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技術 耐衝撃性に優れる高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法

出願人 アイシン軽金属株式会社
発明者 柴田果林
出願日 2015年1月28日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2015-014251
公開日 2016年8月4日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-138317
状態 特許登録済
技術分野 非鉄金属または合金の熱処理
主要キーワード 押出加工用 JIS規格 耐応力腐食割れ 押出軸方向 Si晶 シャルピー衝撃試験機 ビレット温度 アルミニウム合金押出材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

耐衝撃性に優れるとともに良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法の提供を目的とする。

解決手段

以下質量%でMg:0.30〜1.00%,Si:0.60〜1.40%含有するとともに化学量論組成としてのMg2Siの値が0.60〜1.40%であり、かつ過剰Si量の値が0.30〜1.00%であり、Fe:0.10〜0.40%,Mn:0.30%以下であるとともに(Fe+Mn)の値が0.10〜0.65%の範囲であり、Cu:0.10〜0.40%,Ti:0.005〜0.10%であり、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴とする。

概要

背景

高強度のアルミニウム合金としては、Al−Zn−Mg系の7000系アルミニウム合金が知られている。
しかし、7000系アルミニウム合金は自然時効型合金であり、押出成形から曲げ加工プレス加工までの間に硬くなり、生産上の課題が生じやすい。
そこで、自然時効が殆どなく、また7000系アルミニウム合金に認められる耐応力腐食割れ発現しにくいAl−Mg−Si系の6000系アルミニウム合金の開発が進められている。
これまでに焼入れ性が良好で、高強度のアルミニウム合金としては特許文献1〜3等が提案されている。
特許文献1は、Mg:0.45〜0.75%,Si:0.45〜0.80%,過剰Si:0.1〜0.4%,Mn:0.15〜0.40%,Cr:0〜0.1%の合金組成である。
特許文献2は、Mg:0.4〜0.8%,Si:0.3〜0.9%,Cu:0.5%以下、Mn,Cr及びZrの合計量を0.095%以下にし、3μm以上の長さを有するMg2Si晶出物が50個/mm2以上有するものである。
特許文献3は、Mg:0.3〜1.5%,Si:0.2〜1.5%,Cu:0.1%以下,Mn:0.15%以下,Fe:0.15%以下,Ti,Cr,Zr:0.1%以下で、結晶粒アスペクト比が5.0以下の材料である。
これらに開示する押出材は、いずれも押出加工直後の空冷プレス端焼入れ)では耐力値(0.2%)が240MPa未満であり、特許文献2は水冷にて250MPaレベルの強度が出ているものの、耐衝撃性に劣るものと推定される。

概要

耐衝撃性に優れるとともに良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法の提供を目的とする。以下質量%でMg:0.30〜1.00%,Si:0.60〜1.40%含有するとともに化学量論組成としてのMg2Siの値が0.60〜1.40%であり、かつ過剰Si量の値が0.30〜1.00%であり、Fe:0.10〜0.40%,Mn:0.30%以下であるとともに(Fe+Mn)の値が0.10〜0.65%の範囲であり、Cu:0.10〜0.40%,Ti:0.005〜0.10%であり、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴とする。

目的

本発明は、耐衝撃性に優れるとともに良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下質量%でMg:0.30〜1.00%,Si:0.60〜1.40%含有するとともに化学量論組成としてのMg2Siの値が0.60〜1.40%であり、かつ過剰Si量の値が0.30〜1.00%であり、Fe:0.10〜0.40%,Mn:0.30%以下であるとともに(Fe+Mn)の値が0.10〜0.65%の範囲であり、Cu:0.10〜0.40%,Ti:0.005〜0.10%であり、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴とする耐衝撃性に優れる高強度アルミニウム合金押出材

請求項2

さらにSr:0.10%以下の範囲で含有していることを特徴とする請求項1記載の耐衝撃性に優れる高強度アルミニウム合金押出材。

請求項3

請求項1又は2記載のアルミニウム合金押出材の製造方法であって、押出加工直後に平均冷却速度150℃/min以下にて冷却し、その後に人工時効処理することを特徴とする耐衝撃性に優れるアルミニウム合金押出材の製造方法。

請求項4

アスペクト比が4.0以上である結晶粒平均粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項3記載の耐衝撃性に優れるアルミニウム合金押出材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、高強度でありながら耐衝撃性に優れるとともに押出加工直後の空冷にて良好な焼入れ性を有するアルミニウム合金押出材に関する。

