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技術 メタン発酵装置

出願人 大阪瓦斯株式会社
発明者 宮崎準平
出願日 2015年1月16日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-007095
公開日 2016年7月25日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-131513
状態 未査定
技術分野 微生物・酵素関連装置 微生物による化合物の製造 汚泥処理
主要キーワード 可溶化度 放流路 希釈流 難溶性成分 処理済排水 バイオガス化 消費設備 エネルギー回収効率
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

茶滓含有排水を処理する場合であっても、より一層エネルギー回収効率高くバイオガス化することができるメタン発酵装置を提供すること。

解決手段

可溶化槽が、高温かつ嫌気状態酵素処理液により茶滓含有排水を可溶化する構成とする高温可溶化槽1であり、メタン発酵槽が、可溶化された茶滓含有排水を固液混合状態で高温にてメタン発酵する高温メタン発酵槽2であるとともに、高温メタン発酵槽2を経由した茶滓含有排水を固液分離する固液分離槽3を設け、前記固液分離槽3で固液分離された液相を前記可溶化槽1に返送する処理済液返送路L7を設けた。

概要

背景

化石燃料消費や大量の廃棄焼却による二酸化炭素ガスの排出等により、地球温暖化が問題になっている。この問題を解決するために、種々の廃棄物を再資源化する技術の開発がすすめられている。中でも、上記廃棄物として木質系バイオマスを対象として再資源化を行う技術が研究されている。

ところが、通常のバイオマスとは異なり、木質系バイオマスは微生物分解困難なリグニンヘミセルロース等の高次構造を形成する成分を大量に含んでいる。そのため、このバイオマスを生分解させるための前処理として、上記バイオマスを酵素で分解し、その後エタノール発酵する方法も報告されている(たとえば、特許文献1参照)。しかし、このような酵素分解を行う場合、後続のエタノール発酵を良好に行うためには、エキソセルラーゼによりセルロース単糖類まで分解する必要があり、セルロースの糖鎖の各端部より順次糖単位で切断するために、反応時間を要するとともに、相当量の酵素を必要とする。そのため、このような方法は、経済的にあまり実用的なものとはいえず、また、得られるバイオエタノールは、利用形態が限られるため需要が少なく、大規模に利用するまでに至っていないのが実情である。

一方、メタンガスは、都市ガス等の主成分であるため、需要が高く、バイオマスを再資源化する際に望ましい形態である。しかし、リグニン、ヘミセルロース等の高次構造を含む木質系バイオマスをそのまま通常のメタン発酵処理に供しても、バイオガス化効率は低い。

そこで、本願出願人は、たとえば茶滓のような木質バイオマスから効率よくバイオガス生産する技術を提供する目的で特許文献2に示すように、木質バイオマス含有排水受け入れる受け入れ部を設けるとともに、前記木質バイオマス含有排水を可溶化する可溶化槽を備えるとともに、可溶化された木質バイオマス含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置を提案している。

また、このような可溶化を行うにあたって、茶滓を可溶化するには、特定の酵素処理液が有効に用いられることも見出している(特許文献3)。

概要

茶滓含有排水を処理する場合であっても、より一層エネルギー回収効率高くバイオガス化することができるメタン発酵装置を提供すること。可溶化槽が、高温かつ嫌気状態で酵素処理液により茶滓含有排水を可溶化する構成とする高温可溶化槽1であり、メタン発酵槽が、可溶化された茶滓含有排水を固液混合状態で高温にてメタン発酵する高温メタン発酵槽2であるとともに、高温メタン発酵槽2を経由した茶滓含有排水を固液分離する固液分離槽3を設け、前記固液分離槽3で固液分離された液相を前記可溶化槽1に返送する処理済液返送路L7を設けた。

