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技術 マイクロ波乾燥機及び被乾燥物の乾燥方法

出願人 西光エンジニアリング株式会社株式会社キャタラー
発明者 岡村邦康安富栄一名波鋭幸今井拓志
出願日 2015年2月9日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2015-022883
公開日 2016年8月12日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2016-145681
状態 特許登録済
技術分野 高周波加熱[構造] 固体の乾燥
主要キーワード 外方空間 所定水分量 水平支持面 断面門型 スタラファン 排風量 設定加熱温度 揺動クランク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

高温被乾燥物の乾燥を行う際に問題になる容器熱変形等を防止して、被乾燥物の乾燥を効率的に実行する。

解決手段

本発明のマイクロ波乾燥機1は、被乾燥物Aを収容する金属製容器59と、金属製容器59をセットしたり搬入搬出する際に出入り口となる、少なくとも1つの開口部3を備えた乾燥室本体5と、開口部3に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に乾燥室本体5内に遮蔽空間を形成する開閉手段7と、乾燥室本体5に対して取り付けられ、乾燥室本体5内に収容される被乾燥物Aに向けてマイクロ波照射して被乾燥物Aを乾燥させるマイクロ波照射装置9と、マイクロ波照射装置9のマイクロ波の照射口15が形成されている部分から金属製容器59の周縁部83に臨むように接近状態で設けられる垂れ壁93と、を具備することによって構成されている。

概要

背景

一般にマイクロ波を使用したマイクロ波乾燥機では、下記の特許文献1中にも開示されているように被乾燥物の周囲を囲うように合成樹脂製の底板側板が設けられ、梱包された合成樹脂小片材の水分を均一に短時間で蒸発させることができるマイクロ波乾燥装置がある。このものは、上記合成樹脂製の底板、側板と乾燥容器との間隔を調整することで、合成樹脂小片材の外面部近辺内部に含まれた水分を蒸発させるものであるが、上部が開口した容器内の被乾燥物をマイクロ波を使用して乾燥させるものではない。
また、下記の特許文献2中にも開示されているように被乾燥物の重量に応じて、被乾燥物を囲う壁面を移動させ、加熱室内表面積を変更することで、被乾燥物を効率よく乾燥する高周波加熱装置がある。このものは、被乾燥物に応じて周囲を適正に囲うという技術思想を有するが、上部が開口した容器内の被乾燥物をマイクロ波を使用して乾燥させるものではない。
また、下記の特許文献3中にも開示されているように第1チョークと第2チョークが向かい合わせで、所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造マイクロ波漏洩防止機構を有するマイクロ波乾燥機がある。このものは、例えば開口部と開閉扉との間のマイクロ波の漏洩を防止するものであるが、上部が開口した容器内の被乾燥物をマイクロ波を使用して乾燥させる場合に適用されるものではない。
また、一般にマイクロ波を使用して容器内の被乾燥物を乾燥するマイクロ波乾燥機では、下記の特許文献4中にも開示されているようにマイクロ波の透過性が高いFRP不飽和ポリエステル樹脂)等の樹脂材料によって形成された樹脂製容器が使用されている。そして、該樹脂製容器に被乾燥物を収容して乾燥を行い、乾燥品を製造している。
また、被乾燥物が例えば吸湿したシリカゲルである場合には、150℃以上の温度で加熱する必要があり、被乾燥物が例えば排気ガス浄化触媒等に使用されるセリアなどの無機粉末貴金属吸着させた粉末(以下、無機触媒粉末という。)である場合には、300℃以上の高温で加熱する必要がある。したがって、このような高温下で行う乾燥に上記樹脂製容器を使用すると、該樹脂製容器に熱変形等が生じてしまう。

概要

高温で被乾燥物の乾燥を行う際に問題になる容器の熱変形等を防止して、被乾燥物の乾燥を効率的に実行する。本発明のマイクロ波乾燥機1は、被乾燥物Aを収容する金属製容器59と、金属製容器59をセットしたり搬入搬出する際に出入り口となる、少なくとも1つの開口部3を備えた乾燥室本体5と、開口部3に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に乾燥室本体5内に遮蔽空間を形成する開閉手段7と、乾燥室本体5に対して取り付けられ、乾燥室本体5内に収容される被乾燥物Aに向けてマイクロ波を照射して被乾燥物Aを乾燥させるマイクロ波照射装置9と、マイクロ波照射装置9のマイクロ波の照射口15が形成されている部分から金属製容器59の周縁部83に臨むように接近状態で設けられる垂れ壁93と、を具備することによって構成されている。

目的

本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、被乾燥物を高温で乾燥させても容器の熱変形等を生じさせることがなく、マイクロ波を効率良く金属製容器内に導いて被乾燥物を効率良く乾燥させることができるマイクロ波乾燥機及び該マイクロ波乾燥機を使用することによって実行される被乾燥物の乾燥方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被乾燥物を収容する金属製容器と、上記金属製容器をセットしたり搬入搬出させる際に出入り口となる、少なくとも1つの開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内遮蔽空間を形成する開閉手段と、上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記乾燥室本体の内部に設けられ、マイクロ波照射装置のマイクロ波の照射口が形成されている部分から、該照射口を取り囲むように金属製容器に向かって延びる垂れ壁と、を具備し、上記垂れ壁の金属製容器側端部は、乾燥室本体の内部においてセットまたは移動する金属製容器の周縁部に臨むように接近状態で設けられていることを特徴とするマイクロ波乾燥機

請求項2

被乾燥物を収容する金属製容器と、上記金属製容器をセットする開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉扉と、上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記乾燥室本体の内部に設けられ、マイクロ波照射装置のマイクロ波の照射口が形成されている部分から、該照射口を取り囲むように金属製容器に向かって延びる垂れ壁と、を具備し、上記垂れ壁の金属製容器側端部は、乾燥室本体の内部においてセットまたは移動する金属製容器の周縁部に臨むように接近状態で設けられていることを特徴とするマイクロ波乾燥機。

請求項3

被乾燥物を収容する金属製容器と、上記金属製容器を搬入・搬出させる開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉シャッターと、上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記乾燥室本体の内部に設けられ、マイクロ波照射装置のマイクロ波の照射口が形成されている部分から、該照射口を取り囲むように金属製容器に向かって延びる垂れ壁と、上記金属製容器を上記乾燥室本体内に搬入して搬送方向に向けて搬送させる搬送手段と、を具備し、上記垂れ壁の金属製容器側端部は、乾燥室本体の内部においてセットまたは移動する金属製容器の周縁部に臨むように接近状態で設けられていると共に、上記乾燥室本体には、上記マイクロ波照射装置と垂れ壁とを備えるヒータユニットによって構成されるマイクロ波乾燥ユニットが上記金属製容器の搬送方向に沿って複数組配置されており、上記被乾燥物は、これら複数組のマイクロ波乾燥ユニットの存する領域を順次移動しながら乾燥が実行されるように構成されていることを特徴とするマイクロ波乾燥機。

請求項4

上記乾燥室本体の開口部と該開口部を閉塞する開閉手段との間には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるようにそれぞれ周方向所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造マイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

請求項5

上記垂れ壁の金属製容器側端部と金属製容器の周縁部との間には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるようにそれぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

請求項6

上記乾燥室本体には、乾燥中の被乾燥物の品温計測する放射温度計と、上記放射温度計によって計測された被乾燥物の品温に基づいて上記マイクロ波照射装置から照射されるマイクロ波出力を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

請求項7

上記乾燥室本体には、乾燥室本体内に空気を導入する吸気口と、乾燥室本体内の湿気を含んだ空気を乾燥室本体外に排出する排気口と、が備えられていて、上記吸気口と排気口のいずれか一方または双方には、加熱によって被乾燥物から発生した蒸気を乾燥室本体外に排出する送風手段が接続されており、上記吸気口及び排気口には、空気の通過は許容するが、マイクロ波の通過は許容しない通気口を有するパンチング板が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

