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技術 光硬化性組成物

出願人 セメダイン株式会社
発明者 河野翔馬山家宏士岡村直実
出願日 2015年1月16日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-007294
公開日 2016年7月25日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-132704
状態 特許登録済
技術分野 けい素重合体 高分子組成物 ポリエーテル 接着剤、接着方法
主要キーワード 脱水操作後 フルオロシリル基 フルオロトリメチルシラン 減圧撹拌 装入管 無機珪素化合物 フッ素化ポリシロキサン 硫酸アルマイト処理
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この項目の情報は公開日時点(2016年7月25日)のものです。
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課題

架橋性珪素基を有する化合物を含有する硬化性組成物であって酸を発生せず、光照射後の硬化時間が短く、光照射前には貯蔵安定性に優れ、硬化物基材に対する大きい密着性を有し、接着剤として使用した場合、光照射後直ちに硬化が進行せず光照射後にも被着体接着させることができる(光照射後にも可使時間を有する)硬化性組成物を提供すること。

解決手段

(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物(但し、Si−F結合を有するものを除く)、(B)光塩基発生剤、及び(C)(C1)Si−F結合を有する珪素化合物、及び/又は(C2)三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体フッ素化剤及び多価フルオロ化合物アルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物、を含有することを特徴とする光硬化性組成物

概要

背景

特許文献1に開示されているように、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基(以下、「架橋性珪素基」ともいう。)を有する化合物シラノール縮合硬度が大きい皮膜等の硬化物を生成することが知られている。また、特許文献2に開示されているように、架橋性珪素基を有する有機重合体も、室温においても湿分等による架橋性珪素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。

特許文献1や特許文献2に開示されている架橋性珪素基を有する化合物は硬化触媒湿気の存在下等で室温においてあるいは加熱によって硬化する。特許文献3、特許文献4には、架橋性珪素基を有する化合物を含有する組成物の硬化を光により開始する発明が開示されている。光により硬化を開始させることにより組成物の貯蔵安定性を改善したり、低温での硬化を可能にしたり、組成物を塗布する際に作業時間を確保することができるようになる。特許文献3や特許文献3に記載の組成物においては、光照射により酸や塩基を発生する化合物を使用し、この酸や塩基を硬化触媒として利用して架橋性珪素基を有する化合物を硬化させている。

しかしながら、酸は金属に対してサビを生じさせるという問題があり、用途が制限される場合がある。特許文献4には光照射により塩基を発生する化合物を硬化触媒として使用してよいことが開示され、塩基は酸よりもサビを発生させにくいが、光照射により塩基を発生する化合物を使用した硬化性組成物接着剤等として使用した場合、硬化時間が長いという問題があることが判明した。

概要

架橋性珪素基を有する化合物を含有する硬化性組成物であって酸を発生せず、光照射後の硬化時間が短く、光照射前には貯蔵安定性に優れ、硬化物が基材に対する大きい密着性を有し、接着剤として使用した場合、光照射後直ちに硬化が進行せず光照射後にも被着体接着させることができる(光照射後にも可使時間を有する)硬化性組成物を提供すること。(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物(但し、Si−F結合を有するものを除く)、(B)光塩基発生剤、及び(C)(C1)Si−F結合を有する珪素化合物、及び/又は(C2)三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体フッ素化剤及び多価フルオロ化合物アルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物、を含有することを特徴とする光硬化性組成物。なし

目的

本発明が解決しようとする課題は架橋性珪素基を有する化合物を含有する光硬化性組成物であって、酸を発生せず、光照射後の硬化時間が短く、光照射前には貯蔵安定性に優れ、硬化物の基材に対する優れた密着性を有する光硬化性組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物(但し、Si−F結合を有するものを除く)、(B)光塩基発生剤、及び(C)(C1)Si−F結合を有する珪素化合物、及び/又は(C2)三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体フッ素化剤及び多価フルオロ化合物アルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物、を含有することを特徴とする光硬化性組成物

請求項2

前記(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物(但し、Si−F結合を有するものを除く)が、下記一般式(1)で表される架橋性珪素基を有する化合物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1記載の光硬化性組成物。R1nSiX4−n (1)一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加水分解性有機基、Xは加水分解性基、およびnは0〜3の整数である。

請求項3

前記(B)光塩基発生剤が、光潜在性第3級アミンであることを特徴とする1又は2に記載の光硬化性組成物。

請求項4

光硬化性組成物が光硬化性接着剤組成物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の光硬化性組成物。

技術分野

0001

本発明は、光により硬化可能なシロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有する化合物を含有する硬化性組成物に関する。

背景技術

0002

特許文献1に開示されているように、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基(以下、「架橋性珪素基」ともいう。)を有する化合物はシラノール縮合硬度が大きい皮膜等の硬化物を生成することが知られている。また、特許文献2に開示されているように、架橋性珪素基を有する有機重合体も、室温においても湿分等による架橋性珪素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。

0003

特許文献1や特許文献2に開示されている架橋性珪素基を有する化合物は硬化触媒湿気の存在下等で室温においてあるいは加熱によって硬化する。特許文献3、特許文献4には、架橋性珪素基を有する化合物を含有する組成物の硬化を光により開始する発明が開示されている。光により硬化を開始させることにより組成物の貯蔵安定性を改善したり、低温での硬化を可能にしたり、組成物を塗布する際に作業時間を確保することができるようになる。特許文献3や特許文献3に記載の組成物においては、光照射により酸や塩基を発生する化合物を使用し、この酸や塩基を硬化触媒として利用して架橋性珪素基を有する化合物を硬化させている。

0004

しかしながら、酸は金属に対してサビを生じさせるという問題があり、用途が制限される場合がある。特許文献4には光照射により塩基を発生する化合物を硬化触媒として使用してよいことが開示され、塩基は酸よりもサビを発生させにくいが、光照射により塩基を発生する化合物を使用した硬化性組成物を接着剤等として使用した場合、硬化時間が長いという問題があることが判明した。

先行技術

0005

特開昭56−8258号公報
特開昭60−6747号公報
特開昭60−186570号公報
特開2001−172514号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明が解決しようとする課題は架橋性珪素基を有する化合物を含有する光硬化性組成物であって、酸を発生せず、光照射後の硬化時間が短く、光照射前には貯蔵安定性に優れ、硬化物の基材に対する優れた密着性を有する光硬化性組成物を提供することである。本発明が解決しようとする他の課題は接着剤として使用した場合、光照射後直ちに硬化が進行せず光照射後にも被着体接着させることができる(光照射後にも可使時間を有する)硬化性組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者等はすでに架橋性珪素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物であって大きい接着強度を有し、酸を発生しない硬化性組成物として光照射により塩基を発生する化合物及び特定のフッ素化合物を添加した硬化性組成物を提案し、PCT/JP2014/068615として特許出願している。本発明は架橋性珪素基を有する有機重合体以外の化合物を含有する光硬化性組成物であって、酸を発生せず、光照射後の硬化時間が短く、光照射前には貯蔵安定性に優れ、硬化物の基材に対する優れた密着性を有し、光照射後直ちに硬化が進行せず光照射後にも被着体を接着させることができる(光照射後にも可使時間を有する)次の光硬化性組成物に関する。

0008

(1)(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物(但し、Si−F結合を有するものを除く)、(B)光塩基発生剤、及び(C)(C1)Si−F結合を有する珪素化合物、及び/又は(C2)三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体フッ素化剤及び多価フルオロ化合物アルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物、を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
(2)前記(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物(但し、Si−F結合を有するものを除く)が、下記一般式(1)で表される架橋性珪素基を有する化合物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする(1)の光硬化性組成物。
R1nSiX4−n (1)
一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加水分解性有機基、Xは加水分解性基、およびnは0〜3の整数である。
(3)前記(B)光塩基発生剤が、光潜在性第3級アミンであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光硬化性組成物。
(4)光硬化性組成物が光硬化性接着剤組成物であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか1項に記載の光硬化性組成物。

発明の効果

0009

本発明の光硬化性組成物は光照射時に酸を発生せず、光照射後の硬化時間が短く、光照射前には貯蔵安定性に優れ、硬化物の基材に対する優れた密着性を有し、光照射後直ちに硬化が進行せず光照射後にも被着体を接着させることができる(光照射後にも可使時間を有する)という効果を有する。本発明の光硬化性組成物は光照射後に直ちに硬化せず、照射前の組成物と同程度の粘度を有するので、被着体に対する濡れ性がよく、最終的な接着強度が大きくなる。特に複雑な形状の小さい電子部品の接着や複雑な形状の電子部品のポッティング材に好適である。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明に用いる(A)成分の化合物における架橋性珪素基は珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表例としては、式(1):

0011

0012

式中、R1は非加水分解性の有機基、Xは水酸基または加水分解性基を示し、R1あるいはXが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2を、それぞれ示す。またn個の式(2):

0013

0014

におけるbは同一である必要はない。nは0〜19の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するものとする)で表わされる基があげられる。
該加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+(bの和)は1〜5の範囲が好ましい。架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度あってもよい。

0015

R1としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR13SiO−(R1は前記と同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、式(3):

0016

0017

(式中、R1,X,aは前記と同じ)
で表わされる架橋性珪素基が、入手が容易である点から好ましい。また、式(3)の架橋性珪素基においてaが2又は3である場合が好ましい。aが3の場合、aが2の場合よりも硬化速度が大きくなる。

0018

上記R1の具体例としては、たとえばメチル基エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R13SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が好ましい。

