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技術 航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステム

出願人 住友精密工業株式会社
発明者 萩原正悟
出願日 2015年2月17日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2015-028291
公開日 2016年8月22日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-150632
状態 特許登録済
技術分野 流体圧回路(1) 飛行船・気球・飛行機
主要キーワード 目標吐出圧 運航状態 圧力フィードバック制御 格納室 電流フィードバックループ 電流制御ブロック 目標モータ回転速度 目標供給電流
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

航空機脚揚降用電動油圧システムにおいて、環境変化による油圧アクチュエータの動作ばらつきを抑制する。

解決手段

航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータステム1は、脚の格納及び展開を行うように構成された、少なくとも1つの油圧アクチュエータ21、22と、油圧アクチュエータに対して作動油の供給及び排出をするように構成された油圧回路33と、作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプ32と、油圧ポンプを駆動するように構成された電動モータ31と、脚の格納に係る指令、又は、脚の展開に係る指令を受けたときに、電動モータの作動を制御するように構成されたコントローラー4と、油圧ポンプの吐出圧を検出するセンサ34と、を備える。コントローラーは、指令を受けたときに、センサが検出した吐出圧をフィードバックしかつ、油圧ポンプの吐出圧が目標吐出圧となるように、電動モータの作動を制御する。

概要

背景

特許文献1には、航空機の脚の揚降に用いる電動油圧アクチュエータ(Electro Hydrostatic Actuator:EHA)システムが記載されている。このシステムは、油圧アクチュエータと、油圧回路と、油圧ポンプと、電動モータと、コントローラーとを備えている。コントローラーが電動モータの作動を制御することによって、油圧ポンプから、油圧回路を介して、油圧アクチュエータに作動油が供給される。油圧アクチュエータが伸長動作又は収縮動作をすることによって、脚が格納室に格納したり、脚が格納室から展開したりする。コントローラーは、電動モータの回転速度及び電動モータへの供給電流フィードバックしかつ、電動モータの回転速度が目標回転速度となるように、電動モータの作動を制御する。

概要

航空機の脚揚降用電動油圧システムにおいて、環境変化による油圧アクチュエータの動作ばらつきを抑制する。航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステム1は、脚の格納及び展開を行うように構成された、少なくとも1つの油圧アクチュエータ21、22と、油圧アクチュエータに対して作動油の供給及び排出をするように構成された油圧回路33と、作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプ32と、油圧ポンプを駆動するように構成された電動モータ31と、脚の格納に係る指令、又は、脚の展開に係る指令を受けたときに、電動モータの作動を制御するように構成されたコントローラー4と、油圧ポンプの吐出圧を検出するセンサ34と、を備える。コントローラーは、指令を受けたときに、センサが検出した吐出圧をフィードバックしかつ、油圧ポンプの吐出圧が目標吐出圧となるように、電動モータの作動を制御する。

目的

ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

航空機の脚の格納及び展開を行うように構成された、少なくとも1つの油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに接続されかつ、前記油圧アクチュエータに対して作動油の供給及び排出をするように構成された油圧回路と、前記油圧回路を介して前記油圧アクチュエータに供給する前記作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプと、前記油圧ポンプに連結されかつ、前記油圧ポンプを駆動するように構成された電動モータと、前記脚の格納に係る指令、又は、前記脚の展開に係る指令を受けたときに、前記電動モータの作動を制御するように構成されたコントローラーと、前記油圧ポンプの吐出圧を検出するセンサと、を備え、前記コントローラーは、前記脚の格納に係る指令、又は、前記脚の展開に係る指令を受けたときに、前記センサが検出した前記吐出圧をフィードバックしかつ、前記油圧ポンプの前記吐出圧が目標吐出圧となるように、前記電動モータの作動を制御する航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータステム

