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技術 多缶設置ボイラ

出願人 株式会社サムソン
発明者 西山将人高島博史
出願日 2015年2月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-035515
公開日 2016年9月1日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-156585
状態 特許登録済
技術分野 廃ガスボイラ・燃焼式ボイラの制御
主要キーワード 圧力区分 枝配管 給水停止水位 ヘッダ圧力 給水開始水位 操作担当者 蒸気圧力値 蒸気使用量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

多缶設置ボイラにおいて、蒸気不足トラブルを未然に防止する手段を提供する。

解決手段

複数台ボイラ1と、前記ボイラに対して燃焼指令の出力を行う台数制御装置11からなる多缶設置ボイラであって、各ボイラでは台数制御装置11から燃焼指令が入力されると運転可能な状態であれば燃焼指令に基づいた運転を行うようにしている多缶設置ボイラにおいて、個々のボイラ1における運転状況の情報は、ボイラ1から台数制御装置11へ出力するようにしておき、台数制御装置11では、燃焼を行う燃焼指令の出力を行っているがボイラでは燃焼を行っていない場合の経過時間を計測するようにしておき、前記の経過時間が所定時間以上となっても燃焼停止が続いていた場合には、当該ボイラにおいて蒸気供給異常が発生しているとの判定を行うものであることを特徴とする。

概要

背景

特許第3711645号公報に記載があるように、複数台ボイラとボイラの燃焼量を決定する台数制御装置を設置しておき、必要量のボイラを燃焼する多缶設置ボイラが広く普及している。各ボイラで発生させた蒸気は、共通の蒸気ヘッダ集合させるようにしており、蒸気ヘッダから蒸気使用箇所へ蒸気を供給する。蒸気ヘッダには集合部での蒸気圧力を検出するヘッダ蒸気圧力検出装置を設置しておき、台数制御装置は、ヘッダ部蒸気圧力検出装置にて検出している蒸気圧力値に基づいてボイラ全体での必要な燃焼量を決定する。台数制御装置では個々のボイラにおける燃焼量を決定すると、燃焼の必要なボイラに対して燃焼指令の出力を行う。各ボイラは、台数制御装置からの燃焼指令に基づいて運転を行う。

設置を行っているボイラでは、高燃焼・中燃焼・低燃焼・燃焼停止のように燃焼量を段階的に設定しているものであれば、台数制御装置では各燃焼量とするボイラの台数を決定し、決定した燃焼量となるように各ボイラへ燃焼指令を出力する。燃焼指令を受けたボイラは燃焼指令の燃焼量となるように運転する。ボイラでの燃焼量の変更は、燃焼装置へ供給する燃料量燃焼用空気量を調節することで行える。

また、蒸気圧力値の検出は、各ボイラにもボイラ内蒸気圧力検出装置を設けておき、ボイラごとに蒸気圧力を検出することも行われている。特許第3711645号公報に記載の発明では、各ボイラにも圧力検出装置を設けておくことで、蒸気集合部における圧力検出装置の故障時には、ボイラに設けている圧力検出装置により制御を行うようにしている。このことにより、蒸気集合部での圧力検出装置に異常が発生した場合でも、ボイラが全缶停止するような異常事態を回避することができる。

その他、各ボイラに設けているボイラ内蒸気圧力検出装置で検出する蒸気圧力値は、個々のボイラにおける運転制御にも使用する。ボイラでの燃焼制御は、基本的には台数制御装置からの燃焼指令に基づいて行うが、ボイラに異常が発生するなど燃焼指令通りの運転が行えない場合には、台数制御装置からの燃焼指令とは異なった運転を行うことになる。ボイラの運転中に異常が発生した場合や、全ブローの実施など、燃焼が行えなくなった場合には、個々に設けている運転制御装置によってボイラの燃焼を停止させる。