0019

上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、たとえば水素原子ハロゲン原子フッ素原子を除く)、アルコキシ基アシルオキシ基ケトシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基メルカプト基アルケニルオキシ基等があげられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基がさらに好ましい。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが、通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。式(3)で示される架橋性珪素基の場合、硬化性を考慮するとaは2以上が好ましい。

0020

架橋性珪素基の具体的な例としては、トリメトキシシリル基トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR)3、メチルジメトキシシリル基メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR1(OR)2、があげられる。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。

0021

本発明で使用する(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物の代表例としては下記式(4)で表される化合物、このような化合物の加水分解物、あるいはこのような化合物の縮合物を挙げることができる。

0022

0023

(式中、R1,X,aは前記と同じ。R2はm価の基、mは1〜10の整数)
有機基R2は加水分解性基Xが加水分解される条件において、加水分解されずにそのまま安定に存在する非加水分解性の基であることが望ましい。

0024

R2の例としては、水酸基、ハロゲン原子、上記したXで示される加水分解性基、アルキル基、アリ−ル基などの1価の基、アルキレン基アリーレン基などの2価の基、3〜10価の脂肪族基芳香族基のような炭化水素基をあげることができる。これらは、直鎖状分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであっても良い。さらに、R2は、ヘテロ原子を含む構造単位を有していてもよい。そのような構造単位としては、エーテル結合エステル結合スルフィド結合、C=N結合等を例示することができる。また、ヘテロ原子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。

0025

アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、およびオクチル基、もしくはハロゲン化アルキル基が挙げられる。これらのアルキル基のうち、より好ましくはメチル基である。アリール基の例としては、フェニル基、トリル基キシリル基ナフチル基、およびビフェニル基、もしくはハロゲン化アリール基が挙げられる。これらのうち、より好ましくはフェニル基である。さらに、アラルキル基の例としては、ベンジル基およびフェニルエチル基が挙げられる。これらのうち、より好ましくはベンジル基である。
不飽和炭化水素基の例としてはビニル基プロペニル基ブタジエニル基が挙げられる。(メタアクリロキシ基を有する有機基の例としては(メタ)アクリロキシメチル基や(メタ)アクリロキシプロピル基が挙げられる。スチリル基を有する有機基の例としてはスチリル基、スチリルエチル基、スチリルプロピル基が挙げられる。ビニルオキシ基を有する有機基の例としてはビニロキシエチル基、ビニロキシプロピル基、ビニロキシブチル基、ビニロキシオクチル基、ビニロキシシクロヘキシル基、ビニロキシフェニル基が挙げられる。またC=N結合を構造単位として有する有機基の例としてはイソシアヌレート環に起因する基をあげることができる。

0026

(A)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物の具体例を以下に挙げる。4個の加水分解性基で置換されたシラン化合物の例としてテトラクロロシランテトラアミノシラン、テトラアセトキシシランテトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラントリエトキシシラン等が挙げられる。

0027

また、3個の加水分解性基で置換されたシラン化合物の例としてメチルトリクロロシランメチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシランエチルトリメトキシシランエチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランノナフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。

0028

また、2個の加水分解性基で置換されたシラン化合物の例としてジメチルジクロロシランジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシランジフェニルジメトキシシランジフェニルジエトキシシランジブチルジメトキシシラン等を挙げることができる。さらにトリメチルクロロシランヘキサメチルジシラザントリメチルシラントリブチルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン等のシラン化合物を挙げることができる。

0029

さらにトリメトキシシリルプロピルイソシアネートなどの置換アルキルアルコキシシランや、このものの3量体であるトリスー(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどの縮合体も使用することができる。

0030

本発明においては、上述した(A)成分を加水分解した化合物や、(A)成分を縮合した化合物を使用することができる。加水分解する場合や縮合する場合、加水分解条件等は、特に制限されるものではないが、一例として、以下に示す1)〜3)の工程で以て実施するのが好ましい。

0031

1)架橋性珪素基を有する化合物と、所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容する。 2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容器内にさらに収容し、混合溶液とする。3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機溶媒もしくは架橋性珪素基を有する化合物の沸点以下の温度で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、あるいは溶剤を置換することも好ましい。

0032

ここで、架橋性珪素基を有する化合物の加水分解に用いられる水(精製水)は、逆浸透膜処理イオン交換処理、蒸留等の方法により精製された水を使用することが好ましい。具体的には電気伝導率が1×10-2S・cm-1以下の値である水を使用することが好ましい。加水分解に用いられる水の電気伝導率が1×10-2S・cm-1を超えると、光硬化性組成物の保存安定性が低下する傾向がある。したがって、光硬化性組成物の保存安定性がより良好な観点から、加水分解に用いられる水の電気伝導率を1.0×10-4S・cm-1以下の値とするのがより好ましい。

0033

架橋性珪素基を有する化合物の加水分解物における分子量は、移動相テトラヒドロフランを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)を用い、ポリスチレン換算重量平均分子量として測定することができる。そして、加水分解物や縮合物の重量平均分子量を、通常500〜10000の範囲内の値とするのが好ましい。より好ましくは、1000〜5000の範囲内の値とすることである。

0034

なお、(A)成分がシロキサン結合による縮合物の場合は有機重合体ではない。また、本発明では3員環環状構造の縮合体などの環状多量体は有機重合体としないものとする。

0035

本発明において、(B)光塩基発生剤は、光を照射すると塩基を発生し、この塩基は(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物の硬化触媒として作用する。前記(B)光塩基発生剤とは、紫外線電子線、X線赤外線および可視光線などの活性エネルギー線の作用により塩基を発生する物質であれば特に限定されず、(1)紫外線・可視光・赤外線等の活性エネルギー線の照射により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、(2)分子内求核置換反応転位反応などにより分解してアミン類を放出する化合物、あるいは(3)紫外線・可視光・赤外線等のエネルギー線の照射により何らかの化学反応を起こして塩基を放出するもの、等の公知の光塩基発生剤を用いることができる。

0036

光塩基発生剤(B)から発生する塩基としては特に限定されないが、アミン化合物等の有機塩基が好ましく、例えば、エチルアミンプロピルアミンオクチルアミンシクロヘキシルアミン、1,5−ジアミノペンタン等の第1級アルキルアミン類;N−メチルベンジルアミン、4,4’−メチレンジアニリン等の第1級芳香族アミン類;ジエチルアミンなどの第2級アルキルアミン類;イミダゾール等の2級アミノ基及び3級アミノ基を有するアミン類;トリメチルアミントリエチルアミントリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などの第3級アルキルアミン類;4−イソプロピルモルホリン等の第3級複素環式アミン;4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)アミンなどの第3級芳香族アミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)等のアミジン類;特開2011−80032号公報記載のトリス(ジメチルアミノ)(メチルイミノホスホラン等のホスファゼン誘導体が挙げられ、第3級アミノ基を有するアミン化合物が好ましく、強塩基であるアミジン類、ホスファゼン誘導体がより好ましい。アミジン類は非環状アミジン類及び環式アミジン類のいずれも使用可能であるが、環式アミジン類がより好ましい。これら塩基は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。

0037

前記非環状アミジン類としては、例えば、グアニジン系化合物ビグアニド系化合物等が挙げられる。グアニジン系化合物としては、グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1−ブチルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジンなどを挙げることができる。ビグアニド系化合物としては、ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドを挙げることができる。

0038

また、非環状アミジン化合物の中でも、フェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのアリール置換グアニジン系化合物あるいはアリール置換ビグアニド系化合物を発生する光塩基発生剤を用いた場合は、化合物(A)の触媒として用いた場合、表面の硬化性が良好となる傾向を示すこと、得られる硬化物の接着性が良好となる傾向を示すこと、などから好ましい。

0039

前記環式アミジン類としては、環式グアニジン系化合物、イミダゾリン系化合物、イミダゾール系化合物テトラヒドロピリミジン系化合物、トリアザビシクロアルケン系化合物、ジアザビシクロアルケン系化合物が挙げられる。

0040

前記環式グアニジン系化合物としては、例えば、特開2011−80032号公報記載の1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン、7−エチル−1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン、7−イソプロピル−1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン等が挙げられる。

0041

前記イミダゾリン系化合物としては、例えば、1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1−メチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−オクチルイミダゾリン等が挙げられる。

0042

前記イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどを挙げることができる。

0043

前記テトラヒドロピリミジン系化合物としては、例えば、1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−メチル−2−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−メチル−2−ブチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−エチル−2−オクチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン等が挙げられる。

0044

前記トリアザビシクロアルケン系化合物としては、例えば、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセン−5、7−エチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デセン−5等が挙げられる。

0045

ジアザビシクロアルケン系化合物としては、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.2.0]オクテン−5、1,8−ジアザビシクロ[7.2.0]ウンデセン−8、1,4−ジアザビシクロ[3.3.0]オクテン−4、3−メチル−1,4−ジアザビシクロ[3.3.0]オクテン−4、3,6,7,7−テトラメチル−1,4−ジアザビシクロ[3.3.0]オクテン−4、7,8,8−トリメチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ[7.3.0]ドデセン−8、1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−6、8−フェニル−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−6、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]デセン−5、4−フェニル−1,5−ジアザビシクロ[4.4.0]デセン−5、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]デセン−7、1,8−ジアザビシクロ[7.4.0]トリデセン−8、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−メチルブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−メチルオクチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ブチルベンジルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジヘキシルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、9−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、9−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]デセン−7、1,6−ジアザビシクロ[5.5.0]ドデセン−6、1,7−ジアザビシクロ[6.5.0]トリデセン−7、1,8−ジアザビシクロ[7.5.0]テトラデセン−8、1,10−ジアザビシクロ[7.3.0]ドデセン−9、1,10−ジアザビシクロ[7.4.0]トリデセン−9、1,14−ジアザビシクロ[11.3.0]ヘキサデセン−13、1,14−ジアザビシクロ[11.4.0]ヘプタデセン−13等が挙げられる。

