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技術 研磨装置、塗布膜形成装置、塗布膜形成方法、記憶媒体、パターン形成方法及びパターン形成装置

出願人 東京エレクトロン株式会社
発明者 小林真二山内剛
出願日 2015年9月18日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2015-185717
公開日 2016年8月18日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2016-149525
状態 特許登録済
技術分野 洗浄、機械加工 感光性樹脂・フォトレジストの処理 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 半導体の露光(電子、イオン線露光を除く)
主要キーワード 中段ブロック 洗浄用部材 周縁下方 セーム皮 円筒領域 上段ブロック 窒素ガスノズル ブロック共重合体膜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月18日)のものです。
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図面 (20)

課題

表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜の表面を平坦化する技術を提供する。

解決手段

塗布膜を硬化する前に塗布膜の表面及び研磨部材添加液により濡れた状態としながらポリビニールアルコール、またはポリエチレン製の研磨部材により研磨している。このためパターン92へのダメージを抑制しながら塗布膜9を除去することができる。またポリビニールアルコール性の研磨部材40を用いる際には、ウエハWに供給した純水に窒素ガスを吹き付けて、研磨部材40に供給される純水の液量を規制するようにしている。更にSOC膜塗布装置に、塗布ユニット2と、研磨ユニット3と、加熱ユニット5と、を設けているため、研磨装置加熱装置に搬送する必要がなく、装置間の搬送にかかる時間の短縮や、研磨装置や加熱装置の設置コストの削減をすることができる。

概要

背景

半導体デバイスの製造工程においては、段差を有する基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)の上に薄膜を積層して平坦化する工程を行う場合がある。例えば基板の上に形成されたパターンの所定の部位をエッチングするためのエッチングマスクは、基板上に薄膜が形成された後、この薄膜の上に形成したレジストパターンを用いてエッチングすることにより作成される。

エッチングマスクとなる薄膜としては、炭素を主成分とする、例えば炭素の含有割合が80〜90%である有機膜からなるSOC(Spin On Cap)膜などと呼ばれている塗布膜が知られており、この塗布膜は、塗布膜の前駆体を含む薬液を例えば基板上にスピンコーティングした後、架橋反応により硬化させることにより得られる。一方、レジストパターンは、基板上にレジスト液を塗布した後、パターンマスクを用いて露光し、次いで現像処理を行うことにより形成されるが、露光時におけるフォーカスエラーを生じさせないようにするために、SOC膜の表面を平坦化する必要がある。SOC膜の下層側には段差が形成されているため、加熱処理により硬化させた塗布膜の表面には緩やかな段差が発生してしまう。

そこで、塗布膜の表面の平坦化方法としては、塗布膜の表面を研磨剤を含むスラリーを供給しながら研磨するCMP(Chemical Mechanical Polishing)が知られている。しかしながらSOC膜は、非常に硬度が高いためCMPにより研磨する場合に、大きな負荷が必要となりパターンにダメージが及んだりパターンが削れてエロージョンと呼ばれる状態になってしまい平坦化することが難しい。近年のパターンの微細化に伴い、平坦化の精度の要求が高くなっているため問題となっていた。

特許文献1には、絶縁膜として用いられるSOG(Spin On Glass)膜において、硬化させる前にウレタン製のブラシを用いて研磨して平坦化する技術が記載されている。この技術をSOC膜に適用してもSOC膜は硬度が高いため十分に研磨できないおそれがある。

また特許文献2には平坦化用の膜の最低標高部が平坦化用の膜の下層膜最高標高部より高くなるように成膜し、切削あるいは、拭取りにより平坦化する技術が記載されている。しかしながらSOG膜において平坦化する方法であり、SOC膜においては十分に研磨できないおそれがあった。

更にまた最近において、マスクパターンについてより一層の微細化を図るために、ブロック共重合体自己組織的に配列する性質を利用する自己組織的リソグラフィー技術の実用化が検討されている(特許文献3)。ブロック共重合体としては例えばポリスチレン(PS)とポリメチルメタクリレートPMMA)とを含むものが知られている。この技術は例えば基板上に形成されたレジストパターンに、ブロック共重合体を溶剤に溶解してなる薬液を塗布して塗布膜を形成し、次いで基板を加熱するとPSとPMMAとが相分離し、規則的に配列され、溶剤によりPMMAを溶解させることによりPMMAが抜けたパターンが形成される。例えばホールを含むマスクを形成する場合、レジストに形成されたホール内に満たされたブロック共重合体において上面で見て中央部に位置する円筒状のPMMAとPMMAの周囲を囲むPSとに分離され、PMMAが除去されることで、ホール径がPSS残留分だけ小さくなる。

塗布膜を形成するにあたって、ホール群配列密度が大きい領域(パターンが密の領域)と小さい領域(パターンが疎の領域)とが併存している場合には、パターンが疎の領域の方がパターン内に塗布液入り込む量が少なくなるので、基板上における塗布膜の膜厚がパターンが密の領域に比べて大きくなる。しかしながらブロック共重合体からなる塗布膜の膜厚が大きい領域では、ブロック共重合体の相分離が適切に行われないという課題がある。

概要

表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜の表面を平坦化する技術を提供する。塗布膜を硬化する前に塗布膜の表面及び研磨部材添加液により濡れた状態としながらポリビニールアルコール、またはポリエチレン製の研磨部材により研磨している。このためパターン92へのダメージを抑制しながら塗布膜9を除去することができる。またポリビニールアルコール性の研磨部材40を用いる際には、ウエハWに供給した純水に窒素ガスを吹き付けて、研磨部材40に供給される純水の液量を規制するようにしている。更にSOC膜塗布装置に、塗布ユニット2と、研磨ユニット3と、加熱ユニット5と、を設けているため、研磨装置加熱装置に搬送する必要がなく、装置間の搬送にかかる時間の短縮や、研磨装置や加熱装置の設置コストの削減をすることができる。

目的

本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜の表面を平坦化する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を、硬化させる前に研磨して平坦化する研磨装置であって、前記基板を保持する基板保持部と、前記基板の表面の塗布膜を研磨するためのポリビニールアルコールまたはポリエチレンからなる研磨部材と、前記研磨部材を前記基板保持部に保持された基板の表面に沿って相対的に移動させる駆動部と、前記研磨部材と基板の表面とを濡れた状態とするために添加液を供給する添加液供給部と、を備えたことを特徴とする研磨装置。

請求項2

前記駆動部は、前記基板保持部を回転する回転機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の研磨装置。

請求項3

前記添加液供給部は、基板の回転方向において基板と研磨部材との接触部位から離れた位置に添加液を供給するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の研磨装置。

請求項4

前記研磨体はポリビニールアルコールからなり、前記基板の回転方向において、添加液供給部による添加液の供給位置と前記接触部位との間に、研磨部材に向かって流れる添加液の液量を規制する規制部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。

請求項5

塗布膜の表面の高さを測定するための測定部と、前記測定部により測定された測定結果に基づいて塗布膜の表面の高さ分布を求め、求めた高さ分布に基づいて、研磨量を調整する調整因子研磨位置に応じて制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の研磨装置。

請求項6

前記塗布膜の全面を研磨するために当該全面を走査する走査回数は複数回設定され、前記制御部は、n(nは1以上の自然数回目の走査により研磨された塗布膜の表面の高さ分布に基づいて(n+1)回目の走査において前記調整因子を制御することを特徴とする請求項5記載の研磨装置。

請求項7

前記研磨部材は多孔質体により構成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の研磨装置。

請求項8

塗布膜の高さ分布を測定する膜厚測定部を備え、前記膜厚測定部により測定された塗布膜の高さ分布に応じて、塗布膜の研磨量を調整しながら前記研磨部材を前記基板保持部に保持された基板の表面に沿って相対的に移動させて研磨することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の研磨装置。

請求項9

表面に段差を有する基板の上に塗布膜を形成する装置において、前記塗布膜の前駆物質を含む薬液を前記基板の表面に塗布する塗布部と、請求項1ないし8のいずれか一項に記載された研磨装置と、前記研磨装置により研磨された基板上の塗布膜を加熱処理して架橋反応により硬化させる加熱処理部と、を備えたことを特徴とする塗布膜形成装置

請求項10

表面に段差を有する基板の上に炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を形成する方法において、前記塗布膜の前駆物質を含む薬液を前記基板の表面に塗布する工程と、この工程により前記基板の表面に形成された塗布膜に対して硬化前に、ポリビニールアルコールまたはポリエチレンからなる研磨部材により、当該研磨部材と基板の表面とを濡れた状態とするために添加液を供給しながら、当該塗布膜を研磨して平坦化する工程と、次いで、前記塗布膜を架橋反応により硬化させる工程と、を含むことを特徴とする塗布膜形成方法

請求項11

前記塗布膜を研磨して平坦化する工程は、前記基板を回転させながら前記基板の表面に添加液供給部から添加液を供給する工程と、この添加液が流れる部位に研磨部材を接触させる工程と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の塗布膜形成方法。

請求項12

前記研磨部材はポリビニールアルコールからなり、基板の周方向において前記添加液供給部による添加液の供給位置と研磨部材との間に、研磨部材に向かって流れる添加液の液量を規制する工程を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の塗布膜形成方法。

請求項13

前記研磨部材は多孔質体により構成されることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。

請求項14

膜厚測定部により塗布膜の高さ分布を測定する工程を含み、塗布膜を研磨して平坦化する工程は、前記膜厚測定部により測定された塗布膜の高さ分布に応じて、前記研磨部材を基板の表面に沿って相対的に移動させながら塗布膜の研磨量を調整して研磨することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。

請求項15

表面に段差を有する基板の上に炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を形成する装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項10ないし14のいずれか一項に記載された塗布膜形成方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。

請求項16

ガイド用のパターンが形成された基板上に、互いに種類が異なる第1のポリマー及び第2のポリマーを含むブロック共重合体溶剤に溶解した塗布液を塗布して当該ブロック共重合体の塗布膜を形成する工程と、前記基板を第1の温度で加熱して前記塗布膜中の溶剤を揮発させる工程と、その後、前記塗布膜を研磨部材により研磨して平坦化する研磨工程と、次に、前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱して前記第1のポリマー及び第2のポリマーを互いに分離する工程と、しかる後、ポリマー除去用の溶剤を前記塗布膜に供給して、前記第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの一方を溶解して除去する工程と、を含むことを特徴とするパターン形成方法

