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技術 油圧制御用切換弁

出願人 株式会社デンソー
発明者 石橋亮
出願日 2015年2月3日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-019298
公開日 2016年8月8日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-142356
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 円柱ピン 弁体ストッパ ピン状突起 閉塞作用 致命傷 油圧制御方式 解放速度 司令塔
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重要な関連分野

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図面 (7)

課題

スプール弁タイプとしての特質を生かしながら、小型簡潔な構造で高応答性能を有する油圧制御切換弁を提供する。

解決手段

種ポート32〜35を有するバルブ本体30と、各種ポートの連通状態切り換えランド41、42および制御室43を有するスプール40と、このスプール40を挟んで設けられた、作動油圧供給用の作動室37および復元用スプリング室38とを備える基本構成であって、スプール40には、作動室37と制御室43とを連通する連通路44と、作動室37の油圧がドレンされると連通路44を開く第1の弁手段50と、を備えている。したがって、作動室37の油圧がドレンされると、制御室43の油圧を連通路44→作動室37経由で先行解除でき、応答性能を高上することができる。

概要

背景

〔従来の技術〕
従来よりよく知られている自動変速装置は、複数の摩擦要素(所謂制御負荷のことで、以下、「係合要素」とも呼ぶ。)を有する自動変速機と、摩擦要素を作動させる油圧(以下、「クラッチ油圧」とも呼ぶ。)を制御する油圧制御装置とを備え、クラッチ油圧を制御することで、摩擦要素の係合または解放を制御して自動変速機の変速段切り換え基本機能を有しており、前述のクラッチ油圧を制御する油圧制御装置が自動変速機の中枢機能を担っている。
そして、この種の油圧制御装置は、摩擦要素へのクラッチ油圧を制御するメインバルブ(以下、「シフト装置」とも呼ぶ。)を摩擦要素毎に備えており、車両の運転状態に応じて、電子制御ユニットから各々のメインバルブに指令信号を出力することで、各メインバルブが作動して各摩擦要素へのクラッチ油圧を制御し、その結果、各々の摩擦要素の係合速度または解放速度が制御されるため、各々の摩擦要素の係合と解放の組み合わせにより変速段が決定される。かくして、車両の運転状態に応じて、上記係合と解放の組み合わせを変更することで変速段は切り換えられる。

ところで、近年では、変速段の切り換えを迅速にすべく、例えば、上記係合と解放を同時に実行する掛換制御が行われるようになってきている。そして、このように係合と解放を同時に実行するためには、第1摩擦要素のクラッチ油圧を上昇させて解放状態から係合状態にすると同時に、第2摩擦要素のクラッチ油圧を下降させて係合状態から解放状態にすることで達成される。
しかし、ここで注意すべき重要な点がある。つまり、自動変速機は、通常3つ以上の摩擦要素を有しているため、2つのシフト装置が作動中に他の1つのシフト装置が誤作動して3つの摩擦要素へ同時に油圧が供給されると、変速機が破損したり、ロック状態になってしまう虞があり、このような非常事態を何としても回避することが肝要となる。

もっとも、かかる非常事態に対処する方策については、従来より種々の提案がなされ、実用に供されている。
その代表的なものとしては、例えば、特許文献1に記載のごとき油圧制御装置が知られている。
この特許文献1に記載の油圧制御装置は、第1、第2、および第3の係合要素と、それぞれの係合要素に連通して配置される第1、第2、および第3のシフト装置とを有する自動変速機において、各係合要素と各シフト装置とを結合する第1、第2、および第3の油路に配設され、各油路の油圧を検出する第1、第2、および第3の油圧検出手段と、第1の油路に配設され、第1の係合要素を第1のシフト装置から排出(ドレン)側へ切換接続する切換弁と、第1〜第3の油圧検出手段の検出値所定値以上になると上記切換弁を排出側へ移行させる手段とを備えている。
当該装置は、3つの油路の油圧がすべて所定値以上になると、切換弁によって第1の係合要素に供給されているクラッチ油圧を強制的に排除(ドレン)し、当該第1の係合要素の係合を強制的に解放するため、3つの係合要素が同時に係合される非常事態を回避することができる。しかも、かかる装置によれば、各油路毎に切換弁を配設することなく、必要最小限の部品点数の増加のみで達成できることから、コストの上昇、バルブスティック等の油圧回路中の不具合発生率の上昇を低く抑えることができ、また、油圧回路も簡素化できる。

〔従来技術の問題点〕
しかしながら、上述の油圧制御装置のごとく、切換弁による油圧制御方式を採用する場合には、切換弁の制御機能として、第1〜第3の検出手段が所定値以上のクラッチ油圧を検出したときには速やかに排出(ドレン)位置に移行する(切り換わる)ことが必須となるが、切換弁自体の応答速度が遅く、非常事態を確実に回避することが困難であるとの指摘がなされている。

概要

スプール弁タイプとしての特質を生かしながら、小型簡潔な構造で高応答性能を有する油圧制御用切換弁を提供する。各種ポート32〜35を有するバルブ本体30と、各種ポートの連通状態を切り換えるランド41、42および制御室43を有するスプール40と、このスプール40を挟んで設けられた、作動油圧供給用の作動室37および復元用スプリング室38とを備える基本構成であって、スプール40には、作動室37と制御室43とを連通する連通路44と、作動室37の油圧がドレンされると連通路44を開く第1の弁手段50と、を備えている。したがって、作動室37の油圧がドレンされると、制御室43の油圧を連通路44→作動室37経由で先行解除でき、応答性能を高上することができる。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スプール弁としての特質を生かしながら、「不感帯領域」を実質的に無効化する手段をスプールに組み込むことで、全体として小型簡潔な構造でありながら高応答に制御可能な油圧制御用切換弁を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