0046

前記環式アミジン類のうち、工業的に入手が容易であるという点や、共役酸pKa値が12以上であることから高い触媒活性を示す点から、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)が特に好適である。

0047

本発明に用いられる(B)光塩基発生剤としては、公知の光塩基発生剤を用いることができるが、活性エネルギー線の作用によりアミン化合物を発生する光潜在性アミン化合物が好ましい。該光潜在性アミン化合物としては、活性エネルギー線の作用により第1級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第1級アミン、活性エネルギー線の作用により第2級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第2級アミン、及び活性エネルギー線の作用により第3級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第3級アミンのいずれも使用可能であるが、発生塩基が高い触媒活性を示す点から光潜在性第3級アミンがより好適である。

0048

前記光潜在性第1級アミン及び光潜在性第2級アミンとしては、例えば、1,3−ビス〔N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジルプロパン、N−{[(3−ニトロ−2−ナフタレンメチル)オキシ]カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジン、N−{[(6,7−ジメトキシ−3−ニトロ−2−ナフタレンメチル)オキシ]カルボニル}−2,6−ジメチルピペリジン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピペリジン、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、N,N’−ビス(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ヘキシルジアミン、o−ニトロベンジルN−カルバミン酸シクロヘキシル、2−ニトロベンジルシクロヘキシルカーバメート、1−(2−ニトロフェニル)エチルシクロヘキシルカーバメート、2,6−ジニトロベンジルシクロヘキシルカーバメート、1−(2,6−ジニトロフェニル)エチルシクロヘキシルカーバメート、1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチルシクロヘキシルカーバメート、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6−ジアミン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン等のオルトニトロベンジルウレタン系化合物;α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルシクロヘキシルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルシクロヘキシルカルバメート等のジメトキシベンジルウレタン系化合物;1−(3,5−ジメトキシベンゾイル)−1−(3,5−ジメトキシフェニル)メチルシクロヘキシルカルバメート、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノンシクロヘキシルカルバメート、ジベンゾインイソホロンジカルバメート、1−ベンゾイル−1−フェニルメチルシクロヘキシルカーバメート、2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルシクロヘキシルカーバメート等のカルバミン酸ベンゾイン類;o−ベンジルカルボニル−N−(1−フェニルエチリデンヒドロキシルアミン等のo−アシルオキシム類;[(ペンタン−1,5−ジイル)ビスカルバモイル]ビス(ジフェニルメチリデンヒドロキシルアミン)、α−(シクロヘキシルカルバモイルオキシイミノ)−α−(4−メトキシフェニルアセトニトリル等のo−カルバモイルオキシム類;N−(オクチルカルバモイルオキシ)フタルイミド、N−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)スクシンイミド等のN−ヒドロキシイミドカルバマート類;4,4’−メチレンビス(ホルムアリニド)等のホルムアニリド誘導体;N−シクロヘキシル−2−ナフタレンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド等の芳香族スルホンアミド類;Co(NH2C3H7)Br+ClO4−等のコバルトアミン錯体等が挙げられる。

0049

前記光潜在性第3級アミンとしては、例えば、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体、ベンジルアミン誘導体、ベンジルアンモニウム塩誘導体、α−アミノアルケン誘導体、α−アンモニウムアルケン誘導体、アミンイミド類、光によりアミジンを発生するベンジルオキシカルボニルアミン誘導体、及びカルボン酸と3級アミンとの塩等が挙げられる。

0050

α−アミノケトン誘導体として、例えば、下記式(i)〜(iv)で示されるα−アミノケトン化合物が好適な例として挙げられる。

0051

0052

前記式(i)中、式中、R51は、芳香族又は複素芳香族基であり、R51が、芳香族基(これは、非置換であるか、又はC1−C18アルキル、C3−C18アルケニル、C3−C18アルキニル、C1−C18ハロアルキル、NO2、NR58R59、N3、OH、CN、OR60、SR60、C(O)R61、C(O)OR62若しくはハロゲンにより1回以上置換されている。R58、R59、R60、R61及びR62は、水素又はC1−C18アルキルである)であることが好ましく、フェニル、ナフチルフェナントリルアントラシルピレニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、チエニルベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアトレニル、ジベンゾフリルクロメニルキサンテニルチオキサンチル、フェノキサチイニルピロリル、イミダゾリルピラゾリルピラジニルピリミジニルピリダジニルインドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリルプリニル、キノリジニル、イソキノリルキノリルフタラジニル、ナフチリジニルキノキサリニルキナゾリニルシンノリニル、プテリジニルカルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリルフラザニル、テルフェニルスチルベニル、フルオレニル若しくはフェノキサジニルからなる群から選択されることがより好ましい。
R52及びR53は、互いに独立して、水素、C1−C18アルキル、C3−C18アルケニル、C3−C18アルキニル又はフェニルであり、そしてもしR52が水素又はC1−C18アルキルであれば、R53は、更に、基−CO−R64(式中、R64は、C1−C18アルキル又はフェニルである)であるか;或いは、R51とR53は、カルボニル基及びR53が結合しているC原子一緒になって、ベンゾシクロペンタノン基を形成する。
R54およびR56は、一緒になって、非置換であるか、または1個以上のC1〜C4アルキル基によって置換されているC2〜C12アルキレンブリッジを形成する。R55およびR57は、一緒になって、R54およびR56とは独立して、非置換であるか、または1個以上のC1〜C4アルキル基によって置換されているC2〜C12アルキレンブリッジを形成する。R54とR56が、一緒になって、C3アルキレン橋を形成し、R55とR57が、一緒になって、プロピレン又はペンチレンであることが好ましい。

0053

0054

0055

0056

前記式(ii)〜(iv)において、R51〜R53はそれぞれ前記式(i)のR51〜R53と同様である。
R66は炭素原子数1〜12のアルキル基;−OH、−炭素原子数1〜4のアルコキシ、−CNもしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)で置換された炭素原子数2〜4のアルキル基を表すか、または、R66は炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基またはフェニル−炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R67は炭素原子数1〜12のアルキル基;または−OH、−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、−CNもしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)で置換された炭素原子数2〜4のアルキル基を表すかまたはR67は炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、フェニル−炭素原子数1〜3のアルキル基、または、未置換であるかまたは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基もしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)によって置換されたフェニル基を表すか、あるいはR67はRR66と一緒になって炭素原子数1〜7のアルキレン基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルキレン基、o−キシリレン基、2−ブテニレン基または炭素原子数2もしくは3のオキサアルキレン基を表すか、あるいはR66およびR67は一緒になって−O−、−S−もしくは−CO−で中断され得る炭素原子数4〜7のアルキレン基を表すか、またはR66およびR67は一緒になってOH、炭素原子数1〜4のアルコキシ基もしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)で置換され得る炭素原子数3〜7のアルキレン基を表す。R66およびR67が複数存在する場合それらは同じであっても異なっていてもよい。
Y1は下記式(v)で示される2価の基、−N(R68)−又は−N(R68)−R69−N(R68)−で示される2価の基を表し、R68は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基、フェニル−炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基もしくはフェニル基を表し、R69は1もしくはそれ以上の−O−または−S−により中断され得る枝分かれしていないまたは枝分かれした炭素原子数2〜16のアルキレン基を表す。
Y2は炭素原子数1〜6のアルキレン基、シクロヘキシレン基もしくは直接結合を表す。

0057

0058

前記式(i)で示されるα−アミノケトン化合物としては、例えば、特開2001−512421号公報記載の5−(4’−フェニル)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−ナフトイルメチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(1’−ピレニルカルボニルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−ニトロ)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’、4’−ジメトキシ)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(9’−アンスロイルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、8−(4’−フェニル)フェナシル−(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)等が挙げられる。

0059

前記式(ii)で示されるα−アミノケトン化合物としては、例えば、特開平11−71450号公報記載の4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタンイルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(イルガキュア369)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(イルガキュア379)等が挙げられる。

0060

α−アンモニウムケトン誘導体として、例えば、下記式(vi)で示されるα−アンモニウムケトン化合物が挙げられる。

0061

0062

前記式(vi)において、kは1又は2であって、カチオン正電荷数に相当する。V−はカウンターアニオンであり、ボレートアニオンテトラフェニルボレート、メチルトリフェニルボレート、エチルトリフェニルボレート、プロピルトリフェニルボレート及びブチルトリフェニルボレート等)、フェノラートアニオン(フェノラート、4−tert−ブチルフェノラート、2,5−ジ−tert−ブチルフェノラート、4−ニトロフェノラート、2,5−ジニトロフェノラート及び2,4,6−トリニトロフェノラート等)及びカルボキシレートアニオン安息香酸アニオントルイル酸アニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオン等)等が挙げられる。これらのうち、光分解性の観点から、ボレートアニオン及びカルボキシレートアニオンが好ましく、さらに好ましくはブチルトリフェニルボレートアニオン、テトラフェニルボレートアニオン、安息香酸アニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオン、光分解性及び熱安定性の観点から特に好ましくはテトラフェニルボレートアニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオンである。

