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技術 車両挙動再現システム

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 石原繁晴川原禎弘澤田直規
出願日 2015年2月24日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-034441
公開日 2016年9月1日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2016-156693
状態 特許登録済
技術分野 車両の試験
主要キーワード 負荷低減処理 Y座標 座標補正値 X座標 初期化ボタン モーションベース 可動ベース モーションコントローラ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月1日)のものです。
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図面 (11)

課題

車体やモーションベースに大きな負荷がかかった状態でシステム非常停止状態となった場合に、その負荷を迅速に低減または解除できる車両挙動再現システムを提供する。

解決手段

初期化処理が開始されていない場合に、負荷低減タン81が操作されると、負荷低減・初期化制御部42は、第1モーションベース3に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が一定量だけ大きくなる(Z方向位置が高くなる)ような位置・姿勢指令値を生成するとともに、各第2モーションベース4〜7に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が第2所定量だけ小さくなる(Z方向位置が低くなる)ような位置・姿勢指令値を生成する。

概要

背景

本出願人は、左前輪右前輪左後輪および右後輪の4つの車輪に対応する4つの車軸が取り付けられた車体と、車体を支持しかつ車体に6自由度の運動をさせるための第1モーションベースと、各車軸を支持し、各車軸に6自由度の運動をさせるための4つの第2モーションベースとを含む車両挙動再現装置を開発している(下記特許文献1参照)。第1モーションベースは、車体に直接またはスペーサを介して固定されている。

概要

車体やモーションベースに大きな負荷がかかった状態でシステム非常停止状態となった場合に、その負荷を迅速に低減または解除できる車両挙動再現システムを提供する。初期化処理が開始されていない場合に、負荷低減タン81が操作されると、負荷低減・初期化制御部42は、第1モーションベース3に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が一定量だけ大きくなる(Z方向位置が高くなる)ような位置・姿勢指令値を生成するとともに、各第2モーションベース4〜7に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が第2所定量だけ小さくなる(Z方向位置が低くなる)ような位置・姿勢指令値を生成する。

目的

この発明の目的は、車体やモーションベースに想定外の大きな負荷がかかった状態でシステムが非常停止状態となった場合に、その負荷を迅速に低減または解除できる車両挙動再現システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

4つの車軸が取り付けられた車体を支持するように前記車体に固定されかつ鉛直方向に沿うZ方向、前記Z方向に直交するX方向ならびに前記Z方向および前記X方向に直交するY方向の運動を含む6自由度の運動を前記車体にさせるための第1モーションベースと、前記各車軸を支持しかつ前記Z方向、前記X方向および前記Y方向の運動を含む6自由度の運動を前記各車軸にさせるための複数の第2モーションベースと、前記各モーションベースに対して車両挙動再現用の指令値を生成する車両挙動再現制御部とを含み、前記各モーションベースが非常停止されたときには、非常停止状態の解除後において、前記全てのモーションベースを初期位置に戻すための初期化処理が完了するまでは、前記車両挙動再現制御部の動作が禁止される車両挙動再現システムであって、負荷低減指令を入力するための負荷低減指令入力手段と、前記非常停止状態が解除されてから前記初期化処理が開始されるまでにおいて、前記負荷低減指令入力手段によって負荷低減指令が入力される毎に、前記第1モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ高くなるように、移動させるための第1指令値と、前記各第2モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ低くなるように、移動させるための第2指令値とのうち、少なくとも一方を生成する負荷低減手段とを含む、車両挙動再現システム。

請求項2

前記負荷低減手段は、前記第1モーションベースに対する前記第1指令値と、前記各第2モーションベースに対する前記各第2モーションベースに対する前記第2指令値との両方を生成するように構成されている、請求項1に記載の車両挙動再現システム。

請求項3

前記負荷低減手段は、前記第1モーションベースに対する前記第1指令値のみを生成するように構成されている、請求項1に記載の車両挙動再現システム。

請求項4

前記負荷低減手段は、前記各第2モーションベースに対する前記第2指令値のみを生成するように構成されている、請求項1に記載の車両挙動再現システム。

請求項5

前記非常停止状態が解除されてから前記初期化処理が開始されるまでにおいて、前記負荷低減指令入力手段によって入力される負荷低減指令の入力回数所定数に達した場合には、前記負荷低減手段による動作が禁止される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両挙動再現システム。

技術分野

0001

この発明は、車両挙動再現するための車両挙動再現システムに関する。

背景技術

0002

本出願人は、左前輪右前輪左後輪および右後輪の4つの車輪に対応する4つの車軸が取り付けられた車体と、車体を支持しかつ車体に6自由度の運動をさせるための第1モーションベースと、各車軸を支持し、各車軸に6自由度の運動をさせるための4つの第2モーションベースとを含む車両挙動再現装置を開発している(下記特許文献1参照)。第1モーションベースは、車体に直接またはスペーサを介して固定されている。

