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課題

男性ホルモン低下に伴う症状の予防、治療又は改善のための組成物の提供。

解決手段

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシド亜鉛を含有する男性ホルモン増加剤。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性更年期症候群の予防又は改善剤。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性機能低下の予防又は改善剤。

概要

背景

近年、人口の高齢化が一層進行し、中高男性の生活の質(QOL)の向上が課題となっている。男性更年期症候群は、主に加齢に伴う男性ホルモン量の減少によって起こる疾患であり、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)と呼ばれることもある。LOH症候群は、加齢による男性ホルモン量減少によって起こる身体的又は精神的な障害主訴とする症候群である。LOH症候群の症状としては、1)リビドー性欲)と勃起能の質と頻度、とりわけ夜間睡眠時勃起の減退;2)知的活動認知力見当識の低下、及び疲労感抑うつ、短気などに伴う気分変調;3)睡眠障害;4)筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少;5)内臓脂肪の増加;6)体毛と皮膚の変化;7)骨減少症骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折リスク増加、がある。LOH症候群の診断には、一般臨床検査による他疾患の除外と、男性ホルモン量検査及び問診(HeinemannらによるAging males’symptoms(AMSスコア)による鑑別が行われている。

男性ステロイドホルモンであるテストステロンは、筋肉量を増強させる作用が一般的に知られている。また、男性更年期症候群の治療にテストステロン補充療法が行われている。しかし、テストステロンのようなステロイドホルモンには重篤副作用があるため、その投与には医師による慎重な管理が必要である。

より簡便にテストステロンを補充するため、テストステロン産生に関わるとされている納豆オクラ山芋ナメコ等の食品や、ビタミンEナイアシン等のサプリメントの摂取が行われている。しかしながら、テストステロンを増加させるためには、当該食品やサプリメントを継続的に多量に摂取する必要があり、しかもそれらの過剰摂取による副作用の懸念がある。さらに、食品やサプリメントで間接的にテストステロンを増加させても、自覚症状の改善には至らない場合が多い。従来のテストステロン補充のための食品やサプリメントのほとんどは、実用面で十分な効果の得られるものではない。したがって、安全に摂取することができ、かつ男性の男性ホルモン減少に伴う身体的、精神的なQOL低下の回復に有効な素材の開発が求められている。

含硫アミノ酸は、分子内に硫黄原子を有するアミノ酸の総称である。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドPCSO)は、硫黄原子をスルフォキシドとして有する含硫アミノ酸の1種であり、タマネギ催涙成分の前駆体である。タマネギの細胞破壊されると、酵素の働きによってPCSOはスルフェン酸に変換され、スルフェン酸から催涙成分が生成される。またPCSOは、加熱又はアルカリ条件シクロアリインに変換される。このように、PCSOは比較的不安定な物質であり、日常的に食されている調理したタマネギにはほとんど含まれていない。そのため、PCSOは、近年までほとんど注目されていない成分であった。

近年、PCSOがテストステロン増加作用を有することが報告され、男性機能老化防止や、乳癌子宮体癌卵巣癌甲状腺癌閉経期機能障害等のテストステロンが有効とされる女性特有疾病の予防及び治療に対するその効果が期待されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1には、PCSOの投与が実際に男性更年期症候群や男性機能の改善をもたらしたことは報告されていない。さらに、PCSOは上述したように不安定な物質であるため、成人のテストステロン増加に有効な量を配合した製品高コストになることが予想される。

亜鉛は、生体内では鉄の次に多い必須金属元素であり、70kgのヒトの体内中には約2.3g含まれている。亜鉛は、生体で機能している多くの酵素の構造形成や維持に関与し、細胞分裂免疫機能等のほぼ全身の機能に関わる重要な元素である。近年、亜鉛欠乏の問題が提起されるようになっている。亜鉛の欠乏症として、創傷回復遅れ生殖機能の異常や免疫機能の不全感覚器官視覚味覚嗅覚)の障害、皮膚障害代謝機能障害食欲不振成長障害などが知られている。一方で亜鉛の過剰摂取により、急性亜鉛中毒では胃障害めまい吐き気等が、継続的な過剰摂取では、銅や鉄の吸収阻害により、貧血免疫障害神経症状下痢HDLコレステロールの低下などが起こるおそれがある。厚生労働省の「日本人食事摂取基準(2010年版)」によれば、亜鉛の摂取量目安は、30〜49の男性で、推定平均必要量10mg/日、推奨量12mg/日、耐容上限量45mg/日とされている。

