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技術 通信システム,通信装置,無線端末

出願人 富士通株式会社
発明者 菊月達也
出願日 2015年1月28日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-013935
公開日 2016年8月4日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2016-139946
状態 特許登録済
技術分野 移動無線通信システム
主要キーワード 発生要件 CW値 主要パラメータ 衝突制御 算出要求 累積分布関数 キャリア感知 最低レート
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図面 (20)

課題

或る無線端末からのデータ送信の終了前に他の無線端末がデータ送信を開始することで生じる衝突を回避する。

解決手段

通信装置へデータを送信するキャリア共用する3以上の無線端末の夫々は、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時にキャリアのキャリアセンスを行い、キャリアが検出されない場合に記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後にデータを送信し、キャリアが検出されている間は初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、記憶装置が無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる、及び任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる、を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する。

概要

背景

同一の周波数を複数の無線端末共有するためのアクセス制御方法の一つとして、Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance(CSMA/CA:衝突回避機能付きキャリア感知多重アクセス方式)がある。

無線端末は、送信対象のデータが発生すると、無線チャネル使用状況を確認し(キャリアセンス)、キャリアが受信されない場合にデータの送信を決定する。これにより、衝突が回避される。さらに、バックオフアルゴリズムによって衝突の確率を低減する。バックオフアルゴリズムは以下のとおりである。無線端末は、キャリアが受信されない場合には、バックオフ値と呼ばれるランダム整数を選択する。無線端末は、固定時間の経過に伴いバックオフ値を減算し、バックオフ値がになったときに送信を行う。

概要

或る無線端末からのデータ送信の終了前に他の無線端末がデータ送信を開始することで生じる衝突を回避する。通信装置へデータを送信するキャリアを共用する3以上の無線端末の夫々は、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時にキャリアのキャリアセンスを行い、キャリアが検出されない場合に記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後にデータを送信し、キャリアが検出されている間は初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、記憶装置が無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる、及び任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる、を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する。

目的

本発明の一態様は、或る無線端末からのデータ送信の終了前に他の無線端末がデータ送信を開始することで生じる衝突を回避し得る技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

通信装置へデータを送信するキャリア共用する3以上の無線端末を含み、前記3以上の無線端末の夫々は、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に前記記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、前記記憶装置が以下の条件及びを満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する、通信ステム。(1)無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項2

前記記憶装置は、前記初期バックオフ値の一つとして以下の式を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する、請求項1に記載の通信システム。式:(初期バックオフ値の最小値)≧(初期バックオフ値の最大値と初期バックオフ値の最小値との差)

請求項3

前記記憶装置は、前記初期バックオフ値の一つとして奇数の初期バックオフ値を記憶する請求項1に記載の通信システム。

請求項4

通信装置へデータを送信するキャリアを共用し、且つ夫々が複数のグループのいずれかに属する複数の無線端末を含み、前記複数の無線端末の夫々は、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に前記記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、前記記憶装置が以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する、通信システム。(1)各グループの無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)前記複数のグループから任意に選択された第1グループから任意に選択される2つの初期バックオフ値の差が前記複数のグループから任意に選択された第2グループから選択される1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項5

前記記憶装置は、前記初期バックオフ値の一つとして以下の式を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する、請求項4に記載の通信システム。式:(第2グループの初期バックオフ値の最小値)>(第1グループの最大バックオフ値と最小バックオフ値との差)

請求項6

前記記憶装置は、前記初期バックオフ値の一つとして奇数の初期バックオフ値を記憶する請求項4に記載の通信システム。

請求項7

前記複数のグループの夫々に同時期に前記通信装置へ送信するデータを生成し得る3以上の無線端末が属する請求項4から6のいずれか一項に記載の通信システム。

請求項8

送信用のキャリアを共用し、且つ夫々がデータの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する複数の無線端末から夫々送信されるデータを受信する通信装置であって、前記複数の無線端末へ通知する複数の初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、前記複数の無線端末の夫々へ対応する初期バックオフ値を送信する処理を行う制御装置とを含み、前記記憶装置は、前記複数の初期バックオフ値として以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値を記憶する、通信装置。(1)無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項9

前記制御装置は、前記条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値を算出し前記記憶装置に記憶する請求項8に記載の通信装置。

請求項10

送信用のキャリアを共用し、且つ夫々が複数のグループのいずれか1つに属し、且つ夫々がデータの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する複数の無線端末から夫々送信されるデータを受信する通信装置であって、前記複数の無線端末へ通知する複数の初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、前記複数の無線端末の夫々へ対応する初期バックオフ値を送信する処理を行う制御装置とを含み、前記記憶装置は、前記複数の初期バックオフ値として以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値を記憶する通信装置。(1)各グループの無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)前記複数のグループから任意に選択された第1グループから任意に選択される2つの初期バックオフ値の差が前記複数のグループから任意に選択された1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項11

前記制御装置は、前記条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値を算出し前記記憶装置に記憶する請求項10に記載の通信装置。

請求項12

通信装置へデータを送信するキャリアを共用し、夫々が複数のグループのいずれかに属する複数の無線端末の一つである無線端末であって、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に前記記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、前記記憶装置は、前記複数の無線端末に設定される複数の初期バックオフ値であって以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する、無線端末。(1)無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項13

通信装置へデータを送信するキャリアを共用する複数の無線端末であって、夫々が複数のグループのいずれかに属する複数の無線端末を含み、前記複数の無線端末の夫々は、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に前記記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、前記記憶装置は、前記複数の無線端末の夫々に設定される複数の初期バックオフ値であって以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶する、無線端末。(1)各グループの無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)前記複数のグループから任意に選択された第1グループから任意に選択される2つの初期バックオフ値の差が前記複数のグループから任意に選択された第2グループから任意に選択される1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項14