目的

そこで、本願出願人は、たとえば茶滓のような木質バイオマスから効率よくバイオガスを生産する技術を提供する

効果

実績

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請求項1

茶滓含有排水可溶化する可溶化槽を備えるとともに、前記可溶化槽にて可溶化された茶滓含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置であって、前記可溶化槽が、40℃〜80℃の高温かつ嫌気状態酵素処理液により前記茶滓含有排水を可溶化する高温可溶化槽であり、前記メタン発酵槽が、前記高温可溶化槽にて可溶化された茶滓含有排水を固液混合状態で、50℃〜60℃の高温にてメタン発酵する高温メタン発酵槽であるとともに、前記高温メタン発酵槽を経由した茶滓含有排水を固液分離する固液分離槽を設け、前記固液分離槽で固液分離された液相を前記高温可溶化槽に返送する処理済液返送路を設けたメタン発酵装置。

請求項2

前記酵素処理液が、ペクチナーゼおよびプロテアーゼを含有するとともにセルラーゼを含有する請求項1に記載のメタン発酵装置。

技術分野

0001

本発明は、茶滓含有排水可溶化する可溶化槽を備えるとともに、可溶化された茶滓含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置に関する。

背景技術

0002

化石燃料消費や大量の廃棄焼却による二酸化炭素ガスの排出等により、地球温暖化が問題になっている。この問題を解決するために、種々の廃棄物を再資源化する技術の開発がすすめられている。中でも、上記廃棄物として木質系バイオマスを対象として再資源化を行う技術が研究されている。

0003

ところが、通常のバイオマスとは異なり、木質系バイオマスは微生物分解困難なリグニンヘミセルロース等の高次構造を形成する成分を大量に含んでいる。そのため、このバイオマスを生分解させるための前処理として、上記バイオマスを酵素で分解し、その後エタノール発酵する方法も報告されている(たとえば、特許文献1参照)。しかし、このような酵素分解を行う場合、後続のエタノール発酵を良好に行うためには、エキソセルラーゼによりセルロース単糖類まで分解する必要があり、セルロースの糖鎖の各端部より順次糖単位で切断するために、反応時間を要するとともに、相当量の酵素を必要とする。そのため、このような方法は、経済的にあまり実用的なものとはいえず、また、得られるバイオエタノールは、利用形態が限られるため需要が少なく、大規模に利用するまでに至っていないのが実情である。

0004

一方、メタンガスは、都市ガス等の主成分であるため、需要が高く、バイオマスを再資源化する際に望ましい形態である。しかし、リグニン、ヘミセルロース等の高次構造を含む木質系バイオマスをそのまま通常のメタン発酵処理に供しても、バイオガス化効率は低い。

0005

そこで、本願出願人は、たとえば茶滓のような木質バイオマスから効率よくバイオガス生産する技術を提供する目的で特許文献2に示すように、木質バイオマス含有排水を受け入れる受け入れ部を設けるとともに、前記木質バイオマス含有排水を可溶化する可溶化槽を備えるとともに、可溶化された木質バイオマス含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置を提案している。

0006

また、このような可溶化を行うにあたって、茶滓を可溶化するには、特定の酵素処理液が有効に用いられることも見出している(特許文献3)。

先行技術

0007

特開2010−115116号公報
特開2012−179546号公報
特開2013−184107号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上述のメタン発酵装置を効率よくバイオガスを発生させるには、茶滓含有排水の可溶化効率を上げること、メタン発酵環境を適切に維持管理することが肝要であると考えられる。

0009

しかし、特許文献2に開示のメタン発酵装置に茶滓含有排水を供給し、特許文献3に 記載の酵素処理液を適用した場合に、茶滓の可溶化効率は向上するとはいえ、尚も可溶 化しきらない残渣が発生し、別途処理する必要が生じる問題があった。また、このよう な残渣を別途処理するにあたって、簡便かつ汎用的な焼却処理を行えば、残渣からエネ ルギー回収することができず、逆にエネルギーを消費してしまう。したがって、特許文 献2に開示の技術によっても、茶滓の全量がバイオガス化してエネルギーとして回収さ れるわけではないうえに、可溶化されなかった残渣の処理に逆にエネルギーを消費する という状況であったために、エネルギーの回収効率は十分とは言えず、エネルギー回収効率のさらなる向上が望まれる。

