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技術 再構成装置、X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法

出願人 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
発明者 ジョウ・ユウユー・ジョウアダム・ペチェック
出願日 2015年6月29日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-130444
公開日 2016年7月11日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-123841
状態 特許登録済
技術分野 放射線診断機器
主要キーワード エネルギー積分 反復的アルゴリズム 下位問題 正則化法 ウォーム駆動 制約問題 アフィン空間 代替選択肢
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重要な関連分野

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図面 (7)

課題

複数の検出器によってそれぞれ収集された複数の投影データを用いて生成される画像の画質を向上させることができる再構成装置X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法を提供すること。

解決手段

実施形態の再構成装置は、取得部と、再構成部とを備える。取得部は、被検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する。再構成部は、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像を再構成する。前記再構成部は、前記最適化問題法に、分割に基づく下位問題法を用いて前記統合画像を再構成する。

概要

背景

コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)システムおよびその方法は広く使用されており、特に医用イメージングおよび医用診断に使用されている。一般的に、CTシステムは、被検体の身体から1つ以上の断面スライスの画像を作成するものである。X線源等の放射線源が、身体を一方側から曝射する。一般的にX線源に隣接するコリメータX線ビーム角度範囲を制限し、それにより、身体に作用する放射線は各身体の断面スライスを画定する平面領域(すなわち、X線投影面)に実質的に制限される。身体の反対側にある少なくとも1つの検出器(一般的には1つよりさらに多い検出器)が、実質的に身体の投影面を透過した放射線を受ける。CTシステムは、身体を透過した放射線の減衰を、検出器から受信した電気信号を処理することによって測定する。

一連の異なる投影角度で身体における投影測定を行うことにより、一方の軸(例えば、水平軸)に沿った検出器アレイ空間次元およびもう一方の軸(例えば、垂直軸)に沿った時間/角度の次元を利用して、投影データからサイノグラムが構成される。身体におけるある特定のボリューム(例えば、脊椎など)に起因する減衰は、CTシステムの回転軸に対応する検出器に沿って、空間次元の周囲に正弦波を描く。身体に関わるボリュームは、回転の中心から遠い場合に、回転の中心から近い場合に比べ、サイノグラムにおいてより大きな振幅の正弦波に対応する。サイノグラムにおける各正弦波位相は、回転軸に対する相対的な角度位置に対応する。逆ラドン(Radon)変換(あるいは同等の画像再構成方法)を行うことにより、サイノグラム中の投影データから画像が再構成され、再構成された画像は、身体の1つの断面スライスに対応する。

従来、エネルギー積分検出器は、CT投影データを測定するために使用されてきた。現在では、最近の技術の進展により光子計数検出器(Photon-Counting Detector:PCD)が、エネルギー積分検出器の実用的な代替選択肢となりつつある。PCDには、スペクトルCTの実行能力を含め多くの利点がある。PCDは、透過されたX線データのスペクトル上の性質を得るために、X線ビームをエネルギー成分すなわちスペクトルビンに分割し、各ビン光子数カウントする。スペクトルCTは、2つ以上のエネルギーレベルで送信されたX線の検出を伴うため、一般的には、二重エネルギーCTと定義されるものである。

スペクトルCT技術は、物質識別およびビーム硬化補正を改良でき、多くの臨床上の応用に有益である。さらに、半導体に基づくPCDは、従来のスペクトルCT技術(例えば、デュアルエナジー、kVpスイッチング等)と比較して、提供されるスペクトルの情報が改善されており、スペクトルCTにとっての有望な候補である。

スペクトルCTおよびスペクトルX線イメージング全般の利点の一つとして、異なる原子番号Zの原子を持つ物質は、異なるスペクトルプロファイルを示して減衰することが挙げられる。それにより、複数のX線エネルギーの減衰を測定すれば、物質が、それらを構成する原子の平均スペクトル吸収プロファイル(すなわち、物質の有効Z)に基づき識別される。このような物質の識別(すなわち、骨等の高Z物質と水等の低Z物質との識別)により、スペクトル領域から物質的領域への物質分解が可能となる。場合によっては、この物質分解は、二重エネルギー分析方法を利用して行われる。

二重エネルギー分析方法が利用されるのは、生体物質内でのX線の減衰が2つの物理的プロセス(すなわち、光電効果による散乱およびコンプトン(Compton)散乱)に支配されているからである。したがって、エネルギー関数である減衰係数は、以下の式(1)の分解によって近似される。

ここで、式(1)における「μPE(E,x,y)」は光電効果による減衰であり、「μC(E,x,y)」はコンプトン減衰である。この減衰係数は、高Z物質(例えば、物質1)および低Z物質(例えば、物質2)との分解に書き換えることができ、以下の式(2)で示すことができる。

ここで、式(2)における「C1(x,y)」および「C2(x,y)」は、それぞれ位置(x,y)における物質1および物質2の密度を示す空間的な関数である。

ここで、画像再構成においては、スペクトル領域と物質的領域のいずれかの投影データを利用することができる。まず、測定のために投影データおよび検出器アーチファクトが取得され、投影データが補正されることで、被検体OBJの画像を再構成するための投影データが準備される。画像を再構成するための画像再構成問題は、一般的に、逆投影手法(例えば、フィルタ補正逆投影)、反復再構成手法(例えば、代数的再構成法(Algebraic Reconstruction Technique:ART)および全変動最小化のための正則化法)、フーリエ変換に基づく手法(例えば、直接フーリエ法)、および統計的手法(例えば、最尤期待値最大化アルゴリズムに基づく方法)のいずれかの方法を用いて解くことができる。ここで、画像再構成問題は、以下の式(3)で示した行列方程式として定式化されることが多い。

なお、式(3)における「g」は被検体OBJを含む被検体空間を透過したX線の投影計測(投影データ)であり、「A」は被検体空間を透過したX線の離散線積分(すなわち、ラドン変換)を表すシステム行列マトリックス)であり、「f」は被検体OBJの画像(すなわち、システム行列等式を解くことによって求められる数量)である。画像「f」は、位置の関数としての減衰マップである。

上記したシステム行列等式の解を求める方法の一つは、これを最適化問題として書き直すことである。その最適化問題は、画像解を既知画像特徴に従うように制約する正則化項(例えば、身体の場合、一般的に、身体の器官では一様な減衰密度であり器官の境界では減衰密度の急激な変化を示すので、全変動最小化のための正則化項を推奨)を含むこともできる。

上記行列方程式が最適化問題として書き直される場合、任意の数の反復的アルゴリズムを使用して最適化問題を解くことができる。例えば、代数的再構成法(ART)では、システム行列等式の行により定義されるアフィン空間のそれぞれに、一連の射影をすることで画像「f」の推定値を改善するというやり方で、アフィン射影の反復的方法を使用する。その一連のアフィン射影を行い何度も繰り返すと、画像推定値がシステム行列等式の解に収束する。正則化条件や項を一連のアフィン射影間に挿入すると、解についての制約が課され、再構成した画像が物理的に意味のある、現実的な解に確実に収束するようになる。例えば、身体は放射線を吸収することが分かっているので、身体を透過したゲイン(すなわち、負の減衰)があれば反物理的結果である。したがって、再構成した画像内の反物理的なゲイン領域をなくすために負でない正則化条件を課すことができる。

当量ノイズがある場合であっても、正則化条件で補強された反復的再構成アルゴリズムにより、少ない枚数の画像のみを用いた高品質の再構成が可能となる。再構成反復間への正則化演算子の適用は、最終結果が一定の先験的(a priori)モデル整合性を持つように調整して、少ない枚数、制限された角度、および高ノイズの投影状況に対応できるようにすることを目指すものである。例えば、上述のように強制的に正の値にすることは、単純であるが一般的な正則化方法である。

第2の正則化条件は、凸面セットへの投影(Projection On Convex Set:POCS)と組み合わせた全変動(Total Variation:TV)最小化である。TV最小化アルゴリズムでは、画像は、複数の大きな領域において全体的に一様であるが、それら一様の領域の境界では急な変化があると仮定する。先験的モデルが画像被検体と適度に一致していれば、再構成問題が極めて劣決定(例えば、画像枚数が少ない状況など)である、或いは、投影角度に抜けがある、またはデータが高ノイズであるなどの場合であっても、これらの正則化した反復的再構成アルゴリズムによって印象的な画像を生成できる。ここで、TV正則化を含んだ最適化問題は、以下の式(4)によって表せる。

ここで、式(4)における最後の項である勾配強度画像の「l1ノルム」は、等方性TVセミノルムである。また、空間ベクトル画像「∇u」は、画像勾配離散的な近似である。また、式(4)における「|∇f|」は、勾配強度画像、すなわち、画素値画素の位置における勾配強度である画像配列である。

このように、最適化問題を定式化した後、最適化問題を解くためのアルゴリズムとして多くの選択肢があるが、最適化問題の具体的な詳細の違いにより、他のアルゴリズムよりも効率的なアルゴリズムがいくつか選別される。例えば、主双対Chambolle-Pock(CP)アルゴリズムは、ある種の画像再構成最適化問題を解くのに効率的である。

最適化問題の反復的な解法としては、他に2つの関連する手法がある。交互方向乗数法(Alternating Direction Method of Multipliers:ADMM)および拡張ラグランジュ乗数法である。これら2つの手法は、分割に基づく反復的アルゴリズムの例である。これらの分割に基づく反復的手法では、単一の最適化問題を細分化して、それぞれ反復的な方法で解くことができる一連の下位問題に分けることによって効率性を追求することができる。

