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技術 スラスト軸受

出願人 株式会社IHI
発明者 大森直陸
出願日 2015年2月10日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-024442
公開日 2016年8月18日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2016-148362
状態 特許登録済
技術分野 軸受の支持
主要キーワード 点付溶接 フォイル片 軸受スペーサ 固定辺 初期傾斜角 バネ反力 スラスト移動 周囲流体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月18日)のものです。
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図面 (12)

課題

トップフォイル片がスラストカラーに接触するのを抑制して高負荷に耐え得るようにした、スラスト軸受を提供する。

解決手段

回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受である。トップフォイルとバックフォイルベースプレートとを備える。バックフォイルは、ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、トップフォイルは、バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成されている。ベースプレートには、バックフォイルを支持する側の面におけるバックフォイル片の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部が形成されている。

概要

背景

従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受が知られている。このようなスラスト軸受としては、フォイル式のスラスト軸受、すなわちスラストフォイル軸受がよく知られている。スラストフォイル軸受は、振動や衝撃によって発生する回転軸の動き(スラストカラーの軸方向変位と傾き)を吸収できるように、軸受面が柔軟なフォイル(金属製薄板)によって形成されており、軸受面の下に軸受面を柔軟に支持するためのフォイル構造を有している。

このようなスラストフォイル軸受の一形態として、円環板周方向に分割して切り出した複数の円輪(円環)片形状のフォイル片トップフォイル片)によって軸受面を形成し、これらトップフォイル片をそれぞれ波板状のフォイル片(バンプフォイル片)で支持した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。各々のトップフォイル片(厚さ100μm前後)はスラストカラーに対して傾斜角を有しており、これによってスラストカラーとトップフォイル片との間の軸受隙間は側面視くさび形に形成される。すなわち、スラストカラー(回転軸)の回転方向上流側から下流側に向かうに連れて軸受隙間が狭くなるように形成されている。従って、軸受隙間が広い側(上流側)から軸受隙間が狭い側(下流側)に向かってスラストカラーが回転すると、潤滑流体がくさびに流れ込み、負荷能力が発揮される。

トップフォイル片は、スラストカラー(回転軸)の回転方向上流側の端辺のみがベースプレートに固定されており、軸受荷重が増加すると、この固定辺(上流側の端辺)を支点としてトップフォイルは水平になるように傾斜を緩め、傾斜角が0.1°程度になったとき最大負荷能力を発生する。一方、バンプフォイル片は山の稜線がトップフォイル片の下流側端辺に平行になるように配置され、バンプフォイル片におけるスラストカラー(回転軸)の回転方向下流側の端辺のみがベース板に固定されている。すなわち、上流側の端辺は自由端となっている。

バンプフォイル片がこのように配置され、固定されているのは、トップフォイル片に発生する流体潤滑膜の圧力が軸受隙間の狭い側(下流側)で高くなるためであり、該部位を高い剛性で支持することにより、負荷能力を高めるためである。

概要

トップフォイル片がスラストカラーに接触するのを抑制して高負荷に耐え得るようにした、スラスト軸受を提供する。回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受である。トップフォイルとバックフォイルとベースプレートとを備える。バックフォイルは、ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、トップフォイルは、バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成されている。ベースプレートには、バックフォイルを支持する側の面におけるバックフォイル片の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部が形成されている。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、トップフォイル片がスラストカラーに接触するのを抑制して高負荷に耐え得るようにした、スラスト軸受を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、前記スラストカラーに対向して配置されるトップフォイルと、前記トップフォイルの前記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置されて、該トップフォイルを支持するバックフォイルと、前記バックフォイルの前記トップフォイル側と反対の側に配置されて、該バックフォイルを支持する円環板状ベースプレートと、を備え、前記バックフォイルは、前記ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、前記トップフォイルは、前記バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成され、前記ベースプレートには、前記バックフォイルを支持する側の面における前記バックフォイル片の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部が形成されていることを特徴とするスラスト軸受。

請求項2

前記バックフォイル片は、少なくとも周方向の一方の側が径方向にて複数の分割片に分割されており、前記分割片のうちの最内周側の分割片が前記内周側凹み部内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。

請求項3

前記バックフォイル片は、前記バックフォイルを支持する側の面における周方向の他方の側が前記分割片を径方向に一体化する連続辺とされていることを特徴とする請求項2記載のスラスト軸受。

請求項4

前記ベースプレートには、前記バックフォイルを支持する側の面における前記バックフォイル片の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。

請求項5

前記バックフォイル片は、少なくとも周方向の一方の側が径方向にて複数の分割片に分割されており、前記分割片のうちの最内周側の分割片が前記内周側凹み部内に配置され、前記分割片のうちの最外周側の分割片が前記外周側凹み部内に配置されていることを特徴とする請求項4記載のスラスト軸受。

請求項6

前記バックフォイル片は、前記バックフォイルを支持する側の面における周方向の他方の側が前記分割片を径方向に一体化する連続辺とされていることを特徴とする請求項5記載のスラスト軸受。

請求項7

前記内周側凹み部の深さが、前記外周側凹み部の深さより深く形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のスラスト軸受。

技術分野

0001

本発明は、スラスト軸受に関する。

背景技術

0002

従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受が知られている。このようなスラスト軸受としては、フォイル式のスラスト軸受、すなわちスラストフォイル軸受がよく知られている。スラストフォイル軸受は、振動や衝撃によって発生する回転軸の動き(スラストカラーの軸方向変位と傾き)を吸収できるように、軸受面が柔軟なフォイル(金属製薄板)によって形成されており、軸受面の下に軸受面を柔軟に支持するためのフォイル構造を有している。

0003

このようなスラストフォイル軸受の一形態として、円環板周方向に分割して切り出した複数の円輪(円環)片形状のフォイル片トップフォイル片)によって軸受面を形成し、これらトップフォイル片をそれぞれ波板状のフォイル片(バンプフォイル片)で支持した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。各々のトップフォイル片(厚さ100μm前後)はスラストカラーに対して傾斜角を有しており、これによってスラストカラーとトップフォイル片との間の軸受隙間は側面視くさび形に形成される。すなわち、スラストカラー(回転軸)の回転方向上流側から下流側に向かうに連れて軸受隙間が狭くなるように形成されている。従って、軸受隙間が広い側(上流側)から軸受隙間が狭い側(下流側)に向かってスラストカラーが回転すると、潤滑流体がくさびに流れ込み、負荷能力が発揮される。

0004

トップフォイル片は、スラストカラー(回転軸)の回転方向上流側の端辺のみがベースプレートに固定されており、軸受荷重が増加すると、この固定辺(上流側の端辺)を支点としてトップフォイルは水平になるように傾斜を緩め、傾斜角が0.1°程度になったとき最大負荷能力を発生する。一方、バンプフォイル片は山の稜線がトップフォイル片の下流側端辺に平行になるように配置され、バンプフォイル片におけるスラストカラー(回転軸)の回転方向下流側の端辺のみがベース板に固定されている。すなわち、上流側の端辺は自由端となっている。

0005

バンプフォイル片がこのように配置され、固定されているのは、トップフォイル片に発生する流体潤滑膜の圧力が軸受隙間の狭い側(下流側)で高くなるためであり、該部位を高い剛性で支持することにより、負荷能力を高めるためである。

