離が異なる場合には、当該対象物を他のレーダ装置からの干渉波として除去する除去手段と、を有することを特徴とするレーダ装置。

請求項2

前記設定手段は、サンプリング周期内に存在する複数のパルス信号の少なくとも1の繰り返し周期が異なるように設定することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。

請求項3

前記設定手段は、サンプリング周期内に存在する複数のパルス信号の全ての繰り返し周期が異なるように設定することを特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。

請求項4

前記設定手段は、同じ繰り返し周期で所定の回数だけ連続するパルス信号を単位として繰り返し周期を設定し、複数の単位のうちの少なくとも一部の単位の繰り返し周期が異なるように設定することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。

請求項5

前記設定手段は、パルス信号の送信を停止した状態で、受信信号が存在する場合には、干渉源が存在すると判定し、前記除去手段によって除去可能になるように前記繰り返し周期を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項6

前記除去手段は、異なる繰り返し周期における検知信号と、それ以外の繰り返し周期における検知信号を平均することで、干渉波成分を相対的に小さくすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項7

前記除去手段は、所定の繰り返し周期のみにおける検知信号は干渉波成分として除去することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項8

パルス信号を所定の繰り返し周期で送信し、対象物によって反射された前記パルス信号を受信して解析することで前記対象物を検知するレーダ装置の対象物検知方法において、前記パルス信号の前記繰り返し周期の少なくとも一部が異なるように設定する設定ステップと、前記パルス信号によって特定された対象物までの距離を検知する検知ステップと、前記検知ステップにおいて、異なる繰り返し周期において検知された対象物までの距離と、それ以外の繰り返し周期において検知された対象物までの距離が異なる場合には、当該対象物を他のレーダ装置からの干渉波として除去する除去ステップと、を有することを特徴とするレーダ装置の対象物検知方法。

技術分野

0001

本発明は、レーダ装置およびレーダ装置の対象物検知方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、レーダ装置は、電波放射し、対象物反射された反射波を受信して処理することで、対象物までの距離や角度等の位置情報速度情報を検知する。

0003

このようなレーダ装置では、自身が放射して対象物で反射された反射波と、他のレーダ装置から放射された電波との干渉を回避する必要があるが、特に、自身のレーダ装置と干渉源となる他のレーダ装置が同様のレーダ装置である場合、干渉を回避するのは容易ではない。

0004

このような相互干渉を回避するための手段として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダでは、FMCW変調信号周期送信間隔変調勾配を制御して干渉を防止する方法が知られている。

0005

また、パルスレーダでは特許文献1に示すような、円偏波旋回方向を制御することで干渉を防止する方法や、特許文献2に示すような、送信を停止させ、受信回路のみを動作させて電波を受信し、受信した信号を不要信号として記憶部に蓄積した後、通常計測を行い、そこから不要信号を除去する方法等が知られている。

0006

また、一般的にパルスレーダにおけるクラッタを除去する技術として、特許文献3に示すような、送受信繰り返し周期の1周期中に複数の送信パルスを送信する複合パルスレーダにおいては、送受信繰り返し周期毎に送信パルス間の時間間隔を変化させる、つまりパルス繰り返し周波数(PRF)を変化させるとともに、その送信パルス中のいずれかの送信パルスのタイミングを基準として一連目標反射受信信号観測した場合に繰り返し周期毎に異なった時間位置に現れる目標反射受信信号を非同期信号除去処理回路により除去する方法等が知られている。

先行技術

0007

実開平09−3656290号公報
特開2010−216824号公報
特開昭61−133885号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、特許文献1に開示された技術は、円偏波を利用しているため、送信電波位相を90度ずらすための装置が必要であることや、アンテナの構造が単偏波アンテナと比べ複雑になる等の問題がある。

0009

また、特許文献2に示す技術では記憶部が必要である為、サイズやコストに不利であること、また、干渉源となるレーダの信号を除去すると、真のターゲットの信号が不要信号として除去されてしまう可能性があるという問題がある。

