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技術 農業用フィルム

出願人 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社
発明者 市村拓野木下一也
出願日 2015年2月6日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2015-022714
公開日 2016年8月12日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2016-144421
状態 特許登録済
技術分野 植物の栽培 植物の保護 高分子成形体の製造 温室 高分子組成物 積層体(2)
主要キーワード スタッブ 使用当初 電照栽培 分別採取 押出成型加工 ピペリジン環構造 チューブ外層 層押し出し機
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課題

展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が変化する農業用フィルムを提供する。

解決手段

酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、以下の条件の促進試験に120時間曝露した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルム。(a)60℃、湿度70%の条件下、295〜780nmの波長分布の光を80mW/cm2の照射強度で5時間照射、及び(b)30℃、98%(シャワーによる水噴霧あり)の条件下、照射無しで1時間のサイクルを交互に繰り返す。

概要

背景

農業用作物を半促成又は抑制栽培して、その市場性生産性を高めるため、農業用被覆材による被覆下に有用植物を栽培する、いわゆるハウス栽培トンネル栽培が盛んに行われている。この農業用フィルムとして、現在、塩化ビニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂が主に使用されているが、ポリオレフィン系樹脂を主体とした農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度塩化ビニル樹脂より小さいために軽く、焼却しても有毒ガスの発生が少なく、更にインフレーション成型法により幅継ぎの為の接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供できることなどから盛んに利用されるようになってきている。

また、近年、地球温暖化の影響もあり、夏場気温上昇が問題になっている一方、土地利用効率向上の観点から、夏場の栽培の重要性増している。夏場晴天時には、ハウス上部表面では、50℃程度まで温度上昇する状況下、ハウス内を作物が生育可能な温度範囲に保つ必要がある。また、冬場には、光量不足や温度不足による生育不良を避ける必要があり、そのバランスが求められている。

このような状況下、昨今、農業用フィルムの展張が開始される冬場(即ち、展張初期)においては透明性が高く、展張後に透明性が徐々に低下して夏場を迎えるには半透明〜不透明になるような農業用フィルムに対する要望が高まってきた。

ここで、従来から、花卉園芸植物開花時期の調整を行う電照栽培遮光栽培、また、夏期のほうれん草、ダイコンイチゴ栽培などの遮熱栽培に利用される農業用遮光性フイルムが知られている(特許文献1、2)。このような遮光性フィルムは、良好な遮光性をその特徴としているものの、使用当初から遮光性を有しているため展張初期の透明性が確保できない、
また、感温遮光性を有する樹脂組成物を農業用フィルムに用いる技術も知られているが(例えば、特許文献3)、コスト的に不利であることや、寿命が短く、透明な状態と遮光の状態の間の透過率変化が小さいという問題があった。

このように、従来技術においては、展張初期と経時後の透明性の変化が大きく、冬場の温室用途と、夏場の遮光用途を一枚のフィルムで兼用できるような農業用フィルムは、未だ実現されていない。

概要

展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が変化する農業用フィルムを提供する。酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、以下の条件の促進試験に120時間曝露した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルム。(a)60℃、湿度70%の条件下、295〜780nmの波長分布の光を80mW/cm2の照射強度で5時間照射、及び(b)30℃、98%(シャワーによる水噴霧あり)の条件下、照射無しで1時間のサイクルを交互に繰り返す。なし

目的

本発明は、展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が変化する農業用フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、以下の条件の促進試験に120時間曝露した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルム。(a)60℃、湿度70%の条件下、295〜780nmの波長分布の光を80mW/cm2の照射強度で5時間照射、及び(b)30℃、98%(シャワーによる水噴霧あり)の条件下、照射無しで1時間のサイクルを交互に繰り返す。

請求項2

酸化亜鉛をフィルム全体の質量に対して0.25質量%より大きく5.0質量%以下含有する、請求項1に記載の農業用フィルム。

請求項3

少なくとも外層、中間層及び内層を有するポリオレフィン系多層フィルムである、請求項1又は2に記載の農業用フィルム。

請求項4

酸化亜鉛を少なくとも表面層に含有する、請求項3に記載の農業用フィルム。

請求項5

酸化亜鉛の表面層濃度が中間層濃度に対して高い請求項3又は4に記載の農業用フィルム。

請求項6

酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張後の直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを使用することを特徴とする栽培方法

請求項7

酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張後の直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを、期〜期に展張し、春〜秋期まで使用することを特徴とする栽培方法。

請求項8

酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張から2月以上経過後における直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを、秋期〜春期に展張し、春〜秋期まで使用することを特徴とする栽培方法。

技術分野

0001

本発明は、農業用フィルム、より詳しくは、展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が変化する農業用フィルムに関する。

背景技術

0002

農業用作物を半促成又は抑制栽培して、その市場性生産性を高めるため、農業用被覆材による被覆下に有用植物を栽培する、いわゆるハウス栽培トンネル栽培が盛んに行われている。この農業用フィルムとして、現在、塩化ビニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂が主に使用されているが、ポリオレフィン系樹脂を主体とした農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度塩化ビニル樹脂より小さいために軽く、焼却しても有毒ガスの発生が少なく、更にインフレーション成型法により幅継ぎの為の接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供できることなどから盛んに利用されるようになってきている。

0003

また、近年、地球温暖化の影響もあり、夏場気温上昇が問題になっている一方、土地利用効率向上の観点から、夏場の栽培の重要性増している。夏場晴天時には、ハウス上部表面では、50℃程度まで温度上昇する状況下、ハウス内を作物が生育可能な温度範囲に保つ必要がある。また、冬場には、光量不足や温度不足による生育不良を避ける必要があり、そのバランスが求められている。

0004

このような状況下、昨今、農業用フィルムの展張が開始される冬場(即ち、展張初期)においては透明性が高く、展張後に透明性が徐々に低下して夏場を迎えるには半透明〜不透明になるような農業用フィルムに対する要望が高まってきた。

0005

ここで、従来から、花卉園芸植物開花時期の調整を行う電照栽培遮光栽培、また、夏期のほうれん草、ダイコンイチゴ栽培などの遮熱栽培に利用される農業用遮光性フイルムが知られている(特許文献1、2)。このような遮光性フィルムは、良好な遮光性をその特徴としているものの、使用当初から遮光性を有しているため展張初期の透明性が確保できない、
また、感温遮光性を有する樹脂組成物を農業用フィルムに用いる技術も知られているが(例えば、特許文献3)、コスト的に不利であることや、寿命が短く、透明な状態と遮光の状態の間の透過率変化が小さいという問題があった。