請求項8

上記乾燥室本体は、上記開閉手段により上記開口部を閉塞した状態で減圧雰囲気下での使用に耐えられる気密構造耐圧構造とを有しており、上記乾燥室本体には、上記開口部を閉塞した状態で上記乾燥室本体内を減圧雰囲気にする減圧装置が接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

請求項9

上記金属製容器は、上面が開放された箱状の容器本体と、該容器本体の開放された上面部の周囲に設けられる周縁部と、を備えており、上記周縁部のうち、上記容器本体の左右側縁部における前端面と後端面は開放されていて、上記乾燥室本体の内部に設けられている支持部に対して、セット・取出し方向ないし搬入・搬出方向に沿う前後方向に移動可能な係合状態で上記側縁部が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機。

請求項10

上記支持部における支持台と金属製容器の周縁部との間には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるようにそれぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とする請求項9記載のマイクロ波乾燥機。

請求項11

上記支持台は、上記金属製容器の搬送方向に沿って敷設される支持レールによって構成されており、上記搬送手段は、上記支持レール上に整列配置されている複数の金属製容器の全部またはその一部に作用して金属製容器に送り力を付与する係止爪と、上記係止爪を保持して所定ストローク送り方向と戻し方向とに係止爪を移動させる操作ロッドと、駆動源となる駆動モータと、上記駆動モータの出力軸の回転を上記操作ロッドの送り方向ないし戻し方向の直線運動に変換する揺動クランク機構と、を備え、上記係止爪は、上記操作ロッドに対して回動接続ピンを介して回動可能に接続されており、操作ロッドを戻し方向に移動させると、上記係止爪は金属製容器に対する係止解除される係止解除位置移行し、操作ロッドを送り方向に移動させると、上記係止爪は金属製容器に対する係止が実行される係止位置に移行するように構成されていることを特徴とする請求項10記載のマイクロ波乾燥機。

請求項12

金属製容器に被乾燥物を収容して乾燥室本体内にセットまたは搬入する乾燥準備工程と、乾燥室本体内にセットまたは搬入された被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波乾燥工程と、を備え、上記マイクロ波乾燥工程では、マイクロ波照射装置によって乾燥室本体内に照射されたマイクロ波を、垂れ壁によって外部への飛散を防止した状態で金属製容器内に導いて被乾燥物を乾燥させるようにしたことを特徴とする被乾燥物の乾燥方法

技術分野

0001

本発明は、被乾燥物高温での乾燥とマイクロ波の無駄のない効率的な使用とが可能なマイクロ波乾燥機及び該マイクロ波乾燥機を使用することによって実行される被乾燥物の乾燥方法に関する。

背景技術

0002

一般にマイクロ波を使用したマイクロ波乾燥機では、下記の特許文献1中にも開示されているように被乾燥物の周囲を囲うように合成樹脂製の底板側板が設けられ、梱包された合成樹脂小片材の水分を均一に短時間で蒸発させることができるマイクロ波乾燥装置がある。このものは、上記合成樹脂製の底板、側板と乾燥容器との間隔を調整することで、合成樹脂小片材の外面部近辺内部に含まれた水分を蒸発させるものであるが、上部が開口した容器内の被乾燥物をマイクロ波を使用して乾燥させるものではない。
また、下記の特許文献2中にも開示されているように被乾燥物の重量に応じて、被乾燥物を囲う壁面を移動させ、加熱室内表面積を変更することで、被乾燥物を効率よく乾燥する高周波加熱装置がある。このものは、被乾燥物に応じて周囲を適正に囲うという技術思想を有するが、上部が開口した容器内の被乾燥物をマイクロ波を使用して乾燥させるものではない。
また、下記の特許文献3中にも開示されているように第1チョークと第2チョークが向かい合わせで、所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造マイクロ波漏洩防止機構を有するマイクロ波乾燥機がある。このものは、例えば開口部と開閉扉との間のマイクロ波の漏洩を防止するものであるが、上部が開口した容器内の被乾燥物をマイクロ波を使用して乾燥させる場合に適用されるものではない。
また、一般にマイクロ波を使用して容器内の被乾燥物を乾燥するマイクロ波乾燥機では、下記の特許文献4中にも開示されているようにマイクロ波の透過性が高いFRP不飽和ポリエステル樹脂)等の樹脂材料によって形成された樹脂製容器が使用されている。そして、該樹脂製容器に被乾燥物を収容して乾燥を行い、乾燥品を製造している。
また、被乾燥物が例えば吸湿したシリカゲルである場合には、150℃以上の温度で加熱する必要があり、被乾燥物が例えば排気ガス浄化触媒等に使用されるセリアなどの無機粉末貴金属吸着させた粉末(以下、無機触媒粉末という。)である場合には、300℃以上の高温で加熱する必要がある。したがって、このような高温下で行う乾燥に上記樹脂製容器を使用すると、該樹脂製容器に熱変形等が生じてしまう。

先行技術

0003

特開2002−327983号公報
特開平6−163115号公報
特開2012−172875号公報
特開平5−338705号公報

発明が解決しようとする課題

0004

この場合、被乾燥物を収容する容器を、マイクロ波を透過しないステンレス等の金属製容器に変更すれば、上記高温での加熱に耐えられるようになり容器の熱変形等は生じない。
しかし、特許文献4ではマイクロ波の照射方向を容器の底面部側にとり、容器底面部側からマイクロ波を照射して透過させて乾燥を行う構成が採用されている。したがって、金属製容器を使用した場合、マイクロ波が容器底面部で反射してしまうため、被乾燥物の所望の乾燥状態は得られない。
一般に、上部が開口する金属製容器に、水分を含んだ被乾燥物を収容し、マイクロ波を照射した場合、容器の金属部に接する部分の温度が上昇し難いことがわかっている。
すなわち、誘電体マイクロ波電界を加えた場合の誘電体中で熱に変わる電力損失Pは、下記の数式によって求められる。



上記の数式中マイクロ波エネルギー電界強度Eは、金属面では短絡されているので「0」になる。したがって、金属製容器内に水分を含んだ被乾燥物を入れ、上部からマイクロ波を照射した場合、該金属製容器の内側面や底面と接する部分では上式の電界強度Eが「0」であるため殆ど発熱しなくなることから、被乾燥物の温度上昇は金属部では非常に緩慢になり、被乾燥物を所定の温度に上昇させて所定の水分量にするのに長時間を要することになる。

0005

本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、被乾燥物を高温で乾燥させても容器の熱変形等を生じさせることがなく、マイクロ波を効率良く金属製容器内に導いて被乾燥物を効率良く乾燥させることができるマイクロ波乾燥機及び該マイクロ波乾燥機を使用することによって実行される被乾燥物の乾燥方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるマイクロ波乾燥機は、被乾燥物を収容する金属製容器と、上記金属製容器をセットしたり搬入搬出させる際に出入り口となる、少なくとも1つの開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内遮蔽空間を形成する開閉手段と、上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記乾燥室本体の内部に設けられ、マイクロ波照射装置のマイクロ波の照射口が形成されている部分から、該照射口を取り囲むように金属製容器に向かって延びる垂れ壁と、を具備し、上記垂れ壁の金属製容器側端部は、乾燥室本体の内部においてセットまたは移動する金属製容器の周縁部に臨むように接近状態で設けられていることを特徴とするものである。

0007

また、請求項2によるマイクロ波乾燥機は、被乾燥物を収容する金属製容器と、上記金属製容器をセットする開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉扉と、上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記乾燥室本体の内部に設けられ、マイクロ波照射装置のマイクロ波の照射口が形成されている部分から、該照射口を取り囲むように金属製容器に向かって延びる垂れ壁と、を具備し、上記垂れ壁の金属製容器側端部は、乾燥室本体の内部においてセットまたは移動する金属製容器の周縁部に臨むように接近状態で設けられていることを特徴とするものである。

