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技術 動力分割式無段変速機の制御装置

出願人 ダイハツ工業株式会社
発明者 岸大輔佐藤秀樹
出願日 2015年1月30日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-017589
公開日 2016年8月8日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2016-142302
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 目標ユニット 回転径方向 アウトプット軸 最終目標値 時間勾配 スイープ制御 インプット軸 掛け替え
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴ったキックダウン制御における制御性の向上を図ることができる、動力分割式無段変速機制御装置を提供する。

解決手段

スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の実行が決定されると、その決定に応答して、ベルト変速比γbの変更が開始される。一方、そのベルト変速比γbの変更に必要なオイルの流量と、スプリットモードからベルトモードへの切り替えのためのクラッチ係合に必要なオイルの流量との合計が必要流量として算出される(ステップS1)。また、オイルポンプ5から吐出されるオイルの流量が供給流量として算出される(ステップS2)。そして、必要流量と供給流量とが比較され、必要流量に対して供給流量が上回っている場合(ステップS3のYES)、ロークラッチへの油圧の供給が開始される(ステップS4)。

概要

背景

自動車などの車両に搭載される変速機として、エンジン動力を無段階に変速する無段変速機構と、エンジンの動力を無段変速機構を経由せずに伝達する歯車機構と、無段変速機構からの動力と歯車機構からの動力とを合成するための遊星歯車機構とを備えたものが提案されている。この変速機では、エンジンからの動力を無段変速機構と歯車機構とに分割し、その分割された各動力を遊星歯車機構で合成して車輪に伝達することができる。

概要

スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴ったキックダウン制御における制御性の向上をることができる、動力分割式無段変速機制御装置を提供する。スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の実行が決定されると、その決定に応答して、ベルト変速比γbの変更が開始される。一方、そのベルト変速比γbの変更に必要なオイルの流量と、スプリットモードからベルトモードへの切り替えのためのクラッチ係合に必要なオイルの流量との合計が必要流量として算出される(ステップS1)。また、オイルポンプ5から吐出されるオイルの流量が供給流量として算出される(ステップS2)。そして、必要流量と供給流量とが比較され、必要流量に対して供給流量が上回っている場合(ステップS3のYES)、ロークラッチへの油圧の供給が開始される(ステップS4)。

目的

本発明の目的は、スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴ったキックダウン制御における制御性の向上を図ることができる、動力分割式無段変速機の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

駆動源と、前記駆動源により駆動されるオイルポンプと、前記駆動源からの動力が入力される入力軸、前記入力軸に入力される動力をベルト変速比の変更により無段階に変速するベルト式無段変速機構、前記入力軸に入力される動力を一定のスプリット変速比で変速する一定変速機構、動力を前記出力軸に出力する出力歯車機構、および前記オイルポンプが発生する油圧により係合される係合要素を備え、前記係合要素の係合により、前記入力軸に入力される動力が前記無段変速機構および前記一定変速機構を経由して前記出力歯車機構に伝達されるスプリットモードから、前記入力軸に入力される動力が前記無段変速機構を経由して前記出力歯車機構に伝達されるベルトモードに切り替わる動力分割式無段変速機とを搭載した車両に用いられ、前記動力分割式無段変速機を制御する制御装置であって、前記ベルト変速比の変更とともに前記スプリットモードから前記ベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の実行を決定する決定手段と、前記キックダウン制御の実行の決定に応答して、前記無段変速機構に供給される油圧の制御による前記ベルト変速比の変更を開始する変速制御手段と、前記オイルポンプから吐出されるオイルの流量を算出する吐出流量算出手段と、前記ベルト変速比の変更に必要なオイルの流量と前記係合要素の係合に必要なオイルの流量との合計を算出する必要流量算出手段と、前記キックダウン制御の実行の決定後、前記吐出流量算出手段により算出される流量と前記必要流量算出手段により算出される流量とを比較し、その比較結果に基づいて、前記係合要素への油圧の供給を開始する係合制御手段とを含む、制御装置。