概要

男性ホルモン低下に伴う症状の予防、治療又は改善のための組成物の提供。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性ホルモン増加剤。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性更年期症候群の予防又は改善剤。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性機能低下の予防又は改善剤。なし

目的

本発明は、低コスト、かつ安全性が高く簡便に摂取できる、男性更年期症候群等の男性ホルモン低下に伴う症状の予防又は改善のための組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

請求項2

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛の質量比が1:4〜10:1である、請求項1記載の男性ホルモン増加剤。

請求項3

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドを1日摂取量として5〜100mg含有する、請求項1又は2記載の男性ホルモン増加剤。

請求項4

亜鉛を1日摂取量として2〜20mg含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の男性ホルモン増加剤。

請求項5

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性更年期症候群の予防又は改善剤

請求項6

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛の質量比が1:4〜10:1である、請求項5記載の男性更年期症候群の予防又は改善剤。

請求項7

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドを1日摂取量として5〜100mg含有する、請求項5又は6記載の男性更年期症候群の予防又は改善剤。

請求項8

亜鉛を1日摂取量として2〜20mg含有する、請求項5〜7のいずれか1項記載の男性更年期症候群の予防又は改善剤。

請求項9

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性機能低下の予防又は改善剤。

請求項10

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛の質量比が1:4〜10:1である、請求項9記載の男性機能低下の予防又は改善剤。

請求項11

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドを1日摂取量として5〜100mg含有する、請求項9又は10記載の男性機能低下の予防又は改善剤。

請求項12

亜鉛を1日摂取量として2〜20mg含有する、請求項9〜11のいずれか1項記載の男性機能低下の予防又は改善剤。

請求項13

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛とを1:4〜10:1の質量比で含有する組成物

請求項14

S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドを1日摂取量として5〜100mg含有する、請求項13記載の組成物。

請求項15

亜鉛を1日摂取量として2〜20mg含有する、請求項13又は14記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシド及び亜鉛を含有する組成物に関する。

背景技術

0002

近年、人口の高齢化が一層進行し、中高男性の生活の質(QOL)の向上が課題となっている。男性更年期症候群は、主に加齢に伴う男性ホルモン量の減少によって起こる疾患であり、加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)と呼ばれることもある。LOH症候群は、加齢による男性ホルモン量減少によって起こる身体的又は精神的な障害主訴とする症候群である。LOH症候群の症状としては、1)リビドー性欲)と勃起能の質と頻度、とりわけ夜間睡眠時勃起の減退;2)知的活動認知力見当識の低下、及び疲労感抑うつ、短気などに伴う気分変調;3)睡眠障害;4)筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少;5)内臓脂肪の増加;6)体毛と皮膚の変化;7)骨減少症骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折リスク増加、がある。LOH症候群の診断には、一般臨床検査による他疾患の除外と、男性ホルモン量検査及び問診(HeinemannらによるAging males’symptoms(AMSスコア)による鑑別が行われている。

0003

男性ステロイドホルモンであるテストステロンは、筋肉量を増強させる作用が一般的に知られている。また、男性更年期症候群の治療にテストステロン補充療法が行われている。しかし、テストステロンのようなステロイドホルモンには重篤副作用があるため、その投与には医師による慎重な管理が必要である。

0004

より簡便にテストステロンを補充するため、テストステロン産生に関わるとされている納豆オクラ山芋ナメコ等の食品や、ビタミンEナイアシン等のサプリメントの摂取が行われている。しかしながら、テストステロンを増加させるためには、当該食品やサプリメントを継続的に多量に摂取する必要があり、しかもそれらの過剰摂取による副作用の懸念がある。さらに、食品やサプリメントで間接的にテストステロンを増加させても、自覚症状の改善には至らない場合が多い。従来のテストステロン補充のための食品やサプリメントのほとんどは、実用面で十分な効果の得られるものではない。したがって、安全に摂取することができ、かつ男性の男性ホルモン減少に伴う身体的、精神的なQOL低下の回復に有効な素材の開発が求められている。

