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技術 ポリウレタンフォーム及びその製造方法

出願人 川崎化成工業株式会社
発明者 池尻雄治郎川島真人
出願日 2015年6月15日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-120552
公開日 2016年8月18日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-148014
状態 特許登録済
技術分野 ポリウレタン,ポリ尿素
主要キーワード 構築部材 小型ミキサー コーンカロリーメーター試験 フリーフォーム 防火材料 芳香環濃度 長鎖ポリエーテルポリオール コーンカロリー試験
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課題

従来の芳香環濃度の高いポリエステルポリオールを多量に用いることなく、難燃性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供する。

解決手段

少なくとも、ポリオール発泡剤触媒界面活性剤ポリイソシアネート及び重合禁止剤原料とするポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオールとしてポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分のうち10モル%以上がフマル酸及び/又はマレイン酸を用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。

概要

背景

一般にポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール等のポリオール発泡剤触媒界面活性剤、さらに必要に応じて難燃剤等を混合した混合液プレミックス液)とポリイソシアネート液を用意し、それらを混合して短時間で発泡硬化させる方法で製造される。ポリウレタンフォームは優れた断熱特性を有することから、冷蔵室冷蔵庫冷凍室冷凍庫、一般建造物断熱材等に、吹き付け、注入、ボード又はパネルといった形式で広く使用されている。

断熱性以外にポリウレタンフォームに求められる物性として難燃性が挙げられ、一般建造物の断熱壁構築部材として用いる場合には、より一層高い難燃性が求められている。特に近年では建築基準法改正により、防火材料試験(難燃・準不燃不燃材料)もコーンカロリーメーター試験による国際的な基準が導入されるようになり、ポリウレタンフォームの高難燃化の要求が一層高まってきている。

ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる方法としては、カリウム系四級アンモニウム塩系の触媒を用いてイソシアネートを三量化させるイソシアヌレート変性が一般に行われている。しかしながら、イソシアヌレート変性は難燃性の向上に効果を示すものの、多量に導入する場合にはプレミックス液とポリイソシアネート液のいわゆる液比が実用的な範囲から外れたり、得られるポリウレタンフォームの脆性接着性が悪化するといった問題が生じる。即ち、実用的な観点からは難燃性が不足しているのが実情である。

さらにはポリオールとして芳香族系ポリエステルポリオールを用いることが必須とされており、特に芳香環濃度が24重量%以上のポリエステルポリオールを用いることが提案されている(特許文献1)。しかしながら、芳香環濃度を向上させるとポリエステルポリオールが結晶化し易くなるほか、粘度や発泡剤との溶解性等に問題が生じる。

上記以外でポリウレタンフォームの難燃性を向上させるため、塩素化カルボン酸の1種類であるクロレンド酸系のポリオールが用いられることがあり、クロレンド酸とジエチレングリコールのような多価アルコールエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールが提案されている(特許文献2)。しかしながら、このようなハロゲン系のポリオールは環境への負荷を考えると決して好ましいものではなく、また難燃性の向上においても満足できるものではなかった。

その他の方法として、トリスモクロロプロピルフォスフェートのようなリン酸エステル系難燃剤を大量に用いる方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら、リン酸エステル系難燃剤を大量に使用した場合、それ自身は反応点を持たず可塑剤として作用するため、得られるポリウレタンフォームの強度低下を引き起こすといった問題がある。

このように、ポリウレタンフォームの高難燃化の要求に応えるべく、いわゆる当業者によって検討が行われているものの、難燃性と断熱材としての必要物性を両立させることは非常に困難であり、上記の芳香族系ポリエステルポリオールにおける結晶性や粘度等の問題を抱えつつもそれを多量に用いざるを得ないのが実情である。

概要

従来の芳香環濃度の高いポリエステルポリオールを多量に用いることなく、難燃性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供する。少なくとも、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤、ポリイソシアネート及び重合禁止剤原料とするポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオールとしてポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分のうち10モル%以上がフマル酸及び/又はマレイン酸を用いることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。なし

目的

本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、従来の芳香環濃度の高いポリエステルポリオールを多量に用いることなく、難燃性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

