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課題

本発明は希土類永久磁石材料の製造方法を提供する。

解決手段

本発明に係る製造方法は霧化噴霧塗着プロセスと浸透プロセスを含み、浸透させる前に予め霧化噴霧塗着された焼結希土類磁石密閉容器の中に置く。焼結R1-Fe(Co)-B-A-X-M希土類磁石の表面に重希土類元素を含有する溶液を霧化噴霧塗着させ、焼き付けてから熱処理することにより、噴霧塗着された重希土類元素を焼結希土類磁石の粒界相に浸透させる。本発明の製造方法を採用する場合に、伝統的なプロセスに比べると重希土類元素の使用量を節約し、生産コストを低減できる。さらに、本発明の製造方法は残留磁束密度の低下が少なくて、磁石保磁力を大幅に向上させるとともに、磁石の残留磁束密度の温度係数と保磁力の温度係数を顕著に低下させ、磁石の高温での消磁抵抗性能を顕著に改善させることができる。

概要

背景

Nd2Fe14B型化合物を主相とするR1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類焼結磁石は、電子自動車コンピューターエネルギー機械医療器械等の多数の分野において広く応用されている。焼結磁石は、電気機械等の各種の装置で使用されるとき、高温での使用条件適応するために、磁石が、耐熱性に優れ、温度係数が低く、高温での残留磁束密度保磁力減衰幅が小さいことが要求される。現在、伝統的なプロセスでは、溶融過程に中重希土類金属加入することにより磁石の保磁力を向上させる。しかし、中重希土類の置き換えは主相の結晶粒界の近傍だけではなく、結晶粒の内部まで行われるため、不可避な残留磁束密度の損失も招く。一方、同様の性能を得るために、伝統的なプロセスでは、より多くの中重希土類を添加する必要がある。近年の中重希土類資源欠乏及び価格の上昇を考慮して、伝統的なプロセスに新たな要求がなされている。すなわち、R1-Fe(Co)-B-A-X-M系永久磁石材料の残留磁束密度の低下を効率的に抑えるとともに保磁力を顕著に向上させ、且つ原材料コストを大幅に低下させることが要求されている。なお、R1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類焼結磁石の温度特性を改善して、高温での保磁力の減衰幅をより小さくするために、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)及びガドリニウム(Gd)を磁石の粒界相浸透させることによって、磁石の高温での保磁力の減衰幅を好適に低くできる。

上記の理由から、新エネルギー自動車モータ用磁石に対する、高温で十分な消磁抵抗性能を有するという特別な要求を満たすために、現在の原材料のコスト上昇、特に中重希土類金属の欠乏の現状に応じて、中重希土類金属の添加だけで磁石の保磁力を向上させて磁石の耐熱性を満たすという伝統的なプロセスを改良するためにも、中重希土類の使用を減少させて原材料のコストを節約し、磁石の温度係数も改善できる新しいプロセスを開発する必要がある。

従来、重希土類の酸化物或いはフッ化物粉末を酸溶剤に溶解してなるものに磁石を浸漬してから取り出して乾かし、この磁石をアルゴンガス炉で熱拡散処理を行い、そして焼鈍処理を行う、焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石合金変性させる加工プロセスが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、まず希土類フッ化物粉末と無水アルコール混合液を調製し、浸漬によってネオジム-鉄-ボロン磁石材料の表面に上記の混合液をコーティングし、そして表面に混合液がコーティングされたネオジム-鉄-ボロン磁石材料を真空加熱炉内に置いて浸透処理を行い、最後に焼戻し処理を行うことにより、ネオジム-鉄-ボロン磁石材料の保磁力を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、上記方法は、磁石の保磁力を十分に向上させることができず、しかも原材料の浪費が深刻である。

さらに、焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石シートの表面に、重希土類元素を含有し且つ常温常圧の条件下での粘度が0.1〜500mPa.sである懸濁液を均一に吹きつけ、乾かす処理を行って焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石シートの表面に重希土類元素を含有する塗層を得、そして不活性ガス雰囲気に乾かされた焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石シートに対して拡散処理時効処理とを行うことにより、焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石の磁気特性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、R2の酸化物、R3のフッ化物およびR4の酸フッ化物から選ばれた1種又は2種以上の成分を含む粉末が、前記磁石の成形体の表面からの距離が1mm以下の磁石包囲空間に存在する、希土類永久磁石材料の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、上記文献には、中重希土類元素を含む混合溶液霧化して磁石の表面に噴霧塗着する記載或いは示唆がなされていないため、中重希土類が十分に利用されていない。

なお、磁石を混合粉末に埋めて浸透させる、高残留磁束密度且つ高保磁力の希土類永久磁石材料の製造方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、当該製造方法では浸透効果が悪く、しかも、中重希土類化合物の浪費が深刻である。

概要

本発明は希土類永久磁石材料の製造方法を提供する。本発明に係る製造方法は霧化噴霧塗着プロセスと浸透プロセスを含み、浸透させる前に予め霧化噴霧塗着された焼結希土類磁石密閉容器の中に置く。焼結R1-Fe(Co)-B-A-X-M希土類磁石の表面に重希土類元素を含有する溶液を霧化噴霧塗着させ、焼き付けてから熱処理することにより、噴霧塗着された重希土類元素を焼結希土類磁石の粒界相に浸透させる。本発明の製造方法を採用する場合に、伝統的なプロセスに比べると重希土類元素の使用量を節約し、生産コストを低減できる。さらに、本発明の製造方法は残留磁束密度の低下が少なくて、磁石の保磁力を大幅に向上させるとともに、磁石の残留磁束密度の温度係数と保磁力の温度係数を顕著に低下させ、磁石の高温での消磁抵抗性能を顕著に改善させることができる。1

目的

本発明は、重希土類元素の使用量を大幅に低下させて、生産コストを節約する希土類永久磁石材料の製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

