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技術 空気入りタイヤ

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 平石朋大
出願日 2015年2月4日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-019953
公開日 2016年8月8日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2016-141317
状態 未査定
技術分野 タイヤ一般
主要キーワード 同一諸元 軸方向両外側 溝開口 圧縮剛性 タイヤ回転軸線 非伸張性 標準荷重 密着配置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月8日)のものです。
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図面 (3)

課題

直進走行コーナリング走行時の操縦定性を適切なバランス両立させながら向上させる。

解決手段

内側、外側サイド補強層35、36の半径方向内端35b、36bを共にフィラー22の半径方向外端22aより半径方向内側に位置させたので、サイドウォール部14は広い範囲で補強されて剛性が高くなり、直進操安性、旋回操安性が共に向上する。しかも、内側サイド補強層35の半径方向外端35aを外側サイド補強層36の半径方向外端36aより半径方向外側に位置させたので、直進操安性がさらに向上し、この結果、直進走行の割合がコーナリング走行の割合より大である一般道でも快適に走行することができる。

概要

背景

従来の空気入りタイヤとしては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

概要

直進走行コーナリング走行時の操縦定性を適切なバランス両立させながら向上させる。内側、外側サイド補強層35、36の半径方向内端35b、36bを共にフィラー22の半径方向外端22aより半径方向内側に位置させたので、サイドウォール部14は広い範囲で補強されて剛性が高くなり、直進操安性、旋回操安性が共に向上する。しかも、内側サイド補強層35の半径方向外端35aを外側サイド補強層36の半径方向外端36aより半径方向外側に位置させたので、直進操安性がさらに向上し、この結果、直進走行の割合がコーナリング走行の割合より大である一般道でも快適に走行することができる。

目的

この発明は、直進走行、コーナリング走行時の操縦安定性を適切なバランスで両立させながら向上させることができる空気入りタイヤを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ビードコアがそれぞれ埋設された一対のビード部と、これらビード部から半径方向外側に向かって延びる一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部の半径方向外端同士を連ねるトレッド部とを備え、前記サイドウォール部に、内部に複数の有機繊維からなる補強コードが埋設されたサイド補強層を配置し、車両の前、後輪のいずれにも適用する空気入りタイヤにおいて、前記サイド補強層を両サイドウォール部に配置する一方、車両への装着時に装着内側となる内側サイド補強層の半径方向外端を、装着外側となる外側サイド補強層の半径方向外端より半径方向外側に位置させるとともに、内側、外側サイド補強層の半径方向内端を共に、前記ビードコアに半径方向内端が密着したフィラーの半径方向外端より半径方向内側に位置させたことを特徴とする空気入りタイヤ。

請求項2

前記内側サイド補強層の半径方向外端と外側サイド補強層の半径方向外端との間の半径方向距離Lをタイヤ断面高さHの0.05〜0.15倍の範囲内とした請求項1記載の空気入りタイヤ。

請求項3

前記内側、外側サイド補強層の半径方向外端を共に、ビードベースラインBから半径方向外側にタイヤ断面高さHの0.45〜0.60倍だけ離れた位置とした請求項1または2記載の空気入りタイヤ。

請求項4

前記内側、外側サイド補強層を共に、一対のビードコア間に配置されたトロイダル状の本体部および前記ビードコアの回りに折り返された折返し部からなるカーカス層の本体部の外側に密着配置した請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。

請求項5

前記一対のビードコア間に配置されたトロイダル状の本体部および前記ビードコアの回りに折り返された折返し部からなるカーカス層のタイヤ赤道面Sからビードコアの半径方向内端までのカーカス層に沿った長さをカーカスペリフェリ長さPとしたとき、装着外側におけるカーカスペリフェリ長さPoを装着内側におけるカーカスペリフェリ長さPiより大とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。

請求項6

前記装着外側におけるカーカスペリフェリ長さPoを、装着内側におけるカーカスペリフェリ長さPiの1.010〜1.030倍の範囲内とした請求項5記載の空気入りタイヤ。

請求項7

前記装着内側におけるトレッド部のネガティブ率を、装着外側におけるトレッド部のネガティブ率より大とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。

