図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
本出願人は、包丁差し取付け構造の一例として、特許文献1の図8に記載されたものを先に提案している。
同文献に記載の包丁差し取付け構造においては、キッチンに設置されるフロアキャビネットの扉の裏側に、ブラケットが固定して取り付けられており、このブラケットの前面側(フロアキャビネット奥側)に包丁差しが掛止されている。ブラケットに包丁差しを掛止させるための手段として、ブラケットには、上向きフック状の第1係合部を設ける一方、包丁差しには、前記第1の係合部に対してその上側から係合する下向きフック状の第2の係合部を設けている。
このような構成によれば、包丁差しを扉に直接ビス止めする構造とは異なり、フロアキャビネットの扉の裏側に、包丁差しを容易に着脱することができる。また、扉の横幅方向において包丁差しの位置を変更するといったことも容易に実現できる。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地がある。
すなわち、前記従来技術における包丁差しは、ブラケットに対して掛止されているに過ぎず、包丁差しの上方への移動阻止が十分に図られていない。このため、包丁差しからその上方に包丁を抜き取る場合において、包丁の一部が包丁差しに引っ掛かった際には、包丁差しが包丁と一緒に持ち上がってしまう虞がある。これでは、包丁を取り出す際の円滑さが損なわれてしまう。したがって、包丁差しの使い勝手をよくする上で、未だ改善の余地がある。
概要
ブラケットに対する包丁差しの着脱容易性などを大きく損なうことなく、包丁差しが包丁と一緒に持ち上がることを適切に防止することが可能な包丁差し取付け構造を提供する。ブラケット2および包丁差し3には、包丁差し3をブラケット2の前面側に配置させてブラケット2に掛止させることができるように互いに係合可能な第1および第2の係合部21,31が設けられている、包丁差し取付け構造Cであって、包丁差し3をブラケット2に相対させてブラケット2の前方側へ移動させる向きの突っ張り力を発生させる突っ張り力発生部材4を、さらに備えており、第1および第2の係合部21,31は、突っ張り力によって略水平方向において互いに圧接するように構成されている。
目的
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ブラケットに対する包丁差しの着脱容易性などを大きく損なうことなく、包丁差しが包丁と一緒に持ち上がることを適切に防止することが可能な包丁差し取付け構造、およびこれを備えたキッチンを提供する
効果
実績
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請求項1
包丁差しと、この包丁差しの取り付け対象部位に取り付けられるブラケットと、を備えており、これらブラケットおよび包丁差しには、前記包丁差しを前記ブラケットの前面側に配置させて前記ブラケットに掛止させることができるように互いに係合可能な第1および第2の係合部が設けられている、包丁差し取付け構造であって、前記包丁差しを前記ブラケットに相対させて前記ブラケットの前方側へ移動させる向きの突っ張り力を発生させる突っ張り力発生部材を、さらに備えており、前記第1および第2の係合部は、前記突っ張り力によって略水平方向において互いに圧接するように構成されていることを特徴とする、包丁差し取付け構造。
請求項2
請求項1に記載の包丁差し取付け構造であって、前記突っ張り力発生部材は、前記包丁差しに螺合装着されたネジ部材であり、かつこのネジ部材の先端部を前記ブラケットまたは前記取り付け対象部位に押し当てることにより前記突っ張り力を発生させることが可能とされている、包丁差し取付け構造。
請求項3
請求項1または2に記載の包丁差し取付け構造であって、前記ブラケットには、このブラケットの背後に向けて窪んだ凹部が形成されており、かつこの凹部に前記突っ張り力発生部材の先端部が嵌入することにより、前記包丁差しの上昇が規制されるように構成されている、包丁差し取付け構造。
請求項4
請求項1ないし3のいずれかに記載の包丁差し取付け構造であって、前記ブラケットは、前記包丁差しよりも横幅が大きくされており、前記ブラケットに設けられている前記第1の係合部は、前記ブラケットの横幅方向に延びた形態とされ、前記ブラケットに対する前記包丁差しの掛止位置を前記ブラケットの横幅方向に変更可能とされている、包丁差し取付け構造。
請求項5
