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技術 エキシマランプ光源装置

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 原田知典岡本昌士小田孝治平岡尊宏
出願日 2015年1月6日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-000649
公開日 2016年7月11日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-126934
状態 特許登録済
技術分野 放電ランプ高周波または変換器直流点灯回路 各種放電ランプと付属装置
主要キーワード 無頓着 網状パターン 部分巻線 低静電容量 交流電流源 中点タップ 浮遊静電容量 高電圧交流
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図面 (8)

課題

放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを安定に点灯することを、低コストで実現する。

解決手段

エキシマランプYと、トランスTfの2次側巻線Lsに交流高電圧を発生させ、エキシマランプの電極に、高電圧を印加するためのインバータ具備するエキシマランプ光源装置であって、エキシマランプは、易放電領域Yxが放電空間Ygの一部に存在するように構成されており、インバータのトランス周辺に設けた1次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち1次側共振周波数frpと、2次側巻線に接続されたエキシマランプと2次側巻線とから構成される2次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち2次側共振周波数frsとの間に、frp/frs≦1.3、なる関係が成立し、かつ、トランスの1次2次結合係数kについて、k≦0.85、なる関係が成立するように構成する。

概要

背景

エキシマランプ光源装置に関しては、例えば、本発明の出願人による特許第3355976号や特許第3353684号、特許第3296284号公報などに記載されているように、エキシマランプを強力に駆動して、高効率のUV発光を得るための技術開発が行われて来たが、その動機は、主として工場事務所などで使用できる業務用の装置での応用を念頭に置いていた。
一方、これらとは対照的に、例えば家庭用のUV殺菌などに用いるUV光源においては、比較的小規模光源装置であって、高効率を求めないUV発光を、可及的低コストで実現することが要求される場合があり、このような用途に対しては、先に挙げた文献に記載のような技術は、必ずしも最適とは言えなかったため、代わりに、例えば低圧水銀ランプが用いられることが多かった。
しかし、有害な水銀を含む光源を、食品飲料水を扱う殺菌装置に内蔵することに対し、世の中の批判が高まっており、そのような有害物質を含まないエキシマランプを、好適な条件で利用できる技術の確立が求められている。

本発明のエキシマランプ光源装置の一部を簡略化して示す模式図である図1の(a)および(b)は、エキシマランプ(Y)の構成を簡略化して示したもので、放電用ガス充填された放電空間(Yg)が、石英ガラス等を用いて構成されたバルブ(Yt)の中に封じられている様子を表している。
前記放電空間(Yg)に高電圧印加して、放電を誘起せしめるための両極電極(Ye1,Ye2)のうち、少なくともその片方と前記放電空間(Yg)との間に誘電体(Yb)が介在する。
本図では、前記電極(Ye1,Ye2)は、両極とも前記バルブ(Yt)の外部に設けた外部電極とした場合を描いてあるが、何れか一方を前記バルブ(Yt)の内部に設け、前記放電空間(Yg)と接するように構成することも可能であり、ただし、そのようにすると、前記電極(Ye1,Ye2)に印加する必要電圧を低く抑えることができる利点がある反面、エキシマ発光均一性が劣り易い弱点がある。
なお、前記電極(Ye1,Ye2)には、電極リード(Te1,Te2)を介して、インバータ実装された高電圧交流発生用のトランスからの交流高電圧が印加される。

放電用ガスとしては、キセノンクリプトンなどの希ガスフッ素塩素などのハロゲン等、もしくはそれらの混合物が、発生させたい光の波長に応じて選択して用いられる。
放電によって発生した光を直接利用する場合だけでなく、例えば前記バルブ(Yt)の内面に、蛍光体などの被膜を設け、発生したUV光波長変換して、長い波長のUV光や可視光として外部に取出し、利用する場合もある。

前記バルブ(Yt)としては、石英ガラスなどを用いることが多いが、例えばフッ素など、反応性が高い放電用ガスを用いる場合には、サファイアなどの耐腐食性の材料を使用する場合もある。
さらに、例えばキセノンエキシマなどの真空紫外域の光を取出す場合は、その波長に透過率を有する合成石英を用いたり、蛍光体でUVから可視光に変換した光を取出し、元のUV光自体は放射したくない場合は、ホウ珪酸ガラスを用いるなど、発生する光の波長に着目して、好適な材料が選ばれる。
また、本図のように、前記バルブ(Yt)が前記誘電体(Yb)を兼ねる場合が多いが、そうでないような構成、例えば、前記バルブ(Yt)の内面に前記電極(Ye1,Ye2)を設け、これら電極の片方もしくは両方と放電用ガスとの間に誘電体被膜を設けるようにすることもできる。

なお、前記電極(Ye1,Ye2)は、金属板金属蒸着膜金属ペースト固化体などを、前記バルブ(Yt)に被着もしくは形成せしめて構成することができるが、電極を通して光を取り出したい場合は、透明導電膜金網網状パターン印刷した金属ペーストの固化体などによって構成してもよい。

ただし、本図の(a)に記載の前記エキシマランプ(Y)には、前記放電空間(Yg)に接する前記誘電体(Yb)の面の少なくとも一部に易放電物質層(Yo)を設けてあり、その結果、前記放電空間(Yg)のなかに放電が生じ易い易放電領域(Yx)が形成された構造を有している。
ここで易放電物質(または易電子放出物質)としては、特開平09−180685号や特開平11−354079号公報に記載のように、前記バルブを構成する誘電体(Yb)の仕事関数より小さい仕事関数を有する物質、例えば酸化マグネシウム(MgO)や酸化ランタン(La2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ホウ化ランタン(LaB6)よりなる群から選ばれた金属化合物などが利用可能で、特に放電開始時に前記エキシマランプ(Y)に印加する電圧を下げることができる。

一方、本図の(b)に記載の前記エキシマランプ(Y)には、全体的な放電ギャップ長(Z)よりも短い放電ギャップ長(Zs)を有する誘電体部分(Ybs)が設けられることにより、放電が生じ易い易放電領域(Yx)が形成された構造を有している。
放電が生じ易くなる理由は、電界の大きさは電位差を距離で除した値に比例するため、放電ギャップ長の短い箇所では、印加された高電圧に起因して前記放電空間(Yg)に誘起される電界が他の箇所よりも強くなる、すなわち電界歪みが生ずるからである。
このような電界歪みを形成するために、他にも、例えば特許第2771428号公報に記載のように、前記放電空間(Yg)に誘電体の滴を融着させたり、あるいは前記誘電体(Yb)の一部に前記放電空間(Yg)に向かって凸の突起を設けるなどの方法や、特許第3149780号公報に記載のように、金属やカーボン酸化錫酸化インジウム等の導電性物質を前記放電空間(Yg)内に設けるなどの方法を採ることができる。

前記した、比較的小規模な光源装置であって、高効率を求めないUV発光を、可及的低コストで実現することが要求されるエキシマランプ光源装置の用途に対し、好適なインバータとして、例えば特開平05−074587号公報に記載のような、コレクタ共振回路と呼ばれる(ロイヤー回路と呼ばれる場合もある)プッシュプル回路方式のインバータが知られている。
この回路は、トランスの1次側巻線並列共振コンデンサを接続した上で、前記1次側巻線に設けた中点タップからDC電源を供給した状態で、トランジスタスイッチを用いて前記1次側巻線の両端から交互に、DC電源のグランド電流を流し出すように動作することにより、前記トランスの2次側巻線に発生する、前記トランスの巻き数比に応じた高電圧を発生させ、それをエキシマランプに印加して点灯させるものであり、部品点数が少なく構造が簡単であるという特徴を有している。

