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技術 レーザー溶接システム及びレーザー溶接方法

出願人 トヨタ車体株式会社
発明者 伊藤貴敏篠原啓佑河野裕一
出願日 2015年2月19日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-030770
公開日 2016年8月22日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-150384
状態 特許登録済
技術分野 レーザ加工
主要キーワード 陥没穴 移動先端 レーザーノズル レーザー溶接システム 各溶接部位 レーザー溶接装置 エネルギー発生装置 レーザーセンサ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

レーザー光照射制限範囲を設けるといった極めて簡単な構成によって、リモート溶接フィラー溶接とを、同じレーザー照射装置を用いて行うことができるレーザー溶接システム及びレーザー溶接方法を提供すること。

解決手段

レーザー溶接システム1の制御装置は、フィラーワイヤ82を用いないレーザー溶接としてのリモート溶接と、フィラーワイヤ82を用いたレーザー溶接としてのフィラー溶接とを、異なる時期に行うことが可能である。リモート溶接においては、照射制限範囲を除く走査可能範囲R内において、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを、焦点距離及び走査方向を変更しながら溶接部位81に照射して溶接を行う。一方、フィラー溶接においては、ワイヤ送出トーチ4から溶接部位81へフィラーワイヤ82を送出するとともに、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを溶接部位81に照射して溶接を行う。

概要

背景

従来より、リモートレーザー加工方法として、ロボット移動先端部に取り付けられたレーザー照射装置を三次元の任意の溶接部位に移動させて、レーザー照射装置から照射されるレーザー光によって、重ね合わされた2枚の母材レーザー溶接を行うことが知られている。例えば、特許文献1には、リモートレーザー加工を行うレーザー加工検知システムが開示されている。ところで、レーザー溶接を行う際に、2枚の母材の表面同士の間に所定の大きさ以上の隙間が生じたときには、この隙間から溶融物飛散し、レーザー光が照射された母材の表面に陥没穴又は貫通穴が形成されることがある。そのため、レーザー溶接を行う際には、2つの母材間に所定の大きさ以上の隙間が形成されないようにする必要がある。

一方、母材の表面に陥没穴又は貫通穴が形成されることを防止するために、母材の表面にフィラーワイヤと呼ばれる金属材料を供給して、レーザー溶接を行うことが知られている。例えば、特許文献2のフィラーワイヤの先端位置合せ方法及びレーザー溶接装置においては、レーザー加工ヘッドに、レーザーノズルの先端部に対応した位置へフィラーワイヤを案内するワイヤ案内機構を設けることが開示されている。特許文献2においては、レーザーノズルの先端中央部を示すクロスラインと、撮像手段によって撮像したフィラーワイヤの先端部の撮像画面とを重ねてモニタに表示し、ワイヤ案内機構を調節して、フィラーワイヤの先端部をクロスラインの交差位置に合わせることが開示されている。

概要

レーザー光の照射制限範囲を設けるといった極めて簡単な構成によって、リモート溶接フィラー溶接とを、同じレーザー照射装置を用いて行うことができるレーザー溶接システム及びレーザー溶接方法を提供すること。レーザー溶接システム1の制御装置は、フィラーワイヤ82を用いないレーザー溶接としてのリモート溶接と、フィラーワイヤ82を用いたレーザー溶接としてのフィラー溶接とを、異なる時期に行うことが可能である。リモート溶接においては、照射制限範囲を除く走査可能範囲R内において、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを、焦点距離及び走査方向を変更しながら溶接部位81に照射して溶接を行う。一方、フィラー溶接においては、ワイヤ送出トーチ4から溶接部位81へフィラーワイヤ82を送出するとともに、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを溶接部位81に照射して溶接を行う。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

