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技術 Fe−Ni系合金薄板の製造方法

出願人 日立金属株式会社
発明者 安田信隆岡本拓也堀郁夫
出願日 2015年9月30日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-192679
公開日 2016年7月28日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-135505
状態 特許登録済
技術分野 圧延機に特に連結された素材の表面処理装置 薄鋼板の熱処理 ダイオード、トランジスタのリードフレーム 金属圧延一般
主要キーワード 材料表 化学研摩 アルカリ性溶剤 表面清浄度 密着性評価試験 トリム加工 許容荷重 洗浄層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、表面粗さを粗くすることで、密着性飛躍的に向上させる材料の製造方法を提供する。

解決手段

質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなる冷間圧延用素材冷間圧延連続焼鈍とを1回以上行う冷間圧延工程と、を含み、前記冷間圧延工程における最終の冷間仕上圧延を、圧延ロール粗さRa=0.15〜1.0μm、圧延速度6.5m/s以下、圧延油動粘度8mm2/s以上、圧延油吐出量35L/s以下の条件で行い、厚さ0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板の製造方法。

概要

背景

リードフレームメタルマスク等に使用されるFe−Ni系合金薄板は、例えば、樹脂などと貼りあわされて使用される用途がある。このような樹脂などとの密着性を高める方法としては、例えば、特開昭60−111447号公報(特許文献1)では、Fe−Ni系合金薄板を直接研摩したり、酸洗いによって所望の粗さとしている。また、特開平10−270629号公報では、圧延ロールダルロールとしたり、最終圧延後のFe−Ni系合金薄板を酸洗いを行うことにより所望の粗さとする発明が有る。

概要

厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、表面粗さを粗くすることで、密着性を飛躍的に向上させる材料の製造方法を提供する。 質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなる冷間圧延用素材冷間圧延連続焼鈍とを1回以上行う冷間圧延工程と、を含み、前記冷間圧延工程における最終の冷間仕上圧延を、圧延ロール粗さRa=0.15〜1.0μm、圧延速度6.5m/s以下、圧延油動粘度8mm2/s以上、圧延油吐出量35L/s以下の条件で行い、厚さ0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板の製造方法。

目的

近年Fe−Ni系合金薄板は、アプリケーションの小型、薄型高精細化に伴い、エッチング加工プレス加工レーザー加工等を施し、ドライフィルムメッキは元より、封止ガラス硬化樹脂等様々な部材と接合して使用されることから、酸化防止接合強度向上のために密着性向上が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなる冷間圧延用素材冷間圧延連続焼鈍とを1回以上行う冷間圧延工程を含み、前記冷間圧延工程における最終の冷間仕上圧延を、圧延ロール粗さRa=0.15〜1.0μm、圧延速度6.5m/s以下、圧延油動粘度8mm2/s以上、圧延油吐出量35L/s以下の条件で行い、厚さ0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板を得ることを特徴とするFe−Ni系合金薄板の製造方法。

請求項2

前記最終の冷間仕上圧延を行った後、前記Fe−Ni系合金薄板を洗浄することを特徴とする請求項1に記載のFe−Ni系合金薄板の製造方法。

請求項3

前記Fe−Ni系合金薄板の表面粗さが、Ra=0.15〜0.5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のFe−Ni系合金薄板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば、リードフレームメタルマスク等に使用されるFe−Ni系合金薄板の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

リードフレームやメタルマスク等に使用されるFe−Ni系合金薄板は、例えば、樹脂などと貼りあわされて使用される用途がある。このような樹脂などとの密着性を高める方法としては、例えば、特開昭60−111447号公報(特許文献1)では、Fe−Ni系合金薄板を直接研摩したり、酸洗いによって所望の粗さとしている。また、特開平10−270629号公報では、圧延ロールダルロールとしたり、最終圧延後のFe−Ni系合金薄板を酸洗いを行うことにより所望の粗さとする発明が有る。

