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技術 緑色系飲料及びその製造方法

出願人 株式会社伊藤園
発明者 佐藤貴彦矢作裕子叶英樹
出願日 2015年2月4日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-019943
公開日 2016年8月8日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2016-140325
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード 緑葉植物 品質劣化防止 緑色度 品質保持効果 直接殺菌 金属臭 大麦若葉粉末 制菌効果
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月8日)のものです。
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図面 (2)

課題

クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料を容器詰飲料とした場合であっても、褐変が抑制され、自然で鮮やかな緑色を保持しており、かつ沈殿や経時により生じる風味の変化などの品質劣化が抑制された緑色系飲料を提供する。

解決手段

クロロフィル含有植物を含有する緑色系飲料にデンプンを添加して容器詰飲料とすることにより、容器詰飲料として長期間保存した場合であっても自然で鮮やかな緑色を保持しており、かつ沈殿や経時により生じる風味の変化などの品質劣化が抑制された緑色系飲料を提供する。

概要

背景

近年の食生活の変化に伴い、現代人は野菜の摂取量が減少する傾向にある。そのような野菜不足を、野菜を搾して野菜飲料として手軽に摂取することで補う動きがある。また、緑黄色野菜の代わりに、所謂「青汁」の原料として使用されるケール大麦若葉小麦若葉、明日葉、クワ若葉などのクロロフィルを含有する緑葉植物が、食品素材として注目される傾向にある。これらの緑葉植物は食物繊維ビタミン類ミネラル類などを豊富に含み、健康食品素材として注目を浴びている。中でも大麦若葉は代表的な素材であり、大麦若葉や茎部微粉砕して得た液状の大麦若葉の青汁、大麦若葉や茎部をそのまま乾燥粉末化した大麦若葉乾燥粉末や、さらに搾汁を濃縮化あるいは乾燥粉末化して得られたペースト状のものや搾汁乾燥粉末など、多様な形態の緑葉植物含有食品が提案されている。しかしながら、乾燥粉末形態は、食物繊維が丸ごと入って健康に良い反面、飲用前に水に溶解させるなどの手間がかかる。また水に溶かしても繊維分ザラザラした食感となり、のど越しが悪いため飲用しにくいといった問題がある。一方で、緑葉植物を容器詰飲料にすると、野菜飲料のように手軽に摂取できるが、常温で保存した場合には、特有の鮮やかな緑色が保持できず、商業的販売には適さなかった。このような背景があり、特許文献1には青汁に金属イオンを添加した上でpHを調整し、直接殺菌することにより、鮮やかな緑色を保持しながらも青汁特有異臭を低減させた容器詰青汁の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、亜鉛を添加し、かつビタミン類を組み合わせることにより、鮮やかではあるが自然な緑色を保持する飲料が開示されている。しかしながら、金属の添加は健康志向消費者に敬遠される傾向にある他、金属臭の発生などの風味の悪化を伴う可能性があり、依然として改良の余地がある。

特開2009−165439号公報
特開2014−54200号公報

概要

クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料を容器詰飲料とした場合であっても、褐変が抑制され、自然で鮮やかな緑色を保持しており、かつ沈殿や経時により生じる風味の変化などの品質劣化が抑制された緑色系飲料を提供する。クロロフィル含有植物を含有する緑色系飲料にデンプンを添加して容器詰飲料とすることにより、容器詰飲料として長期間保存した場合であっても自然で鮮やかな緑色を保持しており、かつ沈殿や経時により生じる風味の変化などの品質劣化が抑制された緑色系飲料を提供する。なし

目的

そこで、本発明は、加熱殺菌を経て容器詰飲料とした場合であっても、金属を全く含有しないか、或いは金属を従来よりも少量しか含有しないにもかかわらず、褐変を低減させ、自然で鮮やかな緑色を保持し、かつ沈殿や風味の変化などの品質劣化を抑制させる緑色系飲料の緑色保持・向上方法、褐変が低減され、自然で鮮やかな緑色を保持し、かつ沈殿や風味の変化などの品質劣化が抑制されたクロロフィル含有植物を含む緑色系飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料であって、デンプンを含有することを特徴とする緑色系飲料。