次元に位置及び姿勢を変更可能な移動先端部を有するロボットと、上記移動先端部に取り付けられ、該移動先端部によって移動しながらワークにおける三次元の任意の溶接部位レーザー光照射可能なレーザー照射装置と、該レーザー照射装置又は上記移動先端部に取り付けられ、該レーザー照射装置によるレーザー光が照射される上記溶接部位へフィラーワイヤ送出可能なワイヤ送出トーチと、上記ロボット、上記レーザー照射装置及び上記ワイヤ送出トーチの動作を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、上記ワイヤ送出トーチ及び該ワイヤ送出トーチの先端部から突出する上記フィラーワイヤに上記レーザー照射装置によるレーザー光が照射される範囲を照射制限範囲として、該照射制限範囲外において、上記レーザー照射装置によるレーザー光を、焦点距離及び走査方向を変更しながら上記溶接部位に照射して溶接するリモート溶接と、上記ワイヤ送出トーチから上記溶接部位へ上記フィラーワイヤを送出するとともに、上記レーザー照射装置によるレーザー光を上記溶接部位に照射して溶接するフィラー溶接とを、異なる時期に行うことが可能に構成されていることを特徴とするレーザー溶接システム

請求項2

上記制御装置は、上記レーザー照射装置からの距離がジャストフォーカス位置よりも遠いアウトフォーカス位置において上記リモート溶接を行う一方、上記レーザー照射装置からの距離がジャストフォーカス位置よりも近いインフォーカス位置において上記フィラー溶接を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接システム。

請求項3

上記レーザー照射装置又は上記移動先端部には、上記リモート溶接が行われた上記溶接部位を監視するための監視センサが設けられており、上記制御装置は、上記リモート溶接が行われた上記溶接部位の全体のうち、上記監視センサによって溶接不良が検出されたいずれかの溶接部位に、上記フィラー溶接を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー溶接システム。

請求項4

上記制御装置は、上記ワークにおける上記溶接部位を複数の溶接領域に分け、該複数の溶接領域のうち、上記溶接不良が検出された部位を含むいずれかの溶接領域の全体に対して、上記フィラー溶接を行うよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載のレーザー溶接システム。

請求項5

上記制御装置は、上記レーザー照射装置によるレーザー光を、上記ワイヤ送出トーチの先端部から突出するフィラーワイヤに照射して該フィラーワイヤを切断し、該フィラーワイヤの先端位置を調整するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザー溶接システム。

請求項6

三次元に位置及び姿勢を変更可能な移動先端部を有するロボットと、上記移動先端部に取り付けられ、該移動先端部によって移動しながらワークにおける三次元の任意の溶接部位にレーザー光を照射可能なレーザー照射装置と、該レーザー照射装置又は上記移動先端部に取り付けられ、該レーザー照射装置によるレーザー光が照射される上記溶接部位へフィラーワイヤを送出可能なワイヤ送出トーチと、を用い、上記ワイヤ送出トーチ及び該ワイヤ送出トーチの先端部から突出する上記フィラーワイヤに上記レーザー照射装置によるレーザー光が照射される範囲を照射制限範囲として、該照射制限範囲外において、上記レーザー照射装置によるレーザー光を、焦点距離及び走査方向を変更しながら上記溶接部位に照射して溶接するリモート溶接と、上記ワイヤ送出トーチから上記フィラーワイヤを送出するとともに、上記レーザー照射装置によるレーザー光を上記溶接部位に照射して溶接するフィラー溶接とを、異なる時期に行うことを特徴とするレーザー溶接方法

技術分野

0001

本発明は、レーザー溶接システム及びレーザー溶接方法に関する。

背景技術

0002

従来より、リモートレーザー加工方法として、ロボット移動先端部に取り付けられたレーザー照射装置を三次元の任意の溶接部位に移動させて、レーザー照射装置から照射されるレーザー光によって、重ね合わされた2枚の母材レーザー溶接を行うことが知られている。例えば、特許文献1には、リモートレーザー加工を行うレーザー加工検知システムが開示されている。ところで、レーザー溶接を行う際に、2枚の母材の表面同士の間に所定の大きさ以上の隙間が生じたときには、この隙間から溶融物飛散し、レーザー光が照射された母材の表面に陥没穴又は貫通穴が形成されることがある。そのため、レーザー溶接を行う際には、2つの母材間に所定の大きさ以上の隙間が形成されないようにする必要がある。

0003

一方、母材の表面に陥没穴又は貫通穴が形成されることを防止するために、母材の表面にフィラーワイヤと呼ばれる金属材料を供給して、レーザー溶接を行うことが知られている。例えば、特許文献2のフィラーワイヤの先端位置合せ方法及びレーザー溶接装置においては、レーザー加工ヘッドに、レーザーノズルの先端部に対応した位置へフィラーワイヤを案内するワイヤ案内機構を設けることが開示されている。特許文献2においては、レーザーノズルの先端中央部を示すクロスラインと、撮像手段によって撮像したフィラーワイヤの先端部の撮像画面とを重ねてモニタに表示し、ワイヤ案内機構を調節して、フィラーワイヤの先端部をクロスラインの交差位置に合わせることが開示されている。

