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技術 溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材

出願人 株式会社ミューチュアル株式会社武蔵野化学研究所
発明者 木村良晴増谷一成池尻祐希駒沢友香十河和明
出願日 2015年2月18日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-029609
公開日 2016年8月22日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-150530
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし) ポリエステル、ポリカーボネート ポリウレタン,ポリ尿素
主要キーワード 試験開始当初 手工芸 成形体サンプル マルチブロック型 バイオベースポリマー 弱酸性水溶液 積層造形法 造形完了
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月22日)のものです。
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図面 (2)

課題

溶融積層造形法FDM)用の3Dプリンタ用に、サポート材として所要補強性を有すると共に、加水分解によって速やかに除去できるPL素材であり、3Dプリンタをより高精度で安全かつ作業効率よく利用できる溶融積層造形法用の水溶性サポート材とすることである。

解決手段

ポリエチレングリコール(PEG)を開始剤としてL−ラクチドLLA)を開環重合したトリブロック体であるPLLA−PEG−PLLAを合成し、これをヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)で鎖延長したマルチブロック型のPEG−PLLA共重合体からなり、PLLA/PEGの質量比が1/2〜2/1の範囲の溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材とする。

概要

背景

近年、3Dプリンタは、立体物を短時間で簡単に作製できる装置として、産業用個人用を問わずに幅広い用途で用いられている。
このような3Dプリンタは、産業用としては多品種小ロット生産設備自動車用部品家電用部品試作するための機器として利用され、また個人用では、低価格の3Dプリンタの普及により手工芸品などのコピー製作などにも利用されている。

現在の成形材料マテリアルとも別称される。)は、造形法の違いに応じて多くの素材が開発され、ABSアクリル樹脂ナイロンなどが一般的に用いられ、特にその性状によって成形性が規定されるので、より高性能のものは多い。また、多くの試作品の製作に伴って大量の成形廃棄物が生じるから、再利用性があって廃棄処理も容易な成形マテリアルが求められる。

ところで、ポリ乳酸PLA)は、製造原料として澱粉や糖を利用して合成されるバイオベースポリマーであり、カーボンニュートラル性質を有するため、使用によって大気中の二酸化炭素量を増やすことなく環境負荷を低減でき、しかも、その生分解性によって環境調和性の高い廃棄処理が可能である。

また、PLAは、使用後の処理のため回収された後、モノマーに分解して再生可能であるため、リサイクル性にも優れており、また生体適合性および生体吸収性を有するので、DDS等の医療材料としても利用可能なものである。

ここで、図1を参照して説明すると、溶融積層造形法FDM)用の3Dプリンタは、作動時に、例えば成形用樹脂またはサポート樹脂として二種類の融点熱可塑性樹脂製フィラメント1を供給してそれぞれ溶融させながら、コンピュータ制御駆動機構により、好ましくは基台(テーブル)とも連動して立体的位置制御されるノズルヘッド2の樹脂種毎の吐出口から、成形用樹脂またはサポート樹脂の溶融物3を吐出し、予めCADデータ等の設計情報に従って所要部分に樹脂を積層し、立体を造形可能なものである。

その際、造形物4の形状(オーバーハングした形状や中空形状など)によって、造形完了までの姿勢や形状を安定させておく必要があるため、造形物4が充分に硬化するまでは、所要の支持部分をサポート樹脂5で成形することも同時並行的に行なう必要がある(特許文献1)。

支持体を形成するサポート樹脂5は、主体となる造形物4が充分に硬化した後は、その役割を終えるので、溶媒を用いて溶解するか、または比較的低い温度で加熱して溶融し除去される。
通常、サポート樹脂は、水溶性ポリビニルアルコールPVA)やポリスチレン(PS)などを用いており、比較的低融点ワックス造形材料である場合には、さらに低融点のサポート樹脂としてポリエチレングリコール(融点66℃)を用いる場合もある(特許文献1の段落0041)。