0005

含硫アミノ酸は、分子内に硫黄原子を有するアミノ酸の総称である。S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシド(PCSO)は、硫黄原子をスルフォキシドとして有する含硫アミノ酸の1種であり、タマネギ催涙成分の前駆体である。タマネギの細胞破壊されると、酵素の働きによってPCSOはスルフェン酸に変換され、スルフェン酸から催涙成分が生成される。またPCSOは、加熱又はアルカリ条件シクロアリインに変換される。このように、PCSOは比較的不安定な物質であり、日常的に食されている調理したタマネギにはほとんど含まれていない。そのため、PCSOは、近年までほとんど注目されていない成分であった。

0006

近年、PCSOがテストステロン増加作用を有することが報告され、男性機能老化防止や、乳癌子宮体癌卵巣癌甲状腺癌閉経期機能障害等のテストステロンが有効とされる女性特有疾病の予防及び治療に対するその効果が期待されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1には、PCSOの投与が実際に男性更年期症候群や男性機能の改善をもたらしたことは報告されていない。さらに、PCSOは上述したように不安定な物質であるため、成人のテストステロン増加に有効な量を配合した製品高コストになることが予想される。

0007

亜鉛は、生体内では鉄の次に多い必須金属元素であり、70kgのヒトの体内中には約2.3g含まれている。亜鉛は、生体で機能している多くの酵素の構造形成や維持に関与し、細胞分裂免疫機能等のほぼ全身の機能に関わる重要な元素である。近年、亜鉛欠乏の問題が提起されるようになっている。亜鉛の欠乏症として、創傷回復遅れ生殖機能の異常や免疫機能の不全感覚器官視覚味覚嗅覚)の障害、皮膚障害代謝機能障害食欲不振成長障害などが知られている。一方で亜鉛の過剰摂取により、急性亜鉛中毒では胃障害めまい吐き気等が、継続的な過剰摂取では、銅や鉄の吸収阻害により、貧血免疫障害神経症状下痢HDLコレステロールの低下などが起こるおそれがある。厚生労働省の「日本人食事摂取基準(2010年版)」によれば、亜鉛の摂取量目安は、30〜49の男性で、推定平均必要量10mg/日、推奨量12mg/日、耐容上限量45mg/日とされている。

先行技術

0008

特許第4172488号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、低コスト、かつ安全性が高く簡便に摂取できる、男性更年期症候群等の男性ホルモン低下に伴う症状の予防又は改善のための組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するべく種々の成分を探索した結果、PCSO及び亜鉛を含有する組成物が、PCSO単独投与と比べて顕著な男性ホルモン増加効果及び男性更年期症候群の改善効果を有することを見出した。

0011

したがって、本発明は、S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有するテストステロン増加剤を提供する。
また本発明は、S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性更年期症候群の予防又は改善剤を提供する。
また本発明は、S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛を含有する男性機能低下の予防又は改善剤を提供する。
さらに本発明は、S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシドと亜鉛とを1:4〜10:1の質量比で含有する組成物を提供する。

発明の効果

0012

本発明のPCSO及び亜鉛を含有する組成物は、PCSOを単独で摂取した場合に比べ、血中テストステロン量の増加及び男性更年期症候群の改善に顕著な効果を示す。また本発明によれば、PCSO及び亜鉛の有効量を減量することができるので、亜鉛の多量摂取による副作用を低減することができ、また製造のコストも抑えることができる。

0013

本発明は、S−1−プロペニル−L−システインスルフォキシド(PCSO)と亜鉛を含有する組成物を提供する。本発明の組成物は、男性ホルモン(テストステロン)増加作用を有する。したがって、本発明の組成物は、男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防、改善又は治療のため好適に使用することができる。男性ホルモン低下に伴う各種症状の例としては、男性更年期症候群又はLOH症候群、うつ症状、不眠などの睡眠障害、認知機能低下、男性機能低下、精子形成能低下による不妊、などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物によれば、PCSO単独投与と比べてより低用量のPCSOで、PCSO単独投与と同等の男性ホルモン増加効果、及び男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防、改善又は治療効果を得ることができる。