先行技術

0003

特開2014−215226号公報

発明が解決しようとする課題

0004

前述の本出願人が既に開発している車両挙動再現システムでは、車両挙動再現動作中に、非常停止ボタンが操作されたときや、各モーションベースの異常が検出されたときには、全てのモーションベースへの電力供給遮断される。車両挙動再現動作中に全てのモーションベースへの電力供給が遮断されることを非常停止といい、非常停止後に全てのモーションベースへの電力供給が復帰されたことを非常停止状態が解除されたということにする。全てのモーションベースが非常停止状態となった場合に、車両挙動再現装置に車両挙動再現動作を行わせるためは、非常停止状態を解除させた後、初期化処理によって各モーションベースの位置・姿勢初期位置(中立位置)に戻す必要がある。これは、非常停止状態になった場合には、各モーションベースの位置・姿勢を初期位置に戻さないと、各モーションベースの位置・姿勢を正確に特定することができないからである。初期化処理では、例えば、操作者が初期化させたいモーションベースを指定する毎に、指定されたモーションベースの位置・姿勢が初期位置に自動的に戻される。

0005

車体やモーションベースに想定外の大きな負荷荷重)がかかった状態で、各モーションベースが非常停止される場合がある。このような場合に、車体やモーションベースにかかっている負荷を低減または解除するためには、非常停止状態を解除させた後、初期化処理によって各モーションベースを初期位置に戻すといった手順を踏む必要がある。このため、非常停止解除時に車体やモーションベースにかかっている負荷を低減または解除するのに時間がかかる。

0006

この発明の目的は、車体やモーションベースに想定外の大きな負荷がかかった状態でシステムが非常停止状態となった場合に、その負荷を迅速に低減または解除できる車両挙動再現システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0007

上記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、複数の車軸(21S,22S,23S,24S)が取り付けられた車体(2)を支持するように前記車体に固定されかつ鉛直方向に沿うZ方向、前記Z方向に直交するX方向ならびに前記Z方向および前記X方向に直交するY方向の運動を含む6自由度の運動を前記車体にさせるための第1モーションベース(3)と、前記各車軸を支持しかつ前記Z方向、前記X方向および前記Y方向の運動を含む6自由度の運動を前記各車軸にさせるための複数の第2モーションベース(4,5,6,7)と、前記各モーションベースに対して車両挙動再現用の指令値を生成する車両挙動再現制御部(41)とを含み、前記各モーションベースが非常停止されたときには、非常停止状態の解除後において、前記全てのモーションベースを初期位置に戻すための初期化処理が完了するまでは、前記車両挙動再現制御部の動作が禁止される車両挙動再現システム(100)であって、負荷低減指令を入力するための負荷低減指令入力手段(81)と、前記非常停止状態が解除されてから前記初期化処理が開始されるまでにおいて、前記負荷低減指令入力手段によって負荷低減指令が入力される毎に、前記第1モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ高くなるように、移動させるための第1指令値と、前記各第2モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ低くなるように、移動させるための第2指令値とのうち、少なくとも一方を生成する負荷低減手段(42)とを含む、車両挙動再現システムである。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。

0008

各第2モーションベースは車軸に固定されていないのに対し、第1モーションベースは車体に固定されている。このため、第1モーションベースおよび各第2モーションベースの位置・姿勢が、車体に対して車軸を上方に押し上げる力が大きくなるような位置・姿勢となった場合に、車体やモーションベースに想定外の大きな負荷(荷重)がかかる可能性がある。このようなことから、車体やモーションベースに想定外の大きな負荷がかかっている場合には、車体に対して車軸を上方に押し上げる力を減少させる方向に、第1モーションベースおよび/または第2モーションベースを移動させると、その負荷を低減または解除することができる。

0009

この構成では、非常停止状態が解除されてから初期化処理が開始されるまでにおいて、負荷低減指令入力手段によって負荷低減指令が入力される毎に、モーションベース群に次の(a)、(b)または(c)の動作のうちのいずれかを行わせることができる。
(a)第1モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ高くなるように移動させる。
(b)各第2モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ低くなるように移動させる。
(c)第1モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ高くなるように移動させるとともに、各第2モーションベースを、そのX方向位置およびY方向位置が初期位置に近づきかつそのZ方向位置が一定量だけ低くなるように移動させる。

0010

(a),(b),(c)のうちのいずれかの動作が行われると、車体に対して車軸を上方に押し上げる力が減少する。これにより、車体やモーションベースにかかっている負荷を低減することができる。したがって、この構成によれば、車体やモーションベースに想定外の大きな負荷がかかっている状態で各モーションベースが非常停止された場合に、その負荷を迅速に低減または解除することができる。

0011

また、この構成では、負荷低減指令が入力される毎に、各モーションベースは、当該モーションベースのX方向位置およびY方向位置が、当該モーションベースの初期位置に近づくように移動する。モーションベースが任意の高さ位置にある場合、そのX方向位置およびY方向位置を初期位置に近づけるほど、モーションベースのZ方向の可動範囲は大きくなる。したがって、この構成によれば、第1モーションベースをZ方向のみに移動させる場合に比べて、第1モーションベースをより高い位置まで移動させることが可能となる。同様に、この構成によれば、各第2モーションベースをZ方向のみに移動させる場合に比べて、各第2モーションベースをより低い位置まで移動させることが可能となる。これにより、車体やモーションベースにかかっている負荷をより効果的に低減させることができる。

0012

請求項2記載の発明は、前記負荷低減手段は、前記第1モーションベースに対する前記第1指令値と、前記各第2モーションベースに対する前記第2指令値との両方を生成するように構成されている、請求項1に記載の車両挙動再現システムである。
請求項3記載の発明は、前記負荷低減手段は、前記第1モーションベースに対する前記第1指令値のみを生成するように構成されている、請求項1に記載の車両挙動再現システムである。

