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技術 故障点標定方法及び故障点標定システム

出願人 中国電力株式会社株式会社三英社製作所
発明者 大原久征小林和博
出願日 2015年2月3日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-019555
公開日 2016年8月8日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-142659
状態 特許登録済
技術分野 故障点標定 非常保護回路装置(細部)
主要キーワード 末端部側 伝送経路長 送電路 配電経路 伝搬経路長 線路抵抗 サージ波形 供給部側
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

より少ない設備サージ伝搬速度を求めたうえで故障点標定することができる故障点標定方法等を提供する。

解決手段

故障点で発生したサージの直接波が故障点より供給部側に存する第1の到達点に到達した第1の時刻を取得し、直接波が故障点より線末端部側に存する第2の到達点に到達した第2の時刻を取得し、線路末端部反射したサージの反射波が第2の到達点に到達した第3の時刻を取得し、第2の時刻と第3の時刻との時間差及び第2の到達点から線路末端部までの伝送経路長に基づいてサージの伝搬速度を算出し、サージの伝搬速度、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長並びに第1の時刻及び第2の時刻に基づいて故障点を標定する。

概要

背景

送配電線等を用いて電力を供給するための経路(以下、送電路)において発生した地絡等の故障点標定するため、故障点を挟んで送配電経路に設けられた子局の各々でサージ電流又は電圧)を検出し、各子局でサージが検出された時刻に基づいて故障点を特定する故障点標定システムが知られている(例えば、特許文献1)。このような故障点標定システムで故障点をより正確に標定するためには、故障点からのサージの伝搬速度をより正確に求める必要がある。このため、サージの伝搬速度を求める方法が知られている(例えば、特許文献2)。

概要

より少ない設備でサージの伝搬速度を求めたうえで故障点を標定することができる故障点標定方法等を提供する。故障点で発生したサージの直接波が故障点より供給部側に存する第1の到達点に到達した第1の時刻を取得し、直接波が故障点より線末端部側に存する第2の到達点に到達した第2の時刻を取得し、線路末端部反射したサージの反射波が第2の到達点に到達した第3の時刻を取得し、第2の時刻と第3の時刻との時間差及び第2の到達点から線路末端部までの伝送経路長に基づいてサージの伝搬速度を算出し、サージの伝搬速度、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長並びに第1の時刻及び第2の時刻に基づいて故障点を標定する。

目的

本発明では、より少ない設備でサージの伝搬速度を求めたうえで故障点を標定することができる故障点標定方法及び故障点標定システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電力を供給する供給部と前記供給部からの電力が供給される線路末端部との間に設けられた送電路において故障が生じた場合に故障点標定する故障点標定方法であって、前記故障点で発生したサージ直接波が、前記故障点より前記供給部側に存する第1の到達点に到達した第1の時刻を取得し、前記直接波が、前記故障点より前記線路末端部側に存する第2の到達点に到達した第2の時刻を取得し、前記線路末端部で反射した前記サージの反射波が、前記第2の到達点に到達した第3の時刻を取得し、前記第2の時刻と前記第3の時刻との時間差及び前記第2の到達点から前記線路末端部までの伝送経路長に基づいて前記サージの伝搬速度を算出し、前記サージの伝搬速度、前記第1の到達点と前記第2の到達点との間の伝送経路長並びに前記第1の時刻及び前記第2の時刻に基づいて前記故障点を標定する故障点標定方法。

請求項2

前記第2の到達点から前記線路末端部までの伝送経路長をLとし、前記第2の時刻と前記第3の時刻との時間差をtとすると、以下の式(1)により前記第2の到達点と前記線路末端部との間におけるサージの伝搬速度vを算出する請求項1に記載の故障点標定方法。v=2L/t…(1)

請求項3

電力を供給する供給部と前記供給部からの電力が供給される線路末端部との間に設けられた送電路において故障が生じた場合に故障点から流れたサージ電流の直接波が前記故障点より前記供給部側に存する第1の到達点に到達した第1の時刻を取得する第1取得装置と、前記直接波が前記故障点より前記線路末端部側に存する第2の到達点に到達した第2の時刻及び前記線路末端部で反射した前記サージ電流の反射波が前記第2の到達点に到達した第3の時刻を取得する第2取得装置と、前記第2の時刻と前記第3の時刻との時間差及び前記第2の到達点から前記線路末端部までの伝送経路長に基づいて前記サージ電流の伝搬速度を算出し、前記サージ電流の伝搬速度、前記第1の到達点と前記第2の到達点との間の伝送経路長並びに前記第1の時刻及び前記第2の時刻に基づいて前記故障点を標定する演算処理装置とを備える故障点標定システム