(a)軸線方向に延びるスプール孔(31)、およびこのスプール孔(31)の内部と外部を連通する複数のポート(32〜35)を有し、前記複数のポート(32〜35)として、高圧油供給源(21)に連結する第1ポート(32)、外部のドレン(36)に連結する第2ポート(33)、前記高圧油供給源(21)から供給される油圧もしくは前記ドレン(36)の油圧のいずれかと同等の圧力になる制御負荷(10、11)用の第3ポート(34)の少なくとも3種のポートを具備するバルブ本体(30)と、(b)前記スプール孔(31)の一方側に配置され、切換用の作動油が給排される作動室(37)と、(c)前記スプール孔(31)の他方側に配置され、前記作動室(37)に導入される前記作動油の油圧に対抗するスプリング(39)を有するスプリング室(38)と、(d)前記スプール孔(31)内に軸方向に摺動可能に配設され、前記作動油と前記スプリング(39)とによって駆動されて、前記第3ポート(34)と前記第1ポート(32)または第2ポート(33)との連通状態切り換え制御室(43)およびこの制御室(43)を区画形成するランド(41、42)を有するスプール(40)と、(e)前記スプール(40)に軸方向に設けられ、前記作動室(37)と前記制御室(43)とを連通する連通路(44)と、(f)前記連通路(44)に配設され、前記作動室(37)に前記作動油が導入されている際には前記連通路(44)を閉塞するとともに前記作動室(37)から前記作動油が排出されると前記連通路(44)を開放する第1の弁手段(50)と、を備えていることを特徴とする油圧制御切換弁

請求項2

請求項1に記載の油圧制御用切換弁において、前記スプール(40)には、前記スプール(40)自体の前記スプリング室(38)側への軸方向移動規制するストッパ部材(60)が設けられていることを特徴とする油圧制御用切換弁。

請求項3

請求項2に記載の油圧制御用切換弁において、前記スプール(40)には、前記スプリング室(38)と前記制御室(43)とを軸方向に連通する貫通孔(45)が設けられており、前記ストッパ部材(60)は、スプール(40)とは別体の棒状体(61)で構成され、棒状体(61)の両端(61a、61b)が前記貫通孔(45)から突出するようにして前記貫通孔(45)に嵌挿されており、前記棒状体(61)は、前記貫通孔(45)から前記スプリング室(38)側へ突出する一端(61a)側で前記スプール(40)の軸方向移動を規制するとき、前記貫通孔(45)から前記制御室(43)側へ突出する他端(61b)が前記連通路(44)の制御室(43)側の開口部(44c)を閉塞することを特徴とする油圧制御装置用切換弁。

請求項4

請求項3に記載の油圧制御用切換弁において、前記棒状体(61)の他端(61b)には弁部(71)が形成され、前記連通路(44)の前記開口部(44c)には、前記弁部(71)を受け入れ弁座(72)が形成され、前記弁部(71)と前記弁座(72)とによって第2の弁手段(70)が構成されていることを特徴とする油圧制御用切換弁。

請求項5

請求項4に記載の油圧制御用切換弁において、前記弁部(71)と前記弁座(72)との当接面には、呼吸路(73)が設けられていることを特徴とする油圧制御用切換弁。

請求項6

請求項1〜請求項5のいずれかに記載の油圧制御用切換弁において、この切換弁(24)は、自動変速機(1)の油圧制御装置(2)として使用されるものであり、前記第3ポート(34)には、制御負荷として前記自動変速機(1)の摩擦要素(10、11)が連結され、前記作動室(37)には、前記スプール(40)を駆動する作動油を給排する油圧源(21、25)が連結され、前記油圧源(21、25)は、前記摩擦要素(10、11)への油圧経路(27)の油圧が所定値以上になると前記作動室(37)をドレンに開放する機能を有していることを特徴とする油圧制御用切換弁。

技術分野

0001

本発明は、油圧制御に用いられる切換弁、例えば、車両に搭載される自動変速装置における油圧制御手段などに適用して好適なスプール弁タイプの切換弁に関する。

背景技術

0002

〔従来の技術〕
従来よりよく知られている自動変速装置は、複数の摩擦要素(所謂制御負荷のことで、以下、「係合要素」とも呼ぶ。)を有する自動変速機と、摩擦要素を作動させる油圧(以下、「クラッチ油圧」とも呼ぶ。)を制御する油圧制御装置とを備え、クラッチ油圧を制御することで、摩擦要素の係合または解放を制御して自動変速機の変速段切り換え基本機能を有しており、前述のクラッチ油圧を制御する油圧制御装置が自動変速機の中枢機能を担っている。
そして、この種の油圧制御装置は、摩擦要素へのクラッチ油圧を制御するメインバルブ(以下、「シフト装置」とも呼ぶ。)を摩擦要素毎に備えており、車両の運転状態に応じて、電子制御ユニットから各々のメインバルブに指令信号を出力することで、各メインバルブが作動して各摩擦要素へのクラッチ油圧を制御し、その結果、各々の摩擦要素の係合速度または解放速度が制御されるため、各々の摩擦要素の係合と解放の組み合わせにより変速段が決定される。かくして、車両の運転状態に応じて、上記係合と解放の組み合わせを変更することで変速段は切り換えられる。