0006

このように、従来技術においては、展張初期と経時後の透明性の変化が大きく、冬場の温室用途と、夏場の遮光用途を一枚のフィルムで兼用できるような農業用フィルムは、未だ実現されていない。

先行技術

0007

特開2002−247922号公報
特開2002−209453号公報
特開2008−30473号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が変化する農業用フィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討したところ、農業用フィルム等において紫外線吸収剤として使用される酸化亜鉛に着目し、これを農業用フィルムに添加すると、所定の条件においては、展張後経時的にフィルムが白濁する挙動を示すことを見出し、この現象を応用することを着想した。そこで、本発明者らは、更に検討を進めたところ、酸化亜鉛を特定の方法でフィルムに添加することにより、初期の透明性が高く、展張後経時的に透明性が添加する農業用フィルムを提供できることを見出し、本発明を完成した。

0010

即ち、本発明は、
[1]酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、以下の条件の促進試験に120時間曝露した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルム。
(a)60℃、湿度70%の条件下、295〜780nmの波長分布の光を80mW/cm2の照射強度で5時間照射、及び
(b)30℃、98%(シャワーによる水噴霧あり)の条件下、照射無しで1時間のサイクル
を交互に繰り返す。
[2]酸化亜鉛をフィルム全体の質量に対して0.25質量%より大きく5.0質量%以下含有する、[1]に記載の農業用フィルム。
[3]少なくとも外層、中間層及び内層を有するポリオレフィン系多層フィルムである、[1]又は[2]に記載の農業用フィルム。
[4]酸化亜鉛を少なくとも表面層に含有する、[3]に記載の農業用フィルム。
[5]酸化亜鉛の表面層濃度が中間層濃度に対して高い[3]又は[4]に記載の農業用フィルム。
[6]酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張後の直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを使用することを特徴とする栽培方法
[7]酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張後の直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを、期〜期に展張し、春〜秋期まで使用することを特徴とする栽培方法。
[8]酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張から2月以上経過後における直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを、秋期〜春期に展張し、春〜秋期まで使用することを特徴とする栽培方法。
に関する。

発明の効果

0011

本発明により、展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が低下することにより夏場における遮光が可能であり、また、農業用フィルムに要求されるその他の性能も良好な農業用フィルムを提供することができる。本発明の農業用フィルムは、展張初期と経時後の透明性の変化が大きく、冬場の温室用途と、夏場の遮光用途を一枚のフィルムで兼用できるために、農業用途としての利用可能性が高く、コスト的にも有利である。

0012

本発明の一つの実施態様は、酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、以下の条件の促進試験に120時間曝露した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルム(以下「農業用遮光フィルム」とも言う)である。
(a)60℃、湿度70%の条件下、295〜780nmの波長分布の光を80mW/cm2の照射強度で5時間照射、及び
(b)30℃、98%(シャワーによる水噴霧あり)の条件下、照射無しで1時間のサイクル、を交互に繰り返す(以下「実施態様1」とも言う)。

0013

上記の(a)及び(b)のサイクルを繰り返す条件での促進試験は、農業用フィルムを実曝した場合と良好な相関を示すことが確認されている。本発明の農業用フィルムは、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、当該促進試験にフィルムを120時間曝露後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上、好ましくは30%以上であり、夏場において有効な遮光性を示すことができる。

0014

本発明の農業用フィルムは、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)は、40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。初期の555nmにおける直進光線透過率(%)が40%以上であれば、農業用フィルムに要求される透明性を確保することができ、展張初期の冬場における光量不足や温度不足による生育不良を避けることができる。

0015

基材樹脂
本発明に使用できる農業用フィルムの材料(基材樹脂)としては、一般に150〜250℃程度で溶融成形しうるフィルム形成能のあるものであって、一般に農業用被覆材用に用いられているものはいずれのものでも使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、これら樹脂に限定されるわけではない。

0016

本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化ビニリデンエチレンプロピレンアクリロニトリルマレイン酸イタコン酸アクリル酸メタクリル酸酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化重合法懸濁重合法、溶液重合法塊状重合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって製造されたものであってもよい。

0017

また、本発明においては、上記塩化ビニル系樹脂として、平均重合度が1000以上2500以下、好ましくは1100以上2000以下のものを用いることができるが、異なる平均重合度のものを用いて2種混合してもよい。この混合方法としては、フィルム製膜加工時に2種類の樹脂を混合する方法が一般的であるが、塩化ビニル系樹脂の重合時に重合条件コントロールによって、見掛け上2種類の平均重合度の異なる樹脂が混合されたことになる方法であってもよい。

0018

塩化ビニル系樹脂フィルムには、柔軟性を付与するために、この樹脂100重量部に対して、30〜60重量部、好ましくは、40〜55重量部の可塑剤が配合される。30重量部未満では、低温時での柔軟性に乏しいため、充分な低温物性が得られない。また、60重量部を越えると、常温下での取り扱い性(べたつき性等)が悪化したり、製膜加工時の作業性が低下するので好ましくない。

0020

また、塩化ビニル系樹脂として、ポリ塩化ビニルと塩素化ポリエチレンブレンドしたものも使用することができる。塩素化ポリエチレンとしては、原料となるポリエチレンが、エチレンの単独重合、もしくは、エチレンと30重量%以下(好ましくは、20重量%以下)の炭素数が12個以下(好ましくは、3〜9個)のα−オレフィンを共重合することによって得られるものが好ましい。

0021

α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。原料となるポリオレフィンとしては、特にエチレンを単独重合したものが好ましい。塩素化ポリエチレンは、ポリエチレンの粉末または粒子水性懸濁液中で塩素化するか、あるいは有機溶剤中に溶解したポリエチレンを塩素化する方法が採用される。

0022

塩素化ポリエチレンの塩化ビニル系樹脂への配合量は、通常0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部がよい。塩素化ポリエチレンのメルトインデックスは、0.5〜150g/10分の範囲で適宜選択することができる。

