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技術 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 梅花豊一松本博義福山了介
出願日 2015年1月23日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-011632
公開日 2016年7月28日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-136496
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(システム) 燃料電池(本体) 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 末広がり部分 挟着板 用水供給管 内側バック 非循環式 冷却水流通路 排出制御弁 流量曲線
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題

酸化剤ガス運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサ流路面積を変更する。

解決手段

燃料電池システムAは、燃料電池スタック10と、酸化剤ガス供給管41と、酸化剤ガス供給管内に配置されたターボコンプレッサ44と、カソードオフガス管46と、カソードオフガス管内に配置された調圧弁47とを備える。ターボコンプレッサは、ディフューザ113の流路面積を第1及び第2の流路面積間で切り替え可能である。ターボコンプレッサの動作点が属しうる領域に、第1の流路面積では第1の非サージング領域及び第1のサージング領域、第2の流路面積では第2の非サージング領域及び第2のサージング領域が夫々区画される。第1の非サージング領域及び第2の非サージング領域の一方から他方に動作点が移動されるとき、両非サージング領域が重なる領域内に動作点が属するときディフューザの流路面積が切り替えられる。

概要

背景

燃料ガス酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス管と、カソードオフガス管内に配置され、酸化剤ガス通路の圧力を制御する調圧弁と、を備える、燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。

燃料電池スタックの温度が高くなると、燃料電池スタック内で気化する水分の量が多くなるので、酸化剤ガスによって燃料電池スタックから持ち去られる水分の量は多くなる。そうなると、燃料電池スタック内の水分が不足して、燃料電池スタック内の燃料電池単セル膜電極接合体が乾燥してしまうおそれがある。特に、高負荷運転から低負荷運転切り替えられた直後のように、燃料電池スタックの温度が高いことに加えて、燃料電池スタックの発電すべき電力が少なく、燃料電池スタックで生成される水分が少ない場合には、水分の持ち去りの影響は大きい。そこで、燃料電池システムでは、燃料電池スタックの温度が高く、かつ、燃料電池スタックの発電すべき電力が少ないとき、燃料電池スタック内の乾燥を防止するために、燃料電池スタック内の酸化剤ガスの圧力を高く設定し、水分の凝縮効果などにより、酸化剤ガスによって燃料電池スタックから持ち去さられる水分の量を少なくする、という方法で対処する場合がある。

概要

酸化剤ガスを運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサの流路面積を変更する。燃料電池システムAは、燃料電池スタック10と、酸化剤ガス供給管41と、酸化剤ガス供給管内に配置されたターボコンプレッサ44と、カソードオフガス管46と、カソードオフガス管内に配置された調圧弁47とを備える。ターボコンプレッサは、ディフューザ113の流路面積を第1及び第2の流路面積間で切り替え可能である。ターボコンプレッサの動作点が属しうる領域に、第1の流路面積では第1の非サージング領域及び第1のサージング領域、第2の流路面積では第2の非サージング領域及び第2のサージング領域が夫々区画される。第1の非サージング領域及び第2の非サージング領域の一方から他方に動作点が移動されるとき、両非サージング領域が重なる領域内に動作点が属するときディフューザの流路面積が切り替えられる。

目的

酸化剤ガスの流量及び圧力を運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサの流路面積を変更可能な技術が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

燃料ガス酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、前記酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス管と、前記カソードオフガス管内に配置され、前記酸化剤ガス通路の圧力を制御する調圧弁と、を備え、前記ターボコンプレッサは、ディフューザ流路面積を互いに異なる第1の流路面積及び第2の流路面積との間で切り替え可能であり、前記ターボコンプレッサの入口の圧力に対する出口の圧力の比である圧力比及び前記ターボコンプレッサからの酸化剤ガス流量により定まる前記ターボコンプレッサの動作点が属しうる領域内に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第1の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第1の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第1のサージング領域が区画されると共に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第2の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第2の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第2のサージング領域が区画されており、前記第1の非サージング領域が、前記第2の非サージング領域に重なっている重複領域と前記第2の非サージング領域に重なっていない第1の非重複領域とに区分されると共に、前記第2の非サージング領域が、前記第1の非サージング領域に重なっている前記重複領域と前記第1の非サージング領域に重なっていない第2の非重複領域とに区分されており、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第1の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第2の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第2の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域から前記重複領域を通って前記第2の非重複領域まで移動するとき、又は、前記第2の非重複領域から前記重複領域を通って前記第1の非重複領域まで移動するときには、前記ターボコンプレッサの動作点が前記重複領域内に属するときに前記ターボコンプレッサの前記ディフューザの前記流路面積を前記第1の流路面積と第2の流路面積との間で切り替える、燃料電池システム

請求項2

前記調圧弁は、前記酸化剤ガス通路内の圧力が、前記燃料電池スタックに供給すべき酸化剤ガスの流量としての目標酸化剤ガス流量と前記燃料電池スタックの温度とに基づいて定まる目標圧力になるように制御される、請求項1に記載の燃料電池システム。

請求項3

前記目標圧力は、前記目標酸化剤ガス流量と前記燃料電池スタックの温度とに基づいて、前記燃料電池スタック内の燃料電池単セルカソード極側の水分量が所定量よりも低くならないように設定される、請求項2に記載の燃料電池システム。

請求項4

前記第1の流路面積は、前記ディフューザの最大の流路面積であり、前記第2の流路面積は、前記ディフューザの最小の流路面積である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項5

前記ターボコンプレッサは、前記ディフューザの流路を構成する一対のディフューザ壁と、前記一対のディフューザ壁間の距離を変更することで、前記流路面積を変更可能な駆動部と、を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項6

燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、前記酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス管と、前記カソードオフガス管内に配置され、前記酸化剤ガス通路の圧力を制御する調圧弁と、を備え、前記ターボコンプレッサは、ディフューザの流路面積を互いに異なる第1の流路面積及び第2の流路面積との間で切り替え可能であり、前記ターボコンプレッサの入口の圧力に対する出口の圧力の比である圧力比及び前記ターボコンプレッサからの酸化剤ガス流量により定まる前記ターボコンプレッサの動作点が属しうる領域内に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第1の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第1の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第1のサージング領域が区画されると共に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第2の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第2の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第2のサージング領域が区画されており、前記第1の非サージング領域が、前記第2の非サージング領域に重なっている重複領域と前記第2の非サージング領域に重なっていない第1の非重複領域とに区分されると共に、前記第2の非サージング領域が、前記第1の非サージング領域に重なっている前記重複領域と前記第1の非サージング領域に重なっていない第2の非重複領域とに区分されている燃料電池システムの制御方法であって、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第1の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第2の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第2の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域から前記重複領域を通って前記第2の非重複領域まで移動するとき、又は、前記第2の非重複領域から前記重複領域を通って前記第1の非重複領域まで移動するときには、前記ターボコンプレッサの動作点が前記重複領域内に属するときに前記ターボコンプレッサの前記ディフューザの前記流路面積を前記第1の流路面積と第2の流路面積との間で切り替える、燃料電池システムの制御方法。