0063

前記式(vi)において、R51〜R53はそれぞれ前記式(i)のR51〜R53と同様である。
R70〜R72は、それぞれ互いに独立に、水素、C1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、C3〜C18アルキニルもしくはフェニルであり;またはR70とR71および/もしくはR72とR71が、互いに独立にC2〜C12アルキレン架橋を形成しているか;あるいはR70〜R72が、結合している窒素原子とともに、P1、P2、P<t/4>型のホスファゼン塩基を、または、下記構造式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)もしくは(g)の基を形成している。

0064

0065

0066

0067

0068

0069

0070

0071

前記式(a)〜(g)中、R51及びR52は前記式(i)のR51及びR52と同様であり、l及びqはそれぞれ互いに独立に2〜12の数である。

0072

α−アンモニウムケトン誘導体の具体例としては、例えば、特表2001−513765号公報、WO2005/014696号公報記載のフェナシルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、(4−メトキシフェナシル)トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、1−フェナシル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、(1,4−フェナシル−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン)ビス(テトラフェニルボレート)、1−ナフトイルメチル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、1−(4’−フェニル)フェナシル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン)テトラフェニルボレート、5−(4’−フェニル)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート、5−(4’−メトキシ)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート、5−(4’−ニトロ)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート、5−(4’−フェニル)フェナシル−(8−アゾニア−1−アザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)テトラフェニルボレート等が挙げられる。

0073

ベンジルアミン誘導体として、例えば、下記式(vii)で示されるベンジルアミン化合物が挙げられる。

0074

0075

前記式(vii)において、R51、R54〜R57はそれぞれ前記式(i)のR51、R54〜R57と同様である。
R73およびR74は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニトロ基カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20のアシル基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェ二ルチオ基の群から選ばれる基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R73及びR74は互いに結合して環構造を形成していてもよい。

0076

ベンジルアミン誘導体の具体例としては、例えば、特表2005−511536号公報記載の5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(アントラセン−9−イル−メチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−シアノベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(3’−シアノベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’−クロロベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’,4’,6’−トリメチルベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−エテニルベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(3’−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(ナフト−2−イル−メチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、1,4−ビス(1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナニルメチル)ベンゼン、8−(2’,6’−ジクロロベンジル)−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカン等のベンジルアミン誘導体等が挙げられる。

0077

ベンジルアンモニウム塩誘導体として、例えば、下記式(viii)で示されるベンジルアンモニウム塩が挙げられる。

0078

0079

前記式(viii)において、V−及びkは前記式(vi)のV−及びkと同様である。R51は前記式(i)のR51と同様である。R70〜R72はそれぞれ前記式(vi)のR70〜R72と同様である。R73及びR74は前記式(vii)のR73及びR74と同様である。

0080

ベンジルアンモニウム塩誘導体の具体例としては、例えば、WO2010/095390号公報及びWO2009/122664号公報記載の光塩基発生剤、例えば、(9−アントリル)メチルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、(9−アントリル)メチル1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、9−アントリルメチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、5−(9−アントリルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネニウムテトラフェニルボレート、8−(9−アントリルメチル)−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムフェニルグリオキシラート、N−(9−アントリルメチル)−N,N,N−トリオクチルアンモニウムテトラフェニルボレート、8−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムテトラフェニルボレート、8−(4−ベンゾイルフェニル)メチル−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート、{8−(t−ブチル−2−ナフタリルメチル)−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート、8−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート、N−ベンゾフェノンメチルトリ−N−メチルアンモニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。

0081

α−アミノアルケン誘導体としては、例えば、特表2001−515500号公報記載の5−(2’−(4”−ビフェニル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’−(2”−ナフチル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’−(4”−ジエチルアミノフェニル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(1’−メチル、2’−(4”−ビフェニル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(1’−メチル、2’−(2”−チオキサンチル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(1’−メチル、2’−(2”−フルオレニル)アリル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、8−(2’−(4”−ビフェニル)アリル)−(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)等が挙げられる。

0082

α−アンモニウムアルケン誘導体としては、例えば、特表2002−523393号公報記載のN−(2’−フェニルアリル)−トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、1−(2’−フェニルアリル)−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、1−(2’−フェニルアリル)−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、1−(2’−フェニルアリル)−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)トリス(3−フルオロフェニル)ヘキシルボレート等が挙げられる。

0083

アミンイミド類としては、例えば、WO2002/051905号公報記載の[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)ジメチルアミニオ](4−ニトロベンゾイル)アミンアニオン、[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)ジメチルアミニオ](4−シアノベンゾイル)アミンアニオン、[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)ジメチルアミニオ](4−メトキシベンゾイル)アミンアニオン、[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)ジメチルアミニオ]ベンゾイルアミンアニオン、[(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)ジメチルアミニオ][4−(ジメチルアミノ)ベンゾイル]アミンアニオン等が挙げられる。

0084

前記光によりアミジンを発生するベンジルオキシカルボニルアミン誘導体としては、ベンジルオキシカルボニルイミダゾール類、ベンジルオキシカルボニルグアニジン類ジアミン誘導体等が挙げられる。

0085

ベンジルオキシカルボニルイミダゾール類としては、例えば、特開平9−40750号公報記載のN−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(3−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−クロロ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(5−メチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4,5−ジメチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール等が挙げられる。

0086

ベンジルオキシカルボニルグアニジン類としては、例えば、WO97/31033号公報記載のベンジルオキシカルボニルテトラメチルグアニジン等が挙げられる。

0087

ジアミン誘導体としては、例えば、特開2011−116869号公報記載のN−(N’−((1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エトキシ)カルボニル)アミノプロピル)−N−メチルアセトアミド、N−(N’−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタム等が挙げられる。

0088

前記カルボン酸と3級アミンとの塩としては、α−ケトカルボン酸アンモニウム塩、及びカルボン酸アンモニウム塩等が挙げられる。

0089

α−ケトカルボン酸アンモニウム塩としては、例えば、特開昭55−22669号公報記載のフェニルグリオキシル酸のジメチル・ベンジル・アンモニウム塩、フェニルグリオキシル酸のトリ−n−ブチル・アンモニウム塩等が挙げられる。

0090

カルボン酸アンモニウム塩としては、例えば、特開2009−280785号公報記載のジアザビシクロウンデセン(DBU)のケトプロフェン塩、2−メチルイミダゾールのケトプロフェン塩、特開2011−80032号公報記載のジアザビシクロウンデセン(DBU)のキサントン酢酸塩、ジアザビシクロウンデセン(DBU)のチオキサントン酢酸塩、特開2007−262276号公報記載の2−(カルボキシメチルチオ)チオキサントンの3−キヌクリジノール塩、2−(カルボキシメトキシ)チオキサントンの3−キヌクリジノール塩、並びに特開2010−254982号公報及び特開2011−213783号公報記載のtrans−o−クマル酸の3−キヌクリジノール塩が挙げられる。

0091

前述した(B)光塩基発生剤の中でも、発生塩基が高い触媒活性を示す点から光潜在性第3級アミンが好ましく、塩基の発生効率が良いこと及び組成物としての貯蔵安定性が良いことなどから、ベンジルアンモニウム塩誘導体、ベンジル置換アミン誘導体、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体が好ましく、特に、より塩基の発生効率が良いことから、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体がより好ましく、配合物に対する溶解性よりα−アミノケトン誘導体がより好ましい。α−アミノケトン誘導体の中でも発生塩基の塩基性の強さより前記式(i)で示されるα−アミノケトン化合物が良く、入手のしやすさより前記式(ii)で示されるα−アミノケトン化合物が良い。

0092

これら(B)光塩基発生剤は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。前記(B)光塩基発生剤の配合割合は特に制限はないが、(A)架橋性珪素基を有する化合物100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.5〜30質量部がさらに好ましい。

0093

本発明の光硬化性組成物は、(C)(C1)Si−F結合を有するケイ素化合物、及び/又は(C2)三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体、フッ素化剤及び多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物を含む。本発明の光硬化性組成物において、(C)成分を含むことで硬化がより促進される。

0094

本発明において、(C1)Si−F結合を有する珪素化合物は(A)架橋性珪素基を有する化合物の硬化触媒として作用する。前記(C1)Si−F結合を有する珪素化合物としては、Si−F結合を有する珪素基(以下、フルオロシリル基と称することがある)を含む公知の化合物を広く使用することができ、特に制限はなく、低分子化合物及び高分子化合物のいずれも使用可能であるが、フルオロシリル基を有する有機珪素化合物が好ましく、フルオロシリル基を有する有機重合体が、安全性が高くより好適である。また、配合物が低粘度となる点からフルオロシリル基を有する低分子有機珪素化合物が好ましい。

0095

前記(C1)Si−F結合を有する珪素化合物としては、具体的には、下記式(5)で示されるフルオロシラン類等の下記式(6)で示されるフルオロシリル基を有する化合物(本明細書では、フッ素化化合物とも称する)、フルオロシリル基を有する有機重合体(本明細書では、フッ素化ポリマーとも称する)等が好適な例として挙げられる。

0096

R804−dSiFd・・・(5)
(式(5)において、R80はそれぞれ独立して、置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基、またはR90SiO−(R90はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基、又はフッ素原子である)で示されるオルガノシロキシ基のいずれかを示す。dは1〜3のいずれかであり、dが3であることが好ましい。R80及びR90が複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。)