請求項2

請求項1に記載の航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステムにおいて、前記コントローラーは、前記油圧アクチュエータに供給する作動油の圧力指令と、前記センサが検出した吐出圧のフィードバック信号とを受けて、前記油圧ポンプの吐出圧が、前記圧力指令に対応する目標吐出圧となるように、前記電動モータの回転速度指令を出力する圧力制御ブロックと、前記圧力制御ブロックからの回転速度指令と、前記電動モータの回転速度フォードバック信号とを受けて、前記電動モータの回転速度が、前記回転速度指令に対応する目標回転速度となるように、前記電動モータの供給電流指令を出力するモータ回転速度制御ブロックと、前記モータ回転速度制御ブロックからの供給電流指令と、前記電動モータへの供給電流フィードバック信号とを受けて、前記電動モータへの供給電流が、前記供給電流指令に対応する目標供給電流となるように、前記電動モータに電流を供給する電流制御ブロックと、を含んでいる航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステム。

技術分野

0001

ここに開示する技術は、航空機脚揚降用電動油圧アクチュエータステムに関する。

背景技術

0002

特許文献1には、航空機の脚の揚降に用いる電動油圧アクチュエータ(Electro Hydrostatic Actuator:EHA)システムが記載されている。このシステムは、油圧アクチュエータと、油圧回路と、油圧ポンプと、電動モータと、コントローラーとを備えている。コントローラーが電動モータの作動を制御することによって、油圧ポンプから、油圧回路を介して、油圧アクチュエータに作動油が供給される。油圧アクチュエータが伸長動作又は収縮動作をすることによって、脚が格納室に格納したり、脚が格納室から展開したりする。コントローラーは、電動モータの回転速度及び電動モータへの供給電流フィードバックしかつ、電動モータの回転速度が目標回転速度となるように、電動モータの作動を制御する。

先行技術

0003

特許第5606044号公報

発明が解決しようとする課題

0004

航空機の脚の揚降に対しては、所定の時間範囲内で格納及び展開を行うことが要求され、脚の格納及び展開に要する時間が長くなり過ぎることは回避しなればならない。

0005

特許文献1に記載しているような脚揚降用EHAシステムにおいて、電動モータの回転速度フィードバック制御を行うと、航空機の使用環境によって、脚の格納に要する時間、及び、脚の展開に要する時間のばらつきが大きくなることに、本願発明者は気づいた。また、場合によっては、油圧アクチュエータ内の圧力が高くなり過ぎることにも、本願発明者は気づいた。

0006

ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、航空機の脚揚降用電動油圧システムにおいて、環境変化による油圧アクチュエータの動作ばらつきを抑制することある。

課題を解決するための手段

0007

航空機は、例えば50℃を超えるような気温の高い地域を離陸して、−10℃以下のような気温の低い地域に着陸するようなことがある。また、逆に気温の低い地域を離陸して、気温の高い地域に着陸することもある。航空機に搭載されるEHAシステムが使用される温度範囲は、一般的な油圧機器と比べて、大幅に広い。使用される温度範囲が広いことに起因して、航空機に搭載されるEHAシステムは、作動油の粘度が低粘度から高粘度まで大きく変化するという特徴がある。

0008

本願発明者が検討した結果、次のような事項が判明した。すなわち、作動油の温度が大幅に低くなることによって作動油の粘度が高くなると、油圧ポンプ内における作動油の漏れが少なくなる結果、油圧ポンプの吐出量が、高粘度のときと比較して増えてしまう。特許文献1に記載されているEHAシステムのように、電動モータの回転速度フィードバック制御だけを行うと、極低温時に、油圧ポンプの吐出量が増えすぎてしまう。その結果、油圧アクチュエータ内の圧力が高くなってしまう場合がある。

0009

逆に、作動油の温度が大幅に高くなることによって作動油の粘度が低くなると、油圧ポンプ内における作動油の漏れが多くなる結果、油圧ポンプの吐出量が、低粘度のときと比較して減ってしまう。これにより、電動モータの回転速度フィードバック制御だけを行うと、高温時には、アクチュエータの伸長動作、及び、収縮動作が、遅くなってしまう。その結果、特許文献1に記載の航空機の脚揚降用EHAシステムは、温度環境によって、脚の格納に要する時間、及び脚の展開に要する時間が大きくばらついてしまう。