請求項7

前記調圧弁を、前記酸化剤ガス通路内の圧力が、前記燃料電池スタックに供給すべき酸化剤ガスの流量としての目標酸化剤ガス流量と前記燃料電池スタックの温度とに基づいて定まる目標圧力になるように制御する、請求項6に記載の燃料電池システムの制御方法。

請求項8

前記目標圧力を、前記目標酸化剤ガス流量と前記燃料電池スタックの温度とに基づいて、前記燃料電池スタック内の燃料電池単セルのカソード極側の水分量が所定量よりも低くならないように設定する、請求項7に記載の燃料電池システムの制御方法。

請求項9

前記第1の流路面積は、前記ディフューザの最大の流路面積であり、前記第2の流路面積は、前記ディフューザの最小の流路面積である、請求項6乃至8のいずれか一項に記載の燃料電池システムの制御方法。

請求項10

前記ターボコンプレッサは、前記ディフューザの流路を構成する一対のディフューザ壁と、前記一対のディフューザ壁間の距離を変更することで、前記流路面積を変更可能な駆動部と、を含む、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の燃料電池システムの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。

背景技術

0002

燃料ガス酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス管と、カソードオフガス管内に配置され、酸化剤ガス通路の圧力を制御する調圧弁と、を備える、燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

燃料電池スタックの温度が高くなると、燃料電池スタック内で気化する水分の量が多くなるので、酸化剤ガスによって燃料電池スタックから持ち去られる水分の量は多くなる。そうなると、燃料電池スタック内の水分が不足して、燃料電池スタック内の燃料電池単セル膜電極接合体が乾燥してしまうおそれがある。特に、高負荷運転から低負荷運転切り替えられた直後のように、燃料電池スタックの温度が高いことに加えて、燃料電池スタックの発電すべき電力が少なく、燃料電池スタックで生成される水分が少ない場合には、水分の持ち去りの影響は大きい。そこで、燃料電池システムでは、燃料電池スタックの温度が高く、かつ、燃料電池スタックの発電すべき電力が少ないとき、燃料電池スタック内の乾燥を防止するために、燃料電池スタック内の酸化剤ガスの圧力を高く設定し、水分の凝縮効果などにより、酸化剤ガスによって燃料電池スタックから持ち去さられる水分の量を少なくする、という方法で対処する場合がある。

先行技術

0004

特開2013−196782号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記されたように、燃料電池スタックの温度が高く、燃料電池スタックの発電すべき電力が少ない、すなわち酸化剤ガス流量が少ない場合には、燃料電池スタックが乾燥するおそれがあるため、燃料電池スタック内の酸化剤ガスの圧力は高く設定される必要がある。しかしながら、酸化剤ガス流量が少ないときに酸化剤ガスの圧力が高く設定されると、ターボコンプレッサから実際に吐出される酸化剤ガス流量及び酸化剤ガス供給管内の圧力がそれぞれ大きく振動する、いわゆるサージングが発生するおそれがある。ここで、詳しくは後述するが、ターボコンプレッサにおいてサージングが発生することを回避する方法として、ディフューザ流路面積を変更する技術が考えられる。すなわち、おおまかに言うと、酸化剤ガス流量が多く酸化剤ガスの圧力が低いときにはディフューザの流路面積が大きな第1の流路面積に設定され、酸化剤ガス流量が少なく酸化剤ガスの圧力が高いときには流路面積が小さな第2の流路面積に設定される。この場合、酸化剤ガス流量及び圧力に応じて、流路面積を第1の流路面積と第2の流路面積との間で切り換える必要がある。ところが、サージングの発生を確実に阻止しつつ流路面積を切り換えるのは必ずしも容易なことではない。酸化剤ガスの流量及び圧力を運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサの流路面積を変更可能な技術が望まれている。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一の観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、前記酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス管と、前記カソードオフガス管内に配置され、前記酸化剤ガス通路の圧力を制御する調圧弁と、を備え、前記ターボコンプレッサは、ディフューザの流路面積を互いに異なる第1の流路面積及び第2の流路面積との間で切り替え可能であり、前記ターボコンプレッサの入口の圧力に対する出口の圧力の比である圧力比及び前記ターボコンプレッサからの酸化剤ガス流量により定まる前記ターボコンプレッサの動作点が属しうる領域内に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第1の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第1の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第1のサージング領域が区画されると共に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第2の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第2の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第2のサージング領域が区画されており、前記第1の非サージング領域が、前記第2の非サージング領域に重なっている重複領域と前記第2の非サージング領域に重なっていない第1の非重複領域とに区分されると共に、前記第2の非サージング領域が、前記第1の非サージング領域に重なっている前記重複領域と前記第1の非サージング領域に重なっていない第2の非重複領域とに区分されており、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第1の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第2の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第2の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域から前記重複領域を通って前記第2の非重複領域まで移動するとき、又は、前記第2の非重複領域から前記重複領域を通って前記第1の非重複領域まで移動するときには、前記ターボコンプレッサの動作点が前記重複領域内に属するときに前記ターボコンプレッサの前記ディフューザの前記流路面積を前記第1の流路面積と第2の流路面積との間で切り替える、燃料電池システムが提供される。

0007

本発明の別の観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給管と、前記酸化剤ガス供給管内に配置され、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサと、前記酸化剤ガス通路の出口に連結されたカソードオフガス管と、前記カソードオフガス管内に配置され、前記酸化剤ガス通路の圧力を制御する調圧弁と、を備え、前記ターボコンプレッサは、ディフューザの流路面積を互いに異なる第1の流路面積及び第2の流路面積との間で切り替え可能であり、前記ターボコンプレッサの入口の圧力に対する出口の圧力の比である圧力比及び前記ターボコンプレッサからの酸化剤ガス流量により定まる前記ターボコンプレッサの動作点が属しうる領域内に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第1の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第1の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第1のサージング領域が区画されると共に、前記ディフューザの前記流路面積が前記第2の流路面積のときに前記ターボコンプレッサにサージングが生じない第2の非サージング領域及び前記ターボコンプレッサにサージングが生じうる第2のサージング領域が区画されており、前記第1の非サージング領域が、前記第2の非サージング領域に重なっている重複領域と前記第2の非サージング領域に重なっていない第1の非重複領域とに区分されると共に、前記第2の非サージング領域が、前記第1の非サージング領域に重なっている前記重複領域と前記第1の非サージング領域に重なっていない第2の非重複領域とに区分されている燃料電池システムの制御方法であって、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第1の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第2の非重複領域内に属するときには前記ディフューザの流路面積を前記第2の流路面積に設定し、前記ターボコンプレッサの動作点が前記第1の非重複領域から前記重複領域を通って前記第2の非重複領域まで移動するとき、又は、前記第2の非重複領域から前記重複領域を通って前記第1の非重複領域まで移動するときには、前記ターボコンプレッサの動作点が前記重複領域内に属するときに前記ターボコンプレッサの前記ディフューザの前記流路面積を前記第1の流路面積と第2の流路面積との間で切り替える、燃料電池システムの制御方法が提供される。