請求項4

前記第1取得装置及び前記第2取得装置は、各々で計時される現在時刻を同期させる時刻同期部を備える請求項3に記載の故障点標定システム。

請求項5

前記時刻同期部は、GPS信号に含まれる時刻データを用いて現在時刻を同期させる請求項4に記載の故障点標定システム。

技術分野

0001

本発明は、故障点標定方法及び故障点標定システムに関する。

背景技術

0002

送配電線等を用いて電力を供給するための経路(以下、送電路)において発生した地絡等の故障点標定するため、故障点を挟んで送配電経路に設けられた子局の各々でサージ電流又は電圧)を検出し、各子局でサージが検出された時刻に基づいて故障点を特定する故障点標定システムが知られている(例えば、特許文献1)。このような故障点標定システムで故障点をより正確に標定するためには、故障点からのサージの伝搬速度をより正確に求める必要がある。このため、サージの伝搬速度を求める方法が知られている(例えば、特許文献2)。

先行技術

0003

特許第3527432号公報
特許第4039576号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献2に記載の方法では、サージの伝搬速度の算出のために3つ以上の子局を用いる必要がある。このため、サージの伝搬速度の算出のための設備を有するシステム構築するコストが高く、導入の敷居が高いという問題があった。また、従来の方法では、故障点に対してサージの伝搬速度に用いることができる子局が2つ以下となった場合にサージの伝搬速度を求めることができず、故障点の標定が困難になるという問題があった。

0005

そこで、本発明では、より少ない設備でサージの伝搬速度を求めたうえで故障点を標定することができる故障点標定方法及び故障点標定システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電力を供給する供給部と前記供給部からの電力が供給される線路末端部との間に設けられた送電路において故障が生じた場合に故障点を標定する故障点標定方法であって、前記故障点で発生したサージの直接波が、前記故障点より前記供給部側に存する第1の到達点に到達した第1の時刻を取得し、前記直接波が、前記故障点より前記線路末端部側に存する第2の到達点に到達した第2の時刻を取得し、前記線路末端部で反射した前記サージの反射波が、前記第2の到達点に到達した第3の時刻を取得し、前記第2の時刻と前記第3の時刻との時間差及び前記第2の到達点から前記線路末端部までの伝送経路長に基づいて前記サージの伝搬速度を算出し、前記サージの伝搬速度、前記第1の到達点と前記第2の到達点との間の伝送経路長並びに前記第1の時刻及び前記第2の時刻に基づいて前記故障点を標定する。

0007

本発明の望ましい態様として、前記第2の到達点から前記線路末端部までの伝送経路長をLとし、前記第2の時刻と前記第3の時刻との時間差をtとすると、以下の式(1)により前記第2の到達点と前記線路末端部との間におけるサージの伝搬速度vを算出する。
v=2L/t…(1)

0008

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の故障点標定システムは、電力を供給する供給部と前記供給部からの電力が供給される線路末端部との間に設けられた送電路において故障が生じた場合に故障点から流れたサージ電流の直接波が前記故障点より前記供給部側に存する第1の到達点に到達した第1の時刻を取得する第1取得装置と、前記直接波が前記故障点より前記線路末端部側に存する第2の到達点に到達した第2の時刻及び前記線路末端部で反射した前記サージ電流の反射波が前記第2の到達点に到達した第3の時刻を取得する第2取得装置と、前記第2の時刻と前記第3の時刻との時間差及び前記第2の到達点から前記線路末端部までの伝送経路長に基づいて前記サージ電流の伝搬速度を算出し、前記サージ電流の伝搬速度、前記第1の到達点と前記第2の到達点との間の伝送経路長並びに前記第1の時刻及び前記第2の時刻に基づいて前記故障点を標定する演算処理装置とを備える。