0003

ところで、近年では、変速段の切り換えを迅速にすべく、例えば、上記係合と解放を同時に実行する掛換制御が行われるようになってきている。そして、このように係合と解放を同時に実行するためには、第1摩擦要素のクラッチ油圧を上昇させて解放状態から係合状態にすると同時に、第2摩擦要素のクラッチ油圧を下降させて係合状態から解放状態にすることで達成される。
しかし、ここで注意すべき重要な点がある。つまり、自動変速機は、通常3つ以上の摩擦要素を有しているため、2つのシフト装置が作動中に他の1つのシフト装置が誤作動して3つの摩擦要素へ同時に油圧が供給されると、変速機が破損したり、ロック状態になってしまう虞があり、このような非常事態を何としても回避することが肝要となる。

0004

もっとも、かかる非常事態に対処する方策については、従来より種々の提案がなされ、実用に供されている。
その代表的なものとしては、例えば、特許文献1に記載のごとき油圧制御装置が知られている。
この特許文献1に記載の油圧制御装置は、第1、第2、および第3の係合要素と、それぞれの係合要素に連通して配置される第1、第2、および第3のシフト装置とを有する自動変速機において、各係合要素と各シフト装置とを結合する第1、第2、および第3の油路に配設され、各油路の油圧を検出する第1、第2、および第3の油圧検出手段と、第1の油路に配設され、第1の係合要素を第1のシフト装置から排出(ドレン)側へ切換接続する切換弁と、第1〜第3の油圧検出手段の検出値所定値以上になると上記切換弁を排出側へ移行させる手段とを備えている。
当該装置は、3つの油路の油圧がすべて所定値以上になると、切換弁によって第1の係合要素に供給されているクラッチ油圧を強制的に排除(ドレン)し、当該第1の係合要素の係合を強制的に解放するため、3つの係合要素が同時に係合される非常事態を回避することができる。しかも、かかる装置によれば、各油路毎に切換弁を配設することなく、必要最小限の部品点数の増加のみで達成できることから、コストの上昇、バルブスティック等の油圧回路中の不具合発生率の上昇を低く抑えることができ、また、油圧回路も簡素化できる。

0005

〔従来技術の問題点〕
しかしながら、上述の油圧制御装置のごとく、切換弁による油圧制御方式を採用する場合には、切換弁の制御機能として、第1〜第3の検出手段が所定値以上のクラッチ油圧を検出したときには速やかに排出(ドレン)位置に移行する(切り換わる)ことが必須となるが、切換弁自体の応答速度が遅く、非常事態を確実に回避することが困難であるとの指摘がなされている。

先行技術

0006

特開平2−3727号公報

発明が解決しようとする課題

0007

そこで、本発明者は、かかる切換弁による油圧制御方式について、数多の実験・研究を重ねた結果、次のごとき知見を得るに至った。
(1)非常時の油圧制御として最重要機能を担う上記切換弁には、スプール弁タイプが専ら採用されている。かかるスプール弁は、多数の各種ポートを有するバルブ本体とこのバルブ本体内摺動するスプールとからなる簡潔機構で複数の油路を的確に切換可能である特質を備えていることから、賞用されている。
(2)しかしながら、このスプール弁タイプのものは、スプールが軸方向に移動することで、連通するポートを選択的に切り換える基本構成であるため、スプールには油密距離を稼ぐためのランドを設けることが不可欠である。ところが、この油密距離が、どのポートとも連通させることができない所謂「不感帯領域」を形成する結果、ランドの軸方向長相応する移動分だけ応答速度が遅れ、これが致命傷をなしていることが判明した。
(3)そして、上述のスプール弁タイプ特有の得失をつぶさに精査したところ、スプール弁の利点を何ら犠牲にすることなく、「不感帯領域」を実質的に無効化する手段をスプールに組み込むことが可能になれば、非常時に所望の応答機能を確保し得ることも確認することができた。

0008

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スプール弁としての特質を生かしながら、「不感帯領域」を実質的に無効化する手段をスプールに組み込むことで、全体として小型簡潔な構造でありながら高応答に制御可能な油圧制御用切換弁を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の油圧制御用切換弁においては、スプール弁としての基本構成を特に変更することなく、つまり、
各種ポートを有するバルブ本体と、各種ポートの連通状態を切り換えるランドおよび制御室を有するスプールと、このスプールを挟んで設けられた、作動油圧供給用の作動室および復元用スプリング室とを備える基本構成であって、
これらの機能要素のうち特にスプールの構造を工夫して、
スプールには、作動室と制御室とを連通する連通路と、作動室に油圧が導入されている際にはこの連通路を閉じる第1の弁手段と、
を備えることを特徴としている。