請求項2

前記デンプンを0.5質量%以上4質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の緑色系飲料。

請求項3

前記デンプンが、コーンスターチ又はうるち米であることを特徴とする請求項1又は2に記載の緑色系飲料。

請求項4

さらに金属イオンを20ppm以下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の緑色系飲料。

請求項5

さらにビタミン類を5ppm以上500ppm以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の緑色系飲料。

請求項6

クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料の製造方法であって、デンプンを含有させることを特徴とする緑色系飲料の製造方法。

請求項7

前記デンプンを0.5質量%以上4質量%以下に調整することを特徴とする請求項6に記載の緑色系飲料の製造方法。

請求項8

前記デンプンが、コーンスターチ又はうるち米であることを特徴とする請求項6又は7に記載の緑色系飲料の製造方法。

請求項9

さらに金属イオンを20ppm以下配合することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。

請求項10

さらにビタミン類を5ppm以上500ppm以下配合することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。

請求項11

クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料の緑色保持方法であって、デンプンを含有させることを特徴とする緑色系飲料の緑色保持・向上方法

請求項12

前記デンプンを0.5質量%以上4質量%以下に調整することを特徴とする請求項11に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。

請求項13

前記デンプンが、コーンスターチ又はうるち米であることを特徴とする請求項11又は12に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。

請求項14

さらに金属イオンを20ppm以下配合することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。

請求項15

さらにビタミン類を5ppm以上500ppm以下配合することを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。

技術分野

0001

本発明は、加熱殺菌を経て容器詰飲料とした場合であっても、褐変が抑制され、自然で鮮やかな緑色を保持しており、かつ沈殿風味の変化などの品質劣化が抑制されたクロロフィル含有植物を含む緑色系飲料に関する。

背景技術

0002

近年の食生活の変化に伴い、現代人は野菜の摂取量が減少する傾向にある。そのような野菜不足を、野菜を搾して野菜飲料として手軽に摂取することで補う動きがある。また、緑黄色野菜の代わりに、所謂「青汁」の原料として使用されるケール大麦若葉小麦若葉、明日葉、クワ若葉などのクロロフィルを含有する緑葉植物が、食品素材として注目される傾向にある。これらの緑葉植物は食物繊維ビタミン類ミネラル類などを豊富に含み、健康食品素材として注目を浴びている。中でも大麦若葉は代表的な素材であり、大麦若葉や茎部微粉砕して得た液状の大麦若葉の青汁、大麦若葉や茎部をそのまま乾燥粉末化した大麦若葉乾燥粉末や、さらに搾汁を濃縮化あるいは乾燥粉末化して得られたペースト状のものや搾汁乾燥粉末など、多様な形態の緑葉植物含有食品が提案されている。しかしながら、乾燥粉末形態は、食物繊維が丸ごと入って健康に良い反面、飲用前に水に溶解させるなどの手間がかかる。また水に溶かしても繊維分ザラザラした食感となり、のど越しが悪いため飲用しにくいといった問題がある。一方で、緑葉植物を容器詰飲料にすると、野菜飲料のように手軽に摂取できるが、常温で保存した場合には、特有の鮮やかな緑色が保持できず、商業的販売には適さなかった。このような背景があり、特許文献1には青汁に金属イオンを添加した上でpHを調整し、直接殺菌することにより、鮮やかな緑色を保持しながらも青汁特有異臭を低減させた容器詰青汁の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、亜鉛を添加し、かつビタミン類を組み合わせることにより、鮮やかではあるが自然な緑色を保持する飲料が開示されている。しかしながら、金属の添加は健康志向消費者に敬遠される傾向にある他、金属臭の発生などの風味の悪化を伴う可能性があり、依然として改良の余地がある。

