図面 (/)

技術 車両の排気装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 棚橋敏雄兼原洋治山田浩史
出願日 2014年12月26日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2014-265749
公開日 2016年7月11日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2016-125400
状態 特許登録済
技術分野 排気消音装置 推進装置の冷却,吸排気,燃料タンクの配置 排気の後処理 静電気の除去
主要キーワード 非導電性物体 薄肉壁 車両ボディー 自己放電式 非導電性ゴム 速度境界層 アルミニウムテープ 延性金属

後で読みたい技術情報を見つけたら、ブックマークしておきましょう!

ページの右上にあるブックマークボタンからこのページをブックマークできます。
あなたがブックマークした技術情報は、いつでもマイページのリストから閲覧することが出来ます。

この項目の情報は公開日時点(2016年7月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

帯電電荷量を低下させて機関出力を向上させる。

解決手段

車両おいて、エンジン排気系部品が、非導電性ゴム片(5)を介して車両ボディにより支持されており、車両ボディおよびエンジンの排気系部品には正の電荷帯電する。非導電性壁面上に設置すると設置箇所を中心とした限られた範囲内の非導電性壁面上の帯電電荷量を低下させることのできる自己放電式除電器(10)を備えている。この自己放電式除電器(10)が非導電性のゴム片(5)に設置され、それにより排気系部品が除電される。

概要

背景

車両のエンジン又はエンジンと関連する部材に放電アンテナ等の放電装置を取り付けて、エンジン部に生じ又は蓄積される高圧電気静電気等を外部に放電、放出せしめ、それによって燃費を向上させるようにした車両が公知である(例えば特許文献1を参照)。

概要

帯電電荷量を低下させて機関出力を向上させる。車両おいて、エンジンの排気系部品が、非導電性ゴム片(5)を介して車両ボディにより支持されており、車両ボディおよびエンジンの排気系部品には正の電荷帯電する。非導電性壁面上に設置すると設置箇所を中心とした限られた範囲内の非導電性壁面上の帯電電荷量を低下させることのできる自己放電式除電器(10)を備えている。この自己放電式除電器(10)が非導電性のゴム片(5)に設置され、それにより排気系部品が除電される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

エンジン排気系部品が、非導電性支持部材を介して車両ボディーにより支持されており、車両ボディーおよびエンジンの排気系部品に正の電荷帯電する車両の排気装置において、非導電性壁面上に設置すると該設置箇所を中心とした限られた範囲内の非導電性壁面上の帯電電荷量を低下させることのできる自己放電式除電器を備えており、該自己放電式除電器を該非導電性の支持部材上に設置し、それにより排気系部品を除電するようにした車両の排気装置。

請求項2

該支持部材がゴム材料からなる請求項1に記載の車両の排気装置。

請求項3

該支持部材がゴム片からなり、該ゴム片の上方部が車両ボディにより支持されており、該ゴム片の下方部によって排気系部品が支持されており、該自己放電式除電器が該非導電性の支持部材の壁面上に設置されている請求項2に記載の車両の排気装置。

請求項4

該ゴム片が間隔を隔てて平行に延びる一対の貫通孔具備しており、車両ボディーにより支持されている支持棒が一方の貫通孔内に挿入されており、排気系部品に固定された支持棒が他方の貫通孔内に挿入されている請求項3に記載の車両の排気装置。

請求項5

該エンジンの排気系部品が、消音器か、触媒コンバータか、又は排気管からなる請求項1に記載の車両の排気装置。

請求項6

該自己放電式除電器は、該支持部材の壁面上に導電性接着剤により接着された金属箔からなる請求項1に記載の車両の排気装置。

請求項7

該自己放電式除電器は、自己放電を生じさせるための角部を有している請求項6に記載の車両の排気装置。

請求項8

該自己放電式除電器は、細長矩形状の平面形状を有している請求項6に記載の車両の排気装置。

請求項9

該自己放電式除電器は、該支持部材の壁面上に一体的に形成された導電性薄膜からなる請求項1に記載の車両の排気装置。

技術分野

0001

本発明は車両の排気装置に関する。

背景技術

0002

車両のエンジン又はエンジンと関連する部材に放電アンテナ等の放電装置を取り付けて、エンジン部に生じ又は蓄積される高圧電気静電気等を外部に放電、放出せしめ、それによって燃費を向上させるようにした車両が公知である(例えば特許文献1を参照)。

