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技術 栽培方法及び化学肥料

出願人 住友電気工業株式会社国立大学法人静岡大学
発明者 池口直樹馬場将人臼崎早苗糠谷明切岩祥和鈴木克己
出願日 2015年2月12日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-025868
公開日 2016年8月18日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2016-146786
状態 特許登録済
技術分野 水耕栽培 肥料 植物の栽培
主要キーワード 平均供給量 略同一量 超音波ミスト 窒素成分量 過繁茂 定植期 ホウ素成分 供給過剰
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

果実の収量の低減が抑えられると共に、果実の甘みを向上することができる栽培方法の提供を目的とする。

解決手段

本発明の栽培方法は、肥料を供給する工程を備える果菜類の栽培方法であって、上記肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たり窒素成分平均供給量開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくする。着果期の1日当たりの窒素成分の平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量としては、3/10以上が好ましい。リン成分カリウムカルシウム又はマグネシウムの上記着果期の1日当たりの平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの平均供給量としては、4/5以上6/5以下が好ましい。当該栽培方法は、少なくとも3段以上の摘心栽培に用いられるとよい。当該栽培方法は、養液栽培に用いられるとよい。

概要

背景

一般に、果菜類等の植物の栽培においては、カリウム窒素成分リン成分等を一定の割合で配合された化学肥料が用いられる。中でも、窒素成分は、果菜類を生長させるための重要な成分とされ、通常開花期から果実収穫時に亘って一定の分量で供給されるか、又は生長に伴って増量されつつ供給される。

また、今日では、植物に供給する肥料の状態を監視し制御することで、植物に供給する養分のバランスの最適化を図る方法も提案されている。このような肥料の供給方法としては、例えば「養液栽培による植物の育成方法」(特開2013−201983号公報)が発案されている。

この公報所載の植物の育成方法は、葉菜類や果菜類の育成方法として用いられるもので、養液のpH及び導電率に応じた追肥を行うものである。この植物の育成方法は、養液のpHが基準値を超え、かつ導電率が基準値未満の場合には原肥の2倍以上のアンモニア性窒素を含む追肥を行い、養液のpHが基準値以下で、かつ導電率が基準値未満の場合には原肥の0〜1倍のアンモニア性窒素を含む追肥を行うことを特徴としている。

この公報所載の植物の育成方法は、養液のpHを植物が養分を吸収しやすい6付近に保つことで、植物の養分の吸収率を高めることができるとされている。

概要

果実の収量の低減が抑えられると共に、果実の甘みを向上することができる栽培方法の提供を目的とする。本発明の栽培方法は、肥料を供給する工程を備える果菜類の栽培方法であって、上記肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくする。着果期の1日当たりの窒素成分の平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量としては、3/10以上が好ましい。リン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの上記着果期の1日当たりの平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの平均供給量としては、4/5以上6/5以下が好ましい。当該栽培方法は、少なくとも3段以上の摘心栽培に用いられるとよい。当該栽培方法は、養液栽培に用いられるとよい。

目的

そのため、上記所載の公報においても、pHと導電率とに応じてアンモニア性窒素の供給量増減することは記載されているものの、これは生長のための適切な窒素量の供給を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

肥料を供給する工程を備える果菜類栽培方法であって、上記肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たり窒素成分平均供給量開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくする栽培方法。

請求項2

着果期の1日当たりの窒素成分の平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量が3/10以上である請求項1に記載の栽培方法。

請求項3

リン成分カリウムカルシウム又はマグネシウムの上記着果期の1日当たりの平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの平均供給量が4/5以上6/5以下である請求項1又は請求項2に記載の栽培方法。

請求項4

少なくとも3段以上の摘心栽培に用いられる請求項1、請求項2又は請求項3に記載の栽培方法。

請求項5

養液栽培に用いられる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の栽培方法。

請求項6

上記果菜類がトマトである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の栽培方法。

請求項7

上記着果期及び果実肥大初期の1日当たりの平均供給量として少なくとも以下の(1)〜(4)のいずれか1を満たす請求項6に記載の栽培方法。(1)2.0me/株≦リン成分≦2.3me/株(2)3.1me/株≦カリウム≦4.6me/株(3)2.2me/株≦カルシウム≦3.2me/株(4)0.33me/株≦マグネシウム≦0.49me/株

請求項8

窒素成分の供給量削減期間が、開花の4週間後から10週間後までの期間を含む請求項6又は請求項7に記載の栽培方法。

請求項9

請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の栽培方法における果実肥大初期に用いられ、窒素成分の含有量が0me/L以上20me/L以下である化学肥料

技術分野

0001

本発明は、栽培方法及び化学肥料に関する。

背景技術

0002

一般に、果菜類等の植物の栽培においては、カリウム窒素成分リン成分等を一定の割合で配合された化学肥料が用いられる。中でも、窒素成分は、果菜類を生長させるための重要な成分とされ、通常開花期から果実収穫時に亘って一定の分量で供給されるか、又は生長に伴って増量されつつ供給される。