少なくとも、ポリイソシアネートポリオール発泡剤触媒界面活性剤及び重合禁止剤を含有するポリウレタンフォームであって、(a)ポリオールの一部がアルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(A)であり、(b)ポリエステルポリオール(A)に用いるカルボン酸成分として、フマル酸及び/又はマレイン酸を、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対して10モル%以上使用したものである、ことを特徴とするポリウレタンフォーム。

請求項2

前記ポリオールの一部として、さらに芳香族系のポリエステルポリオール(B)(ただし、ポリエステルポリオール(A)を除く。)を、ポリオール100重量部に対し、20〜70重量部用いることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム。

請求項3

少なくとも、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤及び重合禁止剤を含有するポリウレタンフォームであって、(a)ポリオールの一部がアルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(A)であり、(b)ポリエステルポリオール(A)に用いるカルボン酸成分として、フマル酸及び/又はマレイン酸を、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対して10モル%以上使用したものである、ことを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。

請求項4

前記ポリオールの一部として、さらに芳香族系のポリエステルポリオール(B)(ただし、ポリエステルポリオール(A)を除く。)を、ポリオール100重量部に対し、20〜70重量部用いることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタンフォームの製造方法。

請求項5

オゾン破壊係数が0.1以下の発泡剤を用いることを特徴とする請求項3又は4に記載のポリウレタンフォームの製造方法。

請求項6

発泡剤としてハイドロフルオロオレフィン系発泡剤、炭化水素系発泡剤又は水から選ばれた少なくとも1種類を用いることを特徴とする請求項3又は4に記載のポリウレタンフォームの製造方法。

請求項7

ポリイソシアネートとしてポリメリックMDIを用いることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。

技術分野

0001

本発明は優れた難燃性を有するポリウレタンフォーム及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

一般にポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール等のポリオール発泡剤触媒界面活性剤、さらに必要に応じて難燃剤等を混合した混合液プレミックス液)とポリイソシアネート液を用意し、それらを混合して短時間で発泡硬化させる方法で製造される。ポリウレタンフォームは優れた断熱特性を有することから、冷蔵室冷蔵庫冷凍室冷凍庫、一般建造物断熱材等に、吹き付け、注入、ボード又はパネルといった形式で広く使用されている。

0003

断熱性以外にポリウレタンフォームに求められる物性として難燃性が挙げられ、一般建造物の断熱壁構築部材として用いる場合には、より一層高い難燃性が求められている。特に近年では建築基準法改正により、防火材料試験(難燃・準不燃不燃材料)もコーンカロリーメーター試験による国際的な基準が導入されるようになり、ポリウレタンフォームの高難燃化の要求が一層高まってきている。

0004

ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる方法としては、カリウム系四級アンモニウム塩系の触媒を用いてイソシアネートを三量化させるイソシアヌレート変性が一般に行われている。しかしながら、イソシアヌレート変性は難燃性の向上に効果を示すものの、多量に導入する場合にはプレミックス液とポリイソシアネート液のいわゆる液比が実用的な範囲から外れたり、得られるポリウレタンフォームの脆性接着性が悪化するといった問題が生じる。即ち、実用的な観点からは難燃性が不足しているのが実情である。

0005

さらにはポリオールとして芳香族系ポリエステルポリオールを用いることが必須とされており、特に芳香環濃度が24重量%以上のポリエステルポリオールを用いることが提案されている(特許文献1)。しかしながら、芳香環濃度を向上させるとポリエステルポリオールが結晶化し易くなるほか、粘度や発泡剤との溶解性等に問題が生じる。

0006

上記以外でポリウレタンフォームの難燃性を向上させるため、塩素化カルボン酸の1種類であるクロレンド酸系のポリオールが用いられることがあり、クロレンド酸とジエチレングリコールのような多価アルコールエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールが提案されている(特許文献2)。しかしながら、このようなハロゲン系のポリオールは環境への負荷を考えると決して好ましいものではなく、また難燃性の向上においても満足できるものではなかった。

0007

その他の方法として、トリスモクロロプロピルフォスフェートのようなリン酸エステル系難燃剤を大量に用いる方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら、リン酸エステル系難燃剤を大量に使用した場合、それ自身は反応点を持たず可塑剤として作用するため、得られるポリウレタンフォームの強度低下を引き起こすといった問題がある。