例えば、ボイラ内の蒸気圧力が燃焼停止の設定圧力を越えた場合、圧力上昇したボイラの運転制御装置では、ボイラ本体の安全確保のため、台数制御装置からの燃焼指令にかかわらず燃焼停止とする。ボイラ内の圧力は、各ボイラからの蒸気を集合させている蒸気ヘッダでの圧力が上昇することによっても上昇し、その場合には台数制御装置からの燃焼指令で燃焼停止となる。しかし、蒸気ヘッダの圧力は高くなっていないのに、あるボイラ内では蒸気圧力が上昇した場合、そのボイラでは台数制御装置からの燃焼指令では燃焼を行うものであるのにボイラでは燃焼を停止しているということになる。この現象は、ボイラ内で発生している蒸気が、一時的に蒸気ヘッダへ送気されている蒸気より多くなったために圧力が上昇したものであり、燃焼停止後しばらくすればボイラ内の圧力は自然に回復する。そのため圧力の上昇したボイラでは燃焼は停止するが、ボイラから台数制御装置へ異常発生の情報を出力することはなく、台数制御装置でも異常とは認識させない。

ところで、各ボイラで発生させた蒸気は、個々の蒸気配管を通して蒸気ヘッダへ送るようにしているが、この蒸気配管には個別に手動で開/閉できる主蒸気弁を設けている。主蒸気弁を閉めることにより、ボイラを共通の蒸気配管から切り離すことができるため、ボイラ点検作業時等には主蒸気弁を全閉にして作業することがよく行われている。作業終了後は蒸気を送るために主蒸気弁は開くのであるが、主蒸気弁を開き忘れたり、開きが不十分であったりしたままで作業を終了してしまう可能性は否定できない。ボイラを単缶で設置している場合は、主蒸気弁が閉じられていれば蒸気供給が行われないために気が付くが、多缶設置の場合には、あるボイラでは主蒸気弁が十分に開けられておらず、そのボイラからは蒸気供給は制限された状態となっていても、他ボイラからは蒸気供給が行われていれば主蒸気弁の状態に気づくことは難しい。また、ボイラを多缶設置する場合、蒸気集合部と各ボイラをつなぐ枝管逆止弁を設けるが、逆止弁の弁体が固着したり、流路部に詰まりが生じたりすると、前記と同様に適正な蒸気供給が行われないことが起こり、蒸気供給の追従性が低下したまま運転を継続し、蒸気を使用している生産に影響を及ぼすことが出てくる。さらにボイラ個々に設けた圧力スイッチもしくはセンサの不具合指示ずれが発生した場合、ボイラ内の蒸気圧力は高くなっていなくてもボイラの運転制御装置では、台数制御装置からの燃焼指令と相違する運転を行うことになる。このような状況になると蒸気供給が足りないことになり、異常原因の特定に手間取ることにもなっていた。

概要

多缶設置ボイラにおいて、蒸気不足トラブルを未然に防止する手段を提供する。複数台のボイラ1と、前記ボイラに対して燃焼指令の出力を行う台数制御装置11からなる多缶設置ボイラであって、各ボイラでは台数制御装置11から燃焼指令が入力されると運転可能な状態であれば燃焼指令に基づいた運転を行うようにしている多缶設置ボイラにおいて、個々のボイラ1における運転状況の情報は、ボイラ1から台数制御装置11へ出力するようにしておき、台数制御装置11では、燃焼を行う燃焼指令の出力を行っているがボイラでは燃焼を行っていない場合の経過時間を計測するようにしておき、前記の経過時間が所定時間以上となっても燃焼停止が続いていた場合には、当該ボイラにおいて蒸気供給異常が発生しているとの判定を行うものであることを特徴とする。

目的

本発明が解決しようとする課題は、多缶設置ボイラにおいて、一部ボイラでの蒸気供給ラインの不具合により適正な蒸気供給ができない状態であることを認識し、蒸気不足のトラブルを未然に防止できる多缶設置ボイラを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

複数台ボイラと、前記ボイラに対して燃焼指令の出力を行う台数制御装置からなる多缶設置ボイラであって、各ボイラでは台数制御装置から燃焼指令が入力されると運転可能な状態であれば燃焼指令に基づいた運転を行うようにしている多缶設置ボイラにおいて、個々のボイラにおける運転状況の情報は、ボイラから台数制御装置へ出力するようにしておき、台数制御装置では、燃焼を行う燃焼指令の出力を行っているがボイラでは燃焼を行っていない場合の経過時間を計測するようにしておき、前記の経過時間が所定時間以上となっても燃焼停止が続いていた場合には、当該ボイラにおいて蒸気供給異常が発生しているとの判定を行うものであることを特徴とする多缶設置ボイラ。

請求項2

請求項1に記載の多缶設置ボイラにおいて、台数制御装置は、蒸気供給異常が発生していると判定を行うと、蒸気供給異常の発生を報知する異常発報を行うものであることを特徴とする多缶設置ボイラ。