請求項17

前記第1の温度は、80〜120℃であり、前記第2の温度は、150〜400℃であることを特徴とする請求項16に記載のパターン形成方法。

請求項18

前記基板上に塗布膜を形成した後、前記研磨工程の前に、塗布膜に紫外線照射して当該塗布膜の表面を親水性にする処理を行うことを特徴とする請求項16または17に記載のパターン形成方法。

請求項19

前記研磨工程の後に、当該研磨工程時に発生した削り滓を除去するために基板上に洗浄液を供給する工程を行うことを特徴とする請求項16ないし18のいずれか一項に記載のパターン形成方法。

請求項20

前記洗浄液は、前記ブロック共重合体を溶かす溶剤であることを特徴とする請求項19に記載のパターン形成方法。

請求項21

基板に形成されたガイド用のパターン内にブロック共重合体の相分離を利用して、分離されずに残ったポリマーで覆われたパターンを形成するための装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項16ないし20のいずれか一項に記載されたパターン形成方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。

請求項22

基板上にレジスト膜を形成し、露光後のレジスト膜を現像してガイド用のパターンを形成するためのモジュール群と、前記ガイド用のパターンが形成された基板の上に、互いに種類が異なる第1のポリマー及び第2のポリマーを含むブロック共重合体を溶剤に溶解した塗布液を塗布して当該ブロック共重合体の塗布膜を形成するためのモジュールと、前記塗布膜中の溶剤を揮発させるために基板を第1の温度で加熱するためのモジュールと、前記第1の温度で加熱された塗布膜を研磨部材により研磨して平坦化するためのモジュールと、前記第1のポリマー及び第2のポリマーを互いに分離するために前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱するためのモジュールと、前記第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの一方を溶解して除去するための溶剤を前記塗布膜に供給するためのモジュールと、前記モジュールの間で基板を搬送するための基板搬送機構と、を備えたことを特徴とするパターン形成装置

技術分野

0001

本発明は、表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を、硬化させる前に研磨して平坦化する技術に関する。更にまた本発明は、少なくとも2種類のポリマーを含み、相分離するためのブロック共重合体を用いてパターンを形成する技術に関する。

背景技術

0002

半導体デバイスの製造工程においては、段差を有する基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)の上に薄膜を積層して平坦化する工程を行う場合がある。例えば基板の上に形成されたパターンの所定の部位をエッチングするためのエッチングマスクは、基板上に薄膜が形成された後、この薄膜の上に形成したレジストパターンを用いてエッチングすることにより作成される。

0003

エッチングマスクとなる薄膜としては、炭素を主成分とする、例えば炭素の含有割合が80〜90%である有機膜からなるSOC(Spin On Cap)膜などと呼ばれている塗布膜が知られており、この塗布膜は、塗布膜の前駆体を含む薬液を例えば基板上にスピンコーティングした後、架橋反応により硬化させることにより得られる。一方、レジストパターンは、基板上にレジスト液を塗布した後、パターンマスクを用いて露光し、次いで現像処理を行うことにより形成されるが、露光時におけるフォーカスエラーを生じさせないようにするために、SOC膜の表面を平坦化する必要がある。SOC膜の下層側には段差が形成されているため、加熱処理により硬化させた塗布膜の表面には緩やかな段差が発生してしまう。

0004

そこで、塗布膜の表面の平坦化方法としては、塗布膜の表面を研磨剤を含むスラリーを供給しながら研磨するCMP(Chemical Mechanical Polishing)が知られている。しかしながらSOC膜は、非常に硬度が高いためCMPにより研磨する場合に、大きな負荷が必要となりパターンにダメージが及んだりパターンが削れてエロージョンと呼ばれる状態になってしまい平坦化することが難しい。近年のパターンの微細化に伴い、平坦化の精度の要求が高くなっているため問題となっていた。

0005

特許文献1には、絶縁膜として用いられるSOG(Spin On Glass)膜において、硬化させる前にウレタン製のブラシを用いて研磨して平坦化する技術が記載されている。この技術をSOC膜に適用してもSOC膜は硬度が高いため十分に研磨できないおそれがある。

0006

また特許文献2には平坦化用の膜の最低標高部が平坦化用の膜の下層膜最高標高部より高くなるように成膜し、切削あるいは、拭取りにより平坦化する技術が記載されている。しかしながらSOG膜において平坦化する方法であり、SOC膜においては十分に研磨できないおそれがあった。

0007

更にまた最近において、マスクパターンについてより一層の微細化を図るために、ブロック共重合体が自己組織的に配列する性質を利用する自己組織的リソグラフィー技術の実用化が検討されている(特許文献3)。ブロック共重合体としては例えばポリスチレン(PS)とポリメチルメタクリレートPMMA)とを含むものが知られている。この技術は例えば基板上に形成されたレジストパターンに、ブロック共重合体を溶剤に溶解してなる薬液を塗布して塗布膜を形成し、次いで基板を加熱するとPSとPMMAとが相分離し、規則的に配列され、溶剤によりPMMAを溶解させることによりPMMAが抜けたパターンが形成される。例えばホールを含むマスクを形成する場合、レジストに形成されたホール内に満たされたブロック共重合体において上面で見て中央部に位置する円筒状のPMMAとPMMAの周囲を囲むPSとに分離され、PMMAが除去されることで、ホール径がPSS残留分だけ小さくなる。

0008

塗布膜を形成するにあたって、ホール群配列密度が大きい領域(パターンが密の領域)と小さい領域(パターンが疎の領域)とが併存している場合には、パターンが疎の領域の方がパターン内に塗布液入り込む量が少なくなるので、基板上における塗布膜の膜厚がパターンが密の領域に比べて大きくなる。しかしながらブロック共重合体からなる塗布膜の膜厚が大きい領域では、ブロック共重合体の相分離が適切に行われないという課題がある。

先行技術

0009

特許第4675803号公報
特開平9−82616号公報
特開2013−232621

発明が解決しようとする課題

0010

本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜の表面を平坦化する技術を提供することにある。本発明の他の目的は、ブロック共重合体の塗布膜について、ガイド用のパターンに起因して塗布膜の膜厚差が生じても、相分離を良好に行うことができ、良好なパターンを形成することができる技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明の研磨装置は、表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を、硬化させる前に研磨して平坦化する研磨装置であって、
前記基板を保持する基板保持部と、
前記基板の表面の塗布膜を研磨するためのポリビニールアルコールまたはポリエチレンからなる研磨部材と、
前記研磨部材を前記基板保持部に保持された基板の表面に沿って相対的に移動させる駆動部と、
前記研磨部材と基板の表面とを濡れた状態とするために添加液を供給する添加液供給部と、を備えたことを特徴とする。

0012

本発明の塗布膜形成装置は、表面に段差を有する基板の上に形成され、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を形成する装置において、
前記塗布膜の前駆物質を含む薬液を前記基板の表面に塗布する塗布部と、
上述の研磨装置と、
前記研磨装置により研磨された基板上の塗布膜を加熱処理して架橋反応により硬化させる加熱処理部と、を備えたことを特徴とする。

0013

本発明の塗布膜形成方法は、表面に段差を有する基板の上に炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を形成する方法において、
前記塗布膜の前駆物質を含む薬液を前記基板の表面に塗布する工程と、
この工程により前記基板の表面に形成された塗布膜に対して硬化前に、ポリビニールアルコールまたはポリエチレンからなる研磨部材により、当該研磨部材と基板の表面とを濡れた状態とするために添加液を供給しながら、当該塗布膜を研磨して平坦化する工程と、
次いで、前記塗布膜を架橋反応により硬化させる工程と、を含むことを特徴とする。

0014

本発明の記憶媒体は、表面に段差を有する基板の上に炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を形成する装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の塗布膜形成方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。

0015

他の発明である塗布膜形成方法は、基板上にパターンの密度が互いに異なる領域を含むガイド用のパターンを形成する工程と、
次いで前記基板上に、互いに種類が異なる第1のポリマー及び第2のポリマーを含むブロック共重合体を溶剤に溶解した塗布液を塗布して当該ブロック共重合体の塗布膜を形成する工程と、
その後、前記塗布膜を研磨部材により研磨して平坦化する研磨工程と、
次に、前記塗布膜を加熱して前記第1のポリマー及び第2のポリマーを互いに分離する工程と、
しかる後、溶剤を前記塗布膜に供給して、前記第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの一方を溶解して除去する工程と、を含むことを特徴とする。

0016

他の発明である記憶媒体は、基板上にガイド用のパターンを形成し、前記ガイド用のパターン内にポリマーの相分離を利用して分離された一方のポリマーを除去してポリマーで覆われたパターンを形成するための装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、本発明のいずれか一項に記載されたパターン形成方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。

0017

更に他の発明である塗布膜形成装置は、基板上にレジスト膜を形成し、露光後のレジスト膜を現像してガイド用のパターンを形成するためのモジュール群と、
前記ガイド用のパターンが形成された基板の上に、互いに種類が異なる第1のポリマー及び第2のポリマーを含むブロック共重合体を溶剤に溶解した塗布液を塗布して当該ブロック共重合体の塗布膜を形成するためのモジュールと、
前記塗布膜中の溶剤を揮発させるために基板を第1の温度で加熱するためのモジュールと、
前記第1の温度で加熱された塗布膜を研磨部材により研磨して平坦化するためのモジュールと、
前記第1のポリマー及び第2のポリマーを互いに分離するために前記基板を前記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱するためのモジュールと、
前記第1のポリマー及び第2のポリマーのうちの一方を溶解して除去するための溶剤を前記塗布膜に供給するためのモジュールと、
前記モジュールの間で基板を搬送するための基板搬送機構と、を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0018