0008

このように、ポリウレタンフォームの高難燃化の要求に応えるべく、いわゆる当業者によって検討が行われているものの、難燃性と断熱材としての必要物性を両立させることは非常に困難であり、上記の芳香族系ポリエステルポリオールにおける結晶性や粘度等の問題を抱えつつもそれを多量に用いざるを得ないのが実情である。

先行技術

0009

特開2008−88356号公報
特開平6−172480号公報
特開2009−149760号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、従来の芳香環濃度の高いポリエステルポリオールを多量に用いることなく、難燃性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らが鋭意検討した結果、ポリウレタンフォーム製造用のポリオールとして特定の構造的特徴を備えたポリエステルポリオールを使用することにより、上記課題を解決できるとの知見を得て本発明の完成に至った。

0012

即ち本発明の第一の要旨は、少なくとも、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤及び重合禁止剤を含有するポリウレタンフォームであって、
(a)ポリオールの一部が、アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(A)であり、
(b)ポリエステルポリオール(A)に用いるカルボン酸成分として、フマル酸及び/又はマレイン酸を、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対して10モル%以上使用したものである、
ことを特徴とするポリウレタンフォームに存する。

0013

第二の要旨は、少なくとも、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤及び重合禁止剤を含有するポリウレタンフォームであって、
(a)ポリオールの一部が、アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(A)であり、
(b)ポリエステルポリオール(A)に用いるカルボン酸成分として、フマル酸及び/又はマレイン酸を、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対して10モル%以上使用したものである、
ことを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法に存する。

発明の効果

0014

本発明のポリウレタンフォームの製造方法によれば、難燃性に優れたポリウレタンフォームの製造方法を提供することができる。

0015

以下、本発明について詳細に説明する。

0016

(ポリウレタンフォーム)
本発明は、少なくとも、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤及び重合禁止剤を含有するポリウレタンフォームであって、
(a)ポリオールの一部が、アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(A)であり、
(b)ポリエステルポリオール(A)に用いるカルボン酸成分として、フマル酸及び/又はマレイン酸を、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対して10モル%以上使用したものである、
ことを特徴とするポリウレタンフォームである。以下、該ポリウレタンフォームを構成する各成分について説明する。

0017

(ポリオール)
まず、本発明のポリウレタンフォームに用いるポリオールとは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール又はポリマーポリオール等から選ばれる少なくとも一種のポリウレタンフォームの製造に用いられる公知のものを指す。

0018

ポリエステルポリオールは、カルボン酸成分とアルコール成分とのエステル化反応により得られるものである。本発明においては、カルボン酸成分としてフマル酸及び/又はマレイン酸からなるポリエステルポリオール(A)を必須成分として用いる。フマル酸及び/又はマレイン酸は、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対し、通常10モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上用いる。フマル酸及び/又はマレイン酸が20モル%未満の場合、難燃性を向上させる効果が小さくなる。一方、フマル酸及び/又はマレイン酸の上限量は特になく、カルボン酸成分の全てをフマル酸及び/又はマレイン酸としても良い。すなわち、ポリオールとして用いるポリエステルポリオールが全量ポリエステルポリオール(A)であっても良い。

0019

フマル酸及び/又はマレイン酸と併用できる他のカルボン酸成分としては、一般にポリエステルポリオールの製造に用いられる公知のカルボン酸が用いることができる。具体的には、フタル酸テレフタル酸イソフタル酸トリメリット酸ピロメリット酸コハク酸グルタル酸アジピン酸セバシン酸アゼライン酸ヘット酸ダイマー酸リンゴ酸クエン酸酢酸又は安息香酸等が挙げられる。これらはそれぞれ酸無水物メチルエステル等の誘導体として使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。