その最適化問題はやや一般的な形に展開させることができるが、ADMMのほとんどの適用例には、以下の式(5)に示すような問題定式化で十分である。

ここで、式(5)における「M」はm×n行列であり、「列フルランク(full column rank)」と仮定されることが多く、「f(x)」および「g(x)」はそれぞれ「太字Rn(以下、太字RをRと記す)」および「Rm」上の凸関数である。関数「f(x)」および「g(x)」は、有限数だけでなく正の無限大(+∞)にもなり得るので、「f(x)」および「g(x)」には、「f(x)=∞またはg(Mx)=∞であれば、そのような点xは実現不可能である」という意味の制約を「組み込む」こともできる。

ここで、「f(x)」または「g(x)」が無限大であることを適切に利用すれば、かなり幅広い範囲の凸問題がこの最適化問題によってモデル化される。しかしながら、より具体的な検討のために、ここでは、単純な具体例を説明する。かかる具体例は、無限大の関数値を全く使用せずにこの定式に極めて容易に適合し、ADMMへの関心を再び呼び起こす多くの適用例と基本的な構造が似ている「LASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)」または「圧縮センシング」の問題である。かかる問題は、例えば、以下の式(6)で示される。

ここで、式(6)における「A」はp×n行列であり、「b∈RP」、「v」は正(>0)のスカラーパラメータである。このモデルの目的は、線形等式「Ax=b」について近似解を求めることであるが、解ベクトル「x∈Rn」を疎にすることが望ましい。したがって、モデルでは、パラメータ「v」の値が大きければ大きいほど、線形等式「Ax=b」を正確に解くことに比べ解が疎であることの優先度が高くなる。このモデルは、線形等式「Ax=b」について疎な近似解を求めるという意味では明らかに限界がある一方で、ADMMの適切な適用例である。なぜなら、現在広く行われている他の多くの適用例は類似の一般的な形であるものの、「l1ノルム」の代わりに、さらに複雑なノルムが使用されていることがあるからである。例えば、ある適用例では、「x」は行列として扱われ、目的関数における核型ノルム(特異値の合計)を使用して、帰納的に「x」を低い階数にすることを目指す。

ここで、古典的な拡張ラグランジュ法およびADMMを、この最適化問題に関連して説明する。まず、当該最適化問題は、追加の決定変数「z∈Rm」を導入して、以下の式(7)のように書き直すことができる。

上記定式化の場合、古典的な拡張ラグランジュアルゴリズムは、以下の式(8)の再帰として表現される。

ここで、式(8)における「λk」は、制約「Mk=z」におけるラグランジュ乗数についての一連の推定値であり、「(xk,zk)」は解ベクトル「x」および「z」についての一連の推定値であり、「ck」は0から離れるように制約された一連の正のスカラーパラメータである。記号〈a,b〉は、通常のユークリッド内積「aTb」である。

この設定において、標準的な拡張ラグランジュアルゴリズムはあまり魅力的ではない。なぜなら、上記数式中の第2の下位問題における「f(x)」の最小化および「g(x)」の最小化は、互いに以下の式(9)で示す項によって強く結合されているため、下位問題が元の問題よりも解き難い可能性があるためである。

対照的に、交互方向乗数法(ADMM)は、解きやすい下位問題に分かれるように定式化される。例えば、ADMM問題は以下の式(10)の形をとる。

ここで、明らかに、式(10)における定数項「g(zk)」および「f(xk+1)」、さらには他のいくつかの定数項は、上記複数の数式における各最小化対象関数から省かれてよい。このように、上記した古典的な拡張ラグランジュ法とは異なり、ADMMは原則的に関数「f(x)」および関数「g(x)」を分離する。種々の状況において、この分離によって「f(x)」および「g(x)」それぞれの個別の構造を引き出すことが可能になるので、上記数式が効率的な、また恐らくは同時並行的なやり方で計算できるようになる。

概要

複数の検出器によってそれぞれ収集された複数の投影データを用いて生成される画像の画質を向上させることができる再構成装置X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法を提供すること。実施形態の再構成装置は、取得部と、再構成部とを備える。取得部は、被検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する。再構成部は、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像を再構成する。前記再構成部は、前記最適化問題法に、分割に基づく下位問題法を用いて前記統合画像を再構成する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、複数の検出器によってそれぞれ収集された複数の投影データを用いて生成される画像の画質を向上させることができる再構成装置、X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する取得部と、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像再構成する再構成部と、を備え、前記再構成部は、前記最適化問題法に、分割に基づく下位問題法を用いて前記統合画像を再構成する、再構成装置

請求項2

前記再構成部は、前記投影データセットにそれぞれ対応するサイノグラムに関する下位問題法であるサイノグラム下位問題法を用いて前記統合画像を再構成し、前記サイノグラム下位問題法は、前記少なくとも1つの修正双対変数に含まれる複数の修正双対変数を更新するための複数の修正双対変数更新式と、前記サイノグラムを更新することで近似サイノグラムを算出するサイノグラム更新式と、統合画像を更新することで近似統合画像を算出する統合画像更新式とを含み、前記投影データセットにそれぞれ対応する各近似サイノグラムは、対応する更新前の近似統合画像および対応する更新前の複数の修正双対変数を用いて、対応するサイノグラム更新式を最小化するように計算され、前記近似統合画像は、前記更新された複数の近似サイノグラムおよび前記更新前の複数の修正双対変数を用いて統合画像更新式を最小化するように計算され、各修正双対変数更新式は、対応する更新前の複数の修正双対変数、対応する更新された近似サイノグラム、および更新された近似統合画像を用いて、対応する修正双対変数を更新する、請求項1に記載の再構成装置。

請求項3

前記再構成部は、前記複数の近似サイノグラムの更新と、前記近似統合画像の更新と、前記複数の修正双対変数の更新とを含む更新ループを、停止基準が満たされるまで反復的に繰り返し、各ループ反復の後に、前記更新された複数の修正双対変数が、前記更新前の複数の修正双対変数になり、前記更新された複数の近似サイノグラムが前記更新前の複数のサイノグラムになり、前記更新された近似統合画像が前記更新前の近似統合画像になる、請求項2に記載の再構成装置。

請求項4

前記再構成部はさらに、前記停止基準が満たされると前記更新ループを反復的に繰り返すことを停止し、前記停止基準は、前記更新前の近似統合画像と前記更新された近似統合画像との差を示す尺度量が所定の閾値未満となる場合、または前記更新ループの反復の回数が所定の最大ループ反復回数に達した場合に満たされる、請求項3に記載の再構成装置。

請求項5

前記再構成部は、複数の別々の画像を再構成するフィルタ補正逆投影法を用いて前記近似統合画像を更新し、前記複数の別々の画像は、対応する前記データセットシステム行列、および対応する前記データセットの近似サイノグラムと対応する前記修正双対変数との差を用いて取得されたものであり、前記更新された近似統合画像は、前記複数の別々の画像の組み合わせである、請求項2に記載の再構成装置。

請求項6

前記再構成部は、対応する前記近似サイノグラムと対応する前記投影データセットのサイノグラムとの差の第1の重み付きノルムを含む各サイノグラム更新式を用いて前記複数の近似サイノグラムを更新する、請求項5に記載の再構成装置。

請求項7

前記再構成部は、前記第1の重み付きノルムの重み付き行列が、対応する前記データセットの非対角な統計的行列である各サイノグラム更新式を用いて前記複数の近似サイノグラムを更新する、請求項6に記載の再構成装置。

請求項8

前記再構成部は、第2の重み付きノルムを含み、かつ、前記第2の重み付きノルムの引数は、対応する前記近似サイノグラム、対応する前記修正双対変数、および対応する前記システム行列と前記更新前の近似統合画像との積の間の差である各サイノグラム更新式を用いて前記複数の近似サイノグラムを更新する、請求項7に記載の再構成装置。

請求項9

前記再構成部は、複数の重み付きノルムを含むこと、及び、各重み付きノルムの引数は、対応する前記近似サイノグラム、対応する前記システム行列と前記近似統合画像との積、および対応する前記修正双対変数の間の差であることを含む前記統合画像更新式を用いて前記近似統合画像を更新し、前記統合画像更新式における各重み付きノルムは、対応する重み付き対角行列を用い、前記重み付き対角行列の対角値は前記統合画像更新式の条件数を減らす、請求項2に記載の再構成装置。

請求項10

前記再構成部は、正則化項を含む前記統合画像更新式を用いて前記近似統合画像を更新する、請求項9に記載の再構成装置。

請求項11

前記再構成部は、前記サイノグラム下位問題法を用いて前記統合画像を再構成し、プレコンディショナが、統合画像更新式の前記重み付きノルムの引数および前記複数のサイノグラム更新式の前記重み付きノルムの前記引数によって乗算され、前記サイノグラム下位問題法の収束速度を上げる、請求項4に記載の再構成装置。

請求項12

前記再構成部は、画像下位問題法である、前記分割に基づく下位問題法を用いて前記統合画像を再構成し、複数の個別画像更新式を用いて複数の個別画像を更新し、更新された複数の個別画像および前記更新前の少なくとも1つの修正双対変数を用いて、前記少なくとも1つの修正双対変数を更新し、各個別画像は、前記投影データのそれぞれのデータセットに対応し、更新前の複数の個別画像および更新前の少なくとも1つの修正双対変数を用いて、対応する個別画像更新式を最適化するように計算される、請求項1に記載の再構成装置。

請求項13

前記再構成部は、前記複数の個別画像のそれぞれを再構成するフィルタ補正逆投影法を用いて前記複数の個別画像を更新する、請求項12に記載の再構成装置。

請求項14

前記再構成部は、対応する前記データセットのサイノグラムおよび、対応する前記システム行列と対応する前記データセットの前記個別画像との積の間の差の重み付きノルムをそれぞれ含む前記複数の個別画像更新式を用いて、前記複数の個別画像を更新する、請求項12に記載の再構成装置。