0013

請求項4記載の発明は、前記負荷低減手段は、前記各第2モーションベースに対する前記第2指令値のみを生成するように構成されている、請求項1に記載の車両挙動再現システムである。
請求項5記載の発明は、前記非常停止状態が解除されてから前記初期化処理が開始されるまでにおいて、前記負荷低減指令入力手段によって入力される負荷低減指令の入力回数所定数に達した場合には、前記負荷低減手段による動作が禁止される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両挙動再現システムである。

図面の簡単な説明

0014

図1は、この発明の一実施形態に係る車両挙動再現システムに用いられる車両挙動再現装置の外観図解的に示す概略斜視図である。
図2は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す正面図である。
図3は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す側面図である。
図4は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す平面図である。
図5は、車両挙動再現システムの全体的な電気的構成を示すブロック図である。
図6は、モーションベースの電気的構成を示すブロック図である。
図7Aは、負荷低減・初期化制御部の動作の一部を説明するためのフローチャートである。
図7Bは、負荷低減・初期化制御部の動作の一部を説明するためのフローチャートである。
図8は、非常停止状態が解除されたときに表示部に表示される操作画面の一例を示す模式図である。
図9Aは、非常停止時の車両挙動再現装置の状態の一例を示す模式図であり、図9Bは、負荷低減ボタンが20回操作された後の車両挙動再現装置の状態を示す模式図である。

実施例

0015

以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両挙動再現システムに用いられる車両挙動再現装置の外観を図解的に示す概略斜視図である。図2は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す正面図である。図3は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す側面図である。図4は、図1の車両挙動再現装置を図解的に示す平面図である。図4では、車体は省略されている。

0016

車両挙動再現装置1は、左前輪21、右前輪22、左後輪23および右後輪24の4つの車輪に対応する4つの車軸21S,22S,23S,24Sが取り付けられた車体2を含む。車両挙動再現装置1は、車体2を支持し、かつ車体2に6自由度の運動をさせるための第1モーションベース3と、各車軸21S,22S,23S,24Sを支持し、かつ各車軸21S,22S,23S,24Sに6自由度の運動をさせるための4つの第2モーションベース4,5,6,7とをさらに含む。

0017

図1および図3においては、車体2の前端が符号2fで示され、車体2の後端が符号2rで示されている。車体2の4つの車軸21S,22S,23S,24Sには、左前輪21、右前輪22、左後輪23および右後輪24が一体回転可能に連結されている。
車体2には、各種の自動車部品試験品が搭載されてもよい。図1図4の例では、車体2には、電動パワーステアリング装置EPS:electric power steering)8と、左後輪23および右後輪24を電動モータによって駆動するための後輪駆動モジュール9とが試験品として搭載されている。

0018

各モーションベース3,4,5,6,7は、床上に載置された定盤10上に固定されている。各モーションベース3,4,5,6,7は、定盤10に固定された固定ベース11と、固定ベース11の上方に配置された可動ベース12と、固定ベース11と可動ベース12との間に連結され、可動ベース12に6自由度の運動(前後方向(X方向)、左右方向(Y方向)、上下方向(Z方向)、ロールピッチおよびヨーの運動)をさせるためのアクチュエータ13と、アクチュエータ13を制御するためのモーションコントローラ14(図6参照)とを含む。アクチュエータ13は、6個の電動シリンダCY1〜CY6(図6参照)およびそれを駆動するためのサーボアンプSA1〜SA6(図6参照)とを含む。この明細書において、モーションベース3,4,5,6,7の位置・姿勢とは、可動ベース12の位置・姿勢を意味する。また、この明細書において、モーションベース3,4,5,6,7を移動させる(初期位置へ戻す、下降させる、上昇させる)とは、可動ベース12を移動させる(初期位置へ戻す、下降させる、上昇させる)ことを意味する。

0019

図1図4は、第1モーションベース3および各第2モーションベース4,5,6,7が初期位置(中立位置)にある状態を示している。この実施形態では、モーションベースが初期位置にある状態とは、モーションベースの可動ベースが、その6自由度の運動全てに対する可動範囲の中央に位置している状態をいう。この実施形態では、第1モーションベース3の初期位置における高さ位置と、各第2モーションベース4〜7の初期位置における高さ位置とは等しい。したがって、全てのモーションベース3〜7が初期位置にあるときには、第1モーションベース3の可動ベース12の高さ位置と、各第2モーションベース4〜7の可動ベース12の高さ位置とは等しい。

0020

この実施形態では、全てのモーションベース3〜7が初期位置にあるときに、車体2がほぼ水平な姿勢(定盤10表面とほぼ平行な姿勢)となるように、第1モーションベース3と車体2との間にスペーサ101が設けられている。具体的には、第1モーションベース3の可動ベース12上面には、スペーサ101が固定されている。スペーサ101の上面には、車体2の中央部が載せられた状態で車体2が固定されている。つまり、車体2は、スペーサ101を介して第1モーションベース3に固定されている。

0021

第2モーションベース4,5,6および7の可動ベース12には、それぞれ左前輪21、右前輪22、左後輪23および右後輪24が載せられている。つまり、車輪21,22,23,24は、それぞれ第2モーションベース4,5,6,7によって支持されている。言い換えれば、車軸21S,22S,23S,24Sの外端部は、それぞれ車輪21,22,23,24を介して、第2モーションベース4,5,6,7に支持されている。