0008

また、請求項3によるマイクロ波乾燥機は、被乾燥物を収容する金属製容器と、上記金属製容器を搬入・搬出させる開口部を備えた乾燥室本体と、上記開口部に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体内に遮蔽空間を形成する開閉シャッターと、上記乾燥室本体に対して取り付けられ、該乾燥室本体内に収容される被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波照射装置と、上記乾燥室本体の内部に設けられ、マイクロ波照射装置のマイクロ波の照射口が形成されている部分から、該照射口を取り囲むように金属製容器に向かって延びる垂れ壁と、上記金属製容器を上記乾燥室本体内に搬入して搬送方向に向けて搬送させる搬送手段と、を具備し、上記垂れ壁の金属製容器側端部は、乾燥室本体の内部においてセットまたは移動する金属製容器の周縁部に臨むように接近状態で設けられていると共に、上記乾燥室本体には、上記マイクロ波照射装置と垂れ壁とを備えるヒータユニットによって構成されるマイクロ波乾燥ユニットが上記金属製容器の搬送方向に沿って複数組配置されており、上記被乾燥物は、これら複数組のマイクロ波乾燥ユニットの存する領域を順次移動しながら乾燥が実行されるように構成されていることを特徴とするものである。

0009

また、請求項4によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記乾燥室本体の開口部と該開口部を閉塞する開閉手段との間には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるようにそれぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とするものである。

0010

また、請求項5によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記垂れ壁の金属製容器側端部と金属製容器の周縁部との間には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるようにそれぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とするものである。

0011

また、請求項6によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記乾燥室本体には、乾燥中の被乾燥物の品温計測する放射温度計と、上記放射温度計によって計測された被乾燥物の品温に基づいて上記マイクロ波照射装置から照射されるマイクロ波出力を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とするものである。

0012

また、請求項7によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記乾燥室本体には、乾燥室本体内に空気を導入する吸気口と、乾燥室本体内の湿気を含んだ空気を乾燥室本体外に排出する排気口と、が備えられていて、上記吸気口と排気口のいずれか一方または双方には、加熱によって被乾燥物から発生した蒸気を乾燥室本体外に排出する送風手段が接続されており、上記吸気口及び排気口には、空気の通過は許容するが、マイクロ波の通過は許容しない通気口を有するパンチング板が設けられていることを特徴とするものである。

0013

また、請求項8によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記乾燥室本体は、上記開閉手段により上記開口部を閉塞した状態で減圧雰囲気下での使用に耐えられる気密構造耐圧構造とを有しており、上記乾燥室本体には、上記開口部を閉塞した状態で上記乾燥室本体内を減圧雰囲気にする減圧装置が接続されていることを特徴とするものである。

0014

また、請求項9によるマイクロ波乾燥機は、請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロ波乾燥機において、上記金属製容器は、上面が開放された箱状の容器本体と、該容器本体の開放された上面部の周囲に設けられる周縁部と、を備えており、上記周縁部のうち、上記容器本体の左右側縁部における前端面と後端面は開放されていて、上記乾燥室本体の内部に設けられている支持部に対して、セット・取出し方向ないし搬入・搬出方向に沿う前後方向に移動可能な係合状態で上記側縁部が設けられていることを特徴とするものである。

0015

また、請求項10によるマイクロ波乾燥機は、請求項9記載のマイクロ波乾燥機において、上記支持部における支持台と金属製容器の周縁部との間には、第1チョークと第2チョークとが向かい合わせになるようにそれぞれ周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構が配置されていることを特徴とするものである。

0016

また、請求項11によるマイクロ波乾燥機は、請求項10記載のマイクロ波乾燥機において、上記支持台は、上記金属製容器の搬送方向に沿って敷設される支持レールによって構成されており、上記搬送手段は、上記支持レール上に整列配置されている複数の金属製容器の全部またはその一部に作用して金属製容器に送り力を付与する係止爪と、上記係止爪を保持して所定ストローク送り方向と戻し方向とに係止爪を移動させる操作ロッドと、駆動源となる駆動モータと、上記駆動モータの出力軸の回転を上記操作ロッドの送り方向ないし戻し方向の直線運動に変換する揺動クランク機構と、を備え、上記係止爪は、上記操作ロッドに対して回動接続ピンを介して回動可能に接続されており、操作ロッドを戻し方向に移動させると、上記係止爪は金属製容器に対する係止解除される係止解除位置移行し、操作ロッドを送り方向に移動させると、上記係止爪は金属製容器に対する係止が実行される係止位置に移行するように構成されていることを特徴とするものである。

0017

また、請求項12による被乾燥物の乾燥方法は、金属製容器に被乾燥物を収容して乾燥室本体内にセットまたは搬入する乾燥準備工程と、乾燥室本体内にセットまたは搬入された被乾燥物に向けてマイクロ波を照射して被乾燥物を乾燥させるマイクロ波乾燥工程と、を備え、上記マイクロ波乾燥工程では、マイクロ波照射装置によって乾燥室本体内に照射されたマイクロ波を、垂れ壁によって外部への飛散を防止した状態で金属製容器内に導いて被乾燥物を乾燥させるようにしたことを特徴とするものである。

発明の効果

0018

そして、上記手段によって以下のような効果が得られる。
まず、本発明のマイクロ波乾燥機において、被乾燥物を収容する容器として金属製容器を適用したから、上述したシリカゲルや無機触媒粉末の原料のように高温での乾燥が必要な場合でも容器に熱変形等は生じない。
また、上記乾燥室本体の内部に、金属製容器側縁部が金属製容器の周縁部を臨むように接近させた状態でマイクロ波照射装置の照射口を取り囲む、垂れ壁を設けたから、マイクロ波照射装置から照射されるマイクロ波の外部への飛散を防止して、当該マイクロ波を効率良く金属製容器内に導くことが可能になる。
すなわち、マイクロ波照射装置の照射口を取り囲む垂れ壁を金属製容器の周縁部を臨むように接近させた状態で配置したから、垂れ壁と金属製容器の一体型処理室が形成され、マイクロ波照射装置から照射されるマイクロ波が垂れ壁内と金属製容器との小室内のみで照射るようになり、マイクロ波は専ら金属製容器内の被乾燥物に集中的に照射・吸収されて、乾燥に必要な熱を発生させるようになる。
したがって、被乾燥物を高温で乾燥させる場合と低温で乾燥させる場合の両方で被乾燥物の乾燥効率を向上させることが可能になる。

0019

また、上記構成を開口部に開閉扉を取り付けたバッチ式のマイクロ波乾燥機に適用した場合には、比較的構造が簡単で場所をとらない、被乾燥物の高温での乾燥に対応可能なマイクロ波乾燥機を提供することが可能になる。
また、上記構成を開口部に開閉シャッターを取り付け、搬送手段を備えた連続式のマイクロ波乾燥機に適用した場合には、大量の被乾燥物を連続的に高温で乾燥させることができる乾燥処理能力に優れたマイクロ波乾燥機を提供することが可能になる。

0020

また、上記乾燥室本体の開口部と開閉手段との間に、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構を配置した場合には、乾燥室本体の開口部からのマイクロ波の漏洩が高レベル高周波回路的に防止されるようになる。
また、同部位にシール構造が設けられている場合には、該シール構造がマイクロ波に曝されることによって生ずるシール部材劣化が低減されて乾燥室本体内の気密性が長期に亘って持続されるようになる。

0021

また、上記垂れ壁の金属製容器側端部と金属製容器の周縁部との間に、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構を配置した場合には、上記垂れ壁と金属製容器の隙間からマイクロ波が漏洩して垂れ壁の外方空間に回り込む事態が防止される。したがって、マイクロ波の漏洩が一層低減されるようになる。

0022

また、乾燥中の被乾燥物の品温を計測する放射温度計と、計測した品温に基づいてマイクロ波出力を制御する制御装置と、を備えた場合には、被乾燥物の乾燥品質や外観に大きく影響する被乾燥物の品温の変動を検知し、常に被乾燥物の品温が一定の範囲に収まるようにマイクロ波出力とヒータ出力を随時調整しながら被乾燥物の乾燥を実行することが可能になる。