元素R2を含有する溶液霧化して焼結希土類磁石に対して噴霧塗着し、噴霧塗着された焼結希土類磁石を焼き付け霧化噴霧塗着工程S2)と、霧化噴霧塗着工程S2)により得られた焼結希土類磁石を熱処理する浸透工程S3)と、を含み、前記焼結希土類磁石がR1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類磁石であり、R1がNd、Pr、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Er、Eu、Sm、Gd、Pm、Tm、Yb、Lu、Y、及びScから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、Bがホウ素を示し、AがH、Li、Na、K、Be、Sr、Ba、Ag、Zn、N、F、Se、Te、Pb、及びGaから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、XがS、C、P、及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、MがTi、Ni、Bi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、Sb、Ge、Sn、Zr、Hf 、及びSiから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、R2がTb、Dy、Ho、及びGdから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、浸透工程S3)を行う前に、予め霧化噴霧塗着工程S2)により得られた焼結希土類磁石を密閉容器の中に置く、ことを特徴とする希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項2

霧化噴霧塗着工程S2)において、前記元素R2を含有する溶液は元素R2を含有する物質有機溶剤に分散させてなり、有機溶剤1ミリリットル当たりに元素R2を含有する物質0.3〜0.8グラムを含有することを特徴とする請求項1に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項3

霧化噴霧塗着工程S2)において、前記元素R2を含有する物質は元素R2のフッ化物酸化物および酸フッ化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項4

霧化噴霧塗着工程S2)において、前記元素R2を含有する物質の平均粒度は3μm未満であることを特徴とする請求項2に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項5

霧化噴霧塗着工程S2)において、前記有機溶剤は脂肪族炭化水素脂環式炭化水素アルコールおよびケトンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項6

霧化噴霧塗着工程S2)において、焼き付け温度は50〜200℃であり、焼き付け時間は0.5〜5時間であることを特徴とする請求項1に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項7

浸透工程S3)において、熱処理温度は600〜1200℃であり、絶対真空度は0.01Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項8

霧化噴霧塗着工程S2)における前記焼結希土類磁石を製造する磁石製造工程S1)と、浸透工程S3)により得られた焼結希土類磁石について時効処理を行う時効処理工程S4)と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項9

前記磁石製造工程S1)は希土類磁石原料溶融させ、溶融された希土類磁石原料を母合金に形成する溶融工程S1-1)と、溶融工程S1-1)により得られた母合金を解砕して磁粉とする製粉工程S1-2)と、配向磁界の作用で、製粉工程S1-2)により得られた磁粉をプレスして焼結グリーン体成形する成形工程S1-3)と、成形工程S1-3)により得られた焼結グリーン体を焼結成形し、焼結希土類磁石を形成する焼結工程S1-4)と、を含むことを特徴とする請求項8に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

請求項10

時効処理工程S4)において、時効処理温度は300〜900℃であり、時効処理時間は0.5〜10時間であることを特徴とする請求項8に記載の希土類永久磁石材料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、希土類永久磁石材料の製造方法に関し、特に、焼結R1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類永久磁石の製造方法に関する。

背景技術

0002

Nd2Fe14B型化合物を主相とするR1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類焼結磁石は、電子自動車コンピューターエネルギー機械医療器械等の多数の分野において広く応用されている。焼結磁石は、電気機械等の各種の装置で使用されるとき、高温での使用条件適応するために、磁石が、耐熱性に優れ、温度係数が低く、高温での残留磁束密度保磁力減衰幅が小さいことが要求される。現在、伝統的なプロセスでは、溶融過程に中重希土類金属加入することにより磁石の保磁力を向上させる。しかし、中重希土類の置き換えは主相の結晶粒界の近傍だけではなく、結晶粒の内部まで行われるため、不可避な残留磁束密度の損失も招く。一方、同様の性能を得るために、伝統的なプロセスでは、より多くの中重希土類を添加する必要がある。近年の中重希土類資源欠乏及び価格の上昇を考慮して、伝統的なプロセスに新たな要求がなされている。すなわち、R1-Fe(Co)-B-A-X-M系永久磁石材料の残留磁束密度の低下を効率的に抑えるとともに保磁力を顕著に向上させ、且つ原材料コストを大幅に低下させることが要求されている。なお、R1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類焼結磁石の温度特性を改善して、高温での保磁力の減衰幅をより小さくするために、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)及びガドリニウム(Gd)を磁石の粒界相浸透させることによって、磁石の高温での保磁力の減衰幅を好適に低くできる。

0003

上記の理由から、新エネルギー自動車モータ用磁石に対する、高温で十分な消磁抵抗性能を有するという特別な要求を満たすために、現在の原材料のコスト上昇、特に中重希土類金属の欠乏の現状に応じて、中重希土類金属の添加だけで磁石の保磁力を向上させて磁石の耐熱性を満たすという伝統的なプロセスを改良するためにも、中重希土類の使用を減少させて原材料のコストを節約し、磁石の温度係数も改善できる新しいプロセスを開発する必要がある。

0004

従来、重希土類の酸化物或いはフッ化物粉末を酸溶剤に溶解してなるものに磁石を浸漬してから取り出して乾かし、この磁石をアルゴンガス炉で熱拡散処理を行い、そして焼鈍処理を行う、焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石合金変性させる加工プロセスが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、まず希土類フッ化物粉末と無水アルコール混合液を調製し、浸漬によってネオジム-鉄-ボロン磁石材料の表面に上記の混合液をコーティングし、そして表面に混合液がコーティングされたネオジム-鉄-ボロン磁石材料を真空加熱炉内に置いて浸透処理を行い、最後に焼戻し処理を行うことにより、ネオジム-鉄-ボロン磁石材料の保磁力を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、上記方法は、磁石の保磁力を十分に向上させることができず、しかも原材料の浪費が深刻である。

0005

さらに、焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石シートの表面に、重希土類元素を含有し且つ常温常圧の条件下での粘度が0.1〜500mPa.sである懸濁液を均一に吹きつけ、乾かす処理を行って焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石シートの表面に重希土類元素を含有する塗層を得、そして不活性ガス雰囲気に乾かされた焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石シートに対して拡散処理時効処理とを行うことにより、焼結ネオジム-鉄-ボロン磁石の磁気特性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、R2の酸化物、R3のフッ化物およびR4の酸フッ化物から選ばれた1種又は2種以上の成分を含む粉末が、前記磁石の成形体の表面からの距離が1mm以下の磁石包囲空間に存在する、希土類永久磁石材料の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、上記文献には、中重希土類元素を含む混合溶液霧化して磁石の表面に噴霧塗着する記載或いは示唆がなされていないため、中重希土類が十分に利用されていない。