通信装置へデータを送信するキャリアを共用する3以上の無線端末を含む通信システムの衝突制御方法であって、前記3以上の無線端末の夫々が、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する、ことを含み、前記初期バックオフ値として、以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値の一つを使用する、通信システムの衝突制御方法。(1)無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる。

請求項15

通信装置へデータを送信するキャリアを共用し、且つ夫々が複数のグループのいずれかに属する複数の無線端末を含む通信システムの衝突制御方法であって、前記複数の無線端末の夫々が、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に前記記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する、ことを含み、前記初期バックオフとして以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値の一つを使用する、通信システムの衝突制御方法。(1)各グループの無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。(2)前記複数のグループから任意に選択された第1グループから任意に選択される2つの初期バックオフ値の差が前記複数のグループから任意に選択された第2グループから選択される1つの初期バックオフ値と異なる。

技術分野

0001

本発明は、通信ステム通信装置無線端末に関する。

背景技術

0002

同一の周波数を複数の無線端末が共有するためのアクセス制御方法の一つとして、Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance(CSMA/CA:衝突回避機能付きキャリア感知多重アクセス方式)がある。

0003

無線端末は、送信対象のデータが発生すると、無線チャネル使用状況を確認し(キャリアセンス)、キャリアが受信されない場合にデータの送信を決定する。これにより、衝突が回避される。さらに、バックオフアルゴリズムによって衝突の確率を低減する。バックオフアルゴリズムは以下のとおりである。無線端末は、キャリアが受信されない場合には、バックオフ値と呼ばれるランダム整数を選択する。無線端末は、固定時間の経過に伴いバックオフ値を減算し、バックオフ値がになったときに送信を行う。

先行技術

0004

特開2013−98787号公報
特開2013−255143号公報
特表2013−520103号公報

発明が解決しようとする課題

0005

例えば、CSMA/CAで動作する複数の無線端末のそれぞれで発生したデータを通信装置で収集するシステムがある。このようなシステムでは、各無線端末は、バックオフアルゴリズムを用いて、他の無線端末と衝突しないようにデータを送信する。但し、無線端末間で使用される初期バックオフ値が一定の確率で同一になってしまうため、データが同時に発生した場合に衝突が頻発し、通信遅延が増大する問題があった。

0006

例えば、各無線端末が温度センサを備え、所定値以上の温度が測定されたときに通信装置へ報告すると仮定する。このようなケースにおいて、何らかの要因環境温度が上昇し、一時に複数の無線端末で所定値以上の温度が測定されることがあり得る。この場合、各無線端末が一斉に報告を送信しようとする。このとき、バックオフアルゴリズムが使用されても、初期バックオフ値が同一である無線端末間で衝突が発生し、報告が遅延する場合があった。

0007

或いは、上記システムにおいて、光センサを夫々含んだ複数の無線端末を用意し、各無線端末が所定波長の光を検知したときに報告を通信装置へ送信するシステムを仮定する。このようなケースにおいて、複数の光センサ(無線端末)で同時に所定波長の光が検知された場合には、各無線端末が報告を通信装置へ送信しようとする。このような場合でも、バックオフアルゴリズムの使用に拘わらず、初期バックオフ値が同一である無線端末間で衝突が発生し、遅延が生じる場合があった。

0008

この問題に鑑み、例えば、初期バックオフ値を無線端末間で異なる値に設定する方法がある。しかしながら、この方法では、或る無線端末からのデータ送信が終了する前に他の無線端末がバックオフ時間の満了に伴いデータ送信を開始し、衝突が発生するおそれがあった。

0009

本発明の一態様は、或る無線端末からのデータ送信の終了前に他の無線端末がデータ送信を開始することで生じる衝突を回避し得る技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の一態様は、通信装置へデータを送信するキャリアを共用する3以上の無線端末を含む通信システムである。当該通信システムにおける3以上の無線端末の夫々は、初期バックオフ値を記憶する記憶装置と、データの送信時に前記キャリアのキャリアセンスを行い、前記キャリアが検出されない場合に前記記憶装置に記憶された初期バックオフ値に基づく時間の満了後に前記データを送信し、前記キャリアが検出されている間は前記初期バックオフ値に基づく時間の計時を待機する制御装置を含み、前記記憶装置が以下の条件(1)及び(2)を満たす複数の初期バックオフ値の一つを記憶することを特徴とする。(1)無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。
(2)任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる。

発明の効果

0011

本発明の一態様によれば、或る無線端末からのデータ送信の終了前に他の無線端末がデータ送信を開始することで生じる衝突を回避することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、CSMA/CAの説明図である。
図2は、複数のノードで同時にデータが発生したときの通信遅延を示すグラフである。
図3は、衝突回避のための関連技術1が実施される場合のグラフを示す。
図4は、関連技術1の問題点の説明図である。
図5は、関連技術1について、或るノードのデータ送信終了前に他のノードでデータを発生させた場合のシミュレーションの結果を示す。
図6は、実施形態1に係る通信システムの一例を示す。
図7は、実施形態1に係る初期バックオフ値の第1の設定方法(設定方法1)の説明図である。
図8は、実施形態1に係る初期バックオフ値の第2の設定方法(設定方法2)の説明図である。
図9は、関連技術1(比較例),設定方法1,設定方法2のシミュレーションの結果を示す。
図10は、実施形態2における通信システムの構成例を示す。
図11は、実施形態2に係る第3の初期バックオフ値の設定方法(設定方法3)を用いた初期バックオフ値の設定方法の一例を示す。
図12は、実施形態2に係る初期バックオフ値の第4の設定方法(設定方法4)の説明図である。
図13は、ノードとして動作する情報処理装置コンピュータ)の構成例を示す。
図14は、Hubとして動作する情報処理装置(コンピュータ)40の構成例を示す。
図15は、ノードで行われる処理の例を示すフローチャートである。
図16は、Hubの第1の構成例(Hub構成例1)を模式的に示す図である。
図17は、ノードの第1の構成例(ノード構成例1)を模式的に示す図である。
図18は、初期バックオフ値の算出処理の例を示すフローチャートである。
図19は、Hubの第2の構成例(Hub構成例2)を模式的に示す図である。
図20は、Hubの第3の構成例(Hub構成例3)を模式的に示す図である。
図21は、ノードの第2の構成例(ノード構成例2)を模式的に示す図である。