0010

上記構成によれば、異常時にドレン指令が発せられ、作動室の油圧が解除される(ドレンされる)ことで連通路が連通状態になるため、この連通路を介して制御室の油圧を直ちに作動室経由でドレンさせることができる。これにより、スプールが正規の排出位置(ドレン位置)に移行する途中であるにもかかわらず、制御負荷に連通している制御室の油圧を直ちにドレン、つまり先行してドレンさせることができ、高応答性能を確保することができる。
また、付加機能として設ける上記の連通路および第1の弁手段も、スプールのデッドスペースを有効活用してスプール内に配設することができるため、弁自体の構造も小型簡潔である。
したがって、小型簡潔な構造で高応答に制御可能な油圧制御用切換弁を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明を適用する車両用自動変速装置の代表的な一実施形態の説明に供するもので、自動変速装置の全体構成を模式的に示すシステム図である(実施例)。
上記自動変速装置における切換弁として適用する本発明の油圧制御用切換弁の第1実施形態を示す模式的縦断面図である(実施例1)。
上記自動変速装置における切換弁として適用する本発明の油圧制御用切換弁の第2実施形態を示すもので、特に、動作開始前の状態を示す模式的縦断面図である(実施例2)。
上記第2実施形態の切換弁において通常時における動作過程の説明に供する模式的縦断面図で、(a)は動作開始直後の状態を示す断面図、(b)は安定時の状態を示す断面図である(実施例2)。
上記第2実施形態の切換弁において特に異常時における動作過程の説明に供する模式的縦断面図で、(a)は異常発生時における第1段階の状態を示す断面図、(b)は異常発生時における第2段階の状態を示す断面図である(実施例2)。
上記自動変速装置における切換弁として適用する本発明の油圧制御用切換弁の第3実施形態を示す模式的縦断面図である(実施例3)。

0012

以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例にしたがって詳細に説明する。

0013

本実施例では、油圧制御用切換弁の代表例として、車両用自動変速装置における油圧制御装置への適用例を示している。

0014

〔実施例1〕
図1に示すように、車両用自動変速装置ATは、自動変速機1および油圧制御装置2を主要機器としており、自動変速機1および油圧制御装置2は共に車両に搭載され、油圧制御装置2によって自動変速機1が制御される。

0015

自動変速機1には、油圧制御装置2から供給される油圧に応じて作動する摩擦要素(係合要素)10が設けられている。なお、摩擦要素10は多数(3つ以上)設けられるものであるが、説明の便宜上、図1では第1の摩擦要素11と第2の摩擦要素12との2つだけを示しており、特に区別しない限り、摩擦要素10で総称する。

0016

油圧制御装置2は、ポンプ21、メインバルブ22、油圧検出手段23、切換弁24、パイロット弁25および電子制御ユニット(以下、「ECU」と略称する。)26を、主要構成機器として備えている。
なお、メインバルブ22および油圧検出手段23は、各摩擦要素10に一組ずつ対応するようにして多数組設けられるものであるが、説明の便宜上、図1ではメインバルブ22および油圧検出手段23の組を2組だけ示している。
また、ECU26は、多数組のメインバルブ22および油圧検出手段23と電気接続されるものであるが、説明の便宜上、図1では2組のメインバルブ22および油圧検出手段23のみと電気接続した状態を示している。
そして、上記の第1の摩擦要素11、および、第2の摩擦要素12と対応させる必要があるときは、それぞれに対応させて、第1のメインバルブ22a、第1の油圧検出手段23a、および、第2のメインバルブ22b、第2の油圧検出手段23bと呼称する。
なお、各摩擦要素10と各メインバルブ22とを連結する油路27についても同様に取扱うこととし、必要に応じて、それぞれ第1の油路27a、および、第2の油路27bと呼称する。

0017

ポンプ21は、すべての油圧経路に所望圧の各種制御用油を供給するための共通の高圧油供給源をなすものであり、機械式電動式などの適宜の高圧型ポンプで構成される。そして、各種制御用油を供給される各機器には当該制御用油を必要に応じて排出(ドレン)するためのドレン36が連結されているが、これらのドレン36は、周知のごとく共通のオイルパンで構成される。
本実施例では、説明の都合上、制御用油について、摩擦要素10へ供給される制御用油を「クラッチ油」、切換弁24の駆動用に供給される制御用油を「作動油」として区別して呼称するが、制御用油を共通の高圧油供給源(ポンプ21)から生成する代わりに、制御用油毎に専用の高圧油供給源を設けるようにしても良い。

0018

メインバルブ22は、シフト装置とも呼称され、摩擦要素10へ供給されるクラッチ油の油圧を制御する中枢機能を担うものであって、電磁駆動式のスプール弁により構成されている。

0019

油圧検出手段23は、各摩擦要素10と各メインバルブ22とを連結する油路27に配設され、各摩擦要素10へ供給されるクラッチ油の油圧を検出する油圧スイッチである。

0020

切換弁24は、本発明で対象とする油圧制御用切換弁に該当するもので、特定の油路27(本実施例では第1の油路27a)において、摩擦要素10(第1の摩擦要素11)とメインバルブ22(第1のメインバルブ22a)との間に配設されており、異常発生時に特定の油路27(第1の油路27a)のクラッチ油をドレンさせるためのものである。
なお、当該切換弁24は、スプール弁タイプを基本構成とするものであって、その具体的構造等の詳細については後述する。