いま述べたコレクタ共振回路を基本として、特開平10−223385号公報には、奇数倍の高調波重畳された波形を形成することにより、ピーク電圧が高い周期電圧ランプに供給することができ、エキシマランプの始動性が改善された点灯装置を実現する技術が記載されている。
しかし、前記したように、この種の方式の回路が技術的に古いため、近年においては、基本的性能の向上や改善を目指した工夫は、あまり行われて来なかった。
特に、前記した放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプの場合、ランプ点灯のための印加電圧を低く抑えられる特徴があり、この特徴を活かせば、製品品質・安全性の確保のために、前記した高電圧交流発生用のトランスおよびその周辺回路に必要な絶縁耐力を低く抑えることが可能になり、エキシマランプ光源装置の低コスト化に貢献するはずであるが、その実現に向けた努力は払われて来なかった。

すなわち、これまで、前記した放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを用いたエキシマランプ光源装置において、比較的小規模な光源装置であって、高効率を求めないUV発光を、可及的低コストで実現することに好適な技術が存在しなかった。

概要

放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを安定に点灯することを、低コストで実現する。エキシマランプYと、トランスTfの2次側巻線Lsに交流の高電圧を発生させ、エキシマランプの電極に、高電圧を印加するためのインバータを具備するエキシマランプ光源装置であって、エキシマランプは、易放電領域Yxが放電空間Ygの一部に存在するように構成されており、インバータのトランス周辺に設けた1次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち1次側共振周波数frpと、2次側巻線に接続されたエキシマランプと2次側巻線とから構成される2次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち2次側共振周波数frsとの間に、frp/frs≦1.3、なる関係が成立し、かつ、トランスの1次2次結合係数kについて、k≦0.85、なる関係が成立するように構成する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを安定に点灯することを、低コストで実現したエキシマランプ光源装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エキシマ分子を生成する放電用ガス充填された放電空間(Yg)と、前記放電用ガスに放電を誘起せしめるための一対の電極(Ye1,Ye2)を有し、前記電極(Ye1,Ye2)のうちの少なくとも一方と前記放電空間(Yg)との間に誘電体(Yb)が介在するように構成され、前記放電空間(Yg)において紫外線を発生するエキシマランプ(Y)と、トランス(Tf)と、該トランス(Tf)の1次側巻線(Lp)を駆動するための、少なくとも1個のスイッチ素子(Qu,Qv)を有し、前記トランス(Tf)の2次側巻線(Ls)に交流高電圧を発生して、該2次側巻線(Ls)に接続された前記エキシマランプ(Y)の前記電極(Ye1,Ye2)に、高電圧を印加するためのインバータ(Ui)と、を具備するエキシマランプ光源装置であって、前記エキシマランプ(Y)は、放電が生じ易い易放電領域(Yx)が、前記放電空間(Yg)の一部に存在するように構成されており、前記インバータ(Ui)は、前記1次側巻線(Lp)に接続されて、該1次側巻線(Lp)を含んで1次側共振回路を構成する共振コンデンサ(Crp)をさらに有しており、前記1次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち1次側共振周波数 frp と、前記2次側巻線(Ls)に接続された前記エキシマランプ(Y)と前記2次側巻線(Ls)とから構成される2次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち2次側共振周波数 frs との間に、 frp / frs ≦ 1.3なる関係が成立し、かつ前記トランス(Tf)の1次2次結合係数k について、 k ≦ 0.85なる関係が成立することを特徴とするエキシマランプ光源装置。

請求項2

前記1次側巻線(Lp)の巻線両端のノード(Nu,Nv)と前記共振コンデンサ(Crp)の両端とを接続するとともに、前記1次側巻線(Lp)には中点タップ(Nm)を設けて該中点タップ(Nm)にDC電源(Mh)の一端を接続し、前記巻線両端のノード(Nu,Nv)それぞれには前記スイッチ素子(Qu,Qv)の一端を接続し、前記スイッチ素子(Qu,Qv)それぞれの他端を前記DC電源(Mh)の他端に接続したコレクタ共振回路によって前記インバータ(Ui)を構成したことを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ光源装置。

請求項3

共振コンデンサ(Crp)の両端と1次側巻線(Lp)の両端とを接続した並列共振回路に対し、前記スイッチ素子(Qv)を直列接続した、共振回路スイッチ直列部の両端にDC電源(Mh)の両端を接続した一石並列共振回路によって前記インバータ(Ui)を構成したことを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ光源装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば、UVオゾン洗浄、UV表面改質UV硬化、UV殺菌、UV治療などの分野において利用可能なUV(紫外域の)光を発生して、もしくは発生したUV光を他の波長に変換して、それを照射する装置を構成する際に好適な光源であるエキシマランプと、それを点灯するインバータからなるエキシマランプ光源装置に関する。

背景技術

0002

エキシマランプ光源装置に関しては、例えば、本発明の出願人による特許第3355976号や特許第3353684号、特許第3296284号公報などに記載されているように、エキシマランプを強力に駆動して、高効率のUV発光を得るための技術開発が行われて来たが、その動機は、主として工場事務所などで使用できる業務用の装置での応用を念頭に置いていた。
一方、これらとは対照的に、例えば家庭用のUV殺菌などに用いるUV光源においては、比較的小規模光源装置であって、高効率を求めないUV発光を、可及的低コストで実現することが要求される場合があり、このような用途に対しては、先に挙げた文献に記載のような技術は、必ずしも最適とは言えなかったため、代わりに、例えば低圧水銀ランプが用いられることが多かった。
しかし、有害な水銀を含む光源を、食品飲料水を扱う殺菌装置に内蔵することに対し、世の中の批判が高まっており、そのような有害物質を含まないエキシマランプを、好適な条件で利用できる技術の確立が求められている。

0003

本発明のエキシマランプ光源装置の一部を簡略化して示す模式図である図1の(a)および(b)は、エキシマランプ(Y)の構成を簡略化して示したもので、放電用ガス充填された放電空間(Yg)が、石英ガラス等を用いて構成されたバルブ(Yt)の中に封じられている様子を表している。
前記放電空間(Yg)に高電圧印加して、放電を誘起せしめるための両極電極(Ye1,Ye2)のうち、少なくともその片方と前記放電空間(Yg)との間に誘電体(Yb)が介在する。
本図では、前記電極(Ye1,Ye2)は、両極とも前記バルブ(Yt)の外部に設けた外部電極とした場合を描いてあるが、何れか一方を前記バルブ(Yt)の内部に設け、前記放電空間(Yg)と接するように構成することも可能であり、ただし、そのようにすると、前記電極(Ye1,Ye2)に印加する必要電圧を低く抑えることができる利点がある反面、エキシマ発光均一性が劣り易い弱点がある。
なお、前記電極(Ye1,Ye2)には、電極リード(Te1,Te2)を介して、インバータに実装された高電圧交流発生用のトランスからの交流高電圧が印加される。