実施例

0013

以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。

0014

〔関連技術〕
以下、実施形態の関連技術について説明する。図1は、CSMA/CAの説明図である。図1において、無線端末(ノードも呼ぶ)は、無線端末内で発生したデータを通信装置に送信し、通信装置が複数の無線端末(ノード1,ノード2,ノード3)からデータを収集する通信システムを示している。通信装置は、Hub(ハブ),基地局,情報処理装置(コンピュータ)のような様々な無線通信機能を有する通信機器を適用できる。以下の説明では、一例として、通信装置をHubと表記する。

0015

図1には、ノード1,ノード2,及びノード3にてほぼ同時にデータが発生した場合に、各ノードがバックオフアルゴリズムによって衝突を回避する状況を図示する。図1に示す例では、ノード1は初期バックオフ値(バックオフの初期値)として“1”を選択し、ノード2は初期バックオフ値として“3”を選択し、ノード3は初期バックオフ値として“3”を選択する場合を仮定する。

0016

図1において、ノード1〜3の夫々は、データの発生を検知すると、所定の固定時間(バックオフ値が1つ減算される時間)が経過する毎にバックオフ値を減算し、バックオフ値が零になると、データの送信を開始する。

0017

ノード1では、1回の固定時間が経過すると、バックオフ値が零になるので、Hubへのデータ送信を開始する。これにより、ノード2及びノード3の夫々で、ノード1からの電波(キャリア)が検出される。このとき、ノード1及びノード3の夫々は、バックオフ値の減算のための計時を中断(待機)する。

0018

ノード1からのデータ送信の終了によって、ノード2及びノード3でノード1からのキャリアが検知されなくなると、ノード2及びノード3は、バックオフ値の減算処理再開する。ノード2及びノード3の初期バックオフ値は共に“3”であるので、ノード2及びノード3は、ほぼ同時にデータ送信を開始する。これにより衝突が発生する。

0019

ノード2及びノード3は、衝突を検知すると、ランダム値からの選択によってバックオフ値の再設定を実行する。図1の例では、ノード2はバックオフ値“5”を再設定し、ノード3はバックオフ値“7”を再設定する。これによって、ノード2及びノード3は、衝突なくデータをHubに送ることができる。

0020

しかしながら、衝突によって、ノード2及びノード3からのデータ送信に遅延が発生する。ノード1〜3においてデータがほぼ同時に発生している場合には、Hubでは、各ノード1〜3からのデータを同時期に発生したデータとして扱うのが好ましい場合がある。このため、通信遅延が生じると、Hubがノード1〜ノード3からのデータを纏めて処理した結果を得るタイミングが遅延するおそれがあった。或いは、データ到着遅れによっ
てHubがデータの発生時期誤認識するおそれがあった。

0021

複数のノード間で同時にデータが発生すると、ノード間の輻輳によって通信遅延が増大する。図2は、シミュレーションにより得た、複数のノードで同時にデータが発生したときの通信遅延を示すグラフである。図2に示すグラフは、複数のノードで同時に発生した各データが送信先(例えばHub)に到達するまでの通信遅延(累積分布関数(Cumulative Distribution Function:CDF):99%)をノード数に応じてプロットしたものである。

0022

シミュレーションにおける主要パラメータは以下の通りである。すなわち、IEEE802.15.6の2.4GHz帯が使用され、送信レート最低レートの121.4kbpsであり、UP(User Priority)は最低値のUP=0である。UP値コンテンショ
ウィンドウ最小値や増加の度合いに影響するパラメータである。バックオフ単位(固定時間)は、145μsecであり、20バイト送信時のパケット長は3218μsecである。コンテンションウィンドウ(CW)は、最小16で、輻輳(衝突)検知の度に倍に設定される。但し、CWの最大値は64である。CWは、バックオフ値の再設定に用いられる乱数の範囲を示す。

0023

上記したCW値衝突検知の度に倍に設定されることで、衝突の可能性は低減される。しかし、バックオフ時間が長時間化するため、遅延時間が増大する。図2実線のプロットは、各ノードが初期バックオフ値をランダムに選択する場合において、同時にデータが発生するノード数に応じて通信遅延が増大する様子を示す。図2破線グラフは、理想(衝突無し)の場合を示す。

0024

通常の衝突制御の問題に鑑み、関連技術の一つとして、バックオフ値の初期値をノード間で異なる固定値に設定する方法(「関連技術1」という)がある。図3は、関連技術1が実施される場合のグラフを示す。図3中のグラフBが関連技術1が適用された場合を示し、グラフAは、対策無し(図2の実線グラフ)を示す。図3のグラフに係る主要パラメータ値は、図2と同じである。

0025

図4は、関連技術1の問題点の説明図である。図4において、Hubにデータを送信する複数のノードとしてノード1〜4がある。ノード1〜4の初期バックオフ値は、関連技術1に基づき、相互に異なる固定値に設定されている。図4の例では、ノード1の初期バックオフ値は“1”であり、ノード2の初期バックオフ値は“2”であり、ノード3の初期バックオフ値は“3”であり、ノード4の初期バックオフ値は“4”である。

0026

図4は、ノード2〜4において、同時にデータ発生した場合が示されている。このとき、ノード2〜4の初期バックオフ値は相互に異なっているので、衝突なくデータを送信できる筈である。ところが、ノード4のデータ送信が終了する前に、ノード1でデータが発生すると、ノード1の初期バックオフ値は、ノード4の初期バックオフ値より小さいため、衝突が発生する。なお、図4の例では、データを含んだパケットの送信中にデータが発生する(パケット長>>バックオフ時間)と仮定される。