0021

パイロット弁25は、切換弁24を切換え作動させる電磁駆動式のオンオフ開閉)弁であり、ポンプ21と協働して切換弁24への作動油を給排する油圧源を構成している。

0022

ECU26は、車両の運転状態に呼応した所望の変速制御機能が発揮されるように、各機器に必要な指令信号を出す総合司令塔である。
ECU26はマイクロコンピュータ主体に構成されており、各摩擦要素10に対応する各メインバルブ22に対して所望の制御信号を発し、各摩擦要素10に所定のクラッチ油を供給させる。また、ECU26はすべての油圧検出手段23が異常値を検出するとパイロット弁25に対して異常発生の指令を出し、第1の摩擦要素10aを解放状態に移行させるべく、切換弁24を切換え作動させる。

0023

上記構成になる自動変速制御装置ATおいて、基本的な変速制御内容を概説する。
通常の運転状態では、パイロット弁25から供給される作動油の油圧で切換弁24は常時オン状態にある。つまり、油路27aを連通状態に保持している。このため、第1の油路27aを含めて、すべての油路27がメインバルブ22と摩擦要素10とを連通しており、各メインバルブ22から各摩擦要素10に対して制御すべき所望のクラッチ油圧が供給されている。かくして、車両の運転状態に応じた変速制御が行なわれる。

0024

ところで、メインバルブ22の誤作動等によってすべての油路27に高圧のクラッチ油が供給される場合がある。このような異常事態が発生した場合には、すべての油圧検出手段23が異常値を検出すると、ECU26からパイロット弁25に対して異常発生の指令が出され、パイロット弁25が切換弁24をオフ状態に切換え作動させる。つまり、切換弁24が第1の油路27aをドレン36に開放する。これにより、第1の摩擦要素11の係合が強制的に解放されるため、すべての摩擦要素10に高圧のクラッチ油圧が継続的に供給される危険な事態を回避することができる。

0025

このようにして、異常時に自動変速機1が破損するのを防止するわけであるが、かかる異常時において自動変速機1の破損を確実に防止するためには、第1の摩擦要素11のクラッチ油圧を如何に速くドレンさせるかが肝要であり、その機能を担う、スプール弁タイプの切換弁24に対して高度の応答性能が要求される。

0026

〔実施例1の特徴〕
本発明を適用した切換弁24は、スプール弁タイプでありながら要求を満足する高度の応答性能を発揮するものである。

0027

以下、本発明の第1実施形態に係る切換弁24について、図2をも参照しながら詳説する。
切換弁24は、スプール弁タイプであるため、バルブ本体30とスプール40とを基本構成要素として備えている。

0028

バルブ本体30は、全体として一端が閉じられた盲孔状の円筒体を呈しており、軸線方向に延びスプール40を収納するスプール孔31と、このスプール孔31の内部と外部を連通するように、径方向貫通形成された複数(図示例では4個)のポート32〜35を有している。
複数のポート32〜35は、スプール40の移動方向(軸方向)に沿って間隔をあけて設けられており、メインバルブ22を介してポンプ(高圧油供給源)21に連結される第1ポート32、外部のドレン36に連結される第2ポート33、制御負荷である摩擦要素10に連結される第3ポート34、第2ポート33とは別に外部のドレン36に連結される第4ポート35の都合4種のポートで構成されている。
なお、説明の都合上、4種のポート32〜35について、第1ポート32を「入力ポート」、第2ポート33および第4ポート35を「ドレンポート」、第3ポート34を「制御ポート」と呼称することがある。また、制御ポート34は、後述するごとく、入力ポート32もしくはドレンポート33と選択的に切換連通されることで、ポンプ21(メインバルブ22)から供給される油圧もしくはドレン36の油圧のいずれかと同等の圧力になるものである。

0029

そして、バルブ本体30には、スプール孔31の一方側(開口側)に配置され、パイロット弁25に接続されて切換用の作動油が給排される作動室37と、スプール孔31の他方側(側)に作動室37と相対するように配置されるスプリング室38とが設けられている。
スプリング室38には、作動室37に導入される作動油の油圧に対抗する復元用のスプリング39が収容されている。
なお、スプリング室38には残余のドレンポート35が開口しており、このドレンポート35の呼吸作用によってスプリング室38の容積が自在に拡縮することができ、後述するスプール40の軸方向移動に支障を来たすことはない。

0030

スプール40は、スプール孔31内に軸方向に摺動可能に配設され、作動室37に導入される作動油とスプリング39とによって駆動されるものであり、その移動方向(軸方向)に間隔をあけて並ぶ複数(図示例では2個)のランド41、42と、このランド間に設けられた制御室43とを有している。この2個のランド、つまり作動室37側の第1ランド41とスプリング室38側の第2ランド42は、スプール孔31の内周面を油的に摺接して、制御室43を区画形成している。この制御室43は、スプール40(ランド41、42)の移動によって、制御ポート34を入力ポート32(高圧油供給源21側)もしくは第2ポートがなすドレンポート33(ドレン36側)のいずれかと選択的に(切換えて)連通するようになっている。
なお、制御室43は、スプール40の外周に形成される環状溝部分43aとスプール40を径方向に貫通する横孔部分43bとで構成されている。

0031

そして、スプール40には、スプール40の第1ランド41側軸心部分に軸方向に貫通する連通路44が設けられており、この連通路44が作動室37と制御室43(特に横孔部分43b)とを連通している。
また、連通路44には、当該通路内に組み込まれ、この連通路44を開閉する第1の弁手段50が配設されている。