先行技術

0003

特開平5−238438号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献に記載されているように、車両に静電気が帯電すること、およびこの車両に帯電した静電気が車両の運転に何らかの影響を与えていることは、従来より知られている。しかしながら、車両に帯電した静電気が具体的にいかなる理由でどのような影響を車両の運転に与えているかはよく分かっていない。このように車両に帯電した静電気が具体的にいかなる理由でどのような影響を車両の運転に与えているかがよく分からないと、車両への静電気の帯電に対して適切に対処することはできない。

0005

そこで、本発明者は,特にエンジンの排気系部品に注目して、エンジンの排気系部品に帯電した静電気が具体的にいかなる理由でどのような影響を車両の運転に与えているかを追求した。その追求の結果、本発明者は,エンジンの排気系部品に帯電した静電気が機関出力に大きな影響を与えると共に車両の運転安定性に大きな影響を与えていることを見出し、この見出した事実に基づいて、機関出力を向上させると共に車両の運転安定性を向上させるのに必要な適切な除電手法を見出したのである。

課題を解決するための手段

0006

即ち、本発明によれば、エンジンの排気系部品が、非導電性支持部材を介して車両ボディーにより支持されており、車両ボディーおよびエンジンの排気系部品に正の電荷が帯電する車両において、非導電性壁面上に設置すると設置箇所を中心とした限られた範囲内の非導電性壁面上の帯電電荷量を低下させることのできる自己放電式除電器を備えており、自己放電式除電器を非導電性の支持部材上に設置し、それにより排気系部品を除電するようにしている。

発明の効果

0007

上記自己放電式除電器を非導電性の支持部材上に設置することによりエンジンの排気系部品が除電され、それにより機関出力が向上せしめられると共に車両の運転安定性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、エンジンの排気装置の斜視図である。
図2は、図1に示される支持部材、即ちゴム片周りの拡大斜視図である。
図3は、図1に示される支持部材、即ちゴム片の断面図である。
図4Aおよび4Bは、夫々支持部材、即ちゴム片の正面図および側面断面図である。
図5Aおよび5Bは、夫々消音器内における排気流および消音器周りの空気流を説明するための図である。
図6Aおよび6Bは、空気流の変化を説明するための図である。
図7A、7Bおよび7Cは、自己放電式除電器を示す図である。
図8Aおよび8Bは、自己放電式除電器による除電作用を説明するための図である。
図9Aおよび9Bは、自己放電作用を説明するための図である。

実施例

0009

図1に車両の床下に配置された排気装置の斜視図を示す。
図1を参照すると、1は触媒コンバータ、2は接続部1a を介して触媒コンバータ1に接続された排気管、3は接続部2a を介して排気管2に接続された消音器、4はテールパイプを夫々を示す。図1に示す例では、機関から排出された排気ガスは触媒コンバータ1内に送り込まれ、次いで排気ガスは排気管2を通って消音器3に送り込まれ、次いで排気ガスはテールパイプ4から大気中に排出される。本発明では、これら触媒コンバータ1、排気管2、消音器3およびテールパイプ4を、エンジンの排気系部品と称している。なお、図1には示されていないが、このエンジンの排気系部品には、車両の床下に配置されるその他の排気処理装置熱回収装置が含まれる。

0010

これらエンジンの排気系部品は非導電性の支持部材を介して車両ボディーにより支持されている。なお、本発明では、シャシも含めて車両ボディーと称している。この支持部材は非導電性のゴム材料から形成されており、この支持部材が図1において符号5で示されている。図1に示される実施例では、この支持部材5は非導電性のゴム片からなり、このゴム片5の上方部は支持棒6を介して車両ボディーにより支持されている。一方、このゴム片5の下方部によって排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3が支持されており、従って、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3はこのゴム片5を介して車両ボディーにより支持されていることになる。