0027

図5は、関連技術1について、或るノードのデータ送信終了前に他のノードでデータを発生させた場合のシミュレーションの結果を示す。図5のシミュレーションにおける主要パラメータは図2と同様である。但し、各ノードにおけるデータは、10msec内でランダムに発生させた。

0028

図5に示すグラフBは、関連技術1を用いた場合の結果を示す。このように、或るノードのデータ送信時に他のノードでデータが発生すると、遅延時間が増大する結果が得られ
た。このように、或るノードでデータが発生すると、他のノードでもデータが発生するような環境では、関連技術1は、通信遅延が増大する場合があった。実施形態では、このような関連技術1の問題を解決可能な技術について説明する。

0029

〔実施形態1〕
図6は、実施形態1に係る通信システムの一例を示す。通信システムは、複数の無線端末(ノード)10と、各ノード10から送信されるデータを受信(収集)する通信装置(Hub)20とを含む。図6に示す例では、複数のノード10は、ノード11〜14からなる。但し、ノード11〜14を区別する必要がない場合には、「ノード10」と表記する。ノード10の数は、4に限定されず、Hubに接続可能な上限値以下の範囲で3以上の数から選択可能である。

0030

また、実施形態1では、各ノード10は、人体所定位置図6の例では、両肩、両足)に装着される。各ノード10は、受光センサ(図示せず)を含む。受光センサが所定波長の光を検知すると、直ちにノード10内で受光を示すデータが生成され(データの発生)、Hub20へ送信される。各ノード10は、CSMA/CA方式でデータのHub20に送信する。

0031

但し、各ノード10がセンサを備えることは必須要件ではない。センサの種別も受光センサに制限されない。換言すれば、ノード10におけるデータの発生要件は、センサによる物性や事象の検知に限定されない。また、ノード10が人体のような移動体に装着又は設置されることも必須要件ではない。ノード10は、静的に固定配置されても良い。ノード10がHubに送信するデータの種別も問わない。

0032

図7は、実施形態1に係る初期バックオフ値の第1の設定方法(設定方法1)の説明図である。設定方法1では、各ノード10の初期バックオフ値が以下の条件を満たすように設定される。
(1)各ノード10について選択されたバックオフ値がノード10間で重複しない。換言すれば、初期バックオフ値が相互に異なる。
(2)選択された複数のバックオフ値から任意のバックオフ値を3個(A1,A2,A3とする)取り出したとき、“A1−A2≠A3”が成立する。換言すれば、任意に選択された3つの初期バックオフ値のうちの2つの差が残りの1つの初期バックオフ値と異なる。

0033

図4に示す例では、ノード3の初期バックオフ値とノード4の初期バックオフ値との差がノード1のバックオフ値と同値になったために衝突が発生している。このようなケースを回避するために、上記(1)及び(2)の条件を満たすように初期バックオフ値が設定される。

0034

条件(2)は、例えば、式、“(最小バックオフ値)≧(最大バックオフ値と最小バックオフ値との差)”が満たされるときに成立する。図7に示す例では、4つのノード11〜14の夫々に設定される複数の初期バックオフ値(初期バックオフ値群という)として、初期バックオフ値“3”,“4”,“5”,“6”が選択されている。初期バックオフ値の最小値(最小バックオフ値)は“3”であり、初期バックオフ値の最大値(最大バックオフ値)は“6”である。

0035

ノード11に初期バックオフ値“3”が設定され、ノード12に初期バックオフ値“4”が設定され、ノード13に初期バックオフ値“5”が設定され、ノード14に初期バックオフ値“6”が設定されている。最大バックオフ値と最小バックオフ値との差は“3”である。このため、条件(1)及び(2)が成立する。

0036

この場合には、図7に示すように、ノード12〜14で同時に受光が検知され(データが発生し)、その後にノード11で受光が検知(データが発生)されても、ノード1のデータ送信の開始タイミングは、ノード14のデータ送信終了後になる。よって、衝突が回避される。

0037

図8は、実施形態1に係る初期バックオフ値の第2の設定方法(設定方法2)の説明図である。第2の設定方法では、以下の条件が成立するように各ノード10の初期バックオフ値が設定される。
(1)各ノード10について選択されたバックオフ値がノード10間で重複しない。
(2)全てのバックオフ値が奇数である。

0038

上記の条件(2)を“A1−A2≠A3”の式に当てはめると、常に左辺偶数となり、右辺は奇数となるので、当該式が成立する。図8の例では、ノード11に初期バックオフ値“1”が設定され、ノード12に初期バックオフ値“3”が設定され、ノード13に初期バックオフ値“5”が設定され、ノード14に初期バックオフ値“7”が設定されている。

0039

図8の例でも、ノード12〜14で同時に受光が検知され(データが発生し)、その後にノード11で受光が検知(データが発生)されても、ノード1のデータ送信の開始タイミングは、ノード14のデータ送信終了後になる。よって、衝突が回避される。

0040

図9は、関連技術1(比較例),設定方法1,設定方法2のシミュレーションの結果を示す。シミュレーションの主要パラメータは、図2と同じである。図9に示すように、設定方法1,設定方法2では、関連技術1で発生し得る衝突を回避することができるため、通信遅延が抑制されている。

0041

実施形態1の通信システムによれば、或るノード10からのデータの送信終了前に他のノード10でデータが発生した場合であっても、データの衝突発生が回避される。衝突が回避されることで、CWの更新及びバックオフ値の更新が回避される。これによって、ノード11〜14の全てからHub20がデータを受信するまでの通信遅延時間を短縮することができる。

0042

〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る初期バックオフ値の設定方法について説明する。実施形態1と共通の構成については説明を省略する。図10は、実施形態2における通信システムの構成例を示す。