先行技術

0006

特開平10−331847号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、上記のスラストフォイル軸受構造では、トップフォイルの下流側端辺側で軸受隙間が最も狭くなっており、高負荷時にはサブミクロンに達することがある。従って、この下流側端辺側ではスラストカラーとの接触が起こり易くなっており、接触が起こると軸受寿命が低下し、最悪の場合焼き付きが生じてしまう。これを避けるには、トップフォイルの下流側端辺とスラストカラーとを常に平行にしておくのが望ましい。

0008

しかしながら、一般にスラストフォイル軸受では、その外周端側でのスラストカラーの周速内周端側での周速に比べて速いため、外周端側では流体潤滑膜の圧力(膜圧)が高くなり、内周端側では周速が遅いため圧力(膜圧)が低くなる。このため、トップフォイルの外周端側はバンプフォイル側へ押し込まれてスラストカラーから離れる方向へ動くものの、内周端側はスラストカラーの側へ起き上がることにより、スラストカラーに近づいてしまう。その結果、トップフォイルの下流側端辺側では、内周端側における流体潤滑膜の膜厚極端に薄くなり、高負荷に耐えられなくなる。

0009

そこで、従来のスラスト軸受では、例えば特許文献1に示されるようにバンプフォイルを径方向にて複数に分割している。そして、このように分割したバンプフォイルにおいて、(a)内周側に剛性の低いバンプフォイルを配置したり、(b)内周側のバンプフォイルの山の高さを低くすることにより、トップフォイル内周側の支持力を弱め、内周端側の起き上がりを抑制することが考えられている。

0010

しかし、このようにバンプフォイルを分割し調整してスラスト軸受を製造しようとしても、例えば(a)では、バンプフォイルの内周側と外周側とでそれぞれの剛性を適切にコントロールするのが難しく、従ってバンプフォイルの設計が困難である。また、(b)では、バンプフォイルの山の高さを10μmレベルでコントロールする必要があるため製作が難しく、特に量産時での品質の確保が困難である。

0011

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、トップフォイル片がスラストカラーに接触するのを抑制して高負荷に耐え得るようにした、スラスト軸受を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明のスラスト軸受は、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、上記スラストカラーに対向して配置されるトップフォイルと、上記トップフォイルの上記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置されて、該トップフォイルを支持するバックフォイルと、上記バックフォイルの上記トップフォイル側と反対の側に配置されて、該バックフォイルを支持する円環板状のベースプレートと、を備え、上記バックフォイルは、上記ベースプレートの周方向に配列された複数のバックフォイル片によって形成され、上記トップフォイルは、上記バックフォイル片の上にそれぞれ配設された複数のトップフォイル片によって形成され、上記ベースプレートには、上記バックフォイルを支持する側の面における上記バックフォイル片の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部が形成されていることを特徴とする。

0013

このスラスト軸受によれば、バックフォイルを支持する側の面におけるバックフォイル片の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部を形成しているので、トップフォイル片の外周端側がバックフォイル片側に押し込まれてスラストカラーから離れる方向に動こうとし、内周端側がスラストカラー側へ起き上がろうとしても、バックフォイル片の内周側端部が上記内周側凹み部内に沈んでいることでトップフォイル片とバックフォイル片との間に隙間が生じているため、この隙間が無くなるまではトップフォイル片の内周端側をスラストカラー側へ押し返す力がバックフォイル片に生じず、トップフォイル片の内周端側の起き上がりが起こらない。従って、トップフォイルの下流側端辺側では、内周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることが防止される。

0014

上記スラスト軸受において、上記バックフォイル片は、少なくとも周方向の一方の側が径方向にて複数の分割片に分割されており、上記分割片のうちの最内周側の分割片が上記内周側凹み部内に配置されていることが好ましい。
このようにすれば、バックフォイル片の周方向の一方の側を径方向にて複数に分割しているので、内周側の分割された片と外周側の分割された片とがそれぞれ独立して動作するようになり、従って、トップフォイル片がバックフォイル片側へ押し込まれたときに生じるバックフォイル片の変形が径方向において滑らかになる。よって、バックフォイル片による支持力も内周側から外周側に向けてより滑らかに変化する。また、分割片のうちの最内周側の分割片が内周側凹み部内に配置されているので、バックフォイル片の内周端側が上記内周側凹み部内に確実に沈み込み、従ってトップフォイル片の内周端側で該トップフォイル片とバックフォイル片との間に確実に隙間が形成される。

0015

上記スラスト軸受において、上記バックフォイル片は、上記バックフォイルを支持する側の面における周方向の他方の側が上記分割片を径方向に一体化する連続辺とされていることが好ましい。
このようにすれば、バックフォイル片の分割された各片が連続辺によって一体化されているため、バックフォイル片の取り扱いが容易になるとともに、バックフォイル片のベースプレート上への固定が容易になる。

0016

上記スラスト軸受において、上記ベースプレートには、上記バックフォイルを支持する側の面における上記バックフォイル片の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部が形成されていることが好ましい。
一般にスラスト軸受においては、トップフォイル片の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになるため、上記外周端の膜圧は、その他の外周側、すなわち外周端より内周側に入ったところに比べて低くなっている。従って、トップフォイル片の外周端も内周端側と同様に、スラストカラー側へ起き上がり易くなっている。
そこで、バックフォイルを支持する側の面の、バックフォイル片の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部を形成しているので、トップフォイル片の外周端がスラストカラー側へ起き上がろうとしても、バックフォイル片の外周側端部が上記外周側凹み部内に沈んでいることでトップフォイル片とバックフォイル片との間に隙間が生じているため、この隙間が無くなるまではトップフォイル片の外周端側をスラストカラー側へ押し返す力がバックフォイル片に生じず、トップフォイル片の外周端側の起き上がりが起こらない。従って、トップフォイルの下流側端辺側では、外周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることも防止される。

0017

上記スラスト軸受において、上記バックフォイル片は、少なくとも周方向の一方の側が径方向にて複数の分割片に分割されており、上記分割片のうちの最内周側の分割片が上記内周側凹み部内に配置され、上記分割片のうちの最外周側の分割片が上記外周側凹み部内に配置されていることが好ましい。
このようにすれば、バックフォイル片の周方向の一方の側を径方向にて複数に分割しているので、内周側の分割された片と外周側の分割された片とがそれぞれ独立して動作するようになり、従って、トップフォイル片がバックフォイル片側へ押し込まれたときに生じるバックフォイル片の変形が径方向において滑らかになる。よって、バックフォイル片による支持力も内周側から外周側に向けてより滑らかに変化する。また、分割片のうちの最内周側の分割片が内周側凹み部内に配置されているので、バックフォイル片の内周端側が上記内周側凹み部内に確実に沈み込み、従ってトップフォイル片の内周端側で該トップフォイル片とバックフォイル片との間に確実に隙間が形成される。同様に、分割片のうちの最外周側の分割片が外周側凹み部内に配置されているので、バックフォイル片の外周端側が上記外周側凹み部内に確実に沈み込み、従ってトップフォイル片の外周端側で該トップフォイル片とバックフォイル片との間に確実に隙間が形成される。

0018

上記スラスト軸受において、上記バックフォイル片は、上記バックフォイルを支持する側の面における周方向の他方の側が上記分割片を径方向に一体化する連続辺とされていることが好ましい。
このようにすれば、バックフォイル片の分割された各片が連続辺によって一体化されているため、バックフォイル片の取り扱いが容易になるとともに、バックフォイル片のベースプレート上への固定が容易になる。