0003

特開2009−165439号公報
特開2014−54200号公報

発明が解決しようとする課題

0004

そこで、本発明は、加熱殺菌を経て容器詰飲料とした場合であっても、金属を全く含有しないか、或いは金属を従来よりも少量しか含有しないにもかかわらず、褐変を低減させ、自然で鮮やかな緑色を保持し、かつ沈殿や風味の変化などの品質劣化を抑制させる緑色系飲料の緑色保持・向上方法、褐変が低減され、自然で鮮やかな緑色を保持し、かつ沈殿や風味の変化などの品質劣化が抑制されたクロロフィル含有植物を含む緑色系飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、緑色系飲料にデンプンを含有させることにより、飛躍的な緑色向上効果及び緑色保持効果を有することを見出し、本発明を完成した。
より具体的には、本発明は以下のとおりである。

0006

(1)クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料であって、デンプンを含有することを特徴とする緑色系飲料。
(2)前記デンプンを0.5質量%以上4質量%以下含有することを特徴とする1に記載の緑色系飲料。
(3)前記デンプンが、コーンスターチ又はうるち米であることを特徴とする1又は2に記載の緑色系飲料。
(4)さらに金属イオンを20ppm以下含有することを特徴とする1〜3のいずれか一項に記載の緑色系飲料。
(5)さらにビタミン類を5ppm以上500ppm以下含有することを特徴とする1〜4のいずれか一項に記載の緑色系飲料。
(6)クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料の製造方法であって、デンプンを含有させることを特徴とする緑色系飲料の製造方法。
(7)前記デンプンを0.5質量%以上4質量%以下に調製することを特徴とする6に記載の緑色系飲料の製造方法。
(8)前記デンプンが、コーンスターチ又はうるち米であることを特徴とする6又は7に記載の緑色系飲料の製造方法。
(9)さらに金属イオンを20ppm以下配合することを特徴とする6〜8のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。
(10)さらにビタミン類を5ppm以上500ppm以下配合することを特徴とする6〜9のいずれか一項に記載の緑色系飲料の製造方法。
(11)クロロフィル含有植物を含む緑色系飲料の緑色保持方法であって、デンプンを含有させることを特徴とする緑色系飲料の緑色保持・向上方法。
(12)前記デンプンを0.5質量%以上4質量%以下に調製することを特徴とする11に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。
(13)前記デンプンが、コーンスターチ又はうるち米であることを特徴とする11又は12に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。
(14)さらに金属イオンを20ppm以下配合することを特徴とする11〜13のいずれか一項に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。
(15)さらにビタミン類を5ppm以上500ppm以下配合することを特徴とする11〜14のいずれか一項に記載の緑色系飲料の緑色保持・向上方法。

発明の効果

0007

本発明の緑色系飲料、その製造方法及び緑色系飲料の緑色保持・向上方法は、加熱殺菌を経て容器詰飲料とした場合であっても、金属を全く含有しないか、或いは従来と比較して金属を少量しか含有しないにもかかわらず、褐変が抑制され、自然で鮮やかな緑色となるうえ、その緑色が維持され、かつ沈殿や経時により生じる風味の変化などの品質劣化が抑制されたクロロフィル含有植物を含む緑色系飲料を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

試験例4において試験した実施例11〜15の液色写真を示す図である。
試験例5において試験した実施例16〜19の液色写真及び遠心処理後チューブ写真を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

0009

(緑色系飲料)
本発明において、緑色系飲料とは、クロロフィル含有植物を含むことにより、全体的に緑色系の液色を有する、緑色度(−a/b)が0.28以上の飲料であって、、紙、ペットボトルなどの通常用いられる容器充填されて流通される容器詰飲料を含むものである。