技術分野

0001

本発明は、動力分割式無段変速機制御装置に関する。

背景技術

0002

自動車などの車両に搭載される変速機として、エンジンの動力を無段階に変速する無段変速機構と、エンジンの動力を無段変速機構を経由せずに伝達する歯車機構と、無段変速機構からの動力と歯車機構からの動力とを合成するための遊星歯車機構とを備えたものが提案されている。この変速機では、エンジンからの動力を無段変速機構と歯車機構とに分割し、その分割された各動力を遊星歯車機構で合成して車輪に伝達することができる。

先行技術

0003

特開2004−176890号公報

発明が解決しようとする課題

0004

駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機は、動力分割式無段変速機として、出願人も提案している。

0005

この提案に係る動力分割式無段変速機には、変速比の変更により動力を無段階に変速する無段変速機構と、動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、無段変速機構を経由する動力と一定変速機構を経由する動力とを合成するための遊星歯車機構とが備えられている。無段変速機構は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。遊星歯車機構のサンギヤには、無段変速機構のセカンダリ軸が接続されている。また、遊星歯車機構のリングギヤには、出力軸が接続されている。出力軸の回転は、デファレンシャルギヤに伝達され、デファレンシャルギヤから左右の駆動輪に伝達される。

0006

この動力分割式無段変速機は、動力伝達モードとして、動力が無段変速機構のみを経由して遊星歯車機構に伝達されるベルトモードと、動力が無段変速機構および一定変速機構を経由して遊星歯車機構に伝達されるスプリットモードとを有している。

0007

ベルトモードでは、遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとが直結され、遊星歯車機構のキャリアフリーな状態にされる。そのため、無段変速機構から出力される動力により、サンギヤおよびリングギヤが一体的に回転し、出力軸がリングギヤと一体的に回転する。したがって、ベルトモードでは、動力分割式無段変速機の変速比が無段変速機構の変速比(ベルト変速比)と一致する。

0008

スプリットモードでは、サンギヤとリングギヤとの直結が解除され、一定変速機構を経由する動力がキャリアに入力される。一定変速機構の変速比(スプリット変速比)が一定で不変であるので、動力分割式無段変速機に入力される回転速度が一定であれば、キャリアの回転速度が一定に保持される。そのため、ベルト変速比が上げられて、サンギヤの回転速度が下げられると、リングギヤおよびリングギヤに接続された出力軸の回転速度が上がり、動力分割式無段変速機の変速比が下がる。したがって、スプリットモードでは、動力分割式無段変速機の変速比がスプリット変速比以下となる。

0009

スプリットモードでの走行中に、アクセルペダルが素早くかつ大きく踏み込まれると、キックダウン制御により、油圧によるベルト変速比の変更とともに、油圧による2個の係合要素掛け替えにより、動力伝達モードがスプリットモードからベルトモードに切り替えられる場合がある。

0010

エンジン回転数が低い状態では、エンジンの動力により駆動されるオイルポンプ吐出するオイルの流量が少ない。そのため、エンジン回転数が低い状態で、スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御が行われる場合、無段変速機構および係合要素に供給されるオイルの流量に不足が生じ、制御性が悪化するおそれがある。

0011

本発明の目的は、スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴ったキックダウン制御における制御性の向上を図ることができる、動力分割式無段変速機の制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

前記の目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、駆動源と、駆動源により駆動されるオイルポンプと、駆動源からの動力が入力される入力軸、入力軸に入力される動力をベルト変速比の変更により無段階に変速するベルト式の無段変速機構、入力軸に入力される動力を一定のスプリット変速比で変速する一定変速機構、動力を出力軸に出力する出力歯車機構、およびオイルポンプが発生する油圧により係合される係合要素を備え、係合要素の係合により、入力軸に入力される動力が無段変速機構および一定変速機構を経由して出力歯車機構に伝達されるスプリットモードから、入力軸に入力される動力が無段変速機構を経由して出力歯車機構に伝達されるベルトモードに切り替わる動力分割式無段変速機とを搭載した車両に用いられ、動力分割式無段変速機を制御する制御装置であって、ベルト変速比の変更とともにスプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の実行を決定する決定手段と、キックダウン制御の実行の決定に応答して、無段変速機構に供給される油圧の制御によるベルト変速比の変更を開始する変速制御手段と、オイルポンプから吐出されるオイルの流量を算出する吐出流量算出手段と、ベルト変速比の変更に必要なオイルの流量と係合要素の係合に必要なオイルの流量との合計を算出する必要流量算出手段と、キックダウン制御の実行の決定後、吐出流量算出手段により算出される流量と必要流量算出手段により算出される流量とを比較し、その比較結果に基づいて、係合要素への油圧の供給を開始する係合制御手段とを含む。