0010

さらに、特許文献3に示す技術では自身と同様のPRFをもつレーダ装置が干渉源となった場合に、干渉を認識できない等の問題がある。

0011

本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、簡単な回路構成で、他のレーダ装置からの干渉を確実に除去することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の対象物検知方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために、本発明は、パルス信号を所定の繰り返し周期で送信し、対象物によって反射された前記パルス信号を受信して解析することで前記対象物を検知するレーダ装置において、前記パルス信号の前記繰り返し周期の少なくとも一部が異なるように設定する設定手段と、前記パルス信号によって特定された対象物までの距離を検知する検知手段と、前記検知手段によって、異なる繰り返し周期において検知された対象物までの距離と、それ以外の繰り返し周期において検知された対象物までの距離が異なる場合には、当該対象物を他のレーダ装置からの干渉波として除去する除去手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、簡単な回路構成で、他のレーダ装置からの干渉を確実に除去することが可能となる。

0013

また、本発明は、前記設定手段は、サンプリング周期内に存在する複数のパルス信号の少なくとも1の繰り返し周期が異なるように設定することを特徴とする。
このような構成によれば、簡単な回路構成で、干渉波を確実に除去することができるとともに、サンプリング周期を一定とすることができるので、速度の不確かさが生じることを防止できる。

0014

また、本発明は、前記設定手段は、サンプリング周期内に存在する複数のパルス信号の全ての繰り返し周期が異なるように設定することを特徴とする。
このような構成によれば、干渉波をより確実に除去することができる。

0015

また、本発明は、前記設定手段は、同じ繰り返し周期で所定の回数だけ連続するパルス信号を単位として繰り返し周期を設定し、複数の単位のうちの少なくとも一部の単位の繰り返し周期が異なるように設定することを特徴とする。
このような構成によれば、簡単な回路構成で、干渉波を確実に除去することができるとともに、サンプリング周期を一定とすることができるので、速度の不確かさが生じることを防止できる。

0016

また、本発明は、前記設定手段は、パルス信号の送信を停止した状態で、受信信号が存在する場合には、干渉源が存在すると判定し、前記除去手段によって除去可能になるように前記繰り返し周期を設定することを特徴とする。
このような構成によれば、干渉波の存在を確実に検知することができる。

0017

また、本発明は、前記除去手段は、異なる繰り返し周期における検知信号と、それ以外の繰り返し周期における検知信号を平均することで、干渉波成分を相対的に小さくすることを特徴とする。
このような構成によれば、簡単な構成によって、干渉波成分を確実に除去することができる。

0018

また、本発明は、前記除去手段は、所定の繰り返し周期のみにおける検知信号は干渉波成分として除去することを特徴とする。
このような構成によれば、簡単な構成によって、干渉波成分を確実に除去することができる。

0019

また、本発明は、パルス信号を所定の繰り返し周期で送信し、対象物によって反射された前記パルス信号を受信して解析することで前記対象物を検知するレーダ装置の対象物検知方法において、前記パルス信号の前記繰り返し周期の少なくとも一部が異なるように設定する設定ステップと、前記パルス信号によって特定された対象物までの距離を検知する検知ステップと、前記検知ステップにおいて、異なる繰り返し周期において検知された対象物までの距離と、それ以外の繰り返し周期において検知された対象物までの距離が異なる場合には、当該対象物を他のレーダ装置からの干渉波として除去する除去ステップと、を有することを特徴とする。
このような方法によれば、簡単な回路構成で、他のレーダ装置からの干渉を確実に除去することが可能となる。

発明の効果

0020

本発明によれば、簡単な回路構成で、干渉波を確実に除去することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の対象物検知方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成例を示す図である。
図1に示す実施形態の動作を説明する図である。
図1に示す実施形態の動作を説明する図である。
図1に示す実施形態の動作の詳細を説明するフローチャートである。
図4に示す「干渉検知処理」の詳細を説明するフローチャートである。
本発明の変形実施形態を示す図である。