発明の効果

0008

酸化剤ガスの流量及び圧力を運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサの流路面積を変更できる。

図面の簡単な説明

0009

燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
乾燥抑制のための酸化剤ガス通路内の目標圧力マップを示す図である。
ターボコンプレッサの構成を示す断面図である。
ターボコンプレッサの構成を示す断面図である。
ターボコンプレッサの構成を示す断面図である。
ターボコンプレッサの特性を模式的に示すグラフである。
ターボコンプレッサの特性を模式的に示すグラフである。
ターボコンプレッサの特性を模式的に示すグラフである。
ターボコンプレッサの特性を模式的に示すグラフである。
動作点の移動を模式的に説明するグラフである。
ターボコンプレッサの流路面積の切り替え方法を模式的に説明するグラフである。
ターボコンプレッサの流路面積の切り替え方法を模式的に説明するグラフである。
酸化剤ガス供給制御ルーチンを示スフローチャートである。
流路面積切り替え制御ルーチンを示スフローチャートである。
重複領域制御ルーチンを示スフローチャートである。
別の実施例の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
別の実施例のターボコンプレッサの流路面積の切り替え方法を模式的に説明するグラフである。

実施例

0010

図1を参照すると、燃料電池システムAは燃料電池スタック10を備える。燃料電池スタック10は積層方向に互いに積層された複数の燃料電池単セルを含む積層体を備える。積層体の各燃料電池単セルは膜電極接合体20を含む。膜電極接合体20は膜状の電解質と、電解質の一側に形成されたアノード極と、電解質の他側に形成されたカソード極とを備える。

0011

燃料電池単セルのアノード極は一側に隣接する他の燃料電池単セルのカソード極に、カソード極は他側に隣接する他の燃料電池単セルのアノード極にそれぞれ電気的に接続される。積層体の一端側の燃料電池単セルのアノード極と他端側の燃料電池単セルのカソード極とは燃料電池スタック10の電極を構成する。燃料電池スタック10の電極はDC/DCコンバータ11を介してインバータ12に電気的に接続され、インバータ12はモータジェネレータ13に電気的に接続される。また、燃料電池システムAは蓄電器14を備えており、この蓄電器14はDC/DCコンバータ15を介して上述のインバータ12に電気的に接続される。DC/DCコンバータ11は燃料電池スタック10からの電圧を高めてインバータ12に送るためのものであり、インバータ12はDC/DCコンバータ11又は蓄電器14からの直流電流交流電流に変換するためのものである。DC/DCコンバータ15は燃料電池スタック10又はモータジェネレータ13から蓄電器14への電圧を低くし、又は蓄電器14からモータジェネレータ13への電圧を高くするためのものである。なお、図1に示される燃料電池システムAでは蓄電器14はバッテリから構成される。

0012

また、燃料電池単セル内には、アノード極に燃料ガスを供給するための燃料ガス流通路と、カソード極に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流通路と、燃料電池単セルに冷却水を供給するための冷却水流通路とがそれぞれ形成される。複数の燃料電池単セルの燃料ガス流通路を並列に接続し、複数の燃料電池単セルの酸化剤ガス流通路を並列に接続し、及び、複数の燃料電池単セルの冷却水流通路を並列に接続することにより、燃料電池スタック10には燃料ガス通路30、酸化剤ガス通路40、及び、冷却水通路50がそれぞれ形成される。

0013

燃料ガス通路30の入口である燃料ガス供給口には燃料ガス供給管31が連結され、燃料ガス供給管31は燃料ガス源32に連結される。図1に示される実施例では、燃料ガスは水素ガスから形成され、燃料ガス源32は水素タンクから形成される。燃料ガス供給管31内には上流側から順に、遮断弁33と、燃料ガス供給管31内の燃料ガスの圧力を調整するレギュレータ34と、燃料ガス源32からの燃料ガスを燃料電池スタック10に供給するための燃料ガスインジェクタ35と、が配置される。一方、燃料ガス通路30の出口である燃料ガス排出口にはアノードオフガス管36が連結される。遮断弁33が開弁されかつ燃料ガスインジェクタ35が開弁されると、燃料ガス源32内の燃料ガスが燃料ガス供給管31を介して燃料電池スタック10内の燃料ガス通路30内に供給される。このとき燃料ガス通路30から流出するガス、すなわちアノードオフガスはアノードオフガス管36内に流入する。アノードオフガス管36内には上流側から順に、アノードオフガスを気液分離する気液分離器37と、気液分離器37に蓄積された液体の排出を制御する排出制御弁38が配置される。気液分離器37の上部には燃料ガス循環管81の入口が連通され、燃料ガス供給管31における燃料ガスインジェクタ35よりも下流の箇所には燃料ガス循環管81の出口が連通される。燃料ガス循環管81内には、気液分離器37内の気体、すなわち気液分離されたアノードオフガスを圧送する燃料ガス循環ポンプ39が配置される。燃料ガス循環ポンプ39が駆動されると、気液分離器37に蓄積されたアノードオフガスが燃料ガス供給管31へ循環される。

0014

また、酸化剤ガス通路40の入口である酸化剤ガス供給口には酸化剤ガス供給管41が連結され、酸化剤ガス供給管41は酸化剤ガス源42に連結される。図1に示される実施例では、酸化剤ガスは空気から形成され、酸化剤ガス源42は大気から形成される。酸化剤ガス供給管41内には上流側から順に、ガスクリーナ43と、酸化剤ガスを圧送するターボコンプレッサ44と、ターボコンプレッサ44から燃料電池スタック10に送られる酸化剤ガスを冷却するためのインタークーラ45と、が配置される。一方、酸化剤ガス通路40の出口である酸化剤ガス排出口にはカソードオフガス管46が連結される。ターボコンプレッサ44が駆動されると、酸化剤ガス供給管41におけるターボコンプレッサ44よりも上流側の上流側酸化剤ガス供給管41Uを介して吸入された酸化剤ガスが、酸化剤ガス供給管41におけるターボコンプレッサ44よりも下流側の下流側酸化剤ガス供給管41Dを介して燃料電池スタック10内の酸化剤ガス通路40内に供給される。このとき酸化剤ガス通路40から流出するガス、すなわちカソードオフガスはカソードオフガス管46内に流入する。カソードオフガス管46内には上流側から順に、カソードオフガス管46内を流れるカソードオフガスの流量又は燃料電池スタック10の酸化剤ガス通路40内の圧力を制御する調圧弁47と、マフラー80とが配置される。アノードオフガス管36の出口は、調圧弁47とマフラー80との間に連結される。アノードオフガス管36の排出制御弁38が例えば所定の周期で一時的に開弁されると、気液分離器37に蓄積された液体、すなわち水分がアノードオフガスと共にアノードオフガス管36からカソードオフガス管46へ排出される。