0004

放電用ガスとしては、キセノンクリプトンなどの希ガスフッ素塩素などのハロゲン等、もしくはそれらの混合物が、発生させたい光の波長に応じて選択して用いられる。
放電によって発生した光を直接利用する場合だけでなく、例えば前記バルブ(Yt)の内面に、蛍光体などの被膜を設け、発生したUV光を波長変換して、長い波長のUV光や可視光として外部に取出し、利用する場合もある。

0005

前記バルブ(Yt)としては、石英ガラスなどを用いることが多いが、例えばフッ素など、反応性が高い放電用ガスを用いる場合には、サファイアなどの耐腐食性の材料を使用する場合もある。
さらに、例えばキセノンエキシマなどの真空紫外域の光を取出す場合は、その波長に透過率を有する合成石英を用いたり、蛍光体でUVから可視光に変換した光を取出し、元のUV光自体は放射したくない場合は、ホウ珪酸ガラスを用いるなど、発生する光の波長に着目して、好適な材料が選ばれる。
また、本図のように、前記バルブ(Yt)が前記誘電体(Yb)を兼ねる場合が多いが、そうでないような構成、例えば、前記バルブ(Yt)の内面に前記電極(Ye1,Ye2)を設け、これら電極の片方もしくは両方と放電用ガスとの間に誘電体被膜を設けるようにすることもできる。

0006

なお、前記電極(Ye1,Ye2)は、金属板金属蒸着膜金属ペースト固化体などを、前記バルブ(Yt)に被着もしくは形成せしめて構成することができるが、電極を通して光を取り出したい場合は、透明導電膜金網網状パターン印刷した金属ペーストの固化体などによって構成してもよい。

0007

ただし、本図の(a)に記載の前記エキシマランプ(Y)には、前記放電空間(Yg)に接する前記誘電体(Yb)の面の少なくとも一部に易放電物質層(Yo)を設けてあり、その結果、前記放電空間(Yg)のなかに放電が生じ易い易放電領域(Yx)が形成された構造を有している。
ここで易放電物質(または易電子放出物質)としては、特開平09−180685号や特開平11−354079号公報に記載のように、前記バルブを構成する誘電体(Yb)の仕事関数より小さい仕事関数を有する物質、例えば酸化マグネシウム(MgO)や酸化ランタン(La2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ホウ化ランタン(LaB6)よりなる群から選ばれた金属化合物などが利用可能で、特に放電開始時に前記エキシマランプ(Y)に印加する電圧を下げることができる。

0008

一方、本図の(b)に記載の前記エキシマランプ(Y)には、全体的な放電ギャップ長(Z)よりも短い放電ギャップ長(Zs)を有する誘電体部分(Ybs)が設けられることにより、放電が生じ易い易放電領域(Yx)が形成された構造を有している。
放電が生じ易くなる理由は、電界の大きさは電位差を距離で除した値に比例するため、放電ギャップ長の短い箇所では、印加された高電圧に起因して前記放電空間(Yg)に誘起される電界が他の箇所よりも強くなる、すなわち電界歪みが生ずるからである。
このような電界歪みを形成するために、他にも、例えば特許第2771428号公報に記載のように、前記放電空間(Yg)に誘電体の滴を融着させたり、あるいは前記誘電体(Yb)の一部に前記放電空間(Yg)に向かって凸の突起を設けるなどの方法や、特許第3149780号公報に記載のように、金属やカーボン酸化錫酸化インジウム等の導電性物質を前記放電空間(Yg)内に設けるなどの方法を採ることができる。

0009

前記した、比較的小規模な光源装置であって、高効率を求めないUV発光を、可及的低コストで実現することが要求されるエキシマランプ光源装置の用途に対し、好適なインバータとして、例えば特開平05−074587号公報に記載のような、コレクタ共振回路と呼ばれる(ロイヤー回路と呼ばれる場合もある)プッシュプル回路方式のインバータが知られている。
この回路は、トランスの1次側巻線並列共振コンデンサを接続した上で、前記1次側巻線に設けた中点タップからDC電源を供給した状態で、トランジスタスイッチを用いて前記1次側巻線の両端から交互に、DC電源のグランド電流を流し出すように動作することにより、前記トランスの2次側巻線に発生する、前記トランスの巻き数比に応じた高電圧を発生させ、それをエキシマランプに印加して点灯させるものであり、部品点数が少なく構造が簡単であるという特徴を有している。

0010

いま述べたコレクタ共振回路を基本として、特開平10−223385号公報には、奇数倍の高調波重畳された波形を形成することにより、ピーク電圧が高い周期電圧ランプに供給することができ、エキシマランプの始動性が改善された点灯装置を実現する技術が記載されている。
しかし、前記したように、この種の方式の回路が技術的に古いため、近年においては、基本的性能の向上や改善を目指した工夫は、あまり行われて来なかった。
特に、前記した放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプの場合、ランプ点灯のための印加電圧を低く抑えられる特徴があり、この特徴を活かせば、製品品質・安全性の確保のために、前記した高電圧交流発生用のトランスおよびその周辺回路に必要な絶縁耐力を低く抑えることが可能になり、エキシマランプ光源装置の低コスト化に貢献するはずであるが、その実現に向けた努力は払われて来なかった。

0011

すなわち、これまで、前記した放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを用いたエキシマランプ光源装置において、比較的小規模な光源装置であって、高効率を求めないUV発光を、可及的低コストで実現することに好適な技術が存在しなかった。

先行技術

0012

特許3355976号公報
特許3353684号公報
特許3296284号公報
特開平09−180685号公報
特開平11−354079号公報
特許2771428号公報
特許3149780号公報
特開平05−074587号公報
特開平10−223385号公報

発明が解決しようとする課題

0013

本発明が解決しようとする課題は、放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを安定に点灯することを、低コストで実現したエキシマランプ光源装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明における第1の発明のエキシマランプ光源装置は、エキシマ分子を生成する放電用ガスが充填された放電空間(Yg)と、前記放電用ガスに放電を誘起せしめるための一対の電極(Ye1,Ye2)を有し、前記電極(Ye1,Ye2)のうちの少なくとも一方と前記放電空間(Yg)との間に誘電体(Yb)が介在するように構成され、前記放電空間(Yg)において紫外線を発生するエキシマランプ(Y)と、
トランス(Tf)と、該トランス(Tf)の1次側巻線(Lp)を駆動するための、少なくとも1個のスイッチ素子(Qu,Qv)を有し、前記トランス(Tf)の2次側巻線(Ls)に交流の高電圧を発生して、該2次側巻線(Ls)に接続された前記エキシマランプ(Y)の前記電極(Ye1,Ye2)に、高電圧を印加するためのインバータ(Ui)と、
具備するエキシマランプ光源装置であって、
前記エキシマランプ(Y)は、放電が生じ易い易放電領域(Yx)が、前記放電空間(Yg)の一部に存在するように構成されており、
前記インバータ(Ui)は、前記1次側巻線(Lp)に接続されて、該1次側巻線(Lp)を含んで1次側共振回路を構成する共振コンデンサ(Crp)をさらに有しており、
前記1次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち1次側共振周波数 frp と、
前記2次側巻線(Ls)に接続された前記エキシマランプ(Y)と前記2次側巻線(Ls)とから構成される2次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち2次側共振周波数 frs との間に、
frp / frs ≦ 1.3
なる関係が成立し、かつ
前記トランス(Tf)の1次2次結合係数k について、
k ≦ 0.85
なる関係が成立することを特徴とするものである。