0032

この弁手段50は、作動室37に作動油が導入されている際には連通路44を閉塞するとともに、作動室37から作動油が排出(ドレン)されると連通路44を開放する(連通状態にする)機能を発揮するものであって、ボール状の弁体51、円錐状の弁座52、および弁体ストッパ53から構成されている。
連通路44が作動室37側の大径孔44aと制御室43側の小径孔44bとの2段孔で構成されており、その段差部分に弁座52が形成され、大径孔44a内に弁体ストッパ53にて抜け止めされて弁体51が収容されている。

0033

なお、スプール40には、スプール40自体のスプリング室38側への軸方向移動を規制するストッパ部材60が設けられている。本実施例のストッパ部材60は、スプール40のスプリング室38側端面に一体的に突出形成されたピン状突起部で構成されている。

0034

次に、上記構成になる切換弁24の特徴的な作動について説明する。
通常の運転状態では、パイロット弁25から作動室37に作動油が供給されているため、この油圧によってスプール40がスプリング39に抗してスプリング室38側へ移動し、制御室43が実線位置から2点鎖線位置へと移行して、入力ポート32と制御ポート34とを連通している。このため、切換弁24は常時オン状態にあり、第1の摩擦要素11と第1のメインバルブ22aとを連結している第1の油路27aを連通状態に保持している。
これにより、第1の油路27aを含めて、すべての油路27がメインバルブ22と摩擦要素10とを連通しており、各メインバルブ22から各摩擦要素10に対して制御すべき所望のクラッチ油圧が供給されている。かくして、車両の運転状態に応じた変速制御が行なわれる。
なお、第1の弁手段50は、上記の作動油の油圧を受けて、弁体51が弁座52に着座し連通路44を閉塞するため、スプール40が図示の実線位置にある場合にも、作動油が連通路44を介して制御室43側へ漏洩することはない。

0035

ところで、メインバルブ22の誤作動等によってすべての油路27に高圧のクラッチ油が供給される異常時には、すべての油圧検出手段23が異常値を検出すると、ECU26からパイロット弁25に対して異常発生の指令が出されるため、パイロット弁25が切換弁24をオフ状態に切換え作動させる。つまり、パイロット弁25が切換弁24の作動室37をドレン36に開放するため、スプール40がスプリング39によって作動室37側に駆動され、制御室43が2点鎖線位置から実線位置へと復帰して制御ポート34をドレンポート33に切換え連通させることで、第1の油路27aをドレン36に開放する。
これにより、第1の摩擦要素11のクラッチ油圧を排除するわけであるが、制御室43が2点鎖線位置から実線位置までの復帰に要する時間、換言すれば、前述した「不感帯領域」を形成するランド41、42の軸方向長部分の移動に要する時間であり、かかるスプール40の移動時間応答遅れを招いている。

0036

そこで、本実施例の切換弁24においては、上記の「不感帯領域」を実質的に無効化する手段がスプール40に組み込まれている。
かかる無効化手段は、連通路44および第1の弁手段50によって構成されており、次のごとき機能を発揮する。
異常時におけるスプール40の移行過程において、作動室37の作動油がドレンされた直後においては、制御室43にはクラッチ圧が導入されているため、速やかに弁体51が作動室37側へ押し戻され、弁手段50が開弁して連通路44を開放する。これにより、制御室43内のクラッチ油、つまり、第1の油路27a内のクラッチ油が制御室43→連通路44→作動室37→パイロット弁25→ドレン36の経路で排出され始める。この経路でのクラッチ油の排出は、制御ポート34が正規のドレンポート33と連通するまで継続される。したがって、スプール40の移動開始直後から第1の摩擦要素11のクラッチ圧を先行的に排除することができるため、スプール40の上記「不感帯領域」を実質的に無効化することが可能となる。

0037

〔実施例1の効果〕
本実施例の切換弁24は、上述のごとき機能を発揮するため、次のような効果を奏することができる。
(1)異常発生時には、スプール40に組み込んでいる連通路44および第1の弁手段50によって、スプール40の「不感帯領域」を実質的に無効化することができるため、切換弁24の応答性能を格段と高上することができる。
(2)上記の連通路44および弁手段50は、スプール40の軸心部分である所謂デットスペースを有効活用して配設できるため、スプール40を大型することがない。
(3)また、連通路44および弁手段50自体の構造も簡単である。

0038

〔実施例2〕
次に、本発明を適用した第2実施形態の切換弁24を図3図5に基づいて説明する。

0039

この実施例2の切換弁24は、上述の実施例1に比して、スプール40自体のスプリング室38側への軸方向移動を規制するストッパ部材60の具体的構成を変更することで、ストッパ部材60の多機能化を図ったものであり、以下、図3を参照しながらその変更点を中心に詳説することとする。

0040

ストッパ部材60は、スプール40とは別体に作製されたもので、細長断面円形棒状体円柱ピン)61で構成されている。一方、スプール40の軸心部分には、スプリング室38と制御室43(特に横孔部分43b)とを軸方向に連通する断面円形の貫通孔45が設けられている。
そして、ストッパ部材60をなす棒状体61が、貫通孔45に対して摺動自在に嵌挿され、かつ、その両端61a、61bが貫通孔45から突出している。
また、棒状体61(ストッパ部材60)は、貫通孔45からスプリング室38側へ突出する一端61aがスプリング室38の底壁に衝当するとき、貫通孔45から制御室43へ突出する他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cに衝当する関係を満足するように、軸長選定されている。したがって、棒状体61は、図4(b)に示すように、一端61aがスプリング室38の底壁に衝当することで、スプール40のスプリング室38側への軸方向移動を規制すると同時に、他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cを閉塞している。
なお、棒状体61の他端61bは、連通路44の開口部44cの径より大きくしている関係上、その端面が開口部44c周囲の面から離れ易くするための凹凸部(呼吸路)62が、当該他端61bの端面に設けられている。