0019

上記スラスト軸受において、上記内周側凹み部の深さが、上記外周側凹み部の深さより深く形成されていることが好ましい。
スラスト軸受の内周端側でのスラストカラーの周速が外周端側での周速に比べて遅いことによる、スラストカラー側へ起き上がり易くなるトップフォイルの内周端側の部位は、トップフォイルの外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることによる、スラストカラー側へ起き上がり易くなるトップフォイルの外周端側の部位より広い。従って、内周側凹み部の深さを外周側凹み部の深さより深く形成することで、内周側凹み部上でのトップフォイル片とバックフォイル片との間の隙間が外周側凹み部上での隙間より大きくなるため、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することがより効果的に防止される。

発明の効果

0020

本発明のスラスト軸受にあっては、バックフォイルを支持する側の面の、バックフォイル片の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部を形成しているので、トップフォイル片の内周端側の起き上がりを抑制して内周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることを防止することができる。従って、本発明のスラスト軸受によれば、トップフォイル片がスラストカラーに近づいてこれに接触することを防止することができるとともに、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

図面の簡単な説明

0021

本発明に係るスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を示す模式図である。
本発明に係るスラスト軸受の第1実施形態を示す図であり、スラストカラーを挟んだ状態の要部を断面視したスラスト軸受の側面図である。
本発明に係るスラスト軸受の第1実施形態の平面図である。
本発明に係るスラスト軸受の第1実施形態を示す図であり、(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)はベースプレートの支持領域の平面図、(c)はバンプフォイル片の平面図、(d)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。
本発明に係るスラスト軸受の第2実施形態を示す図であり、(a)はバンプフォイル片の平面図、(b)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するため平面図である。
本発明に係るスラスト軸受の第3実施形態を示す図であり、(a)はスラスト軸受3の平面図、(b)はベースプレートの支持領域の平面図、(c)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。
本発明に係るスラスト軸受の第4実施形態のスラスト軸受の平面図である。
本発明に係るスラスト軸受の第4実施形態を示す図であり、(a)は図7のC−C線矢視断面図、(b)はベースプレートの支持領域の平面図と側面図とを対応させた説明図、(c)はバンプフォイル片の平面図、(d)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。
本発明に係るスラスト軸受の変形例を示す図であり、(a)はバンプフォイル片の平面図、(b)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するため平面図である。
本発明に係るスラスト軸受の第5実施形態を示す図であり、(a)はバンプフォイル片の平面図、(b)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するため平面図である。
本発明に係るスラスト軸受の第6実施形態を示す図であり、(a)はスラスト軸受3の平面図、(b)はベースプレートの支持領域の平面図、(c)はバンプフォイル片及びベースプレートの支持領域を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。

実施例

0022

以下、図面を参照して本発明のスラスト軸受を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明のスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は回転軸、2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、3は本発明に係るスラスト軸受である。

0023

回転軸1には、インペラ2が形成された側にスラストカラー4が固定されており、このスラストカラー4には、このスラストカラー4を挟持するようにして一対のスラスト軸受3が配置されている。
また、インペラ2は静止側となるハウジング5内に配置されており、ハウジング5との間にチップクリアランス6を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアル軸受7が設けられている。

0024

「第1実施形態」
図2図3図4(a)〜(d)は、このような構成のターボ機械に適用されたスラスト軸受3の第1実施形態を示す図であり、図2はスラストカラー4を挟んだ状態の要部を断面視したスラスト軸受3の側面図である。また、図3はスラスト軸受3A(3)の平面図、図4(a)は図3のA−A線矢視断面図、図4(b)はベースプレートの支持領域31の平面図、図4(c)はバンプフォイル片21の平面図、図4(d)はバンプフォイル片21及びベースプレートの支持領域31を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。

0025

図2に示すようにこの第1実施形態では、スラスト軸受3A(3)はスラストカラー4を挟んでその両側にそれぞれ配置されている。これら一対のスラスト軸受3A(3)、スラスト軸受3A(3)は、共に同じ構成となっており、回転軸1に固定された円環板状のスラストカラー4に対向して配置された円環状(円筒状)のもので、回転軸1に外挿されて設けられている。

0026

スラスト軸受3A(3)は、スラストカラー4に対向して配置されたトップフォイル10と、このトップフォイル10の、スラストカラー4に対向する面と反対側の面に対向して配置されたバックフォイル20と、このバックフォイル20の、トップフォイル10側と反対の側に配置された円環板状のベースプレート30と、を備えて構成されている。本実施形態では、一対のスラスト軸受3A(3)、スラスト軸受3A(3)の、それぞれのベースプレート30間に、二点鎖線で示す円筒状の軸受スペーサ40が挟持されており、ベースプレート30、ベースプレート30は締結ボルト41によって軸受スペーサ40を介して連結されている。また、一方のベースプレート30は、その外面が締結ボルト41によってハウジング5に固定されており、従って一対のスラスト軸受3A(3)、スラスト軸受3A(3)は、スラストカラー4を挟んだ状態で締結ボルト41によってハウジング5に固定されている。

0027

ベースプレート30は、図3に示すように厚さ数mm程度の円環板状で金属製のもので、その外周部に上記締結ボルト41を挿通するための貫通孔42を複数(本実施形態では8個)形成している。このベースプレート30には、スラストカラー4側の面に、バックフォイル20やトップフォイル10を支持するための支持領域が設けられている。本実施形態では、後述するようにバックフォイル20、トップフォイル10がいずれも複数枚(6枚)のバックフォイル片21、トップフォイル片11によって形成されており、従ってベースプレート30は、その内周部を周方向に6つに分けて6つの支持領域31を形成している。なお、本実施形態ではこれら6つの支持領域31は設計上の領域であり、隣り合う支持領域31、支持領域31間には特に境界線等は設けられていない。

0028

ただし、本実施形態では、これら支持領域31には後述するバックフォイル(バンプフォイル片)の内周側端部を支持する部位に、図4(b)、(d)に示すように内周側凹み部35が形成されている。内周側凹み部35は、ベースプレート30のスラストカラー4側の面に形成されたもので、スラストカラー4側の面から数十μm程度堀り込まれたことで形成されている。本実施形態では、内周側凹み部35は平面視円弧状帯状に形成されている。このような内周側凹み部35の形成は、研削等によって行われるが、エッチング等の他の加工法によって行うこともできる。

0029

ベースプレート30の各支持領域31には、図2に示したようにそれぞれバックフォイル片21、トップフォイル片11がこの順に配置され、支持されている。
図3に示すようにバックフォイル20は、ベースプレート30の周方向に配列された6枚のバックフォイル片21によって形成されている。これらバックフォイル片21は、ベースプレート30の各支持領域31上にそれぞれ配置され、これによってベースプレート30の周方向に配列されている。また、これらバックフォイル片21は、後述するトップフォイル片11より僅かに小さく形成され、従って図3に示すようにベースプレート30上にてスラストカラー4側に露出することなく、トップフォイル片11に覆われている。

