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技術 金属ナノデンドリマー構造体を調製する方法

出願人 ゼロックスコーポレイション
発明者 ヴァレリー・エム・ファルジアアラーナ・デソウザサンドラ・ジェイ・ガードナー
出願日 2016年1月14日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-005110
公開日 2016年7月28日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2016-135918
状態 特許登録済
技術分野 粉末冶金 ナノ構造物 金属質粉又はその懸濁液の製造
主要キーワード ナノ構造化材料 樹枝状構造体 紫外線照射光 多重段 装填率 非平衡条件 銀複合体 プレート形態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

銀ナノデンドリマー構造体の調製によって例示されるような金属ナノ構造化材料を作製する方法の提供。

解決手段

有機を含まない溶媒中でスルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、銀(I)イオン溶液を加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、混合物を約65〜約90℃に加熱することによってスルホン化ポリエステルマトリックス中で銀(I)を銀(0)に還元して、スルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子乳剤を形成する工程と、銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体凝集させる工程とを含む方法。前記銀ナノ粒子を凝集させる工程が周囲の温度で約1週間撹拌せずに乳剤を静置することを含む方法。

概要

背景

センサー太陽電池ナノ電子デバイス生物医学的画像化プロセスに関係する多数の下流の用途に適合するように調整できる金属ナノ構造体の設計および製作は、ますます重要になっている。ナノ構造化金属の大きさおよび形状に応じて、電子光子光学磁気および触媒の特性は好適な用途に向けて微調整することができる。幾つかの一般的なナノ構造化されたモルフォロジナノ粒子ナノロッドおよびナノワイヤーを含む。より複雑なナノ構造体は、バイオセンサーデバイス太陽光発電およびナノ電子機器中でますます用いられる多重分岐層型ナノ構造体を含む。他の関心領域は環境化学およびデバイス製作および材料設計を含む。ナノ材料化学で使用される「ボトムアップ手法」の適用によって、材料はナノメートル規模で設計し組織化することができる。

ナノツリーおよびナノデンドライトなどのこれらのより高度に編成されたナノ構造体の製作は、一般に高温およびかなり苛酷反応条件を必要とする。図1は、シリコンウェーハ上での銀デンドライトの成長のための例示のプロセスを示す。金属デンドライトの形成への1つの手法は、電極表面への電気化学的堆積による。他の方法には、水熱合成化学気相成長フォトリソグラフィ支援されたウェーハ規模の製作、液相還元溶媒熱合成紫外線照射光還元および他の電気化学的方法が含まれる。図2は、前述の方法によって入手されてもよい多数のデンドライトのモルフォロジを示す。

概要

銀ナノデンドリマー構造体の調製によって例示されるような金属ナノ構造化材料を作製する方法の提供。有機を含まない溶媒中でスルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、銀(I)イオン溶液を加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、混合物を約65〜約90℃に加熱することによってスルホン化ポリエステルマトリックス中で銀(I)を銀(0)に還元して、スルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子乳剤を形成する工程と、銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体凝集させる工程とを含む方法。前記銀ナノ粒子を凝集させる工程が周囲の温度で約1週間撹拌せずに乳剤を静置することを含む方法。なし

目的

本明細書の実施形態は、環境にやさしく、無毒で環境上安全な方法論によって樹枝状銀ナノ粒子の調製においてスルホン化ポリエステル(SPE)、とりわけ分岐SPE(BSPE)を用いる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

有機を含まない溶媒中でスルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、銀(I)イオン溶液を前記加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、前記混合物を約65℃から約90℃に加熱することによって銀(I)を銀(0)に還元することによってスルホン化ポリエステルマトリックス、および前記スルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子乳剤を形成する工程と、前記銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体凝集させる工程とを含む方法。

請求項2

前記スルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程が約65℃から約90℃の温度で実施される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記有機を含まない溶媒が脱イオン水である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記銀ナノ粒子を凝集させる工程が、周囲温度で少なくとも約1週間撹拌せずに前記乳剤を静置することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

銀(I)イオンの供給源が、硝酸銀スルホン酸銀、フッ化銀過塩素酸銀乳酸銀テトラフルオロホウ酸銀酸化銀および酢酸銀から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項6

脱イオン水中で分岐スルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、混合物の約1重量パーセント未満の0でない量で存在する、銀(I)イオンの溶液を前記加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、前記混合物を約65℃から約90℃に加熱することによって銀(I)を銀(0)に還元することによってスルホン化ポリエステルマトリックス、および前記スルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子の乳剤を形成する工程と、少なくとも1週間周囲温度で前記乳剤を静置することによって前記銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体に凝集させる工程とを含む方法。

請求項7

銀(I)イオンと分岐スルホン化ポリエステル樹脂の比が、約1:1から約1:120の範囲にある、請求項6に記載の方法。

請求項8

約3週間後に前記銀ナノデンドライトが形成される、請求項6に記載の方法。

請求項9

界面活性剤のない状態で実行される、請求項6に記載の方法。

請求項10

外部還元剤のない状態で実行される、請求項6に記載の方法。

技術分野

0001

本開示はナノ構造化材料を作製する方法に関する。特に、本明細書の実施形態は、銀ナノデンドリマー構造体の調製によって例示されるような金属ナノ構造化材料を作製する方法に関する。