請求項15

前記再構成部は、第1の個別画像更新式が正則化項を含む前記複数の個別画像更新式を用いて、前記複数の個別画像を更新する、請求項14に記載の再構成装置。

請求項16

前記再構成部は、前記複数の個別画像および前記少なくとも1つの修正双対変数の間の差のノルムを含む前記複数の個別画像更新式を用いて、前記複数の個別画像を更新する、請求項15に記載の再構成装置。

請求項17

前記再構成部は、前記投影データにビーム硬化補正を行う、請求項12に記載の再構成装置。

請求項18

前記再構成部は、前記複数の個別画像の更新と、前記少なくとも1つの修正双対変数の更新とを含む更新ループを、停止基準が満たされるまで反復的に繰り返し、最後の更新ループの結果である前記更新された複数の個別画像の組み合わせである前記統合画像を出力する、請求項12に記載の再構成装置。

請求項19

被検体空間内に放射線照射するように構成された放射線源と、前記被検体空間を通り抜ける放射線を検出するように構成された複数の検出器と、前記被検体空間の周囲に設けられ前記被検体空間の周囲を回転するように構成される回転部材であって、前記放射線源が固定して取り付けられる回転部材と、被検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する取得部と、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像を再構成する再構成部と、を備える、X線コンピュータ断層撮影装置

請求項20

被被検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する取得ステップと、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像を再構成する再構成ステップと、を含む、再構成方法

技術分野

0001

本発明の実施形態は、再構成装置X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法に関する。

背景技術

0002

コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)システムおよびその方法は広く使用されており、特に医用イメージングおよび医用診断に使用されている。一般的に、CTシステムは、被検体の身体から1つ以上の断面スライスの画像を作成するものである。X線源等の放射線源が、身体を一方側から曝射する。一般的にX線源に隣接するコリメータX線ビーム角度範囲を制限し、それにより、身体に作用する放射線は各身体の断面スライスを画定する平面領域(すなわち、X線投影面)に実質的に制限される。身体の反対側にある少なくとも1つの検出器(一般的には1つよりさらに多い検出器)が、実質的に身体の投影面を透過した放射線を受ける。CTシステムは、身体を透過した放射線の減衰を、検出器から受信した電気信号を処理することによって測定する。

0003

一連の異なる投影角度で身体における投影測定を行うことにより、一方の軸(例えば、水平軸)に沿った検出器アレイ空間次元およびもう一方の軸(例えば、垂直軸)に沿った時間/角度の次元を利用して、投影データからサイノグラムが構成される。身体におけるある特定のボリューム(例えば、脊椎など)に起因する減衰は、CTシステムの回転軸に対応する検出器に沿って、空間次元の周囲に正弦波を描く。身体に関わるボリュームは、回転の中心から遠い場合に、回転の中心から近い場合に比べ、サイノグラムにおいてより大きな振幅の正弦波に対応する。サイノグラムにおける各正弦波位相は、回転軸に対する相対的な角度位置に対応する。逆ラドン(Radon)変換(あるいは同等の画像再構成方法)を行うことにより、サイノグラム中の投影データから画像が再構成され、再構成された画像は、身体の1つの断面スライスに対応する。

0004

従来、エネルギー積分検出器は、CT投影データを測定するために使用されてきた。現在では、最近の技術の進展により光子計数検出器(Photon-Counting Detector:PCD)が、エネルギー積分検出器の実用的な代替選択肢となりつつある。PCDには、スペクトルCTの実行能力を含め多くの利点がある。PCDは、透過されたX線データのスペクトル上の性質を得るために、X線ビームをエネルギー成分すなわちスペクトルビンに分割し、各ビン光子数カウントする。スペクトルCTは、2つ以上のエネルギーレベルで送信されたX線の検出を伴うため、一般的には、二重エネルギーCTと定義されるものである。

0005

スペクトルCT技術は、物質識別およびビーム硬化補正を改良でき、多くの臨床上の応用に有益である。さらに、半導体に基づくPCDは、従来のスペクトルCT技術(例えば、デュアルエナジー、kVpスイッチング等)と比較して、提供されるスペクトルの情報が改善されており、スペクトルCTにとっての有望な候補である。

0006

スペクトルCTおよびスペクトルX線イメージング全般の利点の一つとして、異なる原子番号Zの原子を持つ物質は、異なるスペクトルプロファイルを示して減衰することが挙げられる。それにより、複数のX線エネルギーの減衰を測定すれば、物質が、それらを構成する原子の平均スペクトル吸収プロファイル(すなわち、物質の有効Z)に基づき識別される。このような物質の識別(すなわち、骨等の高Z物質と水等の低Z物質との識別)により、スペクトル領域から物質的領域への物質分解が可能となる。場合によっては、この物質分解は、二重エネルギー分析方法を利用して行われる。

0007

二重エネルギー分析方法が利用されるのは、生体物質内でのX線の減衰が2つの物理的プロセス(すなわち、光電効果による散乱およびコンプトン(Compton)散乱)に支配されているからである。したがって、エネルギー関数である減衰係数は、以下の式(1)の分解によって近似される。

0008

0009

ここで、式(1)における「μPE(E,x,y)」は光電効果による減衰であり、「μC(E,x,y)」はコンプトン減衰である。この減衰係数は、高Z物質(例えば、物質1)および低Z物質(例えば、物質2)との分解に書き換えることができ、以下の式(2)で示すことができる。

0010

0011

ここで、式(2)における「C1(x,y)」および「C2(x,y)」は、それぞれ位置(x,y)における物質1および物質2の密度を示す空間的な関数である。

0012

ここで、画像再構成においては、スペクトル領域と物質的領域のいずれかの投影データを利用することができる。まず、測定のために投影データおよび検出器アーチファクトが取得され、投影データが補正されることで、被検体OBJの画像を再構成するための投影データが準備される。画像を再構成するための画像再構成問題は、一般的に、逆投影手法(例えば、フィルタ補正逆投影)、反復再構成手法(例えば、代数的再構成法(Algebraic Reconstruction Technique:ART)および全変動最小化のための正則化法)、フーリエ変換に基づく手法(例えば、直接フーリエ法)、および統計的手法(例えば、最尤期待値最大化アルゴリズムに基づく方法)のいずれかの方法を用いて解くことができる。ここで、画像再構成問題は、以下の式(3)で示した行列方程式として定式化されることが多い。

0013

0014

なお、式(3)における「g」は被検体OBJを含む被検体空間を透過したX線の投影計測(投影データ)であり、「A」は被検体空間を透過したX線の離散線積分(すなわち、ラドン変換)を表すシステム行列マトリックス)であり、「f」は被検体OBJの画像(すなわち、システム行列等式を解くことによって求められる数量)である。画像「f」は、位置の関数としての減衰マップである。

0015

上記したシステム行列等式の解を求める方法の一つは、これを最適化問題として書き直すことである。その最適化問題は、画像解を既知画像特徴に従うように制約する正則化項(例えば、身体の場合、一般的に、身体の器官では一様な減衰密度であり器官の境界では減衰密度の急激な変化を示すので、全変動最小化のための正則化項を推奨)を含むこともできる。

0016

上記行列方程式が最適化問題として書き直される場合、任意の数の反復的アルゴリズムを使用して最適化問題を解くことができる。例えば、代数的再構成法(ART)では、システム行列等式の行により定義されるアフィン空間のそれぞれに、一連の射影をすることで画像「f」の推定値を改善するというやり方で、アフィン射影の反復的方法を使用する。その一連のアフィン射影を行い何度も繰り返すと、画像推定値がシステム行列等式の解に収束する。正則化条件や項を一連のアフィン射影間に挿入すると、解についての制約が課され、再構成した画像が物理的に意味のある、現実的な解に確実に収束するようになる。例えば、身体は放射線を吸収することが分かっているので、身体を透過したゲイン(すなわち、負の減衰)があれば反物理的結果である。したがって、再構成した画像内の反物理的なゲイン領域をなくすために負でない正則化条件を課すことができる。

0017

当量ノイズがある場合であっても、正則化条件で補強された反復的再構成アルゴリズムにより、少ない枚数の画像のみを用いた高品質の再構成が可能となる。再構成反復間への正則化演算子の適用は、最終結果が一定の先験的(a priori)モデル整合性を持つように調整して、少ない枚数、制限された角度、および高ノイズの投影状況に対応できるようにすることを目指すものである。例えば、上述のように強制的に正の値にすることは、単純であるが一般的な正則化方法である。

0018

第2の正則化条件は、凸面セットへの投影(Projection On Convex Set:POCS)と組み合わせた全変動(Total Variation:TV)最小化である。TV最小化アルゴリズムでは、画像は、複数の大きな領域において全体的に一様であるが、それら一様の領域の境界では急な変化があると仮定する。先験的モデルが画像被検体と適度に一致していれば、再構成問題が極めて劣決定(例えば、画像枚数が少ない状況など)である、或いは、投影角度に抜けがある、またはデータが高ノイズであるなどの場合であっても、これらの正則化した反復的再構成アルゴリズムによって印象的な画像を生成できる。ここで、TV正則化を含んだ最適化問題は、以下の式(4)によって表せる。

0019

0020

ここで、式(4)における最後の項である勾配強度画像の「l1ノルム」は、等方性TVセミノルムである。また、空間ベクトル画像「∇u」は、画像勾配離散的な近似である。また、式(4)における「|∇f|」は、勾配強度画像、すなわち、画素値画素の位置における勾配強度である画像配列である。