請求項1ないし4のいずれかに記載の包丁差し取付け構造であって、前記ブラケットに設けられている前記第1の係合部は、上向き突出部を有し、かつ前記包丁差しに設けられている前記第2の係合部は、下向き突出部を有し、前記第1および第2の係合部は、前記下向き突出部が前記上向き突出部よりも前記ブラケットの背後寄りに位置するようにして前記上向き突出部の上側から係合しており、前記突っ張り力によって前記上向き突出部と前記下向き突出部とが略水平方向において圧接する構成とされている、包丁差し取付け構造。
請求項6
請求項1ないし5のいずれかに記載の包丁差し取付け構造を備えていることを特徴とする、キッチン。
技術分野
背景技術
0002
本出願人は、包丁差し取付け構造の一例として、特許文献1の図8に記載されたものを先に提案している。
同文献に記載の包丁差し取付け構造においては、キッチンに設置されるフロアキャビネットの扉の裏側に、ブラケットが固定して取り付けられており、このブラケットの前面側(フロアキャビネット奥側)に包丁差しが掛止されている。ブラケットに包丁差しを掛止させるための手段として、ブラケットには、上向きフック状の第1係合部を設ける一方、包丁差しには、前記第1の係合部に対してその上側から係合する下向きフック状の第2の係合部を設けている。
このような構成によれば、包丁差しを扉に直接ビス止めする構造とは異なり、フロアキャビネットの扉の裏側に、包丁差しを容易に着脱することができる。また、扉の横幅方向において包丁差しの位置を変更するといったことも容易に実現できる。
0003
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地がある。
0004
すなわち、前記従来技術における包丁差しは、ブラケットに対して掛止されているに過ぎず、包丁差しの上方への移動阻止が十分に図られていない。このため、包丁差しからその上方に包丁を抜き取る場合において、包丁の一部が包丁差しに引っ掛かった際には、包丁差しが包丁と一緒に持ち上がってしまう虞がある。これでは、包丁を取り出す際の円滑さが損なわれてしまう。したがって、包丁差しの使い勝手をよくする上で、未だ改善の余地がある。
先行技術
0005
特開2009−119009号公報
発明が解決しようとする課題
0006
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ブラケットに対する包丁差しの着脱容易性などを大きく損なうことなく、包丁差しが包丁と一緒に持ち上がることを適切に防止することが可能な包丁差し取付け構造、およびこれを備えたキッチンを提供することを、その課題としている。
課題を解決するための手段
0007
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
0008
本発明の第1の側面により提供される包丁差し取付け構造は、包丁差しと、この包丁差しの取り付け対象部位に取り付けられるブラケットと、を備えており、これらブラケットおよび包丁差しには、前記包丁差しを前記ブラケットの前面側に配置させて前記ブラケットに掛止させることができるように互いに係合可能な第1および第2の係合部が設けられている、包丁差し取付け構造であって、前記包丁差しを前記ブラケットに相対させて前記ブラケットの前方側へ移動させる向きの突っ張り力を発生させる突っ張り力発生部材を、さらに備えており、前記第1および第2の係合部は、前記突っ張り力によって略水平方向
において互いに圧接するように構成されていることを特徴としている。
0009
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
突っ張り力発生部材を利用して発生させた突っ張り力により、ブラケットおよび包丁差しに設けられている第1および第2の係合部を略水平方向において互いに圧接させることができるために、包丁を包丁差しから抜き取る際に、包丁差しが上方へ持ち上がることを適切に抑制することが可能である。
一方、包丁差しの取り付け対象部位に対する包丁差しの取り付けは、包丁差しをブラケットに掛止させることにより行なうことができるために、たとえば包丁差しの複数箇所を取り付け対象部位に直接ビス止めするような場合とは異なり、包丁差しの着脱の容易化を図ることができるといった利点が得られる。後述するように、包丁差しをブラケットの横幅方向において位置変更させるといったことも容易に実現できる。
0010
本発明において、好ましくは、前記突っ張り力発生部材は、前記包丁差しに螺合装着されたネジ部材であり、かつこのネジ部材の先端部を前記ブラケットまたは前記取り付け対象部位に押し当てることにより前記突っ張り力を発生させることが可能とされている。