請求項3

請求項1又は2に記載の多缶設置ボイラにおいて、台数制御装置は、蒸気供給異常が発生していると判定を行ったボイラを台数制御対象外とする、または稼働優先順位を下位に下げることにより、ボイラ全体における蒸気供給の影響を低減するものであることを特徴とする多缶設置ボイラ。

技術分野

0001

本発明は、複数台ボイラとボイラに対して燃焼指令の出力を行う台数制御装置を設置しておき、各ボイラでは台数制御装置からの燃焼指令に応じて燃焼量の調節を行うようにしている多缶設置ボイラに関するものである。

背景技術

0002

特許第3711645号公報に記載があるように、複数台のボイラとボイラの燃焼量を決定する台数制御装置を設置しておき、必要量のボイラを燃焼する多缶設置ボイラが広く普及している。各ボイラで発生させた蒸気は、共通の蒸気ヘッダ集合させるようにしており、蒸気ヘッダから蒸気使用箇所へ蒸気を供給する。蒸気ヘッダには集合部での蒸気圧力を検出するヘッダ蒸気圧力検出装置を設置しておき、台数制御装置は、ヘッダ部蒸気圧力検出装置にて検出している蒸気圧力値に基づいてボイラ全体での必要な燃焼量を決定する。台数制御装置では個々のボイラにおける燃焼量を決定すると、燃焼の必要なボイラに対して燃焼指令の出力を行う。各ボイラは、台数制御装置からの燃焼指令に基づいて運転を行う。

0003

設置を行っているボイラでは、高燃焼・中燃焼・低燃焼・燃焼停止のように燃焼量を段階的に設定しているものであれば、台数制御装置では各燃焼量とするボイラの台数を決定し、決定した燃焼量となるように各ボイラへ燃焼指令を出力する。燃焼指令を受けたボイラは燃焼指令の燃焼量となるように運転する。ボイラでの燃焼量の変更は、燃焼装置へ供給する燃料量燃焼用空気量を調節することで行える。

0004

また、蒸気圧力値の検出は、各ボイラにもボイラ内蒸気圧力検出装置を設けておき、ボイラごとに蒸気圧力を検出することも行われている。特許第3711645号公報に記載の発明では、各ボイラにも圧力検出装置を設けておくことで、蒸気集合部における圧力検出装置の故障時には、ボイラに設けている圧力検出装置により制御を行うようにしている。このことにより、蒸気集合部での圧力検出装置に異常が発生した場合でも、ボイラが全缶停止するような異常事態を回避することができる。

0005

その他、各ボイラに設けているボイラ内蒸気圧力検出装置で検出する蒸気圧力値は、個々のボイラにおける運転制御にも使用する。ボイラでの燃焼制御は、基本的には台数制御装置からの燃焼指令に基づいて行うが、ボイラに異常が発生するなど燃焼指令通りの運転が行えない場合には、台数制御装置からの燃焼指令とは異なった運転を行うことになる。ボイラの運転中に異常が発生した場合や、全ブローの実施など、燃焼が行えなくなった場合には、個々に設けている運転制御装置によってボイラの燃焼を停止させる。

0006

例えば、ボイラ内の蒸気圧力が燃焼停止の設定圧力を越えた場合、圧力上昇したボイラの運転制御装置では、ボイラ本体の安全確保のため、台数制御装置からの燃焼指令にかかわらず燃焼停止とする。ボイラ内の圧力は、各ボイラからの蒸気を集合させている蒸気ヘッダでの圧力が上昇することによっても上昇し、その場合には台数制御装置からの燃焼指令で燃焼停止となる。しかし、蒸気ヘッダの圧力は高くなっていないのに、あるボイラ内では蒸気圧力が上昇した場合、そのボイラでは台数制御装置からの燃焼指令では燃焼を行うものであるのにボイラでは燃焼を停止しているということになる。この現象は、ボイラ内で発生している蒸気が、一時的に蒸気ヘッダへ送気されている蒸気より多くなったために圧力が上昇したものであり、燃焼停止後しばらくすればボイラ内の圧力は自然に回復する。そのため圧力の上昇したボイラでは燃焼は停止するが、ボイラから台数制御装置へ異常発生の情報を出力することはなく、台数制御装置でも異常とは認識させない。