0010

(クロロフィル含有植物)
本発明の緑色系飲料及びその製造方法において、原料として用いられるクロロフィル含有植物とは、ケール、大麦若葉、小麦若葉、ブロッコリー抹茶などの茶粉砕物茶濃縮物或いは精製物を含む)、明日葉、クワ若葉、ホウレンソウモロヘイヤメキャベツなどの、主に緑葉(ブロッコリーに関しては部を含む)を可食部とする農作物(野菜)である。好ましくは大麦若葉、ブロッコリー、茶、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツ、ケール、最も好ましくは大麦若葉、ケール及び茶である。これらのうちの1種又は複数を組み合わせて使用してもよい。これらの原料は、搾汁液をそのまま使用しても良いが、好ましくは葉部、茎部、蕾部等の可食部をそのまま乾燥後、ミル及び臼等の機械的手法により粉末化したものや、同様に葉部、茎部、蕾部等の可食部を搾汁して、濃縮化あるいは乾燥粉末化して得られたペースト状のもの、搾汁乾燥粉末などを水等の溶媒に溶解させて用いることができる。分散性の観点から、ジェットミル等で破砕した粒径70μm以下が90%以上の乾燥粉末、好ましくは粒径50μm以下が90%以上の乾燥粉末を用いるとよい。本発明の緑色系飲料におけるクロロフィル含有植物の添加量は、0.5重量%以上10.0重量%以下、好ましくは0.6重量%以上5.0重量%以下、さらに好ましくは0.8重量%以上3.0重量%以下である。このうち、大麦若葉の含有量は、少なくとも0.5重量%以上2.0重量%以下、好ましくは0.7重量%以上1.6重量%以下とするのが好ましい。この範囲であると、期待される栄養成分を十分摂取することができ、かつ味覚上及び緑色保持の観点からも良好であるからである。

0011

(デンプン)
本発明の緑色系飲料は、デンプンを含有することを特徴とする。デンプンを含有させることにより、加熱殺菌を経て容器詰飲料とした場合に問題となる褐色化(褐変)が抑えられ、自然で鮮やかな明緑色に液色が向上し、かつその液色が保持され、そのうえ沈殿や風味の変化などの品質劣化が抑制されたクロロフィル含有植物を含む緑色系飲料となる。本発明において、デンプンは、緑色系飲料中に0.5質量%以上4.0質量%以下含有させる。デンプン含有量が0.5質量%未満では、そのような緑色保持効果を発揮したり、品質劣化を効果的に抑制することが困難となる一方、4.0質量%を超えると緑色系飲料本来の風味が変化したり、とろみが出てしまうなどの外観変化が生じることになる。好ましくは1.0質量%以上3.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以上2.5質量%以下含有する。この範囲で含有させることにより、容器詰飲料本来の風味やテクスチャーに大きな影響を与えることなく、褐変が抑制され、自然で鮮やかな緑色を保持し、品質の低下を防止することが可能となる。
デンプンは単一な物質でなく、α−1,4結合でグルコースが結合された直鎖状アミロースと、α−1,6結合を介した分枝構造を有するアミロペクチンとの混合物である。本発明に用いられるデンプンは、デンプン含有植物から抽出されたデンプンであり、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)、うるち米、もち米等の米、大麦小麦等の麦、デントコーンフリントコーンポップコーンワキシーコーン等のトウモロコシジャガイモサツマイモ等の根菜、くず、大豆エンドウ等の豆由来のデンプンを使用することが可能である。これらのデンプンは、湿熱処理やリン酸架橋処理などの加工条件に関わらず効果を発揮することができる。好ましくは、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)やウルチ米を使用する。これらとクロロフィル含有植物を共存させることにより、外観の褐色化が抑制され、美しい明緑色の液色を保持し、飲料成分の分散性等の品質面においても良好な効果を発揮するためである。最も好ましくは湿熱処理をしたコーンスターチを使用する。デンプンは、緑色植物を乾燥粉末として添加する場合と同等の粒径でこれらデンプンを飲料に直接配合することが好ましい。
デンプンはHPLCによる定量や、酵素法簡易比色定量等一般的に用いられる手法により測定可能である。