0009

本発明の望ましい態様として、前記第1取得装置及び前記第2取得装置は、各々で計時される現在時刻を同期させる時刻同期部を備える。

0010

本発明の望ましい態様として、前記時刻同期部は、GPS信号に含まれる時刻データを用いて現在時刻を同期させる。

発明の効果

0011

本発明によれば、より少ない設備でサージの伝搬速度を求めたうえで故障点を標定することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、故障点標定システムの主要構成の一例を示す図である。
図2は、子局の主要構成の一例を示す図である。
図3は、送電系統に設けられる構成の一例を示す模式図である。
図4は、親局の主要構成の一例を示す図である。
図5は、故障点の標定に係る主要な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6は、サージ波形周波数成分とサージの伝搬速度との対応関係の一例を示す図である。
図7は、静電容量に関するデータの一例を示す模式図である。

実施例

0013

(実施形態)
次に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、故障点標定システム1の主要構成の一例を示す図である。図1に示すように、故障点標定システム1は、複数の子局10及び親局20を備える。子局10は、電力の供給部30と、線路末端部Eとを接続する送電系統に設けられる。供給部30とは、例えば電力会社の発電所変電所等の施設であるが、これに限られるものでなく、線路末端部Eに対して電力を供給する構成であれば供給部30に該当しうる。線路末端部Eとは、開放状態である送電系統の末端部を指す。

0014

図2は、子局10の主要構成の一例を示す図である。子局10は、故障点B(図3参照)で発生したサージによって生じる電気的な波形(以下、サージ波形)を検出する。子局10は、当該波形が生じた時刻を「当該子局が設けられた位置にサージ電流が到達した時刻」として親局20に送信する。具体的には、子局10は、例えば時刻同期部11、サージ波形検出部12、送信部13等を備える。

0015

時刻同期部11は、各子局10で計時される現在時刻を同期させるための処理を行う。具体的には、時刻同期部11は、例えば、現在時刻を計時するデジタル時計回路グローバルポジショニング・システム(GPS:Global Positioning System)の衛星からの信号(GPS信号)を受信するアンテナ、GPS信号に含まれる時刻データに基づいてデジタル時計回路が計時する現在時刻を補正する時刻補正部等を有する。子局10がそれぞれ時刻同期部11を有することで、各子局10で計時される時刻はGPS信号に含まれる時刻データが示す現在時刻に統一される。

0016

サージ波形検出部12は、サージ波形を検出する。具体的には、サージ波形検出部12は、例えば、零相変流器(ZCT:Zero-phase-sequence Current Transformer)、ZCTにより検出された電流に応じてサージ波形の到来及びサージ波形の到来方向を示す検出信号を出力する信号出力回路等を有する。サージ電流が子局10に到達した場合、サージ波形を示す電流がZCTに流れる。サージ波形検出部12は、ZCTにサージ波形を示す電流が流れた場合に検出信号を送信部13に出力する。

0017

送信部13は、子局10が設けられた位置にサージ電流が到達した時刻及びサージ電流の到来方向を示すデータを親局20に送信する。送信部13は、例えば、サージ波形検出部12から検出信号が出力された時刻をデジタル時計回路から取得する時刻取得部、親局20との間でデータの送受信を行う受信部21等を有し、時刻取得部により取得された時刻と検出信号が示すサージ電流の到来方向を示すサージ情報Sigを親局20に送信する。本実施形態の受信部21は、無線通信により親局20と通信を行うが、通信の具体的形態は任意である。

0018

図3は、送電系統に設けられる構成の一例を示す模式図である。子局10は、一本の送電系統に二つ以上設けられる。具体的には、例えば図3に示すように、電力を供給する供給部30と当該供給部30からの電力が供給される線路末端部Eとの間の送電系統には、相対的に供給部30側に設けられる子局10(第1の子局10A)と相対的に線路末端部E側に設けられる子局10(第2の子局10B)とが存する。

0019

図4は、親局20の主要構成の一例を示す図である。親局20は、子局10からのデータに基づいて故障点Bを標定するための各種の演算処理を行う。具体的には、親局20は、例えば、受信部21、演算処理部22等を有する。受信部21は、例えばアンテナその他の通信装置を有し、子局10から送信されるサージ情報Sigの受信等、各種の通信を行う。演算処理部22は、例えばCPU等の演算処理回路並びにRAM、ROM及びフラッシュメモリー等の記憶装置を有し、受信部21を介して入力されたデータ及び記憶装置に記憶されたデータに基づいて故障点Bの標定に関する各種の演算処理を行う。