0003

また、今日では、植物に供給する肥料の状態を監視し制御することで、植物に供給する養分のバランスの最適化を図る方法も提案されている。このような肥料の供給方法としては、例えば「養液栽培による植物の育成方法」(特開2013−201983号公報)が発案されている。

0004

この公報所載の植物の育成方法は、葉菜類や果菜類の育成方法として用いられるもので、養液のpH及び導電率に応じた追肥を行うものである。この植物の育成方法は、養液のpHが基準値を超え、かつ導電率が基準値未満の場合には原肥の2倍以上のアンモニア性窒素を含む追肥を行い、養液のpHが基準値以下で、かつ導電率が基準値未満の場合には原肥の0〜1倍のアンモニア性窒素を含む追肥を行うことを特徴としている。

0005

この公報所載の植物の育成方法は、養液のpHを植物が養分を吸収しやすい6付近に保つことで、植物の養分の吸収率を高めることができるとされている。

先行技術

0006

特開2013−201983号公報

発明が解決しようとする課題

0007

一方、果菜類を栽培するに当たり、窒素供給量が増加すると、果実の糖含量が低下し、果実の甘みが減少することが知られている。しかしながら、従来によると、窒素は果菜類の生長に不可欠な養分であるため、果菜類の生長と果実に含まれる糖分とはトレードオフの関係にある。そのため、上記所載の公報においても、pHと導電率とに応じてアンモニア性窒素の供給量を増減することは記載されているものの、これは生長のための適切な窒素量の供給を目的としたものに過ぎず、果実の甘みを意図したものではなく、またこれによって果実の甘みを向上できるものではない。

0008

これに対し、本発明者らが鋭意検討したところ、果菜類の生長には窒素が必要であるものの、果実肥大初期以降において窒素の供給量を減らしても果実の収量には余り変化がないことが分かった。また、果実肥大初期以降に窒素の供給量を減らすと、果実の甘みを効果的に高めることができることが分かった。

0009

本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、果実の収量の低減を抑えつつ、果実の甘みを向上することができる栽培方法及び化学肥料の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る栽培方法は、肥料を供給する工程を備える果菜類の栽培方法であって、上記肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくする。

0011

上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る化学肥料は、当該栽培方法における果実肥大初期に用いられ、窒素成分の含有量が0me/L以上20me/L以下である。

発明の効果

0012

本発明の栽培方法及び化学肥料は、果実の収量の低減を抑えつつ、果実の甘みを向上することができる。

図面の簡単な説明

0013

Aの培地定植したに対する週当たりの施肥成分量を示すグラフである。
Bの培地に定植した苗に対する週当たりの施肥成分量を示すグラフである。
Cの培地に定植した苗に対する週当たりの施肥成分量を示すグラフである。
果実a〜cの7作目の総収量を示すグラフである。
果実a〜cの糖含量を示すグラフである。
果実a〜cの特定成分含量を示すグラフである。

0014

[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。

0015

本発明の一態様に係る栽培方法は、肥料を供給する工程を備える果菜類の栽培方法であって、上記肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくする。

0016

当該栽培方法は、肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくするので、果実の糖含量を高めることができる。また、本発明者らの知見によると、果実肥大初期における窒素の供給量を減少しても、果実の収量に対する影響は比較的小さく、逆に果実肥大初期の窒素の供給量が増えると、葉が多くなり過ぎて果菜類を適切に生長させるための管理が困難になることが分かった。つまり、当該栽培方法は、果実の収量の低減及び管理コストを抑えることができると共に、果実の糖含量を高めて果実の甘みを向上することができる。また、当該栽培方法は、極端水分ストレス塩ストレスによって果実の甘みを向上するものではないため、この点からも収量の低減を抑えることができる。

0017

着果期の1日当たりの窒素成分の平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量としては、3/10以上が好ましい。このように、着果期の1日当たりの窒素成分の平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を上記範囲内とするとこによって、果実の収量の減少をより確実に抑えつつ、果実の甘みを向上することができる。

0018

リン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの上記着果期の1日当たりの平均供給量に対する上記果実肥大初期の1日当たりの平均供給量としては、4/5以上6/5以下が好ましい。このように、リン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの平均供給量を上記範囲内とすることによって、上述のように果実の甘みを向上しつつ、果菜類を適切に生長させることができる。

0019

当該栽培方法は、少なくとも3段以上の摘心栽培に用いられるとよい。かかる摘心栽培によると、果実は下方の1段目から順に肥大していくことになる。そのため、1段目及び2段目においては、培地中に残存する窒素成分や既に果菜類が内部に吸収した窒素成分の影響を受けやすい。これに対し、3段目以上になると、培地中に残存する窒素成分等の影響が及びにくいため、果実に含まれる糖含量を容易かつ確実に高めて果実の甘みを向上することができる。