0012

(金属イオン)
本発明の緑色系飲料及びその製造方法においては、亜鉛等の金属イオンを飲料中に共存させてもよい。亜鉛等の金属イオンを添加することにより、緑色系飲料の緑色をさらに明るく鮮やかに発揮させ、保持することが可能となるからである。ここで、金属イオンとは、二価金属陽イオンを用いることができ、銅イオン亜鉛イオンマグネシウムイオン鉄イオンコバルトイオンニッケルイオン及びマンガンイオンから選択され、いずれを単独で、または組み合わせて添加してもよい。緑色保持の観点から、銅イオン及び亜鉛イオンが好ましく、とりわけ亜鉛イオンが光を照射した場合であっても最も効果的に緑色を保持し、好ましい。これらの金属イオンはグルコン酸塩硫酸塩、クエン酸塩等の水溶性塩の形態で添加することが好ましく、例えばグルコン酸銅等の銅塩類、グルコン酸亜鉛塩化亜鉛硫酸亜鉛等の亜鉛塩類を使用することが好ましい。また、亜鉛酵母銅酵母など、金属イオンを高濃度で含有する素材を使用してもよい。
添加量は、イオン量で20ppm以下とする。好ましくは0.5ppm以上18ppm以下、さらに好ましくは1ppm以上15ppm以下、最も好ましくは2ppm以上10.5ppm以下である。この範囲であると、飲料自体の風味に金属臭など悪影響を与えることなく、緑色系飲料特有の鮮やかではあるが、自然な緑色及び品質をさらに発揮させ、保持することが可能となる。
また、この金属イオン含有範囲であれば、厚生労働省栄養機能食品において規定している、一日当りの亜鉛摂取目安量上限値が15mgであるところ、該亜鉛上限値は本発明の緑色系飲料750mL分に相当するものである。したがって、本発明の200mL容器詰飲料を一日に3回飲用したとしても該上限値を超過することがなく、乳幼児小児も安全に飲用可能な飲料であると言える。
金属イオンの添加は緑色系飲料が容器に充填されるまでに行えば特に問題ないが、早い段階で添加する方が緑色系飲料特有の鮮やかな緑色を保持することができる。

0013

(ビタミン類)
本発明者らは、さらに好ましくは、デンプンに加えて緑色系飲料中にビタミン類を含有させることにより、それぞれを単独で添加した場合と比較して、相乗的に良好な経時劣化抑制効果、緑色保持効果及び品質保持効果を得ることを見出した。
本発明におけるビタミン類とは、水溶性及び油溶性の別、並びに天然及び合成の別を問わず、ビタミン製剤として用いられるあらゆるものが包含される。例えば天然の水溶性ビタミンとしては、ビタミンB1、B2、B3、B6、B12、ナイアシンパントテン酸ビオチン葉酸リポ酸イノシトールビタミンCビタミンP等を例示することができる。また、脂溶性ビタミン油溶性ビタミン)は、ビタミンAビタミンDビタミンEビタミンK等を例示することができる。また、これらビタミン類は合成されたものでもよく、また飲料に含有されるビタミンは単独でも上記ビタミン類が複数含有されたものであってもよいが、本発明の飲料に添加される好ましいビタミン類は、脂溶性ビタミンである。さらに好ましくは、ビタミンA及び/又はビタミンE、最も好ましくはビタミンEが、デンプン及び/又は金属イオンと共存した場合に、最も緑色保持効果及び経時による品質劣化防止効果を発揮する。効果を発揮するビタミン類の含有量は、それぞれの有効量にもよるが、5ppm以上500ppm以下である。好ましくは10ppm以上450ppm以下、さらに好ましくは12ppm以上400ppm以下、最も好ましくは20ppm以上300ppm以下であると、より相乗的に良好な経時劣化抑制効果、緑色保持効果及び品質保持効果を発揮することが可能となる。

0014

(pH)
本発明の緑色系飲料において、最終製品のpHは、5.0以上8.0未満とする。この範囲に調整することにより、緑色の退色を抑制し、亜鉛等の金属イオンを含有させた場合であっても、酸味塩味を生じさせることなく、緑色系飲料本来の風味を維持することが可能となる。好ましくは5.3以上7.5以下、より好ましくは5.6以上7.0以下、さらに好ましくは5.8以上6.6以下に調整することにより、品質を安定し、緑色系飲料特有の鮮やかな緑色をさらに安定的に保持することができる。pHの調整は、重曹を添加する等の一般的な方法に基づいて行うことができる。