0015

本発明における第2の発明のエキシマランプ光源装置は、前記1次側巻線(Lp)の巻線両端のノード(Nu,Nv)と前記共振コンデンサ(Crp)の両端とを接続するとともに、前記1次側巻線(Lp)には中点タップ(Nm)を設けて該中点タップ(Nm)にDC電源(Mh)の一端を接続し、前記巻線両端のノード(Nu,Nv)それぞれには前記スイッチ素子(Qu,Qv)の一端を接続し、前記スイッチ素子(Qu,Qv)それぞれの他端を前記DC電源(Mh)の他端に接続したコレクタ共振回路によって前記インバータ(Ui)を構成したことを特徴とするものである。

0016

本発明における第3の発明のエキシマランプ光源装置は、共振コンデンサ(Crp)の両端と1次側巻線(Lp)の両端とを接続した並列共振回路に対し、前記スイッチ素子(Qv)を直列接続した、共振回路スイッチ直列部の両端にDC電源(Mh)の両端を接続した一石並列共振回路によって前記インバータ(Ui)を構成したことを特徴とするものである。

発明の効果

0017

放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを安定に点灯することを、低コストで実現したエキシマランプ光源装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明のエキシマランプ光源装置の一部を簡略化して示す概念図を表す。
本発明のエキシマランプ光源装置を簡略化して示す模式図を表す。
本発明のエキシマランプ光源装置を簡略化して示す模式図を表す。
本発明のエキシマランプ光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図を表す。
本発明のエキシマランプ光源装置の技術に関連する概念の概略図を表す。
本発明のエキシマランプ光源装置に関連する技術を簡略化して示す模式図を表す。
本発明のエキシマランプ光源装置に関連する技術を簡略化して示す模式図を表す。

実施例

0019

先ず、本発明のエキシマランプ光源装置を簡略化して示す模式図である図2を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。
インバータ(Ui)のトランス(Tf)は、1次側巻線(Lp)と2次側巻線(Ls)とを有しており、前記1次側巻線(Lp)の巻線両端のノード(Nu,Nv)には共振コンデンサ(Crp)の両端を接続して1次側共振回路を構成している。
ここで、前記1次側巻線(Lp)には中点タップ(Nm)を設けてあり、これにDC電源(Mh)のプラス端子からの出力を供給する。
ただし、前記したDC電源(Mh)のプラス端子からの出力には、前記インバータ(Ui)における電源電圧を安定化させるための平滑コンデンサ(Ch)と、前記1次側巻線(Lp)への供給電流を安定化させるためのチョークコイル(Lh)を挿入してある。

0020

前記1次側巻線(Lp)の前記巻線両端のノード(Nu,Nv)それぞれには、バイポーラトランジスタ(あるいはFETなど)を用いたスイッチ素子(Qu,Qv)のコレクタを接続し、前記スイッチ素子(Qu,Qv)それぞれのエミッタを前記DC電源(Mh)のグランド端子に接続するとともに、前記スイッチ素子(Qu,Qv)それぞれのベースには、ベース抵抗(Ru,Rv)を介して前記したDC電源(Mh)のプラス端子からの電流供給経路を形成しておき、前記トランス(Tf)に設けた帰還巻線(Lxy)の巻線両端のノード(Nx,Ny)を前記スイッチ素子(Qu,Qv)それぞれのベースに接続してある。
このように回路を構成したことにより前記スイッチ素子(Qu,Qv)がオン状態オフ状態とを交互に相補的に繰り返して、前記1次側巻線(Lp)に流れる電流を交互に反転させる自励発振の動作を行うため、前記トランス(Tf)の前記2次側巻線(Ls)には、前記1次側巻線(Lp)の巻数に対する前記2次側巻線(Ls)の巻数の比、すなわち巻数比に基づく、昇圧された交流の高電圧が発生し、前記2次側巻線(Ls)の巻線両端のノード(Na,Nb)に接続されたエキシマランプ(Y)を点灯することができる。

0021

図2に関していま述べた前記インバータ(Ui)の回路は、コレクタ共振回路と呼ばれており、そのトポロジーについては公知であるが、前記した、印加された高電圧に起因して前記放電空間(Yg)に誘起される電界が他の箇所よりも強くなる構造を設ける、あるいは前記放電空間(Yg)に接する前記誘電体(Yb)の面の少なくとも一部に易放電物質層(Yo)を設ける、などの方法によって作り込んだ易放電領域(Yx)を有する前記エキシマランプ(Y)を、その放電が生じ易い特徴を活かして、従来よりも低い印加電圧で点灯できるよう前記インバータ(Ui)を設計しようとすると困難を伴うことが判明した。

0022

その理由を述べると、前記電極(Ye1,Ye2)のうちの少なくとも一方と前記放電空間(Yg)との間に誘電体(Yb)が介在するエキシマランプの場合、大雑把に言うと、印加電圧波形の1周期における正側と負側のピーク電位の差のみによって(1周期の時間長さとは無関係に)、ランプに投入される1周期あたりのエネルギーが決まり、そのエネルギーを1秒間に投入する回数、すなわち周波数をそれに乗ずることによってランプへの投入電力が決まるという顕著な特徴を有している。
そのため、ランプに投入される電力として規定の値を達成するためには、印加電圧を下げれば、それに応じてインバータの極性反転の周波数を高くしなければならないが、図2に記載した構成のインバータの場合、極性反転の周波数を高くすると発振が不安定になり易い問題があるからである。
ここで言う発振の不安定とは、発振周波数があるとき突然変わったり、あるいは元の周波数に突然戻ったり、場合によっては発振周波数の突然の変化と戻りを繰り返したりする現象で、その出現条件出現予測可否は不明である。

0023

この問題を解決するため、実験的検討を繰り返した結果、発明者らは、
前記1次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち1次側共振周波数 frp と、
前記2次側巻線(Ls)に接続された前記エキシマランプ(Y)と前記2次側巻線(Ls)とから構成される2次側共振回路における自由振動に基づく共振周波数、すなわち2次側共振周波数 frs との間に、
frp / frs ≦ 1.3
なる関係が成立し、かつ
前記トランス(Tf)の1次2次結合係数k について、
k ≦ 0.85
なる関係が成立するようにエキシマランプ光源装置を構成すればよいことを見出した。
ただし、これらの値の評価に際し、図2に記載のもののように、前記トランス(Tf)の巻線に前記中点タップ(Nm)がある場合は、該中点タップ(Nm)を無視して、該中点タップ(Nm)の図における上側と下側に描かれた2個の部分巻線を、合せて1個の巻線として扱う。

0024

すなわち、前記した放電が生じ易い易放電領域が形成されたエキシマランプを、その放電が生じ易い特徴を活かして、従来よりも低い印加電圧で点灯できるインバータであって、前記1次側巻線(Lp)に接続されて、該1次側巻線(Lp)を含んで1次側共振回路を構成する共振コンデンサ(Crp)を有しているインバータ(Ui)を実現したい場合は、1次側共振周波数frp と2次側共振周波数 frs との間の前記した関係と、1次2次結合係数k についての前記した関係とを成立させるように設計すればよいとの結論を得た。