0006

なお、磁石を混合粉末に埋めて浸透させる、高残留磁束密度且つ高保磁力の希土類永久磁石材料の製造方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、当該製造方法では浸透効果が悪く、しかも、中重希土類化合物の浪費が深刻である。

先行技術

0007

CN101845637A
CN102181820A
CN104134528A
CN1898757A
CN10170107A

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、重希土類元素の使用量を大幅に低下させて、生産コストを節約する希土類永久磁石材料の製造方法を提供することを目的とする。本発明は、さらに磁石の温度係数を大幅に低下させることができる希土類永久磁石材料の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決するため、本発明は、
元素R2を含有する溶液を霧化して焼結希土類磁石に対して噴霧塗着し、噴霧塗着された焼結希土類磁石を焼き付け霧化噴霧塗着工程S2)と、
霧化噴霧塗着工程S2)により得られた焼結希土類磁石を熱処理する浸透工程S3)と、
を含み、
前記焼結希土類磁石がR1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類磁石であり、
R1がNd、Pr、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Er、Eu、Sm、Gd、Pm、Tm、Yb、Lu、Y、及びScから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、
Bがホウ素を示し、
AがH、Li、Na、K、Be、Sr、Ba、Ag、Zn、N、F、Se、Te、Pb及びGaから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、
XがS、C、P、及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、
MがTi、Ni、Bi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、Sb、Ge、Sn、Zr、Hf 、及びSiから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、
R2がTb、Dy、Ho、及びGdから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、
浸透工程S3)を行う前に、予め霧化噴霧塗着工程S2)により得られた焼結希土類磁石を密閉容器に入れる希土類永久磁石材料の製造方法を提供する。

0010

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、霧化噴霧塗着工程S2)において、前記元素R2を含有する溶液は元素R2を含有する物質有機溶剤に分散させてなり、有機溶剤1ミリリットル当たりに元素R2を含有する物質0.3〜0.8グラムを含有する。

0011

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、霧化噴霧塗着工程S2)において、前記元素R2を含有する物質は元素R2のフッ化物、酸化物および酸フッ化物から選ばれる少なくとも1種である。

0012

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、霧化噴霧塗着工程S2)において、前記元素R2を含有する物質の平均粒度は3μm未満である。

0013

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、霧化噴霧塗着工程S2)において、前記有機溶剤は脂肪族炭化水素脂環式炭化水素アルコールおよびケトンから選ばれる少なくとも1種である。

0014

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、霧化噴霧塗着工程S2)において、焼き付け温度は50〜200℃であり、焼き付け時間は0.5〜5時間である。

0015

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、浸透工程S3)において、熱処理温度は600〜1200℃であり、真空度は0.01Pa以下である。

0016

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、前記製造方法は、さらに、
霧化噴霧塗着工程S2)における前記焼結希土類磁石を製造する磁石製造工程S1)と、
浸透工程S3)により得られた焼結希土類磁石に対して時効処理を行う時効処理工程S4)と、
を含む。

0017

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、磁石製造工程S1)において時効処理を行わない。

0018

本発明に係る製造方法によれば、好ましくは、前記磁石製造工程S1)は、
希土類磁石原料を溶融させ、溶融された希土類磁石原料を母合金に形成する溶融工程S1-1)と、
溶融工程S1-1)により得られた母合金を解砕して磁粉を形成する製粉工程S1-2)と、
配向磁界の作用で、製粉工程S1-2)により得られた磁粉をプレスして焼結グリーン体成形する成形工程S1-3)と、
成形工程S1-3)により得られた焼結グリーン体を焼結成形し、焼結希土類磁石を形成する焼結工程S1-4)と、
をさらに含む。

発明の効果

0019

本発明は、浸透する前に予め霧化噴霧塗着された焼結希土類磁石を密閉容器に入れ、焼結希土類磁石の表面に重希土類元素を含有する溶液を霧化噴霧塗着させ、焼き付けてから熱処理することにより、噴霧塗着された重希土類元素を焼結希土類磁石の粒界相に浸透させ、時効処理して希土類永久磁石材料を製造する。本発明に係る製造方法は重希土類元素を霧化噴霧塗着すること及び/又は密閉容器内で浸透させることを採用し、伝統的なプロセスに比べると重希土類元素の使用量を節約し、生産コストを低減させ、磁石のコストパフォーマンスを向上させる。本発明の好適な態様によれば、本発明の製造方法を採用する場合に、残留磁束密度の低下を少なくし、磁石の保磁力を大幅に向上させることができる。本発明の好適な態様によれば、残留磁束密度の低下を少なくし、磁石の保磁力を大幅に向上させることができる。本発明の製造方法を採用する場合に、磁石の残留磁束密度の温度係数と保磁力の温度係数を顕著に低下させ、磁石の高温での消磁抵抗性能を顕著に改善させることができる。

図面の簡単な説明

0020

図1は本発明の霧化噴霧塗着装置動作原理の模式図である。

実施例

0021

以下、具体的な実施形態を参照して本発明についてさらに説明するが、本発明の保護範囲はこれらに限定されるものではない。

0022

本発明に係る「温度係数」は、残留磁束密度の温度係数と保磁力の温度係数を含む。それに関して、磁石の許容範囲で、磁石の環境温度を1℃変化させることによる残留磁束密度の変化のパーセンテージを残留磁束密度の温度係数とし、保磁力の変化のパーセンテージを保磁力の温度係数とする。

0023

本発明に係る「残留磁束密度」とは、飽和磁気ヒステリシス曲線において磁界強度がゼロである箇所の磁束密度数値を指し、一般的にはBr又はMrで表し、単位はテスラ(T)、又はガウス(Gs)である。