先行技術

0003

特開昭60−111447号公報
特開平10−270629号公報

発明が解決しようとする課題

0004

前述の特許文献1や2で示される発明のうち、冷間圧延後のFe−Ni系合金薄板を酸洗いすると、圧延時に導入された応力バランス崩れて材料の反りなどの変形を生じる可能性がある。また、直接研摩する方法は、研摩時の砥粒がFe−Ni系合金薄板表面に残留するおそれがある。また、ダルロールを用いる方法においても、、圧延条件によっては、所望の表面粗さを得られない可能性がある。
近年Fe−Ni系合金薄板は、アプリケーションの小型、薄型高精細化に伴い、エッチング加工プレス加工レーザー加工等を施し、ドライフィルムメッキは元より、封止ガラス硬化樹脂等様々な部材と接合して使用されることから、酸化防止接合強度向上のために密着性向上が望まれている。
本発明の目的は、厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、多様化する他部材との密着性を向上させることが可能なFe−Ni系合金薄板の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、質量%でNi+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、残部はFe及び不純物からなる冷間圧延用素材に冷間圧延と連続焼鈍とを1回以上行う冷間圧延工程と、を含み、前記冷間圧延工程における最終の冷間仕上圧延を、圧延ロール粗さRa=0.15〜1.0μm、圧延速度6.5m/s以下、圧延油動粘度8mm2/s以上、圧延油吐出量35L/s以下の条件で行い、厚さ0.25mm以下のFe−Ni系合金薄板を得るFe−Ni系合金薄板の製造方法である。
好ましくは、前記最終の冷間仕上圧延を行った後、前記Fe−Ni系合金薄板を洗浄する。
更に好ましくは、前記Fe−Ni系合金薄板の表面粗さが、Ra=0.15〜0.5μmである。

発明の効果

0006

本発明によれば、厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、密着性を向上させることが可能であるから、Fe−Ni系合金薄板と密着する相手材との密着不良を防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

0007

最終の冷間仕上圧延に用いる仕上圧延ロール粗さと圧延後のFe−Ni系合金薄板の表面粗さの相関を示す図である。
簡易密着性評価試験試験片を示す図である。

0008

以下に本発明を詳しく説明する。
<Fe−Ni系合金組成
先ず、本発明で規定する化学組成について説明する。本発明で規定する組成を有するFe−Ni系合金は、所望の熱膨張係数を得るために必要な組成を有するものである。なお、組成は質量%である。
[Ni+Co:35.0〜43.0%(但し、Coは0〜6.0%)]
Ni及びCoは、所望の熱膨張係数を得るために必要な元素である。Ni+Co含有量が35.0%未満ではオーステナイト組織が不安定となりやすく、一方43.0%を越えると熱膨張率が上昇し、低熱膨張特性満足しないことから、Ni+Coの含有量は35.0〜43.0%とする。なお、Coは必ずしも添加の必要はないが、6.0%までの範囲でNiの一部をCoで置換することができる。
[Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下]
Si、Mnは通常Fe−Ni系合金では、脱酸を目的に微量含有されているが、過剰に添加すれば偏析を起こし易くなるため、Siは0.5%以下とし、Mnは1.0%以下とする。なお、SiとMnの下限は特に限定しないが、前述のように脱酸元素として添加されることから、Siは0.05%程度、Mnは0.05%程度は残留する。
[残部はFe及び不純物]
上記の元素以外は実質的にFeであれば良いが、製造上不可避的に含有する不純物は含まれる。特に制限の必要な不純物元素にはCがあり、例えば、エッチングを行う用途に使用するのであれば、その上限を0.05%とすると良い。
また、プレス打抜き性を向上させる場合はS等の快削性元素を0.020%以下で含有させても良い。熱間加工性を向上させるようなB等の元素は0.0050%以下で含有させても良い。

0009

<冷間圧延用素材>
本発明では、熱間圧延を経て、冷間圧延用素材を準備する。熱間圧延材には酸化層が形成されていることから、その酸化層を、例えば、機械的、或いは化学的に除去して冷間圧延用素材とする。また、冷間圧延中の冷間圧延材エッジから割れ等の不良が発生しないように、エッジを整えて冷間圧延用素材とする。なお、冷間圧延用素材の厚さは2.0〜5.0mm程度とすると良い。
そして、前述の冷間圧延用素材に冷間圧延と連続焼鈍を1回以上行い、所望の板厚とし、最終の冷間仕上圧延を実施する。最終の冷間仕上圧延前の圧延率は50〜85%とし、連続焼鈍は850〜1000℃の加熱炉中を10〜60secで通板するようにすれば良い。そして、最終の冷間仕上圧延を行う前の段階で硬さを120〜150HVとして最終の冷間仕上圧延を行うことが好ましい。