0041

次に、上記構成になる切換弁24の作動について、特に、図4および図5に示す動作過程をも参照しながら順次説明する。
[1]動作開始前の状態(作動室37へ作動油が導入される前の状態)
この状態は、図3に示す通りである。図3に示すように、作動室37は(パイロット弁25によってドレン36に連結され)大気圧に開放されているため、スプール40はスプリング39によって作動室37側に駆動され、制御室43が制御ポート34をドレンポート32に連通している。
かくして、制御室43も大気圧に開放されるため、弁手段50(弁体51)およびストッパ部材60(棒状体61)もフリー状態になっており、連通路44が開放されている。
[2]動作開始直後の状態(作動室37への作動油導入直後)
通常運転時の制御に向けての作動が開始され、作動室37へ作動油が導入されると、図4(a)に示すように、白抜き矢視のごとく印加される油圧によって弁体51が弁座52方向に付勢されるため、弁手段50が直ちに連通路44を閉塞するとともに、スプール40も上記の作動油の油圧を受けてスプリング39を圧縮しながらスプリング室38側へ移動し始める。
そして、スプール40は、ストッパ部材60(棒状体61)にてスプリング室38側への軸方向移動が規制されるまで移動を継続する。かくして、切換弁24が安定状態オン状態)へと移行する。
[3]安定時の状態(切換弁24のオン状態−作動室37に作動油が継続して導入されている状態)
図4(b)に示すように、切換弁24は、スプール40がストッパ部材60(棒状体61)にてスプリング室38側への軸方向移動が規制されることで、オン状態となる。
つまり、スプール40は、棒状体61の一端61aがスプリング室38の底壁に衝当するとともに、棒状体61の他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cに衝当することで、スプリング室38側への軸方向移動が規制され、これにより、制御室43が制御ポート34をドレンポート33から入力ポート32へと切換連通させる。
したがって、メインバルブ22(第1のメインバルブ22a)から供給されるクラッチ油圧が、油路27(第1の油路27a)を介して摩擦要素10(第1の摩擦要素11)に伝達される。
[4]異常発生時の第1段階
異常発生時には、パイロット弁25により作動室37がドレン36に連結されるため、作動室37内の油圧が急激に低下する。これにより、図5(a)に示すように、スプール40がスプリング39により駆動されて作動室37側へ僅かでも移動すると、棒状体61の他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cから離間するため、弁手段50の弁体51が弁座52から離座して、連通路44を直ちに開放状態にする。これにより、制御室43がドレンに開放されるわけで、制御ポート34→制御室43→連通路44→作動室37の経路で矢印Xのごとくクラッチ油が速やかに排除され始める。したがって、油路27(第1の油路27a)を介して摩擦要素10(第1の摩擦要素11)のクラッチ油圧を速やかに低下させることができる。
[5]異常発生時の第2段階
そして、スプール40が作動室37側へ所定距離移動すると、図5(b)に示すように、制御室43は正規のドレンポート33と開口し制御ポート34をドレンポート33とも連通させるため、矢印Yのごとく大流量のクラッチ油の排出経路が形成される。
かくして、摩擦要素10(第1の摩擦要素11)に供給されているクラッチ油圧を充分に低下させることが可能となる。
よって、自動変速機1が破損するのを確実に防止することができる。

0042

〔実施例2の効果〕
本実施例の切換弁24によれば、上述した実施例1の効果に加えて、次のような効果を奏することができる。
(4)安定状態時におけるクラッチ油圧の漏洩を確実に防止することができる。
即ち、安定状態時には、図4(b)に示すように、ストッパ部材60(棒状体61)の他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cに衝当し、連通路44を強制的に閉塞している。したがって、制御室43の油圧が作動室37の油圧より大きくなった場合においても、制御室43から連通路44を介して作動室37へクラッチ油が流れるのを防ぐことができる。

0043

〔実施例3〕
次に、本発明を適用した第3実施形態の切換弁24を図6に基づいて説明する。

0044

この実施例3の切換弁24は、上述の実施例2に比して、ストッパ部材60(棒状体61)の他端61b部および連通路44の制御室43側の開口部44cを改造し、より一層の性能向上を図ったものであり、以下、その改造点を中心に補説することとする。

0045

ストッパ部材60(棒状体61)の他端61bには、球面状の弁部71が形成されている。そして、連通路44の制御室43側の開口部44cには、弁部71を受け入れ円錐面状の弁座72が形成されている。そして、この弁部71と弁座72とによって第2の弁手段70が構成されている。
なお、弁部71と弁座72との当接面には、少なくとも一方の当接面に面同士が吸着するのを防ぐための呼吸路73が設けられている。

0046

〔実施例3の効果〕
本実施例の切換弁24によれば、上記構成により次のような作用・効果を得ることができる。
スプール40がストッパ部材60(棒状体61)により移動規制されている安定状態時<図4(b)に相当>においては、ストッパ部材60(棒状体61)の他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cに衝当することになるが、この衝当部分には第2の弁手段70が設けられており、弁部71が弁座72に着座するため、連通路44を完全に閉塞している。
したがって、制御室43から作動室37への逆流を完全に阻止することができ、上述の実施例2に比してより一層の性能向上を図ることができる。
また、第2の弁手段70は、棒状体61の他端61bおよび連通路44の開口部44cの各端面を面加工するだけで設けることができ、特に追加部品を要しないため、構造簡単、安価である。