0024

本発明に係る「固有保磁力」とは、磁石の飽和磁化状態から磁界をゼロまで単調減少してから反対方向に増加する場合、磁化強度が飽和磁気ヒステリシス曲線にそってゼロに減少する時の磁界強度を指し、一般的にはHcj又はMHcで表し、単位はエールステッド(Oe)である。

0025

本発明に係る「磁気エネルギー積」とは、減磁曲線のいずれかの点の磁束密度(B)と対応する磁界強度(H)との積を指し、一般的にはBHで表す。BHの最大値は「最大磁気エネルギー積」と呼ばれ、一般的には(BH)maxで表し、単位はガウス・エールステッド(GOe)である。

0026

本発明に係る「重希土類元素」は、「イットリウム族元素」とも呼ばれ、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等の9種の元素を含む。

0027

本発明に係る「不活性雰囲気」とは、希土類磁石と反応せず、且つその磁性に影響を与えない雰囲気を指す。本発明において、前記「不活性雰囲気」は窒素ガス又は不活性ガスヘリウムガスネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスキセノンガス)からなる雰囲気を含む。

0028

本発明に係る「真空」とは、絶対真空度が0.1Pa以下であり、好ましくは、0.01Pa以下であり、より好ましくは、0.001Pa以下である状態を指す。本発明では、絶対真空度の数値が小さいほど、真空度が高くなることを示す。

0029

本発明に係る「平均粒度」とは、D50粒度を指し、それは粒度分布曲線において積算分布が50%である時の粒子の相当径の最大値である。

0030

本発明に係る製造方法は霧化噴霧塗着工程S2)と浸透工程S3)を含む。本発明に係る製造方法は、好ましくは、磁石製造工程S1)と時効処理工程S4)をさらに含む。

0031

<磁石製造工程S1)>
本発明に係る製造方法は、霧化噴霧塗着工程S2)における前記焼結希土類磁石を製造する磁石製造工程S1)を含むことが好ましい。本発明に係る焼結希土類磁石はR1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類磁石である。本発明において、Fe(Co)は、当該磁石がFeを含有し、且つ、Coを含有してもよいがCoを含有しなくてもよいことを意味する。即ち、R1-Fe(Co)-B-A-X-M系希土類磁石はR1-Fe-B-A-X-M系希土類磁石或いはR1-Fe-Co-B-A-X-M系希土類磁石を表す。

0032

本発明において、R1はNd、Pr、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Er、Eu、Sm、Gd、Pm、Tm、Yb、Lu、Y、及びScから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、好ましくは、Nd、Pr、La、Ce、Tb、Dy、Y、及びScから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、より好ましくは、NdとDyである。

0033

本発明において、Bはホウ素を示す。本発明において、AはH、Li、Na、K、Be、Sr、Ba、Ag、Zn、N、F、Se、Te、Pb、及びGaから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、好ましくは、Na、K、Pb、及びGaから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、より好ましくは、Gaである。

0034

本発明において、XはS、C、P、及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、好ましくは、C或いはCuであり、より好ましくは、Cuである。

0035

本発明において、MはTi、Ni、Bi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、Sb、Ge、Sn、Zr、Hf 、及びSiから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、好ましくは、Ti、Ni、Bi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Al、及びSiから選ばれる1種又は2種以上の元素であり、より好ましくは、Alである。

0036

本発明において、磁石製造工程S1)は、
希土類磁石原料を溶融させ、溶融された希土類磁石原料を母合金に形成する溶融工程S1-1)と、
溶融工程S1-1)により得られた母合金を解砕して磁粉を形成する製粉工程S1-2)と、
配向磁界の作用で、製粉工程S1-2)により得られた磁粉をプレスして焼結グリーン体を成形する成形工程S1-3)と、
成形工程S1-3)により得られた焼結グリーン体を焼結成形し、焼結希土類磁石を形成する焼結工程S1-4)と、
を含むことが好ましい。

0037

本発明の好適な実施形態によれば、磁石製造工程S1)はさらに下記の工程を含んでもよい。
焼結希土類磁石をカットするカット工程S1-5)。

0038

溶融工程S1-1)
ネオジム-鉄-ボロン磁石原料及びこれから製造される母合金の酸化を防止するために、本発明の溶融工程S1-1)は真空或いは不活性雰囲気中で行うことが好ましい。溶融工程S1-1)において、希土類磁石の原料とこれらの配合比率は特に制限されるものではなく、本分野に公知の原料と比率を使用してもよい。溶融工程S1-1)において、溶融プロセスインゴットキャストプロセス又はストリップキャストプロセス(Strip Casting)を採用することが好ましい。インゴットキャストプロセスは溶融したネオジム-鉄-ボロン磁石原料を冷却して凝固させ、合金インゴット(母合金)を製造するものである。ストリップキャストプロセスは溶融した希土類磁石原料を急冷して凝固させ、且つ、振って合金片(母合金)になる。本発明の一つの好適な実施形態によれば、溶融プロセスはストリップキャストプロセスを採用する。本発明のストリップキャストプロセスは真空で中間周波数の急速凝固誘導炉で行う。溶融温度は1100〜1600℃でよく、好ましくは1450〜1500℃である。本発明の合金片(母合金)の厚みは0.01〜5mmであってもよく、好ましくは、0.1〜1mmであり、より好ましくは、0.25〜0.35mmである。酸素含有量は2000ppm以下であり、好ましくは、1500ppm以下であり、より好ましくは、1200ppm以下である。本発明のもう一つの好適な実施形態によれば、原料を真空で中間周波数の急速凝固誘導炉に入れて、真空減圧して1Pa未満になるとアルゴンガス(Ar)を導入して保護し、加熱融化を行い、精錬が終わった後にネオジム-鉄-ボロン合金液を、回転している冷却銅ロールに注ぎ、厚みが0.25〜0.35mmである合金片(母合金)を製造し、合金液温度が1450〜1500℃の間で制御される。