背景技術

0002

センサー太陽電池ナノ電子デバイス生物医学的画像化プロセスに関係する多数の下流の用途に適合するように調整できる金属ナノ構造体の設計および製作は、ますます重要になっている。ナノ構造化金属の大きさおよび形状に応じて、電子光子光学磁気および触媒の特性は好適な用途に向けて微調整することができる。幾つかの一般的なナノ構造化されたモルフォロジナノ粒子ナノロッドおよびナノワイヤーを含む。より複雑なナノ構造体は、バイオセンサーデバイス太陽光発電およびナノ電子機器中でますます用いられる多重分岐層型ナノ構造体を含む。他の関心領域は環境化学およびデバイス製作および材料設計を含む。ナノ材料化学で使用される「ボトムアップ手法」の適用によって、材料はナノメートル規模で設計し組織化することができる。

0003

ナノツリーおよびナノデンドライトなどのこれらのより高度に編成されたナノ構造体の製作は、一般に高温およびかなり苛酷反応条件を必要とする。図1は、シリコンウェーハ上での銀デンドライトの成長のための例示のプロセスを示す。金属デンドライトの形成への1つの手法は、電極表面への電気化学的堆積による。他の方法には、水熱合成化学気相成長フォトリソグラフィ支援されたウェーハ規模の製作、液相還元溶媒熱合成紫外線照射光還元および他の電気化学的方法が含まれる。図2は、前述の方法によって入手されてもよい多数のデンドライトのモルフォロジを示す。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、大規模適用のための単純で費用効果的な、環境に配慮した方法によってこれらの階層構造を作る方法を開発する継続的な必要性がある。本明細書において記載される方法は、これらおよび他の利点を提供する。

課題を解決するための手段

0005

幾つかの態様において、本明細書の実施形態は、有機を含まない溶媒中でスルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、銀(I)イオン溶液を加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、混合物を約65℃から約90℃に加熱することによって銀(I)を銀(0)に還元することによってスルホン化ポリエステルマトリックス、およびスルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子乳剤を形成する工程と、銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体凝集させる工程とを含む方法に関する。

0006

幾つかの態様において、本明細書の実施形態は、脱イオン水中で分岐スルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、混合物の約1重量パーセント未満の0でない量で存在する銀(I)イオンの溶液を、加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、混合物を約65℃から約90℃に加熱することによって銀(I)を銀(0)に還元することによってスルホン化ポリエステルマトリックス、およびスルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子の乳剤を形成する工程と、乳剤を周囲温度で少なくとも1週間静置することによって銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体に凝集させる工程とを含む方法に関する。

0007

幾つかの態様において、本明細書の実施形態は、分岐スルホン化ポリエステル樹脂の存在下で形成される銀ナノデンドライトに関する。

0008

本開示の様々な実施形態は、以下の図を参照して本明細書において以下に記載される。

図面の簡単な説明

0009

図1は、無電解金属堆積法によるシリコンウェーハ上での銀デンドライトの成長プロセス概要図を示す。
図2は、様々なサブクラス樹枝状態の図を示す。
図3は、本明細書の実施形態による、例示の分岐スルホン化ポリエステル(BSPE)の存在下で3週間の期間をかけた、以下のような銀ナノデンドライトの成長進展を示す:(a)BSPE単独の化学構造および走査型電子顕微鏡(SEM)画像;(b)硝酸銀添加後約3時間のBSPE集合体上の銀ナノ粒子の成長を示すSEM画像;(c)1週間後の離散的で大きなナノ結晶の形成を示すSEM画像;(d)3週間の成長後の銀樹枝状構造を示すSEM画像。
図4は、銀イオンの存在下、還元剤のない状態でスルホン化ポリエステルの自己組織化の考えられるメカニズムの図を示す(図3のステップ(b))。
図5は、銀ナノデンドライト構造体、実施例2(バイアル5)、[BSPE−1]=0.032g/mL;[AgNO3]=0.019MのSEM画像を示す。
図6は、エネルギー分散X線分光分析、すなわち試料表面での元素分布を約1から2ミクロンの深さで示すEDSスペクトルを示す。アルミニウムピークは、試料がめっきされたバックグラウンド膜からであり;白金のピークはSEM分析中の試料の塗膜からである。
図7Aは、実施例3の一連透過型電子顕微鏡TEM)画像を示す。ここで、暗い領域は、銀デンドライト構造体の高密度領域を表す。
図7Bは、実施例3の一連の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。ここで、暗い領域は、銀デンドライト構造体の高密度領域を表す。
図7Cは、実施例3の一連の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。ここで、暗い領域は、銀デンドライト構造体の高密度領域を表す。
図7Dは、実施例3の一連の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。ここで、暗い領域は、銀デンドライト構造体の高密度領域を表す。
図8は、銀デンドライト構造体の形成およびモルフォロジ発生のモデルの概要図を示す。
図9Aは、BSPEマトリックス内の銀の還元直後に撮影した実施例4の初期のSEM(左の画像)を示す。
図9Bは、ほとんど3.5ヵ月間静置した同じスライドを示す(右の画像)。

0010

銀デンドライトを調製する方法は、ナノ銀材料がホストの流路または細孔へ閉じ込められる「鋳型」の使用を含む。銀デンドライトを調製するための他の手法は、生体模倣型の自己組織化、すなわち自然界で起こるプロセスの模倣を利用する。これらの手法は、より環境にやさしく、より一般的になりつつある。生体模倣の方法の例は、生体分子分子認識を行う能力を有する、モルフォロジに制御されたナノ結晶の成長である。ますます進歩したナノデバイスは、小葉および階層的分岐などの構造を含む複雑な樹枝状ナノ銀を用いて製作されている。

0011

樹枝状構造体は、照射還元、電気化学的堆積、超音波に支援された溶液還元、パルスソノエレクトロケミカル技法および置換反応によって合成されている。しかし、ほとんどのこれらの方法は、加熱、還元剤および/または界面活性剤などの苛酷な条件を必要とする。ほとんどの湿式化学技法は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒および有毒還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを使用する。