先行技術

0004

特開2012−35281号公報
特開2013−128968号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献2においては、リンク機構によって、ワイヤ案内機構のガイドパイプをレーザーノズルの先端部周辺から退避させるようにしている。そのため、リンク機構に生じる誤差の範囲内で、フィラーワイヤの先端位置が変動することになる。このことより、引用文献2においては、フィラーワイヤの先端位置を、レーザーノズルの先端中央部を示すクロスラインの交差位置に合わせる調節を適宜行う必要があり、装置の構造が複雑である。

0006

また、特許文献2においては、リンク機構によって、ワイヤ案内機構及びフィラーワイヤをレーザーノズルの先端部周辺から退避させたときには、フィラーワイヤを用いずにレーザー溶接を行うことが可能になると考えられる。しかし、特許文献2においては、レーザー加工ヘッドによるレーザー光の走査方向が固定されており、迅速にリモート溶接を行うことができない。そのため、リモート溶接の利点を活かして、1台のレーザー加工ヘッドによって、フィラーワイヤを用いないリモート溶接と、フィラーワイヤを用いたフィラー溶接とを両立させることができない。

0007

本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、レーザー光の照射制限範囲を設けるといった極めて簡単な構成によって、リモート溶接とフィラー溶接とを、同じレーザー照射装置を用いて行うことができるレーザー溶接システム及びレーザー溶接方法を提供しようとして得られたものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様は、三次元に位置及び姿勢を変更可能な移動先端部を有するロボットと、
上記移動先端部に取り付けられ、該移動先端部によって移動しながらワークにおける三次元の任意の溶接部位にレーザー光を照射可能なレーザー照射装置と、
該レーザー照射装置又は上記移動先端部に取り付けられ、該レーザー照射装置によるレーザー光が照射される上記溶接部位へフィラーワイヤを送出可能なワイヤ送出トーチと、
上記ロボット、上記レーザー照射装置及び上記ワイヤ送出トーチの動作を制御する制御装置と、を備え、
該制御装置は、上記ワイヤ送出トーチ及び該ワイヤ送出トーチの先端部から突出する上記フィラーワイヤに上記レーザー照射装置によるレーザー光が照射される範囲を照射制限範囲として、該照射制限範囲外において、上記レーザー照射装置によるレーザー光を、焦点距離及び走査方向を変更しながら上記溶接部位に照射して溶接するリモート溶接と、
上記ワイヤ送出トーチから上記溶接部位へ上記フィラーワイヤを送出するとともに、上記レーザー照射装置によるレーザー光を上記溶接部位に照射して溶接するフィラー溶接とを、異なる時期に行うことが可能に構成されていることを特徴とするレーザー溶接システムにある。

0009

また、本発明の他の態様は、三次元に位置及び姿勢を変更可能な移動先端部を有するロボットと、
上記移動先端部に取り付けられ、該移動先端部によって移動しながらワークにおける三次元の任意の溶接部位にレーザー光を照射可能なレーザー照射装置と、
該レーザー照射装置又は上記移動先端部に取り付けられ、該レーザー照射装置によるレーザー光が照射される上記溶接部位へフィラーワイヤを送出可能なワイヤ送出トーチと、を用い、
上記ワイヤ送出トーチ及び該ワイヤ送出トーチの先端部から突出する上記フィラーワイヤに上記レーザー照射装置によるレーザー光が照射される範囲を照射制限範囲として、該照射制限範囲外において、上記レーザー照射装置によるレーザー光を、焦点距離及び走査方向を変更しながら上記溶接部位に照射して溶接するリモート溶接と、
上記ワイヤ送出トーチから上記フィラーワイヤを送出するとともに、上記レーザー照射装置によるレーザー光を上記溶接部位に照射して溶接するフィラー溶接とを、異なる時期に行うことを特徴とするレーザー溶接方法にある。