0097

−SiFdR80eX’f・・・(6)
(式(6)中、R80及びdはそれぞれ式(5)と同じであり、X’はそれぞれ独立して水酸基又はフッ素以外の加水分解性基であり、eは0〜2のいずれかであり、fは0〜2のいずれかであり、d+e+fは3である。R80及びX’が複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。)

0098

前記式(5)で示されるフルオロシラン類としては、式(5)で示される公知のフルオロシラン類が挙げられ、特に制限はないが、例えば、フルオロトリメチルシランフルオロトリエチルシラン、フルオロトリプロピルシラン、フルオロトリブチルシラン、フルオロジメチルビニルシラン、フルオロジメチルフェニルシラン、フルオロジメチルベンジルシラン、フルオロジメチル(3−メチルフェニル)シラン、フルオロジメチル(4−メチルフェニル)シラン、フルオロジメチル(4−クロロフェニル)シラン、フルオロトリフェニルシラン、ジフルオロジメチルシラン、ジフルオロジエチルシラン、ジフルオロジブチルシラン、ジフルオロメチルフェニルシラン、ジフルオロジフェニルシラントリフルオロエチルシラン、トリフルオロプロピルシラン、トリフルオロブチルシラントリフルオロフェニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフルオロシラン、γ−グリシドキシプロピルジフルオロメチルシラン、ビニルトリフルオロシラン、ビニルジフルオロメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルフルオロジメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルジフルオロメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリフルオロシラン、3−メルカプトプロピルトリフルオロシラン、オクタデシルフルオロジメチルシラン、オクタデシルジフルオロメチルシラン、オクタデシルトリフルオロシラン、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラフルオロ−1,3,5,7−テトラシラトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン、1,1−ジフルオロ−1−シラシクロ−3−ペンテン、フルオロトリス(トリメチルシロキシ)シランなどが挙げられる。

0099

これらのなかでも、原料の入手が容易なこと、合成が容易なことなどから、フルオロジメチルビニルシラン、フルオロジメチルフェニルシラン、フルオロジメチルベンジルシラン、ビニルトリフルオロシラン、ビニルジフルオロメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルフルオロジメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルジフルオロメチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリフルオロシラン、3−メルカプトプロピルトリフルオロシラン、オクタデシルフルオロジメチルシラン、オクタデシルジフルオロメチルシラン、オクタデシルトリフルオロシラン、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等が好ましい。

0100

前記式(6)で示されるフルオロシリル基を有する化合物において、式(6)中のX’で示される加水分解性基としては、例えば、式(1)のXの加水分解性基と同様の基を挙げることができるが、具体的には、水素原子、フッ素以外のハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。

0101

また、前記式(6)中のR80としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R90がメチル基、フェニル基等であるR90SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。

0102

前記式(6)で表されるフルオロシリル基を具体的に例示すると、フッ素以外に加水分解性基を持たない珪素基として、フルオロジメチルシリル基、フルオロジエチルシリル基、フルオロジプロピルシリル基、フルオロジフェニルシリル基、フルオロジベンジルシリル基等の珪素基上に1個のフッ素が置換した珪素基;ジフルオロメチルシリル基、ジフルオロエチルシリル基、ジフルオロフェニルシリル基、ジフルオロベンジルシリル基等の珪素基上に2個のフッ素が置換した珪素基;トリフルオロシリル基である珪素基上に3個のフッ素が置換した珪素基;が挙げられ、フッ素とその他の加水分解性基を両方有する珪素基として、フルオロメトキシメチルシリル基、フルオロエトキシメチルシリル基、フルオロメトキシエチルシリル基、フルオロメトキシフェニルシリル基、フルオロジメトキシシリル基、フルオロジエトキシシリル基、フルオロジプロポキシシリル基、フルオロジフェノキシシリル基、フルオロビス(2−プロペノキシ)シリル基、ジフルオロメトキシシリル基、ジフルオロエトキシシリル基、ジフルオロフェノキシシリル基、フルオロジクロロシリル基、ジフルオロクロロシリル基などが挙げられ、フッ素以外に加水分解性基を持たない珪素基やR80がメチル基であるフルオロシリル基が好ましく、トリフルオロシリル基がより好ましい。
また、合成の容易さからフルオロジメチルシリル基、ジフルオロメチルシリル基、トリフルオロシリル基、フルオロメトキシメチルシリル基、フルオロエトキシメチルシリル基、フルオロメトキシエチルシリル基、フルオロジメトキシシリル基、フルオロジエトキシシリル基、ジフルオロメトキシシリル基、ジフルオロエトキシシリル基がより好ましく、安定性の観点からフルオロジメチルシリル基、ジフルオロメチルシリル基、トリフルオロシリル基などのフッ素以外に加水分解性基を持たない珪素基がさらに好ましく、硬化性の高さからは、ジフルオロメチルシリル基、ジフルオロメトキシシリル基、ジフルオロエトキシシリル基、トリフルオロシリル基など、珪素基上に2個ないし3個のフッ素が置換した珪素基が好ましく、トリフルオロシリル基が最も好ましい。

0103

前記式(6)で示されるフルオロシリル基を有する化合物としては、特に限定されず、単分子化合物、高分子化合物のいずれも使用可能であり、例えば、テトラフルオロシランオクタフルオロトリシラン等の無機珪素化合物;上記式(5)で示されるフルオロシラン類、フルオロトリメトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、トリフルオロメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、トリフルオロエトキシシラン、メチルフルオロジメトキシシラン、メチルジフルオロメトキシシラン、メチルトリフルオロシラン、メチルフルオロジエトキシシラン、メチルジフルオロエトキシシラン、ビニルフルオロジメトキシシラン、ビニルジフルオロメトキシシラン、ビニルトリフルオロシラン、ビニルフルオロジエトキシシラン、ビニルジフルオロエトキシシラン、フェニルフルオロジメトキシシラン、フェニルジフルオロメトキシシラン、フェニルトリフルオロシラン、フェニルフルオロジエトキシシラン、フェニルジフルオロエトキシシラン、フルオロトリメチルシラン等の低分子有機珪素化合物;末端に式(6)で示されるフルオロシリル基を有するフッ素化ポリシロキサンなどの高分子化合物が挙げられ、前記式(5)で示されるフルオロシラン類や、主鎖又は側鎖の末端に式(6)で示されるフルオロシリル基を有する重合体が好適である。

0104

前記式(5)で示されるフルオロシラン類及び前記式(6)で示されるフルオロシリル基を有する化合物は、市販の試薬を用いても良いし、原料化合物から合成してもよい。合成方法としても特に制限はないが、下記式(7)で示される架橋性珪素基を有する化合物と、フッ素化剤とを公知の方法(例えば、Organometallics1996年,15,2478頁(Ishikawaほか)等)を用いて反応させることにより得られる化合物が好適に用いられる。
−SiR803−qX’q・・・(7)
(式(7)中、R80及びX’はそれぞれ式(6)と同じであり、qは1〜3のいずれかである。)

0105

上記式(7)で示される架橋性珪素基としては、例えば、アルコキシシリル基、シロキサン結合、クロロシリル基等のハロシリル基、ヒドロシリル基等が挙げられる。

0106

アルコキシシリル基のフッ素化に使用されるフッ素化剤の具体例としては、特に限定されず、例えば、NH4F、Bu4NF、HF、BF3、Et2NSF3、HSO3F、SbF5、VOF3、CF3CHFCF2NEt2などが挙げられる。
ハロシリル基のフッ素化に使用されるフッ素化剤の具体例としては、特に限定されず、例えば、AgBF4、SbF3、ZnF2、NaF、KF、CsF、NH4F、CuF2、NaSiF6、NaPF6、NaSbF6、NaBF4、Me3SnF、KF(HF)1.5〜5などが挙げられる。
ヒドロシリル基のフッ素化に使用されるフッ素化剤の具体例としては、特に限定されず、例えば、AgF、PF5、Ph3CBF4、SbF3、NOBF4、NO2BF4などが挙げられる。
シロキサン結合を有する化合物はBF3などにより開裂し、フルオロシリル基が得られる。

0107

これらのフッ素化剤を用いたフルオロシリル基の合成方法のなかでも、反応が簡便であること、反応効率が高いこと、安全性が高いことなどから、BF3を用いたアルコキシシランのフッ素化法、CuF2またはZnF2を用いたクロロシランのフッ素化法が好ましい。

0108

BF3としては、BF3ガス、BF3エーテル錯体、BF3チオエーテル錯体、BF3アミン錯体、BF3アルコール錯体、BF3カルボン酸錯体、BF3リン酸錯体、BF3水和物、BF3ピペリジン錯体、BF3フェノール錯体等が使用できるが、取扱いが容易であることなどからBF3エーテル錯体、BF3チオエーテル錯体、BF3アミン錯体、BF3アルコール錯体、BF3カルボン酸錯体、BF3水和物が好ましい。中でもBF3エーテル錯体、BF3アルコール錯体、BF3水和物は反応性が高く好ましく、BF3エーテル錯体が特に好ましい。

0109

前記フルオロシリル基を有する有機重合体(本明細書では、フッ素化ポリマーとも称する)としては、Si−F結合を有する有機重合体であれば特に制限はなく、公知のSi−F結合を有する有機重合体を広く使用可能である。
有機重合体中のSiF結合の位置も特に制限はなく、重合体分子内のいずれの部位にあっても効果を発揮し、主鎖または側鎖の末端であれば−SiRn2F、重合体の主鎖に組み込まれていれば、−SiRnF−または≡SiF(Rnはそれぞれ独立に、任意の基)の形で表される。
主鎖又は側鎖の末端にSi−F結合を有する有機重合体としては、前述した式(6)で示されるフルオロシリル基を有する重合体が好適である。フルオロシリル基が重合体の主鎖中に組み込まれたものの例としては、−Si(CH3)F−、−Si(C6H5)F−、−SiF2−、≡SiFなどが挙げられる。