0014

したがって本発明は、PCSOと亜鉛を有効成分として含有する男性ホルモン増加剤を提供する。また本発明は、男性更年期症候群又はLOH症候群、男性機能低下、うつ症状、睡眠障害、認知機能低下、精子形成能低下による不妊などの男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防、改善又は治療剤を提供する。また本発明によれば、PCSOと亜鉛を組み合わせて、男性ホルモン増加剤、又は男性更年期症候群若しくはLOH症候群、男性機能低下、うつ症状、睡眠障害、認知機能低下、精子形成能低下による不妊などの男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防、改善又は治療剤の製造のために使用することができる。以下の本明細書において、上記本発明の男性ホルモン増加剤、及び男性更年期症候群又はLOH症候群、男性機能低下、うつ症状、睡眠障害、認知機能低下、精子形成能低下による不妊などの男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防、改善又は治療剤をまとめて、本発明の剤と称する。

0015

本発明の剤に含有される亜鉛は、無機塩及び有機塩のいずれの形態であってもよい。無機塩の例としては硫酸塩、塩酸塩硝酸塩ハイドロタルサイト類酸化物との塩などが挙げられ、有機塩の例としては、酢酸コハク酸グルコン酸アスコルビン酸などとの塩が挙げられる。亜鉛塩は、それらを含有する生物から単離することができ、亜鉛塩を含有する生物としては、細菌類微細藻類酵母などが挙げられる。

0016

本発明の剤に含有されるPCSOは、ユリ科植物から単離又は精製することができる。ユリ科植物の例としては、ネギ属植物が挙げられ、タマネギ、ネギワケギアサツキニラニンニクギョウジャニンニクラッキョウリーキが好ましい。さらに、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウは、安価であり且つPCSOを多く含有しているため、本発明で用いられるPCSOの原料としてより好ましい。

0017

上記の植物には、PCSOが、その前駆体であるグルタミル体とともに多く含まれている。しかし、これらの植物中には、PCSOをスルフェン酸に変換する酵素であるC−Sリアーゼアリイナーゼ)が存在するため、抽出や調理などの操作により植物組織が破壊されると、当該酵素の作用により該植物中のPCSOは失われる。そのため、従来の通常の方法で得られる上記植物の抽出物や上記植物を含む調理済み食品には、PCSOはほとんど含まれていない。

0018

したがって、上述したユリ科植物からPCSOを調製する場合、当該植物を切断処理する前に加熱処理してC−Sリアーゼを失活させた後に、抽出処理にかけることが好ましい。このような方法としては、特許文献1に記載されているネギ属植物からシステインスルフォキシドを調製する方法を採用することができる。より詳細には、切断処理していないネギ属植物を、圧力1〜5気圧、温度40〜150℃の条件で、5〜120分加熱処理することによって、植物中に含まれる含硫アミノ酸を分解するC−Sリアーゼを失活させる。次いで、得られたネギ属植物の加熱処理物アルコール抽出及び減圧濃縮することにより、L−システインスルフォキシド誘導体を含む抽出物を得ることができる。

0019

好ましくは、本発明で用いられるPCSOは、(i)ネギ属植物を加熱し、(ii)加熱されたネギ属植物をγ−グルタミル結合切断酵素で処理し、次いで(iii)得られた酵素処理物イオン交換クロマトグラフィーに供することによって調製することができる。以下に、本方法の詳細な手順を説明する。

0020

上記工程(i)〜(iii)は、酵素反応等のために必要とされない限り、酸性pH条件下で行われるのがPCSOの変質を防ぐ上で好ましい。好ましいpHは、pH5.5以下、より好ましくはpH4.5以下である。

0021

原料となるネギ属植物は、可食部、例えば、タマネギ、ニンニク、ラッキョウであれば鱗茎、ワケギ、アサツキ、ニラであれば葉、ネギであれば葉及びが好ましく使用される。また、当該ネギ属植物の外皮は、PCSOを含んでいないため、予め除去しておくことが好ましい。