請求項8

前記トレッド部に形成された溝の開口部の合計面積をMとしたとき、装着外側のトレッド部に形成された溝の開口部の合計面積Nを前記Mの0.29〜0.39倍の範囲内とする一方、装着内側のトレッド部に形成された溝の開口部の合計面積Qを前記Mの0.71〜0.61倍の範囲内とした請求項7記載の空気入りタイヤ。

技術分野

0001

この発明は、補強コード埋設されたサイド補強層サイドウォール部に配置した空気入りタイヤに関する。

背景技術

0002

従来の空気入りタイヤとしては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

0003

特開2010−202122号公報

先行技術

0004

このものは、ビードコアがそれぞれ埋設された一対のビード部と、これらビード部から半径方向外側に向かって延びる一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部の半径方向外端同士を連ねるトレッド部とを備え、車両への装着時に車両外側となるサイドウォール部のみに、内部に複数の有機繊維からなる補強コードが埋設されたサイド補強層を配置したものである。そして、前述のようにサイド補強層を車両内側には配置せず、車両外側のサイドウォール部にのみ配置することで、コーナリング走行時に重要となる車両外側のサイドウォール部の剛性を高め、コーナリング走行時における操縦定性を向上させるようにしている。

発明が解決しようとする課題

0005

ここで、実際に一般道を走行するときには、直進走行の割合がコーナリング走行の割合より大となるが、前記特許文献1に記載のものではコーナリング走行時おける操縦安定性のみを向上させており、直進走行時の操縦安定性に関しては何らの改善策も施されていない。このようなことから、一般道を走行しようとすると、性能、特に直進走行時の操縦安定性が不足してしまうという課題があった。

0006

この発明は、直進走行、コーナリング走行時の操縦安定性を適切なバランス両立させながら向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

このような目的は、ビードコアがそれぞれ埋設された一対のビード部と、これらビード部から半径方向外側に向かって延びる一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部の半径方向外端同士を連ねるトレッド部とを備え、前記サイドウォール部に、内部に複数の有機繊維からなる補強コードが埋設されたサイド補強層を配置し、車両の前、後輪のいずれにも適用する空気入りタイヤにおいて、前記サイド補強層を両サイドウォール部に配置する一方、車両への装着時に装着内側となる内側サイド補強層の半径方向外端を、装着外側となる外側サイド補強層の半径方向外端より半径方向外側に位置させるとともに、内側、外側サイド補強層の半径方向内端を共に、前記ビードコアに半径方向内端が密着したフィラーの半径方向外端より半径方向内側に位置させた空気入りタイヤにより、達成することができる。

発明の効果

0008

この発明においては、サイド補強層を両サイドウォール部に配置するとともに、車両への装着時に装着内側となる内側サイド補強層および装着外側となる外側サイド補強層の半径方向内端を共にフィラーの半径方向外端より半径方向内側に位置させるようにしたので、フィラーの半径方向外端からサイド補強層の半径方向外端までの間の両サイドウォール部はいずれの部位においても、サイド補強層により補強されて剛性が高くなり、これにより、直進走行時の操縦安定性がかなりの程度、また、コーナリング走行時の操縦安定性が充分に向上する。しかも、この発明においては、内側サイド補強層の半径方向外端を外側サイド補強層の半径方向外端より半径方向外側に位置させるようにしているので、直進走行時の操縦安定性がさらに向上し、直進走行時の操縦安定性も充分なものとなる。ここで、前述のように直進走行時における操縦安定性がさらに向上する理由は、通常、空気入りタイヤはネガティブキャンバーが付与されながら車両に装着されるため、直進走行時には装着内側のトレッド部が主に接地するが、この主な接地側である装着内側のサイドウォール部剛性を、内側サイド補強層が広い範囲において補強することで、高くできるからである。このようなことから、直進走行、コーナリング走行時の操縦安定性を適切なバランスで両立させながら向上させることができ、直進走行の割合がコーナリング走行の割合より大である一般道においても快適に走行することができようになる。