0012

本明細書の方法によって入手される銀ナノデンドライトは、画像化、バイオセンサーおよび他の生物医学的な用途で使用することができる発光特性を有する。また、それらには、より良好な触媒活性をもたらす銀ナノ粒子より大きな表面積を有する。銀ナノ鎖は、デンドライト構造から銀ナノ粒子を放出してバクテリア内に浸透しDNAおよび生命の維持に必要な酵素を損傷しつつ、細菌細胞呼吸および透過能などの必須機能を切り崩すことによって抗菌特性を高めるように製作することができる。ここでまた、銀ナノデンドライトは、表面励起ラマン散乱(SERS)で適用されてもよいプラズモンの特徴を高めることができる。

0013

デンドライトには、その存在が独特の特性を有するホストポリマーを与える多数の使用があり得る。幾つかの特殊な用途は、標的化ドラッグデリバリー高分子担体、酵素様触媒、ワクチン剤抗ウイルス薬抗菌性物質および抗癌治療薬の開発、センサー、光捕集、表面工学および生体模倣の用途を含んでもよい。

0014

本明細書の実施形態は、環境にやさしく、無毒で環境上安全な方法論によって樹枝状銀ナノ粒子の調製においてスルホン化ポリエステル(SPE)、とりわけ分岐SPE(BSPE)を用いる方法を提供する。本方法は、重大な環境問題を引き起こし得る、還元剤、界面活性剤、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒、または水素化ホウ素ナトリウムなどの有毒な還元剤などのいかなる追加の試薬を必要としない。Narayanan K.B. et al. Adv. Colloid Interface Sci. 169:59−79(2011)。本明細書の方法は、約10グラム以上、最大およそキログラム規模などの大規模な量に容易に拡張可能である、AgNO3(水性)中、室温で明確な樹枝状銀ナノ構造体を提供する。

0015

理論に束縛されるものではないが、スルホン化ポリエステル樹脂の存在下での銀ナノデンドライト形成は、拡散律速凝集(DLA)モデルによって起こると仮定される。Barnaby, S.N. et al. Nanotechnology, 22:225605 (2011)。DLAモデルによると、DLAの推進力は、樹枝状銀ナノ構造体への小さい銀粒子の徐々の凝集を容易にする。成長中の構造体は、銀ナノ粒子のクラスタ形成として始まり、一緒にくっつき銀の核へのランダム経路を形成する。恐らく、溶液中で銀(I)イオンからナノ銀形成する還元剤として働く可能性があるだけでなく、核形成および指向的な凝集に対する制御を助けるスルホン化ポリエステル樹脂の存在下で、銀の核は成長する。結果として銀デンドライトの形成をもたらす非平衡系が形成されてもよい。

0016

以下の実施例中の走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)の画像は、例示のBSPEの存在下で銀ナノ粒子から形成された銀ナノ樹枝状構造体を説明する。BSPE銀ナノデンドライトは、バイオセンサー、化学センサー、プラズモニクスおよび超疎水性膜における使用に適切にする大きな表面積を有する。Zhao N. et al. Langmuir 21:4713(2005)。比較の目的として、市販のPt/C触媒は、74.0m2gPt−1の電気化学的に活性比表面積(ECSA)を有するが、一方、CNTは47m2g−1である。典型的なナノデンドライトは、約20から約60m2gAg−1を範囲の表面積を有する。

0017

階層的樹枝状ナノ構造体は、Ag粒子に比較して多数の縁および角の原子による大きな表面積−体積比を有するので、AgナノデンドライトがAg粒子より強いフォトルミネッセンスPL)強度を表すことが示されている。スルホン化ポリエステル(BSPEが使用される場合)の分岐性は、従来のAgナノデンドライトと比較して、ポリマーAg相互作用の複雑な構造−恐らくより多くの縁および角の原子−により大きな表面積−体積比をもたらす。

0018

これらの銀ナノ複合材料の特性は、触媒、センサー、表面励起材料、光学的および電子システムなどの用途に有用となり得る。銀ナノデンドライトのルミネセンス特性はまた、画像化、センサーまたはSERS用途だけでなくフォトニクス用途の機能要素として組み込まれることを可能にする。

0019

本明細書において開示される方法によってそれらのモルフォロジを制御すると、銀デンドライトをナノスケールのデバイスおよびシステムにおいて使用することができる。銀イオン濃度ポリマー濃度の比は、粒子の形状を球状からデンドライト様形状に強く影響する。銀イオンに対するスルホン化ポリエステルの比が約1:1であるが、全体の両成分が比較的低い濃度である場合(約0.5重量/重量%未満の各成分など)、高度に構造化した繊維質銀ナノデンドライトが形成される。スルホン化ポリエステルの比が約100倍、すなわち約100:1である場合、ナノデンドライト構造体には錯雑性がより少ない。スルホン化ポリエステルが約100倍を越すと、すなわち約100:1より大きくなると、構造体は、長時間(例えば約3ヵ月)を経て分離したナノ結晶の形成を示し始める。また、ナノデンドライトの多孔性金属イオン源、例えば硝酸銀の濃度を変更することにより調整することができることがわかっている。

