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技術 発泡性飲料及びこれに関する方法

出願人 サッポロビール株式会社
発明者 神前陽一飯牟礼隆
出願日 2015年2月20日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-031762
公開日 2016年8月25日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2016-152778
状態 特許登録済
技術分野 発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール
主要キーワード 有機系消泡剤 発酵管 アルコール発酵後 発泡性飲料 発酵日数 樹脂フィルター マイルドさ 発泡性アルコール飲料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月25日)のものです。
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図面 (7)

課題

泡特性が効果的に向上した発泡性飲料及びこれに関する方法を提供する。

解決手段

本発明の一実施形態に係る発泡性飲料の製造方法は、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法であって、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、泡特性が向上した発泡性飲料を製造することを含む。また、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することは、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することであることとしてもよい。

概要

背景

特許文献1には、ホップ由来成分を含むビールテイスト飲料の製造方法において、消泡剤を添加することにより、自然で好ましい苦味を有し味のボディ感が増強されたビールテイスト飲料を製造することが記載されている。

概要

泡特性が効果的に向上した発泡性飲料及びこれに関する方法を提供する。本発明の一実施形態に係る発泡性飲料の製造方法は、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法であって、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、泡特性が向上した発泡性飲料を製造することを含む。また、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することは、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することであることとしてもよい。B

目的

本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、泡特性が効果的に向上した発泡性飲料及びこれに関する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法であって、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、泡特性が向上した発泡性飲料を製造することを含むことを特徴とする発泡性飲料の製造方法。

請求項2

前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することは、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することであることを特徴とする請求項1に記載の発泡性飲料の製造方法。

請求項3

前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤及び/又は乳化剤系消泡剤であることを特徴とする請求項2に記載の発泡性飲料の製造方法。

請求項4

前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤であることを特徴とする請求項3に記載の発泡性飲料の製造方法。

請求項5

前記消泡剤は、乳化剤系消泡剤であることを特徴とする請求項3に記載の発泡性飲料の製造方法。

請求項6

請求項1乃至5のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする発泡性飲料。

請求項7

消泡剤を50ppm未満の濃度で含有することを特徴とする発泡性飲料。

請求項8

前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤及び/又は乳化剤系消泡剤であることを特徴とする請求項7に記載の発泡性飲料。

請求項9

前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤であることを特徴とする請求項8に記載の発泡性飲料。

請求項10

前記消泡剤は、乳化剤系消泡剤であることを特徴とする請求項8に記載の発泡性飲料。

請求項11

発泡性飲料の泡特性を向上させる方法であって、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法において、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、前記発泡性飲料の泡特性を向上させることを特徴とする方法。

技術分野

0001

本発明は、発泡性飲料及びこれに関する方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、ホップ由来成分を含むビールテイスト飲料の製造方法において、消泡剤を添加することにより、自然で好ましい苦味を有し味のボディ感が増強されたビールテイスト飲料を製造することが記載されている。

先行技術

0003

特開2014−128240号

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1において、飲料の泡特性が向上することについては何ら記載されていない。一方、発泡性飲料については、その泡特性を向上させることが望まれる。

0005

本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、泡特性が効果的に向上した発泡性飲料及びこれに関する方法を提供することをその目的の一つとする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡性飲料の製造方法は、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法であって、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、泡特性が向上した発泡性飲料を製造することを含むことを特徴とする。本発明によれば、泡特性が効果的に向上した発泡性飲料の製造方法を提供することができる。

0007

また、前記方法において、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することは、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することであることとしてもよい。この場合、前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤及び/又は乳化剤系消泡剤であることとしてもよい。さらに、この場合、前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤であることとしてもよい。また、前記消泡剤は、乳化剤系消泡剤であることとしてもよい。

0008

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡性飲料は、前記いずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、泡特性が効果的に向上した発泡性飲料を提供することができる。

0009

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る発泡性飲料は、消泡剤を50ppm未満の濃度で含有することを特徴とする。本発明によれば、泡特性が効果的に向上した発泡性飲料を提供することができる。

0010

また、前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤及び/又は乳化剤系消泡剤であることとしてもよい。この場合、前記消泡剤は、シリコーン系消泡剤であることとしてもよい。また、前記消泡剤は、乳化剤系消泡剤であることとしてもよい。