0022

工程(i)では、ネギ属植物を加熱する。該加熱により、該ネギ属植物中に含まれるPCSOを分解する酵素C−Sリアーゼを失活させる。上記加熱の条件は、目的のPCSOを変質させることなくC−Sリアーゼを失活させることができる条件であれば、特に限定されないが、例えば、圧力1〜5気圧、温度40〜150℃で5〜120分間が好ましく、圧力1〜2気圧、温度が80〜120℃で15〜40分間がより好ましい。

0023

ネギ属植物は、切断、破砕穿孔などによりその内部が空気中に露出すると、含まれるPCSOが分解されて、その含有量が減少する。したがって、上記加熱は、好ましくは、細分されていないネギ属植物に対して行われる。ここで、「細分されていない」ネギ属植物とは、切断、分断、破砕、穿孔、傷をつける等の加工がされていないか、又は当該加工がされているが、その加工により含硫アミノ酸含量が大きく減少していないもの、例えば、最終的な含硫アミノ酸の収量として無傷の植物に対して80%以上を達成できるものをいう。

0024

工程(ii)は、上記工程(i)で加熱されたネギ属植物をγ−グルタミル結合切断酵素で処理する工程である。上記ネギ属植物中のPCSOの一部はグルタミル体として存在するため、酵素処理により該グルタミル体からグルタミン酸を切断し、PCSOを遊離させる。酵素反応を十分に進行させるためには、酵素処理の前に、上記工程(i)で加熱されたネギ属植物を切断、破砕、細断等しておくことが好ましい。細分されたネギ属植物は、さらに水、酸性水アルカリ水等の水性液体で2〜20倍程度に希釈する。該水性液体のpHは、後で用いるγ−グルタミル結合切断酵素の至適pHやその付近のpHに調整する。

0025

酵素処理に使用されるγ−グルタミル結合切断酵素としては、例えば、γ−グルタミナーゼγ−グルタミルトランスフェラーゼ、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、γ−グルタミルペプチダーゼ等が挙げられる。これらの酵素は、動物、植物、微生物等から抽出されたものであっても、又は市販品であってもよい。市販品としては、天野エンザイム社のグルタミナーゼSD-C100S等が挙げられる。酵素処理の条件は、酵素の至適条件、又は用いるネギ属植物の種類、用いる部位、大きさや細分の状態等によって適宜設定すればよい。一般的には、酵素の添加量は、ネギ属植物の全量に対して0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.1質量%である。反応条件は、酵素の至適pHで、温度15〜65℃で1〜24時間程度、好ましくは35〜60℃で2〜6時間程度であり得る。上記酵素処理の終了後は、加熱又はpH調整等により、γ−グルタミル結合切断酵素を失活させておくことが好ましい。必要に応じて、上記酵素処理で得られた反応物濾過遠心圧搾等にかけ、PCSOを含む溶液を分離してもよい。さらに得られた溶液を濃縮してもよい。

0026

工程(iii)では、上記工程(ii)の酵素処理で得られた反応物を、イオン交換クロマトグラフィーに供する。当該イオン交換クロマトグラフィーのためのイオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂であればよいが、強酸性陽イオン交換樹脂が好ましく、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂がより好ましい。当該イオン交換樹脂は、市販品を使用することができ、例えば、ダイヤイオン登録商標)UBK−550、ダイヤイオン(登録商標)SK1B(三菱化学社製)、アンバーライト(登録商標)IR120B、アンバーライト(登録商標)200C、ダウエックス(登録商標)MSC−1(The Dow Chemical Company)、デュオライトC26(Rohm and Haas)、LEATIT(登録商標)SP−112(LANXESS Distribution GmbH)等が好適に使用され得る。イオン交換クロマトグラフィーは、通常の手順に従って行えばよい。イオン交換クロマトグラフィーで得られたPCSOを含む溶出液は、そのまま本発明に利用してもよいが、濃縮又はさらに脱塩処理を行うと、PCSOの純度が高まるため好ましい。さらに必要に応じて、乾固凍結乾燥固形化、液状化顆粒若しくは粉末化等の処理を施してもよい。