本発明は、表面に段差を有する基板の上に形成された、炭素を主成分とする有機膜であって、架橋反応より硬化される塗布膜を平坦化するにあたって、塗布膜を硬化する前に塗布膜の表面及び研磨部材を添加液により濡れた状態としながらポリビニールアルコール、またはポリエチレン製の研磨部材により研磨している。このため基板のパターンのダメージを抑制しながら塗布膜を平坦化することができる。
他の発明は、自己組織的リソグラフィー技術に用いられるブロック共重合体の塗布膜について、ガイド用のパターンに起因して塗布膜の膜厚差が生じても、研磨部材により研磨してブロック共重合体膜(塗布膜)を平坦化しているため、その後の相分離を良好に行うことができ、この結果良好なパターンを形成することができる。また別の観点からみれば、ブロック共重合体膜を平坦化することで、膜厚差が生じることを見込んでブロック共重合体膜を形成する場合に比べて、ブロック共重合体膜の膜厚の設定などのプロセスマージンが大きくなる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の第1の実施の形態に係るSOC膜形成装置の平面図である。
本発明の第1の実施の形態に係るSOC膜形成装置の縦段面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る研磨ユニットの縦段面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る研磨ユニットの平面図である。
本発明の第1の実施の形態に用いられるウエハの表面構造を示す断面図である。
本発明の研磨ユニットによる研磨を説明する説明図である。
本発明の研磨ユニットによる研磨を説明する説明図である。
ウエハの平坦化工程を説明する説明図である。
平坦化工程におけるウエハの表面構造を示す断面図である。
平坦化工程におけるウエハの表面構造を示す断面図である。
平坦化工程におけるウエハの表面構造を示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態の他の例に係る研磨ユニットを示す平面図である。
本発明の第1の実施の形態の他の例に係る研磨ユニットを示す平面図である。
本発明の第1の実施の形態の他の例に係る研磨ユニットを示す断面図である。
本発明の第1の実施の形態の他の例に係る研磨ユニットを示す平面図である。
本発明の第1の実施の形態の他の例に係るSOC膜塗布装置の縦段面図である。
本発明の第1の実施の形態の他の例に係るSOC膜塗布装置の縦段面図である。
本発明の第2の実施の形態における参考例について、ウエハの表面状態推移を示す説明図である。
本発明の第2の実施の形態における、ウエハの表面状態の推移を示す説明図である。
本発明の第2の実施の形態における、ウエハの表面状態の推移を示す説明図である。
本発明の第2の実施の形態における、ウエハの表面状態の推移を示す説明図である。
本発明の第2の実施の形態に用いられる紫外線照射モジュールの一例を示す縦断面図である。
本発明の第2の実施の形態に係るパターン形成方法を実施するためのパターン形成装置を示す横断面図である。
上記のパターン形成装置を内部から見た右側面図である。
上記のパターン形成装置を内部から見た左側面図である。
実施例に係るウエハの表面を示す写真である。
実施例に係るウエハの表面を示す写真である。
実施例に係るウエハの表面を示す写真である。
比較例に係るウエハの表面を示す写真である。
ウエハの表面における撮影部位を説明する説明図である。
研磨前及び2回目の塗布膜の塗布後のウエハの断面を示す写真である。

0020

[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について説明する。図1図2はウエハWに塗布膜であるSOC膜の原料を塗布し、表面を平坦化するSOC膜形成装置を示す。SOC膜形成装置は、ウエハWを複数枚含む搬送容器であるキャリアCから装置内に搬入出するためのキャリアステーション110と、ウエハWの表面に塗布膜であるSOC膜を形成する処理ステーション120と、を接続した構成となっている。キャリアステーション110は、ウエハWを複数枚含む搬送容器であるキャリアCから装置内に搬入出する役割を有し、キャリアCの載置ステージ111と、キャリアCからウエハWを搬送するためのガイドレール112に沿って移動する第1の搬送アーム113と、を備えている。

0021

処理ステーション120には、第2の搬送アーム122が設けられ、キャリアステーション110側から見て、第2の搬送アーム122の右側方手前側及び奥側に各々処理ブロックG1、G2が配置され、キャリアステーション110側から見て、第2の搬送アーム122の左側方の手前側及び奥側に各々処理ブロックG3,G4が配置されている。図2に示すように処理ブロックG1は、ウエハWにSOC膜を形成するための原料を塗布する塗布ユニット2が2段に積層されている。また処理ブロックG2は、ウエハにSOC膜の原料を塗布した後、表面を平坦化するための研磨装置である研磨ユニット3が2段に積層されている。処理ブロックG3は、処理ブロックG1と同様に塗布ユニット2が2段に積層され、処理ブロックG4は加熱ユニット5が2段に積層されている。

0022

処理ステーション120におけるキャリアステーション110寄りの位置には、ウエハWの受け渡しを行うための受け渡し121が設けられ、第1の搬送アーム113により、キャリアCと受け渡し棚121との間でウエハWの受け渡しが行われ、第2の搬送アーム122により、受け渡し棚121と、各処理ブロックG1〜G4に設けられた塗布ユニット2、研磨ユニット3及び加熱ユニット5と、の間でウエハWが受け渡される。

0023

続いて、塗布ユニット2について説明する。塗布ユニット2は例えばパターンの形成されたウエハWに対して、公知のスピンコーティング法により、SOC膜の前駆物質となる有機材料を溶剤に溶解した塗布液を塗布する。有機材料としては、炭素化合物を含む有機膜原料、例えばポリエチレン構造((−CH2−)n)の骨格を持つポリマー原料を溶解させた液体が用いられる。また有機材料には、例えば300℃に加熱することにより架橋が進行する架橋剤が含まれている。ウエハWに有機材料を塗布して形成された塗布膜は、加熱前においては、パターンを形成するSiO2などの膜に比べて硬度が低いが、300℃に加熱することにより架橋が進行しSOC膜の硬度が高くなる。塗布ユニット2は、例えば後述する研磨ユニット3と同様に構成されたスピンチャックカップ体とを備えているが、ここでは記載を省略する。また塗布ユニット2はスピンチャックに保持されたウエハWに向けて有機材料を吐出して塗布する塗布液ノズルを備えている。

0024

続いてSOC膜を平坦化する平坦化ユニットである研磨ユニット3について説明する。図3及び図4に示すように研磨ユニット3は、筐体10内を備え、筐体10の側壁には、シャッタ15により開閉されるウエハWの搬入出口14が設けられている。筐体10の中央部には、ウエハWの裏面中央部を吸着して水平に保持する基板保持部であるスピンチャック11が設けられており、スピンチャック11は垂直に伸び回転軸12を介して駆動機構13と接続されている。駆動機構13は図示しない回転モータ等の回転駆動源を備えており、所定の速度で回転できるように構成され、この例では、ウエハWは上方側から見て時計回りに回転するように構成されている。また駆動機構13は、昇降駆動源を備え、スピンチャック11は昇降自在に構成されている。

0025

スピンチャック11の周囲には、スピンチャック11に保持されたウエハWを囲むようにして上方側が開口したカップ体30が設けられている。カップ体30の側周上端側は内側に傾斜した傾斜部31が形成され、カップ体30の底部側には例えば凹部をなす液受け部32が設けられている。液受け部32は隔壁33によりウエハWの周縁下方側に全周に亘って外側領域と内側領域とに区画されている。外側領域の底部にはドレインを排出するための排液口34が設けられ、内側領域の底部には処理雰囲気排気するための排気口35が設けられている。

0026

筐体10内には、各々前後に伸びる第1、第2及び第3のアーム21〜23が設けられている。第1のアーム21は、研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、カップ体30の手前側にて、左右方向に伸びるガイドレール24に沿って駆動体27により移動できるように構成されている。また駆動体27は図示しない昇降機構を備えており、第1のアーム21は昇降自在に構成されている。第1のアーム21の先端部には、例えば純水などの添加液を供給する添加液供給部である添加液ノズル51と、乾燥用ガスである例えば窒素ガスを吐出する窒素ガスノズル52と、が設けられている。これらノズル51、52は、カップ体30の上方領域と研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、カップ体30の左側に位置する待機領域との間で移動する。待機領域には、添加液ノズル51の液受け部であるノズルバス53が設けられている。

0027

添加液ノズル51は、例えば配管54を介して添加液供給部55に接続されている。この添加液供給部55は添加液供給源ポンプバルブなどを備えており、添加液ノズル51の先端から添加液を吐出できるように構成されている。窒素ガスノズル52は配管56を介して、窒素ガス供給源、ポンプ、バルブなどを備えたガス供給部57と接続され、窒素ガスノズル52からは、窒素ガスを吐出できるように構成されている。添加液ノズル51は、研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て窒素ガスノズル52の左側に位置するように設けられる。また窒素ガスノズル52は先端が添加液ノズル51側に傾斜して設けられており、窒素ガスノズル52から吹き付けられる窒素ガスが、ウエハW表面に吐出された添加液をウエハWの周縁方向に押すように設けられている。

0028

また第2のアーム22は、研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、カップ体30の手前側にて、ガイドレール24と並行に設けられたガイドレール25に沿って駆動体28により移動できるように構成されている。また駆動体28は昇降機構を備えており第2のアーム22は、昇降自在に構成されている。第2のアーム22の先端部の下面には研磨体である研磨部4が設けられている。研磨部4は、研磨部材40と、研磨部材40の上部に板状部材41を介して接続された回転軸42と、を備えている。研磨部材40は、例えばPVA(ポリビニールアルコール)により下面の直径が65mmの略円柱形状の多孔質に形成され、下面が平坦に形成されている。回転軸42は、第2のアーム22の内部に挿入されており、第2のアーム22内に設けられた、例えばベルト回転シャフトなどにより構成された駆動機構により鉛直軸周りに回転自在に構成されている。この例では、回転軸42は上方から見て反時計回りに回転するように構成されている。

0029

また研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、研磨部4の左側には、ウエハWの表面を撮影し、ウエハWの表面の色を検出し、後述する塗布膜9の膜厚を測定するための測定部となるCCDカメラ43が接続されている。研磨部4及びCCDカメラ43は、研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、カップ体30の右側に設けられた研磨部4が待機する待機部44と、カップ体30の上方領域との間を移動する。なおこの例では、研磨部4を移動させる駆動体27及びスピンチャック11を回転させる駆動機構13が駆動部に相当する。

0030

第3のアーム23も同様に研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、カップ体30の手前側にて、ガイドレール24、25と並行に設けられたガイドレール26に沿って駆動体29により移動できるように構成されている。また駆動体29は、昇降機構を備え、第3のアーム23は昇降自在に構成されている。第3のアーム23の先端部の下面には洗浄用ブラシ6が設けられている。洗浄用ブラシ6は、例えばポリウレタンにより構成された洗浄用部材60と、洗浄用部材60の上部に板状部材61を介して接続された回転軸62と、を備えている。回転軸62は、第3のアーム23の内部に挿入されており、第3のアーム23内に設けられた、例えばベルトや回転シャフトなどにより構成された駆動機構により鉛直軸周りに回転自在に構成されている。また研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、研磨部4が待機する待機部44の更に右側に洗浄用ブラシの待機部64が設けられている。