発明の効果

0010

上記レーザー溶接システムは、同じレーザー照射装置を用いて、フィラーワイヤを用いないリモート(レーザー)溶接と、フィラーワイヤを用いたフィラー溶接とを、異なる時期に行うことができるものである。また、レーザー溶接システムは、レーザー照射装置によるレーザー光の走査可能範囲内に、ワイヤ送出トーチ及びワイヤ送出トーチの先端部から突出するフィラーワイヤが配置されたままの状態で、リモート溶接を行うことができるものである。

0011

具体的には、リモート溶接を行う際には、ワイヤ送出トーチ及びワイヤ送出トーチの先端部から突出するフィラーワイヤにレーザー光が照射される範囲が、照射制限範囲として設定される。そして、リモート溶接は、レーザー光の焦点距離及び走査方向を変更可能なレーザー照射装置によって、照射制限範囲外にレーザー光を走査して行う。これにより、リモート溶接を行う際に、ワイヤ送出トーチ及びフィラーワイヤにレーザー光が照射されない。そのため、ワイヤ送出トーチ及びフィラーワイヤがレーザー光の走査可能範囲内に配置されたままの状態で、リモート溶接を行うことができる。

0012

一方、フィラー溶接を行う際には、ワイヤ送出トーチから溶接部位へフィラーワイヤを送出するとともに、レーザー照射装置によるレーザー光を溶接部位に照射する。これにより、同じレーザー照射装置を用いてフィラー溶接を行うことができる。
それ故、上記レーザー溶接システムによれば、レーザー光の照射制限範囲を設けるといった極めて簡単な構成によって、リモート溶接とフィラー溶接とを、同じレーザー照射装置を用いて行うことができる。

0013

また、上記レーザー溶接方法によっても、レーザー溶接システムの場合と同様に、レーザー光の照射制限範囲を設けるといった極めて簡単な構成によって、リモート溶接とフィラー溶接とを、同じレーザー照射装置を用いて行うことができる。

図面の簡単な説明

0014

実施例にかかる、レーザー溶接システムを示す斜視説明図。
実施例にかかる、レーザー溶接システムの電気的構成を示すブロック図。
実施例にかかる、レーザー溶接システムによってリモート溶接を行う状態を示す説明図。
実施例にかかる、レーザー溶接システムによってフィラー溶接を行う状態を示す説明図。
実施例にかかる、レーザー光の走査可能範囲内における照射制限範囲を、レーザー光の照射方向から見た状態で示す説明図。
実施例にかかる、レーザー溶接システムによってリモート溶接及びフィラー溶接を行うワークを示す説明図。
実施例にかかる、レーザー光によって、ワイヤ送出トーチから突出するフィラーワイヤを切断する状態を示す説明図。

0015

上述したレーザー溶接システムにおける好ましい実施の形態について説明する。
上記レーザー溶接システムにおいては、上記レーザー光の焦点を合わせることができる走査可能範囲は、上記レーザー照射装置によるレーザー光の走査方向による真円、楕円等の断面形状を有する円錐状の範囲のうち、上記レーザー照射装置によって焦点を合わせることが可能な最小焦点距離と最大焦点距離とによって規制される範囲とすることができる。

0016

また、上記照射制限範囲は、上記レーザー照射装置によるレーザー光の走査方向による真円、楕円等の走査可能断面のうち、この走査可能断面の中心の回りに扇状に形成される所定角度の範囲内として、上記制御装置に設定することができる。この照射制限範囲は、リモート溶接を行う際に、レーザー照射装置によってレーザー光を照射することができない走査方向として、制御装置に設定される。

0017

また、上記フィラー溶接は、上記リモート溶接を行うことが困難な溶接部位に行うことができる。また、フィラー溶接は、例えば、ワークとしての2つの母材が合わさる端部への隅肉溶接として行うことができる。

0018

また、上記制御装置は、上記レーザー照射装置からの距離がジャストフォーカス位置よりも遠いアウトフォーカス位置において上記リモート溶接を行う一方、上記レーザー照射装置からの距離がジャストフォーカス位置よりも近いインフォーカス位置において上記フィラー溶接を行うよう構成されていてもよい。