0011

上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、発泡性飲料の泡特性を向上させる方法であって、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法において、前記アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、前記発泡性飲料の泡特性を向上させることを特徴とする。本発明によれば、発泡性飲料の泡特性を効果的に向上させる方法を提供することができる。

発明の効果

0012

本発明によれば、泡特性が効果的に向上した発泡性飲料及びこれに関する方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の一実施形態に係る実施例1において、アルコール発酵中に液面で形成された泡の高さを測定した結果を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例2において、シリコーン系消泡剤を添加して製造された発酵液及び発泡性飲料のNIBEM値を測定した結果を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例2において得られた、シリコーン系消泡剤の添加濃度と発泡性飲料のNIBEM値との相関関係を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例2において、乳化剤系消泡剤を添加して製造された発酵液及び発泡性飲料のNIBEM値を測定した結果を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例2において得られた、乳化剤系消泡剤の添加濃度と発泡性飲料のNIBEM値との相関関係を示す説明図である。
本発明の一実施形態に係る実施例2において得られた、発泡性飲料の官能検査の結果を示す説明図である。

0014

以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。

0015

本実施形態に係る発泡性飲料の製造方法は、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法であって、当該アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、泡特性が向上した発泡性飲料を製造することを含む。

0016

また、本実施形態に係る発泡性飲料の泡特性を向上させる方法は、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法において、当該アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、当該発泡性飲料の泡特性を向上させる方法である。

0017

アルコール発酵は、発酵前液酵母を添加することにより開始する。アルコール発酵中は、発酵液中で、酵母により炭酸ガスが生成される。このため発酵液の液面に泡の層が形成される。

0018

すなわち、例えば、一般的なビールの製造方法においては、アルコール発酵の開始後、発酵液の液面が泡で覆われ始め、2日目又は3日目に、当該液面に形成された泡の層の高さが最大となる。

0019

そして、本実施形態においては、この発酵液の液面における泡の形成を抑制することにより、当該泡の形成を抑制しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて泡特性が向上した発泡性飲料を製造する。

0020

すなわち、本願発明の発明者らは、発泡性飲料の泡特性を向上させる技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、意外にも、アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、発泡性飲料の泡特性を向上させることができることを見出し、本願発明を完成するに至った。

0021

液面における泡の形成の抑制は、例えば、泡の量(体積及び/又は重量)の低減であってもよいし、泡の高さの低減であってもよいし、当該液面の全面積に対する、当該液面の泡で覆われている部分の割合の低減であってもよい。

0022

なお、発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。

0023

発泡性飲料の泡特性の向上は、例えば、泡持ち特性の向上である。泡持ち特性の向上は、容器に注がれた当該発泡性飲料の液面にいったん形成された泡が保たれる時間が長くなることを意味する。

0024

発泡性飲料の泡持ち特性の向上は、例えば、当該発泡性飲料のNIBEM値の増加により確認される。NIBEM値は、ビール等の発泡性アルコール飲料の泡持ち特性を示す指標値として使用されている。NIBEM値は、発泡性飲料を所定の容器に注いだ際に形成された泡の高さが所定量減少するまでの時間(秒)として評価される。NIBEM値が大きいほど、発泡性飲料の泡持ち特性が優れていることになる。

0025

この点、本実施形態では、アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することにより、当該泡の形成を抑制しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて大きなNIBEM値を示す発泡性飲料を製造することができる。

0026

具体的に、例えば、泡の形成を抑制しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、特に好ましくは18以上大きなNIBEM値を示す発泡性飲料を製造することができる。また、これらの場合、NIBEM値が250秒以上、好ましくは260秒以上、より好ましくは270秒以上である発泡性飲料を製造することとしてもよい。

0027

発泡性飲料は、発泡性アルコール飲料であってもよい。発泡性アルコール飲料は、エタノール含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の発泡性飲料である。発泡性アルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1〜20体積%であってもよい。

0028

また、発泡性飲料は、発泡性ノンアルコール飲料であってもよい。発泡性ノンアルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%未満の発泡性飲料である。発泡性ノンアルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であってもよく、0.05体積%未満であってもよく、0.005体積%未満であってもよい。