実施例

0022

次に、本発明の実施形態について説明する。

0023

(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係るレーダ装置は、送信アンテナTX、受信アンテナRX1〜RX4、制御部11、送信部12、発振部13、受信部群14、A/D(Analog to Digital)変換部群15、および、信号処理部16を主要な構成要素としている。なお、本実施形態に係るレーダ装置は、例えば、自動車等の車両に搭載され、他の車両や、障害物や、歩行者等を検知する装置として動作する場合を例に挙げて説明する。もちろん、車両以外の移動体装備することも可能である。

0024

ここで、送信アンテナTXは、送信部12から供給されるパルス信号を電波として対象物に向けて送信するアンテナである。受信アンテナRX1〜RX4は、送信アンテナTXから送信され、対象物によって反射された電波を受信し、電気信号として受信部群14に供給するアンテナである。

0025

制御部11は、送信部12を制御し、所定のタイミングでパルス信号を送出するとともに、受信部群14を制御し、受信アンテナRX1〜RX4によって受信された信号をA/D変換部群15に供給する。

0026

送信部12は、制御部11の制御に応じて発振部13から供給される高周波信号変調し、高周波パルス信号を生成して送信アンテナTXを介して空間に放射する。

0027

発振部13は、所定の周波数で発振し、得られた高周波信号(ローカル信号)を受信部群14および送信部12に供給する。

0028

受信部群14は、受信部14−1〜14−4によって構成され、受信アンテナRX1〜RX4からそれぞれ供給される受信信号を発振部13から供給される高周波信号によって復調し、A/D変換部群15に供給する。

0029

A/D変換部群15は、A/D変換部15−1〜15−4によって構成され、受信部14−1〜14−4からそれぞれ供給される信号を所定の周期でサンプリングするとともに、A/D変換によってデジタル信号に変換し、信号処理部16に供給する。

0030

信号処理部16は、距離・速度検知部16−1と干渉波除去部16−2を有している。距離・速度検知部16−1は、A/D変換部15から供給されるデジタル信号に対して、プリサム処理およびDFT(Discrete Fourier Transform)等の処理を実行し、受信信号の速度検知を行い、物体ドップラ周波数の情報と距離の情報とから対象物を検知する。干渉波除去部16−2は、距離・速度検知部16−1から供給される物体検知情報から干渉波を除去する処理を実行する。

0031

(B)本発明の実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作について説明する。図2は、図1に示す実施形態の動作を説明するタイミング図である。なお、図2において横軸は時間を示し、縦軸のTXは送信アンテナTXから送信されるパルス信号を示し、RX1〜RX4は受信アンテナRX1〜RX4によって受信されるパルス信号を示している。また、レーダ装置Aは図1に示すレーダ装置を示し、レーダ装置Bは干渉波の発生源となる他のレーダ装置を示す。

0032

例えば、図1に示すレーダ装置が搭載された車両のイグニッションキーオンの状態にされると、図示しないECU(Electric Control Unit)は、図1に示すレーダ装置の制御部11に対して動作を開始するように指示する。その結果、制御部11は、パルス信号を所定の周期で送信するように送信部12を制御するとともに、受信部群14を制御して、反射波を受信部14−1〜14−4のいずれかによって受信するように制御する。より詳細には、制御部11は、図2に示すように、タイミングt1において、送信部12を制御して送信パルス(図2において太線実線矢印で示すパルス)を送出させるとともに、受信部14−1を動作させる。送信パルスを送出してからパルス繰り返し周期T1(=400ns)が経過すると、制御部11は、タイミングt2において、送信部12を制御して送信パルスを送出させるとともに、受信部14−2を動作させる。また、送信パルスを送出してからパルス繰り返し周期T2(=450ns)が経過すると、制御部11は、タイミングt3において、送信部12を制御して送信パルスを送出させるとともに、受信部14−3を動作させる。同様に、送信パルスを送出してからパルス繰り返し周期T3(=500ns)が経過すると、制御部11は、タイミングt4において、送信部12を制御して送信パルスを送出させるとともに、受信部14−4を動作させる。そして、送信パルスを送出してからパルス繰り返し周期T4(=550ns)が経過すると、制御部11は、タイミングt5において、送信部12を制御して送信パルスを送出させるとともに、受信部14−1を動作させ、その後は同様にしてパルス繰り返し周期T1(=400ns)経過後に送信パルスを送出するとともに受信部14−1を動作させ、パルス繰り返し周期T2(=450ns)経過後に送信パルスを送出するとともに受信部14−2を動作させる動作を繰り返す。その結果、図2に示すように、パルス繰り返し周期T1〜T4にて、パルス信号が送信される。