0027

上述の方法により、ユリ科植物から、PCSOを高含有する画分を得ることができる。得られた画分は、そのまま本発明の剤に含有させることができる。

0028

本発明の剤におけるPCSOの含有量は、成人1日あたりの摂取量を基準として、好ましくは5〜100mg、より好ましくは7〜50mg、さらに好ましくは9〜25mgである。本発明の剤におけるPCSOの含有量が5mg未満の場合、当該剤による所望の効果が十分に得られなくなることがある。他方、該含有量が100mgを超える場合、異味異臭が生じることがあるため、当該剤に異味や異臭の防止処理を施すことが望まれる。

0029

本発明の剤に用いられる亜鉛の量は、亜鉛元素換算で、成人1日あたりの摂取量を基準として、好ましくは2〜20mg、より好ましくは3〜16mg、さらに好ましくは4〜12mgである。本発明の剤における亜鉛の含有量が2mg未満の場合、当該剤による所望の効果が十分に得られなくなることがある。他方、亜鉛含有量が高すぎても、本発明の剤の効果が飽和するため経済的でない。さらに、亜鉛の含有量が45mgを超える剤は、亜鉛の過剰摂取による副作用をもたらすことがある。

0030

本発明の剤におけるPCSOと亜鉛との質量比は、好ましくはPCSO:亜鉛(亜鉛元素換算)=1:4〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1である。したがって、本発明の剤の好ましい例としては、PCSOを、成人1日あたりの摂取量として5〜100mg、より好ましくは7〜50mg、さらに好ましくは9〜25mg含有し、かつPCSO:亜鉛(亜鉛元素換算)の質量比が1:4〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1となる量で亜鉛を含有する組成物が挙げられる。本発明の剤のさらに好ましい例としては、PCSOを、成人1日あたりの摂取量として5〜100mg、より好ましくは7〜50mg、さらに好ましくは9〜25mg含有し、亜鉛を、成人1日あたりの摂取量として2〜20mg、より好ましくは3〜16mg、さらに好ましくは4〜12mg含有し、かつPCSO:亜鉛(亜鉛元素換算)の質量比が1:4〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1である組成物が挙げられる。

0031

本発明の剤に用いられるPCSOを上述のユリ科植物から調製する場合、上記PCSOを含有するクロマトグラフィー画分には、PCSO以外の他の含硫アミノ酸が含まれている場合がある。本発明の剤は、本発明の剤の効果を阻害するものでない限り、PCSO以外の他の含硫アミノ酸を含有していてもよい。当該他の含硫アミノ酸としては、例えばS−プロピル−L−システインスルフォキシド、S−メチル−L−システインスルフォキシド(メチイン)、S−アリル−L−システインスルフォキシド等のPCSO以外のスルフォキシド類、及びシクロアリインなどが挙げられる。これらのうち、S−プロピル−L−システインスルフォキシド、S−メチル−L−システインスルフォキシド及びS−アリル−L−システインスルフォキシドは、特許文献1においてテストステロン増加機能が報告されている物質である。したがって、本発明の剤は、S−プロピル−L−システインスルフォキシド、S−メチル−L−システインスルフォキシド及びS−アリル−L−システインスルフォキシドからなる群より選択される1種以上を、さらなる有効成分として含有することができる。本発明の剤が当該PCSO以外のスルフォキシド類を有効成分として含有する場合、本発明の剤におけるPCSOと、S−プロピル−L−システインスルフォキシド、S−メチル−L−システインスルフォキシド及びS−アリル−L−システインスルフォキシドの合計との質量比は、好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは5:1〜2:1である。本発明の剤におけるPCSOを含むスルフォキシド類の総量は、成人1日あたりの摂取量を基準として、120mgを超えないことが好ましく、より好ましくは100mgを超えない。

0032

上記PCSO以外のスルフォキシド類は、上述したPCSOの製造手順において、イオン交換クロマトグラフィーで得られるPCSOを含む画分から取得することができる。あるいは、該PCSO以外のスルフォキシド類は、特許文献1記載の方法に従って調製してもよい。