背景技術

0002

高強度のアルミニウム合金としては、Al−Zn−Mg系の7000系アルミニウム合金が知られている。
しかし、7000系アルミニウム合金は自然時効型合金であり、押出成形から曲げ加工プレス加工までの間に硬くなり、生産上の課題が生じやすい。
そこで、自然時効が殆どなく、また7000系アルミニウム合金に認められる耐応力腐食割れ発現しにくいAl−Mg−Si系の6000系アルミニウム合金の開発が進められている。
これまでに焼入れ性が良好で、高強度のアルミニウム合金としては特許文献1〜3等が提案されている。
特許文献1は、Mg:0.45〜0.75%,Si:0.45〜0.80%,過剰Si:0.1〜0.4%,Mn:0.15〜0.40%,Cr:0〜0.1%の合金組成である。
特許文献2は、Mg:0.4〜0.8%,Si:0.3〜0.9%,Cu:0.5%以下、Mn,Cr及びZrの合計量を0.095%以下にし、3μm以上の長さを有するMg2Si晶出物が50個/mm2以上有するものである。
特許文献3は、Mg:0.3〜1.5%,Si:0.2〜1.5%,Cu:0.1%以下,Mn:0.15%以下,Fe:0.15%以下,Ti,Cr,Zr:0.1%以下で、結晶粒アスペクト比が5.0以下の材料である。
これらに開示する押出材は、いずれも押出加工直後の空冷(プレス端焼入れ)では耐力値(0.2%)が240MPa未満であり、特許文献2は水冷にて250MPaレベルの強度が出ているものの、耐衝撃性に劣るものと推定される。

先行技術

0003

特開2004−225124号公報
特開2002−285272号公報
特開2005−105327号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、耐衝撃性に優れるとともに良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明に係る耐衝撃性に優れる高強度アルミニウム合金押出材は、以下質量%でMg:0.30〜1.00%,Si:0.60〜1.40%含有するとともに化学量論組成としてのMg2Siの値が0.60〜1.40%であり、かつ過剰Si量の値が0.30〜1.00%であり、Fe:0.10〜0.40%,Mn:0.30%以下であるとともに(Fe+Mn)の値が0.10〜0.65%の範囲であり、Cu:0.10〜0.40%,Ti:0.005〜0.10%であり、残部がAl及び不可避的不純物であることを特徴とする。

0006

また、上記合金組成において、さらにSr:0.10%以下の範囲にて添加してもよい。

0007

本発明において、成分範囲を上記のように設定した理由は次のとおりである。
<Mg,Si>
Mg及びSi成分は強度と耐衝撃性に大きな影響を与えるとともに、押出性にも影響する。
Mg:0.30〜1.0%,Si:0.60〜1.40の範囲に設定し、化学量論組成としてのMg2Siの値が0.60〜1.40%、かつ過剰Si量が0.30〜1.00%の範囲が好ましい。
本発明においては、化学量論組成Mg2Siに対する過剰Siが押出性を低下させずに強度を向上させることに着目し、Si量をMgの量に対して多く設定した。
ただし、過剰Si量が多くなりすぎると耐衝撃性が低下するので、過剰Si量の上限を1.00%とした。
なお、Siは0.60〜1.40%の範囲で、好ましくは下限が0.80%以上、さらに好ましくは0.90%以上がよい。
また、Mgは0.30〜1.00%の範囲で、好ましくは0.30〜0.90%、さらに好ましくは0.40〜0.80%の範囲である。
<Fe,Mn,Zr>
Fe成分は、再結晶を抑制し、押出軸方向伸長した再結晶組織を形成することで球状の再結晶組織に比べて割れ伝播が抑制され、延性,耐衝撃性が向上する。
しかし、多いと合金鋳造時に金属間化合物を多く晶出し、延性が低下するので上限を0.40%とした。
Mn及びZrは、結晶粒微細化させ耐衝撃性が向上するが、多すぎると焼入れ感受性が強くなりすぎ、強度等が低下する。
そこで、Fe:0.10〜0.40%の範囲としてMnを添加する場合は、0.30%以下の範囲で添加するのが好ましく、(Fe+Mn)の合計量は、0.10〜0.65%の範囲である。
Zrは、0.10%以下の範囲で添加してもよい。
なお、本発明においてCrは不可避的不純物として取り扱い、含有した場合でも0.05%以下に抑えるのが好ましい。
<Cu>
Cu成分は強度向上に寄与するが、多くなると耐食性が低下し押出性も低下する。
そこで、Cu:0.10〜0.40%の範囲がよく、好ましくは0.15〜0.40%の範囲である。
<Ti>
Ti成分は、アルミニウム合金の鋳造時の結晶粒微細化に効果があるので、Ti:0.005〜0.1%の範囲で添加する。
<Sr>
Sr成分は、アルミニウム合金の鋳造時に鋳造組織を微細化させることで押出材の金属組織においても結晶粒を微細化させる。
そこで、Srは0.10%以下の範囲で添加するのが好ましい。
Srは、0.2%耐力値の強度を低下させることなく、耐衝撃性,伸びが向上する。
<その他の成分>
本発明において、Znは不可避的不純物として取り扱うが、少量の添加であれば強度と延びに寄与する。
従って、添加する場合は0.25%以下の範囲で許容される。
また、他の成分も0.01%以下の範囲であれば許容される。