0015

ターボコンプレッサ44は遠心式又は軸流式のターボコンプレッサから構成される。小型化などの面から、遠心式のターボコンプレッサが好適に用いられる。ターボコンプレッサ44はディフューザの流路面積を変更可能であり、すなわちターボコンプレッサでサージングが起こらない作動領域である非サージング領域を変更可能である。例えば、流路面積が小さくされると、酸化剤ガス流量がより少ない作動領域までサージングの発生が防止される。ターボコンプレッサ44は、ディフューザの流路面積を変更するための駆動部49に接続される。

0016

また、冷却水通路50の入口には冷却水供給管51の一端が連結され、冷却水供給管51の出口には冷却水供給管51の他端が連結される。冷却水供給管51内には冷却水を圧送する冷却水ポンプ52と、ラジエータ53とが配置される。ラジエータ53上流の冷却水供給管51と、ラジエータ53下流であってラジエータ53と冷却水ポンプ52間の冷却水供給管51とはラジエータバイパス管54により互いに連結される。また、ラジエータバイパス管54内を流れる冷却水量を制御するラジエータバイパス制御弁55が設けられる。図1に示される燃料電池システムAではラジエータバイパス制御弁55は三方弁から形成され、ラジエータバイパス管54の入口に配置される。また、冷却水ポンプ52下流側の冷却水供給管51にインタークーラ用水供給管56の一端が連結され、インタークーラ45にインタークーラ用水供給管56の他端が連結される。また、インタークーラ45にインタークーラ用水排出管57の一端が連結され、ラジエータバイパス制御弁55上流側の冷却水供給管51にインタークーラ用水排出管57の他端が連結される。冷却水ポンプ52が駆動されると、冷却水ポンプ52から吐出された冷却水は冷却水供給管51を介して燃料電池スタック10内の冷却水通路50内に流入し、次いで冷却水通路50を通って冷却水供給管51内に流入し、ラジエータ53又はラジエータバイパス管54を介して冷却水ポンプ52に戻る。また、冷却水供給管51を流通する冷却水はインタークーラ用水供給管56を介してインタークーラ45内を流通し、インタークーラ用水排出管57を介して冷却水供給管51に戻る。

0017

電子制御ユニット60はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス61によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)62、RAM(ランダムアクセスメモリ)63、CPU(マイクロプロセッサ)64、入力ポート65及び出力ポート66を具備する。下流側酸化剤ガス供給管41Dには下流側酸化剤ガス供給管41D内の圧力を検出する圧力センサ70が取り付けられる。また、燃料電池スタック10内の冷却水通路50に隣接する冷却水供給管51には冷却水の温度を検出する温度センサ71が取り付けられる。圧力センサ70及び温度センサ71の出力信号は対応するAD変換器67を介して入力ポート65に入力される。一方、出力ポート66は対応する駆動回路68を介して遮断弁33、レギュレータ34、燃料ガスインジェクタ35、排出制御弁38、燃料ガス循環ポンプ39、ターボコンプレッサ44、調圧弁47、駆動部49、冷却水ポンプ52、及びラジエータバイパス制御弁55に電気的に接続される。

0018

ところで、燃料電池スタック10で発電すべきときには遮断弁33及び燃料ガスインジェクタ35が開弁され、水素ガスが燃料電池スタック10に供給される。また、ターボコンプレッサ44が駆動され、空気が燃料電池スタック10に供給される。その結果、燃料電池単セルにおいて電気化学反応(H2→2H++2e−,(1/2)O2+2H++2e−→H2O)が起こり、電気エネルギが発生される。この発生された電気エネルギはモータジェネレータ13に送られる。その結果、モータジェネレータ13が車両駆動用電気モータとして作動され、電動車両が駆動される。一方、例えば車両制動時にはモータジェネレータ13が回生装置として作動し、このとき回生された電気エネルギは蓄電器14に蓄えられる。

0019

図1に示される燃料電池システムAでは、発電すべきときには、例えばアクセルペダル踏み込み量により表されるモータジェネレータ13の負荷及び蓄電器14の蓄電量に応じて燃料電池スタック10の目標電流値が求められる。次いで、燃料電池スタック10の出力電流値を目標電流値にするのに必要な燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量、すなわち目標燃料ガス流量及び目標酸化剤ガス流量QOXSが求められる。次いで、燃料電池スタック10に送られる燃料ガス流量が目標燃料ガス流量となるようにレギュレータ34及び燃料ガスインジェクタ35が制御され、燃料電池スタック10に送られる酸化剤ガス流量が目標酸化剤ガス流量QOXSとなるようにターボコンプレッサ44が制御される。

0020

ここで、例えば燃料電池スタック10の運転が高負荷運転から低負荷運転に切り替えられた直後には、ターボコンプレッサ44が目標酸化剤ガス流量QOXSの酸化剤ガスを圧力を変更せずに供給すると、燃料電池スタック10が乾燥するおそれがある。これは、燃料電池スタック10の温度が比較的高く、また、低負荷運転時に燃料電池スタック10で生成される水の量が少ないからである。そこで図1に示される燃料電池システムAでは、燃料電池スタック10の乾燥を抑制し、所定量以上の水分が確保されるようにする乾燥抑制制御が行われる。すなわち、調圧弁47の開度が一時的に小さくされる。その結果、酸化剤ガス流量が減少して、カソードオフガスにより持ち去られる水の量が低減される。また、燃料電池スタック10の酸化剤ガス通路40内の圧力が高められ、酸化剤ガス通路40内で凝縮する水の量が増大される。この乾燥抑制制御では、燃料電池スタック10の酸化剤ガス通路40内の圧力が目標とする圧力になるように調圧弁47が調整される。ここで、乾燥抑制のための酸化剤ガス通路40内の目標圧力PBAは、例えば燃料電池スタック10の温度及び目標酸化剤ガス流量QOXSの関数として予め求められており、図2に示されるマップの形でROM62内に予め記憶されている。したがって、乾燥抑制制御では、燃料電池スタック10の温度及び目標酸化剤ガス流量QOXSに基づいて図2に示されるマップから目標圧力PBAが取得され、酸化剤ガス通路40内の圧力が目標圧力PBAになるように調圧弁47の開度が制御される。ただし、燃料電池スタック10の温度としては温度センサ71で検出される冷却水の温度が用いられる。酸化剤ガス通路40内の圧力としては圧力センサ70で検出される下流側酸化剤ガス供給管41D内の圧力が用いられる。一方、燃料電池スタック10で乾燥抑制制御を行わない運転、すなわち通常運転では、調圧弁47は例えば全開とされる。