0039

製粉工程S1-2)
本発明は製粉プロセスS1-2)を採用して粉料を得る。母合金及びこれを解砕して得られた磁粉の酸化を防止するために、本発明の製粉工程S1-2)は真空或いは不活性雰囲気中で行うことが好ましい。本発明の製粉プロセスS1-2)は、
母合金を解砕して粒度が大きい粗磁粉にする粗解砕工程S1-2-1)と、
粗解砕工程S1-2-1)により得られた粗磁粉を磨いて細い磁粉(粉料)にする粉磨き工程S1-2-2)と、
を含むことが好ましい。

0040

本発明において、粗解砕工程S1-2-1)により得られた粗磁粉の平均粒度は500μm以下であり、好ましくは、300μm以下であり、より好ましくは、100μm以下である。本発明において、粉磨き工程S1-2-2)により得られた細い磁粉の平均粒度は10μmであり、好ましくは、6μm以下であり、より好ましくは、3〜5μmである。

0041

本発明の粗解砕工程S1-2-1)において、機械解砕プロセス及び/又は水素解砕プロセス(Hydrogen Decrepitation)を採用して母合金を解砕して粗磁粉にする。機械解砕プロセスとは、機械解砕装置を使用して母合金を解砕して粗磁粉にするものである。前記機械解砕の装置は、ジョークラッシャー或いはハンマークラッシャーから選ばれたものであってもよい。水素解砕プロセスは、まず母合金を低温水素吸蔵させて母合金と水素ガスとの反応による母合金の格子体積膨張を引き出し、母合金を解砕して粗磁粉を形成し、そして、前記粗磁粉を加熱して高温で脱水素する。本発明の一つの好適な実施形態によれば、本発明の水素解砕プロセスは水素解砕炉で行うことが好ましい。本発明の水素解砕プロセスにおいて、水素吸蔵温度は20℃〜400℃であり、好ましくは、100℃〜300℃であり、水素吸蔵圧力は50〜600kPaであり、好ましくは、100〜500kPaであり、脱水素温度は400〜850℃であり、好ましくは、500〜700℃である。

0042

本発明の粉磨き工程S1-2-2)において、ボールミルプロセス及び/又はジェットミルプロセス(Jet Milling)を採用して前記粗磁粉を解砕して細い磁粉にする。ボールミルプロセスは機械ボールミル装置を採用して前記粗磁粉を解砕して細い磁粉にするものである。前記機械ボールミル装置は、回転ボールミル振動ボールミル或いは高エネルギーボールミルから選ばれたものであってもよい。ジェットミルプロセスは気流を利用して粗磁粉を加速した後に互いに衝突させて解砕するものである。前記気流は窒素ガス流であってもよく、好ましくは、高純度の窒素ガス流である。前記高純度の窒素ガス流におけるN2の含有量は99.0wt%以上でよく、好ましくは、99.9wt%以上である。前記気流の圧力は0.1〜2.0MPaでよく、好ましくは、0.5〜1.0MPa、より好ましくは、0.6〜0.7MPaである。

0043

本発明の一つの好適な実施形態によれば、まず、水素解砕プロセスによって母合金を解砕して粗磁粉にし、そしてジェットミルプロセスによって前記粗磁粉を解砕して細い磁粉とする。例えば、水素解砕炉で合金片を水素化し、低温水素吸蔵及び高温脱水素の反応で合金片が非常にルーズ(loose)な粒子になり、そしてジェットミルによって平均粒度が3.0〜5.0μmである料粉を製造する。

0044

成形工程S1-3)
本発明は成形工程S1-3)を採用してグリーン体を得る。磁粉の酸化を防止するために、本発明の成形工程S1-3)は真空或いは不活性雰囲気中で行うことが好ましい。成形工程S1-3)において、磁粉プレスプロセスはモールドプレスプロセス及び/又は等方圧プレスプロセスを採用することが好ましい。本発明の等方圧プレスプロセスは等方圧機で行ってもよい。圧力は1〜100MPaであってもよく、好ましくは、5〜50MPaであり、より好ましくは、15〜20MPaである。本発明の一つの好適な実施形態によれば、まず、モールドプレスプロセスを採用して磁粉をプレスし、そして、等方圧プレスプロセスを採用して磁粉をプレスする。本発明の成形工程S1-3)において、配向磁界方向と磁粉のプレス方向は相互に平行に配向し又は相互に垂直に配向する。配向磁界強度は特に制限されるものではないが、実際のニーズに応じて定めてもよい。本発明の好適な実施形態によれば、配向磁界強度は少なくとも1テスラ(T)であり、好ましくは、少なくとも1.5Tであり、より好ましくは、少なくとも1.8Tである。本発明の好適な実施形態によれば、本発明の成形工程S1-3)は以下の通りである。すなわち、料粉を磁界強度が1.8Tを超える磁界で配向してプレス成形し、そして消磁してグリーン体を取り出し、真空減圧して封止し、さらに封止したグリーン体材料を等方圧機に入れて15-20MPaで加圧し、保圧した後にグリーン体を取り出す。

0045

焼結工程S1-4)
焼結グリーン体の酸化を防止するために、本発明の焼結工程S1-4)は、真空或いは不活性雰囲気中で行うことが好ましい。本発明の好適な実施形態によれば、焼結工程S1-4)は真空焼結炉で行う。本発明において、焼結工程S1-4)の真空度は1.0Pa未満であってもよく、好ましくは、5.0×10-1Pa未満であり、より好ましくは、5.0×10-2Pa未満である。焼結温度は500〜1200℃であってもよく、好ましくは、700〜1100℃であり、より好ましくは、1060〜1120℃である。在焼結工程S1-4)において、焼結時間は0.5〜10時間であってもよく、好ましくは、1〜8時間であり、より好ましくは、3〜5時間である。本発明の好適な実施形態によれば、本発明の焼結工程S1-4)は以下の通りである。すなわち、成形されたグリーン体を高真空炉に入れて焼結し、真空度が5.0×10-2Pa未満になると昇温し始まり、750℃に到達した後当該温度で3〜5時間保持し、そして焼結温度を1060〜1120℃に調整してこの温度で2〜3時間保持した後に、アルゴンガス(Ar)を導入し、焼結グリーン体を60℃以下に冷却して母材を得る。