0020

スルホン化ポリエステルに対して低い銀イオン前駆体濃度は、幾つかの事例において、「密度の高い」モルフォロジまたはナノスフェアの生成と関係するが、スルホン化ポリエステルに対して高い前駆体濃度(1:1比であるが全体が低濃度)であると、より多孔性の繊維質構造体を与えた。より高い銀イオン濃度は、より速い核形成と関係し、結果として核のより多い個体数をもたらし、より開放的な、または緩い繊維質構造体に凝集することが示されている。低い銀イオン濃度は、とりわけスルホン化ポリエステル濃度が高い場合、’限られた’数の核を生じることができ、それは比較的より大きな大きさを有するより密度の高い構造体に成長することができる。系中のスルホン化ポリエステルのより高い割合は、最終的にAgデンドライトを形成することになる小さい銀粒子の徐々の凝集を妨げるか鈍化させる傾向がある。

0021

理論に束縛されるものではないが、スルホン化ポリエステルが安定剤として働き、金属イオンの還元を容易にすると仮定される。例示の実施形態において、分岐スルホン化ポリエステルに対する低い硝酸銀前駆体の濃度(BSPE、硝酸銀に対してBSPEが100倍多い(100:1))は「密度の高い」モルフォロジの生成と関係するが、高い前駆体濃度(硝酸銀に対してBSPEが1:1であるが、水溶液全体で約1重量/重量%以下の全体では低濃度(重量/重量%))では、系中に存在するより速い核形成およびより多い核によってより多くの多孔質構造体を与えた。

0022

小さい銀粒子がDLAの推進力の下で徐々に凝集して樹枝状銀ナノ構造体を形成する銀ナノデンドライトの発生について説明するために、拡散律速凝集(DLA)モデルを使用することができる。クラスタまたはナノデンドライトは、銀の核へのランダムな経路で一緒にくっつく粒子であり、その結果成長中の構造体になる。銀核の成長のプロセスにおいて、スルホン化ポリエステルマトリックスは、核形成および指向的な凝集に対する何らかの制御を施し、その上還元剤として二重の役割を果たし、非平衡系を生じさせ、それによって銀デンドライトの形成を促進する。

0023

そのルミネッセント配列したナノ構造により、銀デンドライトは、微小流路内統合され、高生産性バイオセンサーに応用されてもよい。金属ナノ構造化材料およびその複合体のいずれでも小型化する能力は、多大な恩恵である。他の関心領域は、抗菌用途、光双安定性織物光応答性などを含む。追加の還元剤を必要とせず、これらの銀デンドライトポリマー材料は、特殊なバイオセンサー用途で破壊的であり得る他のイオンからの干渉を示さずに済ますことができる。

0024

やはり、理論に束縛されるものではないが、本明細書の方法において用いられる例示の分岐スルホン化ポリエステル(BSPE)は、弱い還元剤として働くようであり、樹枝状ナノ構造体の形成を促進すると予想される。本明細書の高度に規則的な樹枝状銀ナノ構造体は、プロセスを容易にするスルホン化ポリエステル樹脂を用いて生体模倣式に自己組織化を行うように見える。有利なことに、本明細書の方法は、複雑でなく環境上健全であり、銀イオンの還元後加熱を必要としない。スルホン化ポリエステル樹脂からのスルホナート基は銀イオンのキレート化を助け、また、水素または電子が銀(I)イオンの還元を助けるのに寄与すると仮定されている。また、スルホン化ポリエステルは、これらの階層型銀樹枝状ナノ構造体の形成を方向付けるのに重要な役割を果たし得る。

0025

図3は、本明細書の実施形態による銀デンドライトの形成を略述する可能な段階的プロセスを示す。スルホン化ポリエステルは、スルホナート基との配位によって銀イオンの分散を維持しながらゆっくり銀(I)イオンを還元し始める。銀イオンは、スルホン化ポリエステルによってゆっくり還元され続け、そのマトリックス全体にわたって離散的で球状の銀ナノ粒子をもたらす。3時間にわたって(ステップ(b))スルホン化ポリエステルは残りの銀(I)イオンと錯体化を継続し、最終的に還元されてより多くの銀ナノ粒子を形成する。銀ナノ粒子が成長し続けるにつれて、それらは一緒にナノ結晶の形態になり始める。一週間を経過して、銀ナノ粒子の核形成は続行し、予備形成された銀ナノ結晶への成長が継続する。スルホン化ポリエステル樹脂は、「系」の表面エネルギーに影響を及ぼし(すなわち、低下させ)、その上で離散的な結晶格子配向推進することにより、銀デンドライトの成長を方向付ける。最終的に、互いに接近したナノ結晶間の境界および幹様構造が進展し始める。より多くの銀がゆっくり還元され、徐々によりデンドライト様で本来フラクタルに見える幹様集合体に結合されるようになる。羽毛状の枝および葉が、成長中のデンドライトの先端に結合しているより小さい銀凝集体から約3週間で形成される。

0026

実施形態において、有機を含まない溶媒中でスルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、銀(I)イオンの溶液を加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、混合物を約65℃から約90℃に加熱することによって銀(I)を銀(0)に還元することによってスルホン化ポリエステルマトリックス、およびスルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子の乳剤を形成する工程と、銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体に凝集させる工程とを含む方法が提供される。実施形態において、スルホン化ポリエステル樹脂の加熱は約65℃から約90℃の温度で行われる。実施形態において、有機を含まない溶媒は脱イオン水である。

0027

実施形態において、銀ナノ粒子を凝集させる工程は、周囲温度で少なくとも約1週間乳剤を撹拌せずに静置する工程を含む。

0028

実施形態において、銀(I)イオンの供給源は、硝酸銀、スルホン酸銀、フッ化銀過塩素酸銀乳酸銀テトラフルオロホウ酸銀酸化銀および酢酸銀から選択される。実施形態において、添加後の銀イオンの濃度は、溶液の約1重量パーセント以下の0でない量である。