0029

アルコール発酵を行って発泡性ノンアルコール飲料を製造する場合、例えば、アルコール発酵後の発酵液に、そのエタノール含有量を低減するアルコール除去処理を施し、当該アルコール除去処理後の発酵液を使用して、当該発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。また、例えば、アルコール発酵後の発酵液を希釈して、発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。

0030

また、アルコール発酵は、上述のとおり、発酵前液に酵母(例えば、ビール酵母)を添加して行う。具体的に、アルコール発酵は、例えば、発酵前液に酵母を添加して調製された発酵液を所定の温度(例えば、0〜40℃)で所定の時間(例えば、1〜14日)維持することにより行う。発酵開始時の発酵液における酵母の密度は特に限られず、例えば、1×106個/mL〜3×109個/mLであることとしてもよい。

0031

発酵前液は、酵母が資化する炭素源及び窒素源を含むものであれば特に限られない。発酵前液は、例えば、植物原料を使用して調製する。この場合、発酵前液は、植物原料と水(好ましくは湯)とを混合することにより調製する。こうして得られる発酵前液は、植物原料から抽出された成分を含む。

0032

植物原料は、飲料の製造に使用され得るものであれば特に限られず、例えば、穀類(例えば、大麦小麦米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上)、豆類、いも類からなる群より選択される1種以上であってもよい。これら穀類、豆類及びいも類は、発させたものであってもよく、発芽させていないものであってもよい。

0033

具体的に、植物原料は、例えば、麦芽、大麦及び小麦からなる群より選択される1種以上であってもよい。麦芽は、例えば、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽である。大麦麦芽は大麦を発芽させることにより得られ、小麦麦芽は小麦を発芽させることにより得られる。麦芽の使用は、麦芽エキスの使用であってもよい。麦芽エキスとしては、市販の麦芽エキスを使用してもよい。

0034

また、発酵前液は、例えば、ホップを使用して調製してもよい。この場合、麦芽、大麦及び小麦からなる群より選択される1種以上と、ホップとを使用してもよい。

0035

麦芽を使用する場合、糖化を行って発酵前液を調製してもよい。すなわち、この場合、麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液の糖化を行う。糖化は、例えば、麦芽及び水を含む混合液を、当該麦芽に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行う。

0036

麦芽及びホップを使用する場合、例えば、麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液にホップを添加し、煮沸することにより発酵前液を調製してもよい。また、例えば、麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、糖化を行い、その後、ホップを添加して煮沸することにより発酵前液を調製してもよい。

0037

また、アルコール発酵に続いて、熟成を行うこととしてもよい。すなわち、この場合、アルコール発酵を行い、さらに熟成を行って、発泡性飲料を製造する。熟成は、アルコール発酵後の発酵液をさらに所定の温度で所定の時間だけ維持することにより行う。この熟成により、発酵液中の不溶物沈殿させて濁りを取り除き、香味を向上させることができる。

0038

また、アルコール発酵後に、ろ過を行うこととしてもよい。すなわち、この場合、アルコール発酵を行い、その後、ろ過を行って、発泡性飲料を製造する。また、アルコール発酵を行い、さらに熟成を行い、その後、ろ過を行って、発泡性飲料を製造してもよい。

0039

アルコール発酵後の発酵液のろ過は、特に限られないが、例えば、珪藻土ろ過、樹脂フィルターによるろ過及び活性炭によるろ過からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。

0040

本実施形態において、泡の形成を抑制する方法は、特に限られないが、例えば、アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することは、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することであってもよい。

0041

すなわち、この場合、本実施形態に係る発泡性飲料の製造方法は、アルコール発酵を行うことを含む発泡性飲料の製造方法であって、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することにより、泡特性が向上した発泡性飲料を製造することを含む。なお、2種以上の消泡剤を添加する場合には、当該2種以上の消泡剤の濃度の合計が50ppm未満となるように、当該2種以上の消泡剤を添加する。

0042

ここで、消泡剤の添加は、一見、発泡性飲料の泡特性の向上と矛盾するように解され得る。しかしながら、本願発明の発明者らは、発泡性飲料の泡特性を向上させる技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、意外にも、消泡剤を50ppm未満の特定濃度で添加することにより、アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制するとともに、発泡性飲料の泡特性を向上させることができることを見出し、本願発明を完成するに至った。