0046

カット工程S1-5)
本発明のカット工程S1-5)において、カットプロセススライス加工プロセス及び/又はワイヤ放電カットプロセスを採用する。本発明において、焼結希土類磁石を長さ1〜100mm、好ましくは2〜50mmの磁石にカットする。本発明において、焼結希土類磁石を配向方向の厚みが0.1〜30mmになるようにカットしてもよく、好ましくは、1〜20mmであり、より好ましくは、2〜15mmの磁石である。

0047

本発明において、磁石製造工程S1)は霧化噴霧塗着工程S2)の前に行うことが好ましい。コストを節約するために、磁石製造工程S1)には時効処理を行わない。

0048

<霧化噴霧塗着工程S2)>
本発明に係る製造方法は、元素R2を含有する溶液を霧化して焼結希土類磁石に噴霧塗着し、且つ噴霧塗着された焼結希土類磁石を焼き付ける霧化噴霧塗着工程S2)を含む。

0049

本発明において、前記元素R2を含有する溶液は、好ましくは元素R2を含有する物質を有機溶剤に分散させてなるものである。有機溶剤1ミリリットル当たり、元素R2を含有する物質0.3〜0.8グラム、好ましくは0.5〜0.6グラムを含有する。前記元素R2を含有する物質は特に制限されないが、元素R2を含有し且つ有機溶剤に分散されるものであればよく、好ましくは、元素R2を有するフッ化物、酸化物及び酸フッ化物から選ばれる少なくとも1種である。本発明において、前記元素R2を含有する物質は、平均粒度が3μm未満であることが好ましく、1μm未満であることがより好ましい。本願の発明者は、平均粒度が小さい元素R2を含有する物質を使用する場合、霧化効果により優れ、元素R2の希土類磁石に対する浸透がより十分であり、濃度がより高くなり、希土類磁石の温度係数の改善により有利であることを意外にも見出した。小さい平均粒度を得るために、粉磨き工程S1-2-2)と同様のプロセスを採用して前記元素R2を含有する物質を研磨してもよい。本発明の一つの好適な実施形態によれば、ジェットミルを採用して前記元素R2を含有する物質を研磨してもよい。前記ジェットミルの選別ホイール回転数は5000rpm以上であってもよく、好ましくは、7000rpm以上である。本発明において、前記有機溶剤は特に制限されないが、含有元素R2を含有する物質を溶解できるものであればよく、好ましくは、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、アルコール及びケトンから選ばれる少なくとも1種であり、具体な実例は、エタノール(アルコール)、ガソリンエチレングリコールプロピレングリコール或いはグリセリン等を含むが、これらに限定されるものではない。前記元素R2を含有する溶液中の元素R2を含有する物質と有機溶剤との比率は特に制限されるものではないが、実際のニーズに応じて定めてもよい。

0050

本発明の霧化噴霧塗着プロセスは、空気霧化噴霧塗着プロセス、エアレス霧化噴霧塗着プロセス、エアレスガス注入霧化噴霧塗着プロセス或いは超音波霧化噴霧塗着プロセスを採用してもよい。本発明の好適な実施形態によれば、霧化噴霧塗着プロセスは超音波霧化噴霧塗着プロセスを採用する。本発明の超音波霧化噴霧塗着プロセスは超音波振動器の中で元素R2を含有する溶液を均一に混合させ、高速気流装置によって霧化させ、且つ焼結希土類磁石の表面に均一に噴霧塗着させる。本発明の一つの好適な実施形態によれば、霧化噴霧塗着プロセスは図1に示すような霧化噴霧塗着装置中で行う。本発明の霧化噴霧塗着装置は溶液槽1、元素R2を含有する溶液2、超音波振動器3、霧化ノズル4、焼結希土類磁石5、回収槽6を含む。その作動原理は、溶液槽1に収容される元素R2を含有する溶液2を超音波振動器3の働きによって均一に混合して、霧化ノズル4で霧化した後に焼結希土類磁石5の表面に噴霧塗着し、過剰な霧化溶液が回収槽6に落下する。

0051

本発明の焼き付けプロセスは本分野において既知のものを採用してもよく、ここに贅言を重ねることはしない。焼き付け温度は、好ましくは、50〜200℃であり、より好ましくは、100〜150℃であり、焼き付け時間は、好ましくは、0.5〜5時間であり、より好ましくは、1〜3時間である。焼き付けた後に、元素R2を含有する物質が焼結希土類磁石の表面に均一で緻密に付着する。

0052

<浸透工程S3)>
本発明の浸透工程(すなわち拡散工程)S3)で霧化噴霧塗着工程S2)により得られた焼結希土類磁石を熱処理する。本発明の浸透工程S3)は焼結希土類磁石の表面に霧化噴霧塗着された元素R2を焼結希土類磁石の内部の粒界相に浸透させるための工程である。本願の発明者は、元素R2を焼結希土類磁石の粒界相に浸透させることによって、焼結希土類磁石の温度係数を改善できることを意外にも見出した。

0053

本発明の好適な実施形態によれば、浸透工程S3)を行う前に、予め霧化噴霧塗着工程S2)により得られた焼結希土類磁石を密閉容器の中に置く。前記密閉容器はステンレス鋼からなるものであることが好ましい。本願の発明者は、霧化噴霧塗着された焼結希土類磁石を密閉容器の中に置いた後に浸透工程S3)を行い、焼結希土類磁石の表面の元素R2を含有する物質が熱処理を経て蒸発し、且つ前記密閉容器の内部がある程度の濃度になることによって、元素R2の焼結希土類磁石の内部への浸透が有利になるとともに、元素R2の揮発による質量損失を減少できることを意外にも見出した。