0110

前記フッ素化ポリマーは、フルオロシリル基および主鎖骨格が同種である単一の重合体、すなわち、1分子あたりのフルオロシリル基の数、その結合位置、および該フルオロシリル基が有するFの数、ならびに主鎖骨格が同種である単一の重合体であってもよく、これらのいずれか、またはすべてが異なる、複数の重合体の混合物であってもよい。フッ素化ポリマーが単一の重合体、複数の重合体の混合物のいずれの場合においても、フッ素化ポリマーは、速硬化性を示す硬化性組成物の樹脂成分として好適に用いることができるが、高い硬化性を発揮し、かつ高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物を得るためには、フッ素化ポリマーに含有されるフルオロシリル基は、重合体1分子あたり平均して少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個、さらに好ましくは1.2〜3個存在するのがよい。1分子中に含まれるフルオロシリル基の数が平均して1個未満になると、硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性挙動発現しにくくなる可能性がある。

0111

また、フッ素化ポリマーは、フルオロシリル基とともに、加水分解性基としてフッ素以外の加水分解性基のみを有する珪素基(たとえば、メチルジメトキシシリル基等)などのフルオロシリル基以外の置換基を含有していてもよい。このようなフッ素化ポリマーとしては、たとえば一方の主鎖末端がフルオロシリル基であり、他方の主鎖末端が、加水分解性基としてフッ素以外の加水分解性基のみを有する珪素基である重合体を挙げることができる。フッ素化ポリマーの例は国際公開特許WO2008/032539号公報に記載されている。

0112

フッ素化ポリマーにおいて、フルオロシリル基の導入は、いかなる方法を用いてもよいが、フルオロシリル基を有する低分子珪素化合物と重合体との反応による導入方法(方法(i))と、フッ素以外の加水分解性基を有する架橋性珪素基を含有する重合体(以下、「重合体(X)」と称することがある。)の珪素基をフルオロシリル基に変性する方法(方法(ii))が挙げられる。

0113

方法(i)の具体例として、以下の方法が挙げられる。
(イ)分子中に水酸基、エポキシ基イソシアネート基等の官能基を有する重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基およびフルオロシリル基を有する化合物を反応させる方法。たとえば、末端に水酸基を有する重合体とイソシアネートプロピルジフルオロメチルシランを反応させる方法や、末端にSiOH基を有する重合体とジフルオロジエトキシシランを反応させる方法が挙げられる。
(ロ)分子中に不飽和基を含有する重合体に、フルオロシリル基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する方法。たとえば、末端にアリル基を有する重合体に、ジフルオロメチルヒドロシランを反応させる方法が挙げられる。
(ハ)不飽和基を含有する重合体に、メルカプト基およびフルオロシリル基を有する化合物を反応させる方法。たとえば、末端にアリル基を有する重合体に、メルカプトプロピルジフルオロメチルシランを反応させる方法が挙げられる。

0114

上記方法(ii)で用いる、フッ素以外の加水分解性基を有する架橋性珪素基を含有する重合体(重合体(X))としては、フッ素以外の加水分解性基を有する架橋性珪素基を含有するポリイソブチレン水添ポリイソプレン水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体ポリシロキサン系重合体が好ましい重合体として挙げることができる。

0115

また、方法(ii)において、フッ素以外の加水分解性基を有する架橋性珪素基をフルオロシリル基に変換する方法としては、公知の方法が使用でき、例えば、前述した前記式(7)で示される加水分解性珪素基を、フッ素化剤でフルオロシリル基に変換する方法が挙げられる。
フッ素化剤としては、例えば、前述したフッ素化剤が挙げられ、中でも、BF3エーテル錯体、BF3アルコール錯体、BF3二水和物活性が高く、効率よくフッ素化が進行し、さらに副生成物に塩等が生じず、後処理が容易であるためにより好ましく、BF3エーテル錯体が特に好ましい。
さらに、BF3エーテル錯体によるフッ素化は、加熱しなくても反応が進行するが、より効率よくフッ素化を行なうためには、加熱することが好ましい。加熱温度としては50℃以上150℃以下が好ましく、60℃以上130℃がより好ましい。50℃以下であると反応が効率よく進行せず、フッ素化に時間がかかる場合がある。150℃以上であるとフッ素化ポリマーが分解する虞がある。BF3錯体によるフッ素化において、用いる重合体(X)の種類によっては着色が起こる場合があるが、着色の抑制の点から、BF3アルコール錯体、BF3二水和物を用いることが好ましい。

0116

フッ素化ポリマーの製造に使用されるフッ素化剤は、フッ素化ポリマーの硬化触媒としても作用する可能性があり、上記(ii)の方法を用いてフッ素化ポリマーを製造するときに水分が存在すると、シラノール縮合反応が進行し、得られるフッ素化ポリマーの粘度が上昇してしまう虞がある。このため、フッ素化ポリマーの製造は、できるだけ水分が存在しない環境下で行なわれることが望ましく、フッ素化前に、フッ素化する重合体(X)をトルエンやヘキサン等を利用して共沸脱水に供するなどの脱水操作を行なうことが好ましい。但し、BF3アミン錯体を用いる場合には、脱水操作後にはフッ素化が進行し難く、微量の水分を添加することで反応性が向上する傾向があるため、粘度上昇許容される範囲で水分を添加することが好ましい。また、フッ素化ポリマーの安定性の点で、フッ素化後にフッ素化剤および副生したフッ素化剤由来成分を、濾過デカンテーション、分液、減圧脱揮などで除去することが好ましい。上記したBF3系のフッ素化剤を用いてフッ素化ポリマーを製造する場合には、製造されたフッ素化ポリマー中に残存するBF3および反応によって生成したBF3由来成分が、B量で500ppm未満であることが好ましく、100ppm未満であることがより好ましく、50ppm未満であることが特に好ましい。BF3およびBF3由来成分を除去することで、得られたフッ素化ポリマー自身およびフッ素化ポリマーと重合体(X)との混合物の粘度上昇などが抑制できる。この点を考慮すると、BF3エーテル錯体、BF3アルコール錯体を用いたフッ素化法は、ホウ素成分真空脱揮により比較的簡便に除去できるため好ましく、BF3エーテル錯体を用いた方法が特に好ましい。

0117

ここで、重合体(X)が、フッ素以外の加水分解性基を2個以上有する場合は、全ての加水分解性基をフッ素化してもよいし、フッ素化剤の量を減量するなどの方法によって、フッ素化の条件を調整することにより、部分的にフッ素化してもよい。たとえば、上記(ii)の方法において、重合体(X)を用いてフッ素化ポリマーを製造する場合、フッ素化剤の使用量は特に制限されるものではなく、フッ素化剤中のフッ素原子のモル量が、重合体(X)のモル量に対して等モル以上になる量であればよい。(ii)の方法により、重合体(X)が含有する加水分解性基のすべてをフッ素化しようとする場合には、フッ素化剤中のフッ素原子のモル量が、重合体(X)が含有する架橋性珪素基中の加水分解性基の総モル量に対して等モル以上となるような量のフッ素化剤を使用することが好ましい。ここで、「フッ素化剤中のフッ素原子」とは、フッ素化剤中のフッ素化に有効なフッ素原子、具体的には、重合体(X)の架橋性珪素基中の加水分解性基を置換できるフッ素原子をいう。

0118

上記方法(i)におけるフルオロシリル基を有する低分子化合物も、上記フッ素化方法を利用して、汎用な架橋性珪素基含有低分子化合物から合成することができる。

0119

方法(i)では、フルオロシリル基とともに、重合体と珪素含有低分子化合物を反応させるための反応性基があるため、反応が複雑になる場合には、方法(ii)によってフッ素化ポリマーを得ることが好ましい。

0120

フッ素化ポリマーのガラス転移温度は、特に限定は無いが、20℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度が20℃を上回ると、冬季または寒冷地での粘度が高くなり取り扱い難くなる場合があり、また、硬化性組成物として使用した場合に得られる硬化物の柔軟性が低下し、伸びが低下する場合がある。ガラス転移温度はDSC測定により求めることができる。

0121

フッ素化ポリマーは直鎖状であってもよく、または分岐を有してもよい。フッ素化ポリマーの数平均分子量は、GPCにおけるポリスチレン換算において3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは3,000〜50,000であり、特に好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量が3,000未満では、硬化物の伸び特性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となるために作業性の点で不都合な傾向がある。

0122

前記(C1)Si−F結合を有する珪素化合物の配合割合は特に制限はないが、フッ素化ポリマー等の数平均分子量3000以上の高分子化合物を用いる場合は、(A)架橋性珪素基を有する化合物100質量部に対して、0.01〜80質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.05〜20質量部がさらに好ましい。数平均分子量3000未満のフルオロシリル基を有する低分子化合物(例えば、前記式(5)で示されるフルオロシラン類や式(6)で示されるフルオロシリル基を有する低分子有機珪素化合物、フルオロシリル基を有する無機珪素化合物等)を用いる場合は、(A)架橋性珪素基を有する化合物100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.05〜20質量部がより好ましく、0.1〜15質量部が特に好ましい。

