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技術 ドラムブレーキ装置

出願人 株式会社豊田自動織機曙ブレーキ工業株式会社
発明者 増田英夫酒井一幸高宮稔金子太山本勝義塚越秀樹高橋佳之
出願日 2014年12月26日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-264341
公開日 2016年7月11日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-125517
状態 拒絶査定
技術分野 防振装置 ブレーキ装置
主要キーワード ドーナツ盤 合否基準 シリンダ取付孔 略三日月形状 ボルト取付孔 錘部材 オートアジャスタ シャフト孔
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月11日)のものです。
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図面 (11)

課題

使用される条件に応じてバックプレート固有振動数及び剛性を調整し、ブレーキ鳴きを確実に防止することができるドラムブレーキ装置を提供する。

解決手段

ドラムブレーキ装置100は、ブレーキドラム30と、車両に固定して設けられるバックプレート10と、ブレーキドラム30の内周面に対向してバックプレート10に設けられるブレーキシュー14と、シリンダ取付孔16を介してバックプレート10に取り付けられ、ブレーキシュー14をブレーキドラム30に押圧するホイールシリンダ11と、バックプレート10に着脱可能に取り付けられるとともに、ブレーキドラム30の回転中心軸Xとシリンダ取付孔16の中心軸Yとを含む平面X−Yに対して対称に配置される複数のリブ21とを備える。

概要

背景

従来、フォークリフト等の産業用車両に用いられる車輪ブレーキ一種として、ドラムブレーキ装置が採用されている。ドラムブレーキ装置は、車輪の回転に伴って回転するブレーキドラムの内側表面に、ホイールシリンダによって円弧形状の一対のブレーキシューが押し当てられ、摩擦力が発生することにより車輪の回転を制動するものである。このブレーキシューはドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられている。

車輪の制動時、ブレーキドラムに押し当てられたブレーキシューには、ブレーキドラムと共に回転しようとする力が働く。この時、バックプレートに形成される突出部(アンカー)が回転しようとするブレーキシューを受け止めることにより、ブレーキシューはブレーキドラムと摩擦接触した状態で位置を固定される。

ここで、バックプレートの固有振動数がドラムブレーキ装置内の他の部品の固有振動数と一致している場合、バックプレートに取り付けられるブレーキシューがブレーキドラムに摩擦接触する際に、バックプレートが他の部品と共振してしまうことがある。このようにバックプレートが共振状態となってしまうと、ブレーキシューとブレーキドラムとの接触面の振動増幅され、ブレーキ鳴きという不快な音が発生するおそれがあった。

また、バックプレートの剛性が低い場合、バックプレートはアンカーを介してブレーキシューから力を受ける際に変形してしまうおそれがある。バックプレートが変形してしまうとブレーキシューとブレーキドラムとの接触面も不均一となって、ドラムブレーキ装置を作動させる際に発生する振動が大きくなり、この場合にもブレーキ鳴きが発生の可能性があった。

このようなブレーキ鳴きの発生を防止するため、特許文献1のドラムブレーキ装置では、バックプレートに一体的にリブ部を形成して、バックプレートが他の部品と共振しないようバックプレートの固有振動数を変更している。また、特許文献2のドラムブレーキ装置では、バックプレートに一枚の補強板着脱可能に取り付けられ、バックプレートの剛性が高められている。

概要

使用される条件に応じてバックプレートの固有振動数及び剛性を調整し、ブレーキ鳴きを確実に防止することができるドラムブレーキ装置を提供する。ドラムブレーキ装置100は、ブレーキドラム30と、車両に固定して設けられるバックプレート10と、ブレーキドラム30の内周面に対向してバックプレート10に設けられるブレーキシュー14と、シリンダ取付孔16を介してバックプレート10に取り付けられ、ブレーキシュー14をブレーキドラム30に押圧するホイールシリンダ11と、バックプレート10に着脱可能に取り付けられるとともに、ブレーキドラム30の回転中心軸Xとシリンダ取付孔16の中心軸Yとを含む平面X−Yに対して対称に配置される複数のリブ21とを備える。