0009

また、請求項2に記載のように構成すれば、直進走行時における操縦安定性を充分に向上させることができる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、内側、外側サイド補強層の半径方向外端における亀裂発生を効果的に抑制することができ、タイヤ耐久性が向上する。また、請求項4に記載のように構成すれば、内側、外側サイド補強層を有する空気入りタイヤの製造が容易となるとともに、タイヤ耐久性を向上させることができる。さらに、請求項5に記載のように構成すれば、走行時におけるタイヤ騒音を容易に低減させることができる。また、請求項6に記載のように構成すれば、直進走行時における操縦安定性を有効に向上させることができる。さらに、請求項7に記載のように構成すれば、コーナリング走行時における操縦安定性をさらに向上させることができる。また、請求項8に記載のように構成すれば、耐偏摩耗性の低下を抑制しながら、コーナリング走行時における操縦安定性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施形態1を示す空気入りタイヤの幅方向断面図である。
その平面図である。

0011

以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は乗用車等の車両に装着される偏平率が40%以上の空気入りタイヤであり、この空気入りタイヤ11は一対のビード部13を有し、これらビード部13には対をなすビードコア12がそれぞれ埋設されている。14は前記ビード部13から半径方向外側に向かって延びる一対のサイドウォール部であり、これらサイドウォール部14はタイヤ幅方向外側に向かって凸状に湾曲している。また、前記空気入りタイヤ11は、これらサイドウォール部14の半径方向外端同士を連ねる略円筒状のトレッド部15を備えている。

0012

そして、この空気入りタイヤ11はサイドウォール部14、トレッド部15を補強するカーカス層18を有し、このカーカス層18は一対のビードコア12間に配置されトロイダル状に延びる本体部18aと、前記本体部18aの両側端に連続しビードコア12の回りを軸方向内側から軸方向外側に向かって折り返された折返し部18bとから構成されている。前記カーカス層18は少なくとも1枚、ここでは1枚のカーカスプライ19から構成され、このカーカスプライ19はタイヤ赤道面S(タイヤ赤道を通りタイヤ回転軸に垂直な平面)に対して70〜90度のコード角で交差する、即ち、実質上ラジアル方向(子午線方向)に延びる非伸張性の互いに平行な複数本ベルトコード、例えばスチールコードコーティングゴム被覆することにより構成している。

0013

22は半径方向内端がビードコア12に密着しながら半径方向外側に延びる一対の環状を呈するフィラーであり、これらのフィラー22は高硬度(高剛性)のゴムから構成されビード部13近傍のサイドウォール部14の変形を抑制している。そして、これらフィラー22は前記本体部18aと折返し部18bとの間にこれらに密着した状態で配置されている。23は前記トレッド部15においてカーカス層18(本体部18a)の半径方向外側に配置されたベルト層であり、このベルト層23は少なくとも2枚(ここでは2枚)のベルトプライ24を半径方向に積層することで構成されている。

0014

各ベルトプライ24は、例えばスチール芳香族ポリアミドからなる非伸張性の互いに平行な複数本のベルトコードをコーティングゴムで被覆することにより構成している。そして、これらベルトプライ24を構成するベルトコードはタイヤ赤道面Sに対して10〜50度の角度で傾斜するとともに、少なくとも2枚のベルトプライ24において傾斜方向が逆方向である。25は前記トレッド部15においてカーカス層18、ベルト層23の半径方向外側に配置されたトップトレッドであり、このトップトレッド25の外表面には周方向に延びる複数本の主溝26および該主溝26に交差する複数の横溝27が形成されている。なお、28はカーカス層18(本体部18a)の軸方向両外側に配置されたサイドトレッドである。

0015

31は両サイドウォール部14にそれぞれ配置されたサイド補強層であり、これらサイド補強層31は少なくとも1枚、ここでは1枚のサイド補強プライ32から構成されている。そして、前記サイド補強層31(サイド補強プライ32)は互いに平行な複数の補強コードをコーティングゴムで被覆することにより構成されており、この結果、これらサイド補強層31(サイド補強プライ32)の内部には複数の補強コードが埋設されていることになる。ここで、これら補強コードはポリエチレンテレフタレート等のポリエステルナイロンレーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードからなるとともに、タイヤ周方向に対して20〜45度の角度で同一方向に傾斜しており、この結果、これら補強コードの切断端はサイド補強層31(サイド補強プライ32)の半径方向外端および半径方向内端において露出することになる。なお、前記補強コードとして圧縮剛性が高いスチール等を用いると、空気入りタイヤ11の転がり抵抗が悪化するため、使用することはできない。