0007

ところで、各ボイラで発生させた蒸気は、個々の蒸気配管を通して蒸気ヘッダへ送るようにしているが、この蒸気配管には個別に手動で開/閉できる主蒸気弁を設けている。主蒸気弁を閉めることにより、ボイラを共通の蒸気配管から切り離すことができるため、ボイラ点検作業時等には主蒸気弁を全閉にして作業することがよく行われている。作業終了後は蒸気を送るために主蒸気弁は開くのであるが、主蒸気弁を開き忘れたり、開きが不十分であったりしたままで作業を終了してしまう可能性は否定できない。ボイラを単缶で設置している場合は、主蒸気弁が閉じられていれば蒸気供給が行われないために気が付くが、多缶設置の場合には、あるボイラでは主蒸気弁が十分に開けられておらず、そのボイラからは蒸気供給は制限された状態となっていても、他ボイラからは蒸気供給が行われていれば主蒸気弁の状態に気づくことは難しい。また、ボイラを多缶設置する場合、蒸気集合部と各ボイラをつなぐ枝管逆止弁を設けるが、逆止弁の弁体が固着したり、流路部に詰まりが生じたりすると、前記と同様に適正な蒸気供給が行われないことが起こり、蒸気供給の追従性が低下したまま運転を継続し、蒸気を使用している生産に影響を及ぼすことが出てくる。さらにボイラ個々に設けた圧力スイッチもしくはセンサの不具合指示ずれが発生した場合、ボイラ内の蒸気圧力は高くなっていなくてもボイラの運転制御装置では、台数制御装置からの燃焼指令と相違する運転を行うことになる。このような状況になると蒸気供給が足りないことになり、異常原因の特定に手間取ることにもなっていた。

先行技術

0008

特許第3711645号

発明が解決しようとする課題

0009

本発明が解決しようとする課題は、多缶設置ボイラにおいて、一部ボイラでの蒸気供給ラインの不具合により適正な蒸気供給ができない状態であることを認識し、蒸気不足トラブルを未然に防止できる多缶設置ボイラを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

請求項1に記載の発明は、複数台のボイラと、前記ボイラに対して燃焼指令の出力を行う台数制御装置からなる多缶設置ボイラであって、各ボイラでは台数制御装置から燃焼指令が入力されると運転可能な状態であれば燃焼指令に基づいた運転を行うようにしている多缶設置ボイラにおいて、個々のボイラにおける運転状況の情報は、ボイラから台数制御装置へ出力するようにしておき、台数制御装置では、燃焼を行う燃焼指令の出力を行っているがボイラでは燃焼を行っていない場合の経過時間を計測するようにしておき、前記の経過時間が所定時間以上となっても燃焼停止が続いていた場合には、当該ボイラにおいて蒸気供給異常が発生しているとの判定を行うものであることを特徴とする。

0011

請求項2に記載の発明は、前記の多缶設置ボイラにおいて、台数制御装置は、蒸気供給異常が発生していると判定を行ったボイラを台数制御対象外とする、または稼働優先順位を下位に下げることにより、ボイラ全体における蒸気供給の影響を低減するものであることを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明を実施することで、主蒸気弁の開け忘れなど蒸気供給ラインでの不具合があった場合、早い段階で蒸気供給ラインでの不具合を検出することができ、蒸気供給ラインでの不具合の報知を行うことで実際の影響が出る前に主蒸気弁を開く対処を行うなどが行える。また、蒸気供給量に影響が出ないように台数制御上での調節を行ったりすることで、蒸気供給不足になることを防止することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の一実施例における多缶設置ボイラのフロー
本発明の一実施例におけるボイラ部分のフロー図
本発明の一実施例における各ボイラの運転状況のタイムチャート
本発明の第二の実施例における各ボイラの運転状況のタイムチャート

実施例

0014

本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例における多缶設置ボイラのフロー図、図2図1内にあるボイラ部分のフロー図、図3は本発明の一実施例における各ボイラの運転状況のタイムチャートである。