0010

また、航空機の脚の揚降機構は、航空機の離陸時、及び、着陸時にのみ使用され、極低外気温に曝される飛行中は使用されない。一方で、EHAシステムは、現行の航空機に装備されている油圧供給系統に代わって、個々のシステムが独立して油圧アクチュエータを動作させるシステムである。従って、航空機の脚の揚降機構にEHAシステムを適用した場合、当該EHAシステムは飛行中には停止しているシステムであるから、航空機の着陸時に、脚揚降EHAシステムを動作させるときには、作動油の温度は大幅に低下していることになる。EHAシステム自体は、航空機の各種システムに適用される場合があるが、特に脚揚降機構にEHAシステムを適用する場合には、動作時に作動油の温度が極めて低温になっている場合があるという特有事情がある。

0011

さらに、脚の揚降機構においては、航空機の運航状態に伴う空力荷重が、脚やドアに作用し、ひいては、それらを動かす油圧アクチュエータに作用するが、空力荷重は、外部の風力や、航空機の進行速度によって、その方向や大きさが変化する。このこともまた、脚揚降用EHAシステムにおいて電動モータの回転速度フィードバック制御だけを行う場合に、油圧アクチュエータの動作のばらつきを招く要因の1つである。

0012

本願発明者は、前述した、航空機の脚揚降用EHAシステムに特有の新規な課題に気づいたことにより、ここに開示する技術を完成するに至った。具体的に、ここに開示する技術は、航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステムに係り、このシステムは、航空機の脚の格納及び展開を行うように構成された、少なくとも1つの油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに接続されかつ、前記油圧アクチュエータに対して作動油の供給及び排出をするように構成された油圧回路と、前記油圧回路を介して前記油圧アクチュエータに供給する前記作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプと、前記油圧ポンプに連結されかつ、前記油圧ポンプを駆動するように構成された電動モータと、前記脚の格納に係る指令、又は、前記脚の展開に係る指令を受けたときに、前記電動モータの作動を制御するように構成されたコントローラーと、前記油圧ポンプの吐出圧を検出するセンサと、を備える。

0013

そして、前記コントローラーは、前記脚の格納に係る指令、又は、前記脚の展開に係る指令を受けたときに、前記センサが検出した前記吐出圧をフィードバックしかつ、前記油圧ポンプの前記吐出圧が目標吐出圧となるように、前記電動モータの作動を制御する。

0014

ここで、航空機の脚の格納及び展開を行うように構成された油圧アクチュエータは、脚を揚降する油圧アクチュエータ(いわゆる、ギヤアクチュエータ)、及び/又は、脚を格納する格納室のドアを開閉する油圧アクチュエータ(いわゆる、ドアアクチュエータ)を含む。また、脚降ろし状態を固定する機構を解除するための油圧アクチュエータ(いわゆる、ダウンロックリリースアクチュエータ)を含んでもよい。

0015

この構成によると、コントローラーが、電動モータを作動することに伴い、油圧ポンプが駆動をする。油圧ポンプから吐出される作動油は、油圧回路を介して、油圧アクチュエータに供給される。これにより、油圧アクチュエータが伸長動作又は収縮動作をし、航空機の脚が格納室に格納する、又は、脚が格納室から展開する。