0016

そして、この実施形態では、これら空気入りタイヤ11が車両に装着されたときに装着内側(車両内側)となる内側サイド補強層35の半径方向外端35aを、装着外側(車両外側)となる外側サイド補強層36の半径方向外端36aより半径方向外側に位置させる一方、前記内側サイド補強層35の半径方向内端35bおよび外側サイド補強層36の半径方向内端36bを共に、前記フィラー22の半径方向外端22aより半径方向内側に位置させている。このようにサイド補強層31を両サイドウォール部14に配置する一方、内側サイド補強層35の半径方向内端35bおよび外側サイド補強層36の半径方向内端36bを共に、前記フィラー22の半径方向外端22aより半径方向内側に位置させる(内側、外側サイド補強層35、36の半径方向内端部とフィラー22の半径方向外端部とをタイヤ軸方向に重なり合わせる)ようにすれば、フィラー22の半径方向外端22aからサイド補強層31の半径方向外端までの間のサイドウォール部14はいずれの部位においても、内側、外側サイド補強層35、36に補強されて剛性が高くなり、これにより、直進走行時の操縦安定性(直進操安性)がかなりの程度、また、コーナリング走行時の操縦安定性(旋回操安性)が充分に向上する。

0017

しかも、前述のように装着内側となる内側サイド補強層35の半径方向外端35aを、装着外側となる外側サイド補強層36の半径方向外端36aより半径方向外側に位置させ、該半径方向外端35aの高さ位置を高く(タイヤ回転軸からの距離を大と)したので、直進走行時の操縦安定性がさらに向上し、直進走行時の操縦安定性も充分なものとなる。ここで、前述のように直進走行時に操縦安定性がさらに向上する理由は、通常、空気入りタイヤ11はネガティブキャンバーが付与されながら車両に装着されるため、直進走行時には装着内側のトレッド部15が主に接地するが、この主な接地側である装着内側のサイドウォール部14剛性は、内側サイド補強層35をより広い範囲において補強されることで、高くすることができるからである。このようなことから、直進走行、コーナリング走行時の操縦安定性を適切なバランスで両立させながら向上させることができ、直進走行の割合がコーナリング走行の割合より大である一般道においても快適に走行することができようになる。なお、この発明においては、前述した内側、外側サイド補強層35、36を2枚以上のサイド補強プライから構成してもよいが、この場合には、内側サイド補強層を構成するいずれか1枚のサイド補強プライの半径方向外端を、外側サイド補強層を構成する全てのサイド補強プライの半径方向外端より半径方向外側に位置させればよい。そして、前述のように内側、外側サイド補強層35、36を2枚以上のサイド補強プライから構成した場合には、隣接密着しているサイド補強プライ内の補強コードの傾斜方向を逆方向とすればよい。

0018

そして、この実施形態では、前述のような空気入りタイヤ11を乗用車等の車両の前、後輪のいずれにも適用しており、この結果、前述の効果を全ての車輪で得ることができ、その効果は強力なものとなる。ここで、装着内側とは、車両に空気入りタイヤ11を装着したとき、タイヤ赤道面Sよりも車両の幅方向中心近接した側をいい、車両外側とは、車両に装着したとき、タイヤ赤道面Sよりも車両の幅方向中心から離隔した側をいう。また、前述した内側サイド補強層35の半径方向外端35aと外側サイド補強層36の半径方向外端36aとの間の半径方向距離Lはタイヤ断面高さHの0.01〜0.15倍の範囲内とすることが好ましい。その理由は、後述の試験例1から理解されるように、前記L/Hの値が0.01未満であると、直進走行時における操縦安定性の向上効果が充分ではなく、一方、L/Hの値が0.15を超えると、前記内側サイド補強層35の半径方向外端35aあるいは外側サイド補強層36の半径方向外端36aのいずれかに亀裂が発生し、タイヤ耐久性が若干低下してしまうが、前述の範囲内であると、タイヤ耐久性を維持しながら、直進走行時における操縦安定性を適切に向上させることができるからである。