0033

さらに本発明の剤は、本発明の剤の効果を阻害するものでない限り、各種薬効成分を含有していてもよい。本発明の剤に含有され得る薬効成分としては、クルクミノイドカプサイシントコトリエノールポリフェノールカロテノイドフラボノイドコエンザイムQ10、α−リポ酸カルニチンアンセリンカルノシン、EPA及びDHAからなる群より選択される1種以上が挙げられる。本発明の剤における該薬効成分の含有量は、本発明の剤の剤型や形状、用法などに応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.1〜50質量%程度、より好ましくは0.5〜30質量%程度である。

0034

本発明の剤は、男性ホルモン増加のため、又は男性更年期症候群若しくはLOH症候群、男性機能低下、うつ症状、睡眠障害、認知機能低下、精子形成能低下による不妊などの男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防、改善又は治療のための、医薬飲食品飼料等であり得る。本発明の剤は、ヒト又は非ヒト哺乳動物に適用され得る。非ヒト哺乳動物としては、愛玩動物家畜動物、及び飼育施設等で飼育されている動物が挙げられる。

0035

上記医薬は、PCSOと亜鉛を有効成分として含有する。該医薬の剤型は、経口剤であっても非経口剤であってもよいが、経口剤が好ましい。経口剤の剤型としては、錠剤カプセル剤顆粒剤散剤シロップ剤ドライシロップ剤液剤懸濁剤などが挙げられる。該医薬は、PCSOと亜鉛に加えて、上記PCSO以外のスルフォキシド類を有効成分として含有していてもよく、さらに必要に応じて、薬学的に許容される種々の担体(例えば賦形剤安定化剤、その他の添加剤等)、又は上記各種薬効成分、各種ビタミン類生薬ミネラル類等の他の成分を含有していてもよい。該医薬は、PCSOと亜鉛、及び上述の担体や他の成分を合わせ、常法に従って製造することができる。あるいは、該医薬は、PCSOと亜鉛を含む本発明の組成物に、該担体や他の成分を加えることによって製造されてもよい。

0036

上記飲食品又は飼料は、PCSOと亜鉛を有効成分として含有し、かつ男性ホルモン増加効果、又は男性更年期症候群若しくはLOH症候群、男性機能低下、うつ症状、睡眠障害、認知機能低下、精子形成能低下による不妊などの男性ホルモン低下に伴う各種症状の予防や改善の効果を企図してその旨を表示した、健康食品、機能性飲食品、特定保健用飲食品、病者用飲食品、又は家畜競走馬鑑賞動物等のための飼料やペットフード等であり得る。

0037

上記飲食品及び飼料の形態は特に制限されず、固形、半固形又は液状であり得、あるいは、錠剤、チュアブル錠粉剤カプセル、顆粒、ドリンクゲルシロップ、経管経腸栄養流動食等の各種形態であってもよい。該飲食品及び飼料は、PCSOと亜鉛に加えて、上記PCSO以外のスルフォキシド類を有効成分として含有していてもよく、さらに必要に応じて、他の食材、他の成分(各種ビタミン類、ミネラル類、栄養成分、上記各種薬効成分等)、又は食品に通常使用される添加剤を含有していてもよい。該飲食品及び飼料は、PCSOと亜鉛に、上記他の食材、他の成分又は添加剤を合わせ、常法に従って製造することができる。あるいは、該飲食品及び飼料は、PCSOと亜鉛を含む本発明の組成物に、該他の食材、他の成分又は添加剤を加えることによって製造されてもよい。

0038

上述した本発明の剤におけるPCSOと亜鉛の含有量は、1日当たりの摂取量を基準とする。したがって、本発明の剤の剤型や形状、用法などに応じて、1日摂取量が適切な量となるように摂取単位(例えば、医薬一回投与分、又は食品や飼料一食分)当たりのPCSOと亜鉛の添加量を調節することが望ましい。