0010

また、特許文献2では、メタン発酵工程をUASB法のような中温発酵排水処理の技術分野において、36℃近傍における発酵処理を中温発酵、50℃〜60℃あるいはそれ以上の温度域での発酵処理を高温発酵と区別しており、本願においても、この意味で高温中温と称するものとする)により行うことを開示しているが、一般に、中温発酵を行うメタン発酵槽の微生物は、中温で高い活性を有するものの、高温になると活性が低下する。一方、酵素による可溶化反応を行う場合、ある程度の高温の温度域で反応を行うことが好ましく、この温度域は高温発酵の温度域に近いものであることが知られている。

0011

そのため、特許文献2に開示のメタン発酵装置における酵素処理槽(可溶化槽)において茶滓含有排水を効率よく可溶化するためには、その酵素処理槽を加熱して高温に維持することが考えられる。しかし、その加熱された酵素処理槽で可溶化された茶滓含有排水を、そのまま中温メタン発酵処理に供すると、メタン発酵槽が高温に晒されることになるため、メタン発酵処理を行う微生物の活性を低下させたり、死滅させてしまったりする虞がある。そのために、可溶化された茶滓含有排水を、一旦中温付近まで冷却する必要がある。また、そのメタン発酵処理を経た処理済排水を茶滓含有排水の希釈に用いると、その希釈水を再度酵素処理槽にて加熱することになるから、メタン発酵槽から流出した排水中の微生物は、酵素処理槽で活性を低下させたり、死滅させてしまったりする虞があるとともに、排水自体もさらに高温に加熱する必要があることから、エネルギー効率が低く、メタン発酵装置の運転コストを増大させ、エネルギー回収効率の低下の原因となっていた。

0012

したがって、本発明は上記実情に鑑み、茶滓含有排水を処理する場合であっても、より一層バイオガス化を効率化し、エネルギー回収効率を高くすることができるメタン発酵装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明のメタン発酵装置の特徴構成は、茶滓含有排水を可溶化する可溶化槽を備えるとともに、前記可溶化槽にて可溶化された茶滓含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置であって、
前記可溶化槽が、40℃〜80℃の高温かつ嫌気状態で酵素処理液により前記茶滓含有排水を可溶化する高温可溶化槽であり、前記メタン発酵槽が、前記高温可溶化槽にて可溶化された茶滓含有排水を固液混合状態で、50℃〜60℃の高温にてメタン発酵する高温メタン発酵槽であるとともに、
前記高温メタン発酵槽を経由した茶滓含有排水を固液分離する固液分離槽を設け、前記固液分離槽で固液分離された液相を前記可溶化槽に返送する処理済液返送路を設けた点にある。

0014

作用効果1〕
上記構成によると、可溶化槽が高温可溶化槽であるから、酵素処理液により茶滓を可溶化するにあたって、一般に反応速度が高い高温域での酵素可溶化を可能とする。また、メタン発酵槽が高温メタン発酵槽であるから、可溶化された茶滓含有排水を固液混合状態で、高温で優れた活性を有する微生物を用いてメタン発酵することができ、高温可溶化槽にて可溶化された可溶化液と残渣とを、高温メタン発酵槽に固液混合状態で供給することにより、そのままの高温状態を維持しつつ、可溶化液と残渣とをともに高温メタン発酵することができる。したがって、供給された茶滓の一部からも有効にメタン発酵してバイオガス化することができるため、エネルギー回収効率を高くできる。

0015

さらに、固液分離槽を設けて、高温メタン発酵槽を経由した茶滓含有排水を固液分離すると、高温可溶化槽内の酵素処理液が可溶化された茶滓含有排水とともにメタン発酵槽に流出したとしても固液分離された液相として回収することができ、処理済液返送路を経由して高温可溶化槽に返送再利用することができる。さらに、高温メタン発酵槽では、内部に育成する微生物もある程度の割合で処理済液とともに流出してしまうのであるが、処理済液返送路によると、そのような微生物についても高温可溶化槽に返送することができる。また、返送される微生物は、高温メタン発酵槽から、高温可溶化槽に返送されたとしても、高温可溶化槽は、高温メタン発酵槽における生育環境近似した嫌気条件でも可溶化することが可能であり、高温条件となっているので、その微生物の活性を低下させ、死滅させてしまうというような問題が起きにくい。したがって、固液分離槽から流出する微生物は、高温可溶化槽を経て、活性の高いまま高温メタン発酵槽に返送されることになるため、高温メタン発酵槽内の微生物濃度は安定に維持される。したがって、高温メタン発酵槽において安定したメタン発酵処理が行えるとともに、メタン生産量も安定することになる。