0015

図1に記載している4台のボイラは、図2のボイラと同じものであり、4台のボイラ1を並列に設置し、各ボイラ1で発生させた蒸気は蒸気ヘッダ12を通じて蒸気使用箇所へ供給するようにしている。ボイラの運転は蒸気ヘッダ12に設けているヘッダ部蒸気圧力検出装置13で検出している蒸気圧力値に基づき、台数制御装置11にて行う。台数制御装置11は、あらかじめ蒸気圧力値ごとに必要な燃焼量を設定しておき、ヘッダ蒸気圧力検出装置13にて検出した蒸気圧力値から定まる燃焼量となるように各ボイラの運転制御装置10へ燃焼指令を出力する。台数制御装置11での燃焼量の設定は、蒸気圧力検出装置13で検出している蒸気圧力値が低いほどボイラ全体での燃焼量が多くなるようにし、蒸気圧力値が上昇すると全体での燃焼量を低下、蒸気圧力値が低下すると全体での燃焼量を増加する。台数制御装置11では、蒸気圧力値から必要な燃焼量、例えば中燃焼2台、低燃焼1台を算出し、各ボイラの運転制御装置10に対して決定した燃焼量の燃焼指令を出力する。燃焼指令の出力は、ボイラには燃焼優先順位を定めておき、燃焼優先順位の高いボイラから順に燃焼指令の出力を行う。図の各ボイラでは、1号缶の優先順位を第1位、2号缶の優先順位を第2位、3号缶の優先順位を第3位とし、4号缶は台数制御の対象外である予備缶としている。そのため、中燃焼2台、低燃焼1台であれば、台数制御装置11は1号缶と2号缶には中燃焼、3号缶には低燃焼の燃焼指令を出力し、4号缶は台数制御対象外であるために燃焼指令の出力は行わない。

0016

ボイラ1は、上部に燃焼装置2を持ち、底部に接続した給水配管6を通じて給水を行うものである。給水配管6の途中には給水ポンプ7を設置しており、給水ポンプ7の作動を行うことでボイラ1への給水を行う。ボイラ内水位の検出は、気水分離器5とボイラ下部に接続した水位検出筒8にて行う。水位検出筒8には給水停止水位(E1水位)で水の有無を検出する電極棒E1と、給水開始水位(E2水位)で水の有無を検出する電極棒E2を設置している。水位検出筒8内の水位が一定の範囲内となるように給水を制御する。

0017

運転制御装置10では、台数制御装置11からの燃焼指令を受けてボイラ1での燃焼量の制御を行う。多缶設置の場合、台数制御装置11が個々のボイラに設置している運転制御装置10に燃焼指令を出力し、各ボイラでは燃焼指令に基づいて燃焼量の制御を行う。ボイラ1は高燃焼、中燃焼、低燃焼と燃焼停止の4位置で燃焼制御を行うものであった場合、それぞれの燃焼量となるように燃料供給量燃焼用空気供給量を調節する。高燃焼が100%の燃焼量、中燃焼が50%の燃焼量、低燃焼は20%の燃焼量であったとすれば、高燃焼の燃焼指令を受けた場合には燃料燃焼用空気供給量を100%分、中燃焼の燃焼指令を受けた場合には燃料と燃焼用空気の供給量を50%分、低燃焼の燃焼指令を受けた場合には燃料と燃焼用空気の供給量を20%分とする。ボイラで燃焼を行うと、燃焼によって発生した熱がボイラを加熱し、蒸気を発生する。発生した蒸気は気水分離器5で液体を分離した後に、蒸気配管9を通して蒸気ヘッダ12へ送る。

0018

ただし、個々のボイラにおいて、異常が発生するなどして台数制御装置11からの燃焼指令通りの運転が行えないとなった場合には、燃焼指令とは異なる燃焼状態とすることがある。例えば各ボイラでは、ボイラ内蒸気圧力検出装置3にてボイラ内の蒸気圧力を検出しており、ボイラ内の圧力が燃焼停止の値よりも高くなった場合には、台数制御装置から燃焼の指令が出力されていても燃焼は行わせない。また、その他にも異常が発生することで燃焼を行えないとなった場合にも、燃焼を行う燃焼指令が出力されていても燃焼は行わせないということがある。

0019

台数制御装置11は、各ボイラ1から運転状態の情報を取り込むことができるようにしている。各ボイラの運転状態情報は、各ボイラの運転制御装置10から台数制御装置11へ送信しており、台数制御装置11ではボイラの運転状態に基づいてボイラ1に対する燃焼指令の変更を行うこともある。