0020

これらのカルボン酸のうち、ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点からは、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸を用いることが好ましい。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸の使用量は、ポリエステルポリオール(A)中の全カルボン酸成分に対し、通常20モル%以上80モル%未満、好ましくは30モル%以上70モル%未満、さらに好ましくは40モル%以上60モル%未満である。また、ポリウレタンフォームの接着性や表面性を向上させる観点からは、コハク酸及び/又はアジピン酸を用いることが好ましい。コハク酸、アジピン酸の使用量は、ポリオール中の全カルボン酸成分に対し、通常20モル%以上80モル%未満、好ましくは30モル%以上70モル%未満、さらに好ましくは40モル%以上60モル%未満である。

0021

ポリエステルポリオール(A)のアルコール成分としては、一般にポリエステルポリオールの製造に用いられる公知のアルコールを使用できる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールテトラエチレングリコールポリエチレングリコールジプロピレングリコールトリプロピレングリコールポリプロピレングリコールポリオキシエチレンオキシプロピレン重合グリコールポリテトラメチレンエーテルグリコール等の長鎖ポリエーテルポリオールグリセリントリメチロールプロパンペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは二種類以上を併用しても良い。

0022

これらのアルコールの中でも特に、ジエチレングリコールを用いることが好ましい。ジエチレングリコールの使用量は、ポリエステルポリオール(A)のアルコール成分に対し、通常20モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上である。ジエチレングリコールが20モル%未満の場合、難燃性を向上させる効果が小さくなる。一方、ジエチレングリコールの上限量は特になく、アルコール成分の全てをジエチレングリコールとしても良い。

0023

ポリエステルポリオール(A)の水酸基価は、通常30〜500mgKOH/g、好ましくは40〜480mgKOH/g、さらに好ましくは50〜450mgKOH/gの範囲である。水酸基価が30mgKOH/gより小さい場合は、得られるポリウレタンフォームの機械強度の低下を招く場合がある。一方、500mgKOH/gより大きいと未反応のアルコールが多い分子量分布となり、脆性や接着性を悪化させることがある。

0024

ポリエステルポリオール(A)の25℃での粘度は、通常50000mPa・s以下、好ましくは45000mPa・s以下、さらに好ましくは40000mPa・s以下である。50000mPa・sよりも高い場合は、取り扱いに支障が生じる可能性がある。一方、粘度の下限値は特にない。

0025

また、ポリエステルポリオール(A)の粘度を下げる方法として、メタノールエタノールイソプロパノール、2−エチルヘキサノール等の1価のアルコールを併用することもできる。但し、これらの1価のアルコールを使用した場合は、水酸基価と官能基数が上記の範囲から外れないようにすることが重要である。さらに、ポリエステルポリオールの製造において1価のアルコールが反応系外に留出して収率を悪化させたり、得られたポリエステルポリオールを使用したポリウレタンフォームの強度や難燃性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、実用上問題とならない範囲で使用することが好ましい。

0026

ポリエステルポリオール(A)の平均官能基数は、通常1.0〜4.0、好ましくは1.2〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5の範囲である。平均官能基数が1.0より小さい場合はポリウレタンフォームの機械強度、寸法安定性の低下などの悪影響が生じる可能性がある。一方、4.0より大きい場合はポリエステルポリオールの粘度が上昇し、不具合を生じる可能性がある。

0027

ポリエステルポリオール(A)の製造において、通常、触媒としてエステル化触媒を使用する。該エステル化触媒としては、一般に酸触媒が使用されることが多い。具体的には、テトライソプロピルチタネートテトラn−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステルジエチルオキシドジブチル錫オキシド等の錫系化合物酸化亜鉛等の金属化合物が使用される。また、パラトルエンスルホン酸等のブレンステッド酸を使用しても構わない。

0028

エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総仕込重量に対し通常0.1重量%以下、好ましくは0.07重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。ポリウレタンフォームの用途によっては、エステル化触媒を使用しないで反応しても構わないし、反応後に失活処理を施したり、精製等で除去したりしてもよい。

0029

ポリエステルポリオール(A)の製造において、エステル化反応の終点は、通常、用いたカルボン酸の未反応カルボキシル基の量で決定する。一方、ポリウレタンフォーム製造用プレミックス液中における酸分の存在は、アミン系触媒等との作用でウレタン化反応性を低下させたり、プレミックス液の保存安定性にも影響を与える場合がある。従って、未反応のカルボン酸の量、すなわち、酸価はできるだけ低い方が好ましい。本発明のポリエステルポリオール(A)の酸価は、通常3mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以下、さらに好ましくは1mgKOH/g以下である。一方、下限は特にないが、反応条件や反応時間を考慮すれば、0.1mgKOH/g程度である。