0011

図2は消音器3に取り付けられているゴム片5の拡大斜視図を示しており、図3図2の縦断面図を示しており、図4Aはゴム片5の正面図を示しており、図4Bはゴム片5の側面断面図を示している。図2から図4Bに示されるように、ゴム片5は楕円形断面筒状体をなしており、ゴム片5は間隔を隔てて平行に延びる一対の貫通孔8a ,8b を具備している。また、車両ボディーにより支持されている支持棒6が一方の貫通孔8a 内に挿入されており、排気系部品、即ち、消音器3の外壁に固定された支持棒7が他方の貫通孔8b 内に挿入されている。また、ゴム片5には貫通孔8a ,8b 間にスリット8c が形成されている。

0012

図1に示されるように、消音器3は四つのゴム片5を介して車両ボディーにより支持されており、また、図1には全てのゴム片5が示されていないが、触媒コンバータ1も四つのゴム片5を介して車両ボディーにより支持されている。一方、排気管2もゴム片5を介して車両ボディーにより支持されている。

0013

さて、車両が走行せしめられると、タイヤの各部が路面に対して接触、剥離を繰り返すことによって静電気が発生し、またエンジンの構成部品ブレーキ装置の構成部品が相対運動することによっても静電気が発生する。また、車両の走行時に空気が車両の外周面上を摩擦接触しつつ流れることによっても静電気が発生する。これらの発生した静電気によって車両のボディー、エンジン等には電荷が帯電する。このとき、排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3に正の電荷が帯電すると共にゴム片5にも正の電荷が帯電することが確認されており、しかも触媒コンバータ1、排気管2、消音器3およびゴム片5の壁面の電圧値は1000(v)以上の高電圧になる場合があることが確認されている。

0014

ところで、薄肉壁の表面の電圧値が高くなると、薄肉壁の表面に沿う空気の流れが変化することが確認されている。そこで、まず初めに、薄肉壁の表面に沿う空気の流れが、薄肉壁の表面の電圧値によってどのように変化するかということについて、本発明者が実験により確認した現象から説明を行う。図6Aは、正の電荷が帯電している薄肉壁9の表面に沿って空気が流れている場合を示している。この場合、空気は正に帯電する傾向にあるので、図6Aは、正に帯電した空気が、正の電荷が帯電している薄肉壁9の表面に沿って流れている場合を示している。さて、図6Aにおいて、実線の矢印は、薄肉壁9の表面の電圧値が低い場合を示しており、この場合には空気は薄肉壁9の表面に沿って流れる。これに対し、破線の矢印は、薄肉壁9の表面の電圧値が高い場合を示しており、この場合には空気は薄肉壁9の表面が下方に向け湾曲したところで、即ち空気流が薄肉壁9の表面から離れやすいところで、薄肉壁9の表面から離れるように流れる。

0015

図6Bは、図6Aにおいて薄肉壁9の表面に沿って流れる空気の主流の流速U∞ と、薄肉壁9の表面から距離Sだけ離れた位置での流速Uとの速度比U/U∞ のX地点図6A)における実測値を示している。なお、図6Bにおいて黒塗り菱形で示される各点は、薄肉壁6の表面に正の電荷が帯電していない場合を示しており、図6Bにおいて黒塗りの四角形で示される各点は、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電している場合を示している。図6Bから、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電している場合には薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電していない場合に比べて、速度境界層が薄肉壁9の表面から離れ、従って薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電している場合には、図6Aにおいて破線の矢印で示されるように、空気が薄肉壁6の表面から離れるように流れていることがわかる。

0016

上述したように、空気は正に帯電する傾向があり、従って空気の一部は正の空気イオン(丸内に+で表示)となっている。従って、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電していると正の空気イオンと薄肉壁9の表面との間には斥力が作用するために、図6Aにおいて破線の矢印で示されるように、空気は薄肉壁9の表面が下方に向け湾曲したところで、即ち空気流が壁面9の表面から離れやすくなったところで、薄肉壁9の表面から離れるように流れることになる。このように薄肉壁9の表面への正の電荷の帯電により薄肉壁9の表面に沿って流れる空気流が薄肉壁9の表面から離れることは実験により確かめられており、この場合、薄肉壁9の表面の電圧値が高くなるほど、薄肉壁9の表面に沿って流れる空気流が薄肉壁9の表面から離れることがわかっている。

0017

また、薄肉壁9の表面形状が空気流の剥離を生じやすい形状を有している場合において、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電していないときには空気流の剥離が生じないが、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電すると、空気流の剥離が生じる場合があることが確認されている。更に、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電している場合には薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電していない場合に比べて、空気流の剥離の大きさが増大することも確認されている。このように、薄肉壁9の表面に正の電荷が帯電すると、電気的な反発力に基づいて、空気流が薄肉壁9の表面から離れ、或いは空気が剥離を生じることが確かめられている。

