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技術 三輪車両

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 宇田真
出願日 2015年1月10日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2015-003735
公開日 2016年7月21日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-130031
状態 特許登録済
技術分野 自動自転車、自転車一般
主要キーワード 歯車ボックス 外ワイヤ 両傘歯車 前部平面 横リンク 中央リンク 歯車体 歯車ケース
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月21日)のものです。
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図面 (8)

課題

車体44の傾動ステアリング軸53の回転との連動動作を長期間正確かつ確実に行う。

解決手段

ステアリング軸53の下端部に第1傘歯車56を固定するとともに、前フレーム31に第2傘歯車57を支持させ、これら第1傘歯車56と第2傘歯車57とを噛み合わせることで車体44の傾動とステアリング軸53の回転とを連動させるようにすれば、三輪車両走行中に多少の塵埃が第1、第2傘歯車56、57間に侵入しても、両傘歯車はその一部でしか噛み合っていないので、該塵埃から殆ど影響を受けることはなく、しかも、傘歯車はワイヤに比較して強度が大幅に高いため、長期間の使用にも耐えることができ、前記連動動作を、長期間正確かつ確実に行うことができる。

概要

背景

従来の三輪車両としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

概要

車体44の傾動ステアリング軸53の回転との連動動作を長期間正確かつ確実に行う。ステアリング軸53の下端部に第1傘歯車56を固定するとともに、前フレーム31に第2傘歯車57を支持させ、これら第1傘歯車56と第2傘歯車57とを噛み合わせることで車体44の傾動とステアリング軸53の回転とを連動させるようにすれば、三輪車両の走行中に多少の塵埃が第1、第2傘歯車56、57間に侵入しても、両傘歯車はその一部でしか噛み合っていないので、該塵埃から殆ど影響を受けることはなく、しかも、傘歯車はワイヤに比較して強度が大幅に高いため、長期間の使用にも耐えることができ、前記連動動作を、長期間正確かつ確実に行うことができる。

目的

この発明は、ステアリング軸の回転と車体の傾動との連動動作を、長期間正確かつ確実に行うことができる三輪車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

幅方向に離れ地面Sに対して直立した一対の前輪を回転可能に支持する前フレームと、前記前フレームに前後方向に延びる回転軸Z回りに回転できるよう連結される一方、後端部に1個の後輪が回転可能に支持され、前記回転軸Z回りに回転しながら傾動することができる車体と、前記車体に回転可能に支持され上端部にハンドルが取り付けられたステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記一対の前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、ステアリング軸の下端部に固定された第1傘歯車と、前フレームに支持されるとともに、前記第1傘歯車に噛み合うことで車体の傾動とステアリング軸の回転とを連動させる第2傘歯車とを備えたことを特徴とする三輪車両

請求項2

前記第2傘歯車を第1傘歯車より前方に設置するとともに、車体の傾動に基づく回転を増速して前記第2傘歯車に伝達する増速手段を設け、該増速手段を介して第2傘歯車を前フレームに支持させるようにした請求項1記載の三輪車両。

請求項3

前記増速手段を操舵手段より後方で第2傘歯車より前方に配置した請求項2記載の三輪車両。

請求項4

前記増速手段を遊星歯車機構から構成し、該遊星歯車機構の遊星歯車と車体とを連結する一方、遊星歯車機構の太陽歯車と第2傘歯車とを連結し、さらに、遊星歯車機構の内歯車を前フレームに取り付けるようにした請求項2または3記載の三輪車両。

請求項5

前記回転軸Zの直上の車体に上端部が、一方、前記回転軸Zの直下の前フレームに下端部がそれぞれ連結され、これら両連結点を互いに離隔するよう付勢する付勢手段を設け、該付勢手段により車体の傾動からの復帰補助するようにした請求項1〜4のいずれか一項に記載の三輪車両。