0016

コントローラーは、航空機の脚の格納に係る指令、又は、脚の展開に係る指令を受けたときには、センサが検出した、油圧ポンプの吐出圧をフィードバックし、油圧ポンプの吐出圧が目標吐出圧となるように、電動モータの作動を制御する。このように、油圧ポンプの吐出圧フィードバック制御を行うことにより、作動油の粘度の高低に拘わらず、言い換えると、油圧ポンプ内の作動油の漏れの状態に拘わらず、油圧ポンプの吐出圧を目標吐出圧に維持することが可能になる。コントローラーは、油圧ポンプの吐出圧が目標吐出圧よりも下がると、電動モータの回転速度を高くし、油圧ポンプの吐出圧が目標吐出圧よりも上がると、電動モータの回転速度を低くする。こうして、油圧アクチュエータに供給される作動油の圧力を所定圧力に維持するから、油圧アクチュエータ内の圧力が高くなり過ぎることが防止される。

0017

また、作動油の粘度の高低に起因して、脚の格納に要する時間がばらつくこと、及び、脚の展開に要する時間がばらつくことが防止され、脚の格納に要する時間を目標の時間範囲内に収めることが可能になると共に、脚の展開に要する時間を目標の時間範囲内に収めることが可能になる。

0018

前記コントローラーは、前記油圧アクチュエータに供給する作動油の圧力指令と、前記センサが検出した吐出圧のフィードバック信号とを受けて、前記油圧ポンプの吐出圧が、前記圧力指令に対応する目標吐出圧となるように、前記電動モータの回転速度指令を出力する圧力制御ブロックと、前記圧力制御ブロックからの回転速度指令と、前記電動モータの回転速度フォードバック信号とを受けて、前記電動モータの回転速度が、前記回転速度指令に対応する目標回転速度となるように、前記電動モータの供給電流指令を出力するモータ回転速度制御ブロックと、前記モータ回転速度制御ブロックからの供給電流指令と、前記電動モータへの供給電流フィードバック信号とを受けて、前記電動モータへの供給電流が、前記供給電流指令に対応する目標供給電流となるように、前記電動モータに電流を供給する電流制御ブロックと、を含んでいる、としてもよい。

0019

この構成は、電動モータの回転速度、及び、供給電流値に基づくフィードバック制御を行う航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステムに対して、油圧ポンプの吐出圧に基づくフィードバック制御を加えることに相当する。この構成によると、前述したように、油圧アクチュエータ内の圧力が高くなり過ぎることが防止される。また、作動油の粘度の高低に起因して、脚の格納に要する時間がばらつくこと、及び、脚の展開に要する時間がばらつくことが防止され、脚の格納に要する時間及び脚の展開に要する時間をそれぞれ、目標の時間範囲内に収めることが可能になる。

発明の効果

0020

以上説明したように、前記の航空機の脚揚降用電動油圧アクチュエータシステムによると、油圧ポンプの吐出圧に基づくフィードバック制御を行うことにより、油圧アクチュエータ内の圧力が高くなり過ぎることが防止されると共に、航空機の脚揚降機構において、油圧アクチュエータの伸長動作及び収縮動作のばらつきを防止することができる。

図面の簡単な説明

0021

脚の揚降機構を例示する斜視説明図である。
脚揚降用EHAシステムの構成を示すブロック図である。
作動油の温度が常温(20℃)のときの、(a)比較例に係る脚の格納動作と、(b)実施例に係る脚の格納動作とを比較する図である。
作動油の温度が高温(70℃)のときの、(a)比較例に係る脚の格納動作と、(b)実施例に係る脚の格納動作とを比較する図である。
作動油の温度が低温(−55℃)のときの、(a)比較例に係る脚の格納動作と、(b)実施例に係る脚の格納動作とを比較する図である。