0043

消泡剤は、本願発明の効果を奏するものであれば特に限られず、任意のものを適宜選択して使用することができるが、例えば、シリコーン系消泡剤及び/又は乳化剤系消泡剤であることが好ましい。すなわち、この場合、シリコーン系消泡剤及び乳化剤系消泡剤の少なくとも一方を50ppm未満の濃度で添加する。

0044

具体的に、シリコーン系消泡剤を50ppm未満の濃度で添加してもよいし、乳化剤系消泡剤を50ppm未満の濃度で添加してもよいし、シリコーン系消泡剤及び乳化剤系消泡剤を50ppm未満の濃度で(すなわち、シリコーン系消泡剤及び乳化剤系消泡剤の合計濃度が50ppm未満となるように)添加してもよい。また、消泡剤として、シリコーン系消泡剤を単独で使用してもよいし、乳化剤系消泡剤を単独で使用してもよいし、シリコーン系消泡剤及び乳化剤系消泡剤を使用してもよい。

0045

なお、シリコーン系消泡剤は、シリコーンを主成分として含有する無機系消泡剤である。乳化剤系消泡剤は、乳化剤を主成分として含有する有機系消泡剤である。

0046

消泡剤の上記添加濃度は、消泡剤を添加する原料液(例えば、発酵前液及び/又は発酵液)に対して50ppm未満(1Lの原料液に対して、50mg未満)の濃度であれば特に限られないが、例えば、49ppm以下であってもよく、47ppm以下であってもよく、45ppm以下であってもよい。

0047

消泡剤の添加濃度の下限値は、本願発明による効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、1ppm以上であってもよく、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよい。

0048

消泡剤の添加濃度の範囲は、上記上限値と下限値とを任意に組み合わせて規定してもよい。すなわち、消泡剤の添加濃度は、例えば、1ppm以上、49ppm以下であってもよく、5ppm以上、47ppm以下であってもよく、10ppm以上、45ppm以下であってもよい。

0049

消泡剤を添加するタイミングは、アルコール発酵の終了前であれば特に限られないが、例えば、アルコール発酵中に液面に形成された泡の高さが最大となる時点より前であることが好ましく、酵母の対数増殖期が終了する前であることがより好ましく、発酵前液に酵母を添加してから24時間後より前であることがより一層好ましく、発酵前液に酵母を添加する前であることが特に好ましい。なお、消泡剤を複数回のタイミングで添加する場合には、当該複数回の添加による合計濃度が50ppm未満となるように当該消泡剤を添加する。

0050

消泡剤を50ppm未満の上記特定範囲の濃度で添加することにより、当該消泡剤を添加しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて泡特性が向上した発泡性飲料を製造することができる。

0051

具体的に、例えば、消泡剤を添加しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、特に好ましくは18以上大きなNIBEM値を示す発泡性飲料を製造することができる。また、これらの場合、NIBEM値が250秒以上、好ましくは260秒以上、より好ましくは270秒以上である発泡性飲料を製造することとしてもよい。

0052

本実施形態に係る発泡性飲料は、上述の方法により好ましく製造される。すなわち、この発泡性飲料は、アルコール発酵中の液面での泡の形成を抑制することを含む上記方法により製造され、当該泡の形成を抑制しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて泡特性が向上した発泡性飲料である。

0053

より具体的に、発泡性飲料は、泡の形成を抑制しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、特に好ましくは18以上大きなNIBEM値を示す発泡性飲料である。また、発泡性飲料のNIBEM値は、例えば、250秒以上であってもよく、好ましくは260秒以上であり、より好ましくは270秒以上である。

0054

発泡性飲料が、消泡剤を50ppm未満の濃度で添加することを含む上記方法により製造された場合、当該発泡性飲料は、当該消泡剤を添加しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて泡特性が向上した発泡性飲料である。

0055

より具体的に、発泡性飲料は、消泡剤を添加しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、特に好ましくは18以上大きなNIBEM値を示す発泡性飲料である。この場合も、発泡性飲料のNIBEM値は、例えば、250秒以上であってもよく、好ましくは260秒以上であり、より好ましくは270秒以上である。

0056

発泡性飲料は、例えば、消泡剤を50ppm未満の濃度で含有する。この場合、消泡剤は、シリコーン系消泡剤及び/又は乳化剤系消泡剤であることとしてもよい。すなわち、この場合、上述した方法における添加の場合と同様に、シリコーン系消泡剤及び乳化剤系消泡剤の少なくとも一方を50ppm未満の濃度で含有する。