0011
このような構成によれば、ネジ部材を突っ張り力発生部材として用いているため、その構成は容易であり、製造コストの上昇を抑制することが可能である。また、突っ張り力を発生させるための操作なども容易である。
0012
本発明において、好ましくは、前記ブラケットには、このブラケットの背後に向けて窪んだ凹部が形成されており、かつこの凹部に前記突っ張り力発生部材の先端部が嵌入することにより、前記包丁差しの上昇が規制されるように構成されている。
0013
このような構成によれば、何らかの事情により突っ張り力が発生しない状態を生じたとしても、突っ張り力発生部材が凹部に嵌入している構造に基づき、包丁差しが上方へ持ち上げることが防止される。したがって、包丁差しの持ち上がり防止をより徹底して図ることができる。
0014
本発明において、好ましくは、前記ブラケットは、前記包丁差しよりも横幅が大きくされており、前記ブラケットに設けられている前記第1の係合部は、前記ブラケットの横幅方向に延びた形態とされ、前記ブラケットに対する前記包丁差しの掛止位置を前記ブラケットの横幅方向に変更可能とされている。
0015
このような構成によれば、ユーザの要望に応じて包丁差しの位置を変更することができるために、包丁差しの使い勝手をより良くすることができる。
0016
本発明において、好ましくは、前記ブラケットに設けられている前記第1の係合部は、上向き突出部を有し、かつ前記包丁差しに設けられている前記第2の係合部は、下向き突出部を有し、前記第1および第2の係合部は、前記下向き突出部が前記上向き突出部よりも前記ブラケットの背後寄りに位置するようにして前記上向き突出部の上側から係合しており、前記突っ張り力によって前記上向き突出部と前記下向き突出部とが略水平方向において圧接する構成とされている。
0017
このような構成によれば、第1および第2の係合部のそれぞれの構成を簡易にしつつ、包丁差しをブラケットに掛止させた状態、および包丁差しが上方へ持ち上がることを防止した状態を適切に設定することができる。
0018
本発明の第2の側面により提供されるキッチンは、本発明の第1の側面により提供され
る包丁差し取付け構造を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される包丁差し取付け構造について述べたのと同様な効果が得られる。
0019
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
0020
本発明が適用されるキッチンの一例を示す斜視図である。
(a)は、本発明に係る包丁差し取付け構造の一例を示す一部破断斜視図であり、(b)は、(a)の分解斜視図である。
図2(a)のIII−III断面図である。
(a),(b)は、図3に示す構造の作用説明図である。
図2に示す包丁差しの概略正面図である。
(a),(b)は、本発明の他の例を示す要部断面図である。
実施例
0021
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
0022
図1に示すキッチンKにおいては、フロアキャビネット1(流しキャビネット)の引き出しタイプの扉10の内側、より正確には扉10の前板部11の裏側に、包丁差し取付け構造Cが設けられている。扉10の前板部11は、本発明でいう包丁差しの取り付け対象部位の一例に相当する。
図2に示すように、包丁差し取付け構造Cは、包丁差し3と、この包丁差し3を取り付けるためのブラケット2と、本発明でいう突っ張り力発生部材の一例としてのネジ部材4とを備えている。
0023
ブラケット2は、樹脂製または防錆性に優れたステンレスなどの金属製であり、扉10の前板部11の裏面側にビス止め(図示略)などの手段を用いて固定して取り付けられている。このブラケット2の横幅は、たとえば前板部11と略同幅、またはそれよりもやや小さめの幅とされ、包丁差し3よりも横幅が大きくされている。ブラケット2は、図3に示すような断面形状を有しており、上下に間隔を隔てて設けられた2つの第1の係合部21、ネジ部材4の先端部を嵌入させるための凹部22、および受板部23を有している。受板部23は、包丁差し3の下側に位置し、かつ包丁差し3から落ちてくる水滴などを受けることにより、扉10の底板部12が水に濡れることを抑制し、底板部12の保護を図るのに役立つ。第1の係合部21および凹部22の詳細については後述する。図2および図3における符号13は、扉10の側板部である。