0023

また、吸気口と排気口とを備え、上記吸気口と排気口のいずれか一方または双方に送風手段が接続された構成のマイクロ波乾燥機を採用した場合には、マイクロ波の照射によって被乾燥物から発生した蒸気を乾燥室本体外に排出しながらの乾燥が可能になる。
したがって、被乾燥物への水分の再付着が防止されて効率の良い被乾燥物の乾燥が実行できるようになる。
また、乾燥室本体に対して設けられる吸気口及び排気口に対してパンチング板を設けた場合には、乾燥室本体外へのマイクロ波の漏洩が更に一層、防止されるようになる。

0024

また、乾燥室本体を気密構造と耐圧構造にし、乾燥室本体に減圧装置を接続した構成のマイクロ波乾燥機を採用した場合には、乾燥室本体内の温度を低く抑えた状態での乾燥が可能になり、被乾燥物の風味や成分等を壊すことなく、高品質で外観が優れた乾燥品を得ることが可能になる。
また、上記金属製容器を上面が開放された容器本体と、該容器本体の上面部の周囲に設けられる周縁部と、を備えた構成とし、上記容器本体の左右の側縁部の前端面と後端面を開放して乾燥室本体内の支持部に対して前後方向に移動可能な係合状態で設置するようにした場合には、金属製容器のセット及び取り出しや搬入及び搬出が容易かつ円滑に行われるようになる。

0025

また、上記支持部における支持台と金属製容器の周縁部との間に、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構を配置した場合には、上記支持台と金属製容器の隙間からマイクロ波が漏洩してヒータユニット側に回り込む事態が防止される。したがって、マイクロ波曝されることによって生じる配線被覆の劣化や電気的な悪影響が一層低減されるようになる。

0026

また、上記支持台を金属製容器の搬送方向に沿って敷設される支持レールによって構成し、上記搬送手段を係止爪と操作ロッドと駆動モータと揺動クランク機構とを備える構成にし、係止爪を回動させて係止位置と係止解除位置とを切り替えられるように構成した場合には、高温での使用に耐えられ、金属製容器の安定した円滑な送りが可能な搬送手段を提供することが可能になる。

0027

次に、本発明の被乾燥物の乾燥方法において、金属製容器に被乾燥物を収容して乾燥室本体内にセットまたは搬入する乾燥準備工程と、被乾燥物にマイクロ波を照射して乾燥させるマイクロ波乾燥工程とを備え、上記マイクロ波乾燥工程でマイクロ波照射装置から照射されたマイクロ波を垂れ壁によって案内して金属製容器内に導くようにしたから、被乾燥物を高温で乾燥させる場合と低温で乾燥させる場合とを問わず、被乾燥物の乾燥効率を向上させることが可能になる。

0028

以上のように本発明のマイクロ波乾燥機によると、被乾燥物の低温での乾燥と高温での乾燥の両方に対応でき、150℃ないし300℃といった高温で被乾燥物を乾燥させても、被乾燥物を収容する容器に熱変形等を生じさせることがない。また、金属製容器の内側面や底面と接する部分での被乾燥物の乾燥温度の低下が防止できるから、被乾燥物を効率良く乾燥させることが可能になる。
また、本発明の被乾燥物の乾燥方法によると、金属製容器に収容した被乾燥物を乾燥させるに際して、マイクロ波照射装置から照射されたマイクロ波を垂れ壁によって案内して金属製容器内に導いているから、マイクロ波を効率的に被乾燥物に作用させて被乾燥物の効率の良い乾燥が実行されるようになる。

図面の簡単な説明

0029

本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す正面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す左側面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す平面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機の内部構造の概略を示す縦断正面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機に適用する金属製容器とその周辺部位を示す正面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機に適用する金属製容器を示す平面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機に適用するマイクロ波漏洩防止機構の一部を拡大して示す正面図である。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機に適用するマイクロ波漏洩防止機構の一部を拡大して示す側断面図である。
本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す正面図である。
本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す左側面図である。
本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す平面図である。
本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機の内部構造の概略を示す縦断正面図である。
本発明の第2の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機に適用する減圧装置の一例を示す説明図である。
本発明の第3の実施の形態を示す図で、本発明の被乾燥物の乾燥方法を構成する各工程を示すブロック図である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す正面図である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す右側面図である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機を示す平面図である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機の内部構造を示す縦断正面図である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、マイクロ波乾燥機に適用する金属製容器とその周辺部位を示す縦断正面図である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、搬送手段の一部を拡大して示す右側面図(a)と、係止爪の動作を示す説明図(b)(c)である。
本発明の第4の実施の形態を示す図で、搬送手段の一部を拡大して示す平面図(a)と、係止爪の動作を示す説明図(b)(c)である。
垂れ壁の効果を試すために行った比較試験で使用した装置を示す図で、垂れ壁を設けない場合の縦断正面図である。
垂れ壁の効果を試すために行った比較試験で使用した装置を示す図で、垂れ壁を設けた場合の縦断正面図である。
垂れ壁の効果を試すために行った比較試験の結果を示す図で、垂れ壁を設けない場合の乾燥時間と品温との関係を示すグラフである。
垂れ壁の効果を試すために行った比較試験の結果を示す図で、垂れ壁を設けた場合の乾燥時間と品温との関係を示すグラフである。

実施例

0030

以下、図1図8に示す第1の実施の形態を例にとって、最初に本発明のマイクロ波乾燥機の構成と作動態様を説明し、次に部分的構成を異にする図9図13に示す第2の実施の形態の構成について説明し、続いて図14に基づいて第3の実施の形態として本発明の被乾燥物の乾燥方法を構成する各工程の内容について説明する。
次に、図15図21に示す第4の実施の形態のマイクロ波乾燥機の構成と作動態様を前記第1の実施の形態との差異を中心に説明し、更に図22図25に基づいて垂れ壁の効果を試すために行った比較試験で使用した装置の構成と該比較試験の内容と結果について説明する。

0031

(1)第1の実施の形態(図1図8参照)
本発明のマイクロ波乾燥機1は、被乾燥物Aを収容する金属製容器59と、上記金属製容器59をセットしたり、搬入・搬出させる際に出入り口となる、少なくとも1つの開口部3を備えた乾燥室本体5と、上記開口部3に開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体5内に遮蔽空間を形成する開閉手段7と、上記乾燥室本体5に対して取り付けられ、該乾燥室本体5内に収容される被乾燥物Aに向けてマイクロ波を照射して被乾燥物Aを乾燥させるマイクロ波照射装置9と、上記乾燥室本体5の内部に設けられ、マイクロ波照射装置9のマイクロ波の照射口15を取り囲むように金属製容器59に向かって延びる垂れ壁93と、を具備することによって基本的に構成されている。
そして、上記垂れ壁93の金属製容器59側端部は、乾燥室本体5の内部においてセットまたは移動する金属製容器59の周縁部に臨むように接近状態で設けられていることを特徴としている。

0032

また、図1図8に示す第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aは、いわゆるバッチ式のマイクロ波乾燥機であって、アングル材等を矩形枠状に組み立てることによって構成される支持架台23を備えており、該支持架台23の前室左方の中央部に、上記乾燥室本体5と開閉手段7の一例である開閉扉7aを備える乾燥室25が配置されている。
また、上記乾燥室本体5の天板上部には、マイクロ波照射装置9の主要な構成部材となる、一例として可変出力が3000Wのマイクロ波発振装置10が一基配置されている。
尚、図示しないスタラファンと該スタラファンを駆動するためのモータとが、適宜配置されていてもよい。

0033

また、上記前室の天板上部右方には、上記乾燥室本体5から延びる排気管路54と接続される排風機55が取り付けられている。
また、前室右方の中央部には、前面にモニタと各種の操作ボタンが配置され、内部に各種の制御を司る制御装置32が配置された制御ボックス31が設けられている。
開閉扉7は、一例として右辺部に配置されているヒンジ部43を支点として回動する片開き式矩形板状の扉によって構成されている。ヒンジ部43は上下に2個設けられており、これらのヒンジ部43を介して上記乾燥機本体5と開閉扉7は、約180°の範囲に亘って回動し得るように接続されている。

0034

また、開閉扉7の前面中央には点検窓39が設けられており、乾燥中の被乾燥物A等の様子を外部から観察できるように構成されている。
また、開閉扉7の左方の自由端寄りの高さ方向の中央部には、開閉扉7を開閉する際の手掛かりとなるグリップ41が設けられており、開閉扉7の上縁下縁には、一例として回転式ロックハンドル45が設けられている。