0020

各ボイラは、蒸気配管9によって蒸気ヘッダ12と接続しており、各ボイラの蒸気出口部分に設けている主蒸気弁4と蒸気配管9を通して蒸気ヘッダ12へ蒸気を送るようにしている。蒸気配管9の枝配管部分には逆止弁14を設け、蒸気の逆流が発生しないようにしている。ボイラを運転する場合、主蒸気弁4は開いておかなければならないが、主蒸気弁4を開け忘れた、あるいは主蒸気弁の開度が不十分な状態でボイラを運転させてしまうことがある。ここでは1号缶で蒸気供給が制限された状態になっているものとしている。

0021

図3に基づいて本発明でのボイラの運転状況を説明する。図3は、1号缶、2号缶、3号缶、4号缶からなる4台のボイラを設置した多缶設置システムにおける、各ボイラへの燃焼指令、各ボイラでの燃焼量、各ボイラ内の蒸気圧力、そして蒸気ヘッダでの蒸気圧力の状況例を記載したものである。この例での当初のボイラ稼働優先順位は、1号缶が第1位、2号缶が第2位、3号缶が第3位であって、4号缶は台数制御対象外の予備缶としている。台数制御ボイラでは、修理点検などによって運転できないボイラが発生することを見越して予備缶を設置しておき、予備缶を除いたボイラで台数制御することがよく行われている。そして各ボイラでの稼働時間片寄りが発生しないようにしており、予備缶となるボイラや稼働優先順位は固定せず、1日に1回などでローテーションさせて入れ替えるようにしている。

0022

各ボイラでは高燃焼、中燃焼、低燃焼、燃焼停止の4位置燃焼制御を行うものであった場合、台数制御装置11では台数制御対象のボイラに対して、高燃焼、中燃焼、低燃焼または燃焼停止の燃焼指令を出力する。各ボイラでは、台数制御装置11からの燃焼指令に基づいて運転を行う。

0023

図では、ヘッダ部蒸気圧力検出装置13にて検出している蒸気ヘッダでの蒸気圧力から定まる燃焼量は、高燃焼をH、中燃焼をM、低燃焼をLで示しており、MMLつまり中燃焼2台、低燃焼1台の状態から始まっている。台数制御装置から出力する燃焼指令は、中燃焼2台、低燃焼1台となり、稼働優先順位の高い順に1号缶と2号缶は中燃焼、3号缶は低燃焼である状態から始まっている。各ボイラ1では、燃焼を行うことで蒸気を発生し、発生した蒸気は蒸気配管9を通して蒸気ヘッダ12へ送る。

0024

その際、蒸気配管9の途中に設けている主蒸気弁4で蒸気供給が制限されていると、蒸気ヘッダ12への蒸気供給が妨げられる。1号缶で主蒸気弁4が十分に開かれていなかった場合、ボイラ1で燃焼を行って蒸気を発生すると、1号缶のボイラでは、発生した蒸気がボイラ1内から出ていくことが制限されるため、缶内の蒸気圧力値が大きく上昇する。各ボイラ1には、個々のボイラ内における蒸気圧力を検出するボイラ内蒸気圧力検出装置3を設けており、ボイラ内の圧力が燃焼停止の設定圧力を越えると、ボイラ本体の安全確保のために、燃焼を停止する。図3では時刻Aで1号缶の缶内圧力が燃焼停止の圧力に達しており、1号缶では台数制御装置11からの燃焼指令は中燃焼であるが、缶内圧力の上昇した1号缶の燃焼量は燃焼停止としている。

0025

このようなボイラ内圧力の上昇は、ボイラ内で発生している蒸気がボイラ内から取り出されている蒸気より多くなることで発生したものであれば、しばらくすると圧力は戻るものであって異常ではない。蒸気がボイラ内から蒸気ヘッダへ流れることで、ボイラ内の圧力上昇は自然に回復するものであり、一時的なものであるために異常との判定は行われず、台数制御装置11に対しても異常発生の情報を送信することは行われない。この場合には、ボイラに異常は発生していないがボイラでは燃焼は行われていないということになる。しかし主蒸気弁4が閉じていた場合、ボイラ内の蒸気が蒸気ヘッダ12へ流れることがないため、異常状態は自然には回復しない。このような場合は、台数制御装置11では蒸気供給異常の判定を行う。各ボイラ1における運転状態の情報は台数制御装置11へ出力するようにしており、台数制御装置11では、各ボイラにおける運転状態を監視して異常発生時には対応を行う。台数制御装置11からボイラ1に対して燃焼実施の燃焼指令を出力しているが、ボイラでは燃焼を行っていないという場合、運転制御装置10では台数制御装置11に燃焼を停止していることの情報を出力する。そして台数制御装置11では、ボイラが燃焼を停止している時間を計測しておく。図3では、時刻A以降は、1号缶に対して燃焼の指令を行っているが、1号缶では燃焼を行っていないとなっているため、時刻Aからの経過時間を計測しておく。