0024
包丁差し3は、たとえば図5に示すような正面視形状を有しており、樹脂製のケース32の上面部32aに、包丁9の刃部を差し入れるための複数のスリット状の開口部33(図2を参照)が設けられた構成である。好ましくは、包丁差し3には、開口部33に差し入れられた包丁9が上方に不用意に抜き取られることを防止するためのロック機構が設けられている。このロック機構は、たとえば特開2010−63580号公報に記載されたロック機構と同様な公知の構成であり、その説明は省略する。
0025
図3において、包丁差し3のケース32のうち、ブラケット2に対面する背面部には、ブラケット2の第1の係合部21に係合する2つの第2の係合部31が上下に間隔を隔てて設けられている。ケース32には、ネジ部材装着部34も設けられている。図3の要部拡大図1に示すように、第1の係合部21は、略水平状の水平壁部21aと、この水平壁部21aから上向きに突出した上向き突出部21bとを有しており、上向き突出部21b
の背後には、隙間24が形成されている。ブラケット2は、前板部11の裏面に当接させるための部分として、前板部11側に突出する2つの凸状部25を有する形態とされており、かつこの凸状部25の前面側はブラケット2の背面側に窪んだ凹状部26となっている。第1の係合部21は、そのような凹状部26を利用して形成されている。
0026
第2の係合部31は、前板部11側に突出する基部31aと、この基部31aの先端部から下向きに突出した下向き突出部31bとを有している。第1および第2の係合部21,31は、下向き突出部31bが隙間24に進入するようにして係合しており、このことにより包丁差し3は、ブラケット2に掛止され、倒れ防止が図られている。ブラケット2に対する包丁差し3の掛止状態は、包丁差し3がブラケット2の受板部23上に載置された状態、または受板部23の上に浮いた状態のいずれであってもよい。
0027
ブラケット2は、その横幅方向の略全域にわたって各所の断面形状が図3に示した断面形状とされている。したがって、第1の係合部21は、ブラケット2の横幅方向に断面一様に延びている。このため、ブラケット2の横幅方向において包丁差し3を掛止させる位置は変更自在となっている。
0028
ネジ部材4は、たとえば金属製のビスである。ネジ部材装着部34は、包丁差し3のケース32の前面部に凹部34bを形成し、かつこの凹部34bの奥部にナット34aを固定して取り付けることにより、このナット34aにネジ部材4を螺合装着可能とされた部位である。ネジ部材4は、ドライバを用いて回転させることにより進退し、このネジ部材4の先端部を包丁差し3のケース32よりもその背面側に突出させて、凹部22に嵌入させることが可能である。さらには、凹部22の奥壁部分にネジ部材4の先端部を強く押し当てることにより、その反力として、包丁差し3をブラケット2に相対させてこのブラケット2の前方側へ移動させる向きの突っ張り力Fを発生させることが可能である。ブラケット2のうち、凹部22の背面側には、前板部11に当接する凸部27が設けられており、ネジ部材4の当接力によって凹部22の形成箇所周辺部に撓み変形などを生じ難くしている。
0029
図4(a)に示した構成では、ネジ部材4が凹部22の奥壁部分に当接していない。この状態においては、同図(b)に示す第1および第2の係合部21,31は、係合しているものの、これらの部分は略水平方向において互いに圧接している訳ではない。これに対し、図3に示すように、ネジ部材4を凹部22の奥壁部分に強く押し当てて突っ張り力Fを発生させると、第1および第2の係合部21,31の上向き突出部21bと下向き突出部31bとは、略水平方向において互いに圧接した状態となる。図2に示すように、ネジ部材装着部34およびネジ部材4は、たとえば包丁差し3の左右横幅方向に間隔を隔てるようにして計2箇所設けられている。ネジ部材4が進入する凹部22も、第1の係合部21と同様に、ブラケット2の横幅方向に延びた形態に形成されている。
0030
次に、前記した包丁差し取付け構造Cの作用について説明する。
0031
まず、図3を参照して既述したように、ネジ部材4の先端部をブラケット2の凹部22の奥壁部分に強く押し当て、突っ張り力Fを発生させると、第1および第2の係合部21,31の上向き突出部21bと下向き突出部31bとが略水平方向において圧接する。このため、包丁差し3から包丁9を抜き取る際に、包丁9の一部が包丁差し3に引っ掛かりを生じたとしても、包丁9と一緒に包丁差し3が上方へ持ち上がることは適切に防止され、包丁差し3の使い勝手がよくなる。