0022

この車両挙動再現装置1では、第1モーションベース3のアクチュエータ13を駆動制御することによって、各種の車体姿勢を作ることができる。また、第2モーションベース4,5,6,7のアクチュエータ13を個別に駆動制御することによって、各種の路面状態を作ることができる。したがって、各モーションベース3,4,5,6,7のアクチュエータ13を個別に制御することにより、各種の車両走行状態(車両挙動)を模擬(再現)することが可能である。

0023

また、この車両挙動再現装置1では、第2モーションベース4,5,6,7によって各車輪21〜24が支持されている状態で、第1モーションベース3によって車体2に直接に力を加えることができる。これにより、実車両の加速時、減速時、旋回時等に車体に作用する慣性力と同様な力を、車輪21〜24(車軸21S〜24S)を支持している部材に対して車体2を相対的に走行させることなく、車体2に与えることができる。また、この車両挙動再現装置1では、第1モーションベース3によって、車体2をヨーイング運動させることができる。これにより、ヨーイング運動を模擬することができる。

0024

以下、車両挙動再現装置1を用いた車両挙動再現システムについて説明する。
図5は、車両挙動再現システムの全体的な電気的構成を示すブロック図である。
この車両挙動再現システム100は、ドライビングシミュレータ30と、車両挙動再現装置1と、モーションベース制御装置40(以下、単に「制御装置40」という。)とを備えている。ドライビングシミュレータ30は、仮想的に車両の運転シミュレートするものであり、運転者によって操作される。

0025

制御装置40は、車両挙動再現装置1の各モーションベース3,4,5,6,7を制御する。制御装置40は、例えば、コンピュータから構成される。制御装置40は、1または複数のコンピュータと1または複数のプログラマブルコントローラとによって構成されてもよい。制御装置40には、各モーションベース3,4,5,6,7の他、操作部51、表示部52、非常停止/解除ボタン53、配電盤54等が接続されている。非常停止/解除ボタン53は、車両挙動再現装置1(各モーションベース3,4,5,6,7)を非常停止させたり、非常停止状態を解除させたりするために操作されるボタンである。配電盤54は、各モーションベース3〜7への電力供給を制御するための装置である。

0026

図6は、各モーションベース3,4,5,6,7の電気的構成を示している。
各モーションベース3,4,5,6,7は、アクチュエータ13と、アクチュエータ13を制御するためのモーションコントローラ14とを含む。アクチュエータ13は、6個の電動シリンダCY1〜CY6と、6個の電動シリンダCY1〜CY6をそれぞれ駆動するための6個のサーボアンプSA1〜SA6とを含む。各サーボアンプSA1〜SA6は、モーションコントローラ14によって制御される。

0027

各電動シリンダCY1〜CY6は、サーボモータを含んでいる。各電動シリンダCY1〜CY6には、サーボモータの回転角シリンダロッド伸縮量)を検出するための回転角センサ61〜66が設けられている。各回転角センサ61〜66の出力信号c1〜c6は、サーボアンプSA1〜SA6に送られる。各回転角センサ61〜66の出力信号c1〜c6は、サーボアンプSA1〜SA6およびモーションコントローラ14を介して、制御装置40にも送られる。

0028

各サーボアンプSA1〜SA6内には、電動シリンダCY1〜CY6のサーボモータに流れるモータ電流を検出するための電流センサ(図示略)が設けられている。電流センサの出力信号は、モーションコントローラ14を介して、制御装置40に送られる。
図5戻り、ドライビングシミュレータ30からは、ドライビングシミュレータ30の運転操作に応じたハンドル角情報(操舵角情報)、アクセル開度情報ブレーキ踏力情報等が出力される。

0029

制御装置40は、機能処理部として、車両挙動再現制御部41と、負荷低減・初期化制御部42と、非常停止/解除制御部43とを含んでいる。車両挙動再現制御部41は、車両モデル41Aと、指令値生成部41Bとを備えている。車両モデル41Aには、ドライビングシミュレータ30から出力されるハンドル角情報、アクセル開度情報およびブレーキ踏力情報が入力する。車両モデル41Aは、これらの入力情報に基づいて、ドライビングシミュレータ30によってシミュレートされている運転状況に応じた車体の位置・姿勢および各車輪の位置・姿勢を演算する。

0030

指令値生成部41Bは、車両モデル41Aによって演算された車体の位置・姿勢および各車輪の位置・姿勢に基づいて、各モーションベース3,4,5,6,7がとるべき位置・姿勢の指令値(位置・姿勢指令値)を生成する。つまり、指令値生成部41Bは、各モーションベース3〜7に対して車両挙動再現用の位置・姿勢指令値を生成する。各モーションベース3〜7に対する位置・姿勢指令値は、例えば、各モーションベース3〜7に固定されたxyz座標系のx座標値(X)、y座標値(Y)、z座標値(Z)、x軸周りの回転角(Roll)、y軸周りの回転角(Pitch)およびz軸周りの回転角(Yaw)から構成される。

0031

指令値生成部41Bによって生成された各モーションベース3,4,5,6,7それぞれに対する位置・姿勢指令値は、対応するモーションベース3,4,5,6,7のモーションコントローラ14に与えられる。各モーションコントローラ14は、指令値生成部41Bから与えられた位置・姿勢指令値に基づいて、対応するアクチュエータ13を制御する。これにより、各モーションベース3,4,5,6,7の可動ベース12の位置・姿勢が、位置・姿勢指令値に応じた位置・姿勢となるように制御される。これにより、ドライビングシミュレータ30の運転操作に応じた車両挙動が、車両挙動再現装置1によって再現される。