0020

本実施形態の記憶装置は、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長(La)及び第2の子局10Bから線路末端部E(図3参照)までの伝送経路長(L)を示すデータを記憶している。

0021

次に、故障点標定システム1による故障点(例えば、図3の故障点B)の標定について説明する。図3に示す送電系統において第1の子局10Aと第2の子局10Bの間の位置で地絡を伴う故障が生じた場合、当該位置が故障点Bとなり、サージ電流が故障点Bから供給部30側及び線路末端部E側に伝搬する。

0022

供給部30側に伝搬したサージ電流は、サージの直接波として第1の子局10Aに到達する。第1の子局10Aは、供給部30側に伝搬したサージ電流を検出してサージ情報Sig(第1情報)を親局20に送信する。この場合、サージ電流が到達した第1の子局10Aが設けられた位置は、故障点Bより供給部30側に存する第1の到達点となる。また、第1情報は、サージの直接波が第1の到達点に到達した第1の時刻を示す。また、第1の子局10Aは、第1取得装置として機能する。親局20は、サージの直接波に応じて第1の子局10Aから送信された第1情報を受信する。

0023

線路末端部E側に伝搬したサージ電流は、まず、サージの直接波として第2の子局10Bに到達する。第2の子局10Bは、線路末端部E側に伝搬したサージ電流を検出してサージ情報Sig(第2情報)を親局20に送信する。この場合、サージ電流が到達した第2の子局10Bが設けられた位置は、故障点Bより線路末端部E側に存する第2の到達点となる。また、第2情報は、サージの直接波が第2の到達点に到達した第2の時刻を示す。また、第2の子局10Bは、第2取得装置として機能する。親局20は、サージの直接波に応じて第2の子局10Bから送信された第2情報を受信する。

0024

線路末端部E側に伝搬したサージ電流は、第2の到達点を通過して線路末端部Eで反射し、反射波として第2の子局10Bに到達する。具体的には、送電系統のサージインピーダンスをZ1とし、線路末端部EのサージインピーダンスをZ2とすると、サージ電流の反射係数αは、以下の式(2)により算出することができる。線路末端部Eは開放状態であるため、Z2=∞となる。このため、式(2)により求められる反射係数αは実質的に「1」となる。すなわち、サージ電流は線路末端部Eで全反射する。
α=(Z2−Z1)/(Z2+Z1)…(2)

0025

第2の子局10Bは、反射により到来したサージ電流を検出してサージ情報Sig(第3情報)を親局20に送信する。この場合、第3情報は、サージの反射波が第2の到達点に到達した第3の時刻を示す。親局20は、サージの反射波に応じて第2の子局10Bから送信された第3情報を受信する。

0026

なお、第2の子局10Bに到達したサージ電流が直接波であるか反射波であるかは、直接波の方がより早く第2の子局10Bに到達すること、直接波の到来方向と反射波の到来方向とが逆であること、第1の子局10Aから出力されたサージ情報Sigが示すサージ電流の到来方向と第2の子局10Bから出力されたサージ情報Sigが示すサージ電流の到来方向との関係等により区別可能である。

0027

親局20は、第2の時刻と第3の時刻との時間差及び第2の到達点と線路末端部Eとの間の伝送経路長に基づいてサージの伝搬速度を算出する。具体的には、親局20の演算処理部22は、第2情報が示すサージ電流の到達時刻と第3情報が示すサージ電流の到達時刻との時間差から第2の時刻と第3の時刻との時間差(t)を算出する。また、演算処理部22は、第2の子局10Bと線路末端部Eとの間の伝送経路長を示すデータを記憶装置から読み出して、第2の到達点と線路末端部Eとの間の伝送経路長(L)を特定する。演算処理部22は、式(1)により第2の到達点と線路末端部Eとの間におけるサージの伝搬速度(v)を算出する。式(1)における「2L」は、反射波が第2の到達点と線路末端部との間を往復することを示している。
v=2L/t…(1)