目的

この発明は、このような問題を解決するためになされ、使用される条件に応じてバックプレートの固有振動数及び剛性を調整し、ブレーキ鳴きを確実に防止することができるドラムブレーキ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両の車輪の回転に伴って回転可能なブレーキドラムと、前記車両に固定して設けられるバックプレートと、前記バックプレートに、前記ブレーキドラムの内周面に対向して設けられるブレーキシューと、前記バックプレートに形成される作動機構取付孔を介して前記バックプレートに取り付けられ、前記ブレーキシューを前記ブレーキドラムに押圧する作動機構と、前記バックプレートに着脱可能に取り付けられるとともに、前記ブレーキドラムの回転中心軸と前記作動機構取付孔の中心軸とを含む平面に対して対称に配置される複数の錘部材とを備えるドラムブレーキ装置

請求項2

前記錘部材と前記バックプレートとの間にはスペーサが設けられる請求項1に記載のドラムブレーキ装置。

請求項3

前記複数の錘部材の各々は、前記各々の錘部材に対応した各々1つの締結部材を介して前記バックプレートに取り付けられる請求項1又は2に記載のドラムブレーキ装置。

請求項4

前記複数の錘部材を前記バックプレートに取り付ける締結部材を備え、前記錘部材と前記締結部材との間には弾性部材が設けられる請求項1に記載のドラムブレーキ装置。

技術分野

0001

この発明は、ドラムブレーキ装置に関する。

背景技術

0002

従来、フォークリフト等の産業用車両に用いられる車輪ブレーキ一種として、ドラムブレーキ装置が採用されている。ドラムブレーキ装置は、車輪の回転に伴って回転するブレーキドラムの内側表面に、ホイールシリンダによって円弧形状の一対のブレーキシューが押し当てられ、摩擦力が発生することにより車輪の回転を制動するものである。このブレーキシューはドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられている。

0003

車輪の制動時、ブレーキドラムに押し当てられたブレーキシューには、ブレーキドラムと共に回転しようとする力が働く。この時、バックプレートに形成される突出部(アンカー)が回転しようとするブレーキシューを受け止めることにより、ブレーキシューはブレーキドラムと摩擦接触した状態で位置を固定される。

0004

ここで、バックプレートの固有振動数がドラムブレーキ装置内の他の部品の固有振動数と一致している場合、バックプレートに取り付けられるブレーキシューがブレーキドラムに摩擦接触する際に、バックプレートが他の部品と共振してしまうことがある。このようにバックプレートが共振状態となってしまうと、ブレーキシューとブレーキドラムとの接触面の振動増幅され、ブレーキ鳴きという不快な音が発生するおそれがあった。

0005

また、バックプレートの剛性が低い場合、バックプレートはアンカーを介してブレーキシューから力を受ける際に変形してしまうおそれがある。バックプレートが変形してしまうとブレーキシューとブレーキドラムとの接触面も不均一となって、ドラムブレーキ装置を作動させる際に発生する振動が大きくなり、この場合にもブレーキ鳴きが発生の可能性があった。

0006

このようなブレーキ鳴きの発生を防止するため、特許文献1のドラムブレーキ装置では、バックプレートに一体的にリブ部を形成して、バックプレートが他の部品と共振しないようバックプレートの固有振動数を変更している。また、特許文献2のドラムブレーキ装置では、バックプレートに一枚の補強板着脱可能に取り付けられ、バックプレートの剛性が高められている。

先行技術

0007

特開平10−148230号公報
特開平3−186606号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ここで、ドラムブレーキ装置を車両に取り付ける条件に応じて、ブレーキ鳴きが発生する条件も変化することがある。従って、ブレーキ鳴きの発生を確実に防止するためには、ドラムブレーキ装置が使用される現場の状況に応じて、バックプレートの固有振動数又は剛性を適宜調整する必要がある。しかしながら、特許文献1又は2に記載されるドラムブレーキ装置では、バックプレートの固有振動数や剛性を調整することができない。