0025

このような結論を得る理由について、発明者らの考察を以下において説明する。
前記したようにランプに投入される電力として規定の値を達成するためには、印加電圧を下げれば、それに応じてインバータの極性反転の周波数を高くしなければならないが、そのためには、1次側共振回路の共振周波数を高くしなければならず、そして、そのためには、前記1次側巻線(Lp)を含んで1次側共振回路を構成する前記共振コンデンサ(Crp)の静電容量、すなわち1次側静電容 Cp を小さくしなければならない。
ところが1次側静電容 Cp を小さくすると、1次側共振回路としては弱くなるため、相互インダクタンスによって結合されている2次側共振回路の影響を受け易くなる。

0026

同じ放電ランプであっても、例えば冷陰極放電ランプのような、両電極が放電用ガスに接しているランプの場合は、印加電圧の極性が反転して、電流がになる瞬間が存在しても、放電空間にはプラズマが残っており、逆方向の放電が直ちに開始するため、実質的に放電電流は連続であり、放電ランプ自体は、電気回路においては単なる低抵抗抵抗器と見なすことができる。
そのため、冷陰極放電ランプを図2と類似のコレクタ共振回路によってインバータを構成しても、上で述べたような困難は生じない。

0027

しかし、これとは異なり、前記電極(Ye1,Ye2)のうちの少なくとも一方と前記放電空間(Yg)との間に誘電体(Yb)が介在するエキシマランプの場合は、ランプへの印加電圧の正・零・負の別とは関係なく、印加電圧の変化が正または負のピークを迎えると放電が停止し、その時点では、前記放電空間(Yg)に接する前記誘電体(Yb)の表面に付着した放電電荷による電界が、前記電極(Ye1,Ye2)に印加された電圧による電界を相殺しているため、仮に放電空間にはプラズマが残っていたとしても、次に印加電圧の極性が反転し、誘電体表面電荷による電界と印加電圧による電界とを合わせた電界が、逆向きの放電開始に足る強さになるまでの期間は、確実に放電停止状態が継続する。
放電状態の放電空間は低抵抗の抵抗器と同等であるが、放電停止状態の放電空間はコンデンサと同等であるため、電気回路素子としては、放電状態のエキシマランプは誘電体コンデンサと放電空間抵抗器の直列接続と等価、放電停止状態のエキシマランプは誘電体コンデンサと放電空間コンデンサの直列接続と等価であり、したがってエキシマランプは、印加交流の1周期の間に静電容量の高いコンデンサの状態と静電容量の低いコンデンサの状態との急激な遷移を繰り返す、非線形の特殊な電気回路素子であることが判る、

0028

このような急激な非線形動作が、前記トランス(Tf)の2次側に存在して、それによる擾乱が1次側に伝わっても、回路全体が安定な動作を継続するためには、1次側共振回路には相応の強さが必要であり、その強さを確保するために、1次側共振回路には2次側共振回路と比較した際の共振周波数の低さが必要になると考えられる。
何となれば、共振周波数が低いということは、静電容量またはインダクタンスが大きいことを意味し、これらが大きいほど、共振動作時に蓄積されているエネルギーが大きく、したがって2次側からの擾乱の影響を受け難いことを意味するからである。
ところが前記した、トランス(Tf)の2次側からの出力電圧低下の要請に従い、インバータの動作周波数高周波化、すなわち1次側共振周波数 frp の相応の高さを要請すると、それが1次側の前記共振コンデンサ(Crp)の静電容量を小さくすることを要請し、そのことが2次側からの擾乱の影響を受け易い、発振の安定性の低いインバータを生む原因となっていたと考えられる。

0029

この問題を回避するために、2次側共振周波数frs と比較した1次側共振周波数 frp の相応の低さを確保するだけでなく、前記トランス(Tf)の1次2次結合係数k の相応の小ささを確保する必要があった。
何となれば、1次2次結合係数 k が小さいということは、前記した2次側からの擾乱が1次側に伝わり難いことを意味し、さらに、1次2次結合係数 k を小さくしたことに伴って増大する漏洩インダクタンスの影響で、各部の電圧または電流波形正弦波状のものに制限され、急激な変化が抑制されて動作が安定化されることを意味するからである。

0030

因みに、同じくエキシマランプであっても、易放電領域が形成されていないものを点灯する、従来のエキシマランプ光源装置の場合は、同様に図2と類似のコレクタ共振回路によってインバータを構成しても、ランプ印加電圧を高くする必要があるために、もとより極性反転周波数を低くせざるを得ず、必然的に1次側静電容 Cp が大きくなり、よって、上で述べたような困難は生じない。

0031

以上、前記した結論を得た理由について説明したが、ここで補足しておく。
1次2次結合係数k について、上限値を前記した通り規定したが、余裕を見込んで、例えば、
k ≦ 0.82 〜 0.83
の程度とすることが望ましい。
また、1次2次結合係数 k についての前記した関係は、k の値は幾ら小さくても構わない、ということを意味する訳ではない。
1次2次結合係数 k が小さくなると、1次、2次それぞれでの共振作用は強くなるが、トランスとしての機能は弱くなるため、電気回路に関する常識として、1次2次結合係数 k の小ささには自ずと限度が存在し、例えば、
0.7 〜 0.73 ≦ k
の程度とすることが好適である。

0032

2次側共振周波数に対する1次側共振周波数の比の値 frp / frs についても同様に、上限値を前記した通り規定したが、余裕を見込んで、例えば、
frp / frs ≦ 1.2 〜 1.25
の程度とすることが望ましい。
また、2次側共振周波数に対する1次側共振周波数の比の値 frp / frs についての前記した関係は、frp / frs の値は幾ら小さくても構わない、ということを意味する訳ではない。
点灯したいエキシマランプの構造や投入したい電力と印加電圧を仕様として決めれば、1次2次結合係数k についての前記した関係を成立させる前記トランス(Tf)の構造は概ね決まってしまい、よって2次側共振周波数 frs の値も概ね決まってしまう。
一方、1次側共振周波数 frp については、前記共振コンデンサ(Crp)として大きな静電容量のものを実装すれば、幾らでも低くでき、よって frp / frs の値は幾らでも小さくできるが、実際にそのようなことをしてしまうと、本発明のそもそもの目的である、ランプ点灯のための印加電圧を低く抑えることが達成できなくなってしまう。
そのため、2次側共振周波数に対する1次側共振周波数の比の値 frp / frs の小ささには自ずと限度が存在し、例えば、
0.9 ≦ frp / frs
の程度とすることが好適である。

0033

ここで、1次2次結合係数k の測定、および1次側共振周波数frp と2次側共振周波数 frs の測定について説明する。
先ず、前記トランス(Tf)の1次2次結合係数 k については、一般的に知られているように、2次側を開放した状態で、測定した1次側インダクタンスを Lp 、2次側を短絡した状態で、測定した1次側インダクタンスを Lp' と書くと、平方根関数を Sqrt と表記するとき、1次2次結合係数 k は、以下の式(式1)
k = Sqrt( 1− Lp'/Lp )
で計算される。
あるいは、1次側を開放した状態で、測定した2次側インダクタンスを Ls 、1次側を短絡した状態で、測定した2次側インダクタンスを Ls' と書くと、以下の式(式2)
k = Sqrt( 1− Ls'/Ls )
で計算される。
なお、測定はLCメータを用いて行うことが好適である。