0057

消泡剤の含有濃度は、発泡性飲料に対して50ppm未満(1Lの発泡性飲料に対して、50mg未満)の濃度であれば特に限られないが、例えば、49ppm以下であってもよく、47ppm以下であってもよく、45ppm以下であってもよい。消泡剤の含有濃度の下限値は、特に限られないが、例えば、1ppm以上であってもよく、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよい。

0058

消泡剤の含有濃度の範囲は、上記上限値と下限値とを任意に組み合わせて規定してもよい。すなわち、発泡性飲料における消泡剤の含有濃度は、例えば、1ppm以上、49ppm以下であってもよく、5ppm以上、47ppm以下であってもよく、10ppm以上、45ppm以下であってもよい。

0059

そして、これらの発泡性飲料は、上述のように消泡剤を含有するにもかかわらず、優れた泡特性を有する。すなわち、上記消泡剤を含有する発泡性飲料のNIBEM値は、例えば、250秒以上であってもよく、好ましくは260秒以上であり、より好ましくは270秒以上である。

0060

次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。

0061

容量180mLの発酵管を使用した小スケールにて発泡性飲料を製造した。すなわち、まず、植物原料を使用して発酵前液を調製した。植物原料としては、大麦麦芽、大麦及びホップを使用した。具体的に、粉砕された大麦麦芽及び大麦に55℃の湯を加え、得られた混合液を65℃で維持することにより、糖化を行った。さらに、糖化後の混合液にホップを添加して煮沸を行った。煮沸後の混合液を冷却して発酵前液として得た。

0062

ここで、アルコール発酵の開始前に、発酵前液に、消泡剤を15ppm、150ppm又は300ppmの濃度で添加した。消泡剤としては、シリコーン系消泡剤(KM−72F、信越化学工業株式会社製)を使用した。なお、このシリコーン系消泡剤は、30%溶液であったため、例えば、当該30%溶液を50ppmの濃度で添加することにより、当該シリコーン系消泡剤を15ppm添加した。

0063

その後、消泡剤が添加された発酵前液に、さらにビール酵母を添加して、発酵液のエタノール含有量が約5体積%になるまでアルコール発酵を行った。ここで、アルコール発酵の開始から0.25日、1日、2日、3日、4日、5日、6日及び7日が経過した時点において、発酵液の液面に形成された泡の高さを測定した。

0064

図1には、アルコール発酵中に発酵液の液面に形成された泡の高さを測定した結果を示す。図1において、横軸は、アルコール発酵の開始から経過した時間、すなわち発酵日数(日)を示し、縦軸は、泡の高さ(cm)を示す。また、白抜きの丸印(0ppm)は、消泡剤を添加しなかった例の結果を示し、黒塗りの丸印は、消泡剤を15ppm添加した例の結果を示し、黒塗りの三角は、消泡剤を150ppm添加した例の結果を示し、黒塗りの四角印は、消泡剤を300ppm添加した例の結果を示す。

0065

図1に示すように、消泡剤の添加濃度が増加するにつれて、アルコール発酵中に液面に形成される泡の高さが低減された。すなわち、消泡剤を15ppm添加した例においても、アルコール発酵中の液面における泡の形成は効果的に低減された。

0066

容量30Lのパイロット設備を使用して発泡性飲料を製造した。すなわち、まず、植物原料を使用して発酵前液を調製した。植物原料としては、大麦麦芽、大麦及びホップを使用した。具体的に、粉砕された大麦麦芽及び大麦に55℃の湯を加え、得られた混合液を65℃で維持することにより、糖化を行った。さらに、糖化後の混合液にホップを添加して煮沸を行った。煮沸後の混合液を冷却して発酵前液として得た。

0067

ここで、アルコール発酵の開始前に、発酵前液に、消泡剤を添加した。すなわち、上述の実施例1でも使用したシリコーン系消泡剤を、11ppm、15ppm、26ppm、41ppm、87ppm又は183ppmの濃度で添加した。また、乳化剤系消泡剤(アワブレークG109、太陽化学株式会社製)を、31ppm、36ppm、319ppm、又は676ppmの濃度で添加した。