0020

当該栽培方法は、養液栽培に用いられるとよい。かかる養液栽培によると、果菜類が吸収する養分を制御しやすいため、果実に含まれる糖含量を的確に高めることができる。つまり、土壌栽培によると、供給する窒素成分量を減少しても、果菜類は予め土壌に含まれる窒素成分を吸収すべく窒素成分の存在領域に根を伸ばしやすい。これに対し、上記養液栽培によると、かかる土壌を用いないため、供給する窒素成分を減少することで、果菜類が吸収する窒素成分をより的確に制御することができ、これにより果実に含まれる糖含量を的確に高めることができる。

0021

当該栽培方法に用いられる上記果菜類がトマトであるとよい。このように、上記果菜類がトマトであることによって、果実の甘みを的確に高めて高品質なトマトを供給することができる。

0022

上記着果期及び果実肥大初期の1日当たりの平均供給量として少なくとも以下の(1)〜(4)のいずれか1を満たすことが好ましい。
(1)2.0me/株≦リン成分≦2.3me/株
(2)3.1me/株≦カリウム≦4.6me/株
(3)2.2me/株≦カルシウム≦3.2me/株
(4)0.33me/株≦マグネシウム≦0.49me/株
このように、上記着果期及び果実肥大初期の1日当たりの平均供給量として上記(1)〜(4)のいずれか1を満たすことによって、トマトを適切に生長させることができる。

0023

窒素成分の供給量削減期間開花の4週間後から10週間後までの期間を含むとよい。このように、窒素成分の供給量削減期間が上記範囲の期間を含むことによって、果実の収量の減少を抑えつつ、この果実の甘みをより的確に向上することができる。

0024

本発明の他の一態様に係る化学肥料は、当該栽培方法における果実肥大初期に用いられ、窒素成分の含有量が0me/L以上20me/L以下である。

0025

当該化学肥料は、窒素成分の含有量が上記範囲内であるので、果実肥大初期に用いられることで、果実の収量の低減を抑えることができると共に、果実に含まれる糖含量を高めて果実の甘みを向上することができる。

0026

なお、本明細書において、「着果期」とは、各株における第1花房(第1花房に着果しなかった場合には最も早く着果した果実)の着果期をいう。また、「果実肥大初期」とは、各株における第1花房に着果した果実の肥大初期をいう。「開花期から果実肥大期前まで」とは、各株における第1花房の開花からこの第1花房に着果した果実が肥大する前までの期間をいう。「窒素成分」とは、窒素単体に加え、アンモニア性窒素のようにアンモニウム塩として含まれる窒素や、亜硝酸性窒素硝酸性窒素のように酸化窒素として含まれる窒素を含む。「窒素成分の含有量」とは、窒素原子の含有量をいう。なお、本明細書に記載のその他の成分についても同様である。「養液栽培」とは、土壌の代わりに必要な養分を含む培養液を用いる栽培方法をいい、例えば固形培地を用いる固形培地耕や、固形培地を用いない水耕栽培噴霧耕栽培等が挙げられる。なお、本発明における「養液栽培」とは、定植期以降の栽培で土壌の代わりに培養液を用いるものであればよく、定植期までの栽培では土壌を用いてもよい。「化学肥料」とは、化学的に合成された無機肥料をいう。

0027

[本発明の実施形態の詳細]
<果菜類の栽培方法>
以下、本発明の一実施形態に係る栽培方法について説明する。

0028

当該果菜類の栽培方法は、養液栽培に用いられる。当該栽培方法は、果菜類の果実の甘みを高めてこの果実の高品質化を促進することができる。当該栽培方法によって栽培可能な果菜類としては、特に限定されるものではなく、例えばトマト、ピーマンイチゴトウガラシカボチャキュウリスイカメロンインゲン豆、枝豆エンドウ豆、そら豆等が挙げられる。以下においては、トマトを栽培する場合を例に挙げて説明する。

0029

当該栽培方法は、果菜類に肥料を供給する工程を備える。果菜類は、一般に播種から育苗期、定植期、開花期、着果期及び果実肥大期を経て収穫される。当該栽培方法は、これらの各段階において適宜肥料を供給する。つまり、当該栽培方法は、これらの各段階において肥料供給工程を有する。当該栽培方法は、果実肥大期、中でも果実肥大初期の肥料の供給方法に特徴を有する。以下、育苗期から収穫に至るまでの肥料の供給方法について説明する。

0030

(育苗期における栽培手順)
育苗期における栽培手順としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の育苗ポットを用い、この育苗ポット培土又は土壌を充填した上で種子を播き、苗まで育てる方法が挙げられる。