0030

これらバックフォイル片21からなるバックフォイル20は、フォイル(薄板)で形成されてトップフォイル10(トップフォイル片11)を弾性的に支持する。このようなバックフォイル20としては、例えば、バンプフォイル、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報などに記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報などに記載されているバックフォイルなどが用いられる。なお、特開2006−57652号公報や特開2004−270904号公報に記載されているスプリングフォイル、特開2009−299748号公報に記載されているバックフォイルは、ラジアル軸受に用いられるフォイルであるが、これらを平面状に展開して円環板状に形成すれば、スラスト軸受に用いられるフォイルとなる。

0031

本実施形態では、図3図4(a)、(c)、(d)に示すようにバックフォイル20がバンプフォイルからなり、従ってバックフォイル片21はバンプフォイル片からなっている。バンプフォイル片21(バックフォイル片)は、厚さ数百μm程度のフォイル(金属製薄板)がプレス成形によって波板状に成形されたもので、図4(c)に示すように全体が扇形頂点側を切り欠いて内周側、外周側をそれぞれ円弧状とした、略台形状に形成されている。

0032

このように波板状に成形されたバンプフォイル片21は、図4(a)、(d)に示すようにベースプレート30に接する谷部22と、トップフォイル片11に接する山部23とが交互に配置されて形成されている。谷部22は、バンプフォイル片21(バックフォイル片21)の最底部を形成しており、山部23の頂部(稜線)は、バンプフォイル片21(バックフォイル片21)の最頂部を形成している。ここで、バンプフォイル片21は、図3に示す回転軸1の回転方向下流側の端辺21aが、バンプフォイル片21の固定辺(バンプフォイル固定辺)となっている。谷部22及び山部23は、図4(c)に示すようにバンプフォイル片21の固定辺(端辺21a)と直交する方向に配列されている。すなわち、谷部22、山部23の配列方向は、上記固定辺と直交する方向に形成されており、従って谷部22、山部23は、上記固定辺と平行に延在するように形成されている。

0033

これら谷部22及び山部23は、それぞれほぼ等ピッチで形成されている。また、山部23の高さは、上記固定辺21aと反対の側から固定辺21a側に向かって、すなわち図3中に矢印で示す回転軸1(スラストカラー4)の回転方向の下流側に向かうに連れて、図4(a)、(d)に示すように所定の高さずつ高くなるように形成されている。

0034

バンプフォイル片21は、本実施形態では図4(c)に示すように全体が2つのパーツ、すなわちバンプフォイル片21の内周側端部となる第1パーツ24と、外周端側となる第2パーツ25とからなっている。第1パーツ24は、図4(d)に示すようにバンプフォイル片21がベースプレート30の支持領域31上に配置された際に、上記内周側凹み部35内に全体が入って沈み込むように該内周側凹み部35より一回り小さく形成されている。内周側凹み部35内に配置された第1パーツ24は、回転軸1の回転方向下流側の端辺24aがベースプレート30にスポット溶接点付溶接)されて固定されており、端辺24aと反対の側が自由端となっている。このように第1パーツ24は内周側凹み部35内に配置されるため、その支持領域31上への位置決めが容易になっている。

0035

第2パーツ25は、その周方向の一方の側、すなわち回転軸1の回転方向上流側が、径方向にて3つに等分割され、他方の側となる端辺25aが、径方向にて連続する連続辺とされている。このように端辺25aと反対の側が3つに分割されたことで、第2パーツ25は、3つの帯状の分割片25bと端辺25aとによって構成されている。なお、第1パーツ24の端辺24aと第2パーツ25の端辺25aとにより、図3に示した端辺21a、すなわち固定辺21aが形成されている。また、第1パーツ24は、第2パーツ25の分割片25bと径方向の幅が同じに形成されている。従って、これら第1パーツ24と第2パーツ25とからなるバンプフォイル片21は、見掛け上、回転軸1の回転方向上流側、すなわち周方向の一方の側が4つの分割片に分割された形状となっている。そして、これら分割片のうちの最内周側の分割片、つまり第1パーツ24が、内周側凹み部35内に配置されている。

0036

第2パーツ25における3つの帯状の分割片25b間には、それぞれスリット25cが形成されている。これらスリット25cは、本実施形態では第2パーツ25の外周が形成する円と同心円の一部を形成する円弧状に形成されている。これらスリット25cの幅は、径方向に隣り合う分割片21bが互いに干渉することなく、独立して動けるような寸法に設定されている。このような幅のスリット25cによって第2パーツ25の一方の側が3つの帯状の分割片25bに分割されていることにより、これら3つの帯状の分割片25bはそれぞれ独立して動くようになっている。また、第1パーツ24と第2パーツ25との間には、上記スリット25cとほぼ同じ幅の隙間が設けられている。これにより、第1パーツ24も上記分割片25bと同様に自由端側が独立して動くようになっている。

0037

なお、本実施形態では、バンプフォイル片21は第1パーツ24および第2パーツ25において、特に内周側と外周側との間で剛性を変えることなく全てがほぼ均一な剛性に形成されている。また、同じ列上にある山部23の頂部の高さも、ほぼ同じに形成されている。これにより、バンプフォイル片21の設計や製作が容易になっている。

0038

また、バンプフォイル片21は、回転軸1の回転方向下流側の端辺24a、端辺25aが、図3に示すように後述するトップフォイル片11における回転軸1の回転方向下流側の端辺11aと、平面視した状態でほぼ一致する位置に配置されている。なお、第2パーツ25の端辺25aも、この端辺25aを形成する谷部22の形成方向に沿って、ベースプレート30にスポット溶接(点付溶接)され、固定されている。
ただし、ベースプレート30への端辺24aや端辺25aの固定については、スポット溶接以外にも、例えばネジ止めなどによって行うことができる。

0039

トップフォイル10も、ベースプレート30の周方向に配列された6枚のトップフォイル片11によって形成されている。これらトップフォイル片11は、厚さ数百μm程度の金属製の薄板(フォイル)により、扇形の頂点側を切り欠いて内周側、外周側をそれぞれ円弧状とした、略台形状に形成されている。すなわち、バンプフォイル片21とほぼ同じ形状で、周方向に少し長い形状に形成されている。このような形状のトップフォイル片11は、ベースプレート30の各支持領域31上にてバンプフォイル片21を覆ってそれぞれ配置され、ベースプレート30の周方向に等間隔で配列されて全体として略円環板状に配置されたことにより、トップフォイル10を形成している。

0040

なお、トップフォイル片11は支持領域31より一回り小さく形成されるとともに、バンプフォイル片21より僅かに大きく形成されている。これによってトップフォイル片11は、互いに干渉することなく、また、バンプフォイル片21をスラストカラー4側に露出させることなく、その上面を覆った状態で各支持領域31に配置されている。ただし、本発明はこれに限定されることなく、トップフォイル片11をバンプフォイル片21と同じ大きさに形成してもよく、あるいは、バンプフォイル片21より小さく形成してもよい。

0041

また、このトップフォイル片11は、回転軸1(スラストカラー4)の回転方向上流側の端辺を固定辺12としており、この固定辺12によってベースプレート30に固定されている。すなわち、この固定辺12は、図4(a)に示したようにバンプフォイル片21から離間して配置されて、スポット溶接(点付溶接)によってベースプレート30に固定されている。

0042

また、このトップフォイル片11は、図3に示すように回転軸1(スラストカラー4)の回転方向上流側に固定部13を有しており、この固定部13によってベースプレート30に固定されている。本実施形態では、この固定部13でのベースプレート30への固定は、上記固定辺12でのスポット溶接(点付溶接)によってなされている。なお、この固定片12のベースプレート30への固定についても、スポット溶接以外に、例えばネジ止めなどで行うこともできる。固定部13は、回転軸1(スラストカラー4)の回転方向上流側に設けられていれば、面状であっても直線状であってもよいが、本実施形態ではある程度の幅を有する直線状に形成された、固定辺12となっている。