0029

実施形態において、銀(I)を銀(0)に還元する工程は、還元剤としてアスコルビン酸またはクエン酸三ナトリウムを加える工程をさらに含む。

0030

実施形態において、スルホン化ポリエステル樹脂は分岐ポリマーである。実施形態において、スルホン化ポリエステル樹脂は直鎖状ポリマーである。実施形態において、スルホン化ポリエステルマトリックスは、ポリ(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタラート)、ポリ(ネオペンチレン−5−スルホイソフタラート)、ポリ(ジエチレン−5−スルホイソフタラート)、コポリ−(1,2−プロピレン−5−スルホイソフタラート)−コポリ−(1,2−プロピレン−テレフタラート)、コポリ−(1,2−プロピレンジエチレン−5−スルホイソフタラート)−コポリ−(1,2−プロピレン−ジエチレン−テレフタラートフタラート)、コポリ(エチレン−ネオペンチレン−5−スルホイソフタラート)−コポリ−(エチレン−ネオペンチレン−テレフタラートフタラート)、およびコポリ(プロポキシビスフェノールA)−コポリ−(プロポキシ化ビスフェノールA−5−スルホイソフタラート)からなる群から選択されるポリマーのリチウムカリウムまたはナトリウム塩である。

0031

実施形態において、スルホン化ポリエステル樹脂は、トリメチロールプロパン、1,2−プロパンジオールジエチレングリコール、およびその組合せからなる群から選択されるポリオールモノマー単位を含む。

0032

実施形態において、スルホン化ポリエステル樹脂は、テレフタル酸スルホン化イソフタル酸およびその組合せからなる群から選択される二酸モノマー単位を含む。

0033

一般に、スルホン化ポリエステルは、以下の一般構造、またはnおよびpセグメントが分離しているそのランダムコポリマーを有する。

0034

0035

式中、Rは、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンオキシアルキレンエチレンオキシドなどの2から約25個の炭素原子アルキレンであり;R′は、例えばベンジレン、ビスフェニレン、ビス(アルキルオキシビスフェノーレンなどの、約6から約36個の炭素原子のアリーレンであり;pおよびnは、例えば約10から約100,000などのランダムに繰り返すセグメントの数を表す。

0036

例としては、米国特許第7,312,011号明細書に開示されているものをさらに含む。非晶性スルホン酸アルカリ化ポリエステル系樹脂の特定の例は、コポリ(エチレンテレフタレート)−コポリ−(エチレン−5−スルホ−イソフタラート)、コポリ(プロピレン−テレフタラート)−コポリ(プロピレン−5−スルホ−イソフタラート)、コポリ(ジエチレン−テレフタラート)−コポリ(ジエチレン−5−スルホ−イソフタラート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタラート)−コポリ(プロピレン−ジエチレン−5−スルホ−イソフタラート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタラート)、コポリ(プロポキシ化ビスフェノール−A−フマラート)−コポリ(プロポキシ化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタラート)、コポリ(エトキシ化ビスフェノール−A−フマラート)−コポリ(エトキシ化ビスフェノール−A−5−スルホ−イソフタラート)、およびコポリ(エトキシ化ビスフェノール−A−マレアート)−コポリ(エトキシ化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタラート)を含むがこれらに限定されず、ここで、アルカリ金属は、例えば、ナトリウム、リチウムまたはカリウムイオンである。結晶性スルホン酸アルカリ化ポリエステル系樹脂の例は、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジパート)、およびアルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−スクシナート)、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−スクシナート)、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−スクシナート)、アルカリコポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−スクシナート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバカート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバカート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバカート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバカート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ヘキシレン−セバカート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバカート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジパート)、アルカリコポリ(5−スルホ−イソフタロイル)コポリ(ヘキシレン−アジパート)、ポリ(オクチレン−アジパート)を含み、ここで、アルカリ金属は、例えば、ナトリウム、リチウムまたはカリウムイオンである。実施形態において、アルカリ金属はリチウムである。実施形態において、アルカリ金属はナトリウムである。

0037

鎖状非晶性ポリエステル樹脂は、一般に、有機ジオールと二酸またはジエステル重縮合によって調製され、その少なくとも1つはスルホン化されているか、または反応に含まれているスルホン化二官能性モノマー、および重縮合触媒である。分岐非晶性スルホン化ポリエステル樹脂については、同じ材料が、多価のポリ酸またはポリオールなどの分岐剤をさらに包含して使用されてもよい。

0038

非晶性ポリエステルの調製に選択される二酸またはジエステルの例は、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸マレイン酸イタコン酸コハク酸無水コハク酸ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸ドデカン二酸テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルイソフタル酸ジメチルイソフタル酸ジエチルフタル酸ジメチル無水フタル酸フタル酸ジエチルコハク酸ジメチルフマル酸ジメチルおよびマレイン酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルおよびアジピン酸ジメチルおよびドデシルコハク酸ジメチルおよびその混合物からなる群から選択されるジカルボン酸またはジエステルを含む。有機二酸またはジエステルは、例えば樹脂の約45から約52モルパーセント選択される。非晶性ポリエステルの発生において使用されるジオールの例は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオールヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオールドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノールシクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシ−エチル)オキシドジプロピレングリコールジブチレンおよびその混合物が含まれる。選択される有機ジオールの量は、様々であってもよく、より具体的には、例えば、樹脂の約45から約52モルパーセントである。