0031

上記培土としては、特に限定されるものではないが、例えば砂土又は砂状人工培土ロックウール等の人工無機培土、ポリウレタンポリエステル等の人工有機培土おがくずもみ殻等の有機天然培土等が挙げられ、中でも砂土又は砂状の人工培土が好ましい。上記培土として砂土又は砂状の人工培土を用いることによって、培土中に空隙を形成することができる。これにより、この空隙に育苗に必要な養水分を保持することができると共に、根に十分な酸素を供給することができる。

0032

育苗期には、種子又は苗に水、肥料、殺虫剤等を適宜供給するのが好ましい。水、肥料、殺虫剤等の供給方法としては、特に限定されるものではなく、例えばミスト状にして噴霧する方法が挙げられる。かかる噴霧方式としては、高圧気体を使用した霧吹きタイプや、超音波ミスト等が挙げられる。

0033

育苗期に供給する肥料に含まれる成分としては、例えば窒素成分、リン成分、カリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、ホウ素成分等が挙げられる。

0034

育苗期における窒素成分の1日当たりの平均供給量の下限としては、0.20me/株が好ましく、0.24me/株がより好ましい。一方、育苗期における窒素成分の平均供給量の上限としては、0.29me/株が好ましく、0.27me/株がより好ましい。上記窒素成分の平均供給量が上記下限に満たないと、苗が十分生長しないおそれがある。逆に、上記窒素成分の平均供給量が上記上限を超えると、裂果等を生じるおそれがある。

0035

(定植期から果実肥大期前までにおける栽培手順)
育苗後の苗は培地に定植する。この培地としては、例えば砂培地又は砂状の人工培地、ロックウール等の人工無機培地、ポリウレタン、ポリエステル等の人工有機培地、おがくず、もみ殻等の有機系天然培地等が挙げられる。中でも、上記培地としては、砂培地又は砂状の人工培地が好ましい。砂培地又は砂状の人工培地は、ロックウール等の他の無機培地に比べて保水性が高いため、生長に必要な養水分を十分に保持できると共に、根に対して十分な酸素を供給することができる。また、施肥量灌水頻度等を調整することで、培地中の水分量を容易に調節することができる。なお、上記培地としては、必ずしも固体培地を用いる必要はなく、液体培地を用いてもよい。上記液体培地としては、例えばMS培地(Murashige−Skoog培地)、WP培地(Woody Plant培地)、GamborgB5培地等が挙げられる。

0036

定植期から果実肥大期前までにおける施肥方法としては、特に限定されるものではなく、固形培地を用いる場合であれば、例えば養液をミスト状にして噴霧する方法や、養液を吸水シートや培地等の毛管力によって吸い上げて果菜類の根に供給する方法(毛管水耕法)が挙げられる。また、液体培地を用いる場合であれば、例えば養液が貯留される栽培槽に苗を定植し、この貯留される養液によって施肥する方法(湛液型水耕法)が挙げられる。

0037

定植期から果実肥大期前までに施肥する肥料としては、一般的には化学肥料が用いられる。また、かかる化学肥料の種類としては、特に限定されないが、液肥(培養液)が好ましい。

0038

上記化学肥料に含まれる成分としては、窒素成分、リン成分、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。また、上記化学肥料には、イオンバランスを保つ点から、水素成分硫酸塩素成分等を含んでいてもよい。

0039

上記化学肥料に含まれる窒素成分の含有量の下限としては、15me/Lが好ましく、18me/Lがより好ましく、20me/Lがさらに好ましい。一方、上記化学肥料に含まれる窒素成分の含有量の上限としては、28me/Lが好ましく、25me/Lがより好ましく、22me/Lがさらに好ましい。上記窒素成分の含有量が上記下限に満たないと、収量が低下するおそれがある。逆に、上記窒素成分の含有量が上記上限を超えると、過繁茂を招来し、果菜類を適切に生長させるための管理が容易でなくなるおそれがある。

0040

上記化学肥料に含まれるリン成分の含有量の下限としては、3me/Lが好ましく、4me/Lがより好ましい。一方、上記化学肥料に含まれるリン成分の含有量の上限としては、10me/Lが好ましく、8me/Lがより好ましい。上記リン成分の含有量が上記下限に満たないと、果実が十分に生長しないおそれがある。逆に、上記リン成分の含有量が上記上限を超えると、鉄成分亜鉛成分の低下を助長して葉が枯死するおそれがある。

0041

上記化学肥料に含まれるカリウムの含有量の下限としては、7me/Lが好ましく、8me/Lがより好ましい。一方、上記化学肥料に含まれるカリウムの含有量の上限としては、16me/Lが好ましく、14me/Lがより好ましい。上記カリウムの含有量が上記下限に満たないと、葉が黄化するおそれがある。逆に、上記カリウムの含有量が上記上限を超えると、葉が枯死するおそれがある。

0042

上記化学肥料に含まれるカルシウムの含有量の下限としては、4me/Lが好ましく、6me/Lがより好ましい。一方、上記化学肥料に含まれるカルシウムの含有量の上限としては、12me/Lが好ましく、10me/Lがより好ましい。上記カルシウムの含有量が上記下限に満たないと、果実の腐れが生じるおそれがある。逆に、上記カルシウムの含有量が上記上限を超えると、他の成分の欠乏を誘発するおそれがある。