0033

タイミングt1において送信アンテナTXから送信された送信パルスは、対象物によって反射され、受信アンテナRX1によって受信され、受信部14−1に供給される。送信パルスが送信され、対象物によって反射され、受信アンテナRX1によって受信されるまでの時間をRTaとすると、図2に示すように、送信パルスが送信されてから時間RTa後にエコーRαが受信される。なお、パルス繰り返し周期はごく短時間(数百ns)であることから、その間にレーダ装置を搭載した車両と、対象物との距離は殆ど変化しないため、どのパルス繰り返し周期においても、送信パルスを送信してから時間RTa経過後にエコーRαを受信する。

0034

受信部14−1〜14−4は、受信パルスを発振部13から供給される高周波信号によって受信アンテナRX1〜RX4から供給される受信信号を復調して出力する。A/D変換部15−1〜15−4は、受信部14−1〜14−4からそれぞれ供給される復調された信号をデジタル信号に変換して出力する。距離・速度検知部16−1は、A/D変換部15−1〜15−4から供給されるデジタル信号に対して積分処理およびDFT処理等を施し、対象物の距離と速度を検知する。そして、干渉波除去部16−2によって干渉波を除去する処理(詳細は後述する)を実行した後、ターゲット情報として出力する。

0035

ところで、干渉源であるレーダ装置Bが存在する場合には、レーダ装置Aはレーダ装置Bから送信されるパルス信号を受信することになる。例えば、レーダ装置Bが図2に示すように、太い破線の矢印で示すタイミングでパルス信号を送信する場合、レーダ装置Aはレーダ装置Bから送信されたパルス信号を、レーダ装置Bとの距離に応じた時間RTbだけ遅れたタイミングで受信信号Rβとして受信する。このような、受信信号Rβは、対象物からの反射波として誤検知される可能性があるため、除去する必要がある。

0036

図2に示す例では、レーダ装置Bのパルス繰り返し周期T1〜T4は、550ns,500ns,450ns,400nsとなっており、これはレーダ装置Aのパルス繰り返し周期とは異なる。このような場合、図2の破線の矩形内に示すように、レーダ装置Bからの受信信号(図2において破線の矢印で示す信号)は、パルス繰り返し周期毎に異なる距離に現れるのに対し、真の検知対象物からの信号は常に一定の距離に現れる。

0037

そこで、本実施形態では、受信信号のうち、パルス繰り返し周期毎に距離が異なる信号については、干渉源からの干渉波であると判定し、干渉波除去部16−2が除去する。より詳細には、干渉波除去部16−2は、各パルス繰り返し周期の信号を平均化する。これにより、真の検知対象物からの反射信号については一定の値を保つのに対し、干渉波については平均化によって値が減少するので、干渉波を除去することができる。

0038

ところで、図2は、レーダ装置Aとレーダ装置Bでパルス繰り返し周期が異なる場合の例であるが、レーダ装置Aとレーダ装置Bでパルス繰り返し周期が同じ場合には図3のような状態になる。図3の例では、レーダ装置Aとレーダ装置Bでパルス繰り返し周期T1〜T4はともに400ns,450ns,500ns,550nsとなっており、また、この例では送信タイミングも一致している。パルス繰り返し周期が同じ場合には、矩形の破線内に示すように、真の検知対象物からの反射波も干渉波も同じ距離に現れることから、平均化によっては干渉波を除去することができない。