0032
包丁差し3の使用に際しては、ネジ部材4の締め付け状態に緩みを生じるなどして、図4(a)に示したような状態となり、前記した突っ張り力Fが発生しない場合が生じ得る
。これに対し、ネジ部材4の先端部が凹部22に嵌入していれば、このネジ部材4と凹部22の壁面部との係合作用により、包丁差し3が上方へ持ち上げられることは、やはり適切に防止される。ネジ部材4が凹部22に対して比較的密に嵌入する寸法関係に設定しておけば、包丁差し3の上方への持ち上がり寸法を殆どゼロとすることが可能である。このように、ネジ部材4に緩みを生じた場合にも、包丁差し3の持ち上がりが防止できる構造によれば、包丁差し3の取り付け状態に高い信頼をおくことができる。
0033
さらに、本実施形態においては、ネジ部材4が凹部22に嵌入しない状態となった場合であっても、包丁差し3が一定以上に持ち上げられないようにする作用が得られる。すなわち、第2の係合部31の上方には、ブラケット2の凹状部26の上壁部26aが位置している。このため、包丁差し3が持ち上がった際には、第2の係合部31が上壁部26aに当接し、それ以上の高さには包丁差し3が持ち上がらないようにすることが可能である。
0034
ネジ部材4を緩めると、包丁差し3をブラケット2から容易に取り外すことができ、包丁差し3の着脱が容易である。また、ブラケット2は、包丁差し3の横幅よりも大きく、第1の係合部21や凹部22は、ブラケット2の横幅方向に延びた形態とされている。このため、ブラケット2の横幅方向において包丁差し3の取り付け位置が変更自在となり、包丁差し3を扉10の内側のうちの使い勝手のよい箇所へ配置することができることとなる。包丁差し3の位置変更は、第1および第2の係合部21,31を互いに係合させたまま、包丁差し3をブラケット2の横幅方向にスライドさせて簡易に行なうことも可能である。
0036
図6に示す実施形態においては、第1および第2の係合部21,31のうち、一方が突出片状とされ、かつ他方が孔部を備えた構成とされている。より具体的には、同図(a)においては、第1の係合部21は、水平壁部21aに孔部21cが設けられた構成とされ、かつ第2の係合部31は、孔部31cに対してその上方から進入可能な下向き突出部31bを有する構成とされている。同図(b)においては、前記とは反対に、第2の係合部31は、基部(水平状の突起部)31aに孔部31cが設けられた構成とされ、かつ第1の係合部21は、孔部31cに対してその下方から進入可能な上向き突出部21bを有する構成とされている。
このような構成においても、包丁差し3をブラケット2に対して掛止させることができるとともに、ネジ部材4(同図では省略)を締め付けて突っ張り力Fを発生させた際には、第1および第2の係合部21,31どうしを略水平方向において圧接させて、包丁差し3が持ち上げられることを適切に防止することが可能である。
0037
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る包丁差し取付け構造およびこれを備えたキッチンの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
0038
ネジ部材4を締め付けて突っ張り力Fを発生させる場合、ネジ部材4の先端部をブラケット2に押し当てることに代えて、ネジ部材4の先端部を前板部11(包丁差しの取り付け対象部位)に押し当てる手段を採用することもできる。
本発明でいう突っ張り力発生部材としては、ビス以外のネジ部材を用いることができる他、バネなどの弾性部材を用いることもできる。たとえば、ブラケットと包丁差しとの相互間にバネを介装し、かつこのバネの弾発力によって包丁差しをブラケットの前方側へ付勢させることによって本発明が意図する作用を得ることが可能である。
0039
上述の実施形態では、引き出しタイプの扉の内側に包丁差しを取り付けた例を示したが、扉は開き戸タイプでもよいことは勿論のこと、包丁差しの取り付け対象部位は、キッチンに設置されるフロアキャビネットの扉に限定されない。たとえば、キッチンの壁面などを包丁差しの取り付け対象部位とすることもできる。本発明でいう包丁差しは、少なくとも1本の包丁を保持可能な構成とされていればよい。本発明でいうブラケットの具体的な材質やサイズなども問わない。
0040
C包丁差し取付け構造
Kキッチン
11 扉の前板部(包丁差しの取り付け対象部位)
2ブラケット
21 第1の係合部
21b 上向き突出部
22 凹部
3 包丁差し
31 第2の係合部
31b 下向き突出部
4ネジ部材(突っ張り力発生部材)