0043

また、このトップフォイル片11は、図4(a)に示すようにその固定辺12側が曲げ加工されており、これによってバンプフォイル片21の山部23の高さ分の段差を吸収できるように立ち上げられ、固定辺12より端辺11a側が山部23上に載せられている。一方、端辺11a(トレーリングエッジ)側は、固定されることなく単にバンプフォイル片21の山部23上に支持された自由端となっている。

0044

本実施形態ではバンプフォイル片21を、上記したようにその谷部22及び山部23がバンプフォイル片21の固定辺21aと直交する方向に配列するように配置している。従って、このバンプフォイル片21上に載置されることでトップフォイル片11は、上記山部23の配列方向に沿って固定辺12側からバンプフォイル片21の固定辺21a側に向かうに連れて、漸次ベースプレート30の内面から遠ざかるようにバンプフォイル片21の山部23によって設定された初期傾斜角で傾斜して配置されている。

0045

ここで、初期傾斜角とは、荷重がゼロのときのベースプレート30に対するトップフォイル片11の傾斜角である。また、傾斜角とは、図4(d)に示すようにバンプフォイル片21の山部23の高さ増加量によって決まる角度(傾斜角、勾配)θである。従って、荷重が増すとバンプフォイル片21の山部23がベースプレート30側に押し込まれ、全体が平坦化することにより、傾斜角θは初期傾斜角より小さくなる。

0046

次に、このような構成からなるスラスト軸受3A(3)の作用について説明する。
本実施形態では、図2に示したようにスラスト軸受3Aをスラストカラー4の両側に設けている。このようにスラストカラー4の両側に設けることにより、スラスト方向の移動量を極力抑えることができる。すなわち、スラスト移動量を小さくすることにより、図1に示したチップクリアランス6を狭くすることができ、これによってターボ機械としての流体性能を向上することができる。

0047

スラスト方向の移動量を極力抑えるため、両スラスト軸受3Aはスラストカラー4に対して大きな隙間が生じないように近接して設置される。これにより、両スラスト軸受3Aのトップフォイル片11(トップフォイル10)はスラストカラー4に対して若干押し付けられた状態になる。

0048

このような状態で回転軸1が回転し、スラストカラー4が回転を始めると、スラストカラー4とトップフォイル片11は擦れ合いつつ、両者の間に形成されたくさび形の空間に周囲流体が押し込まれる。そして、スラストカラー4が一定の回転速度に達すると、両者の間に流体潤滑膜が形成される。この流体潤滑膜の圧力によってトップフォイル片11(トップフォイル10)はバンプフォイル片21(バックフォイル20)側へ押し付けられ、スラストカラー4はトップフォイル片11との接触状態を脱し、非接触で回転するようになる。

0049

スラスト荷重が加わると、トップフォイル片11はさらにバンプフォイル片21側へ押され、トップフォイル片11の傾斜角θは浅く(小さく)なる。その際、スラスト軸受3A(3)ではその外周端側でのスラストカラー4の周速が内周端側での周速に比べて速いため、周速が遅い内周端側ではトップフォイル片11がスラストカラー4側へ起き上がり易くなっている。

0050

しかし、本実施形態では、ベースプレート30の内周端側、すなわちバンプフォイル片21の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35が形成され、この内周側凹み部35内にバンプフォイル片21の内周側端部を構成する第1パーツ24が配置されているので、トップフォイル片11の内周端側がスラストカラー4側へ起き上がろうとしても、バンプフォイル片21の内周側端部(第1パーツ24)が上記内周側凹み部35内に沈んでいることでトップフォイル片11とバンプフォイル片21との間に隙間が生じているため、この隙間が無くなるまではトップフォイル片11の内周端側をスラストカラー4側へ押し返す力がバックフォイル片21に生じない。従って、トップフォイル片11の内周端側の起き上がりが起こらない。

0051

また、トップフォイル片11の内周端側がバンプフォイル片21側へ押し込まれて上記の隙間が無くなったとしても、外周端側に比べれば隙間の分だけバンプフォイル片21によるバネ反力が弱くなっており、従ってトップフォイル片11の内周端側は起き上がり難くなる。
よって、スラスト荷重がさらに増して流体潤滑膜の膜厚がさらに薄くなったとしても、トップフォイル片11はスラストカラー4に接触し難くなり、結果としてより高いスラスト荷重を受けることが可能になる。

0052

また、バンプフォイル片21における、回転軸1の回転方向上流側を径方向にて4つ(複数)に分割しているので、内周側の第1パーツ24と外周側の分割片25bとがそれぞれ独立して動作するため、トップフォイル片11がバンプフォイル片21側へ押し込まれたときに生じるバンプフォイル片21の変形が径方向において滑らかになり、従ってバンプフォイル片21(バックフォイル片21)による支持力も内周側から外周側に向けてより滑らかに変化する。

0053

本実施形態のスラスト軸受3A(3)にあっては、ベースプレート30におけるバックフォイル20(バンプフォイル20)を支持する側の面の、バンプフォイル片21の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35を形成しているので、トップフォイル片11の内周端側の起き上がりを抑制して内周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることを防止することができる。従って、このスラスト軸受3A(3)によれば、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができるとともに、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

0054

「第2実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第2実施形態について、図5(a)、(b)を参照して説明する。なお、図5(a)はバンプフォイル片50の平面図、図5(b)はバンプフォイル片50及びベースプレートの支持領域31を説明するため平面図である。第2実施形態のスラスト軸受が第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と主に異なるところは、図5(a)、(b)に示すように、バンプフォイル片50として、第1パーツ24と第2パーツ25とからなることなく、単一のパーツからなるものを用いている点である。

0055

すなわち、本実施形態のバンプフォイル片50は、周方向の一方の側となる回転軸1の回転方向上流側が径方向にて4つ(複数)に等分割され、他方の側となる端辺51(固定辺)が径方向にて連続する連続辺とされている。このように端辺51と反対の側が4つに分割されたことで、バンプフォイル片50は、4つの帯状の分割片52と固定辺51(連続辺)とによって構成されている。なお、このバンプフォイル片50にも、谷部22、山部23が形成されているのは、上記バンプフォイル片21と同様である。

0056

4つの帯状の分割片52間には、上記バンプフォイル片21の第2パーツ25と同様に、それぞれスリット53が形成されている。これらスリット53により、4つの分割片52はそれぞれ独立して動くようになっている。そして、本実施形態でも、図5(b)に示すようにベースプレート30の内周端側、すなわちバンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に、内周側凹み部35が形成されている。この内周側凹み部35内には、バンプフォイル片50の内周側端部を構成する、最内周側の分割片52が配置されている。従って、この最内周側の分割片52は、ほぼ全体が内周側凹み部35内に沈み込んだ状態になっている。

0057

本実施形態のスラスト軸受3にあっても、バンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35を形成しているので、トップフォイル片11の内周端側の起き上がりを抑制して内周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることを防止することができる。従って、このスラスト軸受3によれば、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができるとともに、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