0043

上記化学肥料に含まれるマグネシウムの含有量の下限としては、0.5me/Lが好ましく、1me/Lがより好ましい。一方、上記化学肥料に含まれるマグネシウムの含有量の上限としては、6me/Lが好ましく、4me/Lがより好ましい。上記マグネシウムの含有量が上記下限に満たないと、葉が黄化するおそれがある。逆に、上記マグネシウムの含有量が上記上限を超えると、果菜類に供給されるカリウムやカルシウムが欠乏するおそれがある。

0044

上記化学肥料に含まれる水素成分の含有量の下限としては、特に限定されるものではなく、理論上の下限値は0me/Lである。一方、上記化学肥料に含まれる水素成分の含有量の上限としては、8me/Lが好ましく、6me/Lがより好ましい。上記水素成分の含有量が上記上限を超えると、リン成分等が養液中に沈殿して果菜類に適切に供給され難くなるおそれがある。

0045

上記化学肥料に含まれる硫酸成分の含有量の下限としては、特に限定されるものではなく、理論上の下限値は0me/Lである。一方、上記化学肥料に含まれる硫酸成分の含有量の上限としては、15me/Lが好ましく、12me/Lがより好ましい。上記硫酸成分の含有量が上記上限を超えると、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が養液中に沈殿して果菜類に適切に供給され難くなるおそれがある。

0046

上記化学肥料に含まれる塩素成分の含有量の下限としては、0me/Lとすることができる。一方、上記化学肥料に含まれる塩素成分の含有量の上限としては、15me/Lが好ましく、12me/Lがより好ましい。上記塩素成分の含有量が上記上限を超えると、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が養液中に沈殿して果菜類に適切に供給され難くなるおそれがあると共に、根が枯れるおそれがある。

0047

定植期から果実肥大期前までにかけては、徐々に施肥量を増加させるのが好ましい。また、開花期から果実肥大期前までにおける1日当たりの平均施肥量の下限としては、0.15L/株が好ましく、0.20L/株がより好ましい。逆に、開花期から果実肥大期前までにおける1日当たりの平均施肥量の上限としては、0.25L/株が好ましく、0.23L/株がより好ましい。上記平均施肥量が上記下限に満たないと、苗が十分に生長しないおそれがある。逆に、上記平均施肥量が上記上限を超えると、各成分が供給過剰になるおそれがある。

0048

開花期から果実肥大期前までにおける1日当たりの窒素成分の平均供給量の下限としては、3.5me/株が好ましく、4.0me/株がより好ましい。一方、開花期から果実肥大期前までにおける1日当たりの窒素成分の平均供給量の上限としては、5.5me/株が好ましく、5.0me/株がより好ましい。一般に開花期から果実肥大期前までは窒素を最も必要とする時期であり、上記窒素成分の平均供給量が上記下限に満たないと、収量が低下するおそれがある。逆に、上記窒素成分の平均供給量が上記上限を超えると、過繁茂を招来し、果菜類を適切に生長させるための管理が容易でなくなるおそれがある。

0049

また、着果期における1日当たりの平均施肥量の下限としては、0.24L/株が好ましく、0.26L/株がより好ましい。一方、着果期における1日当たりの平均施肥量の上限としては、0.32L/株が好ましく、0.30L/株がより好ましい。着果期における1日当たりの平均施肥量が上記下限に満たないと、収量が十分に得られないおそれがある。逆に、着果期における1日当たりの平均施肥量が上記上限を超えると、各成分が供給過剰になるおそれがある。

0050

着果期における1日当たりの窒素成分の平均供給量の下限としては、4.0me/株が好ましく、5.0me/株がより好ましい。一方、着果期における1日当たりの窒素成分の平均供給量の上限としては、8.0me/株が好ましく、7.0me/株がより好ましい。上記窒素成分の平均供給量が上記下限に満たないと、収量が十分に得られないおそれがある。逆に、上記窒素成分の平均供給量が上記上限を超えると、過繁茂を招来し、果菜類を適切に生長させるための管理が容易でなくなるおそれがあると共に、後述するように果実肥大初期に窒素成分の供給量を少なくした場合でも、それまでに吸収した窒素に起因して果実の甘みが十分に高まらないおそれがある。

0051

着果期における1日当たりのリン成分の平均供給量の下限としては、2.0me/株が好ましく、2.1me/株がより好ましい。一方、着果期における1日当たりのリン成分の平均供給量の上限としては、2.3me/株が好ましく、2.2me/株がより好ましい。上記リン成分の平均供給量が上記下限に満たないと、果実が十分に生長しないおそれがある。逆に、上記リン成分の平均供給量が上記上限を超えると、鉄成分や亜鉛成分の低下を助長して葉が枯死するおそれがある。