0021

次に、図3及び図4を参照しながら、ターボコンプレッサ44の構成について更に説明する。ただし、図3図4のB3−B3断面図であり、図4図3のB4−B4断面図である。

0022

図3及び図4に示される実施例では、ターボコンプレッサ44は、遠心型のターボコンプレッサであり、ケーシング101とケーシング102とを図示しない接合手段により接合することにより構成される。ケーシング102は、円形バックプレート106を備える。バックプレート106には、シール機能付の軸受105を介して回転軸104が回転可能に支持される。回転軸104にはインペラ103が固定される。回転軸104が軸心線Cを中心にして図示しない電気モータにより回転され、それによりインペラ103が回転する。インペラ103は、図3の上方から下方に向かって内径が拡がる湾曲周面上に均等な間隔で取り付けられた複数の103aを含む。

0023

ケーシング101は内部に、図3の上方から下方に向かって、内径が単調に減少する吸入口110と、内径が概ね一定の流路111と、内径が単調に増加する漏斗状の空間112とを有し、吸入口110と流路111と空間112とはこの順に互いに連結する。空間112内にはインペラ103が配置される。また、空間112における流路111と反対側の、漏斗状の末広がり部分の外周部には、ディフューザ113が連通される。ディフューザ113は、軸心線Cに垂直な方向に放射状に延びる酸化剤ガスの流路である。ディフューザ113の外周側には連通空間114を介して蝸牛状のボリュート115が連通される。したがって、上流側酸化剤ガス供給管41U内の酸化剤ガスは、インペラ103の回転により吸入口110から吸入され、インペラ103の遠心力により圧縮されながらディフューザ113へ供給されて、ディフューザ113によりさらに圧縮される。ディフューザ113により圧縮された酸化剤ガスは連通空間114及びボリュート115を介して吐出口(図示せず)から下流側酸化剤ガス供給管41Dへ送出される。

0024

バックプレート106は、ディフューザ113よりも内側の部分であり、インペラ103の下方に配置された内側バックプレート106aと、ディフューザ113よりも外側の部分であり、ケーシング101と接合された外側バックプレート106bとで構成される。

0025

ディフューザ113は、上側のディフューザ壁116の一方の面と、ディフューザ壁116と対向する下側のディフューザ壁107の上面とによって区画される。ディフューザ壁116はケーシング101の一部であって、軸心線C方向に対して垂直な環状の壁面で構成される。ディフューザ壁116の他方の面によりボリュート115が区画される。ディフューザ壁107は軸心線C方向に対して垂直な環状の壁面で構成される。ディフューザ壁107は、軸心線C方向に移動可能である。ディフューザ壁107の内周部及び外周部には挟着板123によって固定された環状の可撓性部材108、109が設けられる。すなわち、可撓性部材108の外周部及び可撓性部材109の内周部はそれぞれ挟着板123によって、ディフューザ壁107に固定される。また、可撓性部材108の内周部は挟着板121によって内側バックプレート106aに固定され、可撓性部材109の外周部は挟着板122によって外側バックプレート106bに固定される。したがって、ディフューザ壁107はバックプレート106に、可撓性部材108、109によって、軸心線C方向に移動可能に支持される。このとき、可撓性部材108、109は、ディフューザ壁107とともにディフューザ113の一側面を形成する。

0026

ケーシング102の下側にはディフューザ壁107を移動するための移動部124が設けられ、移動部124は移動部124を駆動する駆動部49に接続される。移動部124及び駆動部49は例えば油圧回路であり、移動部124にはディフューザ壁107を移動させるための作動油充填され、駆動部49は移動部124の作動油の圧力を制御する。図3に示す状態から、駆動部49が移動部124の作動油に圧力を印加すると、作動油による挟着板123を下側から押し上げる力が働くことで、図5に示すように、ディフューザ壁107がディフューザ壁116に近づく。すなわちディフューザ113の流路面積が小さくなる。このとき、可撓性部材108、109は上方へ撓む。一方、図5に示す状態から、駆動部49が作動油に印加した圧力を開放すると、作動油による挟着板123を下側から押し上げる力が働かなくなり、可撓性部材108、109が元の形状に戻るように下方へ撓むことで、図3に示すように、ディフューザ壁107がディフューザ壁116から離れる。すなわちディフューザの流路面積が大きくなる。図示しない別の実施例では、駆動部49が作動油を吸引することで可撓性部材108、109が元の形状に戻るよう下方へ撓む。また、図示しない更に別の実施例では、移動部124及び駆動部49は、油圧ではなく空気圧を用いる。また、図示しない更に別の実施例では、移動部124及び駆動部49はそれぞれリンク機構及びそのリンク機構を駆動する駆動装置である。

0027

図3に示される状態は、駆動部49が作動油に圧力を印加せず、可撓性部材108、109が通常の形状の状態であり、ディフューザ壁107がディフューザ壁116に対して離れた状態である。この場合、ディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離dは長く、距離d1となり、ディフューザ113の流路面積は大きくなる。一方、図5に示される状態は、駆動部49が作動油に圧力を印加して、ディフューザ壁107がディフューザ壁116の向きに移動して、可撓性部材108、109が収縮した状態であり、ディフューザ壁107がディフューザ壁116に対して近づいた状態である。この場合、ディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離dは短く、距離d2となり、ディフューザ113の流路面積は小さくなる。

0028

本発明による実施例では、図3図5のターボコンプレッサ44は、ディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離d及びディフューザ113の流路面積が、図3に示される距離d1で流路面積が大きい第1の流路面積である場合と、図5に示される距離がd2で流路面積が小さい第2の流路面積である場合とのいずれかを取るように、駆動部49及び移動部124が制御されるものとする。その場合、乾燥抑制制御を行わない通常運転の状態にはターボコンプレッサ44に対して図3に示される距離d1(第1の流路面積)が設定され、サージングが発生するおそれがある状態にはターボコンプレッサ44に対して図5に示される距離d2(第2の流路面積)が設定されるものとする。言い換えると、ディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離d及びディフューザ113の流路面積は2段階で制御される。なお、別の実施例では、ディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離d及びディフューザ113の流路面積が、油圧を制御することで、2段階ではなく3段階以上、又は、連続的に制御される。この場合、上述の第1の流路面積及び第2の流路面積は、互いに異なる任意の2つの流路面積に設定される。例えば、第1の流路面積はディフューザ113がとりうる最大の流路面積に設定され、第2の流路面積はディフューザ113がとりうる最少の流路面積に設定される。

0029

次に、図6及び図7を参照しながら、ディフューザ113の流路面積とターボコンプレッサ44の圧力−流量曲線との関係について説明する。図6及び図7は、ターボコンプレッサ44の特性を示す。縦軸はターボコンプレッサ44の入口における圧力に対するターボコンプレッサ44の出口における圧力の比である圧力比を示し、横軸はターボコンプレッサ44から吐出される酸化剤ガス流量を示す。ただし、ターボコンプレッサ44の出口における圧力は圧力センサ70により検出されると共に、調圧弁47により制御される酸化剤ガス通路40内の圧力に応じて定まる。一方、ターボコンプレッサ44の入口における圧力は大気圧と考えることができる。したがって、ターボコンプレッサ44の出口における圧力が増加すると、圧力比も増加する。