0058

また、バンプフォイル片50の周方向の一方の側を径方向に分割して分割片52としているので、各分割片52がそれぞれ独立して動作するようになり、従って、トップフォイル片11がバンプフォイル片50側へ押し込まれたときに生じるバンプフォイル片50の変形が径方向において滑らかになる。よって、バンプフォイル片50による支持力も内周側から外周側に向けてより滑らかに変化する。

0059

また、分割片のうちの最内周側の分割片52が内周側凹み部35内に配置されているので、バンプフォイル片50の内周端側が内周側凹み部35内に確実に沈み込み、従ってトップフォイル片11の内周端側で該トップフォイル片11とバンプフォイル片50との間に確実に隙間が形成され、トップフォイル片11がスラストカラー4に接触することが確実に防止される。

0060

また、バンプフォイル片50の分割片52が連続辺となる端辺51によって一体化されているため、バンプフォイル片50の取り扱いが容易になるとともに、バンプフォイル片50のベースプレート30上への固定が容易になる。

0061

「第3実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第3実施形態について説明する。
第3実施形態のスラスト軸受3B(3)が第2実施形態のスラスト軸受と主に異なるところは、図6(a)〜(c)に示すように、ベースプレート30の支持領域31に傾斜面32を形成した点と、バンプフォイル片50の山部23の高さを全て同一にした点である。なお、図6(a)はスラスト軸受3B(3)の平面図、図6(b)はベースプレートの支持領域31の平面図、図6(c)はバンプフォイル片50及びベースプレートの支持領域31を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。

0062

本実施形態では、図6(a)に示すように支持領域31における、上記バンプフォイル片50、トップフォイル片11を支持する領域全体を、トップフォイル片11の固定辺12側から下流側の端辺11a側に向かうに連れて高さが増加する傾斜面32としている。すなわち、傾斜面32を、図6(c)に示すように端辺11aに対して直交する方向に傾斜させて形成している。

0063

また、バンプフォイル片50については、第2実施形態と同様に、4つの分割片52が連続辺となる端辺51によって一体化されたものを用いている。従って、このバンプフォイル片50も、第1実施形態と同様に、ベースプレート30に接する谷部22と、トップフォイル片11に接する山部23とを交互に配置した波板状に形成している。ただし、本実施形態では、図6(c)に示すように、山部23の高さを全て同一に形成している。

0064

また、谷部22及び山部23については、第1実施形態、第2実施形態と同様に、トップフォイル片11の固定辺12と交差する方向に配列させている。すなわち、谷部22、山部23の配列方向を上記固定辺12と交差する方向とし、傾斜面32の傾斜方向に一致させている。これにより、バンプフォイル片50の山部23は、その高さがベースプレート30の傾斜面32の傾斜方向に沿って、すなわち回転軸1の回転方向の下流側に向かうに連れて、所定の高さずつ高くなっている。つまり、第1実施形態、第2実施形態と見掛け上同一になっている。従って、このバンプフォイル片50上に配置されるトップフォイル片11は、その傾斜角θが、第1実施形態、第2実施形態と同様に形成される。本実施形態では、この傾斜角θは図6(c)に示すように傾斜面32の傾斜角θによって決まる。

0065

また、本実施形態でも、図6(c)に示すようにベースプレート30の内周端側、すなわちバンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に、内周側凹み部35が形成されている。この内周側凹み部35内には、バンプフォイル片50の内周側端部を構成する、最内周側の分割片52が配置されている。従って、この最内周側の分割片52は、ほぼ全体が内周側凹み部35内に沈み込んだ状態になっている。

0066

ただし、本実施形態では、内周側凹み部35の底面はベースプレート30の傾斜面32と平行に形成され、従ってこの内周側凹み部35の底面も傾斜面となっている。これにより、内周側凹み部35内に沈み込んだバンプフォイル片50の最内周側の分割片52も、その山部23の高さが回転軸1の回転方向の下流側に向かうに連れて、所定の高さずつ高くなっている。

0067

本実施形態のスラスト軸受3B(3)にあっても、バンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35を形成しているので、トップフォイル片11の内周端側の起き上がりを抑制して内周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることを防止することができる。従って、このスラスト軸受3B(3)によれば、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができるとともに、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

0068

また、ベースプレート30の各支持領域31に傾斜面32を形成し、バンプフォイル片21の山部23の高さを全て同一にするとともに、該山部23の配列方向を傾斜面32の傾斜方向に一致させているので、この傾斜面32上にバンプフォイル片50を介してトップフォイル片11を配設することにより、トップフォイル片11の高さを傾斜面32に沿って精度よく変化させることができる。すなわち、トップフォイル片11に所定の傾斜角θを付与することができる。また、その際にバンプフォイル片50については、山部23の高さを変化させることなく一定の高さに作製すればよく、従ってその加工コストを抑えることができる。よって、このスラスト軸受3B(3)によれば、加工を容易にして量産性を向上し、コストの低減化を図ることができる。また、加工が容易になってバラツキが少なくなるため、設計時に予測した軸受性能(例えば軸受負荷能力)が得やすくなる。

0069

なお、この第3実施形態では、バンプフォイル片として第2実施形態のバンプフォイル片50を用いているが、これに代えて、第1実施形態のバンプフォイル片21を用いることもできる。

0070

「第4実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第4実施形態について説明する。
第4実施形態のスラスト軸受3C(3)が第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と主に異なるところは、図7図8(a)〜(d)に示すように、ベースプレート30のバンプフォイル片60を支持する側の面の、バンプフォイル片60の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部36が形成されている点と、バンプフォイル片60が3つのパーツからなっている点である。なお、図7はスラスト軸受3C(3)の平面図、図8(a)は図7のC−C線矢視断面図、図8(b)はベースプレートの支持領域31の平面図と側面図とを対応させた説明図、図8(c)はバンプフォイル片60の平面図、図8(d)はバンプフォイル片60及びベースプレートの支持領域31を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。

0071

図8(b)に示すようにベースプレート30には、内周側凹み部35に加えて外周側凹み部36を形成している。このように外周側凹み部36を形成するのは、以下の理由による。
トップフォイル10(トップフォイル片11)の外周側では、その外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになるため、この外周側端部での流体潤滑膜の膜圧は、その他の外周側(外周端から内寄りに入ったところ)に比べて低くなる。このため、トップフォイル10(トップフォイル片11)はその内周端だけでなく、外周端でも起き上がりが生じ、この外周端も局所的に摩耗するおそれがある。

0072

そこで、本実施形態では、上記したように外周側凹み部36を形成している。外周側凹み部36は、内周側凹み部35と同様にベースプレート30のスラストカラー4側の面に形成されたもので、スラストカラー4側の面から数十μm程度堀り込まれたことで形成されている。ただし、本実施形態では、図8(b)に示す内周側凹み部35の深さd1が外周側凹み部36の深さd2より深く形成されている。これは、スラスト軸受3の内周端側でのスラストカラー4の周速が外周端側での周速に比べて遅いことによる、スラストカラー4側へ起き上がり易くなるトップフォイル片11の内周端側の部位が、トップフォイル片11の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることによる、スラストカラー4側へ起き上がり易くなるトップフォイル片11の外周端側の部位より広いためである。