0023

ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などがあげられ、例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレンポリプロピレンエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から農業用フィルムとして好ましい。また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用することができる。

0024

これは、通常、メタロセンポリエチレンといわれているものであり、エチレンとブテン−1ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体であり、例えば下記の(A法)(特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35005号等)や(B法)(特開平6−9724号、特開平6−136195号、特開平6−136196号等)により得られる。

0025

フィルムの良好な初期透明性及び透明持続性が得られる点では上記(A)法、(B)法に拘されることなく、メタロセン化合物を用いて重合されたポリオレフィン系樹脂、即ち、メタロセンポリエチレンを用いることが出来る。

0026

これらメタロセンポリエチレンを始めとするポリエチレン樹脂は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fractionation)、MFR、密度、分子量分布、その他各種物性の測定によって分類される。温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation:TREF)による溶出曲線の測定は、「Journal of Applied Polymer Science.Vol 126,4,217−4,231(1981)」、「高分子討論会予稿集2P1C09(昭和63年)」等の文献に記載されている原理に基づいて実施される。

0027

本発明のポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、JIS−K7210により測定されたMFRが0.01〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の値を示す。該MFRがこの範囲より大きいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFRがこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大し、成形機負荷がかかるため、生産量を減少させて圧力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。また、本発明のポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、JIS−K7112により測定された密度が0.880〜0.930g/cm3、好ましくは0.880〜0.920g/cm3の値を示す。該密度がこの範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロッキングが生じ実用性に乏しくなる。また、本発明のポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の値を示す。該分子量分布がこの範囲より大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。

0028

エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニル含有量が通常10〜25重量%の範囲であり、好ましくは12〜20重量%の範囲のものを使用することができる。酢酸ビニル含有量がこの範囲より小さいと、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが出来やすく、防曇性に悪影響が出るため実用性に乏しく、また、酢酸ビニル含有量がこの範囲より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。

0029

酸化亜鉛
本発明の農業用フィルムは酸化亜鉛を含有する。酸化亜鉛を特定条件及び方法でフィルムに添加することにより、初期は透明であるが、展張後経時的にフィルムが白濁して透明性を低下する農業用遮光フィルムを提供することができる。
本発明で用いられる酸化亜鉛の粒径は、10nm以上100nm以下、好ましくは20nmより大きく100nm以下、更に好ましくは30nmより大きく100nm以下である。

0030

本発明の農業用フィルムにおける酸化亜鉛の添加量は、フィルム全体の質量に対して0.25質量%より大きく5.0質量%以下が好ましく、0.5質量%〜5.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜3.0質量%であることが更に好ましい。酸化亜鉛の添加量がフィルム全体の質量に対して0.25質量%より小さいと、透明性の低下を得ることができず、また、5.0質量%より大きいと、フィルム中での酸化亜鉛の分散性が劣り、初期の透明性が低下するため好ましくない。

0031

本発明の農業用フィルムにおける酸化亜鉛は、表面処理されたものであっても、表面処理されていないものであってもよい。 表面処理されていない酸化亜鉛を使用した場合、分散性は低めになり、凝集懸念が増加するものの、比較的低濃度白濁現象発現しやすく、コスト的にも有利となる。分散性については、粒径を適切に制御し、二次凝集を低減する工夫をすることが出来る。一方、表面処理された酸化亜鉛を使用した場合、分散性が向上し、凝集が低減される一方、白濁現象を抑制する方向に働く為、添加量や粒径を適切に選択する必要がある。これら酸化亜鉛は初期透過率や白濁程度、白濁する速度を考慮して、適切に選択する必要がある。

0032

表面処理された酸化亜鉛として、例えば、シリコン油で表面処理された酸化亜鉛が挙げられ、シリコン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサンメチルフェニルポリシロキサンパーフルオロシリコンポリエーテル変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサンフェニルハイドロジェンポリシロキサンアルキルポリシロキサン末端水酸基含有ジメチルポリシロキサン、末端水酸基含有メチルフェニルポリシロキサン等のシリコン油等が例示される。

0033

また、市販の酸化亜鉛、ZnO−350、ZnO−510、ZnO−610、ZnO−650(住友大阪セメント(株)製)、MZ−300、MZY−303S、MZ−306X、MZ−500、MZY−505S、MZY−510M3S、MZ−506X、MZ−510HPSX(テイカ(株)製)、XZ−Fシリーズ、XZ−100P、FINEX−30、FINEX−30S−LP2、FINEX−30S−LPT、FINEX−30W−LP2、FINEX−30W−LPT、FINEX−50、FINEX−50S−LP2、FINEX−50W−LP2、FINEX−50S−LPT、FINEX−50W−LPT、ZINCA−20、微細酸化亜鉛(堺化学工業(株)製)、F−1、F−2(ハクスイテック(株)、FZO−50(石原産業(株)製)等を使用することができる。これらの酸化亜鉛粒子は、一種又は二種以上で用いられる。

0034

本発明の農業用フィルムが少なくとも外層、中間層及び内層を有する多層フィルム、特にポリオレフィン系多層フィルムである場合は、酸化亜鉛は、外層、中間層、内層のいずれにも添加することは可能であるが、少なくとも表面層である外層及び/又は内層に添加することが好ましい。
酸化亜鉛をフィルム全体に添加すると、分散性の面では良好であるが、酸化亜鉛がフィルム全体に分散するため、所望の白濁現象を得るには酸化亜鉛の添加量を高くする必要があり、コスト的にも不利である。これに対して、同じ添加量の酸化亜鉛を表面層(外層及び/又は内層)に添加すると、表面層中での酸化亜鉛の濃度は高くなり、少ない添加量で目的とする白濁現象を得ることができる。
本発明の農業用フィルムの一つの側面においては、外層又は内層に酸化亜鉛を1〜10質量%(外層又は内層の質量に対して)を含有する。
また、本発明の農業用フィルムの一つの側面においては、酸化亜鉛のフィルム表面層における添加濃度がフィルム中間層における添加濃度に対して高い。