0030

ポリエステルポリオール(A)の製造において、エステル化反応の反応温度や、反応圧力等の反応条件は特に制限されることはなく、公知の方法を用いることができる。

0031

(重合禁止剤)
ポリエステルポリオール(A)を用いてポリウレタンフォームを製造するに際し、あらかじめ重合禁止剤を添加する。ポリエステルポリオール(A)が重合することによって貯蔵安定性が悪化するのを防ぐためである。重合禁止剤としては公知の重合禁止剤を用いることができる。具体的には、ハイドロキノンメチルハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン系、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン系、1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン等のナフトキノン系、1,4−ナフトハイドロキノン、2−メチル−1,4−ナフトハイドロキノン等のナフトハイドロキノン系、カテコール、t−ブチルカテコール等のカテコール系、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノールクレゾール等のフェノール系、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール等のN−オキシル系、その他、フェノチアジン、フェルダジル、α,α−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジル等の公知の重合禁止剤が挙げられる。これらの重合禁止剤は2種類以上を用いてもよい。

0032

重合禁止剤の使用量は、ポリエステルポリオール(A)に対して、通常1〜10000ppm、好ましくは5〜5000ppm、さらに好ましくは10〜1000ppmである。使用量が1ppm未満の場合は重合を防止する効果が小さく貯蔵安定性が悪化する。一方、10000ppmを超えても良いが重合防止という観点からは1000ppmで十分な効果が得られる。

0033

重合禁止剤の添加は、エステル化反応前にカルボン酸やアルコールとともに加えて良いし、エステル化反応中に逐次添加したり、エステル化反応終了後に加えても良い。また、反応前と反応後のように2度以上に分けて加えても良い。エステル化反応中にも一部重合が進むことを考慮すれば、これら重合禁止剤はエステル化反応開始前に添加することが最も好ましい。

0034

ポリエステルポリオール(A)の使用量は、全ポリオール100重量部中、通常20重量部以上、好ましくは30重量部以上、さらに好ましくは40重量部以上である。使用量が20重量部未満の場合、ポリウレタンフォームの難燃性が低下する。一方、使用量の上限は特になくポリオールの全量をポリエステルポリオール(A)としても良い。

0035

本発明のポリウレタンフォームの製造において、上記のポリエステルポリオール(A)以外に用いるポリオールとしては、水酸基価が20〜800mgKOH/g、官能基数が1.0〜8.0の公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられ、いずれも市販のものを用いることができる。これらは単独で用いても2種類以上を併用しても構わない。

0036

特にポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点からは、上記ポリエステルポリオール(A)に加えてさらに芳香族系のポリエステルポリオール(B)(ただし、ポリエステルポリオール(A)とは異なる)を用いることができ、全ポリオール100重量部中、好ましくは20重量部以上、さらに好ましくは30重量部以上用いると良い。

0037

芳香族系ポリエステルポリオール(B)とは、カルボン酸成分うち芳香族カルボン酸を通常10モル%以上、好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上用いて製造されたものを指す。芳香族カルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、安息香酸等が挙げられる。芳香族カルボン酸以外には、一般にポリエステルポリオールの製造に用いられる公知のカルボン酸が使用できる。また、アルコール成分としては、一般にポリエステルポリオールの製造に用いられる公知のアルコールを使用できる。

0038

上記以外のポリエステルポリオールとしては、フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸等の1〜4価のカルボン酸の1種類以上と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の4価のアルコールの1種類以上とのエステル化反応により得られるものや、ブチロラクトンカプロラクトン等の開環重合で得られるポリエステルポリオール等、公知のポリエステルポリオールを用いることができる。

0039

ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類や、エチレンジアミントルエンジアミン等のアミン類開始剤として、エチレンオキシドプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドの1種類以上を重合して得られるものや、マンニッヒ変性ポリオール等、公知のポリエーテルポリオールを用いることができる。