0022

以下、航空機の脚揚降用の電動油圧アクチュエータ(EHA)システムの実施形態を図面に基づいて説明する。ここで説明するEHAシステムは例示である。図1は、EHAシステム1が適用される脚の揚降機構を例示している。脚11を機体12に格納しかつ、機体12から展開する揚降機構は、ここでは、脚11の揚降を行うためのギヤアクチュエータ21、及び、脚11を収容する格納室13のドア14を開閉するためのドアアクチュエータ22を少なくとも含むとする。これらのアクチュエータ21、22は、脚11の格納及び展開に際して順次、動作をする。具体的に、脚11の格納時には、ドアアクチュエータ22がドア14を開け、その後、ギヤアクチュエータ21が、脚11を揚げる。そうして、脚11が格納室13内に格納されれば、ドアアクチュエータ22がドア14を閉じる。こうして、脚11の格納に係る一連の動作が完了する。また、脚11の展開時には、ドアアクチュエータ22がドア14を開け、その後、ギヤアクチュエータ21が、脚11を降ろす。そうして、脚11が展開すれば、ドアアクチュエータ22がドア14を閉じる。尚、脚揚降機構は、脚降ろし状態を固定する機構を解除するためのダウンロックリリースアクチュエータをさらに含んでもよい。

0023

図2は、EHAシステム1の構成を示すブロック図である。EHAシステム1は、ギヤアクチュエータ21と、ドアアクチュエータ22と、ギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22に接続される油圧回路33と、油圧回路33を介してギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22に作動油を供給する油圧ポンプ32と、油圧ポンプ32に連結された電動モータ31と、電動モータ31の作動を制御するEHAコントローラー4と、油圧ポンプ32の吐出圧を検出する圧力センサ34とを備えている。

0024

油圧回路33は、油圧ポンプ32から供給された作動油を、ギヤアクチュエータ21、又は、ドアアクチュエータ22に、選択的に供給するよう構成されている。油圧回路33はまた、ギヤアクチュエータ21、及び、ドアアクチュエータ22から、作動油が排出されるように構成されている。油圧回路33の具体的な構成については、特に限定はなく、様々な構成を、適宜採用することが可能である。

0025

油圧ポンプ32は、ギヤアクチュエータ21、及び、ドアアクチュエータ22に供給する作動油を昇圧するポンプである。油圧ポンプ32は、例えば定容量型の油圧ポンプとしてもよい。具体的には、斜板式や斜軸式ピストンポンプ歯車ポンプスクリューポンプ、及びベーンポンプを例示することができる。油圧ポンプ32はまた、可変容量型の油圧ポンプであってもよい。

0026

電動モータ31は、油圧ポンプ32に結合され、油圧ポンプ32を駆動するように構成されている。電動モータ31は、例えば三相モータとしてもよい。後述するように、電動モータ31の作動がEHAコントローラー4によって制御されることによって、油圧ポンプ32の駆動が制御される。

0027

圧力センサ34は、油圧ポンプ32の吐出圧を検出する。圧力センサ34は、任意の構成のものを適宜採用することが可能である。圧力センサ34は、検出した吐出圧を、フィードバック信号としてEHAコントローラー4に出力する。

0028

EHAコントローラー4は、圧力制御ブロック41と、モータ回転速度制御ブロック42と、電流制御ブロック43と、を含んで構成されている。

0029

圧力制御ブロック41は、航空機の機体側のシステムが出力した圧力指令を受けると共に、圧力センサ34からの吐出圧フィードバック信号を受けるように構成されている。圧力指令は、脚11の格納及び展開に際し、順次動作をするギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22のそれぞれに対して供給すべき作動油の圧力に対応する。圧力制御ブロック41は、油圧ポンプ32の吐出圧が、圧力指令に基づく目標吐出圧となるように、例えばPI制御によって、電動モータ31の回転速度指令を出力する。

0030

モータ回転速度制御ブロック42は、圧力制御ブロック41からの回転速度指令を受けると共に、電動モータ31の回転速度をフィードバック信号として受けるように構成されている。モータ回転速度制御ブロック42は、電動モータ31の回転速度が、回転速度指令に基づく目標回転速度となるように、例えばPI制御によって、電動モータ31の供給電流指令を出力する。

0031

電流制御ブロック43は、モータ回転速度制御ブロック42からの供給電流指令を受けると共に、電動モータ31への供給電流値をフィードバック信号として受けるように構成されている。電流制御ブロック43は、電動モータ31への供給電流が、供給電流指令に基づく目標供給電流となるように、例えばPI制御によって、電動モータ31に電流を供給する。