0016

また、返送される処理済液は、高温可溶化槽に供給される茶滓を希釈して流動化する効果を発揮するから、高温可溶化槽における可溶化反応を効率化し、可溶化液を減容化した残渣とともに固液混合状態として高温メタン発酵槽に供給するのに寄与し、高温可溶化槽において茶滓含有排水を流動化させるのに別途必要となる希釈水の量を大幅に削減することができ、メタン発酵装置全体として運転コストを低減することができ、エネルギー回収効率の向上に寄与する。

0017

なお、高温可溶化槽では、酸発酵が同時に進行し、高温可溶化槽内のpHが低下する場合がある。高温メタン発酵槽内を経由して返送される処理済液は、pH7〜8程度であることから、その処理済液を高温可溶化槽に返送すると、高温可溶化槽内の可溶化液を希釈するとともに、高温可溶化槽内の可溶化液のpHの低下を緩和する効果を発揮することにもなる。そのため、高温可溶化槽内のpHを好適に維持する目的で苛性ソーダなどのpH調整剤を用いるとしても、そのpH調整剤の使用量を削減できる。

0018

〔構成2〕
また、前記酵素処理液が、ペクチナーゼおよびプロテアーゼを含有するとともにセルラーゼを含有するものであると好ましい。

0019

〔作用効果2〕
茶滓を可溶化する際には、ペクチナーゼ、プロテアーゼが特に有効に作用することが知られており、これら両成分が主成分として含まれる酵素処理液が、きわめて高い可溶化率を達成するうえで有効である。また、上記2成分による可溶化によっても、生じうる残渣についても、セルラーゼを含む酵素処理液によれば、大部分を効率よく分解しうる。したがって、上記、ペクチナーゼおよびプロテアーゼを含有するとともにセルラーゼを含有する酵素処理液によると、きわめて効率的に茶滓の可溶化をおこなうとともにメタン発酵を実行させることができるようになる。すなわち、従来、茶滓の処理をおこなう場合に、大規模な可溶化槽およびメタン発酵槽を用いる必要があったところ、コンパクトにかつ省エネルギーで茶滓を可溶化するとともに、メタン発酵が可能になるので、廃棄物の効率的な処理の観点できわめて有用であるといえる。

発明の効果

0020

したがって、茶滓含有排水を処理する場合であっても、より一層バイオガス化を効率化し、エネルギー回収効率を高くすることができるようになった。

図面の簡単な説明

0021

メタン発酵装置のフロー
茶滓の酵素可溶化試験結果を示すグラフ

実施例

0022

以下に、本発明の実施形態にかかるメタン発酵装置を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。

0023

本発明の実施形態にかかるメタン発酵装置は、茶滓含有排水を受け入れる受入部11を設けるとともに、前記茶滓含有排水を可溶化する可溶化槽を高温かつ嫌気状態で酵素処理液により前記茶滓含有排水を可溶化する高温可溶化槽1として構成し、可溶化された茶滓含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を可溶化された茶滓含有排水を固液混合状態で高温にてメタン発酵する高温メタン発酵槽2として構成している。
また、前記高温メタン発酵槽2を経由した茶滓含有排水を固液分離する固液分離槽3を設け、前記固液分離槽3で固液分離された液相を前記高温可溶化槽1に返送する返送路L7を設けてある。