0019

この場合には、アウトフォーカス位置においてリモート溶接を行うことにより、レーザー照射装置からワークの溶接部位までの焦点距離を長くして、ワイヤ送出トーチがワークの溶接部位に干渉しにくくすることができる。また、インフォーカス位置においてフィラー溶接を行うことにより、ワイヤ送出トーチの先端部をレーザー照射装置に近い位置に配置することができ、ワイヤ送出トーチをコンパクトに形成することができる。

0020

また、上記レーザー照射装置又は上記移動先端部には、上記リモート溶接が行われた上記溶接部位を監視するための監視センサが設けられており、上記制御装置は、上記リモート溶接が行われた上記溶接部位の全体のうち、上記監視センサによって溶接不良が検出されたいずれかの溶接部位に、上記フィラー溶接を行うよう構成されていてもよい。

0021

この場合には、リモート溶接を行う際には、ロボットの移動先端部によって移動させるレーザー照射装置によるレーザー光の焦点距離及び走査方向を任意に変更することができ、迅速な溶接を行うことができる。これにより、リモート溶接の利点を極力活用して、ワークに対する溶接の加工時間を短く維持することができる。
一方、リモート溶接による溶接部位に溶接不良が生じたことを監視センサが検出した場合には、フィラー溶接を行うことによって、溶接不良が生じた溶接部位を補修することができる。これにより、レーザー溶接システムによる溶接の品質を維持することができる。

0022

また、上記制御装置は、上記ワークにおける上記溶接部位を複数の溶接領域に分け、該複数の溶接領域のうち、上記溶接不良が検出された部位を含むいずれかの溶接領域の全体に対して、上記フィラー溶接を行うよう構成されていてもよい。
この場合には、制御装置は、溶接領域ごとに溶接不良の有無を監視して、溶接不良が検出された部位を含む溶接領域を特定する。そして、溶接不良が検出された部位を含むいずれかの溶接領域の全体に対してフィラー溶接を行うことにより、溶接不良が生じた位置の座標にレーザー照射装置を正確に移動させる必要がなくなる。これにより、フィラー溶接を行う際の制御装置によるロボット及びレーザー照射装置の制御を簡単にすることができる。

0023

また、上記制御装置は、上記レーザー照射装置によるレーザー光を、上記ワイヤ送出トーチの先端部から突出するフィラーワイヤに照射して該フィラーワイヤを切断し、該フィラーワイヤの先端位置を調整するよう構成されていてもよい。
この場合には、フィラー溶接を開始する前に、簡単な方法によってフィラーワイヤの先端位置を規定の位置に調整することができる。そのため、フィラーワイヤの先端位置を規定の位置にするために特別な位置合わせを行う必要がなく、フィラー溶接を行う装置の構成を簡単にすることができる。

0024

以下に、レーザー溶接システム及びレーザー溶接方法にかかる実施例について、図面を参照して説明する。
本例のレーザー溶接システム1は、図1図2に示すように、ロボット2、レーザー照射装置3、ワイヤ送出トーチ4及び制御装置6を備えている。ロボット2は、三次元に位置及び姿勢を変更可能な移動先端部21を有している。レーザー照射装置3は、移動先端部21に取り付けられており、移動先端部21によって移動しながらワーク8における三次元の任意の溶接部位81にレーザー光Xを照射可能に構成されている。ワイヤ送出トーチ4は、レーザー照射装置3又は移動先端部21に取り付けられており、レーザー光Xが照射される溶接部位81へフィラーワイヤ82を送出可能に構成されている。制御装置6は、ロボット2、レーザー照射装置3及びワイヤ送出トーチ4の動作を制御するよう構成されている。

0025

制御装置6は、図3図4に示すように、フィラーワイヤ82を用いないレーザー溶接としてのリモート溶接と、フィラーワイヤ82を用いたレーザー溶接としてのフィラー溶接とを、異なる時期に行うことが可能である。リモート溶接においては、図5に示すように、レーザー光Xの走査が可能な走査可能範囲Rのうち、ワイヤ送出トーチ4及びワイヤ送出トーチ4の先端部41から突出するフィラーワイヤ82にレーザー照射装置3によるレーザー光Xが照射される範囲が照射制限範囲R1として設定される。