0019

ここで、前述のタイヤ断面高さHとは、標準リムに空気入りタイヤを組み付け、正規内圧の80%を充填し、荷重無負荷の状態において、ビードベースラインBからタイヤ半径方向外側位置までの半径方向距離をいう。また、ビードベースラインBとは、タイヤ幅方向断面(子午線断面)において、ビートベース輪郭とビード部の軸方向外側輪郭との交点(標準リムのリム径位置)を通過しタイヤ回転軸に平行な直線をいう。さらに、前述の正規内圧とは、下記規格に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、標準リムとは、下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、"DESIGNRIM"、 "Recommended Rim")のことである。そして、規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められており、例えば、アメリカ合衆国では「The Tire and Rim Association Inc. のYear Book」が、欧州では「The European Tire and Rim Technical Organization の StandardsManual」が、日本では「日本自動車タイヤ協会のJATMA Year Book」が相当する。

0020

また、前述した内側サイド補強層35の半径方向外端35aと外側サイド補強層36の半径方向外端36aとは共に、ビードベースラインBから半径方向外側にタイヤ断面高さHの0.45〜0.60倍だけ離れた位置とすることが好ましい。その理由は、後述の試験例2から理解されるように、ビードベースラインBから半径方向外端35a、36aまでの半径方向距離E、Fをタイヤ断面高さHで除したE/HまたはF/Hの値のいずれかが0.45未満であったり、あるいは0.60を超えると、半径方向外端35a、36aに露出した補強コードの切断端に走行時に大きな歪みが与えられて亀裂が発生し易くなりタイヤ耐久性が若干低下してしまうが、前述の範囲内であると、前述のような亀裂を効果的に抑制することができ、タイヤ耐久性を向上させることができる。なお、前述の半径方向距離Lの値がタイヤ断面高さHの0.15倍を超える場合には、内側サイド補強層35の半径方向外端35aあるいは外側サイド補強層36の半径方向外端36aのいずれかがタイヤ断面高さHの0.45〜0.60倍の範囲外となり、前述のように亀裂が発生し易くなる。

0021

さらに、前記内側、外側サイド補強層35、36は共に、全体をカーカス層18の本体部18aの幅方向内側に密着配置したり、あるいは、全体をカーカス層18の本体部18aの幅方向外側に密着配置(半径方向内側部は本体部18aとフィラー22との間に位置)したり、また、半径方向外側部をカーカス層18の本体部18aの幅方向外側に密着配置する一方、半径方向内側部をカーカス層18の折返し部18bの幅方向内側に密着配置(フィラー22とカーカス層18の折返し部18bとの間に位置)したり、さらには、半径方向外側部をカーカス層18の本体部18aの幅方向外側に密着配置する一方、半径方向内側部をカーカス層18の折返し部18bの幅方向外側に密着配置することができるが、これらのいずれの場合にも、前述した直進走行、コーナリング走行時の操縦安定性の向上、および、直進走行時の操縦安定性のさらなる向上を図ることができる。

0022

ここで、この実施形態においては、前記内側、外側サイド補強層35、36全体を共にカーカス層18の本体部18aの幅方向外側に、間に部材を介在させることなく、直接密着させながら配置(半径方向内側部は前記本体部18aとフィラー22との間に位置)しているが、このようにすると、製造段階円筒状を呈するカーカス層の外側に帯状の内側、外側サイド補強層を供給して巻き付けるだけで内側、外側サイド補強層を成形することができるため、内側、外側サイド補強層35、36を有する空気入りタイヤ11の製造が容易となるとともに、走行時の変形が抑制されタイヤの耐久性を向上させることができる。