0021

このように、最適化問題を定式化した後、最適化問題を解くためのアルゴリズムとして多くの選択肢があるが、最適化問題の具体的な詳細の違いにより、他のアルゴリズムよりも効率的なアルゴリズムがいくつか選別される。例えば、主双対Chambolle-Pock(CP)アルゴリズムは、ある種の画像再構成最適化問題を解くのに効率的である。

0022

最適化問題の反復的な解法としては、他に2つの関連する手法がある。交互方向乗数法(Alternating Direction Method of Multipliers:ADMM)および拡張ラグランジュ乗数法である。これら2つの手法は、分割に基づく反復的アルゴリズムの例である。これらの分割に基づく反復的手法では、単一の最適化問題を細分化して、それぞれ反復的な方法で解くことができる一連の下位問題に分けることによって効率性を追求することができる。

0023

その最適化問題はやや一般的な形に展開させることができるが、ADMMのほとんどの適用例には、以下の式(5)に示すような問題定式化で十分である。

0024

0025

ここで、式(5)における「M」はm×n行列であり、「列フルランク(full column rank)」と仮定されることが多く、「f(x)」および「g(x)」はそれぞれ「太字Rn(以下、太字RをRと記す)」および「Rm」上の凸関数である。関数「f(x)」および「g(x)」は、有限数だけでなく正の無限大(+∞)にもなり得るので、「f(x)」および「g(x)」には、「f(x)=∞またはg(Mx)=∞であれば、そのような点xは実現不可能である」という意味の制約を「組み込む」こともできる。

0026

ここで、「f(x)」または「g(x)」が無限大であることを適切に利用すれば、かなり幅広い範囲の凸問題がこの最適化問題によってモデル化される。しかしながら、より具体的な検討のために、ここでは、単純な具体例を説明する。かかる具体例は、無限大の関数値を全く使用せずにこの定式に極めて容易に適合し、ADMMへの関心を再び呼び起こす多くの適用例と基本的な構造が似ている「LASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)」または「圧縮センシング」の問題である。かかる問題は、例えば、以下の式(6)で示される。

0027

0028

ここで、式(6)における「A」はp×n行列であり、「b∈RP」、「v」は正(>0)のスカラーパラメータである。このモデルの目的は、線形等式「Ax=b」について近似解を求めることであるが、解ベクトル「x∈Rn」を疎にすることが望ましい。したがって、モデルでは、パラメータ「v」の値が大きければ大きいほど、線形等式「Ax=b」を正確に解くことに比べ解が疎であることの優先度が高くなる。このモデルは、線形等式「Ax=b」について疎な近似解を求めるという意味では明らかに限界がある一方で、ADMMの適切な適用例である。なぜなら、現在広く行われている他の多くの適用例は類似の一般的な形であるものの、「l1ノルム」の代わりに、さらに複雑なノルムが使用されていることがあるからである。例えば、ある適用例では、「x」は行列として扱われ、目的関数における核型ノルム(特異値の合計)を使用して、帰納的に「x」を低い階数にすることを目指す。

0029

ここで、古典的な拡張ラグランジュ法およびADMMを、この最適化問題に関連して説明する。まず、当該最適化問題は、追加の決定変数「z∈Rm」を導入して、以下の式(7)のように書き直すことができる。

0030

0031

上記定式化の場合、古典的な拡張ラグランジュアルゴリズムは、以下の式(8)の再帰として表現される。

0032

0033

ここで、式(8)における「λk」は、制約「Mk=z」におけるラグランジュ乗数についての一連の推定値であり、「(xk,zk)」は解ベクトル「x」および「z」についての一連の推定値であり、「ck」は0から離れるように制約された一連の正のスカラーパラメータである。記号〈a,b〉は、通常のユークリッド内積「aTb」である。

0034

この設定において、標準的な拡張ラグランジュアルゴリズムはあまり魅力的ではない。なぜなら、上記数式中の第2の下位問題における「f(x)」の最小化および「g(x)」の最小化は、互いに以下の式(9)で示す項によって強く結合されているため、下位問題が元の問題よりも解き難い可能性があるためである。

0035

0036

対照的に、交互方向乗数法(ADMM)は、解きやすい下位問題に分かれるように定式化される。例えば、ADMM問題は以下の式(10)の形をとる。

0037

0038

ここで、明らかに、式(10)における定数項「g(zk)」および「f(xk+1)」、さらには他のいくつかの定数項は、上記複数の数式における各最小化対象関数から省かれてよい。このように、上記した古典的な拡張ラグランジュ法とは異なり、ADMMは原則的に関数「f(x)」および関数「g(x)」を分離する。種々の状況において、この分離によって「f(x)」および「g(x)」それぞれの個別の構造を引き出すことが可能になるので、上記数式が効率的な、また恐らくは同時並行的なやり方で計算できるようになる。

0039

米国特許出願第14/293,427号明細書
米国特許出願第13/426,903号明細書
米国特許出願第14/092,998号明細書

先行技術

0040

J. Eckstein,「凸最適化のための拡張ラグランジュ法および交互方向乗数法:手引きと計算結果の実例(Augmented Lagrangian and Alternating Direction Methodsfor Convex Optimization: A Tutorial and Some Illustrative Computational Results)」,RUTCOR Research ReportRRR32-2012,Rutgers University 2012年12月
A. Ramani and J. Fessler,「高速統計的X線CT再構成のための分割に基づく反復アルゴリズム(A splitting-based iterative algorithm for accelerated statistical X-ray CT reconstruction)」,IEEE Trans. Med. Imaging,31巻,p.577 2012年

発明が解決しようとする課題

0041

本発明が解決しようとする課題は、複数の検出器によってそれぞれ収集された複数の投影データを用いて生成される画像の画質を向上させることができる再構成装置、X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0042

実施形態の再構成装置は、取得部と、再構成部とを備える。取得部は、被検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する。再構成部は、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像を再構成する。前記再構成部は、前記最適化問題法に、分割に基づく下位問題法を用いて前記統合画像を再構成する。

図面の簡単な説明

0043

図1は、画像再構成方法の実施態様のフロー図を示す。
図2は、サイノグラム分割による画像再構成方法の実施態様のフロー図を示す。
図3は、画像分割による画像再構成方法の実施態様のフロー図を示す。
図4は、ビーム硬化補正ステップを含む画像分割による画像再構成方法の実施態様のフロー図を示す。
図5は、結合リングトポロジーを備える画像再構成装置の実施態様の概略図を示す。
図6は、内部リング型トポロジーを備える画像再構成装置の実施態様の概略図を示す。

実施例

0044

以下、添付図面を参照して、再構成装置、X線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法の実施形態を詳細に説明する。本明細書に記載の実施形態、及び、それに付随する諸利点の多くは、添付の図面と併せて考察すれば、以下の詳細な説明を参照することによって、理解がより深まり、実施形態のより完全に把握することが容易である。なお、以下では、X線コンピュータ断層撮影装置を、CTスキャナシステムと記載する場合がある。

0045

本明細書の実施形態は、概して、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)画像を再構成する方法、より詳しくは、複数の異なるシステム行列幾何形状による投影データを利用してCT画像を再構成する方法に関する。そして、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置及び再構成方法は、複数の検出器によってそれぞれ収集された複数の投影データを用いて生成される画像の画質を向上させることを可能にする。ここで、本実施形態に係る複数の検出器とは、複数の検出素子を有する検出器が複数組或いは複数グループあることを示し、例えば、複数のエネルギー積分型の検出器と複数のフォトンカウンティング型の検出器とを含む。

0046

上述した従来の例では、単一のCTスキャナシステムでCT画像を再構成することを中心に説明した。しかしながら、複数の測定方法および/または幾何形状を持つCTスキャナシステムも、それぞれの測定方法および測定幾何形状を別々のCTスキャナシステムとして扱って、その測定方法および/または測定幾何形状について別々の画像を再構成することにより、単一の測定方法や幾何形状であるCTシステムと同一視して扱うことができる。ここで、別々の画像を再構成する場合、画像品質の向上に利用できるかもしれないが、複数の測定方法および/または幾何形状間で共用すべき情報が考慮されない。そこで、本願では、以下で説明する改良された画像再構成方法により、複数の測定方法および/または幾何形状を利用して投影データをまとめて処理し、統合画像を再構成することで、画像の画質を向上させる。

0047

具体的には、実施形態のX線コンピュータ断層撮影装置は、被検体を透過した後に複数の検出器によって検出されたX線に基づいてそれぞれ生成された複数の投影データセットを取得する。そして、X線コンピュータ断層撮影装置は、少なくとも1つの修正双対変数を含む最適化問題法を用いることにより、前記複数の投影データセットを統合した統合画像を再構成する。さらに、X線コンピュータ断層撮影装置は、前記最適化問題法に、分割に基づく下位問題法を用いて前記統合画像を再構成する。

0048

例えば、複数の異なる測定方法および/または測定幾何形状を備えるX線コンピュータ断層撮影装置(例えば、エネルギー積分型の検出器とフォトンカウンティング型の検出器とを備えるX線コンピュータ断層撮影装置)においては、それぞれの検出器(例えば、エネルギー積分型の検出器とフォトンカウンティング型の検出器)によって投影データが取得され、各検出器に対応するマトリクスを用いてそれぞれ画像を再構成することができる。ここで、本願では、上記したX線コンピュータ断層撮影装置によって同一被検体から取得した各投影データから再構成される再構成画像は同様のものとなるという仮定のもと、異なる検出器から取得した複数の投影データセットをまとめた最適化問題を構築し、反復的に最適解を探索することにより、複数の投影データセットから画質を向上させた画像を再構成する。ここで、本願では、最適化問題を複数の下位問題に分割することで、効率的に再構成を行う。