0009

この発明は、このような問題を解決するためになされ、使用される条件に応じてバックプレートの固有振動数及び剛性を調整し、ブレーキ鳴きを確実に防止することができるドラムブレーキ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するために、この発明に係るドラムブレーキ装置は、車両の車輪の回転に伴って回転可能なブレーキドラムと、車両に固定して設けられるバックプレートと、バックプレートに、ブレーキドラムの内周面に対向して設けられるブレーキシューと、バックプレートに形成される作動機構取付孔を介してバックプレートに取り付けられ、ブレーキシューをブレーキドラムに押圧する作動機構と、バックプレートに着脱可能に取り付けられるとともに、ブレーキドラムの回転中心軸と作動機構取付孔の中心軸とを含む平面に対して対称に配置される複数の錘部材とを備える。

0011

また、この発明に係るドラムブレーキ装置は、錘部材とバックプレートとの間にスペーサが設けられてもよい。

0012

また、複数の錘部材の各々は、各々の錘部材に対応した各々1つの締結部材を介してバックプレートに取り付けられてもよい。

0013

さらに、複数の錘部材をバックプレートに取り付ける締結部材を備え、錘部材と締結部材との間には弾性部材が設けられてもよい。

発明の効果

0014

この発明に係るドラムブレーキ装置によれば、使用される条件に応じてバックプレートの固有振動数及び剛性を調整し、ブレーキ鳴きを確実に防止することができる。

図面の簡単な説明

0015

この発明の実施の形態1に係るドラムブレーキ装置の斜視図である。
図1に示すドラムブレーキ装置のバックプレートをX軸正方向側から見た様子を示す平面図である。
図1に示すドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられた状態のリブを図2のIII−III切断線に沿って切断した状態を示す側面図である。
図1に示すドラムブレーキ装置に取り付けられるリブの形状を示す図であり、図4(i)はリブをX軸正方向側から見た平面図を示し、図4(ii)は図4(i)のリブ部を切断線IV−IVで切断した断面図である。
図1に示すドラムブレーキ装置に取り付けられるリブの高さに対する幅の比(W/H)、バックプレートの剛性及び鳴き性能の関係を示すグラフである。
図1に示すドラムブレーキ装置のバックプレートをX軸負方向側から見た様子を示す平面図である。
この発明の実施の形態2に係るドラムブレーキ装置の斜視図である。
図7に示すドラムブレーキ装置のバックプレートをX軸正方向側から見た様子を示す平面図である。
図7に示すドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられるマスの側面図である。
この発明の別の実施の形態に係るドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられるダイナミックダンパーの断面図である。

実施例

0016

以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るドラムブレーキ装置100の構成を図1〜6に示す。
図1に示すように、ドラムブレーキ装置100は、略円筒形状のブレーキドラム30と、ブレーキドラム30の内側の一端に配置される略ドーナツ盤形状の鋳物製のバックプレート10とを有する。ブレーキドラム30は、車輪としてのタイヤ(図示せず)の回転に伴って回転可能となるように車両に対して取り付けられており、回転中心軸Xを中心として回転する。一方、バックプレート10は車両に固定して取り付けられている。すなわち、ブレーキドラム30はバックプレート10に対して相対的に回転可能である。また、バックプレート10には、一対の略三日月形状のブレーキシュー14が設けられている。ブレーキシュー14は、外側表面がブレーキドラム30の内周面に対向するように配置される。ブレーキシュー14の外側表面には摩擦部材14aが貼り付けられている。さらに、一対のブレーキシュー14の間にはホイールシリンダ11が設けられる。ホイールシリンダ11はドラムブレーキ装置1に対して、1つ設けられた構成である。バックプレート10には、ホイールシリンダ11の取付位置に対応する箇所にシリンダ取付孔16が形成される。ホイールシリンダ11は、シリンダ取付孔16を介してバックプレート10に取り付けられる。
なおここで、ブレーキドラム30に対してバックプレート10が配置されている側をX軸正方向とする(図1の矢印x1参照)。また、X軸正方向の反対側、すなわちバックプレート10に対してホイールシリンダ11が取り付けられる側は、X軸負方向とする(図1の矢印x2参照)。
また、ホイールシリンダ11は作動機構を構成する。さらに、シリンダ取付孔16は作動機構取付孔を構成する。