0013

この構成によれば、スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の実行が決定されると、その決定に応答して、無段変速機構に供給される油圧の制御によるベルト変速比の変更が開始される。一方、そのベルト変速比の変更に必要なオイルの流量と、スプリットモードからベルトモードへの切り替えのための係合要素の係合に必要なオイルの流量との合計が必要流量として算出される。また、オイルポンプから吐出されるオイルの流量が供給流量として算出される。そして、必要流量と供給流量とが比較され、その比較結果に基づいて、係合要素への油圧の供給が開始される。たとえば、必要流量に対して供給流量が上回っている場合、係合要素への油圧の供給が開始される。

0014

これにより、無段変速機構および係合要素に供給されるオイルの流量に不足が生じることを抑制でき、ベルト変速比の変更とともにスプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の制御性の向上を図ることができる。

発明の効果

0015

本発明によれば、ベルト変速比の変更とともにスプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御において、無段変速機構および係合要素に供給されるオイルの流量に不足が生じることを抑制でき、その制御性を向上させることができる。その結果、係合要素の応答のばらつきを抑制することができ、変速ショックの発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。
車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
車両の前進時および後進時におけるロークラッチリバースブレーキおよびハイブレーキの状態を示す図である。
無段変速機構の変速比と動力分割式無段変速機の変速比との関係を示す図である。
出力歯車機構のキャリア、サンギヤおよびリングギヤの回転数の関係を示す共線図である。
キックダウン制御について説明するためのタイミングチャートである。
フィルタイミン決定処理の流れを示すフローチャートである。

実施例

0017

以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。

0018

<車両の要部構成>

0019

図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示す図である。

0020

車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。

0021

エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および動力分割式無段変速機4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するためのスロットルバルブおよび燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータ付随して設けられている。

0022

車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、エンジンECU11および変速機ECU12が含まれる。複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。

0023

エンジンECU11には、アクセルセンサ13およびエンジン回転数センサ14などが接続されている。

0024

アクセルセンサ13は、アクセルペダル(図示せず)の操作量に応じた信号をエンジンECU11に入力する。エンジンECU11は、アクセルセンサ13から入力される信号に基づいて、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないときを0%とし、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときを100%とする百分率であるアクセル開度演算する。

0025

エンジン回転数センサ14は、エンジン2の回転(クランクシャフトの回転)に同期したパルス信号をエンジンECU11に入力する。エンジンECU11は、エンジン回転数センサ14から入力されるパルス信号の周波数をエンジン2の回転数(エンジン回転数)に換算する。

0026

エンジンECU11は、各種センサから入力される信号から得られる数値および他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整のため、エンジン2に設けられたスロットルバルブや点火プラグなどを制御する。

0027

変速機ECU12には、シフトポジションセンサ15、プライマリ回転数センサ16、セカンダリ回転数センサ17およびアウトプット回転数センサ18などが接続されている。

0028

シフトポジションセンサ15は、シフトレバー(セレクトレバー)のポジションに応じた信号を変速機ECU12に入力する。シフトレバーのポジションとして、たとえば、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションが設けられている。Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションは、それぞれシフトレンジPレンジ駐車レンジ)、Rレンジ後進レンジ)、Nレンジ(中立レンジ)およびDレンジ(前進レンジ)に対応する。シフトレバーは、Pポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションの間でシフト操作することができ、そのシフト操作により、シフトレンジの切り替えを指示することができる。