0043

実施形態2では、複数のノード10を同時期にデータが発生する可能性を考慮して複数のグループグループ化する。図10の例では、複数のノード10として、実施形態1で説明したノード11〜14に加えて、ノード15及びノード16を含んでいる。ノード15は、向かって右側のに装着され、ノード16は向かって左側の腰に装着されている。

0044

人体の右半身に装着されるノード11,ノード12及びノード15は、各センサで同時に光を受光する(同時にデータが発生する)可能性がある。このため、1つのグループ(グループG1)にグループ化されている。同様に、左半身に装着されるノード13,ノード14及びノード16は、各センサで同時に光を受光する(同時にデータが発生する)可能性がある。このため、別のグループ(グループG2)にグループ化されている。但し、グループの数は、3以上であっても良い。

0045

実施形態2では、第3の設定方法(設定方法3)として、以下の条件が満たされるように各ノード10の初期バックオフ値が設定される。
(1)各グループ内の無線端末間で初期バックオフ値が相互に異なる。但し、グループ間での初期バックオフ値の重複は許容される。
(2)第1のグループのノードに設定される初期バックオフ値から2つの初期バックオフ値(A1,A2とする)の差が第2のグループのノードに設定される初期バックオフ値から選択された1つの初期バックオフ値(B1とする)と異なる。すなわち、“A1−A2≠B1”が成立する。第1及び第2のグループは任意に選択され、上記2つの初期バックオフ値及び1つの初期バックオフ値も任意に選択される。

0046

実施形態2の例では、グループG1及びグループG2に夫々属するノード10について、相互に異なる(重複しない)初期バックオフ値が設定される。さらに、“A1−A2≠B1”が成立するように、例えば、任意の二つのグループ及びにおいて、“(一方のグループの最小バックオフ値)>(他方のグループの最大バックオフ値と最小バックオフ値との差)”を満たす各ノード10の初期バックオフ値が設定される。

0047

図11は、実施形態2に係る設定方法3を用いた初期バックオフ値の設定方法の一例を示す。図11の例では、一方のグループ内の最小バックオフ値は、一例として“3”に設定されている。一方、他方のグループの最大バックオフ値と最小バックオフ値との差は、“2”(5−3=2)に設定されている。

0048

図11には、グループG1の各ノード10(ノード11,ノード12及びノード15)で同時に受光が検知(データが発生)された後に、グループG2のノード13で受光が検知(データが発生)されたときの様子が例示されている。

0049

ノード11に設定された初期バックオフ値は“3”であり、ノード12に設定された初期バックオフ値は“4”であり、ノード15に設定された初期バックオフ値は“5”である。同様に、ノード13に設定された初期バックオフ値は“3”であり、ノード14に設定された初期バックオフ値は“4”であり、ノード16に設定された初期バックオフ値は“5”である。

0050

図11に示すように、ノード13からのデータ送信は、ノード16からのデータ送信の完了後に開始される。これによって、衝突が回避される。なお、図示していないが、グループG2内のノード12,ノード13及びノード16で同時に受光が検知された場合でも、グループG2のノード10間で衝突を回避できる。グループG1の受光とグループG2の受光の順序が逆であっても、衝突が回避される結果は同じである。

0051

図12は、実施形態2に係る初期バックオフ値の第4の設定方法(設定方法4)の説明図である。設定方法4は、各グループに属するノード10の初期バックオフ値の全てが奇数に設定される点で、設定方法3と異なる。但し、ノード10がグループ化される点、グループ間でバックオフ値の重複が許容される点では、設定方法3と同じである。

0052

図12には、グループG1のノード10(ノード11,ノード12,ノード15)で同時に受光が検知(データが発生)された後に、グループG2のノード13で受光が検知(データが発生)されたときの様子が例示されている。

0053

ノード11に設定された初期バックオフ値は“1”であり、ノード12に設定された初期バックオフ値は“3”であり、ノード15に設定された初期バックオフ値は“5”である。同様に、ノード13に設定された初期バックオフ値は“1”であり、ノード14に設定された初期バックオフ値は“3”であり、ノード16に設定された初期バックオフ値は
“5”である。

0054

図12に示すように、ノード13からのデータ送信は、ノード16からのデータ送信の完了後に開始される。これによって、衝突が回避される。なお、図示していないが、グループG2内の複数のノード10で同時に受光が検知された場合でも、衝突が回避される。また、グループG1とグループG2との受信の順序が逆であっても、衝突が回避される結果は同じである。

0055

実施形態2における設定方法3、設定方法4によれば、ノード11〜16に設定される初期バックオフ値の最大値を設定方法1,設定方法2に比べて小さくすることができる。これによって、各グループG1,G2のそれぞれにおいて同時に発生したデータがHub20に到達する時期を早めることができる。すなわち、通信遅延を短くすることができる。

0056

〔実施形態3〕
実施形態3として、上述した設定方法1〜4を実施し得るノード10及びHub20の構成例について説明する。図13は、ノード10として動作する情報処理装置(コンピュータ)30の構成例を示す。図14は、Hub20として動作する情報処理装置(コンピュータ)40の構成例を示す。

0057

情報処理装置30は、アンテナ31と、アンテナ31に接続されたRadio Frequency(
RF)回路32と、RF回路と接続されたベースバンド回路33と、ベースバンド回路33が接続されたCentral Processing Unit(CPU)34とを含む。また、情報処理装置
30は、CPU34と夫々接続されたRead Only Memory(ROM)35,Random Access Memory(RAM)36,及びセンサ37を含む。

0058

RF回路32は、アンテナ31から受信される電波(高周波信号)をベースバンド信号に変換する。また、RF回路32は、ベースバンド回路33から入力されるベースバンド信号を高周波信号に変換する。高周波信号は、アンテナ31から電波として放射される。