0123

本発明において、(C2)三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体、フッ素化剤及び多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物は架橋性珪素基の加水分解縮合反応を促進させる化合物となり、(A)架橋性珪素基を有する化合物の硬化触媒として作用する。

0124

前記三フッ化ホウ素の錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素のアミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体、チオール錯体スルフィド錯体、カルボン酸錯体、水錯体等が例示される。上記三フッ化ホウ素の錯体の中では、安定性と触媒活性を兼ね備えたアミン錯体が特に好ましい。

0125

前記三フッ化ホウ素のアミン錯体に用いられるアミン化合物としては、例えば、アンモニアモノエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンモノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン、グアニジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)、エチレンジアミンジエチレントリアミントリエチレンジアミンペンタエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,9−ジアミノノナン、ATU(3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)、CTUグアナミンドデカン酸ジヒドラジドヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミンジアニシジン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタンジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタントリジンベース、m−トルイレンジアミン、o−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミンp−フェニレンジアミンメラミン、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテルサンテクケミカル社製ジェファーミン等の複数の第一級アミノ基を有する化合物、ピペラジン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、シス−2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、4−アミノプロピルアニリン、ホモピペラジン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素、N−メチル−1,3−プロパンジアミン等の複数の第二級アミノ基を有する化合物、更に、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノエチルアミンラウリルアミノプロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、3−アミノピロリジン、1−o−トリルビグアニド、2−アミノメチルピペラジン、N−アミノプロピルアニリン、エチルアミンエチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、式H2N(C2H4NH)nH(n≒5)で表わされる化合物(商品名:ポリエイト、東ソー社製)、N−アルキルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、N−アルキルピペリジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン等の複環状第三級アミン化合物等の他、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−3−[アミノ(ジプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物が挙げられる。

0126

前記三フッ化ホウ素のアミン錯体の市販品としては、例えば、エアプロダクツジャパン株式会社製のアンカー1040、アンカー1115、アンカー1170、アンカー1222、BAK1171等が挙げられる。

0127

前記フッ素化剤には、フッ素アニオン活性種とする求核的フッ素化剤と、電子欠乏性のフッ素原子を活性種とする求電子的フッ素化剤が含まれる。

0128

前記求核的フッ素化剤としては、例えば、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−ジエチルアミノプロパン等の1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−ジアルキルアミノプロパン系化合物、トリエチルアミントリスヒドロフルオライド等のトリアルキルアミントリスヒドロフルオライド系化合物、ジエチルアミノサルファートリフルオライド等のジアルキルアミノサルファートリフルオライド系化合物等が挙げられる。

0129

前記求電子的フッ素化剤としては、例えば、ビス(テトラフルオロホウ酸)N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム塩化合物トリフルオロメタンスルホン酸N−フルオロピリジニウム塩化合物等のN−フルオロピリジニウム塩系化合物、ビス(テトラフルオロホウ酸)4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩等の4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン系化合物、N−フルオロビス(フェニルスルホニル)アミン等のN−フルオロビス(スルホニルアミン系化合物等が挙げられる。これらの中では、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−ジエチルアミノプロパン系化合物が液状化合物である上、入手が容易なため特に好ましい。

0130

前記多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩としては、例えば、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウム、ヘキサフルオロアンチモン酸カリウム、ヘキサフルオロヒ酸ナトリウム、ヘキサフルオロヒ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸リチウムヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、ペンタフルオロヒドロキソアンチモン酸ナトリウム、ペンタフルオロヒドロキソアンチモン酸カリウム、テトラフルオロホウ酸リチウムテトラフルオロホウ酸ナトリウムテトラフルオロホウ酸カリウムテトラキストリフルオロメチルフェニルホウ酸ナトリウム、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸カリウムジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、ジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸カリウム等が挙げられる。
これらの中でも、多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩における多価フルオロ化合物成分としては、テトラフルオロホウ酸又はヘキサフルオロリン酸が好ましい。また、多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩におけるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれる一種以上のアルカリ金属であることが好ましい。

0131

前記(C2)フッ素系化合物の配合割合は特に制限はないが、(A)架橋性珪素基を有する化合物100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましく、0.001〜2質量部がさらに好ましい。これらフッ素系化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0132

本発明の光硬化性組成物は、前記(C1)Si−F結合を有する珪素化合物及び前記(C2)フッ素系化合物からなる群から選択される1種以上を含むものであり、(C1)及び(C2)のいずれかのみでもよく、両者を併用してもよい。特に、本発明の光硬化性組成物が前記(C1)Si−F結合を有するケイ素化合物を含むことが好ましい。

0133

本発明の光硬化性組成物は、前記(B)光塩基発生剤に加え、光により、第一級アミノ基および第二級アミノ基からなる群から選択される1種以上のアミノ基を生成する架橋性珪素基含有化合物をさらに含有していても良い。該光により、第一級アミノ基および第二級アミノ基からなる群から選択される1種以上のアミノ基を生成する架橋性珪素基含有化合物は、接着性能を向上させることができる。

0134

該光により、第一級アミノ基および第二級アミノ基からなる群から選択される1種以上のアミノ基を生成する架橋性珪素基含有化合物としては、光照射により、第一級アミノ基および第二級アミノ基からなる群から選択される1種以上のアミノ基と、架橋性珪素基とを有するアミノシラン化合物を発生する化合物であればいかなるものでも使用可能である。本明細書において、前記光により、第一級アミノ基および第二級アミノ基からなる群から選択される1種以上のアミノ基を生成する架橋性珪素基含有化合物を光アミノシラン発生化合物とも称する。

0135

前記光照射により発生する、前記アミノシラン化合物としては、架橋性珪素基、及び置換あるいは非置換のアミノ基を有する化合物が用いられる。置換アミノ基の置換基としては、特に限定されず、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基などが挙げられる。また、架橋性珪素基としては、特に限定されず、前記(A)有機重合体の項で記載した架橋性珪素基を挙げることでき、加水分解性基が結合した珪素含有基が好ましい。このなかでも、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基が、加水分解性が穏やかで取扱いやすいことから好ましい。前記アミノシラン化合物中、加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、2個以上が好ましく、特に3個が好ましい。

0136

本発明の光硬化性組成物には、必要に応じて、光増感剤増量剤可塑剤水分吸収剤、硬化触媒、引張特性等を改善する物性調整剤、補強剤着色剤難燃剤タレ防止剤酸化防止剤老化防止剤紫外線吸収剤、溶剤、香料顔料染料等の各種添加剤を加えてもよい。

0137

前記光増感剤としては、225−310kJ/molの三重項エネルギーをもつカルボニル化合物が好ましく、例えば、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、フタルイミド、アントラキノン、9,10−ジブトキシアントラセンアセトフェノンプロピオフェノン、ベンゾフェノン、アシルナフタレン、2(アシルメチレンチアゾリン、3−アシクマリンおよび3,3′−カルボニルビスクマリン、ペリレンコロネンテトラセンベンズアントラセンフェノチアジンフラビンアクリジン、ケトクマリン等が挙げられ、チオキサントン、3−アシルクマリンおよび2(アロイルメチレン)−チアゾリンが好ましく、チオキサントンおび3−アシルクマリンがより好ましい。これら増感剤は組成物の保存寿命を短くすることなく発生したアミン塩基の反応性を増強する。

0138

また、光増感剤として、活性エネルギー線を照射することで開裂し、ラジカルを発生するタイプの活性エネルギー線開裂型ラジカル発生剤がより好ましい。該活性エネルギー線開裂型ラジカル発生剤を使用すると、光塩基開始剤の増感剤として知られていたベンゾフェノン類チオキサントン類等の光増感剤を使用した場合と比較して、格段に速い硬化速度を示し、エネルギー線照射後本発明の光硬化性組成物をさらに短時間で硬化することが可能となる。

0139

該エネルギー線開裂型ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾインエーテル誘導体アセトフェノン誘導体等のアリールアルキルケトン類、オキシムケトン類アシルホスフィンオキシド類、チオ安息香酸S−フェニル類、チタノセン類、およびそれらを高分子量化した誘導体が挙げられる。市販されている開裂型ラジカル発生剤としては、例えば、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトンベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン、(η6−イソプロピルベンゼン)−(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド等が挙げられる。

0140

光増感剤の配合割合は特に制限はないが、組成物中に0.01〜5質量%が好ましく、0.025〜2質量%がより好ましい。これら光増感剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0141

前記増量剤としては、例えば、タルククレー炭酸カルシウム炭酸マグネシウム無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム二酸化チタンカーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0142

前記可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチルリン酸トリクレジル等のリン酸エステル類フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセ57リンモノオレイルエステル等の脂肪族一塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0143

本発明の光硬化性組成物を製造する方法は特に制限はなく、例えば、前記成分(A)、(B)、並びに(C)を所定量配合し、また必要に応じて他の配合物質を配合し、脱気攪拌することにより製造することができる。各成分及び他の配合物質の配合順は特に制限はなく、適宜決定すればよい。

0144

本発明の光硬化性組成物は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。本発明の光硬化性組成物は光照射により硬化する光硬化性組成物であって、常温(例えば、23℃)で硬化することが可能であり、常温光硬化型硬化性組成物として好適に用いられるが、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させてもよい。