0015

殺菌方法
本発明の緑色系飲料を、容器詰飲料として流通させるためには、食品衛生法に定められた殺菌条件で製造させる必要がある。殺菌方法には、レトルト殺菌等の間接殺菌と飲料に高温蒸気封入する直接殺菌とがあるが、本発明における緑色系飲料の殺菌方法は間接殺菌及び直接殺菌のいずれも採用することができる。
間接殺菌の場合は、業界で公知の手法により行うことができる。例えば、プレート式ヒーターチューブ式ヒーター等の加熱殺菌装置を用い、85〜150℃の温度下に、10〜60秒間保持して加熱殺菌を行い、その後、常法にしたがって容器に充填する。
直接殺菌は野菜飲料にはほとんど用いられない方法であるが、熱履歴を間接殺菌よりも短くすることができ、好ましい。直接殺菌は100〜160℃、好ましくは120〜150℃で1〜60秒、好ましくは2〜30秒処理すると、殺菌しながらもクロロフィル含有植物特有の異臭を十分に低減させることができる。その他、高圧殺菌等の熱履歴が少ない殺菌方法を行っても良い。また、乳化剤等による制菌効果を利用しても良い。さらに、これらの殺菌及び制菌方法を併用して、殺菌を行っても良い。

0016

(緑色度)
緑色系飲料の色調は、褐変が抑制され、自然な明緑色であることが好ましい。本発明の緑色系飲料において、液色の緑色度は−a/bで表すことができる。a及びbは色調(L,a,b)の値であり、市販の一般的な機器を用いて緑色系飲料を測定することができる。−a/bは1に近いほど鮮やかな緑色であることを示す。しかしながら、−a/bと、製品として好ましい緑色系飲料の緑色とは必ずしも相関しない。なぜなら、過度に鮮やかな緑色は、消費者に人工的な印象を与えることになり、受け入れられにくいためである。したがって、本発明の緑色系飲料においては、緑色を−a/bとパネラーによる目視で評価するものとする。−a/bにおいて、人工的な印象を与えることなく、「自然な緑色」と言える、許容可能な範囲は、0.28以上0.85以下、好ましくは0.62〜0.84、さらに好ましくは0.7以上0.83以下である。

0017

本発明の緑色系飲料及びその製造方法においては、牛乳などの乳飲料豆乳飲料果汁果実飲料コーヒー飲料烏龍茶飲料緑茶飲料紅茶飲料麦茶飲料、野菜飲料、雑穀茶飲料等の他の飲料と組み合わせることで、幅広い範囲の飲料を提供することが可能である。例えばソフトドリンクである炭酸飲料果実エキス入り飲料、野菜エキス入りジュースや、ニアウォータースポーツ飲料ダイエット飲料等に適宜添加することもできる。また、消費者の嗜好にあわせて茶葉微粉末のような不溶性化合物を、あえて懸濁させた形態も使用できる。さらに、該成分の摂取について携帯性保存性を考慮に入れた場合、該当成分を含有させた粉末飲料や、該当成分を利用者自らの操作による浸出により飲用が可能となるような食品とすることもできる。

0018

飲料には、処方上添加して良い成分として、酸化防止剤香料、各種エステル類有機酸類有機酸塩類無機酸類無機酸塩類、無機塩類色素類、乳化剤、保存料調味料甘味料酸味料果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独、又は併用して配合しても良い。

0019

飲料を容器詰飲料にする場合、使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶金属箔プラスチックフィルム複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。

0020

以下に、本発明の実施の態様について実施例をあげて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。

0021

<成分の測定方法
(pHの測定方法)
堀場製作所F−52型・卓上pHメーターにて品温20度にて測定した。
(粘度の測定方法)
TVB−10型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、回転数60rpm及び30秒の条件下で、粘度を測定した(表中の数値は、3回の平均値である)。
(色調L、a、bの測定方法)
色差計(日本電色工業(株)製、SE2000)を用いて、反射光にてL値、a値、b値を測定することにより行った。