0054

焼結希土類磁石の酸化を防止するために、本発明の浸透工程S3)は真空或いは不活性雰囲気中で行うことが好ましい。本発明の一つの好適な実施形態によれば、浸透工程S3)は真空浸透炉にて行ってもよい。本発明の熱処理温度は前記焼結希土類磁石を製造する時の焼結温度より低いほうがよく、好ましくは、400〜1100℃であり、より好ましくは、600〜1000℃である。焼結希土類磁石の表面の酸化層を除去するために、本発明の浸透工程S3)は、好ましくは、まず1000℃以下、好ましくは700〜850℃の温度で0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間保温し、そして、さらに1000℃以下、好ましくは900〜950℃の温度で1〜8時間、好ましくは3〜5時間保温する。本発明の浸透工程S3)の絶対真空度は、好ましくは0.01Pa以下であり、より好ましくは、0.001Pa以下であり、さらに好ましくは、0.0001Pa以下である。本願の発明者は、上記温度範囲内で熱処理することにより、焼結希土類磁石の表面の元素R2を含有する物質が真空加熱で全部蒸発されるとともに、形成される元素R2の原子は焼結希土類磁石の表面から焼結希土類磁石の内部の粒界相に拡散することを意外にも見出した。本発明の熱処理時間は0.5〜10時間であってもよく、好ましくは、2〜7時間である。

0055

本発明の好適な実施形態によれば、熱処理は、真空浸透炉の真空度が10-5Paに到達した後に加熱し始まり、温度を800℃に上昇して1〜1.5時間保温し、そして温度を900〜950℃に上昇して3〜5時間保温する。その温度で、希土類金属R2のフッ化物、酸化物或いは酸フッ化物は高真空加熱で全部蒸発されるとともに、形成される希土類金属原子は磁石の表面を通過して磁石粒界相に拡散する。

0056

<時効処理工程S4)>
本発明の時効処理工程S4)で焼結希土類磁石に対して時効処理を行う。焼結希土類磁石の酸化を防止するために、本発明の時効処理工程S4)は真空或いは不活性雰囲気中で行うことが好ましい。本発明において、時効処理の温度は300〜900℃であってもよく、好ましくは、400〜550℃であり、時効処理の時間は0.5〜10時間であってもよく、好ましくは、1〜6時間であり、より好ましくは、4〜5時間である。

0057

本発明の好適な実施形態によれば、時効処理工程S4)は浸透工程S3)の後に行われる。

0058

実施例1
実施例1の希土類永久磁石材料の製造方法の流れは以下の通りである。

0059

磁石製造工程 S1):
溶融工程 S1-1):原子パーセントで、Ndが13.8%、Dyが0.2%、Cuが0.15%、Coが1.2%、Alが0.3%、Bが5.85%、Gaが0.1%及び残りがFeであるように原料を配合して、原料を真空で中間周波数の急速凝固誘導炉に投入し、真空減圧して1Pa未満に到達した後にアルゴンガスを導入して保護しながら加熱溶融を行い、溶融した合金液を回転している冷却銅ロールに注ぎ、厚みが0.3mmである合金片を調製する。

0060

製粉工程 S1-2):水素解砕炉で溶融工程S1-1)により得られた合金片を低温水素吸蔵及び高温脱水素を介して粗磁粉に形成し、そして、窒素ガスを媒介とするジェットミルで前記粗磁粉を研磨して平均粒度4.0μmである細い磁粉にする。

0061

成形工程S1-3):磁界強度が1.8Tである磁界にて製粉工程S1-2)により得られた細い磁粉を配向させ、プレス成形して焼結グリーン体になり、そして消磁させた後焼結グリーン体を取り出し、真空減圧して封止し、さらに封止した焼結グリーン体を等方圧機に入れて15MPaで加圧し、保圧した後に焼結グリーン体を取り出す。

0062

焼結工程 S1-4):成形工程S1-3)により得られた焼結グリーン体を高真空炉に入れて焼結し、絶対真空度が5.0×10-2Pa超えると昇温し始まり、750℃に上昇してこの温度で4.5時間保持し、そして焼結温度を1065℃に調整して3時間保温を維持した後にアルゴンガスを導入して冷却させ、焼結希土類磁石を得る。

0063

カットプロセスS1-5):焼結工程S1-4)により得られた焼結希土類磁石をカットして、長さ30mm、幅10mm、配向15mmの磁石に加工する。

0064

磁石製造工程S1)により得られた浸透されていない焼結希土類磁石のサンプルの一部を取って時効処理を行い、そして、その磁気特性と温度特性を計測する(以下、比較サンプル1と称する)。

0065

S2)霧化噴霧塗着工程:磁石製造工程S1)により得られた時効処理されていない焼結希土類磁石のサンプルを図1に示すような霧化噴霧塗着装置に入れ、無水エタノール+フッ化テルビウム(TbF3)の溶液(無水エタノール1ミリリットル当たりにフッ化テルビウム0.5グラムを含有する)を霧化した後に焼結希土類磁石のサンプルに吹きつけ、そして、このサンプルをオーブンに入れて130℃で2時間焼き付ける。

0066

浸透工程 S3):霧化噴霧塗着工程S2)により得られたサンプルをステンレス鋼の密閉容器に入れ、且つ当該ステンレス鋼の密閉容器を真空浸透炉に入れて真空減圧し、絶対真空度が5.0×10-5Pa未満になると加熱し始まり、800℃に到達してから1.5時間保温する。その目的は磁石の表面の酸化層を除去することである。そして、温度を950℃に調整して3時間保温する。当該温度及び絶対真空度で、フッ化テルビウム(TbF3)は全部蒸発されるとともに、形成される金属テルビウム原子は焼結希土類磁石の表面から焼結希土類磁石内の粒界相に拡散する。保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却する。

0067

時効処理工程 S4):浸透工程S3)により得られた焼結希土類磁石を高真空炉で時効処理を行い、時効処理温度が500℃であり、4.5時間保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却して炉から取り出し、本発明の希土類永久磁石材料を得る。

0068

時効処理工程S4)により得られた希土類永久磁石材料について磁気特性と温度特性を計測する(以下、サンプル1と称する)。

0069

実施例2
実施例2の希土類永久磁石材料の製造方法の流れは以下の通りである。

0070

磁石製造工程 S1):実施例1の磁石製造工程S1)と同様である。

0071

霧化噴霧塗着工程 S2):磁石製造工程S1)により得られた時効処理されていない焼結希土類磁石のサンプルを図1に示すような霧化噴霧塗着装置に入れ、無水エタノール+酸化テルビウム(TbO3)の溶液(無水エタノール1ミリリットル当たり0.5グラムの酸化テルビウムを含有する)を霧化した後に焼結希土類磁石のサンプルに吹きつけ、そして、サンプルをオーブンに入れて130℃で2時間焼き付ける。