0039

アルカリがリチウム、ナトリウムまたはカリウムであるスルホン酸アルカリ化二官能性モノマーの例には、ジメチル−5−スルホ−イソフタラート、ジアルキル−5−スルホ−イソフタラート−4−スルホ−1,8−ナフタル無水物、4−スルホフタル酸、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、スルホテレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタラート、ジアルキル−スルホ−テレフタラート、スルホ−エタンジオール、2−スルホ−プロパンジオール、2−スルホ−ブタンジオール、3−スルホ−ペンタンジオール、2−スルホ−ヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチルペンタンジオール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホナート、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、その混合物などが含まれる。例えば、樹脂の約0.1から約2重量パーセントの効果的な二官能性モノマー量を選択することができる。

0040

分岐非晶性スルホン化ポリエステルの形成に使用される分岐剤は、例えば、1,2,4−ベンゼン−トリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパンテトラ(メチレン−カルボキシル)メタン、および1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸などの多価のポリ酸、その酸無水物、および1から約6個の炭素原子のその低級アルキルエステル;例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタンペンタエリトリトールジペンタエリトリトールトリペンタエリトリトール、スクロース、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオールグリセロール2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その混合物などの多価のポリオールが含まれる。選択される分岐剤量は、例えば樹脂の約0.1から約5モルパーセントである。

0041

非晶性ポリエステルの重縮合触媒の例は、テトラアルキルタナート、ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシドジブチルスズジラウラートなどのテトラアルキルスズ、ブチルスズオキシドヒドロキシドなどのジアルキルスズオキシドヒドロキシドアルミニウムアルコキシドアルキル亜鉛ジアルキル亜鉛酸化亜鉛酸化第一スズまたはその混合物を含み;その触媒は、ポリエステル樹脂の生成に使用される出発の二酸またはジエステルに対して例えば、約0.01モルパーセントから約5モルパーセントの量で選択される。

0042

実施形態において、スルホン化ポリエステル樹脂の量は、ナノデンドライト前駆体溶液の約0.05重量パーセントからナノデンドライト前駆体溶液の約50.0重量パーセント、またはナノデンドライト前駆体溶液の約0.1から約40.0重量パーセント、またはナノデンドライト前駆体溶液の約0.3から約25.0重量パーセントの範囲にある。

0043

実施形態において、銀ナノデンドライトの構成単位として役立つ銀ナノ粒子は、元素の銀のみを含んでよいが、他の金属を有する複合体を含む銀複合体であってもよい。そのような金属銀複合体は、(i)1種または複数の他の金属および(ii)1種または複数の非金属のどちらかまたは両方を含んでもよい。適切な他の金属は、例えば、Al、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、InおよびNi、特に遷移金属、例えばAu、Pt、Pd、Cu、Cr、Niおよびその混合物を含む。例示の金属複合体は、Au−Ag、Ag−Cu、Au−Ag−CuおよびAu−Ag−Pdである。金属複合体中で適切な非金属は、例えばSi、CおよびGeを含む。銀複合体の様々な成分は、例えば約0.01重量%から約99.9重量%、特に約10重量%から約90重量%の範囲の量で存在してもよい。実施形態において、銀複合体は、例えば少なくとも約20重量%のナノ粒子、特に約50重量%より大きいナノ粒子を含む銀とともに銀および1種、2種またはそれ以上の他の金属で構成される金属合金である。特に明記しない限り、銀含有ナノ粒子の成分について本明細書において列挙された重量パーセントは、安定剤を含まない。

0044

銀複合体で構成される銀ナノ粒子は、例えば(i)銀化合物(または化合物、とりわけ銀(I)イオン含有化合物)と(ii)還元段階中の別の金属塩(または塩)または別の非金属(または非金属)の混合物を使用することによって製造することができる。

0045

業者は、銀以外の金属が有用であり得、本明細書において開示される方法に従って調製することができることを理解している。それにより、例えば、複合体は、銅、金、パラジウムまたはそのような例示の金属の複合体のナノ粒子を用いて調製されてもよい。

0046

実施形態において、本明細書の方法によって利用可能な銀ナノデンドライトは、カーボンナノチューブ(CNT、単層二層多層を含む)、グラフェンシートナノリボンナノオニオン中空ナノシェル金属、ナノワイヤーなどをも含むがこれらに限定されない錯体ナノ構造化材料に関連して使用されてもよい。実施形態において、CNTは、電気および熱伝導率を高める量で加えられてもよい。

0047

実施形態において、本明細書の方法は、界面活性剤のない状態で行われる。

0048

実施形態において、脱イオン水中で分岐スルホン化ポリエステル樹脂を加熱する工程と、混合物の約1重量パーセント未満の0でない量で存在する、銀(I)イオンの溶液を加熱した樹脂に水中で加えて混合物を形成する工程と、混合物を約65℃から約90℃に加熱することによって銀(I)を銀(0)に還元することによってスルホン化ポリエステルマトリックス、およびスルホン化ポリエステルマトリックス内に配置された複数の銀ナノ粒子を含む複合粒子の乳剤を形成する工程と、少なくとも1週間周囲温度で乳剤を静置することによって銀ナノ粒子を銀ナノデンドライト構造体に凝集させる工程とを含む方法が提供される。

0049

実施形態において、銀(I)イオンと分岐スルホン化ポリエステル樹脂の比は、中間の任意の比または比の範囲を含めて、約1:1または約1:50または1:120である。

0050

実施形態において、約3週間後に銀ナノデンドライトは形成される。実施形態において、銀ナノデンドライトは、約1から3週間、または約1から2週間、または約2週間から約4週間で形成される。