概要

溶融積層造形法(FDM)用の3Dプリンタ用に、サポート材として所要の補強性を有すると共に、加水分解によって速やかに除去できるPLA素材であり、3Dプリンタをより高精度で安全かつ作業効率よく利用できる溶融積層造形法用の水溶性サポート材とすることである。ポリエチレングリコール(PEG)を開始剤としてL−ラクチドLLA)を開環重合したトリブロック体であるPLLA−PEG−PLLAを合成し、これをヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)で鎖延長したマルチブロック型のPEG−PLLA共重合体からなり、PLLA/PEGの質量比が1/2〜2/1の範囲の溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材とする。なし

目的

この発明の課題は、上記した問題点を解決し、溶融積層造形法(FDM)による3Dプリンタにサポート材として利用できるPLA素材であって、サポートに耐える強度を有すると共に、安全性および環境調和性に優れた水溶性サポート材であり、しかも加水分解性に優れた溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材とすることである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ポリエチレングリコール(PEG)ブロックとポリL−乳酸PLLA)ブロックからなるPLLA−PEG−PLLA構造のトリブロック体に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が結合した[HMDI−(PLLA−PEG−PLLA)]を繰り返し単位とするマルチブロック型共重合体からなり、前記PLLAとPEGの構成比質量比)がPLLA/PEG=1/2〜2/1である溶融積層造形3Dプリンタ用の水溶性サポート材

請求項2

ポリエチレングリコール(PEG)の数平均分子量が1000〜20000である請求項1に記載の溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材。

請求項3

上記マルチブロック型共重合体が、下記の化1の式で示され、数平均分子量2000〜100000のマルチブロック型共重合体である請求項1または2に記載の溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材。[化1](PLLA−PEG−PLLA)−[HMDI−(PLLA−PEG−PLLA)]n(式中のnは、1〜100である。)

請求項4

PEGの数平均分子量が1850〜20000であり、かつPLLAの数平均分子量が500〜30000である請求項1または2に記載の溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材。

請求項5

数平均分子量1000〜20000のポリエチレングリコール(PEG)を開始剤としてL−ラクチド(L−LA)を開環重合してPLLA−PEG−PLLAからなるトリブロック体を合成し、次いでこれをヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)で鎖延長して上記化1の式で示されるマルチブロック型共重合体を合成する請求項1〜4のいずれかに記載の溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、溶融積層造形法FDM)によって3Dプリンタ造形するときに、造形物の一部または全体を一時的に支え、その姿勢や形状を保持し、その後、溶かして除去可能な溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材に関するものである。

背景技術

0002

近年、3Dプリンタは、立体物を短時間で簡単に作製できる装置として、産業用個人用を問わずに幅広い用途で用いられている。
このような3Dプリンタは、産業用としては多品種小ロット生産設備自動車用部品家電用部品試作するための機器として利用され、また個人用では、低価格の3Dプリンタの普及により手工芸品などのコピー製作などにも利用されている。

0003

現在の成形材料マテリアルとも別称される。)は、造形法の違いに応じて多くの素材が開発され、ABSアクリル樹脂ナイロンなどが一般的に用いられ、特にその性状によって成形性が規定されるので、より高性能のものは多い。また、多くの試作品の製作に伴って大量の成形廃棄物が生じるから、再利用性があって廃棄処理も容易な成形マテリアルが求められる。

0004

ところで、ポリ乳酸PLA)は、製造原料として澱粉や糖を利用して合成されるバイオベースポリマーであり、カーボンニュートラル性質を有するため、使用によって大気中の二酸化炭素量を増やすことなく環境負荷を低減でき、しかも、その生分解性によって環境調和性の高い廃棄処理が可能である。

0005

また、PLAは、使用後の処理のため回収された後、モノマーに分解して再生可能であるため、リサイクル性にも優れており、また生体適合性および生体吸収性を有するので、DDS等の医療材料としても利用可能なものである。

0006

ここで、図1を参照して説明すると、溶融積層造形法(FDM)用の3Dプリンタは、作動時に、例えば成形用樹脂またはサポート樹脂として二種類の融点熱可塑性樹脂製フィラメント1を供給してそれぞれ溶融させながら、コンピュータ制御駆動機構により、好ましくは基台(テーブル)とも連動して立体的位置制御されるノズルヘッド2の樹脂種毎の吐出口から、成形用樹脂またはサポート樹脂の溶融物3を吐出し、予めCADデータ等の設計情報に従って所要部分に樹脂を積層し、立体を造形可能なものである。