0022

(試験1:デンプンの緑色保持効果)
緑色系飲料にデンプンを含有させた場合の緑色保持効果について試験を行った。
大麦若葉の生葉収穫後、乾燥させてジェットミルで粉砕し、粒径43μm以下が90%以上の大麦若葉粉末とした。水100gに大麦若葉粉末を1.3重量%の割合で添加した。その後デンプン(湿熱処理コーンスターチ:三和澱粉工業株式会社製デリカスターH−200)を表1に記載の濃度(質量%又はppm)で添加し、さらに炭酸水素ナトリウムを添加することにより、それらの最終製品pHを7.0に調整してサンプルを作製した。これらのサンプルを缶容器に充填し、121℃40分にわたって加熱処理を行った。

0023

これらのサンプルについて、10人のパネラーが外観の液色(緑色度)について目視評価し、◎:極めて良好、○:良好、△:許容範囲、×:問題あり、として示した。最も多かった評価を表1に示す。表1に示されているとおり、デンプン不添加のサンプルでは褐変がひどく−a/bが0.2未満であるうえ、目視評価においても問題ありと判断された。一方で、デンプンを添加したサンプルについては褐変が抑制され緑色を保持していたため−a/bが0.3を超え、目視評価においても許容範囲と判断され、風味も良好であった。

0024

0025

(試験例2:デンプン、金属及びビタミン類の組み合わせによる緑色保持相乗効果
デンプンを含有する緑色系飲料に金属イオン及び/又はビタミン類を含有させた場合の緑色保持相乗効果について試験を行った。
大麦若葉の生葉を収穫後、乾燥させてジェットミルで粉砕し、粒径43μm以下が90%以上の大麦若葉粉末とした。水100gに大麦若葉粉末を1.3重量%の割合で添加した。その後デンプン(湿熱処理コーンスターチ:三和澱粉工業株式会社製デリカスターH−200)、金属としてグルコン酸亜鉛及びビタミン類としてビタミンEを表2に記載の濃度(ppm)で添加し、さらに炭酸水素ナトリウムを添加することにより、それらの最終製品pHを7.0に調整してサンプルを作製した。これらのサンプルを缶容器に充填し、121℃40分にわたって加熱処理を行った。これらのサンプルについて、試験例1と同様に評価した。

0026

結果は表2に示されているとおり、亜鉛不添加のサンプルは、−a/bが0.285であり、目視評価においては許容範囲と判断された。一方で、金属を添加したサンプルについては−a/bが0.8を超え、目視評価においても極めて良好と判断され、分散性も良好であり、風味も良好であった。さらにビタミン類を添加することで−a/bがさらに向上し、分散性及び風味も良好であった。以上より、本発明の緑色飲料においては、デンプンに金属が組み合わされて含有されることが好ましく、さらにビタミン類が含有されることが好ましい。

0027

0028

(試験例3:デンプン濃度と緑色保持効果との関係)
緑色系飲料におけるデンプン濃度と緑色保持効果との関係について試験を行った。
大麦若葉の生葉を収穫後、乾燥させてジェットミルで粉砕し、粒径43μm以下が90%以上の大麦若葉粉末とした。水100gに大麦若葉粉末を1.3重量%の割合で添加した。その後デンプン(湿熱処理コーンスターチ:三和澱粉工業株式会社製デリカスターH−200)、増粘多糖類(三栄源FFI株式会社製サンアーティストPN)、金属としてグルコン酸亜鉛及びビタミン類としてビタミンEを表3に記載の濃度(質量%及びppm)で添加し、さらに炭酸水素ナトリウムを添加することにより、それらの最終製品pHを7.0に調整してサンプルを作製した。これらのサンプルを缶容器に充填し、121℃40分にわたって加熱処理を行った。これらのサンプルについて、試験例1と同様に評価した。

0029

結果は表3に示されているとおり、デンプン含有量1質量%のサンプルでは、−a/bが0.611であり、目視評価においては良好(〇)に近い許容範囲と判断された。その後、デンプン含有量が増加するほど−a/bが上昇し、デンプン含有量2.5質量%のサンプル目視評価において目視評価が極めて良好と判断され、風味も良好であった。デンプン含有量が4質量%を超過すると、色調L、a、bの測定が困難になる程度の粘性が生じ、飲料として好ましくない状態となった。以上より、緑色系飲料中のデンプン含有量は0.5質量%以上4.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以上3.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以上2.5質量%以下が適当と考えられる。