0035

尚、上記ロックハンドル45は、先端部に設けられる係止爪47が乾燥室本体5の開口部3における上縁と下縁の中央部に設けられている係止フック49に係止されることによって開閉扉7の閉塞状態ロックできるように構成されている。
また、開閉扉7の背面の外周には、図1中、破線で示すようにマイクロ波漏洩防止機構21が設けられており、更に該マイクロ波漏洩防止機構21の外周には、図8に示すように開閉扉7を閉塞状態にした時、乾燥室本体5の開口部3の周囲のシール面61に当接する一例としてリング状のゴムパッキンによって構成されるシール部材11を備えるシール構造13が設けられている。

0036

マイクロ波漏洩防止機構21は、上記開口部3と上記シール構造13との中間経路63上に設けられており、上記開口部3側に位置する第1チョーク17と、上記シール構造13側に位置する第2チョーク19とが向かい合わせになるように周方向に所定ピッチで連続的に配置されたダブルチョーク一体構造のシール構造になっている。
具体的には、図8に示すように開閉扉7の背面に沿うように配置された遮蔽板65の一端縁から基端部69を垂直に立ち上げ、該基端部69の先端を90°内側に折り曲げることによって先端部67を形成することで断面L字状の第1チョーク17を設けている。
同様に上記遮蔽板65の他端縁に上記第1チョーク17と同形状、同サイズの第2チョーク19を設け、上記第1チョーク17と第2チョーク19とを対向する位置に配置することによってマイクロ波漏洩防止機構21が構成されている。

0037

尚、上記第1チョーク17の先端部67と第2チョーク19の先端部67との間にはギャップGが形成されており、該ギャップGの中点Oから第1チョーク17及び第2チョーク19のそれぞれの先端部67と基端部69の接続点Bまでの距離L1は、上記中点Oから遮蔽板65側に引いた垂線と遮蔽板65の対向面との接点Cまでの距離L2とほぼ等しく、共に使用するマイクロ波の波長λの1/4程度の長さになるように設定されている。
因みに、このような寸法設定を採用することによって、上記中間経路63中に上記波長λの1/4の長さの迂回路が形成され、該迂回路での反射波と上記接続点Bから中点Oに向かう波との位相差が上記波長λの1/2になって互いに打ち消し合うことになり、乾燥室25の外部へのマイクロ波の漏洩が防止されるのである。

0038

次に、図4に基づいて乾燥室本体5の内部構造について説明する。まず、乾燥室本体5の一例として天板部には、上述したようにマイクロ波照射装置9のマイクロ波発振装置10が取り付けられていて、乾燥室本体5の天板部に一例として形成されている照射口15から乾燥室本体5の内部に向けてマイクロ波が照射されるように構成されている。
また、上記照射口15には、一例としてポリ四フッ化エチレンテフロン登録商標))製のシートTが貼設されており、マイクロ波発振装置10から発振されたマイクロ波は通すが、乾燥によって被乾燥物Aから発生した蒸発水分のマイクロ波発振装置10側への進入を防止している。

0039

また、本実施の形態では、乾燥室本体5の内部を上下に仕切る、中央部が開口された支持板81aが設けられている。そして、該支持板81aの開口部周縁の上面には、一例として前後方向に延びるレール状の支持台81bが配設されており、該支持台81bにも上述した開閉扉7に適用したのと同様の図7に示す、ダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21Aが適用されている。
尚、上記支持板81aと支持台81bは、後述する金属製容器59を乾燥室本体5内にセットしたり、搬送方向Yに搬送するための支持部81を構成しており、このうち支持台81bは、本実施の形態では後述するように金属製容器59を支持する支持部材としての機能と、金属製容器59を乾燥室本体5内にセットしたり、乾燥室本体5内から外部に取り出す際の案内部材としての機能を有している。

0040

また、本発明では、上述したように照射口15が形成されている乾燥室本体5の天板部から、該照射口15を取り囲むように下方に延びる、本発明の特徴的構成の一つである垂れ壁93が設けられている。
垂れ壁93は、一例としてステンレス鋼製の角筒状の部材によって形成されており、該垂れ壁93の金属製容器59側端部となる下端部は、上述した支持部81によって支持される後述する金属製容器59の周縁部83に臨むように接近状態で設けられている。

0041

また、上記垂れ壁93の下端部と金属製容器59の周縁部83との間には、上述した支持台81bと同様、上記開閉扉7に設けられていたのと同様のダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21Bが、一例として上記垂れ壁93の下端部に形成されているフランジ部95を利用して設けられている。
尚、上述した支持台81bに適用したマイクロ波漏洩防止機構21Aと、上記垂れ壁93の下端部に設けられているマイクロ波漏洩防止機構21Bは、互いの第1チョーク17と第2チョーク19がそれぞれ向かい合わせになる配置で一例として設けられており、上記マイクロ波漏洩防止機構21Bと金属製容器59の周縁部83との隙間は、10mm程度になるように設定されていて、垂れ壁93内への空気の進入は許容するが、垂れ壁93外へのマイクロ波の漏洩を防止し得る寸法になっている。

0042

また、本実施の形態では、乾燥室本体5の一例として天板部には、乾燥中の被乾燥物Aの品温を計測する放射温度計79が設けられており、該放射温度計79によって計測された被乾燥物Aの品温情報は、制御装置32に送られ、この品温情報に基づいて、上記マイクロ波照射装置9から照射されるマイクロ波出力を制御し得るように構成されている。
この他、乾燥室本体5の一例として左側板部には、乾燥室本体5内に空気を導入する吸気口52aが備えられており、乾燥室本体5の一例として天板部には、乾燥室本体5内の湿気を含んだ空気を乾燥室本体5外に排出する排気口53aが備えられている。
そして、上記吸気口52aは上記垂れ壁93の外側に位置しており、上記排気口53aは上記垂れ壁93の内側に位置している。これにより、吸気口52aから乾燥室本体5内に流入した空気は、上記垂れ壁93の下端部と金属製容器59の周縁部83との間の隙間(この隙間に上述したマイクロ波漏洩防止機構21Bが設けられている)を通って垂れ壁93の内部に流入し、上記排気口53aを通って乾燥室本体5外に排気されるように構成されている。

0043

また、上記吸気口52a及び排気口53aには、空気の通過は許容するが、マイクロ波の通過は許容しない口径2mm程度の通気口57aを有するパンチング板57が設けられており、乾燥室本体5外へのマイクロ波の漏洩を更に多重的に防止している。
また、上記吸気口52aには、吸気筒52が乾燥室本体5の外方に張り出すように設けられており、該吸気筒52の外方端には、金網58が取り付けられていて、乾燥室本体5内への異物混入を防止している。

0044

また、上記排気口53aには、排気筒53が上記吸気筒52と同様、乾燥室本体5の外方に張り出すように設けられている。そして、該排気筒53の外方端にも金網58が取り付けられていて、同じく、乾燥室本体5内への異物の混入を防止している。
また、上記排気筒53には、排気管路54の一端が接続されており、該排気管路54の他端は、送風手段の一例である排風機55に接続されている。

0045

次に、図5及び図6に基づいて、本発明の特徴的構成の一つである金属製容器59について説明する。金属製容器59はステンレス鋼製で、上面が開放された箱状の容器本体82と、該容器本体82の開放された上面部の周囲に設けられる周縁部83と、を備えることによって構成されている。
容器本体82は、底面部59bが上面部に比べて幾分、窄まった浅底の角箱状の部材で、底面部59bの内寸が上述したように、400mm×400mm程度で高さが90mm程度の大きさの部材である。