0007

その際、造形物4の形状(オーバーハングした形状や中空形状など)によって、造形完了までの姿勢や形状を安定させておく必要があるため、造形物4が充分に硬化するまでは、所要の支持部分をサポート樹脂5で成形することも同時並行的に行なう必要がある(特許文献1)。

0008

支持体を形成するサポート樹脂5は、主体となる造形物4が充分に硬化した後は、その役割を終えるので、溶媒を用いて溶解するか、または比較的低い温度で加熱して溶融し除去される。
通常、サポート樹脂は、水溶性のポリビニルアルコールPVA)やポリスチレン(PS)などを用いており、比較的低融点ワックス造形材料である場合には、さらに低融点のサポート樹脂としてポリエチレングリコール(融点66℃)を用いる場合もある(特許文献1の段落0041)。

先行技術

0009

特開2008−194968号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかし、ポリエチレングリコールだけでは、サポート樹脂として造形物を支持する強度に乏しく、またポリビニルアルコール(PVA)を用いると、成形体粉末の状態から速やかに溶解させることが容易ではなく、液状化するまでにはかなり長時間を要する。

0011

また、ポリスチレン(PS)は溶解するために有機溶剤を必要とするので、例えば学校や家庭などでサポート材として、安全に利用することが難しい。

0012

ところで、3Dプリンタ用の成形材として知られるPLAは、単に加水分解性を高めるだけでなく、成形体の使用時には分解せずに自然環境に耐える必要もある。
このようにサポート材は、所要の耐久性や強度を保有すると共に、加水分解性については充分に高めた特性を必要とし、そのような複合的な特性は容易に得られるものではない。

0013

そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決し、溶融積層造形法(FDM)による3Dプリンタにサポート材として利用できるPLA素材であって、サポートに耐える強度を有すると共に、安全性および環境調和性に優れた水溶性サポート材であり、しかも加水分解性に優れた溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材とすることである。

課題を解決するための手段

0014

本願の発明者らは、溶融積層造形法用の3Dプリンタの成形用材料として、環境負荷の低いサポート材の開発研究を進めていたところ、DDS等の医療分野にも利用できる生体適合性に優れた素材であるポリ乳酸(PLA)の加水分解性を改良して所定分子構造のPEG−PLLAのブロック共重合体を作製し、その加水分解試験を行なった結果、加水分解性に極めて優れたものが生成されることを確認し、この特性を活かして水溶性サポート材としての所期目的の達成が可能であるとの確信を得て、この発明を完成させたものである。

0015

すなわち、上記の課題を解決するために、この発明においては、ポリエチレングリコール(PEG)ブロックとポリL−乳酸(PLLA)ブロックからなるPLLA−PEG−PLLA構造のトリブロック体に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が結合した[HMDI−(PLLA−PEG−PLLA)]を繰り返し単位とするマルチブロック型共重合体からなり、前記PLLAとPEGの構成比質量比)がPLLA/PEG=1/2〜2/1である溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材としたのである。

0016

上記したように構成されるこの発明の溶融積層造形法用の水溶性サポート材は、PLLA−PEG−PLLAからなるトリブロック体を構成し、このものが基本的な加水分解性を確保していると共に、このトリブロック体と同様に加水分解性を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が結合した[HMDI−(PLLA−PEG−PLLA)]を繰り返し単位とするマルチブロック型共重合体とすることにより、所要の加水分解性を有すると共に、適度に分子量が高められており、サポート材に必要な強度が確保されたものになる。

0017

また、この発明は、前記PLLAとPEGの構成比(質量比)がPLLA/PEG=1/2〜2/1としたことにより、加水分解によって速やかに溶解除去できるPLA素材になる。

0018

上記のような所要特性を確実に発揮できるような実施態様として、上記マルチブロック型のPEG−PLLA共重合体が、下記の化1の式で示され、数平均分子量が2000〜100000のマルチブロック型共重合体である溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材とすることが好ましい。
また、前記したトリブロック体の加水分解性が、より確実に奏されるようにポリエチレングリコール(PEG)の数平均分子量(Mn)が1000〜20000であることが好ましい。