0029

プライマリ回転数センサ16は、たとえば、動力分割式無段変速機4のプライマリプーリ53(図2参照)の回転に同期したパルス信号を変速機ECU12に入力する。変速機ECU12は、プライマリ回転数センサ16から入力されるパルス信号の周波数をプライマリプーリ53(プライマリ軸51)の回転数であるプライマリ回転数に換算する。

0030

セカンダリ回転数センサ17は、たとえば、動力分割式無段変速機4のセカンダリプーリ54(図2参照)の回転に同期したパルス信号を変速機ECU12に入力する。変速機ECU12は、セカンダリ回転数センサ17から入力されるパルス信号の周波数をセカンダリプーリ54(セカンダリ軸52)の回転数であるセカンダリ回転数に換算する。

0031

アウトプット回転数センサ18は、たとえば、出力ギヤ85(図2参照)の回転に同期したパルス信号を変速機ECU12に入力する。変速機ECU12は、アウトプット回転数センサ18から入力されるパルス信号の周波数をアウトプット軸42(図2参照)の回転数であるアウトプット回転数に換算する。

0032

変速機ECU12は、各種センサから入力される信号から得られる数値および他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、無段変速機構43の変速比(以下「ベルト変速比」という。)γbの制御のため、無段変速機構43の各部に油圧を供給するための油圧回路19に含まれるバルブ(図示せず)を制御する。また、変速機ECU12は、油圧回路19に含まれるバルブの制御により、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2(図2参照)に供給される油圧を制御し、前進モード後進モードとを切り替え、また、ベルトモードとスプリットモードとを切り替える。

0033

なお、油圧回路19のバルブには、プライマリプーリ53、セカンダリプーリ54、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2に供給される油圧をそれぞれ調節する油圧制御バルブなどが含まれる。油圧制御バルブには、電流値により出力油圧を制御可能なバルブ、たとえば、リニアソレノイドバルブが用いられている。

0034

<駆動系統の構成>

0035

図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。

0036

エンジン2は、E/G出力軸21を備えている。E/G出力軸21は、エンジン2が発生する動力により回転される。

0037

トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、E/G出力軸21が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸21と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。

0038

ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸21が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸21の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。

0039

ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸21が回転されると、E/G出力軸21、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。

0040

トルクコンバータ3と動力分割式無段変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5のポンプ軸は、ポンプインペラ31と一体的に回転可能に設けられている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5からオイルが吐出される。

0041

動力分割式無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。動力分割式無段変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、無段変速機構43、一定変速機構44および出力歯車機構45を備えている。

0042

インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。

0043

アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に設けられている。

0044

無段変速機構43は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。具体的には、無段変速機構43は、インプット軸41に連結されたプライマリ軸51と、プライマリ軸51と平行に設けられたセカンダリ軸52と、プライマリ軸51に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ53と、セカンダリ軸52に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ54と、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とに巻き掛けられたベルト55とを備えている。

0045

プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたシリンダ63が設けられ、可動シーブ62とシリンダ63との間に、油室64が形成されている。

0046

セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ61と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたシリンダ67が設けられ、可動シーブ66とシリンダ67との間に、油室68が形成されている。

0047

無段変速機構43では、プライマリプーリ53の油室64およびセカンダリプーリ54の油室68に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比γbが連続的に無段階で変更される。

0048

具体的には、ベルト変速比γbが下げられるときには、プライマリプーリ53の油室64に供給される油圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ53の可動シーブ62が固定シーブ61側に移動し、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ53に対するベルト55の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が小さくなり、ベルト変速比γbが下がる。

0049

ベルト変速比γbが上げられるときには、プライマリプーリ53の油室64に供給される油圧が下げられる。これにより、ベルト55に対するセカンダリプーリ54の推力がベルト55に対するプライマリプーリ53の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が大きくなり、ベルト変速比γbが上がる。