0023

また、この実施形態においては、前述のように内側サイド補強層35の半径方向外端35aを外側サイド補強層36の半径方向外端36aより半径方向外側に位置させることに加え、前記カーカス層18(複数枚のカーカスプライから構成されている場合には、最内側のカーカスプライとなるが、この実施形態では、1枚のカーカスプライ19から構成されているので、当該カーカスプライ19となる)のタイヤ赤道面Sからビードコア12の半径方向内端までのカーカス層18に沿った長さをカーカスペリフェリ長さPとしたとき、装着外側におけるカーカスペリフェリ長さPoを装着内側におけるカーカスペリフェリ長さPiより大としている。このように両者を組み合わせると、走行時に路面の凹凸によって空気入りタイヤ11に付与された振動リムへの伝達タイミングが装着内側と装着外側とで異なることになり、しかも、装着内側と装着外側とでサイドウォール部14の剛性が異なるため、装着内側と装着外側とで固有振動数に差が生じて共振が低下する。この結果、タイヤ振動がリム、車体を通じて乗員のに伝達されるロードノイズが低減され、走行時におけるタイヤ騒音を容易に低減させることができる。

0024

また、一般に、装着外側ではネガティブキャンバーによってトレッド部15の接地長が短くなっているが、前述のように装着外側のカーカスペリフェリ長さPoを装着内側のカーカスペリフェリ長さPiより大とすれば、装着外側での接地長が増大してコーナリング走行時の操縦安定性が向上する。そして、前述したカーカスペリフェリ長さPは、空気入りタイヤをタイヤ幅方向に切断した後、該幅方向断面上において、カーカス層(最内側カーカスプライ)とタイヤ赤道面Sとが交差する点から、前記カーカス層とビードコアの半径方向内端を通過しタイヤ回転軸線に平行な直線とが交差する点までの距離を、該カーカス層に沿って測定することで求めることができる。

0025

また、この実施形態では、前述のように装着外側におけるカーカスペリフェリ長さPoを装着内側におけるカーカスペリフェリ長さPiより大とするために、ビードベースラインBからタイヤ最大幅位置Wまでの半径方向距離を装着内側より装着外側で大とするとともに、タイヤ赤道面Sからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ半幅を装着内側より装着内側で大としている。なお、この発明においては、前述した構成のいずれか一方のみ、即ち、前者のみ、あるいは、後者のみによりPo>Piとしてもよい。ここで、タイヤ最大幅位置とは、空気入りタイヤを標準リムに装着するとともに、正規内圧を充填して無負荷状態としたときの該タイヤの幅方向断面内で、タイヤ赤道面Sに平行に引いた接線が、模様文字リムガードを除いたサイドウォール部外輪郭と接する位置をいう。

0026

そして、前記装着外側におけるカーカスペリフェリ長さPoは、装着内側におけるカーカスペリフェリ長さPiの1.010〜1.030倍の範囲内とすることが好ましい。その理由は、後述の試験例3から理解されるように、前記Po/Piの値が1.010未満または1.030を超えたときには、直進走行時における操縦安定性が若干低下するが、前述の範囲内とすれば、直進走行時における操縦安定性が有効に向上し、直進操安性と旋回操安性とのバランスを容易に適切なものとすることができる。なお、前記Po/Piの値が1.030を超えた場合に操縦安定性が若干低下する理由は、装着外側のトレッド部15が半径方向外側に張り出して該装着外側のトレッド部15が主に接地するようになるからである。

0027

さらに、この実施形態では、前記装着内側におけるトレッド部15のネガティブ率を、装着外側におけるトレッド部15のネガティブ率より大としている。このようにすれば、装着外側のトレッド部15における部面積が増大するため、コーナリング走行時の接地面積が増大し、これにより、コーナリング走行時の操縦安定性が容易に向上する。ここで、ネガティブ率とは、トレッド部15の単位面積を 100%としたとき、該単位面積内に位置する溝(主溝26、横溝27)の開口の合計面積パーセントで表した数値のことであり、数値が小さいほど陸部面積が広くなる。