0019

[化1]
PLLA−PEG−PLLA−[HMDI−(PLLA−PEG−PLLA)]n
(式中のnは、1〜100である。)

0020

また、前記したような水や弱酸性水溶液などに対する速やかな加水分解性があり、かつサポート材に必要な補強性を確保することができるように、PEGの数平均分子量(Mn)が1850〜20000であり、かつPLLAの数平均分子量(Mn)が500〜30000であることが好ましい。

0021

上記化1の式で示されるマルチブロック型共重合体は、先ず、数平均分子量(Mn)1000〜20000のポリエチレングリコール(PEG)を開始剤としてL−ラクチドLLA)を開環重合してPLLA−PEG−PLLAからなるトリブロック体を合成し、次いでこれをヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)で鎖延長して前記化1の式で示されるマルチブロック型共重合体を合成することができ、これを用いて溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材とすることができる。

発明の効果

0022

この発明は、上述のように化1で示される所定分子構造のマルチブロック型共重合体からなり、PLLA/PEGの質量比が所定範囲で構成した溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材としたので、安全性の高い水溶性のサポート材として利用できる環境調和性に優れたPLA素材となり、サポート材として所要の補強性を有すると共に、加水分解によって速やかに除去できるPLA素材であって、3Dプリンタを総じてより高精度で安全かつ作業効率よく利用できる溶融積層造形法用の水溶性サポート材およびその製造方法となる利点がある。

図面の簡単な説明

0023

(a)溶融積層造形型3Dプリンタによる造形法の説明図、(b)造形後のサポート材の除去工程の説明図
加水分解試験による試料(実施例1〜3、比較例)の溶解状態の説明図

0024

この発明の実施形態としての溶融積層造形型3Dプリンタ用の水溶性サポート材は、ポリエチレングリコール(PEG)ブロックとポリ−L−乳酸(PLLA)ブロックからなるPLLA−PEG−PLLA構造のトリブロック体を構成し、このトリブロック体とヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が結合した[HMDI−トリブロック体]を繰り返し単位として、好ましくは前記した化1に示されるマルチブロック型共重合体からなり、PLLAとPEGの構成比(質量比)はPLLA/PEG=1/2〜2/1のものである。

0025

この発明に用いるヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)は、その分子中に遊離NCO基を少なくとも2つ含有する親水性ポリイソシアネートであり、これらのNCO基が前記トリブロック体に結合して鎖延長反応を起こさせ、また水性媒体中には溶解または乳化状態に分散する。

0026

マルチブロック型共重合体は、以下の合成工程によって製造することができる。
先ず、下記の化2に示すように、水溶性のポリエチレングリコール(PEG)を開始剤としてL-ラクチド(L−LA)を開環重合してPLLA−PEG−PLLAとなるトリブロック体を合成し、さらにHMDIにより鎖延長させてマルチブロック型PEG−PLLA共重合体(PLLA−b−PEG)mを合成する。

0027

その際、分子量2000のPEGに対してPLLA/PEG=1/2〜2/1の範囲にL-ラクチドを仕込むが、例えば1/2、1/1、2/1とする場合は、PLLA-PEG-PLLAの分子量を500-2000-500、1000-2000-1000、2000-2000-2000とすればよい。
この場合、ポリエチレングリコール(PEG)の数平均分子量(Mn)が1850〜20000であり、かつPLLAの数平均分子量(Mn)が500〜30000であることがサポート材に所要な加水分解性と強度を両立させるために好ましい。

0028

0029

これらのポリマーを合成した実施例とその加水分解試験について、以下に説明する。
先ず、実施例および比較例に用いた材料および試薬を、一括して以下に説明する。
<材料および試薬>
(1)ポリエチレングリコール(PEG2000、Mn=2000)
(2)L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製:L-光学純度:99.9%)
(3)オクチル酸スズ(Sn(Oct)2)、高真空下で減圧蒸留し、無水トルエンに溶解して濃度0.1g/mLに調製したもの
(4)ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI、減圧蒸留したもの)
(5)塩化メチレン(CH2Cl2)
(6)ジエチルエーテル試薬一級
(7)1,3-ジオキソラン純度:98%以上)
(8)炭酸水素ナトリウム(NaHCO3、重曹)、
(9)炭酸ナトリウム(Na2CO3試薬特級
(10)ポリ-L-乳酸(株式会社武蔵野化学研究所製:PLLA)