0018

さて、前述したように、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧値は1000(v)以上の高電圧になる場合があることが確認されている。この場合、図6Aおよび6Bに示される実験結果から判断すると、この高電圧により触媒コンバータ1、排気管2および消音器3内を流れる排気ガスの流れが変化せしめられており、それにより排気作用に影響が出ていると推測される。更に、図6Aおよび6Bに示される実験結果から判断すると、この高電圧により触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の周りを流れる空気の流れが変化せしめられており、それにより車両の運転に影響が出ていると推測される。

0019

そこで、排気作用について実験を行った結果、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧値が高電圧になると排圧が高くなり、その結果、機関出力が低下することが判明したのである。また、車両の運転への影響について実験を行った結果、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧値が高電圧になると車両の運転が不安定になることが判明したのである。

0020

そこでまず初めに、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧値が高電圧になると機関出力が低下する理由について、消音器3の壁面の電圧値が高電圧になった場合を例にとって、図5Aを参照しつつ簡単に説明する。なお、図5Aは消音器3の内部の一部を図解的に示している。図5Aに示されるように、消音器3の内部には、排気ガス流通口Bを有する複数の隔壁Aや複数の排気ガス流通管Cが配置されており、機関運転時には、これら排気ガス流通口Bおよび排気ガス流通管C内を排気ガスが流れる。図5Aにおいて実線の矢印は、消音器3の壁面の電圧が低いときの排気ガスの流れを示している。このときには、排気ガスは実線の矢印で示されるように排気ガス流通口Bの内周壁面に沿って流れ、排気ガス流通管Cの内周壁面に沿って流れる。

0021

これに対し、静電気の帯電により消音器3の壁面の電圧が高くなると、図5Aにおいて破線の矢印で示されるように、排気ガス流通口Bの内周壁面に沿って流れる排気ガスは、排気ガスが正に帯電する傾向があるので、電気的な反発力により、排気ガス流通口Bの内周壁面から引き離され、その結果、排気ガスは排気ガス流通口Bの内周壁面から離れたところを流れざるを得なくなる。また、静電気の帯電により消音器3の壁面の電圧が高くなると、図5Aにおいて破線の矢印で示されるように、排気ガス流通管Cの内周壁面に沿って流れる排気ガスは、電気的な反発力によって、排気ガス流通管Cの内周壁面から引き離され、その結果、排気ガスは排気ガス流通管Cの内周壁面から離れたところを流れざるを得なくなる。

0022

排気ガスが排気ガス流通口Bの内周壁面および排気ガス流通管Cの内周壁面から離れたところを流れざるを得なくなると、排気ガスの流路断面縮小されることになり、排気抵抗が増大する。その結果、排圧が上昇し、機関出力が低下することになる。壁面の電圧が高くなると、触媒コンバータ1および排気管2においても同様に排気抵抗が増大する。従って、この場合、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下させれば、図5Aにおける実線の矢印からわかるように排気ガスの流路断面が増大し、機関出力が向上せしめられることになる。

0023

次に、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧値が高電圧になると車両の運転が不安定になる理由について、消音器3の壁面の電圧値が高電圧になった場合を例にとって、図5Bを参照しつつ簡単に説明する。なお、図5Bは消音器3の断面を図解的に示しており、また、図5Bにおいて実線の矢印は、消音器3の壁面の電圧が低いときの空気の流れを示している。このときには、空気は実線の矢印で示されるように消音器3の外周壁面に沿って流れる。なお、このように空気が消音器3の外周壁面に沿って流れると、消音器3の外周壁面上の圧力が低下し、このとき消音器3には消音器3を圧力が低下した側に引き寄せる力が作用する。この力は消音器3を介して車両に作用する。