0032

非常停止/解除制御部43は、電流センサによって検出されるモータ電流に基づいて、各電動シリンダCY1〜CY6が過負荷になったか否かを監視している。非常停止/解除制御部43は、車両挙動再現装置1によって車両挙動が再現されている場合に、いずれかの電動シリンダCY1〜CY6が過負荷になったと判定したとき、または非常停止/解除ボタン53がオンされたときには、配電盤54を制御して、全てのモーションベース3〜7への電力供給を遮断する。非常停止/解除制御部43によって、全てのモーションベース3〜7への電力供給が遮断された状態を非常停止状態といい、非常停止後に全てのモーションベース3〜7への電力供給が復帰されたことを非常停止状態が解除されたということにする。

0033

車両挙動再現装置1が非常停止状態になると、車両挙動再現制御部41は動作禁止状態とされる。車両挙動再現制御部41による動作禁止状態を解除するためには、非常停止状態を解除した後、各モーションベース3〜7の位置・姿勢を初期位置に戻す必要がある。これは、非常停止状態になった場合には、各モーションベース3〜7の位置・姿勢を初期位置に戻さないと、各モーションベース3〜7の位置・姿勢を正確に特定することができないからである。

0034

非常停止/解除制御部43は、非常停止状態時に非常停止/解除ボタン53がオンとなっているときは非常停止/解除ボタン53がオフされたときに非常停止状態を解除する。一方、非常停止状態時に非常停止/解除ボタン53がオフとなっているときは、非常停止/解除制御部43は、非常停止/解除ボタン53が一旦オンされた後にオフされたときに非常停止状態を解除する。

0035

負荷低減・初期化制御部42は、非常停止状態が解除された後に、操作者の操作に基づいて、車体2または各モーションベース3〜7にかかっている負荷(荷重)を低減するための負荷低減処理と、各モーションベース3〜7を初期位置に戻すための初期化処理とを行う。
図7Aおよび図7Bは、負荷低減・初期化制御部42の動作を説明するためのフローチャートである。

0036

非常停止状態が解除されると(ステップS1)、負荷低減・初期化制御部42は、後述する負荷低減ボタン(負荷低減指令入力手段)81(図8参照)の操作回数を記憶するための変数kを0に設定するとともに、初期化開始フラグFをリセット(F=0)する(ステップS2)。初期化開始フラグFは、初期化処理が開始されたか否かを記憶するフラグである。また、負荷低減・初期化制御部42は、表示部52に、図8に示すような、操作画面を表示する(ステップS3)。この操作画面には、負荷低減指令を入力するための負荷低減ボタン(負荷低減指令入力手段)81と、各モーションベース3〜7に対応した初期化ボタン83〜87が表示される。後述するように、いずれかの初期化ボタン83〜87が操作されることにより、初期化処理が開始される。

0037

次に、負荷低減・初期化制御部42は、全てのモーションベース3〜7が初期化されたか否かを判別する(ステップS4)。つまり、負荷低減・初期化制御部42は、全てのモーションベース3〜7に対してそれを初期位置に戻すための初期化処理(後述するステップS11の処理)が実行されたか否かを判別する。いずれかのモーションベース3〜7が初期化されていない場合には(ステップS4:NO)、負荷低減・初期化制御部42は、ステップS5に移行する。ステップS5では、負荷低減・初期化制御部42は、初期化ボタン83〜87のいずれかが操作されたか否かを判別する。初期化ボタン83〜87のいずれもが操作されていなければ(ステップS5:NO)、負荷低減・初期化制御部42は、負荷低減ボタン81が操作されたか否かを判別する(ステップS6)。負荷低減ボタン81が操作されていなければ(ステップS6:NO)、負荷低減・初期化制御部42は、ステップS4に戻る。

0038

前記ステップS6において、負荷低減ボタン81が操作されたと判別された場合(負荷低減指令が入力された場合)には(ステップS6:YES)、初期化開始フラグFがリセット(F=0)されているか否かを判別する(ステップS7)。初期化開始フラグFがリセット(F=0)されている場合には(ステップS7:YES)、つまり、初期化処理が開始されていない場合には、負荷低減・初期化制御部42は、変数kの値を1だけインクリメント(+1)する(ステップS8)。そして、負荷低減・初期化制御部42は、変数kの値が所定値A以下であるか否かを判別する(ステップS9)。この実施形態では、所定値Aは、20に設定される。

0039

変数kの値が所定値A以下である場合には(ステップS9:YES)、負荷低減・初期化制御部42は、負荷低減処理を行う(ステップS10)。具体的には、負荷低減・初期化制御部42は、第1モーションベース3に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつかつそのz座標値が第1の一定量だけ大きくなる(Z方向位置が高くなる)ような位置・姿勢指令値を生成する。また、負荷低減・初期化制御部42は、各第2モーションベース4〜7に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が第2の一定量だけ小さくなる(Z方向位置が低くなる)ような位置・姿勢指令値を生成する。ただし、第2の一定量は、通常は、第2モーションベース4〜7毎に異なる。負荷低減処理の詳細については、後述する。

0040

負荷低減・初期化制御部42によって生成された各モーションベース3〜7に対する位置・姿勢指令値は、対応するモーションベース3〜7のモーションコントローラ14に与えられる。これにより、第1モーションベース3は、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつz座標値が第1の一定量だけ大きく(高く)なるように移動する。また、各第2モーションベース4〜7は、そのX座標値およびY座標値が初期位置に近づきかつz座標値が第2の一定量だけ小さく(低く)なるように移動する。ステップS10の処理が終了すると、負荷低減・初期化制御部42は、ステップS4に戻る。