0030

図6はディフューザ壁107がディフューザ壁116に対して離れた状態、すなわちディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離は長くd1であり、ディフューザ113の流路面積が大きい第1の流路面積である場合を示す(図3)。図6を参照すると、圧力比及び酸化剤ガス流量により定まるターボコンプレッサ44の作動状態領域に第1のサージング領域SA1と第1の非サージング領域NSA1とが区画される。第1のサージング領域SA1は、圧力比が限界圧力比RPL1よりも高い領域であり、ターボコンプレッサ44の作動状態が第1のサージング領域SA1に属するときにはサージングが発生するおそれがある。一方、第1の非サージング領域NSA1は、圧力比が限界圧力比RPL1よりも低い領域であり、ターボコンプレッサ44の作動状態が第1の非サージング領域NSA1に属するときにはサージングが発生しない。なお、限界圧力比RPL1は酸化剤ガス流量に応じて定まり、具体的には酸化剤ガス流量が多くなるにつれて高くなる。

0031

すなわち、ターボコンプレッサ44の作動状態がEaで表されるとき、すなわち圧力比がRPaであり酸化剤ガス流量がQOPaであるときには、ターボコンプレッサ44の作動状態Eaは第1のサージング領域SA1内に属する。一方、ターボコンプレッサ44の作動状態がEbで表されるとき、すなわち圧力比がRPbであり酸化剤ガス流量がQOPbであるときには、ターボコンプレッサ44の作動状態Ebは第1の非サージング領域NSA1内に属する。

0032

一方、図7はディフューザ壁107がディフューザ壁116に対して近づいた状態、すなわちディフューザ壁107とディフューザ壁116との距離dは短くd2であり、ディフューザ113の流路面積が小さい第2の流路面積である場合を示す(図5)。図7を参照すると、圧力比及び酸化剤ガス流量により定まるターボコンプレッサ44の作動状態領域に第2のサージング領域SA2と第2の非サージング領域NSA2とが区画される。第2のサージング領域SA2は、圧力比が限界圧力比RPL2よりも高い領域であり、ターボコンプレッサ44の作動状態が第2のサージング領域SA2に属するときにはサージングが発生するおそれがある。一方、第2の非サージング領域NSA2は、圧力比が限界圧力比RPL2よりも低い領域であり、ターボコンプレッサ44の作動状態が第2の非サージング領域NSA2に属するときにはサージングが発生しない。なお、限界圧力比RPL2は酸化剤ガス流量に応じて定まり、具体的には酸化剤ガス流量が大きくなるにつれて高くなり、ピークを過ぎると酸化剤ガス流量が大きくなるにつれて低くなる。

0033

すなわち、ターボコンプレッサ44の作動状態がE1で表されるとき、すなわち圧力比がRP1であり酸化剤ガス流量がQOP1であるときには、ターボコンプレッサ44の作動状態E1は第2のサージング領域SA2内に属する。一方、ターボコンプレッサ44の作動状態がE2で表されるとき、すなわち圧力比がRP2であり酸化剤ガス流量がQOP2であるときには、ターボコンプレッサ44の作動状態E2は第2の非サージング領域NSA2内に属する。ただし、限界圧力比RPL2は、図6の限界圧力比RPL1よりも高圧力比側に存在している。

0034

図8は、ディフューザ113が第1の流路面積である場合(図6)とディフューザ113が第2の流路面積である場合(図7)とを併せて示す。このとき、図8において、Esは、ターボコンプレッサ44からの酸化剤ガス流量を上述した目標酸化剤ガス流量QOXSに制御しつつ、圧力比をRPSに設定した場合のターボコンプレッサ44の作動状態を表す。図8に示される例ではターボコンプレッサ44の作動状態Esは、ディフューザ113が第1の流路面積である場合、図6の作動状態Eaと同様に、第1のサージング領域SA1内に属している。この場合、ディフューザ113の流路面積を第2の流路面積に変更すると、ターボコンプレッサ44の作動状態Esは、図7の作動状態E2と同様に、第2の非サージング領域NSA2内に属することになる。すなわち、目標酸化剤ガス流量QOXSの下で圧力比RPSを変更せずに、ディフューザ113の流路面積を小さくすることで、ターボコンプレッサ44の作動状態Esを、サージング領域から非サージング領域に変更することができる。言い換えると、ターボコンプレッサ44では、ディフューザ113の流路面積が変更可能であることで、ディフューザ113の流路面積が固定されている場合と比較して、非サージング領域が高圧力比側に拡張される、ということができる。なお、圧力比を一定とすれば非サージング領域が低酸化剤ガス流量側に拡張される、とみることもできる。それにより、ターボコンプレッサ44では、高圧力比、低酸化剤ガス流量であっても、サージングの発生が抑制される。

0035

以下では、ターボコンプレッサ44の作動状態を動作点ともいう。このとき、図8のターボコンプレッサ44の圧力−流量曲線を再掲した図9において、ターボコンプレッサ44の圧力比及びターボコンプレッサ44からの酸化剤ガス流量により定まるターボコンプレッサ44の動作点が属しうる領域内では、第1の非サージング領域NSA1が、第2の非サージング領域NSA2に重なっている重複領域OLAと第2の非サージング領域NSA2に重なっていない第1の非重複領域UOLA1とに区分されると共に、第2の非サージング領域NSA2が、第1の非サージング領域NSA1に重なっている重複領域OLAと第1の非サージング領域NSA1に重なっていない第2の非重複領域UOLA2とに区分されている。更に、ターボコンプレッサ44の動作点が属しうる領域内には、第1のサージング領域SA1と第2のサージング領域SA2とが重なる共通サージング領域CSAが区画される。図9に示す実施例では、動作点が第1の非重複領域UOLA1にあるときにはターボコンプレッサ44の流路面積は第1の流路面積に制御され、動作点が第2の非重複領域UOLA2にあるときにはターボコンプレッサ44の流路面積は第2の流路面積に制御される。ここで、ターボコンプレッサ44の第1の非重複領域UOLA1、重複領域OLA、第2の非重複領域UOLA2を示す図9のグラフのデータは、ROM62内に予め記憶されている。

0036

ところで、一般に、ターボコンプレッサ44からの実際の酸化剤ガス流量がQOXx1のときに、目標酸化剤ガス流量が変更されそれにより酸化剤ガス流量がQOXx2になるようにターボコンプレッサ44が制御されると、実際の酸化剤ガス流量はQOXx1からQOXx2まで遅れをもって変化する。同様に、実際の圧力比がRPx1のときに、目標圧力が変更されそれにより酸化剤ガス通路40内の圧力が目標圧力になるように調圧弁47が制御されると、実際の圧力比はRPx1から目標圧力に対応するRPx2まで遅れをもって変化する。したがって、図10に示されるように、動作点は、酸化剤ガス流量QOXx1及び圧力比RPx1により定まる動作点Ex1から、目標酸化剤ガス流量QOXx2及び目標圧力に対応する圧力比RPx2により定まる動作点Ex2まで、曲線X1に沿って、移動する。このため、目標酸化剤ガス流量及び目標圧力が新たな値に変更されてからしばらくの間は、実際の動作点は目標動作点に一致していない。