0046

また、周縁部83は、それぞれ少なくとも水平支持面を有する前縁部83aと、後縁部83bと、左側縁部83cと、右側縁部83d、(左側縁部83cと、右側縁部83dについては、それぞれ断面門型をしている)を矩形枠状に組み立てることによって構成されており、左右の側縁部83c、83dの幅寸法は、これらと直交する方向に配置される前縁部83a及び後縁部83bに比べて幅広に設定されている。
また、左右の側縁部83c、83dの前端面と後端面は開放されていて、セット・取出し方向ないし搬入・搬出方向に沿う前述した乾燥室本体5の内部に設けられている支持部81の支持台81bに対して、前後方向に移動可能な係合状態で上記左右の側縁部83c、83dは設置されるように構成されている。

0047

また、上述したように乾燥室本体5の開口部3に設けられる開閉扉7の背面にもダブルチョーク一体構造のマイクロ波漏洩防止機構21が設けられており、このマイクロ波漏洩防止機構21によって開閉扉7側からのマイクロ波の漏洩を防止している。尚、開閉扉7の背面に設けられるマイクロ波漏洩防止機構21の高さ位置は、開閉扉7の開閉の邪魔にならない、余裕を持った位置に設定されている。

0048

上記金属製容器59に収容される被乾燥物Aとしては、湿気を嫌う食品等の乾燥剤として広く使用されているビーズ状のシリカゲルが一例として適用できる。シリカゲルは二酸化珪素を主成分とする物理的乾燥剤であり、物質化学反応等によって変化することはなく、シリカゲルの有する毛細孔に水蒸気を吸着させることによって除湿を実行する。
また、シリカゲルは吸湿能力に優れ、安全であり、比較的安価で加熱によって再生が可能なことから経済性にも優れている。そして、本実施の形態では使用によって吸湿したシリカゲルを被乾燥物Aとして乾燥させ、上述したシリカゲルの再生にマイクロ波乾燥機1Aを使用して、シリカゲルの乾燥に必要な150℃以上の高温での乾燥を実現している。

0049

そして、このようにして構成される本実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aによると、被乾燥物Aを150℃以上の高温で乾燥させても容器の熱変形等を生じさせることがなく、マイクロ波のみでは乾燥が困難であった容器の内側面や底面と接する部分の被乾燥物Aの乾燥温度の低下をマイクロ波の無駄のない効果的な利用によって防止して被乾燥物Aを効率良く乾燥させることが可能になる。

0050

(2)第2の実施の形態(図9図13参照)
本発明の第2の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bは、第1の実施の形態と同様、バッチ式のマイクロ波乾燥機である。そして、上述した第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aと基本的に同様の構成を有しており、その一部において構成が相達している。したがって、ここでは上記第1の実施の形態において既に説明した本実施の形態と同様の構成については説明を省略し、第2の実施の形態特有の構成を中心に説明する。

0051

即ち、本実施の形態では、乾燥室本体5が開閉扉7により開口部3を閉塞した状態で減圧雰囲気下での使用に耐えられる気密構造と耐圧構造とを備えている。そして、乾燥室25には減圧装置301が接続されており、減圧雰囲気下での乾燥が実行できるように構成されている。
尚、図12では真空用コネクタ329、真空ポンプ331、真空経路333及び制御弁335のみを備える概念的な減圧装置301Aを図示しているが、このような構成の減圧装置301Aに限らず、所望の減圧作用を発揮する種々の構成の減圧装置301を採用することが可能である。
例えば、図13に示すような減圧装置301Bを採用することも可能である。

0052

この減圧装置301Bは、水封式真空ポンプ305と循環式給排水装置307とを備えることによって基本的に構成されており、更に両者の間に給水経路309と排水経路311が配設されている。
水封式真空ポンプ305は、水蒸気や水滴を含んだ気体の排気等に利用されるポンプで、シリンダに対して偏心して取り付けられる羽根車の回転を利用してシリンダの内壁封水リングを形成し、該封水リングと羽根車の羽根によって囲まれた空間の容積変化を利用してポンプ作用を行うようにしたものである。

0053

循環式給排水装置307は、支持架台303の内部に上部タンク313と下部タンク315を備えることによって一例として構成されており、上部タンク313には、外部から水を供給するための給水ノズル317と、上部タンク313内の水位を計測するためのボールタップ319と、上部タンク313内の水温を計測するための温度センサ321と、が配置されている。
一方、下部タンク315内には、水中ポンプ323が配置されており、上述した水封式真空ポンプ305から排出され、排出経路311を通って下部タンク315内に貯った水を汲み上げて上部タンク313に供給できるように構成されている。

0054

尚、上記水中ポンプ323と上部タンク313とを接続する循環経路325の途中には、一例としてモータによって駆動される三方弁327が配置されており、当該三方弁327を適宜切り替えることによって、上記水中ポンプ323によって汲み上げた水を上部タンク313内に供給したり、外部に排水できるように構成されている。
また、上部タンク313内の底部から上述した給水経路309が延びており、該給水経路309の他端が上述した水封式真空ポンプ305に接続されている。更に、上記乾燥室本体5と水封式真空ポンプ305を接続している排出経路235の途中には、外部から空気を取り込んで経路内の圧力を調整するニードル弁247が配置されている。

0055

また、本実施の形態では、上記第1の実施の形態において設けられていた吸気筒52、排気筒53、排気管路54、排風機55等の構成部材は設けられておらず、これらに代わる構成部材として以下に述べるような構成部材が設けられている。
即ち、乾燥室本体5の一例として向って左側の側面に対して、乾燥室25内に搬送用窒素ガス等を充填するためのガス導入部35が二組設けられている。そして、該各ガス導入部35にはそれぞれガス導入管36が接続されており、各ガス導入管36の途中にはガス導入量を調整するガス導入調整弁37が各別に配置されている。

0056

そして、このようにして構成される第2の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bによっても、上記第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aと同様の作用、効果が発揮され、更に本実施の形態では減圧雰囲気下での低温での乾燥が実行できるから乾燥後の乾燥品Dの品質や外観、風味等が問題となるイチゴ等の果物を原料とする乾燥食品等の製造にマイクロ波乾燥機1Bを使用することも可能になる。

0057

(3)第3の実施の形態(図14参照)
本発明の被乾燥物の乾燥方法は、金属製容器59に被乾燥物Aを収容して乾燥室本体5内にセットまたは搬入する乾燥準備工程S1と、乾燥室本体5内にセットまたは搬入された被乾燥物Aに向けてマイクロ波を照射して被乾燥物Aを乾燥させるマイクロ波乾燥工程S2と、を備えることによって基本的に構成されている。

0058

そして、本発明では、上記マイクロ波乾燥工程S2において、マイクロ波照射装置9によって、乾燥室本体5内に照射されたマイクロ波を、垂れ壁93によって外部への飛散を防止した状態で金属製容器59内に導いて被乾燥物Aを乾燥させるように構成されている。
また、本実施の形態では、被乾燥物Aとして吸湿したシリカゲルを一例として使用し、上述した第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aを使用することによって実行される被乾燥物の乾燥方法を示している。以下、この被乾燥物の乾燥方法を構成している各工程の内容について (a)乾燥の準備と、(b)乾燥の実行と、の2段階に分けて具体的に説明する。

0059

(a)乾燥の準備
まず、乾燥準備工程S1において、上述した金属製容器59に所定量の被乾燥物Aである、使用によって吸湿したシリカゲルを収容する。次に、グリップ41を握って開閉扉7を開けて乾燥室本体5の開口部3を開放させた状態にし、垂れ壁93の下端部のマイクロ波漏洩防止機構21Bと、支持台81bとして機能するマイクロ波漏洩防止機構21Aと、の間の隙間に金属製容器59の左右の側縁部83c、83dを差し込み、奥部側に押し込んで金属製容器59を乾燥室本体5内にセットする。
続いて、グリップ41を再び握って開閉扉7を閉め、ロックハンドル45を所定の方向に回して開閉扉7をロックする。

0060

(b)乾燥の実行
次に、制御ボックス31の前面の操作ボタン等を操作してマイクロ波照射装置9及び排風機55を起動して運転を開始する。マイクロ波照射装置9によって照射されたマイクロ波は、照射口15を通って乾燥室本体5内に流入する。
乾燥室本体5内に流入したマイクロ波は、垂れ壁93によって外方への移動が規制され、更に、金属製容器59側端部のマイクロ波漏洩防止機構21Bによってマイクロ波の漏洩が高周波的に防止されて金属製容器59内に至り、被乾燥物Aである吸湿したシリカゲルに照射されて効率の良いマイクロ波による加熱が実行されてシリカゲルは乾燥される。尚、乾燥中のマイクロ波出力は放射温度計79によって計測された被乾燥物Aの品温情報に基づいて制御装置32で制御されている。