0024

一方、静電気の帯電により消音器3の壁面の電圧が高くなると、図5Bにおいて破線の矢印で示されるように、空気流は、電気的な反発力によって、消音器3の外周壁面から剥離する。このように空気流が消音器3の外周壁面から剥離すると、空気の流れ方向が不安定となるために、消音器3の外周壁面上における圧力の低下量が変動し、消音器3を圧力の低下側に引き寄せる力が変動する。その結果、消音器3を介して車両に作用する力が変動し、車両の運転が不安定となる。壁面の電圧が高くなると、触媒コンバータ1および排気管2においても同様に触媒コンバータ1および排気管2の外壁面上において空気の剥離を生ずる。従って、この場合、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下させれば、図5Aにおける実線の矢印に示されるように空気の流れが安定し、それによって車両の運転安定性が向上せしめられることになる。

0025

このように排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下させると、機関出力を向上せしめることができると共に車両の運転安定性を向上せしめることができる。そこで、本発明者は、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下させる方法について検討を重ね、その結果、排気系部品の支持部材、即ちゴム片5に帯電している電荷を減少させると、即ちゴム片5を除電すると、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下させ得ることを見出したのである。

0026

即ち、ゴム片5を除電するとゴム片5の壁面の電圧が低下する。ゴム片5の壁面の電圧が低下すると、ゴム片5を介して支持されている排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧が低下する。従って、ゴム片5を除電すると、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧が低下せしめられ、それによって機関出力を向上せしめることができると共に車両の運転安定性を向上せしめることができることになる。

0027

そこで次に本発明者は、排気系部品の支持部材、即ちゴム片5を除電するための簡便な除電方法について検討し、その結果、自己放電式除電器を用いた簡便な除電方法を見出したのである。この自己放電式除電器の一例が図7Aから図7Cに示されている。なお、図7Aおよび図7Bは、代表的な自己放電式除電器10の平面図および側面断面図を夫々示しており、図7Cは、別の自己放電式除電器10の側面断面図を示している。

0028

図7Aおよび図7Bに示される例では、この自己放電式除電器10は細長矩形状の平面形状をなすと共に、除電すべき非導電性部材15の非導電性壁面上に導電性接着剤12により接着せしめられる金属箔11からなる。一方、図7Cに示される例では、この自己放電式除電器10は除電すべき非導電性部材15の非導電性壁面上に一体的に形成された導電性薄膜からなる。本発明では、この自己放電式除電器10を用いて、排気系部品の支持部材、即ちゴム片5を除電するようにしている。なお、この排気系部品の除電方法について説明を行う前に、本発明による、自己放電式除電器10を用いた基本的な除電の仕方について、自己放電式除電器10により非導電性部材15の非導電性壁面(以下、単に非導電性部材15の壁面という)を除電する場合を例にとって、先に説明する。

0029

図8Aは、図7Aおよび7Bに示される自己放電式除電器10を非導電性部材15の壁面上に設置した場合を示している。このように自己放電式除電器10を非導電性部材15の壁面上に設置すると、図8Bに示されるように、自己放電式除電器10の設置箇所を中心とした破線で示す限られた範囲内の非導電性部材15の壁面の帯電電荷量が低下せしめられ、その結果図8Bにおいて破線で示す限られた範囲内の非導電性部材15の壁面の電圧が低下せしめられることが確認されている。

0030

この場合、自己放電式除電器10により非導電性部材15の壁面の除電が行われるときの除電メカニズムについては明らかではないが、おそらく自己放電式除電器10からの正の電荷の放電作用によって自己放電式除電器10の設置箇所周りの非導電性部材15の壁面の除電作用が行われているものと推測される。次に、図8Aに示される自己放電式除電器10の拡大断面図を示す図9Aと、図9Aに示す自己放電式除電器10の端部の拡大図を示す図9Bを参照しつつ、非導電性部材15の壁面において行われていると推測される除電メカニズムについて説明する。

0031

ところで、非導電性部材15に電荷が帯電する場合には、電荷は非導電性部材15の内部に帯電せず、非導電性部材15の壁面上に帯電する。一方、図1に示されるゴム片5は非導電性ゴム材料から形成されており、従って図1に示されるゴム片5は非導電性部材からなる。従って、ゴム片5に電荷が帯電すると、電荷はゴム片5の壁面に帯電することになる。なお、前述したように、図1に示される排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3には正の電荷が帯電することが確かめられており、更に、ゴム片5の壁面には正の電荷が帯電することが確かめられている。