0049

複数の異なる測定方法および/または測定幾何形状を備えるイメージングシステム(CTスキャナシステム)の例は種々ある。そのような複数の測定においては、1つ以上の測定方法および/または幾何形状を一体化した単一のイメージングシステムにより行うことができる。あるいは、2つのイメージングシステムにより、統合画像の再構成のために収集後に統合されるデータを使用して行うことができる。また、第3の選択肢として、同一のイメージングシステムで、同一の被検体に対して複数の別々のスキャンおよび/または測定を行うのに、異なる複数の測定上の設定および/またはモダリティ撮像手段)を使用する場合がある。上記の各選択肢に共通するのは、画像再構成のためのシステム行列は異なる測定方法および/または幾何形状間では異なるので、従来のフィルタ補正逆投影法を利用した画像再構成は好適ではないという点である。

0050

各方法や各幾何形状からの測定を個別に処理して個別の方法および幾何形状に対応する別々の画像を再構成することはできるが、よりよい画像再構成は、画像間の共通特徴(例えば、空間的な相関関係なそ)を強調するように、あるいは、すべての測定方法および幾何形状による単一の統合画像を得るように画像を再構成することで可能になることが多い。

0051

例えば、イメージングシステムは、第3世代の幾何形状で配置されたエネルギー積分検出器と、第4世代の幾何形状で疎に配置されたスペクトル光計数検出器(PCD)とをともに備えるハイブリッド型X線コンピュータ断層撮影CTイメージングシステムであってよい。PCDにより多色X線ビームにおけるスペクトルCTを行いつつ、エネルギー積分検出器により従来の(すなわち、非スペクトル)CTを行う。

0052

単一の測定方法または幾何形状によるデータに逆ラドン変換を行い、そのデータから画像を再構成するための解析的手法(例えば、フィルタ補正逆投影法)は存在するものの、複数の測定方法や幾何形状を使用したシステムにおいては、一般的には、解析解は存在しない。しかし、ここで好都合なのは、複数の方法および/または幾何形状のシステムでの画像再構成問題は、システム行列のすべてを取り込むコスト関数を最小化する最適化問題に書き直せることである。特にシステム行列方程式の重み付き疑似逆を利用した第3世代と第4世代とのハイブリッド型CTシステムでの解は、その開示内容全体が参照として本明細書に組み入れられる特許文献1でも検討されている。

0053

しかしながら、最適化問題は、解に使用される行列に対する不良な条件付けに起因する収束の遅さが課題となることがある。例えば、データ中のノイズに相関関係がある場合、統計的な重み付け行列は非対角となり、時としてうまく条件付けができずに、収束が遅い最適化問題になってしまう。

0054

本明細書では第3世代と第4世代とのハイブリッド型システムを中心に議論を進めるが、当業者であれば、本明細書に記載の解法は、複数の異なるシステム行列を一括して解く画像再構成問題を解くことに広く利用可能であることを理解するであろう。したがって、本明細書に記載の方法は、複数の方法や幾何形状によるイメージングシステムの多くに利用可能である。本明細書で記載した第3世代と第4世代とのハイブリッド型システムの利用は、例示を意図したものである。

0055

一実施形態によれば、それぞれのデータセットが個別の検出器構成に対応する複数のデータセットを使用するコンピュータ断層撮影(CT)画像再構成のための装置が提供される。この装置は処理回路を備える。当該処理回路は、被検体空間を透過した後に複数の検出器において検出された放射線の強度を示す投影データを得るように構成される。当該投影データは複数のデータセットを含み、その各データセットは、複数の検出器構成におけるそれぞれの検出器構成に対応する。また、当該処理回路は、当該複数のデータセットを使用して統合画像を再構成するようにも構成される。ここで当該統合画像は、少なくとも1つの修正双対変数および分割に基づく下位問題法を使用して再構成される。

0056

上記装置の一態様によれば、上記処理回路はさらに、サイノグラム下位問題法である、上記分割に基づく下位問題法を用いて上記統合画像を再構成するように構成される。当該サイノグラム下位問題法は、複数の近似サイノグラムを更新するように上記処理回路を構成することを含む。ここで、各近似サイノグラムは上記投影データのそれぞれのデータセットに対応する。また、各近似サイノグラムは、対応する更新前の近似統合画像および対応する更新前の複数の修正双対変数を用いて、対応するサイノグラム更新式を最小化するように計算される。さらに、当該サイノグラム下位問題法は、当該更新された複数の近似サイノグラムおよび上記更新前の複数の修正双対変数を用いて統合画像更新式を最小化するように計算される近似統合画像を更新するように上記処理回路を構成することを含む。さらに、当該サイノグラム下位問題法は、複数の修正双対変数更新式を用いて上記複数の修正双対変数を更新するように上記処理回路を構成することを含む。各修正双対変数更新式は、上記複数の修正双対変数のうち対応する1つの修正双対変数を、対応する上記更新前の複数の修正双対変数、上記更新された近似サイノグラムのうち対応する1つの更新された近似サイノグラム、および上記更新された近似統合画像を用いて更新するものである。

0057

上記装置の一態様によれば、上記処理回路はさらに、画像下位問題法である、分割に基づく下位問題法を使用して統合画像を再構成するように構成される。当該画像下位問題法は、複数の個別画像更新式を使用して、投影データのそれぞれのデータセットに対応する複数の個別画像を更新するように上記処理回路を構成することを含む。ここで各個別画像は、更新前の複数の個別画像および更新前の少なくとも1つの修正双対変数を使用して、対応する個別画像更新式を最適化するように計算される。さらに、当該画像下位問題法は、更新した複数の個別画像および当該更新前の少なくとも1つの修正双対変数を使用して、当該少なくとも1つの修正双対変数を更新するように上記処理回路を構成することを含む。

0058

他の一実施形態によれば、被検体空間内に放射線を照射するように構成された放射線源を備えるCTイメージング装置が提供される。このCTイメージング装置はさらに、被検体空間を通り抜ける放射線を検出するように構成された複数の検出器を備える。このCTイメージング装置はさらに、被検体空間の周囲に設けられ被検体空間の周囲を回転するように構成された回転部材を備え、放射線源は回転部材に固定して取り付けられる。さらに、このCTイメージング装置は処理回路を備える。当該処理回路は、被検体空間を透過した後に複数の検出器において検出された放射線の強度を示す投影データを得るように構成される。当該投影データは複数のデータセットを含み、その各データセットは、複数の検出器構成におけるそれぞれの検出器構成に対応する。また、当該処理回路は、当該複数のデータセットを使用して統合画像を再構成するようにも構成される。ここで当該統合画像は、少なくとも1つの修正双対変数および分割に基づく下位問題法を使用して再構成される。

0059

他の一実施形態によれば、CT画像再構成方法が提供される。この方法は、被検体空間を透過した後に複数の検出器において検出された放射線の強度を示す投影データを得るステップを含む。当該投影データは複数のデータセットを含み、その各データセットは、複数の検出器構成におけるそれぞれの検出器構成に対応する。この方法はさらに、当該複数のデータセットを使用して統合画像を再構成するステップを含む。ここで当該統合画像は、少なくとも1つの修正双対変数および分割に基づく下位問題法を使用して再構成される。

0060

次に図面を参照して説明する。図面において、同様の参照符号は、いくつかの図面にわたって同一または対応する構成要素を示す。図1は特許文献1で検討されている第3世代と第4世代とのハイブリッド型システム等の複数の方法や幾何形状によるイメージングシステムを使用して画像を再構成する方法100を示す。例えば、図1は、図5及び図6に示すような、CTスキャナシステムによる再構成方法を示す。ここで、以下の処理は、図5及び図6に示す処理部570によって実行される。

0061

図1に示す方法100においては、まず、ステップ106で、処理部570が入力データ(例えば、検出器反応や測定アーチファクトについて予め補正されている投影データ)を収集する。

0062

次に、ステップ108で、処理部570は、再構成した画像について初期推定を求める。すなわち、処理部570は、以下の最適化ステップにおいて実行する画像再構成問題に用いる初期画像を生成する。一実施態様においては、この初期推定は、投影データの各種類(すなわち、それぞれの測定方法および/または測定幾何形状ごとの個別の画像)について画像再構成を個別に行うことにより求められる場合であってもよい。また、初期推定は、各個別の画像を組み合わせることで導出される組み合わせ画像であってもよい。例えば、各個別画像を組み合わせる処理は、全個別画像の平均値をとることで行うことができる。

0063

ステップ108の後、方法100においては、ステップ110に進み、処理部570が最適化ステップを実行する。ここで、最適化ステップの一実施態様においては、画像再構成問題はコスト関数最小化問題として書き直すことができ、その場合のコスト関数は以下の式(11)のように表される。

0064

0065

また、正則化項は、イメージング問題の具体的な詳細に基づいて選択することができる。例えば、正則化項は、負の吸収制約条件、二次正則化、ガウスマルコフ(Gaussian Markov)確率場による正則化等エッジ保存正則化、全変動最小化による正則化、およびベクトル全変動最小化による正則化のうちいずれかの項としてよい。

0066

上記したコスト関数の最小化の問題は、単一ステップの有制約最適化である以下の式(12)を用いて解くことができる。

0067

0068

ここで、分離可能二次代理(separable quadratic surrogate)に基づく順序部分集合アルゴリズム等の標準的な反復的手法、および共役勾配法を利用してこの無制約最適化問題を解くと、収束が遅くなる。それは、非対角な統計的重み付け行列「W1」および「W2」が対角でないこと、さらには「W1」の条件付けが不適切であって「W2」の動的範囲が広いことによるものであり、この問題は条件付けが不適切である。