0073

すなわち、内周側凹み部35の深さd1を外周側凹み部36の深さd2より深く形成することにより、内周側凹み部35上でのトップフォイル片11とバンプフォイル片60との間の隙間を外周側凹み部36上での隙間より大きくすることができため、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することをより効果的に防止することができるからである。ただし、製造工程を簡略化するため、内周側凹み部35の深さd1と外周側凹み部36の深さd2とを同じに形成することもできる。

0074

また、本実施形態では、バンプフォイル60は図8(c)に示すように全体が3つのパーツ、すなわちバンプフォイル片60の内周側端部となる第1パーツ61と、外周側端部となる第2パーツ62と、これら内周側端部と外周側端部との間の中間部を構成する第3パーツ63と、からなっている。第1パーツ61は、図8(d)に示すようにバンプフォイル片60がベースプレート30の支持領域31上に配置された際に、内周側凹み部35内に全体が入って沈み込むように内周側凹み部35より一回り小さく形成されている。内周側凹み部35内に配置された第1パーツ61は、回転軸1の回転方向下流側の端辺61aがベースプレート30にスポット溶接(点付溶接)されて固定されており、端辺61aと反対の側が自由端となっている。このように第1パーツ61は内周側凹み部35内に配置されるため、第1パーツ61は支持領域31上への位置決めが容易になっている。

0075

第2パーツ62は、バンプフォイル片60がベースプレート30の支持領域31上に配置された際に、外周側凹み部36内に全体が入って沈み込むように外周側凹み部36より一回り小さく形成されている。外周側凹み部36内に配置された第2パーツ62は、回転軸1の回転方向下流側の端辺62aがベースプレート30にスポット溶接(点付溶接)されて固定されており、端辺62aと反対の側が自由端となっている。このように第2パーツ62は外周側凹み部36内に配置されるため、第2パーツ62も支持領域31上への位置決めが容易になっている。

0076

第3パーツ63は、その周方向の一方の側、すなわち回転軸1の回転方向上流側が、径方向にて2つに等分割され、他方の側となる端辺63aが、径方向にて連続する連続辺とされている。このように端辺63aと反対の側が2つに分割されたことで、第3パーツ63は、2つの帯状の分割片63bと端辺63aとによって構成されている。また、第1パーツ61、第2パーツ62は、第3パーツ63の分割片63bと径方向の幅が同じに形成されている。従って、これら第1パーツ61と第2パーツ62と第3パーツ63とからなるバンプフォイル片60は、見掛け上、回転軸1の回転方向上流側、すなわち周方向の一方の側が4つの分割片に分割された形状となっている。そして、これら分割片のうちの最内周側の分割片、つまり第1パーツ61が内周側凹み部35内に配置され、最外周側の分割片、つまり第2パーツ62が外周側凹み部36内に配置されている。

0077

第3パーツ63における2つの帯状の分割片63b間には、スリット63cが形成されている。スリット63cは、本実施形態では第2パーツ62の外周が形成する円と同心円の一部を形成する円弧状に形成されている。スリット63cの幅は、2つの分割片63bが互いに干渉することなく、独立して動けるような寸法に設定されている。このような幅のスリット63cによって第3パーツ63の一方の側が2つの帯状の分割片63bに分割されていることにより、これら2つの帯状の分割片63bはそれぞれ独立して動くようになっている。また、第1パーツ61と第3パーツ63との間にはスリット63cとほぼ同じ幅の隙間が設けられており、第2パーツ62と第3パーツ63との間にもスリット63cとほぼ同じ幅の隙間が設けられている。これにより、第1パーツ61、第2パーツ62は、第3パーツ63の分割片63bと同様に自由端側が独立して動くようになっている。
なお、本実施形態でも、バンプフォイル片60には谷部22及び山部23が、第1実施形態のバンプフォイル片21と同様に形成されている。

0078

本実施形態のスラスト軸受3C(3)にあっては、バンプフォイル片60の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35を形成してトップフォイル片11の内周端側の起き上がりを抑制するとともに、バンプフォイル片60の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部36を形成してトップフォイル片11の外周端側の起き上がりを抑制しているので、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができ、これによって軸受寿命の低下や焼き付きを防止することができる。また、内周端側や外周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることがないため、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

0079

「変形例」
第4実施形態ではバンプフォイル片60の第1パーツ61と第2パーツ62とを、その径方向の幅が同じになるように形成したが、例えば図9(a)、(b)に示すように、第1パーツ61と第2パーツ62とを異なる形状に形成してもよい。図9(a)に示しように本例のバンプフォイル片60は、第1パーツ64が第3パーツ63と同様に、2つの分割片64bとこれらを連続させる端辺64aとによって形成されている。

0080

従って、このバンプフォイル片60は、第1パーツ64、第2パーツ62、第3パーツ63からなることにより、見掛け上、回転軸1の回転方向上流側が5つの分割片に等分割された形状となっている。これにより、5つの分割片の径方向の幅は、図8(c)に示したバンプフォイル片60の分割片の径方向の幅に比べて狭くなっている。
また、本例では、図9(b)に示すように内周側凹み部35は第1パーツ64全体が入るように、図8(d)に示した内周側凹み部35に比べて径方向の幅が広くなっている。一方、外周側凹み部36は、図8(d)に示した外周側凹み部36に比べて径方向の幅が狭くなっている。

0081

上述したように、スラスト軸受3の内周端側でのスラストカラー4の周速が外周端側での周速に比べて遅いことによる、スラストカラー4側へ起き上がり易くなるトップフォイル片11の内周端側の部位は、トップフォイル片11の外周端で流体潤滑膜の圧力が周囲圧(例えば大気圧)と同じになることによる、スラストカラー4側へ起き上がり易くなるトップフォイル片11の外周端側の部位より広い。

0082

従って、本例のスラスト軸受3にあっては、内周側凹み部35の径方向の幅を外周側凹み部36より広くし、バンプフォイル片60の第1パーツ64とこれに支持されるトップフォイル片11との間の隙間をより広い範囲に形成したので、トップフォイル片11の内周端側がスラストカラー4に近づいてこれに接触することをより効果的に防止することができる。

0083

「第5実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第5実施形態について、図10(a)、(b)を参照して説明する。なお、図10(a)はバンプフォイル片50の平面図、図10(b)はバンプフォイル片50及びベースプレートの支持領域31を説明するため平面図である。第5実施形態のスラスト軸受が第4実施形態のスラスト軸受3C(3)と主に異なるところは、図10(a)、(b)に示すように、バンプフォイル片として図5(a)に示したバンプフォイル片50を用いている点である。

0084

すなわち、図10(a)、(b)に示す本実施形態のバンプフォイル片50も、周方向の一方の側となる回転軸1の回転方向上流側が径方向にて4つ(複数)に等分割され、他方の側となる端辺51(固定辺)が径方向にて連続する連続辺とされている。このように端辺51と反対の側が4つに分割されたことで、バンプフォイル片50は、4つの帯状の分割片52と固定辺51(連続辺)とによって構成されている。

0085

そして、本実施形態でも、図10(b)に示すようにベースプレート30の外周端側、すなわちバンプフォイル片50の外周側端部を支持する部位に、外周側凹み部36が形成されている。この外周側凹み部36内には、バンプフォイル片50の外周側端部を構成する、最外周側の分割片52が配置されている。従って、この最外周側の分割片52は、ほぼ全体が外周側凹み部36内に沈み込んだ状態になっている。