0052

着果期における1日当たりのカリウムの平均供給量の下限としては、3.1me/株が好ましく、3.5me/株がより好ましい。一方、着果期における1日当たりのカリウムの平均供給量の上限としては、4.6me/株が好ましく、4.2me/株がより好ましい。上記カリウムの平均供給量が上記下限に満たないと、葉が黄化するおそれがある。逆に、上記カリウムの平均供給量が上記上限を超えると、葉が枯死するおそれがある。

0053

着果期における1日当たりのカルシウムの平均供給量の下限としては、2.2me/株が好ましく、2.5me/株がより好ましい。一方、着果期における1日当たりのカルシウムの平均供給量の上限としては、3.2me/株が好ましく、2.9me/株がより好ましい。上記カルシウムの平均供給量が上記下限に満たないと、果実の尻腐れが生じるおそれがある。逆に、上記カルシウムの平均供給量が上記上限を超えると、他の成分の欠乏を誘発するおそれがある。

0054

着果期における1日当たりのマグネシウムの平均供給量の下限としては、0.33me/株が好ましく、0.38me/株がより好ましい。一方、着果期における1日当たりのマグネシウムの平均供給量の上限としては、0.49me/株が好ましく、0.44me/株がより好ましい。上記マグネシウムの平均供給量が上記下限に満たないと、葉が黄化するおそれがある。逆に、上記マグネシウムの平均供給量が上記上限を超えると、果菜類に供給されるカリウムやカルシウムが欠乏するおそれがある。

0055

(果実肥大期における栽培手順)
果実肥大期の栽培は、育苗後に定植された培地を用いて行う。つまり、果実肥大期の栽培は、上記定植期から果実肥大期前までと同様の栽培装置を用いてこれらの期間の栽培に連続的して行う。

0056

果実肥大期では、果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくする。

0057

果実肥大期で施肥する肥料としては、化学肥料が挙げられる。また、かかる化学肥料の種類としては、特に限定されないが、液肥(培養液)が好ましい。上記化学肥料に含まれる成分としては、上記定植期から果実肥大期前までに用いられる肥料と同様とすることができる。

0058

果実肥大期で施肥する肥料に含まれる窒素成分の含有量の下限としては、0me/Lが好ましく、7me/Lがより好ましく、10me/Lがさらに好ましい。一方、上記窒素成分の含有量の上限としては、20me/Lが好ましく、15me/Lがより好ましく、13me/Lがさらに好ましい。上記窒素成分の含有量が上記下限に満たないと、例えば3段以上の摘心栽培を行った場合に3段目以上の収量が十分に得られないおそれがある。逆に、上記窒素成分の含有量が上記上限を超えると、甘みが的確に向上しないおそれがある。

0059

果実肥大期で施肥する肥料に含まれる窒素成分以外の成分の含有量としては、上記定植期から果実肥大期前までに用いられる肥料に含まれる成分の含有量と略同一とすることが好ましい。特に、果実肥大初期で施肥する肥料に含まれるリン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの含有量は、着果期で施肥する肥料に含まれるこれらの成分の含有量と略同一であることが好ましい。具体的には、上記肥料に含まれるリン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの含有量としては、着果期及び果実肥大初期共に上記定植期から果実肥大期前までにおける栽培手順で説明した範囲と同じとすることが好ましい。中でも、上記肥料に含まれるリン成分、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの含有量がいずれも上述の範囲となることがより好ましい。着果期及び果実肥大初期で施肥する肥料に含まれるリン成分、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの含有量が上述の範囲内であることによって、果菜類、特にトマトを適切に生長させることができる。

0060

着果期で施肥する肥料に含まれるリン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの含有量に対する果実肥大初期で施肥される肥料に含まれるこれらの成分の含有量の比としては、それぞれ4/5以上6/5以下が好ましい。中でも、着果期で施肥される肥料に含まれるリン成分、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの含有量に対する果実肥大初期で施肥される肥料に含まれるこれらの含有量の比が、上記範囲内であることがより好ましい。このように、上記肥料に含まれる上記成分の含有量が上記範囲内であることによって、果菜類を適切に生長させることができる。

0061

着果期の1日当たりの窒素成分の平均供給量に対する果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量の下限としては、3/10が好ましく、2/5がより好ましい。一方、上記窒素成分の平均供給量の上限としては、7/10が好ましく、3/5がより好ましい。上記窒素成分の平均供給量が上記下限に満たないと、例えば3段以上の摘心栽培を行った場合に、3段目以上の収量が十分に得られないおそれがある。逆に、上記窒素成分の平均供給量が上記上限を超えると、甘みが的確に向上しないおそれがある。