0068

その後、消泡剤が添加された発酵前液に、さらにビール酵母を添加してアルコール発酵を行った。さらに、アルコール発酵後には、熟成を行った。そして、熟成後の発酵液を珪藻土ろ過によりろ過し、発泡性飲料を得た。発泡性飲料は、エタノール含有量が約5体積%の発泡性アルコール飲料であった。

0069

そして、得られた発泡性飲料のNIBEM値を測定した。また、一部の条件について、貯酒が終了した後、且つろ過を行う前の発酵液のNIBEM値も測定した。また、得られた発泡性飲料については、官能検査も行った。すなわち、熟練した5人のパネラーにより、発泡性飲料について、「マイルドさ」、「ボディー感」及び「総合的な香味」の評価を行った。各パネラーは、各評価項目について、1点、2点、3点、4点又は5点のいずれかの点数を付した。

0070

図2Aには、シリコーン系消泡剤の各添加濃度(ppm)と、貯酒後、ろ過前の発酵液及び発泡性飲料のNIBEM値(秒)とを対応させて示す。なお、図2Aにおいて「−」と記された条件では、ろ過前の発酵液のNIBEM値を測定しなかった。図2Bには、シリコーン系消泡剤の添加濃度(ppm:横軸)と、発泡性飲料のNIBEM値(秒:縦軸)との関係を示す。

0071

図2A及び図2Bより、シリコーン系消泡剤を11ppm、15ppm、26ppm又は41ppmの濃度で添加することを含む方法により製造された発泡性飲料のNIBEM値は、当該消泡剤を添加しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料のそれより顕著に大きかった。

0072

一方、シリコーン系消泡剤を87ppm又は183ppmの濃度で添加した例において、発泡性飲料のNIBEM値は、当該シリコーン系消泡剤を上述の50ppm未満の濃度で添加した例ほど大きくなかった。

0073

また、図2Aより、シリコーン系消泡剤を15ppm添加した例においては、ろ過前の発酵前液及び発泡性飲料のいずれのNIBEM値も、当該消泡剤を添加しない例より顕著に大きかった。

0074

図3Aには、乳化剤系消泡剤の各添加濃度(ppm)と、貯酒後、ろ過前の発酵液及び発泡性飲料のNIBEM値(秒)とを対応させて示す。なお、図3Aにおいて「−」と記された条件では、ろ過前の発酵液のNIBEM値を測定しなかった。図3Bには、乳化剤系消泡剤の添加濃度(ppm:横軸)と、発泡性飲料のNIBEM値(秒:縦軸)との関係を示す。

0075

図3A及び図3Bより、乳化剤系消泡剤を31ppm又は36ppmの濃度で添加することを含む方法により製造された発泡性飲料のNIBEM値は、当該消泡剤を添加しない以外は同一の方法で製造された発泡性飲料のそれより顕著に大きかった。

0076

一方、乳化剤系消泡剤を319ppm又は676ppmの濃度で添加した例の発泡性飲料のNIBEM値は、当該消泡剤を添加しなかった例のそれ以下であった。また、乳化剤系消泡剤を319ppm又は676ppmの濃度で添加した例では、発酵液のろ過時に閉塞が生じ、発泡性飲料を効率よく製造することができなかった。

0077

また、図3Aより、乳化剤系消泡剤を36ppm添加した例において、ろ過前の発酵液のNIBEM値は、当該消泡剤を添加しない例に比べて顕著に小さかったが、ろ過を経て得られた発泡性飲料のNIBEM値は、当該消泡剤を添加しない例に比べて顕著に大きくなった。

0078

図4には、官能検査の結果を示す。図4に示す数値は、5人のパネラーにより付された点数の算術平均値である。

0079

図4に示すように、シリコーン系消泡剤の添加濃度が増加するにつれて、発泡性飲料の「マイルドさ」が増し、「総合的な香味」も好ましくなる傾向が確認された。

0080

一方、発泡性飲料の「ボディー感」は、シリコーン系消泡剤の添加濃度が増加しても、あまり変化せず、特に、添加濃度が15ppmの場合には、消泡剤を添加しない例(「無添加」)と大差ないと評価された。

実施例

0081

これに対し、乳化剤系消泡剤については、その添加濃度が増加するにつれて、発泡性飲料の「ボディー感」が増強される傾向が確認されたが、「マイルドさ」及び「総合的な香味」は低下する傾向が確認された。

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