0017

バックプレート10のX軸正方向側の構造の詳細について、図1〜3を用いて説明する。なお、以下の説明において、シリンダ取付孔16の中心軸をYとする。また、ブレーキドラム30の回転中心軸Xとシリンダ取付孔16の中心軸Yとを含む平面を平面X−Yとする。
図1及び2に示すように、バックプレート10のX軸正方向側の面には、シリンダ取付孔16を挟んで一対の略円弧状の帯形状の金属板であるリブ21が、一枚につきそれぞれ3個のボルト22によって着脱可能に取り付けられている。一対のリブ21は、平面X−Yに対して左右対称に配置されている。また、一対のリブ21をバックプレート10に取り付けているボルト22も、平面X−Yに対して、3個ずつ対称になるように配置されている。また、図3に示すように、バックプレート10とリブ21との間には、スペーサとして鉄によって形成されたワッシャ23が設けられている。
ここで、一対のリブ21の各々の両端部のうち、シリンダ取付孔16に対向する側と反対側の端部を端部21aとする。そして、回転中心軸Xを中心としてシリンダ取付孔16の中心軸Yを起点とする、リブ21の端部21aの位相(角度)Θ1をリブ21の張角とする。
また、リブ21は錘部材を構成する。また、ボルト22は締結部材を構成する。

0018

また、バックプレート10の中心には、車両の車軸(図示せず)が貫通するためのシャフト孔18が形成されている。シャフト孔18の中心、すなわち車両の車軸の回転中心はブレーキドラム30の回転中心軸Xと一致する。シャフト孔18の周りには8個のボルト取付孔17が、回転中心軸Xを中心とした周方向に沿って形成される。そして、一対のリブ21と同様に、これらのボルト取付孔17は4個ずつ、平面X−Yに対して互いに対称となるように設けられている。なお、ボルト取付孔17のうち、シリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置には、リブ21の端部21aが設けられている。すなわち、リブ21はボルト取付孔17aの径方向外側の位置をオーバーラップしている。

0019

ここで、リブ21の形状について、図4を用いて具体的に説明する。
図4(i)に示すようにリブ21には、ボルト22が貫通するための3箇所のボルト穴21bが形成されている。また、リブ21の幅をWとすると、リブ21の断面形状は、図4(ii)に示すように、一辺の長さがWかつ他辺の長さがHの長方形状をなす。すなわち、リブ21の高さ(厚み)はHである。

0020

ここで、図5にリブ21の幅Wと高さHの比W/Hとバックプレート10の剛性Bs、ブレーキの鳴き性能Bnの関係を示す。鳴き性能は、ブレーキを装着した車両において実際にブレーキをかけた際のブレーキから発せられる音(ブレーキ鳴き)を作業者が聞いた際に不快(うるさい)と感じるかどうかの判断を数値化して基準としてしたものである。
図5において、リブ21の高さHに対する幅Wの比W/Hが大きくなると鳴き性能Bnが悪化し、バックプレート10の剛性Bsも低くなることが分かる。そして、リブ21の幅Wと高さHとの比W/Hが3より少し小さい値Pにおいて、上記判断における鳴き性能の判断の合否基準点Cnが存在している。なお、バックプレート10は鋳物として製造されるため、製造誤差が起こる可能性があるため、誤差によって基準点を超えないようにするため、W/Hの上限を2.5とすることが良い。
なお、図5から分かるようにW/Hの値を小さくすることにより、鳴き性能Bnは向上する。そして、最終的にブレーキ鳴きが感じられない程度となる。しかしながら、バックプレート10の剛性Bsの観点からリブ21の幅Wはある程度必要となるため、W/Hの値を小さくするためには、リブ21の高さHを大きくすることになり結果的にリブ21の体積が大きくなることになる。リブ21を大きくすることは、それだけ多くの材料を必要とすることになり、コスト面において不利となる。したがって、鳴き性能Bnとコストを考慮するとW/Hの下限を1とすることが良い。すなわち、ブレーキ鳴きの防止とドラムブレーキ装置1の製造コストの抑制とを両立するためには、リブ21の高さHに対する幅Wの比の最適な値α=W/Hは1以上2.5以下となる。
なお、この実施の形態においては、鳴き性能Bn及びコスト面を考慮して最適な値としてリブ21の幅はW=45mm,リブ21の高さはH=24mmとしている。