技術分野

0001

この発明は、一対の前輪と1個の後輪とを有し車体が傾動可能である三輪車両に関する。

背景技術

0002

従来の三輪車両としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

0003

特開2001−010577号公報

先行技術

0004

このものは、幅方向に離れ地面に対して直立した一対の前輪が回転可能に支持された支持フレームと、前記支持フレームに前後方向に延びる回転軸回りに回転できるよう連結される一方、後端部に1個の後輪が回転可能に支持され、前記回転軸回りに回転することで傾動する車体と、前記車体に回転可能に支持され上端部にハンドルが取り付けられたステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記一対の前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、ステアリング軸の下端に固定されたプレートおよび該プレート、支持フレーム、車体同士を連結する一対の2重構造ワイヤを有し、車体との傾動とステアリング軸の回転とを連動させる連動手段とを備えたものである。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、このような従来の三輪車両にあっては、連動手段に内、外ワイヤからなる2重構造のワイヤを用いているため、内、外ワイヤ間に塵埃侵入すると、内、外ワイヤ間の相対的な摺動動作摩擦抵抗によって制限され、この結果、前述した連動が不正確になってしまうという課題があった。また、このようなワイヤは細径であるため長期間の使用により劣化して途中で破断することがあり、このような場合には前記連動動作ができなくなってしまうという課題もあった。

0006

この発明は、ステアリング軸の回転と車体の傾動との連動動作を、長期間正確かつ確実に行うことができる三輪車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

このような目的は、幅方向に離れ地面Sに対して直立した一対の前輪が回転可能に支持された前フレームと、前記前フレームに前後方向に延びる回転軸Z回りに回転できるよう連結される一方、後端部に1個の後輪が回転可能に支持され、前記回転軸Z回りに回転しながら傾動することができる車体と、前記車体に回転可能に支持され上端部にハンドルが取り付けられたステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記一対の前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、ステアリング軸の下端部に固定された第1傘歯車と、前フレームに支持されるとともに、前記第1傘歯車に噛み合うことで車体の傾動とステアリング軸の回転とを連動させる第2傘歯車とを備えた三輪車両により、達成することができる。

発明の効果

0008

この発明においては、ステアリング軸の下端部に第1傘歯車を固定するとともに、前フレームに第2傘歯車を支持し、これら第1傘歯車と第2傘歯車とを噛み合わせることで車体の傾動とステアリング軸の回転とを連動させるようにしているので、三輪車両の走行中に多少の塵埃が第1、第2傘歯車間に侵入しても、両傘歯車はその一部でしか噛み合っていないので、該塵埃から殆ど影響を受けることはない。しかも、傘歯車はワイヤに比較して強度が大幅に高いため、長期間の使用にも耐えることができ、これにより、車体の傾動とステアリング軸の回転との連動動作を、長期間正確かつ確実に行うことができる。

0009

また、請求項2に記載のように構成すれば、車体の傾動時におけるステアリング軸の逆回転を阻止しながら、車体の傾動とステアリング軸の回転とを確実に連動させることができる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、第2傘歯車より後方に広いスペースを確保することができ、これにより、設計の自由度を容易に向上させることができる。また、請求項4に記載のように構成すれば、小型でありながら高減速比を容易に得ることができる。さらに、請求項5に記載のように構成すれば、狭いスペースに設置可能でありながら、車体を傾動から容易に復帰させることができる。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施形態1を示す概略側面図である。
三輪車両の前部平面図である。
三輪車両の前部正面図である。
遊星歯車機構近傍の側面断面図である。
この発明の実施形態2を示す図4と同様の断面図である。
この発明の実施形態3を示す図4と同様の断面図である。
この発明の実施形態4を示す図4と同様の断面図である。

実施例

0011

以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1〜4において、11は動力源付きの前二輪式三輪車両であり、この三輪車両11はその前部に剛体からなるフレーム本体12を有している。ここで、この実施例の説明においては、前後、左右、上下の方向とは、車体前方を向いている運転者から見た前後、左右、上下の方向を意味している。13は前記フレーム本体12の前端部でその左右端部に、略上下方向に延びるキングピン14を介して旋回可能に支持された一対のナックルであり、これらのナックル13には水平軸回りに回転可能な一対の前輪15が三輪車両11の幅方向に離れて支持されている。この結果、これら一対の前輪15は前記フレーム本体12に地面Sに対し直立した状態を維持しながら(三輪車両11の旋回時にも回転軸が傾動することなく)キングピン14を中心として左右に首振り可能に支持されることになる。前記フレーム本体12の後部上面にはブラケット16を介して歯車ケース17が固定され、この歯車ケース17の前面でその左右端部にはそれぞれブラケット18を介して前後方向に延びる水平なピン19が取り付けられるとともに、これらのピン19には上下方向に延びる一対の側方リンク20の中央部が回転可能に支持されている。