0050

一方、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力は、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、インプット軸41に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリ53の油室64およびセカンダリプーリ54の油室68に供給される油圧が制御される。

0051

一定変速機構44は、遊星歯車機構71、スプリットドライブギヤ72、スプリットドリブンギヤ73およびアイドルギヤ74を備えている。

0052

遊星歯車機構71には、サンギヤ75、キャリア76およびリングギヤ77が含まれる。サンギヤ75は、インプット軸41に相対回転可能に外嵌されている。キャリア76は、インプット軸41に相対回転不能に支持されている。キャリア76は、複数個ピニオンギヤ78を回転可能に支持している。複数個のピニオンギヤ78は、円周上に配置され、サンギヤ75と噛合している。リングギヤ77は、キャリア76の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ78にインプット軸41の回転径方向の外側から噛合している。

0053

スプリットドライブギヤ72は、サンギヤ75と一体回転可能に設けられている。

0054

スプリットドリブンギヤ73は、次に述べる出力歯車機構45のキャリア82の外周に、キャリア82と一体回転可能に設けられている。すなわち、出力歯車機構45のキャリア82には、一定変速機構44が接続されている。

0055

アイドルギヤ74は、スプリットドライブギヤ72およびスプリットドリブンギヤ73と噛合している。

0056

出力歯車機構45は、遊星歯車機構の構成を有している。すなわち、出力歯車機構45は、サンギヤ81、キャリア82およびリングギヤ83を備えている。サンギヤ81は、セカンダリ軸52に相対回転不能に外嵌されている。キャリア82の中心には、無段変速機構43のセカンダリ軸52が相対回転可能に挿通されている。キャリア82は、複数個のピニオンギヤ84を回転可能に支持している。複数個のピニオンギヤ84は、円周上に配置され、サンギヤ81と噛合している。リングギヤ83は、キャリア82の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ84にセカンダリ軸52の回転径方向の外側から噛合している。また、リングギヤ83には、アウトプット軸42の一端が接続され、リングギヤ83は、アウトプット軸42と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。アウトプット軸42の他端部には、出力ギヤ85が相対回転不能に支持されている。

0057

出力ギヤ85の回転は、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を経由して、デファレンシャルギヤ6に伝達される。第1アイドルギヤ86は、アイドル軸87に相対回転不能に支持されて、出力ギヤ85と噛合している。アイドル軸87は、アウトプット軸42と平行に設けられている。第2アイドルギヤ88は、アイドル軸87に相対回転不能に支持されて、デファレンシャルギヤ6に備えられたリングギヤ91と噛合している。

0058

また、動力分割式無段変速機4は、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2を備えている。

0059

ロークラッチC1は、アウトプット軸42とセカンダリ軸52とを直結する係合状態オン)と、その直結を解除する解放状態オフ)とに切り替えられる。

0060

リバースブレーキB1は、スプリットドライブギヤ72(サンギヤ75)を制動する係合状態(オン)と、スプリットドライブギヤ72の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。

0061

ハイブレーキB2は、リングギヤ77を制動する係合状態(オン)と、リングギヤ77の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。

0062

<動力伝達モード>

0063

図3は、車両1の前進時および後進時におけるロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2の状態を示す図である。図4は、ベルト変速比γbと動力分割式無段変速機4の変速比(以下「ユニット変速比」という。)γuとの関係を示す図である。

0064

図3において、「○」は、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2が係合状態であることを示している。なお、PレンジおよびNレンジでは、ロークラッチC1、リバースブレーキB1およびハイブレーキB2が解放される。

0065

動力分割式無段変速機4は、Dレンジにおける動力伝達モードとして、ベルトモードおよびスプリットモードを有している。

0066

ベルトモードでは、ハイブレーキB2およびリバースブレーキB1が解放され、ロークラッチC1が係合される。これにより、一定変速機構44のスプリットドライブギヤ72、スプリットドリブンギヤ73およびアイドルギヤ74ならびに出力歯車機構45のキャリア82がフリー(自由回転状態)になり、アウトプット軸42およびセカンダリ軸52が直結される。