0028

そして、前記トレッド部15に形成された溝(主溝26、横溝27)の開口部の合計面積をMとしたとき、装着外側のトレッド部15に形成された溝の開口部の合計面積Nを前記Mの0.29〜0.39倍の範囲内とする一方、装着内側のトレッド部15に形成された溝の開口部の合計面積Qを前記Mの0.71〜0.61倍の範囲内とすることが好ましい。その理由は、後述の試験例4から理解されるように、N/Mの値が装着外側で0.39を超える(装着内側ではQ/Mの値が0.61以下である)と、コーナリング走行時における操縦安定性の向上効果が充分ではなく、一方、N/Mの値が装着外側で0.29未満(装着内側ではQ/Mの値が0.71以上)であると、装着外側のトレッド部15における接地面積が減少して直進走行時における操縦安定性が若干低下するが、前述の範囲内であると、コーナリング走行時、直進走行時における操縦安定性を向上させることで、直進操安性と旋回操安性のバランスを容易に適切なものとすることができるからである。

0029

次に、試験例1について説明する。この試験に当たっては、装着外側にのみサイド補強層が配置された従来タイヤと、L/Hの値がそれぞれ0.004、0.008である比較タイヤ1、2と、L/Hの値がそれぞれ0.010、0.013、0.145である試験タイヤ1、2、3と、L/Hの値がそれぞれ0.160、0.170である比較タイヤ3、4とを準備した。ここで、ここで、前述した各タイヤのサイズは215/65R16であり、サイズが6.5J-16のリムに装着した。また、各タイヤにおける外側サイド補強層の半径方向外端、内端をそれぞれビードベースラインからタイヤ断面高さHの0.586倍、0.258倍だけ離すとともに、各タイヤ(従来タイヤを除く)における内側サイド補強層の半径方向内端をビードベースラインからタイヤ断面高さHの0.256倍だけ離している。さらに、試験タイヤ2における内側サイド補強層の半径方向外端はビードベースラインからタイヤ断面高さHの0.599倍だけ離しているが、従来タイヤ、試験タイヤ2を除く他のタイヤにおける内側サイド補強層の半径方向外端は試験タイヤ2の半径方向外端と前述した差分だけ高さ位置が異なっている。

0030

なお、各タイヤの外側、内側サイド補強層には、周方向に対して40度で傾斜したポリエチレンテレフタレートからなる補強コードが複数埋設されている。また各タイヤにおいて装着外側、装着内側に位置するフィラーの半径方向外端はそれぞれビードベースラインからタイヤ断面高さHの0.375倍、0.379倍だけ離れており、この結果、各タイヤの外側、内側サイド補強層(従来タイヤのみ内側サイド補強層は存在しない)の半径方向内端はフィラーの半径方向外端より半径方向内側に位置している。また、従来タイヤを除く各タイヤにおいては、ビードベースラインBからタイヤ最大幅位置Wまでの半径方向距離を装着内側より装着外側で大とするとともに、タイヤ赤道面Sからタイヤ最大幅位置Wまでのタイヤ半幅を装着内側より装着内側で大とすることで、装着外側におけるカーカスペリフェリ長さPoを装着内側におけるカーカスペリフェリ長さPiの1.018倍(Po/Pi=1.018)としている。なお、従来タイヤにおいては前記Po/Piの値は1である。さらに、従来タイヤを除く各タイヤのトレッド部に形成された溝開口部の合計面積をMとしたとき、装着外側、内側のトレッド部にそれぞれ形成された溝開口部の合計面積N、Qを前記Mの0.34、0.66倍としている。なお、従来タイヤにおいては前記N/MおよびQ/Mの値はいずれも0.50であった。

0031

次に、このような各タイヤを前記リムにリム組みした後、各タイヤに 250kPaの内圧ゲージ圧)を充填するとともに、2300ccクラスの国産乗用車の前、後輪全てに装着し、長い直線部分を含む周回路および緩やかなカーブの多いハンドリング評価路などからなるテストコース内を、低速から 100km/h程度までの速度域で走行し、直進走行時の操縦安定性(直進操安性)およびコーナリング走行時の操縦安定性(旋回操安性)を熟練したテストドラーバーにより10点満点でフィーリング評価した。また、前述の各タイヤに標準荷重(前記規格に記載されている適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重)を作用させながらドラム押付けるとともに、60km/hで該ドラム上を連続走行させて、外側または内側サイド補強層の半径方向外端に故障が発生したときの走行距離を測定し、試験タイヤ2の走行距離を指数100としてタイヤ耐久性を求めた。その結果を以下の表1に示すが、この表1から理解されるように、L/Hの値が0.01未満であると、直進走行時における操縦安定性の向上効果が充分ではなくなり、一方、L/Hの値が0.15を超えると、タイヤ耐久性が若干低下している。