0059

ベースバンド回路33は、ベースバンド信号に対する復調及び復号処理を行い、ベースバンド信号をディジタル信号(データ)に変換する。また、ベースバンド回路33は、ディジタル信号(データ)に対する符号化及び変調処理を行い、ディジタル信号をベースバンド信号に変換する。

0060

RF回路32及びベースバンド回路33は、例えば、電気電子回路,IntegratedCircuit(IC),Large Scale Integrated Circuit (LSI),Application Specific Integrated Circuit(ASIC)のいずれか又はこれらの組み合わせによって形成される。ベースバンド回路33は、Field Programmable Gate Array(FPGA)のようなプログ
ラマルロジックデバイスPLD)及びDigital Signal Processor(DSP)の少なくとも一方を含むこともある。

0061

ROM35は、CPU34によって実行されるプログラムを記憶する。RAM36は、プログラムの展開領域,CPU34の作業領域,データの一時的な記憶領域として使用される。

0062

センサ37は、実施形態1及び実施形態2では、受光センサである。但し、センサの種別は、ノード10での検出対象に依って変更可能である。また、センサ37は必須の構成要件ではない。

0063

CPU34は、ROM35に記憶されたプログラムをRAM36にロードして実行する。これによって、情報処理装置30は、ノード10として動作する。すなわち、CPU34は、センサ37で受光が検知されたときに、受光を示すデータを生成し、データを含むパケットを生成する。さらに、CPU34は、パケットをデータとしてベースバンド回路33に供給する。ベースバンド回路33は、パケットをベースバンド信号に変換し、RF回路32は、ベースバンド信号を高周波信号に変換する。高周波信号はアンテナ31から電波として送信される。CPU34は、データ(パケット)の送信をCSMA/CA方式で行う。このとき、CPU34は、ROM35及びRAM36の一方に記憶された初期バックオフ値に従ってデータを送信する。

0064

なお、ROM35及びRAM36は、「記憶装置」,「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」の一例である。CPU34は、「プロセッサ」,「制御装置」,「コントローラ」の一例である。

0065

情報処理装置30は、補助記憶装置をさらに含むことができる。補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD),Solid State Drive(SSD),Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory(EEPROM),フラッシュメモリなどの中から少なくとも一つ選択することができる。補助記憶装置は、プログラムやデータの保存に使用される。

0066

図14に示すように、Hub20として動作する情報処理装置40は、情報処理装置30と同様に、アンテナ31,RF回路32,ベースバンド回路33,CPU34,ROM35,及びRAM36を含んでいる。但し、情報処理装置40は、センサ37を有しておらず、回線インタフェース回線IF)38を含む点で情報処理装置30と異なる。

0067

情報処理装置40の情報処理装置30と同様の構成要素については説明を省略する。回線IF38は、Local Area Network(LAN)などのネットワークと接続されるインタフェース回路であり、Hub20がネットワークに接続された他の情報処理装置(図示せず)と通信するために使用される。例えば、各ノード10から収集されたデータを他の情報処理装置へ送信するために使用される。回線IF38として、例えば、LANカードネットワークインタフェースカード(NIC)を使用することができる。もっとも、他の情報処理装置への送信は、無線通信によりなされても良い。

0068

情報処理装置30のCPU34は、ROM35に記憶されたプログラムをRAM36にロードして実行することによって、以下のような処理を行う。例えば、CPU34は、ベースバンド回路33から受信されるノード10からのデータ(パケット)を得て、データをRAM36に記憶する処理を行う。また、CPU34は、RAM36に記憶されたデータを纏めて、回線IF38を介して他の情報処理装置へ送信する処理を行う。或いは、CPU34は、各ノード10に設定する初期バックオフ値の計算を行い、各ノード10に通知する処理を行うこともできる。

0069

図15は、ノード10(情報処理装置30)で行われる処理の例を示すフローチャートである。図15に示す処理は、CPU34によって実行される。最初の01において、CPU34は、データが発生する(センサ37で受光が検知される)まで待機する。データが発生すると、処理が02へ進む。

0070

02では、CPU34は、バックオフ値を予め設定された初期バックオフ値に設定する。次の03では、CPU34は、キャリアセンスを実行し、他のノード10から送信されたキャリアが検出されるか否かを判定する。このとき、キャリアが検出されない場合には(03のN)、CPU34は、バックオフ値の減算処理を行う。即ち、所定の固定時間が
経過する度に初期バックオフ値を減算する。これに対し、キャリアが検出された場合には(03のY)、CPU34は、キャリアが検出されなくなるまで、バックオフ値の減算処理(04)を待機する。

0071

05では、CPU34は、バックオフ値の減算によってバックオフ値が零になったか否かを判定する。バックオフ値が零でなければ(05のN)、処理が03に戻される。これに対し、バックオフ値が零であれば(05のY)、CPU34は、Hub20へのデータ(データを含むパケット)の送信を行う(06)。

0072

その後、CPU24は、データの送達確認を行う(07)。送達確認がOKであれば(07のY)、処理が01に戻る。これに対し、送達確認が衝突によってNGであれば(07のN)、CPU34は、バックオフ値の再設定を行う。すなわち、CPU34は、CW(乱数の範囲)を決定し、決定されたCWの範囲内でバックオフ値をランダムに選択する。

0073

図16は、Hub20の第1の構成例(Hub構成例1とする)を模式的に示す図である。Hub20は、アンテナ201と、RF部202と、復調部203と、受信データ処理部204と、アプリ層処理部205と、Media Access Control(MAC)処理部206と、送信データ生成部207と、変調部208と、初期バックオフ値の算出部209とを含む。

0074

アンテナ201は、情報処理装置40(図14)のアンテナ31に相当する。RF部202は、情報処理装置40のRF回路32の機能である。復調部203及び変調部208は、情報処理装置40のベースバンド回路33の機能である。受信データ処理部204,アプリ層処理部205,MAC処理部206,送信データ生成部207及び算出部209は、情報処理装置40のCPU34がプログラムを実行することによって得られるCPU34の機能である。