0067

インプット軸41に入力される動力は、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。ロークラッチC1が係合されているので、アウトプット軸42がセカンダリ軸52と一体に回転する。したがって、ベルトモードでは、図4に示されるように、ユニット変速比γuがベルト変速比γbと一致する。

0068

アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ85、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を介して、デファレンシャルギヤ6のリングギヤ91に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト92,93が前進方向に回転する。

0069

図5は、出力歯車機構45のキャリア82、サンギヤ81およびリングギヤ83の回転数の関係を示す共線図である。

0070

スプリットモードでは、図3に示されるように、ハイブレーキB2が係合され、リバースブレーキB1およびロークラッチC1が解放される。ハイブレーキB2が係合されることにより、一定変速機構44のリングギヤ77が制動される。また、ロークラッチC1が解放されることにより、アウトプット軸42とセカンダリ軸52との直結が解除される。

0071

インプット軸41に入力される動力は、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52の回転により、出力歯車機構45のサンギヤ81が回転する。

0072

また、一定変速機構44のリングギヤ77が制動されているので、インプット軸41に入力される動力は、一定変速機構44のキャリア76を公転させるとともに、そのキャリア76に保持されているピニオンギヤ78を回転させる。ピニオンギヤ78の回転により、ピニオンギヤ78からサンギヤ75に動力が入力される。これにより、ピニオンギヤ78およびスプリットドライブギヤ72が回転する。スプリットドライブギヤ72の回転は、アイドルギヤ74を介して、スプリットドリブンギヤ73に伝達され、スプリットドリブンギヤ73および出力歯車機構45のキャリア82を回転させる。

0073

一定変速機構44の変速比(以下「スプリット変速比」という。)γgが一定で不変(固定)であるので、スプリットモードでは、インプット軸41に入力される動力が一定であれば、出力歯車機構45のキャリア82の回転が一定速度に保持される。そのため、ベルト変速比γbが上げられると、出力歯車機構45のサンギヤ81の回転速度が下がるので、図5二点鎖線で示されるように、出力歯車機構45のリングギヤ83(アウトプット軸42)の回転速度が上がる。その結果、スプリットモードでは、図4に示されるように、ベルト変速比γbが大きいほど、ユニット変速比γuが小さくなる。

0074

アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ85、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を介して、デファレンシャルギヤ6のリングギヤ91に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト92,93が前進方向に回転する。

0075

Rレンジでは、図3に示されるように、ハイブレーキB2およびロークラッチC1が解放される。そして、リバースブレーキB1が係合される。これにより、スプリットドライブギヤ72(サンギヤ75)が制動される。スプリットドライブギヤ72の制動により、一定変速機構44のアイドルギヤ74が回転不能となり、スプリットドリブンギヤ73およびキャリア82が回転不能となる。

0076

インプット軸41に入力される動力は、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。セカンダリ軸52の回転により、出力歯車機構45のサンギヤ81が回転する。キャリア82が回転不能なため、図5に一点鎖線で示されるように、サンギヤ81が回転すると、リングギヤ83がサンギヤ81と逆方向に回転する。このリングギヤ83の回転方向は、Dレンジ(ベルトモードおよびスプリットモード)におけるリングギヤ83の回転方向と逆方向となる。そして、リングギヤ83と一体にアウトプット軸42が回転する。アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ85、第1アイドルギヤ86、アイドル軸87および第2アイドルギヤ88を介して、デファレンシャルギヤ6のリングギヤ91に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト92,93が後進方向に回転する。

0077

<キックダウン制御>

0078

図6は、キックダウン制御について説明するためのタイミングチャートである。

0079

変速機ECU12のメモリには、車速およびアクセル開度に応じたユニット変速比γuを定めた変速線マップ化されて格納されている。アクセルペダルが踏み込まれると、変速機ECU12により、エンジンECU11からアクセル開度が取得され、変速線マップに従って、アクセル開度および車速に応じたユニット変速比γuが目標ユニット変速比として設定される。車速は、アウトプット回転数から算出されてもよいし、車速センサが設けられて、車速センサから入力されるパルス信号の周波数から算出されてもよい。