0041

前記ステップS9において、変数kの値が所定値Aよりも大きいと判別された場合には(ステップS9:NO)、負荷低減・初期化制御部42は、ステップS4に戻る。したがって、負荷低減ボタン81の操作回数(負荷低減指令の入力回数)が所定回数Aを超えた場合には、ステップS10の負荷低減処理は行われなくなる。これにより、第1モーションベース3が所定の第1制限量(=第1の一定量×A)よりも大きく上昇するのを防止できるとともに、各第2モーションベース4〜7が所定の第2制限量(=第2の一定量×A)よりも大きく下降するのを防止できる。

0042

前記ステップS7において、初期化開始フラグFがセット(F=1)されていると判別された場合には(ステップS7:NO)、負荷低減・初期化制御部42は、ステップS4に戻る。したがって、初期化処理が既に開始されている場合には、ステップS10の負荷低減処理は行われなくなる。
前記ステップS5において、初期化ボタン83〜87のいずれかが操作されたと判別された場合には(ステップS5:YES)、負荷低減・初期化制御部42は、操作された初期化ボタン83〜87に対応するモーションベース3〜7を初期位置に段階的に戻すための位置・姿勢指令値を生成する(ステップS11)。負荷低減・初期化制御部42によって生成された位置・姿勢指令値は、対応するモーションベース3〜7のモーションコントローラ14に与えられる。これにより、対応するモーションベース3〜7の位置・姿勢が初期位置に戻る。つまり、対応するモーションベース3〜7が初期化される。次に、負荷低減・初期化制御部42は、初期化開始フラグFをセット(F=1)した後(ステップS12)、ステップS4に戻る。

0043

ステップS5,S11の処理によって、全てのモーションベース3〜7が初期位置に戻されると(初期化されると)、前記ステップS4において肯定判定されるので(ステップS4:YES)、負荷低減・初期化制御部42は、車両挙動再現制御部41の動作禁止状態を解除する(ステップS13)。これにより、車両挙動再現制御部41による車両挙動再現制御が可能となる。そして、負荷低減・初期化制御部42は、今回の処理を終了する。

0044

ステップS10の負荷低減処理について、詳しく説明する。
負荷低減・初期化制御部42は、次式(1)に基づいて、第1モーションベース3の位置に関する指令値(x座標、y座標およびz座標の指令値)を生成する。

0045

0046

式(1)において、ベクトル[X1(k),Y1(k),Z1(k)]は、第1モーションベース3のx座標、y座標およびz座標の指令値を示す。X1(k),Y1(k),Z1(k)における(k)は、それらの指令値が負荷低減ボタン81の操作回数の関数であることを示している。[X1(0),Y1(0),Z1(0)]は、非常停止状態が解除されたときの第1モーションベース3のx座標値、y座標値およびz座標値を示している。α(k)は、負荷低減ボタン81の操作回数に応じて所定値ずつ変化する変数であり、初期値は0であり、負荷低減ボタン81の操作回数が所定回数Aに達したときに1になる。α(k)は、α(k)=(1/A)・kで表される。この実施形態では、所定回数Aは20に設定されているので、α(k)=0.05kとなる。

0047

ベクトル[X1c,Y1c,Z1c]は、初期位置における第1モーションベース3のx座標値、y座標値およびz座標値を示している。初期位置における第1モーションベース3の位置は予め設定されているので、[X1c,Y1c,Z1c]は定数である。
Z1’(k)は、負荷低減ボタン81が操作される毎に第1モーションベース3を第1の一定量だけ上昇させるためのz座標補正値である。Z1’(k)は、負荷低減ボタン81の操作回数の関数である。Z1’(k)は、α(k)・|Z1(0)−Z1c|<Z1’(k)の条件を満たすように設定される。この実施形態では、Z1’(k)は、例えば、次式(2)に基づいて、演算される。

0048

Z1’(k)=(|Z1(0)−Z1c|/A)×2k …(2)
この実施形態では、負荷低減ボタン81が操作される毎に、第1モーションベース3は、そのx座標およびy座標が初期位置の座標値に近づきかつそのz座標が第1の一定量だけ大きくなるように移動する。負荷低減ボタン81が20回操作されたときには、第1モーションベース3のx座標値X1(20)およびy座標値Y1(20)は、それぞれX1cおよびY1cとなる。つまり、第1モーションベース3のx座標値およびy座標値は、初期位置に対応した座標値となる。一方、第1モーションベース3のz座標値Z1(20)は、Z1(20)=Z1c+Z1’(20)=Z1c+2|Z1(0)−Z1c|となる。

0049

負荷低減・初期化制御部42は、次式(3)に基づいて、第1モーションベース3の姿勢に関する指令値(ロール角(Roll)、ピッチ角(Pitch)およびヨー角(Yaw)の指令値)を生成する。