0031

続いて加熱ユニット5について説明する。加熱ユニット5は筐体内にウエハWを載置する載置台と、載置台に載置されたウエハWを加熱する加熱部を備えており、例えばウエハWを300℃に加熱できるように構成されている。

0032

SOC膜形成装置には、例えばコンピュータからなる制御部8が設けられている。制御部8は、プログラム格納部を有しており、プログラム格納部には、SOC膜形成装置内におけるウエハWの搬送、あるいは研磨ユニットにおいて、第1の搬送アーム111と、スピンチャック11と、の間のウエハWの受け渡しや、スピンチャック11の回転、窒素ガス及び純水の供給、あるいは、研磨部4による研磨のシーケンスが実施されるように命令が組まれた、プログラムが格納される。このプログラムは、例えばフレキシブルディスクコンパクトディスクハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体により格納されて制御部8にインストールされる。

0033

続いてSOC膜形成装置の作用について説明する。基板となる例えば直径300mmのウエハWには、例えば図5に示すようにSiO2膜91のパターン92が形成されており、このパターン92は、疎密に形成され、パターン92のみが配置されたブランケット領域Aと、パターン92と窪み部93が交互に形成されたラインアンドスペース領域Bと、パターン92が形成されず、広い窪み部93が形成された凹部領域Cと、が設けられている。

0034

このようなウエハWが例えば25枚収納されたキャリアCが載置ステージ111に載置されると第1の搬送アーム113により一枚のウエハWが取り出され、受け渡し棚121に載置される。その後ウエハWは、第2の搬送アーム122により、例えば第1の処理ブロックG1における下段側の塗布ユニット2に搬送されて、スピンコーティングにより、SOC膜の原料となる有機材料、即ちSOC膜の前駆物質を含む塗布液が塗布される。

0035

この時ウエハWの表面には、塗布液が面内に均一に供給されるが、塗布液は粘度が大きいため図5に示すようにウエハWの表面の開口率単位面積当たりの凸部であるパターン92の面積が占める割合)により表面高さが異なる塗布膜9が形成される。例えば開口率が0のブランケット領域Aでは、パターン92の上面の高さから塗布膜9が形成される。一方開口率の大きい凹部領域Cにおいては、パターン92が形成されていないため、窪み部93の底面の高さから塗布膜9が形成される。このため凹部領域C及びブランケット領域Aに単位面積当たりで等量の塗布液が載った時に、凹部領域Cに形成された塗布膜9の表面高さは、ブランケット領域Aに形成された塗布膜9の表面高さよりも低くなる。またラインアンドスペース領域Bの開口率を0.5とすると、ラインアンドスペース領域Bにおいては、凹部領域Cにおいて窪み部93に入り込む塗布液の量の半分の量の塗布液が窪み部93に入り込む。そのため、ラインアンドスペース領域Bに形成された塗布膜9の表面高さは、ブランケット領域Aに形成された塗布膜9の表面高さと、凹部領域Cに形成された塗布膜9の表面高さとの、中間の高さとなる。

0036

研磨ユニット3においては、ウエハWは、第2の搬送アーム122から、スピンチャック11にウエハWの中心と回転中心とが一致するように受け渡され、吸着保持される。ウエハWの受け渡し時には、スピンチャック11が上昇してもよいが、図示しない例えば3本のピンをスピンチャック11の厚さ方向に貫通させて上昇させ、ウエハWが受け渡されたピンを降下させるようにしてもよい。次いで第1のアーム21が移動し、添加液ノズル51の吐出位置がウエハWの中心部の上方に位置する。その後、ウエハWを例えば500rpmの回転速度で回転させながら、添加液ノズル51から添加液、例えば純水を例えば100mL/分の流量で供給する。この添加液はウエハWの表面及び研磨部材40を濡らして、両者の摩擦を低減させる役割を持つ。ウエハWの中心部に供給された純水はウエハWの回転による遠心力により周縁部に向かって広がる。以下研磨ユニット3の内側から搬入出口14側を見て、左右の方向を夫々左側及び右側として説明する。

0037

次いでウエハWの回転を維持したまま、添加液ノズル51から純水を吐出した状態で、第1のアーム21を左側に移動させ、窒素ガスノズル52の吐出位置をウエハWの中心部に位置させる。そして窒素ガスノズル52から、ウエハWの中心部に向けて窒素ガスを吹き付ける。窒素ガスノズル52は、ウエハWの周縁方向に向けて窒素ガスを吹き付けるため、ウエハWの中心部の液膜破れて、さらに純水が窒素ガスによりウエハWの周縁側に押される。

0038

続いてウエハWの回転を維持し、添加液ノズル51及び窒素ガスノズル52から夫々純水及び窒素ガスを吐出したまま、第1のアーム21をウエハWの左側に移動させ、添加液ノズル51の吐出位置をウエハWの中心部から少し変位した個所に位置させる。また第2のアーム22を移動させ研磨部材40の中心部をウエハWの中心部の少し右側に位置させる。これによりウエハWの中心部は研磨部材40の下方に位置する。なお研磨部材40の直径は例えば65mmである。その後、研磨部材40を鉛直軸周りに回転させると共に、研磨部材40を降下させて、研磨部材40の下面をウエハWの表面に接触させる。

0039

この時ウエハWを時計回りに回転させた状態でウエハWの中心部の少し左側の位置に純水を供給している。そのため、図6に示すようにウエハWの表面においてウエハWの中心部から純水の供給されている位置よりも遠い図中ハッチングで示した領域が純水で濡れた状態となる。またこの時窒素ガスノズル52からウエハWの周縁方向に向けて窒素ガスを吹き付けているため、図6中のハッチングを付した領域の内、ウエハWの中心部から見て添加液ノズル51側のハッチングを左右反転させた領域で示すように、ウエハWの表面において、純水の供給位置の外側であって、純水の供給位置のウエハWの回転方向側ここでは、時計回り方向側は、純水吹き寄せられて純水の量が多くなる。

0040

これによりウエハW表面の純水で濡らされる領域の内、ハッチングを左右反転させた領域を除いた領域は、純水が薄く流れる領域になる。さらに研磨部4は、ウエハWの表面において純水の供給位置に対して、ウエハWを時計回りに回転させた位置に位置している。そのため研磨部材40は、ウエハWの中心に対して反時計回りの方向から純水が供給されて濡れた状態になる。そして純水で濡れた状態となっている研磨部4を鉛直軸周りに回転させながらウエハWに押し当てることにより、ウエハWの表面が研磨される。

0041

また研磨部材40は、まずウエハWの中心部の上方に配置され、研磨部材40の中心部がウエハWの中心部の少し右側に変位した位置に配置されている。その状態でウエハWを回転させるため、研磨部材40はウエハWの表面を破線で示した円周上を移動し、鎖線で示した領域が研磨される。

0042

その後ウエハWを回転させた状態、かつ研磨部4をウエハWの表面に接触させて回転させた状態で、第2のアーム22を右側に向けてウエハWの周縁まで移動させる。また第1のアーム21を第2のアーム22の移動速度以下の速度、例えば第2のアーム22の移動速度と同じ速度で左側に向けてウエハWの周縁まで移動させる。これによりウエハW表面に純水が流れ、更にウエハW表面への窒素ガスの吹付により、研磨部材40に供給される純水の量が少量になるように規制された状態で、図7に破線で示すようにウエハWの表面において研磨された領域がウエハWの中心側から周縁に向けて広がり、ウエハWの表面全体が研磨される。

0043

本例では、研磨部4をウエハWの中心から周縁まで移動させてウエハWの表面全体を研磨する(走査する)上述した研磨工程を例えば3回繰り返し行うが、1回目から3回目の各研磨工程において、削り量を調整してウエハWの研磨を行う。ウエハWの削り量は、例えば研磨部4の回転速度を上昇させること、研磨部4の高さ位置を下げて研磨部材40をウエハWに押し付ける力を大きくすること、ウエハWの回転速度を上昇すること、第2のアーム22の移動速度を遅くすることにより増加するが、ここでは研磨部4の回転速度の調整による削り量の調整を例に説明する。これらの研磨部4の回転速度、研磨部4の高さ位置、ウエハWの回転速度及び第2のアーム22の移動速度は、調整因子に相当する。

0044

図8は、上段の図が研磨工程における研磨部4のウエハWの中心部からの距離の経時変化を示し、下段の図が研磨部4の回転数の経時変化を示す。従って下段の図の横軸は、各回の工程における研磨部材40の位置を示し、各回の工程における左端は研磨部材40がウエハの中心部に位置し、右端は研磨部材40がウエハWの周縁部に位置している状態ということができる。研磨部材40のウエハWの中心部からの距離は、研磨部材40における最もウエハWの中心寄りの部位の位置で示しており、研磨部4の下面にウエハWの中心が位置する場合には0としている。1回目の研磨工程においては、研磨部4をウエハWの中心部から周縁部に移動するにあたって、研磨部4の回転数を一定として行い、例えば、研磨を開始する前のブランケット領域Aにおける塗布膜9の最も厚い部位の厚さに対して20%程度厚さが削られる削り量となるように研磨を行う。削り量については、予めウエハWの回転速度、塗布する有機材料の種類、純水の供給量、研磨部4の移動速度などを考慮して、研磨部4の回転速度と、削り量との関係式を求めておき、目標とする削り量となる研磨部4の回転速度に設定して研磨する。なお研磨工程における塗布膜9の厚さについては、パターン92の上面の高さ位置よりも上方に積層された塗布膜9の厚さを示し、パターン92の上面の高さ位置よりも下方の窪み部93に埋め込まれた塗布膜9は含まないものとして説明する。

0045

また1回目の研磨工程を行う際、研磨部4をウエハWの中心部から周縁に向けて移動しながらCCDカメラ43により1回目の研磨後のウエハWの表面の撮影を行い、例えばその色により、塗布膜9の厚さを判定する。塗布膜9は、半透明の層となっているため、研磨後の残りの塗布膜9が薄い部分は下層のSiO2膜91の色に近くなる。そのため予め研磨処理後のウエハWの表面の色の色データを取得しておき、ウエハWの表面の色の色データが、研磨処理前のウエハWの表面の色の色データから、研磨処理後のウエハWの表面の色の色データにどれだけ近づいたかにより研磨量を推定する。また研磨処理後のウエハWの表面の色データは、パターン92の疎密により異なる。そのため例えばブランケット領域A、ラインアンドスペース領域B及び凹部領域Cの各々において、研磨処理後のウエハWの表面の色の色データを取得し、ブランケット領域A、ラインアンドスペース領域B及び凹部領域Cの各々の領域を研磨する際には、各領域ごとの色データに基づいて研磨量を推定する。