0035

また、酸化亜鉛を少なくとも表面層(外層及び/又は内層)に添加する場合は、表面処理された酸化亜鉛であっても、表面処理されていない酸化亜鉛を使用してもよい。
表面処理されていない酸化亜鉛を使用した場合、分散性は低めになり、凝集懸念が増加するものの、比較的低濃度で白濁現象が発現しやすく、コスト的にも有利となる。分散性については、粒径を適切に制御し、二次凝集を低減する工夫をすることが出来る。一方、表面処理された酸化亜鉛を使用した場合、分散性が向上し、凝集が低減される一方、白濁現象を抑制する方向に働く為、添加量や粒径を適切に選択する必要がある。これら酸化亜鉛は初期透過率や白濁程度、白濁する速度を考慮して、適切に選択する必要がある。

0036

本発明の農業用フィルムがポリオレフィン系多層フィルムの場合は、3層から5層の構成とすることができる。3層フィルムを構成する層比としては、成形性や透明性及び強度の点から1/0.5/1〜1/5/1の範囲が好ましく、1/2/1〜1/4/1の範囲がより好ましい。また、外層と内層の比率としては、特に規定されるものではないが、得られるフィルムのカール性から同程度の比率とするのが好ましい。

0037

本発明の農業用フィルムの厚みについては、強度やコストの点で0.01〜1mmの範囲のものが好ましく、0.05〜0.5mmのものがより好ましく、更に好ましくは0.05〜0.2mmである。厚みがこの範囲であれば強度的、成形上、展張作業性の問題のない農業用フィルムを得ることができる。
また、本発明の農業用フィルムは、白濁現象が不可逆的なものであるので、単年度使用される農業用フィルムに適していることから、フィルム厚みは0.05〜0.1mm程度であることがコスト的には有利である。

0038

本発明の農業用フィルム中には、通常農業用フィルムに使用される各種添加剤を併用することができる。それらの添加剤としては、例えば、防曇剤、防霧剤、耐候性向上剤ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収剤等)、耐候剤、ヒンダードアミン化合物赤外線吸収剤保温剤充てん剤、金属の有機酸塩塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト化合物エポキシ化合物、β−ジケトン化合物多価アルコールハロゲン酸素酸塩硫黄系、フェノール系およびホスファイト系などの酸化防止剤熱安定剤滑剤帯電防止剤着色剤アンチブロッキング剤、などがあげられる。

0039

防曇剤としては、公知の種々の非イオン系界面活性剤アニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のもの、シリコーン系界面活性剤が好適に使用できる。このような界面活性剤の具体例としては、例えば非イオン系界面活性剤、例えば、ソルビタンパルミチン酸エステル、ソルビタンパルミチン酸エステルのアルキレンオキシド付加物ソルビタンステアリン酸エステル、ソルビタンステアリン酸エステルのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンアルキレンオキシド付加物及びソルビタンモノパルミチン酸エステル(ここで、ソルビタンステアリン酸エステル、ソルビタンパルミチン酸エステルには、モノエステルジエステルトリエステル、及びそれらの混合物が含まれる。)などのソルビタン系界面活性剤やグリセリンモノパルミテートグリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレートジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート・モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキシド付加物等などのグリセリン系界面活性剤やポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤やその他トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェートドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムセチルトリメチルアンモニウムクロライドドデシルアミン塩酸塩ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイドオレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩などやそれらの異性体を含むものなどを挙げることができる。

0040

防霧剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤の具体例としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。このようなフッ素系界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物としては、例えば、アニオン含フッ素界面活性剤カチオン系含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、ノニオン系含フッ素界面活性剤含フッ素オリゴマーなどがあげられる。本発明においては、フッ素系界面活性剤が、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物又はパーフルオロアルキルプロピレンオキシド付加物を含むことが特に好ましい。

0041

ヒンダードアミン光安定剤としては、農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光耐候剤を使用することができ、例えば、分子中にピペリジン環構造を少なくとも2個以上有しかつ分子量が500以上のヒンダードアミン化合物(以下、「ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物」ともいう)を好適に使用することができる。

0042

上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネートテトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシブチルカルボニルオキシエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあげられる。

0043

また、市販のヒンダードアミン系化合物、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN622LD、TINUVINNOR371、CHIMSSORB119FL、CHIMASSORB944(以上、チバガイギー社製)、サノールLS−765(三共(株)製)、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−68、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−57、LA−900、LA−81、NO−Alkyl−1(以上、ADEKA社製)、UV−3346、UV−3529、UV−3581、UV−3853(以上、サイテック社製)、ホスタビンN20、ホスタビンN24、ホスタビンN30、ホスタビン845、ホスタビンNOW、サンデュボアPR−31、ナイロスタッブS−EED(以上、クラリアントジャパン社製)、UVINUL5050H(以上、BASFジャパン社製)等を使用することができる。これらのピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上で用いられる。

0044

上記ヒンダードアミン系化合物の含有量は、農業用フィルム中の基材樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。該含有量が0.001重量%未満では十分な効果が得られず、5重量%よりも多くても効果の向上がみられないばかりか、フィルムの物性を低下させるなどの悪影響を与える。

0045

また、本発明の農業用フィルムには、エチレン(A)と下記式(1)で表される環状アミノビニル化合物(B)との共重合体を添加することもできる。



式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは、R1及びR2はそれぞれメチル基であり、R3は水素原子である。

0046

式(1)で表されるビニル化合物(B)は、公知の方法、例えば特公昭47−8539号、特開昭48−65180号公報等に記載された方法にて合成することができる。

0047

式(1)で表されるビニル化合物(B)の代表例としては、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等を挙げることができる。

0048

前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体の好ましいものとしては、そのエチレン(A)と環状アミノビニル化合物(B)との和に対する該(B)の割合が0.0005〜0.85モル%、より好ましくは0.001〜0.55モル%であるものが挙げられる。すなわち、本共重合体の好ましいものは、側鎖にヒンダードアミン基を有するビニルモノマー(環状アミノビニル化合物(B))の含有量が少ない割に高い光安定性を有するものである。環状アミノビニル化合物(B)の濃度は0.0005モル%で充分に光安定化効果を発揮し、一方、0.85モル%を超えると実質的に不経済となる傾向にある。

0049

また、前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、該共重合体中に(B)が2個以上連続せず、孤立して存在する割合が(B)の総量に対して83%以上、好ましくは90%以上であるものが好ましい。