0069

また、非対角な統計的行列を対角行列に置き換えることで、この最適化問題は最尤問題から最小二乗問題に変換される。上述した従来の反復的最適化手法を使用した場合には、最大事後確率(Maximum A Posteriori:MAP)解であるより良い画像品質を犠牲にすることと引き換えに、最小二乗法による定式化の収束は、通常、MAPによる定式化の収束よりも速くなる。しかしながら、本明細書での主眼は、画像品質を向上させるために、非対角な統計的重み付け行列を使用するものである、MAPによる定式化を解くことにある。したがって、最尤問題を解く方法でありながら収束速度の速い方法が望ましい。

0070

そこで、上記の単一ステップの有制約最適化問題を、拡張ラグランジュ法を利用して、以下の式(13)に示す無制約問題に書き直して解く。

0071

0072

ここで、式(13)に示す「D1」及び「D2」は問題の条件数を改善するために選んだ任意の対角行列であり、「η1」及び「η2」は修正双対変数(modified-dual variable)であり、閉形式の更新方程式を有する。

0073

複数の方法および/または幾何形状によるイメージングシステムについてのこれらの単一ステップの有制約最適化問題および単一ステップの無制約最適化問題はいずれも、最適化問題を下位部分に分割するのではなく最適化問題を単一ステップのまま扱うものであり、分割に基づく方法ではない。対照的に、図2ないし4は、最適化問題が下位問題に分割される、分割に基づく方法を示す。

0074

最適化問題を有制約問題として扱うか無制約問題として扱うかとともに、最適化ステップの具体的な詳細は、選択された最適化アルゴリズムに依存する。選択肢としては、例えば、反復座標降下法、ブロックベース座標降下、分離可能二次代理による順序部分集合アルゴリズム、(前処理付き)非線形共役勾配法、勾配降下法、(M)FISTA((Monotone) Fast Iterative Shrinkage Thresholding Algorithm)アルゴリズム、およびsplit-Bergman的な手法などがある。

0075

ステップ110の最適化ステップが完了すると、方法100ではステップ120の判定に進み、処理部570は停止基準が満たされたかどうか判断する。ここで、停止基準には、画像「f」および関連する値「g1」及び値「g2」の収束についての条件、ならびに実行された反復および/または動作の回数についての条件を含めることができる。一例を挙げると、画像の現在の値「fn+1」と更新前の画像の値「fn」との間の差尺度の値が所定の閾値を下回った場合、およびループ反復回数「n」が所定の値「nmax」に達した場合のいずれかに、停止基準が満たされたとすることができる。停止基準が満たされると、方法100では、ステップ130に進み、処理部570が結果を出力する。満たされていない場合、ループはステップ120からステップ110の最適化ステップに戻ることで続行される。

0076

このような非対角な統計的重み付き最適化問題は、問題をさらに下位問題に分割することにより、さらに効率的に解くことができる。それは、交互方向乗数法(ADMM)解と、拡張ラグランジュ乗数問題の下位問題への更なる分割との似方と同様である。この概念は、変数分割原理に基づく。変数分割は、補助的な変数および制約条件を導入することにより、複雑な問題を下位問題に分解する方法である。それらの下位問題は、元の問題に比べると比較的簡単に解くことができるので、計算コストが低減される。従来、変数分割は、データ忠実度項と正則化項を分離させることで反復的な断層撮影再構成の問題を解くことに適用されてきた。本明細書では、補助的な変数を導入し、それにより、元の問題をそれぞれの測定方法および/または幾何形状に対応する下位問題に分解する。

0077

ここで、拡張ラグランジュ方法およびADMM方法の詳細は、その開示内容全体が参照として本明細書に組み入れられる非特許文献1に記載されている。また、従来の変数分割に基づく反復的アルゴリズムに関する追加の情報は、その開示内容全体が参照として本明細書に組み入れられる非特許文献2に記載されている。

0078

図2は、2つの方法および/または幾何形状によるイメージングシステムに用いられる画像再構成の方法200を示す。ここで、図2に示す方法200は、方法100と同様に、ステップ206でパラメータを入力し、ステップ208で初期推定を求める2つのステップから始まる。そして、処理部570は、ステップ210において、以下の式(14)に示す最適化問題を解くことで第1のサイノグラムを更新し、ステップS212において、以下の式(15)に示す最適化問題を解くことで第2のサイノグラムを更新する。

0079

0080

0081

ここで、これら2つのサイノグラムの更新問題は並行して解くことができ、レイバイレイ(ray-by-ray)と呼ばれる手法を使用して効率的に解ける程度に簡潔である。一実施態様においては、処理部570は、これらサイノグラム更新方程式を解くために、以下の式(16)及び式(17)に示す行列解を使用する。

0082

0083

0084

そして、方法200においては、ステップ210および212に続いてステップ214に進み、画像が以下の式(18)に示す最適化問題にしたがって更新される。

0085

0086

ここで、ステップ214における画像の更新で画像最適化問題を解く手法はいくつかある。一実施態様においては、最適画像への収束のために勾配降下法を使用する。他の一実施形態では、最適画像への反復的な収束のために、正則化項を用いた代数的再構成技法による手法の変形例を使用する。

0087

一実施態様においては、ステップ214における画像最適化を解く手法の収束基準は、大反復ループ変数の値に依存する。大反復ループというのは、ステップ210からステップ220までの各ステップを含む反復的プロセスである。対照的に、ステップ210、212、および214に含まれる各最適化下位問題は、ある種の実施態様では、反復的方法を使用して解けるものであり、そのような各反復的方法は、小反復ループおよび小反復ループ変数を含む。反復ループについていう場合、「小」および「大」という表現は、その反復ループがステップ210、212、および214のうちの1ステップ内で完了する(すなわち、小反復ループ)か、方法における複数のステップにわたる反復ループである(すなわち、210から220までのステップにわたるループは、大反復ループ)かを示す。

0088

ある種の実施態様では、サイノグラム変数「チルダg1(n)」および「チルダg2(n)」ならびに画像変数「チルダf(n)」は、反復間で大きく変化する場合があり、特に大ループ初期段階の反復で顕著である。そのため、特に大ループの初期段階の反復においてステップ214の小ループ反復の回数を減らす(すなわち、最適化ステップを収束にまで至らせない)ことで、リソースの利用を効率化できる。これは、ステップ214での小反復ループにおいて、緩和した収束基準を使用すること、および/または反復の最大回数として小さな数を使用することにより実現できる。

0089

一実施態様において、ステップ214に対応する小反復ループの停止基準は、大ループ反復変数の値とは独立した所定の小さな数である反復回数に達した場合に小ループが停止するということである。別の一実施態様においては、ステップ214での小ループの停止基準は、大ループの反復回数に依存して条件付けられ、小ループは、大ループ反復変数が小さい場合は所定の小さな数である反復回数に達すると停止し、また、大ループ反復変数が小さくない場合は所定の大きな数である反復回数に達すると停止する。

0090

一実施態様においては、フィルタ補正逆投影法を使用して各システム行列等式が別々に解かれ、2つの個別の画像解は、例えば、2つの画像を平均することで一体化される。例えば、以下の式(19)を近似する前処理行列が、収束速度を向上する目的で画像最適化表現を前処理するために使用される。

0091

0092

方法200において、画像「f(n+1)」に更新すると、処理部570は、ステップ216にて、以下の式(20)及び式(21)に従って修正双対変数「η1」及び「η2」を更新する。

0093

0094

0095

ここで、修正双対変数を更新すると、処理部570は、方法200における判定のステップ220に進む。方法100のステップ120と同様に、ステップ220では、停止基準が満たされたかどうか判定する。停止基準には、画像「f」の収束ならびに値「g1」及び値「g2」の収束についての条件を含めることができる。停止基準には、さらに、実行された反復および/または動作の回数についての条件を含めることができる。例えば、画像の現在の値「fn+)」と更新前の値「fn」との間の差尺度の値が所定の閾値を下回った場合、およびループ反復回数「n」が所定の値「nmax」に達した場合のいずれかに、停止基準が満たされたとすることができる。停止基準が満たされると、処理部570は、方法200におけるステップ230に進み、結果を出力する。満たされていない場合、判定のステップ220からステップ210およびステップ212のサイノグラム更新ステップに戻ることで引き続き処理が続行される。

0096

図3は、2つの方法および/または幾何形状によるイメージングシステムの画像再構成に用いる方法300のフロー図を示す。ここで、図3に示す方法300は、方法100および方法200と同様に、この方法は、ステップ306でパラメータを入力し、ステップ308で初期推定を求める2つのステップから始まる。ここで、処理部570は、方法200と同様に、方法300においても、最適化問題を複数の下位問題に分割する。方法300では、2つの画像についての下位問題の解をそれぞれ求められる。一方の画像はCTシステムの第1の方法または幾何形状に対応し、第2の画像はCTシステムの第2の方法または幾何形状に対応する。方法300のステップ310では、処理部570は、第1の測定方法または幾何形状に対応する第1の画像を、以下の式(22)に示す更新式を用いて更新する。

0097

0098

同様に、方法300のステップ312では、処理部570は、第2の測定方法または幾何形状に対応する第2の画像を、以下の式(23)に示す更新式を用いて更新する。

0099

0100

ここで、ステップ310および312で最適化問題を解くには、多くの手法が使用可能である。例えば、最適化手法としては、従来の局所探索最適化法および大域探索最適化法(例えば、勾配降下法、確率的探索法等)がある。さらに、ART法も最適画像への反復的な収束に使用することができる。