0024

〔高温可溶化槽〕
高温可溶化槽1は気密断熱構造の高温可溶化槽本体10に、茶滓を固形成分として含有する茶滓含有排水の原水を希釈水により希釈して受け入れる受入部11に排水供給路L1を接続して設けてある。これにより、排水供給路L1から供給された原水を高温可溶化槽本体10内部での滞留時間内に酵素処理液により可溶化する。また、高温可溶化槽本体10には、可溶化された茶滓含有排水のほぼ全量が、可溶化液と固体成分との固液混合状態として後述の高温メタン発酵槽2に移流する移送路L2を接続して設けてあるとともに、高温可溶化槽本体10上部には、排水を酵素分解処理するための酵素処理液を高温可溶化槽本体10内部に添加する酵素添加部L3を設け、高温可溶化槽本体10下部には、酵素処理によっても可溶化せず固液混合状態を形成しない、おもにメタン化しない無機成分からなる残渣を必要に応じて引き抜くための引抜路L4を設けて構成してある。また、高温可溶化槽本体10の周壁には、ヒータ12を設けて、高温可溶化槽本体10内部の温度を酵素処理液の活性が高く維持される60℃程度(たとえば40℃〜80℃)に維持可能に構成してある。

0025

酵素処理液としては、ペクチナーゼおよびプロテアーゼを含有するとともにセルラーゼを含有するものが、特に茶滓の可溶化を行うのに有効であるが、木質系バイオマス一般に可溶化する能力を有するたとえばエンドセルラーゼを主成分とするセルラーゼ等の酵素処理液を用いることもできる。

0026

前記茶滓含有排水としては、茶飲料抽出後の茶滓を希釈し、COD1,000〜300,000mg/L、好ましくはCOD10,000〜200,000mg/L、もっとも好ましくはCOD50,000〜150,000mg/L程度の原水として高温可溶化槽1に供給する。

0027

供給される原水は、前記高温可溶化槽1にて、可溶化される。前記高温可溶化槽1では前記酵素添加部L3より、高温可溶化槽1に投入バイオマス乾燥重量の0.1〜5%程度となるように酵素が添加される。原水は、高温可溶化槽1内で1〜72時間、好ましくは12〜24時間滞留して、溶解性COD5,000〜230,000mg/L程度の可溶化排水にSSが3%のリグニン等の難溶性成分を主成分とする固体成分が混合された固液混合状態で移送路L2に排出される。

0028

尚、高温可溶化槽1において、茶滓の可溶化反応は酸素存在下で行えることが知られているが、嫌気状態であっても可溶化を行えることが確認できた。

0029

図2に示すように、茶滓を可溶化するための可溶化槽において、茶滓45g-dry/L程度の茶滓含有排水を、茶滓に対して酵素を用いずに、60℃で処理した結果、溶解性COD5845mg/Lの可溶化排水が得られた(図2control)。これに対して、高温可溶化槽1において10μL/g-dryの酵素を用いて、60℃で処理を行ったところ、溶解性COD11787mg/Lの可溶化排水が得られ(図2ガス置換なし)、高い可溶化度が確認された。さらに、これを、高温可溶化槽1に空気爆気して好気状態で高温可溶化した場合(図2好気曝気)と、窒素置換して嫌気状態で高温可溶化した場合(図2嫌気)とに区別して可溶化度を比較したところ、いずれの場合でも酵素により高効率で可溶化が行えることが分かり、高温可溶化槽を嫌気状態で運転しても酵素による可溶化反応は可能であることが確認できた。

0030

〔高温メタン発酵槽〕
高温メタン発酵槽2は、高温可溶化槽1から移送路L2を介して供給される可溶化された茶滓含有排水をメタン発酵するメタン発酵容器20を備える。そのメタン発酵容器20には、可溶化された茶滓含有排水を加熱して55℃に維持するための熱交換器21を内部に設けてある。メタン発酵容器20は、気密断熱構造に形成されるとともに、上部にはメタン発酵により発生したバイオガスを回収するバイオガス回収路Laを接続して設けられ、回収されたバイオガスは、バイオガスタンク4に貯留され、必要に応じてメタン消費設備に供給される構成としてある。