0050

前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体の含有量は、農業用フィルム中の基材樹脂100重量部に対し、好ましくは0.5〜15重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部である。この含有量が上記範囲未満では耐候性が劣るので好ましくなく、上記範囲を超えると経済性の点で好ましくない。

0051

使用可能な市販のエチレン・環状アミノビニル共重合体としては、ノバテックLD・XJ100H(日本ポリケム(株)製)等が挙げられる。

0052

紫外線吸収剤として、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレートレゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニルアクリレート等のシアノアクリレート類;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等のトリアジン類等があげられる。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上で用いられる。

0053

紫外線吸収剤は、農業用フィルム中の基材樹脂100重量部に対し好ましくは0.001重量部より多く2重量部未満、更に好ましくは0.01〜1重量部で添加することができる。含有量が上記範囲未満では耐候性改良効果が低く、上記範囲を超えると、ブリードアウトによる透明性低下等問題がある。

0054

本発明における農業用フィルムに、赤外線吸収剤を添加することにより、良好な保温性を付与することも出来る。赤外線吸収剤は、保温剤として有効なMg、Ca、Al、Si及びLiの少なくとも1つの原子を含有する無機化合物無機酸化物無機水酸化物ハイドロタルサイト類等)を使用できる。

0055

なかでも、下記の式(2)で表されるハイドロタルサイト類赤外線吸収剤を用いた場合に、安価で成形性良好なフィルムを得ることが出来る。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(2)

0056

なかでも、下記の式(3)で表される赤外線吸収剤を用いた場合に、安価で成形性良好なフィルムを得ることが出来る。
[Al2(Li(1−x)・M(x+y))(OH)6+y]2(An−)2(1+x)/n・mH2O(3)(式中、MはMg及び/又はZnで、Aはn価のアニオン、mは0又は正の数、x及びyは0≦x<1、0≦y≦0.5の範囲である。)

0057

上記式(3)で表される赤外線吸収剤(保温剤)の入手方法は特に限定されず、市販のものを使用することができ、例えば、DHT4A、SYHT−3(協和化学(株)製)、HT−P(堺化学(株)製)、オプティマ(戸田工業(株)製)やミズカラック(水澤化学工業(株)製)等が挙げられる。

0058

赤外線吸収剤(保温剤)は、赤外線吸収能を有する無機微粒子であり、これらは一種又は二種以上で組み合わせて用いることができる。用いることの出来る無機微粒子は特に制限はないが、成分:Si,Al,Mg,Caから選ばれた少なくとも1つの原子を含有する無機化合物を用いることが出来る。例えば、酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化アルミニウム酸化珪素水酸化リチウム水酸化マグネシウム水酸化カルシウム水酸化アルミニウム炭酸マグネシウム炭酸カルシウム硫酸カルシウム硫酸マグネシウム硫酸アルミニウム燐酸リチウム燐酸カルシウム珪酸マグネシウム珪酸カルシウム珪酸アルミニウムアルミン酸カルシウムアルミン酸マグネシウムアルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリンクレータルクマイカゼオライトハイドロタルサイト類化合物等が挙げられる。これらは結晶水脱水したものであってもよい。

0059

上記無機微粒子は天然物であってもよく、また合成品であってもよい。また、上記無機微粒子は、その結晶構造結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。

0060

上記無機微粒子の含有量は、農業用フィルム中の基材樹脂100重量部に対し好ましくは0.1重量部より多く15重量部未満、更に好ましくは1〜12重量部である。含有量が上記範囲未満では保温性改良効果が低く、上記範囲を超えると透明性低下等問題がある。

0061

上記の金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩を構成する金属種としては、Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn,Cs,Al,有機Snがあげられ、有機酸としては、カルボン酸有機リン酸類またはフェノール類があげられる。

0062

上記充てん剤としては、フィルムのベタツキを抑制するために、あるいは保温性をさらに高めるために、例えばシリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、マイカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム導電性酸化亜鉛リン酸リチウムなどが用いられる。これらの充てん剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0063

上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネートチオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等があげられる。

0064

上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類があげられる。

0065

上記ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト等があげられる。

0067

本発明の農業用フィルムは、上述した成分が組合わされて含有することができ、更に下記の任意成分を、必要に応じて含有させることができる。任意成分とは、その他安定剤、耐衝撃性改善剤架橋剤、充填剤発泡剤造核剤プレートアウト防止剤表面処理剤難燃剤螢光剤、防黴剤殺菌剤金属不活性剤離型剤顔料加工助剤などを挙げることができる。

0068

本発明の農業用フィルムは、各種添加剤を配合するには、各々必要量量し、リボンブレンダーバンバリーミキサーヘンシェルミキサースーパーミキサー単軸又は二軸押出機ロールなどの配合機混練機その他従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工ロール加工押出成型加工ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。

0069

また、本発明の農業用フィルムがポリオレフィン系多層フィルムの場合は、上記の耐候性向上剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等)、耐候剤、赤外線吸収剤、保温剤等の各種添加剤は、全層に添加してもよく、また一部の層(中間層、又は中間層及び外層に中間層等)に添加することもできる。

0070

また、本発明の農業用フィルムには、防曇性塗膜及びそれ以外の塗膜を形成することが出来る。例えば、農業用フィルムをハウスに被覆した際に内側になる面に防曇性塗膜を、外側になる面に防塵性塗膜を形成しても良い。

0071

防曇性塗膜としては、無機質コロイドゾル及び/又は熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂を主成分とする組成物等が挙げられる。好ましくは無機コロイド物質親水性有機化合物を主成分とした防曇性塗膜や無機コロイド物質とアクリル系樹脂を主成分とする防曇性塗膜を用いることができる。又、バインダー樹脂は添加しなくても良く、コロイダルシリカコロイダルアルミナ等の無機物を積層しても良い。

0072

無機質コロイドゾルとしては、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート水酸化鉄水酸化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロイド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散させた、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましく用いられるのは、シリカゾルアルミナゾルで、これらは、単独で用いても併用しても良い。

0073

無機質コロイドゾルとしては、その平均粒子径が5〜100nmの範囲で選ぶのが好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異なる2種以上のコロイドゾルを組み合わせて用いても良い。平均粒子径をこの範囲にすることで被膜が白く失透したりすることがなく、無機質コロイドゾルの安定性においても良好である。