0012

前記歯車ケース17には前後方向に延びる水平な伝達シャフト22が複数の軸受21により回転可能に支持され、この伝達シャフト22の前端部は歯車ケース17から前方に突出している。前記伝達シャフト22の前端部には上下方向に延びる中央リンク23の下端部が固定され、この中央リンク23の上端部にはピン24を介して左右方向に延びる横リンク25の中央部が回転可能に連結されている。そして、前記横リンク25の両端部(左右端部)には側方リンク20の上端部がピン26を介して回転可能に連結されているが、このとき、前記一対のピン26間の距離は前記一対のピン19間の距離と等しく、また、一対のピン19を結ぶ直線上に伝達シャフト22が位置し、一対のピン26を結ぶ直線上にピン24が位置している。この結果、前後方向に延びる伝達シャフト22の中心軸(回転軸Z)回り伝達シャフト22が回転して中央リンク23が前記回転軸Zを中心として左右に揺動すると、該揺動は横リンク25を介して側方リンク20に伝達され、これにより、該側方リンク20はピン19を中心として中央リンク23と平行関係を保持しながら同一方向に同一角度だけ同期揺動する。

0013

前記側方リンク20の下端部には前後方向に延び等長であるピン29の基端(後端)が固定され、これらピン29の先端(前端)には左右方向に延びるタイロッド30の内側端がそれぞれボールジョイントにより連結されている。前記タイロッド30の外側端はナックル13にそれぞれボールジョイントを介して連結されており、この結果、前述のように側方リンク20が揺動すると、ナックル13がキングピン14を中心に旋回し、一対の前輪15が同一方向に同一角度だけ同期して首振りして三輪車両11の操舵が行われる。前述したフレーム本体12、ブラケット16、歯車ケース17は全体として、幅方向に離れ地面Sに対して直立した一対の前輪15を回転可能に支持する前フレーム31を構成し、また、前記ナックル13、側方リンク20、横リンク25、タイロッド30は全体として、後述のステアリング軸の回転を前記一対の前輪15に伝達して該一対の前輪15を操舵する操舵手段32を構成する。なお、この発明においては、操舵手段として、周知のウォームころ式あるいはラックピニオン式のものを用いるようにしてもよい。

0014

35は前記前フレーム31の後方に設置された連結ブロックであり、この連結ブロック35には後方に向かって上方に傾斜しながら延びる後フレーム36の前端部が固定されている。この後フレーム36の中央部には後方に向かって延びるケース37が固定され、このケース37の後端部には水平軸回りに回転可能な1個の後輪38が支持されている。また、前記ケース37内にはエンジンあるいは電動モータ等の動力源と、ミッション装置等を含むパワーユニット収納固定され、このパワーユニットから付与された回転駆動力により前記後輪38は回転することができる。39は後フレーム36の後端部と後輪38との間に介装されたショックアブソーバであり、これらのショックアブソーバ39は地面Sから後輪38に付与された衝撃を吸収し、三輪車両11の振動乗り心地性を向上させる。

0015

前記連結ブロック35の前端には内部に閉鎖空間が形成された歯車ボックス42が固定され、また、前記連結ブロック35には略上下方向に延びる支持ポスト43の下端が固定されている。そして、前述した連結ブロック35、後フレーム36、ケース37、歯車ボックス42、支持ポスト43は全体として、後端部に1個の後輪38が回転可能に支持された車体44を構成し、この車体44は地面Sに接する部位の後輪38を中心として傾動することができる。前記歯車ボックス42の前壁には前記伝達シャフト22の後端部が貫通するとともに、該伝達シャフト22の貫通部は複数の軸受45を介して歯車ボックス42に回転可能に支持されている。このように前フレーム31(歯車ケース17)に設けられた前後方向に延びる伝達シャフト22が車体44(歯車ボックス42)に軸受45を介して回転可能に支持されていることで、該車体44は前フレーム31に前後方向に延びる伝達シャフト22の中心軸(回転軸Z)回りに回転できるよう連結されており、この結果、前記車体44は前記回転軸Z回りに回転しながら傾動することになる。