0039

そこで、本実施形態では、パルス信号の送信を、一時的に停止し、その際に受信信号が存在する場合には、干渉源が存在すると判定する。そして、干渉波が存在する場合には、所定のパルス繰り返し周期によりパルス信号を送信し、受信信号が図2の状態(以下「第1状態」と称する)であるか、または、図3の状態(以下「第2状態」と称する)であるかを判定する。第1の状態である場合には、干渉源のパルス繰り返し周期と、自装置のパルス繰り返し周期が異なることから、前述した処理によって干渉波を除去することができるので、そのまま処理を継続する。一方、図3に示す第2状態である場合には、干渉波を除去することができないので、その場合には、パルス繰り返し周期の設定を変更することで、第1状態になるようにする。より詳細には、パルス繰り返し周期の並び順を変更したり、あるいは、各パルス繰り返し周期の長短を変更したりすることにより、第1状態になるようにする。第1状態になったか否かは、パルス信号を送信し、受信信号に含まれている干渉波の距離が変化するか否かによって判定することができる。そして、第1状態になった場合には、通常の動作に移行する。

0040

以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、パルス繰り返し周期が異なるように設定し、パルス繰り返し周期毎に距離が異なる対象物が検知された場合には、干渉源からの干渉波として除去するようにしたので、例えば、自車両または他車両に搭載された他のレーダ装置からの送信パルスを対象物として誤検知することを防止できる。また、パルス信号の送信を停止し、そのときに受信信号が存在する場合には、干渉源が存在すると判定し、パルス繰り返し周期を変更する等によって、第1状態になるようにすることで、同じ種類のレーダ装置からの影響を確実に防ぐことができる。

0041

つぎに、図4を参照して、図1に示す実施形態において実行される処理の詳細について説明する。図4に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。

0042

ステップS10では、制御部11は、処理の回数をカウントする変数iに初期値1を代入する。

0043

ステップS11では、制御部11は、受信部14−iを動作させる。例えば、i=1の場合には受信部14−1を動作させる。

0044

ステップS12では、制御部11は、送信部12を制御して送信パルスを送信させる。例えば、現時点がタイミングt1である場合には、図2に示すようにt1のタイミングで送信パルスが送信される。

0045

ステップS13では、受信部14−iは、対象物によって反射されたパルス信号を受信する。例えば、i=1である場合には、送信アンテナTXから送信され、対象物によって反射されたパルス信号が、アンテナRX1によって受信され、受信部14−1に供給される。

0046

ステップS14では、受信されたパルス信号を、後段の回路に供給する。例えば、i=1である場合、受信部14−1は、受信アンテナRX1から供給される信号を、発振部13から供給される高周波信号によって復調し、A/D変換部15−1に供給する。A/D変換部15−1は、供給された信号をA/D変換によってデジタル信号に変換し、距離・速度検知部16−1に供給する。

0047

ステップS15では、制御部11は、パルス繰り返し周期Tiが経過したか否かを判定し、Tiが経過したと判定した場合(ステップS15:Yes)にはステップS16に進み、それ以外の場合(ステップS15:No)にはステップS13に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。例えば、i=1の場合には、図2に示すパルス繰り返し周期T1が経過するまで、ステップS13に戻って同様の処理を繰り返す。なお、パルス繰り返し周期は、例えば、半導体記憶装置に記憶しておき、変数iに対応する周期を半導体記憶装置から取得し、この周期に基づいて判断することができる。

0048

ステップS16では、制御部11は、処理回数をカウントする変数iの値を1だけインクリメントする。

0049

ステップS17では、制御部11は、変数iの値が4より大きいか否かを判定し、4より大きい場合(ステップS17:Yes)にはステップS18に進み、それ以外の場合(ステップS17:No)にはステップS11に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。

0050

ステップS18では、制御部11は、DFTの1ポイント分の処理が終了したか否かを判定し、1ポイント分の処理が終了した場合(ステップS18:Yes)にはステップS19に進み、それ以外の場合(ステップS18:No)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。例えば、DFTの1ポイントが、16個のデータによって構成される場合には、ステップS10〜S18の処理を16回繰り返したか否かによって判定することができる。