0074

無機質コロイドゾルは、その配合量をバインダー樹脂組成物固形分重量の合計に対して、固形分としての重量比で0.2以上5以下、好ましくは0.5以上4以下にするのが好ましい。すなわち、配合量が少なすぎる場合は、十分な防曇効果が発揮できないことがあり、一方、配合量が多すぎる場合は、防曇効果が配合量に比例して向上しにくいばかりでなく、塗布後に形成される被膜が白濁化してフィルムの光線透過率を低下させる現象があらわれ、また、被膜が粗雑で脆弱になることがあり、好ましくない。

0075

バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂ウレタン系樹脂ポリエステル系樹脂等が挙げられる。基材フィルムポリオレフィン系フィルムの場合は、ポリオレフィン系フィルムとの相性から、特に、アクリル系樹脂、及び/又はウレタン系樹脂を用いることが好ましく、更に好ましくは後述する(a)親水性アクリル系重合体からなるもの、(c)疎水性アクリル系樹脂からなるもの、(e)疎水性アクリル系樹脂と、ポリウレタンエマルジョンからなるもの、が各々の特質を持ち、好ましい。

0076

アクリル系樹脂としては、(a)親水性アクリル系重合体からなるもの、(b)一分子内に疎水性分子鎖ブロックと親水性分子鎖ブロックとを含むブロック共重合体からなるもの、(c)疎水性アクリル系樹脂からなるものが挙げられる。基材フィルムがポリオレフィン系フィルムの場合は、特に(a)が、初期の防曇濡れが早い点で基材フィルムとの相性に優れており好ましく、一方(c)については、基材フィルムとの相性に優れており好ましい。

0077

(a)の親水性アクリル系重合体としては、水酸基含有ビニル単量体成分を主成分(好ましくは60重量%〜99.9重量%、更に好ましくは65重量%〜95重量%とし)、酸基含有ビニル単量体成分を0.1〜30重量%含有する共重合体、その部分中和物または完全中和物が挙げられる。水酸基含有ビニル単量体成分としては、ヒドロキシアルキルメタアクリレート類があげられ、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられるが、これらに限定されない。これらは単独重合体であってもよく、これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を主成分とし、これらと共重合しうる他の単量体との共重合体であってもよい。

0078

これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類と共重合しうる酸基含有単量体としては、カルボン酸類スルホン酸類ホスホン酸類が挙げられ、特に好ましくは、カルボン酸に属する(メタ)アクリル酸である。

0079

その他の共重合体成分としては、たとえばスチレンビニルテルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酸化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドビニルピリジン等があげられる。

0080

(c)の疎水性アクリル系樹脂としては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40重量%の共重合しうるα,β−エチレン性不飽和単量体とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性重合体または共重合体を挙げることができる。

0081

疎水性アクリル系樹脂の製造に用いられるアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類としては、アクリル酸メチルエステルアクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステル等が挙げられ、一般には、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸アルキルエステルが使用される。アルケニルベンゼン類としては、スチレン、α−メチルスチレンビニルトルエン等が挙げられる。

0082

疎水性アクリル系樹脂を得るために用いるα,β−エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸フマル酸クロトン酸、イタコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸類エチレンスルホン酸等のα,β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α,β−エチレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリル類アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いても、または2種以上の併用でもよく、0〜40重量%の範囲で使用するのが好ましい。使用量が多すぎると、防曇性能を低下させることがあり、好ましくない。

0083

アクリル系樹脂は、公知の乳化剤、例えば陰イオン系界面活性剤陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤の中から選ばれる1種もしくは2種以上の存在下、水系媒質中で、乳化重合させる方法、反応性乳化剤を用いて重合させる方法、乳化剤を含有せずオリゴソープ理論に基づいて重合させる方法等によって得ることができる。

0084

アクリル系樹脂の製造に好ましく用いられる重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1〜10重量%の範囲で使用することができる。

0085

疎水性アクリル系樹脂は、特に、ガラス転移温度が35〜80℃のものを用いるのが好ましい。ガラス転移温度が低すぎると無機質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとりやすく、高すぎる場合、透明性のある均一な塗膜を得るのが困難となりやすい。

0086

疎水性アクリル系樹脂は水系エマルジョンとして用いるのが好ましい。各単量体を水系媒質中での重合によって得られた水系エマルジョンをそのまま使用しても良く、更にこのものに液状分散媒を加えて希釈したものでもよく、また上記のような重合によって生じた重合体を分別採取し、これを液状分散媒に再分散させて水系エマルジョンとしたものでもよい。

0087

一方、(d)ウレタン系樹脂としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタン水性組成物エマルジョンが挙げられる。基材フィルムがポリオレフィン系フィルムの場合は、防曇性塗膜の基材フィルムとの密着性耐水性及び耐傷付き性の点でポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンが好ましく、更なる防曇性塗膜の耐水性、耐傷付き性向上並びに防曇性を発現するまでの時間及び防曇持続性の点でシラノール基を含有するポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンがより好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0088

シラノール基を含有するポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンとは分子内に少なくとも1個のシラノール基を含有するポリウレタン樹脂と、硬化触媒として強塩基性第3級アミンとを含有してなり、具体的には水相中にシラノール基含有ポリウレタン樹脂及び前記強塩基性第3級アミンが溶解しているもの、又は微粒子状に分散しているコロイド分散系のもの(エマルジョン)をいう。

0089

ポリウレタン水性組成物は、その配合量を固形分重量比で疎水性アクリル系樹脂に対して0.01以上、2以下、更に好ましくは0.01以上1以下にすることが好ましい。0.01に満たないときには耐傷付き性の向上が見られにくく、また、防曇性を発現するまでの時間が長く、十分な防曇効果が発揮しにくい。また、多すぎるときは、耐傷付き性が配合量に比例して向上しにくいばかりでなく、塗布後に形成される塗膜が白濁化し光線透過率を低下させやすく、また、コスト面でも不利であり好ましくない。

0090

防曇性塗膜を形成するための防曇剤組成物を調製するときに、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子界面活性剤等の界面活性剤を添加することができる。このような界面活性剤は、以下のものを使用することができる。

0092

陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミン類ラウリルアミンアセテートトリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩等のアミン塩ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。