0026

主蒸気弁4が十分に開いていない1号缶に対しては、台数制御装置11より中燃焼の燃焼指令を行ってもボイラから供給される蒸気量は通常より少なくなるため、ボイラ全体からの蒸気供給量は不足し、蒸気ヘッダ12での蒸気圧力は低下している。台数制御装置11では、蒸気ヘッダ12での蒸気圧力が低下した場合には、ボイラでの燃焼量を増加する方向に燃焼指令を変更する。図3では時刻Bでヘッダ圧から定まる燃焼量はMMMとなっており、それまで低燃焼の燃焼指令を出力していた3号缶に対して燃焼量を中燃焼に変更する燃焼指令を出力する。この時点では1号缶は燃焼停止であり、2号缶と3号缶では中燃焼で蒸気の供給を行うことになる。しかしこの状態でも蒸気供給量は不足しており、蒸気ヘッダ12での蒸気圧力値はさらに低下していっている。

0027

台数制御装置11では、台数制御装置11からは燃焼実施の燃焼指定を出力しているのに、ボイラからは蒸気圧力高によって燃焼を停止しているとの情報が入力された場合、燃焼停止の経過時間を計測しておく。この計測時間が所定時間以上となった場合には、蒸気供給系統において何らかの異常が発生していると判定し、蒸気供給異常の報知を行う。図3では時刻Aから所定時間が経過した時刻Cになっても燃焼が再開していない場合には、蒸気供給異常を報知する警報を発報する。

0028

蒸気供給異常の報知を行うことで、ボイラの操作担当者へ主蒸気弁4が開いていないことが知らされると、操作担当者は主蒸気弁4を開くなどの処置を行う。主蒸気弁4を開くことで異常が取り除かれた場合、ボイラ内の蒸気が蒸気配管9を通して蒸気ヘッダ12へ送気されるためにボイラ内では圧力が低下し、ボイラ1は燃焼を行うことができるようになる。ただし、蒸気供給異常の報知を行うだけでは、ボイラの操作担当者がその場に不在であると対処されず、蒸気供給が不足する状態が続くということになる。そのため台数制御装置11では、蒸気供給異常の報知に加えて台数制御対象ボイラの変更や優先順位の変更を行う。台数制御装置11では、時刻Cの時点で蒸気供給異常の発生したボイラ、本実施例では1号缶を台数制御対象外の予備缶とし、それまで予備缶としていた4号缶を台数制御対象ボイラとする。

0029

そして台数制御装置11では、台数制御対象とした4号缶は稼働優先順位を第3位とし、第2位であった2号缶を第1位、第3位であった3号缶を第2位に繰り上げる。稼働優先順位を変更した時点での燃焼指令は第1位から第3位で中燃焼となっていたため、稼働優先順位が第3位となった4号缶でも燃焼を行うことになる。4号缶では中燃焼の燃焼指令が入力されると、中燃焼で燃焼を行うための準備を開始する。準備の工程では、ボイラ内を換気するプレパージバーナ着火を行う着火、低燃焼で燃焼を開始して火炎を安定させる火炎安定化などの工程を行った後に、燃焼指令の燃焼量である中燃焼にて燃焼を行う。

0030

4号缶で中燃焼を開始した時刻D以降は、ボイラからの蒸気供給量が蒸気使用量を上回ることになり、ヘッダ部蒸気圧力検出装置13で検出している蒸気ヘッダ12部分での蒸気圧力値は上昇している。その後は、時刻Eでボイラの操作者によって1号缶の主蒸気弁4を開いており、1号缶ではボイラ内の蒸気が蒸気ヘッダ12へ送られると缶内の圧力は低下している。主蒸気弁4の開度が不十分であった場合、ボイラ内の圧力と蒸気ヘッダ12内の圧力は大きく異なることになるが、主蒸気弁4を開いた以降は蒸気ヘッダ12の圧力と連動して変化することになる。