0051

ステップS19では、制御部11は、DFTの全ポイント分の処理が終了したか否かを判定し、全ポイント分の処理が終了した場合(ステップS19:Yes)にはステップS20に進み、それ以外の場合(ステップS19:No)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。例えば、DFTの全ポイントが、1ポイント分のデータの32個によって構成される場合には、ステップS10〜S19の処理を32回繰り返したか否かによって判定することができる。なお、ステップS18とステップS19の処理はまとめて1回で判定するようにしてもよい。

0052

ステップS20では、距離・速度検知部16−1は、受信アンテナRX1〜RX4によって受信された信号に対してDFT処理をそれぞれ実行する。より詳細には、距離・速度検知部16−1は、受信された信号を積分処理(プリサム処理)した後、DFT処理を実行する。

0053

ステップS21では、距離・速度検知部16−1は、DFT処理によって得られたデータに対して、対象物の距離および速度を検知する処理を実行する。このようにして検知された対象物の距離および速度に関する情報は、干渉波除去部16−2に供給される。

0054

ステップS22では、干渉波除去部16−2は、干渉波を除去する処理を実行する。例えば、干渉波除去部16−2は、アンテナRX1〜RX4によって受信され、DFT処理が施された信号を合算して平均する。これにより、真の検知対象物からのエコーは、平均することで値は減少しないが、干渉波は値が減少するので、得られた値を閾値と比較し、閾値以下の対象については除去することで干渉波を除去することができる。

0055

ステップS23では、制御部11は、干渉検知処理を実行するか否かを判定し、実行すると判定した場合(ステップS23:Yes)にはステップS24に進み、それ以外の場合(ステップS23:No)にはステップS25に進む。なお、干渉検知処理とは、後述するように、干渉源が存在するか否かを判定するとともに、存在する場合には図2に示す第1状態(干渉波を除去可能な状態)になるように設定する処理である。なお、干渉検知処理を実行するか否かの判断の基準としては、例えば、前回実行してから所定の時間が経過したか否かで判断することができる。

0056

ステップS24では、制御部11は、干渉検知処理を実行する。なお、この処理の詳細については、図5を参照して後述する。

0057

ステップS25では、制御部11は、処理を継続するか否かを判定し、処理を継続すると判定した場合(ステップS25:Yes)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を実行し、それ以外の場合(ステップS25:No)には処理を終了する。

0058

つぎに、図5を参照して、図4に示す「干渉検知処理」の詳細について説明する。図5に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。

0059

ステップS50では、制御部11は、送信部12を制御して、送信動作を停止させる。この結果、送信アンテナTXからのパルス信号の送信が停止される。

0060

ステップS51では、制御部11は、受信部群14を制御して、受信処理を実行させる。この結果、干渉源が存在する場合には、干渉源からの送信信号が受信される。

0061

ステップS52では、制御部11は、ステップS51における受信処理により、受信信号が検知されたか否かを判定し、受信信号を検知したと判定した場合(ステップS52:Yes)にはステップS53に進み、それ以外の場合(ステップS52:No)には元の処理に復帰リターン)する。

0062

ステップS53では、制御部11は、送信部12を制御して、例えば、現在設定されているパルス繰り返し周期にて、パルス信号を送信させる。この結果、送信アンテナTXからパルス信号が送信される。例えば、図2に示すパルス繰り返し周期T1〜T4に基づいてパルス信号が送信される。

0063

ステップS54では、制御部11は、受信部群14を制御して、受信処理を実行させる。例えば、図2に示すパルス繰り返し周期T1〜T4に基づいてパルス信号が受信部群14によって受信される。

0064

ステップS55では、制御部11は、受信状態を検知する。より詳細には、制御部11は、信号処理部16に対して受信状態を問い合わせ、受信状態が第1状態かまたは第2状態かを特定する。