0047

〔変形例〕
以上本発明の3実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、その他の実施形態としていくつかの変形例を例示する。

0048

(1)各実施例において、第1の弁手段50は、弁体51をフリー状態に配設しているが、弁体51と弁体ストッパ53との間にバネを介在させて弁体51が常に弁座52に着座する常閉型構造にしても良い。

0049

(2)また、各実施例において、バルブ本体30に設けるポート数およびスプール40に設けるランド数は、制御態様に応じて適宜設けることができ、スプリング室38に開口するドレンポート35は呼吸孔であるため、スプリング室38への漏油が無視できる場合には単なる大気孔であっても良い。

0050

(3)また、各実施例おいて、作動室37への作動油を給排する油圧源に、パイロット弁25を用いてポンプ21を兼用するようにしたが、作動油給排専用の油圧源を設けるようにしても良いことは勿論である。

0051

(4)また、実施例1において、ストッパ部材60は、スプール40の有効ストロークを一義的に規制するためのものであり、必要に応じて省略することができる。

0052

(5)また、実施例2、3において、スプール40に設ける貫通孔45をスプリング室38から制御室43(横孔部分43b)への呼吸孔として活用できる場合には、ドレンポート35を省略することができる。

0053

(6)なお、以上の実施例では、本発明を適用する油圧制御用切換弁の代表例として、車両用自動変速装置における油圧制御装置への適用例を示したが、油圧の切換に即応性が要求される種々な油圧制御装置に有用できることはいうまでもない。

0054

以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項2〜6に記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。

0055

(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載の油圧制御用切換弁において、
スプール40には、スプール40自体のスプリング室38側への軸方向移動を規制するストッパ部材60が設けられていることを特徴としている(実施例1〜3参照)。
上記手段によれば、スプール40の有効ストロークを、ストッパ部材60によって一義的に定めることができる。

0056

(特徴点2=請求項3の手段)
請求項2に記載の油圧制御用切換弁において、
スプール40には、スプリング室38と制御室43とを軸方向に連通する貫通孔45が設けられており、
ストッパ部材60は、スプール40とは別体の棒状体61で構成され、棒状体61の両端61a、61bが貫通孔45から突出するようにして貫通孔45に嵌挿されており、
棒状体61は、貫通孔45からスプリング室38側へ突出する一端61a側でスプール40の軸方向移動を規制するとき、貫通孔45から制御室43側へ突出する他端61bが連通路44の制御室43側の開口部44cを閉塞することを特徴としている(実施例2、3参照)。
上記手段によれば、ストッパ部材60を、スプール40の移動規制時に連通路44を強制的に閉塞する手段としても積極的に有効活用することができ、かつ、かかる閉塞作用により制御室43側から作動室37側への油の逆流を防止することができる。

0057

(特徴点3=請求項4の手段)
請求項3に記載の油圧制御用切換弁において、
棒状体61の他端61bには弁部71が形成され、連通路44の制御室43側の開口部44cには、弁部71を受け入れる弁座72が形成され、弁部71と弁座72とによって第2の弁手段70が構成されていることを特徴としている(実施例3参照)。
上記手段によれば、スプール40の移動規制時には、連通路44を完全に閉塞して、制御室43側から作動室37側への油の逆流を確実に防止することができる。

0058

(特徴点4=請求項5の手段)
請求項4に記載の油圧制御用切換弁において、
上記第2の弁手段70を構成する弁部71と弁座72との当接面には、呼吸路73が設けられていることを特徴としている(実施例3参照)。
上記手段によれば、弁部71と弁座72との当接面同士が吸着状態になるのを防ぐことができ、連通路44を的確に開閉することができる。

実施例

0059

(特徴点5=請求項6の手段)
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の油圧制御用切換弁において、
切換弁24は、自動変速機1の油圧制御装置2として使用されるものであり、
第3ポート34には、制御負荷として自動変速機1の摩擦要素10(第1の摩擦要素11)が連結され、
作動室37には、スプール40を駆動する作動油を給排する油圧源(パイロット弁25、ポンプ21)が連結され、
油圧源(パイロット弁25、ポンプ21)は、摩擦要素10への油圧経路(油路27)の油圧が所定値以上になると作動室37をドレンに開放する機能を有していることを特徴としている(実施例1〜3参照)。
上記手段によれば、異常時に自動変速機1の破損を確実に防止できる自動変速装置ATを実現することができる。

0060

1…自動変速機、2…油圧制御装置、10…摩擦要素(制御負荷)、11…第1の摩擦要素(制御負荷)、21…ポンプ(高圧油供給源)、24…切換弁(油圧制御用切換弁)、30…バルブ本体、31…スプール孔、32…入力ポート(第1ポート)、33…ドレンポート(第2ポート)、34…制御ポート(第3ポート)、35…ドレンポート、36…ドレン、37…作動室、38…スプリング室、39…スプリング、40…スプール、41…第1ランド(ランド)、42…第2ランド(ランド)、43…制御室、44…連通路、50…第1の弁手段。

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