0101

例えば、一実施態様においては、行列方程式を解くことではなく、フィルタ補正逆投影法を使用することによって、ステップ310および312それぞれのシステム行列方程式を解くことができる。かかる場合、第1の測定方法または幾何形状および第2の測定方法または幾何形状のそれぞれについて、別々の画像が得られる。異なる測定方法および/または幾何形状ごとに別々の画像を得た後、それら別々の画像を一体化して統合画像を得る。

0102

また、別の一実施態様においては、ステップ310および312で画像を更新するのに各ステップ内で済むように反復的方法が使用される場合、小ループ(すなわち、各ステップ310および312の内部で済むループ)は、大ループ(すなわち、310から320までのステップすべてにわたるループ)の各回の反復において少ない反復回数で実行される。小ループ反復の回数を制限することは、更新した画像「f(n+1)」および「チルダf(n+1)」が大ループ反復の各回で変動が大きい場合に意味があり、特に大ループの初期段階の反復で、より意味がある。

0103

ステップ310および312において、画像更新が完了すると、処理部570は、方法300における次のステップに進み、以下の式(24)の式に従ってステップ320で修正双対変数を更新する。

0104

0105

修正双対変数を更新すると、処理部570は、方法300における判定のステップ320に進む。方法100のステップ120および方法200のステップ220と同様に、ステップ320で停止基準が満たされたかどうか判定する。停止基準には、画像の「f(n+1)」値および「チルダf(n+1)」の収束についての条件、ならびに実行された反復および/または動作の回数についての条件を含めることができる。例えば、画像の現在の値「f(n+1)」および「チルダf(n+1)」と更新前の値「f(n+1)」および「チルダf(n+1)」との間の差尺度の値が所定の閾値を下回った場合、およびループ反復回数「n」が所定の値「nmax」に達した場合のいずれかに、停止基準が満たされたとすることができる。停止基準が満たされると、処理部570は、方法100におけるステップ330に進み、結果を出力する。満たされていない場合、処理部570は、判定のステップ320からステップ310の第1の画像を更新するステップに戻ることで引き続き処理を続行する。

0106

図4は、方法300の変形例である方法400のフロー図を示す。方法400と方法300との主要な違いは、ステップ416の追加である。方法400においては、第2のシステムの画像がビーム硬化アーチファクトの影響を受けており、第1のシステムの画像から、第2のシステムの投影データ「g2」に対しビーム硬化補正を行うための情報を得られる場合に適用できる。例えば、第2のシステムがエネルギー積分検出器を利用し、第1のシステムがスペクトル分解検出器(例えば、光子計数検出器)を利用しているような場合に適用可能である。

0107

ステップ416では、第2の測定方法または幾何形状によるシステムの投影データ「g2」がビーム硬化補正される。ステップ416を任意選択で行われる割り込みステップとしているのは、ビーム硬化補正は画像品質上の利点はあるが、ビーム硬化補正の利点の多くは大ループ反復の各回でこの補正を行わなくても得られることもあることを意味する。したがって、この補正は、大ループ反復を行っている間に一定の周期で行われるのであれば、一部の大ループ反復の回では省略することができる。

0108

ビーム硬化補正は、第2のシステムの投影データ「g2」を変更する結果になる。特許文献1で検討されているように、第3世代の幾何形状で配置されたエネルギー積分検出器での任意の測定方法または幾何形状を使用した投影データの各値についてのビーム硬化補正は、以下の式(25)によって計算される。

0109

0110

ここで、式(25)における「S3rd(E)」は放射線を吸収する被検体OBJの不在時(すなわち、被検体OBJが空気である時)にエネルギー積分検出器によって検出されるエネルギースペクトルであり、「L1(3rd)」および「L2(3rd)」はエネルギー積分検出器に入射するX線の軌跡に対応する積分経路「l」に沿った第1の物質の投影長さおよび第2の物質の投影長さである。平均吸収係数についての偏差は、以下の式(26)及び式(27)によって求められ、平均吸収係数は、以下の式(28)及び式(29)によって求められる。

0111

0112

0113

0114

0115

ここで、式(28)及び式(29)の「S3rd(E,l)」における「l」は、X線ビームの線軌跡が異なるとエネルギースペクトルも異なり得るという事実を反映したものである。第2のシステムの各投影値は、以下の式(30)によって求められる。

0116

0117

式(30)に基づいて、ステップ416において以下の式(31)に示す補正式を用い、投影値をビーム効果補正することができる。

0118

0119

一実施態様においては、上述したビーム硬化補正は、ループ反復変数「n」が、「nBHC」によって与えられる値で割り切れる数になった時に行われる。それ以外では、ビーム硬化補正は大ループにおいて省略される。例えば、大ループ反復5回ごとにビーム硬化補正を1回行うのであれば、「nBHC=5」である。

0120

図5および図6はそれぞれ、エネルギー積分検出器が第3世代の幾何形状で配置されるとともに光子計数検出器(PCD)が第4世代の幾何形状で配置されているハイブリッド型システムを備えるCTスキャナシステムの概略図を示す。図5は、その開示内容全体が参照として本明細書に組み入れられる特許文献2で検討されているような、X線源512がPCDリングの内側に位置するとともに、X線検出器ユニット503がPCDリングの外側に位置する結合リング型トポロジーを示す。一方、図6は、その開示内容全体が参照として本明細書に組み入れられる特許文献3で検討されているような、X線源512およびX線検出器ユニット503の両方がPCDリングの外側に位置する内部リング型トポロジーを示す。

0121

図5は、CTスキャナシステムにおいて、所定の第3世代の幾何形状で配置された検出器ユニット503との組み合わせで所定の第4世代の幾何形状のPCDを配置する実施態様を示す。この図は、寝台516に横になっているスキャンの対象である被検体OBJ、X線源512、コリメータまたはフィルタ514、X線検出器503、および光子計数検出器PCD1〜PCDNの相対位置を示す。これらのPCDは、前面が被検体OBJに対向しており、背面は被検体OBJに対向していない。被検体OBJを透過するX線は、PCD(前面にあるもの)に検出されるか、疎に配置されたPCD間の空間を通過した後にX線検出器503に密に実装されたエネルギー積分検出器に検出されるかのいずれかである。

0122

図5は、X線投影データを収集し、記憶し、処理し、提供するための回路およびハードウェアも示す。これらの回路およびハードウェアは、処理部570、ネットワーク制御部574、メモリ578、およびデータ収集システム576を備える。

0123

一実施態様においては、X線源512およびコリメータまたはフィルタ514は、ガントリ540に対して回転可能に取り付けられた回転部材510に固定して取り付けられる。X線検出器503も同様に、ガントリ540に対して回転可能に取り付けられた回転部材530に固定して取り付けられる。PCDは、ガントリ540に固定して取り付けられた円形部材520に固定して取り付けられる。ガントリ540には、CTスキャナの多くの構成要素が収容される。

0124

CTスキャナのガントリは、開放された開口615(図6に示す)を備えており、寝台516上に載せられた被検体OBJを、X線源から出射され各PCDおよび検出器ユニット503まで進むX線の投影面に位置付けることができる。「投影面」とは、X線がX線源512から各PCDおよび検出器ユニット503を含む検出器まで透過するボリュームである。「被検体空間」とは、投影面とガントリの開放された開口615との交差領域である。「画像空間」は、X線源512がガントリの開口の周囲を回転する際の、X線源512のすべての投影角度に対応する投影面の和集合である。一般的に、画像空間は被検体空間より大きいので、ガントリの開口を超えてガントリ540の構造にかかる程度にまでわたるボリュームについての画像再構成が可能になる。

0125

被検体OBJが被検体空間に置かれ、X線源が一連の投影角度を通過しながら回転して、CTスキャナが各投影角度で被検体OBJを通るX線の透過や減衰の投影データを収集することで、スキャンが行われる。

0126

一般には、各光子計数検出器PCD1〜PCDNは、所定数エネルギービンのそれぞれについて光子の数を出力する。図5に示す実施態様では、第4世代の幾何形状で配置された光子計数検出器PCD1〜PCDNに加え、エネルギー積分検出器が従来の第3世代の幾何形状で配置された検出器ユニット503を備える。検出器ユニット503の検出器素子は、検出器ユニットの表面に、光子計数検出器よりも高い密度で配置できる。

0127

一実施態様において、光子計数検出器は、例えば円形である所定の幾何形状で被検体OBJの周囲に疎に配置される。例えば、光子計数検出器PCD1〜PCDNは、ガントリ内の所定の第2の円形部材520に固定して配置される。一実施態様において、光子計数検出器PCD1〜PCDNは、円形部材520上の等間隔の所定の位置に固定して配置される。別の実施態様においては、光子計数検出器PCD1〜PCDNは、円形部材520上の間隔が異なる所定の位置に固定して配置される。円形部材520は、データ収集中には被検体OBJに対して固定された状態のまま回転しない。

0128

光子計数検出器PCD1〜PCDNは被検体OBJに対して固定されるが、X線源512、コリメータ514(例えば、線量補償フィルタ)、および検出器ユニット503は、被検体OBJの周囲を回転する。一実施態様においては、X線源512は、疎に配置された光子計数検出器PCD1〜PCDNの外側で被検体OBJの周囲を回転しながら、被検体OBJに向けて所定の線源ファンビーム角度θAでX線照射を行う。さらに、検出器ユニット503は、被検体OBJを挟んでX線源512と180度反対の位置に設置され、光子計数検出器PCD1〜PCDNが所定の疎な配置に固定された円形部材520の外側を回転する。