0061

したがって、金属製容器59内の被乾燥物Aは常時150℃程度の高温での乾燥状態が維持されて加熱され、金属製容器59内で活発な被乾燥物Aの水分蒸発が実行されて効率的な乾燥が行われる。
また、被乾燥物Aから発生した蒸気は、排風機55によって生起される搬送風に乗って乾燥室本体5の天板部の排気口53aに運ばれ、パンチング板57、排気筒53、排気管路54を通って外部に排出される。
そして、予め設定された設定時間の経過によって運転を停止し、マイクロ波乾燥機1Aを使用した一連の乾燥が終了する。

0062

(4)第4の実施の形態(図15図21参照)
本発明の第4の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Cは、大量の被乾燥物Aの乾燥を目的にした、連続式のマイクロ波乾燥機である。
したがって、被乾燥物Aの連続的な乾燥を可能にする構成が付加されており、上述した第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aよりも大型で処理能力が大きく、例えば無機触媒粉末の製造ライン等にも対応できる仕様のマイクロ波乾燥機になっている。

0063

尚、このマイクロ波乾燥機1Cに求められる基本的構成は、上述した第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aや第2の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Bと同様である。
したがって、ここでは上記第1の実施の形態と第2の実施の形態において既に説明した構成については説明を省略し、本実施の形態において新たに備えた構成や上記実施の形態との構成の変更点を中心に説明する。

0064

まず、本実施の形態では、金属製容器59Aとして上述した実施の形態において使用した図6に示す金属製容器59よりも幅広で、左右の側縁部83c、83dに対して一例として平面視門型形状取っ手85、85を備えた金属製容器59Aが採用されている。
また、乾燥室本体5は、一例として上記金属製容器59Aを11個収容できる大きさの搬送方向Yに長い、角筒形状を有しており、その前端面には金属製容器59Aを搬入するための開口部3Aが設けられており、一方、後端面には金属製容器59Aを搬出するための開口部3Bが形成されている。

0065

また、これらの開口部3A、3Bのそれぞれには、開閉手段7の一例である開閉シャッター7b、7bが取り付けられている。尚、図示は省略するが、上記2つの開口部3A、3Bと2つの開閉シャッター7b、7bの間にも上述した開口部3と開閉扉7aとの間に設けられていたのと同様のマイクロ波漏洩防止機構21が設けられていることが望ましい。
上記乾燥室本体5は、上述した11個の金属製容器59Aに対応した11の領域に区画されており、これらの領域の各々には、一例としてマイクロ波出力が1.9kwの4基のマイクロ波照射装置9と1つの垂れ壁93によって構成されているマイクロ波乾燥ユニットUが配置されている。

0066

また、上記乾燥室本体5の下方には、同じく金属製容器59Aの搬送方向Yに長い支持架台23が設けられており、該支持架台23の後方からその内部、更に乾燥室本体5の上方空間を利用して、前記11組のマイクロ波乾燥ユニットUに対応した位置に同じく11組の排風ユニットWが設けられている。該排風ユニットWは、上記支持架台23の後方に配置される送風手段の一例である吸気用熱風ファン103とヒータ105と、該吸気用熱風ファン103から延び、上記支持架台23の内部を通って上記乾燥室本体5の一例として底板部の吸気口106に接続されている送風ダクト107と、を備えている。
また、乾燥室本体5の一例として天板部には排気口109が形成されており、該排気口109に接続される排風量調整ダンパ111と、上方から後方にかけて延びる排風ダクト113と、を備えることによって排風ユニットWが構成されている。

0067

また、上記支持架台23を利用して金属製容器59Aを乾燥室本体5内に搬入して搬送方向Yに向けて搬送させる搬送手段115が備えられている。具体的には、本実施の形態では支持台81bが金属製容器59Aの搬送方向Yに沿って敷設される支持レール81cによって構成されている。
そして、上記搬送手段115は、上記支持レール81c上に整列配置されている複数(一例として11個)の金属製容器59Aを搬送方向Yに移動させるための手段であって、本実施の形態では一例として上記金属製容器59Aの取っ手85に2ヶ所ずつ作用して該金属製容器59Aに送り力Fを付与する一例として三角形板状の係止爪117と、これらの係止爪117を保持して所定ストローク、送り方向Y1と戻し方向Y2とに一体に移動させる2本の操作ロッド119と、駆動源となる駆動モータ121と、該駆動モータ121の出力軸の回転を一例としてチェーン駆動伝達機構を介して上記操作ロッド119の送り方向Y1ないし戻し方向Y2の直線運動に変換する揺動クランク機構123と、を備えることによって構成されている。
なお、搬送手段115としては、上記の実施の形態のものに限られず、例えば、チェーンコンベヤを利用した搬送手段等を採用することも可能である。

0068

また、搬送方向Yの下流側の3組のマイクロ波乾燥ユニットUのマイクロ波照射装置9には、他のマイクロ波照射装置9よりも長い導波管125が設けられており、これらの導波管125におけるマイクロ波発振装置10寄りの端部には、乾燥が進むとマイクロ波の反射波が増大するため、マイクロ波発振装置10にマイクロ波の反射波が戻らないようにするためのアイソレータ127が配置されている。
そして、このようにして構成されるマイクロ波乾燥機1Cによって、例えば被乾燥物Aである無機触媒粉末を乾燥させる場合には、所定量の被乾燥物Aを金属製容器59Aに入れ、支持レール81c上にセットする。次に、開口部3Aを閉塞している開閉シャッター7bを開け、搬送手段115の駆動モータ121を駆動する。

0069

上記駆動モータ121の出力軸はチェーン駆動伝達機構を介して揺動クランク機構123に伝達される。そして、該揺動クランク機構123によって直線運動に変換された力が操作ロッド119に伝達され、該操作ロッド119は係止爪117を一体に伴なって送り方向Y1に所定ストローク移動する。
これに伴い、乾燥室本体5の搬入側の開口部3Aの手前に待機していた金属製容器59Aは、係止爪117が回動接続ピン118を中心に回動して係止位置に移行し、取っ手85に係止されることで送り力Fが付与される。そして、金属製容器59Aは、該開口部3Aを通って乾燥室本体5内に進入し、乾燥室本体5内の上流側の最初の乾燥領域で停止する。

0070

次に、開閉シャッター7bを閉めて搬入側の開口部3Aを閉塞する。尚、この時、搬出側の開口部3Bは開閉シャッター7bによって閉塞されたままである。
次に、マイクロ波照射装置9を駆動し、約5分間、被乾燥物Aの重量等に基づいて定められる所定の出力でのマイクロ波乾燥を実行する。更に、排風ユニットWを駆動し、乾燥室本体5内にヒータ105によって所定の温度(例えば200℃程度)に加熱された所定流量(例えば5.5m3/min程度)の空気を取り込んで乾燥によって発生した乾燥室本体5内の蒸気を結露させ ないよう、排風ダクト113に接続される図示しない排気集合ダクトの上流位置での温度が80℃、相対湿度が100%より僅かに低い温度(結露しない限界湿度)になるように設定して排気風量調整ダンパ111によってその風量を調整しながら排風ダクト113から外部に排出する。