0062

リン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの着果期の1日当たりの平均供給量に対する果実肥大初期の1日当たりの平均供給量としては、4/5以上6/5以下が好ましい。特に、リン成分、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの着果期の1日当たりの平均供給量に対するこれらの成分の果実肥大初期の平均供給量が、上記範囲内であることがより好ましい。このように、上記成分の1日当たりの平均供給量が上記範囲内であることによって、果菜類を適切に生長させることができる。

0063

リン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの果実肥大初期の1日当たりの平均供給量としては、これらの成分の着果期の1日当たりの平均供給量と略同一であることが好ましい。具体的には、リン成分、カリウム、カルシウム又はマグネシウムの1日当たりの平均供給量としては、着果期及び果実肥大初期共に上記定植期から果実肥大期前までにおける栽培手順で説明した範囲と同じとすることが好ましい。中でも、リン成分、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの1日の供給量がいずれも上述の範囲にとなることがより好ましい。リン成分、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの着果期及び果実肥大期の1日当たりの平均供給量が上述の範囲内であることによって、果菜類、特にトマトを適切に生長させることができる。

0064

果実肥大初期における1日当たりの平均施肥量の下限としては、0.24L/株が好ましく、0.26L/株がより好ましい。一方、果実肥大初期における1日当たりの平均施肥量の上限としては、0.32L/株が好ましく、0.30L/株がより好ましい。上記平均施肥量が上記下限に満たないと、収量が十分に得られないおそれがある。逆に、上記平均施肥量が上記上限を超えると、各成分が供給過剰になるおそれがある。なお、果実肥大初期における1日当たりの平均施肥量は、着果期における1日当たりの平均施肥量と略同一であることが好ましい。つまり、果実肥大初期においては、窒素成分の供給量を少なくする以外は、着果期と同一の成分を略同一量供給するのが好ましい。なお、「略同一の成分」とは、1日当たりの各成分の平均供給量が±0.5me/株以下であることをいい、好ましくは±0.2me/株以下であることをいう。

0065

果実肥大初期における1日当たりの窒素成分の平均供給量の下限としては、1.5me/株が好ましく、2.2me/株がより好ましい。一方、果実肥大初期における1日当たりの窒素成分の平均供給量の上限としては、4.0me/株が好ましく、3.5me/株がより好ましい。上記窒素成分の平均供給量が上記下限に満たないと、例えば3段以上の摘心栽培を行った場合に、3段目以上の収量が低下するおそれがある。逆に、上記窒素成分の平均供給量が上記上限を超えると、甘みが的確に向上しないおそれがある。

0066

上記果実肥大期における窒素成分の供給量削減期間は、果実肥大初期を含む限り、例えば果実肥大初期から収穫時に至るまで継続してもよいし、果実肥大初期から果実肥大後期までの間のみであってもよい。また、かかる窒素成分の供給量削減期間後は、例えば着果期と同一の成分を略同一量供給してもよい。さらに、窒素成分の供給量削減期間中において、窒素成分の供給量を漸増又は漸減してもよい。

0067

上記窒素成分の供給量削減期間としては、開花の4週間後から10週間後までの期間を含むのが好ましい。上記窒素成分の供給量削減時期が果実肥大初期よりも遅くなると果実の甘みを十分に向上し難くなるが、上記窒素成分の供給量削減期間として上記範囲の期間を含むことによって、果実の収量の減少を抑えつつ、この果実の甘みをより的確に向上することができる。

0068

また、当該栽培方法は、少なくとも3段以上の摘心栽培に用いられるのが好ましい。かかる摘心栽培によると、果実は下方の1段目から順に肥大していくことになる。そのため、1段目及び2段目においては、培地中に残存する窒素成分や既に果菜類が内部に吸収した窒素成分の影響を受けやすい。これに対し、3段目以上になると、培地中に残存する窒素成分等の影響が及びにくいため、果実に含まれる糖含量を容易かつ確実に高めて果実の甘みを向上することができる。

0069

<利点>
当該栽培方法は、肥料供給工程における果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を開花期から果実肥大期前までの1日当たりの窒素成分の平均供給量よりも少なくするので、果実の収量の低減及び管理コストを抑えることができると共に、果実の糖含量を高めて果実の甘みを向上することができる。また、当該栽培方法は、極端な水分ストレスや塩ストレスによって果実の甘みを向上するものではないため、この点からも収量の低減を抑えることができる。さらに、当該栽培方法は、果実肥大初期の1日当たりの窒素成分の平均供給量を少なくするので、窒素成分の減少に伴うコス削減効果が得られる。

0070

当該栽培方法は、養液栽培に用いられる場合、果菜類が吸収する養分を制御しやすいため、果実に含まれる糖含量を的確に高めることができる。つまり、土壌栽培によると、供給する窒素成分量を減少しても、果菜類は予め土壌に含まれる窒素成分を吸収すべく窒素成分の存在領域に根を伸ばしやすい。これに対し、上記養液栽培によると、このような土壌を用いないため、供給する窒素成分を減少することで、果菜類が吸収する窒素成分をより的確に制御することができ、これにより果実に含まれる糖含量を的確に高めることができる。