0075

図17は、ノード10の構成例(ノード構成例1とする)を模式的に示す図である。ノード10は、アンテナ101と、RF部102と、復調部103と、受信データ処理部104と、アプリ層処理部105と、MAC処理部106と、送信データ生成部107と、変調部108と、初期バックオフ値の保存部109とを含む。

0076

アンテナ101は、情報処理装置30(図13)のアンテナ31に相当する。RF部102は、情報処理装置30のRF回路32の機能である。復調部103及び変調部108は、情報処理装置30のベースバンド回路33の機能である。受信データ処理部104,アプリ層処理部105,MAC処理部106,及び送信データ生成部107は、情報処理装置30のCPU34のプログラム実行によって得られるCPU34の機能である。保存部109は、RAM36に設けられる初期バックオフ値の記憶領域である。

0077

算出部209での処理について説明する。通信システムをなす複数のノード10がグループ化されていない(全てのノード10が一つのグループに属する)場合には、例えば、設定方法1で初期バックオフ値を各ノード10に設定するために、以下のような計算が行われる。

0078

すなわち、設定方法1が成立する式は、“(最小バックオフ値)≧(最大バックオフ値と最小バックオフ値の差)”である。ノード10の数をn,最小バックオフ値をkとした場合に、最大バックオフ値は“k+n−1”である。従って、“k≧n−1”が成立する場合に衝突が回避可能である。n及びkは正の整数である。“k≧n−1”が成立する一例は、(左辺)=(右辺)である。この場合、最小バックオフ値は、“k=n−1”とな
り、最大バックオフ値は“2n−2”となる。

0079

これに対し、通信システムをなす複数のノード10が複数のグループにグループ化されている場合には、設定方法3で初期バックオフ値を設定するために、以下の計算が行われる。

0080

例えば、或る二つのグループA及びBがある場合に、設定方法3が成立する式は、“(Aの最小バックオフ値)>(Bの最大バックオフ値と最小バックオフ値の差)”である。グループ数がmであり、各グループのノード数が[n1,n2,・・・,nm]であり、最小バックオフ値が[k1,k2,・・・,km]である仮定する。この場合、最大バックオフ値は[k1+n1−1,k2+n2−1,・・・,km+nm−1]となる。

0081

ノード数が最大のグループ(=i)のノード数がni、すなわち、“max([n1,
n2,・・・,nm] )=niであり、ノード数が2番目に大きいグループ(=j)のノ
ード数がnj、すなわち、“max([n1,n2,・・,ni−1,ni+1,・・・
,nm])=njとする。この場合の最小バックオフ値は、“min([k1,k2,・・,ki−1,ki+1,・・・km])>ni−1”となり、ki>nj−1となる。

0082

ki>nj−1が成立する一例は、(左辺)=(右辺)+1である。この場合、[k1
,k2,・・・,km]=[ni,ni,・・,nj,・・,ni]となる。当該式でのn
jは、i番目のグループを示す。

0083

図18は、初期バックオフ値の算出処理の例を示すフローチャートである。当該算出処理は、Hub20の算出部209(CPU34)によって実行される。図18において、算出部209は、初期バックオフ値の算出要求を待機する(101)。算出要求は、例えば、図示しない入力装置から算出部209(CPU34)へ入力される。或いは、算出要求は、回線IF38から受信される。或いは、算出要求は、アンテナ201(アンテナ31),RF部202(RF回路32),復調部303(ベースバンド回路33),受信データ処理部204(CPU34)を経て、算出部209に供給される場合もある。算出要求の送信元は、ノード10であっても、ノード10以外の通信装置又は情報処理装置であっても良い。

0084

算出要求は、新規に通信システム(図6図10)が構築される場合や、既存の通信システムにノード10が追加される場合に受信される。算出要求は、例えば、ノード関連情報を含む。算出要求中のノード関連方法は、RAM36に記憶される。或いは、ノード関連情報は、算出要求と異なる方法で予めRAM36に記憶される。ノード関連情報は、例えば、各ノード10の識別情報,各ノード10のアドレス,ノード10の数,ノード10に既に設定されている初期バックオフ値を含む。複数のノード10が複数のグループにグループ化されている場合には、ノード関連情報は、グループの数,各グループに属するノード数,各グループに属するノードの識別情報をさらに含む。

0085

101において、算出部209は、算出要求を受け取ると、処理を102に進める。102では、算出部209は、RAM36に記憶されているノード関連情報を参照し、ノード10がグループ化されているか否かを判定する。ノード10がグループ化されている場合には(102のY)、処理が107に進み、グループ化されていない場合には(102のN)、処理が103に進む。

0086

103では、算出部209は、ノード関連情報からノード数(=n)を得る。次の104では、算出部209は、最小バックオフ値を“n−1”に決定し、“n−1”をインクリメントして、n個分の初期バックオフ値を求める。

0087

次の105では、算出部209は、RAM36にノード関連情報として各ノード10の現在の初期バックオフ値が記憶されていれば、104の処理で算出したバックオフ値との照合を行い、初期バックオフ値の変更を要するノード10を特定する。例えば、通信システムが新規に構築される場合であって、いずれのノード10にも初期バックオフ値が設定されていない場合には、全てのノード10がバックオフ値の変更対象となる。バックオフ値が変更されるノード10がある場合には(105のY)、処理が106に進み、バックオフ値が変更されるノードがない場合には(105のN)、処理が101に戻る。106に処理が進んだ場合には、算出部209は、ノード関連情報を用いて、105で特定された各ノード10へバックオフ値の変更通知を送信する処理を行う。その後、処理が101に戻る。