0145

本発明の光硬化性組成物に対し、光を照射する条件としては特に制限はないが、硬化時に活性エネルギー線を照射する場合、活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のしやすさ及び価格、太陽光一般照明下での取扱の容易性等から紫外線または電子線照射による硬化が好ましく、紫外線照射による硬化がより好ましい。なお、紫外線には、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等も含まれるものである。活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、使用する光塩基発生剤の性質に応じて、例えば、高圧水銀灯低圧水銀灯電子線照射装置ハロゲンランプ発光ダイオード半導体レーザーメタルハライド等があげられる。

0146

照射エネルギーとしては例えば紫外線の場合、10〜20,000mJ/cm2が好ましく、50〜10,000mJ/cm2がより好ましい。10mJ/cm2未満では硬化性が不十分となる場合があり、20,000mJ/cm2より大きいと、必要以上に光を当てても時間とコストの無駄となるばかりか、基材を傷めてしまう場合がある。

0147

本発明の光硬化性組成物を接着剤として使用する場合、被着体への塗布方法は特に制限はないが、スクリーン印刷ステンシル印刷ロール印刷スピンコートディスペンサーによる塗布等の塗布方法が好適に用いられる。光硬化性組成物の被着体への塗布厚さは薄いほうが本発明の効果を発現しやすく、500μm以下、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。

0148

また、本発明において、光硬化性組成物の被着体への塗布及び光照射の時期に制限はなく、光硬化性組成物に光を照射させた後、被着体と接合し、製品を製造してもよく、また光硬化性組成物を被着体に塗布し、光を照射することにより組成物を硬化させ、製品を製造してもよい。

0149

本発明の光硬化性組成物は、作業性に優れた速硬化型の光硬化性組成物であり、特に、接着性組成物コーティング材組成物として有用であり、接着剤、シーリング材粘着材コーティング材、ポッティング材、塗料パテ材及びプライマー等として好適に用いることができる。本発明の光硬化性組成物は、例えば、実装回路基板等の防湿絶縁を目的とするコーティングソーラー発電パネルやパネルの外周部分のコーティング等に用いられるコーティング剤複層ガラス用シーリング剤車両用シーリング剤等、建築用および工業用のシーリング剤;太陽電池裏面封止剤などの電気電子部品材料電線ケーブル絶縁被覆材などの電気絶縁材料粘着剤;接着剤;弾性接着剤コンタクト接着剤などの用途に好適に利用可能である。

0150

以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。

0151

1)数平均分子量の測定
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により下記条件で測定した。本発明において、該測定条件でGPCにより測定し、標準ポリエチレングリコール換算した最大頻度の分子量を数平均分子量と称する。
分析装置:Alliance(Waters社製)、2410型示差屈折検出器(Waters社製)、996型多波長検出器(Waters社製)、Milleniamデータ処理装置(Waters社製)
カラム:PlgelGUARD+5μmMixed−C×3本(50×7.5mm,300×7.5mm:PolymerLab社製)
流速:1mL/分
・換算したポリマー:ポリエチレングリコール
測定温度:40℃
・GPC測定時の溶媒:THF

0152

2)NMRの測定
NMRの測定は、下記測定装置を用いて行った。
FT−NMR測定装置:日本電子(株)製JNM−ECA500(500MHz)

0153

(合成例1)フッ素化ポリマーの合成
攪拌装置窒素ガス導入管温度計および環流冷却器を備えた新しいフラスコに、分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて得られた水酸基価換算分子量14500、かつ分子量分布1.3のポリオキシプロピレンジオールを得た。得られたポリオキシプロピレンジオールにナトリウムメトキシドメタノール溶液を添加し、加熱減圧下メタノールを留去してポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基ナトリウムアルコキシドに変換し、ポリオキシアルキレン系重合体を得た。

0154

次に、ポリオキシアルキレン系重合体に塩化アリルを反応させて、未反応の塩化アリルを除去し、精製して、末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるメチルジメトキシシラン白金含量3wt%の白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液150ppmを添加して反応させ、末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。
得られた末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は15000、分子量分布1.3であった。H1−NMR測定により末端のメチルジメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。

0155

攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および環流冷却器を備えたフラスコに、減圧脱気後、窒素ガス置換して、窒素気流下にてBF3ジエチルエーテル錯体2.4g入れ、50℃に加温した。続いて脱水メタノール1.6gの混合物をゆっくりと滴下し混合させた。撹拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた新たなフラスコに、前記得られた重合体A4を100g、トルエン5g入れた。23℃にて30分間撹拌後、110℃に加温し減圧撹拌を2時間行い、トルエンを除去した。この容器に先ほど得られた混合物を窒素気流下にて4.0gゆっくりと滴下し、滴下終了後、反応温度を120℃に昇温し、30分間反応させた。反応終了後、減圧脱気を行い未反応物の除去を行った。末端にフルオロシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(以下、フッ素化ポリマーと称する)を得た。得られたフッ素化ポリマーの1HNMRスペクトル(Shimazu社製のNMR400を用いて、CDCl3溶媒中で測定)を測定したところ、原料である重合体のシリルメチレン(−CH2−Si)に対応するピーク(m,0.63ppm)が消失し、低磁場側(0.7ppm〜)にブロードピークが現れた。

0156

(合成例2)末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の合成
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および環流冷却器を備えたフラスコに、エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、ポリオキシプロピレントリオールを得た。得られたポリオキシプロピレントリオールにナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下メタノールを留去してポリオキシプロピレントリオールの末端水酸基をナトリウムアルコキシドに変換し、ポリオキシアルキレン系重合体を得た。

0157

次に、このポリオキシアルキレン系重合体に塩化アリルを反応させて、未反応の塩化アリルを除去し、精製して、末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化珪素化合物であるトリメトキシシランを白金含量3wt%の白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液150ppmを添加して反応させ、末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。

0158

得られた末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は12000、分子量分布1.3であった。H1−NMR測定により末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。

0159

(実施例1)
表1に示す配合割合にて、攪拌機、温度計、窒素導入口モノマー装入管および水冷コンデンサーを装着した300mLのフラスコに、(A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物、(C)Si−F結合を有する珪素化合物として合成例1で得られたフッ素化ポリマーを入れ、撹拌し、溶解させた。また。表1に示す配合割合にて、別の100mLのナスフラスコに(B)光塩基発生剤及びプロピレンカーボネートを入れ、撹拌し、溶解させ、この溶液の全量を先ほど量り取った300mLフラスコへ投入し、減圧撹拌を行い、光硬化性組成物を得た。得られた光硬化性組成物について光照射後の可使時間、光硬化性組成物の光未照射時の安定性、鉛筆硬度碁盤目試験による密着性の評価を行った。評価の詳細は下記のとおりである。

0160

0161

表1において、各配合物質の配合量はgで示され、その他の配合物質の詳細は下記の通りである。
*1 (A)架橋性珪素基を有する有機重合体でない化合物、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、信越化学工業製、商品名「KBM9659」。
*2 (B)光塩基発生剤:光照射により1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)を発生する化合物、サンアプロ(株)製、商品名「SA−2」。実施例・比較例では(B)光塩基発生剤1gを溶解するため4gのプロピレンカーボネートを使用した。但し、表1にはプロピレンカーボネート量を省略している。

0162

1)光照射後の可使時間の評価
被着材アルミニウム硫酸アルマイト処理)]に、ガラス棒を用いて光硬化性組成物を厚さ100μmになるように塗布し、UV照射照射条件メタルハライドランプ照度:330mW/cm2)、積算光量:3000mJ/cm2]を行った。その後、暗室下23℃50%RHの環境下において、一定時間ごとに指触にて表面状態を調べた。硬化せずに液状の状態が長いほど光照射後の可使時間を長くとれる。しかしあまり長いと組成物の硬化時間が長くなるので目的に応じて触媒量や光照射時間を変えて可使時間を調整することができる。

0163

2)光硬化性組成物の光未照射時の安定性の評価
被着材[アルミニウム(硫酸アルマイト処理)]に、ガラス棒を用いて光硬化性組成物を厚さ100μmになるように塗布し、暗室下23℃50%RHの環境下において指触にて表面状態を調べた。液状状態が長いものほどは安定性がよいことになる。

0164

3)鉛筆硬度試験
10cm×10cmのガラス板に、ガラス棒を用いて光硬化性組成物を厚さ100μmになるように塗布し、UV照射[照射条件:メタルハライドランプ、照度:330mW/cm2、積算光量:3000mJ/cm2]を行った。その後、暗室下23℃50%RHの環境下において1日間養生した。JIS K5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠し、鉛筆硬度を測定した。

0165

4)碁盤目試験
10cm×10cmのガラス板に、ガラス棒を用いて光硬化性組成物を厚さ100μmになるように塗布し、UV照射[照射条件:メタルハライドランプ、照度:330mW/cm2、積算光量:3000mJ/cm2]を行った。その後、暗室下23℃50%RHの環境下において1日間養生した。JIS K5600−5−6の付着性クロスカット法)に準拠し、碁盤目試験を行った。皮膜の剥がれが全く見られなかった場合を○、皮膜の剥がれた面積が、全碁盤目面積の30%未満の場合を△、皮膜の剥がれた面積が30%以上の場合を×とした。

0166

(比較例1−3)
表1に示す如く配合を変更した以外は実施例1と同様の方法により組成物を調製し、測定を行った。結果を表1に示した。

0167

表1に示した如く、本発明の光硬化性組成物は、優れた接着性能を示すと共に、UV未照射時には十分な可使時間を有し、作業性に優れていた。また、本発明の光硬化性組成物は、硬化物の硬化皮膜の硬度が高いため、コーティング用途に好適である。また、接着性に優れていることから、プライマー用途としても好適に用いることができる。

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