0039

次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0040

(製造例1)
タマネギ(もみじ2000)5000gを洗浄脱皮した後に、切断せず丸ごと95℃の湯浴中にて20分間加熱処理した。加熱処理後のタマネギを、ミキサー(Oster社製)を用いて破砕し、ここにタマネギ1g当たり1mLの水を添加し分散させた。得られた分散液に、グルタミナーゼ(グルタミナーゼSD-C100S;天野エンザイム製)を液中のタマネギの全量に対して0.025質量%の量で添加し、60℃にて2時間反応させ、反応終了後90℃で15分間加熱して酵素を失活させた。得られた反応液を6,000rpm、30分間遠心分離し、吸引ろ過し、その後凍結乾燥して、含硫アミノ酸約3質量%を含むタマネギ粗抽出物約500gを得た。
上記タマネギ粗抽出物に蒸留水を添加して30%(w/v)水溶液を得た。この水溶液1000mLを試料溶液として、塩酸により再生した強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B、三菱化学製)500mLに通液した。次いで、蒸留水3000mLによりカラム内に残留した試料溶液を洗い出した。その後、5%水酸化ナトリウム溶液(pH=14)1000mLをカラムに通液し、イオン交換樹脂に吸着した含硫アミノ酸を溶出させた。さらに蒸留水2000mLを添加し、カラム内に残留した液を溶出させた。水酸化ナトリウム溶液により溶出した溶出液と蒸留水により溶出した溶出液とを合一し、エバポレーター(東京理科機械製)により濃縮後、脱塩処理を行って、含硫アミノ酸含有溶液を得た。これを凍結乾燥し、含硫アミノ酸を含む組成物を約40g得た。高速液体クロマトグラフィーHPLC分析の結果、当該組成物は、PCSOを約20質量%含有していた。

0041

(実施例1)
製造例1で得られた含硫アミノ酸を含む組成物(PCSO20質量%含有)、亜鉛(グルコン酸亜鉛:富田製薬社製)及びポリビニルピロリドン(BASF社製)を混合し、これにエタノールを添加して、湿式法により常法に従って類粒を製造した。得られた類粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウムを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠(300mg)中にPCSO及び亜鉛を表1記載の量で含有する錠剤を製造した。

0042

(比較例1)
製造例1で得られた含硫アミノ酸を含む組成物(PCSO20質量%含有)及びポリビニルピロリドン(BASF社製)を混合し、これにエタノールを添加して、湿式法により常法に従って類粒を製造した。得られた類粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウムを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠(300mg)中にPCSOを表1記載の量で含有する錠剤を製造した。

0043

(比較例2)
亜鉛(グルコン酸亜鉛:富田製薬社製)及びポリビニルピロリドン(BASF社製)を混合し、これにエタノールを添加して、湿式法により常法に従って類粒を製造した。得られた類粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウムを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠(300mg)中に亜鉛を表1記載の量で含有する錠剤を製造した。

0044

0045

試験例1)
実施例1又は比較例1の錠剤をそれぞれ7名、比較例2の錠剤を4名の被験者(いずれも40歳以上の男性)に1日6粒、2週間摂取させた。摂取期間の前後で、各被験者は、表2に示すHeinemannらによるAging males’symptoms(AMS)スコアに回答した。摂取期間前のAMSスコア合計値と摂取期間後のAMSスコア合計値との差を改善値とした。実施例1の結果を表3、比較例1の結果を表4、比較例2の結果を表5に示す。

0046

0047

0048

0049

0050

表3〜表5から明らかなように、実施例1の本発明の組成物を摂取した被験者群では、比較例1のPCSO単独摂取群と比較して、AMSスコアが顕著に改善した。比較例2の亜鉛単独摂取群ではAMSスコアは全く改善せず、むしろ悪化した例が観察された。

0051

(試験例2)
実施例1又は比較例1の錠剤をそれぞれ4名の被験者(いずれも40歳以上の男性)に1日6粒、2週間摂取させた。摂取期間の前後で、各被験者の唾液中のテストステロン値を、Testosterone Salivary Immunoassay Kit(フナコシ)を用いて測定した。摂取期間前のテストステロン値に対する摂取期間後のテストステロン値の割合を変化率(%)とした。実施例1の結果を表6、比較例1の結果を表7に示す。

0052

0053

実施例

0054

表6〜表7から明らかなように、実施例1の本発明の組成物を摂取した被験者群、及び比較例1のPCSO単独摂取群のいずれにおいても、摂取後の男性ホルモン量は増加した。しかし、実施例1の本発明の組成物を摂取した被験者群では、比較例1のPCSO単独摂取群と比較してより少ないPCSO摂取量で、より高い男性ホルモン量増加効果を得ることができた。

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