0040

また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、ジエタノールアミントリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ポリマーポリオール等、活性水素を1分子中に2個以上有する化合物等も併用することができる。

0041

(発泡剤)
本発明のポリウレタンフォームの製造においては、発泡剤を用いる。発泡剤としては、オゾン破壊係数が0.1以下の発泡剤、例えば、HFC−245fa、HFC−365mfcのようなハイドロフルオロカーボン系発泡剤ペンタンシクロペンタンのような炭化水素系発泡剤、HFO−1234ze、HFO−1234yf、HCFO−1233zd、HFO−1336mzz等のハイドロフルオロオレフィン系発泡剤、水、炭酸ガス等が挙げられる。なお、水はポリイソシアネートとの反応によって炭酸ガスを発生することにより、発泡剤として作用する。

0042

(触媒)
触媒としては、通常のポリウレタンフォームの製造に使用される公知の触媒が使用できる。例えば、トリエチレンジアミン、N,N−テトラメチルヘキサンジアミン等のアミン系触媒の他に、ジブチル錫ジラウレートオクチル酸錫等の錫系、オクチル酸鉛等の鉛系等の金属系触媒等が挙げられる。また、イソシアネートの三量化触媒としてカリウム系、四級アンモニウム塩系、トリアジン系等が挙げられる、これらはいずれも市販の触媒を用いることができる。触媒の配合量は目的とするポリウレタンフォームの反応性や物性により適宜選択されるが、泡化触媒樹脂化触媒バランス型触媒、三量化触媒等を組み合わせるのが一般的である。

0043

(界面活性剤)
本発明のポリウレタンフォームの製造においては、界面活性剤を用いる。界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の何れであってもよいが、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤の使用量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜10重量部であり、また、2種以上の界面活性剤を使用してもよい。

0044

(その他の助剤
本発明のポリウレタンフォームの製造においては、用途に応じて添加剤、助剤として使用することができる。例えば、代表的な添加剤として難燃剤や減粘剤が挙げられる。具体的には、難燃剤としてクロロアキルホスフェート類、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェート又はトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等が使用することができ、減粘剤としては、プロピレンカーボネート又はテトラグライム等が使用することができる。上記以外の添加剤や助剤については、特に限定されるものではなく、物性向上や操作性向上等の目的で使用されるものであれば、著しい悪影響を及ぼすものでない限りにおいて使用することができる。

0045

(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートとしては、一分子中にイソシアネート基を二個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族系、脂環族系芳香族系ポリイソシアネート又はこれらの変性物が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネート又はポリイソシアネートが挙げられ、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート又はポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等が挙げられ、さらに、これらのカルボジイミド変性物やプレポリマー等の変性物も使用することができる。

0046

好ましいポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート又はその変性物であり、特に好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらの変性物である。これらは、二種以上を併用してもよい。ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有率が通常25〜35重量%、粘度が通常500mPa・s(25℃)以下のものが好適に使用される。

0047

実用的には、ポリイソシアネート液として、上記のポリイソシアネートの他に、用途に応じて、添加剤や助剤をポリイソシアネートに混合して使用してもよい。例えば、前述のポリウレタンフォーム用組成物との混合性を向上させる目的で、ポリウレタンフォーム用組成物でも使用される界面活性剤を相溶化剤として併用する場合がある。この場合は、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。また、難燃性の向上や粘度の調整を目的として、難燃剤を併用する場合がある。通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等が使用される。上記以外の添加剤や助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で使用され、著しい悪影響を及ぼすものでなければ何を使用しても構わない。

0048

本発明のポリウレタンフォームにおいて、ポリウレタンフォームのイソシアネートインデックスは、〔(全イソシアネート基のモル数)/(全活性水素基のモル数)×100〕の数式から求めることができ、通常50〜400、好ましくは60〜390、さらに好ましくは70〜380である。イソシアネートインデックスが50未満の場合は、得られる硬質ポリウレタンフォームが十分な強度を有しないことがあり、一方、400を超える場合は、得られる硬質ポリウレタンフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にあるため、好ましくない。