0028

演算処理部22は、サージの伝搬速度、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長並びに第1の時刻及び第2の時刻に基づいて故障点Bを標定する。具体的には、演算処理部22は、以下の式(3),(4)に基づいて故障点Bと第1の子局10Aとの間の伝送経路長(L1)及び故障点Bと第2の子局10Bとの間の伝送経路長(L2)の少なくとも一方を算出して故障点Bを特定する。式(3),(4)におけるt1,t2はそれぞれ第1の時刻、第2の時刻を示している。式(3)、(4)は、仮にt1=t2であるとすると故障点Bが第1の子局10Aと第2の子局10Bとの中間点(La/2)に存することを示している。また、式(3)、(4)は、t1≠t2であるとすると、故障点Bが第1の子局10Aと第2の子局10Bとの中間点からt1とt2との時間差に応じたサージの伝搬経路長の半分だけずれた位置に存することを示している。なお、(t1−t2)及び(t2−t1)が示す時間の単位(例えば、マイクロ秒[μs])と、サージの伝搬速度(v)(例えば、メートル毎マイクロ秒[m/μs])を示すのに用いられる時間の単位とは統一されているものとする。また、サージの伝搬速度(v)を示すのに用いられる長さの単位と、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長(La)を示すのに用いられる長さの単位とは統一されているものとする。
L1={La+(t1−t2)v}/2…(3)
L2={La+(t2−t1)v}/2…(4)

0029

図5は、故障点Bの標定に係る主要な処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の子局10Aと第2の子局10Bとの間で故障が生じると、故障点Bからサージが伝搬する。第1の子局10Aは、サージの直接波によるサージ波形を検出した第1の時刻を示す情報を含む第1情報を親局20に送信する(ステップS1)。第2の子局10Bは、サージの直接波によるサージ波形を検出した第2の時刻を示す情報を含む第2情報を親局20に送信する(ステップS2)。また、第2の子局10Bは、サージの反射波によるサージ波形を検出した第3の時刻を示す情報を含む第3情報を親局20に送信する(ステップS3)。ステップS1と、ステップS2、ステップS3との処理順は、故障点Bと各子局との位置関係に応じた処理順になる。ただし、ステップS3の処理は、必ずステップS2の処理後の処理になる。

0030

親局20は、第1情報、第2情報及び第3情報からそれぞれ、第1の時刻、第2の時刻及び第3の時刻を取得する(ステップS4)。親局20の演算処理部22は、第2の時刻と第3の時刻との時間差(t)及び第2の子局10Bから線路末端部Eまでの伝送経路長(L)に基づいてサージの伝搬速度を算出する(ステップS5)。演算処理部22は、サージの伝搬速度、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長(La)並びに第1の時刻及び第2の時刻に基づいて故障点Bを標定する(ステップS6)。このように、演算処理部22を備える親局20は、演算処理装置として機能する。

0031

図6は、サージ波形の周波数成分とサージの伝搬速度との対応関係の一例を示す図である。図6を参照して、故障点Bの標定に際してサージの伝搬速度を求める理由について説明する。サージの伝搬速度は、サージ波形の周波数成分(帯域)によって変化する。図6に示す例では、帯域以外の条件が同一の所定条件下において、帯域が0.05[kHz]である場合にサージの伝搬速度が220[m/μs]となり、帯域が1[kHz]である場合にサージの伝搬速度が244[m/μs]となり、帯域が10[kHz]である場合にサージの伝搬速度が260[m/μs]となり、帯域が50[kHz]である場合にサージの伝搬速度が273[m/μs]となることを示している。サージの帯域は一定でなく、故障の度に異なるものになりうる。

0032

また、サージの伝搬速度は伝搬経路における静電容量等にも影響を受ける。図7は、静電容量に関するデータの一例を示す模式図である。本実施形態の記憶装置は、送電系統の静電容量に関するデータを記憶している。具体的には、記憶装置は、例えば、変圧器及び開閉器の数及び変圧器及び開閉器の各々の静電容量を示すデータを記憶している。図7に示すデータは、図3に示す送電系統における第2の子局10Bと線路末端部Eとの間に150[pF]の対地静電容量を有する一つの柱上開閉器SWと2000[pF]の対地静電容量を有する一つの柱上変圧器Tが存することを示している。