0080

その後、変速機ECU12により、目標ユニット変速比に基づいて、ベルト変速比γbの変更とともにスプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御(以下、単に「キックダウン制御」という。)の要否が判定される(K/D判定)。具体的には、目標ユニット変速比がスプリット変速比γgよりも大きい場合、キックダウン制御が必要であると判定され、目標ユニット変速比がスプリット変速比γg以下である場合、そのキックダウン制御は不要であると判定される。キックダウン制御が必要であると判定された場合、キックダウン制御が開始される(時刻T1)。

0081

スプリットモードからベルトモードへの切り替えは、ロークラッチC1とハイブレーキB2との掛け替え(掴み替え)により達成される。すなわち、スプリットモードで係合されているハイブレーキB2が解放され、スプリットモードで解放されているロークラッチC1が係合されることにより、スプリットモードからベルトモードへの切り替えが達成される。

0082

そのため、キックダウン制御では、まず、変速機ECU12により、ハイブレーキB2を解放させるための解放制御が開始される(時刻T1)。解放制御では、ハイブレーキB2の解放指示圧が時間経過に伴って下げられる。解放指示圧は、ハイブレーキB2に供給される油圧の目標値であり、ハイブレーキB2用の油圧制御バルブに入力される電流値に対応する。

0083

また、変速機ECU12により、ベルト変速比γbを変更するための変速制御が開始される(時刻T1)。変速制御では、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54に供給される油圧が制御されて、ベルト変速比γbがスプリット変速比γg付近まで下げられた後、ベルト変速比γbが目標ユニット変速比まで上げられる。

0084

そして、キックダウン制御の開始後、図7に示されるフィルタイミング決定処理でファーストフィルの実行が決定されると、次に、変速機ECU12により、ロークラッチC1を係合させるための係合制御が開始される(時刻T2)。

0085

係合制御では、係合制御の開始後の一定時間(時間T2−T3)にわたって、係合指示圧初期圧よりも高い一定圧に保持するファーストフィル制御が行われる。係合指示圧は、ロークラッチC1に供給される油圧の目標値であり、ロークラッチC1用の油圧制御バルブに入力される電流値に対応する。ファーストフィル制御により、ロークラッチC1にオイルを充填することができ、ロークラッチC1の応答性を向上させることができる。

0086

ファーストフィル制御に続いて、係合指示圧が所定時間(時間T3−T4)だけ初期圧に保持された後、次に、係合指示圧を一定の時間勾配時間変化率)で上昇させるスイープ制御が開始される(時刻T4)。このスイープ制御により、ロークラッチC1に供給される油圧が上昇する。

0087

スイープ制御中に、ロークラッチC1がほぼ完全に係合した状態となり、係合指示圧が最大圧まで上昇すると、ロークラッチC1の係合が完了し、係合制御が終了される(時刻T5)。また、係合制御の終了後、解放指示圧が0に下げられて、解放制御が終了される(時刻T6)。

0088

図7は、フィルタイミング決定処理の流れを示すフローチャートである。

0089

キックダウン制御の実行中、変速機ECU12により、フィルタイミング決定処理が繰り返し実行される。

0090

フィルタイミング決定処理では、現在のユニット変速比γuおよび目標ユニット変速比に基づいて、ベルト変速比γbの変更に必要なオイルの流量が算出される。また、係合指示圧に基づいて、ロークラッチC1の係合に必要なオイルの流量が算出される。そして、それらの流量の合計が必要流量として算出される(ステップS1)。

0091

また、オイルポンプ5から吐出されるオイルの流量が供給流量として算出される(ステップS2)。オイルポンプ5は、エンジン2の動力により駆動されるので、オイルポンプ5の能力(供給流量)は、現在のエンジン回転数に依存する。そのため、エンジンECU11から現在のエンジン回転数が取得され、そのエンジン回転数でのオイルポンプ5の供給流量が算出される。