0034

これについて若干補足しておく。
電気回路の基礎理論においては、トランスの1次2次結合係数k の定義は、相互インダクタンスLm と、前記した1次側インダクタンスLp および2次側インダクタンス Ls とに基づく以下の式(式3)
k = Lm / Sqrt( Lp・Ls )
によって行われ、トランスの1次側および2次側の漏洩インダクタンス成分を、それぞれ1次側および2次側巻線に直列に挿入されたインダクタンスと見なす回路モデルを建てて計算することにより、前記した式1,式2を得ることができる。

0035

因みに、前記した式1,式2は、漏洩インダクタンス成分、すなわち結合しない成分が、結合する成分に比べて微小であるとの近似を行わない場合でも成立する関係式であり、よって1次2次結合係数k の値を求めることは、前記した式1,式2の何れを用いて行っても同じ値になるはずであるが、実際に測定・計算してみると、普通、多少の相違が現れる。
そのような場合は、前記した式1,式2の何れかにおいて前記した関係が成立していればよい。

0036

次に、共振周波数については、通常の回路においては、LC共振回路を構成するコイルのインダクタンスL とコンデンサの静電容量 C とを測定すれば、LC共振周波数fr は、以下の式(式4)
fr = 1/2π Sqrt( L・C )
によって計算できる。
ところが、図2のエキシマランプ光源装置の場合、このような単純な計算では、前記インバータ(Ui)の自励発振の動作周波数を予測することができなかった。
具体的には、前記トランス(Tf)を回路から取り外し、2次側を開放した状態で、前記巻線両端のノード(Nu,Nv)にLCメータを接続して1次側インダクタンス Lp を測定し、また前記共振コンデンサ(Crp)を回路から取り外し、1次側静電容 Cp としてこれをLCメータを用いて測定し、これらの値を前記した式4に適用して計算したが、前記インバータ(Ui)の自励発振の動作周波数(ランプで放電が発生しない低電圧での動作周波数、およびランプで放電が発生する高電圧での動作周波数の両方)と合わなかった。
その原因として、前記トランス(Tf)の1次側および、特に2次側に存在する巻線相互の、あるいは層間の寄生静電容量と、2次側の巻線両端のノード(Na,Nb)に接続された前記エキシマランプ(Y)の静電容量、さらに2次側巻線周辺に存在する浮遊静電容量が、共振周波数に影響を与えているものと考えた。

0037

そのため、本発明のエキシマランプ光源装置の技術に関連する概念の概略図である図5に基づく検討を行った。
本図の(a)に記載のように、1次側インダクタンスLp と2次側インダクタンス Ls とを有し、相互インダクタンスが Lm で、そのときの1次2次結合係数が k であるトランスに対し、1次側インダクタンスに並列に1次側静電容 Cp を、2次側インダクタンスに並列に2次側静電容量 Cs を接続した回路モデルを建て、これに対して1次側インダクタンスに並列に、交流電流源J を接続して励振する場合を考えると、共振周波数fr は、同図の(b)に記載の式を用いて計算できる。

0038

この式に適用する2次側静電容量 Cs の値を得るために、前記DC電源(Mh)を取り外し、前記エキシマランプ(Y)と前記トランス(Tf)とを、図2のエキシマランプ光源装置の回路基板に接続した状態を基本として、1次側の前記巻線両端のノード(Nu,Nv)と前記中点タップ(Nm)、および前記帰還巻線(Lxy)の前記巻線両端のノード(Nx,Ny)とに接続された回路パターンとの接続を断ち、また図のなかの箇所(X)において、ランプ以外の回路部との接続のある2次側の前記巻線のノード(Nb)に接続された回路パターンとの接続を断った上で、前記エキシマランプ(Y)の電極に接続されるノード(Nz1,Nz2)にLCメータを接続して静電容量を測定した。
図2のエキシマランプ光源装置の回路の場合、前記箇所(X)で接続を断ったパターンに繋がっている前記エキシマランプ(Y)の低電圧側電極は、パターン(Jg)によって回路のグランドに接続されているため、前記ノード(Nz1,Nz2)の静電容量を測定するということは、前記エキシマランプ(Y)自身の静電容量を含め、該エキシマランプ(Y)の高電圧側電極に結合している全ての静電容量 Cs' を測定したことになる。

0039

また1次側静電容 Cp の値として、前記共振コンデンサ(Crp)を回路から取り外し、LCメータによって静電容量を測定した。
1次側インダクタンスLp および2次側インダクタンス Ls 、1次2次結合係数k については、前記した式1または式2の計算のために取得した値を用いた。
そして、これらの値を前記した図5の(b)に記載の式に適用したが、やはり前記インバータ(Ui)の自励発振の動作周波数とは合わなかった。

0040

その真の原因は定かではないが、前記トランス(Tf)は、前記エキシマランプ(Y)の点灯のための高電圧を得るに足る大きな巻数比を有するため、前記した2次側巻線における巻線相互の寄生静電容量と、巻線各部分のインダクタンスとが、分布定数回路を構成しているため、これまで述べて来たような、集中定数回路的な考察では正確な議論ができないことによるものと考えている。
ここで補足すると、前記インバータ(Ui)の自励発振の動作周波数を計算で予測することは、本発明の課題ではないが、それについて敢えて記載したのは、いま対象としている回路の場合、何らかのインダクタンス値静電容量値の測定を行い、それらを用いた計算によって共振周波数を決定することは困難であることを示すためである。

0041

そのため、これまで述べたような、計算のためのモデル構築やインダクタンスや静電容量等の測定の困難性等々による問題を避けるため、共振周波数測定を行う1次側および2次側の共振回路部分それぞれに対して短期間にエネルギーを与えて励振し、その後に現れる自由振動(減衰振動)を観測して、その周波数を実測することにした。
この方法が妥当である理由は、ここでの目的が、前記した2次側共振周波数 frs と比較した1次側共振周波数 frp の相応の低さを確保することであり、そのために知る1次側共振周波数 frp と2次側共振周波数 frs の値としては、1次側単独および2次側単独に励振したときに、そこで実際に起きる振動を観測すれば十分であり、その際、トランスの内部で1次側と2次側との間に磁気的または電気的、集中定数的または分布定数的な結合が、どのように存在しているかについては無頓着で構わないからである。

0042

先ず、周波数測定のために使用する、専用の試験器の構成について、本発明のエキシマランプ光源装置に関連する技術を簡略化して示す模式図である図6を用いて説明する。
本図の試験器(Ut)の回路構成において、ノード(Ng)には後述する外部の試験用DC電源(Mt)のグランド端子を接続し、ノード(Nt)には、共振周波数を測定したい共振回路の一端を接続する。
パルス発生器(Fp)は、適当な時間幅を有する矩形波パルスの適当な頻度の繰り返しからなる励振信号(Sp)を発生させ、バッファ(Gs)およびゲートドライバ(Ds)を介して、FET等からなるスイッチ素子(Qs)を一瞬だけオン状態にすることを間欠的に繰り返す。
前記励振信号(Sp)は、インバータ(Gr)およびゲートドライバ(Dr)を介して、同じくFET等からなるスイッチ素子(Qr)を、前記スイッチ素子(Qs)とは相補的にオン状態にする。
なお、前記スイッチ素子(Qs)と前記スイッチ素子(Qr)とが同時にオン状態にならないよう、必要に応じてデッドタイムを設けるような工夫は行う。