0037

以上に基づいて、図1に示される燃料電池システムAでは、例えば、図11に示すように、現在の動作点Es1が第1の非重複領域UOLA1に属し、すなわち現在の流路面積が第1の流路面積のとき、動作点を第2の非重複領域UOLA2に属する目標とする動作点Es2へ移動させるには以下の制御が行われる。まず、現在の動作点が第1の非重複領域UOLA1、第2の非重複領域UOLA2及び重複領域OLAのいずれに属するかが判別される。現在の動作点Es1が第1の非重複領域UOLA1に属する場合には、図9のグラフのデータに基づいて、目標圧力PBAに対応した圧力比と目標酸化剤ガス流量QOXSとにより定まる、ターボコンプレッサ44が目標とする動作点Es2が第2の非重複領域UOLA2に属するか否かが判別される。そして、目標とする動作点Es2が第2の非重複領域UOLA2に属すると判別されたときには、動作点は図11の例では曲線Y1に沿って、第1の非重複領域UOLA1、重複領域OLA及び第2の非重複領域UOLA2を順次移動する。ここで、ターボコンプレッサ44の動作点が第1の非重複領域UOLA1の現在の動作点Es1から重複領域OLAを通って第2の非重複領域UOLA2の目標とする動作点Es2へ移動してゆく途中で、動作点が重複領域OLAに属する動作点Es01のときに、ディフューザ113の流路面積が第1の流路面積から第2の流路面積に切り替えられる。すなわち、ディフューザ壁116とディフューザ壁107との距離dが距離d2に切り替えられる。その後、動作点は第2の非重複領域UOLA2の目標とする動作点Es2へ移動する。言い換えると、ターボコンプレッサ44の動作点が第2の非サージング領域NSA2に入る。これに対し、ターボコンプレッサ44が目標とする動作点Es2が第2の非重複領域UOLA2に属さないと判別されたときには、ディフューザ113の流路面積が第1の流路面積に維持される。

0038

一方、例えば、図12に示すように、現在の動作点Es3が第2の非重複領域UOLA2に属し、すなわち現在の流路面積が第2の流路面積のとき、動作点を第1の非重複領域UOLA1内に属する目標とする動作点Es4へ移動させるには以下の制御が行われる。現在の動作点Es3が第2の非重複領域UOLA2に属する場合には、図9のグラフのデータに基づいて、目標圧力PBAに対応した圧力比と目標酸化剤ガス流量QOXSとにより定まる、ターボコンプレッサ44が目標とする動作点Es4が第1の非重複領域UOLA1に属するか否かが判別される。そして、目標とする動作点Es4が第1の非重複領域UOLA1に属すると判別されたときには、動作点は図12の例では曲線Y2に沿って、第2の非重複領域UOLA2、重複領域OLA及び第1の非重複領域UOLA1を順次移動する。ここで、ターボコンプレッサ44の動作点が第2の非重複領域UOLA2の現在の動作点Es3から重複領域OLAを通って第1の非重複領域UOLA1の目標とする動作点Es4へ移動してゆく途中で、動作点が重複領域OLAに属する動作点Es02のときに、ディフューザ113の流路面積が第2の流路面積から第1の流路面積に切り替えられる。すなわち、ディフューザ壁116とディフューザ壁107との距離dが距離d1に切り替えられる。その後、動作点は第1の非重複領域UOLA1の目標とする動作点Es4へ移動する。言い換えると、ターボコンプレッサ44の動作点が第1の非サージング領域NSA1に入る。これに対し、ターボコンプレッサ44が目標とする動作点Es4が第1の非重複領域UOLA1に属さないと判別されたときには、ディフューザ113の流路面積が第2の流路面積に維持される。

0039

また、現在の動作点が重複領域OLAの場合、目標の動作点に応じて直ちにディフューザ113の流路面積が変更される。すなわち、目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属する場合、流路面積が第1の流路面積に変更、又は第1の流路面積に維持される。また、目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属する場合、流路面積が第2の流路面積に変更、又は第2の流路面積に維持される。また、目標の動作点が重複領域OLAに属する場合、流路面積がその時の流路面積に維持される。

0040

このように、本実施例では、ターボコンプレッサ44の酸化剤ガス流量及び圧力で定まる動作点が、例えば、第1の非重複領域UOLA1に属する現在の動作点から重複領域OLAを通って第2の非重複領域UOLA2に属する目標の動作点へ移動するとき、動作点が重複領域OLAに属するときに、ターボコンプレッサ44の流路面積を第1の流路面積から第2の流路面積へ変更している。このとき、流路面積の変更を重複領域OLAで行っているので、ターボコンプレッサ44にサージングが発生することはない。動作点が、例えば、第2の非重複領域UOLA2に属する現在の動作点から重複領域OLAを通って第1の非重複領域UOLA1に属する目標の動作点へ移動するときも同様である。したがって、燃料電池スタック10に供給する酸化剤ガスの流量及び圧力を、燃料電池スタック10の運転条件に応じて変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサ44の流路面積を変更することができる。

0041

ここで、例えば第1の非重複領域UOLA1から第2の非重複領域UOLA2へ動作点を移動するとき、動作点が重複領域OLA以外の領域に属するときに流路面積を切り替えることは以下の点で不適切である。例えば目標とする動作点が第2の非重複領域UOLA2に属する場合であっても、実際の動作点が未だ第1の非重複領域UOLA1に属するときに流路面積を第1の流路面積から第2の流路面積に切り替えると、第2の流路面積のターボコンプレッサ44にとって第1の非重複領域UOLA1は第2のサージング領域SA2であるため、ターボコンプレッサ44にサージングが発生してしまうおそれがある。また、例えば動作点が第2の非重複領域UOLA2に属した後に流路面積を第1の流路面積から第2の流路面積に切り替えると、第1の流路面積のターボコンプレッサ44にとって第2の非重複領域UOLA2は第1のサージング領域SA1であるため、動作点が第2の非重複領域UOLA2に入ってから流路面積を切り替えるまでにターボコンプレッサ44にサージングが発生してしまうおそれがある。ディフューザ113の動作遅れのことを考えると、サージングが発生している時間が長くなるおそれもある。このことは、第2の非重複領域UOLA2から第1の非重複領域UOLA1へ動作点を移動するとき、動作点が重複領域OLA以外の領域に属するときに流路面積を切り替える場合にも同様に当てはまる。本実施例では、動作点が重複領域OLAに属するときに流路面積を切り替えることで、上記のようなサージングの発生を防止できる。それにより、動作点を移動させつつ、すなわち酸化剤ガスの流量及び圧力を変更しつつ、サージングを発生させないようにターボコンプレッサの流路面積を変更することができる。