0051

実施形態において、そのような方法は界面活性剤のない状態で実行される。

0052

実施形態において、そのような方法は、外部還元剤、すなわち、シトラートアスコルバートヒドリド反応剤などの従来型還元剤のない状態で実行される。実施形態においては、それにもかかわらず、還元剤が本明細書の方法において用いられてもよい。そのような還元剤は、アスコルビン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコースガラクトースマルトース乳糖没食子酸ロスマリン酸コーヒー酸タンニン酸ジヒドロコーヒー酸、ケルセチン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムヒドラジン水和物次亜リン酸ナトリウムヒドロキシルアミン塩酸塩から選択されてもよい。実施形態において、AgNPの合成用の還元剤は水素化ホウ素ナトリウムまたはクエン酸ナトリウムを含んでもよい。好適な還元剤の選択は、望ましいナノ粒子モルフォロジの入手を提供することができる。例えば、アスコルビン酸は、ビタミンC錠剤定量化を対象とする検討中に銀ナノプレート形態をもたらすことが観察された。Rashid et al. J. Pharm. Sci. 12(1):29−33(2013)。

0053

実施形態において、分岐スルホン化ポリエステル樹脂の存在下で形成された銀ナノデンドライトが提供される。本明細書において開示される方法は、高度に繊維質のナノデンドライト構造体の入手を提供する。理論に束縛されるものではないが、当業界の方法によって拡張可能な量で入手するのが困難な高度に繊維質の構造体は、スルホン化ポリエステル(SPE)成分によって入手可能になることが仮定される。モルフォロジ的に制御された合成は、とりわけ白金系構造体にとって当業界で相当な難問のままである。ほとんどの方法は、界面活性剤または複雑で費用のかかる多段階プロセスを必要とし;さらに、そのような方法において、多重段階プロセス中に取り込んだ不純物により汚染が問題になる。Kaniyankandy et al. Nanotechnology 18:125610 (2007);Lei et al. Journal of Materials Science 1−7(2010)。本明細書に開示される方法において使用されるSPEは、大きい表面積をもたらし、スルホナート部分は、核形成を助ける銀イオンのためのアンカーを提供し得る。幾つかの実施形態において、ナノデンドライトの大きさは、構造化した網目として1ミクロンを優に超えてもよく、アスペクト比についての制約を含まない;ナノデンドライトの大きさの入手可能な規模の例については、図5を参照すること。本明細書の方法によって制御される他の物理的性質は、多孔性、例示のAgBSPEナノ粒子において観察される機械的強度の改善、密度の増加を含む。以下の実施例と関係した顕微鏡写真は、ナノデンドライトの規模および大きさ(図5など)を示す。100倍過剰BSPEの以下の実施例3および4のTg/Mw/Mnは、対照と比較してほぼ2倍もの高分子量をもたらしたが、これは、銀とBSPEマトリックスの間の網目効果/架橋によると考えられる。Tgは、BSPEへの銀の添加で改良されない。実際に、Tgは、0.28%の硝酸銀と同じ固体量のBSPEについて、以下の表Aに示す対照と比較したとき、事実上低下する。

0054

0055

以下の実施例は、本開示の実施形態を説明するために提出する。これらの実施例は、例証となるようにのみ意図され、本開示の範囲を限定するように意図するものではない。また、特に断らなければ、部および百分率は重量による。本明細書において使用される場合、「室温」は、約20℃から約25℃の温度を指す。

0056

この実施例は、例示の分岐スルホン化非晶性ポリエステル(BSPE−1)の調製を記載する。

0057

テレフタラート0.425モル当量、5−スルホイソフタル酸ナトリウム0.080モル当量、1,2−プロパンジオール0.4501モル当量およびジエチレングリコール0.050モル当量で構成された分岐非晶性スルホン化ポリエステル樹脂を以下のように調製した。加熱した底部ドレインバルブ、高粘度複タービン揺動機および冷水凝縮器付き蒸留受け器装備した1リットルのパー(Parr)反応器内に、388グラムのテレフタル酸ジメチル、104.6グラムの5−スルホイソフタル酸ナトリウム、322.6グラムの1,2−プロパンジオール(グリコール1モル過剰)、48.98グラムのジエチレングリコール(グリコール1モル過剰)、トリメチロールプロパン(5グラム)および触媒としての0.8グラムのブチルスズヒロキシドオキシドを装填した。反応器を撹拌しながら165℃に3時間加熱し、次にもう一度、1時間の時間をかけて190℃に加熱し、その後、圧力は、大気圧から約260トールに1時間の時間をかけて徐々に下げ、次いで、2時間の時間をかけて5トールに下げた。次いで圧力を30分の時間をかけて約1トールにさらに下げ、ポリマーをドライアイスで冷やした容器に底部ドレインを通して放出して460グラムのスルホン化ポリエステル樹脂を得た。分岐スルホン化ポリエステル樹脂は、54.5℃と測定されたガラス転移温度(始まり)および154℃の軟化点を有していた。

0058

この実施例は、実施例1で調製した例示のポリマーのストック溶液の調製、およびその存在下で銀を還元するための条件を記載する。

0059

水中のBSPE−1のストック溶液は、125mLの蒸留水への0.5gのBSPE−1の添加により作製した。ストック溶液は[BSPE−1]=0.004g/mLを有していた。5つの10mLガラスバイアルを、蒸留水で3回、アセトンで3回すすぎ風乾した。以下の表1に略述するように、水およびストックのBSPE溶液の様々な量をバイアルに加えた。バイアルは磁気撹拌棒を装備しアルミ箔で蓋をした。バイアルを90℃に加熱し、950rpmで撹拌した。1時間後、0.1M AgNO3溶液1.884mLをマイクロピペットで各バイアルに加えた。溶液は、90℃、950rpmで22時間混合した。銀の還元は黄/褐色への変色によって明白であった。試料を室温で光に曝しながら混合せず2週間の間静置した。