0093

非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテルポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物ソルビタンモノステアレートソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベンゾエート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレート等のジグリセリン脂肪酸エステル類;グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル類;ペンタエリスリトールモノステアレート等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ジペンタエリスリトールモノパルミテート等のジペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ソルビタンモノパルミテート・ハーフアジペート、ジグリセリンモノステアレート・ハーフグルタミン酸エステル等のソルビタン及びジグリセリン脂肪酸・2塩基酸エステル類;またはこれらとアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオンオキサイド等の縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートポリオキシプロピレンソルビタンモノステアレート等;ポリオキシエチレンステアリルアミンポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類シュガーエステル類等が挙げられる。

0094

高分子界面活性剤としては、ポリアクリル酸塩ポリメタクリル酸塩、セルロースエーテル類等が挙げられる。

0095

界面活性剤の添加は、バインダー樹脂と無機質コロイドゾルとを容易にかつ速やかに均一に分散することができ、また無機質コロイドゾルと併用することにより、疎水性ポリオレフィン系樹脂フィルム表面に親水性を付与する機能を果たす。界面活性剤の添加量は、樹脂の固形分100重量部に対し0.1〜50重量部の範囲で選ぶと良い。界面活性剤の添加量が少なすぎると、樹脂及び無機質コロイドゾルが十分に分散するのに時間がかかり、また、無機質コロイドゾルとの併用での防曇効果を十分に発揮しえず、一方界面活性剤の添加量が多すぎると塗布後に形成される被膜表面へのブリードアウト現象により被膜の透明性が低下し、顕著な場合は被膜の耐ブロッキング性の悪化や被膜の耐水性低下を引き起こす場合がある。

0096

防曇性塗膜を形成するための防曇剤組成物を調製するときに、架橋剤を添加することができる。架橋剤は、特にアクリル系樹脂同士を架橋させ、塗膜の耐水性を向上させる効果がある。架橋剤としては、フェノール樹脂類アミノ樹脂類、アミン化合物類、アジリジン化合物類、アゾ化合物類、イソシアネート化合物類、エポキシ化合物類シラン化合物類等が挙げられるが、特にアミン化合物類、アジリジン化合物類、エポキシ化合物類が好ましく使用できる。

0097

本発明に使用される防曇剤組成物には、必要に応じて、液状分散媒を配合することができる。かかる液状分散媒としては、水を含む親水性ないし水混合性溶媒がふくまれ、水;メチルアルコールエチルアルコールイソプロピルアルコール、等の1価アルコール類;エチレングリコールジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類ベンジルアルコール等の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケトン類等が挙げられる。これら液状分散媒は単独で用いても併用しても良い。

0098

防曇剤組成物には、更に必要に応じて、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、造粘剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添加剤を混合することができる。また、アクリル系樹脂以外のバインダー成分として、たとえばポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系の水分散性ウレタン樹脂などを混合していてもよい。

0099

本発明の農業用フィルムの表面に防曇性塗膜を形成するには、一般に防曇性組成物溶液または分散液をそれぞれドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法スプレーコート法ロッドコート法、バーコート法ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法、及び紫外線硬化法等適宜方法を採用すればよく、乾燥速度、安定性を案すれば熱風乾燥法を採用するのが有利である。

0100

防曇性塗膜の厚さは、農業用フィルム(以下「基材フィルム」ともいう)の1/10以下を目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。塗膜の厚さが基材フィルムの1/10より大であると、基材フィルムと塗膜とでは屈曲性に差があるため、塗膜が基材フィルムから剥離する等の現象がおこりやすく、また、塗膜に亀裂が生じて基材フィルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくない。

0101

また、基材フィルムと防曇剤組成物に由来する塗膜との接着性が充分でない場合には、基材フィルムに表面処理を施しておいてもよい。表面処理の方法としては、コロナ放電処理スパッタエッチング処理ナトリウム処理、サンドブラスト処理等の方法が挙げられる。コロナ放電処理法は、針状あるいはナイフエッジ電極対極間放電を行わせ、その間に試料を入れて処理を行い、フィルム表面にアルデヒド、酸、アルコールパーオキサイドケトン、エーテル等の酸素を含む官能基を生成させる処理である。スパッタエッチング処理は、低気圧グロー放電を行っている電極間に試料を入れ、グロー放電によって生じた正イオンの衝撃によりフィルム上に多数の微細突起を形成するものである。サンドブラスト処理は、フィルム面に微細な砂を吹きつけて、表面上に多数の微細な凹凸を形成するものである。これら表面処理の中では、塗布層との密着性、作業性、安全性、コスト等の点から、コロナ放電処理が好適である。

0102

本発明のもう一つの実施態様は、前記した本発明の農業用フィルムを、秋〜春期に展張し、春〜秋期まで使用することを特徴とする栽培方法である(以下「実施態様2」とも言う)

0103

本発明のもう一つの実施態様は、酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張後の直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを使用することを特徴とする栽培方法である(以下「実施態様3」とも言う)。
また、本発明のもう一つの実施態様は、酸化亜鉛を含有し、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、展張後の直進光線透過率(%)の差、好ましくは展張から2月以上(好ましくは8月、より好ましくは4月、更に好ましくは2月)経過後における直進光線透過率(%)の差が20%以上である農業用フィルムを、秋〜春期に展張し、春〜秋期まで使用することを特徴とする栽培方法である(以下「実施態様4」とも言う)。
実施態様3及び4における農業用フィルムについての、基材樹脂、酸化亜鉛の添加量、用いられる酸化亜鉛の粒径、表面処理の有無、積層フィルムの場合に酸化亜鉛を添加する層及び濃度等に、農業用フィルムに添加されるその他の添加剤等については、実施態様1の農業用フィルムについて記載した通りである。

0104

本発明の農業用フィルム(実施態様1の農業用フィルム及び実施態様3〜4における農業用フィルム)は、秋〜春期に展張すると、展張以降の春〜秋期、通常は次期シーズンとなる春〜秋期には良好な遮光性を発揮することができる。たとえば、秋に展張した本発明の農業用フィルムは、翌年の春期頃に良好な遮光性を発揮し、また春に展張した本発明の農業用フィルムは、その年の夏期から秋期にかけて良好な遮光性を発揮することができ、単年度使用するのに適している。