0032

このように、EHAコントローラー4は、油圧ポンプ32の吐出圧に基づく圧力フィードバックループと、電動モータ31の回転速度に基づくモータ回転速度フィードバックループと、電動モータ31の供給電流に基づく電流フィードバックループとの、3つのフィードバックループを含んで構成されている。

0033

この構成のEHAシステム1によると、EHAコントローラー4が、航空機の機体側のシステムから、脚11の格納、又は、脚11の展開に関する圧力指令を受けたときには、油圧ポンプ32の吐出圧が目標吐出圧となるように、電動モータ31が制御される。つまり、EHAコントローラー4は、油圧ポンプ32の吐出圧が目標吐出圧よりも高くなったときには、電動モータ31の回転速度を下げ、油圧ポンプ32の吐出圧が目標吐出圧よりも低くなったときには、電動モータ31の回転速度を上げる。

0034

これにより、周囲の気温が極低温であって、作動油の温度低下によってその粘度が高くなったときには、油圧ポンプ32内の作動油の漏れが少なくなるものの、油圧ポンプ32の吐出圧に係る圧力フィードバック制御を行うことによって、油圧ポンプ32の吐出圧が高くなり過ぎることを防止することが可能になる。特に極低外気温に曝される航空機の飛行中には、脚揚降用のEHAシステム1は停止していて作動油の温度が大きく低下するため、着陸時には、作動油の温度が大きく低下した状態で、脚11の展開を行わなければならない場合があるが、その場合でも、油圧ポンプ32の吐出圧が高くなり過ぎることを防止することが可能になる。これにより、ギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22内の圧力が高くなり過ぎることを未然に回避することが可能になる。

0035

また逆に、周囲の気温が高温であって、作動油の温度上昇によりその粘度が下がって油圧ポンプ32内の作動油の漏れが多くなったときでも、油圧ポンプ32の吐出圧を目標吐出圧に維持することが可能になる。こうして、作動油の温度状態の高低に拘わらず、油圧ポンプ32の吐出圧を目標吐出圧に維持することが可能になり、ギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22の伸長動作及び収縮動作のばらつきを抑制することが可能になる。

0036

また、脚11の揚降機構に対しては、航空機の運航状態に伴う空力荷重が脚11やドア14に作用し、それらを動かすギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22に作用する空力荷重は、外部の風力や、航空機の進行速度によって方向や大きさが変化する。前述の通り、吐出圧のフィードバック制御によって、油圧ポンプ32の吐出圧を目標吐出圧に維持することにより、ギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22に作用する空力荷重の方向や大きさに拘わらず、ギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22を安定的に動作させることが可能になり、それらの動作のばらつきが抑制される。

0037

そうして、吐出圧のフィードバック制御に加えて、電動モータ31の回転速度及び供給電流のフィードバック制御を併せて行うことにより、ギヤアクチュエータ21及びドアアクチュエータ22の動作のばらつきをさらに抑制することが可能となり、脚11の格納に要する時間、及び、脚11の展開に要する時間をそれぞれ、所定の時間範囲内に収めることができる。

0038

尚、前記の構成では、EHAコントローラー4は、圧力フィードバックループと、モータ回転速度フィードバックループと、電流フィードバックループとの、3つのフィードバックループを含んで構成されているが、電動モータ31の回転速度制御については、フィードフォワード制御を採用してもよい。この構成を採用する場合、図2において、モータ回転速度フィードバックループと、電流フィードバックループとは省略される。