0060

0061

図5に示すように、最も高濃度のBSPEを含む試料バイアル(5)は、本来繊維質に見える非常に高度に構造化した銀ナノデンドライトを示した。還元剤はこの実施例で使用しなかった。SEMは、明確に、横に飛び出たより短く厚い側枝をもつ幾つかの長い主幹、およびそれらに結合したより短い枝または葉を有するこれらの厚い枝の幾つかを有する多水準階級のデンドライト構造を示す。

0062

エネルギー分散型X線分光法(すなわちEDS)を、BSPE/Agナノデンドライト材料の元素組成を求めるために使用した。図6は、スペクトルの3keVから4keVの間に位置する5つのピークの存在を示す。その最大値は銀の特性KおよびL線のX線輝線直接関係があり、有機/無機ナノデンドライト組成物中での銀の存在を明確に確証する。0.2keVおよび0.5keVに位置する最大値は、それぞれ炭素および酸素由来し、BSPEの存在を確証する。

0063

この実施例は、還元剤としての1%(w/w)クエン酸三ナトリウム溶液の存在下でのナノ粒子銀の調製を示す。

0064

反応は、オーバーヘッド撹拌機還流凝縮器熱電対ホットプレートおよび窒素入り口(凝縮器窒素出口として働いた)を装備した3首500mL丸底フラスコで実行した。100mLのDIWを室温(22℃)でフラスコへ装填した。加熱は90℃に設定して開始し、窒素を系に通した(RPM=300)。温度が安定したら、25.00gの固体BSPE−1を、細かく粉砕した状態で系に加えた(RPM=300)。6mLのDIWを使用してフラスコの側面からBSPEを洗い落とした。溶液はかすみがかかり、青味があった。1.5時間後、4mLのDIWに溶解した0.25gのAgNO3を、およそ1滴/秒の率で溶液へ滴下した(RPM=300)。溶液は少し暗くなった(褐色を帯びた)。25分後、1%(w/w)クエン酸三ナトリウム溶液(還元剤)15mLを、1滴/秒の率で系に滴下した。添加が完了したら、溶液は2時間90℃で撹拌した(RPM=300)。溶液を室温に冷やした(RPM=300)。最終の外観は不透明で褐色の溶液であった。

0065

この実施例は、還元剤のない状態でのナノ粒子銀の調製を示す。可能なメカニズムについては図4を参照。

0066

反応は、オーバーヘッド撹拌機、還流凝縮器、熱電対、ホットプレートおよび窒素入り口(凝縮器は窒素出口として働いた)を装備した3首250mL丸底フラスコで実行した。98.75mLのDIWを室温(22℃)でフラスコへ装填した。加熱は90℃に設定して開始し、窒素を系に20分間通した(RPM=250)。温度が安定したら、50.00gの固体BSPE−1を、細かく粉砕した状態で系に加えた(RPM=340)。その溶液はかすみがかかり、青味があった。1.5時間後、3mLのDIWに溶解した0.5000gのAgNO3を、およそ1滴/秒の率で溶液へ滴下した(RPM=340)。滴下するにつれて、溶液は褐色になった。30分後、小量の試料を採取した。これを実施例4と呼ぶ。

0067

0068

図7A−Dに示すSEM画像は、拡散律速凝集(DLA)が恐らく実施可能であることを示す。これらは、実施例3の一連の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示し、ここで、暗い区域は、銀デンドライト構造体の高密度の領域を表す。図8は、銀デンドライト構造の形成およびモルフォロジ発生のモデルの概要図を示す。銀デンドライトの形成はこれらの非平衡条件下に起こり、これは銀ナノ粒子の局所配向した結合による可能性がある。これらの実施例は、銀ナノデンドライトのモルフォロジ、大きさおよび構造が、ポリマーマトリックスおよび銀金属塩前駆体の濃度の調整により制御することができることを示す。

0069

表3は、実施例2から4で調製した、3つの異なる樹枝状材料のBSPEおよび硝酸銀の装填率の比較を示す。

0070

0071

実施例2のモルフォロジは、表3に示す3つの例のうちで最も繊維質で込み入っている。また、それは、AgNO3に対して同じ装填率のBSPEを有する。実施例2は、他の実施例と比較して非常に低い装填率のBSPEを有し、しかも最大量のAgNO3を有する。実施例3はそれほどでない錯雑性の構造を示すが、最大量のBSPEを有する実施例4は、3ヵ月後に分離したナノ結晶の形成を示し始めたばかりである。BSPE:Agの比は、モルフォロジ、大きさおよび構造に大きな影響を及ぼすように見える。系中のBSPEのより高い割合は、最終的にはAgデンドライトを形成することになる小さい銀粒子の徐々の凝集を妨げるか極端に鈍化させる傾向がある。

実施例

0072

図9Aは、時間ゼロでのBSPE/Agナノ粒子のSEMを示し、図9Bは、3.5ヵ月の時間での同じ試料を示す。典型的な変色がBSPEおよびAgNO3を一緒に反応させるときに見られ、銀ナノ粒子が形成されていることを示す。本発明者らは、BSPEマトリックスが、Agナノ粒子を適所のほぼ凍結する地点に安定させたという仮説を立てている。3ヵ月後に同じスライドで見た後、銀ナノ粒子の形成は明確であり、幾つかの粒子は、一緒にナノ結晶の形態になり始めた証拠を示す。

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