0086

本実施形態のスラスト軸受3にあっても、バンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35を形成してトップフォイル片11の内周端側の起き上がりを抑制するとともに、バンプフォイル片50の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部36を形成してトップフォイル片11の外周端側の起き上がりを抑制しているので、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができ、これによって軸受寿命の低下や焼き付きを防止することができる。また、内周端側や外周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることがないため、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

0087

また、第2実施形態と同様に、バンプフォイル片50の周方向の一方の側を分割片52としているので、バンプフォイル片50による支持力も内周側から外周側に向けてより滑らかに変化するようになる。さらに、バンプフォイル片50の分割片52が連続辺となる端辺51によって一体化されているため、バンプフォイル片50の取り扱いが容易になるとともに、バンプフォイル片50のベースプレート30上への固定が容易になる。

0088

「第6実施形態」
次に、本発明のスラスト軸受の第6実施形態について説明する。
第6実施形態のスラスト軸受3D(3)が第5実施形態のスラスト軸受と主に異なるところは、図11(a)〜(c)に示すように、ベースプレート30の上記支持領域31に傾斜面32を形成した点と、バンプフォイル片21の山部23の高さを、全て同一にした点である。なお、図11(a)はスラスト軸受3D(3)の平面図、図11(b)はベースプレートの支持領域31の平面図、図11(c)はバンプフォイル50片及びベースプレートの支持領域31を説明するためにその平面図と側面図を対応させた説明図である。

0089

本実施形態では、図6(a)〜(c)に示した第3実施形態と同様に、図11(a)に示す支持領域31における、バンプフォイル片50、トップフォイル片11を支持する領域全体を、トップフォイル片11の固定辺12側から下流側の端辺11a側に向かうに連れて高さが増加する傾斜面32としている。すなわち、傾斜面32を、図11(c)に示すように端辺11aに対して直交する方向に傾斜させて形成している。

0090

また、バンプフォイル片50については、第5実施形態と同様に、4つの分割片52が連続辺となる端辺51によって一体化されたものを用いている。従って、このバンプフォイル片50も、ベースプレート30に接する谷部22と、トップフォイル片11に接する山部23とを交互に配置した波板状に形成している。また、図11(c)に示すように、山部23の高さを全て同一に形成している。そして、谷部22、山部23の配列方向をトップフォイル片11の固定辺12と交差する方向とし、傾斜面32の傾斜方向に一致させている。これにより、バンプフォイル片50の山部23は、その高さがベースプレート30の傾斜面32の傾斜方向に沿って、すなわち回転軸1の回転方向の下流側に向かうに連れて、所定の高さずつ高くなっている。

0091

また、ベースプレート30には、バンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35が形成され、外周側端部を支持する部位に外周側凹み部36が形成されている。内周側凹み部35内には、バンプフォイル片50の最内周側の分割片52が配置され、外周側凹み部36内には、バンプフォイル片50の最外周側の分割片52が配置されている。従って、最内周側の分割片52はほぼ全体が内周側凹み部35内に沈み込んだ状態になっており、最外周側の分割片52はほぼ全体が外周側凹み部36内に沈み込んだ状態になっている。

0092

ただし、本実施形態では、内周側凹み部35の底面、外周側凹み部36の底面のいずれも、ベースプレート30の傾斜面32と平行に形成されている。従って、内周側凹み部35の底面、外周側凹み部36の底面は共に傾斜面となっている。これにより、内周側凹み部35内に沈み込んだバンプフォイル片50の最内周側の分割片52、外周側凹み部36内に沈み込んだバンプフォイル片50の最外周側の分割片52は、いずれも山部23の高さが回転軸1の回転方向の下流側に向かうに連れて、所定の高さずつ高くなっている。なお、本実施形態においても、内周側凹み部35の深さを外周側凹み部36の深さより深く形成するのが好ましい。

0093

本実施形態のスラスト軸受3D(3)にあっても、バンプフォイル片50の内周側端部を支持する部位に内周側凹み部35を形成してトップフォイル片11の内周端側の起き上がりを抑制するとともに、バンプフォイル片50の外周側端部を支持する部位に外周側凹み部36を形成してトップフォイル片11の外周端側の起き上がりを抑制しているので、トップフォイル片11がスラストカラー4に近づいてこれに接触することを防止することができ、これによって軸受寿命の低下や焼き付きを防止することができる。また、内周端側や外周端側における流体潤滑膜の膜厚が極端に薄くなることがないため、高負荷に耐え得る優れたものとなる。

0094

また、ベースプレート30の各支持領域31に傾斜面32を形成し、バンプフォイル片21の山部23の高さを全て同一にするとともに、該山部23の配列方向を傾斜面32の傾斜方向に一致させているので、この傾斜面32上にバンプフォイル片50を介してトップフォイル片11を配設することにより、トップフォイル片11の高さを傾斜面32に沿って精度よく変化させることができる。また、その際にバンプフォイル片50については、山部23の高さを変化させることなく一定の高さに作製すればよく、従ってその加工コストを抑えることができる。よって、このスラスト軸受3D(3)によれば、加工を容易にして量産性を向上し、コストの低減化を図ることができる。また、加工が容易になってバラツキが少なくなるため、設計時に予測した軸受性能(例えば軸受負荷能力)が得やすくなる。

0095

なお、この第6実施形態では、バンプフォイル片として第5実施形態のバンプフォイル片50を用いているが、これに代えて、第4実施形態のバンプフォイル片60を用いることもできる。また、図9(a)に示したバンプフォイル片60を用い、ベースプレート30の内周側凹み部35、外周側凹み部36を、図9(b)に示したように形成することもできる。

0096

また、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態ではバックフォイル20やトップフォイル10をそれぞれ6つのバックフォイル片21(バンプフォイル片21)、トップフォイル片11で構成し、従ってベースプレート30の支持領域31もこれに合わせて6つ形成(設定)したが、バックフォイル片21(バンプフォイル片21)やトップフォイル片11は、複数であれば5つ以下でも7つ以上であってもよい。その場合に、支持領域31の数についても、バックフォイル片21(バンプフォイル片21)やトップフォイル片11の数に合わせるのはもちろんである。

0097

また、上記実施形態では、バンプフォイル片を複数の分割片と連続辺(固定辺)とによって形成し、または複数のパーツに分けることで見掛け上複数の分割片と固定辺とによって形成したが、分割片の数としては、4つや5つに限定されることなく、2つ以上であればいくつに分割してもよい。また、各分割片の径方向の幅についても、全て同じにすることなく、分割片ごとに変えてもよい。例えば、図9(a)に示したバンプフォイル片60において、第1パーツ64を2つの分割片64bで形成することなく1つの分割片とし、第3パーツ63も2つの分割片63bで形成することなく1つの分割片としてもよい。

0098

また、トップフォイル片やバンプフォイル片の形状、支持領域上へのトップフォイル片やバンプフォイル片の配置、傾斜面の傾斜方向など、上記実施形態以外にも種々の形態を採用することが可能である。

0099

1…回転軸、3、3A、3B、3C、3D…スラスト軸受、4…スラストカラー、10…トップフォイル、11…トップフォイル片、11a…端辺、20…バックフォイル(バンプフォイル)、21、50、60…バックフォイル片(バンプフォイル片)、21a、51…端辺(固定辺)、21b、52…分割片、22…谷部、23…山部、30…ベースプレート、31…支持領域、32…傾斜面、35…内周側凹み部、36…外周側凹み部

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