0021

次に張角Θ1について説明する。張角Θ1は、リブ21がシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように最低限設ける必要があり、より具体的には、張角Θ1は90度以上130度以下とすることが良い。張角Θ1についても張角Θ1が小さいと鳴き性能Bnは悪化し、バックプレート10の剛性Bsも低くなる。そして、鳴き性能Bnの判断の合否基準Cnを満たすためには、最低限リブ21がシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように設ける必要がある。ただし、製造誤差を考慮すると張角Θ1は90度以上とすることが良い。
そして、張角Θ1を大きくすることにより鳴き性能Bnは向上する。そして、最終的にブレーキ鳴きが感じられない程度となる。しかしながら、張角Θ1を大きくすることはリブ21の体積が大きくなることになる。したがって、張角Θ1においても張角Θ1を大きくするとコスト面で不利となる。したがって、鳴き性能Bnとコストを考慮して、張角Θ1の上限を130度とすることが良い。
なお、この実施の形態においては、鳴き性能Bn及びコスト面を考慮して最適な値として、張角Θ1は90度としている。

0022

バックプレート10のX軸負方向側の構造の詳細について、図6を用いて説明する。
一対のブレーキシュー14は一対のシューホールドスプリング19によってバックプレート10に支持されている。また、一対のブレーキシュー14の間に設けられるホイールシリンダ11の径方向内側に隣接して、帯形状のアンカー12がバックプレート10に一体的に形成されている。アンカー12と一対のブレーキシュー14との間には一対のリターンスプリング13が架け渡される。ここで、リターンスプリング13は、ブレーキシュー14に対して、ブレーキドラム30の内周面から離れる方向に力を加えている。また、一対のブレーキシュー14において、ホイールシリンダ11が接続されている側とは反対側の端部には、オートアジャスタ15が接続されている。オートアジャスタ15は、ブレーキシュー14の外周面とブレーキドラム30の内周面との隙間を調整する。

0023

次に、ドラムブレーキ装置100の動作について、図1及び6を用いて説明する。なお、ブレーキドラム30は矢印Aの方向に回転しているものとする。
まず、ドラムブレーキ装置100を作動させる時は、ホイールシリンダ11の内部に油圧が導入される。そして、ホイールシリンダ11内のピストン(図示せず)は、リターンスプリング13の弾性力に抗して、一対のブレーキシュー14を各々外側に回動させるように押圧する。これにより、ブレーキシュー14の摩擦部材14aがブレーキドラム30の内周面に押し付けられる。この時、ブレーキシュー14はブレーキドラム30の回転とともに矢印Aの方向に動こうとするが、紙面上左側に配置されたブレーキシュー14のホイールシリンダ11側の端部14bがアンカー12に突き当たる。そのため、ブレーキシュー14は矢印Aの方向には動くことができず位置を固定される。そして、これによって、ブレーキシュー14の摩擦部材14aとブレーキドラム30の内周面との間には大きな摩擦力が働き、ブレーキドラム30の回転は停止する。

0024

上より、この実施の形態1に係るドラムブレーキ装置100では、一対のリブ21がバックプレート10に着脱可能に取り付けられている。従って、幅、長さ、厚さ等の寸法又は重量が違う別のリブにリブ21を交換することができる。このように、バックプレート10に取り付けられるリブの寸法や重量を変更することによって、バックプレート10の固有振動数及び剛性を変更することができる。すなわち、寸法や重量の違うリブをあらかじめ数種類用意しておいて、現場においてリブ21と適宜交換することによって、バックプレート10の固有振動数を容易に調整することができる。従って、バックプレート10が他の部品との間で共振が起きないようにすることができ、ブレーキ鳴きの発生を防止することができる。また、リブ21を別のリブに交換してバックプレート10の剛性を調整することにより、バックプレート10に取り付けられるブレーキシュー14の振動振幅を低減させてブレーキ鳴きの発生を防止することもできる。