0105

本発明の栽培方法の一つの側面は、本発明の農業用フィルムを、秋〜春期期に展張し、前記農業用フィルムを2月以上、凡そ1年以内の期間、使用することを特徴とする栽培方法である。
本発明の栽培方法は、施設園芸で栽培されるいずれの作物にも用いることができるが、特に、通常春期〜秋期に遮光をすることで、栽培効果が得られやすい葉菜類ニンジンなどをはじめとする根菜類、イチゴなどをはじめとする果菜類の栽培などに適している。
ここでいう、春期、夏期、秋期、冬期とは、1年間の内、最も平均気温の低い月を中心とした3か月を冬期、最も平均気温の高い月を中心とした3か月を夏期とし、春期と秋期をその間の期間とする。

0106

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0107

(1)積層フィルムの調製
3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機チューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、厚さ0.05mmにて表1に示した成分からなる3層の積層フィルム、及び厚さ0.15mmにて表2に示した成分からなる3層の積層フィルムを得た。
なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。

0108

〔配合〕添加量は各表記載通り。
HP−LDPE:高圧ラジカル法触媒で製造した分岐状ポリエチレン(MFR:0.8g/10分、密度0.922)宇部丸善ポリエチエレン製「F022NH」
メタロセンPE:メタロセン触媒で製造したエチレン・αオレフィン共重合体(MFR:2.0g/10分、密度0.91307)日本ポリケム製カーネル「KF270」
EVA1 :エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
EVA2 :エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量5重量%、MFR2g/10分)

0109

合成ハイドロタルサイトA:協和化学工業社製「DHT−4A」

0110

紫外線吸収剤A:サイテック社製UV−531(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)
紫外線吸収剤B:BASF製tinuvin1577ED(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール)

0111

エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリケム(株)製「XJ100」

0112

光安定剤A:キマソーブ944(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤)
光安定剤B:tinuvinNOR371FF(BASF製光安定剤)

0113

酸化亜鉛A:MZ−500(テイカ株式会社製、平均粒子径;25nm、表面処理なし)
酸化亜鉛B:ZnO−650(住友大阪セメント株式会社製、平均粒子径;20〜30nm、表面処理なし)
酸化亜鉛C:ZnO−610(住友大阪セメント株式会社製、平均粒子径;25〜50nm、表面処理なし)
酸化亜鉛D:FINEX−50(堺化学工業株式会社製、平均粒子径;20nm、表面処理なし)
酸化亜鉛E:F−2(ハクスイテック株式会社製、平均粒子径;65nm、表面処理なし)
酸化亜鉛F:ZnO−350(住友大阪セメント株式会社製、平均粒子径;10〜30nm、表面処理なし)

0114

(2)フィルムの表面処理
得られたチューブ状フィルム外層表面を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行い、JIS−K6768による「濡れ指数」を測定し、その値を確認した。

0115

(3)防曇性塗膜の形成
コロイダルシリカと熱可塑性樹脂と架橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物を得た。
防曇剤組成物配合は以下の配合とした。
無機質コロイドゾル(コロイダルシリカ) 4.0
熱可塑性樹脂(サンモールSW−131) 3.0
架橋剤(T.A.Z.M) 0.1
分散媒(水/エタノール=3/1) 93
(注)無機質コロイドゾルの配合量は、無機質粒子量で示し熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
コロイダルシリカ:日産化学社製スノーテックス30、平均粒子径15mμ
サンモールSW−131:三洋化成社製アクリルエマルジョン
T.A.Z.M:相互薬工社製アジリジン系化合物
(2)で表面処理したフィルムの表面に、上記の防曇剤組成物を#5バーコーターを用いて各々塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇性塗膜を形成した。得られた各フィルムの塗膜の厚みは約1μmであった。

0116

上記で得られたフィルムを用いて試験を行った。なお、今回用いた樹脂、添加剤以外の組み合わせ、又は今回と異なるフィルム厚みでも、その要旨を変えない限り、同様の効果が得られる。各試験の測定法を以下に示す。

0117

(1)透明性:555nm直進光線透過率(%)の測定
3層インフレーション成形により得られた積層フィルム(ハウス内層側表面に防曇性塗膜を形成(塗工)後)を、分光光度計島津製作所製、U−2450型)により測定し、波長555nmにおける直進光線透過率(%)を示した。
555nm直進光線透過率は、初期及び促進試験120時間後の試料について行った。促進試験は次の条件で行った。
(a)60℃、湿度70%の条件下、295〜780nmの波長分布の光を80mW/cm2の照射強度で5時間
(b)30℃、98%(シャワーによる水噴霧あり)の条件下、照射無しで1時間のサイクルで、各記載の時間、負荷試験を実施した

0118

(2)外観評価
上記で得られたフィルムの外観目視にて以下の評価基準によって評価した。
◎:酸化亜鉛の凝集が認められない。
○:1mm未満の酸化亜鉛の凝集が僅かに認められる。
△:1〜2mmの酸化亜鉛の凝集が認められる。
×:2mmより大きい酸化亜鉛の凝集が認められる。

0119

0120

0121

実曝試験(白濁)
愛知西市の圃場構築したトンネルに表3に記載の多層フィルムを密閉状態になるように展張した。1999年10月下旬〜2000年6月下旬の約8ヶ月に渡り展張したフィルムの、波長555nmにおける直進光線透過率を分光光度計(日立製作所製、U3500型)により測定し、その値を示した。

0122

0123

表1及び2で示す通り、実施例1〜10の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、初期の透明性が良好であり、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、前記の促進試験に120時間曝露した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上である。
従って、本発明により、展張初期は高い透明性を有するが、展張後経時的に透明性が低下することにより夏場における遮光が可能な農業用フィルムを提供することができる。

0124

表3で示す通り、参考例1の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、初期の透明性が良好であるが、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、8か月展張した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%未満である。一方、参考例2の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、初期の555nmにおける直進光線透過率(%)と、8か月展張した後の555nmにおける直進光線透過率(%)の差が20%以上となる。

実施例

0125

表4で示す通り、参考例3及び4の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、表面層に酸化亜鉛を添加することにより、フィルム全層当たりの添加量が同じ場合でも、酸化亜鉛を中間層に添加(参考例5)、全層に添加(参考例6)する場合に比べて、より効果的に555nmにおける直進光線透過率(%)を低減させることができる。

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