0072

浸透工程 S3):霧化噴霧塗着工程S2)により得られたサンプルをステンレス鋼の密閉容器に入れ、且つステンレス鋼の密閉容器を真空浸透炉に入れ、真空減圧し、絶対真空度が5.0×10-5Pa未満になると加熱し始まり、800℃に到達してから1.5時間保温する。その目的は磁石の表面の酸化層を除去することである。そして、温度を950℃に調整して3時間保温し、当該温度及び絶対真空度で酸化テルビウム(TbO3)は全部蒸発されるとともに、形成される金属テルビウム原子は焼結希土類磁石の表面から焼結希土類磁石内の粒界相に拡散する。保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却する。

0073

時効処理工程 S4):浸透工程S3)により得られた焼結希土類磁石を高真空炉で時効処理を行う。時効処理温度は500℃であり、4.5時間保温した後にアルゴンガス導入し、60℃までに冷却して炉から取り出し、本発明の希土類永久磁石材料を得る。

0074

時効処理工程S4)により得られた希土類永久磁石材料について磁気特性と温度特性を計測する(以下、サンプル2と称する)。

0075

実施例3
実施例3の希土類永久磁石材料の製造方法の流れは以下の通りである。

0076

磁石製造工程S1):実施例1の磁石製造工程S1)と同様である。

0077

霧化噴霧塗着工程 S2):磁石製造工程S1)により得られた時効処理されていない焼結希土類磁石のサンプルを図1に示すような装置に入れ、ガソリン+フッ化テルビウム(TbF3)の溶液(ガソリン1ミリリットル当たりにフッ化テルビウム0.5グラムを含有する)を霧化した後に焼結希土類磁石のサンプルに吹きつけ、そして、サンプルをオーブンに入れて130℃で2時間焼き付ける。

0078

浸透工程 S3):霧化噴霧塗着工程S2)により得られたサンプルをステンレス鋼の密閉容器に入れ、且つステンレス鋼の密閉容器を真空浸透炉に入れて真空減圧し、絶対真空度が5.0×10-5Pa未満になると加熱し始まり、800℃に到達してから1.5時間保温する。その目的は磁石の表面の酸化層を除去することである。そして、温度を950℃に調整して3時間保温し、該当温度及び絶対真空度でフッ化テルビウム(TbF3)は全部蒸発されるとともに、形成される金属テルビウム原子は焼結希土類磁石の表面から焼結希土類磁石内の粒界相に拡散する。保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却する。

0079

時効処理工程 S4):浸透工程S3)により得られた焼結希土類磁石を高真空炉で時効処理を行う。時効処理温度が500℃であり、4.5時間保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却して炉から取り出し、本発明の希土類永久磁石材料を得る。

0080

時効処理工程S4)により得られた希土類永久磁石材料について磁気特性と温度特性を計測する(以下、サンプル3と称する)。

0081

実施例4
実施例4の希土類永久磁石材料の製造方法の流れは以下の通りである。

0082

磁石製造工程 S1):実施例1の磁石製造工程S1)と同様である。

0083

霧化噴霧塗着工程 S2):磁石製造工程S1)により得られた時効処理されていない焼結希土類磁石のサンプルを図1に示すような霧化噴霧塗着装置に入れ、ガソリン+酸化テルビウム(TbO3)の溶液(ガソリン1ミリリットル当たりに酸化テルビウム0.5グラムを含有する)を霧化した後に焼結希土類磁石のサンプルに吹きつけ、そして、サンプルをオーブンに入れて130℃で2時間焼き付ける。

0084

浸透工程 S3):霧化噴霧塗着工程S2)により得られたサンプルをステンレス鋼の密閉容器に入れ、且つステンレス鋼の密閉容器を真空浸透炉に入れて真空減圧し、絶対真空度が5.0×10-5Pa未満になると加熱し始まり、800℃に到達してから1.5時間保温する。その目的は磁石の表面の酸化層を除去することである。そして、温度を950℃に調整して3時間保温し、該当温度及び絶対真空度で、酸化テルビウム(TbO3)は全部蒸発されるとともに、形成される金属テルビウム原子は焼結希土類磁石の表面から焼結希土類磁石の内部の粒界相に拡散する。保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却する。

0085

時効処理工程 S4):浸透工程S3)により得られた焼結希土類磁石を高真空炉で時効処理を行う。時効処理温度は500℃であり、4.5時間保温した後にアルゴンガスを導入し、60℃までに冷却して炉から取り出す。

0086

時効処理工程S4)により得られた希土類永久磁石材料について磁気特性と温度特性を計測する(以下、サンプル4と称する)。

0087

比較サンプル1及び本発明のサンプル1〜サンプル4の磁気特性と温度特性は表1で示す通りである。

0088

上記の実施例の効果から分かるように、本発明の希土類永久磁石材料の製造方法は、重希土類元素を焼結希土類磁石の粒界相に浸透させることによって、残留磁束密度の低下を少なくし、常温での磁石の保磁力を約7.4〜8.56kOe向上させ、磁石の保磁力を大幅に向上させ、且つ160℃及び180℃での磁石の残留磁束密度の温度係数と保磁力の温度係数を著しく低下させ、磁石の高温での消磁抵抗性能を顕著に改善した。さらに、本発明の希土類永久磁石材料の製造方法は、重希土類元素を霧化噴霧塗着することを採用し、且つ密閉容器の中に浸透を行い、伝統的なプロセスに比べると重希土類元素を50%〜80%節約し、希土類永久磁石材料の生産コストを低減し、磁石のコストパフォーマンスの向上という面で重要な意味をもつ。

0089

本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が想到できる任意の変形、改良、代替も本発明に含まれる。

0090

1溶液槽
2元素R2を含有する溶液
3超音波振動器
4霧化ノズル
5焼結希土類磁石
6 回収槽

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