0008

本発明に係る耐衝撃性に優れるアルミニウム合金押出材の製造方法は、請求項1又は2記載のアルミニウム合金押出材の製造方法であって、押出加工直後に平均冷却速度150℃/min以下にて冷却し、その後に人工時効処理することを特徴とする。
このように製造すると、アスペクト比が4.0以下の扁平再結晶の結晶粒径が100μm以下になる。

0009

本発明における好ましい製造条件は、次のとおりである。
押出加工用円柱ビレットを鋳造するには、鋳造速度60mm/min以上が好ましい。
その後にビレットを565〜595℃の温度で2〜6時間の均質化処理をする。
押出加工時は、ビレット温度を420℃以上に予熱し、押出直後に空冷によるプレス端焼入れを行う。
空冷の冷却速度は150℃/min以下、好ましくは50〜150℃/minの範囲がよい。
その後に185〜200℃の温度で、1〜24時間の人工時効処理を行う。

発明の効果

0010

本発明に係るアルミニウム合金押出材は、人工時効処理(T5)後の引張強さ280MPa以上で、0.2%耐力値(T5)が240MPa以上の高強度でありながらシャルピー衝撃値で20J/cm2以上の耐衝撃性を有する。
また、Srを0.1%以下の範囲で添加すると、T5後の0.2%耐力値(T5)が280MPa以上になり、シャルピー衝撃値及び伸びがさらに向上する。

図面の簡単な説明

0011

評価に用いた合金組成を示す。
評価サンプルの製造条件を示す。
評価サンプルの評価結果を示す。

実施例

0012

本発明に係るアルミニウム合金押出材を試作比較評価したので、以下説明する。
図1の表に示すアルミニウム合金の組成のビレットを鋳造し、図2の表に示す製造条件にて押出材を製作した。
なお、図2中の鋳造速度は、ビレットの鋳造速度を示す。
評価に用いた押出材は、断面50mm×50mm,内厚1〜5mmの正方形中空断面押出形材を用いた。
評価方法は次の通りである。
機械的特性
JIS−Z2241に基づいて押出形材よりJIS−4号引張試験片を作製、JIS規格準拠した引張試験機引張試験を実施した。
<耐衝撃性>
JIS−Z2242に基づいて押出形材よりJIS−Vノッチ4号試験片を作製、JIS規格に準拠したシャルピー衝撃試験機シャルピー衝撃試験を実施した。
<結晶粒径>
供試材鏡面研磨仕上げを行い、その後エッチング(3%NaOH 40℃×3min)を実施し、100倍、押出軸方向に伸長した再結晶組織の結晶粒の押出方向の長さL1と厚さ方向長さL2とのアスペクト比L1/L2を測定した。

0013

評価結果を図3の表に示す。
表中の評価項目中に示す数字は、目標とした値である。
実施例1〜7はいずれも成分範囲が設定範囲であり、全ての評価項目をクリアしている。
特に実施例6,7は、Srをそれぞれ0.01%,0.03%添加した合金であり、T5耐力値345MPaと300MPa以上の高強度を有しながら延びが向上し、シャルピー衝撃値が30J/cm2以上を確保している。
比較例1〜4は、過剰Si量(exSi)が設定より少なく、T5後の強度を満足していない。

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