0025

また、リブ21は平面X−Yに対して対称に配置されている。従って、ブレーキシュー14の振動が伝達されるシリンダ取付孔16を挟んで、バックプレート10の左右の剛性が同程度になるように剛性のバランスが保たれており、バックプレート10の変形が防止される。
さらに、バックプレート10には二枚のリブ21が取り付けられていることにより、リブ21をそれぞれ一枚ずつ別の寸法や重量のものに交換することができるため、バックプレート10の固有振動数及び剛性の調整をより細かく行うことができる。

0026

また、リブ21とバックプレート10との間にはワッシャ23が設けられている。従って、リブ21の着脱とともにワッシャ23を直径が違う別のワッシャに変更することができる。すなわち、バックプレート10とワッシャ23との接触面積を変更させて、バックプレート10の固有振動数を適宜変更することができる。また、1つのボルト22に取り付けられるワッシャ23の枚数を増やすこともできる。すなわち、リブ21とバックプレート10との間において重なりあって設けられるワッシャ23の枚数を変更することにより、バックプレート10の固有振動数を変更することもできる。さらに、鉄製のワッシャ23を樹脂部材ゴム部材又は制振鋼板によって形成されるスペーサと交換することができる。樹脂部材、ゴム部材又は制振鋼板によって形成されるスペーサはバックプレート10の振動を減衰する効果を有するため、ドラムブレーキ装置100のブレーキ鳴きの発生が防止される。さらに、ゴム部材のスペーサは、ばね定数が異なるものに適宜交換することができ、これによってスペーサにより減衰効果を調整することができる。

0027

さらにまた、リブ21はバックプレート10に対して、ホイールシリンダ11やブレーキシュー14が取り付けられていないX軸正方向側に取り付けられているため、リブ21へのアクセスがしやすく、現場におけるリブ21の着脱や交換がより容易となっている。

0028

実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るドラムブレーキ装置200の構成を図7〜9に示す。なお、図1〜6の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図7及び8に示すように、バックプレート10のX軸正方向側の面には、シリンダ取付孔16を挟んで10個の略円筒形状の金属製のマス41が取り付けられている。マス41は、平面X−Yに対して対称になるように五個ずつ平面X−Yの左右に分かれて配置されている。なお、10個のマス41の各々は、各々のマス41に対応した各々1つのボルト42を介してバックプレート10に取り付けられている。また、図9に示すように、バックプレート10とマス41との間には、スペーサとして鉄によって形成されたワッシャ43が設けられている。
ここで、マス41は錘部材を構成する。また、ボルト42は締結部材を構成する。

0029

10個のマス41のうち、シリンダ取付孔16に対して最も遠い位置に配置される一対のマス41を端部マス41aとする。また、端部マス41aの外周面に接するとともに回転中心軸Xを通る直線を接線Tとする。さらに、端部マス41aの外周と接線Tとが接触する接点端点41bとする。なお、端点41bは、回転中心軸Xを中心としてシリンダ取付孔16に対して最も遠い位相に位置しているものとする。そして、回転中心軸Xを中心としてシリンダ取付孔16の中心軸Yを起点とする、端部マス41aの端点41bの位相(角度)Θ2をマス41の張角とする。なお、端部マス41aは、シリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように配置されている。

0030

張角Θ2は、マス41の端部マス41aがシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように最低限設ける必要があり、より具体的には、張角Θ2は90度以上130度以下とすることが良い。張角Θ2が小さいと鳴き性能Bnは悪化し、バックプレート10の剛性Bsも低くなる。そして、鳴き性能Bnの判断の合否基準Cnを満たすためには、最低限マス41の端部マス41aがシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように設ける必要がある。ただし、製造誤差を考慮すると張角Θ2は90度以上とすることが良い。
そして、張角Θ2を大きくすることにより鳴き性能Bnは向上する。そして、最終的にブレーキ鳴きが感じられない程度となる。しかしながら、張角Θ2を大きくすることはマス41の総体積、すなわち全てのマス41の体積が大きくなることになる。したがって、張角Θ2を大きくするとコスト面で不利となる。したがって、鳴き性能Bnとコストを考慮して、張角Θ2の上限を130度とすることが良い。
なお、この実施の形態においては、鳴き性能Bn及びコスト面を考慮して最適な値として、張角Θ2は90度としている。