0050

0051

式(3)において、ベクトル[r1(k),p1(k),y1(k)]は、第1モーションベース3のロール角、ピッチ角およびヨー角の指令値を示している。r1(k),p1(k),y1(k)は、負荷低減ボタン81の操作回数の関数である。[r1(0),p1(0),y1(0)]は、非常停止状態が解除されたときの第1モーションベース3のロール角、ピッチ角およびヨー角を示している。α(k)は、前記式(1)のα(k)と同じであり、α(k)=(1/A)・kで表される。この実施形態では、所定回数Aは20に設定されているので、α(k)=0.05kとなる。初期位置であるときの第1モーションベース3のロール角、ピッチ角およびヨー角は、[0,0,0]で表される。これは、第1モーションベース3のロール角、ピッチ角およびヨー角を、初期位置での水平垂直座標軸x,y,zを基準として定義したからである。

0052

この実施形態では、負荷低減ボタン81が操作される毎に、第1モーションベース3のロール角、ピッチ角およびヨー角は、それぞれ初期位置におけるロール角、ピッチ角およびヨー角に近づくように変化する。そして、負荷低減ボタン81が20回操作されたときには、第1モーションベース3のロール角r1(20)、ピッチ角p1(20)およびヨーy1(20)は、初期位置におけるロール角、ピッチ角およびヨー角に対応した値となる。

0053

負荷低減・初期化制御部42は、次式(4)に基づいて、各第2モーションベース4〜7の位置に関する指令値(x座標、y座標およびz座標の指令値)を生成する。

0054

0055

式(4)において、ベクトル[X2(k),Y2(k),Z2(k)]は、各第2モーションベース4〜7のx座標、y座標およびz座標の指令値を示す。X2(k),Y2(k),Z2(k)における(k)は、それらの指令値が負荷低減ボタン81の操作回数の関数であることを示している。[X2(0),Y2(0),Z2(0)]は、非常停止状態が解除されたときの各第2モーションベース4〜7のx座標値、y座標値およびz座標値を示している。α(k)は、前記式(1)のα(k)と同じであり、α(k)=(1/A)・kで表される。この実施形態では、所定回数Aは20に設定されているので、α(k)=0.05kとなる。

0056

ベクトル[X2c,Y2c,Z2c]は、初期位置における各第2モーションベース4〜7のx座標値、y座標値およびz座標値を示している。初期位置における各第2モーションベース4〜7の位置は予め設定されているので、[X2c,Y2c,Z2c]は定数である。
Z2’(k)は、負荷低減ボタン81が操作される毎に各第2モーションベース4〜7を第2の一定量だけ下降させるためのZ座標補正値である。ただし、第2の一定量は、通常は、各第2モーションベース4〜7によって異なる。Z2’(k)は、負荷低減ボタン81の操作回数の関数である。Z2’(k)は、α・|Z2(0)−Z2c|<Z2’(k)の条件を満たすように設定される。この実施形態では、Z2’(k)は、例えば、次式(5)に基づいて、演算される。

0057

Z2’(k)=(|Z2(0)−Z2c|/20)×2k …(5)
この実施形態では、負荷低減ボタン81が操作される毎に、各第2モーションベース4〜7は、そのx座標およびy座標が初期位置の座標値に近づきかつそのz座標が第2の一定量だけ小さくなるように移動する。ただし、第2の一定量は、通常は、各第2モーションベース4〜7によって異なる。負荷低減ボタン81が20回操作されたときには、各第2モーションベース4〜7のx座標値X2(20)およびy座標値Y2(20)は、それぞれX2cおよびY2cとなる。つまり、各第2モーションベース4〜7のx座標値およびy座標値は、初期位置に対応した座標値となる。一方、各第2モーションベース4〜7のz座標値Z2(20)は、Z2(20)=Z2c−Z2’(20)=Z2c−2|Z2(0)−Z2c|となる。

0058

負荷低減・初期化制御部42は、次式(6)に基づいて、各第2モーションベース4〜7の姿勢に関する指令値(ロール角(Roll)、ピッチ角(Pitch)およびヨー角(Yaw)の指令値)を生成する。

0059

0060

式(6)において、ベクトル[r2(k),p2(k),y2(k)]は、各第2モーションベース4〜7のロール角、ピッチ角およびヨー角の指令値を示している。r2(k),p2(k),y2(k)は、負荷低減ボタン81の操作回数の関数である。[r2(0),p2(0),y2(0)]は、非常停止状態が解除されたときの各第2モーションベース4〜7のロール角、ピッチ角およびヨー角を示している。α(k)は、前記式(1)のα(k)と同じであり、α(k)=(1/A)・kで表される。この実施形態では、所定回数Aは20に設定されているので、α(k)=0.05kとなる。初期位置であるときの各第2モーションベース4〜7のロール角、ピッチ角およびヨー角は、[0,0,0]で表される。これは、各第2モーションベース4〜7のロール角、ピッチ角およびヨー角を、初期位置での水平垂直の座標軸x,y,zを基準として定義したからである。

0061

この実施形態では、負荷低減ボタン81が操作される毎に、各第2モーションベース4〜7のロール角、ピッチ角およびヨー角は、それぞれ初期位置におけるロール角、ピッチ角およびヨー角に近づくように変化する。そして、負荷低減ボタン81が20回操作されたときには、各第2モーションベース4〜7のロール角r2(20)、ピッチ角p2(20)およびヨー角y2(20)は、初期位置におけるロール角、ピッチ角およびヨー角に対応した値となる。