0046

研磨ユニット3においてウエハWを研磨したときに、研磨部4の摩耗の状態や、ウエハWの濡れの程度により研磨量は異なる。そのため1回目の研磨工程において、現在の研磨部4の状態やウエハWの濡れの程度に応じた現在の研磨効率、例えば所定の研磨部4の回転速度で単位時間研磨を行った時の研磨量を把握する。

0047

そして続く2回目の研磨工程において、研磨部4をウエハWの中心から周縁に向けて移動させるにあたって、1回目の研磨工程後のウエハWの表面の色の色データの分布に基づいて研磨部4の回転速度を調整する。例えば表面に高低差のあるウエハWの表面を研磨する場合に、表面の高低差はサブミクロンオーダーであるため、ウエハW表面の高低差にかかわらず略同時に研磨部材40に接する。しかしながらウエハWの表面が高い部位は研磨部材40に押し当てられる強さがウエハWの表面が低い部位よりもごくわずかに強くなるため研磨されやすくなる。そのため研磨後にわずかな高低差が残ることがある。

0048

図9から図11において、ブランケット領域A側をウエハWの周縁側とした例で説明すると、例えば1回目の研磨工程において、図9に示すように周縁側の残りの塗布膜9の厚さが厚くなっている(塗布膜9の表面が高い)場合には、図8に示すように2回目の研磨工程において、研磨部4が周縁側の位置まで移動したときに研磨部4の回転数を上げて研磨量を多くする。そして2回目の研磨工程においては、図10に示すように塗布膜9の大部分を削り、例えば研磨を開始する前のブランケット領域Aにおける塗布膜9の最も厚い部位の厚さに対して、10%程度の厚さの塗布膜9が残るように研磨を行うようにする。従って1回目の研磨工程後のウエハWの表面の色の色データの分布と、10%厚さの塗布膜9が残った時のウエハWの表面の色の色データの分布と、の差分の研磨量となるように、研磨部4の回転速度を調整する。この時の研磨部4の回転速度は、1回目の研磨工程にて推定された、現在の研磨部4の状態やウエハWの濡れの程度における研磨部4の回転速度に対する現在の研磨効率に基づいて調整される。

0049

このように1回目の研磨工程は、現在の研磨部4の研磨効率の確認であり、2回目の研磨工程を行った後のウエハWの表面に残る塗布膜の厚さを面内で均一に10%の厚さにするために行われる。

0050

更に2回目の研磨工程の際にも、CCDカメラ43によりウエハWの表面の撮影を行い塗布膜9の高さ分布を求める。3回目の研磨工程においては、塗布膜9の残り厚さが目標とする削り量になるように、つまり塗布膜9の表面が平坦になるように調整する。従って図8に示すように例えば2回目の研磨工程後において、ウエハWの周縁側の領域の塗布膜9の残りの厚さが薄い場合には、図8に示すように3回目の研磨工程において、研磨部4の位置が周縁に近づくに従い、研磨部4の回転数を少なくする。塗布膜9は加熱前においては、SiO2のパターン92に比べて硬度が低い。そのため塗布膜9を研磨により除去した場合に、パターン92がストッパーとなり、パターン92の上面の高さ位置まで研磨される。これにより3回目の研磨工程を終了した後のウエハWは、図11に示すようにSiO2膜91のパターン92が露出し、窪み部93が塗布膜9で埋められて、表面が平坦になる。

0051

3回目の研磨処理が終了した後、ウエハWの回転を維持したまま研磨部4、をウエハWの外に退避させる。次いで第3のアーム23を移動させ、洗浄用ブラシ6をウエハWの上方に位置させる。また第1のアーム21を移動させて、添加液ノズル51をウエハWの中心に位置させる。その後研磨部4に代えて、洗浄用ブラシ6を用いることを除いて研磨工程と同様の操作を行い、ウエハWの表面に添加液及び窒素ガスを供給しながら、ウエハWの中心部から周縁部に向けて洗浄用ブラシ6を一回移動させる。これにより塗布膜9の研磨により生じた研磨物が除去される。洗浄用ブラシ6はポリウレタンで構成されるため、塗布膜9を研磨するほどの研磨力はないが、ウエハWの表面に純水等のリンス液を供給しながら表面を擦ることにより、純水等のリンス液の供給のみによりウエハWの表面を洗い流す場合に比べて、ウエハWの表面に付着している研磨残渣異物を効率よく除去することができる。ここでは第1のアーム21に設けた添加液ノズル51により、純水をリンス液として供給しているが、リンス液を供給するノズルを設けてもよい。

0052

上述の実施の形態においては、有機材料を塗布した後、加熱処理を行う前に材質をPVAとした研磨部4を用いて、研磨部4とウエハWとを純水で濡れた状態としながら研磨をしている。塗布膜9は加熱前においては、SiO2よりも硬度が低い。そのため硬度が低い塗布膜9が研磨され、パターン92の上面まで研磨されるが、PVAのような硬度が小さい材質の研磨部4を用いて、ウエハW及び研磨部4を濡れた状態としながら研磨を行うことで後述の実施例にて裏付けされているようにパターン92へのダメージを抑制しながら塗布膜9を除去することができる。

0053

また1回目及び2回目の研磨工程において測定した研磨効率により研磨量の調整を行い、3回目の研磨工程において、ウエハWの表面が平坦になるようにしている。そのためパターン92にかかる負荷が大きくなりすぎたり、研磨量が少なく塗布が残るおそれが少ない。

0054

研磨処理が行われたウエハWは、例えば第2の搬送アーム122により受け渡し棚121に受け渡された後、例えば第1の処理ブロックG1における上段側の塗布ユニット2に搬入されて、研磨されたウエハWの上に更に2層目有機原料の層が形成される。研磨処理が行われたウエハWは、表面の凹凸が小さくなっているため、2層目の有機原料の層が塗布されたウエハWの表面は平坦になる。その後、例えば第2の処理ブロックG2における加熱ユニット5に搬入されて、300℃に加熱され、2層化された塗布膜9の架橋が進行して、硬度が高まり、SOC膜となる。

0055

その後ウエハWは、第2の搬送アーム122により受け渡し棚121に受け渡された後、第1の搬送アーム112により、キャリアCに戻される。その後キャリアCは、塗布、現像装置に搬送され、塗布、現像装置において、例えば平坦化されたウエハWの上にSi含有反射防止膜、レジスト膜がこの順で成膜され、露光装置にて露光処理が行われた後、現像処理が行われレジストパターンが形成される。

0056

また例えばSOC膜形成装置は、1回目の塗布膜9を塗布し、研磨ユニット3にて研磨を行った後、加熱ユニット5に搬送して加熱処理を行い、塗布膜9を硬化させた後、塗布ユニット2に搬送して、2回目の塗布膜9の塗布を行い、さらにその後加熱ユニット5に搬送して加熱処理を行い、塗布膜9を硬化させてもよい。

0057

さらに塗布膜9の塗布は1回であってもよく、更には、2回以上例えば5回塗布するようにしてもよい。

0058

上述の実施の形態においては、次のような効果がある。まず研磨部材40としてPVAを用いている。PVAのような吸水性を有する材質の研磨部4を使用することで、ウエハWを研磨する際に、研磨部4にしみ込んだ水が研磨部4とウエハWの間に染み出しながら研磨することができる。またポリウレタンやセーム皮に比べて、摩擦抵抗が高く研磨能力が高いため、余分な塗布膜9の除去を行うのに適している。さらにPVAは、炭素、水素及び酸素により構成されており、SOC膜の原料として供給される有機材料と近い組成となっている。例えばスラリーに含まれる金属系の物質などがSOC膜に含まれてしまうと、エッチングの際に不具合を起こすおそれがあるが、炭素、水素及び酸素により構成される材料の場合は、不具合が発生するおそれがない。そのため研磨部4の摩耗による削りかすウエハWに付着し、その後2回目の塗布液の塗布により、SOC膜中に含まれた場合にもエッチング等の際に不具合が発生するおそれがない。

0059

またウエハWに供給した純水に窒素ガスを吹き付けて、研磨部材40に供給される純水の液量を規制するようにしている。研磨部4が接する水の量が多く過ぎると、水が潤滑剤となり、研磨部4による研磨力が弱くなるおそれがある。従って、塗布膜9の研磨を確実に行うことができる。

0060

更にSOC膜塗布装置に、塗布ユニット2と、研磨ユニット3と、加熱ユニット5と、を設けている。そのため、SOC膜の塗布を行った後、研磨ユニットを備えた研磨装置や加熱装置に搬送する必要がなく、装置間の搬送にかかる時間の短縮や、研磨装置や加熱装置の設置コストの削減をすることができる。

0061

続いて研磨ユニットの他の例について説明する。例えば研磨部4及び洗浄用ブラシ6を共通のアームにより持ち替えるように構成してもよい。例えば図3に示す筐体10内に研磨部4及び洗浄用ブラシ6を載置する載置部を設け、第2のアーム22の先端に研磨部4及び洗浄用ブラシ6を付け替えて研磨及び洗浄を行うようにすればよい。更に研磨部4と洗浄用ブラシ6とは、着脱自在に構成すればよく、例えば回転軸42と、板状部材41、61との間に係合構造を採用すればよい。

0062

またPVAを材質とする研磨部4を用いる場合において、図12に示すように研磨部4に対して、ウエハWの回転方向の反対側、この例では、ウエハW表面において、研磨部4の位置に対して、反時計回りに、例えばウエハWの中心角において、15〜30度ずれた位置にウエハW表面の水分量を調整する添加液の規制部となるワイパーブラシ45を設けてもよい。ワイパーブラシ45は、例えば第2のアーム22に固定するように設ければよい。例えば窒素ガスノズル52から吐出される窒素ガスのみでは、水量を抑えきることができない場合には、ワイパーブラシ45により、ウエハWの表面を流れて研磨部4に接する純水の液量を規制することができる。研磨部4が接する水の量が多く過ぎると、水が潤滑剤となり、研磨部4による研磨力が弱くなるおそれがある。従って、塗布膜9の研磨を確実に行うことができる。