0030

<実施例(マルチブロック型PEG−PLLA共重合体)の合成>
合成の大略は、前記化2の反応式で示される工程に従って、水溶性のポリエチレングリコール(PEG)を開始剤としてL-ラクチドを開環重合してPLLA-PEG-PLLAとなるトリブロック体を合成し、さらにHMDIにより鎖延長させることによりマルチブロック型PEG-PLLA共重合体を合成したことである。

0031

その際、分子量が2000のPEGに対してPLLA/PEGの組成を、1/2、1/1、2/1になるようにL-ラクチドを仕込むことにより、PLLA-PEG-PLLAの各分子量(Mn)を500-2000-500、1000-2000-1000および2000-2000-2000とし、この順に実施例1、2、3に用いた。以下に、さらに具体的に説明する。

0032

[実施例1(PLLA-PEG-PLLA;500-2000-500のマルチブロック型共重合体)]
攪拌機備え付けた100mlの三つ口フラスコにPEG(5g,2.5mmol)とL−ラクチド(2.5g,17.4mmol)を仕込み減圧乾燥常温で3時間行なった。このとき窒素置換を1時間毎に行なった。乾燥後、系内を窒素で満たし、触媒としてSn(Oct)2(1mol% relative to PEG, 10.1mg,0.025mmol)を加え、減圧乾燥を1時間行ない、窒素置換した。重合は140℃で4時間撹拌しながら行なった。
続いて、HMDI(0.42g,2.5mmol)をシリンジにより添加し、さらに140℃で30分間、加熱することにより透明な粘性の高い液体を得た。

0033

反応終了後、系内を室温まで徐冷した。未反応モノマーなどを除去するために、得られたポリマーをCH2Cl2(30ml)で溶解させ、ジエチルエーテル(500ml)中に滴下し、沈殿物を得た。沈殿物を濾過し、60℃で8時間、減圧乾燥することにより6.01gの白色のポリマーを得た。

0034

[実施例2((PLLA-PEG-PLLA;1000-2000-1000のマルチブロック型共重合体)]
攪拌機を備え付けた100mlの三つ口フラスコにPEG(5g,2.5mmol)とL−ラクチド(5g, 34.7mmol)を仕込み、減圧乾燥を常温で3時間行なった。このとき窒素置換を1時間毎に行なった。
乾燥後、系内を窒素で満たし、触媒としてSn(Oct)2(1 mol% relative to PEG,10.1mg,0.025mmol)を加え、減圧乾燥を1時間行ない、窒素置換した。重合は140℃で4時間撹拌しながら行なった。続いて、HMDI(0.42g,2.5mmol)をシリンジにより添加し、さらに140℃で30分間、加熱することにより透明な粘性の高い液体を得た。

0035

反応終了後、系内を室温まで徐冷した。未反応モノマーなどを除去するために、得られたポリマーをCH2Cl2(30ml)で溶解させ、ジエチルエーテル(500ml)中に滴下し、沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し、60℃で8時間、減圧乾燥することにより8.22gの白色のポリマーを得た。

0036

[実施例3((PLLA-PEG-PLLA;2000-2000-2000のマルチブロック型共重合体)]
攪拌機を備え付けた100mlの三つ口フラスコにPEG(5g,2.5mmol)とL−ラクチド(10g,69.4mmol)を仕込み、減圧乾燥を常温で3時間行なった。このとき窒素置換を1時間毎に行なった。乾燥後、系内を窒素で満たし、触媒としてSn(Oct)2(1 mol% relative to PEG,10.1mg,0.025mmol)を加え、減圧乾燥を1時間行ない、窒素置換した。重合は140℃で4時間撹拌しながら行なった。
続いて、HMDI(0.42g,2.5mmol)をシリンジにより添加し、さらに140℃で30分間、加熱することにより透明な粘性の高い液体を得た。

0037

反応終了後、系内を室温まで徐冷した。未反応モノマーなどを除去するために、得られたポリマーをCH2Cl2(30ml)で溶解させ、ジエチルエーテル(500ml)中に滴下し、沈殿物を得た。沈殿物を濾過し、60℃で8時間、減圧乾燥することにより12.54gの白色のポリマーを得た。