0062

車体2やモーションベース3〜7に想定外の大きな負荷がかかった状態で、車両挙動再現装置1が非常停止した場合には、車体2やモーションベース3〜7が損傷するのを防止するために、車体2やモーションベース3〜7にかかっている負荷を迅速に低減または解除させることが望ましい。
各第2モーションベース4〜7は車輪21〜24(車軸21S〜24S)に固定されていないのに対し、第1モーションベース3は車体2に固定されている。このため、第1モーションベース3および各第2モーションベース4〜7の位置・姿勢が、車体2に対して車輪21〜24(車軸21S〜24S)を上方に押し上げる力が大きくなるような位置・姿勢となった場合に、車体2やモーションベース3〜7に想定外の大きな負荷(荷重)がかかる可能性がある。このようなことから、車体2やモーションベース3〜7に想定外の大きな負荷がかかっている場合には、車体2に対して車輪21〜24を上方に押し上げる力を減少させる方向に、第1モーションベース3および/または第2モーションベース4〜7を移動させると、その負荷を低減または解除することができる。

0063

前述の実施形態では、負荷低減ボタン81が押される毎に、第1モーションベース3が第1の一定量だけ上昇し、各第2モーションベース4〜7が第2の一定量だけ下降する。ただし、第2の所定量は、通常は、各第2モーションベース4〜7によって異なる。
第1モーションベース3が第1の一定量だけ上昇されると、第1モーションベース3によって車体が上方に押し上げられるので、車体2に対して車輪21〜24を上方に押し上げる力が減少する。これにより、車体2やモーションベース3〜7にかかっている負荷が減少する。また、各第2モーションベース4〜7が第2の一定量だけ下降されると、車体2に対して車輪21〜24を上方に押し上げる力が減少する。これにより、車体2やモーションベース3〜7にかかっている負荷が減少する。したがって、前述の実施形態によれば、車体2やモーションベース3〜7に想定外の大きな負荷がかかっている状態で車両挙動再現装置1が非常停止された場合に、その負荷を迅速に低減または解除することができる。

0064

また、前述の実施形態では、負荷低減ボタン81が押される毎に、各モーションベース3〜7は、当該モーションベース3〜7のx座標およびy座標が、当該モーションベース3〜7の初期位置におけるx座標およびy座標に近づくように、移動する。モーションベース3〜7が任意の高さ位置にある場合、そのx座標およびy座標を初期位置に近づけるほど、モーションベース3〜7のZ方向の可動範囲は大きくなる。したがって、前述の実施形態によれば、第1モーションベース3をZ方向のみに移動させる場合に比べて、第1モーションベース3をより高い位置まで移動させることが可能となる。同様に、前述の実施形態によれば、各第2モーションベース4〜7をZ方向のみに移動させる場合に比べて、各第2モーションベース4〜7をより低い位置まで移動させることが可能となる。これにより、車体2やモーションベース3〜7にかかっている負荷をより効果的に低減させることができる。

0065

車両挙動再現装置1が例えば図9Aに示すような状態で、車両挙動再現装置1が非常停止されたとする。図9Aの状態においては、第2モーションベース7の高さ位置が、第1モーションベース3の高さ位置よりも高い位置にあるため、車体2およびモーションベース3〜7に想定外の大きな負荷がかかっているとする。非常停止状態が解除された後に、負荷低減ボタン81が例えば20回操作されたとする。車両挙動再現装置1は、図9Aの状態から、図9Bの状態に変化する。つまり、第1モーションベース3の高さ位置が図9Aに比べて高くなるとともにそのx座標およびy座標が初期位置に対応する座標値となる。また各第2モーションベース3〜7の高さ位置が図9Aに比べて低くなるとともにそのx座標およびy座標が初期位置に対応する座標値となる。これにより、車体2およびモーションベース3〜7にかかっている負荷が低減または解除される。

0066

以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
例えば、図7BのステップS10では、負荷低減・初期化制御部42は、第1モーションベース3に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が第1の一定量だけ大きくなる(Z方向位置が高くなる)ような位置・姿勢指令値を生成する。また、負荷低減・初期化制御部42は、各第2モーションベース4〜7に対しては、そのx座標値およびy座標値が初期位置に近づきかつそのz座標値が第2の一定量だけ小さくなる(Z方向位置が低くなる)ような位置・姿勢指令値を生成する。しかし、図7BのステップS10において、負荷低減・初期化制御部42は、第1モーションベース3に対する前記位置・姿勢指令値のみを生成するようにしてもよい。また、図7BのステップS10において、負荷低減・初期化制御部42は、各第2モーションベース4〜7に対する前記位置・姿勢指令値のみを生成するようにしてもよい。

0067

また、前述の実施形態では、第1モーションベース3の初期位置における高さ位置と各第2モーションベース4〜7の初期位置における高さ位置とは等しいが、両者の初期位置における高さ位置は異なっていてもよい。
また、前述の実施形態では、各車軸21S〜24Sに車輪21〜24が装着されているが、各車軸21S〜24Sに車輪21〜24を装着せずに、各車軸21S〜24Sをそれぞれ各第2モーションベース4〜7に載せるようにしてもよい。

0068

なお、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。

0069

1…車両挙動再現装置、2…車体、3…第1モーションベース、4〜7…第2モーションベース、11…固定ベース、12…可動ベース、13…アクチュエータ、14…モーションコントローラ、21〜24…車輪、21S〜24S…車軸、30…ドライビングシミュレータ、40…モーションベース制御装置、41…車両挙動再現制御部、42…負荷低減・初期化制御部、43…非常停止/解除制御部、53…非常停止/解除ボタン、54…配電盤、81…負荷低減ボタン、83〜87…初期化ボタン、100…車両挙動再現システム、101…スペーサ

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