0043

前記スイッチ素子(Qs)と前記スイッチ素子(Qr)とは直列接続され、それらの接続箇所と前記ノード(Nt)との間に、電流制限抵抗(Rc)と、1個以上のダイオードを直列接続した直列ダイオードアレイ(Da)とを直列接続する。
なお、前記直列ダイオードアレイ(Da)は、順バイアス時は電流を流し、逆バイアス時低静電容量かつ電流を流さない状態になるようにするために設けてあり、その直列個数は、実現したい逆バイアス時の静電容量の小ささによって決める。
前記スイッチ素子(Qr)に接続したDC電源(Mr)の電圧を前記ノード(Nt)の電圧より高くしておけば、前記スイッチ素子(Qs)がオフ状態の期間は、前記直列ダイオードアレイ(Da)が逆バイアスされて低静電容量化され、前記ノード(Nt)は、実質的にフローティング状態となり、一方前記スイッチ素子(Qs)がオン状態の期間は、前記ノード(Nt)から前記ノード(Ng)に電流が流される状態となる。

0044

次に、前記試験器(Ut)を使用した共振周波数の測定について、本発明のエキシマランプ光源装置に関連する技術を簡略化して示す模式図である図7を用いて説明する。
本図の(a)は、本発明のエキシマランプ光源装置の前記した2次側共振周波数 frs を測定する様子を描いたものである。
同図のインバータ(Ui)においては、前記DC電源(Mh)を取り外し、前記エキシマランプ(Y)と前記トランス(Tf)とを、図2のエキシマランプ光源装置の回路基板に接続した状態を基本として、1次側の前記巻線両端のノード(Nu,Nv)と前記中点タップ(Nm)、および前記帰還巻線(Lxy)の前記巻線両端のノード(Nx,Ny)とに接続された回路パターンとの接続を断った上で、ランプ以外の回路部との接続のある2次側の前記巻線のノード(Nb)に試験用DC電源(Mt)を接続し、該試験用DC電源(Mt)を接続しなかった方の2次側の巻線のノード(Na)に前記試験器(Ut)の前記ノード(Nt)を接続する。

0045

この状態において、前記試験器(Ut)の前記パルス発生器(Fp)を動作させると、前記スイッチ素子(Qs)がオン状態の期間に、前記2次側巻線(Ls)およびそれと結合のある全ての静電容量 Cse からなる共振回路にエネルギーが蓄積され、前記スイッチ素子(Qs)がオフ状態になると、このエネルギーが解放されて、この共振回路の共振周波数、すなわち前記した2次側共振周波数 frs で、前記ノード(Nt)の電位に自由振動が現れる。
したがって、オシロスコープを用いてこの振動を観測することにより、2次側共振周波数 frs を決定することができる。

0046

一方、本図の(b)は、本発明のエキシマランプ光源装置の前記した1次側共振周波数frp を測定する様子を描いたものである。
この場合は、共振にかかわる静電容量は、前記した2次側のような、ランプの静電容量や巻線相互の寄生静電容量、浮遊静電容量のような微小なものを総合したものでなく、回路素子としての前記共振コンデンサ(Crp)を陽に実装するものであり、この静電容量は、関連する寄生静電容量や浮遊静電容量等より十分に大きいため、前記トランス(Tf)と前記共振コンデンサ(Crp)とを前記インバータ(Ui)から取り出して、前記巻線両端のノード(Nu,Nv)と前記共振コンデンサ(Crp)とを接続し、前記巻線両端のノード(Nu,Nv)に前記試験用DC電源(Mt)と前記試験器(Ut)を接続して、先に2次側についての測定に関して説明したものと同様に、前記ノード(Nt)の電位の自由振動を観測し、1次側共振周波数 frp を決定すればよい。

0047

ここで補足しておくと、先にランプ以外の回路部との接続のある2次側の前記巻線のノード(Nb)に試験用DC電源(Mt)を接続するとした理由は、例えば前記巻線のノード(Nb)が、同図に記載のようにパターン(Jg)によって回路のグランドに接続されていた場合に、逆にこの巻線のノード(Nb)を前記試験器(Ut)の前記ノード(Nt)に接続したならば、回路全体の電位を振動させることになり、測定手法として不適当だからである。
したがって、前記した巻線両端のノード(Na,Nb)のうち、ランプ以外の回路部との接続のある2次側のものが存在しない場合は、何れを前記巻線のノード(Nb)に接続してもよい。

0048

さらに、前記試験器(Ut)の前記直列ダイオードアレイ(Da)の直列数、および逆バイアス用の前記スイッチ素子(Qr)などについて補足しておく。
前記した前記2次側巻線(Ls)と結合のある全ての静電容量 Cse の大きさは、ランプも含め、例えば数ピコ〜数十ピコファラッドで、非常に小さい場合が多い。
したがって、前記スイッチ素子(Qr)を設けない簡単な構成において、もし前記直列ダイオードアレイ(Da)を挿入しなかったならば、前記スイッチ素子(Qs)のオフ状態の静電容量、例えば百ピコファラッド程度が前記ノード(Nt)に接続された状態での自由振動を観測することになり、共振周波数の測定に対する大きな誤差要因を持ち込むことになる。

0049

この誤差要因を排除するために前記直列ダイオードアレイ(Da)を挿入するのであるから、その直列個数は、前記スイッチ素子(Qs)のオフ状態における前記ノード(Ng)と前記ノード(Nt)との間の静電容量 Ct が、前記した静電容量 Cse より十分に小さい値になるようにする必要がある。
前記した静電容量 Cse は直接測定できないため、LCメータを用いて測定した前記した静電容量 Cs' の値に対し、同じくLCメータを用いて測定した前記した静電容量 Ct が、例えば10%以下になるよう前記直列ダイオードアレイ(Da)の直列個数を設定すればよい。

0050

なお、実測によって前記した静電容量 Ct が、この条件を満足することが確認できるなら、前記試験器(Ut)における前記インバータ(Gr)を、したがって前記インバータ(Gr),ゲートドライバ(Dr),DC電源(Mr)を省略しても構わない。
また、前記スイッチ素子(Qs)のオン状態における電流によって前記直列ダイオードアレイ(Da)が破損する恐れが無い場合は、前記電流制限抵抗(Rc)の挿入を省略しても構わない。

0051

ここでは、前記試験器(Ut)の前記した静電容量 Ct の小ささについて、主として2次側の前記した静電容量 Cse との関連について述べた。
当然、1次側共振周波数frp の測定に際し、静電容量 Ct は1次側の静電容量と比較しても十分小さくなければならないが、この場合は、前記したように回路素子としての前記共振コンデンサ(Crp)を陽に実装するものであり、この静電容量は、静電容量 Cse より十分に大きいため、通常は問題にならない。