0016

48は前記支持ポスト43の上端部に回転可能に支持された上ステアリング軸であり、この上ステアリング軸48は下端から上端に向かうに従い後方に向かうよう傾斜するとともに、その上端部には左右方向に延びるハンドル49の中央部が連結されている。前記上ステアリング軸48の下端には自在継手50を介して前記伝達シャフト22に直交し上下方向に延びる下ステアリング軸51の上端が連結されており、この結果、下ステアリング軸51は前記上ステアリング軸48と一体的に回転することができる。前記下ステアリング軸51の下端部は前記歯車ボックス42の上壁を貫通するとともに、該歯車ボックス42に軸受52を介して回転可能に支持されている。前述した上、下ステアリング軸48、51は全体として、前記車体44(歯車ボックス42、支持ポスト43)に回転可能に支持され、上端部にハンドル49が取り付けられたステアリング軸53を構成し、このステアリング軸53は回転することで前述の操舵手段32に操舵力を付与し、三輪車両11の走行方向を制御する。

0017

前記歯車ボックス42の内部に突出したステアリング軸53(下ステアリング軸51)の下端部には第1傘歯車56が固定され、一方、歯車ボックス42の内部に突出した伝達シャフト22の後端部には前記第1傘歯車56より前方、ここでは、第1傘歯車56と前輪15との間に設置された第2傘歯車57が固定され、この第2傘歯車57は前記第1傘歯車56に噛み合っている。ここで、前記伝達シャフト22は前フレーム31(歯車ケース17)に支持されているので、前記第2傘歯車57は前フレーム31に支持されることになる。58は前記中央リンク23と軸受45との間の前フレーム31(歯車ケース17)に取り付けられた平歯車からなる内歯車であり、この内歯車58と半径方向に重なり合う位置の伝達シャフト22には平歯車からなる太陽歯車59が連結(固定)されている。前記内歯車58と太陽歯車59との間には周方向等角度離れた複数の遊星歯車60が設けられ、これらの遊星歯車60は前記内歯車58および太陽歯車59の双方に噛み合っている。

0018

61は後端部が前記車体44(歯車ボックス42の前壁)に固定された前後方向に延びる水平な複数のキャリア軸であり、これらのキャリア軸61の先端部は前記遊星歯車60にそれぞれ連結(固定)されている。このように内歯車58を前フレーム31に取り付ける一方、太陽歯車59と第2傘歯車57とを伝達シャフト22を介して連結し、さらに、遊星歯車60と車体44とをキャリア軸61を介して連結するようにすれば、車体44の傾動により歯車ボックス42が回転軸Zを中心に回転したとき、該歯車ボックス42の回転はキャリア軸61を通じて遊星歯車60に伝達され、該遊星歯車60を太陽歯車59の回りに自転および公転させる。これにより、歯車ボックス42の回転は増速されながら太陽歯車59に伝達され、該太陽歯車59を伝達シャフト22、第2傘歯車57と共に歯車ボックス42(車体44)の回転速度より高速で該歯車ボックス42(車体44)と同一方向に回転させる。前述した内歯車58、太陽歯車59、遊星歯車60は全体として、操舵手段32より後方で第2傘歯車57より前方に配置され、車体44の傾動に基づく回転軸Z回りの回転を増速して第2傘歯車57に伝達する増速手段としての遊星歯車機構64を構成し、これにより、前記第2傘歯車57は増速手段(遊星歯車機構64)を介して前フレーム31に支持されることになる。

0019

このように増速手段を、前フレーム31に取り付けられた内歯車58と、第2傘歯車57に連結された太陽歯車59と、車体44に連結された遊星歯車60とを備えた遊星歯車機構64から構成すれば、小型でありながら高減速比を容易に得ることができる。そして、この遊星歯車機構64(増速手段)を前述のように操舵手段32より後方で第2傘歯車57より前方に配置した場合には、第2傘歯車57より後方に広いスペースを確保することができ、これにより、設計の自由度を容易に向上させることができる。なお、この発明においては、前記増速手段を第2傘歯車57より後方に設置してもよい。ここで、前記増速手段としての遊星歯車機構64が省略されるとともに、伝達シャフト22が前フレーム31に固定されていると、車体44が傾動しても第2傘歯車57が回転軸Z回りに回転せず、常に一定の回転位置を維持することになる。この場合には、車体44が傾動すると、第1傘歯車56は第2傘歯車57に噛み合いながらその周囲を傾動方向転動することになり、ハンドル49、ステアリング軸53は三輪車両11が逆方向に走行するよう回転(逆回転)、即ち、車体44が右側に傾動して三輪車両11が右旋回しようとするときには、ステアリング軸53は左回転し、一方、車体44が左側に傾動して三輪車両11が左旋回しようとするときには、ステアリング軸53は右回転し、三輪車両11の運転が困難となってしまう。