0010

次に、最終の冷間仕上圧延条件について詳しく説明する。
本発明では、最終の冷間仕上圧延でFe−Ni系合金薄板の厚さを0.25mm以下とする。0.25mm以下とするのは、例えば、リードフレームやメタルマスク用途に求められる厚さであるからである。なお、好ましい板厚は0.15mm以下である。
<圧延ロール粗さ>
本発明で重要な点の1つは、最終の冷間仕上圧延で使用する圧延ロール粗さをRa=0.15〜1.0μmとすることである。尚、圧延ロール粗さとは、圧延に用いるロールの表面の粗さのことである。圧延加工によって製造されるFe−Ni系合金薄板の表面粗さは、主として圧延で使用するロールの表面粗さが転写することにより、その表面粗さが決定される。このことから、圧延ロール自体の表面粗さが低いと、圧延加工によって得られるFe−Ni系合金薄板の表面粗さを高くすることが非常に困難になる。そのため、圧延ロール粗さの下限をRa=0.15μmとする。好ましい圧延ロール粗さの下限は0.20μmである。
また、圧延ロール粗さの値をより高くすることで、得られるFe−Ni系合金薄板の表面粗さの値も高くなる。しかしながら、過度に表面粗さの値の高いロールを使用したとしても、圧延中にロール表面に加わる荷重等によりロールは磨滅し、高い値の粗さを得ることは難しい。むしろ、摩擦抵抗が大きくなり、加工によって生成される摩耗粉の増大を招き、Fe−Ni系合金薄板の表面清浄度が悪化し、かえって密着性を阻害する要因になる可能性がある。そのため、圧延ロール粗さの上限は1.0μmとする。好ましい圧延ロール粗さの上限は0.50μmである。なお、本明細書中のRaとは、JIS−B−0601(2013)にて定められている算術平均粗さRaのことである。

0011

本発明では、前述の圧延ロール粗さに加え、圧延速度、圧延油動粘度及び圧延油吐出量を適正な範囲とする。これら3つの要件は、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さの調整に必要不可欠な因子である。特に、最終の冷間仕上圧延を行う場合に、これら3つの要件のうちの何れかが本発明で規定する範囲外となると、所望の表面粗さを得ることができなくなる。
<圧延速度>
本発明では、最終の冷間仕上圧延の圧延速度を6.5m/s以下とする。圧延速度を6.5m/s以下とするのは、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さを、Ra=0.15〜0.5μmとするためである。圧延速度が過度に速いと、圧延油の噛み込み量が増大し、ロールとFe−Ni系合金薄板との接触面積が減少するため、ロールの粗さが転写され難くなり、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さが低くなる。そのため、本発明では圧延速度を6.5m/s以下とする。好ましい圧延速度の上限は4.0m/sである。より好ましくは3.5m/sである。一方、圧延速度が過度に遅いと、生産性の低下を招き、コスト増となるため、圧延速度の下限は0.5m/sとすることが良い。好ましい圧延速度の下限は1.0m/sである。より好ましくは2.0m/sである。
<圧延油動粘度>
また、最終の冷間仕上圧延に用いる圧延機で使用する圧延油の動粘度を8mm2/s以上とする。圧延油の動粘度を8mm2/s以上とするのはFe−Ni系合金薄板の表面粗さを、Ra=0.15〜0.5μmとするためである。圧延油の動粘度が低いと、圧延中の圧延油噛み込み量が増大し、ロールとFe−Ni系合金薄板との接触面積が減少するため、ロールの粗さが転写され難くなり、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さが低くなる。そのため、圧延油の動粘度を8mm2/s以上とする。好ましい圧延油の動粘度の下限は9mm2/sである。また、動粘度が過度に高いと、圧延中のFe−Ni系合金薄板とロールとの潤滑作用が減少し、サーマルクラウンの増大や、ヒートクラック等の問題を招くおそれがある。そのため、動粘度の上限は40mm2/sとする。好ましい圧延油の動粘度の上限は35mm2/sであり、更に好ましくは20mm2/sである。
<圧延油吐出量>
上述の圧延油動粘度と共に、圧延油吐出量もFe−Ni系合金薄板の粗さに影響する。圧延油吐出量が多いと、圧延油噛み込み量が増大し、接触面積の減少に伴い、ロールの粗さが転写され難くなる。そのため、圧延油吐出量は35L/s以下とする。好ましい圧延油吐出量の上限は30L/sであり、更に好ましくは25L/sである。なお、ロールの粗さを転写するのに最も望ましいのは、圧延油吐出量0L/sの無潤滑圧延であるが、この場合、摩擦抵抗が大きくなり、加工によって生成される摩耗粉の増大を招き、Fe−Ni系合金薄板の表面清浄度が悪化する恐れがある。また、過酷な条件で圧延されるため、圧延ロールの肌荒れや、ヒートクラック等を生じる可能性もある。そのため、圧延油を用いる場合、圧延油吐出量の下限は1L/sとするとよい。好ましい圧延油吐出量の下限は5L/sであり、更に好ましくは10L/sである。
また、Fe−Ni系合金薄板の幅については特に限定しないが、より良好な表面清浄度を保つためには、幅を1100mm以下に設定することが好ましい。