0049

本発明のポリウレタンフォームの密度は、フリーフォームコア密度で表し、10〜60kg/m3、好ましくは15〜55kg/m3、さらに好ましくは20〜50kg/m3である。密度が10kg/m3未満の場合、得られるポリウレタンフォームが十分な難燃性や機械強度を持たず、60kg/m3を超える場合はコスト高となる。

0050

本発明のポリウレタンフォームの独立気泡率は特に限定されないが、良好な難燃性を求めるためには70%以上とすることが好ましい。一方、ポリウレタンフォームの用途によっては、収縮を防ぐため独立気泡率を50%以下とする場合もある。

0051

(ポリウレタンフォームの製造方法)
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤及びポリイソシアネートを混合して発泡硬化させるというものであるが、実用的には、ポリイソシアネートをA液、ポリオールをB液(プレミックス液)として、水、触媒、界面活性剤及びその他助剤等は、予め、B液に適宜混合させ、後述する装置を使用して2液を混合し、発泡、硬化させるという方法である。なお、発泡剤、触媒、界面活性剤は、B液に混合するのが好ましいが、場合によってはA液に混合させたり、それぞれの成分をウレタン化反応直前まで混合せずに3種類以上の原料液として取り扱う場合もある。

0052

ポリウレタンフォームの製造において、A液とB液を均一に混合可能であれば如何なる装置でも使用することができる。例えば、小型ミキサーの他、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する注入発泡用低圧又は高圧発泡機スラブ発泡用の低圧又は高圧発泡機、連続ライン用の低圧又は高圧発泡機、吹き付け工事用スプレー発泡機等を使用することができる。なお、ポリウレタンフォームを製造するに際し、A液およびB液のそれぞれの液温は、通常10〜60℃に調節される。

0053

本発明のポリウレタンフォームにおいて、必要に応じてその片面もしくは両面に適当な面材を設けることができる。面材としては、例えば、紙、木材、石膏ボード、樹脂、アルミニウム箔鋼板等が使用される。

0054

以下、実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。

0055

<ポリオールの合成>
公知の方法によりポリオールを合成し、これに重合禁止剤を所定量添加した。得られたポリオールをポリオール−1〜6として原料カルボン酸成分及びアルコール成分の組成、酸価、水酸基価、粘度、水分、貯蔵安定性を表1に示した。ポリオールの物性評価方法は表2に示した。

0056

0057

0058

<プレミックス液の調製>
表3に示す配合にてプレミックス液を調整した。また、表3その他の配合成分として表5に示すものを併せて用いた。なお、これらの配合に使用した原料を表3に示した。

0059

0060

<ポリウレタンフォームの製造>
表3に記載のプレミックス液と、ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をポリイソシアネート液として用いて所定量ポリカップに採り、表4に示す条件で、電動ミキサー高速混合した後に上面と下面に鋼板面材を準備した金型流し込んで型締めし、ポリウレタンフォームの鋼板面材サンドイッチパネルを作成した。なお、イソシアネートインデックスは300とした。

0061

0062

得られたポリウレタンフォームの鋼板面材サンドイッチパネルは、中央部を99×99mmに切断して試験片を作成し、コーンカロリー試験にて難燃性を評価した。コーンカロリー試験はISO5660−1(2002)に準拠し、試験時間は20分(不燃)で表5の基準に従って合否を判定し、結果は表3に示した。なお、コーンカロリー試験における評価基準は、表5に示す条件を全て満たした場合を「合格」とし、表5に示す条件のいずれかを満たさない場合を「不合格」とした。

0063

0064

以上の結果より、主に以下のことが明らかである。

実施例

0065

(1)表1において、重合禁止剤を用いた本発明の参考例1〜5のポリオール−1〜5が6ヶ月以上の貯蔵安定性を有するのに対し、重合禁止剤を用いなかった比較参考例1のポリオール−6は1ヶ月で重合による増粘が認められる。また、増粘してしまったポリオール−6からプレミックス液を調整することはできなかった。
(2)表3において、本発明のポリエステルポリオールを用いた実施例1〜7はコーンカロリー試験に合格しているのに対し、用いなかった比較例1〜4は不合格となっている。
(3)本発明のポリウレタンフォームは、長期保存したポリオールを用いた場合でも所望の難燃性を有するわかる。

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