0020

また、第2傘歯車57が第1傘歯車56より前方に設置されるとともに、該第2傘歯車57に取り付けられたシャフトが歯車ボックス42に固定されることで、該第2傘歯車57が回転軸Z回りに歯車ボックス42と一体的に回転するような場合には、車体44(歯車ボックス42)と第2傘歯車57とは車体44の傾動時に同一角度だけ回転するため、車体44が傾動してもステアリング軸53は回転せず直進時の状態を維持し、この場合も三輪車両11の運転が困難となる。しかしながら、この実施形態のように第2傘歯車57が第1傘歯車56より前方に設置されているとき、車体44の傾動に基づく該車体44の回転を増速して第2傘歯車57に伝達する増速手段(遊星歯車機構64)を設けるようにすれば、車体44の傾動(回転)時、増速手段から第2傘歯車57に車体44と同一方向で該車体44の回転速度より高速の回転が伝達され、これにより、ハンドル49、ステアリング軸53が、三輪車両11の傾動による旋回方向と同一方向に三輪車両11が走行するよう回転する。

0021

この結果、三輪車両11の傾動時におけるステアリング軸53の逆回転、無回転が阻止されるとともに、車体44の傾動とステアリング軸53の回転とを確実に連動させることができ、三輪車両11の運転を円滑に、また、旋回動作を迅速に行うことができる。このとき、運転者はハンドル49、ステアリング軸53を前述と同一方向に同一角度だけ回転させる。ここで、前記伝達シャフト22の前端部には中央リンク23を介して操舵手段32の横リンク25が、また、前記伝達シャフト22の中央部には遊星歯車機構64の太陽歯車59がそれぞれ連結されているため、前記ステアリング軸53の回転は第1傘歯車56、第2傘歯車57、伝達シャフト22を通じて操舵手段32に伝達される。ここで、前記第1、第2傘歯車56、57における変速比および遊星歯車機構64における増速比の値は、三輪車両11の平均走行速度、前、後輪15、38の径等を案しながら決定すればよい。

0022

67は伝達シャフト22の直上でピン24の直下の中央リンク23に固定され前方に向かって水平に延びる支持ピンであり、この支持ピン67の前端部には上下方向に延びる外筒68の上端部が回転可能に連結されている。この外筒68は下端面から上方に向かって中心軸上を延びる摺動穴69を有し、この摺動穴69内には下端部が伝達シャフト22の直下のフレーム本体12に固定されたブラケット70にピン71を介して回転可能に連結されたスライド軸72の上側部が摺動可能に挿入されている。前記外筒68の上端部およびスライド軸72の下端部にはそれぞれスプリング受け73およびスプリング受け74が一体形成され、これらスプリング受け73、74間には圧縮スプリング75が介装されている。前述した外筒68、スライド軸72、圧縮スプリング75は全体として、伝達シャフト22(回転軸Z)の直上において上端部が車体44に支持ピン67、中央リンク23、伝達シャフト22を介して連結され、また、前記伝達シャフト22(回転軸Z)の直下の前フレーム31に下端部が連結された付勢手段76を構成する。

0023

ここで、前記車体44が直立状態のときには前記連結点、即ち支持ピン67、ピン71間の距離は最大であるが、車体44が直立状態から傾動して支持ピン67、ピン71間の距離が減少し圧縮スプリング75が圧縮されると、該圧縮スプリング75は直立状態での長さに復帰しようと、外筒68、スライド軸72に前記連結点同士が互いに離隔する方向の付勢力を付与する。これにより、車体44は付勢手段76によって傾動からの復帰が補助され、直立状態への復帰が容易となるが、このような付勢手段76は狭いスペースにも問題なく設置することができる。79は前記車体44に取り付けられ該車体44を覆う車体カバーであり、この車体カバー79は運転者が腰掛けるとともに、図示していない燃料タンク収納されたシート80と、該シート80より前方に設置されたフロントカバー81と、シート80の後方に設置されたリアフェンダー82とを有している。