0033

式(1)により算出されたサージの伝搬速度は、第2の到達点と線路末端部Eとの間におけるサージの伝搬速度であり、第2の到達点、線路末端部E及びその間を通過する反射波の伝搬経路における静電容量による影響を受けている。図3に示す例の場合、一つの柱上変圧器T(2000[pF])と一つの柱上開閉器SW(150[pF])が反射波の伝搬経路に存することになる。

0034

サージの伝搬速度(v)は、一般化すると以下の式(5)のように表すことができる。式(5)におけるωはサージの角周波数を表すものであり、式(6)のように表すことができる。式(6)におけるfは、サージの周波数である。また、式(5)におけるβは、位相定数である。位相定数は、サージの伝搬経路における静電容量(C)、サージの伝搬経路のインダクタンス(I)、サージの伝搬経路の線路抵抗(R)、サージの伝搬経路の線路コンダクタンス(G)及びサージの角周波数(ω)に基づいて決定される。
v=ω/β…(5)
ω=2πf…(6)

0035

仮に、線路抵抗(R)及び線路コンダクタンス(G)を無視した無損失分布定数回路内でサージが伝搬する場合の伝搬速度は、以下の式(7)のように表すことができる。

0036

このように、式(5)のように表されるサージの伝搬速度は、サージの角周波数(ω)、すなわちサージの周波数(f)に依存する。サージの周波数(f)は故障の度に異なる周波数となりうる。このため、サージの伝搬速度は、故障の度に異なるものになりうる。よって、故障のシミュレーションによるサージの伝搬速度の推定や所定のパルス電流による事前検証のみを以てサージの伝搬速度を推定したとしても、実際の故障時におけるサージの伝搬速度が異なる伝搬速度となることで、故障点の標定誤差が発生しうる。そこで、本実施形態のように、故障が生じた場合に当該故障におけるサージの伝搬速度を実際の伝搬経路で求めることで、より正確にサージの伝搬速度を求めることができることから、より正確に故障点Bを標定することができる。

0037

以上、本実施形態によれば、サージの到達を検出するための構成(例えば、第2の子局10B)が第2の到達点にあればサージの伝搬速度を算出することができる。すなわち、サージの伝搬速度を算出するための設備(例えば、子局10)が1つで済む。よって、サージの伝搬速度の算出のための設備のコストをより低減することができる。また、本実施形態によれば、サージの伝搬速度、第1の到達点と第2の到達点との間の伝送経路長並びに第1の時刻及び第2の時刻に基づいて故障点Bを標定することができるので、サージの伝搬速度を求めたうえで故障点Bを標定することができる。

0038

また、式(1)を用いることでサージの伝搬速度の算出をより単純化することができる。

0039

また、本実施形態によれば、サージの伝搬速度の算出に必要な子局10の数が1つで足りる。このため、発生する箇所が不確定である故障点に対して3つ以上の子局を必要とする従来に比して、本実施形態であれば1つの子局10で足りることから、より確実にサージの伝搬速度の算出を行うことができる。また、故障点の標定においても、必要な子局10の数が2つで足りることから、より確実に故障点を標定することができる。

0040

以上、実施形態について説明したが、これらの実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。

0041

例えば、時刻同期部11によるGPS信号を用いた現在時刻の同期は、あくまで子局10同士の現在時刻を同期させるための方法の一例である。時刻同期部11は、他の方法で子局10同士の現在時刻を同期させてもよい。例えば、標準時を示す標準電波等を用いて現在時刻を同期させるようにしてもよい。他の構成についても、機能的要件を満たす他の具体的構成によって実現されてもよい。

0042

また、静電容量に影響を与える構成は、柱上変圧器T、柱上開閉器SWに限られるものでない。送電系統に設けられるものであって対地静電容量を有する構成であれば、サージの伝搬速度に影響を与えうる。

0043

1故障点標定システム
10子局
10A 第1の子局
10B 第2の子局
11時刻同期部
12サージ波形検出部
13 送信部
20親局
21 受信部
22演算処理部
30 供給部
B故障点
E線路末端部
SW柱上開閉器
T 柱上変圧器

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