0032

0033

次に、試験例2について説明する。この試験に当たっては、前述した試験タイヤ2と、E/Hの値がそれぞれ0.650、0.620である以外は前記試験タイヤ2と同一諸元である比較タイヤ5、6と、E/Hの値がそれぞれ0.600、0.450である以外は前記試験タイヤ2と同一諸元である試験タイヤ4、5と、F/Hの値がそれぞれ0.430、0.400である以外は前記試験タイヤ2と同一諸元である比較タイヤ7、8とを準備した。次に、前述した各タイヤに対し前述した耐久試験同一条件で耐久試験を施し、故障発生時の走行距離を試験タイヤ2の走行距離を指数100としてタイヤの耐久性を求めた。その結果を以下の表2に示すが、この表2から理解されるように、E/Hの値が0.60を超えたり、F/Hの値が0.45未満となると、タイヤ耐久性が若干低下している。

0034

0035

次に、試験例3について説明する。この試験に当たっては、前述した試験タイヤ2と、Po/Piの値がそれぞれ1.000、1.005である以外は試験タイヤ2と同一諸元である比較タイヤ9、10と、Po/Piの値が1.010、1.030である以外は試験タイヤ2と同一諸元である試験タイヤ6、7と、Po/Piの値が1.035、1.040である以外は試験タイヤ2と同一諸元である比較タイヤ11、12とを準備した。次に、前述した各タイヤに対し前述した走行試験と同一条件で走行試験を施し、直進操安性を求めた。その結果を以下の表3に示すが、この表3から理解されるように、Po/Piの値が1.010未満および1.030を超えると、直進走行時における操縦安定性が充分ではなくなる。

0036

0037

次に、試験例4について説明する。この試験に当たっては、前述した試験タイヤ2と、N/Mの値がそれぞれ0.45(Q/Mの値は0.55)、0.41(Q/Mの値は0.59)である以外は試験タイヤ2と同一諸元である比較タイヤ13、14と、N/Mの値がそれぞれ0.39(Q/Mの値は0.71)、0.29(Q/Mの値は0.81)である以外は試験タイヤ2と同一諸元である試験タイヤ8、9と、N/Mの値が0.27(Q/Mの値は0.73)、0.23(Q/Mの値は0.77)である以外は試験タイヤ2と同一諸元である比較タイヤ15、16とを準備した。

0038

次に、前述した各タイヤに対し前述した走行試験と同一条件で走行試験を施し、コーナリング走行時の旋回操安性および直進走行時の操縦安定性を求めた。その結果を以下の表4に示すが、この表4から理解されるように、装着外側でN/Mの値が0.39を超える(装着内側ではQ/Mの値が0.61以下である)と、コーナリング走行時における操縦安定性の向上効果が充分ではなくなり、一方、装着外側でN/Mの値が装着外側で0.29未満(装着内側ではQ/Mの値が0.71以上)となると、装着内側のトレッド部での接地面積が少なくなって直進走行時の操縦安定性が若干低下する。

実施例

0039

0040

この発明は、補強コードが埋設されたサイド補強層をサイドウォール部に配置した空気入りタイヤの産業分野に適用できる。

0041

11…空気入りタイヤ12…ビードコア
13…ビード部14…サイドウォール部
15…トレッド部 18…カーカス層
18a…本体部 18b…折返し部
22…フィラー22a…半径方向外端
31…サイド補強層35…内側サイド補強層
35a…半径方向外端 35b…半径方向内端
36…外側サイド補強層36a…半径方向外端
36b…半径方向内端

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