0024

次に、前記実施形態1の作用について説明する。
今、三輪車両11は直進走行をしているとする。このとき、車体44は地面Sに対して直立した直立状態を維持しており、また、ハンドル49は左右方向に延び、前輪15は前方を向いている。この状態で三輪車両11を旋回走行、例えば右側に旋回走行させる場合には、運転者が右側に重心を移動させ、車体44を右側に傾動させるが、このとき、前記車体44(歯車ボックス42)、ステアリング軸53は回転軸Zを中心に後方から見て時計回りに回転する。この歯車ボックス42の回転により遊星歯車60は太陽歯車59の回りに自転および公転し、これにより、歯車ボックス42の回転は増速されながら太陽歯車59に伝達され、該太陽歯車59を伝達シャフト22、第2傘歯車57と共に歯車ボックス42の回転速度より高速で該歯車ボックス42と同一方向(時計回り)に回転させる。この結果、第2傘歯車57に噛み合っている第1傘歯車56および該第1傘歯車56に連結されているステアリング軸53、ハンドル49は上方から見て時計回りに回転するが、このときのステアリング軸53、ハンドル49の回転方向および回転量(切れ角)は、運転者が操作する回転方向、回転量と同一であり、これにより、車体44の傾動とステアリング軸53の回転とが連動される。

0025

この結果、旋回時における車体44の傾動、ハンドル49、ステアリング軸53の回転フィーリング二輪車に近いものとなり、旋回時における運転が容易となる。ここで、前述のようにステアリング軸53の下端部に第1傘歯車56を固定するとともに、前フレーム31に第2傘歯車57を支持させ、これら第1傘歯車56と第2傘歯車57とを噛み合わせることで車体44の傾動とステアリング軸53の回転とを連動させるようにすれば、三輪車両11の走行中に多少の塵埃が第1、第2傘歯車56、57間に侵入しても、両傘歯車はその一部でしか噛み合っていないので、該塵埃から殆ど影響を受けることはない。しかも、傘歯車はワイヤに比較して強度が大幅に高いため、長期間の使用にも耐えることができ、これにより、車体44の傾動とステアリング軸53の回転との連動動作を、長期間正確かつ確実に行うことができる。

0026

一方、前記伝達シャフト22の回転は中央リンク23に伝達されるが、このとき、中央リンク23は回転軸Zを中心として右側に揺動(時計回りに旋回)するため、側方リンク20はピン19を中心として中央リンク23と平行関係を保持しながら右側に同一角度だけ同期揺動する。この結果、これら側方リンク20の下端部に位置するピン29は左側に移動するが、これらピン29の移動はタイロッド30を通じてナックル13に伝達されるため、該ナックル13はキングピン14を中心として時計回りに首振りし、前輪15は三輪車両11が右旋回するよう操舵される。このときの前輪15の操舵角は前記ステアリング軸53、ハンドル49の回転量に応じた角度である。なお、三輪車両11を左側に旋回走行させる場合は前述と方向が逆となるが、ほぼ同様に作動させる。

0027

次に、三輪車両11を前述の右側への旋回走行から直進走行に復帰させる場合には、運転者は重心を中央に復帰移動させ、車体44を右側への傾動状態から直立状態に復帰させる。このとき、前記車体44(歯車ボックス42)、ステアリング軸53は回転軸Zを中心に反時計回りに回転するが、この歯車ボックス42の回転は遊星歯車機構64により増速されながら伝達シャフト22、第2傘歯車57に伝達され、これら伝達シャフト22、第2傘歯車57を歯車ボックス42の回転速度より高速で反時計回りに回転させる。この結果、ステアリング軸53、ハンドル49は反時計回りに回転し、ステアリング軸53は直線走行時の回転位置に、ハンドル49は左右方向に延びた状態に復帰する。一方、前記伝達シャフト22の回転は中央リンク23、側方リンク20に伝達され、これら中央リンク23、側方リンク20を上下方向に延びるよう揺動させる。この結果、ナックル13は反時計回りに首振りし、前輪15は前方を向くよう操舵される。また、前述のような復帰時、圧縮スプリング75の付勢力により支持ピン67、ピン71間の距離を増大させる方向の外力が中央リンク23に付与されて、該中央リンク23が直立するよう揺動し、前述の復帰動作が付勢手段76により補助される。