0129

一実施態様においては、X線源512が、被検体OBJに対して相対的にらせん状経路で動くことを選択可能にする。その態様では、回転部材510によりX線源512および検出器ユニット503を回転部材510の回転面で回転させながら、寝台516により被検体OBJを回転面と直交する所定の方向に直線的に移動させる。

0130

被検体OBJの周囲での回転部材510の動きは、動作制御システムによって制御される。動作制御システムは、データ収集システムと統合されてもよく、または、分離され、回転部材510の角度位置および寝台516の直線上の位置についての一方的な情報を提供してもよい。動作制御システムは、位置エンコーダを備え、回転部材510および寝台516の位置を制御するフィードバックを行うようにしてよい。動作制御システムは、開ループ系であっても、閉ループ系であっても、開ループ系と閉ループ系の組み合わせであってもよい。動作制御システムは、回転部材510の位置および寝台516の位置についてのフィードバックに直線エンコーダおよび回転エンコーダを使用できる。動作制御システムは、回転部材510の動きおよび寝台516の動きの駆動にアクチュエータを使用できる。これらのポジショナおよびアクチュエータは、例えば、ステッパモータDCモータウォーム駆動ベルト駆動、および当業者が知るその他のアクチュエータである。

0131

CTスキャナは、光子計数検出器および検出器ユニット503からの投影測定結果を、データ収集システム576、処理部570、メモリ578、ネットワーク制御部574へ送信するデータチャネルを備える。データ収集システム576は、検出器からの投影データの収集、デジタル化、および経路指定を制御する。データ収集システム576はさらに、環状の回転フレーム510および530の回転を制御するX線撮影制御回路を備える。一実施態様において、データ収集システム576はさらに、寝台516の動き、X線源512の作動、およびX線検出器503の作動を制御する。データ収集システム576は、集中型のシステムであってよいが、分散型のシステムであってもよい。一実施態様においては、データ収集システム576は処理部570と一体化されていてもよい。処理部570は、投影データからの画像再構成、投影データの再構成前処理、および画像データの再構成後処理等の機能を実行する。

0132

投影データの再構成前処理には、検出器較正、検出器非線形性極性効果、ノイズバランシング、および物質分解についての補正を含めることができる。

0133

再構成後処理には、必要に応じて、画像のフィルタリングおよび平滑化ボリュームレンダリング処理、および画像の差分処理を含めることができる。画像再構成プロセスは、フィルタ補正逆投影、反復的画像再構成法、または確率的画像再構成法を用いて行うことができる。処理部570およびデータ収集システム576のいずれもが、例えば、投影データ、再構成した画像、較正のデータおよびパラメータ、およびコンピュータプログラムを記憶させるためにメモリ576を使用できる。

0134

処理部570は、離散論理ゲートとして、特定用途向け集積回路(Application Specific IntegratedCircuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、またはその他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)としての実装が可能な中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)を備えることができる。FPGAまたはCPLDとしての実施態様は、超高速集積回路設計用ハードウェア記述言語(VHSIC (Very High Speed Integrated Circuit) Hardware Description Language:VHDL)、Verilog、または他のどのようなハードウェア記述言語でプログラムされてもよく、そのプログラムコードはFPGAまたはCPLD内部の電子メモリ直接記憶されてもよいし、別の電子メモリに記憶されてもよい。さらに、メモリは、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のように不揮発性であってよい。メモリは、スタティックRAM(Random Access Memory)、ダイナミックRAM等のように揮発性とすることもでき、その場合、電子メモリだけでなくFPGAまたはCPLDとメモリとの間の連携を管理するマイクロコントローラマイクロプロセッサ等の処理部を設けてもよい。

0135

代替として、再構成処理部におけるCPUは、本明細書に記載の機能を実施するコンピュータ可読な命令集合を含むコンピュータプログラムを実行してよく、そのプログラムは、上述の非一時的な電子メモリおよび/またはハードディスクドライブ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュドライブ、または他の任意の既知の記憶媒体に記憶されている。さらに、それらのコンピュータ可読な命令は、ユーティリティアプリケーションバックグラウンドデーモンオペレーティングシステムの一部、またはそれらの組み合わせとして提供され、米国インテル社のXenonプロセッサまたは米国AMD社のOpteronプロセッサ等のプロセッサ、およびMicrosoft VISTA、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple MAC−OS、および当業者既知のその他のオペレーティングシステム等のオペレーティングシステムと連携して実行される。さらに、CPUは、命令を実行するために並行して協調して動作する複数のプロセッサとして実装することもできる。

0136

一実施態様においては、再構成した画像はディスプレイに表示することができる。ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、または当業者が知る他の任意のディスプレイでよい。

0137

メモリ578は、ハードディスクドライブ、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブDVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROM、または当業者が知る他の任意の電子記憶装置でよい。

0138

米国インテル社のネットワークインターフェースカードであるIntel Ethernet PRO等のネットワーク制御部574により、CTスキャナの各部間のインターフェースをとることができる。また、ネットワーク制御部574により、外部ネットワークとのインターフェースをとることができる。当然のことながら、外部ネットワークは、インターネット等の公共ネットワーク、LANまたはWAN等の専用ネットワーク、またはその組み合わせであってよく、PSTNまたはISDNサブネットワークを含んでもよい。また、外部ネットワークは、イーサネット(Ethernet(登録商標))ネットワークのように有線であってもよいし、EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)、3G、および4G等の無線携帯電話通信システムを含む携帯電話通信ネットワークのように無線であってもよい。さらに、無線ネットワークは、WiFi、Bluetooth(登録商標)、または知られている他の任意の無線通信形態であってよい。

0139

一実施態様においては、X線源512は、単一のエネルギー源とする選択ができる。別の一実施態様においては、X線源512は、所定の高レベルエネルギーおよび所定の低レベルエネルギーでX線を曝射する管電圧切り替え機能を実行するように構成される。さらに別の一実施形態においては、X線源512は、広範囲なX線エネルギースペクトルを曝射する単一の線源である。さらに他の一実施形態においては、X線源512は、複数のX線エミッタを備え、各エミッタは空間的にもスペクトル的にも相異なる。

0140

検出器ユニット503は、光電子増倍管またはアバランシェフォトダイオードを用いたシンチレータ素子等のエネルギー積分検出器を使用して、X線照射とシンチレータ素子とが相互作用して起こるシンチレーション現象の結果生じるシンチレーション光子を検出することができる。シンチレータ素子は、結晶構造のもの(例えば、NaI(Tl)、CsI(Tl)、CsI(Na)、CsI(純粋)、CsF、KI(Tl)、LiI(Eu)、BaF2、CaF2(Eu)、ZnS(Ag)、CaWO4、CdWO4、YAG(Ce)、Y3Al5O12(Ce)、GSO、LSO、LaCl3(Ce)、LaBr3(Ce)、LYSO、BGO、LaCl3(Ce)、LaBr3(Ce)、C14H10、C14H12、およびC10H8)、有機液体(例えば、p−テルフェニル(C18H14)、PBD(C20H14N2O)、ブチルPBD(C24H22N2O)、またはPPO(C15H11NO)等の蛍光体を含む有機溶液)、可塑性物質(例えば、固体ポリマーマトリックス中に懸濁した蛍光体を含む)、または知られている他の任意のシンチレータであってよい。

0141

PCDは、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、シリコン(Si)、ヨウ化水銀(HgI2)、およびヒ化ガリウムGaAs)等の半導体をベースにした直接的なX線照射検出器であってよい。一般的に、半導体ベースの直接的なX線検出器は、シンチレータ検出器等の間接的な検出器より反応時間がはるかに速い。直接的な検出器では反応速度が速いため、X線検出事象を個別に解決することができる。しかしながら、X線の臨床上の適用例で通常使用される高エネルギーX線束では、X線検出事象のパイルアップが起こる。検出されたX線のエネルギーは、直接的な検出器で生成された信号と正比例するので、検出事象はエネルギービンに整理することができ、スペクトルCT用にスペクトル的に分解されたX線データが生成される。

0142

図6は、CTスキャナ用の内部リング型トポロジーを示す。図5のCTスキャナと図6のCTスキャナとの主要な違いは、図6では、X線源512とX線源512が固定される回転部材610とが、PCDが固定される円形部材620の外側にあることである。

0143

一実施態様においては、疎に配置された光子計数検出器を有する第1の円形部材620の外側をX線源512が通る際に、PCDをその背後からの放射線から保護する保護用後部カバーを、各PCDの背面に設ける。

0144

光子計数検出器PCD1〜PCDNは開口615内の被検体OBJに対して固定されているのに対し、X線源512、コリメータ514(例えば、線量補償フィルタ)、および検出器ユニット503はいずれも、開口615内の被検体OBJの周囲を回転する。一実施態様においては、X線源512およびコリメータ514は、ガントリ540に搭載された第1の回転部材610に搭載されるので、X線源512は、疎に配置された光子計数検出器PCD1〜PCDNの外側で被検体OBJの周囲を回転しながら、被検体OBJに向けて所定の線源ファンビーム角度θAでX線照射を行う。さらに、第3世代の幾何形状で配置されたエネルギー積分検出器を備える検出器ユニット503が、ガントリ540に回転可能に固定された第2の回転部材630に搭載される。検出器ユニット503は、間に被検体OBJを挟んでX線源512と180度反対の位置に保持され、回転部材610および630は、光子計数検出器PCD1〜PCDNが所定の疎な配置に固定された円形部材620の外側を回転する。

0145

以上、説明したとおり、本実施形態によれば、複数の検出器によってそれぞれ収集された複数の投影データを用いて生成される画像の画質を向上させることができる。

0146

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0147

10、300 PETスキャンシステム
30 寝台

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