0092

その後、必要流量と供給流量とが比較される。そして、供給流量が必要流量を上回っているか否かが判定される(ステップS3)。

0093

供給流量が必要流量を上回っている場合(ステップS3のYES)、ファーストフィル制御の実行が決定されて(ステップS4)、フィルタイミング決定処理が終了される。これにより、供給流量が必要流量を上回っている状態で、ロークラッチC1への油圧の供給を開始させることができる。

0094

一方、供給流量が必要流量以下である場合(ステップS3のNO)、現時点からユニット変速比γuが目標ユニット変速比に一致するまでに要する時間(変速残り時間)が算出され、変速残り時間がロークラッチC1の係合開始から係合完了までに要する時間(クラッチ応答時間)よりも大きいか否かが判定される(ステップS5)。

0095

図6に示されるように、ベルト変速比γbの変更によりユニット変速比γuが上昇し、ユニット変速比γuの上昇に伴って、タービン回転数が上昇する。目標ユニット変速比がスプリット変速比γgよりも大きい場合、その目標ユニット変速比は、変速制御におけるベルト変速比γbの最終目標値となる。したがって、ユニット変速比γuが目標ユニット変速比に一致した時点では、ベルト変速比γbにアウトプット回転数を乗じた値とタービン回転数とが一致する。変速残り時間は、現在のベルト変速比γbにアウトプット回転数を乗じた値と現在のタービン回転数との差から算出(推定)することができる。

0096

タービン回転数は、インプット軸41の回転数と同じである。また、プライマリ軸51がインプット軸41に連結され、プライマリプーリ53がプライマリ軸51に相対回転不能に支持されているので、タービン回転数は、プライマリ回転数と同じである。

0097

クラッチ応答時間は、定数として、変速機ECU12のメモリに記憶されている。

0098

変速残り時間がクラッチ応答時間よりも大きい場合(ステップS5のYES)、ファーストフィル制御の実行が決定されずに、フィルタイミング決定処理が終了される。

0099

変速残り時間がクラッチ応答時間以下である場合(ステップS5のNO)、ファーストフィル制御の実行が決定されて(ステップS4)、フィルタイミング決定処理が終了される。これにより、変速制御が終了する以前に、ロークラッチC1の係合を完了させることができる。

0100

作用効果

0101

以上のように、スプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の実行が決定されると、その決定に応答して、ベルト変速比γbの変更が開始される。一方、そのベルト変速比γbの変更に必要なオイルの流量と、スプリットモードからベルトモードへの切り替えのためのロークラッチC1の係合に必要なオイルの流量との合計が必要流量として算出される。また、オイルポンプ5から吐出されるオイルの流量が供給流量として算出される。そして、必要流量と供給流量とが比較され、必要流量に対して供給流量が上回っている場合、ロークラッチC1への油圧の供給が開始される。

0102

これにより、オイルの流量に不足が生じることを抑制でき、ベルト変速比γbの変更とともにスプリットモードからベルトモードへの切り替えを伴うキックダウン制御の制御性の向上を図ることができる。

0103

<変形例>

0104

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。

0105

たとえば、前述の実施形態では、必要流量と供給流量とが比較されて、供給流量が必要流量を上回っている場合、ファーストフィル制御の実行が決定されるとした。しかしながら、必要流量に所定の余裕量加算されて、その加算値と供給流量が比較され、供給流量が必要流量と余裕量との加算値を上回っている場合、ファーストフィル制御の実行が決定されてもよい。これにより、オイルの流量に不足が生じることを一層抑制でき、キックダウン制御の制御性のさらなる向上を図ることができる。

0106

その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。

0107

1 車両
2エンジン(駆動源)
4動力分割式無段変速機
5オイルポンプ
12変速機ECU(決定手段、変速制御手段、吐出流量算出手段、必要流量算出手段、係合制御手段)
41インプット軸(入力軸)
42アウトプット軸(出力軸)
43無段変速機構
44 一定変速機構
45出力歯車機構
C1ロークラッチ(係合要素)

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