0063

また規制部としてはワイパーブラシ45に代えて、図13に示すようにウエハWの表面に平板の側面を接するように構成されたワイパー46であってもよく、例えば平板の側面とウエハの表面との隙間の高さを調整することにより液量を規制するようにしてもよい。またウエハWの表面に線状に窒素ガスを吹き付けるエアーワイパーであってもよく、例えば窒素ガスの吐出量を調整して、研磨部材40に向けて流れる添加液の液量を調整すればよい。更に例えば図12に示したワイパーブラシ45の下面に吸引孔を設け、吸引機構により、吸引孔からウエハW表面の水分を吸引して液量を規制してもよい。

0064

さらに研磨部4とウエハWの表面とを濡れた状態にする添加液を供給する添加液供給部は、例えば回転軸42及び板状部材41を貫通し、第2のアーム22内を通した配管を設けて、研磨部4の上方側から添加液を供給し、多孔質体で構成された研磨部4を浸透した添加液がウエハWの表面に供給されるような構成であってもよい。

0065

さらに研磨ユニット3に図14(a)に示すようにウエハWの裏面側を洗浄するための裏面洗浄ブラシ47を設けてもよい。研磨部4によりウエハWの表面を研磨するにあたって、ウエハWはスピンチャック11により裏面の中心部を保持されている。そのためウエハWの周縁寄りの部位を研磨する際に研磨部4の押圧によりウエハWが撓み均一に研磨できないおそれがある。従って研磨部4がウエハWのスピンチャック11に保持されている領域よりも外側の領域を研磨する際に、図14(b)に示すようにウエハWの研磨部4に押圧されている部位を裏面側から裏面洗浄ブラシ47により押圧すればよく、更に裏面洗浄ブラシ47を研磨部4の移動に対応させて移動させることで研磨部4の押圧によるウエハWの撓みを抑制することができる。

0066

また例えば研磨部材40の材質としては、ポリエチレンを用いてもよい。ポリエチレンは。吸水性は低いが、水にぬらすことにより摩擦抵抗及びウエハWに対する密着性が良くなる。更にポリエチレンも炭素、水素及び酸素により構成されているため、削りかすが塗布膜9に混入した場合にもエッチングにおいて不具合が発生するおそれがない。従ってポリエチレン製の研磨部材40を用いることにより、同様の効果を得ることができる。またポリエチレンを用いる場合においては、例えば密度が0.942以上の高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。高密度ポリエチレンは硬度が高いため高い研磨力を得ることができる。またポリエチレンを材質とする研磨部4を用いる場合には、後述の実施例に示すように水量が多い場合にも十分に研磨することができる。

0067

更に例えばウエハW周縁寄りの位置とウエハWの中心部寄りの位置との各々における高さ位置を測定するレーザー変位計を設けたり、研磨部4の回転軸42の上方に圧力センサを設けてウエハWに対する研磨部材40の押し付けられる圧力を測定して塗布膜9の膜厚を測定してもよく、あるいは研磨を行う前に塗布膜の膜厚を測定してもよい。更に例えばレーザー変位計を用いウエハWの表面を反射したレーザー周波数位相の変位によりウエハWとの距離を測定して、ウエハWの反りを検出するようにしてもよい。そしてウエハWの反りに合わせて研磨部4の高さ位置や回転速度を調整し、研磨量を調整してもよい。

0068

またウエハWの表面の色の色データの分布の測定にあたって、ウエハWの中心側から外周側を見て、中心の色に対する外周側の相対的な色の差を判断してもよく、相対的な色の差に応じて研磨量を調整するようにしてもよい。

0069

またSOC膜の原料となる有機材料の塗布と、研磨を共通のユニットにおいて行うようにしてもよい。例えば図15に示すように図3、4に示した研磨ユニット3にSOC膜の原料となる有機材料を供給する塗布液ノズル7を設けた例が挙げられる。研磨ユニット103には、例えばガイドレール71に沿って移動するノズルアーム70に支持され、ウエハWの上方と待機領域72との間を移動するように構成された塗布液ノズル7を設ければよい。さらにノズルアーム70及び塗布液ノズル7は、第1〜第3のアーム21〜23と互いに干渉しないように例えばその高さ位置が異なるように配置すればよい。そしてウエハWに対して、塗布液ノズル7からウエハWに有機材料を供給して、SOC膜の原料の塗布を行った後、塗布液ノズル7をウエハWの上方から退避させる。その後、研磨部4、添加液ノズル51及び窒素ガスノズル52により、前述の実施の形態に示したようにウエハWに研磨処理を行うようにすればよい。このように研磨ユニット103にてSOC膜の塗布処理を行うことにより、研磨ユニット103とは別に塗布モジュールを設ける必要がないため設置空間を小さくすることができる。

0070

さらに研磨部4、洗浄用ブラシ6は、待機位置にて洗浄液に浸しながら回転させたり、待機部44、64の底面への押し付けや振り切りによる脱水を行い、ウエハWの上方に移動する前に、ある程度の水分を含ませて移動させるようにしてもよい。乾燥した研磨部材40の場合、添加液の吸引量が大きく、ウエハWの研磨の開始直後の水分量が不足するおそれがある。予め研磨部材40に添加液を含ませておくことで、研磨開始から適度に濡らされた状態から研磨することができる。また研磨部4の下面をカメラで撮影し、研磨部材40の摩耗の程度を評価し閾値を超えている場合には、アラームを発したり、上述した一本のアームにて研磨部4と、洗浄用ブラシ6の持ち替える例と同様に取り外し可能の構成の研磨部4を筐体10内に配置しておき、研磨部4が摩耗したときに付け替えるようにしてもよい。また研磨部材40は、例えば一回目の研磨工程において、研磨量を測定したときに、研磨量が少なく閾値を下回っていた場合に、交換するようにしてもよい。

0071

またSOC膜成膜装置として、レジスト膜の塗布及び現像処理を行う塗布、現像装置に塗布ユニット2と、研磨ユニット3を組み込んでもよい。例えば図16に示すように処理ステーションS2がウエハWに各々塗布液、あるいは現像液を供給して、液処理を行う液処理装置が設けられた液処理ブロックを6層積層した構成の塗布、現像装置について説明する。

0072

この塗布、現像装置は、キャリアステーションS1と、処理ステーションS2と、インターフェイスステーションS3と、を直線状に接続し、インターフェイスブロックS3に露光ステーションが接続される。例えば処理ステーションS2における最も下の層には、液処理装置として例えば図15に示したSOC膜の原料の塗布と、研磨とを行う研磨ユニット103が設けられ、下から2番目の層には、液処理装置としてSOC膜の原料の塗布を行う塗布ユニット2が設けられる。さらに上層には、例えば反射防止膜を塗布する液処理ユニット(SiARC)、レジストを塗布する塗布ユニット(COT)、現像液を供給して現像処理を行う2層の現像処理ユニット(DEV)が下層側からこの順で積層されている。6層の液処理ブロックの各々の層は、キャリアステーションS1からインターフェイスステーションS3を見て左側に加熱処理を行う加熱ユニットが配列され、右側に図15に示されているCOT等のユニットが配列されている。そして各層の中央には、キャリアステーションS1からインターフェイスステーションS3に向かう直線に沿って、移動する搬送アームが設けられ、各ユニット管のウエハWの搬送が行われる。
この例では、研磨ユニット103において、1回目のSOC膜の原料の有機材料の塗布と、表面の研磨及び洗浄を行い、その後塗布ユニット2にて、2回目のSOC膜の原料の塗布を行う。

0073

更に処理ブロックS2における最も下の層に液処理装置としてSOC膜の原料の塗布を行う塗布ユニット2を設け、下から2番目の層にSOC膜の原料の塗布と、研磨とを行う研磨ユニット103を設けてもよい。この場合には、塗布ユニット2にて1回目のSOC膜の原料の塗布を行い、次いで研磨ユニット103において、塗布膜の研磨及び洗浄処理を行った後、続けてウエハWに有機材料を供給し、2回目のSOC膜の塗布を行うようにすればよい。

0074

あるいは、図17に示すようにキャリアステーションS1と、処理ブロックS2との間に研磨ユニット3を設け、処理ブロックS2に塗布ユニット2を備えた層を2段に構成するようにしてもよい。例えば最も下層に設けられた塗布ユニット2において、ウエハWに1回目の塗布膜9の塗布を行った後、研磨ユニット3に搬入し、下層から2段目の層に設けられた塗布ユニット2において、2回目の塗布膜9の塗布を行うように構成してもよい。このような例では、塗布膜9の塗布、研磨及び加熱処理から、塗布膜9の上層への成膜処理を同一の装置における一連のウエハWの処理にて行うことができるため、スループットの短縮や装置台数の削減を行うことができる。

0075

また塗布、現像装置において、塗布ユニット2を備えた層を一層設け、キャリアステーションS1と処理ブロックS2との間に研磨ユニット3を設けてもよい。この場合には、例えば塗布、現像装置内にウエハWを一時的に載置するバッファモジュールを設けるようにしてもよい。そしてキャリアCから搬送された一連のウエハWの1回目の塗布膜9の塗布が終了するまでは、1回目の塗布膜9の塗布が終了し、研磨処理が終えたウエハWをバッファモジュールに載置し、一連のウエハWの1回目の塗布膜9の塗布が終了した後、バッファモジュールから塗布ユニットに搬送すればよい。

0076

[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施形態は、表面にガイド用のパターンが形成された基板上に、互いに種類が異なる第1のポリマー及び第2のポリマーを含むブロック共重合体を溶剤に溶解した塗布液を塗布して塗布膜を形成し、研磨する工程、相分離する工程を経て、ガイド用のパターン内にポリマーからなるパターンを形成する技術である。
まず本発明に至った経緯について説明する。図18(a)は、基板であるウエハ上に下地膜201が形成され、その下地膜201にガイド用のパターンであるレジストパターン202が形成された状態を示している。200はレジスト膜であり、図では下地膜201より下方部分は省略している。