0042

また、非サージング領域を第1の非サージング領域NSA1だけでなく第2の非サージング領域NSA2まで実質的に拡張することができるので、乾燥抑制制御のために酸化剤ガス流量が少なく、酸化剤ガスの圧力が高い場合であってもターボコンプレッサ44でのサージングの発生を抑制できる。

0043

図13図1の燃料電池システムAにおける酸化剤ガス供給制御ルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。図13を参照すると、ステップ100では燃料電池スタック10の温度が温度センサ71により検出される。続くステップ101では目標電流値に基づいて、目標酸化剤ガス流量QOXSが算出される。続くステップ102では燃料電池スタック10の温度及び目標酸化剤ガス流量QOXSに基づいて、図2に示されるマップを参照して、燃料電池スタック10内の酸化剤ガス通路40の目標圧力が決定される。続くステップ103では酸化剤ガス通路40の目標圧力に基づいて圧力比が算出され、算出された圧力比及び目標酸化剤ガス流量QOXSに基づいて、ターボコンプレッサ44が目標とする動作点が決定される。続くステップ104では酸化剤ガス通路40の目標圧力及び目標酸化剤ガス流量QOXSになるようにターボコンプレッサ44の酸化剤ガス流量と圧力が制御され、調圧弁47の開度が制御される。

0044

図14は、図1の燃料電池システムAにおける流路面積切り替え制御ルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。ステップ200では、図9のグラフを示すデータを参照して、現在の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属するか否かが判別される。現在の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属するときにはステップ201へ進み、目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属するか否かが判別される。目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属するときにはステップ202へ進み、動作点が重複領域OLAに属するまで待ち、動作点が重複領域OLAに属するようになったときにはステップ203へ進み、流路面積を第1の流路面積から第2の流路面積へ切り替える。ステップ201において目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属さないときには流路面積の切り替えは行わない。一方、ステップ200において現在の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属さないときにはステップ204へ進み、現在の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属するか否かが判別される。現在の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属するときにはステップ205へ進み、目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属するか否かが判別される。目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属するときにはステップ206へ進み、動作点が重複領域OLAに属するまで待ち、動作点が重複領域OLAに属するようになったときにはステップ207へ進み、流路面積を第2の流路面積から第1の流路面積へ切り替える。ステップ205において目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属さないときには流路面積の切り替えは行わない。更に、ステップ204において現在の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属さないとき、すなわち重複領域に属するときにはステップ208進み、重複領域制御を行う。

0045

図15は、図14のステップ208で実行される重複領域制御ルーチンを示している。ステップ300では、目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属するか否かが判別される。目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属するときにはステップ301へ進み、流路面積が第1の流路面積に変更される、又は、第1の流路面積に維持される。一方、ステップ300において、目標の動作点が第1の非重複領域UOLA1に属さないときにはステップ302へ進み、目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属するか否かが判別される。目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属するときにはステップ303へ進み、流路面積が第2の流路面積に変更される、又は、第2の流路面積に維持される。更に、ステップ302において、目標の動作点が第2の非重複領域UOLA2に属さないとき、すなわち重複領域に属するときには流路面積がその時の流路面積に維持される。

0046

次に、図16を参照して別の実施例について説明する。図1に示される燃料電池システムAは、燃料ガス通路30の出口である燃料ガス排出口と燃料ガス供給管31とがアノードオフガス管36及び燃料ガス循環管81で接続され、水素ガスを含むアノードオフガスが燃料ガス供給管31へ循環されるシステム、すなわち燃料ガス循環式の燃料電池システムである。一方、図16に示される燃料電池システムAは、燃料ガス循環管81及び燃料ガス循環ポンプ39が除かれている。すなわち、図16示される燃料電池システムAは、燃料ガス通路30の出口である燃料ガス排出口と燃料ガス供給管31とが分離され、水素ガスを含むアノードオフガスが燃料ガス供給管31へ循環されないシステム、すなわち燃料ガス非循環式の燃料電池システムである。

0047

燃料ガス循環式の燃料電池システムではアノードオフガスと共に水分も燃料ガス供給管31へ戻されるが、燃料ガス非循環式の燃料電池システムでは水分が燃料ガス供給管31へ戻されないので、燃料電池スタック内が乾燥しやすい。本発明による実施例では、燃料ガス非循環式の燃料電池システムでも乾燥抑制が可能である。

0048

この場合にも、図1に示される実施例の燃料電池システムAと同様の効果を奏することができる。

0049

次に、図17を参照して更に別の実施例について説明する。図12に示す実施例では、第2の非重複領域UOLA2内の現在の動作点Es3から第1の非重複領域UOLA1内の目標の動作点Es4へ動作点が変更されるとき、動作点が曲線Y2に沿って移動する途中で、重複領域OLAを経由しており、共通サージング領域CSAを経由していない。一方、図17に示す実施例では、第2の非重複領域UOLA2内の現在の動作点Es5から第1の非重複領域UOLA1内の目標の動作点Es6へ動作点が変更されるとき、動作点が曲線Y5に沿って移動すると、重複領域OLAを経由せず、共通サージング領域CSAを経由してしまう。そこで更に別の実施例では、まず重複領域OLA内に仮の目標の動作点Es03を設定し、すなわち仮の目標の動作点Es03に対応する仮の目標酸化剤ガス流量及び仮の目標圧力を設定し、仮の目標の動作点Es03に向けて制御する。その結果、動作点は図17の例では曲線Y3に沿って移動する。そして、酸化剤ガス流量及び圧力がその仮の目標酸化剤ガス流量及び仮の目標圧力になった時点、すなわち動作点が重複領域OLAの動作点Es03になった時点で流路面積の切り替えを行う。その後、本来の目標の動作点Es6へ移動すべく、酸化剤ガス流量及び圧力を本来の目標の動作点Es6に対応する目標酸化剤ガス流量及び目標圧力に設定し、目標の動作点Es6に向けて制御する。その結果、動作点は曲線Y4に沿って移動し、すなわち酸化剤ガス流量及び圧力がその目標酸化剤ガス流量及び目標圧力へ向かって変化する。

0050

この場合にも、流路面積の切り替えが重複領域で行われているので、ターボコンプレッサ44の運転中にサージングが起きることとはなく、図1に示す実施例の燃料電池システムAと同様の効果を奏することができる。また、現在の動作点Es5と目標の動作点Es6との間に共通サージング領域CSAがあり、動作点を曲線Y5に沿って移動させると、サージングが起きる場合でも、仮の目標の動作点Es03を設定することで、その共通サージング領域CSAを迂回しつつ、流路面積の切り替えを行うことができる。

0051

A燃料電池システム
10燃料電池スタック
40酸化剤ガス通路
41酸化剤ガス供給管
44ターボコンプレッサ
46カソードオフガス管
47調圧弁
113 ディフューザ

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