0039

次に、航空機の脚揚降用EHAシステム1について行った実施例について説明する。図3〜5はそれぞれ、脚揚降用EHAシステム1の脚11の格納動作に関するシミュレーション結果を示している。この内、図3は、作動油の温度が20℃のときのシミュレーション結果であり、図4は、作動油の温度が70℃のときのシミュレーション結果であり、図5は、作動油の温度が−55℃のときのシミュレーション結果である。図3〜5の各図において、(a)は、比較例に係り、EHAコントローラー4を、モータ回転速度フィードバックループと電流フィードバックループとを含んで構成し、圧力フィードバックループを含まない構成のときの、モータ回転速度の変化(上図)、ギヤアクチュエータ21のボア側油室内の圧力変化(中図)、及び、ドアアクチュエータ22のアニュラス側油室内の圧力変化(下図)を示す。(b)は、実施例に係り、EHAコントローラー4を、モータ回転速度フィードバックループと電流フィードバックループと圧力フィードバックループとを含んで構成したとき(図2参照)の、モータ回転速度の変化(上図)、ギヤアクチュエータ21のボア側油室内の圧力変化(中図)、及び、ドアアクチュエータ22のアニュラス側油室内の圧力変化(下図)を示す。

0040

前述したように、脚11の格納時には、ドアアクチュエータ22がドア14を開ける動作(ドア開)、ギヤアクチュエータ21が脚11を揚げる動作(ギヤアップ)、及び、ドアアクチュエータ22がドア14を閉める動作(ドア閉)が順次行われる。EHAコントローラー4には、それぞれの動作に対応する指令が入力される。

0041

先ず、図3図5の各図(a)に示す比較例同士を比較する。比較例は、前述の通り、モータ回転速度のフィードバック制御を行う。ドア開動作時には、ドアアクチュエータ22の動作に対応するモータ回転速度指令がEHAコントローラー4に入力され、EHAコントローラー4は、モータ回転速度指令に対応する目標モータ回転速度となるように、電動モータ31を制御する。作動油の温度が常温のときには、図3(a)の上図に示すように、モータ回転速度は、ドア開動作の間、ほぼ一定である。また、図3(a)の下図に示すように、油圧ポンプ32から作動油が供給されることによって、ドアアクチュエータ22内の圧力が上昇する。

0042

ドア開動作に続くギヤアップ動作時にも同様に、ギヤアクチュエータ21の動作に対応するモータ回転速度指令がEHAコントローラー4に入力され、EHAコントローラー4は、そのモータ回転速度指令に対応する目標モータ回転速度となるように、電動モータ31を制御する。図3(a)の上図に示すように、モータ回転速度は、ドア開動作時とは異なる回転速度で、ほぼ一定になる。また、図3(a)の中図に示すように、油圧ポンプ32から作動油が供給されることによって、ギヤアクチュエータ21内の圧力が上昇する。

0043

その後、ドア閉動作時にも同様に、ドアアクチュエータ22の動作に対応するモータ回転速度指令がEHAコントローラー4に入力され、EHAコントローラー4は、そのモータ回転速度指令に対応する目標モータ回転速度となるように、電動モータ31を制御する。図3(a)の上図に示すように、モータ回転速度は、ドア開動作及びギヤアップ動作時とは異なる回転速度で、ほぼ一定になる。また、図3(a)の下図に示すように、ドアアクチュエータ22のアニュラス側油室内の圧力は低下する。

0044

こうして、ドア開、ギヤアップ、及びドア閉の一連の動作が行われることによって、所定の時間範囲で、脚11の格納が行われる。

0045

これに対し、図4(a)に示すように、作動油の温度が高温のときにも、ドア開、ギヤアップ及びドア閉の各動作の際に、モータ回転速度指令がEHAコントローラー4に入力され、EHAコントローラー4は、各指令に対応する目標モータ回転速度となるように、電動モータ31を制御する。一方で、作動油の温度が高温であり、その粘度が低くなっている。このため、油圧ポンプ32内の作動油の漏れが多くなり、油圧ポンプ32の吐出量が、常温時よりも低下してしまう。これにより、図4(a)の中図に示すギヤアップ動作時に顕著であるが、ギヤアップ動作に要する時間が、常温時よりも長くなってしまう。その結果、電動モータ31の回転速度フィードバック制御を行う比較例では、作動油の高温時に、ドア開動作、ギヤアップ動作及びドア閉動作を含む脚11の格納に要する時間が、常温時よりも大幅に長くなってしまう。