0065

ステップS56では、制御部11は、受信状態が第2状態か否かを判定し、第2状態である(図3の状態である)と判定した場合(ステップS56:Yes)にはステップS57に進み、それ以外の場合には元の処理に復帰(リターン)する。例えば、第2状態であると判定した場合にはステップS57に進む。

0066

ステップS57では、制御部11は、パルス繰り返しT1〜T4を変更する処理を実行する。例えば、パルス繰り返しT1〜T4の順序を変更したり、各パルス繰り返し周期の長短を変更したりする処理を実行する。なお、このようにして変更したパルス繰り返し周期は、例えば、半導体記憶装置に記憶される。そして、ステップS53の処理に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。

0067

図5に示す処理によれば、送信動作を停止して、受信信号が存在する場合には、干渉源が存在すると判定するとともに、干渉波を除去できる状態である第1状態(図2に示す状態)となるように、パルス繰り返し周期を適切に設定することができる。

0068

(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、パルス繰り返し周期はT1〜T4の4種類に設定したが、3種類以下または5種類以上に設定するようにしてもよい。

0069

また、以上の実施形態では、パルス繰り返し周期T1〜T4は、全て異なるように設定したが、少なくとも1つのパルス繰り返し周期が他と異なるように設定するようにしてもよい。もちろん、全てが異なる方が、平均化によって値がより減少するが、1つのみ異なる場合でも検知は可能である。なお、1つのパルス繰り返し周期が異なる場合、異なるタイミングで送信されるパルス信号の後に検知される信号の距離が他とは異なる状態となるので、このような信号を検知することで干渉波を除去することができる。

0070

また、以上の実施形態では、パルス繰り返し周期T1〜T4は、この順番に周期が長くなるように設定したが、この順番に周期が短くなるように設定してもよい。また、長い順または短い順に並べるのではなく、ランダムに並べるようにしてもよい。

0071

また、パルス繰り返し周期T1〜T4の長さの差分値は、干渉波の移動量が検知限界以上となる差分値に設定すればよい。例えば、T1とT2を例に挙げると、|T1−T2|=ΔTとした場合に、ΔTがレーダ装置の検知限界以上となるようにT1とT2を設定すればよい。なお、T3,T4についても同様である。

0072

また、図1に示す実施形態では、受信アンテナRX1〜RX4の4本を有するようにしたが、これ以外の本数を有するようにしてもよい。例えば、1本だけ有するようにしてもよい。また、図1に示す実施形態では、4つの受信部14−1〜14−4を有するようにしたが、図6に示すように、4つの受信アンテナを受信信号切替部10によって切り替えて使用するようにしてもよい。図6に示す実施形態では、受信アンテナRX1〜RX4の4本を有するとともに、1つの受信部14−1および1つのA/D変換部15を有し、制御部11によって受信信号切替部10を制御して受信アンテナRX1〜RX4のいずれかを選択することで受信信号を受信部14に供給する。このような構成によっても、干渉波を除去することができる。

0073

また、図2に示す例では、T1,T2,T3,T4の順にパルス繰り返し周期を設定したが、例えば、T1を所定回数分積分回数分)だけ繰り返して実行し、T1が終了した場合にはT2を同様に実行し、その後、T3,T4も同様に実行するようにしてもよい。このような方法でも、干渉波を除去することができる。

0074

また、以上の実施形態では、異なるパルス繰り返し周期の信号を平均することで、干渉波を、真の検知対象からの信号に比較して、減少させるようにしたが、例えば、DFT処理結果のデータを参照し、受信アンテナ間でデータの不整合が生じている場合(例えば、受信アンテナRX1には所定の位置に受信波が存在するが、受信アンテナRX2〜RX4には同じ位置に存在しない場合)には、当該受信波については干渉波として除去するようにしてもよい。

0075

TX送信アンテナ
RX1〜RX4受信アンテナ
10受信信号切替部
11 制御部(設定手段)
12 送信部
13発振部
14 受信部群
14−1〜14−4 受信部
15 A/D変換部群
15−1〜15−4 A/D変換部
16信号処理部
16−1 距離・速度検知部(検知手段)
16−2干渉波除去部(除去手段)

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