0088

一方、107に処理が進んだ場合には、算出部209は、ノード数が最大のグループ(=i)と、そのノード数(=n)をRAM36に記憶されたノード関連情報から得る。次の108では、算出部209は、ノード数が最大のグループが複数あるか否かを判定する。このとき、ノード数が最大のグループが複数ある場合には(108のY)、処理が111に進む。これに対し、ノード数が最大のグループが1つである場合には(108のN)、処理が109に進む。例えば、ノードの総数が4であり、グループ数が2であり、各グループに属するノードの数がそれぞれ2である場合には、処理が111に進む。これに対し、ノードの総数が3であり、グループ数が2であり、一方のグループに属するノード数が1であり、他方のグループに属するノード数が2である場合には、処理が109に進む。

0089

111に処理が進んだ場合には、算出部209は、最小バックオフ値をniに決定し、niをインクリメントして、グループに属するノード数分のバックオフ値を得る。111の処理は、各グループについて実行される。その後、処理が105に進む。

0090

109に処理が進んだ場合には、算出部209は、ノード数が最大のグループi以外については、最小バックオフ値をniに決定し、niをインクリメントしてノード数分のバックオフ値を得る。すなわち、111と同様の処理を行う。

0091

一方、ノード数が最大のグループiについては、最小バックオフ値をnjに決定し、njをインクリメントして、当該グループに属するノード数分のバックオフ値を得る。その後、処理が105に進む。

0092

105及び106の処理は、既に説明したため説明を省略する。106で該当のノード10に送信される変更通知は、MAC処理部206でMACヘッダを付加され、送信データ生成部207にてディジタル信号に変換される。ディジタル信号は、変調部208にてベースバンド信号に変換され、RF部202にて高周波信号に変換され、アンテナ201から送信される。

0093

各ノード10は、変更通知を含む電波がアンテナ101で受信され、RF部102でベースバンド信号に変換される。ベースバンド信号は、復調部103でディジタル信号に変換され、受信データ処理部104にて変更通知が得られる。受信データ処理部104は、変更通知に含まれる初期バックオフ値を保存部109(RAM36)に記憶する。このようにして、Hub20で算出された初期バックオフ値が各ノード10に設定される。

0094

なお、ノード10で、センサ37により受光が検知された場合には、受光を示すデータがアプリ層処理部105で生成される。キャリアセンスの際には、受信データ処理部104にて、アンテナ101,RF部102,復調部103でキャリアが受信されているか否
かが判定される。キャリアがない場合には、データはMAC処理部106,送信データ生成部107,変調部108,RF部102を経てアンテナ101からHub20へ送信される。

0095

Hub20は、受光を示すデータを含んだ電波をアンテナ201で受信する。当該データは、RF部202,復調部203,受信データ処理部204を経て復元される。受信データ処理部204で復元されたデータは、アプリ層処理部205に渡される。アプリ層処理部205は、データに関してアプリ層で定義又は設定された処理を行う。

0096

図19は、Hub20の第2の構成例(Hub構成例2とする)を模式的に示す。Hub構成例2は、算出部209が初期バックオフ値のテーブル210に置き換わっている点を除き、Hub構成例1(図16)と同じである。

0097

テーブル210には、通信システムを形成する複数のノード10に応じて設定方法1〜4の少なくとも一つを用いて用意された複数の初期バックオフ値が記憶されている。テーブル210は、RAM36及びROM35の少なくとも一方に記憶される。

0098

テーブル210への初期バックオフ値の格納方法として、例えば、所定の情報処理装置との無線通信によってアンテナ201で受信される初期バックオフ値を受信データ処理部204(CPU24)がテーブル210に登録する。但し、回線IF38で受信される、或いは入力装置から入力される初期バックオフ値がテーブル210に登録されるようにしても良い。

0099

Hub構成例2では、Hub構成例1での算出要求に相当する通知要求をHub20が受けて、テーブル210に記憶された初期バックオフ値を各ノード10へ通知することによって行われる。Hub構成例2のHub20の動作は、初期バックオフ値の算出処理を実行しないこと、算出された初期バックオフ値の代わりに予めテーブル210に記憶された初期バックオフ値を通知することを除き、Hub構成例1のHub20と同じである。このため、詳細な説明は省略する。また、Hub構成例2に対応するノード10として、ノード構成例1(図17)のノード10を適用可能である。ノード構成例1の構成及び動作については既に説明したので、ここでの説明は省略する。

0100

図20は、Hub20の構成例(Hub構成例3とする)を模式的に示し、図21は、ノード10の構成例(ノード構成例2とする)を模式的に示す。図20に示すように、Hub構成例3では、Hub20は、初期バックオフ値を算出ないし記憶する構成を有しない。これに対し、図21に示すように、ノード構成例2では、ノード10に対し、ノード10固有の初期バックオフ値が保存部109(RAM36)に記憶される。

0101

初期バックオフ値は、例えば、初期バックオフ値設定用の通信部110を通じて、保存部109に登録される。通信部110は、例えば、近距離無線通信赤外線通信送信機であり、近距離無線通信や赤外線通信によって初期バックオフ値をノード10へ送る。ノード10は、近距離無線通信や赤外線通信の受信機を含み、受信機で受信された初期バックオフ値が保存部109に記憶される。

0102

或いは、データ送信用のキャリア(搬送波)と異なるキャリアを用いて、アンテナ101で初期バックオフ値が受信され、受信データ処理部104が初期バックオフ値を保存部109に記憶するようにしても良い。或いは、ノード10が例えばUniversal Serial Bus(USB)ポートを有し、USBポートに接続されたUSBメモリやコンピュータから初期バックオフ値が転送され、保存部109に記憶されるようにしても良い。以上説明した実施形態の構成は、適宜組み合わせることができる。

0103

10・・・ノード(無線端末)
20・・・Hub(通信装置)
30,40・・・情報処理装置(コンピュータ)
34・・・CPU
35・・・ROM
36・・・RAM
37・・・センサ

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