0012

<洗浄工程>
また、Fe−Ni系合金薄板の表面清浄度を向上させるために、最終の冷間仕上圧延を行った後、洗浄工程を実施すことが好ましい。これは、密着性は接合するFe−Ni系合金薄板表面の清浄度にも影響するからである。特に、塑性加工を実施したFe−Ni系合金薄板の表面には、加工途中に発生した摩耗粉や、加工時に使用する油が付着している場合が多い。これらの異物は密着性を阻害する要因となるため、より密着性を向上させるために、洗浄工程を実施すことが好ましい。洗浄工程を行う場合は、炭化水素系溶剤や、アルカリ性溶剤等を、噴霧あるいは攪拌した状態で使用することが出来る構造の洗浄層を用いることが望ましい。また、洗浄液系は、洗浄で除去した異物を含む洗浄液をフィルターでろ過する設備を有した循環型とし、洗浄層から出た材料を乾燥する設備を配置することで、連続的に洗浄が可能となり、経済的かつ高い生産性を維持することが出来る。

0013

次に、上述した本発明のFe−Ni系合金薄板の製造方法で得られるFe−Ni系合金薄板について説明する。
<表面粗さ>
本発明では、得られたFe−Ni系合金薄板の表面粗さをRa=0.15〜0.5μmとすることで、他部材との接触面積を増大させると共に、板表面に形成する凹凸によりアンカー効果を高め、密着性を飛躍的に向上することができる。
表面粗さRaが0.15μm未満であると、接触面積が少なくなり、表面の凹凸も低減するため、上記の接合材との密着力が低減する。そのため、表面粗さをRa=0.15μm以上とする。また表面粗さはより粗い方が密着性の観点からみると望ましい。しかしながら、表面粗さが粗すぎると、高精細なエッチング加工を施す場合、かえって加工精度を阻害する要因となる。そのため、上限値は0.5μmとする。好ましい表面粗さは0.15〜0.4μmである。