0071

[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

0072

例えば、当該栽培方法は、必ずしも養液栽培に用いられる必要はなく、土壌栽培に用いられてもよい。当該栽培方法は、土壌栽培に用いられる場合であっても、果実の収量の低減を抑えつつ、果実の甘みを高めることができる。

0073

また、当該栽培方法は、必ずしも摘心栽培に用いられる必要はない。また摘心栽培に用いられる場合であっても、必ずしも3段以上の摘心栽培に用いられる必要はなく、1段摘心栽培又は2段摘心栽培に用いられてもよい。

0074

以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0075

[No.1]
有限会社グリーンアップサービス製のトマト用培養液「グリーンアップA−1」(塩の含有量が350gとなる量)及び和光純薬工業株式会社製の硝酸カルシウム(233.0g)を混合してNo.1の培養液を調製した。

0076

[No.2]
No.1で用いた「グリーンアップA−1」及び硝酸カルシウムの混合量を各々No.1の1/2とし、さらにリン酸二水素カリウム(31.8g)、硫酸カリウム(87.2g)、塩化カルシウム二水和物(71.1g)及び硫酸マグネシウム七水和物(18.1g)を混合してNo.2の培養液を調製した。

0077

[No.3]
No.1で用いた「グリーンアップA−1」及び硝酸カルシウムの混合量を各々0gとすると共に、リン酸二水素カリウム(31.8g)、硫酸カリウム(87.2g)、塩化カルシウム二水和物(71.0g)及び硫酸マグネシウム七水和物(18.1g)を混合してNo.3の培養液を調製した。

0078

No.1〜No.3の培養液に含まれる成分を表1に示す。

0079

0080

同一条件で育苗された複数のトマトの苗を用意し、これらの苗を各々の養液が混ざらないように離間した培地A〜Cに定植した。なお、培地A〜Cとしては、いずれも川砂を用いた。これらの苗を3段摘心栽培によって栽培した。

0081

図1〜3に示すように、培地A〜Cに定植した苗に対し、定植後5週間目まではいずれもNo.1の培養液を点滴かん水チューブによって供給した。なお、培地A〜Cに定植した苗の開花期は、いずれも定植後1週間であった。また、培地A〜Cに定植した苗の着果期は、いずれも定植後5週間であった。さらに、培地A〜Cに定植した苗は、定植後6週間目に入った時点で果実肥大初期に至った。

0082

次に、定植後6週間目から14週間目までについて、培地Aに定植した苗に対してはNo.1の培養液を苗の定植後5週間目と同様の施肥量で供給した(図1参照)。以下、この培地Aに定植した苗から得られた果実を果実aという。一方、苗の定植後6週間目から14週目までについて、培地Bに定植した苗に対してはNo.2の培養液を苗の定植後5週間目と同様の施肥量で供給し(図2参照)、培地Cに定植した苗に対してはNo.3の培養液を苗の定植後5週間目と同様の施肥量で供給した(図3参照)。以下、培地Bに定植した苗から得られた果実を果実bといい、培地Cに定植した苗から得られた果実を果実cという。

0083

上記栽培方法によって得られた果実a〜cの収量を図4に示す。また、上記栽培方法によって得られた果実a〜cの平均果重及び平均糖度を表2に示す。なお、平均果重のn数(サンプル数)は、n>90(1段目)、n>90(2段目)、n>80(3段目)とし、平均糖度のn数は、n>20(1段目)、n>20(2段目)、n>15(3段目)とした。ここで、平均糖度は、糖度計「PAL−1」によって計測した。

0084

0085

<収量の変化>
図4から分かるように、果実a、bの総収量は余り変わらないことが分かる。但し、苗の定植後6週間目から14週目までの間の窒素成分の供給量を0とした果実cについては、3段目の収量が低下していることが分かる。これは、3段目以上になると、窒素成分の供給をやめる前までに苗が吸収した窒素成分又は培地中に残存する窒素成分の影響を受けにくくなるためであると考えられる。

実施例

0086

食味成分の変化>
図5及び図6に示すように、果実b及び果実cの糖含量は、果実aの糖含量よりも高くなっていることが分かる。また、果実b及び果実cの段数に応じた糖含量の上昇率は、果実aに比較して高くなっていることが分かる。これは、段数が上がるにつれて培地中に残存する窒素成分等の影響を受けにくくなり、窒素成分の供給量と糖含量との関連付けが強まったためと考えられる。なお、図6から分かるように、アミノ酸含量及び有機酸含量については、果実a〜cにおいて顕著な違いは見られなかった。つまり、果実b及び果実cは、糖以外の成分の含有量を維持しつつ、糖含量を高められることが分かった。

0087

以上のように、本発明の栽培方法及び化学肥料は、果実の収量の低減が抑えられると共に、果実の甘みを向上することができ、トマト等の果菜類の栽培に適している。

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