0032

本発明による実施例では、排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3を除電するために、ゴム片5の壁面を除電するようにしており、従ってゴム片5の壁面を除電する場合を想定して、図9Aには、非導電性部材15の壁面に正の電荷が帯電している場合が示されている。一方、前述したように、自己放電式除電器10は、導電性接着剤12により非導電性部材15の壁面上に接着された金属箔11からなる。金属箔11および導電性接着剤12は共に導電性であり、従って、金属箔11の内部、即ち自己放電式除電器10の内部には正の電荷が帯電することになる。

0033

ところで、自己放電式除電器10の電圧は自己放電式除電器10の周りの非導電性部材15の壁面の電圧とほぼ等しくなっており、従って自己放電式除電器10の電圧はかなり高くなっている。一方、前述したように、空気は正に帯電する傾向があり、従って空気の一部は正の空気イオン(丸内に+で表示)となっている。この場合、空気イオンの電位と自己放電式除電器10の電位とを比べると、自己放電式除電器10の電位の方が空気イオンの電位に比べてかなり高くなっている。従って、空気イオンが図9Bに示されるように、例えば自己放電式除電器10の角部13に近づくと、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間の電界強度が高くなり、その結果、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずることになる。

0034

空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずると、図9Bに示されるように、空気イオンの電子の一部が自己放電式除電器10内に移動するため、空気イオンの正の帯電量が増大し(丸内に++で表示)、自己放電式除電器10内に移動した電子によって自己放電式除電器10に帯電している正の電荷が中和される。一旦、放電が行われると放電が生じやすくなり、別の空気イオンが自己放電式除電器10の角部13に近づくと空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間でただちに放電が生ずることになる。即ち、自己放電式除電器10の周りの空気が移動していると、空気イオンが次から次へと自己放電式除電器10の角部13に近づき、従って空気イオンと自己放電式除電器10の角部13との間で継続的に放電が生ずることになる。

0035

空気イオンと自己放電式除電器10の角部13との間で継続的に放電が生ずると、自己放電式除電器10に帯電している正の電荷が次から次へと中和され、その結果自己放電式除電器10に帯電している正の電荷量が減少する。自己放電式除電器10に帯電している正の電荷量が減少すると、自己放電式除電器10の周囲の非導電性部材15の壁面に帯電している正の電荷が自己放電式除電器10内に移動し、従って自己放電式除電器10の周囲の非導電性部材15の壁面に帯電している正の電荷も減少する。その結果、自己放電式除電器10および自己放電式除電器10の周囲の非導電性部材15の壁面の電圧が徐々に低下していくことになる。このような自己放電式除電器10および自己放電式除電器10の周囲の非導電性部材15の壁面の電圧の低下作用は、自己放電式除電器10の電圧が低くなって放電作用が停止するまで継続し、その結果、図8Bに示されるように、自己放電式除電器10の設置箇所を中心とした破線で示す限られた範囲内の非導電性部材15の壁面の電圧が低下することになる。

0036

一方、前述したように、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13間で放電が生ずると、図9Bに示される如く、正の帯電量の増大した空気イオン(丸内に++で表示)が生成され、この正の帯電量の増大した空気イオンは周囲の空気中に飛散する。この正の帯電量の増大した空気イオンの量は、自己放電式除電器10の周囲を流動する空気の量に比べれば極めて少量である。なお、自己放電式除電器10の周りの空気が停滞しており、空気イオンが移動しない場合には、継続して放電が生じず、非導電性物体15の表面の電圧は低下しない。即ち、非導電性物体15の表面の電圧を低下させるには、自己放電式除電器10の周りの空気を流動させることが必要となる。

0037

空気イオンと自己放電式除電器10間の放電は、空気イオンと自己放電式除電器10の角部13との間、或いは空気イオンと自己放電式除電器10の周辺部の尖端部14との間で生ずる。従って、空気イオンと自己放電式除電器10との間で放電を生じさせ易くずるには、自己放電式除電器10の周辺部に角部13に加え、多数の尖端部14を形成しておくことが好ましいといえる。従って、自己放電式除電器10を作成する際には、大きな寸法の金属箔を切断することによって金属箔11を作成する際に、切断面に尖端部14のようなバリが生ずるように、金属箔を切断することが好ましいことになる。