0014

(実施例1)
真空溶解均熱化熱処理熱間プレス及び熱間圧延を行って厚さ3.0mmの熱間圧延材を準備した。熱間圧延材の硬さを測定したところ、170〜190HVであった。熱間圧延材の化学組成を表1に示す。
その後、化学研摩機械研磨にて熱間圧延材表面の酸化層を除去し、粗圧延を施し、トリム加工素材幅方向の両端部にある熱間圧延時の亀裂を除去し、冷間圧延用素材を準備した。
次に、前述の冷間圧用素材に対し、冷間圧延と連続焼鈍とを2回づつ繰り返した後、表2に示す条件により最終の冷間仕上圧延を行い、本発明例(No.1〜3)、比較例(No.11、12)のFe−Ni系合金薄板を製造した。最終の冷間仕上圧延のパス回数は本発明例および比較例とも1回として、最終の厚さを0.1mmとした。なお、最終の冷間仕上圧延前の硬さは135HVであり、幅は800mmの広幅材である。得られた本発明例(No.1〜3)及び比較例(No.11、12)のFe−Ni系合金薄板の表面粗さ(算術平均粗さ)を表2に示す。また、本発明で重要となる最終の冷間仕上圧延に用いる圧延ロール粗さと最終の冷間仕上圧延後のFe−Ni系合金薄板の表面粗さの相関を図1に示す。尚、表2および図1ではFe−Ni系合金薄板の表面粗さ「材料表面粗さ」と表示している。この圧延ロール粗さは、接触式ポータブル粗さ計を用い、材料表面粗さは、接触式表面粗さ計を用いて4mmの長さを測定し、算術平均粗さRaを測定した。

0015

0016

0017

表2および図1に示す結果から、本発明で重要となる最終の冷間仕上圧延で用いる圧延ロール粗さをRa=0.15〜1.0μmとし、比較例に対し粗くした、No.1〜4(本発明例)において、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さがRa=0.15〜0.5μmの範囲となり、比較例より高い値を示すことを確認できた。また、本発明例のNo.1とNo.2を比較した場合、圧延速度を速くしたNo.2の方がFe−Ni系合金薄板の表面粗さのRa値が低下していることが確認出来る。また、No.1よりも圧延油吐出量を増加させたNo.4についても、No.1よりもFe−Ni系合金薄板の表面粗さのRa値が低下していることが確認出来る。このことから圧延速度が過度に速いと、あるいは圧延油吐出量を増加させるとFe−Ni系合金薄板の表面粗さのRa値が低くなることが確認できた。

0018

上述した結果より、本発明例と比較例に対して、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さを従来より粗くし、Ra=0.15〜0.5μmとすることで、密着性が向上しているかの効果の確認を行った。効果の確認においては、圧延速度が同一条件である、No.1、No.3、No.12に対して効果の確認を行った。
密着力の評価については、硬化性樹脂との密着力を引張試験によって簡易評価した。なお、硬化性樹脂と試験片との密着性を十分に発揮させるために、試験片は洗浄槽内で攪拌されている炭化水素系溶剤に浸漬させ、その後乾燥したものを使用した。以下にその簡易評価方法および評価結果を示す。

0019

<引張試験による密着力評価方法
密着力評価は以下の手順で行った。
(1)各条件(No.1、3、12)から長さ200mm、チャック部幅35mm、平行部長さ75mm、幅12.5mmの引張試験片を作製。
(2)試験片の長さ方向中央部でシャー切断
(3)試験片を洗浄。
(4)エポキシ樹脂硬化剤を10:1の割合で混合撹拌した後、切断した一方の試験片の片側端部(幅12.5mm×長さ12.5mmのエリア)に塗布。
(5)もう一方の試験片を樹脂塗布部(幅12.5mm×長さ12.5mm)に重複させて接合。(図2(A)(B))
(6)接合した試験片の上に、荷重(0.4g/mm2)を加え、10時間保持
(7)上記方法で作製した試験片に対して、引張試験(初荷重:0.1kN、速度:2mm/min)を実施し、引張強さを測定。
上記(1)〜(7)の手順で密着性評価を行った。評価試験結果後の試験片を図2(C)に示し、評価結果を表3に示す。

0020

実施例

0021

表3の評価結果から、本発明の方法を適用したNo.1及び3は比較例No.12に比べて約1.4〜2.2倍、単位接合面積当たりの許容荷重が向上している。これより、本発明によれば、厚さが0.25mm以下の薄いFe−Ni系合金薄板において、Fe−Ni系合金薄板の表面粗さを従来より高くし、Ra=0.15〜0.5μmとすることで、密着性を向上させることが可能であることがわかる。これにより、Fe−Ni系合金薄板と密着する相手材との密着不良を防止することが可能となる。

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