0028

図5は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、第2傘歯車57を第1傘歯車56より後方に設置する一方、増速手段としての遊星歯車機構64を省略している。さらに、前記第2傘歯車57が固定され回転軸Zに沿って延びる第1支持シャフト85の後端部を歯車ボックス42の後壁に回転可能に支持させるとともに、該第1支持シャフト85の前端を歯車ボックス42内に収納された連結プレート86に固定している。また、歯車ボックス42の直前のフレーム本体12に固定された支持プレート87に前端部が固定された複数の第2支持シャフト88の後端部を前記連結プレート86に固定するとともに、該第2支持シャフト88の中央部を歯車ボックス42の前壁に形成された弧状溝89に貫通させている。このように第2傘歯車57を第1傘歯車56より後方に設置した場合には、該第2傘歯車57をフレーム本体12(前フレーム31)に第1支持シャフト85、連結プレート86、支持プレート87、第2支持シャフト88を介して固定支持させるようにすれば、歯車ボックス42(車体44)が傾動したとき、第1傘歯車56が非回転の第2傘歯車57に噛み合いながらその周囲を転動するため、ステアリング軸53は車体44の傾動に連動して前述と同様に回転する。そして、この実施形態においては、増速手段(遊星歯車機構64)が不要となるので、構造簡単で安価とすることができる。また、中央リンク23に前端部が連結されている伝達シャフト22は、その後端部を歯車ボックス42の前壁に固定することで、ステアリング軸53の回転を操舵手段32に伝達するようにしている。

0029

図6は、この発明の実施形態3を示す図である。この実施形態においては、増速手段として遊星歯車機構64の代わりに平歯車の歯車列を用いている。即ち、歯車ボックス42の直前のフレーム本体12に固定された第1支持プレート91に、歯車ボックス42の前壁に固定され回転軸Zに沿って前方に延びる円筒体93を回転可能に支持させるとともに、該円筒体93の前端部に第1歯車94を固定している。95は前記第1支持プレート91より前方のフレーム本体12に固定された第2支持プレートであり、この第2支持プレート95の上端部には後方に向かって前記回転軸Zと平行に延びる支持シャフト96が取付けられている。97は前記支持シャフト96に回転可能に支持された歯車体であり、この歯車体97は、前記第1歯車94より小径で該第1歯車94に噛み合う第2歯車98と、該第2歯車98より前方に設けられた第3歯車99とを有する。

0030

そして、前記伝達シャフト22は円筒体93および第2支持プレート95に回転可能に支持され、また、該伝達シャフト22には前記第3歯車99より小径で該第3歯車99に噛み合う第4歯車 100が固定されている。この結果、歯車ボックス42(車体44)が回転軸Zを中心として回転(傾動)したとき、該回転は第1、第2歯車94、98間および第3、第4歯車99、 100間において2段で増速された後、伝達シャフト22を通じて第2傘歯車57に伝達され、第2傘歯車57を歯車ボックス42より高速で該歯車ボックス42と同一方向に回転させる。これにより、ステアリング軸53が所定方向に回転し、車体44の傾動とステアリング軸53の回転とが連動する。このように遊星歯車機構64の代わりに平歯車の歯車列を用いるようにすれば、製作費を安価とすることができる。なお、この発明においては、増速手段として遊星歯車機構64の代わりに、偏心揺動型歯車機構を用いるようにしてもよい。

0031

図7は、この発明の実施形態4を示す図である。この実施形態においては、歯車ボックス42の前壁に、前方に向かって突出する円筒状の円筒部103を一体形成するとともに、該円筒部 103の外周に円板状の円板部 104を一体形成し、さらに、この円板部 104の外周を歯車ケース17に摺接させることで、遊星歯車機構64の内歯車58、太陽歯車59、遊星歯車60をこれら円板部 104および歯車ケース17により密閉するようにしている。これにより、遊星歯車機構64に塵埃が侵入する事態が抑制され、三輪車両11を長期間円滑に運転することができる。そして、この実施形態では、キャリア軸61の後端部は前記円板部 104に固定されている。

0032

なお、前述の実施形態においては、三輪車両11にエンジン等のパワーユニットを設置して自動三輪車としたが、この発明においては、前記パワーユニットの代わりにペダルを設置し、このペダルの回転をチェーンを介して後輪38に伝達するようにした三輪自転車としてもよい。

0033

この発明は、一対の前輪と1個の後輪とを有し車体が傾動可能である三輪車両の産業分野に適用できる。

0034

11…三輪車両15…前輪
31…前フレーム32…操舵手段
38…後輪44…車体
49…ハンドル53…ステアリング軸
56…第1傘歯車57…第2傘歯車
58…内歯車59…太陽歯車
60…遊星歯車64…増速手段
76…付勢手段 S…地面
Z…回転軸

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