0030

0031

(試験例4:デンプンの種類と緑色保持効果との関係1)
緑色系飲料におけるデンプン濃度と緑色保持効果との関係について試験を行った。
大麦若葉の生葉を収穫後、乾燥させてジェットミルで粉砕し、粒径43μm以下が90%以上の大麦若葉粉末とした。水100gに大麦若葉粉末を1.3重量%の割合で添加した。その後各種デンプン(馬鈴薯:三和澱粉株式会社製馬鈴薯澱粉、くず粉:株式会社井上天極堂製天極吉野本葛別製品粉末、もち米:上越スターチ株式会社製モチールB、うるち米:上越スターチ株式会社製ファインスノウ、湿熱処理コーンスターチ:三和澱粉工業株式会社製デリカスターH−200)、金属としてグルコン酸亜鉛及びビタミン類としてビタミンEを表4に記載の濃度(ppm)で添加し、さらに炭酸水素ナトリウムを添加することにより、それらの最終製品pHを7.0に調整してサンプルを作製した。これらのサンプルを缶容器に充填し、121℃40分にわたって加熱処理を行った。これらのサンプルについて、試験例1と同様に評価した。

0032

表4に示されているとおり、馬鈴薯、くず粉及びもち米については、−a/bが0.5〜0.6の範囲にあり、目視評価においては許容範囲と判断された。一方で、うるち米を添加したサンプルについては−a/bが0.7付近となり、目視評価においても良好と判断され、風味も良好であった。実施例11〜15の液色写真を図1に示す。さらに湿熱処理コーンスターチでは−a/bがさらに向上し、目視評価においては極めて良好と判断され、風味も良好であった。以上より、本発明の緑色飲料においては、デンプンの中でもうるち米及び/又は湿熱処理コーンスターチを含有させることが好ましく、湿熱処理コーンスターチが最も好ましいと言える。

0033

0034

(試験例5:デンプンの種類と緑色保持効果との関係2)
緑色系飲料におけるデンプンの種類と緑色保持効果との関係について試験を行った。
大麦若葉の生葉を収穫後、乾燥させてジェットミルで粉砕し、粒径43μm以下が90%以上の大麦若葉粉末とした。水100gに大麦若葉粉末を1.3重量%の割合で添加した。その後各種デンプン(うるち米:上越スターチ株式会社製ファインスノウ、リン酸架橋うるち米:上越スターチ株式会社製アドバンススノウP、湿熱処理コーンスターチ:三和澱粉工業株式会社製デリカスターH−200、未処理コーンスターチ:三和澱粉株式会社製コーンスターチY)、グルコン酸亜鉛及びビタミンEを表5に記載の濃度(ppm)で添加し、さらに炭酸水素ナトリウムを添加することにより、それらの最終製品pHを7.0に調整してサンプルを作製した。これらのサンプルを缶容器に充填し、121℃40分にわたって加熱処理を行った。これらのサンプルについて、試験例1と同様に評価した。

0035

表5に示されているとおり、試験例4において高評価であったうるち米及びコーンスターチにおいては、湿熱処理やリン酸架橋の処理の有無に関わらず安定的に高い−a/b値及び良好な目視評価を有していた。
実施例16〜19の液色写真及び毎秒3000回転で10分遠心処理をしたチューブ写真を図2に示す。デンプンとして未処理のうるち米及び湿熱処理コーンスターチを添加した実施例16及び実施例19は、遠心処理後であっても青汁が均一に分散しており、分散性が高く風味が良好で、より品質の良好な緑色系飲料となった。

0036

0037

本発明の緑色系飲料は、クロロフィル含有植物を含有する緑色系飲料を容器詰飲料とした場合であっても、褐変が抑制され、自然で鮮やかな明緑色を保持しており、かつ経時により生じる沈殿や風味の変化などの品質劣化が抑制された緑色系飲料を提供することができる。

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