0052

これまで述べた図2に記載の構成を有し、1次側共振周波数frp と2次側共振周波数 frs との間の前記した関係と、1次2次結合係数k についての前記した関係とを成立させるようにした、エキシマランプ光源装置の具体的な設計の一例を、以下に簡単に記載しておく。
静電容量(LCメータによる測定)
共振コンデンサ(Crp):22nF( Cp )
箇所(X)で切断時の2次側総合:6.8pF( Cs' )
トランス(Tf)の1次側巻線(Lp)(LCメータによる測定)
巻き数:14巻き(7巻き・7巻きで中点タップ)
インダクタンス(2次側を開放):26.96μH ( Lp )
インダクタンス(2次側を短絡):9.674μH ( Lp' )
1次2次結合係数(式1に基づく計算):0.801 ( k )
トランス(Tf)の2次側巻線(Ls)(LCメータによる測定)
巻き数:560巻き
インダクタンス(1次側を開放):32.37mH ( Ls )
インダクタンス(1次側を短絡):12.72mH ( Ls' )
1次2次結合係数(式2に基づく計算):0.779 ( k )
共振周波数(図7に基づく測定)
1次側共振周波数:200.3kHz( frp )
2次側共振周波数:173.91kHz ( frs )
共振周波数比:1.15 ( frp / frs )
光源装置インバータ動作
始動時:周波数:164.7kHz,出力電圧:1110Vp-p
点灯時:周波数:123.3kHz, 出力電圧:3660Vp-p
DC電源(Mh):電圧:14.6V, 点灯時電流:0.540A
なお、前記1次2次結合係数 k の値を達成するために、前記トランス(Tf)を構成するフェライトコアにはギャップを設けてある。

0053

これまで、主としてコレクタ共振回路による構成のインバータについて述べたが、他の方式の回路として、本発明のエキシマランプ光源装置を簡略化して示す模式図である図3に記載した、一石並列共振回路による構成のインバータ(Ui)における応用について説明する。
インバータ(Ui)のトランス(Tf)は、1次側巻線(Lp)と2次側巻線(Ls)とを有しており、前記1次側巻線(Lp)の巻線両端のノード(Nu,Nv)には共振コンデンサ(Crp)の両端を接続して、並列共振回路たる1次側共振回路を構成している。
前記巻線のノード(Nu)には、DC電源(Mh)のプラス端子からの出力を供給する。
ただし、前記したDC電源(Mh)のプラス端子からの出力には、前記インバータ(Ui)における電源電圧を安定化させるための平滑コンデンサ(Ch)を挿入してある。

0054

前記1次側巻線(Lp)の前記巻線のノード(Nv)には、バイポーラトランジスタ(あるいはFETなど)を用いたスイッチ素子(Qv)のコレクタを接続して、並列共振回路とスイッチ素子による共振回路スイッチ直列部を構成する。
そして前記スイッチ素子(Qv)のエミッタを前記DC電源(Mh)のグランド端子に接続するとともに、前記スイッチ素子(Qv)のベースには、ベース抵抗(Rv)を介して前記したDC電源(Mh)のプラス端子からの電流供給経路を形成しておき、前記トランス(Tf)に設けた帰還巻線(Lxy)の巻線両端のノード(Nx,Ny)の一方をグランドに、他方を位相シフト回路(Ep)を介して前記スイッチ素子(Qv)のベースに接続してある。
このように回路を構成したことにより前記スイッチ素子(Qv)がオン状態とオフ状態とを交互に相補的に繰り返して、前記1次側巻線(Lp)に流れる電流を交互に反転させる自励発振の動作を行うため、前記トランス(Tf)の前記2次側巻線(Ls)には、前記1次側巻線(Lp)の巻数に対する前記2次側巻線(Ls)の巻数の比、すなわち巻数比に基づく、昇圧された交流の高電圧が発生し、前記2次側巻線(Ls)の巻線両端のノード(Na,Nb)に接続されたエキシマランプ(Y)を点灯することができる。

0055

そして、図2に記載したエキシマランプ光源装置と同様に、1次側共振周波数frp と2次側共振周波数 frs との間の前記した関係と、1次2次結合係数k についての前記した関係とを成立させるように設計すればよい。
なお、図3のエキシマランプ光源装置における1次2次結合係数 k の測定、および前記した箇所(X)の切断時の2次側静電容量 Cs' の測定と試験器(Ut)の準備、さらに1次側共振周波数 frp と2次側共振周波数 frs の測定については、先述図2のエキシマランプ光源装置に関して行った説明をそのまま適用できる。

0056

次に本発明のエキシマランプ光源装置の実施例の一部の一形態を簡略化して示す模式図である図4を用いて、本発明において好適に使用可能なエキシマランプの具体的な一例について説明する。
同図の(a)は、エキシマランプ(Y)の外観を表す。
グランド側の電極(Ye2)は金網によって構成され、誘電体(Yb)のバルブの大部分を覆っており、これは胴部ワイヤ(W)と先端部ワイヤ(W’)とによって固定されるとともに、電極リード(Te2)に繋げられている。
誘電体(Yb)のバルブの内部で発生したUV光などの放射光は、前記グランド側の電極(Ye2)の網目から外部に取り出される。

0057

一方、同図の(b)は、前記エキシマランプ(Y)の断面を表す。
高電圧側の電極(Ye1)は、前記した誘電体(Yb)のバルブの内部に設けられて放電空間(Yg)に接するように配置されており、シール金属箔(Yf)を介して電極リード(Te1)に繋げられている。
そして図から直ちに理解できるように、前記した誘電体(Yb)のバルブは、先端部に近づくに従って径が細くなっているため、前記した、全体的な放電ギャップ長よりも短い放電ギャップ長を有する誘電体部分が設けられることにより、放電が生じ易い易放電領域(Yx)が形成された構造が作り込まれている。

0058

前記放電空間(Yg)に充填するガスとして、例えばキセノンを封入した場合は、波長172nmのエキシマ発光によるUV光を発生することができる。
このUV光を外部に取り出して使用する場合は、前記したバルブの材料として合成石英ガラスを用いることが好適である。
あるいは、例えばUV殺菌の用途のための光を取り出したい場合は、前記した波長172nmのエキシマ発光によって励起され、その用途に好適な波長(殺菌線)、例えば250〜255nmの蛍光を発する蛍光体層を、前記したバルブの内面に形成すればよく、この場合、バルブの材料としては、安価な溶融石英ガラス等を用いればよい。

0059

本発明は、UVオゾン洗浄、UV表面改質、UV硬化、UV殺菌、UV治療などの分野において利用可能なUV光を発生して、もしくは発生したUV光を他の波長に変換して、それを照射する装置を構成する際に好適な光源であるエキシマランプと、それを点灯するインバータからなるエキシマランプ光源装置を設計・製造する産業において利用可能である。

0060

Ch平滑コンデンサ
Crp共振コンデンサ
Da直列ダイオードアレイ
Drゲートドライバ
Ds ゲートドライバ
Ep位相シフト回路
Fpパルス発生器
Grインバータ
Gsバッファ
Jgパターン
Lhチョークコイル
Lp1次側巻線
Ls2次側巻線
Lxy帰還巻線
MhDC電源
Mr DC電源
Mt試験用DC電源
Naノード
Nb ノード
Ng ノード
Nm中点タップ
Nt ノード
Nu ノード
Nv ノード
Nx ノード
Ny ノード
Nz1 ノード
Nz2 ノード
Qrスイッチ素子
Qs スイッチ素子
Qu スイッチ素子
Qv スイッチ素子
Rc電流制限抵抗
Ruベース抵抗
Rv ベース抵抗
Sp励振信号
Te1電極リード
Te2 電極リード
Tfトランス
Ui インバータ
Ut試験器
W胴部ワイヤ
W’ 先端部ワイヤ
X 箇所
Yエキシマランプ
Yb誘電体
Ybs誘電体部分
Ye1電極
Ye2 電極
Yfシール用金属箔
Yg放電空間
Yo 易放電物質層
Ytバルブ
Yx 易放電領域
Z放電ギャップ長
Zs 放電ギャップ長

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