0038

得られた実施例1〜3のポリマーについて、核磁気共鳴(1HNMR)を調べ、そのチャート末端基と主鎖の積分比から数平均分子量(Mn)を求めると共に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(MwD)を測定または算出し、これらの物性を確認した。
これらの測定条件を以下(表1を含む)に示し、これらの測定結果を表2に示した。

0039

<測定条件>
(a)核磁気共鳴(1HNMR)
600MHz 1H−NMRは、Bruker社製のAV600を用い、内部標準としてテトラメチルシランTMS)を0.3体積%含む重クロロホルムを溶媒に用いて測定した。

0040

(b)GPC法
以下の表1に示した検出器および所要の関連機器を用い、オーブン温度が45℃、溶離液流速0.75 ml/分で、試料を0.5mg/mlの濃度で1,3-ジオキソランに溶かしたものを注入し、ポリスチレン換算の値を測定し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(MwD)を求めた。なお、MwDは、MwD=Mw/Mnの数式により算出した。

0041

0042

0043

表2に示される結果からも明らかなように、合成して得られたPLLA-PEG-PLLAの分子量は、1HNMRの結果よりほぼ理論値通りの分子量が得られた。またHMDIの鎖延長により得られるマルチブロック型PEG-PLLA共重合体は、HMDIの転化率が高く、分子量が増加したことを確認した。

0044

得られた実施例1〜3のポリマーであるマルチブロック型PEG-PLLA共重合体および比較例のポリ−L乳酸(PLLA)の加水分解試験をNaHCO3またはNa2CO3飽和水溶液を用いて室温にて行ない、これらの試験結果は、溶液中のポリマーの分解状態を模写して図2中にまとめて示した。

0045

<加水分解試験>
100mlの水にNaHCO3(10.3g,0.123mol)またはNa2CO3(21.6g, 20.38mol)を常温にてそれぞれ溶解させ、飽和水溶液(NaHCO3aqまたはNa2CO3aq)を作製した。

0046

そして、実施例1〜3および比較例の各種ポリマー(3g)を25mlのサンプル瓶に入れ、NaHCO3aqまたはNa2CO3aqを15ml加えた。その後、室温にて24時間静置し、ポリマーの加水分解性を評価した。

0047

図2の結果からも明らかなように、上記加水分解試験を行なって24時間後には、PLLAは、あまり溶解せず試験開始当初とほとんど変化が見られないが、実施例1〜3については、NaHCO3およびNa2CO3飽和水溶液に対して共に高い加水分解性を示した。

0048

詳しく見ると、PEGの数平均分子量(Mn)が2000であり、かつPLLAの数平均分子量(Mn)が500〜2000であり、PLLA/PEG=1/2〜2/1の範囲にPLLAを仕込んだ実施例1〜3のうち、PLLA/PEGの値の小さい実施例ほど、溶解性の高い傾向が認められた。
またNaHCO3に比べてNa2CO3飽和水溶液の方が高い加水分解性を示し、これらの結果から、ポリマーが家庭内でも安全に加水分解が可能であることを確認した。

0049

<3Dプリンタによる造形試験>
実施例3のポリマーを直径約1.75mmのフィラメントに作製し、これを市販の3Dプリンタの(米国MakerBot社製:メーカーボットレプリケータ2X)に供給し、ノズル温度を190℃に設定して、造形物の試作を行なった。

実施例

0050

上記の造形物は、成形性が高いものが得られており、しかもNaHCO3およびNa2CO3飽和水溶液に対して共に高い加水分解性を示した。

0051

医学工学・商業などでの業務用または個人用のいずれにも使用できる溶融積層造形法(FDM)用の3Dプリンタを用いて、商品サンプル医療歯科医療も含む)・工業技術的な試験または研究用の成形体サンプルなどを作製する際、成形体の空間部分やオーバーハングする部分等の不安定な曲面部分に、一時的に埋めて成形体全体を補強または支持する水溶性のサポート材として利用できるものである。

0052

1フィラメント
ノズル
3 繊維状溶融物
4造形物
5 サポート樹脂

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