0026

そして、リモート溶接においては、図3に示すように、照射制限範囲R1を除く走査可能範囲R内において、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを、焦点距離及び走査方向を変更しながら溶接部位81に照射して溶接を行う。一方、フィラー溶接においては、図4に示すように、ワイヤ送出トーチ4から溶接部位81へフィラーワイヤ82を送出するとともに、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを溶接部位81に照射して溶接を行う。
ここで、レーザー照射装置3による焦点距離とは、レーザー照射装置3から焦点位置Jまでのレーザー光Xの照射距離のことをいう。また、レーザー照射装置3による走査方向とは、レーザー照射装置3から出射されるレーザー光Xの方向のことをいう。

0027

以下に、本例のレーザー溶接システム1及びレーザー溶接方法について、図1図7を参照して詳説する。
図1に示すごとく、本例のレーザー溶接システム1は、ロボット2の移動先端部21に取り付けられたレーザー照射装置3によって、ワーク8における溶接部位81にレーザー光Xを順次照射してリモートレーザー溶接を行うよう構成されている。本例のレーザー溶接システム1は、ロボット2の移動先端部21の位置及び姿勢、並びにレーザー照射装置3によるレーザー光Xの照射位置教示データに基づいて動作する。

0028

図1図6に示すように、本例のワーク8としての母材は、自動車の車体7において、互いに重ね合わされた自動車用鋼板であり、レーザー溶接システム1は、自動車用鋼板同士の溶接を行う。レーザー照射装置3によるワーク8の溶接部位81へのレーザー光Xの照射は、直線状、曲線状等の連続したライン状に行うことができ、円形楕円形長円形等の形状に行うこともできる。

0029

図5に示すように、照射制限範囲R1は、レーザー照射装置3によるレーザー光Xの走査方向による真円、楕円等の走査可能断面A(図3図4参照)のうち、この走査可能断面Aの中心の回りに扇状に形成される所定角度の範囲内として、制御装置6に設定されている。この照射制限範囲R1は、リモート溶接を行う際に、レーザー照射装置3によってレーザー光Xを照射することができない走査方向として設定されている。

0030

図1に示すように、レーザー照射装置3によってレーザー光Xの焦点を合わせることができる走査可能範囲Rは、レーザー照射装置3によるレーザー光Xの走査方向による真円、楕円等の断面形状を有する円錐状の範囲のうち、レーザー照射装置3によって焦点を合わせることが可能な最小焦点距離と最大焦点距離とによって規制される範囲である。同図において、走査可能範囲Rを点線によって示す。

0031

図2に示すように、コンピュータから構成された制御装置6においては、ロボット2の移動先端部21の位置及び姿勢、並びにレーザー照射装置3によるレーザー光Xの照射位置が教示された複数の教示点ティーチングポイント)が制御プログラムPとして編集されている。
本例のロボット2は、サーボモータによって駆動される複数(本例では6つ)の関節軸を備えた多関節ロボットであり、移動先端部21は、多関節ロボットを構成する複数のリンクの先端部として形成されている。制御装置6には、作業者によって操作可能な教示ペンダント61が設けられている。ロボット2の移動先端部21の位置及び姿勢、並びにレーザー照射装置3によるレーザー光Xの照射位置は、教示ペンダント61を用いて教示され、制御プログラムPとして制御装置6に記憶される。

0032

作業者が教示ペンダント61を用いて、各溶接部位81について、移動先端部21の位置及び姿勢、並びにレーザー照射装置3によるレーザー光Xの照射位置の教示を行う際には、レーザー光Xの代わりに、可視光照射手段によって、可視光をワーク8の各溶接部位81に照射することができる。
レーザー溶接システム1においては、レーザー照射装置3に伝送するレーザー光Xを発生させる発振機チラー等のエネルギー発生装置30が設置されている。エネルギー発生装置30からファイバーケーブル等を介してレーザー照射装置3にレーザー光Xが伝送される。

0033

図1に示すように、レーザー照射装置3は、エネルギー発生装置30から伝送されるレーザー光Xの焦点距離を可変させる焦点レンズ31と、焦点レンズ31を通過したレーザー光Xの走査方向を可変させる反射ミラー32とを有している。反射ミラー32によって、溶接部位81に対するレーザー光Xの平面方向の照射位置が調整され、焦点レンズ31によって、溶接部位81に対するレーザー光Xの略垂直方向の照射距離が調整される。