0031

図4は第2の実施例に関するものである。上記実施例との違いは、設置台数は同じ4台であるが予備缶の設定は行っておらず、設置している4台のボイラ全体を台数制御対象とし、4台のボイラで台数制御を行うものとしている。第2の実施例では、ヘッダ部蒸気圧力検出装置13にて検出しているヘッダ圧力はMML−の圧力範囲から始まっている。−は燃焼停止の意味であり、台数制御装置11では優先順位が第1位のボイラと第2位のボイラは中燃焼、第3位のボイラは低燃焼、第4位のボイラには燃焼停止の燃焼指令を出力する状態で開始する。この場合、稼働優先順位が1号缶で第1位、2号缶で第2位、3号缶で第3位、4号缶で第4位であれば、1号缶と2号缶には中燃焼、3号缶には低燃焼、4号缶には燃焼停止の燃焼指令を出力するということになる。

0032

各ボイラのボイラ内蒸気圧力検出装置3で検出している缶内圧力は、本来であれば蒸気ヘッダ12での圧力と同じような動きとなる。しかしここでは、1号缶は主蒸気弁4の開度が不十分で蒸気供給が制限された状態となっているため、1号缶の缶内圧力の値はそれ以外のボイラとは全く異なる動きとなっている。図の初めでは、1号缶は中燃焼の燃焼指令が出力されているために中燃焼にて燃焼を行う。すると、主蒸気弁4の開度が不十分であるために缶内圧力は急激に上昇し、燃焼停止の圧力まで上昇している。1号缶で缶内圧力が燃焼停止圧力まで上昇すると、1号缶では燃焼を停止する。この時、2号缶では中燃焼、3号缶では低燃焼で燃焼を行っているが蒸気供給量が不足しているために蒸気ヘッダ12での圧力は低下している。ヘッダ部蒸気圧力検出装置13で検出しているヘッダ圧力が1段階低いMMM−の圧力区分になると、優先順位が第3位のボイラで低燃焼から中燃焼に変更となるため、3号缶で燃焼量を低燃焼から中燃焼に変更している。

0033

この場合も、台数制御装置11では、1号缶に対して燃焼の指令を行っているが、1号缶では燃焼を行っていない状態での経過時間を計測しておく。計測している時間が蒸気供給異常の判定を行う時間に達すると、台数制御装置11では蒸気供給異常が発生していると判定し、蒸気供給異常の報知を行うとともに、稼働優先順位の変更を行う。

0034

稼働優先順位の変更は、蒸気供給異常との判定が行われたボイラの稼働優先順位を最下位に変更し、空いた順位は順次その下位のボイラを繰り上げていく。第二の実施例では、蒸気供給異常を発生したボイラは第1位の1号缶であったため、1号缶の稼働優先順位を最下位の第4位とし、第2位の2号缶を第1位に、第3位の3号缶を第2位に、第4位の4号缶を第3位に変更する。この稼働優先順位の変更により、台数制御装置11から出力している燃焼指令は、第4位となった1号缶は中燃焼から燃焼停止へ、第3位となった4号缶は燃焼停止から中燃焼へ変更されており、燃焼指令の変更によって1号缶と4号缶で燃焼状態を変更している。稼働優先順位の変更により、蒸気供給異常を発生していた1号缶は燃焼不要となり、4号缶が燃焼を行うことで蒸気ヘッダ12での蒸気圧力値は回復している。その後、1号缶の主蒸気弁開度不十分による蒸気供給異常の判定が行われて蒸気供給異常の発報が行われ、1号缶の主蒸気弁を開くことで正常な状態へ回復させる。すると、1号缶での圧力値は蒸気ヘッダの圧力値に連動することになる。このようにすることで、主蒸気弁4で蒸気供給が制限されていた場合にも、使用者へ速やかに異常状態を発報し、蒸気供給が足りなくなることを未然に防止することができる。

0035

なお、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。

0036

1ボイラ
2燃焼装置
3ボイラ内蒸気圧力検出装置
4主蒸気弁
5気水分離器
6給水配管
7給水ポンプ
8水位検出筒
9蒸気配管
10運転制御装置
11台数制御装置
12蒸気ヘッダ
13ヘッダ部蒸気圧力検出装置
14 逆止弁

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