0077

この例ではパターンを形成する凹部203はホールであり、レジストパターンは、ホール203の配列密度が大きい領域(パターンが密な領域)とホールの配列密度が小さい領域(パターンが疎な領域)とを含んでいる。図18では、向かって左側がパターンが密な領域であり、向かって右側がパターンが疎な領域である。このような基板の表面に、ブロック共重合体を溶剤に溶解した塗布液を塗布してブロック共重合体膜(塗布膜)204を形成すると、図18(b)に示すように、パターンが疎な領域におけるブロック共重合体膜204の膜厚は、パターンが密な領域におけるブロック共重合体膜204の膜厚よりも大きくなる。その理由については、パターンが疎な領域では、単位面積あたりで見たとき、パターン内に塗布液が入り込む量が少ないからである。

0078

この状態でウエハを加熱してブロック共重合体の相分離を行うと、図18(c)に示すように、ブロック共重合体膜204の膜厚が小さい領域では、表面からホール203の底部に至るまで相分離が起こるが、ブロック共重合体膜204の膜厚が大きい領域では、相分離がホールの外で起こってしまう。ブロック共重合体の一例としては、第1のポリマーであるポリスチレン(PS)と第2のポリマーであるポリメチルメタクリレート(PMMA)とからなるものを挙げることができる。以下の説明では、ポリスチレンを「PS」、ポリメチルメタクリレートを「PMMA」としてそれぞれ略記する。

0079

図18(c)において、205はPSであり、206はPMMAである。PMMA206は円筒状に分離されており、膜厚が小さい領域ではホール203内に存在するが、膜厚が大きい領域ではレジストパターンの上方側にて円筒状が横に寝た格好で分離している。従って、PMMA206がレジストパターン202の上方にて分離している領域においては、PMMA206を除去する溶剤をウエハに供給しても、PS205で囲まれたホールを得ることができない。

0080

このため本発明では以下に述べる手順に従って処理を行っている。

0081

図19から図20は、本発明のパターン形成方法の実施形態を示している。先ず基板であるウエハ上に図19(a)に示すようにガイド用のパターンであるレジストパターン202を形成する。図中200はレジスト膜、201は下地膜、203はパターンに相当する凹部であるホールを示している。レジストパターンは、図中左側領域である、ホール203の配列密度が大きい領域(パターンが密な領域)と、図中右側領域であるホールの配列密度が小さい領域(パターンが疎な領域)とを含んでいるものとする。

0082

次いで図19(b)に示すようにレジスト膜200及び下地膜201の表面を親水性として、ブロック共重合体液との馴染みをよくするためにウエハの表面全体に紫外線照射する。この工程は、例えば大気雰囲気である処理容器内にて行われる。
続いて少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体、例えばPSとPMMAとを含むブロック共重合体を溶剤に溶解した塗布液をウエハ上に供給する。塗布液の供給手法の一例としては、ウエハを回転させながら回転中心に塗布液を供給するスピンコーティング法が挙げられる。レジストパターンは、ホール203の配列密度が大きい領域と小さい領域とが隣接しているため、既述の理由により図19(c)に示すように、膜厚の大きい領域と膜厚の小さい領域とが並ぶブロック共重合体膜204が形成される。なお、塗布液をウエハ上に供給した直後においては液膜の状態であるが、スピン中に溶剤が揮発するので、図19(c)の段階においてもブロック共重合体膜として説明している。

0083

その後、ウエハを例えば処理容器内の加熱プレート上に載置し、図20(d)に示すように第1の温度で加熱して、ブロック共重合体膜204に残留している溶剤を揮発させる。第1の温度は、ブロック共重合体(BCP)を実質的に層分離させずにブロック共重合体中の溶媒を揮発させる温度であり、例えば80〜120℃である。
続いて、後工程の研磨処理に用いられる研磨パッドとの親和性を良好にするため、図20(e)に示すようにウエハの表面全体に紫外線を照射する。

0084

しかる後、ウエハの表面を研磨処理して、ブロック共重合体204の膜を平坦化する。研磨処理に用いられる研磨装置(ユニット)としては、例えば第1の実施形態で用いられた図3及び図4に示す研磨装置を用いることができる。潤滑剤(添加液)としては例えば純水を用い、研磨パッドの材質としては例えばPVA(ポリビニールアルコール)などを用いることができ、研磨方法としては、例えば第1の実施形態で述べた手法と同様にして行うことができる。研磨の終点位置としては、レジスト膜200の表面に例えばブロック共重合体膜204の膜厚が5〜10nm程度残る位置としてもよいが、レジスト膜200の上面が露出するように、レジスト膜200の上方側のブロック共重合体膜204が除去された位置であってもよい。図20(f)は、レジスト膜200の表面に例えばブロック共重合体膜204が少し残った状態で表面が平坦化された状態を示している。

0085

続いてウエハの表面に洗浄液を供給して研磨処理時におけるブロック共重合体膜200の削り滓を除去する洗浄処理を行う。洗浄処理は例えば第1の実施形態で行った洗浄処理と同様にして研磨装置に設けられている添加液ノズルから洗浄液である純水を吐出させ、洗浄用ブラシを用いて行うことができる。また洗浄液としてはブロック共重合体を溶解させる溶剤、例えばブロック共重合体の塗布液に用いられている溶剤と同じ溶剤を用いることができる。洗浄液として溶剤を用いることで、ブロック共重合体膜204の表面がわずかに溶解するので、表面の削り滓などのゴミを確実に除去することができる利点がある。図21(g)は、ウエハの回転により洗浄液がブロック共重合体膜204の表面に沿って流れ、ゴミPAが除去される様子を模式的に示している。

0086

次に、溶剤の揮発のために行った先の加熱処理時の加熱温度である第1の温度よりも高い第2の温度、例えば150〜400℃、好ましくは200〜350℃で、例えば30秒〜10分間、ウエハを加熱する。加熱の手法としては例えばウエハを加熱プレート上に載置して行われる。ブロック共重合体膜204は、PSとPMMAとがランダムに混ざり合っており、第2の温度により加熱することにより、PSとPMMAとが相分離する。図21(h)は相分離した状態を示しており、ホール203が配置されている位置においては、ホール203の内壁に沿うようにPS205が円筒形状の領域になっており、この円筒領域の中にPMMA206が円柱形状の領域として分離されている。
このようにブロック共重合体膜204の表面が平坦化されていて、ホール203の上の膜厚が一定化されているので、各ホール203内にて相分離が起こり、図18(c)に示したような不具合が発生しない。

0087

次いで、ウエハを室温まで冷却した後、不活性ガス雰囲気下において紫外線照射処理を行う。例えばXeエキシマランプを用いて相分離したポリマーの膜に紫外線を例えば10秒〜60秒間照射(露光)する。このように紫外線照射を行うことにより、PS205においては架橋反応が生じて溶剤に溶けにくくなる一方、PMMA206においては、主鎖が切断されて溶剤に溶けやすくなると考えられる。

0088

紫外線照射処理を行う装置の一例を図22に示しておく。この装置は、シャッタ210により開閉されるウエハ搬送口211が形成された処理容器212の天井部において、紫外線透過体である石英板213を介して処理雰囲気と区画された空間に、左右方向に伸びる紫外線ランプ214を配置して構成される。そしてウエハWを載置して、ガイド215に沿って前後方向(図の矢印方向)に移動可能な移動機構216を設け、紫外線ランプ214の照射領域を通過するようにウエハWを移動させる。217は不活性ガスである窒素ガスの供給管、218は排気管、219は、処理空間と移動機構の駆動部分の通過領域とを仕切仕切り板である。

0089

その後、ウエハの表面に溶剤を供給し、図21(i)に示すように、PMMA206を溶解して除去し、PS205を残す処理を行う。溶剤としては例えばイソプロピルアルコール(IPA)が用いられ、例えばウエハを回転させながら溶剤をウエハの中心部に供給してウエハ表面全体に液膜を形成し、その後純水で洗浄した後、ウエハの回転を利用して乾燥させる。こうしてウエハ上にPS205により区画形成されたホール207が形成される。レジスト膜200に形成されるホールは例えば口径が90nmであり、PS205によりホールが縮径化されて形成されたホールの口径は例えば30nmである。

0090

第2の実施形態では、ブロック共重合体膜204について、レジストパターンに起因して膜厚差が生じても、研磨処理により平坦化されるため、その後の相分離を良好に行うことができ、この結果良好なパターンを形成することができる。従って、ブロック共重合体膜204に図18(c)に示すような膜厚差が生じることを見込んでブロック共重合体膜204を形成する場合に比べて、ブロック共重合体膜204の膜厚の設定などのプロセスマージンが大きくなる。またブロック共重合体膜204の平坦化を紫外線照射処理やドライエッチングにより行うと、変質酸化)するおそれがあるが、研磨により平坦化すれば、変質のおそれがなく、有効な手法である。

0091

次に、ガイドパターンであるレジストパターンを形成し、既述のようにしてポリマーを用いたパターンを形成するためのパターン形成装置の一例について説明する。パターン形成装置は、レジスト膜を形成し、露光後のレジスト膜を現像する、いわゆる塗布、現像装置にポリマーのパターンを形成するために必要なモジュールを組み込んだ装置として構成できる。塗布、現像装置は、ウエハを収納したキャリアを搬入出するためのキャリアブロックと処理ブロックとインターフェイスブロックとを一列に接続して構成され、インターフェイスブロックには露光装置が接続される。

0092

塗布、現像装置の具体例を図23図25に示すと、キャリアブロックT1はキャリアCを搬出入するためのステージ320及び基板搬送機構である受渡しアーム323を備えている。キャリアブロックT1と処理ブロックT2との並び方向をY´方向とすると、処理ブロックT2は、例えば3段のブロックを備え、各段のブロックは、Y´方向に移動自在なメインアーム370とキャリアブロックT1側から見て、メインアーム370の搬送路の右側に配置された液処理モジュール群U1とメインアーム370の搬送路から見て左側に熱処理モジュール群U2とを備えている。3段のブロックへのウエハの振り分けは、複数の受渡しモジュールが積層された棚ユニットU3とマルチアーム300とにより行われる。液処理モジュール群U1は、レジスト液などの塗布液をスピンコーティングするためのモジュールからなるが、説明の便宜上、研磨液をウエハWに供給して研磨するモジュールも含むものとする。また熱処理モジュール群U2は、説明の便宜上、ウエハWに対して紫外線を照射して処理を行うモジュールも含まれるものとする。