0071

尚、送風ダクト107を通って乾燥室本体5内に送られてきたヒータ105によって加熱された空気は、図19に示すように乾燥室本体5内の支持部材間の隙間を通って、支持部81の上方空間に流入し、更に垂れ壁93と金属製容器59Aとの間の隙間を通って垂れ壁93の内方空間に流入する。そして、垂れ壁93内において発生した蒸気を伴って、上記排気口109から排風ダクト113を通って外部に排出される。
また、上記の乾燥時間を利用して、搬送手段115の駆動モータ121が逆方向に回転させて操作ロッド119を戻し方向Y2に移動させる。これに伴い、上記係止爪117は回動接続ピン118を中心に所定の角度回動し係止解除位置に至る。以下、同様の動作を所定回数繰り返すと、被乾燥物Aは搬送方向Yの最下流位置の乾燥領域に到達し、同じく約5分間のマイクロ波乾燥が実行される。したがって、本実施の形態では、トータルの乾燥時間が約55分となる。
尚、上述したように一例として11に区画した各領域での水分の蒸発量は一様でなく、最初の1つ目と2つ目の領域で被乾燥物A中の水分を常温から沸点まで昇温させる(したがって蒸発量は僅か)。次の3つ目の領域から蒸発が活発になり、4つ目〜7つ目位の領域で蒸発が最も活発になる。そして、8つ目の領域から蒸発が激減し、最後の11個目の領域でその水分量を0にすることを目標にしている。

0072

また、本実施の形態では、乾燥前の被乾燥物Aの重量を図示しないロードセル等によって計測し、該計測した重量に基づいてマイクロ波出力またはマイクロ波の照射時間を設定している。したがって被乾燥物Aの重量が10%少なければマイクロ波の照射時間を10%短くして4.5分にしたり、マイクロ波出力を10%小さくする等、設定を変えて乾燥を実行する。

0073

上記乾燥終了後、搬出側の開口部3Bを閉塞していた開閉シャッター7bを開け、搬送手段115の駆動モータ121を駆動して金属製容器59Aを所定ストローク、搬送方向Yに移動させると、該金属製容器59Aは、開口部3Bを通って乾燥室本体5の外部に搬出される。
以上で、被乾燥物Aの乾燥が終了し、所定水分量まで乾燥が高められた乾燥品Dが得られる。尚、ここで得られた乾燥品Dは、次工程の焼成工程に移行し、該焼成工程で焼成処理が実行されて焼成品である無機触媒粉末に加工される。

0074

そして、このようにして構成される第4の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Cによっても、上記第1の実施の形態によるマイクロ波乾燥機1Aと同様の作用、効果が発揮される。
更に、本実施の形態では連続式のマイクロ波乾燥機としたことにより、約5分間隔で順次、乾燥品Dが製造されるため、極めて効率的で大量生産に対応した被乾燥物Aの高温での乾燥処理が実行される。

0075

(5)垂れ壁の効果の検証(図22図25参照)
次に、上記垂れ壁93の効果を試すために行った比較試験で使用した装置の構成と該比較試験の内容と結果について具体的に説明する。
マイクロ波を使用した乾燥機では、マイクロ波をロスなく被乾燥物Aに照射することが効率の良い乾燥を行う上で重要である。しかし、乾燥室本体5内に照射されたマイクロ波の一部は、被乾燥物Aの乾燥に使用されることなく、乾燥室本体内で飛散したり、乾燥室本体5外に漏洩してしまってロスが発生してしまう。

0076

そこで、図22に示すように垂れ壁93を有しないマイクロ波乾燥機101Aと、図23に示すように垂れ壁93を設置したマイクロ波乾燥機101Bと、の2種類のマイクロ波乾燥機を用意し、垂れ壁93の効果を検証した。
尚、本比較試験では、垂れ壁93の有無とマイクロ波の乾燥効率との関係を正確に把握するため、放射温度計79で被乾燥物Aの温度を計測しながら、被乾燥物Aの温度が設定加熱温度100℃になるまでの時間を比較した。

0077

比較試験の結果は、図24及び図25に示す通りであり、垂れ壁93を有しないマイクロ波乾燥機101Aの場合、図24に示すように被乾燥物Aの品温が80℃になるのに約13分、100℃になるのに約28分かかっていたのに対して、垂れ壁93を設置したマイクロ波乾燥機101Bでは、図25に示すように被乾燥物Aの品温が80℃になるのに約9分、100℃になるのに約22分と、大幅に時間が短縮されている。
したがって、垂れ壁93を設置することによってマイクロ波のロスが少なくなって、被乾燥物Aの乾燥に効果的にマイクロ波が使用されるようになって、マイクロ波による乾燥効率が向上することが分かる。

0078

尚、ここで述べた垂れ壁93の効果は、被乾燥物Aを高温で乾燥させる場合と低温で乾燥させる場合の両方に適用される。したがって、上記第2の実施の形態で述べたような減圧装置301を備えた乾燥機であれば、容器の熱変形等が生じない100℃以下の低温での乾燥が可能であるから、このようなマイクロ波乾燥機に対して垂れ壁93を設置して、適用することも可能である。

0079

尚、本発明のマイクロ波乾燥機1及び被乾燥物の乾燥方法は、上記の実施の形態のものに限定されずその発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、マイクロ波発振装置10の容量や数は、乾燥する被乾燥物Aの量や種類あるいは乾燥室本体5の大きさ等の違いに応じて適宜調整でき、上述した金属製容器59の大きさも上記説明の中で明記した大きさに限らず、例えば幅を700mm、奥行きを400mm、深さを150mmに変更したり、幅を500mm、奥行きを400mm、深さを150mmにする等、適宜のサイズに変更することが可能である。
更に、金属製容器59の形状は、浅底の円筒形状にする等、他の形状であっても構わないし、垂れ壁93の形状も角筒状に限らず円筒状にする等、他の形状であってもよい。
この他、乾燥室25内で発生した蒸気の排除手段としては、上述した第1の実施の形態で採用した気流導入方式に限らず、コールドトラップ方式でも良く、開閉扉7の開閉構造片開き方式に限らず、両開き方式であっても良いし、スライド開閉方式であっても構わない。

0080

本発明のマイクロ波乾燥機及び被乾燥物の乾燥方法は、150℃以上の高温での乾燥を行っている被乾燥物の乾燥現場等で利用でき、特に容器の熱変形等を防止し、被乾燥物のムラのない均一な乾燥を効率良く安価に実施したい場合に利用可能性を有する。

0081

1マイクロ波乾燥機
3 開口部
5乾燥室本体
7開閉手段
7a開閉扉
7b開閉シャッター
9マイクロ波照射装置
10マイクロ波発振装置
11シール部材
13シール構造
15照射口
17 第1チョーク
19 第2チョーク
21マイクロ波漏洩防止機構
23支持架台
25 乾燥室
31制御ボックス
32制御装置
35ガス導入部
36ガス導入管
37 ガス導入調整弁
39点検窓
41グリップ
43ヒンジ部
45ロックハンドル
47係止爪
49係止フック
52吸気筒
52a吸気口
53排気筒
53a排気口
54排気管路
55排風機(送風手段)
57パンチング板
57a通気口
58金網
59金属製容器
59a 側面部
59b 底面部
61シール面
63中間経路
65遮蔽板
67 先端部
69基端部
79放射温度計
81 支持部
81a 支持板
81b支持台
81c支持レール
82容器本体
83周縁部
83a前縁部
83b後縁部
83c 左側縁部
83d 右側縁部
85取っ手
93垂れ壁
95フランジ部
101 マイクロ波乾燥機
103吸気用熱風ファン(送風手段)
105ヒータ
106 吸気口
107送風ダクト
109 排気口
111排気風量調整ダンパ
113排風ダクト
115 搬送手段
117 係止爪
118回動接続ピン
119操作ロッド
121駆動モータ
123揺動クランク機構
125導波管
127アイソレータ
235排出経路
247ニードル弁
301減圧装置
303 支持架台
305水封式真空ポンプ
307循環式給排水装置
309給水経路
311排水経路
313上部タンク
315下部タンク
317給水ノズル
319ボールタップ
321温度センサ
323水中ポンプ
325循環経路
327三方弁
329真空用コネクタ
331真空ポンプ
333真空経路
335制御弁
A被乾燥物
Gギャップ
O中点
B接続点
C接点
L 距離
D乾燥品
S1 乾燥準備工程
S2マイクロ波乾燥工程
Tシート
Y 搬送方向
Y1送り方向
Y2 戻し方向
Uマイクロ波乾燥ユニット
W排風ユニット
F 送り力

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