0031

また、高温メタン発酵槽2には、水中ポンプと接続されるからなる排水路L5が設けられている。この排水路L5により、高温メタン発酵槽2で処理された茶滓含有排水の主に液相は、固液分離槽3に移送される。

0032

高温可溶化槽1からの可溶化排水および固体成分は、高温メタン発酵槽2にてCOD100〜1,000mg/L程度の処理済排水となる。ここでの処理済排水中の一部の酵素は活性が低下しておらず、前記供給排水を前記返送排水で希釈することにより、前記酵素添加部L3より、添加する酵素量を節約することができる。

0033

〔固液分離槽〕
固液分離槽3は、排水路L5から供給される処理済排水を受け入れて貯留する固液分離槽本体30を設け、受け入れた処理済排水を静置して固液分離する構成としてある。そして固液分離され、未溶の茶滓を含まない処理済排水(液相)は、放流路L6よりメタン発酵装置の外部に放流可能に構成してある。固液分離槽本体30には、処理済排水の固液分離された液相を、前記排水供給路L1を介して高温可溶化槽1に返送する返送路L7を分岐して設けてあり、排水供給路L1に供給される高濃度の茶滓含有排水を、高温可溶化槽1および高温メタン発酵槽2において、効率よく処理可能な濃度に希釈するとともに、活性を保ったまま排出される酵素や微生物を高温可溶化槽1、高温メタン発酵槽2にて再利用することができるように構成してある。また、固液分離により生じた未溶の茶滓を主成分とする固相は、高温メタン発酵槽に返送処理したり、引き抜いたりして別途処理される。

0034

前記排水供給路L1から供給される茶滓40mg/Lに対して返送路L7より返送される処理済排水20Lおよび希釈路L8より供給される水道水80Lを返送混合することにより、茶滓含有排水は、COD1,000〜300,000mg/Lに希釈され、溶解性COD5,000〜30,000mg/L程度の可溶化排水にSSが3%程度のリグニン等の難溶性成分を主成分とする固体成分が混合された固液混合状態を維持することができ、高温可溶化を効率よく行える濃度となる。
つまり、返送される処理済排水を希釈に利用することにより、茶滓を希釈流動化させるのに必要な希釈水に占める水道水の割合を、20%程度削減することができるとともに、高温メタン発酵槽2内のアンモニウムイオン濃度を2000mg/L以下にしつつ、高温可溶化槽1から高温メタン発酵槽2に供給される茶滓含有排水の濃度をきわめて高く維持できるようになる。そのため、高温メタン発酵槽2におけるメタン発酵効率を高く維持して安定したバイオガス供給が行えるようになった。すなわち、液体のみの供給を想定しているUASB等の高負荷メタン発酵を行う場合に比べても、高効率に茶滓からバイオガスを生産できるようになった。

0035

また、返送される処理済排水には高温メタン発酵槽2で発生した嫌気汚泥(微生物)が一部含まれているが、この嫌気汚泥は、高温可溶化槽1を経由して高温メタン発酵槽2に循環されることになる。そのため、高温可溶化槽1において、茶滓の可溶化を嫌気状態にて行う形態としてあれば、返送された嫌気汚泥が好気条件下に晒されて活性を失うことを抑制できるので、嫌気汚泥を高い活性が維持された状態で高温メタン発酵槽2に循環させることができることになり、高温メタン発酵槽2のバイオガス化効率を高く維持するのに寄与する。

0036

本発明のメタン発酵装置は、茶滓含有排水を、より一層エネルギー回収効率高くバイオガス化する装置として利用することができる。

0037

1 :高温可溶化槽
2 :高温メタン発酵槽
3 :固液分離槽
4 :バイオガスタンク
10 :高温可溶化槽本体
11 :受入部
12 :ヒータ
20 :メタン発酵容器
21 :熱交換器
30 :固液分離槽本体
L1 :排水供給路
L2 :移送路
L3 :酵素添加部
L4 :引抜路
L5 :排水路
L6 :放流路
L7 :返送路
L8 :希釈路
La :バイオガス回収路

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