0031

以上より、この実施の形態2に係るドラムブレーキ装置200では、バックプレート10に着脱可能に取り付けられるマス41は、ドラムブレーキ装置100のリブ21と同様に、外径や厚み等の寸法や重量の違う別のマスに適宜交換することができる。また、マス41の各々は、各々1つのボルト42を介してバックプレート10に取り付けられているため、10個あるマス41の一個一個について別の寸法や重量のマスに交換することができる。そのため、実施の形態1のドラムブレーキ装置100に比べて、バックプレート10の固有振動数及び剛性をさらに細かく調整して、確実にブレーキ鳴きを防止することができる。

0032

また、マス41は平面X−Yに対して対称に配置されているので、実施の形態1のドラムブレーキ装置100と同様に、バックプレート10の変形が防止される。
さらに、各々のマス41とバックプレート10との間に設けられるワッシャ43も外径の異なる別のワッシャに交換したり、各々のボルト42に重ねて取り付けられるワッシャ43の枚数を変更することができる。これによって、実施の形態1のドラムブレーキ装置100と同様に、バックプレート10の固有振動数を調整して、ドラムブレーキ装置200のブレーキ鳴きを防止することができる。また、ワッシャ43を、バックプレート10の振動を減衰することができるスペーサに交換することもできる。

0033

また、ドラムブレーキ装置200において、マス41の替わりに図10に示すダイナミックダンパー61をバックプレート10に取り付けてもよい。
ダイナミックダンパー61は円管部61aと、円管部61aの外周面にゴム部材61bを介して取り付けられる略円筒形状の金属製の錘部材61cとを有する。円管部61aにはボルト62が貫通し、このボルト62によってダイナミックダンパー61はバックプレート10に取り付けられている。すなわち、錘部材61cとボルト62との間にはゴム部材61bが設けられる。そして、ダイナミックダンパー61がバックプレート10に取り付けられた状態において、錘部材61cはバックプレート10に接触せず一定の距離を保つように配置されている。
ここで、ゴム部材61bは弾性部材を構成する。また、ボルト62は締結部材を構成する。

0034

このように、錘部材61cとボルト62との間にゴム部材61bが設けられていることにより、バックプレート10が図10の矢印に示すように振動した場合、錘部材61cはバックプレート10の振動の位相とは逆位相で振動する。すなわち、錘部材61cはバックプレート10の振動を打ち消すように振動して、ドラムブレーキ装置200のブレーキ鳴きを防止する。また、ゴム部材61bの減衰効果によりバックプレート10の振動エネルギー消費され、振動を早く減衰させることができる。

0035

なお、実施の形態1及び2において、スペーサはワッシャ23,43に限定されず、スナップリングを用いてもよい。
また、スペーサを設けずに、リブ21又はマス41にバックプレート10と接触する座面を形成してもよい。この場合、異なる接触面積を有する座面が形成された数種類のリブ又はマスをあらかじめ用意し、リブ21又はマス41と適宜交換することによってバックプレート10の固有振動数を調整する。
さらに、実施の形態2において、マス41とボルト42とは一体的に形成されていてもよい。また、ダイナミックダンパー61もボルト62と一体的に形成されていてもよい。

0036

10バックプレート、11ホイールシリンダ(作動機構)、14ブレーキシュー、16シリンダ取付孔(作動機構取付孔)、21リブ(錘部材)、22,42,62ボルト(締結部材)、23,43ワッシャ(スペーサ)、30ブレーキドラム、41マス(錘部材)、61bゴム部材(弾性部材)、100,200ドラムブレーキ装置、X ブレーキドラムの回転中心軸、Y 作動機構取付孔の中心軸、X−Y ブレーキドラムの回転中心軸と作動機構取付孔の中心軸とを含む平面。

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