0034

図3に示すように、リモート溶接は、ロボット2によってレーザー照射装置3が移動している最中に、溶接部位81が、レーザー照射装置3における走査可能範囲R内に入ったときに行う。レーザー照射装置3は、レーザー光Xの照射位置として教示された溶接部位81が、走査可能範囲R内に入ったときには、焦点距離及び走査方向を適宜変更して、この溶接部位81にレーザー光Xを照射することができる。ただし、レーザー光Xの走査方向が照射制限範囲R1を介して溶接部位81(照射位置)に向けられるときには、レーザー光Xの照射は行われない。

0035

図1に示すように、フィラーワイヤ82は、自動車用鋼板に溶融させる金属材料から構成されている。ワイヤ送出トーチ4は、フィラー溶接を行う際に、フィラーワイヤ82を所定の速度で溶接部位81へ送り出すよう構成されている。ロボット2の移動先端部21の位置に対する、ワイヤ送出トーチ4の先端部41の位置は固定されている。ロボット2の適宜箇所には、ワイヤ送出トーチ4へフィラーワイヤ82を供給するワイヤ供給装置40が取り付けられている。
また、フィラー溶接を行う際には、ワイヤ送出トーチ4の先端部41から溶接部位81にアシストガスシールドガス)が吹き付けられる。

0036

図4に示すように、フィラー溶接を行う際の、レーザー照射装置3によるレーザー光Xの走査方向は、ワイヤ送出トーチ4から突出するフィラーワイヤ82に向けられる。そして、このレーザー光Xの走査方向はほぼ一定である。また、図7に示すように、制御装置6は、ワーク8の溶接部位81にフィラー溶接を開始する直前又はフィラー溶接を終了した直後に、レーザー光Xを、ワイヤ送出トーチ4の先端部41から突出するフィラーワイヤ82に照射してフィラーワイヤ82を切断し、フィラーワイヤ82の先端位置821を規定位置に調整するよう構成されている。これにより、フィラーワイヤ82の先端位置821を規定の位置にするために特別な位置合わせを行う必要がなく、フィラー溶接を行う装置の構成を簡単にすることができる。

0037

本例におけるリモート溶接及びフィラー溶接は、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを、溶接部位81にジャストフォーカスさせずに行う(溶接部位81に焦点位置を合わせずに行う)。具体的には、制御装置6は、図3に示すように、レーザー照射装置3からの距離がジャストフォーカス位置(焦点位置)Jよりも遠いアウトフォーカス位置Oにおいてリモート溶接を行う一方、図4に示すように、レーザー照射装置3からの距離がジャストフォーカス位置Jよりも近いインフォーカス位置Iにおいてフィラー溶接を行う。

0038

アウトフォーカス位置Oにおいてリモート溶接を行うことにより、レーザー照射装置3からワーク8の溶接部位81までの焦点距離を長くして、ワイヤ送出トーチ4がワーク8の溶接部位81に干渉しにくくすることができる。一方、インフォーカス位置Iにおいてフィラー溶接を行うことにより、ワイヤ送出トーチ4の先端部41をレーザー照射装置3に近い位置に配置することができ、ワイヤ送出トーチ4をコンパクトに形成することができる。

0039

ジャストフォーカス位置Jにおいては、レーザー照射装置3から出射されるレーザー光Xの円形、楕円形等の照射断面が最も絞られる。アウトフォーカス位置Oは、レーザー照射装置3から出射されるレーザー光Xの円形、楕円形等の照射断面の大きさが、ジャストフォーカス位置Jから大きくなる途中の位置である。また、インフォーカス位置Iは、レーザー照射装置3から出射されるレーザー光Xの円形、楕円形等の照射断面の大きさが、ジャストフォーカス位置Jに向けて小さくなる途中の位置である。

0040

本例のレーザー溶接システム1においては、ワーク8における溶接部位81にリモート溶接を行い、リモート溶接を行った溶接部位81に、陥没穴又は貫通穴の溶接不良がないかを監視する。そして、溶接不良があった溶接部位81には、フィラー溶接を行って溶接部位81の補修を行う。
具体的には、図1に示すように、レーザー照射装置3には、リモート溶接が行われた溶接部位81を監視するための監視センサ5が設けられている。監視センサ5は、種々のカメラレーザーセンサ等によって構成することができる。監視センサ5は、リモート溶接が行われた溶接部位81の表面を計測して、この表面に溶接不良としての陥没穴又は貫通穴(穴開き)が形成されていないかを監視する。