0046

また、図5(a)に示すように、作動油の温度が低温のときには、粘度が高くなる。このため、油圧ポンプ32内の作動油の漏れが少なくなり、油圧ポンプ32の吐出量が、常温時よりも増えてしまう。これにより、図5(a)の下図に示すドア開動作時に顕著であるが、ドアアクチュエータ22に過剰に作動油が供給されて、ドアアクチュエータ22内の圧力が大幅に高くなってしまう(破線で囲んだ部分参照)。

0047

尚、図5(a)の上図に示すように、作動油の温度が低いときには、作動油の温度が常温のとき(図3(a))や、高温のとき(図4(a))とは異なり、ギヤアップ動作の間、電動モータ31の回転速度が一定とならずに、回転速度が一時的に低下している。これは、電動モータ31の回転速度フィードバック制御に加えて、電動モータ31に供給するエネルギが設定した上限値を超えたときには、回転速度を低下させるトルクリミット制御を行っているためである。これにより、作動油の温度が低温のときの脚11の格納に要する時間は、常温時よりも長くなっている。

0048

このような比較例に対して、実施例では、油圧ポンプ32の吐出圧フィードバック制御を行う。ドア開動作時、ギヤアップ動作時、及び、ドア閉動作時のそれぞれにおいて、ドアアクチュエータ22やギヤアクチュエータ21の動作に対応する圧力指令がEHAコントローラー4に入力される。EHAコントローラー4は、各々の圧力指令に対応する目標吐出圧となるように、電動モータ31を制御する。つまり、油圧ポンプ32の吐出圧が低いときには、電動モータ31の回転速度を上げ、油圧ポンプ32の吐出圧が高いときには、電動モータ31の回転速度を下げる。これにより、図3(b)、図4(b)及び図5(b)の上図に示すように、電動モータ31の回転速度は一定とはならず、電動モータ31の回転速度は、各動作の期間中に変動する。

0049

図3(b)と図4(b)との比較から明らかなように、作動油が高温であって、その粘度が低いときには、油圧ポンプ32内の作動油の漏れが多い分、電動モータ31の回転速度が高く設定される。これにより、ドアアクチュエータ22及びギヤアクチュエータ21に、必要十分な作動油が供給されるようになる。特に図4(b)の中図に示すように、ギヤアップ動作に要する時間が、従来例と比較して大幅に短くなる。その結果、油圧ポンプ32の吐出圧フィードバック制御を行う実施例では、作動油の高温時に、ドア開動作、ギヤアップ動作及びドア閉動作を含む脚11の格納に要する時間が、常温時よりも大幅に長くなってしまうことが回避される。つまり、実施例は、脚11の格納に要する時間のばらつきを抑制することができる。

実施例

0050

また、作動油が低温であるときには、前述したように、油圧ポンプ32内の作動油の漏れが少なくなるが、図5(b)に示すように、実施例では、電動モータ31の回転速度を低くする。このことによって、ドアアクチュエータ22やギヤアクチュエータ21に過剰に作動油が供給されることを抑制して、図5(b)の下図に示すドア開動作時に顕著であるが、ドアアクチュエータ22内の圧力が高くなってしまうことを回避することができる(破線で囲んだ部分参照)。

0051

1脚揚降用EHAシステム
11 脚
21ギヤアクチュエータ(油圧アクチュエータ)
22ドアアクチュエータ(油圧アクチュエータ)
31電動モータ
32油圧ポンプ
33油圧回路
34圧力センサ
4 EHAコントローラー
41圧力制御ブロック
42モータ回転速度制御ブロック
43 電流制御ブロック

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