0038

図7Aおよび7Bに示される自己放電式除電器10の金属箔11は、延性金属、例えばアルミニウム又は銅からなり、本発明による実施例では金属箔11はアルミニウム箔からなる。また、本発明による実施例において用いられているアルミニウム箔11の長手方向の長さは50mmから100mm程度であり、厚みは0.05mmから0.2mm程度である。この場合、図8Bにおいて電圧の低下する破線で示す限られた範囲の直径Dは、150mmから200mm程度となる。なお、自己放電式除電器10として、アルミニウム箔11に導電性接着剤12の層が形成されているアルミニウムテープを切断して用いることもできる。更に、自己放電式除電器10は、図7Cに示されるように、非導電性物体15の表面上に一体的に形成された導電性薄膜から構成することもできる。この場合でも、導電性薄膜の周辺部には、図9Bに示されるような角部13に加え、多数の尖端部14を形成しておくことが好ましい。

0039

本発明による実施例では、図2および図4Aに示されるように、ゴム片5の外周面上に自己放電式除電器10が設置される。このようにゴム片5の外周面上に自己放電式除電器10が設置されると、自己放電式除電器10による除電作用によって、自己放電式除電器10を中心とした一定範囲内の帯電電荷が除去されるために、ゴム片5の外周壁面全体が除電される。その結果、ゴム片5の外周壁面全体の電圧が低下する。ゴム片5の外周壁面全体の電圧が低下すると、ゴム片5を介して支持されている排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧が低下する。その結果、機関出力を向上せしめることができると共に車両の運転安定性を向上せしめることができることになる。

0040

このように本発明では、自己放電式除電器10を、排気系部品の支持部材、即ちゴム片5上に設置することによって排気系部品、即ち触媒コンバータ1、排気管2および消音器3を除電し、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下させることができる。即ち、本発明によれば、エンジンの排気系部品が、非導電性の支持部材を介して車両ボディーにより支持されており、車両ボディーおよびエンジンの排気系部品に正の電荷が帯電する車両の排気装置において、非導電性壁面上に設置すると設置箇所を中心とした限られた範囲内の非導電性壁面上の帯電電荷量を低下させることのできる自己放電式除電器を備えており、この自己放電式除電器を非導電性の支持部材上に設置し、それにより排気系部品を除電するようにしている。

0041

なお、図1に示される実施例では、触媒コンバータ1と排気管2は接続部1a を介して互いに接続されており、排気管2と消音器3は接続部2a を介して互いに接続されている。しかしながら、このような接続部1a 、2a が存在すると、触媒コンバータ1と排気管2間および排気管2と消音器3間における電気的な繋がりが弱くなり、例えば消音器3の壁面の電圧の変化が、隣接する排気管2の電圧に影響を与えなくなる。そこで、このような場合でも、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の壁面の電圧を低下し得るように、図1に示される実施例では、触媒コンバータ1、排気管2および消音器3の夫々が対応するゴム片5を介して車両ボディーにより支持されており、各ゴム片5の外周壁面上に夫々自己放電式除電器10が設置されている。

0042

1触媒コンバータ
2排気管
3消音器
5ゴム片
6、7支持棒
10自己放電式除電器

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

新着 最近公開された関連が強い技術

  • マツダ株式会社の「エンジンの排気装置」が公開されました。(2018/06/21)

    【課題】複数の触媒を備えたエンジンの排気装置において、触媒に対する熱害を抑制しつつ、触媒の利用効率や機能・性能、制御用デバイスの搭載性に優れたコンパクトな排気装置を提供する。【解決手段】複数の触媒を備... 詳細

  • マツダ株式会社の「エンジンの排気装置」が公開されました。(2018/06/21)

    【課題】複数の触媒を備えたエンジンの排気装置において、触媒の利用効率や機能・性能、制御用デバイスの搭載性に優れたコンパクトな排気装置を提供する。【解決手段】複数の触媒を備えたエンジンEの排気浄化装置1... 詳細

  • フタバ産業株式会社の「消音装置」が公開されました。(2018/06/14)

    【課題・解決手段】消音装置は、筐体と、排気管と、を備える。排気管は、筐体の上流に位置し、筐体へと排ガスを導く排気流路を形成し、円筒状である。排気管の下流端部は、直線状であり、筐体の内部に突出している。... 詳細

この技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この技術と関連する挑戦したい社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