0041

また、図6に示すように、制御装置6は、ワーク8における溶接部位81を複数の溶接領域811に分け、監視センサ5によって検出される溶接不良がどの溶接領域811に発生したかを検出する。そして、制御装置6は、リモート溶接が行われた複数の溶接領域811の全体のうち、溶接不良が検出された部位を含むいずれかの溶接領域811の全体に対して、フィラー溶接を行う。これにより、溶接不良が生じた位置の座標にロボット2の移動先端部21及びレーザー照射装置3を正確に移動させる必要がなくなる。そして、フィラー溶接により補修を行う溶接部位81を、溶接領域811ごとに管理することができる。これにより、フィラー溶接を行う際の制御装置6によるロボット2及びレーザー照射装置3の制御を簡単にすることができる。
なお、フィラー溶接は、ワーク8としての自動車用鋼板における複数の溶接部位81のうち、リモート溶接を行うことが困難な溶接部位81に行うこともできる。

0042

レーザー溶接システム1は、同じレーザー照射装置3を用いて、フィラーワイヤ82を用いないリモート溶接と、フィラーワイヤ82を用いたフィラー溶接とを、異なる時期に行うことができる。また、レーザー溶接システム1は、レーザー照射装置3によるレーザー光Xの走査可能範囲R内に、ワイヤ送出トーチ4及びワイヤ送出トーチ4の先端部41から突出するフィラーワイヤ82が配置されたままの状態で、リモート溶接を行うことができる。

0043

リモート溶接を行う際には、レーザー光Xの走査可能範囲Rのうち、ワイヤ送出トーチ4及びワイヤ送出トーチ4の先端部41から突出するフィラーワイヤ82にレーザー光Xが照射される範囲が、照射制限範囲R1として設定される。そして、リモート溶接は、ロボット2の移動先端部21によってレーザー照射装置3が移動する最中に、レーザー照射装置3によるレーザー光Xの焦点距離及び走査方向を変更しながら、照射制限範囲R1を除くレーザー光Xの走査可能範囲R内に溶接部位81が入ったときに行われる。これにより、リモート溶接を行う際には、ワイヤ送出トーチ4及びフィラーワイヤ82にレーザー光Xが照射されず、ワイヤ送出トーチ4及びフィラーワイヤ82がレーザー光Xの走査可能範囲R内に配置されたままで、リモート溶接を行うことができる。

0044

一方、フィラー溶接を行う際には、ワイヤ送出トーチ4から溶接部位81へフィラーワイヤ82を送出するとともに、レーザー照射装置3によるレーザー光Xを溶接部位81に照射する。これにより、同じレーザー照射装置3を用いてフィラー溶接を行うことができる。そのため、レーザー溶接システム1及びレーザー溶接方法によれば、レーザー光Xの照射制限範囲R1を設けるといった極めて簡単な構成によって、リモート溶接とフィラー溶接とを、同じレーザー照射装置3を用いて行うことができる。

実施例

0045

また、本例においては、溶接部位81の全体にリモート溶接を行った後、リモート溶接による溶接不良があった溶接部位81にのみフィラー溶接を行う。リモート溶接を行う際には、レーザー光Xの焦点距離及び走査方向を走査可能範囲R内で任意に変更することができ、迅速な溶接を行うことができる。これにより、リモート溶接の利点を極力活用して、ワーク8に対する溶接の加工時間を短く維持することができる。
一方、リモート溶接による溶接部位81に溶接不良が生じた場合には、フィラー溶接を行うことによって、溶接不良が生じた溶接部位81を補修することができる。これにより、レーザー溶接システム1による溶接の品質を維持することができる。

0046

1レーザー溶接システム
2ロボット
21移動先端部
3レーザー照射装置
4ワイヤ送出トーチ
41 先端部
5監視センサ
6制御装置
8 ワーク
81溶接部位
811溶接領域
82フィラーワイヤ
Xレーザー光
R1照射制限範囲
Jジャストフォーカス位置
Oアウトフォーカス位置
Iインフォーカス位置

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