0093

図23は、処理ブロックT2における3段のブロックのうちの1段のブロックの高さ位置に沿って示す塗布、現像装置の横断平面図である。図24は、メインアーム370の搬送路の左側を見た状態を含む縦断側面図である。図25は、メインアーム370の搬送路の右側を見た状態を含む縦断側面図である。
この例では、中段のブロックは、レジスト膜を形成するためのモジュールが設けられている。上段のブロックはレジストパターン形成後におけるBCP(ブロック共重合体)膜の塗布、ポリマーによるパターンの縮径化に関連する処理を行うためのモジュールが設けられている。下段のブロックは、露光後のレジスト膜を現像するためのモジュールが設けられている。また処理ブロックT2とインターフェイスブロックT3との間のウエハWの搬送は、シャトル搬送モジュール380により行われる。
図23中、400は制御部を示し、塗布、現像装置を制御するためのプログラムを格納したメモリを備えている。プログラムは、コンパクトディスク、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどの記憶媒体にからメモリに格納される。

0094

塗布、現像装置によりウエハWを処理する動作の概要について説明する。
ウエハWを収納したカセットCが、キャリアブロックT1に搬入されたら、受渡しアーム323によりウエハWを順次取り出し、中段のブロックに対応する棚ユニットU3内の受け渡しモジュール353に搬送する。次いでウエハWはメインアーム370によりアドヒージョンモジュール342に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウエハWは、レジスト塗布モジュール332に搬送され、レジスト液が塗布されて、レジスト膜が形成される。次いでウエハWは、熱処理モジュール340に搬送されて、プリベーク処理された後、周辺露光モジュール343に搬送され、周辺露光処理される。こうして中段ブロックにおける処理が終了し、棚ユニットU3の受け渡しモジュール354に搬送される。

0095

しかる後、ウエハWは、マルチアーム300によって受け渡しモジュール352に搬送され、シャトル搬送モジュール380によって棚ユニットU4の受け渡しモジュール362に搬送される。その後ウエハWは、インターフェイスブロックT3のウエハ搬送モジュール310によって露光装置T4に搬送され、露光処理される。露光処理されたウエハWは、ウエハ搬送モジュール310によって露光装置T4から受け渡しモジュール360に搬送された後、下段ブロックのメインアーム370により熱処理モジュール340に搬送され、露光後ベーク処理される。次いでウエハWは、現像モジュール330に搬送され、現像された後、熱処理モジュール340でポストベーク処理されて、ガイドバターンであるレジストパターンが形成される。

0096

レジストパターンが形成されたウエハWは、棚ユニットU3及びマルチアーム300を介して上段ブロックのメインアーム370に受け渡される。上段ブロックでは、ウエハWは、第1の親水化処理モジュール344にて図19(b)の処理である紫外線照射処理が行われ、レジスト膜及び下地膜201の表面を親水化する。続いてウエハWはBCP液塗布モジュール334にて図19(c)の処理であるBCP液の塗布処理が行われ、加熱モジュール340にて図20(d)の処理である加熱処理が第1の温度で行われる。

0097

その後、ウエハWは第2の親水化処理モジュール345にて図20(e)の処理である紫外線照射処理が行われ、BCP膜の表面が親水化され、続いて研磨モジュール335にて図20(f)の処理である研磨処理が行われてBCP膜が平坦化される。そして研磨処理後のウエハWを研磨モジュール335内のスピンチャックにより回転させながら、ウエハWの上方のノズルから洗浄液をウエハWの中心部に吐出させて、図21(g)の処理である洗浄処理を行う。洗浄後のウエハWは、加熱モジュール340に搬入され、ここでアニール処理のうちの図21(h)に示す第1ステップである加熱処理が第1の温度よりも高い第2の温度で行われて、BCPの相分離が行われる。更にウエハWは例えば図22に示した構成の紫外線照射モジュール346に搬入され、アニール処理のうちの第2ステップである紫外線の照射が不活性ガス雰囲気下で行われる。

0098

その後、溶剤供給モジュール336にて図21(i)にて説明した処理が行われる。即ち、ウエハWの表面に溶剤、例えばIPAが供給され、BCPから分離されたPMMAが溶剤に溶解して除去され、後にPSが残ってレジストパターン例えばホールがPSにより縮径化された状態となる。即ちPSからなるパターンが形成され、いわば現像工程であるということができる。次いでウエハWは、上段モジュールのメインアーム370から例えば棚ユニットU3の受け渡しモジュール356マルチアーム300、受渡しモジュール352を介して、キャリアブロックT1のウエハ搬送モジュール323に受け渡され、キャリアCに戻される。
図23〜25に示すモジュール群の配置、及びモジュールの処理種別毎の数は、説明の便宜上のものであり、実際には各モジュールの処理時間を考慮して設定される。

0099

本発明を評価するためにパターンの形成されたウエハWに対し、SOC膜(塗布膜9)の塗布を行った後、図3、4に示した研磨ユニット3により研磨を行いウエハWの表面について評価を行った。ウエハWには、SiO2膜を成膜し、幅寸法が40nmのパターンを密に形成した領域と、幅寸法が100μmの凹部パターンを形成した領域と、を設けた。
(実施例1)
第1の実施の形態に示した研磨ユニット3により研磨した例を実施例1とした。
(実施例2)
研磨ユニット3の研磨部材40を高密度ポリエチレンを材質とする研磨部材40に代えたことを除いて実施例1と同様に研磨した例を実施例2とした。
(比較例1)
研磨を行う際に添加液ノズル51から水を供給せず、また窒素ガスノズル52からがガスを吐出せずにウエハWの研磨を行ったことを除いて実施例1と同様に研磨した例を比較例1とした。
(比較例2)
研磨ユニット3の研磨部材40をポリウレタンを材質とする研磨部材40に代えたことを除いて実施例1と同様に研磨した例を比較例2とした。
(比較例3)
研磨ユニット3の研磨部材40をテフロン登録商標)を材質とする研磨部材40に代えたことを除いて実施例1と同様に研磨した例を比較例2とした。
(比較例4)
研磨ユニット3の研磨部材40をダイヤモンドを材質とする研磨部材40に代えたことを除いて実施例1と同様に研磨した例を比較例4とした。
(比較例5)
研磨ユニット3の研磨部材40をセーム皮(鹿なめし皮)を材質とする研磨部材40に代えたことを除いて実施例1と同様に研磨した例を比較例5とした。
(比較例6)
市販のフェルトにより構成された研磨部材40によりウエハWの表面のバフ研磨を行った例を比較例6とした。
(検証結果)
実施例1及び実施例2の例では、ウエハWの表面の塗布膜9を十分に除去することができた。また実施例2においては、研磨部材40に供給される純水の液量が多い場合にも研磨後のウエハWの表面は平坦になっていた。従って研磨部材40として高密度ポリエチレンを用いた方が得策であるといえる。

0100

比較例1、比較例2及び比較例5では、研磨部材40がウエハWの表面を滑ってしまい十分に研磨することができなかった。また比較例3、比較例4においては、パターン92の破壊や、塗布膜9の膜はがれが見られた。更に比較例6においては、研磨部材40の回転速度を調整することで、パターン92の破壊を抑えることはできたが、研磨後における塗布膜9の表面が粗くなっていた。

0101

図26図29に夫々実施例1及び比較例6における研磨処理後のウエハWの断面を含む表面部の写真を示し、図30中の(1)〜(4)はウエハWにおいて夫々図26図29が表す部位を示す。図26図29は、夫々実施例1における幅寸法40nmのパターン92が密に形成された領域の断面図、幅の広い凹部に塗布膜9を埋め込んだ領域の表面図及び凹部に塗布膜9を埋め込んだ領域の断面図を示し、図29は、比較例6における幅寸法40nmのパターン92が密に形成された領域の断面図を示す。

0102

図26に示すように実施例1において40nmパターン92が密に形成された領域において、パターン92よりも上層の塗布膜9が除去され平坦な面となっていることが分かる。また図27図28に示すように幅の広い凹部に塗布膜9を埋め込んだ場合においても、パターン92の上面の高さ位置よりも上方の塗布膜9が除去されており、表面が平坦な面となっていることが分かる。

0103

方比較例6においては、図29に示すように窪み部93に埋め込まれた塗布膜9の表面が粗くなっていることが分かる。この結果によれば、本発明の研磨ユニット3を用いることにより、ウエハWの表面を精度よく平坦化することができるといえる。

0104

また塗布膜9の研磨前と、実施例1により研磨を行い、その後2回目の塗布膜9の塗布を行った後と、の夫々におけるウエハWの表面の高低差について測定した。図31(a)に、塗布膜9の研磨前の図30中に示すI−I´の断面の写真を示し、図31(b)に、実施例1により研磨を行い、その後2回目の塗布膜9の塗布を行った後の図30中に示すI−I´の断面の写真を示す。研磨前と、2回目の塗布膜9の塗布後と、夫々において、図31(a)、(b)の写真中の中央のブランケット領域Aにおける塗布膜9の表面の高さを基準として、図31(a)、(b)の写真中の左側に位置する凹部領域CのP1における塗布膜9の表面の高さと、図31(a)、(b)の写真中の右側に位置するラインアンドスペース領域BのP2における塗布膜9の表面の高さと、を測定した。

実施例

0105

塗布膜9の研磨前においては、ブランケット領域Aの塗布膜9の表面の高さに対して、P1における塗布膜9の表面は90nm低く、P2における塗布膜9の表面は、46nm低かった。一方実施例1により研磨を行い、その後2回目の塗布膜9の塗布を行った後は、ブランケット領域Aの塗布膜9の表面の高さに対して、P1における塗布膜9の表面は16nm低く、P2における塗布膜9の表面は、28nm高かった。従って塗布膜9の研磨前には、高低差が90nmであったが、実施例1により研磨を行い、その後2回目の塗布膜9の塗布を行った後のウエハWは、高低差が44nmと小さくなっていることが分かる。本発明の実施の形態によれば、ウエハWに形成された塗布膜9の表面を平坦化することができると言える。

0106

2塗布ユニット
3研磨ユニット
4研磨部
5加熱ユニット
6洗浄用ブラシ
8 制御部
9塗布膜
30カップ体
11スピンチャック
21〜23 第1〜第3のアーム
40研磨部材
51添加液ノズル
52窒素ガスノズル
44待機部
43CCDカメラ
92パターン
93 窪み部
Aブランケット領域
Bラインアンドスペース領域
C凹部領域
Wウエハ
202レジストパターン
201 凹部であるホール
204ブロック共重合体膜
205ポリスチレン(PS)
206ポリメチルメタクリレート(PMMA)

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